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特表2024-510023IMSサービスを増強する方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】IMSサービスを増強する方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20240227BHJP
   H04L 69/14 20220101ALI20240227BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W24/04
H04L69/14
H04W88/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557253
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2022085591
(87)【国際公開番号】W WO2022247480
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110565670.8
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】楊海城
(72)【発明者】
【氏名】周金星
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067HH22
(57)【要約】
本願の実施例は、通信伝送の分野に関し、IMSサービスを増強する方法、装置、電子機器、及び記憶媒体を提供する。端末と、前記端末及びネットワーク側のマルチアクセスプロトコルデータユニットMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出し、第1チャネルにおける伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断し、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含むMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行い、ネットワーク側でのIMSサービスデータを受信した場合、受信したIMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用されるIMSサービスを増強する方法であって、
前記端末と、前記端末及びネットワーク側のマルチアクセスプロトコルデータユニットMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出するステップと、
前記第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、前記第1チャネルを介した前記IMSサービスデータの送信を中断するステップと、
少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む前記MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、前記ネットワーク側と前記IMSサービスデータの伝送を同時に行うステップと、
前記少なくとも2つのチャネルを介して前記IMSサービスデータを受信した場合、前記IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るステップと、
を含む、IMSサービスを増強する方法。
【請求項2】
前記IMSサービスデータを冗長化処理する前記ステップは、
前記IMSサービスデータを検出するステップと、
同じデータコンテンツを受信した場合、前記同じデータコンテンツのうち最初に受信されなかったIMSサービスデータを破棄するステップと、
を含む、請求項1に記載のIMSサービスを増強する方法。
【請求項3】
前記MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、前記ネットワーク側と前記IMSサービスデータの伝送を同時に行った後、
前記ネットワーク側による前記IMSサービスデータの冗長化処理の実行をトリガするための第1セッション変更要求を前記ネットワーク側に送信するステップ
をさらに含む、請求項1又は2に記載のIMSサービスを増強する方法。
【請求項4】
前記MA PDUの少なくとも2つのチャネルは、前記端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルである前記MA PDUセッションの第2チャネルを少なくとも含み、
前記IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得た後、
前記第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質を検出するステップと、
前記第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、前記第2チャネル以外の他のチャネルにおけるIMSサービスデータの伝送を中断するステップと、
をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のIMSサービスを増強する方法。
【請求項5】
前記第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、前記方法は、
前記ネットワーク側が第2チャネルを介した情報送受信機能のみを保持するようにトリガするための第2セッション変更要求を前記ネットワーク側に送信するステップ
をさらに含む、請求項4に記載のIMSサービスを増強する方法。
【請求項6】
ネットワーク側機器に適用されるIMSサービスを増強する方法であって、
端末によってMA PDUセッションを介して送信された少なくとも2つのチャネルの確立要求を受信し、前記端末と、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む少なくとも2つの前記MA PDUセッションのチャネルを同時に確立するステップと、
