(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】表面損失が少ない量子デバイス
(51)【国際特許分類】
H10N 60/12 20230101AFI20240228BHJP
H10N 60/01 20230101ALI20240228BHJP
【FI】
H10N60/12 A
H10N60/01 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544595
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2022056043
(87)【国際公開番号】W WO2022189511
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、イブ
(72)【発明者】
【氏名】オルカット、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】エルビエ、アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】サンドバーグ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】マミン、ハリー
【テーマコード(参考)】
4M113
【Fターム(参考)】
4M113AA03
4M113AA05
4M113AA13
4M113AA24
4M113AA37
4M113AC45
4M113AC50
(57)【要約】
量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る、オペレーションの方法および回路が提供される。一例では、量子デバイスは、誘電体層、第1電極および第2電極を備え得る。誘電体層は、誘電体層の表面に形成された陥凹を備え得、それは、陥凹の占有領域の外面における第1厚さから陥凹の占有領域内の第2厚さまで誘電体層の厚さを低減する。第2厚さは、第1厚さよりも薄いものであり得る。第1電極は、陥凹の占有領域内に位置し得る。第2電極は、誘電体層によって第1電極から電気的に隔離され得る。第1電極および第2電極は、誘電体層の対向する面上に位置し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、前記誘電体層の第1面に形成される陥凹を含む、ここで、前記陥凹は、前記誘電体層の厚さを、前記陥凹の占有領域の外面の第1厚さから前記陥凹の前記占有領域内の第2厚さまで低減する、ここで前記第2厚さは前記第1厚さよりも薄い;
前記陥凹の前記占有領域内に位置する第1電極;および、
前記誘電体層の第2面上に位置し、前記誘電体層によって前記第1電極から電気的に隔離されている第2電極、ここで前記第1面および前記第2面は、前記誘電体層の対向する面である;
を備える量子デバイス。
【請求項2】
前記誘電体層の第1面上に位置する第3電極、ここで、前記第1電極および前記第3電極の間に隙間が介在する;
を更に備える請求項1に記載の量子デバイス。
【請求項3】
前記第1電極は、前記隙間内に位置するジョセフソン接合に結合される、
請求項2に記載の量子デバイス。
【請求項4】
前記第1電極および前記第2電極は第1静電容量を形成し、ここで、前記第2電極および前記第3電極は第2静電容量を形成する、
請求項2または3に記載の量子デバイス。
【請求項5】
前記第1電極は、前記陥凹の側壁、および、前記陥凹の前記占有領域内の前記誘電体層の陥凹面、とインタフェースする丸みを帯びた縁部を有する、
請求項1から4の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項6】
前記陥凹は、少なくとも0.3マイクロメートルの深さを有する、
請求項1から5の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項7】
前記陥凹の側壁は、前記陥凹が形成されている前記誘電体層の前記第1面をアンダーカットしている、
請求項1から6の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項8】
前記第1電極は超伝導体材料を含む、
請求項1から7の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項9】
前記第1電極、および、前記第1電極に隣接する第1キュビット、の間に位置する遮蔽構造体、ここで、前記遮蔽構造体はクロストーク低減を促進する、ここで、前記遮蔽構造体は、前記第2電極を、接地電位を提供する、前記第1面上に位置する導電素子と電気的に結合する、
を更に備える請求項1から8の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項10】
前記第1電極および前記第2電極は第2キュビットを有し、ここで、前記遮蔽構造体は更に、前記第2キュビットおよび前記第1キュビットを分離することを促進する、
請求項9に記載の量子デバイス。
【請求項11】
前記誘電体層はエピタキシャル成長層である、
請求項1から10の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項12】
前記誘電体層に構造支持を提供するハンドル層、ここで前記第2電極は前記誘電体層および前記ハンドル層の間に介在する、
を更に備える請求項1から11の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項13】
前記陥凹の前記占有領域内の前記誘電体層の前記第2厚さは、前記第1電極の少なくとも1つの寸法よりも薄い、
請求項1から12の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項14】
第1電極および第2電極の間に介在する誘電体層によって電気的に隔離される前記第1電極および前記第2電極を有する第1キャパシタ、ここで、前記第1電極および前記第2電極は前記誘電体層の対向する面上に位置する、ここで、前記第1電極は、前記誘電体層の厚さを、前記誘電体層の表面に形成される陥凹の占有領域の外面の第1厚さから前記陥凹の前記占有領域内の第2厚さまで低減させる、前記陥凹の前記占有領域内に位置する、ここで、前記第2厚さは前記第1厚さよりも薄い;および、
前記第1キャパシタの前記第1電極に結合されるジョセフソン接合、ここで、前記ジョセフソン接合は、第2キャパシタの第3電極および前記第1電極の間に介在する隙間における前記誘電体層の前記表面上に位置する、
を備える量子デバイス。
【請求項15】
前記第3電極は、前記誘電体層の前記表面に形成される別の陥凹内に位置する、
請求項14に記載の量子デバイス。
【請求項16】
前記第3電極および前記第2電極は前記第2キャパシタを形成する、
請求項14または15に記載の量子デバイス。
【請求項17】
前記第2キャパシタは、前記第1キャパシタと直列である、
請求項14から16の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項18】
前記第1電極は、前記陥凹の側壁、および、前記陥凹の前記占有領域内の前記誘電体層の陥凹面、とインタフェースする丸みを帯びた縁部を有する、
請求項14から17の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項19】
前記陥凹の側壁は、前記陥凹が形成されている前記誘電体層の前記表面をアンダーカットしている、
請求項14から18の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項20】
前記第1電極、および、前記第1電極に隣接する第1キュビット、の間に位置する遮蔽構造体、ここで、前記遮蔽構造体はクロストーク低減を促進する、ここで、前記遮蔽構造体は、前記第2電極を、接地電位を提供する、前記表面上に位置する導電素子と電気的に結合する、
を更に備える請求項14から19の何れか一項に記載の量子デバイス。
【請求項21】
前記第1電極および前記第2電極は第2キュビットを有し、ここで、前記遮蔽構造体は更に、前記第2キュビットおよび前記第1キュビットを分離することを促進する、
請求項20に記載の量子デバイス。
【請求項22】
誘電体層の第1面に陥凹を形成する段階、ここで、前記陥凹は、前記誘電体層の厚さを、前記陥凹の占有領域の外面の第1厚さから前記陥凹の前記占有領域内の第2厚さまで低減する、ここで前記第2厚さは前記第1厚さよりも薄い;
前記陥凹の前記占有領域内に位置する第1電極を形成する段階;および、
前記誘電体層の第2面上に位置し、前記誘電体層によって前記第1電極から電気的に隔離されている第2電極を形成する段階、ここで前記第1面および前記第2面は、前記誘電体層の対向する面上に位置する;
を備える方法。
【請求項23】
前記第1電極と結合し、且つ、前記第1電極および第3電極の間に介在する隙間における前記誘電体層の前記第1面上に位置する、ジョセフソン接合を形成する段階
を更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1電極および前記第2電極は第1静電容量を形成し、ここで、前記第2電極および第3電極は第2静電容量を形成する、
請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記誘電体層の前記第1面を酸化させて、前記陥凹の複数の側壁、および、前記陥凹の前記占有領域内の前記誘電体層の陥凹面、の間に丸みを帯びた半径を形成する段階
を更に備える請求項22から24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1電極、および、前記第1電極に隣接する第1キュビット、の間に位置する遮蔽構造体を形成する段階、ここで、前記遮蔽構造体はクロストーク低減を促進する、ここで、前記遮蔽構造体は、前記第2電極を、接地電位を提供する、前記第1面上に位置する導電素子と電気的に結合する、
を更に備える請求項22から25の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1電極および前記第2電極は第2キュビットを有し、ここで、前記遮蔽構造体は更に、前記第2キュビットおよび前記第1キュビットを分離することを促進する、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2電極は、前記第1電極を形成する段階よりも前に形成される、
請求項22から27の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
ハンドル層を前記第2電極に接合して、前記誘電体層に構造支持を提供する段階、ここで、前記第2電極は、前記誘電体層および前記ハンドル層の間に介在する、
を更に備える請求項22から28の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における1または複数の実施形態は、量子デバイスに関連し、より具体的には、量子デバイスの表面損失を低減することを促進するオペレーションの方法および回路に関連する。
【発明の概要】
【0002】
以下では、発明の1または複数の実施形態の基本的理解を提供するために概要を提示する。本概要は、主要な要素または重要な要素を識別すること、または特定の実施形態の任意の範囲または特許請求の範囲の任意の範囲を示すことを意図するものではない。その唯一の目的は、後で示されるより詳細な説明の前置きとして、概念を簡略化された形式で示すことである。本明細書で説明される1または複数の実施形態において、量子デバイスの表面損失を低減することを促進できる、デバイス、システム、方法、コンピュータ実装方法、機器、および/または、コンピュータプログラム製品が説明される。
【0003】
一実施形態によれば、量子デバイスは、誘電体層、第1電極および第2電極を備え得る。誘電体層は、誘電体層の第1面に形成される陥凹を有し得る。陥凹は、陥凹の占有領域の外面における第1厚さから、陥凹の占有領域内の第2厚さまで、誘電体層の厚さを低減し得る。第2厚さは、第1厚さよりも薄いものであり得る。第1電極は、陥凹の占有領域内に位置し得る。第2電極は、誘電体層の第2面上に位置し得る。第2電極は、誘電体層によって第1電極から電気的に隔離され得る。第1面および第2面は、誘電体層の対向する面上に位置し得る。
【0004】
別の実施形態によれば、量子デバイスは第1キャパシタおよびジョセフソン接合を備え得る。第1キャパシタは、第1電極および第2電極を有し得、これらは、第1電極および第2電極の間に介在している誘電体層によって電気的に隔離されている。第1電極および第2電極は、誘電体層の対向する面上に位置し得る。第1電極は、誘電体層の表面に形成された陥凹の占有領域内に位置し、それは、陥凹の占有領域の外面における第1厚さから陥凹の占有領域内の第2厚さまで誘電体層の厚さを低減する。第2厚さは、第1厚さよりも薄いものであり得る。ジョセフソン接合は、第1キャパシタの第1電極に結合され得る。ジョセフソン接合は、当該第1電極、および、第2キャパシタの第3電極の間に介在する隙間における、誘電体層の表面上に位置する。
【0005】
