(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】抗菌化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 498/04 20060101AFI20240227BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240227BHJP
A61P 31/06 20060101ALI20240227BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240227BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240227BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240227BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240227BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C07D498/04 111
A61P31/04
A61P31/06
A61K45/00
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
A61K31/4985
A61K31/519
C07D519/00 301
A61K31/5383
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556984
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2022056774
(87)【国際公開番号】W WO2022194906
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510020022
【氏名又は名称】ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】ギーユモン,ジェローム エミール ジョルジュ
(72)【発明者】
【氏名】モッテ,マガリ マドレーヌ シモン
(72)【発明者】
【氏名】ランプレヒト,ダーク アントニー
(72)【発明者】
【氏名】バルトロメ-ネブレダ,ホセ マニュエル
【テーマコード(参考)】
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF05
4C072GG01
4C072GG09
4C072HH02
4C072MM01
4C072MM02
4C072MM10
4C072UU01
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB35
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086CB22
4C086CB27
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB35
(57)【要約】
本発明は、以下の化合物(I)(式中、整数は明細書に定義されるとおりである)に関し、化合物は、例えば結核の治療における使用のための医薬として有用であり得る。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
Aは、芳香族又は非芳香族であってもよく、窒素及び硫黄から選択される1つ又は2つのヘテロ原子を任意選択的に含んでいる、5又は6員環であり、
Bは、X
1、X
2及びX
3のうちの少なくとも1つが窒素、硫黄及び酸素から選択されるヘテロ原子を表す5員ヘテロアリール基であり、
X
1は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9a)-を表し、
X
2は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9b)-を表し、
X
3は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9c)-を表し、
X
4は、=N-又は=C(R
9d)-を表し、
X
5は、=N-又は=C(R
9e)-を表し、
R
1は、ハロ(例えば、Cl、F)、-R
4a、-O-R
4b、-C(=O)-R
4c、-C(=O)-N(R
5)(R
6)、-CN及び-N(R
5a)R
5bから独立して選択される1つ又は2つ以上(例えば、1つ、2つ又は3つ)の任意選択的な置換基を表すか、又は、任意の2つのR
1基が一緒になって(前記Aの環の隣接原子に結合している場合)、1つ若しくは2つのヘテロ原子を任意選択的に含んでいる5若しくは6員環を形成してもよく、前記環は、1つ又は2つのC
1-3アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
R
2は、ハロ、及び-OC
1-3アルキルから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換された-C
1-4アルキルであり、
R
3は、H、-R
7a、-C(=O)-R
7b、-SO
2-R
8又はHet
1であり、
R
4a及びR
4bは、独立して、水素、又は、ハロ(例えば、F)、-O-CH
3及びフェニルから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキル(本明細書において言及されているような直鎖、分岐又は環式アルキルであってもよい)を表し、
R
4cは、-C
1-3アルキルであり、
R
5及びR
6は、独立して、H及び-C
1-3アルキルから選択され、
R
5a及びR
5bは、独立して、H、C
1-6アルキルを表すか、又はR
5a及びR
5bが、一緒に連結されて、3~6員環を形成し、
R
7aは、ハロ、-OC
1-3アルキル及びHet
2から選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキルを表し、
R
7bは、水素、又は、(1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)-C
1-3アルキルであり、
R
8は、Het
3、-N(R
5c)R
5d、又はハロ(例えば、F)及び-O-CH
3から選択される1つ若しくは2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキルであり、
R
5c及びR
5dは、独立して、H、C
1-6アルキルを表すか、又は、R
5c及びR
5dが、一緒に連結されて、3~6員環を形成し、
R
9a、R
9b、R
9c、R
9d及びR
9eは、独立して、H、ハロ、(それ自体、フルオロ、-CN、-R
10a、-OR
10b、-N(R
10c)R
10d及び/又は-C(O)N(R
10e)R
10fから選択される1つ又は2つ以上、例えば1つの置換基で任意選択的に置換された)C
1-4アルキル、又は、(それ自体、フルオロ、-R
10g、-OR
10h及び/又は-N(R
10i)R
10jから選択される1つ又は2つ以上、例えば1つの置換基で任意選択的に置換された)-O-C
1-4アルキルを表し、
R
10a、R
10b、R
10c、R
10d、R
10e、R
10f、R
10g、R
10h、R
10i及びR
10jは、独立して、水素、又は、(1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)C
1-3アルキルを表し、
Het
1、Het
2及びHet
3は、独立して、好ましくは窒素及び硫黄から選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有し、ハロ及び(それ自体、1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)C
1-3アルキルから選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された、5又は6員芳香環を表す]
の化合物、又は、その薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Aが、以下のように表され、
【化2】
式中、R
1a、R
1b及びR
1cが、請求項1に従って、前記独立して選択される1つ又は2つ以上のR
1の任意選択的な置換基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Bが、以下のように表され、
【化3】
式中、(XXII)~(XXIX)の右側が、環Cに連結されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
環Cが、以下:
【化4】
のとおり表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
環A及びCが、以下のとおりであり、
【化5】
整数R
1、R
2、R
3、X
1、X
2及びX
3が、請求項1で定義したとおりである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
環A、B及びCが、以下のとおりであり、
【化6】
【化7】
整数R
1、R
2及びR
3が、請求項1で定義したとおりである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
医薬品として使用するための、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
薬学的に許容される担体と、活性成分として治療有効量の請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項9】
マイコバクテリア感染(例えば、結核)の治療に使用するための、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
マイコバクテリア感染(例えば、結核)の治療のための医薬の製造のための、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
マイコバクテリア感染(例えば、結核)の治療方法であって、治療有効量の請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項12】
(a)請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、(b)1つ又は2つ以上の他の抗マイコバクテリア(例えば、抗結核)剤との組み合わせ。
【請求項13】
(a)請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、(b)1つ又は2つ以上の他の抗マイコバクテリア(例えば、抗結核)剤とを、細菌感染の治療において同時に、別々に又は連続して使用するための組み合わせ製剤として含有する製品。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製のための方法であって、
(i)式(XXXXII)の化合物:
【化8】
(式中、整数は請求項1で定義したとおりである)を、式(XXXXIII)の化合物:
【化9】
(式中、整数は請求項1で定義したとおりである)と反応させることと、
(ii)式(XXXXIV)の化合物:
【化10】
(式中、整数は請求項1で定義したとおりであり、R
13は好適な基、例えば好適な脱離基を表す)を、式(XXXXV)の化合物:
【化11】
(式中、R
3は請求項1で定義したとおりであり、R
14は好適な基、例えば好適な脱離基を表す)とカップリングすることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化合物に関する。本発明はまた、医薬品として使用するための、更にはMycobacterium tuberculosisなどの病原性マイコバクテリアによって引き起こされる疾患を含む細菌性疾患の治療において使用するための、かかる化合物に関する。かかる化合物は、M.tuberculosisにおいて、シトクロームbc1活性の阻害を主要な作用様式として、ATPシンターゼを阻害することによって作用し得る。したがって、主として、かかる化合物は抗結核剤である。
【背景技術】
【0002】
Mycobacterium tuberculosisは、世界中に分布する重篤で潜在的に致死的な感染症である結核(tuberculosis、TB)の原因病原体である。世界保健機関からの推定では、毎年800万人以上がTBに罹患し、毎年200万人が結核で死亡することが示されている。過去10年間で、TBの症例は世界中で20%増加し、最貧地域で最も負担が大きかった。これらの傾向が続く場合、TB発症率は、次の20年で41%増加するであろう。有効な化学療法の導入から50年経ち、TBは、世界における成人死亡率の主要な感染原因であるAIDSに次ぐ地位を維持している。TBの流行を複雑にしているのは、多剤耐性株の出現増加の傾向、及びHIVとの致命的な共生である。HIV陽性であり、かつTBに感染している人々は、HIV陰性である人々よりも活性のTBを発症する可能性が30倍高く、TBは、世界中でHIV/AIDSを有する3人に1人の死亡原因である。
【0003】
結核の治療に対する既存のアプローチはいずれも、複数の薬剤の組み合わせを含む。例えば、米国公衆衛生局(U.S.Public Health Service)によって推奨されるレジメンは、2ヶ月間のイソニアジド、リファンピシン及びピラジナミドの組み合わせ、続いて更に4ヶ月間のイソニアジド及びリファンピシンのみ、である。これらの薬物は、HIVに感染した患者においては更に7ヶ月間継続される。多剤耐性のM.tuberculosis株に感染した患者については、例えば、エタムブトール、ストレプトマイシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、エチオナミド、シクロセリン、シプロフロキサシン及びオフロキサシンなどの薬剤が併用療法に加えられる。結核の臨床治療において有効である単一の薬剤も、6ヶ月未満の期間の治療の可能性を提供する薬剤の任意の組み合わせも存在しない。
【0004】
患者及び提供者のコンプライアンスを容易にするレジメンを可能にすることによって現在の治療を改善する新しい薬物に対する高い医学的ニーズが存在する。より短いレジメン及びより少ない監督しか必要としないそれらが、これを達成するための最良の方法である。治療からの利益のほとんどは、4種の薬物が一緒に与えられる場合、最初の2ヶ月、集中期又は殺菌期の間に得られ、細菌負荷が大幅に減少し、患者は感染性ではなくなる。4~6ヶ月の、継続的又は滅菌的な段階が、残存する桿菌を排除し、再発のリスクを最小限にするために必要である。治療を2ヶ月以下に短縮する強力な滅菌薬であれば、非常に有益である。それほど集中的でない監督を必要とすることによってコンプライアンスを促進する薬物も必要とされている。明らかに、治療の全期間及び薬物投与の頻度の両方を減少させる化合物は、最大の利益を提供する。
【0005】
TB流行を複雑にしているのは、多剤耐性株又はMDR-TBの発生率の増加である。世界中の全症例の最大4%が、MDR-TB-4薬物標準の最も有効な薬物であるイソニアジド及びリファンピンに耐性であると考えられている。MDR-TBは、処置されない場合には致死的となり、また標準的な治療を通じて適切に治療され得ないため、その治療では、2年までの「第二選択」の薬物が必要となる。これらの薬物は、しばしば毒性であり、高価であり、また有効性も限られている。有効な治療がない場合、感染性MDR-TB患者は疾患を拡散し続け、MDR-TB株による新たな感染を生じさせる。薬物耐性、特にMDR株に対する活性を示す可能性が高い、新しい作用機序を有する新しい薬物に対する高い医学的なニーズが存在する。
【0006】
上記又は下記で使用される「薬物耐性」という用語は、微生物学の当業者によって十分に理解されている用語である。薬物耐性マイコバクテリウムは、少なくとも1種の以前に有効であった薬物にもはや感受性でないマイコバクテリウムである。これは、少なくとも1種の以前に有効であった薬物による抗生剤の攻撃に耐える能力を発達させたものである。薬物耐性株は、その子孫にも抵抗能を承継し得る。当該耐性は、細菌細胞において単一の薬物又は異なる薬物に対する感受性を変化させるランダムな遺伝子変異に起因し得る。
【0007】
MDRの結核は、(他の薬剤に対する耐性を有するか又は有さないかを問わず)現在2つの最も強力な抗TB薬である少なくともイソニアジド及びリファンピシンに対して耐性の細菌に起因する、薬物耐性結核の特異的な形態である。したがって、上記又は下記で使用されるときはいつでも、「薬物耐性」は多剤耐性を含む。
【0008】
TB流行の制御における別の要因は、潜伏TBの問題である。ここ数十年の結核(TB)制御プログラムにもかかわらず、約20億人がM.tuberculosisに感染しているが、無症候性である。これらの個体の約10%は、その寿命の間に活性なTBを発症するリスクがある。TBの世界的流行は、HIV患者のTBへの感染及び多剤耐性TB株(MDR-TB)の増加によって促進される。潜伏TBの再度の活性化は、病気発症のリスクを高める要因であり、HIV感染個体における死亡の32%を占める。TB流行を制御するために、休眠又は潜伏する桿菌を死滅させることができる新しい薬物を発見する必要がある。休眠TBは、腫瘍壊死因子α又はインターフェロン-γに対する抗体のような免疫抑制剤の使用による宿主免疫の抑制のようないくつかの因子によって再活性化されて疾患を引き起こすことができる。HIV検査陽性患者の場合、潜在性TBに利用可能な唯一の予防的処置は、リファンピシン、ピラジナミドの2、3ヶ月レジメンである。治療レジメンの有効性はまだ明らかではなく、更に、治療の期間は、資源が限られた環境において重要な制約となる。したがって、潜伏TB桿菌を保有する個体のための化学予防剤として作用し得る新規薬物を同定することが非常に必要とされている。
【0009】
結核菌は、吸入によって健康な個体に入る。これらは、肺の肺胞マクロファージによって貪食される。これは、強力な免疫応答、及びT細胞によって取り囲まれたM.tuberculosisに感染したマクロファージからなる肉芽腫の形成をもたらす。6~8週間後、宿主免疫反応は、壊死による感染細胞の死と、マクロファージ、類上皮細胞及び末梢のリンパ組織の層に囲まれたある種の細胞外桿菌を有する乾酪性物質の蓄積とを引き起こす。健康な個体の場合、マイコバクテリアの大部分はこれらの環境で死滅するが、少量の桿菌は依然として生存し、非複製性代謝低下状態で存在すると考えられ、イソニアジドのような抗TB薬による死滅に対して耐性を有する。これらの桿菌は、疾患のいかなる臨床症状も示すことなく、個体の生涯にわたってさえ、変化した生理学的環境に留まることができる。しかしながら、症例の10%において、これらの潜伏性桿菌は再活性化して疾患を引き起こす可能性がある。これらの持続的な細菌の発生に関する仮説の1つは、ヒト病変における病態生理学的環境、すなわち、酸素分圧の低下、栄養制限、及び酸性pHである。これらの因子は、これらの細菌を主要な抗マイコバクテリア薬に耐性を有する表現型的にすると仮定されている。
【0010】
TB流行の管理に加えて、第一選択の抗生剤に対する耐性の新たな問題が存在する。いくつかの重要な例としては、ペニシリン耐性(Streptococcus pneumoniae、バンコマイシン耐性enterococci、メチシリン耐性Staphylococcus aureus、多剤耐性salmonellaが挙げられる。
【0011】
抗生剤に対する耐性の結果は深刻である。耐性微生物によって引き起こされる感染は、治療により対応することができず、長期の病気及びより大きな死亡の危険性をもたらす。治療の失敗はまた、感染期間の長期化をもたらし、これは、地域社会に移動する感染者の数を増加させ、したがって、一般集団を耐性株感染に罹患するリスクにさらす。
【0012】
病院は、世界中の抗菌剤耐性の問題の重要な要因である。高度に感受性の患者、集中的かつ長期的な抗菌剤の使用、及び交差感染の組み合わせは、高度に耐性の細菌性病原体による感染をもたらしてきた。
【0013】
抗微生物薬による自己治療も、耐性に寄与する別の主要な要因である。抗菌剤の自己服用は、不必要である場合があり、しばしば不適切に投与されるか、又は適切な量の活性薬物を含有しない場合がある。
【0014】
推奨される治療に対する患者のコンプライアンスも、別の主要な問題である。患者は、薬剤を服用することを忘れるか、気分が良くなり始めたときに治療を中断するか、又は完全な経過を得ることができない場合があり、それによって、微生物が死滅させられるのではなく適応するための理想的な環境が作り出される。
【0015】
複数の抗生剤に対する耐性が出現しているため、医師は、有効な治療法がない感染症に直面している。かかる感染症の罹患率、死亡率、及び金銭的コストは、世界中の医療制度にますます負担をかけている。
【0016】
したがって、細菌感染、特に、薬物耐性及び潜在性マイコバクテリア感染を含むマイコバクテリア感染、並びに他の細菌感染、特に、耐性細菌株によって引き起こされるものを治療するための新規化合物が強く求められている。
【0017】
結核を治療するための抗感染化合物は、例えば、国際特許出願公開第2011/113606号に開示されている。かかる文献は、宿主マクロファージ内でのM.tuberculosisの複製を妨害する、例えば、任意選択的に置換されたベンジル基に(例えば、アミド部分を介して)結合している二環式コア、イミダゾピリジンを有する化合物に関する。
【0018】
国際特許出願公開第2014/015167号パフレットもまた、結核の治療において潜在的に有用であるとして開示されている化合物を開示している。本明細書に開示されるかかる化合物は、それ自体が別の二環基又は芳香族基に結合され得るリンカー基(例えば、アミド基)によって置換されている二環(5,5-縮合二環)を必須エレメントとして有する。この文献におけるかかる化合物は、3つより多い一連の環を含有しない。
【0019】
Petheらによる論文、Nature Medicine,19,1157-1160(2013)「Discovery of Q203,a potent clinical candidate for the treatment of tuberculosis」は、M.tuberculosisに対して試験された特定の化合物を同定している。この化合物Q203を以下に示す。
【0020】
【0021】
この臨床候補は、論文J.Medicinal Chemistry,2014,57(12),pp5293-5305でも論じられている。それは、MDR結核に対して活性を有し、M.tuberculosis H37Rv株に対してマクロファージ内で0.28nMのMIC50活性を有すると述べられている。陽性対照データ(既知の抗TB化合物ベダキリン、イソニアジド及びモキシフロキサシンを使用)も報告されている。この文献はまた、変異体を用いた研究に基づく作用様式を示唆している。それは、M.tuberculosisにおいてATPシンターゼに干渉することによって作用し、シトクロームbc1の阻害活性が主要な作用様式であると仮定している。シトクロームbc1は、ATP合成に必要な電子伝達鎖の必須コンポーネントである。Q203は、複製中細菌及び非複製中細菌の両方に対して高度に活性であると考えられた。