前記少なくとも2つの前記MA PDUセッションのチャネルを介して、前記端末と、IMSサービスデータの伝送を同時に行い、前記端末が前記IMSサービスデータを冗長化処理した場合、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るようにするステップと、
を含む、IMSサービスを増強する方法。
【請求項7】
前記端末と、少なくとも2つの前記MA PDUセッションのチャネルを同時に確立した後、
前記端末によって送信された第1セッション変更要求を受信するステップと、
受信した前記端末によって送信されたIMSサービスデータを冗長化処理するステップと、
をさらに含む、請求項6に記載のIMSサービスを増強する方法。
【請求項8】
IMSサービスを増強する装置であって、
端末と、前記端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出する検出部と、
前記第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、前記第1チャネルを介した前記IMSサービスデータの送信を中断する中断部と、
少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む前記MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、前記ネットワーク側と前記IMSサービスデータの伝送を同時に行う伝送部と、
前記少なくとも2つのチャネルを介して前記IMSサービスデータを受信した場合、前記IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る処理部と、
を含む、装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信的に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、
前記命令は前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、
請求項1~5のいずれか1つに記載のIMSサービスを増強する方法、又は請求項6または7に記載のIMSサービスを増強する方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる、電子機器。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1~5のいずれか1つに記載のIMSサービスを増強する方法、又は請求項6または7に記載のIMSサービスを増強する方法を実現するコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202110565670.8で、出願日が2021年05月24日である中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全内容はここで引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、通信伝送の分野に関し、特にIMSサービスを増強する方法、装置、電子機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
発信通話及び着信通話は通信事業者の基礎的な通信能力の1つであり、通信事業者のネットワークのIP化に伴い、音声サービスもすべてインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)に基づいて運ばれるようになり、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)データサービスに基づく伝送手段は音声サービスを提供する主な手段になる。IMSネットワークにより、事業者は従来の音声・ショートメッセージサービスをシームレスに継承するだけでなく、音声サービスと豊富な増強機能を統合し、多様なサービスを提供することが可能になる。IMSネットワークはアクセスに依存せず、ユーザーは第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)のセルラーネットワーク、又は非3GPPのWiFiネットワークを介してアクセスして通話することができ、IMSデータサービスの伝送手段はまた、3GPPと非3GPPとの間のシームレスな切り替えをサポートし、音声サービスの連続性を確保する。
【0004】
しかしながら、現在の無線ネットワーク技術に関しては、3GPPであろうと、非3GPPであろうと、無線信号が減衰したり、遮蔽されたりするため、そのネットワーク性能及び安定性が有線のレベルに到達することは困難である。従来のIMSサービスデータの伝送手段には、情報インタラクションの遅延が長く、安定性が悪く、ユーザエクスペリエンスが悪いなど、最適化や完備が必要な問題が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、
端末に適用されるIMSサービスを増強する方法であって、
端末と、端末及びネットワーク側のマルチアクセスプロトコルデータユニット(MA PDU:Multi-Access Protocol Data Unit)セッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出するステップと、
第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断するステップと、
少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含むMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行うステップと、
