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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】濾過要素および濾過システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
B01D46/52 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557005
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022055216
(87)【国際公開番号】W WO2022194544
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021106524.0
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロール、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA10
4D058KA01
4D058KB12
4D058KC63
4D058LA01
4D058LA04
4D058SA07
(57)【要約】
本発明は、中空体として設計された第1の濾過要素(10)と、第1の濾過要素(10)の内部(30)に同軸かつ同心に配置された第2の濾過要素(40)と、が配置されたハウジング(102)を有する濾過システム(100)に関する。端面に設けられた第1の濾過要素(10)の端部ディスク(18)の中央開口部(22)は、第2の濾過要素(40)の対応する端面(46)を塞ぐカバー(50)によって流体密に閉じられる。濾過要素(10、40)の両端面(16、46)の間にシール界面(80)が配置される。また、本発明は、このタイプの濾過システム(100)用の濾過要素(10、40)に関する。

【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の入口(108)及び出口(110)を有するハウジング(102)を備える濾過システム(100)であって、
前記ハウジング(102)内に、濾材(11)を有する中空体として設計された第1の濾過要素(10)が配置され、前記第1の濾過要素(10)の内部(30)に、第2の濾過要素(40)が配置され、前記第1の濾過要素(10)及び前記第2の濾過要素(40)は、長手方向軸(70)を中心として互いに同軸かつ同心に配置され、
前記第1の濾過要素(10)は、出口側の端面(12)に配置された第1の端部ディスク(14)と、その反対側に位置する端面(16)に配置された第2の端部ディスク(18)と、を含み、前記端部ディスク(14、18)はそれぞれ、中央開口部(21、22)を有し、前記濾材(11)のそれぞれの端面(14、16)上に実質的に環状に延び、
前記第2の濾過要素(40)は、出口側の第1の端面(42)と、前記出口側の端面(42)の反対側に位置し、カバー(50)によって流体密に閉じられた第2の端面(46)と、を含み、
前記第2の端部ディスク(18)の開口部(22)は、前記カバー(50)によって流体密に閉じられており、前記第1の濾過要素(10)の第2の端面(16)と前記第2の濾過要素(40)の第2の端面(46)との間にシール界面(80)が配置され、前記シール界面(80)により、2つの前記濾過要素(10、40)は互いに直接シールされる濾過システム(100)。
【請求項2】
前記シール界面(80)は、清浄側の前記出口(110)の反対側に位置する、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に設けられたシール面(25)と、前記第2の濾過要素(40)に配置され、前記シール面(25)に対して軸方向及び/又は径方向(72、74)にシールする少なくとも1つのシール要素(60、62、64)と、を含む請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記シール界面(80)は、前記カバー(50)の外側端面において前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出する周方向に延びる突起(52)に配置されたシール要素(60)、特にシールリングを含み、前記シール要素(60)は、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に対して径方向(74)にシールする請求項1又は2に記載の濾過システム
【請求項4】
前記シール界面(80)は、前記カバー(50)の周方向に延びる縁部(51)に配置され、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に対して径方向(74)にシールするシール要素(62)を含む請求項1又は2に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記シール界面(80)は、前記第2の濾過要素(40)の端面(46)、特に前記カバー(50)に設けられたシール要素(64)、特にシールリング又はシール突起(43)を含み、前記シール要素(64)は、径方向(74)内側に突出する、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)のリム(26、29)に対して、軸方向(72)にシールする請求項1又は2に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記シール界面(80)は、軸方向(72)において清浄側の前記出口(110)の反対側に位置する、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の領域(15)と、前記第2の濾過要素(40)に設けられた少なくとも1つのシール面(45)と、を含む請求項1に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)は、前記濾材(11)を越えて径方向(74)内側に突出する請求項6に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムに配置され、前記内側リムは、前記カバー(50)に配置された周方向に延びる突起(52)の径方向(74)外側の円周面に設けられたシール面(45)に対してシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出し、特に、前記第2のハウジング部分(106)に設けられた軸方向(72)に突出するウェブ(114)が、前記第2の端部ディスク(18)の溝(17)に係合する請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の領域(15)は、前記カバー(50)において周方向に延びる突起(52)の内側に配置されたシール面(45)に対して径方向(74)にシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出し、前記突起(52)は、前記端部ディスク(18)の溝(19)に係合し、特に、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムは、前記第2のハウジング部分(106)に設けられた軸方向(72)内側に突出するウェブ(118)によって径方向(74)に支持される請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムに配置され、前記内側リムは、前記カバー(50)に配置された周方向に延びる突起(52)の径方向(74)外側の円周面に設けられたシール面(45)に対してシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出する請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項11】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)における前記濾材(11)の断面内で周方向に延びる径方向突起(20)の軸方向内向きの端面(58)に配置され、前記突起は、前記カバー(50)の端面に設けられたシール面(45)に対してシールし、特に、前記支持管(24)は、径方向(74)内側に突出し、前記径方向突起(20)に埋め込まれた周方向に延びるリム(23)を含む請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項12】