別の実施形態によれば、方法は、誘電体層の第1面において陥凹を形成することを備え得る。陥凹は、陥凹の占有領域の外面における第1厚さから陥凹の占有領域内の第2厚さまで誘電体層の厚さを低減し得る。第2厚さは、第1厚さよりも薄いものであり得る。方法は更に、陥凹の占有領域内に位置する第1電極を形成することを備え得る。方法は更に、誘電体層の第2面上に位置し、且つ、誘電体層によって第1電極から電気的に隔離される、第2電極を形成することを備える。第1面および第2面は、誘電体層の対向する面上に位置し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、トランスモン要素を備える例示的且つ非限定的なデバイスの上面図を示す。
【0007】
【
図2】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1の例示的且つ非限定的なデバイスをA-A線に沿って切り取った断面図を示す。
【0008】
【
図3】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1の例示的且つ非限定的なデバイスの表面を図示しているクローズアップ図を示す。
【0009】
【
図4】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1の例示的且つ非限定的なデバイスの表面上に沿ってプロットした電場振幅の二乗の計算されたプロファイルを図示する例示的且つ非限定的なグラフを示す。
【0010】
【
図5】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1の例示的且つ非限定的なデバイスと関連付けられる、表面損失の例示的且つ非限定的な分布を示す。
【0011】
【
図6】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイスの上面図を示す。
【0012】
【
図7】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図6の例示的且つ非限定的なデバイスをB-B線に沿って切り取った断面図を示す。
【0013】
【
図8】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図6の例示的且つ非限定的なデバイスの表面を図示しているクローズアップ図を示す。
【0014】
【
図9】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1および6の例示的且つ非限定的なデバイスに対応する、それぞれの電場振幅の二乗の計算されたプロファイルを図示する例示的且つ非限定的なグラフを示す。
【0015】
【
図10】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図1の例示的且つ非限定的なデバイスと関連付けられる、例示的且つ非限定的なエネルギー密度等高線を図示する断面図を示す。
【0016】
【
図11】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図6の例示的且つ非限定的なデバイスと関連付けられる、例示的且つ非限定的なエネルギー密度等高線を図示する断面図を示す。
【0017】
【
図12】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹した電極を備える例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【
図13】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹した電極を備える例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【
図14】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹した電極を備える例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【
図15】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹した電極を備える例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0018】
【
図16】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0019】
【
図17】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、誘電体層を成長または形成した後の、
図16の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0020】
【
図18】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、1または複数の金属層を堆積した後の、
図17の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0021】
【
図19】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図18の例示的且つ非限定的なデバイスの向きを逆さまにした、または反転した後の、当該デバイスの断面図を示す。
【0022】
【
図20】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、ハンドル層を1または複数の金属層に接合した後の、
図19の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0023】
【
図21】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、基板を除去した後の、
図20の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0024】
【
図22】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、絶縁体層を除去した後の、
図21の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0025】
【
図23】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹を形成した後の、
図22の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0026】
【
図24】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、酸化プロセスを適用した後の、
図23の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0027】
【
図25】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、酸化物層を除去した後の、
図24の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0028】
【
図26】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、1または複数の金属層を堆積した後の、
図25の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0029】
【
図27】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹の外面における1または複数の金属層の複数の部分を除去した後の、
図26の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
【0030】
【
図28】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイスの上面図を示す。
【0031】
【
図29】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図28の例示的且つ非限定的なデバイスをC-C線に沿って切り取った断面図を示す。
【0032】
【
図30】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る別の例示的且つ非限定的なデバイスの上面図を示す。
【0033】
【
図31】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、クロストーク低減および/またはキュビット間デカップリングを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイスの上面図を示す。
【0034】
【
図32】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図31の例示的且つ非限定的なデバイスをD-D線に沿って切り取った断面図を示す。
【0035】
【
図33】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図31の例示的且つ非限定的なデバイスをD-D線に沿って切り取った別の断面図を示す。
【0036】
【
図34】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図31の例示的且つ非限定的なデバイスをE-E線に沿って切り取った断面図を示す。
【0037】
【
図35】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、
図31の例示的且つ非限定的なデバイスをE-E線に沿って切り取った別の断面図を示す。
【0038】
【
図36】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、インピーダンス整合を促進し得る例示的且つ非限定的なデバイスを示す。
【0039】
【
図37】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、インピーダンス整合を促進し得る別の例示的且つ非限定的なデバイスを示す。
【0040】
【
図38】本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的な方法のフロー図を示す。
【0041】
【
図39】本明細書において説明される1または複数の実施形態が促進され得る例示的且つ非限定的な動作環境のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の詳細な説明は単に例示であり、実施形態、および/または実施形態の用途または使用を制限することを意図するものではない。更に、前述の「背景技術」または「発明の概要」節、または「発明を実施するための形態」節に示されている任意の明示的または黙示的な情報に拘束されることを意図するものではない。
【0043】
ここで、図面を参照して1または複数の実施形態を説明する。全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、多くの特定の詳細を、1または複数の実施形態のより完全な理解を提供すべく記載する。しかしながら、様々な場合において、これら特定の詳細なしで、1または複数の実施形態を実施し得ることは明白である。
【0044】
以下の定義は、具体的にそうでないことを示唆されていない限りにおいて、本開示全体を通じて使用される。「トランスモン」とは、並列接続されたキャパシタおよびジョセフソン接合を備える超伝導量子システムを指し、量子ビット(キュビット)用の基礎的要素として機能する。共振品質係数、Q、およびT1は、共振器としてのトランスモンの基準であるコヒーレンスを定量化するメトリックを指す。T1は、トランスモンが第1励起レベルに留まるおおよその時間である。QおよびT1は、T1=Q/2πFとして関連付けられてもよく、Fはトランスモンの共振周波数である。グランドおよび第1レベルの間の遷移に対応し得るトランスモンにおいて、QまたはT1は、低温、且つ、最小限のエネルギー(例えば、10ミリケルビンまたは0.01ケルビンのオーダの温度;および/または、おおよそhFの積に対応するエネルギーであり、hはプランクの定数であってFはトランスモン周波数である)で測定され得る。「損失」とは、トランスモンのエネルギーの一部を消散し、トランスモンが第1レベルに留まる時間を制限する、トランスモン要素内またはその周囲の物理メカニズムを指す。「表面損失」との用語は、典型的にはトランスモンコンポーネントの最上面に位置する損失源を指す。「2レベルシステム」(TLS)との用語は、2つの量子状態の重ね合わせに存在し得る2状態量子システムを指す。不要なTLSは、トランスモンのローカルな離散的エネルギーキャプチャサイト(および損失源)として機能し得る。不要なTLSは、典型的には、自然の原子境界が歪むまたは壊れる表面または境界など、完全な結晶領域から離れた、材料の無秩序な領域で見つけられる。
【0045】