少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータを受信した場合、IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るステップと、を含む、IMSサービスを増強する方法を提供する。
【0006】
本願の実施例はまた、
ネットワーク側機器に適用されるIMSサービスを増強する方法であって、
端末によってMA PDUセッションを介して送信された少なくとも2つのチャネルの確立要求を受信し、端末と、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む少なくとも2つのMA PDUセッションのチャネルを同時に確立するステップと、
少なくとも2つのMA PDUセッションのチャネルを介して、端末と、IMSサービスデータの伝送を同時に行い、端末がIMSサービスデータを冗長化処理した場合、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るようにするステップと、を含む、IMSサービスを増強する方法を提供する。
【0007】
本願の実施例はまた、
IMSサービスを増強する装置であって、
端末と、前記端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出する検出部と、
前記第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、前記第1チャネルを介した前記IMSサービスデータの送信を中断する中断部と、
少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む前記MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、前記ネットワーク側と前記IMSサービスデータの伝送を同時に行う伝送部と、
前記少なくとも2つのチャネルを介して前記IMSサービスデータを受信した場合、前記IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る処理部と、を含む、装置を提供する。
【0008】
本願の実施例はまた、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信的に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、端末に適用される上記のIMSサービスを増強する方法、又はネットワーク側に適用される上記のIMSサービスを増強する方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる、電子機器を提供する。
【0009】
本願の実施例はまた、
プロセッサによって実行されると、端末に適用される上記のIMSサービスを増強する方法、又はネットワーク側に適用される上記のIMSサービスを増強する方法を実現するコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0010】
1つ又は複数の実施例は、それに対応する図面のピクチャによって例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例の限定ではなく、図面における同じ参照数字の番号を有する要素は類似した要素として表される。図面は、特に断らない限り、比例を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願の一実施形態によるIMSサービスを増強する方法のフローチャートである。
図2】本願の別の実施形態によるIMSサービスを増強する方法のフローチャートである。
図3】本願の一実施形態による、ネットワーク側機器に適用されるIMSサービスを増強する方法のフローチャートである。
図4】本願の一実施形態によるIMSサービスを増強する装置の概略図である。
図5】本願の一実施形態による電子機器である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下では、図面を参照して、本願の各実施例を詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例において、読者に本願をより良く理解させるために、多くの技術的詳細が記載されていることを理解することができる。しかし、これらの技術的詳細、及び以下の各実施例に基づく種々の変更及び修正がなくても、本願に係る保護を請求する技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされたものであり、本願の具体的な実施形態のいかなる限定を構成するものではなく、各実施例は矛盾しない限り、互いに組み合わせたり、互いに参照したりすることができる。
【0013】
本願の実施例における「第1」、「第2」という用語は、単に説明の目的のために使用されるものであって、相対的重要性を示し若しくは暗示するもの、又は示された技術的特徴の数を暗示するものとして理解すべきではない。したがって、「第1」、「第2」により限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明では、用語「含む」及び「有する」、ならびにそれらの任意の変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連の部材又はユニットを含むシステム、製品又は機器は、リストされた部材又はユニットに限定されるものではなく、オプションとして、リストされていない部材又はユニット、又はオプションとして、これらの製品又は機器に固有の他の部材又はユニットを含んでもよい。本願の説明では、「複数」とは、特に明示的に特定されない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0014】
本願の第1実施形態は、端末に適用されるIMSサービスを増強する方法に関する。具体的な流れを図1に示す。
【0015】
ステップ101:端末と、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIMSとのサービスデータの伝送品質を検出する。