【0022】
国際特許出願公開第2015/014993号もまた、M.tuberculosisに対する活性を有するとされる化合物を開示し、これは、同第2014/4015167号、同第2017/001660号、同第2017/001661号、同第2017/216281号及び同第2017/216283号と同様である。国際特許出願公開第2013/033070号及び同第2013/033167号は、キナーゼモジュレーターとして様々な化合物を開示している。
【0023】
本発明の目的は、細菌性疾患、特にMycobacterium tuberculosisなどの病原性細菌によって引き起こされる疾患(潜伏性の疾患及び薬物耐性M.tuberculosis株を含む)の治療に使用するための化合物を提供することである。かかる化合物は新規であり得、M.tuberculosisにおいて、シトクロームbc1活性の阻害を主要な作用様式として、ATPシンターゼを阻害することによって作用し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
ここで、式(I):
【0025】
【化2】
[式中、
Aは、芳香族又は非芳香族であってもよく、窒素及び硫黄から選択される1つ又は2つのヘテロ原子を任意選択的に含んでいる、5又は6員環であり、
Bは、X
1、X
2及びX
3のうちの少なくとも1つが窒素、硫黄及び酸素から選択されるヘテロ原子を表す5員ヘテロアリール基であり、
X
1は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9a)-を表し、
X
2は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9b)-を表し、
X
3は、=N-、-S-、-O-又は=C(R
9c)-を表し、
X
4は、=N-又は=C(R
9d)-を表し、
X
5は、=N-又は=C(R
9e)-を表し、
R
1は、ハロ(例えば、Cl、F)、-R
4a、-O-R
4b、-C(=O)-R
4c、-C(=O)-N(R
5)(R
6)、-CN及び-N(R
5a)R
5bから独立して選択される1つ又は2つ以上(例えば、1つ、2つ又は3つ)の任意選択的な置換基を表すか、又は、任意の2つのR
1基が一緒になって(A環の隣接原子に結合している場合)、1つ若しくは2つのヘテロ原子を任意選択的に含んでいる5若しくは6員環を形成してもよく、当該環は、1つ若しくは2つのC
1-3アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
R
2は、ハロ、及び-OC
1-3アルキルから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換された-C
1-4アルキルであり、
R
3は、H、-R
7a、-C(=O)-R
7b、-SO
2-R
8又はHet
1であり、
R
4a及びR
4bは、独立して、水素、又は、ハロ(例えば、F)、-O-CH
3及びフェニルから選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキル(本明細書において言及されているような直鎖、分岐又は環式アルキルであってもよい)を表し、
R
4cは、-C
1-3アルキルであり、
R
5及びR
6は、独立して、H及び-C
1-3アルキルから選択され、
R
5a及びR
5bは、独立して、H、C
1-6アルキルを表すか、又は、R
5a及びR
5bは、一緒に連結されて、3~6員環を形成し、
R
7aは、ハロ、-OC
1-3アルキル及びHet
2から選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキルを表し、
R
7bは、水素、又は、(1つ又は2つ以上のフッ素原子で任意選択的に置換された)-C
1-3アルキルであり、
R
8は、Het
3、-N(R
5c)R
5d、又は、ハロ(例えば、F)及び-O-CH
3から選択される1つ若しくは2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C
1-4アルキルであり、
R
5c及びR
5dは、独立して、H、C
1-6アルキルを表すか、又は、R
5c及びR
5dは、一緒に連結されて、3~6員環を形成し、
R
9a、R
9b、R
9c、R
9d及びR
9eは、独立して、H、ハロ、(それ自体、フルオロ、-CN、-R
10a、-OR
10b、-N(R
10c)R
10d及び/又は-C(O)N(R
10e)R
10fから選択される1つ又は2つ以上、例えば1つの置換基で任意選択的に置換された)C
1-4アルキル、又は、(それ自体、フルオロ、-R
10g、-OR
10h及び/又は-N(R
10i)R
10jから選択される1つ又は2つ以上、例えば1つの置換基で任意選択的に置換された)-O-C
1-4アルキルを表し、
R
10a、R
10b、R
10c、R
10d、R
10e、R
10f、R
10g、R
10h、R
10i及びR
10jは、独立して、水素、又は、(1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)C
1-3アルキルを表し、
Het
1、Het
2及びHet
3は、独立して、好ましくは窒素及び硫黄から選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有し、ハロ及び(それ自体、1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)C
1-3アルキルから選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された、5又は6員芳香族環を表す]の化合物、
又はその薬学的に許容される塩が提供され、
当該化合物は、本明細書において「本発明の化合物」と称され得る。
【0026】
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。かかる塩は、従来の手段によって、例えば、式Iの化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な酸又は塩基の1つ又は2つ以上の当量物と、任意選択的に溶媒中で、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥法によって、又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
【0027】
上で言及される薬学的に許容される酸付加塩は、式Iの化合物により形成可能な、治療的に活性な非毒性酸の付加塩形態を含むことが意図される。これらの薬学的に許容される酸付加塩は、塩基形態をかかる適切な酸で処理することによって好適に得ることができる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸などの無機酸;又は、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸などの有機酸を含む。
【0028】
本発明の目的のために、本発明の化合物の溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド及び立体異性体もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
本発明の関連化合物の「プロドラッグ」という用語は、経口投与又は非経口投与の後に、インビボで代謝されて、実験的に検出可能な量で、かつ所定の時間内に(例えば、6時間~24時間の投与間隔内(すなわち、1日1~4回))以内にその化合物を形成する任意の化合物を含む。誤解を避けるために、「非経口」投与という用語は、経口投与以外の全ての投与形態を含む。
【0030】
本発明の化合物のプロドラッグは、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与された場合に、修飾がインビボで切断されるように、化合物上に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。修飾は、典型的には、プロドラッグ置換基を有する親化合物を合成することによって達成される。プロドラッグとしては、本発明の化合物中のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基又はカルボニル基が、インビボで開裂されて、遊離ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、又はカルボニル基をそれぞれ再生成し得る、任意の基に結合されている化合物が挙げられる。
【0031】
プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N-アシル誘導体及びN-マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば、Bundegaard,H.「Design of Prodrugs」p.l-92,Elesevier,New York-Oxford(1985)に見出され得る。
【0032】
本発明の化合物は、二重結合を含有してもよく、したがって、それぞれの個々の二重結合についてE(entgegen)及びZ(zusammen)幾何異性体として存在してもよい。位置異性体も本発明の化合物に包含され得る。全てのそのような異性体(例えば、本発明の化合物が二重結合又は縮合環を組み込む場合、シス及びトランス形態が包含される)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる(例えば、単一の位置異性体及び位置異性体の混合物は、本発明の範囲内に含まれてもよい)。
【0033】
本発明の化合物はまた、互変異性を示し得る。全ての互変異性型(又は互変異性体)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。「互変異性体」又は「互変異性型」という用語は、低いエネルギー障壁を通して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトン性互変異性体としても知られている)は、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化などのプロトンの移動を介した相互変換を含む。価数互変異性体は、結合電子の一部の再構成による相互変換を含む。
【0034】
本発明の化合物はまた、1つ又は2つ以上の不斉原子を含有してもよく、したがって、光学及び/又はジアステレオ異性を示してもよい。ジアステレオ異性体は、従来の技術、例えばクロマトグラフィ又は分別結晶を使用して分離することができる。様々な立体異性体は、従来の技術、例えば分別結晶又はHPLC技術を使用して、ラセミ混合物又は化合物の他の混合物を分離することによって単離することができる。あるいは、所望の光学異性体は、ラセミ化又はエピマー化を引き起こさない条件下での適切な光学活性出発物質の反応(すなわち、「キラルプール」法)によって、適切な出発物質と、その後好適な段階で除去することができる「キラル補助剤」との反応によって、例えば、ホモキラル酸を用いた誘導体化(すなわち、動的分割を含む分割)と、それに続くクロマトグラフィなどの従来の手段によるジアステレオマー誘導体の分離によって、又は適切なキラル試薬若しくはキラル触媒との全て当業者に公知の条件下での反応によって作製することができる。
【0035】
全ての立体異性体(ジアステレオ異性体、エナンチオマー及びアトロプ異性体を含むが、これらに限定されない)及びそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)は、本発明の範囲内に含まれる。
【0036】
本明細書に示される構造では、任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合、全ての立体異性体が本発明の化合物として企図され、含まれる。立体化学が、特定の立体配置を表す実線のくさび形又は破線によって特定される場合、その立体異性体はそのように特定され、定義される。
【0037】
本発明の化合物は、非溶媒和形態並びに水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在してもよく、本発明は溶媒和形態及び非溶媒和形態の両方を包含することが意図される。
【0038】
本発明はまた、本明細書に列挙されるものと同一である本発明の同位体標識された化合物を包含するが、それは、1つ又は2つ以上の原子が、通常天然に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子(又は天然に見出される最も豊富な原子)によって置き換えられるという事実のためである。本明細書で指定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体は、本発明の化合物の範囲内であると考えられる。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられる。本発明のある特定の同位体標識された化合物(例えば、3H及び14Cで標識されたもの)は、化合物及び基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(3H)及び炭素-l4(14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さのために有用である。更に、より重い同位体、例えば、重水素(すなわち、2H)などによる置換を行うと、代謝安定性がより高くなり(例えば、インビボにおける半減期が増大し、又は必要な投与量が減少する)、その結果、ある特定の治療的利点が得られ、したがって、状況次第で好ましい場合がある。例えば、15O、13N、11C、及び18Fはなどの陽電子放出同位体は、基質受容体占有を調べるための陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)研究に有用である。本発明の同位体標識された化合物は、一般に、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いることによって、以下の説明/実施例に開示されているものと類似の手順に従って調製することができる。
【0039】
別段の指定がない限り、本明細書で定義されるC1-qアルキル基(qは範囲の上限である)は、直鎖であってもよく、又は十分な数(すなわち、必要に応じて最低2つ又は3つ)の炭素原子が存在する場合、分岐鎖、及び/又は環式(すなわちC3-q-シクロアルキル基を形成)であってもよい。かかるシクロアルキル基は、単環式又は二環式であってもよく、更に架橋されていてもよい。更に、十分な数(すなわち、最低4つ)の炭素原子が存在する場合、かかる基は部分的に環式であってもよい。かかるアルキル基はまた、飽和であってもよく、又は十分な数(すなわち、最低2つ)の炭素原子が存在する場合、不飽和であってもよい(例えば、C2-qアルケニル又はC2-qアルキニル基を形成してもよい)。同様に、C1-qアルキレン基は、炭素原子の数「q」に従って、C1-qアルキルリンカー基、すなわち-CH-2-(C1アルキレン又はメチレン)、-CH2CH2-などを表す。
【0040】
具体的に挙げることができるC3-qシクロアルキル基(式中、qは範囲の上限である)は、単環式又は二環式アルキル基であってもよく、シクロアルキル基は更に架橋されていてもよい(したがって、例えば、3つの縮合シクロアルキル基などの縮合環系を形成してもよい)。かかるシクロアルキル基は、飽和であっても、1つ又は2つ以上の二重結合を含有する不飽和であってもよい(例えば、シクロアルケニル基を形成してもよい)。置換基は、シクロアルキル基上の任意の点に結合していてもよい。更に、十分な数(すなわち、最低4つ)が存在する場合、かかるシクロアルキル基は部分的に環式であってもよい。
【0041】
「ハロ」という用語は、本明細書で使用される場合、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
【0042】
複素環基は、本明細書中で言及される場合、芳香族又は非芳香族複素環基を含み得、したがって、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールを包含する。同様に、「芳香族又は非芳香族の5又は6員環」は、環中に5又は6員を有する複素環式基(並びに炭素環式基)であってもよい。
【0043】
言及され得るヘテロシクロアルキル基には、環系中の原子の少なくとも1つ(例えば1~4つ)が炭素以外(すなわちヘテロ原子)であり、環系中の原子の総数が3~20個(例えば3~10個、例えば、3~8つ、例えば5~8つ)である、非芳香族単環式及び二環式ヘテロシクロアルキル基が含まれる。かかるヘテロシクロアルキル基は、架橋されていてもよい。更に、かかるヘテロシクロアルキル基は、飽和であっても、1つ又は2つ以上の二重結合及び/又は三重結合を含有する不飽和であってもよく、例えば、C2-q-ヘテロシクロアルケニル基(qは範囲の上限である)を形成する。言及され得るC2~qヘテロシクロアルキル基としては、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.2.1]-オクタニル、8-アザビシクロ-[3.2.1]オクタニル、アジリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピロリル(2,5-ジヒドロピロリルを含む)、ジオキソラニル(1,3-ジオキソラニルを含む)、ジオキサニル(1,3-ジオキサニル及び1,4-ジオキサニルを含む)、ジチアニル(1,4-ジチアニルを含む)、ジチオラニル(1,3-ジチオラニルを含む)、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサビシクロ-[3.2.1]オクタニル、オキセタニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、非芳香族ピラニル、ピラゾリジニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、スルホラニル、3-スルホレニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル(1,2,3,4-テトラヒドロピリジル及び1,2,3,6-テトラヒドロピリジルなど)、チエタニル、チイラニル、チオラニル、チオモルホリニル、トリチアニル(1,3,5-トリチアニルを含む)、トロパニルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基上の置換基は、適切な場合、ヘテロ原子を含む環系中の任意の原子上に位置してもよい。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、(適切な場合には)ヘテロ原子(窒素原子など)を含む環系中の任意の原子、又は環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子を介していてもよい。ヘテロシクロアルキル基はまた、N-又はS-オキシド形態であってもよい。本明細書で言及されるヘテロシクロアルキルは、具体的には単環式又は二環式であると述べられ得る。
【0044】
芳香族基は、アリール又はヘテロアリールであり得る。言及され得るアリール基としては、C6-20、例えばC6-12、(例えばC6-10)アリール基が挙げられる。そのような基は単環式、二環式又は三環式であってもよく、6~12個(例えば6~10個)の環状炭素原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族である。C6-10アリール基としては、フェニル、ナフチルなど、例えば1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフチルが挙げられる。アリール基の結合点は、環系の任意の原子を介していてもよい。例えば、アリール基が多環式である場合、結合点は、非芳香族環の原子を含む原子を介していてもよい。しかしながら、アリール基が多環式(例えば、二環式又は三環式)である場合、それらは好ましくは芳香族環を介して分子の残りに連結される。本明細書で言及され得る最も好ましいアリール基は、「フェニル」である。
【0045】
特に断りのない限り、「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、好ましくはN、O及びSから選択される1つ又は2つ以上のヘテロ原子(例えば、1~4つのヘテロ原子)を含有する芳香族基を指す。ヘテロアリール基には、5~20員環(例えば、5~10員環)を有し、単環式、二環式又は三環式であってもよいものが含まれるが、但し、環のうちの少なくとも1つは芳香族(したがって、例えば、単環式、二環式又は三環式のヘテロ芳香族基を形成する)であることを条件とする。ヘテロアリール基が多環式である場合、結合点は、非芳香族環の原子を含む任意の原子を介していてもよい。しかしながら、ヘテロアリール基が多環式(例えば、二環式又は三環式)である場合、それらは好ましくは芳香族環を介して分子の残りの部分に連結される。言及され得るヘテロアリール基としては、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル、1,3-ジヒドロイソインドリル、1,3-ジヒドロイソインドリル(例えば、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル;すなわち、非芳香族環を介して連結されたヘテロアリール基)、又は好ましくは、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル(1,3-ベンゾジオキソリルを含む)、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアジアゾリル(2,1,3-ベンゾチアジアゾリルを含む)、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル(2,1,3-ベンゾオキサジアゾリルを含む)、ベンゾオキサジニル(3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾセレナジアゾリル(2,1,3-ベンゾセレナジアゾリルを含む)、ベンゾチエニル、カルバゾリル、クロマニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチオクロマニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル(1,6-ナフチリジニル又は好ましくは1,5-ナフチリジニル及び1,8-ナフチリジニルを含む)、オキサジアゾリル(1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルを含む)、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル及び5,6,7,8-テトラ-ヒドロイソキノリニルを含む)、テトラヒドロキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリニルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル及び1,3,4-チアジアゾリルを含む)、チアゾリル、チオクロマニル、チオフェネチル、チエニル、トリアゾリル(1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル及び1,3,4-トリアゾリルを含む)などが挙げられる。ヘテロアリール基上の置換基は、適切な場合、ヘテロ原子を含む環系中の任意の原子上に位置してもよい。ヘテロアリール基の結合点は、(適切な場合には)ヘテロ原子(窒素原子など)を含む環系中の任意の原子、又は環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子を介していてもよい。ヘテロアリール基はまた、N又はS酸化形態であってもよい。本明細書で言及されるヘテロアリール基は、具体的には単環式又は二環式であると述べられ得る。ヘテロアリール基が、非芳香族環が存在する多環式である場合、その非芳香族環は、1つ又は2つ以上の=O基によって置換されていてもよい。本明細書で言及され得る最も好ましいヘテロアリール基は、1、2又は3つのヘテロ原子(例えば、好ましくは窒素、酸素及び硫黄から選択される)を含有する5又は6員の芳香族基である。