古典的コンピュータは、コンピューティングおよび情報処理機能を実行するために2進状態として情報を格納または表す二進数(またはビット)で動作する。対照的に、量子コンピューティングデバイスは、2進状態および2進状態の重ね合わせの両方として情報を格納または表す量子ビット(またはキュビット)で動作する。そのためにも、量子コンピューティングデバイスは、エンタングルメントおよび干渉などの量子力学的現象を利用する。
【0046】
量子演算は、古典計算ビットの代わりに、キュビットをその本質的な単位として使用する。キュビット(例えば量子二進数)は、古典ビットの量子力学的アナログである。古典ビットは、2つの基底状態のうちの1つのみ(例えば0または1)を利用し得るが、キュビットは、これらの基底状態の重ね合わせ(例えば、α|0〉+β|1〉、ここで、αおよびβは、|α|2+|β|2=1となるような複素スカラである)を利用し得、これにより、理論的には、多数のキュビットが同じ数の古典ビットよりも指数関数的に多くの情報を保持できるようになる。従って、量子コンピュータ(例えば、古典ビットのみの代わりにキュビットを利用するコンピュータ)は、理論上、古典的コンピュータにとって極度に困難であり得る問題を迅速に解決することができる。古典的コンピュータのビットは、0または1のいずれかの値を持つ単純な二進数である。2つの異なる状態を持つ殆ど全てのデバイスは、スイッチ、バルブ、磁石、コインなどの古典ビットを表すのに役立ち得る。量子の神秘性を備えたキュビットは、0と1の状態の重ね合わせを占め得る。キュビットが0.63などの中間値を持ち得るわけではなく、キュビットの状態が測定される場合、結果は0または1のいずれかになる。しかし、演算中に、キュビットは、状態の混合であるかのように動作し得、例えば:63パーセントが0、37パーセントが1。一般的な量子プログラムは、演算の量子部分と古典部分との調整を必要とする。一般的な量子プログラムについて考える1つの方法は、量子アルゴリズムの指定、アルゴリズムの実行可能形式への変換、実験またはシミュレーションの実行、および結果の分析に含まれるプロセスと抽象化を特定することである。量子コンピュータは、量子力学の法則を使用して情報を処理することにより、分子計算、財務リスク計算、最適化などの演算タスクを実行する新しい方法を提供する。
【0047】
トランスモンは、量子コンピューティングデバイスのスケーラビリティを向上させるための量子ビット(またはキュビット)の作成に向けた有力な候補と見做され得る。トランスモンの品質を定量化するための1つのメトリックは、低温でのトランスモンの共振品質に関係する。そのメトリックは、品質係数Qまたはコヒーレンス時間T1のいずれかとして測定され得る。概して、おおよその共振周波数が5ギガヘルツ(GHz)のトランスモンのQおよびT1の良好値は、それぞれ5,000,000と0.15ミリ秒(mS)であり得る。QおよびT1のそのような値は、これまでに製造された最高の量子プロセッサで達成可能な、キュビット数が約50キュビットの平均キュビット値に対応し得る。しかしながら、古典的コンピュータに対して量子的な利点を持つ量子コンピューティングデバイスを実現するには、QおよびT1のこれらの値を、約2オーダの大きさだけ改善する必要性が更にある。
【0048】
多様な損失メカニズムが、潜在的に、取得可能なQおよびT1の値に悪影響を与え得る。トランスモンの1つの潜在的な損失源は、トランスモンの最上面に最も近い材料(例えば、シリコン(Si)、および/または、二酸化ケイ素(SiO2))の欠陥を含み得る。そのような欠陥のいくつかは、トランスモンの周波数(例えば共振周波数)に近い周波数で遷移を持ち得、それによってトランスモンのエネルギーを損ない得るTLSとして動作することが観察された。そのような欠陥と関連付けられる損失により、QおよびT1の取得可能な最大値が制限され得る。
【0049】
本明細書で説明される技術の実施形態は、トランスモンの表面損失を低減することを促進し得る、トランスモン要素ジオメトリおよび/または配置を提供できる。損失は概して、トランスモンの表面に、特に、トランスモンを含む誘電体素子の表面に存在する電場によって引き起こされ得る。本開示の実施形態は、トランスモンの表面における、特に、トランスモンを含む誘電体素子の表面における電場の振幅を低減することができる構造を提供する。本明細書で説明される1または複数の実施形態の態様と現在の設計との間の互換性は、そのような態様をいくつかの現在の製造技術に組み込むことを容易化できる。本明細書において説明される1または複数の実施形態は、トランスモンの占有領域を低減し、量子ハードウェアにおいてトランスモンの密度が増加することを促進させることができる。本明細書において説明される1または複数の実施形態は、トランスモンを含む誘電体内に存在する電場の一部を増加させ、それによって誘電体の外部に存在する電場の一部を減少させることによって、トランスモンの放射損失を低減することを促進できる。
【0050】
図1および
図2は、トランスモン要素を含む例示的且つ非限定的なデバイス100を示す。特に、
図1および
図2は、それぞれ、デバイス100の上面図、および、デバイス100をA-A線に沿って切り取った断面図を示す。
図1および
図2によって示されるように、デバイス100は、誘電体層110の表面112上に形成される電極120および130を備える。誘電体層110は、これらに限定されるものではないが、サファイア、ダイヤモンド、および、Si、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムカーボン(SiGeC)、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)合金、ガリウム砒素(GaAs)などのような半導体素子を含む、電気絶縁特性を有する任意の材料を有し得、半導体は1度ケルビン未満の動作温度で絶縁体として振る舞い得ることが知られている。電極120および/または130は、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、ニオビウム(Nb)、レニウム(Re)、スズ(Sn)、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを有し得る。電極120および/または130は、長さ寸法、幅寸法および高さ寸法を有し得る。例えば、電極130は、長さ寸法132、幅寸法134および高さ寸法136を有する。一実施形態において、長さ寸法132は、約100マイクロメートル(μm)から約1000μmの間で有り得、幅寸法134は、約10μmから約100μmの間で有り得、高さ寸法136は、約20ナノメートル(nm)から約200nmの間で有り得る。
【0051】
電極120および130は、電極120および130の間に介在する隙間140における表面112上に位置する(示されていない)トンネリング接合に結合された場合に、トランスモンを有し得る。一実施形態において、デバイス100を使用して実装されるトランスモンは、標準トランスモンと称され得る。一例として、トンネリング接合は、ジョセフソン接合として実装され得る。この例では、トンネリング接合は、(例えば動作温度が電極を含む材料(例えば金属)の臨界温度未満になった場合に)トンネリング接合の電極(例えば電極120および/または130)が超伝導体になった場合に、ジョセフソン接合になり得る。電極120および130は、トランスモンに静電容量を提供するキャパシタを形成し得、ここでは電極120および130がそのキャパシタのプレートに対応する。(示されていない)トンネリング接合は、隙間140によって占められている、表面112の電極間領域内に電気ブリッジを形成し得る。トンネリング接合は、隙間140によって占められている、表面112の電極間領域における比較的微細なサブセットを占め得る。例えば、電極間領域のジオメトリは、隙間140の寸法(例えば幅)に、電極130の長さ寸法132を乗算することによって定義され得る。この例では、トンネリング接合は、そのジオメトリの比較的微細なサブセットを占め得る。そのため、電極120および130によって形成されるキャパシタは、トランスモンの最も大きな要素を表し得る。
【0052】
トランスモンがその高エネルギーレベルまで電気的に引き起こされた場合、電極120および130の間の電極間領域に電圧が存在し得る。電圧が存在する場合、電極120および130に最も近いところ(例えばそれらの周り且つ間)に電場が作られ得る。特に、電場の最大振幅は概して、電極間領域に見つけられ得る。より具体的には、電場の最大振幅は、電極120および130のそれぞれのエッジに沿って見つけられ得る。TLSなどの損失媒体の駆動項は、εE2で表され得、εは、損失媒体の比誘電率を指し、Eは、電場の振幅(電場振幅)を指す。その表現に関して注目すべきは、電場振幅の二乗が損失に含まれていることである。
【0053】
図3、
図4および
図5は、デバイス100と関連付けられる、電場の例示的且つ非限定的な分布、および、対応する表面損失を示す。特に、
図4は、(グラフ400のx軸に対応する)
図3の線310に沿ってプロットされた、(グラフ400のY軸に対応する)電場振幅の二乗の計算されたプロファイル410を図示する例示的且つ非限定的なグラフ400を示す。グラフ400は、隙間140を画定する電極120および130のそれぞれのエッジと対応する計算されたプロファイル410の2つの主たるピークを示す。グラフ400は、デバイス100における他の場所に電場が分散され得ることを更に示す。例えば、グラフ400は、隙間140を画定するエッジと対向する電極120および130のそれぞれのエッジと対応する計算されたプロファイル410の2つの小さなピークを含む。別の例として、隙間140の内部部分と関連付けられる、計算されたプロファイル410の電場振幅値は、0には至ってない。
【0054】
上記で説明した通り、TLSなどの損失媒体に対する駆動項は、εE
2で表され得る。従って、グラフ400に図示される線310に沿う電場振幅値の分布は、デバイス100に対して、表面損失が主に、電極120および130に最も近い表面112の比較的小さな領域内で生じることを示唆している。これらの表面損失の大部分は、グラフ400によって図示される計算されたプロファイルの2つの主たるピークの位置によって示唆されるように、隙間140を画定する電極120および130のそれぞれのエッジに沿う隙間140によって占められる電極間領域に局在化され得る。デバイス100と関連付けられる表面損失510のそのような分布は、
図5に示される表面損失510の変動する強度によって示される。
【0055】
図6および
図7は、量子デバイスの表面損失を低減することを促進する例示的且つ非限定的なデバイス600を示す。特に、
図6および
図7は、それぞれ、デバイス600の上面図、および、デバイス600をB-B線に沿って切り取った断面図を示す。
図6および
図7に示されるように、デバイス600は、誘電体層610の表面612上に形成された電極620および630を備える。誘電体層610は、これらに限定されるものではないが、サファイア、ダイヤモンド、および、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAsなどのような半導体素子を含む、電気絶縁特性を有する任意の材料を有し得、半導体は1度ケルビン未満の動作温度で絶縁体として振る舞い得ることが知られている。電極620および/または630は、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、ニオビウム(Nb)、レニウム(Re)、スズ(Sn)、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを有し得る。電極620および630は、電極620および630の間に介在する隙間640における表面612上に位置する(示されていない)トンネリング接合に結合された場合に、トランスモンを有し得る。一実施形態において、デバイス600を使用して実装されるトランスモンは、薄い誘電体トランスモンと称され得る。
【0056】
表面損失を低減することを促進させるデバイス600の1つの態様は、電極620および630の1または複数の寸法を低減することを含む。例えば、
図1および
図6の間を比較することで、電極630が、電極130の長さ寸法132よりも著しく小さい長さ寸法632を有することが示される。別の例として、電極630の幅寸法634および/または高さ寸法636もまた、低減され得る。当業者であれば、電極620および630の1または複数の寸法を低減することによって、電極620および630により提供される関連静電容量が低減され得ることを認識するであろう。静電容量におけるそのような如何なる低減も、電極620および630によって部分的に形成されるトランスモンの性能に悪影響を与え得る。
【0057】
図7によって示されるように、静電容量におけるそのような低減を緩和するべく、誘電体層610の厚さは低減され得る。そのためにも、デバイス600は、誘電体層610の厚さを低減する、誘電体層610の表面612に形成された陥凹710を含む。特に、陥凹710は、誘電体層610の厚さを、陥凹710の占有領域の外面の厚さ720から、陥凹710の占有領域内の厚さ730まで低減する。厚さ730は、厚さ720よりも薄いものであり得る。厚さ730は、誘電体層610の表面614上に位置する電極630および電極650の間に介在し得る。表面612および表面614は、誘電体層610の対向する面であり得る。一実施形態において、厚さ730は、約5μmおよび約20μmの間であり得る。電極620は、陥凹710の占有領域と共に位置し得る。電極630はまた、誘電体層610の表面612に形成される別の陥凹の占有領域内に位置し得る。誘電体層610の厚さにおける当該低減は、電極620および630によって提供される関連静電容量を、電極120および130によって提供される静電容量値と実質的に類似する値まで増加することを促進させることができる。
