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特表2024-510080バイオマーカーを含む撮像データセットのハーモナイゼーションのためのシステム、デバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】バイオマーカーを含む撮像データセットのハーモナイゼーションのためのシステム、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240228BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240228BHJP
   G06V 10/40 20220101ALI20240228BHJP
【FI】
A61B5/055 376
A61B5/055 380
G06T7/00 350B
G06V10/40
G06T7/00 616
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545241
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 US2022020036
(87)【国際公開番号】W WO2022192728
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,915
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506722
【氏名又は名称】テラン バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512219574
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティー イン ザ シティー オブ ニューヨーク
(71)【出願人】
【識別番号】523282154
【氏名又は名称】ザ リサーチ ファウンデーション フォー メンタル ハイジーン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ウェングラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ホルガ ヘルナンデス,ギリェルモ
【テーマコード(参考)】
4C096
5L096
【Fターム(参考)】
4C096AA03
4C096AB44
4C096AC01
4C096AD12
4C096AD13
4C096AD14
4C096DA04
4C096DB07
4C096DC19
4C096DC22
4C096DC28
4C096DC35
4C096DD07
5L096AA06
5L096BA06
5L096CA18
5L096FA32
5L096FA33
5L096FA34
5L096GA30
5L096JA11
5L096KA04
5L096MA07
(57)【要約】
コンバットをニューロメラニン(NM)データベースに直接使用してNMデータをハーモナイズするための、またはコンバットで生成された係数を使用して今後のデータをハーモナイズするための例示的なシステム、方法及びコンピュータアクセス可能な媒体は、例えば、1つのMRIスキャナから患者(複数可)の脳の撮像情報を受信することと、2つ目のMRIスキャナから患者(複数可)の脳の撮像情報を受信することと、コンバットを使用して、参照データセットに対してスキャナ間でデータをハーモナイズすることとを含むことができる。ついで、患者(複数可)のニューロメラニン(NM)濃度は、ハーモナイズされたデータに基づいて決定されることができる。NM濃度は、ボクセル単位解析プロシージャを使用して決定されることができる。ボクセル単位解析プロシージャを使用して、患者(複数可)の脳の黒質(SN)内の組織分布パターン(複数可)を決定することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューロメラニンデータセットのハーモナイゼーション方法であって、
第一磁気共鳴画像(MRI)装置に関連付けられた第一レベルのニューロメラニンを測定することと、
第二MRI装置に関連付けられた第二レベルのニューロメラニンを測定することと、
前記ニューロメラニンデータセットに基づいて入力特徴ベクトルのセットを生成することと、
前記第一MRI装置に関連付けられた前記第一レベルのニューロメラニンを、前記第二MRI装置に関連付けられた前記第二レベルのニューロメラニンに基づいて調整するための機械学習モデルに前記入力特徴ベクトルのセットを提供することと、
を含む、前記ハーモナイゼーション方法。
【請求項2】
ベンダー固有コンバット係数を使用したニューロメラニンデータセットのハーモナイゼーション方法であって、
第一ベンダーによって製造されたMRI装置のセットを使用して取得された第一データセットに関連付けられた第一レベルのニューロメラニンを測定することと、
前記第一ベンダーとは異なる第二ベンダーによって製造された参照MRI装置を使用して取得された第二データセットに関連付けられた第二レベルのニューロメラニンを測定することと、
前記MRI装置のセットに関連付けられたベンダー固有係数を生成するための機械学習(ComBat)アルゴリズムを実装することであって、前記ベンダー固有係数は(1)前記MRI装置のセットに関連付けられた前記第一レベルのニューロメラニン、または(2)前記参照MRI装置に関連付けられた前記第二レベルのニューロメラニンのうちの少なくとも1つに基づいている、前記実装することと、
前記第一ベンダーによって製造された第一MRI装置に関連付けられた第三データセットを取得することと、
前記第一ベンダーによって製造された前記第一MRI装置からの前記第三データセットに直接、前記ベンダー固有係数を適用して、(1)前記参照MRI装置に関連付けられた前記第二レベルのニューロメラニン、または(2)前記第二データセットのうちの少なくとも1つと比較して、前記第一MRI装置に関連付けられた、調整された第三レベルのニューロメラニンを測定することと、
を含む、前記ハーモナイゼーション方法。
【請求項3】
スキャナ固有コンバット係数を使用したニューロメラニンデータセットのハーモナイゼーション方法であって、
第一MRI装置を使用して、時点セットで第一レベルのニューロメラニンのセットを測定することと、
前記第一MRI装置とは異なる第二参照MRI装置を使用して、第二レベルのニューロメラニンを測定することと、
前記第一MRI装置及び前記第二参照MRI装置に関連付けられたスキャナ固有係数を生成するための機械学習(コンバット)アルゴリズムを実装することであって、前記スキャナ固有係数は前記第一MRI装置と前記第二参照MRI装置との間の関係を定義するように構成される、前記実装することと、
前記第二参照MRI装置と比較して、前記第一MRI装置を使用して収集されたデータのセットをハーモナイズするために前記スキャナ固有係数を使用することであって、前記データのセットはいくつかのNMスキャンを有する、前記使用することと、
を含む、前記ハーモナイゼーション方法。
【請求項4】
前記第一スキャナでのNMスキャン数は、約5スキャン超、約10スキャン超、約15スキャン超、約20スキャン超、約25スキャン超である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
対象の脳の関心領域内のニューロメラニン濃度を評価する方法であって、
前記対象でのニューロメラニン磁気共鳴画像(NM-MRI)スキャンを実行することと、
前記NM-MRIスキャンからニューロメラニンデータセットを取得することと、
前記ニューロメラニンデータセットを任意選択で暗号化することと、
前記ニューロメラニンデータセットをリモートサーバにアップロードすることと、
前記データセットを任意選択で復号することと、
(i)係数を生成して適用するためのコンバットアルゴリズムを前記データセット全体に実行すること、または(ii)スキャナ固有係数を前記データセットに適用すること、または(iii)ベンダー固有係数を前記データセットに適用することによって、前記データセットをハーモナイズすることと、
前記ニューロメラニンデータセットの解析を実行することであって、前記解析は、
(i)前記ニューロメラニンデータセットを、前記対象から以前に取得した1つ以上のニューロメラニンデータセットと比較すること、
(ii)前記ニューロメラニンデータセットを対照データセットと比較すること、
(iii)前記ニューロメラニンデータセットを、異なる対象から以前に取得した1つ以上のニューロメラニンデータセットと比較すること、
のうちの1つ以上を含む、前記実行することと、
前記ニューロメラニン解析を含むレポートを作成することと、
前記レポートをリモートサーバにアップロードすることと、
を含む、前記方法。
【請求項6】
前記コンバットによる調整前の前記NMデータセットは、コントラスト比-ニューロメラニン(CNR-NM)ボクセルを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記コンバットによる調整後の前記NMデータセットは、ComBatでハーモナイズされたコントラスト比-ニューロメラニン(CH-CNR-NM)ボクセルを含む、請求項1~5に記載の方法。
【請求項8】
前記NMデータセットは、対象のドーパミン作動性経路を含む中脳領域内のニューロメラニンの存在を示す尺度を含む、請求項1~5に記載の方法。
【請求項9】
前記ボクセル単位解析プロシージャはCH-CNR-NMボクセルに実行される、請求項1~5に記載の方法。
【請求項10】
メモリ、及び前記メモリに動作可能に結合されたプロセッサを含む装置であって、
前記プロセッサは、
撮像ソースに関連付けられた情報を受信し、
前記撮像ソースに関連付けられた第一の複数の画像を含む第一データセットを受信し、前記複数の画像内の各画像はボクセルのセットを含み、
前記第一の複数の画像にマスクを適用してボクセルマップを生成し、前記ボクセルマップは前記ボクセルのセットからのボクセルのサブセットに関連付けられた値の平均に基づいており、
前記ボクセルマップに基づいて第一尺度セットを計算し、前記第一尺度セットは前記ボクセルマップが生成された前記複数の画像内でのバイオマーカーの存在のインジケーションに基づいており、
データハーモナイゼーションアルゴリズムに前記第一尺度セットを提供し、前記データハーモナイゼーションアルゴリズムは係数セットを計算するように構成され、前記係数セットは前記第一尺度セットに適用されるとき、前記第一尺度セットをハーモナイズされた第二尺度セットに変換するように構成され、前記第二尺度セットは前記第一尺度セットと比較して、1つ以上の同定されたばらつきのソースに関連付けられた、低減したばらつきを有し、
前記第二尺度セット、及び前記第一尺度セットの前記第二尺度セットへの前記変換に関連付けられた前記係数セットを受信し、
前記第二尺度セット及び前記係数セットを、前記撮像ソースに関連付けられた前記情報とリンクさせて格納する、
ように構成される、前記装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記ボクセルのサブセットから各ボクセルに関連付けられたコントラスト対ノイズ比(CNR)を決定することによって前記第一尺度セットを計算するように構成され、各ボクセルに関連付けられた前記CNRは、そのボクセルに関連付けられた第一信号強度と、参照ボクセルに関連付けられた第二信号強度との間の差に基づいており、前記参照ボクセルは前記バイオマーカーの最小コンテンツを含むことが知られている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記バイオマーカーはニューロメラニンである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記撮像ソースは、MRIスキャナタイプ、MRIスキャナ、またはMRIスキャンの対象のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記係数セットは、前記第二尺度セットが、加法性及び乗法性ばらつきの同定されたソースを含む、1つまたは複数の同定されたばらつきのソースに関連付けられた、低減されたばらつきを有するようなものである、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
プロセッサによって実行される命令を表すコードを格納する非一時的なプロセッサ可読媒体であって、前記命令はコードを含み、前記コードにより、前記プロセッサは、
複数の画像を含むデータセットを受信することと、
前記データセットに関連付けられた撮像ソースに関連付けられた情報を受信することと、
前記複数の画像に基づいて第一尺度セットを計算することと、
前記撮像ソースに関連付けられた係数セットを決定するためにデータベースを検索することであって、前記係数セットは前記第一尺度セットをハーモナイズされた第二尺度セットに変換するように構成され、前記第二尺度セットは前記第一尺度セットと比較して、1つ以上の同定されたばらつきのソースに関連付けられた低減したばらつきを有する、前記検索することと、
前記撮像ソースに関連付けられた前記係数セットを取得することと、
前記係数セットを前記第一尺度セットに適用して、前記1つ以上の同定されたばらつきのソースに関連付けられた前記低減したばらつきを有する前記第二尺度セットを生成することと、
前記係数セットに関連付けられた前記第二尺度セット、及び前記撮像ソースに関連付けられた前記情報を格納することと、
を行う、前記非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項16】
前記撮像ソースは、前記複数の画像を取得するために使用されるスキャン機器のブランド、前記複数の画像を取得するために使用されるスキャン機器のアイデンティティ、または前記複数の画像を取得するためにスキャンされる対象のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項17】
前記命令はコードを含み、前記コードにより、前記プロセッサは、
前記検索に応答して、前記撮像ソースに関連付けられた前記係数セットが存在しないことを決定することと、
前記第一尺度セットをデータハーモナイゼーションアルゴリズムに提供することであって、前記データハーモナイゼーションアルゴリズムは前記係数セットを生成して前記第一尺度セットをハーモナイズされた第二尺度セットに変換するように構成される、前記提供することと、
を行う、請求項15に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項18】
前記命令はコードを含み、前記コードにより、前記プロセッサは、
マスクを前記複数の画像に適用することであって、前記マスクは関心領域に基づいている、前記適用することと、
前記マスクの前記適用に基づいて、前記関心領域に関連付けられた平均ボクセルマップを計算することであって、前記第一尺度セットは前記平均ボクセルマップに基づいて計算される、前記計算することと、
を行う、請求項15に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項19】
前記関心領域は、黒質(SN)領域である、請求項18に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項20】
前記複数の画像は、バイオマーカー固有MRIを使用して取得される、請求項15に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項21】
前記バイオマーカーはニューロメラニン(NM)である、請求項20に記載の非一時的なプロセッサ可読媒体。
【請求項22】
第一の複数の画像を含む第一データセットを受信することであって、前記第一データセットは磁気共鳴画像法(MRI)の第一ソースに関連付けられる、前記受信することと、
第二の複数の画像を含む第二データセットを受信することであって、前記第二データセットは前記MRIの第二ソースに関連付けられる、前記受信することと、