【0046】
ヘテロアリール基は、単環式又は二環式であると具体的に述べられ得る。ヘテロアリールが二環式であると特定される場合、それは、別の5、6又は7員の環(例えば、単環式アリール又はヘテロアリール環)と縮合した5、6又は7員の単環式環(例えば、単環式ヘテロアリール環)からなり得る。
【0047】
言及され得るヘテロ原子としては、リン、ケイ素、ホウ素、好ましくは酸素、窒素及び硫黄が挙げられる。
【0048】
「芳香族」基が本明細書中で言及される場合、それらはアリール又はヘテロアリールであり得る。「芳香族リンカー基」が本明細書で言及される場合、それらは、本明細書で定義されるアリール又はヘテロアリールであってもよく、好ましくは単環式であり(しかし多環式であってもよい)、分子の残部にリンカー基の任意の可能な原子を介して結合していてもよい。しかしながら、特に炭素環式芳香族リンカー基が言及される場合、かかる芳香族基はヘテロ原子を含有しなくてもよく、すなわちそれらはアリールであってもよい(しかしヘテロアリールではない)。
【0049】
誤解を避けるために、基が1つ又は2つ以上の置換基(例えば、C1-6アルキルから選択される)によって置換され得ると本明細書で述べられる場合、それらの置換基(例えば、アルキル基)は互いに独立している。すなわち、このような基は、同じ置換基(例えば、同じアルキル置換基)又は異なる(例えば、アルキル)置換基で置換されていてもよい。
【0050】
本明細書で言及される全ての個々の特徴(例えば、好ましい特徴)は、単独で、又は本明細書で言及される任意の他の特徴(好ましい特徴を含む)と組み合わせて採用され得る(したがって、好ましい特徴は、他の好ましい特徴と併せて、又はそれらとは独立して採用され得る)。
【0051】
当業者は、本発明の主題である本発明の化合物が安定な化合物を含むことを理解するであろう。すなわち、本発明の化合物は、例えば反応混合物から有用な程度の純度までの単離に耐えるのに十分に頑強なものを含む。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、以下のような本発明のいくつかの実施形態において説明され得る。
R2は、ハロから選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換された-C1-4アルキルであり、
R3は、H、-R7a、-C(=O)-R7b又は-SO2-R8であり、
R4a及びR4bは、独立して、水素、又は、ハロ(例えば、F)及び-O-CH3から選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C1-4アルキルを表し、
R7aは、ハロ、-OC1-3アルキル及び-CNから選択される1つ又は2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C1-4アルキルを表し、
R7bは、(1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換された)-C1-3アルキルを表し、
R8は、-N(R5c)R5d、又はハロ(例えば、F)及び-O-CH3から選択される1つ若しくは2つ以上の置換基によって任意選択的に置換された-C1-4アルキルを表し、
R5c及びR5dは、独立して、H、C1-6アルキルを表すか、又はR5c及びR5dは、一緒に連結されて3~6員環を形成し、かつ/又は
R9a、R9b、R9c、R9d及びR9eは、独立して、H、ハロ又はC1-4アルキルを表す。
【0053】
一実施形態では、環Aは、以下のように表され、
【0054】
【化3】
式中、R1は、上記で定義され(かつ独立して選択される)1つ又は2つ以上の任意選択的な置換基を表す。
【0055】
別の実施形態では、環Aは、以下のように表される。
【0056】
【0057】
一実施形態では、組み合わされた環系、すなわち、2つの窒素原子を含有する5員環に縮合した環Aは、以下のように表されてもよく、
【0058】
【化5】
式中、R
1は、上記で定義され(かつ独立して選択される)1つ又は2つ以上の任意選択的な置換基を表す。別の実施形態では、組み合わされた環系は、以下のように表され得る:
【0059】
【0060】
一実施形態では、環Bは、以下のように表され、
【0061】
【化7】
式中、(XXII)~(XXIX)の右側は、環Cに連結されている。
【0062】
一実施形態では、環Cは、以下のように表される。
【0063】
【0064】
一実施形態では、環A及びCは、次のような一般式で表されてもよく、
【0065】
【化9】
また、整数R
1、R
2、R
3、X
1、X
2及びX
3は、本明細書の上記で定義したとおりである。
【0066】
一実施形態では、環A、B及びCは、以下のように表されてもよく、
【0067】
【0068】
【化11】
整数R
1、R
2及びR
3は、上記で定義したとおりである。
【0069】
一実施形態では、本発明の化合物には、
R1が、ハロ、C1-4アルキル、-OC1-4アルキル、-N(R5a)R5bから選択される1つ若しくは2つ以上の置換基であるか、又は、任意の2つのR1基が一緒になって(A環の隣接原子に結合している場合)、1つ若しくは2つのヘテロ原子を任意選択的に含んでいる5若しくは6員環を形成してもよく、当該環は、1つ若しくは2つのC1-3アルキル置換基で任意選択的に置換されており、かつ/又は
R5a及びR5bが、独立して、水素若しくはC1-3アルキルを表すものが含まれる。
【0070】
別の実施形態では、本発明の化合物には、
R1が、ハロ(例えばフルオロ又はクロロ)、C-1-4アルキル(直鎖のそのように形成される、例えばメチル若しくはイソプロピル、又は環式のそのように形成される、例えばシクロプロピルであってもよい)、-OC1-2アルキル(そのように形成される、例えば-OCH3基)、-NH2、-N(H)(C1-2アルキル)(そのように形成される、例えばNHCH3基)から選択される1つ又は2つ以上の置換基を表すか、又は、2つのR1基が、互いに隣接していてもよく、結合して、1つ又は2つ(例えば1つ)のヘテロ原子を任意選択的に含んでいる5員環又は6員環を形成(例えばシクロペンチル部分又はテトラヒドロピラニル部分を形成)してもよいものが含まれる。
【0071】
一実施形態では、本発明の化合物には、
R2が、1つ又は2つ以上のフルオロ原子で任意選択的に置換されたC1-3アルキルを表し、例えば、-CH3、-CH2CH3、シクロプロピル、-CHF2又はCF3を形成するものが含まれる。
【0072】
一実施形態では、又はいくつかの実施形態では、
R3は、H、-R7a、-C(=O)-R7b又は-SO2-R8を表し、
R7aは、-OC1-2アルキル及び-CNから選択される1つ又は2つ(例えば、1つ)の置換基で任意選択的に置換されたC1-3アルキルを表し(したがって、例えば、非置換メチル又は-CH2-CH2-OCH3又は-CH2-CH2-CN基を形成し)、
R7bは、C1-3アルキル(例えば、メチル)を表し、
R8は、-N(R5c)R5d又は1つ若しくは2つ以上のフルオロ原子によって任意選択的に置換された-C1-4アルキルを表し、かつ/又は
R5c及びR5dは、独立して、C1-3アルキル(例えば、メチル)を表すか、又は一緒に結合して、3~6員環(例えば、5員ピロリジニル環)を形成する。
【0073】
特定の実施形態では、R3は、-SO2-R8を表す。更なる実施形態では、R3が-SO2-R8を表す場合、R8は、1つ又は2つ以上のフルオロ原子によって任意選択的に置換されたC1-2アルキルを表す。特定の実施形態では、R3は、-SO2CF3を表す。
【0074】
薬理学
本発明による化合物は、驚くべきことに、マイコバクテリア感染を含む細菌感染、特にMycobacterium tuberculosisなどの病原性マイコバクテリアによって引き起こされる疾患の治療に好適であることが示された。したがって、本発明はまた、医薬として使用するための、特にマイコバクテリア感染を含む細菌感染の治療のための医薬として使用するための、上記で定義された本発明の化合物に関する。
【0075】
かかる化合物は、M.tuberculosisにおいて、シトクロームbc1活性の阻害を主要な作用様式として、ATPシンターゼを阻害することによって作用し得る。シトクロームbc1は、ATP合成に必要な電子伝達鎖の必須コンポーネントである。
【0076】
更に、本発明はまた、マイコバクテリア感染を含む細菌感染の治療のための医薬の製造のための、本発明の化合物、並びに以下に記載されるその医薬組成物のいずれかの使用に関する。
【0077】
したがって、別の態様では、本発明は、マイコバクテリア感染を含む細菌感染に罹患しているか、又はそのリスクがある患者を治療する方法であって、患者に治療有効量の本発明による化合物又は医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0078】
本発明の化合物はまた、耐性細菌株対しても活性を示す。
【0079】
上記又は下記で使用されるときはいつでも、化合物が細菌感染を治療することができるということは、化合物が1つ又は2つ以上の細菌株による感染を治療することができることを意味する。
【0080】
本発明はまた、薬学的に許容される担体と、活性成分として治療有効量の本発明の化合物とを含む組成物に関する。本発明の化合物は、投与目的で、様々な薬学的形態に製剤化され得る。適切な組成物としては、薬物を全身投与するために通常使用される全ての組成物が挙げられ得る。本発明の医薬組成物を調製するには、活性成分としての、任意選択的に付加塩形態の有効量の化合物は、薬学的に許容される担体と加え合わせてよく混合するが、この担体は、投与に望ましい製剤の形態に応じて様々な形態とすることができる。これらの医薬組成物は、特に経口投与又は非経口注射による投与に好適な単位剤形とすることが望ましい。例えば、経口剤形として阻害剤を調製する際に、例えば、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、エマルジョン及び溶液などの経口液体製剤の場合、水、グリコール、油、アルコール;又は粉末、ピル、カプセル、及び錠剤の場合、デンプン、糖、カオリン、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの固形担体など、通常の薬学的媒体のうちのいずれが用いられてもよい。投与が容易であるため、錠剤及びカプセルは最も有利な経口投薬単位形態であるが、この場合、固体医薬担体が使用されることは明らかである。非経口組成物の場合、担体は通常、少なくとも大部分が滅菌水を含むが、例えば溶解性を補助するための他の成分が含まれてもよい。例えば、担体が生理食塩水、グルコース溶液又は生理食塩水とグルコース溶液との混合物を含む注射用溶液を調製することができる。注射用懸濁液を調製してもよく、その場合、適当な液体担体、懸濁化剤などを用いてもよい。使用直前に液体形態の製剤に変換されることが意図される固体形態の製剤も含まれる。
【0081】
投与様式に応じて、医薬組成物は、好ましくは0.05~99重量%、より好ましくは0.1~70重量%、更により好ましくは0.1~50重量%の活性成分と、1~99.95重量%、より好ましくは30~99.9重量%、更により好ましくは50~99.9重量%の薬学的に許容される担体とを含み、全てのパーセンテージは組成物の全重量に基づく。
【0082】
医薬組成物は、当技術分野で公知の様々な他の成分、例えば、潤滑剤、安定化剤、緩衝剤、乳化剤、粘度調節剤、界面活性剤、保存剤、香味剤又は着色剤を更に含有してもよい。
【0083】
上記の医薬組成物は投与を容易とし、用量を均一とするために単位剤形として製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される場合、単位剤形は、単一の投与量として好適な物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な薬理学的担体と併せて、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性成分を含有する。そのような単位剤形の例は、錠剤(割線入り錠剤又はコーティング錠剤を含む)、カプセル、ピル、粉末パケット、ウエハー、坐剤、注射用溶液又は懸濁液など、及びそれらの複数分割量である。本発明による化合物の1日投与量は、当然のことながら、使用される化合物、投与様式、所望の治療及び適応されるマイコバクテリア疾患によって変化する。しかしながら、一般に、本発明による化合物を1グラムを超えない1日投与量、例えば10~50mg/kg体重の範囲で投与すると、満足のいく結果が得られる。
【0084】
式(Ia)又は式(Ib)の化合物が細菌感染に対して活性であるという事実を考慮すると、本発明の化合物は、細菌感染と効果的に戦うために他の抗菌剤と組み合わせることができる。
【0085】
したがって、本発明はまた、(a)本発明による化合物と、(b)1つ又は2つ以上の他の抗菌剤と、の組み合わせに関する。
【0086】
本発明はまた、医薬として使用するための、(a)本発明による化合物と、(b)1つ又は2つ以上の他の抗菌剤と、の組み合わせに関する。
【0087】
本発明はまた、細菌感染の治療のための、上記で定義された組み合わせ又は医薬組成物の使用に関する。
【0088】
薬学的に許容される担体と、活性成分として、治療有効量の(a)本発明による化合物及び(b)1つ又は2つ以上の他の抗菌剤と、を含む医薬組成物も、本発明に含まれる。
【0089】
組み合わせとして投与される場合の(a)本発明による化合物と(b)他の抗菌剤との重量比は、当業者によって決定され得る。当該比並びに投与の厳密な投与量及び投与の頻度は、当業者には周知のように、使用される本発明の特定の化合物及び使用される他の抗菌剤、治療される特定の病状、治療される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、食事、投与時間及び全身的な健康状態、投与様式、並びに個体が服用し得る他の薬物による。更に、有効1日量は、治療される被験体の反応に応じて、かつ/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、増減されてよいことは明白である。本発明の化合物と別の抗菌剤との特定の重量比は、1/10~10/1、より具体的には1/5~5/1、更により具体的には1/3~3/1の範囲であってもよい。
【0090】
本発明による化合物及び1つ又は2つ以上の他の抗菌剤は、単一の製剤中で組み合わせられてもよく、又はそれらは、同時に、別々に、若しくは連続して投与することができるように、別々の製剤中で製剤化されてもよい。したがって、本発明はまた、細菌感染の治療において同時に、別々に又は連続して使用するための組み合わせ製剤として、(a)本発明による化合物と、(b)1つ又は2つ以上の他の抗菌剤と、を含有する製品に関する。
【0091】
本発明の化合物と組み合わされ得る他の抗菌剤は、例えば、当技術分野で公知の抗菌剤である。例えば、本発明の化合物は、例えば、ATPシンターゼの直接阻害剤(例えば、ベダキリン、ベダキリンフマル酸塩又は先行技術において開示されている可能性がある任意の他の化合物、例えば、国際公開第2004/011436号において開示されている化合物)、ndh2の阻害剤(例えば、クロファジミン)及びシトクロームbdの阻害剤を含む、Mycobacterium tuberculosisの呼吸鎖を妨害することが知られている抗菌剤と組み合わせることができる。本発明の化合物と組み合わされ得る他の抗菌剤は、例えば、リファンピシン(=リファンピン)、イソニアジド、ピラジナミド、アミカシン、エチオナミド、エタンブトール;ストレプトマイシン、パラ-アミノサリチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、カナマイシン、チオアセタゾン、PA-824、デラマニド、キノロン/フルオロキノロン、例えば、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシンなど、マクロライド類、例えばクラリスロマイシン、アモキシシリンとクラブラン酸、リファマイシン類、リファブチン、リファペンチン、並びに、現在開発中である(が、まだ市販されていない可能性があるもの例えば、http://www.newtbdrugs.org/pipeline.php、を参照)である。
【0092】
本発明の化合物(本発明の化合物を含む形態及び組成物/組み合わせを含む)は、上記の適応症での使用であるか否かにかかわらず、先行技術において公知の化合物よりも有効であり、毒性が低く、長時間作用し、作用が強く、副作用が少なく、容易に吸収され、かつ/又は薬物動態プロファイルがより良好(例えば、より高い経口バイオアベイラビリティ及び/又はより低いクリアランス)であってもよく、かつ/又は他の有用な薬理学的、物理的若しくは化学的特性を有するという利点を有し得る。例えば、本発明の化合物は、心臓毒性が低いこと、(例えば、毒性問題、例えば遺伝毒性を引き起こし得る)反応性代謝産物形成がないこと、分解物(例えば、望ましくない、又は望ましくない副作用を誘発し得るもの)が形成されないこと、及び/又はより速い経口吸収及び改善された生物学的利用能、に関連する利点を有し得る。
【0093】
一般的な調製
本発明による化合物は、一般に、一連の工程によって調製することができ、その各々は、当業者に公知であるか、又は本明細書に記載され得る。
【0094】
実験部分
式Iの化合物は、以下の実施例で使用される技術(及び当業者に公知の方法)に従って、例えば以下の技術を使用することによって、調製され得る。
【0095】
式(I)の化合物は、
(i)式(XXXXII)の化合物:
【0096】
【化12】
(式中、整数は上記で定義したとおりである)と、式(XXXXIII)の化合物:
【0097】
【化13】
(式中、整数は上記で定義したとおりである)との反応であって、この反応は、例えば、ジイソプロピルエチレンアミン(diisopropylethylamine、DIPEA)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDCI)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、又はそれらの組み合わせから選択される好適なカップリング試薬の存在において、以下の実施例に記載されるものなどの好適な条件下で、例えば、好適なカップリング試薬(例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(若しくはその塩酸塩)又はN,N’-ジスクシンイミジルカーボネート)の存在下で、任意選択的に好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド及び/又はリチウムジイソプロピルアミド(又はそれらのバリアント)及び適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、トリフルオロメチルベンゼン、ジオキサン又はトリエチルアミン)の存在下で、行われてもよい。あるいは、式(XIV)の化合物のカルボン酸基を、まず、標準条件下で(例えば、POCl
3、PCl
5、SOCl
2又は塩化オキサリルの存在下で)対応する塩化アシルに変換してもよく、次いで、この塩化アシルを、例えば、上記と同様の条件下で、式(XV)の化合物と反応させる、反応と、
(ii)式(XXXXIV)の化合物:
【0098】
【化14】
(式中、整数は上記で定義されたとおりであり、R
13は好適な基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード又はスルホン酸基などの好適な脱離基(例えばカップリングのために配置され得る基のタイプ)を表す)を、式(XXXXV)の化合物:
【0099】
【化15】
(式中、R
3は上記で定義したとおりであり、R
14は好適な基、例えば好適な脱離基を表す)と、標準条件下で、例えば任意選択的にPd(dba)
2、Pd(OAc)
2、Cu、Cu(OAc)
2、CuI、NiCl
2などの適切な金属触媒(又はその塩若しくは錯体)の存在下で、Ph
3P、X-phosなどの任意選択的な添加剤とともに、適切な塩基(例えばt-BuONaなど)の存在下で、好適な溶媒(例えばジオキサンなど)中で、当業者に公知の反応条件下で、カップリングすることと、によって調製され得る。
【0100】
式(I)のいくつかの化合物は、式(I)の他の化合物に変換され得ることが、当業者によって理解される。
【0101】
上記及び下記の反応では、反応生成物を反応媒体から単離し、必要に応じて、抽出、結晶化及びクロマトグラフィなどの当技術分野で一般に知られている方法に従って更に精製することができることは明らかである。更に、2つ以上のエナンチオマー形態で存在する反応生成物は、公知の技術、特に分取HPLC、キラルクロマトグラフィなどの分取クロマトグラフィによってそれらの混合物から単離することができることは明らかである。個々のジアステレオ異性体又は個々のエナンチオマーは、超臨界流体クロマトグラフィ(Supercritical Fluid Chromatography、SCF)によっても得ることができる。
【0102】
出発物質及び中間体は、市販されているか、又は当技術分野で一般に知られている従来の反応手順に従って調製することができる化合物である。
【実施例】
【0103】
1.一般的情報
融点
融点は、示差走査熱量計DSC1 Mettler Toledoを用いて記録した。融点は、25℃~350℃まで10℃/分の温度勾配で測定した。値は、ピーク値である。示されない限り、この方法が使用される。
【0104】
別の方法は、Mettler Toledo MP50(「MT」で示すことができる)上の開放毛細管を用いるものである。この方法では、融点は、10℃/分の温度勾配により測定する。最高温度は300℃である。融点データをデジタルディスプレイから読み取り、ビデオ記録システムからチェックする。