【0058】
電極620および630の1または複数の寸法を低減することによって電極620および630の表面領域を低減するので、表面損失の低減が直感的に予測されるであろう。しかしながら、誘電体層610の厚さを低減して、電極620および630によって提供される関連静電容量を増加することを促進することにより、表面612に存在する電場の振幅を増加させることができる。特に、表面612に存在する電場振幅の増加は、誘電体層610の厚さを低減することにより、誘電体層610内から表面612までいくつかの電場線を移すことを含み得る。
【0059】
図9は、(グラフ900のx軸に対応する)
図8の線810に沿ってプロットされた(グラフ900のY軸に対応する)電場振幅の二乗の計算されたプロファイル910を図示する例示的且つ非限定的なグラフ900を示す。
図8の線810は、
図3の線310と実質的に対応し得、そのため、グラフ900のx軸は、グラフ400のx軸と実質的に対応し得る。
図9に示されるように、計算されたプロファイル910は、計算されたプロファイル410よりも実質的に1桁近くの大きさだけ大きくなり得る。いくつかの例において、計算されたプロファイル910は、電極620および630のそれぞれの表面積が電極120および130に対して減少した比率と実質的に同様の比率だけ、計算されたプロファイル410と比較して電場振幅の二乗の増加を含み得る。そのような例では、電極620および630のそれぞれの表面積を減少させることで予測される如何なる表面損失低減も、電場振幅の対応する増加によって打ち消され得る。
【0060】
図10は、
図1~3のデバイス100と関連付けられる例示的且つ非限定的なエネルギー密度等高線1050を図示する断面
図1000を示す。
図10のエネルギー密度等高線1050は、その領域の全てのポイントにおいて大きさεE
2(TLSなどの損失媒体の駆動項)として導き出され得る。一実施形態において、電場Eは、対象のボリュームを三角形要素に分解できる有限要素ソフトウェアパッケージを使用して計算され得る。有限要素ソフトウェアパッケージはまた、要素の各磁束渦糸における電場を計算し得る。この電場は、電圧を導電電極(例えば電極620および/または630)に印加することによって生じ得る。
図10に示されるように、デバイス100と関連付けられるエネルギー密度等高線1050は、誘電体層110の表面112上に位置する媒体1060(例えば空気)内に位置するエネルギー密度等高線1052、および、誘電体層110内に位置するエネルギー密度等高線1054、を有する。エネルギー密度等高線1052は、デバイス100の放射損失と関連付けられ得る。
図10は更に、エネルギー密度等高線1050が、誘電体層110および媒体1060の間のインタフェースを提供し得る表面112に最も近い媒体1060内に位置する極大値1055を含むことを示す。
【0061】
図11は、本明細書で説明される1または複数の実施形態による、
図6~9のデバイス600と関連付けられる例示的且つ非限定的なエネルギー密度等高線1150を図示する断面
図1100を示す。
図11のエネルギー密度等高線1150は、
図10のエネルギー密度等高線1050と同様の態様で導き出され得る。
図10のエネルギー密度等高線1050と同様に、デバイス600と関連付けられるエネルギー密度等高線1150は、誘電体層610の表面612上に位置する媒体1160(例えば空気)内に位置するエネルギー密度等高線1152、および、誘電体層610内に位置するエネルギー密度等高線1154、を有する。しかしながら、
図10のエネルギー密度等高線1050とは異なり、
図11のエネルギー密度等高線1150は主に誘電体層610内に位置する。すなわち、誘電体層610内に位置するエネルギー密度等高線1154は実質的に、誘電体層610の外部に位置するエネルギー密度等高線1152を超え得る。
図11によって示されるように、エネルギー密度等高線1150は、誘電体層610の表面612、および、陥凹710の占有領域内における誘電体層610の陥凹面1124の間の距離に対応する深さ1114において誘電体層610内に位置する極大値1155を含む。一実施形態において、深さ1114は、少なくとも0.3μmであり得る。極大値1155は、電極630および電極650の間の誘電体層610内に位置し得る。
【0062】
図11において、デバイス600の電極630は、陥凹710の側壁1122、および、陥凹710の占有領域内の陥凹面1124とインタフェースで接続する丸みを帯びた縁部(例えば丸みを帯びた縁部1132)を含む。一実施形態において、丸みを帯びた縁部1132は、半径rだけ丸みを帯びた電極630の底部コーナーであり得る。
図11によって更に示されるように、丸みを帯びた縁部は、誘電体層610内のエネルギー密度等高線1154のピークを広げることおよび/または最小化することを促進し得る。いくつかの例では、電極630の丸みを帯びた縁部は特に、側壁1122および/または陥凹面1124と関連付けられる金属/誘電体インタフェースに最も近い誘電体層610内のエネルギー密度等高線1154のピークを広げることおよび/または最小化することを促進し得る。
【0063】
表1は、標準トランスモン(例えばデバイス100を使用して実装されるトランスモン)と比較して薄い誘電体トランスモン(例えばデバイス600を使用して実装されるトランスモン)によって取得され得る、例示的な表面損失の低減を示す。例示的な表1において、d(μm)は、
図11の深さ1114に対応し得る。この比較について、標準トランスモンは、500μmの長さ寸法(例えば長さ寸法132)および60μmの幅寸法(例えば幅寸法134)を有する複数の電極(例えば
図1の電極120および/または130)を備える。標準トランスモンは更に、20μmの、複数の電極間の隙間(例えば隙間140)を有する。薄い誘電体トランスモンは、70μmの長さ寸法(例えば長さ寸法632)および60μmの幅寸法(例えば幅寸法634)を有する複数の電極(例えば
図6の電極620および/または630)を備える。薄い誘電体トランスモンは更に、20μmの、複数の電極間の隙間(例えば隙間640)を有する。薄い誘電体トランスモンはまた、誘電体層の表面上(例えば表面612上)に位置する複数の電極(例えば電極620および/または630)、および、誘電体層の対向する面上(例えば表面614上)に位置する電極(例えば電極650)、の間に誘電材料の厚さ(例えば
図7の厚さ730)を有する。薄い誘電体トランスモンのその厚さは、4.5μmに維持され得る。
【表1】
【0064】
表1に示されるように、誘電体層の表面に位置する電極を陥凹させなくても、薄い誘電体トランスモンによって、標準トランスモンと比較して、ある程度の表面損失の低減が取得され得る。すなわち、薄い誘電体トランスモンは、誘電体層の表面内に陥凹を形成しなくても、標準トランスモンと比較して、表面損失低減の1.1倍の増加を取得し得る。表1において薄い誘電体トランスモンおよび標準トランスモンの表面損失値を計算することは、各トランスモンの積算を含み得る。1つの積算は、薄い誘電体トランスモンに対応する誘電体層の表面上のεE
2を合計し得、別の積算は、標準トランスモンに対応する誘電体層の表面上のεE
2を合計し得る。表1は、これらの2つの積算の比率を示し得る。表1は更に、これらの電極が4μmの深さ(例えば
図11の深さ1114)を有する陥凹(例えば陥凹710)内に位置する場合に、薄い誘電体トランスモンによって取得される表面損失低減が1桁増加し得ることを示す。この例では、表面損失低減は、内部で電極が0μmから4μmまでに位置している陥凹の深さを増加させることによって、標準トランスモンと比較して1.1倍から10.8倍まで増加した。
【0065】
表2は、対応する誘電体層内で標準トランスモンの複数の電極を陥凹させることによって、標準トランスモンで表面損失低減が取得され得ることを示す。表2において、複数の標準トランスモン間のみで比較が行われる。例えば、表2は、標準トランスモンが、複数の電極を対応する誘電体の内部へと深さ1μmまで陥凹させることによって、表面損失低減の約3倍の増加を取得し得ることを示す。
【表2】
【0066】
図12~15は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹した電極を備える例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
図12~15に図示される各電極は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。
図12は、誘電体層610の表面612に形成された陥凹710の占有領域内に位置する電極1230を備える例示的且つ非限定的なデバイス1200を示す。
図12に示されるように、電極1230の表面1232は、誘電体層610の表面612と一致しない。むしろ、電極1230は、陥凹710を画定する側壁1122の部分1224とインタフェースするのみである。
【0067】
図13は、誘電体層610の表面612に形成された陥凹710の占有領域内に位置する電極1330を備える例示的且つ非限定的なデバイス1300を示す。
図13に示されるように、電極1330は、陥凹710のボリュームを完全に占める固体塊を備えない。むしろ、電極1330は、陥凹710を画定する側壁1122間に継続的に拡張しているフィルムを含む。電極1330を含むフィルムは、誘電体層610の表面612を超えて拡張している。
【0068】
図14のデバイス1400は、
図13のデバイス1300の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。デバイス1300と同様に、デバイス1400は、陥凹710のボリュームを完全に占める固体塊を備えない電極1430を備える。デバイス1300の電極1330と同様に、電極1430は、陥凹710を画定する側壁1122間に継続的に拡張するフィルムを含む。電極1330とは異なり、電極1430は、誘電体層610の表面612を超えて拡張していない。むしろ、電極1430は、電極1430が側壁1122の部分1424内をインタフェースしないよう、部分的に、陥凹710を画定する側壁1122を上がって拡張している。
【0069】
図15は、誘電体層610に形成される陥凹1520を備える例示的且つ非限定的なデバイス1500を示す。
図15に示されるように、陥凹1520は、陥凹1520が形成される誘電体層610の表面1612をアンダーカットする側壁1522によって定義される。デバイス1500は更に、陥凹1520内に位置電極1530を備える。
図13~14の電極1330および1430のそれぞれと同様に、電極1530は、陥凹1520のボリュームを完全に占める固体塊を含まない。その代わり、電極1530は、陥凹1520を画定する側壁1522間を継続的に拡張するフィルムを備える。
図14の電極1430と同様に、電極1530は、電極1530が側壁1522の部分1524とインタフェースしないように、部分的に側壁1522を上がって拡張している。
【0070】
図16~27は、本明細書において説明されている、および/または、複数の図に示されている、本開示の1または複数の実施形態を製造するべく実装され得る、例示的且つ非限定的な多段階の製造シーケンスを示す。例えば、
図16~27に示される非限定的な多段階の製造シーケンスは、
図6~8のデバイス600などの、量子デバイスの表面損失を低減することを促進するデバイスを製造するべく実装され得る。
【0071】
図16は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイス1600の断面図を示す。
図16に示されるように、デバイス1600は、基板1610を備え得る。基板1610は、これらに限定されるものではないが、金属、ガラス、サファイアおよびダイヤモンドだけでなく、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAs、および機械的に硬い特性を有する他の材料などの半導体素子も含む、機械的に硬い特性を有する任意の材料を含み得る。デバイス1600は更に、基板1610を覆って形成された中間層1620を備え得る。中間層1620は、基板1610の対応する材料特性とは異なる少なくとも1つの材料特性を有する任意の材料を含み得る。一実施形態において、少なくとも1つの材料特性は、機械的特性、化学的特性、電気的特性、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態において、中間層1620は、これらに限定されるものではないが、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化シリコン(Si
3N