前記第一の複数の画像のうちの1つ以上に基づいて第一レベルのニューロメラニンを測定することであって、前記第一レベルのニューロメラニンは前記第一ソースに関連付けられる、前記測定することと、
前記第二の複数の画像のうちの1つ以上に基づいて第二レベルのニューロメラニンを測定することであって、前記第二レベルのニューロメラニンは前記第二ソースに関連付けられる、前記測定することと、
第一係数セットを前記第一レベルのニューロメラニンに適用することであって、前記第一係数セットは前記第一ソースに関連付けられた効果を低減させることによって、前記第一レベルのニューロメラニンを調整して、第三レベルのニューロメラニンを生成するように構成される、前記適用することと、
第二係数セットを前記第二レベルのニューロメラニンに適用することであって、前記第二係数セットは前記第二ソースに関連付けられた効果を低減させることによって、前記第二レベルのニューロメラニンを調整して、第四レベルのニューロメラニンを生成するように構成される、前記適用することと、
前記第三レベルのニューロメラニン及び前記第四レベルのニューロメラニンを含むハーモナイズされた第三データセットを生成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月11日に出願された「CROSS-SCANNER HARMONIZATION OF NEUROMELANIN-SENSITIVE MRI FOR MULTISITE STUDIES」と題された米国仮出願第63/159,915号に優先権を主張するものであり、その全開示は参照により本明細書に援用されている。
【0002】
連邦政府支援の研究に関する声明
本発明は、国立衛生研究所により付与された助成金番号R01-MH114965及びR01-MH117323によって与えられた政府の支援を受けて行われた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本明細書に説明される実施形態は、磁気共鳴画像法に関連するデータを生成する、及び/または修正するための方法及び装置に関し、特に、1つまたは複数のバイオマーカーに基づいて磁気共鳴画像法の複数のソースに関連するハーモナイズされたデータを提供して、磁気共鳴画像法の複数のソースに基づいた解析における正解率を向上させることに関する。
【背景技術】
【0004】
バイオマーカーの開発及び使用は、生物システムを探索するための磁気共鳴画像技法の使用を支援する有望なアプローチである。バイオマーカーの一例であるニューロメラニンは、ニューロメラニン感受性磁気共鳴画像法(NM-MRI)を介して、例えばドーパミン作動系などにおける、神経変性の1つまたは複数のバイオマーカーを同定するための色素または指標として使用されることができる。バイオマーカーの開発及び使用には、通常、異なるハードウェア及び/またはソフトウェアを使用して実施された、いくつかの多部位MRI調査から得られた大きいサンプルサイズのスキャンデータを使用することが含まれる。複数の部位からのスキャンデータを組み合わせると、ハードウェア及び/またはソフトウェアでの差異により、データに望ましくないばらつきが生じる可能性がある。したがって、過度の望ましくないばらつきが生じることなく、複数の部位からの撮像データまたはスキャンデータを組み合わせる方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステム、デバイス、及び方法は、科学者、医師、研究者、臨床医、及び他の医療専門家または臨床専門家が、複数のソースにわたる大規模な撮像データセットを収集して使用し、ロバストな調査を実施し、スキャンデータに基づいて強力な推論を引き出すことを支援することができる。実施形態には方法が含まれ、この方法は以下を含む。
【0006】
開示されている実施形態は、第一磁気共鳴画像(MRI)装置に関連付けられた第一レベルのニューロメラニンを測定することを含むデータセットをハーモナイズする方法を含む。この方法は、第二MRI装置に関連付けられた第二レベルのニューロメラニンを測定することを含む。方法は、ニューロメラニンデータセットに基づいて入力特徴ベクトルのセットを生成することを含む。方法は、第二MRI装置に関連付けられた第二レベルのニューロメラニンに基づいて、第一MRI装置に関連付けられた第一レベルのニューロメラニンを調整するための機械学習モデルに入力特徴ベクトルのセットを提供することを含む。
【0007】
開示されている実施形態は、メモリ及びメモリに動作可能に結合されたプロセッサを有する装置を含む。プロセッサは、第一MRI装置を使用して、時点セットで第一レベルのニューロメラニンのセットを測定するように構成される。プロセッサは、第一MRI装置とは異なる第二参照MRI装置を使用して、第二レベルのニューロメラニンを測定するように構成される。プロセッサは、第一MRI装置及び第二参照MRI装置に関連付けられたスキャナ固有係数を生成するための機械学習(ComBat)アルゴリズムを実装するように構成される。スキャナ固有係数は、第一MRI装置と第二参照MRI装置との間の関係を定義するように構成される。プロセッサは、スキャナ固有係数を使用して、第二参照MRI装置と比較して、第一MRI装置を使用して収集されたデータのセットをハーモナイズするように構成され、データのセットは、いくつかのNMスキャンを含む。
【0008】
開示されている実施形態は、ベンダー固有コンバット係数を使用したニューロメラニンデータセットのハーモナイゼーション方法を含む。この方法は、第一ベンダーによって製造されたMRI装置のセットを使用して取得された第一データセットに関連付けられた第一レベルのニューロメラニンを測定することと、第一ベンダーとは異なる第二ベンダーによって製造された参照MRI装置を使用して取得された第二データセットに関連付けられた第二レベルのニューロメラニンを測定することとを含む。方法は、MRI装置のセットに関連付けられたベンダー固有係数を生成するための機械学習(コンバット)アルゴリズムを実装することを含み、ベンダー固有係数は、(1)MRI装置のセットに関連付けられた第一レベルのニューロメラニン、または(2)参照MRI装置に関連付けられた第二レベルのニューロメラニンのうちの少なくとも1つに基づいている。方法は、第一ベンダーによって製造された第一MRI装置に関連付けられた第三データセットを取得することを含む。方法は、ベンダー固有係数を第一ベンダーによって製造された第一MRI装置からの第三データセットに直接適用して、(1)参照MRI装置に関連付けられた第二レベルのニューロメラニン、または(2)第二データセットのうちの少なくとも1つと比較して、第一MRI装置に関連付けられた、調整された第三レベルのニューロメラニンを測定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステム(DHシステム)の概略図である。
図2】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステム内の計算デバイスの概略図である。
図3】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステム内の解析デバイスの概略図である。
図4】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムの例示的な実装を表す概略図である。
図5】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、2つのソースに関連付けられたスキャンデータをハーモナイズする方法を説明するフローチャートである。
図6】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、撮像データのハーモナイゼーションを得るために情報の前処理を開始する方法を説明するフローチャートである。
図7】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、撮像データのハーモナイゼーションに関する情報を前処理する方法を説明するフローチャートである。
図8】一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、撮像データのハーモナイゼーション方法を説明するフローチャートである。
図9】A及びBは、一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用するニューロメラニン感受性磁気共鳴画像法(NM-MRI)から得られた例示的な撮像データのグラフ表現である。
図10】A及びBは、一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データのグラフ表現である。
図11】複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データに基づいた撮像ソースのクラス分類のグラフ表現である。この表現は、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、撮像データに基づいたクラス分類パフォーマンスを示す。
図12】A及びBは、一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データに関連付けられた生物学的に意味のあるばらつきのグラフ表現である。
図13】A及びBは、一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データを表す画像である。
図14】一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データ中の生物学的に意味のある情報のグラフ表現である。
図15A】一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データ中の生物学的データに関連付けられた情報の再現性のグラフ表現である。
図15B】一実施形態による、それぞれデータハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データ中の生物学的データに関連付けられた情報の重複のグラフ表現である。
図16】A及びBは、それぞれハーモナイゼーション前及び後、複数の撮像ソースを使用してNM-MRIから得られた例示的な撮像データのグラフ表現である。
図17】A及びBは、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用したハーモナイゼーション後、それぞれ2つのカテゴリの撮像ソースを用いたNM-MRIを使用して得られた例示的な撮像データのグラフ表現である。グラフは、異なるサイズのデータセットに基づいたハーモナイゼーションを示す。
図18】A及びBは、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、それぞれ第一カテゴリ及び第二カテゴリの複数の撮像ソースを用いたNM-MRIを使用して得られた異なるサイズのデータセットによって達成されたハーモナイゼーションの尺度のグラフ表現である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
磁気共鳴画像法は、研究及び処置のために様々な生物システムを探索する非侵襲的な方針を提供する。画像解析は、1つ以上のイメージングバイオマーカーに基づいて、生物システムに関する定性的及び/または定量的な情報を提供することができる。イメージングバイオマーカーは、インビボ画像で一貫して観察される客観的な特徴または特性であることができ、特定の生物学的プロセス、発症過程、または介入(例えば、処置上の操作)への反応などの存在の指標として再現性よく使用されることができる。場合によっては、バイオマーカーを使用して、生体組織の定量的評価を導出することができる。例えば、バイオマーカーは、意味のある解釈ができる2つの画像値(例えば、強度)の比例尺度または間隔(差)尺度などの相対尺度で測定されることができる。場合によっては、バイオマーカーは間隔尺度で測定されることができる。組織の微細構造、代謝、組成、機能及び形態を含むバイオマーカーを使用することにより、MRIベースのイメージングを介して生体組織の幅広い特性を調べることができる。
【0011】
バイオマーカーは非常に有用であり、需要も高い可能性があるにもかかわらず、日常的な臨床用途に採用されているMRIバイオマーカーは驚くべきことにほとんどない。神経精神障害でのバイオマーカーの探索は、この分野の主要な検討課題であり、進行中の精密医療の取り組みと合致する。
【0012】
バイオマーカーは、バイオマーカー固有撮像方法によってターゲットにされることができる。ニューロメラニンは、ニューロメラニン感受性磁気共鳴画像法(NM-MRI)を介して研究、診断、臨床、及びその他の医学的な取り組みに広く使用されることができるバイオマーカーまたはバイオマーカーのインジケーションの一例である。NM-MRIは、黒質-腹側被蓋野(SN-VTA)複合体におけるニューロメラニン濃度の妥当性確認された尺度として機能することが示されており、再検査信頼性に優れたドーパミン作動性機能の代わりの尺度になり得る。基礎神経科学と臨床神経科学との両方におけるドーパミン作動系の重要性を考慮すると、NM-MRIは非侵襲性バイオマーカーとして大きな可能性を秘めている。一般化できるバイオマーカーの開発には、通常、複数の調査及び/または部位にわたり収集された大規模なデータサンプルが必要である。ただし、説明されているように、複数のソースから得られた撮像データ、例えば、NM-MRIデータを組み合わせることにより、ソースに起因するばらつきが生じることができると、調査が惑わされる可能性がある。
【0013】
本明細書に開示される実施形態は、複数のソースから取得されたバイオマーカーに基づいたMRI信号のハーモナイゼーションを通じて、複数の調査/部位からのデータの大規模集積回路において直面する課題を克服するためのデバイス及び方法を含む。本明細書に開示される例は、128人の健常対象由来の3つの異なる部位から得られ、5つの異なるMRIスキャナを使用して得られたNM-MRIデータのハーモナイゼーションに成功したことを示す。機械学習アルゴリズム(ComBat)を使用して撮像データをハーモナイズしたことで、年齢効果に関連付けられた生物学的に意味のあるばらつきが維持されながら、MRIスキャナ間のSN-VTA NM-MRI信号でのばらつきによる有意差が効果的に低減した。またハーモナイゼーションにより、既知の生物学的に意味のある年齢効果の再現性及び統計的検出力が強化された。本明細書で提示されているデバイス及び方法は、NM-MRIに基づいたバイオマーカーを開発するための大規模な多部位調査に有用であることができる。
【0014】
NM-MRIは、ドーパミン作動性機能とドーパミン作動性神経変性との両方のマーカーとして妥当性確認されており、ドーパミン作動系のバイオマーカーとしてのNM-MRIの可能性を示している。さらに、NM-MRIには、理想的なバイオマーカー候補として位置づけられるいくつかの特徴があり、その非侵襲性と電離放射線の欠如とにより、反復的かつ長期的な測定、その実装の容易さ、及びその優れた再検査信頼性が可能になることが挙げらる。バイオマーカーの開発及び特性には通常、統計モデルの訓練及び検査を容易にし、一般化可能性を提供するために大きいサンプルサイズを使用することが含まれる。多部位調査はこのような大きいサンプルサイズを取得することを容易にするが、複数の部位からのNM-MRIデータを組み合わせる方法はまだ開発されていない。
【0015】
複数の部位からの撮像データを組み合わせると、ハードウェア(例えば、MRIスキャナもしくはヘッドコイル)またはソフトウェア(例えば、パルスシーケンスパラメータ)での差異により、データに望まれない非生物学的なばらつきが生じる可能性がある。解析に共変量を含んでも(つまり、部位を統計的に制御しても)、この分散を十分に除去しないで行われる場合、交絡を無視するモデルと変わらないことがある。
【0016】