前記第2のハウジング部分(106)の端面(112)は、内側に湾曲する請求項1~11のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項13】
前記第2のハウジング部分(106)の端面(112)は、前記第2の濾過要素(40)の第2の端面(46)上に少なくとも部分的に延在する開口部を有する請求項1~12のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の濾過システム(100)用の濾過要素(10)であって、
中空体に形成され、特にジグザグ状に折り畳まれた濾材(11)と、端面(12)に配置された第1の端部ディスク(14)と、その反対側に位置する端面(16)に配置された第2の端部ディスク(18)と、を備え、
2つの前記端部ディスク(14、18)はそれぞれ、中央開口部(21、22)を有し、前記濾材(11)の端面(12、16)上に実質的に環状に延び、
シール界面(80)のシール面(25)又は領域(15)が、設置状態において清浄空気側の出口(110)の反対側に位置するように意図された端面(16)に配置される濾過要素。
【請求項15】
前記濾材(11)は、支持管(24)の周りに配置され、前記支持管(24)は、前記シール面(25)を含む請求項14に記載の濾過要素。
【請求項16】
前記支持管(24)は、前記シール面(25)が配置される径方向内側に突出するリム(26、27)を含む請求項15に記載の濾過要素。
【請求項17】
設置状態において清浄空気側の出口(110)の反対側に位置するように意図された前記端面(16)に設けられた端部ディスク(18)は、前記濾材(11)を越えて径方向(74)内側に突出し、前記シール界面(80)の領域(15)、特に溝(19)を含む請求項14に記載の濾過要素。
【請求項18】
請求項1~13のいずれか一項に記載の濾過システム(100)用の濾過要素(40)であって、
支持管(48)上に単層又は多層として配置された濾材(47)と、端面(42)に配置され、軸方向に突出する第1の周方向に延びるソケット(44)と、その反対側に位置する端面(46)に配置された第2のカバー(50)とを備え、
前記カバー(50)は、設置状態において、他の濾過要素(10)とのシール界面(80)を形成するように意図された少なくとも1つのシール面(45)又は少なくとも1つのシール要素(60、62、18)を含む濾過要素。
【請求項19】
前記カバー(50)に、前記カバー(50)から軸方向(74)に離れる方向に突出する周方向に延びる突起(52、54、43)が配置され、前記周方向に延びる突起(52、54)は、前記シール界面(80)のシール要素(60、64)を担持するか、又は前記シール界面(80)のシール突起(43)を形成する請求項18に記載の濾過要素。
【請求項20】
前記シール界面(80)のシール要素(62)は、前記カバー(50)又は前記支持管(48)の縁部(51)に配置される請求項18に記載の濾過要素。
【請求項21】
前記カバー(50)に、前記シール界面(80)のシール面(45)として、軸方向(72)外側に突出する周方向に延びる突起(52、56)が配置される請求項18に記載の濾過要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に空気用、特に自動車の特に内燃機関の吸気用の濾過要素及び濾過システムに関する。濾過要素及び濾過システムは、燃料電池の空気濾過、特にカソードエアフィルタとして使用することができる。さらに、濾過要素又は濾過システムは、有害ガスを吸着するために追加的に構成することができる。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第3003533号明細書は、円錐状の二次濾過要素が円筒状の一次濾過要素の清浄側内部に挿入される濾過システムを開示している。濾過要素の両端面には、濾過要素の両側が開口するように、環状の端部ディスクが配置されている。一次濾過要素は、ハウジングカバーに対して軸方向にシールされる。ハウジングカバーに面する二次濾過要素の端面は、ハウジングカバーで閉じられ、支持される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、ハウジングの材料と重量を削減できる濾過システムを提供することである。
【0004】
本発明の更なる目的は、このような濾過システム用の濾過要素を提供することである。
【0005】
上述の目的は、本発明の一態様によれば、請求項1に記載の濾過システムによって解決される。この濾過システムは、流体の入口及び出口を有するハウジングを備え、ハウジング内に、濾材を有する中空体、特に中空筒体として設計された第1の濾過要素が配置され、第1の濾過要素の内部に、第2の濾過要素が配置され、第1の濾過要素及び第2の濾過要素は、長手方向軸を中心として互いに同軸かつ同心に配置され、第1の濾過要素は、出口側の端面に配置された第1の端部ディスクと、その反対側に位置する端面に配置された第2の端部ディスクと、を含み、端部ディスクはそれぞれ、中央開口部を有し、濾材のそれぞれの端面上に実質的に環状に延び、第2の濾過要素は、出口側の第1の端面と、出口側の端面の反対側に位置し、カバーによって流体密に閉じられた第2の端面と、を含み、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの開口部は、カバーによって流体密に閉じられており、第1の濾過要素の第2の端面と第2の濾過要素の第2の端面との間にシール界面が配置される。このシール界面を介して、2つの濾過要素は互いに対して直接シールされる。
【0006】
本発明の更なる態様によれば、本目的は、濾過システム用の濾過要素であって、特にジグザグ状に折り畳まれ、中空体に形成された濾材と、端面に配置された第1の端部ディスクと、その反対側に位置する端面に配置された第2の端部ディスクと、を備え、2つの端部ディスクはそれぞれ、中央開口部を有し、濾過要素の端面上に実質的に環状に延び、シール界面のシール面又は領域が、設置状態において清浄空気側の出口の反対側に位置するように意図された端面に配置される濾過要素によって解決される。
【0007】
本発明の更なる態様によれば、本目的は、濾過システム用の濾過要素であって、支持管上に配置された単層又は多層の濾材と、端面に配置された第1のソケットと、その反対側に位置する端面に配置された第2のカバーとを備え、カバーは、設置状態において、他の濾過要素とのシール界面を形成するように意図された少なくとも1つのシール面又は少なくとも1つのシール要素を含む濾過要素によって解決される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態および利点は、添付の特許請求の範囲、明細書、および図面から得られる。