4)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、および、電気絶縁特性を有する他の材料を含む、電気絶縁特性を有し得る。一実施形態において、中間層1620は、埋込酸化物(BOX)層であり得る。一実施形態において、BOX層は、熱的に成長され得、または、イオン注入によって取得され得る。一実施形態において、中間層1620は、原子層堆積(ALD)、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などによって成長または形成され得る。一実施形態において、中間層1620は、ALD、PECVD、TEOSなどによって成長または形成された、1または複数の誘電体層およびBOX層の任意の組み合わせを有し得る。デバイス1600は更に、中間層1620を覆って形成された誘電体層1630を備え得る。誘電体層1630は、これらに限定されるものではないが、サファイア、ダイヤモンド、および、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAsなどのような半導体素子を含む、電気絶縁特性を有する任意の材料を有し得、半導体は1度ケルビン未満の動作温度で絶縁体として振る舞い得ることが知られている。一実施形態において、基板1610、中間層1620、および、誘電体層1630は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハを形成し得る。
【0072】
図17は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、誘電体層1740を成長または形成した後の、
図16の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス1700は、誘電体層1630上に誘電体層1740を成長または形成させて作られるデバイス1600の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。誘電体層1740は、これらに限定されるものではないが、サファイア、ダイヤモンド、および、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAsなどのような半導体素子を含む、電気絶縁特性を有する任意の材料を有し得、半導体は1度ケルビン未満の動作温度で絶縁体として振る舞い得ることが知られている。一実施形態において、誘電体層1740は、10
-6未満、または理想的には10
-7未満の誘電正接を有し得る。一実施形態において、誘電体層1740は、10
10分の一未満の欠陥密度(例えば10
10原子当たり1個未満の欠陥)を有し得る。欠陥密度と関連付けられる例示的な欠陥は、空孔、自己格子間原子、アンチサイト、意図的でない不純物などを含み得る。一実施形態において、誘電体層1740は少なくとも10
4オーム・cmの抵抗率を有し得る。一実施形態において、誘電体層1740は、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)、気相エピタキシー(VPE)、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、またはその他のエピタキシャル成長プロセスなどの、エピタキシャル成長プロセスを使用して形成されたエピタキシャル成長層であり得る。一実施形態において、誘電体層1740は、約1から10マイクロメートル(μm)の厚さ(例えば高さ)を有し得る。一実施形態において、誘電体層1740は、誘電体層1630が1平方センチメートル(cm
2)当たり1000個未満の欠陥密度を有する場合に、
図17~27に図示される複数のデバイスのうちの1または複数から省略され得る。一実施形態において、誘電体層1740は、誘電体層1630が、1平方センチメートル(cm
2)当たり1000個未満の欠陥密度、および、少なくとも1000オーム・cmの抵抗率を有する場合に、
図17~27に図示される複数のデバイスのうちの1または複数から省略され得る。一実施形態において、誘電体層1740は、誘電体層1630が、1平方センチメートル(cm
2)当たり1000個未満の欠陥密度、および、少なくとも10μmの厚さを有する場合に、
図17~27に図示される複数のデバイスのうちの1または複数から省略され得る。
【0073】
図18は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、1または複数の金属層1850を堆積した後の、
図17の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス1800は、誘電体層1740上に1または複数の金属層1850を堆積することによって形成されるデバイス1700の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。1または複数の金属層1850は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態において、1または複数の金属層1850は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、または別のメタライゼーションプロセスによって誘電体層1740上に堆積され得る。一実施形態において、少なくとも1つの上部接着促進層(例えば、SiO
2層および/またはガラス層)が、1または複数の金属層1850を覆って形成され得る。一実施形態において、1または複数の金属層1850は、
図8の電極650を有し得る。
【0074】
図19は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、デバイス1800の向きを逆さまにした、または反転した後の、
図18の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。
図18を参照すると、デバイス1800は、向き1805に配列された基板1610および中間層1620を備える。デバイス1800の向き1805を逆さまにした、または反転させた後、デバイス1900における基板1610および中間層1620は、
図19に示されるように、向き1805と反対の向き1905に配列され得る。
【0075】
図20は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、ハンドル層2060を1または複数の金属層1850に接合した後の、
図19の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2000は、ハンドル層2060を1または複数の金属層1850に接合することによって形成されたデバイス1900の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。ハンドル層2060は、金属、誘電材料、または他の機械的に硬い材料などの、任意の機械的に硬い材料であり得る。一実施形態において、ハンドル層2060は、これらに限定されるものではないが、ダイヤモンド、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金などを含む、半導体特性を有する任意の材料を含むキャリアウェハであり得る。ハンドル層2060は、拡散接合、接着接合、融着接合、またはその他の半導体接合技術によって、1または複数の金属層1850に接合され得る。
【0076】
図21は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、基板1610を除去した後の、
図20の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2100は、基板1610を除去することによって形成されるデバイス2000の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。基板1610は、化学的且つ機械的な力の組み合わせを基板1610に適用することを含む化学機械研磨(CMP)プロセスによって除去され得る。中間層1620は、CMPプロセスに含まれる化学的且つ機械的な力の組み合わせから誘電体層1630を隔離することを促進する、CMPプロセス用のストップ層として機能し得る。一実施形態において、中間層1620は、CMPプロセスの正確さおよび/または信頼性を促進するべく少なくとも1μmの厚さ(例えば高さ)を有し得る。注目すべきことに、利用可能なSOIウェハは概して、少なくとも1μmの絶縁体層を有する。
【0077】
図22は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、中間層1620を除去した後の、
図21の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2200は、中間層1620を除去することによって形成されるデバイス2100の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。中間層1620は、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチング処理、または他のエッチングプロセスによって除去され得る。
【0078】
図23は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、誘電体層1630および/または1740に陥凹2370を形成した後の、
図22の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2300は、誘電体層1630および/または1740に陥凹2370を形成することによって作成されたデバイス2200の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。誘電体層1630および/または1740は、陥凹2370を形成するべく選択的にエッチングされ得る。
図23に示されるように、陥凹2370は、陥凹2370の占有領域の外面における厚さ2342から、陥凹2370の占有領域内の厚さ2344まで、誘電体層1740の厚さを低減し得る。一実施形態において、陥凹2370は、
図7の陥凹710を含み得る。一実施形態において、ハンドル層2060は、誘電体層1740に構造支持を提供するべく、約750μmの厚さ(例えば高さ)を有し得る。この実施形態では、誘電体層1740の厚さ2344は、陥凹2370に最も近い誘電体層1740の構造的完全性を譲歩し得る。
【0079】
図24は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、酸化プロセスを適用した後の、
図23の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2400は、酸化プロセスが、誘電体層1630、および/または、誘電体層1740の一部を消費した後に作成されたデバイス2300の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。酸化プロセス(例えば熱酸化および/または電気化学的酸化)の適用は、誘電体層1630および/または1740に対応する誘電材料を酸化物層2480へと変換することによって、誘電体層1630、および/または、誘電体層1740の一部を消費し得る。
【0080】
図25は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、酸化物層2480を除去した後の、
図24の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2500は、酸化物層2480を除去した後に作成されたデバイス2400の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。酸化物層2480は、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチング処理または他のエッチングプロセスによって除去され得る。
図25に示されるように、酸化プロセスの適用、および、結果として生成される酸化物層2480の除去は、陥凹2370の側壁2542、および、陥凹2370の占有領域内の誘電体層1740の陥凹面2544の間に丸みを帯びた半径2572を形成し得る。一実施形態において、丸みを帯びた半径2572は、
図11の丸みを帯びた半径1132を含み得る。
【0081】
図26は、1または複数の金属層2690を堆積した後の
図25の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2600は、誘電体層1740上に1または複数の金属層2690を堆積することによって形成されるデバイス2500の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。1または複数の金属層2690は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態において、1または複数の金属層2690は、PVD、CVD、ALDまたは別のメタライゼーションプロセスによって誘電体層1740上に堆積され得る。
【0082】