【0016】
ステップ102:第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断する。
【0017】
ステップ103:少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含むMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行う。
【0018】
ステップ104:少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータを受信した場合、IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る。
【0019】
本実施例では、MA PDUセッションシナリオが採用され、端末とネットワーク側との第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が予め設定された第1閾値未満であると検出した場合、現在のサービスデータの伝送を中断し、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータの伝送を再開する。これにより、IMSサービスデータが端末とネットワーク側で常に安定して伝送されることを確保しつつ、IMSサービスデータの伝送の遅延を低減し、その安定性を確保することができ、また、端末は受信したデータを冗長化処理する機能を実現し、データの冗長性によるコンテンツエラーを低減し、ユーザエクスペリエンスを最適化することができる。
【0020】
以下では、本実施形態のIMSサービスを増強する方法の実施の詳細を具体的に説明するが、以下は、提供された実施の詳細の理解を容易にするためのものであり、本実施形態を実施するために必須ではない。
【0021】
ステップ101では、端末と、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIMSとのサービスデータの伝送品質を検出し、具体的には、第1チャネルは、MA PDUセッションの3GPPチャネルの5Gチャネル又は非3GPPチャネルのWifiチャネルであり得る。また、端末には、IMSのサービス情報をユーザーに提示するための通話モジュールという機能モジュールが存在する。すなわち、まず、IMSサービスデータの伝送が行われている伝送チャネルについて品質を検出し、第1チャネルの品質が基準に達している場合(例えば、そのチャネルの伝送品質が予め設定された第1閾値以上である場合)、現在のサービスデータの伝送チャネル及びモードを変更することなく、現在のサービスデータの伝送プロセスを維持する。このステップは、サービス伝送品質を満たす上に、端末の対応する計算過程を減少させることができる。
【0022】
具体的には、検出されるパラメータには、リアルタイム伝送プロトコル(RTP:Real-time Transport Protocol)のパケット損失率、リアルタイム伝送制御プロトコル(RTCP:Real-time Transport Control Protocol)のパケット損失率、ビット誤り率、遅延、ジッタなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
ここで、IMSサービスデータは、オーディオストリーム、ビデオストリーム、データストリームなどを含むが、これらに限定されるものではなく、いくつかの例では、RTPメッセージとして具現化され得る。
【0024】
一例では、このステップを実行する前に、端末は、アクセストラフィックのステアリング・スイッチング・スプリット(ATSSS:Access Traffic Steering Switching Splitting)をサポートするネットワーク側とMA PDUセッションを確立し、ネットワーク側から発信されてくるネットワーク制御機能情報(Network steering functionalities information)を傍受し、前記ネットワーク制御機能情報を受信した後、ネットワーク制御機能情報を解析して、端末がIMSサービスデータをネットワーク側に伝送するための正確なターゲットオブジェクトである多重伝送制御プロトコル(MPTCP:MultiPath TCP)エージェントのIPアドレスを得るステップをさらに含む。3GPP TS 24.193仕様によれば、ネットワーク側から発信されてくるネットワーク制御機能情報は、ネットワーク側MPTCPエージェントのIPアドレス情報を含んでいる。
【0025】
ステップ102では、第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断する。すなわち、IMSサービスデータの伝送が行われている第1チャネルにおいて伝送品質が低い(例えば、予め設定された第1閾値未満)と検出した場合、伝送チャネルの遅延が長くなりすぎ、伝送プロセスが不安定になり、ユーザエクスペリエンスが悪くなることを回避するために、そのチャネルを介したIMSサービスデータの伝送を中断する。
【0026】
一例では、第1チャネルは5Gチャネルであってもよく、すなわち、このステップは、5Gチャネルにおける信号伝送品質を検出することである。
【0027】
ステップ103では、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含むMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行う。すなわち、上述した使用中のデータ伝送チャネルにおいて伝送品質が低すぎると検出した場合、現在の情報伝送過程を中断し、理論的に伝送品質がより高い新しい伝送チャネルに切り替えてIMSサービスデータの伝送を行う。例えば、端末の通話モジュールは、IMSサービスデータを端末の第1エージェントモジュールに伝送し、第1エージェントモジュールは、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側と少なくとも2つのIMSサービスデータの伝送チャネルを同時に確立し、少なくとも2つのIMSサービスデータの伝送チャネルで伝送されるIMSサービスデータは同じであり、第1エージェントモジュールは、受信したデータを冗長化処理することができる。ここで、ネットワーク側で伝送チャネル確立を実現するために使用されるのは、具体的には、MPTCPエージェントのIPアドレスの機器である。