【0105】
1H NMR
1H NMRスペクトルは、内部重水素ロックを使用し、z勾配を有する逆二重共鳴(1H,13C,SEI)プローブヘッドを備え、プロトンに対して400MHz及び炭素に対して100MHzで動作するBruker Avance DRX400分光計又はBruker Advance III400分光計、並びにz勾配を有するBruker 5mm BBFOプローブヘッドを備え、プロトンに対して500MHz及び炭素に対して125MHzで動作するBruker Avance 500MHz分光計で記録した。
【0106】
特に明記しない限り、NMRスペクトルは周囲温度で記録した。
【0107】
データを以下のように報告する:スケール上のTMS(δ=0ppm)に対する百万分率(parts per million、ppm)での化学シフト、積分、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、quin=五重線、sex=六重線、m=多重線、b=広幅、又はこれらの組み合わせ)、ヘルツ(Hz)でのカップリング定数J。
【0108】
HPLC-LCMS
分析方法
LCMS
いくつかの化合物の質量をLCMS(液体クロマトグラフィ質量分析)で記録した。用いた方法について以下に記載する。
【0109】
一般手順LCMS方法A及びB
高速液体クロマトグラフィ(High Performance Liquid Chromatography、HPLC)測定は、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(diode-array、DAD)又はUV検出器及びカラムを使用して実行した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(以下の方法の表を参照)。カラムからの流れは、大気圧イオン源で構成された質量分析計(Mass Spectrometer、MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(molecular weight、MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
【0110】
化合物は、それらの実験的保持時間(Rt)及びイオンによって記載される。データの表において別様に指定されない場合、報告された分子イオンは、[M+H]+(プロトン化分子)及び/又は[M-H]-(脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化不可能であった場合、付加物の種類が特定される(すなわち、[M+NH4]+、[M+HCOO]-など)。複数の同位体パターン(Br、Cl)を有する分子については、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られたものである。全ての結果は、使用される方法と一般的に関連する実験的不確定性を伴って得られた。
【0111】
以下、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「RT」は室温を、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを、「HSS」は高強度シリカを、「DAD」はダイオードアレイ検出器を、「MSD」は質量選択検出器を意味する。
【0112】
【0113】
化合物が、LCMS法において異なるピークを与える異性体の混合物である場合、主成分の保持時間のみをLCMS表に示す。
【0114】
【0115】
【0116】
化合物1の合成
【0117】
【0118】
化合物A-1の調製
酢酸(6.3mL)中の[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-2-アミン(CAS[88002-33-9]、1.00g、7.40mmol)のアルゴンパージ混合物に、水中48%臭化水素酸(4.19mL、37.0mmol)及び水(5.3mL)中の亜硝酸ナトリウム(613mg、8.88mmol、1.2当量)の溶液を0℃で連続的に添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。亜硝酸ナトリウム(511mg、7.40mmol、1当量)の水(4.4mL)溶液を0℃で添加し、反応混合物を0℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、水(100mL)とEtOAc(100mL)との間に分割した。層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、橙色の油状物を得た。これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ(不規則なSiOH、シクロヘキサン/EtOAc、55分間かけて100/0~50/50)によって精製して、白色の固体を得て、これをEt2O(3mL)で摩砕して、中間体A-1を白色の固体0.63g(43%)として得た。
【0119】
中間体A-2の調製
エタノール(22mL)中のA-1(500mg、2.51mmol)のアルゴンパージ混合物に、水素化ホウ素リチウム(219mg、10.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を50℃で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を1.0MのHCl水溶液(pH約1、30mL)でクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出した。水層を飽和Na2CO3水溶液で塩基性化し、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体A-2を白色の固体として0.36g得た(71%、粗製物を次の工程などで使用した)。
【0120】
中間体A-3の調製
DCM(10mL)中のA-2(340mg、1.68mmol)及びトリエチルアミン(0.700mL、5.02mmol)の溶液に、DCM(3.35mL、3.35mmol)中の1Mトリフルオロメタンスルホン酸無水物溶液を0℃で滴下添加した。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。水(15mL)及びDCM(15mL)を反応混合物に添加し、層を分離させた。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して茶色のガム状物を得た。これをEt2O(2×2mL)で摩砕して、中間体A-3を茶色の固体として0.506g(90%)得た。
【0121】
中間体A-4の調製
1,4-ジオキサン(7.5mL)及び水(1.5mL)中のA-3(506mg、1.51mmol)、4-(tert-ブトキシカルボニルアミノメチル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(604mg、1.81mmol)、リン酸カリウム一水和物(1.04g、4.53mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(111mg、0.151mmol)のアルゴンパージ混合物を、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、celite(登録商標)上で濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄して、茶色のガム状物を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(不規則なSiOH、シクロヘキサン/EtOAc、50分間かけて100/0~50/50)により精製を行って、黄色がかった固体として中間体A-4、0.51g(73%)を得た。
【0122】
中間体A-5の調製
DCM(2mL)中のA-4(500mg、1.08mmol)のアルゴンパージした混合物に、1,4-ジオキサン(2.71mL、10.8mmol)中のHClの4M溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体A-5を白色の固体0.42g(97%)として得た。
【0123】
化合物1の調製
DMF(6mL)中の6-クロロ-2-エチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1216142-18-5]、99.8mg、0.444mmol)のアルゴンパージした混合物に、HATU(203mg、0.533mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌した後、A-5(212mg、0.533mmol)及びDIPEA(0.309mL、1.78mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した後、水(20mL)に注いだ。得られた沈殿物をガラスフリット上で濾過し、水(3×20mL)で洗浄し、真空下60℃で乾燥させて、茶色の固体を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(不規則なSiOH、DCM/MeOH、45分間かけて100/0~95/5)により精製を行って、茶色がかった固体を得た。これをMeOH(2mL)で粉砕し、60℃で48時間真空乾燥させて、化合物1をベージュ色の固体0.12g(48%)として得た。
【0124】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.10(d,J=1.7Hz,1H),8.53(t,J=5.9Hz,1H),7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.68(d,J=9.5Hz,1H),7.48(d,J=8.2Hz,2H),7.47(dd,J=9.5Hz,2.1Hz,1H),4.96(s,2H),4.59(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.2Hz,2H),3.02(q,J=7.5Hz,2H),1.27(t,J=7.5Hz,3H)。
【0125】
化合物2の合成
【0126】
【化17】
同様に、化合物2を、6-クロロ-2-エチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸CAS[2059140-68-8](0.39mmol)及び中間体A-5(0.46mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.13g(57%)を白色の粉末として得た。
【0127】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.43(d,J=2.6Hz,1H),8.69(d,J=2.6Hz,1H),8.63(t,J=6.0Hz,1H),7.97(d,J=8.1Hz,2H),7.48(d,J=8.1Hz,2H),4.96(s,2H),4.59(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.3Hz,2H),4.15(t,J=5.3Hz,2H),3.05(q,J=7.5Hz,2H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0128】
化合物4の合成
【0129】
【0130】
中間体B-1の調製
THF(8mL)中の4-ブロモ-3-フルオロベンゾニトリル(CAS[133059-44-6]、2.00g、10.0mmol)の溶液に、THF中のボランテトラヒドロフラン錯体(1M)(30.0mL、30.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物をMeOH(20mL)でクエンチし、10分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、黄色の油状物2.51g(定量的)を得、これを更に精製することなくそのまま使用した。
【0131】
中間体B-2の調製
DCM(60mL)中のB-1(2.40g、9.56mmol)及びトリエチルアミン(4.00mL、28.7mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルジカルボネート(2.19g、10.0mmol)を15℃で添加し、次いで、反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粘着性の油状物(3.7g)を得た。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(不定形SiOH、溶離液:シクロヘキサン中4~36%のEtOAc)により精製して、60℃で17時間真空乾燥した後、中間体B-2を白色の固体2.17g(75%)として得た。
【0132】
中間体B-3の調製
1,4-ジオキサン(31mL)中のB-2(1.92g、6.31mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.92g、7.58mmol)及び酢酸カリウム(1.55g、15.8mmol)のN2パージ溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(462mg、0.631mmol)を添加し、次いで、反応混合物を90℃で18時間撹拌した。反応混合物をcelite(登録商標)上で濾過し、濾過ケーキをEtOAc(約20mL)でリンスし、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ(不規則なSiOH、シクロヘキサン中3~30%のEtOAc)によって精製して、中間体B-3を無色の油として得て、それは静置して時間が経つと白色の固体1.3g(60%)として結晶化した。
【0133】
中間体B-4の調製
1,4-ジオキサン(3.6mL)及び水(0.9mL)中の中間体A-3(300mg、0.895mmol)、B-3(377mg、1.07mmol)、リン酸カリウム三塩基性一水和物(618mg、2.69mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(65.5mg、0.090mmol)のN2パージ混合物を、100℃で17時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、celite(登録商標)上で濾過し、濾過ケーキをEtOAc(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ(不規則なSiOH、シクロヘキサン/EtOAc、30分間かけて94/6~50/50)によって精製して、中間体B-4を白色の固体0.28g(65%)として得た。
【0134】
中間体B-5の調製
無水DCM(1.2mL)中のB-4(280mg、0.584mmol)の窒素パージ混合物に、1,4-ジオキサン中のHClの4M溶液(1.46mL、5.84mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体B-5を白色の固体0.243g(定量)として得た。
【0135】
化合物4の調製
同様に、化合物4を、6-クロロ-2-エチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸CAS[2059140-68-8](0.4mmol)及び中間体B-5(0.48mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.13g(57%)を白色の粉末として得た。
【0136】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.44(d,J=2.7Hz,1H),8.70(d,J=2.7Hz,1H),8.65(t,J=6.0Hz,1H),7.97(t,J=8.0Hz,1H),7.37-7.31(m,2H),4.97(s,2H),4.60(d,J=5.9Hz,2H),4.39(t,J=5.5Hz,2H),4.16(t,J=5.0Hz,2H),3.06(q,J=7.5Hz,2H),1.30(t,J=7.5Hz,3H)。
【0137】
化合物7の合成
【0138】
【化19】
同様に、化合物7を、中間体AI-3(0.72mmol)及び中間体B-5(0.45mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.084g(32%)を白色の粉末として得た。
【0139】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.22-9.13(m,1H),8.56-8.46(m,2H),7.96(t,J=7.8Hz,1H),7.36-7.27(m,2H),4.97(s,2H),4.59(d,J=5.9Hz,2H),4.38(t,J=5.4Hz,2H),4.16(t,J=5.2Hz,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0140】
化合物8の合成
【0141】
【0142】
中間体AT-1の調製
0℃のMe-THF(33mL)中の5-クロロ-4-メチルピリミジン-2-アミン(CAS[40439-76-7]、1g、6.97mmol)の溶液に、ヨードベンゼンジアセテート(2.24g、6.96mmol)及びエチル3-オキソバレレート(1.66mL、11.6mmol)を添加した。次いで、三フッ化ホウ素エーテレート(91.3μL、0.349mmol)を滴下添加した。溶液を5℃で1時間、次いで室温で18時間撹拌した。EtOAc及び水を添加した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ、分取LC(不規則なSiOH、15~40μm、80g、液体ローディング(DCM)移動相勾配:ヘプタン/EtOAc80:20~0:100まで10CVにわたって)によって精製し、生成物を含有する画分を蒸発させて、367mgの中間体AT-1を得た。
【0143】
中間体AT-2の調製
AT-1(100mg、0.374mmol)、NaOH(45mg、1.12mmol)及びEtOH(2mL)の混合物を室温で2日間撹拌した。混合物を蒸発させて、164mgの中間体AT-2を得た(純度は定量的収率を与えると推定された)。
【0144】
化合物8の調製
同様に、化合物8を、中間体AT-2(0.45mmol)及び中間体A-5(0.37mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.09g(40%)を白色の粉末として得た。
【0145】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.37(s,1H),8.53(brs,1H),7.96(t,J=8.0Hz,1H),7.35-7.30(m,2H),4.97(s,2H),4.59(s,2H),4.38(t,J=5.4Hz,2H),4.16(t,J=5.3Hz,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.62(s,3H),1.28(t,J=7.5Hz,3H)。
【0146】
化合物21の合成
【0147】
【0148】
中間体AL-1の調製
2-アミノ-5-クロロ-3-フルオロピリジン(CAS[20712-16-7]、2.50g、17.1mmol)の2-MeTHF(75mL)溶液に、5℃でN2下、プロピオニル酢酸エチル(2.5mL、17.6mmol)、ヨードベンゼンジアセテート(5.50g、17.1mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(105μL、0.851mmol)を添加し、反応物を5℃で30分間、次いで室温で18時間撹拌した。追加量のプロピオニル酢酸エチル(1.25mL、8.77mmol)、ヨードベンゼンジアセテート(2.75g、8.54mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(105μL、0.851mmol)を添加し、混合物を室温で48時間撹拌した。EtOAc(150mL)及び水(150mL)を添加した。層を分離し、有機層を飽和NaHCO3水溶液(200mL)、ブライン(2×200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、8.40gを茶色の粘性の油状物として得た。これを分取LC(SiOH、120g、50μm、溶離液:シクロヘキサン/EtOAc、100:00~50:50)により精製し、生成物を含有する画分を回収し、蒸発させて、520mgの中間体AJ-1を橙色のペースト状物として得た(11%)。
【0149】
中間体AL-2の調製
水(9mL)及びEtOH(9mL)中のAL-1(480mg、1.77mmol)の溶液に、NaOH(213mg、5.33mmol)を添加した。反応混合物を30℃で3時間撹拌した。粗製物をDCM(30mL)及びEtOAc(30mL)で洗浄し、水相をpH=2になるまでHCl水溶液(3N)で酸性化し、DCM(2×50mL)で抽出した。層を分離し、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、260mgの中間体AL-2を淡桃色の固体として得た(60%)。
【0150】
化合物21の調製
同様に、化合物21を、中間体AL-2(0.72mmol)及び中間体A-5(0.45mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.084g(32%)を白色の固体として得た。
【0151】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.22-9.13(m,1H),8.56-8.46(m,2H),7.96(t,J=7.8Hz,1H),7.36-7.27(m,2H),4.97(s,2H),4.59(d,J=5.9Hz,2H),4.38(t,J=5.4Hz,2H),4.16(t,J=5.2Hz,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0152】
化合物22の合成
【0153】
【化22】
同様に、化合物22を、2-エチル-6-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1368682-64-7]、0.41mmol)及び中間体A-5(0.33mmol)から出発して、化合物7と同じ方法で調製して、0.084g(46%)を白色の固体として得た。
【0154】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.10-9.03(m,1H),8.48(t,J=6.0Hz,1H),7.98(d,J=8.2Hz,2H),7.70(dd,J=9.8,5.4Hz,1H),7.53-7.46(m,3H),4.97(s,2H),4.60(d,J=5.9Hz,2H),4.37(t,J=5.4Hz,2H),4.25-4.08(m,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),1.28(t,J=7.5Hz,3H)。