図27は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、陥凹2370の外面における1または複数の金属層2690の複数の部分を除去した後の、
図26の例示的且つ非限定的なデバイスの断面図を示す。デバイス2700は、陥凹2370内に1または複数の金属層2690の複数の部分を保持することによって作成されたデバイス2600の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。陥凹2370の外面の1または複数の金属層2690の複数の部分は、化学的且つ機械的な力の組み合わせを1または複数の金属層2690に適用することを含むCMPプロセスによって除去され得る。誘電体層1740は、陥凹2370内に1または複数の金属層2690の複数の部分を保持することを促進するべく、CMPプロセス用のストップ層として機能し得る。一実施形態において、陥凹2370内に保持された1または複数の金属層2690の複数の部分は、電極(例えば
図6~8の電極620および/または630)を形成し得る。一実施形態において、CMPプロセスは、別の方法でパターン化されたコンポーネントが存在しない領域にフィラーパターンを使用することによって、研磨の均一性を微調整され得る。一実施形態において、追加のリソグラフィステップを促進するべく、スピンコート技術を使用してフォトレジストがデバイス2700に塗布され得る。一実施形態において、CMPプロセス後の誘電体層1740の表面均一性は、スピンコート技術を使用したフォトレジストの塗布をサポートするには不十分であり得る。この実施形態では、フォトレジスト(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)および/またはメタクリル酸メチル(MMA))がデバイス2700上にスプレーされ得る。
【0083】
図28~29は、量子デバイスの表面損失を低減することを促進する例示的且つ非限定的なデバイス2800を示す。特に、
図28~29は、それぞれ、デバイス2800の上面図、および、デバイス2800をC-C線に沿って切り取った断面図を示す。
図28~29に示されるように、デバイス2800は、誘電体層2810の表面2812に形成された陥凹2910の占有領域内に位置する電極2830を備え得る。デバイス2800は更に、表面2812上に位置する電極2820を備え得る。電極2830と同様に、電極2820は、表面2812に形成された別の陥凹(示されていない)の占有領域内に位置し得る。
【0084】
図29を参照すると、デバイス2800は更に、表面2812と反対の、誘電体層2810の表面上に位置し得る電極2880を備え得る。電極2880は、誘電体層2810によって、電極2820および/または2830から電気的に隔離され得る。デバイス2800において、電極2820および2880は、第1静電容量(またはキャパシタ)を形成し得る。電極2830および2880はまた、デバイス2800内の第1静電容量と直列の第2静電容量(またはキャパシタ)を形成し得る。誘電体層2810は、これらに限定されるものではないが、サファイア、ダイヤモンド、および、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAsなどのような半導体素子を含む、電気絶縁特性を有する任意の材料を有し得、半導体は1度ケルビン未満の動作温度で絶縁体として振る舞い得ることが知られている。電極2820、2830および/または2880は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0085】
図28に示されるように、デバイス2800において電極2820および2830の間に隙間2825が介在し得る。キュビット(例えばトランスモン)を形成するべく、電極2820は、隙間2825に位置するジョセフソン接合2850に結合され得、電極2830は、ジョセフソン接合2850に結合され得る。デバイス2800は更に、隙間2920を介してキュビットを外部デバイス(例えば読み出し回路)と結合するバス2870を備え得る。一実施形態において、バス2870は、読み出し共振器を備え得る。一実施形態において、隙間2920が0.5μmであり、バス2870が10μmの幅寸法2872および1μmの厚さ寸法2930を含む場合、2.2フェムトファラッド(fF)の結合静電容量がバス2870および電極2830の間に存在し得る。
【0086】
図30のデバイス3000は、
図28~29のデバイス2800の例示的且つ非限定的な、代替的な実施形態を備え得る。
図28~29のデバイス2800と同様に、デバイス3000は、隙間3020を介して電極2830を備えるキュビットを外部デバイス(例えば読み出し回路)と結合するバス3010を備え得る。一実施形態において、隙間3020が1μmであり、バス3010が20から50μmの結合長さ寸法3012および0.5から1μmの厚さ寸法(示されていない)を含む場合、1~10fFの結合静電容量がバス3010および電極2830の間に存在し得る。
【0087】
図31~35は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、クロストーク低減および/またはキュビット間デカップリングを促進し得る例示的且つ非限定的なデバイス3100を示す。特に、それぞれ、
図31は、デバイス3100の上面図を示し、
図32~33は、デバイス3100をD-D線に沿って切り取った断面図を示し、
図34~35は、デバイス3100をE-E線に沿って切り取った断面図を示す。
図31を参照すると、デバイス3100は、遮蔽構造体3110およびビア構造3120を備え得る。
図32~35に示されるように、遮蔽構造体3110および/またはビア構造3120は、誘電体層2810の対向する面上に位置する導電素子を電気的に結合し得る。例えば、遮蔽構造体3110および/またはビア構造3120は、誘電体層2810の表面2812上に位置する導電素子3160を電極2880と電気的に結合し得る。
【0088】
そのためにも、遮蔽構造体3110およびビア構造3120は、それぞれが導電素子3160および電極2880の間に電気的導電経路を提供し得る側壁3220および3420を備え得る。側壁3220および/または3420は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。導電素子3160および電極2880の間に電気的導電経路を提供することによって、遮蔽構造体3110および/またはビア構造3120は、量子ハードウェアスケーラビリティを促進し得る。例えば、遮蔽構造体3110および/またはビア構造3120は、だんだんと高まる接続性の密度レベルを含み得るマルチレイヤ量子デバイスの異なる層間の電気的接続を実装し得る。
図32および33を比較すると、
図32に見られるように、複数の側壁3220によって画定される遮蔽構造体3110のボリュームが導電性材料3230で充填され得、
図33に見られるように、そのボリュームが空にされ得ることが示される。
図34および35を比較すると、
図34に見られるように、複数の側壁3420によって画定されるビア構造3120のボリュームが導電性材料3430で充填され得、
図35に見られるように、そのボリュームが空にされ得ることが示される。一実施形態において、導電性材料3230および/または3430は、TiN、Al、Nb、Re、Sn、非超伝導体、超伝導体、強磁性金属、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0089】
遮蔽構造体3110の別の態様は、キュビット間クロストークを含む。上で説明されたように、ジョセフソン接合2850は、キュビットを形成するべく電極2820、2830および2880と結合し得る。遮蔽構造体3110は、そのキュビット、および、遮蔽構造体3110の外部に位置する別のキュビット(示されていない)の間に介在し得る。
図31において、遮蔽構造体3110は、ジョセフソン接合2850を含むキュビットを実質的に囲むように図示されている。そのため、遮蔽構造体3110の複数の側壁3220は、そのキュビットによって生成される横方向電場を緩和するべく、ジョセフソン接合2850を含むキュビットを実質的に囲むトレンチ状の構造を形成し得る。そうすることで、遮蔽構造体3110は、クロストーク低減、および/または、ジョセフソン接合2850を含むキュビットと遮蔽構造体3110の外部に位置する他のキュビット(示されていない)とを分離すること、を促進し得る。一実施形態において、遮蔽構造体3110の複数の側壁3220は、複数の側壁3220が導電素子3160および電極2880の間に拡張する範囲まで、ジョセフソン接合2850を含むキュビットを実質的に囲むカーテンと類似したものであり得る。一実施形態において、遮蔽構造体3110は、遮蔽構造体3110の複数の側壁3220がジョセフソン接合2850を含むキュビットを実質的に囲む範囲まで、ジョセフソン接合2850を含むキュビットを実質的に囲む導電性または超伝導性の側壁を有する堀と類似したものであり得る。一実施形態において、導電素子3160は、接地電位を提供する接地面であり得る。
【0090】
図36は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、インピーダンス整合を促進し得る例示的且つ非限定的なデバイス3600を示す。
図36に示されるように、デバイス3600は、誘電体層の表面上に位置するバンプパッド3610を備える。バンプパッド3610は、デバイス3600を外部デバイス(例えば読み出し回路)と結合することを促進し得る。デバイス3600は更に、誘電体層の対向する面上に位置する電極(示されていない)を備え得る。例えば、デバイス3600は、
図29の電極2880などの電極を備え得る。デバイス3600および外部デバイスの間のインピーダンス整合を促進するべく、バンプパッド3610の下にあるエリア3620内のその電極の一部は除去され得る。
【0091】
図37は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、インピーダンス整合を促進し得る別の例示的且つ非限定的なデバイス3700を示す。
図37に示されるように、デバイス3700は、誘電体層3710の対向する面上に位置する電極3720および3730を含む要素3702を備える。デバイス3700は更に、誘電体層3750の表面上に位置する電極3760を含む要素3704を備える。要素3702および3704は集合的に、半波長(λ/2)共振器構造を形成し得る。要素3702および3704は、電極3720のバンプパッド3722を電極3760のバンプパッド3762と結合する半田3740によって電気的に結合され得る。
図37に示されるように、電極3720および3760は、インピーダンス整合を促進するべく、四分の一波長(λ/4)共振器サブ構造として構成され得る。
【0092】
図38は、本明細書において説明される1または複数の実施形態による、量子デバイスの表面損失を低減することを促進し得る例示的且つ非限定的な方法3800のフロー図を示す。本明細書において説明されている他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔さのために省略する。段階3810において、方法3800は、誘電体層(例えば
図6の誘電体層610)の第1面内に陥凹(例えば
図7の陥凹710)を形成することを備え得る。陥凹は、陥凹の占有領域の外面における第1厚さから、陥凹の占有領域内の第2厚さまで、誘電体層の厚さを低減し得る。第2厚さは、第1厚さよりも薄いものであり得る。段階3820において、方法3800は更に、陥凹の占有領域内に位置する第1電極(例えば
図6の電極630)を形成することを備え得る。段階3830において、方法3800は更に、誘電体層の第2面上に位置し、且つ、誘電体層によって第1電極から電気的に隔離される、第2電極(例えば
図7の電極650)を形成することを備える。第1面および第2面は、誘電体層の対向する面上に位置し得る。
【0093】
一実施形態において、方法3800は更に、第1電極と結合し、且つ、第1電極および第3電極(例えば電極2820)の間に介在する隙間(例えば
図28の隙間2825)における誘電体層の第1面上に位置する、ジョセフソン接合(例えば
図28のジョセフソン接合2850)を形成することを備え得る。一実施形態において、第1電極および第2電極は、第1静電容量を形成し得る。一実施形態において、第2電極および第3電極は、第2静電容量を形成し得る。一実施形態において、第2静電容量は、第1静電容量と直列であり得る。一実施形態において、第2電極は、第1電極を形成する前に形成され得る。一実施形態において、方法3800は更に、ハンドル層(例えば
図20~27のハンドル層2060)を第2電極に接合して、誘電体層に構造支持を提供することを備え得る。この実施形態では、第2電極は、誘電体層およびハンドル層の間に介在し得る。
【0094】
一実施形態において、方法3800は更に、誘電体層の表面を酸化させて、陥凹の複数の側壁、および、陥凹の占有領域内の誘電体層の陥凹面、の間に丸みを帯びた半径(例えば
図11の丸みを帯びた半径1132)を形成することを備え得る。一実施形態において、方法3800は更に、第1電極、および、第1電極に隣接する第1キュビット、の間に位置する遮蔽構造体(例えば