一般化されたデータの従来のハーモナイゼーション方法、つまり、非生物学的なばらつきの従来の明示的な除去方法には、標準文献規格として登場したComBatと呼ばれる機械学習アルゴリズムが含まれる。ComBatアルゴリズムは、データのバッチ全体で平均及び分散の両方をハーモナイズするための経験ベイズ法であり、小さいサンプルサイズのデータセットの処理に特にロバストである。ComBatアルゴリズムを使用するアプローチは、以前には、皮質の厚さ、局所脳体積及び皮質表面積のMRIに基づいた測定、拡散テンソル撮像、安静時機能的MRI、ならびにタスクに基づいた機能的MRIに適用されていた。しかしながら、ComBatアルゴリズムをバイオマーカー固有の撮像データセットに適用するために確立された方法が存在しない。例えば、NM-MRIを介して取得されたニューロメラニン固有撮像データのハーモナイゼーションにComBatアルゴリズムを適用する方法に対するニーズは満たされていない。
【0017】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法は、複数の撮像セッションにわたる複数のMRIソースからのバイオマーカー固有撮像データのハーモナイゼーション方法を実装することができ、取得パラメータを撮像セッションにわたり最適化しなかった。例えば、本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法は、NM-MRIデータのハーモナイゼーション方法を実装することができ、このNM-MRIデータは、複数の患者から取得され、複数の部位にわたり撮像され、複数のMRI装置を使用して撮像され、及び/またはGE、Siemens及びPhilipsなどの複数のベンダーの複数のMRI装置を使用して撮像されたものであり、様々な撮像セッションにわたる取得パラメータが最適化されていなかった。本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法は、生物学的に意味のあるばらつき、例えば年齢に関連付けられたばらつきを維持しながら、NM-MRIデータをハーモナイズする方法を実装することができる。本明細書で提示される例は、年齢によるNM-MRI信号の増加に関連付けられた生物学的に意味のあるばらつきを維持しながら、主なMRIベンダー3社(GE、Siemens、及びPhilips)から取得したNM-MRIデータのハーモナイゼーションに成功したことを示す。また例では、ハーモナイゼーションによってNM-MRI信号と年齢との間の予想される陽性関係の再現性及び統計的検出力の両方が向上したことが示されている。
【0018】
図1は、データハーモナイゼーションシステム(本明細書では「DHシステム」または「システム」とも呼ばれる)であり得るシステム100の概略図である。システム100は計算デバイスのセットを含み、この計算デバイスのセットは、例えば、解析デバイス105(例えば、データハーモナイゼーション用に構成された解析デバイス)、データベース104(例えば、1つ以上のバイオマーカー、1人以上の患者、1社以上のベンダーのMRI機器などに関連付けられた特定のMRI画像を含むまたは格納するデータベース)、及び1つ以上の他の計算デバイス(複数可)101、103を含む。システム100は、ユーザ(例えば、医師、放射線科医、診断医、臨床医、研究専門家など)及び/またはコンピュータ支援診断デバイスによって提供されるバイオマーカー固有撮像データのハーモナイゼーションを支援することができる。解析デバイス105、医師デバイス103、及び/または計算デバイス(複数可)101は、図1に示されるように、通信ネットワーク106を介して互いに通信することができる。
【0019】
解析デバイス105は、任意の適切なデバイス(例えば、計算デバイス101もしくは医師デバイス103)またはデータベース(例えば、データベース104)からの1つまたは複数のソースに関連付けられたバイオマーカー固有撮像データ、及び複数のソースからのデータを含む場合にはデータを標準参照とハーモナイズする、または相互にハーモナイズするための要求を受信することができる。撮像データには、バイオマーカー固有MRI(例えば、NM-MRI)を介して取得された画像だけでなく、ソースに関連付けられた情報(例えば、ハーモナイゼーションの要求を送信するデバイスのアイデンティティ、患者を含む撮像データに関連付けられた撮像ソースのアイデンティティ、各データセットの撮像時間、各データセットに関連付けられた撮像部位、使用された機器、各撮像セッション中に使用された取得パラメータなど)が含まれることができる。解析デバイス105は、撮像データを前処理すること、及び/または要求に応じて撮像データをハーモナイズするためのアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を実装することができる。ハーモナイズされた撮像データは、一実施形態による、デバイスに、例えば、同じフォーマットまたは適切に変更されたフォーマットで計算デバイス(複数可)101及び/または医師デバイス103に提供されることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、通信ネットワーク106(「ネットワーク」とも呼ばれる)は、公共ネットワーク及び/またはプライベートネットワーク経由で動作する、データを転送するための任意の適切な通信ネットワークであることができる。例えば、ネットワーク106は、プライベートネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)回路、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、マイクロ波アクセスネットワークの世界規模相互運用(WiMAX(登録商標))、光ファイバ(または光学ファイバ)ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、仮想ネットワーク、及び/またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。場合によっては、通信ネットワーク106は、例えば、Wi-Fiまたは無線ローカルエリアネットワーク(「WLAN」)、無線ワイドエリアネットワーク(「WWAN」)、及び/またはセルラーネットワークなどの無線ネットワークであることができる。他の例では、通信ネットワーク106は、例えば、イーサネットネットワーク、デジタル加入者線(「DSL」)ネットワーク、ブロードバンドネットワーク、及び/または光ファイバネットワークなどの有線ネットワークであることができる。場合によっては、ネットワークは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)及び/またはデータ交換フォーマット(例えば、REST(Representational State Transfer:表現状態転送)、JSON(JavaScript Object Notation:JavaScriptオブジェクト記法)、XML(Extensible Markup Language:拡張可能なマークアップ言語)、SOAP(Simple Object Access Protocol:シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)、及び/またはJMS(Java Message Service:Javaメッセージサービス))を使用することができる。ネットワーク106を介して送信される通信は、暗号化されること、または暗号化解除されることができる。場合によっては、通信ネットワーク106は、例えばネットワークブリッジ、ルータ、スイッチ、ゲートウェイなど(図示せず)によって、互いに動作可能に結合された複数のネットワークまたはサブネットワークを含むことができる。
【0021】
例えば、解析デバイス105、医師デバイス103、及び/または他の計算デバイス(複数可)101を含む、システム100内の計算デバイスは、それぞれ、例えば、サーバ、デスクトップ計算デバイス、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、ラップトップなど、任意の適切なハードウェアベースの計算デバイス及び/またはマルチメディアデバイスであることができる。医師デバイス103は、例えば、医師、放射線科医、診断医、研究者、または撮像データセットに関連する他の個人によって使用されるワークステーションまたはMRIスキャナなどの他のデバイスであることができる。例えば、いくつかの実施形態では、医師デバイス103は、放射線科医及び/または放射線サービス提供エンティティに関連付けられた放射線ワークステーションを含むことができる。場合によっては、放射線ワークステーションは、患者及び/または医療機関からサンプルの放射線撮像データを取得し、スキャンされた撮像データを解析デバイス105、データベース104、及び/または他の計算デバイス(複数可)101に伝送し得るようにシステム100と通信するように装備されることができる。場合によっては、撮像データは、適切に更新されること(例えば、アノテートされること)、及び/またはDICOMビューアアプリケーションを介して放射線ワークステーションから伝送されることができる。場合によっては、撮像データは、適切に更新されること(例えば、アノテートされること)、及び/またはDICOMビューアアプリケーションを介して放射線ワークステーションから伝送されることができる。他の計算デバイス(複数可)101は、例えば、計算システム(例えば、計算アルゴリズムを実装するデバイスを含むシステム、クラウドベースの計算フレームワークなどの計算サービスを提供するシステムなど)、ワークステーション、サーバ、ユーザまたは患者デバイスなどを含む、データハーモナイゼーションシステムの一部である他のデバイスを含むことができる。
【0022】
またシステム100は、例えば患者、病院、撮像システムなどに関連するデータを格納するための、データベース104を含むことができる。場合によっては、データベース104は、ピクチャアーカイブ及び通信システム(PACS)、例えばPACSサーバなどの一部であり得る1つまたは複数のデバイスを含むことができる。PACSサーバなどのPACSシステムの一部のデバイスは、放射線画像などの医用画像のデジタル格納、伝送、及び取得用に構成されることができる。PACSサーバは、撮像モダリティと直接インタフェースするソフトウェア及び/またはハードウェアコンポーネントを含むことができる。画像は、PACSサーバから、表示及び/または報告のために1つまたは複数の計算デバイス(複数可)101(例えば、CADデバイス)、及び/または解析のために解析デバイス105に転送され得る。場合によっては、計算デバイス101(例えば、CADデバイス)は、データベース104(例えば、PACSサーバ)から画像にアクセスし、それを解析デバイス105に送信することができる。場合によっては、計算デバイス101(例えば、CADデバイス)は、画像を医師デバイス103(例えば、放射線ワークステーション)から直接取得してもよく、それを解析デバイス105に送信してもよい。
【0023】
図2は、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステム(例えば、システム100)の一部であることができる例示的な計算デバイス201の概略ブロック図である。計算デバイス201は、図1に示されるシステム100の計算デバイス(複数可)101及び/または医師デバイス103と構造的及び/または機能的に同様であることができる。計算デバイス201は、例えば、サーバ、デスクトップ計算デバイス、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、ラップトップ、超音波スキャナなど、ハードウェアベースの計算デバイス及び/またはマルチメディアデバイスであることができる。計算デバイス201は、プロセッサ211、メモリ212(例えば、データストレージを含む)、及びコミュニケータ213を含む。いくつかの実施形態では、計算デバイス201は、入力/出力デバイス、表示装置などを含む任意の適切な数の追加のコンポーネント(図示せず)を有することができる。
【0024】
プロセッサ211は、例えば、ハードウェアベースの集積回路(IC)、または命令もしくはコードのセットを行う及び/または実行するように構成された任意の他の適切な処理デバイスであることができる。例えば、プロセッサ211は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、アクセラレーテッドプロセッシングユニット(APU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などであることができる。プロセッサ211は、システムバス(例えば、アドレスバス、データバス及び/または制御バス)を介してメモリ212に動作可能に結合されることができる。本明細書に記載されるように、計算デバイス201は、撮像装置(例えば、MRI装置)に関連付けられ、及び/または動作可能に結合され、撮像装置で設定された、指定の画像取得パラメータに基づいて1つまたは複数の撮像セッションにわたり装置によって取得された撮像データを取得するように構成されることができる。
【0025】
プロセッサ211は、リモートソース(例えば、臨床データベース(データベース104など)、リポジトリ、スキャナ、撮像デバイス、放射線サービスに関連するその他のデバイス、患者管理システム/病院に関連するデバイス、個人/患者に関連するデバイスなど)から、撮像データ、メタデータ、臨床情報、医療情報、その他の情報などを受信する、及び/または取得するように構成されることができる。場合によっては、プロセッサ211は、撮像データ及び/または撮像データに関連するデータ(例えば、処理データ、撮像データに関連する測定値、撮像データに関連するアノテーション、撮像データに関連する経歴/臨床データなど)を、イメージング(例えば、MRI装置)、ワークステーション、医師のデバイス、患者デバイス、データベース、または任意の他の適切なデバイスを含む任意の適切なソースから受信するように構成されることができる。
【0026】
プロセッサ211は、データを処理するためのコマンドを受信することができる(例えば、データをハーモナイズするためのコマンドを受信することができる)。場合によっては、プロセッサ211は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、例えばユーザから、コマンドを受信するために、計算デバイス201にユーザインタフェースを実装することができる。例えば、プロセッサ211は、入力/出力デバイス(例えば、コミュニケータ213に結合された、または計算デバイス201に統合された入力/出力デバイス)に、オペレータ(例えば、医師)へのインタフェースを表示させるように構成されることができる。
【0027】
プロセッサ211は、1つまたは複数のコマンドに応答して、データの前処理、編成、及びまたはハーモナイゼーションの開始を行うことができる。場合によっては、計算デバイス201のプロセッサ211は、データのソースを自動的に同定する、または同定されたデータのソースの欠如を決定するように構成されることができる。
【0028】
場合によっては、プロセッサ211は、本明細書に記載されるように、データを前処理し、それを解析デバイスに送信し、データのハーモナイゼーションを開始することができる。場合によっては、プロセッサ211は、ハーモナイズされたデータを受信し、いくつかの実施形態では、データセットのハーモナイゼーション状態を確認するように構成されることができる。プロセッサ211は、撮像データセットに関連する情報(例えば、ハーモナイゼーションの尺度を示す情報、または生物学的なばらつきの保持を示す情報など)をユーザに提示するように構成されることができる。
【0029】