【0155】
化合物23の合成
【0156】
【0157】
中間体AP-1の調製
同様に、中間体AP-1を、4,5-ジメチルピリジン-2-アミン(CAS[57963-11-8]、4.09mmol)及びエチル3-オキソバレレート(CAS[4949-44-4])から出発して、AL-1と同じ方法で調製し、0.73g(72%)を白色の固体として得た。
【0158】
中間体AP-2の調製
同様に、中間体AP-2を、中間体AL-2と同じ方法で、中間体AP-1(0.81mmol)から出発して調製し、0.3g(定量的)を得た。
【0159】
化合物23の調製
同様に、化合物23を、中間体AP-2(0.46mmol)及び中間体A-5(0.36mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.110g(54%)を白色の粉末として得た。
【0160】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.80(s,1H),8.30(t,J=6.0Hz,1H),7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.46(d,J=8.2Hz,2H),7.38(s,1H),4.96(s,2H),4.57(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.2Hz,2H),2.97(q,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),2.22(s,3H),1.25(t,J=7.5Hz,3H)。
【0161】
化合物24の合成
【0162】
【化24】
同様に、化合物24を、2-エチル-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1216036-36-0]、0.43mmol)及び中間体AA-3(0.33mmol)から出発して、化合物7と同じ方法で調製して、0.111g(61%)を白色の固体として得た。
【0163】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.81(s,1H),8.41(t,J=5.9Hz,1H),7.97(d,J=8.1Hz,2H),7.52(d,J=9.1Hz,1H),7.47(d,J=8.2Hz,2H),7.25(dd,J=9.1,1.3Hz,1H),4.96(s,2H),4.58(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.1Hz,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0164】
化合物36の合成
【0165】
【化25】
同様に、化合物36を、6-エチル-2-メチルイミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾール-5-カルボン酸(CAS[1131613-58-5]、0.41mmol)及び中間体A-5(0.33mmol)から出発して、化合物7と同じ方法で調製して、0.124g(68%)を白色の粉末として得た。
【0166】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.19(t,J=6.0Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.92(d,J=1.4Hz,1H),7.44(d,J=8.2Hz,2H),4.96(s,2H),4.54(d,J=5.9Hz,2H),4.42-4.31(m,2H),4.24-4.10(m,2H),2.90(q,J=7.5Hz,2H),2.42(d,J=1.0Hz,3H),1.23(t,J=7.5Hz,3H)。
【0167】
化合物28の合成
【0168】
【0169】
中間体AB-1の調製
エチル6-ブロモ-2-エチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(CAS[2142474-31-9]のトルエン(25mL)及び水(10mL)中溶液に、室温でN2をバブリングしながら、スクリュートップバイアル内で、シクロプロピルトリフルオロホウ酸カリウム(0.62g、4.19mmol)、炭酸セシウム(1.2g、3.69mmol)及びPd(dppf)Cl2(0.2g、0.25mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH;ヘプタン中の酢酸エチル、0/100~50/50)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、中間体AB-1(0.35g、76%)を得た。
【0170】
化合物AB-2の調製
同様に、中間体AB-2を、中間体AL-2と同じ方法で、中間体AB-1(0.58mmol)から出発して調製し、0.17g(定量的)を得た。
【0171】
化合物28の調製
同様に、化合物28を、中間体AB-2(0.58mmol)及び中間体A-5(0.37mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.17g(77%)を白色の固体として得た。
【0172】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.06(d,J=2.4Hz,1H),8.51(t,J=5.9Hz,1H),8.46(d,J=2.5Hz,1H),7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.47(d,J=8.2Hz,2H),4.96(s,2H),4.58(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.23-4.07(m,2H),3.02(q,J=7.5Hz,2H),2.13-2.02(m,1H),1.27(t,J=7.5Hz,3H),1.04-0.97(m,2H),0.82-0.74(m,2H)。
【0173】
化合物29の合成
【0174】
【0175】
中間体AC-1の調製
ヘプタン中2Mトリメチルアルミニウム溶液(2.54mL、5.08mmol)を、窒素雰囲気下、室温で、冷却器を入れた丸底2口フラスコ中の、エチル6-ブロモ-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(CAS[2091027-34-6]、0.41g、1.12mmol)及びPd(PPh3)4(0.084g、0.073mmol)の無水THF(11mL)中溶液に滴下添加した。混合物を65℃で2時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、DCMで希釈した。次いで、10mlの水を滴下した。次いでMgSO4の粉末を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。生成物をcelite(登録商標)を通じて濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、25g;DCM/DCM中MeOH(9:1)0/100~20/80)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、黄色の固体として中間体AC-1(0.19g、59%)を得た。
【0176】
中間体AC-2の調製
同様に、中間体AC-2を、中間体AL-2と同じ方法で、中間体AC-1(0.68mmol)から出発して調製し、0.14g(定量的)を得た。
【0177】
化合物29の調製
同様に、化合物29を、中間体AC-2(0.54mmol)及び中間体A-5(0.35mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.12g(66%)を白色の粉末として得た。
【0178】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.21(s,1H),8.51(d,J=1.8Hz,1H),8.46(t,J=5.7Hz,1H),8.00-7.94(m,2H),7.48(d,J=7.3Hz,2H),4.96(s,2H),4.59(d,J=5.7Hz,2H),4.37(t,J=5.2Hz,2H),4.16(d,J=4.9Hz,2H),2.64(d,J=1.3Hz,3H),2.34(s,3H)。
【0179】
化合物30の合成
【0180】
【化28】
同様に、化合物30を、2-シクロプロピル-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸CAS[1369253-79-1](0.52mmol)及び中間体A-5(0.35mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.13g(65%)を白色の粉末として得た。
【0181】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.84(s,1H),8.52(t,J=6.0Hz,1H),7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.47(dd,J=11.9,8.7Hz,3H),7.23(dd,J=9.1,1.5Hz,1H),4.96(s,2H),4.60(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.1Hz,2H),2.45-2.37(m,1H),2.30(s,3H),1.00(d,J=6.0Hz,4H)。
【0182】
化合物31の合成
【0183】
【化29】
同様に、化合物31を、2-エチル-5H,6H,7H,8H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸CAS[1529528-99-1](0.41mmol)及び中間体A-5(0.33mmol)から出発して、化合物7と同じ方法で調製し、0.1g(57%)を白色の固体として得た。
【0184】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.27(t,J=6.0Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.41(d,J=8.2Hz,2H),4.96(s,2H),4.47(d,J=6.0Hz,2H),4.41-4.33(m,2H),4.22-4.14(m,2H),4.04-3.95(m,2H),2.74-2.69(m,2H),2.65(q,J=7.5Hz,2H),1.90-1.83(m,2H),1.83-1.74(m,2H),1.11(t,J=7.5Hz,3H)。
【0185】
化合物33の合成
【0186】
【0187】
化合物AF-1の調製
重炭酸カリウム(1当量)及びアセト酢酸エチル(1.5当量)を、スクリュートップバイアル中の4,5-ジメチル-2-ピリミジンアミン(1当量、制限試薬)の乾燥アセトニトリル(40当量)溶液に室温で添加した。次に、臭化トリクロロメタン(3当量)を室温で添加し、混合物を80℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、所望の生成物及び出発物質を示した。追加量のアセト酢酸エチル(0.5当量)及び臭化トリクロロメタン(1当量)を添加し、当該反応混合物を80℃で更に16時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、12g;DCM/DCM中MeOH(9:1)0/100~20/80)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、中間体AF-1(収率:26%)を得た。
【0188】
中間体AF-2の調製
同様に、中間体AF-2を、中間体AL-2と同じ方法で、中間体AF-1(0.61mmol)から出発して調製し、0.13g(86%)を得た。
【0189】
化合物33の調製
同様に、化合物33を、中間体AF-2(0.52mmol)及び中間体A-5(0.35mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.12g(61%)を白色の固体として得た。
【0190】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.06(s,1H),8.42(t,J=6.0Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.46(d,J=8.2Hz,2H),4.95(s,2H),4.57(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.3Hz,2H),2.99(q,J=7.5Hz,2H),2.27(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。-CH3はDMSOピークと重複した。
【0191】
化合物34の合成
【0192】
【化31】
同様に、化合物34を、2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸CAS[81438-52-0](0.43mmol)及び中間体A-5(0.33mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製し、0.095g(54%)を白色の固体として得た。
【0193】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.87(s,1H),8.35(t,J=6.0Hz,1H),8.01-7.94(m,2H),7.48(dd,J=8.6,4.6Hz,3H),7.25(dd,J=9.1,1.6Hz,1H),4.96(s,2H),4.58(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.1Hz,2H),2.59(s,3H),2.31(s,3H)。
【0194】
化合物42の合成
【0195】
【0196】
中間体AT-1の調製
スクリュートップバイアルにおいて、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(0.071mL、0.57mmol)を、2-アミノ-5-ブロモピリミジン(CAS[7752-82-1]、1g、5.75mmol)、エチル-3-シクロプロピル-3-オキソプロピオナート(1.27mL、8.62mmol)及び(ジアセトキシヨード)ベンゼン(2.8g、8.62mmol)の2-MeTHF乾燥(25mL)溶液に窒素下、室温で滴下添加し、混合物を60℃で16時間撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。層を分離し、有機層を飽和NaHCO3及びブラインで洗浄した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、80g;酢酸エチル/ヘプタン0/100~25/75)によって精製した。所望の画分を回収し、真空で濃縮して、中間体AT-1(0.66g、37%)を黄色の固体として得た。
【0197】
中間体AT-2の調製
同様に、中間体AT-2を、中間体AC-1と同じ方法で、中間体AT-1(3.64mmol)から出発して調製し、0.73g(81%)を得た。
【0198】
中間体AT-3の調製
同様に、中間体AT-3を、中間体AL-2と同じ方法で、中間体AT-2(0.61mmol)から出発して調製し、0.13g(99%)を得た。
【0199】
化合物42の調製
同様に、化合物42を、中間体AT-3(0.48mmol)及び中間体A-5(0.35mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.12g(61%)を白色の固体として得た。
【0200】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.18(s,1H),8.64(t,J=5.8Hz,1H),8.49(d,J=2.5Hz,1H),7.97(d,J=8.3Hz,2H),7.48(d,J=8.3Hz,2H),4.96(s,2H),4.60(d,J=5.7Hz,2H),4.36(t,J=5.3Hz,2H),4.16(d,J=5.1Hz,2H),2.67(m,1H),2.33(s,2H),1.06(d,J=6.0Hz,4H)。
【0201】
化合物44の合成
【0202】
【0203】
中間体AG-1の調製
同様に、中間体AG-1を、ピラジン-5(4H)-カルボキシレート(CAS[1823835-34-2]、0.73mmol)及びベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジルカルバメート(CAS[1628594-76-2]、0.88mmol)から出発して、中間体AE-1と同じ方法で調製して、0.13g(35%)を白色の固体として得た。
【0204】
中間体AG-2の調製
同様に、中間体AG-2を、AG-1(0.27mmol)から出発して中間体AE-6と同じ方法で調製して、0.11g(100%)を橙色の粉末として得た。
【0205】
中間体AG-3の調製
同様に、中間体AG-3を、AG-2(0.27mmol)から出発して中間体A-3と同じ方法で調製して、0.06g(45%)を白色の粉末として得た。
【0206】
中間体AG-4の調製
同様に、中間体AG-4を、AG-3(0.13mmol)から出発して中間体AE-2と同じ方法で調製して、0.045g(95%)を白色の固体として得た。
【0207】
化合物44の調製
同様に、化合物44を、中間体AG-4(0.23mmol)及び中間体A-5(0.14mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.027g(34%)を白色の粉末として得た。
【0208】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.17-9.13(m,1H),8.52-8.46(m,2H),7.75(d,J=8.2Hz,2H),7.41(d,J=8.3Hz,2H),6.63(s,1H),4.87(s,2H),4.55(d,J=5.9Hz,2H),4.28(t,J=5.5Hz,2H),4.10(t,J=5.4Hz,2H),3.02(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.28(t,J=7.5Hz,3H)。
【0209】
化合物45の合成
【0210】
【0211】
中間体AD-1の調製
同様に、6,7-ジヒドロ-5h-シクロペンタ[d]ピリミジン-2-アミン(CAS[108990-72-3]、7.4mmol)から出発して、化合物AL-1と同じ方法で化合物AD-1を調製し、0.726g(38%)を得た。
【0212】
中間体AD-2の調製
同様に、化合物AD-2を、AD-1(0.77mmol)から出発して化合物AL-2と同じ方法で調製して、0.446g(44%)を得た。
【0213】
化合物45の調製
同様に、化合物45を、中間体AD-2(0.60mmol)及び中間体A-5(0.38mmol)から出発して化合物7と同じ方法で調製して、0.036g(16%)を白色の粉末として得た。
【0214】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.11(s,1H),8.45(t,J=6.0Hz,1H),7.97(d,J=8.3Hz,2H),7.47(d,J=8.3Hz,2H),4.96(s,2H),4.57(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.15(t,J=5.3Hz,2H),3.04-2.90(m,6H),2.13(p,J=7.6Hz,2H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0215】
化合物47、48及び51の合成
中間体AI-3の調製
【0216】
【0217】
中間体AI-1の調製
2-アミノ-5-ブロモピリミジン(10.0g;57.5mmol)を、乾燥2-MeTHF(250mL)に懸濁させた。エチル3-オキソバレレート(8.2mL、57.5mmol、1当量)及びヨードベンゼンジアセテート(18.5g、57.5mmol、1当量)を添加した。次いで、三フッ化ホウ素エーテレート(0.75mL、2.87mmol、0.05当量)を滴下添加し、反応混合物を60℃で1.5時間撹拌した。追加量のエチルエチル3-オキソバレレート(4.10mL、28.7mmol、0.5当量)、ヨードベンゼンジアセテート(9.25g、28.7mmol、0.5当量)及び三フッ化ホウ素エーテレート(0.75mL、2.87mmol、0.05当量)を室温で添加し、混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、EtOAc及び水を添加した。有機層を分離し、NaHCO3の飽和溶液で洗浄し(2回)、次いでブラインで洗浄した(2回)。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、茶色の油状物として19.7gを得た。粗製物を分取LC(不規則なSiOH、15~40μm、330g、乾燥ローディング(SiOH)、移動相勾配:DCM100%~DCM85%、EtOAc15%)により精製して、中間体AI-1、9.03gを黄色の結晶として得た(53%)。
【0218】
中間体AI-2の調製
N2下の密封チューブ内で、N2下で脱気したTHF(12mL)中の中間体AI-1(500mg、1.68mmol)及びPd(PPh3)4(96.9mg、0.084mmol)の溶液に、ヘキサン中2mトリメチルアルミニウム(2当量、1.68mL、3.35mmol)を添加した。混合物を再びN2でパージし、65℃で1時間加熱した。追加量のヘキサン中2mトリメチルアルミニウム(1当量、0.839mL、1.68mmol)を添加し、混合物を65℃で1時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、0℃に冷却し、1mLの水を注意深く添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、次いでMgSO4を添加した。30分間撹拌した後、混合物をcelite(登録商標)のプラグで濾過し、蒸発させて、412mgの橙色のガム状物として得た。粗製物を、分取LC(定形SiOH30μm、40gドライローディング(celite(登録商標))、移動相勾配:ヘプタン95%、EtOAc5%~ヘプタン50%、EtOAc50%)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、中間体AI-2、354mgを黄色のガム状物として得た(90%)。