【0028】
少なくとも2つの伝送チャネルがあり、この少なくとも2つの伝送チャネルにおけるデータが同じであるため、IMSサービスデータの伝送の安定性及び適時性を確保することができ、たとえ1つのチャネルにおけるサービスデータに遅延や故障などの問題が生じても、他のチャネルにおけるデータによって補足及び補完を行うことができる。
【0029】
一例では、端末の通話モジュールは、IMSサービスデータを第1エージェントモジュールに伝送し、第1エージェントモジュールは、3GPPチャネルにおける5Gチャネル、非3GPPチャネルにおけるWiFiチャネル上で、それぞれネットワーク側のMPTCPエージェントのIPアドレスとSocket接続を作成し、IMSサービスデータを送信する。
【0030】
このステップにおいて、端末は、ネットワーク側とのIMSサービスデータの伝送チャネルを再選択してデータ伝送を実現するが、再確立された伝送チャネルは少なくとも2つであるため、IMSサービスデータの伝送の安定性を確保すると同時に、IMSサービスデータの伝送の遅延を低減し、ユーザエクスペリエンスを最適化することができる。
【0031】
3GPP TS 24.193の仕様によれば、特定のチャネルのみを使用するように「アクティブ-スレーブ命令(Active-Standby)」を使用して指示することができる。端末はActiveというチャネルを優先的に使用し、そのチャネルが利用できない場合、Standbyチャネルに切り替え、すなわち、この仕様では、端末からチャネル選択命令を送信することをサポートしている。
【0032】
別の例では、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行った後、ネットワーク側によるIMSサービスデータの冗長化処理の実行をトリガするための第1セッション変更要求をネットワーク側に送信するステップをさらに含む。すなわち、ネットワーク側は、第1セッション変更要求を受信した後、端末によって送信されたIMSサービスデータをネットワーク側で冗長化処理することができ、これにより、データの重複を減らしてネットワーク側の演算量を削減すると同時に、端末がIMSサービスデータをネットワーク側に送信するまでの遅延を低減することができ、端末とネットワーク側との間でIMSサービスデータをインタラクション的に伝送する際の遅延をさらに低減し、ユーザーの使用エクスペリエンスを向上させることができる。例えば、第1セッション変更要求のフォーマットは、「Traffic Descriptor: Connectivity Capability=IMS」、「Steering Mode: Redundant」であってもよい。
【0033】
ステップ104では、少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータを受信した場合、IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る。
【0034】
ステップ103で確立された新しいデータ伝送チャネルは少なくとも2つあり、各チャネルにおけるIMSサービスデータは一貫しているので、伝送データの冗長性が必然的に生じ、端末は複数の同じデータを受信することがある。データが重複すると、通話モジュールがそこから情報を抽出するための計算量が増加するとともに、処理すべきデータが多すぎるため、端末がエラーを起こす確率が高くなる。
【0035】
一例では、前記受信したIMSサービスデータを冗長化処理するステップは、受信したIMSサービスデータを検出することと、同じデータコンテンツデータを受信した場合、同じデータコンテンツのうち最初に受信されなかったIMSサービスデータを破棄することと、を含む。すなわち、受信したすべてのIMSサービスデータに対して選択判断を行い、最初に受信したデータのみを保持し、重複して受信したデータについては破棄処理を行う。これにより、IMSサービスデータの伝送の安定性を確保することができるとともに、IMSサービスデータの伝送の遅延を低減することができる。
【0036】
また、第1エージェントモジュールは受信したIMSサービスデータを冗長化処理した後、冗長化処理したデータを端末の通話モジュールに伝送し、端末が通話モジュールによって実際に必要な有効な情報を解析し、それをユーザーに提示し、端末とネットワーク側とのIMSサービスインタラクションフローを完成させることを可能にする。
【0037】
本実施例は、MA PDUセッションシナリオを採用したIMSサービスを増強する方法を提案しており、端末とネットワーク側との第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が予め設定された第1閾値未満であると検出した場合、現在の通話モジュールによってネットワーク側に直接開始されているIMSサービスデータの伝送プロセスを中断し、端末の通話モジュールによってサービスデータを端末の第1エージェントモジュールに伝送し、第1エージェントモジュールによってMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルのIMSサービスデータの伝送をネットワーク側に同時に開始し、また、前記少なくとも2つのチャネルにおけるIMSサービスデータは同じである。これにより、IMSサービスデータが端末とネットワーク側で常に安定して伝送されることを確保することができ、また、第1エージェントモジュールは、受信した同じデータについては、最初に受信したデータのみを保持し、さらにデータ伝送の遅延を低減し、ネットワーク側から送信される冗長情報を処理し、データ冗長化による端末の演算量の過大化やコンテンツの誤りを低減することができる。