プロセッサ211は、データハンドラ214及びインタフェースマネージャ215として機能するために、メモリ212に格納された1つまたは複数のモジュール(複数可)または命令(複数可)を含むこと、または実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ211は、診断評価を送達するためのインタフェースを提供するために使用されることができるソフトウェアアプリケーション(図2には図示せず)を含むことができる。ソフトウェアアプリケーションは、プロセッサ211によって実行されるとき、計算デバイス201のユーザの利益のために、調整された機能、タスク、またはアクティビティの群を実行するように構成されることができる、任意の適切なソフトウェアまたはコードであることができる。ソフトウェアアプリケーションは、例えば、ブラウザアプリケーション、ワードプロセッシングアプリケーション、メディア再生アプリケーション、JAVAベースのアプリケーション、画像レンダリングまたは編集アプリケーション、テキスト編集アプリケーションなどであることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、データハンドラ214、及びインタフェースマネージャ215、及び/またはソフトウェアアプリケーションのそれぞれは、メモリ212に格納され、プロセッサ211によって実行されるソフトウェアであることができる。例えば、プロセッサ211の上述の部分のそれぞれは、データハンドラ214、及びインタフェースマネージャ215、及び/またはソフトウェアアプリケーションをプロセッサ211に実行させるように構成されるコードを含むことができる命令の形式で実装されることができる。コードは、メモリ212及び/または例えばASIC、FPGA、CPLD、PLA、PLCなどのハードウェアベースのデバイスに格納されることができる。他の実施形態では、データハンドラ214、及びインタフェースマネージャ215、及び/またはソフトウェアアプリケーションのそれぞれは、それらのそれぞれの機能を実行するように構成されたハードウェアであることができる。
【0031】
データハンドラ214を実装するプロセッサ211は、撮像データ、アノテーションデータ、臨床データ、及び/または患者、部位、撮像セッション、スキャン機器、医療/臨床機関、及び/または実施される撮像調査に関する他の任意の関連データなどを収集するように構成されることができる。例えば、データハンドラ214は、対象の生物システムの調査、診断、または評価のために提供される放射線データなどの撮像データを受信する、収集する、処理する、及び/または格納することができる。
【0032】
撮像データは複数の画像の形式であってもよい。場合によっては、複数の画像は、空間シーケンス(例えば、空間順序に従って生体組織の連続する空間位置)で取得されることができる。場合によっては、複数の画像は、時間シーケンス(例えば、時間順序に従って生体組織を撮像する連続する時間窓)で取得されることができる。場合によっては、複数の画像は、時空間順序を有する時空間シーケンスで取得されることができる。また撮像データは、撮像データを取得する状況に関連する追加情報を提供する撮像データに関連する任意の適切な形式でメタデータまたは補足詳細を含むこともできる。例えば、撮像装置及び/または撮像される患者の追加である。例えば、撮像データには、画像取得パラメータに関連する情報、使用された機器に関連する情報(製造のメーカー、モデル、データ及びバッチなどの撮像装置のベンダーの詳細など)、装置の較正に関連する情報などの形式でメタデータまたは補足詳細が含まれることができる。場合によっては、撮像データは、バイオマーカー固有のMRI(例えば、NM-MRI)から得られる画像の形式であることができる。場合によっては、撮像データは、DICOM画像及び関連するメタデータの形式であることができる。
【0033】
またデータハンドラ214は、データを編成するために、撮像データ、1人以上の患者(複数可)、画像部位、撮像窓(つまり、撮像の時間/日)、生物学的状態などに関連付けられた臨床データ、アノテーションベースのデータ、またはその他の補足データを取得することもできる。場合によっては、臨床データは、例えば、撮像された生体組織に関連する組織病理学的データ、医療情報、対象または患者に関連する経歴情報、年齢、性別、民族性、健康状態、病歴などを有する患者の他の詳細に関する情報を含むことができる。場合によっては、データハンドラ214は、指定された情報の欠如(例えば、データセットに関連付けられたスキャナのアイデンティティの欠如)を決定し、例えばインタフェースマネージャ215によって実装される、インタフェースを介したユーザ入力を待機し、データセットに関連付けられたスキャナのアイデンティティに関する情報を提供することができる。いくつかの実装では、データハンドラ214及び/またはインタフェースマネージャ215は、撮像データセットに関連付けられた情報を記録するために1つまたは複数の指定された入力を提供するようにユーザを促すこともできる。いくつかの実施態様では、例えば、患者、対象、社会組織、臨床試験などに関連する個人データを保護するために、撮像データを適切に暗号化することができる。いくつかの実施態様では、データハンドラ214は、撮像データセットに関連する情報を抽出するために必要に応じて暗号化されたデータを復号するように構成されることができる。またデータハンドラ214は、情報を別のデバイス(例えば、解析デバイス、データベース、計算デバイスなど)に送信する前に情報を適切に暗号化するように構成されることもできる。
【0034】
いくつかの実施態様では、データハンドラ214は、同定された撮像データを評価して、それがハーモナイズされているかどうかを決定するように構成されることができる。場合によっては、データハンドラ214は、例えばインタフェースマネージャ215によって管理されるインタフェースを介してユーザから、クエリを受信し、そのクエリに応答して、同定された撮像データセットがハーモナイズされているかどうかを評価するように構成されることができる。いくつかの実施態様では、データハンドラ214は、例えば同定された撮像データを所定の参照撮像データセットと比較することによって、自動的に、同定された撮像データを評価して、それがハーモナイズされているかどうかを決定するように構成されることができる。
【0035】
いくつかの実施態様では、データハンドラ214を実装するプロセッサ211は、所定の条件に従って1つまたは複数のデータセットをハーモナイズするための命令を、インタフェース(例えば、インタフェースマネージャ215などによって実装され、管理されるユーザインタフェース)を介してオペレータまたは医師から受信するように構成されることができる。データハンドラ214は、所定の条件に従って1つ以上のデータセットをハーモナイズするのに必要なデータを編成し、そのデータを解析デバイス(例えば、図1の解析デバイス105)に提供することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ211は、新たに着信するデータを監視し、そのデータを処理する、及び/またはそのデータを格納するバックグラウンドプロセスとしてデータハンドラ214を実装することができる。
【0036】
インタフェースマネージャ215は、計算デバイス201のオペレータにインタフェース(本明細書では「ユーザインタフェース」とも呼ばれる)を提供するように構成されることができ、このインタフェースを介して、オペレータは、撮像データまたは任意の関連補足データをロードし、またはそれにアクセスし、撮像データまたは補足データを評価し、及び/またはデータのハーモナイゼーションを開始してもよい。いくつかの実施態様では、インタフェースマネージャ215は、例えば、撮像データ及び/または補足データにデータ構造を割り当てる、または編成する撮像データ及び/または補足データを編成するようにインタフェースでの設定を変更する、及び/またはカスタマイズするなどのための制御オプションを、インタフェースを介してユーザに提供することができる。いくつかの実施態様では、インタフェースマネージャ215は、撮像データにまだ関連付けられていない可能性がある補足情報を追加するための制御ツールをオペレータまたはユーザに提供するように構成されることができる。例えば、インタフェースマネージャ215は、撮像データセットのソースに関連する情報(例えば、患者に関する経歴情報または患者背景情報、撮像時間、撮像部位、撮像機器などに関する情報)をユーザが入力することを可能にすることができる。場合によっては、インタフェースマネージャ215は、本明細書で説明されるように、撮像データセットのハーモナイゼーションを開始するためのツールをユーザに提供するように構成されることができる。例えば、インタフェースマネージャ215は、撮像データセットのハーモナイゼーションを開始するための命令をユーザから受信し、それら命令に応答して、ハーモナイゼーションを実行するための信号を解析デバイス(例えば、本明細書に記載の解析デバイス105、205)に送信することができる。
【0037】
インタフェースマネージャ215は、例えば解析デバイス(例えば、解析デバイス105、205)から、ハーモナイズされた撮像データを受信し、さらなる処理、調査、解析、評価、格納などのためにハーモナイズされた撮像データを提供するように構成されることができる。
【0038】
本明細書では、データセットのハーモナイゼーションを実行する解析デバイスとは別個であることができる計算デバイス201によって実行されるように説明されているが、いくつかの実施形態では、データハンドラ214及びインタフェースマネージャ215を実装する計算デバイス201は、データセットのハーモナイゼーションを実行するのと同じ解析デバイスであることができる。換言すれば、例えばデータハンドラ214及び/またはインタフェースマネージャ215を実装する、プロセッサ211に関して説明された上述のプロセスのうちの1つまたは複数は、解析デバイス(例えば、図1に示されるシステム100に含まれる解析デバイス105、及び/または図3に示され、以下のセクションでさらに詳細に説明される解析デバイス305)によって実行されることができる。
【0039】
計算デバイス201は、プロセッサ211を介してデータハンドラ214及びインタフェースマネージャ215のそれぞれを実装するように説明されているが、計算デバイスが上述のユニット、コンポーネント、及び/またはモジュールのいくつかのインスタンスによって構成されることができることを理解することができる。さらに、データハンドラ及びインタフェースマネージャという用語は、例えばプロセッサ211によって実装されるプロセスを説明するために、例示を目的として提供される。したがって、これらのモジュールのうちの1つもしくは複数を単一のモジュールに組み合わせることができ、または一般に、その1つもしくは複数のプロセスもしくはステップを実行するように構成されたプロセッサと呼ばれることができる。
【0040】
計算デバイス201のメモリ212は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などであることができる。メモリ212は、例えば、プロセッサ211(例えば、データハンドラ214、インタフェースマネージャ215、及び/または上記のソフトウェアアプリケーション)に1つ以上のプロセス、機能などを実行させるための命令を含むことができる、1つ以上のソフトウェアモジュール及び/またはコードを格納することができる。いくつかの実施形態では、メモリ212は、インクリメントに追加されて使用されることができる拡張可能なストレージユニットを含むことができる。いくつかの実施態様では、メモリ212は、プロセッサ211に動作可能に結合されることができるポータブルメモリ(例えば、フラッシュドライブ、ポータブルハードディスクなど)であることができる。他の例では、メモリは、リモートで動作可能に計算デバイスに結合されることができる。例えば、リモートデータベースサーバはメモリとして機能し、計算デバイスに動作可能に結合されることができる。
【0041】
コミュニケータ213は、プロセッサ211及びメモリ212に動作可能に結合されたハードウェアデバイス、及び/またはプロセッサ211によって実行されるメモリ212に格納されたソフトウェアであることができる。コミュニケータ213は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)、Wi-Fi(商標)モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、及び/または任意の他の適切な有線及び/または無線通信デバイスであることができる。さらに、コミュニケータ213は、スイッチ、ルータ、ハブ及び/または他の任意のネットワークデバイスを含むことができる。コミュニケータ213は、計算デバイス201を通信ネットワーク(図1に示される通信ネットワーク106など)に接続するように構成されることができる。場合によっては、コミュニケータ213は、例えば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、マイクロ波アクセスネットワークの世界規模相互運用(WiMAX(登録商標))、光ファイバ(または光学ファイバ)ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、仮想ネットワーク、及び/またはそれらの任意の組み合わせなどの通信ネットワークに接続するように構成されることができる。
【0042】
場合によっては、コミュニケータ213は、信号(例えば、データセットのハーモナイゼーションを開始するための信号)、データ(例えば、撮像データ、補足データ、臨床データなど)、ファイル及び/またはファイルセットを、通信ネットワーク(例えば、図1のシステム100の通信ネットワーク106)を介して受信すること及び/または送信することを容易にすることができる。場合によっては、本明細書でさらに詳細に説明されるように、受信したファイルはプロセッサ211によって処理されること、及び/またはメモリ212に格納されることができる。場合によっては、前述のように、コミュニケータ213は、データハンドラ214によって収集された及び/または解析されたデータを、計算デバイス201が接続されるデータハーモナイゼーションシステム(例えば、システム100)の解析デバイス(例えば、解析デバイス105)に送信するように構成されることができる。またコミュニケータ213は、データハンドラ214によって収集され解析されたデータ、及び生成されたあらゆる解析結果を、計算デバイス201が接続されるデータハーモナイゼーションシステムの解析デバイスに送信するように構成されることもできる。
【0043】
図1に戻ると、システム100に接続されている計算デバイス101は、通信ネットワーク106を介して解析デバイス105と通信するように構成されることができる。図3は、いくつかの実施形態による、データハーモナイゼーションシステム(例えば、システム100)の一部である解析デバイス305の概略図である。解析デバイス305は、図1に示されるシステム100の解析デバイス105と構造的及び/または機能的に類似していることができる。解析デバイス305は、コミュニケータ353、メモリ352、及びプロセッサ351を含む。
【0044】
図2の計算デバイス201内のコミュニケータ213と同様に、コミュニケータ353は、プロセッサ351及びメモリ352に動作可能に結合されたハードウェアデバイス、及び/またはプロセッサ351によって実行されるメモリ352に格納されたソフトウェアであることができる。コミュニケータ353は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)、Wi-Fi(商標)モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、及び/または任意の他の適切な有線及び/または無線通信デバイスであることができる。さらに、コミュニケータ353は、スイッチ、ルータ、ハブ及び/または他の任意のネットワークデバイスを含むことができる。コミュニケータ353は、解析デバイス305を通信ネットワーク(図1に示される通信ネットワーク106など)に接続するように構成されることができる。場合によっては、コミュニケータ353は、例えば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、マイクロ波アクセスネットワークの世界規模相互運用(WiMAX(登録商標))、光ファイバ(または光学ファイバ)ベースのネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、仮想ネットワーク、及び/またはそれらの任意の組み合わせなどの通信ネットワークに接続するように構成されることができる。