【0009】
流体の入口及び出口を有するハウジングを備え、ハウジング内に、濾材を有する中空体として設計された第1の濾過要素が長手方向軸を中心として配置され、第1の濾過要素の内部に、第2の濾過要素が配置された濾過システムが提案される。2つの濾過要素は、第1の濾過要素の長手方向軸を中心として同軸かつ同心に配置される。濾過要素の長手方向軸は、フィルタハウジングの長手方向軸と一致していてもよい。しかしながら、濾過要素は、フィルタハウジングのハウジング軸に対して偏心して配置することもできる。第1の濾過要素は、出口側の端面に配置された第1の端部ディスクと、その反対側に位置する端面に配置された第2の端部ディスクと、を含む。端部ディスクはそれぞれ、中央開口部を有し、濾材のそれぞれの端面上に実質的に環状に延びる。第2の濾過要素は、出口側の第1の端面と、出口側の端面の反対側に位置し、カバーによって流体密に閉じられた第2の端面と、を含む。第2の端部ディスクの開口部は、カバーによって流体密に閉じられており、第1の濾過要素の第2の端面と第2の濾過要素の第2の端面との間にシール界面が配置される。
【0010】
シール界面は、濾過要素の一方に設けられた少なくとも1つのシール面と、濾過要素の他方に設けられた少なくとも1つのシール要素と、を含む。シール要素は、濾過要素の一方に発泡成形された発泡ポリマーから形成されてもよいし、射出成形された熱可塑性材料から形成されてもよい。発泡ポリマーは特にポリウレタンとすることができる。この場合、同じ材料でシール要素と端部ディスクを形成してもよい。あるいは、シール要素は、熱可塑性エラストマーが濾過要素の一方に存在する熱可塑性キャリア上に成形された2構成(2K)部品とすることもできる。キャリアはポリマー、特にPP又はPAで形成することができる。シール要素は、キャリアに接合された、特に押出成形されたシール要素とすることもできる。
【0011】
有利には、シール界面は2つの濾過要素間に直接存在する。複雑な追加部品を避けることができる。第1の濾過要素は主要素、第2の濾過要素は副要素又は安全要素とも称される。好ましくは、第1の濾過要素の濾材は、ジグザグ状に折り畳まれ、中空体として構成された濾材である。中空体は、円筒状又は円錐状に設計することができる。様々な底面が考えられるが、好ましくは、底面は円形又は楕円形である。円筒状の濾過要素の場合、端部ディスクはそれに対応して円環状である。濾材は、好ましくは支持管の周りに配置される。端部ディスクは、好ましくは発泡ポリマー、特にポリウレタンで形成される。ハウジングは、有利には、濾過要素の長手方向軸と一致する長手方向軸に対して同軸に構成され、特にハウジングは、長手方向軸に対して同軸に配置されたソケットとしての出口を有する。第2の濾過要素は、出口の反対側に位置するハウジングの側面に、カバーによって閉じられた端面を有する。第2の濾過要素の濾材は、好ましくは、支持管上に配置される単層又は多層巻きの濾材である。あるいは、第2の濾過要素の濾材は、中空体に形成された折り畳み式ベローズであってもよい。したがって、シール界面は、流出口の反対側に位置するハウジングの側面に配置される。カバーは、第2の濾過要素の支持管と共に単一部品として設計されてもよく、硬質プラスチック材料、特にPPやPAなどのポリマーで構成することができる。特に、第2の濾過要素が折り畳み式ベローズとして設計される場合、カバーは軟質プラスチック材料、特に発泡ポリウレタンで形成されてもよく、有利には、ひだの端面シール作用を同時に形成する。
【0012】
濾過システムは、例えば空気濾過システム、特に内燃機関用の空気濾過システム、好ましくは自動車の内燃機関又は燃料電池用の空気濾過システムである。
【0013】
有益な実施形態によれば、シール界面は、清浄側出口の反対側に位置する、第1の濾過要素の支持管に設けられた少なくとも1つのシール面と、第2の濾過要素に設けられ、シール面に対して軸方向及び/又は径方向にシールする少なくとも1つのシール要素と、を含む。
【0014】
好ましくは、シール要素は、第2の濾過要素において、カバーに直接又はカバーに対して間隔をおいて配置される。さらに、第1の濾過要素は、その外側でハウジングによって支持され得る。
【0015】
有益な実施形態によれば、シール界面は、カバーの外側端面においてカバーから軸方向に離れる方向に突出する周方向に延びる突起に配置されたシール要素、特にシールリングを含み、このシール要素は、第1の濾過要素の支持管に対して径方向にシールする。シール要素は、突起上又は突起周りに発泡成形された発泡ポリマーから形成されてもよいし、射出成形された熱可塑性材料から形成されてもよい。発泡ポリマーは特にポリウレタンとすることができる。シール部材は、熱可塑性材料が突起上に成形された2構成(2K)部品であってもよい。
【0016】
有益な実施形態によれば、シール界面は、カバーの周方向に延びる縁部に配置され、第1の濾過要素の支持管に対して径方向にシールするシール要素を含む。シール要素は、有利には、縁部に発泡成形され、その外面で第1の濾過要素の支持管に対してシールする発泡ポリマーの成形体であってもよく、縁部に成形される熱可塑性材料であってもよい。
【0017】
有益な実施形態によれば、シール界面は、第2の濾過要素の端面、特にカバーに設けられたシール要素、特にシールリング又はシール突起を含む。このシール要素は、径方向内側に突出する、第1の濾過要素の支持管のリムに対して、軸方向にシールする。カバー上に、シール要素に埋め込まれた周方向に延びるリングを配置してもよく、これにより、シール要素と第2の濾過要素の安定した接続が可能になる。シール要素は、好ましくは発泡ポリマー、特にポリウレタン、又は熱可塑性材料である。有利には、第1の濾過要素の端部ディスクは、内側に突出するリムと少なくとも部分的に重なる。これにより、中央管と端部ディスクとの間のシール密封性の向上と、シール面の安定した支持が可能になる。第1の濾過要素又は外側濾過要素の支持管の径方向内側に突出するリムは、シール要素、特にシール突起によって係合される溝を有してもよい。シール要素は、溝底部に対して、及び/又は、溝を画定する突起の軸方向端面に対して、軸方向にシールしてもよい。
【0018】
有益な実施形態によれば、シール界面は、軸方向において清浄側出口の反対側に位置する、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの領域と、第2の濾過要素に設けられた少なくとも1つのシール面と、を含む。有利には、端部ディスクは、製造時に適切な型によって所望の形状にすることができる。端部ディスクは、幾つかの実施形態ではハウジングによる支持を伴って、あるいは、幾つかの実施形態では支持を伴わずに、第2の濾過要素に対してそのシール機能を提供することができる。
【0019】
有利には、第1の濾過要素の第2の端部ディスクは、濾材を越えて径方向内側に突出する。また、これに関連して、例えば、支持管を内側に傾斜させてもよく、及び/又は、その軸方向端部に内側に突出するリムを設けてもよい。このように、内側に突出した端部ディスクをこの領域で支持し、安定させることができる。例えば、シール要素が第1の濾過要素の一部である場合、支持管は、軟質のシール要素の補強のため、又はシール要素の取り付けのために構成することができる。第2の濾過要素がシール要素を有する、又は担持する場合、支持管は、2つの濾過要素間の密封接続を作り出すための相手輪郭として構成することができる。
【0020】