図31の遮蔽構造体3110)を形成することを備え得る。遮蔽構造体は、クロストーク低減を促進し得る。この実施形態では、遮蔽構造体は、第2電極を、接地電位を提供する第1面上に位置する導電素子(例えば導電素子2860)と電気的に結合し得る。一実施形態において、第1電極および第2電極は、第2キュビットを有し得る。この実施形態では、遮蔽構造体は更に、第2キュビットおよび第1キュビットを分離することを促進し得る。
【0095】
開示された主題の様々な態様についての文脈を提供するべく、
図39及び後続の説明は、開示された主題の様々な態様が実装され得る好適な環境の一般的説明を提供することが意図される。
図39は、本開示の様々な態様を実装するための好適な動作環境3900がまた、コンピュータ3912を含み得ることを示す。コンピュータ3912はまた、処理ユニット3914、システムメモリ3916、及びシステムバス3918を含み得る。システムバス3918は、これらに限定されるものではないが、システムメモリ3916を含むシステムコンポーネントを処理ユニット3914に結合する。処理ユニット3914は、様々な利用可能なプロセッサのいずれかであり得る。デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャはまた、処理ユニット3914として利用され得る。システムバス3918は、これらに限定されるものではないが、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、カードバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、Firewire(登録商標)(IEEE1094)、スモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)を含む様々な利用可能なバスアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリバスまたはメモリコントローラ、ペリフェラルバスまたは外部バス、および/またはローカルバスを含むいくつかのタイプの1または複数のバス構造のいずれかであり得る。システムメモリ3916はまた、揮発性メモリ3920および不揮発性メモリ3922を含み得る。起動中などにコンピュータ3912内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入力/出力システム(BIOS)が不揮発性メモリ3922に格納される。限定ではなく例示として、不揮発性メモリ3922は、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含み得る。揮発性メモリ3920はまた、外部キャッシュメモリとして動作するランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。限定ではなく例示として、RAMは、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクトRambusRAM(DRRAM)、ダイレクトRambus動的RAM(DRDRAM)、およびRambus動的RAMなどの多くの形式で利用可能である。
【0096】
コンピュータ3912はまた、取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を含み得る。
図39は例えばディスクストレージ3924を示す。ディスクストレージ3924はまた、これらに限定されるものではないが、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュメモリカード、またはメモリスティックなどのデバイスを含み得る。ディスクストレージ3924はまた、別個に、または他の記憶媒体との組み合わせで記憶媒体を含み得、他の記憶媒体は、これらに限定されるものではないが、コンパクトディスクROMデバイス(CD-ROM)、CD記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、またはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブを含む。システムバス3918へのディスクストレージ3924の接続を促進するべく、インタフェース3926などの取り外し可能又は取り外し不可能インタフェースが典型的には使用される。
図39はまた、ユーザと、好適な動作環境3900において説明される基本コンピュータリソースとの間の仲介として動作するソフトウェアを図示する。そのようなソフトウェアはまた、例えば、オペレーティングシステム3928を含み得る。ディスクストレージ3924に格納され得るオペレーティングシステム3928は、コンピュータ3912のリソースを制御し割り当てるように動作する。システムアプリケーション3930は、例えば、システムメモリ3916またはディスクストレージ3924のいずれかに格納されるプログラムモジュール3932およびプログラムデータ3934を通じて、オペレーティングシステム3928によるリソースの管理を活用する。本開示は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装され得ることを理解されたい。ユーザは1または複数の入力デバイス3936を通じてコンピュータ3912にコマンド又は情報を入力する。入力デバイス3936は、これらに限定されるものではないが、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド、キーボード、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどのようなポインティングデバイスを含む。これら及び他の入力デバイスは、1または複数のインタフェースポート3938を介して、システムバス3918を通じて処理ユニット3914に接続する。1または複数のインタフェースポート3938は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)を含む。1または複数の出力デバイス3940は、同じタイプのポートのいくつかを1または複数の入力デバイス3936として使用する。従って、例えば、USBポートは、入力をコンピュータ3912に提供するために、及び、コンピュータ3912からの情報を出力デバイス3940に出力するために使用され得る。特殊なアダプタを必要とする数ある他の出力デバイス3940の中でも特にモニタ、スピーカ、及びプリンタのような、いくつかの出力デバイス3940があることを示すために出力アダプタ3942が提供される。出力アダプタ3942は、限定ではなく例示として、出力デバイス3940とシステムバス3918との間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードを含む。他のデバイスおよび/またはデバイスのシステムは、1または複数のリモートコンピュータ3944などの、入力および出力の両方の能力を提供することが留意され得る。
【0097】
コンピュータ3912は、1または複数のリモートコンピュータ3944などの1または複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク環境において動作し得る。1または複数のリモートコンピュータ3944は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイスまたは他の共通ネットワークノード等であり得、典型的には、コンピュータ3912に関して説明される要素の多くまたはすべても含み得る。簡潔にする目的で、メモリストレージデバイス3946のみが1または複数のリモートコンピュータ3944と共に示される。1または複数のリモートコンピュータ3944は、ネットワークインタフェース3948を通じて論理的にコンピュータ3912に接続され、次に、通信接続3950を介して物理的に接続される。ネットワークインタフェース3948は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラネットワークなどのような有線および/または無線通信ネットワークを包含する。LAN技術は、ファイバ分散データインタフェース(FDDI)、銅線分散データインタフェース(CDDI)、イーサネット(登録商標)、トークンリングなどを含む。WAN技術は、これらに限定されるものではないが、ポイントツーポイントリンク、統合型サービスデジタルネットワーク(ISDN(登録商標))及びそのバリエーションのような回路スイッチネットワーク、パケットスイッチングネットワーク、ならびにデジタル加入者線(DSL)を含む。1または複数の通信接続3950は、ネットワークインタフェース3948をシステムバス3918に接続するために利用されるハードウェア/ソフトウェアを指す。明確な例示のために、通信接続3950がコンピュータ3912内部に示されているが、コンピュータ3912の外部にもあり得る。ネットワークインタフェース3948に接続するためのハードウェア/ソフトウェアはまた、例示の目的のみで、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、DSLモデムを含むモデム、ISDN(登録商標)アダプタ、イーサネット(登録商標)カードなどの内部及び外部技術を含み得る。
【0098】
本発明は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法、機器および/またはコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持および格納し得る、有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、これらに限定されるものではないが、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、または前述の任意の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピディスク、その上に命令が記録されたパンチカードまたは溝に浮き彫りされた構造などの機械的にエンコードされたデバイス、および前述の任意の好適な組み合わせも含まれ得る。本明細書において使用されるとき、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波管または他の送信媒体を伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、あるいは有線によって送信される電気信号などの一過性の信号であると解釈されるべきではない。
【0099】
本明細書において説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードされてもよく、または、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/または無線ネットワークを介して、外部コンピュータまたは外部ストレージデバイスにダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、または、Smalltalk(登録商標)、C++、または同様のもののようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、全部がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、一部がユーザのコンピュータ上で一部がリモートコンピュータ上で、または全部がリモートコンピュータ上でもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続され得る。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするためのコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0100】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態による方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、説明されている。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、および、フローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることが理解されるであろう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータのプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置に提供され、機械を製造し得て、その結果、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1または複数のブロックで指定された機能/行動を実装するための手段を作成する。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示できるコンピュータ可読記憶媒体内に格納され得て、その結果、その中に格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の1または複数のブロックで指定された機能/行動の態様を実装する命令を含む製品を備える。コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は、他のデバイス上にロードされ得ることにより、一連の動作行動を、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は、他のデバイス上で実行させ、コンピュータ実装プロセスを作成し、その結果、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は、他のデバイス上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1または複数のブロックで指定される機能/行動を実装する。