【0045】
メモリ352は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などであることができる。メモリ352は、データ、例えば撮像データ及び/または撮像データに関連する任意の補足データを格納することができる。メモリ352は、例えば、プロセッサ351に1つ以上のプロセス、機能などを実行させるための命令を含むことができる、1つ以上のソフトウェアモジュール及び/またはコードを格納することができる。いくつかの実装では、メモリ352は、プロセッサ351に動作可能に結合されることができるポータブルメモリ(例えば、フラッシュドライブ、ポータブルハードディスクなど)であることができる。他の例では、メモリ352は、解析デバイス305にリモートで動作可能に結合されることができる。例えば、メモリは、解析デバイス305及びそのコンポーネント及び/またはモジュールに動作可能に結合されたリモートデータベースサーバであることができる。
【0046】
プロセッサ351は、ハードウェアベースの集積回路(IC)、または命令もしくはコードのセットを行う及び/または実行するように構成された任意の他の適切な処理デバイスであることができる。例えば、プロセッサ351は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、アクセラレーテッドプロセッシングユニット(APU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などであることができる。プロセッサ351は、システムバス(例えば、アドレスバス、データバス及び/または制御バス)を介してメモリ352に動作可能に結合される。プロセッサ351は、さらに詳細に説明されるように、適切な接続またはデバイスを介してコミュニケータ353と動作可能に結合される。
【0047】
プロセッサ351は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、いくつかの機能を実行するように構成され得る、いくつかのコンポーネント、ユニット及び/またはモジュールを含む及び/または実行するように構成されることができる。コンポーネントは、ハードウェアベースのコンポーネント(例えば、命令もしくはコードのセットを行う及び/または実行するように構成された集積回路(IC)もしくは任意の他の適切な処理デバイス)、またはソフトウェアベースのコンポーネント(サーバプロセッサ352によって実行される)、またはそれら2つの組み合わせであることができる。
【0048】
図3に示されるように、プロセッサ351は、データマネージャ354及びハーモナイザ358として機能するために、メモリ352に格納された1つまたは複数のモジュール(複数可)または命令(複数可)を含む、または実行することができる。
【0049】
プロセッサ351内のデータマネージャ354は、解析デバイス305と、適切な通信ネットワークを介して解析デバイス305に接続された計算デバイス(例えば、図1のシステム100では通信ネットワーク106を介して解析デバイス105に接続された計算デバイス101~103)との間の通信を受信するように構成されることができる。データマネージャ354は、計算デバイス、データベース、及び/またはリモートソースから、撮像データ(例えば、NM-MRIデータセットのようなバイオマーカー固有のMRIデータ)に関する情報、臨床データなどの補足データ、経歴データ、アノテーションなどを受信するように構成される。いくつかの実施態様では、データマネージャ354は、インタフェース(例えば、インタフェースマネージャ215などのインタフェースマネージャによって実装されるユーザインタフェース)を介して送信される信号によって、計算デバイスからデータを受信することができる。
【0050】
データマネージャ354は、医師、研究者、患者、及び任意の他の適切なユーザから放射線撮像データを受信するように構成されることができ、データは、臨床または治療解析または調査下の器官及び/または器官系に関連付けられる。場合によっては、データマネージャ354は、患者の病歴、経歴情報(例えば、年齢、性別、人種、民族性、健康歴、行動習慣など)に関連する情報を受信することができる。データマネージャ354は、所与のデータセットでのばらつきを低減させることによって、いずれかの所与の撮像データセットをハーモナイズするために使用されることができる参照データセットに関連する情報を受信することができる。撮像データ及び/または参照データは、DICOM画像及び関連するメタデータ、または他の撮像データの形式であることができる。いくつかの実施態様では、例えば、患者、対象、社会組織、臨床試験などに関連する個人データを保護するために、撮像データ及び/または参照データを適切に暗号化することができる。いくつかの実施態様では、データマネージャ354は、撮像データセットに関連する情報を抽出するために必要に応じて暗号化されたデータを復号するように構成されることができる。またデータマネージャ354は、情報を別のデバイス(例えば、ポータルデバイス、データベース、計算デバイスなど)に送信する前に情報を適切に暗号化するように構成されることもできる。
【0051】
いくつかの例では、プロセッサは、同定された撮像データに関連する情報を、例えばデータマネージャ354によって抽出された特徴ベクトルの形式で、受信するように構成された1つまたは複数の機械学習モデル(図3には図示せず)を含むことができる。モデルは、ディープニューラルネットワーク、多層パーセプトロン、ランダムフォレスト、サポートベクターマシンなどを含み得るが、これらに限定されない。機械学習モデルは、情報を処理して、例えばばらつきを低減させるように設定された係数の形式で、出力を提供するように構成されることができる。場合によっては、プロセッサは、第一ソースから得られたデータ(例えば、第一機器を使用して、第一対象から及び/または第一時点で得られた撮像データ)を、第二ソースから得られたデータ(例えば、第二機器を使用して、第二対象から及び/または第二時点で得られた撮像データ)とハーモナイズするように構成されることができる。係数は、第一ソースと第二ソースとの間の関係を定義するように構成されることができる。場合によっては、第二ソースは、複数のデータセットをハーモナイズするために使用された参照ソースであることができる。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、異なるソースからのデータをハーモナイズするための1つ以上の係数、関数(例えば、変換関数)などを含む出力を提供するように構成されることができる。
【0052】
機械学習モデルは、情報を処理して、撮像データに関連付けられた1つまたは複数のクラスを示す出力を提供するように構成されることができる。例えば、機械学習モデルはクラス分類子として機能し、撮像データに関連する情報を処理して、撮像データでの非生物学的ばらつきのソース(例えば、製造元によって定義された撮像機器のクラス、データの生成に使用されたモデルなど)のクラス分類を出力として提供することができる。いくつかの実施態様では、このモデルを使用して、撮像データにおける生物学的または経歴的に意味のあるばらつきのソースのクラス分類(例えば、年齢、性別、人種などに基づいたクラス分類)を示す出力を提供することができる。いくつかの実施態様では、機械学習モデルを使用して、撮像データセットの正規化またはハーモナイゼーションの前及び/または後に評価することができる。
【0053】
プロセッサ351は、ハーモナイザ356を含み、ハーモナイザは、同定されたデータセットに関連する非生物学的または非経歴的に意味のあるばらつきのソースを低減させるまたは減少させることによって、同定された撮像データセットをハーモナイズするためのルーチンまたはアルゴリズム(例えば、NM-MRI撮像データセットをハーモナイズするように構成されたComBatアルゴリズム)を実装するように構成される。ハーモナイゼーションは、非生物学的ばらつきの1つまたは複数のソース(例えば、撮像機器に関連するばらつき)を同定することと、同定された撮像データセットに適用される場合、データセットに関連する非生物学的ばらつきの量を減少させるように構成されることができる1つまたは複数の係数を定義することとを含むことができる。ハーモナイザ358は、同定されたデータセット及び同定された撮像データセットに関連付けられた任意の補足データを受信するように構成されることができる。ハーモナイザ358は、補足データを評価して、同定された撮像データセットに関連する望ましくないばらつきのソースを決定することができる。いくつかの実施態様では、望ましくないばらつきのソースは、非生物学的ばらつきのソースであることができる。例えば、補足データは、撮像データセットに関連付けられたソースを示すことができる。ソースは、同定された撮像機器(例えば、同定されたスキャナまたはMRI装置)、撮像機器またはスキャン機器の同定された製造元またはモデル(例えば、GE、Phillips、SiemensなどのMR装置の製造元)、同定された患者などであることができる。いくつかの実施態様では、ばらつき(例えば、年齢、性別、人種などに関連するバイオマーカー固有のMRIでのばらつき)の生物学的ソースが調査の焦点であり得る。これらのような調査では、ばらつきの非生物学的ソース(例えば、MRIスキャナ、画像取得パラメータ、またはスキャナの製造元などでの変動に由来する)を減少させることは、サンプル、患者、及び/または撮像データセットに関連する生物学的差異が原因である、ばらつきを正確に同定するのに有用である可能性がある。ハーモナイザ358は、機械学習アルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を実行して、1つまたは複数の係数(例えば、ComBat係数)を定義するように構成されることができ、これらの係数は、撮像データセットの調整または変換に適用されるとき、望ましい生物学的ソースに関連するばらつきを維持しながら、望ましくない非生物学的ソースからのばらつきを低減させる、正規化またはハーモナイズされたデータセットを生成することができる。
【0054】
いくつかの実施態様では、望ましくないばらつきのソースは、生物学的起源のものである可能性があるが、特定の例で調査中であるソースではない可能性がある。例えば、生物学的起源のものである可能性がある、ばらつきの1つのソースは、調査の焦点(例えば、年齢)であることができ、生物学的起源のもの(例えば、性別)である可能性のあるばらつきの2つ目のソースは、その所与の調査では、望ましくない可能性があり、制御される必要がある場合がある。ハーモナイザ358は、望ましくないソースからのばらつきを低減させるように構成された係数を定義するように構成されることができる。ハーモナイザ358は、同定された撮像データセットに適用されるとき、望ましい生物学的ソースに関連するばらつきを保持しながら、望ましくない生物学的ソースに関連するばらつきを低減させる、ハーモナイズされたデータセットを生成することができるように構成された係数を定義するように構成されることができる。
【0055】
ハーモナイザ358は、参照撮像データセットを受信し、参照撮像データセットに基づいて、同定された撮像データセットの係数を生成するように構成されることができるため、それら係数を適用するとき、同定された撮像データは、参照撮像データセットに関してハーモナイズされることができる。参照撮像データセットは、ハーモナイゼーションプロシージャによって低減するばらつきに基づいて選択されることができる。
【0056】
いくつかの実施態様では、ハーモナイザ358は、生の撮像データを使用して係数を生成することができる。いくつかの実施態様では、ハーモナイザ358は、撮像データに基づいて処理されたデータを使用して、係数を生成することができる。例えば、ハーモナイザ358は、例えば参照画像と一貫性のある、任意の適切なフォーマットで平均化、登録、再アライメント、及び/または変換されている前処理されたデータを使用することができる。いくつかの実施態様では、ハーモナイザ358は、バイオマーカーに関連する1つまたは複数の尺度を取得するために、撮像データの所定の領域にわたり1つまたは複数のマスクを使用することができる。次いでハーモナイザ358は、係数を生成するために尺度にわたりアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を実行することができる。尺度は、任意の適切なプロセスを使用して計算されることができる。
【0057】
本明細書で説明されるシステム及び方法のいくつかの例示的な実施態様では、様々な臨床調査にわたって様々なスキャナを使用して取得されたMRIデータセットを標準化することができることにより、データセット間で1対1の意味のある比較が可能になる。いくつかの実施形態では、ハーモナイザ358は、異なるMRI装置で測定されている、または画像取得パラメータが変動している、異なる対象でのバイオマーカー測定値を標準化するように構成されることができる。例えば、ハーモナイザ358は、異なるMRI装置、または異なるパラメータを有する同じMRI装置で測定された異なる対象でのNM測定値を標準化するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、測定値は、大規模な治験の設定で収集されることができる。MRI装置間のパラメータが最適化されておらず、または相互に一貫性のあるように設計されていないため、異なるMRI装置からのデータセットは初期に比較できない。すべての患者が臨床試験を完了した後、本明細書に記載されているデータハーモナイゼーションシステム及び方法は、例えば、すべてのバイオマーカー固有の尺度(例えば、各患者のマスク領域内のCNR-NMボクセル)にわたりComBatアルゴリズムを実行することによって実装されることができる。コンバットアルゴリズムを実装すると、各CNR-NMボクセル間のMRIスキャナのばらつきによって生成されるノイズでの差異が調整され、各CNR-NMボクセル測定値が参照標準MRI装置に対して標準化される。
【0058】
ハーモナイザ358は、本明細書で説明されるように、撮像データのボクセルから導出される尺度のデータベースにComBatアルゴリズムを実行することができる。まず、対象にNM感受性MRIを実行することができると、生の脳MRI画像を得ることができる。前処理の後、同定された脳領域、例えば画像の黒質-腹側被蓋野(SN-VTA)領域にマスクを適用する。尺度、例えばコントラスト対ノイズ比(CNR)は、SN-VTA領域のマスク内のボクセルと撮像データの対照領域内のボクセルとの間で計算される。処理されたボクセルは、CNR-NMボクセルと呼ばれる。治験に参加する各患者からのこれらのCNR-NMボクセルはデータベースに格納される。このデータベースには、異なるMRI装置でNM-MRIスキャンを受けた複数の患者からのデータが含まれる場合がある。
【0059】
いくつかの例示的な実施態様では、ComBatアルゴリズムへの入力はCNR-NMボクセルであることができ、ComBatアルゴリズムによって生成された出力は、ComBatでハーモナイズされたコントラスト対ノイズ比ニューロメラニンボクセルCH-CNR-NMボクセルと呼ばれることができる。その後、CH-CNR-NMボクセルは個々の患者ごとにデータベースに格納される。この実施態様により、治験の終了時にコンバットアルゴリズムを1回実行することで、異なるMRI装置、またはパラメータの異なる同じMRI装置で測定されたCNR-NMボクセルを含む大規模データベースの標準化が可能になる。このような例示的な実施態様では、CNR-NMボクセルに処理されていないNMボクセルはコンバットへの適切な入力ではない可能性があり、NMボクセル単独でコンバットアルゴリズムを実行しても、所望の出力が得られない可能性がある。
【0060】
例えば、MNIテンプレート(確立されたテンプレート)空間内で前処理されたNM-MRI画像を使用して、NM-MRIコントラスト比(CNR)マップを推定することができる。各ボクセルでのNM-MRI CNRは、所与のボクセルでのNM-MRI信号強度(I)における、大脳脚(最小NMコンテンツを有することが知られている白質路の領域)での信号強度(ICC)からの信号差のパーセントとして次のように計算されることができる。