【0219】
中間体AI-3の調製
中間体AI-2(120mg、0.514mmol)の水(1mL)及びEtOH(4mL)中の溶液に、NaOH(62mg、1.55mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を蒸発させ、次いでEtOHと共蒸発させて、中間体AI-3(190mg)を黄色の固体として得た。次の工程で粗生成物をそのまま使用した。
【0220】
【0221】
中間体AE-1の調製
ガラス製耐圧ボトル中で、ジオキサン(16mL)及び水(8mL)中のtert-ブチル2-ブロモ-5,6-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-カルボキシレート(CAS[1575613-02-3]、1.02g、3.37mmol)、ベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジルカルバメート(CAS[1628594-76-2]、1.73g、4.72mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(0.28g、0.34mmol)の撹拌混合物に窒素をバブリングしながら加えた。次いで、Cs2CO3(2.2g、6.75mmol)を室温で添加した。混合物を90℃で16時間撹拌した。反応物を冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、12g;ヘプタン中EtOAc0/100~60/40)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、黄色の固体として中間体AE-1(1.34g、85%)を得た。
【0222】
中間体AE-2の調製
AE-1(1.34g、2.89mmol)のEtOAc(10mL)及びMeOH(3mL)中撹拌溶液に、水酸化パラジウム炭素(0.2g、0.29mmol)を窒素雰囲気下室温で添加した。次に、窒素雰囲気をH2(Patm)で置き換え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物をcelite(登録商標)のパッドを通して濾過し、溶媒を真空中で濃縮して、AE-2を白色の固体として得た(0.85g、84%)。
【0223】
中間体AE-4の調製
中間体AE-2(0.85g、2.57mmol)を、丸底フラスコ中の乾燥DMF中のAI-3(1.08g、4.11mmol)、HATU(1.46g、3.85mmol)及びDIPEA(3.13mL、13.98mmol)の溶液に室温で添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、混合物をEtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、25g;DCM/DCM中MeOH(9:1)0/100~20/80)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、AE-4(1.32g、95%)を透明な茶色の固体として得た。
【0224】
中間体AE-3の調製
同様に、中間体AE-3を、2-エチル-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1216036-36-0])から出発して、中間体AE-4と同じ方法で調製した。
【0225】
中間体AE-6の調製
ジオキサン中HCl(4M)(3.83mL、15.33mmol)を、丸底フラスコ中のAE-4及びDCM(20mL)の撹拌溶液に室温で添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、固体をDIPEでトリチュレートして、AE-6(1.25g、qtve)をベージュ色の固体(HCl塩)として得た。次の工程で粗生成物をそのまま使用した。
【0226】
中間体AE-5の調製
同様に、中間体AE-5を、中間体AE-3から出発して中間体AE-6と同じ方法で調製される。
【0227】
【0228】
化合物47の調製
ピロリジン-1-スルホニルクロリド(0.046mL、0.27mmol)を、丸底フラスコ中、窒素下、室温で、AE-6(0.12g、0.25mmol)及びDIPEA(0.085mL、0.49mmol)の無水DCM(5mL)中溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、DCMで抽出した。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH、12g;(DCM/DCM中MeOH(9:1)0/100~100/0)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。生成物をDIPEで摩砕し、固体を濾過して、0.057gの化合物47を淡ベージュ色の固体として得た(42%)。
【0229】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.16(d,J=1.2Hz,1H),8.50(dd,J=7.7,4.2Hz,2H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.46(d,J=8.2Hz,2H),4.63-4.49(m,4H),4.27(t,J=5.4Hz,2H),3.80(t,J=5.4Hz,2H),3.28(t,J=6.7Hz,4H),3.02(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.93-1.79(m,4H),1.33-1.23(m,3H)。
【0230】
化合物48の調製
同様に、化合物48を、AE-5(0.33mmol)から出発して、化合物47と同じ方法で調製し、0.12g(64%)を得た。
【0231】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.81(s,1H),8.38(t,J=5.9Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.51(d,J=9.1Hz,1H),7.46(d,J=8.2Hz,2H),7.24(dd,J=9.1,1.5Hz,1H),4.57(d,J=7.2Hz,4H),4.27(t,J=5.4Hz,2H),3.80(t,J=5.4Hz,2H),3.27(d,J=6.7Hz,4H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),1.94-1.80(m,4H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0232】
化合物51の調製
【0233】
【化38】
したがって、化合物51を、化合物47と同じ方法で、AE-5(0.33mmol)及びN,N-ジメチルスルファモイルクロリドから出発して調製し、(0.69mmol)を得て、0.07g(40%)を得た。
【0234】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.81(s,1H),8.40(t,J=6.0Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,2H),7.51(d,J=9.1Hz,1H),7.46(d,J=8.2Hz,2H),7.24(dd,J=9.1,1.6Hz,1H),4.60-4.55(m,4H),4.27(t,J=5.4Hz,2H),3.81(t,J=5.4Hz,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.83(s,6H),2.31(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0235】
化合物55の合成
【0236】
【化39】
AE-5(0.15g、0.31mmol)のイソアミルアルコール(2mL)中の溶液に、DIPEA(0.16g、1.23mmol)及び2-ブロモエチルメチルエーテル(0.032mL、0.34mmol)を室温で添加し、この混合物を130℃で72時間撹拌した。反応混合物にDIPEA(1.5当量)及びイソアミルアルコール(0.5mL)を再投入し、130℃で24時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOH;DCM/DCM中MeOH(9/1)0/100~30/70)によって精製した。所望の画分を回収し、真空下で濃縮した。生成物をDIPEで粉砕し、白色の固体として0.037gの化合物55(25%)を得た。
【0237】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.80(s,1H),8.40(t,J=6.0Hz,1H),7.95(d,J=8.2Hz,2H),7.51(d,J=9.2Hz,1H),7.44(d,J=8.3Hz,2H),7.25(dd,J=9.1,1.7Hz,1H),4.56(d,J=5.9Hz,2H),4.16(t,J=5.4Hz,2H),3.82(s,2H),3.54(t,J=5.5Hz,2H),3.27(s,3H),3.05(t,J=5.5Hz,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.78(t,J=5.5Hz,2H),2.31(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)
【0238】
化合物56の合成
【0239】
【化40】
同様に、化合物56を、化合物47と同じ方法で、AE-5(0.31mmol)及びヨードメタン(0.46mmol)から出発して調製し、0.047g(35%)を得た。
【0240】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 8.80(s,1H),8.40(t,J=5.6Hz,1H),7.95(d,J=8.0Hz,2H),7.51(d,J=9.1Hz,1H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.24(d,J=9.0Hz,1H),4.56(d,J=5.6Hz,2H),4.17(t,J=5.1Hz,2H),3.70(s,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.92(t,J=5.3Hz,2H),2.44(s,3H),2.31(s,3H),1.26(t,J=7.4Hz,3H)。
【0241】
化合物65の合成
【0242】
【化41】
同様に、化合物65を、2-エチル-7-メチル-6,8-ジヒドロ-5 H-イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-カルボン酸(CAS[2059140-77-9]、0.66mmol)及び中間体A-5(0.44mmol)から出発して、化合物1と同じ方法で調製して、0.051g(20%)を白色の固体として得た。
【0243】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,100℃)δ7.96(d,J=8.0Hz,2H),7.87(t,J=5.3Hz,1H),7.42(d,J=8.0Hz,2H),4.93(s,2H),4.50(d,J=5.9Hz,2H),4.37(t,J=5.5Hz,2H),4.16(t,J=5.4Hz,2H),4.07(t,J=5.5Hz,2H),3.53(s,2H),2.76(t,J=5.5Hz,2H),2.70(q,J=7.4Hz,2H),2.39(s,3H),1.15(t,J=7.5Hz,3H)。
【0244】
化合物66の合成
【0245】
【0246】
中間体C-1の調製
1,4-ジオキサン(24mL)中のtert-ブチルN-[2-(4-ブロモフェニル)エチル]カルバメート(CAS[120157-97-3]0.9g、3mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.14g、4.5mmol)及び酢酸カリウム(0.88g、8.9mmol)のN2パージ溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(245mg、0.3mmol)を添加し、次いで、反応混合物を90℃で18時間撹拌した。反応混合物をcelite(登録商標)上で濾過し、濾過ケーキをEtOAcでリンスし、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ(MeOH/DCM0/100~4/96)によって精製して、中間体C-1をベージュ色の固体0.7g(64%)として得た。
【0247】
中間体C-2の調製
1,4-ジオキサン(4mL)及び水(1.8mL)中の中間体C-1(250mg、0.72mmol)、中間体A-3(219mg、0.65mmol)、炭酸セシウム(469mg、1.44mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(80mg、0.098mmol)のN2パージ混合物を100℃で17時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、celite(登録商標)上で濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ(ヘプタン中EtOAc0/100~25/75)により精製して、中間体C-2を白色の固体0.256g(81%)として得た。
【0248】
中間体C-3の調製
無水DCM(10mL)中のC-2(256mg、0.54mmol)の窒素パージ混合物に、1,4-ジオキサン中のHClの4M溶液(0.81mL、3.23mmol)を室温で添加した。反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体C-3を白色の固体0.216g(89%)として得た。
【0249】
化合物66の調製
同様に、化合物66を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.58mmol)及び中間体C-3(0.48mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.171g(61%)を白色の粉末として得た。
【0250】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 8.99(s,1H),8.48(d,J=2.2Hz,1H),8.01(t,J=5.5Hz,1H),7.93(d,J=8.0Hz,2H),7.38(d,J=8.1Hz,2H),4.96(s,2H),4.36(t,J=5.3Hz,2H),4.22-4.08(m,2H),3.61(dd,J=12.8,6.6Hz,2H),2.94(t,J=7.1Hz,2H),2.83(q,J=7.5Hz,2H),2.29(s,3H),1.17(t,J=7.5Hz,3H)。
【0251】
化合物67の合成
【0252】
【0253】
中間体C-4の調製
同様に、中間体C-4を、tert-ブチルN-[[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル]カルバメート(CAS[832114-05-3]、273mg、0.82mmol)、中間体A-3(250mg、0.75mmol)から出発して、中間体C-2とで調製して、中間体C-4を白色の固体として得た(0.169g(47%))。
【0254】
中間体C-5の調製
同様に、中間体C-5を、中間体C-4(165mg、0.36mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-5を白色の固体として得た(0.154g(98%))。
【0255】
化合物67の調製
同様に、化合物67を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.49mmol)及び中間体C-5(0.35mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.067g(34%)を白色の粉末として得た。
【0256】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.14(s,1H),8.58(t,J=5.8Hz,1H),8.52(s,1H),8.05(s,1H),7.88(d,J=4.1Hz,1H),7.51-7.40(m,2H),4.95(s,2H),4.60(d,J=5.8Hz,2H),4.36(t,J=5.1Hz,2H),4.15(s,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.28(t,J=7.4Hz,3H)
【0257】
化合物68の合成
【0258】
【0259】
中間体C-6の調製
同様に、中間体C-6を、tert-ブチルN-[1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]シクロプロピル]カルバメート(CAS[1313441-88-1]、483mg、1.35mmol)、中間体A-3(410mg、1.22mmol)から出発して、中間体C-2とで調製して、中間体C-6を白色の固体として得た(0.337g(56%))。
【0260】
中間体C-7の調製
同様に、中間体C-7を、中間体C-6(322mg、0.66mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-7を白色の固体として得た(0.331g(99%))。
【0261】
化合物68の調製
同様に、化合物68を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.41mmol)及び中間体C-7(0.32mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.170g(92%)を白色の粉末として得た。
【0262】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.05(dd,J=2.3,1.1Hz,1H),8.76(s,1H),8.51(d,J=2.4Hz,1H),7.91(d,J=8.5Hz,2H),7.34(d,J=8.5Hz,2H),4.95(s,2H),4.36(t,J=5.3Hz,2H),4.20-4.11(m,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.33(s,3H),1.38(s,4H),1.28(t,J=7.5Hz,3H)
化合物69の合成
【0263】
【0264】
中間体C-8の調製
1,4-ジオキサン(7mL)中の4-ピロリジン-3-イルベンゾニトリル(CAS[1203798-71-3]、155mg、0.9mmol)、中間体A-3(250mg、0.75mmol)、炭酸セシウム(732mg、2.25mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(102mg、0.11mmol)及び4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(130mg、0.22mmol)のN2パージした混合物を100℃で16時間撹拌した。
【0265】
反応混合物を室温に冷却した。酢酸エチル及びNaHCO3を反応混合物に添加し、有機層を分離し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ中の乾燥ローディング、ヘプタン中EtOAc0/100~75/25)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して中間体C-8を黄色の油状物として0.145g(40%)得た。
【0266】
中間体C-9の調製
中間体C-8(145mg、0.32mmol)、塩化ニッケル(II)六水和物(58mg、0.24mmol)、二炭酸ジ-tertブチル(211mg、0.97)の無水MeOH(3mL)中の窒素パージ混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(73mg、1.94)、mmol)を0℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温で32時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を添加し、混合物をDCMで抽出した(×3)。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、中間体C-9を茶色の固体(0.092g(43%))として得、これを更に精製せずに次の工程で使用した。
【0267】
中間体C-10の調製
同様に、中間体C-10を、中間体C-9(92mg、0.17mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-10を紫色の固体として得た(0.080g(79%))。
【0268】
化合物69の調製
同様に、化合物69を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.21mmol)及び中間体C-10(0.16mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、40mg(39%)を白色の粉末として得た。
【0269】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,25℃)δ9.24-9.20(m,1H),8.73-8.65(m,2H),7.33(d,J=8.3Hz,2H),7.28(d,J=8.2Hz,2H),4.75(s,2H),4.52(d,J=5.8Hz,2H),4.07(s,4H),3.76(dd,J=9.5,7.5Hz,1H),3.64-3.51(m,4H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.39(s,3H),1.98(dq,J=12.1,8.4Hz,2H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0270】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,100℃)δ9.16(dd,J=2.3,1.1Hz,1H),8.54(d,J=2.4Hz,1H),8.15(s,1H),7.35(d,J=8.1Hz,2H),7.28(d,J=8.1Hz,2H),4.73(s,2H),4.55(d,J=5.8Hz,2H),4.08(dq,J=8.2,4.2Hz,4H),3.79(dd,J=9.6,7.5Hz,1H),3.58-3.40(m,3H),3.36-3.27(m,1H),2.38-2.35(m,3H),2.07-1.95(m,2H),1.31(t,J=7.5Hz,3H)。CH2がなく、水シグナル内のCH2。
【0271】
化合物70の合成
【0272】
【0273】
中間体C-11の調製