【0101】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の考え得る実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1または複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得る。いくつかの代替的な実装において、ブロックにおいて記載される機能は、図に記載された順序とは別の順序で生じ得る。例えば、実際に、連続して示される2つのブロックは、関与する機能性に応じて、実質的に同時に実行され得るか、または、ブロックは場合によっては、逆の順序で実行されてよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0102】
主題は、1つのコンピュータおよび/または複数のコンピュータの上で実行されるコンピュータプログラム製品のコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で上述されてきたが、当業者ならば、本開示が他のプログラムモジュールと組み合わせることもできること、または組み合わせて実装できることを認識するであろう。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、および/または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。更に、当業者ならば、本発明のコンピュータ実装方法が、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピューティングデバイス、メインフレームコンピュータ、ならびにコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA(登録商標)、電話)、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル家庭用電化製品または産業用電子機器などを含む他のコンピュータシステム構成で実施できることを理解するであろう。示されている態様は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境でも実施できる。しかしながら、本開示のすべてではないにしても、一部の態様はスタンドアロンコンピュータで実施できる。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールはローカルおよびリモートのメモリストレージデバイスの両方に位置し得る。例えば、1または複数の実施形態では、コンピュータ実行可能コンポーネントは、1または複数の分散メモリユニットを含み得るか、またはそれらで構成され得るメモリから実行できる。本明細書において使用される場合、「メモリ」および「メモリユニット」という用語は交換可能である。更に、本明細書において説明される1または複数の実施形態は、分散方式、例えば、1または複数の分散メモリユニットからコードを実行するために組み合わせて、または協調して動作する複数のプロセッサでコンピュータ実行可能コンポーネントのコードを実行できる。本明細書において使用される場合、「メモリ」という用語は、1つの場所にある単一のメモリまたはメモリユニット、または1または複数の場所にある複数のメモリまたはメモリユニットを包含できる。
【0103】
本出願で使用される場合、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インタフェース」などの用語は、コンピュータ関連のエンティティ、または1または複数の固有の機能を備えた動作マシンに関連するエンティティを指すことができる、および/または含むことができる。本明細書に開示されるエンティティは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであり得る。例えば、コンポーネントは、これらに限定されるものではないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得る。例示として、サーバ上で実行されているアプリケーションおよびサーバの両方をコンポーネントにできる。1または複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に局在し得て、コンポーネントは、1つのコンピュータ上にローカライズされ得るか、および/または2つ以上のコンピュータ間に分散され得る。別の例では、それぞれのコンポーネントは、その上に格納された様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ可読媒体から実行できる。コンポーネントは、1または複数のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システム、および/またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと信号を介して別のコンポーネントと相互作用する、あるコンポーネントからのデータ)を有する信号などに従って、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスを介して通信できる。別の例として、コンポーネントは、電気または電子回路によって動作する機械部品によって提供される固有の機能を有する装置であり得て、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションによって動作する。そのような場合、プロセッサは、装置の内部またはその外部にあり得て、ソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行できる。更に別の例として、コンポーネントは、機械部品なしで電子コンポーネントを介して固有の機能を提供する装置であり得て、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能性を少なくとも部分的に与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するためのプロセッサまたは他の手段を含むことができる。ある態様において、コンポーネントは、例えばクラウドコンピューティングシステム内の仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートし得る。
【0104】
加えて、「または」という用語は、排他的な「または」というよりもむしろ、包括的な「または」を意味することを意図している。すなわち、特にそうでないことを指定されていない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを利用する」は、自然な包括的順列のいずれかを意味することを意図している。すなわち、XがAを利用する場合、XがBを利用する場合、または、XがAおよびBの両方を利用する場合、前述の例のいずれの場合でも、「XはAまたはBを利用する」が満たされる。更に、本明細書および添付の図面で使用される冠詞「a」および「an」は、特にそうでないことを指定されていない限り、または文脈から単数形を指すことが明らかでない限り、概して「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである。本明細書において使用される場合、「例」および/または「例示的」という用語は、例、実例、または例示として機能することを意味するために利用される。誤解を避けるために記すと、本明細書に開示される主題は、そのような例によって限定されない。更に、本明細書で「例」および/または「例示的」として説明される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造および技術を排除することを意味するものでもない。
【0105】
本明細書において利用される「プロセッサ」という用語は、これらに限定されるものではないが、シングルコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するシングルプロセッサ、マルチコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するマルチコアプロセッサ、ハードウェアマルチスレッド技術を有するマルチコアプロセッサ、並列プラットフォーム、および、分散共有メモリを有する並列プラットフォームを含む実質的に任意のコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指し得る。更に、プロセッサは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを指すことができる。更に、プロセッサは、領域使用量の最適化またはユーザ機器の性能の向上のために、これらに限定されるものではないが、分子および量子ドットベースのトランジスタ、スイッチ、ゲートなどのナノスケールアーキテクチャを活用できる。プロセッサは、コンピューティング処理ユニットの組み合わせとして実装することもできる。本開示では、「格納」、「ストレージ」、「データストア」、「データストレージ」、「データベース」、およびコンポーネントの動作および機能性に関連する実質的に任意の他の情報ストレージコンポーネントなどの用語は、「メモリコンポーネント」、「メモリ」で具現化されたエンティティ、またはメモリを有するコンポーネントを指すために利用される。本明細書において説明されるメモリおよび/またはメモリコンポーネントは、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれかであり得るか、または揮発性メモリおよび不揮発性メモリの両方を含み得ることを理解すべきである。例示として、これらに限定されるものではないが、不揮発性メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含むことができる。揮発性メモリは、例えば、外部キャッシュメモリとして機能できるRAMを含むことができる。例示として、これらに限定されるものではないが、RAMは、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、ダイレクトラムバスRAM(DRRAM)、ダイレクトラムバスダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバスダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形態で利用可能である)。更に、本明細書で開示されるシステムまたはコンピュータ実装方法のメモリコンポーネントは、これらおよび他の任意の適切なタイプのメモリを含むことに限定されず、これらを含むことを意図している。
【0106】
上述のものは、システムおよびコンピュータ実装方法の例を含むに過ぎない。もちろん、本開示を説明する目的で、コンポーネントまたはコンピュータ実装方法の考えられるすべての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者ならば、本開示の更に多くの組み合わせおよび順列が可能であることを認識できる。更に、詳細な説明、特許請求の範囲、付録および図面において、「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesse)」および同様の用語が使用される範囲で、そのような用語は、特許請求の範囲の過渡的な単語として使用される場合に「備える(comprising)」と解釈されるので、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図している。
【0107】
様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定することを意図するものではない。記載されている実施形態の範囲および主旨から逸脱することのない多くの修正および変形が、当業者には明らかであろう。本明細書で使用される専門用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術の実用的な適用、または、それに対する技術的改善を最適に説明するように、または、本明細書で開示される実施形態を他の当業者が理解することを可能にするように選択された。
【国際調査報告】