【0061】
【数1】
式中、モード(ICC)は、以前の研究に従ってCCマスク内のすべてのボクセルのヒストグラムにカーネル平滑化関数を適合させて、参加者ごとに計算される。
【0062】
黒質-腹側被蓋野(SN-VTA)複合体マスク内のボクセルのCNR値は、ComBatハーモナイゼーションモデルを使用してハーモナイズされることができると、生物学的ばらつき(例えば、年齢及び性別に関連するばらつき)を維持しながら、非生物学的ばらつき(MRIスキャン機器の変動に関連する)が除去されることができる。他の例には、生のMRI信号の代わりに、アウトカム尺度(例えば、SN-VTA CNRまたは局所脳体積)をハーモナイズすることが含まれることができる。モデルは次のように記述されることができる。
【0063】
【数2】
【0064】
式中、yijvはMRIスキャナi(i∈{1,...,5})、対象j(j∈{1,...,128})、及びSN-VTAボクセルv(v∈{1,...,1807)のCNR値であり、αはSN-VTAボクセルvの平均CNR値であり、Xは関心対象の共変量(年齢及び性別)の計画行列であり、βはSN-VTAボクセルvのXに対応する回帰係数のベクトルであり、γiv及びδivはそれぞれSN-VTAボクセルvに対するMRIスキャナiの加法性効果及び乗法性効果であり、εijkは平均0及び分散
【数3】
の正規分布に従うと想定される誤差項である。
【0065】
ComBatでハーモナイズされたCNR値は次のように定義されることができる。
【0066】
【数4】
【0067】
式中、γ iv及びδ ivはそれぞれγiv及びδivの経験ベイズ推定量である。SN-VTA CNRのハーモナイゼーションは、場合によっては、事前に入手可能な計算パッケージ(例えば、https://github.com/Jfortin1/ComBatHarmonization/tree/master/MatlabでホストされているMATLABパッケージ)を使用して実行されることができる。
【0068】
ハーモナイザ358は、同定された撮像データセットをハーモナイズし、ハーモナイズされたデータセットを計算デバイス(例えば、計算デバイス101、201、医師デバイス103)に提供することができる。上記の例では、コンバットによる処理の後、データベース内の患者ごとの最終的なCH-CNR-NMボクセルを様々な異なるアルゴリズムで解析することができる。いくつかの実施態様では、説明されるように、ハーモナイズされたデータセットは、任意の適切な方法でさらに評価されること、及び/または表示されることができる。
【0069】
解析デバイス305は、プロセッサ351を介してデータマネージャ及びハーモナイザのそれぞれを実装するように説明されているが、他の実施形態では、解析デバイス305と同様の解析デバイスは、上述のユニット、コンポーネント、及び/またはモジュールのいくつかのインスタンスで構成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、サーバは、1つ以上の計算デバイスまたは計算デバイス群に関連付けられたいくつかのデータマネージャ、MLモデル、及び/またはハーモナイザを含み得る。さらに、データマネージャ、MLモデル、及びハーモナイザという用語は、例えばプロセッサ351によって実装されるプロセスを説明するために、例示を目的として提供される。したがって、これらのモジュールのうちの1つもしくは複数を単一のモジュールに組み合わせることができ、または一般に、その1つもしくは複数のプロセスもしくはステップを実行するように構成されたプロセッサと呼ばれることができる。さらに、解析デバイス305は計算デバイス201とは別個のデバイスとして示されているが、そのような計算デバイス201内の通信では、解析デバイス305及び計算デバイス201(または本明細書に記載の他の解析デバイス及び/または計算デバイス)がそれぞれを参照して説明されるプロセスを実行するために適したコンポーネント(例えば、プロセッサ、メモリなど)を含む1つまたは複数のデバイス上で実装されることができることが理解されることができる。
【0070】
解析デバイス305は、データマネージャ、MLモデル、及びハーモナイザを有するように本明細書で説明されているが、他の実施形態では、解析デバイス305と構造及び/または機能が同様の解析デバイスは、上述の機能及び/またはモジュールの一部が、例えば計算デバイス(例えば、図2のデータハンドラ214)内にインストールされたクライアント側アプリケーションを介して、システムに含まれる計算デバイス(例えば、計算デバイス201)において実行されること、及び/または計算デバイスによって実行されることができるように構成されることができる。同様に、場合によっては、解析デバイス(例えば、解析デバイス305)上で実行されるものとして説明された機能は、計算デバイス201上で実行されることができ、またその逆も可能である。
【0071】
使用中、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステム内の計算デバイス(例えば、計算デバイス201または本明細書で記載の他の計算デバイスのいずれか)は、同定された撮像機器を使用して取得された患者の関心領域(例えば、組織または器官)に関連する撮像データを受信することができる。撮像データは、バイオマーカー固有のMRIデータセット(例えば、NM-MRIデータセット)であることができる。いくつかの実施形態では、撮像データは、患者に関連する臨床データまたは経歴データ、及び/または撮像データセットの取得に関連するスキャン機器に関連するデータを示す補足データ(例えば、メタデータ)を伴うことができ、またはそれを含むことができる。代替に、計算デバイスは画像データを受信することができ、計算デバイスは撮像データに関連する補足情報を追加するためのインタフェースを提供するように構成されることができる。次に、計算デバイスは、撮像データに関連する情報を送信すること、及び/またはデータハーモナイゼーションシステム内の解析デバイスに撮像データを送信することができる。場合によっては、計算デバイスは、関心のある可能性のあるばらつきの1つ以上のソース及び/または望ましくないばらつきの1つ以上のソースを示す情報も送信することができる。場合によっては、計算デバイスは、スキャン機器(例えば、データハーモナイゼーションシステムに登録されていない新しいMRIスキャナ)を登録する(本明細書では取り込むとも称される)ように構成されることができる。登録データには、登録されたスキャン機器に関連する任意の適切なデータ(例えば、メーカー、型番、製造、時間、位置、ステーション、使用機関など)、対象に関連するすべての関連データ(例えば、経歴、患者背景、及び患者、調査などに関連するその他の健康関連情報)、及び機器、患者などに由来する、またはそれに関連するばらつきを低減させるためにシステムによって決定された係数が含まれることができる。
【0072】
図6は、いくつかの実施形態による、新しいスキャナを登録する、または取り込む例示的なプロセスを説明するフローチャートを示す。場合によっては、計算デバイスは、参照データセットを示すこともでき、この参照データセットを使用して、係数を生成し、これら係数を適用するとき、同定された撮像データセットをハーモナイズすることができる。解析デバイスは、撮像データ及び補足データを受信し、アルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を実装することによって係数セットを生成することができる。図7は、いくつかの実施形態による、解析デバイスによって係数を生成する例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。いくつかの実装では、計算デバイスは、同定された撮像データセットをハーモナイズするために適用できる所定の係数をチェックすることができる。計算デバイスは、同定された撮像データセットをハーモナイズするために使用される所定の係数セットを同定し、指示することができる。例えば、計算デバイスは、撮像データセットを生成するために使用された同定されたスキャン機器を指示することができる。同定された機器は、データハーモナイゼーションシステムに関連する登録されたスキャン機器であることができ、登録データは、システムに関連するストレージに格納される。登録データには、登録されたスキャン機器と、機器に起因する、または関連するばらつきを低減させるためにシステムによって決定された係数とが含まれることができる。解析デバイスは、システムに予め登録されている撮像機器を認識し、撮像機器のアイデンティティ(例えば、製造、モデル、メーカー、部品番号など)を決定することができる。解析デバイスは、撮像機器に関連する所定の係数を決定し、システムに関連するストレージから取得することができる。次いで解析デバイスは、同定された撮像データセットに係数を適用して、ばらつきの望ましくないソースに関連するばらつきが低減している、ハーモナイズされた撮像データセットを計算することができる。図8は、一実施形態による、撮像データセットに係数を適用してハーモナイズされたデータセットを生成する例示的なプロセスを図示するフローチャートを示す。次に解析デバイスは、ハーモナイズされた撮像データセットを計算デバイスに送信することができる。計算デバイスは、必要に応じて、ハーモナイズされた撮像データセットを(例えば、インタフェースを介して)適切に評価する、表示する、及び/または使用することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデータハーモナイゼーションシステム(または本明細書に記載される任意の計算デバイスなど、それらのようなシステムのコンポーネント)は、任意の適切なバイオマーカー固有のMRIデータを含む、任意のイメージングと連携するように構成されることができる。
【0074】
撮像データのハーモナイゼーション方法の有用な実施態様には、生物学的に意味のあるばらつき(例えば、診断状態に関連するばらつきまたは差異)を維持することが含まれる。固有バイオマーカーに合わせて調整されるとき、バイオマーカーの所定の特性を利用して、そのバイオマーカー固有の撮像データに最も適しているハーモナイゼーションプロセスを適応させることができる。例えば、ニューロメラニン(NM)は、対象の生涯にわたりドーパミン作動性中脳ニューロンに蓄積することが知られており、したがって、NM-MRI信号は年齢とともに増加することができることで、生物学的ばらつきが与えられるため、このばらつきを使用して、健常対象のNM-MRIハーモナイゼーションアプローチを検査することができる。ハーモナイゼーションのさらなる利点として考えられるのは、不要な非生物学的ばらつきを除去することにより、下流解析の再現性及び統計的検出力の両方を向上させる能力である。これは、再現性及び統計的検出力が優れていると、より一般化できるバイオマーカーになることができる、バイオマーカーの開発に特に有益であることができる。
【0075】
図4は、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステム400を使用して、撮像データをハーモナイズする例示的な実施態様を記述するフローチャートを示す。データハーモナイゼーションシステム400は、構造及び/または機能において、本明細書に記載のデータハーモナイゼーションシステム(例えば、システム100)と実質的に同様であることができる。データハーモナイゼーションシステム400は、クラウドベースの計算フレームワークにクラウドベースの計算システムを使用して実装される1つ以上の部分を有するクラウドベースのアーキテクチャを使用して実装される。システム400は、ポータルNM-101(例えば、ウェブポータル)を実装する計算デバイス401を含み、このポータルNM-101は、システム400の1つ以上のクラウドベースの部分(例えば、解析デバイスサーバ、データベース、ストレージなど)と通信するためのインタフェースとして機能するように構成される。システム400の計算デバイス401は、本明細書で説明される通信ネットワーク106と実質的に同様であることができる通信ネットワーク406を介して、VPCと総称されるサーバシステムと通信する。計算デバイス401は、構造及び/または機能において、上述の計算デバイス101、201及び/または解析デバイス105、305と実質的に同様であることができる。
【0076】
システム400のクラウドベースのポーションVPCは、ポータルサーバ402及び処理サーバ403を有する解析デバイス405を含む。ポータルサーバ402は、通信用のインタフェースとして機能するNM-101ポータルを介して計算デバイス401と通信するように構成される。ポータルサーバ403は、インタフェースを介して計算デバイス401から送信される、命令、コマンド、データインジケーションなどを受信することができ、命令は、ハーモナイズされる撮像データセットを指示する。ポータルサーバ403は、望ましくなく、低減させる必要がある、ばらつきのソースを示すメタデータを受信することができる。例えば、ポータルサーバ402は、撮像データセットを生成するために使用するスキャン機器のインジケーションを受信することができる。いくつかの実施態様では、ポータルサーバは、システム400にまだ登録されていないスキャン機器を認識することができる。ポータルサーバ402は、処理サーバに命令を送信することができると、係数セットを(例えば、ComBatアルゴリズムを実行することによって)生成することができ、この係数セットは、そのスキャン機器を使用して取得された撮像データセットに適用されるとき、スキャン機器及び/または画像取得パラメータをソースとするばらつきを低減させるように構成されることができる。処理サーバ403は、任意の適切なプロセスを使用して係数を生成することができる。
【0077】
例示的な実施態様では、処理サーバ403は係数の生成を完了するまでに最大1分かかる場合がある。生成されると、処理サーバ403は、係数及びいずれかのその他の関連データを、今後の使用のために係数及び関連データを格納することができるNM-101データベース404に送信し、スキャン機器をシステム400に登録されたIとしてマーク付けすることができる。システム400が新しいスキャン機器から得られた新しい撮像データに遭遇するとき、システム400は、スキャン機器(または低減させることが望まれる可能性のあるばらつきのその他の任意の適切なソース)を登録しながら、自動的または半自動的に(すなわち、ユーザが提供する入力を用いて)新しい係数を生成し、それら係数を格納するように構成されることができる。
【0078】
図4の例示的な実施態様では、NM-101ポータルを介してポータルサーバ402で登録プロセスを開始すると、システム400によって実装されたREST APIをトリガし、Combatアルゴリズムを開始することができる。ComBatアルゴリズムは次のように実行することができる。
1.デフォルトのComBat係数を生成するために使用される51個の参照ボクセルマップを含むバッチコンテナを開始する。
2.デフォルトのコンバット係数を生成するために使用される51個の参照年齢及び性別を含むパラメータコンテナを開始する。参照年齢及び性別が参照ボクセルマップとアライメントすることに留意されたい。コンテナは、任意の適切な実行可能な計算コンポーネントであることができる。例えば、場合によっては、コンテナは離散計算環境であることができる。この環境は、1つ以上のアプリケーションを実行することができるオペレーティングシステム内にセットアップされることができる。いくつかの実装では、コンテナは、51個の参照の年齢及び性別に関連する情報を含むデータセットを保持するエンティティ(例えば、CSVファイル「.csv」、またはMATファイル「.mat」)を含むことができる。
3.基準{”scanner”=%TARGET_SCANNER%,”organization”=%TARGET_ORGANIZATION%}にマッチングするすべてのケースについてNM-101データベースをクエリする。ケースごとに、複数のSNボクセルマップを計算し、同時実行用に格納することができる。
4.ケースごとに...