【0038】
本願の第2実施形態は、端末に適用されるIMSサービスを増強する方法に関する。それを実現する流れを図2に示す。
【0039】
ステップ201:端末と、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIMSとのサービスデータの伝送品質を検出する。
【0040】
ステップ202:第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断する。
【0041】
ステップ203:端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるMA PDUセッションの第2チャネルを少なくとも含む、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行う。
【0042】
ステップ204:少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータを受信した場合、IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る。
【0043】
ステップ205:第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質を検出する。
【0044】
ステップ206:第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、第2チャネル以外の他のチャネルにおけるIMSサービスデータの伝送を中断する。
【0045】
ここで、ステップ201~ステップ202、ステップ204は、第1実施形態と実質的に同じであり、重複を避けるため、これ以上言及しない。相違点はステップ203、ステップ205~ステップ206であり、以下に詳述する。
【0046】
ステップ203では、MA PDUの少なくとも2つのチャネルを介してネットワーク側にIMSサービスデータを再伝送し、一例では、選択されたチャネルは、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルである、MA PDUセッションの第2チャネルを少なくとも含む。例えば、第1チャネルが3GPPチャネルにおける5Gチャネルである場合、第2チャネルは非3GPPチャネルにおけるWifiチャネルであり、第1チャネルが非3GPPチャネルにおけるWifiチャネルである場合、第2チャネルは3GPPチャネルにおける5Gチャネルである。今回選択された少なくとも2つのチャネルのうち、選択されたチャネルは、第2チャネルを除いて、元の第1チャネルを含んでもよい。
【0047】
ステップ205~ステップ206では、具体的には、端末の第1エージェントモジュールがネットワーク側にIMSサービスデータを伝送し、冗長化処理などのステップを行った後、第1エージェントモジュールとネットワーク側との間の第2伝送チャネルの伝送品質を検出し、第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、第1エージェントモジュールとネットワーク側とのIMSサービスデータの伝送を可能にするチャネルを中断し、その後、端末の通話モジュールを用いて、MA PDUセッションの第2チャネルを介して、ネットワーク側とのIMSサービスデータの伝送を行う。
【0048】
具体的には、MA PDUセッションの第2チャネルについて伝送品質を検出し、第2チャネルの伝送品質が端末とネットワーク側とのIMSサービスデータの伝送要件を満たすか否か(すなわち、伝送品質が第2閾値よりも高いか否か)を判定し、第2閾値よりも高い場合、第2チャネルの伝送品質は、その単一のチャネルのみを使用しても端末とネットワーク側との間のIMSサービスデータの伝送要件を満たすほど高いことが示された。
【0049】
したがって、第2チャネルにおける伝送品質が第2閾値よりも高いと判断した場合、端末のエージェントモジュールとネットワーク側のマルチチャネルIMSサービスデータの伝送を中断し、また、通話モジュールもIMSサービスデータをエージェントモジュールに伝送せず、通話モジュールは第2チャネルを介してIMSサービスデータをネットワーク側と情報インタラクションを行う。
【0050】
一例では、第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、本方法は、ネットワーク側が第2チャネルを介した情報送受信機能のみを保持するようにトリガするための第2セッション変更要求をネットワーク側に送信するステップをさらに含む。すなわち、端末は、伝送チャネルを調整する際に、ネットワーク側が伝送チャネルの変更を能動的に行い、第2チャネルを介した情報送受信機能のみを残すようにトリガすることができる第2セッション変更要求をネットワーク側に送信する。端末とネットワーク側とのIMSサービスデータの伝送を確保しつつ、ネットワーク側のデータ計算量を大幅に削減し、ネットワーク側の情報処理速度を速め、ユーザエクスペリエンスを最適化する。
【0051】
ある実際の実行手順を例にとると、第2チャネルがWifiチャネルである場合、端末は、第2セッション変更要求をネットワーク側に送信し、そのセッションがWiFiチャネルのみを使用することをネットワーク側に通知する。要求の形式は、「Traffic Descriptor: Connectivity Capability=IMS」、「Steering Mode: Active-Standby, Active=non-3GPP, Standby=3GPP」などである。
【0052】
本実施形態では、IMSサービスデータが端末とネットワーク側で常に安定して伝送されることを確保でき、かつ、エージェントモジュールが端末で受信したデータの冗長性を処理する機能を有し、データの冗長性によるコンテンツエラーを低減することに加えて、使用中の複数のチャネルについて伝送品質の判断と選択を行い、個々のIMSサービスデータの伝送要件を満たすチャネルが存在する場合、現在の第1エージェントモジュールを介したマルチチャネルIMSサービスデータの伝送を中断し、通話モジュールによって伝送要件を満たすチャネルを介してネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を再度行うことで、情報インタラクション双方のマルチチャネル情報インタラクションを維持するための演算量を低減し、情報処理効率を向上させ、ユーザエクスペリエンスを最適化する。