有益な実施形態によれば、上記領域は、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの内側リムに配置され、領域は、カバーに配置された、カバーから軸方向に離れる方向に突出する周方向に延びる突起の径方向外側の円周面に設けられたシール面に対してシールする。特に、第2のハウジング部分に設けられた軸方向に突出するカラーが、第2の端部ディスクの溝に係合してもよい。有利には、端部ディスクは、シール要素を形成する端部ディスクが第2の濾過要素のシール面において確実に接触するように、ハウジングによって支持される。
【0021】
有益な実施形態によれば、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの領域は、カバーにおいて周方向に延びる突起の内側に配置されたシール面に対して径方向にシールする。この突起は、カバーから軸方向に離れる方向に突出し、ソケットが端部ディスクの溝に係合する。特に、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの内側リムは、第2のハウジング部分に設けられた軸方向内側に突出するウェブによって径方向に支持されてもよい。シール界面のシール要素を形成する端部ディスクの安定した保持が確保できる。
【0022】
有益な実施形態によれば、上記領域は、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの内側リムに配置され、内側リムは、カバーに配置された、カバーから軸方向に離れる方向に突出する周方向に延びる突起の径方向外側の円周面に設けられたシール面に対してシールする。端部ディスクは、大きなシール面を可能にするために、第2の濾過要素のシール面に接触又は当接する領域に軸方向突起を有することができる。
【0023】
有益な実施形態によれば、上記領域は、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの径方向突起の軸方向内向きの端面に配置される。この径方向突起は、濾材の断面内で周方向に延び、カバーの端面に設けられたシール面に対してシールする。特に、支持管は、径方向内側に突出し、径方向突起に埋め込まれた周方向に延びるリムを含み得る。これにより、シール界面を安定して支持することができる。
【0024】
有益な実施形態によれば、第2のハウジング部品の端面は、内側に湾曲する。これにより、適切な濾過要素のみがハウジングに挿入されることが保証される。
【0025】
有益な実施形態によれば、第2のハウジング部分の端面は、第2の濾過要素の第2の端面上に少なくとも部分的に延在する開口部を有する。第2の濾過要素が設置された状態では、開口部は濾過要素の端面カバーによって覆われる。シール作用は、第1の濾過要素、第2の濾過要素、及び第2のハウジング部品の構成要素のうちの少なくとも2つにおいて、少なくとも部分的に同心であるシール箇所によって実現される。開口部により、適切な濾過要素のみがハウジングに挿入されることが確実となる。ハウジングを開けずに、適切な第2の濾過要素が挿入されているかを目視で確認することができる。ハウジングの材料が削減されるため、重量が軽減される。
【0026】
本発明の更なる態様によれば、本発明による濾過システム用の濾過要素であって、特にジグザグ状に折り畳まれ、中空体に形成された濾材と、端面に配置された第1の端部ディスクと、その反対側に位置する端面に配置された第2の端部ディスクと、を備え、2つの端部ディスクはそれぞれ、中央開口部を有し、濾材の端面上に(折り畳まれた濾材の場合、ひだ上に)実質的に環状に延び、シール界面のシール面又はシール要素の領域が、設置状態において清浄空気側の出口の反対側に位置するように意図された端面に配置される濾過要素が提案される。濾過要素は、好ましくは円筒状、特に円環状に設計されるが、円錐状に設計することもできる。
【0027】
有利には、濾過要素を濾過システムの主要素とすることができる。主要素は、シール界面によって第2の濾過要素、好ましくは副要素に流体密に接続することができる。例えば、端部ディスクは発泡ポリマー、特にポリウレタンで形成することができる。濾過要素の構成はコンパクトであり、シールのための追加部品を削減することができる。濾過システムへの設置が簡素化できる。
【0028】
有益な実施形態によれば、濾材は、支持管の周りに配置され、支持管は、シール面を含む。製造時、支持管は、シール面をシール要素に対する相手輪郭として形成するために適切に設計することができる。あるいは、支持管は、シール要素を取り付けるため、及び/又は、軟質のシール要素を補強するために構成することができる。支持管は、シール面が配置される径方向内側に突出するリムを有してもよい。特に、リムの軸方向内側の部分がシール面を形成してもよい。
【0029】
有益な実施形態によれば、設置状態において清浄空気側の出口の反対側に位置するように意図された端面において、端部ディスクは、シール界面のシール要素側の領域を含む。端部ディスクは、有利には、濾材を越えて径方向内側に環状に延びる。この径方向内側に位置する環状の領域は、シール界面のシール要素を形成することができる。幾つかの実施形態では、この領域は、シール界面の相手部材のシール面と相互作用する溝を有する。
【0030】
このように、本実施形態では、濾過要素が挿入される濾過システムにおいて、外側濾過要素の端部ディスクを閉じるように設計する必要がないため、重量を更に有利に削減することができる。外側濾過要素の底部に開口部があるため、端部ディスクの材料を削減することができる。
【0031】
本発明の更なる態様によれば、本発明による濾過システム用の濾過要素であって、支持管上に配置された単層又は多層の濾材と、端面に配置され、軸方向に突出する第1の周方向に延びるソケットと、その反対側に位置する端面に配置された第2のカバーとを備え、カバーは、設置状態において、他の濾過要素とのシール界面を形成するように意図された少なくとも1つのシール面又は少なくとも1つのシール要素を含む濾過要素が提案される。濾材は、支持管に巻き付けるか、ジグザグ状に折り畳んで支持管を取り囲む中空体に成形することができる。
【0032】
有利には、濾過要素を濾過システムの副要素とすることができる。副要素は、シール界面によって、更なる濾過要素、好ましくは主要素に流体密に接続することができる。濾過要素は、好ましくは円筒状、特に円環状に設計されるが、円錐状に設計することもできる。
【0033】
これに代わって又はこれに加えて、濾過要素は有害ガス吸着用に設計することができ、シール界面によって粒子濾過要素と流体密に接続することができる。有害ガス吸着のため、濾過要素は、対応する適切な濾材、特に活性炭含有濾材で構成されてもよい。
【0034】
有益な実施形態によれば、カバーに、カバーから軸方向に離れる方向に突出する周方向に延びる突起が配置され、周方向に延びる突起は、シール要素を担持する。有利には、突起はシール要素に埋め込まれる。例えば、シール要素は、発泡ポリマー、特にポリウレタン、又は熱可塑性材料で形成することができる。特に、第2の濾過要素が発泡成形された端部ディスクを有する折り畳み式ベローズとして設計される場合には、突起自体が発泡ポリマーを構成し、シール要素を形成することも可能である。この場合、突起は端部ディスクと一体として簡単な方法で製造可能である。
【0035】
有益な実施形態によれば、シール要素は、カバー又は支持管の縁部に配置される。有利には、発泡ポリマー、特にポリウレタン、又は熱可塑性材料を縁部に配置することができる。
【0036】