同様に、中間体C-11を、トルエン(20mL)中の中間体4-ピペラジン-1-イルベンゾニトリル(CAS[68104-63-2]、200mg、0.89mmol)、中間体A-3(250mg、0.75mmol)から出発して、中間体C-8と同じ方法で調製して、中間体C-11を黄色の固体として得た、0.134g(39%)。
【0274】
中間体C-12の調製
同様に、中間体C-12を、中間体C-11(364mg、0.82mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-12を黄色の固体として得た(0.450g(90%))。
【0275】
中間体C-13の調製
同様に、中間体C-13を、中間体C-12(449mg、0.74mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-13を黄色の固体として得た(0.384g(85%))。
【0276】
化合物70の調製
同様に、化合物70を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.82mmol)及び中間体C-13(0.63mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、136mg(34%)をベージュ色の固体として得た。
【0277】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.12(s,1H),8.50(d,J=2.3Hz,1H),8.40(t,J=5.9Hz,1H),7.25(d,J=8.5Hz,2H),6.97(d,J=8.6Hz,2H),4.77(s,2H),4.43(d,J=5.8Hz,2H),4.09(dd,J=12.8,4.3Hz,4H),3.47-3.40(m,4H),3.22-3.13(m,4H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.33(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0278】
化合物71の合成
【0279】
【0280】
中間体C-14の調製
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン-イルベンゾニトリルとの錯体(CAS[95464-05-4]、49mg、0.06mmol)及びCuI(11mg、12mmol)を、窒素をバブリングしながら、室温で、冷却器を備えた丸底フラスコ2つ口中のDMF(9mL)中の中間体A-3(200mg、0.6mmol)の撹拌溶液に添加した。次に、(3-シアノベンジル)ジンクブロマイド(CAS[117269-72-4]、624mg、2.39mmol、THF中0.24M溶液)を、窒素下で撹拌懸濁液にスリンジを介して添加した。混合物を90℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、AcOEtで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ;ヘプタン中の酢酸エチル0/100~100/0)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、中間体C-14(0.080g、36%)を得た。
【0281】
中間体C-15の調製
同様に、中間体C-15を、中間体C-14(80mg、0.22mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-15を茶色の油状物として得た(0.095g(83%))。
【0282】
中間体C-16の調製
同様に、中間体C-16を、中間体C-15(80mg、0.2mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-16を黄色の固体として得た(0.090g(90%))。
【0283】
化合物71の調製
同様に、化合物71を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.24mmol)及び中間体C-16(0.2mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、55mg(47%)を茶色の固体として得た。
【0284】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.13(s,1H),8.55-8.43(m,2H),7.35-7.10(m,4H),4.81(s,2H),4.50(d,J=5.0Hz,2H),4.22(s,2H),4.16-4.01(m,4H),3.04-2.94(m,2H),2.33(s,3H),1.26(t,J=7.3Hz,3H)。
【0285】
化合物72の合成
【0286】
【0287】
中間体C-17の調製
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(CAS[14221-01-3]、334mg、0.29mmol)を、トルエン(20mL)中の中間体A3(484mg、1.45mmol)、ヘキサメチルジスズ(CAS[661-69-8]、0.3mL、1.45mmol、1.58g/mL)の混合物にN2雰囲気下で添加した。混合物を110℃で5時間撹拌した。次に、2-ブロモオキサゾール-4-カルボニトリル(CAS[1240608-82-5]、375mg、2.17mmol)及び追加のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(CAS[14221-01-3]、334mg、0.29mmol)を反応混合物に添加し、110℃で更に16時間撹拌した。反応が完了していないときは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(CAS[14221-01-3]、334mg、0.29mmol)を室温で添加し、混合物を110℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)のパッドを通して濾過した。溶媒を真空下で濃縮した。反応粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘプタン中のEtOAc0/100~100/0)によって精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、中間体C-17を黄色の固体362mg(50%)として得た。
【0288】
中間体C-18の調製
同様に、中間体C-18を、中間体C-17(316mg、0.91mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-18を茶色の油状物として得た(0.434g(95%))。
【0289】
中間体C-19の調製
同様に、中間体C-19を、中間体C-18(434mg、0.58mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-19を黄色の固体として得た(0.372g(100%))。
【0290】
化合物72の調製
同様に、化合物72を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.75mmol)及び中間体C-19(0.58mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、55mg(18%)をベージュ色の固体として得た。
【0291】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 9.16(s,1H),8.51(d,J=2.4Hz,1H),8.46(t,J=5.7Hz,1H),8.17(s,1H),4.98(s,2H),4.50(d,J=5.6Hz,2H),4.41(t,J=5.4Hz,2H),4.22-4.11(m,2H),3.00(q,J=7.5Hz,2H),2.35(s,3H),1.27(t,J=7.5Hz,3H)。
【0292】
化合物73の合成
【0293】
【0294】
中間体C-20の調製
同様に、中間体C-20は、2-ブロモチアゾール-4-カルボニトリル(CAS[848501-90-6]、280mg、1.48mmol)、及びtert-ブチル2-ブロモ-6,8-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-7-カルボキシレート(CAS[1575613-02-3]、300mg、0.99mmol)から出発して、中間体C-17と同じ方法で調製して、中間体C-20を淡黄色の固体として得た、0.165g(50%)。
【0295】
中間体C-21の調製
同様に、中間体C-21を、中間体C-20(165mg、0.5mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-21を白色の固体として得た(0.145g(100%))。
【0296】
中間体C-22の調製
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(CAS[358-23-6]、0.100mL、0.59mmol)を、丸底フラスコ中の中間体C-21(145mg、0.54mmol)、DIPEA(0.282mL、1.60mmol)のDCM(6mL)中撹拌溶液に、N2雰囲気下0℃で滴下添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、室温で1時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ;ヘプタン中の酢酸エチル0/100~30/70)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、中間体C-22(0.077g、39%)を白色の固体として得た。
【0297】
中間体C-23の調製
同様に、中間体C-23を、中間体C-22(75mg、0.21mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-23を茶色の固体として得た(83mg(86%))。
【0298】
中間体C-24の調製
同様に、中間体C-24を、中間体C-23(83mg、0.18mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-24を黄色の固体として得た(87mg(99%))。
【0299】
化合物73の調製
同様に、化合物73を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.19mmol)及び中間体C-24(0.18mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、15mg(10%)を黄色の固体として得た。
【0300】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 9.18-9.15(m,1H),8.57(t,J=5.9Hz,1H),8.51(d,J=2.4Hz,1H),7.62(s,1H),4.98(s,2H),4.69(d,J=5.8Hz,2H),4.39(t,J=5.4Hz,2H),4.17(t,J=5.1Hz,2H),3.02(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.28(t,J=7.5Hz,3H)。
【0301】
化合物74の合成
【0302】
【0303】
中間体C-25の調製
同様に、中間体C-25を、2-ブロモチアゾール-5-カルボニトリル(CAS[440100-94-7]、500mg、2.54mmol)及び中間体A3(567mg、1.69mmol)から出発して、中間体C-17と同じ方法で調製して、中間体C-25を淡茶色の固体として得た、0.180g(26%)。
【0304】
中間体C-26の調製
同様に、中間体C-26を、中間体C-25(233mg、0.64mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-26を茶色の油状物として得た(0.299g(85%))。
【0305】
中間体C-27の調製
同様に、中間体C-27を、中間体C-26(299mg、0.54mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-27を黄色の固体として得た(0.280g(58%))。
【0306】
化合物74の調製
同様に、化合物74を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.38mmol)及び中間体C-27(0.32mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、38mg(21%)を茶色の固体として得た。
【0307】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.19(dd,J=2.3,1.1Hz,1H),8.61(t,J=5.8Hz,1H),8.53(d,J=2.4Hz,1H),7.89(s,1H),4.97(s,2H),4.75(d,J=5.7Hz,2H),4.39(t,J=5.4Hz,2H),4.16(d,J=5.1Hz,2H),2.99(q,J=7.5Hz,2H),2.35(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0308】
化合物75の合成
【0309】
【0310】
中間体C-28の調製
同様に、中間体C-28を、tert-ブチルN-[(4-ブロモチアゾール-2-イル)メチル]カルバメート(CAS[697299-87-9]、750mg、2.56mmol)及び中間体A3(571mg、1.71mmol)から出発して、中間体C-17と同じ方法で調製して、中間体C-28を黄色の油状物、0.403g(29%)として得た。
【0311】
中間体C-29の調製
同様に、中間体C-29を、中間体C-28(403mg、0.49mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-29を黄色の固体として得た(0.360g(100%))。
【0312】
化合物75の調製
同様に、化合物75を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(0.69mmol)及び中間体C-29(0.49mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、32mg(12%)をベージュ色の固体として得た。
【0313】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 9.19(s,1H),8.84(t,J=5.9Hz,1H),8.54(d,J=2.4Hz,1H),8.06(s,1H),4.95(s,2H),4.86(d,J=5.9Hz,2H),4.36(t,J=5.4Hz,2H),4.17(t,J=5.3Hz,2H),3.07(q,J=7.5Hz,2H),2.35(s,3H),1.32(t,J=7.5Hz,3H)。
【0314】
化合物76の合成
【0315】
【0316】
中間体C-30の調製
同様に、中間体C-30を、中間体AI-3 2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(158mg 0.77mmol)及び(5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)メタンアミン塩酸塩(CAS[1823928-17-1]、187mg 0.7mmol)から出発して、化合物1と同じ方法で調製し、260mg(68%)を茶色の固体として得た。
【0317】
化合物76の調製
同様に、化合物76を、中間体C-30(180mg、0.33mmol)及び中間体A3(221mg、0.66mmol)から出発して中間体C-17と同じ方法で調製し、38mg(20%)をベージュ色の固体として得た。
【0318】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.22(s,1H),8.85(s,1H),8.61-8.47(m,1H),5.00(s,2H),4.97(s,2H),4.43(t,J=5.4Hz,2H),4.17(m,2H),3.04(q,J=7.5Hz,2H),2.35(s,3H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0319】
化合物77の合成
【0320】
【0321】
中間体C-31の調製
同様に、中間体C-31を、6-クロロ-5-フルオロ-ピリジン-3-カルボニトリル(CAS[1020253-14-8]、1g、6.39mmol)及び中間体A3(713mg、2.13mmol)から出発して、中間体C-17と同じ方法で調製して、中間体C-31を黄色の油状物として、0.234g(12%)得た。
【0322】
中間体C-32の調製
同様に、中間体C-32を、中間体C-31(257mg、0.68mmol)から出発して中間体C-9と同じ方法で調製して、中間体C-32を茶色の固体として得た(0.276g(54%))。
【0323】
中間体C-33の調製
同様に、中間体C-33を、中間体C-32(275mg、0.57mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-33を黄色の固体として得た(0.285g(99%))。
【0324】
化合物77の調製
同様に、化合物77を、6-クロロ-2-エチル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-カルボン酸(CAS[2059140-68-8]、0.74mmol)及び中間体C-33(0.57mmol)から出発して、化合物1と同じ方法で調製し、38mg(12%)を茶色の固体として得た。
【0325】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.44(d,J=2.6Hz,1H),8.69(d,J=2.6Hz,1H),8.64(t,J=6.0Hz,1H),8.58(s,1H),7.87(d,J=10.9Hz,1H),4.99(s,2H),4.66(d,J=5.6Hz,2H),4.42(t,J=5.3Hz,2H),4.18(s,2H),3.06(q,J=7.5Hz,2H),1.30(t,J=7.5Hz,3H)。
【0326】
化合物78の合成
【0327】
【0328】
中間体C-34の調製
プロピオニル酢酸エチル(CAS[4949-44-4]、0.100mL、0.59mmol)を、アセトニトリル(10mL)中の5-クロロ-4-ヨードピリジン-2-アミン(CAS[1260667-65-9]、3.6g、14.15mmol)、KHCO3(3.1g、31.13mmol)、ブロモトリクロロメタン(CAS[75-62-7]、5.5g、56.59mmol)の撹拌混合物に室温で添加した。混合物を90℃で16時間撹拌した。次に、混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ;ヘプタン中EtOAc0/100~25/75)によって精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で蒸発させて、中間体C-34(1.13g、20%)を黄色の粉末として得た。
【0329】
中間体C-35の調製
スクリュートップバイアル中、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(CAS[29046-78-4]、105mg、0.48mmol)のDMA(1mL)中溶液を、中間体C-34、2,4-ジメトキシベンジルアミン(0.7mL)、(Ir[dF(CF3)ppy]2(dtbpy))PF6(CAS[870987-63-6]、54mg、0.44mmol)のDMA(8mL)中混合物に窒素下室温で添加した。混合物を窒素で脱気し、バイアルを閉じ、混合物を室温で撹拌し、青色光LEDで32時間照射した。混合物を飽和NaHCO3水溶液で希釈し、AcOEtで抽出した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
【0330】
粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ;AcOEt/ヘプタン0/100~70/30)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で蒸発させて、中間体C-35(0.250g、24%)を黄色の固体として得た。
【0331】
中間体C-36の調製
丸底フラスコ中、中間体C-35(0.245g、0.59mmol)、トリエチルアミン(0.6mL、4.39mmol)、及びDMAP(3.58mg、0.029mmol)のDCM(2mL)中溶液に、ジ-tertブチル脱炭酸塩(0.5g、2.34mmol)を室温で添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、ジオキサンを添加した(2mL)。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。
【0332】
反応混合物を水及びブライン溶液で希釈し、DCMで抽出した。有機層を無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、DCM中のAcOEt0/100~40/60)によって精製した。所望の画分を回収し、濃縮して、中間体C-36を白色の固体として0.270g(88%)得た。
【0333】
中間体C-37の調製
中間体C-36(270mg、0.52mmol)の水(2.5mL)及びEtOH(9mL)中溶液に、LiOH(66mg、1.56mmol)を添加した。反応混合物を50℃で2時間撹拌した。次いでpH7までHCl1M水溶液を添加し、溶媒を真空中で蒸発させて、中間体C-37を橙色の固体として0.280g(100%)得た。この反応混合物を、更に精製することなく次の工程で使用した。
【0334】
中間体C-38の調製
同様に、中間体C-38を、中間体C-37(277mg、0.52mmol)及び中間体C-33(472mg、1.04mmol)から出発して、化合物1と同じ方法で調製して、113mg(12%)を黄色の泡状物として得た。
【0335】
化合物78の調製
中間体C-38(100mg、0.12mmol)に0℃でTFA(1.13mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液で中和し、DCMで抽出した。有機層を分離させ、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ;DCM/DCM中MeOH(9:1)0/100~60/40)によって精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空で蒸発させた。ジエチルエーテル及びペンタンを添加し、真空下で乾燥させて、化合物78、26mg(37%)を白色の固体として得た。