【0053】
上述した種々の方法のステップの分割は、単に明確に説明するためのものであり、実施されるときに1つのステップに統合したり、いくつかのステップを分割して複数のステップに分割したりしてもよく、同一の論理関係を含む限り、いずれも本特許の保護範囲内にある。アルゴリズム又はフローに重要ではない修正を加えるか、又は重要ではない設計を導入するが、そのアルゴリズム及びフローのコア設計を変更しない場合、いずれも当該特許の保護範囲内にある。
【0054】
本願の第3実施形態は、図3に示すように、下記のステップを含む、ネットワーク側機器に適用されるIMSサービスを増強する方法に関する。
【0055】
ステップ301:端末によってMA PDUセッションを介して送信された少なくとも2つのチャネルの確立要求を受信し、端末と、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む少なくとも2つのチャネルのMA PDUセッションのチャネルを同時に確立する。
【0056】
ステップ302:少なくとも2つのMA PDUセッションのチャネルを介して、端末と、IMSサービスデータの伝送を同時に行い、端末がIMSサービスデータを冗長化処理した場合、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るようにする。
【0057】
ステップ301の前に、ネットワーク側には、端末との間でIMSサービスデータの伝送を行う第1チャネルが存在していたが、端末は、当該第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が低いと検出するため、当該第1チャネルを介したIMSサービスデータの伝送を中断する。したがって、ステップ301では、端末によってMA PDUセッションを介して送信された少なくとも2つのチャネルの確立要求を受信すると、端末とIMSサービスデータの伝送を行うための少なくとも2つのチャネルのIMSサービスデータの伝送チャネルを同時に確立し、少なくとも2つのチャネルは、少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含む。また、ステップ301は、一例では、いずれも端末の第1エージェントモジュールとインタラクションすることによって達成することができる。
【0058】
ステップ302では、少なくとも2つのMA PDUセッションのチャネルを介して端末とIMSサービスデータの伝送を同時に行い、端末がIMSサービスデータを冗長化処理した場合、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得るようにする。
【0059】
一例では、端末と少なくとも2つのMA PDUセッションのチャネルを同時に確立した後、端末によって送信された第1セッション変更要求を受信するステップと、受信した第1エージェントモジュールによって送信されたIMSサービスデータを冗長化処理するステップと、をさらに含む。すなわち、第1セッション変更要求は、ネットワーク側による受信したIMSサービスデータの冗長化処理をトリガすることができ、具体的には、受信したIMSサービスデータの冗長化処理を行うための冗長化処理機器がネットワーク側に存在する。
【0060】
また、冗長化処理としては、例えば、ネットワーク側の冗長化処理機器は、端末から送信されたIMSサービスデータを受信し、当該IMSサービスデータのデータシーケンス番号(DSN:Data Sequence Number)に基づいて冗長検出を行い、重複したデータシーケンス番号を検出した場合、当該IMSサービスデータを直接破棄し、そうでない場合、IMSサービスデータのコンテンツを抽出し、IMSサービスデータヘッダ中の宛先IPアドレスに基づいて、処理後のIMSサービスデータを対応するIPの機器に転送する。
【0061】
本実施形態では、IMSサービスデータが端末とネットワーク側で常に安定して伝送されることを確保しつつ、データ冗長性を低減し、伝送遅延を低減し、ユーザエクスペリエンスを最適化することができる、ネットワーク側に適用されるIMSサービスを増強する方法を提供する。
【0062】
本願の第4実施形態は、図4に示すように、IMSサービスを増強する装置に関する。
端末と、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルであるネットワーク側の第1チャネルにおけるIPマルチメディアサブシステムIMSとのサービスデータの伝送品質を検出する検出部401と、
第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第1閾値未満であると検出した場合、第1チャネルを介したIMSサービスデータの送信を中断する中断部402と、
少なくとも1つの3GPPチャネルと少なくとも1つの非3GPPチャネルとを含むMA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行う伝送部403と、
少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータを受信した場合、IMSサービスデータを冗長化処理して、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得る処理部404と、を含む。
【0063】
伝送部403では、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介して、ネットワーク側とIMSサービスデータの伝送を同時に行った後、ネットワーク側によるIMSサービスデータの冗長化処理の実行をトリガするための第1セッション変更要求をネットワーク側に送信するステップをさらに含む。