有益な実施形態によれば、カバーに、シール界面のシール面として、軸方向外側に突出する周方向に延びる突起が配置される。突起は、シール面又はシール界面を形成するために適切な方法で設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
更なる利点は、以下の図面の説明から得られる。図面には、本発明の実施形態が示されている。図面、明細書、および特許請求の範囲には、多数の特徴が組み合わせられて含まれる。当業者であれば、これらの特徴を適切に、また個別に検討し、組み合わせて、更なる組み合わせを提供することができる。以下、例示的に示される。
【0038】
図1】本発明の一実施形態による濾過システムを示す断面図である。
図2】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の径方向シール作用を有する、本発明の一実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図3】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図4】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の軸方向のシール作用を有する、図1の濾過システムの詳細な断面図である。
図5】第2の濾過要素と第1の濾過要素の端部ディスクとの間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図6】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図7】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図8】第1の濾過要素と第2の濾過要素との間の軸方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システムの詳細を示す断面図である。
図9】更なる実施形態による濾過システムの断面図である。
図10図9の実施形態の詳細を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図中、同一または類似の構成要素は同一の参照記号で示される。これらの図は単なる例示であり、限定的なものとして理解されるべきではない。
【0040】
図1図4の実施形態では、シール界面80は、第2の濾過要素40のカバー50に設けられたシール要素60、62、64と、第1の濾過要素10の支持管24に設けられたシール面25と、を含む。
【0041】
図1及び図4は、本発明の第1の実施形態による濾過システム100を示しており、図1は、濾過システム100全体の縦断面図であり、図4は、図1の濾過システム100の詳細図である。例えば、濾過システム100は、空気濾過システム、特に内燃機関の空気濾過システム、好ましくは自動車の内燃機関の空気濾過システム又は自動車の燃料電池のカソードエアフィルタである。
【0042】
濾過システム100は、ハウジング102を備え、ハウジング102は、例えばハウジング102の接線方向に配置され、図ではハウジング102によって隠されている入口108と、長手方向軸70と同軸に配置される流体のためのソケット形状の出口110と、を有する。入口108及び出口110は、例えば、ハウジング102の対向配置された軸方向端部に配置される。ハウジング102は、例えばハウジングポットである第1のハウジング部品104と、例えばハウジングカバーである第2のハウジング部品106と、を含む。ハウジングポットは、固定して取り付けることができ、そこからハウジングカバーを取り外してハウジング内部にアクセスすることができる。
【0043】
ハウジング102内には、中空円筒形状の第1の濾過要素10が長手方向軸70と同軸に配置される。第1の濾過要素10の内部30には、第2の濾過要素40が、長手方向軸70と同軸かつ第1の濾過要素10と同心に配置される。
【0044】
図示された実施形態では、ハウジング102の長手方向軸が第1の濾過要素10及び第2の濾過要素40の長手方向軸と一致しているため、単一の共通の長手方向軸70のみが参照される。しかしながら、第1の濾過要素10と第2の濾過要素40とが、フィルタハウジングの長手方向軸とは異なる長手方向軸を中心として互いに同心に配置される実施形態も考えられる。このような場合、濾過要素はフィルタハウジング内で偏心して配置されることになる。
【0045】
主要素10とも呼ばれる第1の濾過要素10は、支持管24上に配置された濾材11を含む。第1の濾過要素10は、出口側の端面12に配置された第1の端部ディスク14と、その反対側の端面16に配置された第2の端部ディスク18と、を含む。両端部ディスク14、18はそれぞれ開口部21、22を有し、濾材11のそれぞれの端面14、16上に実質的に環状に延びる。濾材11は、例えばジグザグ状に折り畳まれる。図示された実施形態における開口部21、22は、長手方向軸70に対して同軸に配置されている。
【0046】
副要素40とも呼ばれる第2の濾過要素40は、支持管48上に配置された濾材47を含む。例えば、濾材47は、支持管48上に単層又は多層として適用される。第2の濾過要素40は、出口側の第1の端面42と、出口側の端面42の反対側に位置する第2の端面46と、を含む。第1の端面42は開口し、ソケット44を構成しており、このソケット44は、ソケット状の出口110において第1のハウジング部品104に接続され、例えば、第2の濾過要素40のソケット44において、詳細には特定されないが、外ねじによって螺合される。
【0047】
第2の濾過要素40は、主要濾過要素10を交換する際の安全要素として機能するが、有害ガス濾過要素としても構成することができ、有害ガスを吸着する。この目的のため、濾材47は活性炭を含んでもよい。
【0048】
両方の濾過要素10、40を通る入口108と出口110の間の流体の流れ方向は、太い矢印で示されている。濾過要素10、40は、外側から内側に向かって径方向74に流通される。第2の濾過要素40を第2のハウジング部分104に接続しながら、第1の濾過要素10をハウジング102から引き出すことができ、未濾過の流体から清浄側の出口110を保護することができる。
【0049】
第2の濾過要素40は、清浄側の出口110の反対側に位置する第2の端面46において、カバー50によって流体密に閉じられる。第2の濾過要素40は、カバー50によって第2の端部ディスク18の開口部22を流体密に閉じる。開口部22を流体密に閉じるため、第1の濾過要素10の第2の端面16と第2の濾過要素40の第2の端面46との間にシール界面80が配置される。第2の濾過要素40の支持管48とカバー50は、好ましくは一体として設計される。
【0050】
清浄側の出口110の反対側に位置する濾過要素10、40の端面領域において、シール界面80は、通常、濾過要素10、40の一方に設けられた少なくとも1つのシール面と、濾過要素10、40の他方に設けられた少なくとも1つのシール要素と、を含む。第2の濾過要素40は、追加部品を必要とすることなく、第1の濾過要素10の端部ディスク18の開口部22を流体密に閉じる。実施形態に応じて、シール要素は、軸方向72又は径方向74にシールすることができる。
【0051】
図4に拡大して示される図1に示される実施形態では、シール界面80は、第1の濾過要素10の支持管24に設けられたシール面25と、カバー50に設けられた環状シール要素64と、を含む。第2の濾過要素40の支持管48とカバー50は、好ましくは一体として設計される。シール要素64は、第2の濾過要素40の端面46において、軸方向72の外側に突出する、カバー50の周方向に延びる突起54に配置される。突起54はシール要素64に埋め込まれる。シール要素64は、カバー50上に周方向に延びるリングを形成し、シール面25において、径方向74内側に突出する支持管24のリム26に対して軸方向にシールする。支持管24のリム26は、端部ディスク18に当接する。