a.ボクセルのいずれかにNAN値を有するいかなるボクセルマップも無視し、平均SNボクセルマップを計算し、それをバッチコンテナにアペンドする。
b.年齢及び性別をパラメータコンテナにアペンドする。
【0079】
コンバットアルゴリズムを実行して、新しいスキャナに新しい係数を生成する。Python及びMatlabのNeuroCombatアルゴリズムについては、https://github.com/Jfortin1/ComBatHarmonizationの功績である。
【0080】
係数をNM-101データベースに保存し、係数をターゲットスキャナにリンクさせる。
【0081】
係数が生成され格納されると、解析デバイス405(すなわち、ポータルサーバ402または処理サーバ403)は、係数を撮像データに適用して、ハーモナイズされたデータを生成することができる。
【0082】
いくつかの実施態様では、計算デバイス401またはポータルサーバ402は、システム400が事前に生成した係数を有する登録済みスキャナとして、インジケートされたスキャン機器を認識することができる。次に、ポータルサーバ402は、係数を取得し、同様にクラウドベースのフレームワークVPCに実装される処理サーバ403に信号を送信して、係数を適用することができる。
【0083】
一例として、SNボクセル単位解析を処理する前に、画像のキャプチャに使用された、認識されたスキャナに基づいてコンバット係数をSNボクセルマップに適用することができる。いくつかの例示的な実施態様では、システム400は、MRI画像内のInstitutionName DICOMタグ(0008、1010)及びStationName DICOMタグ(0008、0080)を使用して、撮像データセットに関連付けられているスキャン機関及び/またはスキャン機器を同定することができる。システム400は、同定された機関及び/またはスキャン機器に使用されるコンバット係数をNM-101データベースからクエリすることができる。妥当な係数を取得してSNボクセルに適用することができる。
【0084】
図5は、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用して、ハーモナイズされたデータセットを生成する方法を説明するフローチャートである。方法500は、構造及び/または機能において、上述の計算デバイス101、201、401及び/または解析デバイス105、305、405と同様である計算デバイスによって実装されることができる。
【0085】
方法500は、571では、第一の複数の画像を含む第一データセットを受信することを含み、第一データセットは磁気共鳴画像法(MRI)の第一ソースに関連付けられる。第一データセットは、バイオマーカー固有のMRIデータセット、例えば第一患者に関連付けられ、第一MRIスキャナを使用して取得されたNM-MRIデータセットであることができる。
【0086】
572では、方法は、第二の複数の画像を含む第二データセットを受信することを含み、第二データセットは磁気共鳴画像法の第二ソースに関連付けられる。第二データセットは、バイオマーカー固有のMRIデータセット、例えば、第二患者に関連付けられ、及び/または第二MRIスキャナを使用して取得されたNM-MRIデータセットであることができる。
【0087】
573では、方法500は、第一の複数の画像のうちの1つまたは複数に基づいて第一レベルのニューロメラニンを測定することを含み、第一レベルのニューロメラニンは第一ソースに関連付けられる。一例として、第一レベルのニューロメラニンは、第一の複数の画像に関連付けられたCNR値を含むことができる。
【0088】
574では、方法500は、第二の複数の画像のうちの1つ以上に基づいて第二レベルのニューロメラニンを測定することを含み、第二レベルのニューロメラニンは第二ソースに関連付けられる。第二レベルのニューロメラニンは、第二の複数の画像に関連付けられたCNR値を含むことができる。
【0089】
575では、方法500は、第一係数セットを第一レベルのニューロメラニンに適用することを含み、第一係数セットは、第一ソースに関連する効果を低減させることによって、第一レベルのニューロメラニンを調整して、第三レベルのニューロメラニンを生成するように構成される。第一係数セットは、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステムを使用して(例えば、上述のComBatアルゴリズムを実装することによって)生成されることができる。第三レベルのニューロメラニンは、本明細書に記載されるように生成された、第一の複数の画像に関連付けられたComBatでハーモナイズされた(CH)CNR値であることができる。
【0090】
576では、方法500は、第二係数セットを第二レベルのニューロメラニンに適用することを含み、第一、第二係数は、第一ソースに関連する効果を低減させることによって、第二レベルのニューロメラニンを調整して、第四レベルのニューロメラニンを生成するように構成される。第二係数セットは、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステムを使用して(例えば、上述のComBatアルゴリズムを実装することによって)生成されることができる。第四レベルのニューロメラニンは、本明細書に記載されるように生成された、第二の複数の画像に関連付けられたComBatでハーモナイズされた(CH)CNR値であることができる。
【0091】
577では、方法500は、第三レベルのニューロメラニン及び第四レベルのニューロメラニンを含むハーモナイズされた第三データセットを生成することを含む。
【0092】
図6は、一実施形態による、未登録のスキャナを取り込むために、データハーモナイゼーションシステムによって実装されることができる例示的なプロセス600を示すフローチャートである。図6のプロセスは、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステム内の任意の適切なデバイス(例えば、計算デバイス、解析デバイスなど)によって実装されることができる。ユーザ、例えば、管理者は、インタフェース(例えば、インタフェースマネージャ215によって実装される)を操作し、インタフェースを介してナビゲートし、同定された撮像データに関連付けられた社会組織及び/またはスキャナとして関連付けられた情報が利用可能であるかどうか(存在するかどうか)をチェックすることができる。その場合、管理者はオプションを選択し、社会組織及びスキャナのアイデンティティを撮像データにリンクさせる情報を入力し、その情報をデータハーモナイゼーションシステムに関連付けられたデータベースに保存することができる。スキャナ及び/または社会組織がシステム内の登録済みエントリとして既に存在する場合、撮像データをハーモナイズするためにエントリに関連付けられた所定の係数を使用することができるように、撮像データを既存のエントリにリンクさせることができる。スキャナ/社会組織の選択に基づいて、ユーザはアルゴリズムの実行を開始して係数を生成し、及び/または係数を適用し、同定された撮像データをハーモナイズするように促される場合がある。
【0093】
プロセス600は、601では、ユーザが管理者としてポータル(例えば、NM-101ポータル)にログインすることを含む。602では、プロセスは、ユーザが制御ツール、例えば「アドミンページ」と呼ばれる、管理者権限を有するユーザに提示されるページにナビゲートすることを含む。603では、プロセスは、同定された撮像データセットを取得するために使用されるスキャナに関連する社会組織がデータハーモナイゼーションシステムに既に登録されているかどうか、または存在しているかどうかを評価する決定点を含む。603での決定に応答した選択が「はい」である場合、プロセス600は、604では、同定された撮像データセットを取得するために使用されるスキャナが既にデータハーモナイゼーションシステムに登録されているかどうか、または存在しているかどうかを評価する決定点を含む。604での選択が「はい」である場合、プロセス600は、606では、社会組織及びスキャナに関連付けられた登録情報に基づいて、同定された撮像データセットにデータハーモナイゼーションアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を実行するかどうかをユーザにクエリする決定点を含む。606でのクエリに対する応答が「はい」を指示すると、605に進み、そこではプロセスには、ユーザがデータハーモナイゼーションアルゴリズムを実行するためのオプションを選択することが含まれる。代替に、603での決定に応答した選択が「いいえ」である場合、プロセスは、608では、ユーザまたは管理者が、例えばオプション形式で、新しい機関を社会組織としてシステムのデータベースに追加するための制御ツールを選択することを含む。同様に、604での決定に応答した選択が「いいえ」である場合、プロセスは、609(608からも到達可能)では、ユーザまたは管理者が、例えばオプション形式で、新しいスキャナをシステムのデータベースに追加するための制御ツールを選択することを含む。610では、ユーザは、スキャナの詳細を(例えば、撮像データがDICOMフォーマットである場合には、DICOMタグで報告されるスキャナの名前から)追加することができる。611では、プロセスは、ユーザがスキャナ及び/または社会組織に関する入力を保存することを含む。612では、このプロセスは、システムに関連付けられたデータベースに保存される入力をポータルサーバにサブミットすることを含む。613では、プロセスは、追加されたスキャナのブランドを示す決定点を含む。一例として、スキャナがSiemens製のものである場合、プロセスは614では、Siemens製のスキャナに関連付けられた所定の係数またはデフォルトの係数を用いてスキャナを保存することを含む。615では、プロセスは、スキャナがPhillipsのものであると決定すること、及びPhillips製のスキャナに関連付けられた所定の係数またはデフォルトの係数を用いてスキャナを保存することを含む。604では、プロセスは、スキャナがGEのものであると決定すること、及びGE製のスキャナに関連付けられた所定の係数またはデフォルトの係数を用いてスキャナを保存することを含む。611では、プロセスは、スキャナが同定された製造元のものではないと決定すること、及びデフォルトの係数を用いずにスキャナを保存することを含む。
【0094】
図7は、一実施形態による、データセットをハーモナイズするための係数の生成及び保存を開始して実装するために、データハーモナイゼーションシステムによって実装されることができる例示的なプロセス700を示すフローチャートである。図7のプロセスは、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステム内の任意の適切なデバイス(例えば、計算デバイス、解析デバイスなど)によって実装されることができる。破線ボックス内のプロセス700の部分701は、本明細書では、図1、2、3及び4のシステム100及び400を参照して説明されている、解析デバイス(例えば、105、305、405)と、ポータルを介して通信する計算デバイス(例えば、計算デバイス101、201、401)に実装されることができる。示されるように、ユーザは、撮像データセットに関連付けられた社会組織及びスキャナを選択し、ポータルを介してアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)を開始して、撮像データをハーモナイズするための係数を生成する、及び/または適用することができる。要求をポータル経由で受信することができ、システムはそのデータベースを、システムに既に登録されている既存で、かつマッチングする社会組織及びスキャナについて検索することができる。10件超のマッチングが存在する場合、システムは、同定された社会組織またはスキャナの参照として使用されることができるデフォルトのバッチをロードすることができる。デフォルトのバッチを使用して、アルゴリズムの実行に使用されることができるボクセルマップを生成することができる。係数を生成すると、データベースに格納することができる(すなわち、データベース内の同定された社会組織及び/またはスキャナに関連する情報を更新する)。ケースが10件を上回らない場合、システムはエラーを返すことが示される。場合によっては、システムは、所定の参照マップなどを採用するなどの他の操作を実行するように構成されることができる。
【0095】
プロセス700は、701では、ユーザがデータハーモナイゼーションアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)の実行要求を送信することによってデータハーモナイゼーションを開始することを含む。部分701は、701Aではユーザがポータル(例えば、NM-101ポータル)にログインし、701Bでは制御ページにナビゲートすることを含む。このプロセスは、701Cでは、ハーモナイズすべき同定された撮像データセットに関連する社会組織及びスキャナをユーザが選択し、701Dでは、データハーモナイゼーションアルゴリズム(例えば、ComBatアルゴリズム)の実行を開始することを含む。701Eでは、プロセスは、部分701を実装することができる要求(例えば、計算デバイス101、201、及び/または401などの計算デバイスからのもの)を送信することを含む。プロセス700は、702では、システムに関連付けられたデータベース内のすべてのケースのクエリをさらに含み、このクエリは、同定された撮像データに関連付けられて(701Eの要求で)示された社会組織と、システムに保存された社会組織との間のマッチングを見つけるように構成される。クエリは、702では、同定された撮像データに関連付けられて(701Eの要求で)示されたスキャナと、システムに保存されたスキャナとの間のマッチングを見つけるための、システムに関連付けられたデータベース内のすべてのケースの検索も含む。プロセス700は、703では、702でのクエリに応答してヒットとして見つかったケースの指定数または閾値数を上回るかどうかを評価する決定点を含む。閾値は任意の所望の数であることができる。図7の例では、703での評価は、マッチングとして見つかったケースが10件を上回るかどうかである。応答が「いいえ」である場合、プロセスは707ではエラーを返す。代替に、703での評価に対する応答が「はい」である場合(すなわち、702でのクエリに応答してマッチングとして見つかったケースが10件を上回る場合)、プロセスは、708では、同定されたケースのそれぞれについて、デフォルトのバッチ(例えば、そのケースの撮像データのデフォルトのバッチ)、及びそのケースに関連するパラメータデータ(例えば、その撮像データのバッチに同定されたスキャナ及び/または社会組織に関連付けられたデフォルトの画像取得パラメータ)をロードすることを含む。709では、プロセスは、ケースを処理すること(すなわち、パラメータデータに基づいて撮像データセットのデフォルトのバッチを処理すること)を含む。このプロセスは、710では、各実行がボクセルのセットを含む、すべての実行(撮像実行)を平均化して単一ボクセルマップにすることを含む。711では、プロセスは、単一ボクセルマップを撮像データのバッチにアペンドすること、及び同定された撮像データセットに関連付けられた1つまたは複数のパラメータをパラメータデータにアペンドすることを含む。712では、プロセスは、すべてのケースが処理されたかどうかを評価することを含む。そうでない場合、ステップ709~711は、本明細書で説明されるようにケースごとに実装される。712での評価に応答した選択が「はい」である場合、プロセスは、704では、同定された撮像データにデータハーモナイゼーションアルゴリズム(ComBatアルゴリズム)を実行し、同定された撮像データセットに関連付けられたスキャナ及び社会組織に関連付けられた係数を生成することを含む。705では、プロセスは係数を保存することを含み、706では、プロセスは、705で生成された情報及び係数を含むように、社会組織に関連付けられたデータベースの情報Iを更新することを含む。
【0096】
図8は、一実施形態による、データセットをハーモナイズするための係数を適用するために、データハーモナイゼーションシステムによって実装されることができる例示的なプロセス800を示すフローチャートである。図8のプロセス800は、本明細書で説明されるデータハーモナイゼーションシステム内の任意の適切なデバイス(例えば、計算デバイス、解析デバイスなど)によって実装されることができる。示されるように、システムは係数を生成し、または取得し(本明細書で説明されるように)、それら係数を撮像データ(例えば、複数の画像から導出されたSNボクセルマップ)に適用することができる。システムはボクセル単位解析を実行して、ハーモナイズされたデータセットを生成することができる。
【0097】