【0064】
一例では、MA PDUの少なくとも2つのチャネルは、MA PDUセッションの第2チャネルを少なくとも含み、第2チャネルは、端末及びネットワーク側のMA PDUセッションの3GPPチャネル又は非3GPPチャネルである。
【0065】
処理部404では、受信したIMSサービスデータを冗長化処理するステップは、IMSサービスデータを検出するステップと、同じデータコンテンツを受信した場合、同じデータコンテンツのうち最初に受信されなかったIMSサービスデータを破棄するステップと、を含む。
【0066】
処理部404では、ユーザーに提示するためのIMSサービスデータを得た後、第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質を検出するステップと、第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、第2チャネル以外の他のチャネルにおけるIMSサービスデータの伝送を中断するステップと、をさらに含む。
【0067】
一例では、第2チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が第2閾値よりも高い場合、この方法は、ネットワーク側が第2チャネルを介した情報送受信機能のみを保持するようにトリガするための第2セッション変更要求をネットワーク側に送信するステップをさらに含む。
【0068】
本実施形態では、MA PDUセッションシナリオが採用され、端末とネットワーク側との第1チャネルにおけるIMSサービスデータの伝送品質が予め設定された第1閾値未満であると検出した場合、現在のサービスデータの伝送を中断し、MA PDUセッションの少なくとも2つのチャネルを介してIMSサービスデータの伝送を再開する。これにより、IMSサービスデータが端末とネットワーク側との間で常に安定して伝送されることを確保しつつ、データ伝送の遅延を低減することができ、端末は受信したデータの冗長化処理機能を実現し、データの冗長性によるコンテンツエラーを低減することができる。
【0069】
上記実施形態と本実施形態とは互いに対応しているので、本実施形態は上記実施形態と協働して実施することができる。上記実施形態で言及した関連技術的詳細は本実施形態においても有効であり、上記実施形態で達成可能な技術的効果は本実施形態においても同様に実現可能であるので、重複を減らすため、ここでは言及しない。したがって、本実施形態に記載された技術的詳細は、上述した実施形態にも適用することができる。
【0070】
本願の一実施形態は、図5に示すように、
少なくとも1つのプロセッサ501と、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信的に接続されたメモリ502と、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、端末に適用される上記IMSサービスを増強する方法、又はネットワーク側に適用される上記IMSサービスを増強する方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる、電子機器に関する。
【0071】
ここで、メモリとプロセッサはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバスとブリッジを含んでもよく、バスは1つ以上のプロセッサとメモリの様々な回路を一体に接続する。バスはまた、周辺機器、電圧調整器、及び電力管理回路などのような様々な他の回路を一体に接続することができ、これらはすべて当業者に知られているので、本明細書ではそれ以上説明しない。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、送信媒体上で様々な他のデバイスと通信するための手段を提供するものであって、1つの要素であってもよいし、複数の受信機及び送信機のような、複数の要素であってもよい。プロセッサによって処理されたデータは、アンテナを介して無線媒体上で送信され、さらに、アンテナは、データを受信し、プロセッサにデータを送信する。
【0072】
プロセッサはバスと通常の処理を管理し、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電源管理、その他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリは、プロセッサが動作を実行する際に使用するデータを格納するために使用することができる。
【0073】
本願の一実施形態は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体に関する。上述した方法の実施例は、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに実現される。
【0074】
すなわち、上記実施例の方法におけるステップの全部又は一部を実施することは、関連するハードウェアに命令するプログラムによって達成され得ることが当業者に理解される。このプログラムは、1つの記憶媒体に記憶されており、1つの機器(シングルチップ、チップなどであってもよい)又はプロセッサ(processor)に、本願の各実施例に記載された方法のステップの全部又は一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上述した記憶媒体には、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体が含まれる。
【0075】
当業者であれば、上記の実施形態は、本願を実施するための具体的な実施例であり、実際の適用においては、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、形式的及び詳細的に様々な変更を加えることができることを理解する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】