【0052】
第2のハウジング部分106において、第1の濾過要素10のための収容部は、第1の濾過要素10が、第2の端部ディスク18の領域において、濾過要素10を囲むリング116に外側で接するように設けられる。第1の濾過要素10は、第2のハウジング部106の底部において、詳細には特定されていない支持ノブによって支持される。
【0053】
図示された実施形態では、第2のハウジング部品106は、端部ディスク18の開口部22の領域において端面112に凹部を有するように内向きに湾曲している。この凹部は開口部22内に突出している。
【0054】
濾過要素10、40及びハウジング102の基本構成は、様々な実施形態において実質的に同一であるため、不必要な繰り返しを避けるために、更なる実施形態では、シール界面80における有意な相違点のみを説明する。
【0055】
図2は、第1及び第2の濾過要素10、40間の径方向シール作用を有するシール界面80を備える、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。
【0056】
シール界面80は、カバー50の外側端面においてカバー50から離れる方向に軸方向72外側に突出し、シール要素60に埋め込まれた周方向に延びる突起52に配置された、シールリングとして設計されたシール要素60を含む。シール要素60は、第1の濾過要素10の支持管24におけるシール面25に対して径方向74にシールする。支持管24は、第1の濾過要素10のシール面25の領域において断面狭窄部を含む。
【0057】
第1の濾過要素10は、第2のハウジング部品106の収容部に収容され、径方向外側をリング116によって囲まれる。上述のように、第2のハウジング部品106の底部は、第1の濾過要素10の端部ディスク18の開口部22の領域において、端面112に凹部を有する。
【0058】
図3は、第1及び第2の濾過要素10、40間の径方向シール作用を有するシール界面80を備える、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。
【0059】
シール界面80は、カバー50の縁部51に配置され、第1の濾過要素10の支持管24に対して径方向74にシールするシール要素62を含む。シール要素62は、軸方向72に突出する脚部と径方向74内側に突出する脚部とを含むL字形断面を有する。シール要素62は成形するか、又は縁部51を発泡ポリマーで縁取ることができる。
【0060】
支持管24は、第1の濾過要素10のシール面25の領域において断面狭窄部を含む。
【0061】
第1の濾過要素10は、第2のハウジング部品106の収容部内に収容され、径方向外側をリング116によって囲まれる。上述のように、第2のハウジング部品106の底部は、第1の濾過要素10の端部ディスク18の開口部22の領域において、端面112に凹部を有する。
【0062】
図5図8の実施形態では、シール界面80は、シール要素として第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の領域15と、第2の濾過要素40のシール面45と、を含む。
【0063】
図5は、第1及び第2の濾過要素10、40間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。
【0064】
領域15は、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の内側リムに配置されており、カバー50に配置され、カバー50から軸方向72に離れる方向に突出する周方向に延びる突起52の径方向74外側の円周面に設けられたシール面45に対してシールする。第2の収容部106において軸方向72に突出するウェブ114は、第2の端部ディスク18の溝17に係合する。これにより、端部ディスク18は、ハウジング102の第2のハウジング部分106によって支持される。これにより、第1の濾過要素10を第2のハウジング部106に収容するための第1の濾過要素10に対して径方向に配置された外側リング116(図2図3図4)を省略することができる。
【0065】
本実施形態では、第2のハウジング部106は、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の開口部22の領域において湾曲しておらず、カバー50が外部から見えるように開口して設計されている。
【0066】
図6は、第1及び第2の濾過要素10、40間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。
【0067】
第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の領域15は、カバー50の周方向に延びる突起56の内側のシール面45に対して径方向74にシールする。突起56は、カバー50から軸方向72に離れる方向に突出し、カバー50の外側リムに配置される。端部ディスク18は、径方向突起20とともにカバー50のリム領域を越えて延びる。突起56は、端部ディスク18の径方向突起20の溝19に係合する。第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の内周は、第2のハウジング部106における軸方向72内側に突出するウェブ118によって径方向74に支持され、第2のハウジング部106のウェブ118とリング116との間に径方向74に固定される。
【0068】
本実施形態でも、第2のハウジング部106は、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の開口部22の領域において湾曲しておらず、カバー50が外部から見えるように開口した構成となっている。
【0069】
図7は、第1及び第2の濾過要素10、40間の径方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。シール界面80は、清浄側の出口110(図1)の反対側に位置する、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18に設けられた領域15と、第2の濾過要素40に設けられた少なくとも1つのシール面45と、を含み、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の領域15は、このシール面45に対して密封して配置される。
【0070】
第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18は、径方向突起20とともに濾材11を越えて径方向74内側に突出する。
【0071】
領域15は、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18の内側リムに配置されており、カバー50に配置され、カバー50から軸方向72外側に離れる方向に突出する周方向に延びる突起52の径方向74外側の円周面に設けられたシール面45に対してシールする。
【0072】
本実施形態では、第2のハウジング部106の底部は湾曲しており、端面112の凹部が開口部22に突出している。濾過要素10は、第2のハウジング部106の収容部に収容され、第2の端部ディスク18の領域において支持リング116によって囲まれる。
【0073】