【0336】
1H NMR(400MHz,DMSO)d 9.05(s,1H),8.55(s,1H),8.08(t,J=5.9Hz,1H),7.81(d,J=11.4Hz,1H),6.64(s,1H),6.13(s,2H),4.99(s,2H),4.60(d,J=5.8Hz,2H),4.42(t,J=5.4Hz,2H),4.18(t,J=5.1Hz,2H),3.00-2.84(m,2H),1.24(t,J=7.5Hz,3H)。
【0337】
化合物79及び80の合成
【0338】
【0339】
中間体C-39の調製
同様に、中間体C-39では、中間体2-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン(CAS[1523006-94-1]、823mg、4.07mmol)から出発して、中間体A-3と同じ方法で調製し、黄色の固体として中間体C-39、0.606g(44%)を得た。
【0340】
中間体C-40の調製
同様に、中間体C-40を、中間体C-39(1.87mmol)及びtert-ブチルN-[[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル]カルバメート(CAS[330794-35-9]、2.62mmol)から出発して中間体C-2と同じ方法で調製して、0.607g(63%)を黄色の固体として得た。
【0341】
中間体C-41の調製
同様に、中間体C-41を、中間体C-39(0.37mmol)及び中間体B-3(0.52mmol)から出発して中間体C-40と同じ方法で調製して、133mg(74%)をベージュ色の固体として得た。
【0342】
中間体C-42の調製
同様に、中間体C-42では、中間体C-40(607mg、1.32mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-42を白色の固体として得た(0.580g(91%))。
【0343】
中間体C-43の調製
同様に、中間体C-43では、中間体C-41(133mg、0.28mmol)から出発して中間体C-42と同じ方法で調製して、中間体C-43を白色の固体として得た(0.116g(99%))。
【0344】
化合物79の調製
同様に、化合物79を、2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1216036-36-0]、0.42mmol)及び中間体C-42(0.3mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.050g(29%)を黄色の粉末として得た。
【0345】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.79(s,1H),8.37(t,J=5.8Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.67(s,1H),7.51(d,J=9.1Hz,1H),7.35(d,J=8.1Hz,2H),7.24(d,J=9.1Hz,1H),4.79(s,2H),4.52(d,J=5.9Hz,2H),4.17(t,J=5.3Hz,2H),4.04(t,J=7.1Hz,2H),2.97(q,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),1.25(t,J=7.5Hz,3H)
【0346】
化合物80の調製
同様に、化合物80を、中間体AI-3(0.44mmol)及び中間体C-43(0.28mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.043g(27%)を茶色の固体として得た。
【0347】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.09(s,1H),8.45(d,J=2.4Hz,1H),8.41(t,J=6.0Hz,1H),7.90(t,J=8.1Hz,1H),7.51(d,J=4.1Hz,1H),7.19(s,1H),7.16(d,J=3.9Hz,1H),4.75(s,2H),4.48(d,J=5.9Hz,2H),4.13(t,J=5.4Hz,2H),4.03-3.96(m,2H),2.96(q,J=7.5Hz,2H),2.27(s,3H),1.22(t,J=7.5Hz,3H)。
【0348】
化合物81の合成
【0349】
【0350】
化合物81の調製
同様に、化合物81を、中間体AG-4(0.35mmol)及び2-エチル-6-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボン酸(CAS[1216036-36-0]、0.53mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製し、0.034g(18%)を白色の泡状物として得た。
【0351】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.80(s,1H),8.39(t,J=5.9Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,2H),7.51(d,J=9.1Hz,1H),7.41(d,J=8.1Hz,2H),7.24(dd,J=9.1,1.3Hz,1H),6.63(s,1H),4.87(s,2H),4.54(d,J=5.9Hz,2H),4.28(t,J=5.5Hz,2H),4.10(t,J=4.9Hz,2H),2.98(q,J=7.5Hz,2H),2.31(s,3H),1.26(t,J=7.5Hz,3H)。
【0352】
化合物82の合成
【0353】
【0354】
中間体C-44の調製
DMAP(CAS[1122-58-3]、25mg、0.21mmol)及びDIPEA(CAS[7087-68-5]、1.45mL、8.32mmol)を、丸底フラスコ中のDCM(21mL)中の(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メタンアミン塩酸塩(CAS[1214342-53-6]、500mg、2.08mmol)の撹拌溶液に0℃で添加した。次いで、クロロギ酸ベンジル(CAS[501-53-1]、0.45mL、3.12mmol、1.2g/mL)を0℃で滴下添加した。混合物を、室温で16時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液を添加した。有機層を分離させ、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ、ヘプタン中EtOAc0/100~20/80)によって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、中間体C-44(625mg、77%)を白色の固体として得た。
【0355】
中間体C-45の調製
同様に、中間体C-45では、中間体C-44(1.6g、4.73mmol)から出発して中間体C-1と同じ方法で調製して、中間体C-45を黄色の固体として得た、1.6g(82%)。
【0356】
中間体C-46の調製
同様に、中間体C-46では、中間体C-45(0.675g、1.75mmol)及びtert-ブチル2-ヨード-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(CAS[1823835-34-2]、510mg、1.46mmol)から出発して、中間体C-41と同じ方法で調製し、中間体C-46を白色の固体として得た、0.428g(61%)。
【0357】
中間体C-47の調製
同様に、中間体C-47では、中間体C-46(428mg、0.89mmol)から出発して中間体C-3と同じ方法で調製して、中間体C-47を橙色の固体として得た(0.370g(99%))。
【0358】
中間体C-48の調製
同様に、中間体C-48では、中間体C-47(370mg、0.89mmol)から出発して中間体A-3と同じ方法で調製して、中間体C-48を白色の固体として得た(0.243g(53%))。
【0359】
中間体C-49の調製
同様に、中間体C-49を、C-48(243mg、0.47mmol)から出発して中間体AE-2と同じ方法で調製して、0.190g(95%)を白色の固体として得た。
【0360】
化合物82の調製
同様に、化合物82を、中間体AI-3(0.73mmol)及び中間体C-49(190mg、0.46mmol)から出発して化合物1と同じ方法で調製して、0.189g(72%)を茶色の固体として得た。
【0361】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.21-9.11(m,1H),8.56-8.43(m,2H),7.89(t,J=8.2Hz,1H),7.28(d,J=4.4Hz,1H),7.26(s,1H),6.59(d,J=3.9Hz,1H),4.90(s,2H),4.56(d,J=5.9Hz,2H),4.30(t,J=5.5Hz,2H),4.11(t,J=5.4Hz,2H),3.03(q,J=7.5Hz,2H),2.34(s,3H),1.29(t,J=7.5Hz,3H)。
【0362】
2.特徴付けデータテーブル
上記に具体的に記載されていない様々な他の化合物もまた、本明細書に記載される方法に従って(以下に示されるように)調製し、以下の表に示すように特徴付けた。
【0363】
化合物3
【0364】
【0365】
化合物5
【0366】
【0367】
化合物6
【0368】
【0369】
化合物9~20
【0370】
【0371】
化合物25~27、32、35、37
【0372】
【0373】
化合物38~41、43、46
【0374】
【0375】
化合物49、50、52~54、57
【0376】
【0377】
化合物58~62
【0378】
【0379】
化合物63及び64
【0380】
【0381】
以下の化合物もまた、本明細書に記載の手順に従って調製した。
【0382】
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
1.生物学的アッセイ/薬理学的実施例
M.tuberculosisに対する試験化合物のMIC測定。
試験1
試験化合物及び参照化合物をDMSOに溶解させ、96ウェルプレートのウェル当たり1μlの溶液を200×最終濃度でスポットした。カラム1及びカラム12は化合物を含まないままにし、カラム2~11の化合物濃度を3倍に希釈した。緑色蛍光タンパク質(green-fluorescent protein、GFP)を発現するMycobacterium tuberculosis株(この場合EH4.0;他の株、例えば、H37Rを使用してもよい)の凍結ストックを予め調製し、滴定した。接種材料を調製するために、1バイアルの凍結細菌ストックを室温に解凍し、7H9ブロス中で1ml当たり5×10exp5コロニー形成単位に希釈した。ウェル当たり1×10exp5コロニー形成単位に相当する200μlの接種材料を、カラム12を除いてプレート全体に移した。200μlの7H9ブロスをカラム12のウェルに移した。プレートを、蒸発を防ぐためにプラスチックバッグ中で37℃でインキュベートした。7日後、蛍光を、Gemini EM Microplate Readerで、485nmの励起波長及び538nmの発光波長で測定し、IC50及び/又はpIC50値(又はその他、例えば、IC50、IC90、pIC90など)を計算した(又は計算し得る)。
【0387】
試験2
実験/試験化合物及び参照化合物の適切な溶液を、7H9培地を含む96ウェルプレート中で作製した。Mycobacterium tuberculosis株H37Rvの試料を、対数増殖期の培養物から採取した。これらを最初に希釈して600nm波長で0.3の光学密度を得て、次に1/100に希釈して、約5x10exp5コロニー形成単位/mlの接種物を得た。5x10exp4コロニー形成単位に相当する100μlの接種材料を、カラム12を除くプレート全体にウェルごとに移した。プレートを、蒸発を防ぐためにプラスチックバッグ中で37℃でインキュベートした。7日後、レサズリンを全てのウェルに添加した。2日後、蛍光を、Gemini EM Microplate Reader上で、励起波長543nm及び発光波長590nm並びにMIC50及び/又はpIC50値(ほか、例えばIC50、IC90、pIC90など)を計算した(又は計算し得る)。
【0388】
試験3:時間死滅アッセイ
化合物の殺菌活性又は静菌活性は、ブロス希釈法を使用する時間死滅動態アッセイにおいて決定することができる。このアッセイでは、出発接種は、106CFU/mlの、Middlebrook(1×)7H9ブロス中のM.tuberculosis(株H37Rv及びH37Ra)とした。試験化合物を、それぞれ10~30μMから0.9~0.3μMの範囲の濃度で、単独で、又は別の化合物(例えば、シトクロームbd阻害剤などの異なる作用機序を有する化合物)と組み合わせて試験する。抗菌剤を受けていない試験管は、培養増殖対照を構成する。微生物及び試験化合物を含有する試験管を37℃でインキュベートする。インキュベーションの0、1、4、7、14及び21日後に、Middlebrook 7H9培地中での連続希釈(100~10-6)及びMiddlebrook 7H11寒天上へのプレーティング(100μl)による生菌数の決定のために試料を採取する。プレートを37℃で21日間インキュベートし、コロニー数を決定する。死滅曲線は、log10CFU/ml対時間をプロットすることによって構築することができる。試験化合物(単独又は組み合わせのいずれか)の殺菌効果は、一般に、0日目と比較した2-log10減少(1ml当たりのCFUの減少)として定義される。薬物の潜在的なキャリーオーバー効果は、寒天プレート中に0.4%木炭を使用することによって、及び連続希釈及びプレーティングのために使用される可能な最高希釈でのコロニーを計数することによって制限される。
【0389】
結果
本発明/実施例の化合物は、例えば、上記の試験1(及び/又は試験2)で試験した場合、典型的には、3~10のpIC50を有することができる(例えば、4.0~9.0、例えば5.0~8.0など)。
【0390】
2.生物学的結果
実施例の化合物を上記(「薬理学的実施例」の項)の試験1(及び/又は試験2)で試験し、以下の結果を得た。
【0391】
【0392】
【0393】
3.本発明/実施例の代表的な化合物に関する更なるデータ
本発明/実施例の化合物は、インビトロ効力、インビトロ死滅動態(すなわち、殺菌効果)、PK特性、食物効果、安全性/毒性(肝臓毒性、凝固、5-LOオキシゲナーゼを含む)、代謝安定性、Ames II陰性、MNT陰性、水性溶解性(及び製剤化能力)及び/又は例えば動物(例えば、麻酔モルモット)に対する心血管効果に関連する利点を有し得る。生成/計算されたデータは、例えば、文献において利用可能であるか、又は供給業者によって行われ得る標準的な方法/アッセイ(例えば、Microsomal Stability Assay-Cyprotex、Mitochondrial toxicity(Glu/Gal)assay-Cyprotex、並びに文献CYPカクテル阻害アッセイ)を使用して得られ得る。ジヒドロジオールがLCMS(フラグメンテーションイオン)によって観察されるか否かは、GSHを測定して(反応性代謝産物、グルクロン酸抱合)観察することができ、これはコア複素環上のジヒドロキシル化に対応する。
【0394】
以下のデータを生成した。
【0395】
化合物2
LM Clint μL/min/mg h/m/r/d=9.3<7.7/<7.7/<7.7
MDCK AB+inh:32.5
MDCK BA/AB:12.6
PPB h/m %フリー:1.17/0.54
Eq sol pH2/7(μM):0.99am/<0.13am
Fassif/Fessif(μM):<5/24.4
CYPS IC50μM:全て>20
sync hERG/Na/Ca(IC50μM)>30/>10/>10
CTCM:10μMまで洗浄
HCS:32.7μM NC
AMES II:1
Glu/Gal:>100/>100
【0396】
化合物7
LM Clint μL/min/mg h/m=22.6/<7,7
MDCK AB+inh:21.4
MDCK BA/AB:61.7
Eq sol pH2/7(μM):125c/1.62c
sync hERG/Na/Ca(IC50μM)>30/>10/>10
CTCM:10μMまで洗浄
CYPS IC50μM:2C9 15.5;その他>20
HCS:>21μM
Glu/Gal:>200/>200
【0397】
化合物79
LM CLint uL/min/mg h/m=39.8/13.2
Hep t1/2 min h/m=-/43.3
MDCK AB+inh=42.7
MDCK BA/AB=--
Sol pH2/4uM:574am/0.062am
Fassif/Fessif uM:5.6/29.3
CYPS IC50uM:2C19 14.4;2C9 17.7、その他>20
sync hERG/Na/Ca(IC50uM)30.2/>10/>10
AMES II:1
Glu/Gal:>200/>200
【0398】
化合物82
LM Clint uL/min/mg h/m=231/28
Hep t1/2 min h/m=-/16.5
MDCK AB +inh=16.2
MDCK AB/BA=--
Sol pH2/4uM:12.3c/<0.02c
Fassif/Fessif uM:24.5/8.8
CYPS IC50uM:2C8 10.6、その他>19.5
sync hERG/Na/Ca(IC50uM)20.4/>10/>10
AMES:1
Glu/Gal:>25/>25
【0399】
以下の更なるデータ/結果が得られた。
化合物2及び化合物7では、
-低いミトコンドリア毒性(Glu/Galアッセイにおいて<2)を有することが見出され、ゆえに、ミトコンドリア毒性アラートはなかった。
【0400】
本明細書に開示される化合物は、以下の利点を有し得る:
-インビトロ心毒性が観察されないこと(例えば、CVS結果又はGlu/Galアッセイ結果のいずれかによる)
-例えば、望ましくない反応性代謝産物が形成されない、及び/又は反応性代謝産物の形成が遮断されたため、反応性代謝産物(例えば、GSH);の形成が観察されない、及び/又は
-比較的高い未結合画分が存在する
(例えば、他の化合物、例えば先行技術の化合物と比較して)。
【0401】
ある特定の化合物はまた、分解物(例えば、望ましくない分解物、又は望ましくない副作用を誘発し得る分解物)を形成しないという追加の利点を有し得る。
【0402】
化合物は、より速い経口吸収及び改善された生物学的利用能が示されるという利点を有し得る。
【0403】
化学的安定性試験]
本明細書に開示される化合物は、例えば、以下に記載される化学的安定性アッセイにおいて試験されるように、他の化合物よりも(例えば、他の公知の化合物よりも)化学的により安定であるという利点を有し得る。
【0404】
予備プロトコル
-3μlの10mM DMSOストック溶液を、1.5mL HPLCバイアル中の1mLの以下の溶媒に添加する。
DMSO(基準溶液)
H2O/アセトニトリル 1/1(アッセイ溶液)
0.1N HCl/アセトニトリル 1/1(アッセイ溶液)
-よく混合し、それらをベンチ上で72時間保存する
-LCMSで試料を分析する
-2つのアッセイ溶液のクロマトグラムを参照溶液と比較し、更なるピークを分解ピークとして報告する。
【0405】
例えば、以下の化学的安定性の結果(LCMSによる%)が観察された:
化合物2:条件-20%ACNを含むSGF中0.065mg/mL-結果-純度=99.56%(0時間で)、99.38%(0.25時間で)、99.21%(0.5時間で)、98.89%(1時間で)、98.28%(2時間で)、97.1%(4時間で)(t1/2=112.81)
化合物6:条件-33.3%ACNを含むSGF中0.052mg/mL-結果-純度=99.88(4時間までそのままであった)。
化合物2:DMSO(72時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=90.52%
化合物10:DMSO(72時間、室温)=97.03%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=100%
化合物7:DMSO(72時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=100%
化合物14:DMSO(72時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=100%
化合物15:DMSO(72時間、室温)=97.03%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=97.49%
化合物12:DMSO(72時間、室温)=96.14%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;72hr、室温)=97.06%
化合物6:ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物47:ACN/H2O(48時間、室温)=99%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物42:ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物66:DMSO(0時間、室温)=91%;ACN/H2O(48時間、室温)=98%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=98%
化合物24:DMSO(0時間及び48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;0時間及び48時間、室温)=100%;ACN/0.1N NaOH(pH9~10);0時間及び48時間、室温)=89.46%及び43.8%。
化合物80:DMSO(0時間及び48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;0時間及び48時間、室温)=100%;ACN/0.1N NaOH(pH9~10);0時間及び48時間、室温)=76.8%及び16.8%。
化合物79:DMSO(0時間、室温)=100%;ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物44:ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物82:ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
化合物81:DMSO(0時間、室温)=95%;ACN/H2O(48時間、室温)=100%;ACN/0.1N HCl(pH1.6;48hr、室温)=100%
【0406】
これは、試験条件下で、化合物が安定であり、酸性媒体(又は場合によってはアルカリ性媒体)中で望ましくない分解をほとんど受けないことを示した。
【国際調査報告】