図8は、第1及び第2の濾過要素10、40間の軸方向シール作用を有する、本発明の更なる実施形態による濾過システム100の詳細を示す断面図である。
【0074】
領域15は、第1の濾過要素10の第2の端部ディスク18における、濾材11の断面内で周方向に延びる径方向突起20の、軸方向72内向きの端面58に配置され、この突起は、カバー50の端面に設けられたシール面45に対してシールする。支持管24は、径方向74内側に突出し、第2の端部ディスク18の径方向突起20に埋め込まれ、それによって補強されるリム23を含む。第2の端部ディスク18は、この領域でシール界面80を軸方向に支持することができる。
【0075】
図9では、濾過システム100の更なる実施形態が示されており、内側濾過要素40は、支持管48の周りに配置された折り畳み式ベローズの形態の濾材47を含む。端面において、開いたひだは、それぞれ端部ディスク41、49によって流体密に閉じられる。端部ディスク41、49は、好ましくは弾性材料、特にPURフォームで形成される。上側端部ディスク49は、開いた環状の端部ディスクであり、ソケット110に対してシールする周方向に延びるシールビーズを含む。下側端部ディスク41も環状であり、支持管48のカバー50を囲む。支持管48又はカバー50は、端部ディスク41の材料に部分的に埋め込まれる。代替案として、端部ディスク41を円盤状の構成とし、端面で濾過要素40によって囲まれる空洞を覆うことで、支持管48の一部としてのカバー50を省略することができる。
【0076】
図10では、図9に示された濾過システムの詳細が、下側端部ディスク18、41のシール界面80の領域で示されている。2つの濾過要素10、40は、互いに対して軸方向にシールされる。支持管24は、径方向74内側に突出し、端部ディスク18の材料に部分的に埋め込まれた環状リム27を有する。径方向内側において、環状リム27は、環状突起59によって径方向外側が画定される溝29を有する。この溝29は、内側濾過要素40の下側端部ディスク41に設けられた軸方向環状シール突起43を受け入れるように機能する。リム27の環状突起59は、内側濾過要素40の端部ディスク41の平坦な軸方向端面に対して軸方向に当接する。この構成により、2つの濾過要素10、40間の確実な軸方向のシール作用が確保される。内側濾過要素40の下側端部ディスク41は、ひだのシール作用と、外側に配置された濾過要素10との界面を同時に形成するため、追加のシール要素が必要ない。
【0077】
有利には、内側濾過要素40は、有害ガス吸着用の濾過要素とすることができる。この目的のため、濾過要素は、有害ガスの吸着に適するように設計される。好ましくは、濾材は活性炭を含む。
【0078】
もちろん、折り畳み式ベローズとして設計された2つの濾過要素10、40をシールするための更なるシール構成も可能である。例えば、内側濾過要素40の下側端部ディスク41の径方向外側部分は、外側濾過要素10の支持管24のリムに対してシールすることができる。このリムは、図2又は図3の実施形態と同様に、径方向のシール作用を構成するため、軸方向に突出する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の入口(108)及び出口(110)を有するハウジング(102)を備える濾過システム(100)であって、
前記ハウジング(102)内に、濾材(11)を有する中空体として設計された第1の濾過要素(10)が配置され、前記第1の濾過要素(10)の内部(30)に、第2の濾過要素(40)が配置され、前記第1の濾過要素(10)及び前記第2の濾過要素(40)は、長手方向軸(70)を中心として互いに同軸かつ同心に配置され、
前記第1の濾過要素(10)は、出口側の端面(12)に配置された第1の端部ディスク(14)と、その反対側に位置する端面(16)に配置された第2の端部ディスク(18)と、を含み、前記端部ディスク(14、18)はそれぞれ、中央開口部(21、22)を有し、前記濾材(11)のそれぞれの端面(1、16)上に実質的に環状に延び、
前記第2の濾過要素(40)は、出口側の第1の端面(42)と、前記出口側の端面(42)の反対側に位置し、カバー(50)によって流体密に閉じられた第2の端面(46)と、を含み、
前記第2の端部ディスク(18)の開口部(22)は、前記カバー(50)によって流体密に閉じられており、前記第1の濾過要素(10)の第2の端面(16)と前記第2の濾過要素(40)の第2の端面(46)との間にシール界面(80)が配置され、前記シール界面(80)により、2つの前記濾過要素(10、40)は互いに直接シールされる濾過システム(100)。
【請求項2】
前記シール界面(80)は、清浄側の前記出口(110)の反対側に位置する、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に設けられたシール面(25)と、前記第2の濾過要素(40)に配置され、前記シール面(25)に対して軸方向及び/又は径方向(72、74)にシールする少なくとも1つのシール要素(60、62、64)と、を含む請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記シール界面(80)は、前記カバー(50)の外側端面において前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出する周方向に延びる突起(52)に配置されたシール要素(60)、特にシールリングを含み、前記シール要素(60)は、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に対して径方向(74)にシールする請求項1又は2に記載の濾過システム
【請求項4】
前記シール界面(80)は、前記カバー(50)の周方向に延びる縁部(51)に配置され、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)に対して径方向(74)にシールするシール要素(62)を含む請求項1又は2に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記シール界面(80)は、前記第2の濾過要素(40)の端面(46)、特に前記カバー(50)に設けられたシール要素(64)、特にシールリング又はシール突起(43)を含み、前記シール要素(64)は、径方向(74)内側に突出する、前記第1の濾過要素(10)の支持管(24)のリム(26、29)に対して、軸方向(72)にシールする請求項1又は2に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記シール界面(80)は、軸方向(72)において清浄側の前記出口(110)の反対側に位置する、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の領域(15)と、前記第2の濾過要素(40)に設けられた少なくとも1つのシール面(45)と、を含む請求項1に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)は、前記濾材(11)を越えて径方向(74)内側に突出する請求項6に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムに配置され、前記内側リムは、前記カバー(50)に配置された周方向に延びる突起(52)の径方向(74)外側の円周面に設けられたシール面(45)に対してシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出し、特に、前記第2のハウジング部分(106)に設けられた軸方向(72)に突出するウェブ(114)が、前記第2の端部ディスク(18)の溝(17)に係合する請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の領域(15)は、前記カバー(50)において周方向に延びる突起(52)の内側に配置されたシール面(45)に対して径方向(74)にシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出し、前記突起(52)は、前記端部ディスク(18)の溝(19)に係合し、特に、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムは、前記第2のハウジング部分(106)に設けられた軸方向(72)内側に突出するウェブ(118)によって径方向(74)に支持される請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)の内側リムに配置され、前記内側リムは、前記カバー(50)に配置された周方向に延びる突起(52)の径方向(74)外側の円周面に設けられたシール面(45)に対してシールし、前記突起は、前記カバー(50)から軸方向(72)に離れる方向に突出する請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項11】
前記領域(15)は、前記第1の濾過要素(10)の第2の端部ディスク(18)における前記濾材(11)の断面内で周方向に延びる径方向突起(20)の軸方向内向きの端面(58)に配置され、前記突起は、前記カバー(50)の端面に設けられたシール面(45)に対してシールし、特に、前記支持管(24)は、径方向(74)内側に突出し、前記径方向突起(20)に埋め込まれた周方向に延びるリム(23)を含む請求項6又は7に記載の濾過システム。
【請求項12】
前記第2のハウジング部分(106)の端面(112)は、内側に湾曲する請求項1~11のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項13】
前記第2のハウジング部分(106)の端面(112)は、前記第2の濾過要素(40)の第2の端面(46)上に少なくとも部分的に延在する開口部を有する請求項1~12のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の濾過システム(100)用の濾過要素(10)であって、
中空体に形成され、特にジグザグ状に折り畳まれた濾材(11)と、端面(12)に配置された第1の端部ディスク(14)と、その反対側に位置する端面(16)に配置された第2の端部ディスク(18)と、を備え、
2つの前記端部ディスク(14、18)はそれぞれ、中央開口部(21、22)を有し、前記濾材(11)の端面(12、16)上に実質的に環状に延び、
シール界面(80)のシール面(25)又は領域(15)が、設置状態において清浄空気側の出口(110)の反対側に位置するように意図された端面(16)に配置される濾過要素。
【請求項15】
前記濾材(11)は、支持管(24)の周りに配置され、前記支持管(24)は、前記シール面(25)を含む請求項14に記載の濾過要素。
【請求項16】
前記支持管(24)は、前記シール面(25)が配置される径方向内側に突出するリム(26、27)を含む請求項15に記載の濾過要素。
【請求項17】
設置状態において清浄空気側の出口(110)の反対側に位置するように意図された前記端面(16)に設けられた端部ディスク(18)は、前記濾材(11)を越えて径方向(74)内側に突出し、前記シール界面(80)の領域(15)、特に溝(19)を含む請求項14に記載の濾過要素。
【請求項18】
請求項1~13のいずれか一項に記載の濾過システム(100)用の濾過要素(40)であって、
支持管(48)上に単層又は多層として配置された濾材(47)と、端面(42)に配置され、軸方向に突出する第1の周方向に延びるソケット(44)と、その反対側に位置する端面(46)に配置された第2のカバー(50)とを備え、
前記カバー(50)は、設置状態において、他の濾過要素(10)とのシール界面(80)を形成するように意図された少なくとも1つのシール面(45)又は少なくとも1つのシール要素(60、62、18)を含む濾過要素。
【請求項19】
前記カバー(50)に、前記カバー(50)から軸方向(74)に離れる方向に突出する周方向に延びる突起(52、54)が配置され、前記周方向に延びる突起(52、54)は、前記シール界面(80)のシール要素(60、64)を担持するか、又は前記シール界面(80)のシール突起(43)を形成する請求項18に記載の濾過要素。
【請求項20】
前記シール界面(80)のシール要素(62)は、前記支持管(48)の縁部(51)に配置される請求項18に記載の濾過要素。
【請求項21】
前記カバー(50)に、前記シール界面(80)のシール面(45)として、軸方向(72)外側に突出する周方向に延びる突起(52、56)が配置される請求項18に記載の濾過要素。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
有益な実施形態によれば、上記領域は、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの内側リムに配置され、領域は、カバーに配置された、カバーから軸方向に離れる方向に突出する周方向に延びる突起の径方向外側の円周面に設けられたシール面に対してシールする。特に、第2のハウジング部分に設けられた軸方向に突出するウェブが、第2の端部ディスクの溝に係合してもよい。有利には、端部ディスクは、シール要素を形成する端部ディスクが第2の濾過要素のシール面において確実に接触するように、ハウジングによって支持される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
有益な実施形態によれば、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの領域は、カバーにおいて周方向に延びる突起の内側に配置されたシール面に対して径方向にシールする。この突起は、カバーから軸方向に離れる方向に突出し、突起が端部ディスクの溝に係合する。特に、第1の濾過要素の第2の端部ディスクの内側リムは、第2のハウジング部分に設けられた軸方向内側に突出するウェブによって径方向に支持されてもよい。シール界面のシール要素を形成する端部ディスクの安定した保持が確保できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
これに代わって又はこれに加えて、濾過要素は有害ガス吸着用に設計することができる。有害ガス吸着のため、濾過要素は、対応する適切な濾材、特に活性炭含有濾材で構成されてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
主要素10とも呼ばれる第1の濾過要素10は、支持管24上に配置された濾材11を含む。第1の濾過要素10は、出口側の端面12に配置された第1の端部ディスク14と、その反対側の端面16に配置された第2の端部ディスク18と、を含む。両端部ディスク14、18はそれぞれ開口部21、22を有し、濾材11のそれぞれの端面1、16上に実質的に環状に延びる。濾材11は、例えばジグザグ状に折り畳まれる。図示された実施形態における開口部21、22は、長手方向軸70に対して同軸に配置されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【国際調査報告】