プロセス800は、801では、NM-MRIなどのバイオマーカー固有のMRI撮像データであることができるMRIデータ(例えば、MRI撮像データ)を処理するための要求を送信することを含む。撮像データは、例えば、対象から取得された脳のSNまたはVTA領域に関連付けられたボクセル値を含むことができる。要求は、図1、2、3及び4のシステム100及び400を参照して、かつ図6のプロセス600を参照して、本明細書に記載される解析デバイス(例えば、105、305、405)とポータルを介して通信する計算デバイス(例えば、計算デバイス101、201、401)から送信されることができる。802では、プロセス800は、データを処理するためのアルゴリズム(例えば、NM-101アルゴリズム)を実行することを含む。802でのデータの処理は、上述のプロセス600及び/または700を含むことができる。一例として、この処理により、撮像データに関連付けられたボクセルマップが得られる。803では、プロセス800は、生のボクセルマップをデータハーモナイゼーションシステムに関連付けられたデータベースに保存することを含む。例えば、ボクセルマップは、脳のSN領域に関連付けられた、及び/または本明細書に記載の関心対象のバイオマーカー(例えば、NM)のインジケーションを含む、SNボクセルマップであることができる。804では、プロセスは、同定された撮像データに関連付けられたスキャナ及び社会組織に関連付けられた係数についてデータベースにクエリすることを含む。805では、プロセスは、適切な係数がシステムのデータベースに存在するかどうかを評価することを含む。805での評価に対する応答が「はい」(例えば、適切な係数の陽性の同定及び取得)である場合、プロセスは、806では、データベースから取得した係数を同定された撮像データのSNボクセルマップに適用することを含む。プロセスは、807では、SNボクセル単位解析を実行してハーモナイズされたデータセットを生成することで、809では、同定された撮像データセットのハーモナイゼーションを完了することを含む。805での評価に対する応答が「いいえ」である場合、プロセスは808では、同定された撮像データセットを要求どおりにハーモナイズすることができないことを示すエラーを返すことを含む。
【0098】
調査例
A.多部位調査用のニューロメラニン感受性MRIのクロススキャナハーモナイゼーション
本明細書で説明されるシステム及び方法の実施態様の例は、3つの主なMRIベンダー(GE、Siemens、及びPhilips)からのNM-MRIデータの部位間で最適化されなかった取得パラメータによるハーモナイゼーションのために使用された。調査例は、この方法が生物学的に意味のあるばらつき(年齢によるNM-MRI信号の増加)を維持しながら、NM-MRIデータをハーモナイズすることに成功し、NM-MRI信号と年齢との間で予想される陽性関係の再現性及び統計的検出力の両方を改善したことを示す。
【0099】
データセット:NM-MRI及び解剖学的T1強調MRIデータは、Columbia University、The University of Amsterdam、及びStony Brook Universityでの調査から健常者の対象128名で収集された。Columbia Universityでは、3T GE MR750で対象51名(平均[SD]年齢:34.5[14.6]歳、女性22名及び男性29名)、及び3T GE Signa Premierで対象29名(平均[SD]年齢:29.0[7.4]歳、女性15名及び男性14名)を集めた。The University of Amsterdamでは、3T Philips Ingeniaで対象12名(平均[SD]年齢:23.9[4.1]歳、女性4名及び男性8名)、及び3T Philips Ingenia Elition(以降本明細書では、Philips Elitionと呼ばれる)で対象12名(平均[SD]年齢:24.3[2.1]歳、女性5名及び男性7名)を集めた。そしてStony Brook Universityでは、3T Siemens Prismaで対象24名(平均[SD]年齢:27.8[8.9]歳、女性12名及び男性12名)を集めた。対象の報告によれば、神経障害または精神障害の病歴を有する対象はいなかった。ハードウェア及び/またはソフトウェアの差異により、NM-MRIシーケンスパラメータはMRIスキャナごとに異なった。シーケンスパラメータの詳細な説明を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
ラベル:CU、Columbia University;UA、University of Amsterdam;SBU、Stony Brook University;RO、読み出し方向;FOV、撮像視野;PE、位相エンコード方向;SS、スライス選択方向;TE、エコー時間;TR、繰り返し時間;FA、フリップ角;NEX、加算回数;BE、帯域幅;MT、磁化移動パルス。
【0102】
データ処理:本明細書で説明されるデータ処理方法は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。NM-MRIデータは、優れた再検査信頼性を実現することが以前に示されている、統計的パラメトリックマッピング(SPM)及び高度な正規化ツール(ANT)を組み合わせたプロシージャパイプラインを使用して前処理された。プロシージャ例には次のステップが含まれる:(1)平均を個別に(オフラインなどで)取得した場合、「SPM-Realign」を使用して運動を補正するための再アライメント、及び「SPM-ImCalc」を使用した再アライメント画像の平均のステップ、(2)「antsBrainExtraction.sh」を使用したT1w画像の脳抽出のステップ、(3)「antsRegistrationSyN.sh」(剛体+アフィン+変形可能なsyn)を使用して、脳から抽出されたT1w画像のMNI152NLin2009cAsym空間への空間正規化のステップ、(4)「antsRegistrationSyN.sh」(剛体)を使用したNM-MRI画像のT1w画像へのコレジストレーションのステップ、(5)「antsApplyTransforms」を使用して、ステップ(3)及び(4)で推定された変換を組みわせるシングルステップ変換によって、MRIスキャンの標準MNIテンプレートに従って定義されたMNI空間へのNM-MRI画像の空間正規化のステップ、(6)「SPM-Smooth」を使用した1mmの半値全幅ガウスカーネルによって空間正規化されたNM-MRI画像の空間平滑化のステップ。
【0103】
ついで、MNIテンプレート空間内で前処理されたNM-MRI画像を使用して、NM-MRIコントラスト比(CNR)マップを推定した。各ボクセルでのNM-MRI CNRは、所与のボクセルでのNM-MRI信号強度(I)における、大脳脚(最小NMコンテンツを有することが知られている白質路の領域)での信号強度(ICC)からの信号差のパーセントとして次のように計算された。
【0104】
CNR={[I-モード(ICC)]/モード(ICC)}×100。式中、モード(ICC)はCCマスク内のすべてのボクセルのヒストグラムにカーネル平滑化関数を適合させて、参加者ごとに計算された。
【0105】
黒質-腹側被蓋野(SN-VTA)複合体マスク内の1,807ボクセルのCNR値は、ComBatハーモナイゼーションモデルを使用してハーモナイズされ、年齢及び性別に関連する生物学的ばらつきを維持しながら、非生物学的ばらつき(例えば、MRIスキャナにおける変動に関連するばらつき)を除去した。このプロシージャは、生のMRI信号の代わりに、アウトカム尺度(例えば、SN-VTA CNRまたは局所脳体積)のハーモナイゼーションと比較可能である。計算モデルは次のように記述されることができる。
【0106】
【数5】
【0107】
式中、yijvはMRIスキャナi、(i(i∈{1,...,5})、対象j(j∈{1,...,128})、及びSN-VTAボクセルv(v∈{1,...,1807})のCNR値であり、αはSN-VTAボクセルvの平均CNR値であり、Xは関心対象の共変量(年齢及び性別)の計画行列であり、βはSN-VTAボクセルvのXに対応する回帰係数のベクトルであり、γiv及びδivはそれぞれSN-VTAボクセルvに対するMRIスキャナiの加法性効果及び乗法性効果であり、εijvは平均0及び分散
【数6】

の正規分布に従うと想定される誤差項である。
【0108】
ComBatでハーモナイズされたCNR値は次のように定義される。
【0109】
【数7】
【0110】
式中、
【数8】
及び
【数9】
はそれぞれγiv及びδivの経験ベイズ推定量である。SN-VTA CNRのハーモナイゼーションは、https://github.com/Jfortin1/ComBatHarmonization/tree/master/Matlab.でホストされている一般に入手可能なMATLABパッケージを使用して実行された。
【0111】
ハーモナイゼーションを生のMRI信号(例えば、CNRを計算する前に個別にCC及びSN-VTA内のNM-MRI信号)にも実行したが、非生物学的ばらつきを除去できなかった(データは図示せず)。
【0112】
図9A及び図9B、ならびに図10A及び図10Bは、様々なスキャナを使用して取得された撮像データのハーモナイゼーションの結果を示す。具体的には、各スキャナ内の対象間の平均SN-VTA CNR分布を計算し、スキャナ間で比較した。図9Aに示すように、3つの異なるタイプの5つの異なるスキャナを使用した撮像から得られたSN-VTA CNR値の分布は、NM-MRIデータではスキャナ効果が(分布のシフト及びスケーリングの差異の形式で)明らかであることを示している。図10Aは、図9Aに示される分布におけるデータの広がりを、箱ひげ図の形式で示す。アスタリスク()は、MRIスキャナ全体のSN-VTA CNR分布の中央値の平均を比較するANOVAにp<0.05を示す。スキャナ、取得パラメータなどでの変動に関連するデータでのばらつきは、図10Aの箱ひげ図によって示される平均及び標準偏差の広がりによって見える。各箱ひげ図は、リストされた各スキャナ(左から右へ、GE MR750、GE Signa Premier、Siemens Prisma、Phillips Ingenia、及びPhillips Elition)に関連付けられている。図9Bは、データセットのハーモナイゼーション後の撮像から得られたSN-VTA CNR値の分布を示す。示されているように、スキャナ効果、例えば、スキャナ及び/または取得パラメータなどの間の差異によるばらつきは、すべての分布が比較できる平均、標準偏差、スケーリングなどを有する、ハーモナイゼーション後の分布の正規化された外観によって示されるように、データセットのハーモナイゼーションによって除去されることができる。図10Bは、図9Bに示される分布でのハーモナイズされたデータの広がりを、箱ひげ図の形式で示し、各箱ひげ図は、リストされた各スキャナ(左から右へ、GE MR750、GE Signa Premier、Siemens Prisma、Phillips Ingenia、及びPhillips Elition)に関連付けられている。「n.s.」という表記は、MRIスキャナ全体のSN-VTA CNR分布の中央値の平均を比較するANOVAにとってデータが有意でなかったことを示す。生のCNRでは、SN-VTAボクセルにわたる中央値はスキャナ間で有意に異なった(F4,123=72.45、p<10~30、一元配置ANOVA、図9A)。ハーモナイズされたCNRでは、スキャナからのデータについての値では、比較可能な平均、または値が互いにより近い平均によって示されるように、差異は明らかではなくなった(F4,123=0.13、p=0.969、一元配置ANOVA、図9B)。
【0113】
MRIスキャナのクラス分類:本明細書に記載の評価は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。MRIデータへのComBatの先の適用に続いて、NM-MRIハーモナイゼーション方法のパフォーマンスを評価した。評価は、SN-VTA CNRのパターンに基づいてサポートベクターマシン(SVM)を使用して、MRIスキャナ(GE MR750、GE Signa Premier、Philips Ingenia、Philips Elition、及びSiemens Prisma)をクラス分類することによって実行された。具体的には、SVMの入力特徴は、SN-VTAマスク内の1,807ボクセル単位のCNR値であった。平均クラス分類正解率は、生のCNRとComBatでハーモナイズされたCNRの個々に対して、他の多クラス分類器を上回るパフォーマンスの向上が先に示されている、1対1の誤り訂正出力符号線形SVM(MATLAB、内部3分割交差検証ループで最適化されたハイパーパラメータCを用いたfitcecoc)の5分割交差検証(1,000回の繰り返し)を使用して推定された。スキャナ間でサンプルサイズが不均衡であることを考慮して、誤分類コストが1対1分類器ごとのクラス頻度に反比例するように設定された。統計的有意性は、MRIスキャナのラベルをランダムに10,000回シャッフルした並べ替え検定を使用して決定された。
【0114】
図11は、一実施形態による、データハーモナイゼーションシステムを使用したデータのハーモナイゼーション前及び後のクラス分類の結果を示す。図11は、データのランダムな1,000分割にわたる5分割交差検証線形SVMを使用した、MRIスキャナのクラス分類の平均パフォーマンスに関する箱ひげ図を示す。ヌル分布は、各対象のMRIスキャナラベルを10,000回ランダムにシャッフルすることによって決定された経験的なチャンスレベルのパフォーマンス(2.5~97.5パーセンタイルを図示)を示す。アスタリスク()は、ランダムな1,000分割にわたる平均クラス分類正解率をヌル分布と比較する並べ替え検定にp<0.05を示す。すべての箱ひげ図について、最小値、25パーセンタイル、50パーセンタイル(中央値)、75パーセンタイル、及び最大値が示される。MRIスキャナのSVMクラス分類の結果は、スキャナ間の差異(図11の左側にプロットされた生の撮像データのヌル分布から離れて示される)と、ComBatを介してそれらを除去する能力(図11の右側にプロットされた、ハーモナイズされたCNRデータでのヌル分布から離れずに示される)を確認した。要約統計量に関する単変量解析と同様に(図9A、9B、10A、及び10Bを参照)、SN-VTAマスク内のすべてのボクセル単位の生のCNRを使用するSVM分類器に基づいたマルチボクセルパターン解析(MVPA)は、上記のMRIスキャナクラス分類のチャンス正解率で高い値を示した(平均±標準偏差検定正解率=86.5±1.8%、5分割交差検証;p=0.0001、並べ替え検定;図11)。ハーモナイズされたCNRでは、SVM分類器の正解率はチャンスを上回らなくなった(検定正解率=29.5±3.0%;p=0.8542、並べ替え検定;図11)。
【0115】
B.NM-MRIハーモナイゼーションは生物学的に意味のあるばらつきを維持する
NM-MRIデータのハーモナイゼーションが生物学的に意味のある変数における個々の間のばらつきを保ったかどうかを評価するために、使用されたSVRを用いて、NMが年齢とともに蓄積するため、ボクセル単位のSN-VTA CNRをすべて使用して、年齢を予測した。本明細書で説明される解析は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。
【0116】
年齢の多変量予測:提案されたNM-MRIハーモナイゼーション方法の生物学的に意味のあるばらつきを維持する能力を決定するために、線形イプシロン非感受性サポートベクター回帰(SVR)を使用して、SN-VTA CNRのボクセル単位のパターンから年齢を予測した。具体的には、SVRの入力特徴は、SN-VTAマスク内の1,807ボクセル単位のCNR値であった。実際の年齢と予測年齢との間の二乗平均平方根誤差(RMSE)及びピアソン相関係数(r)は、生のCNR及びComBatでハーモナイズされたCNRで別々に、10分割交差検証(1,000回の繰り返し)線形SVR(MATLAB、内部5分割交差検証ループで最適化されたハイパーパラメータCによるfitrlinear)を使用して推定された。統計的有意性は、サロゲート対象の年齢値をランダムに10,000回シャッフルした並べ替え検定を使用して決定された。年齢予測結果の再現性を決定するために、変動するサンプルサイズ(32、64、及び96)の対象のランダムな1,000サブセットを選択し、同じサンプルサイズを有するサブセットごとのSVRβ係数間のピアソン相関係数(r)を生のCNR及びComBatでハーモナイズされたCNRに対して別々に計算した。生のCNRでは観察された有意な部位効果により、SVRに入力する前に、部位が特徴ごとの回帰傾向から外れた。
【0117】
年齢効果の標準単変量ボクセル単位解析:
年齢効果の統計的検出力(年齢との有意な陽性関係)を決定するために、ロバスト線形回帰解析(MATLAB、「RobustOpts」、「on」を用いたfitlm)を介して標準ボクセル単位解析を実行し、次のようにSN-VTA内のすべてのボクセルvでCNRを予測した。
【0118】
【数10】
【0119】
式中、n=5は生のCNR(撹乱共変量として5台のMRIスキャナに対して性別及び4つのダミー変数)を表し、n=1はハーモナイズされたCNR(撹乱共変量として性別)を表す。多重比較を補正するために、我々は効果の空間広がりをボクセル数kとして定義し、これは年齢との有意な相関関係を示した(p<0.05の回帰係数βのt検定のボクセルレベルの高さ閾値、片側)。統計的有意性は、上記のとおり年齢値をランダムに10,000回シャッフルした並べ替え検定を使用して決定された。効果サイズ(k)のばらつきは、所与の対象の平均CNRが残りの対象内で有意な効果を有したボクセルから抽出された、一つ抜き(leave-one-out)プロシージャを使用して決定された。
【0120】
それらの結果、NM-MRI SN-VTA CNRのComBatハーモナイゼーションにより、年齢に関連する生物学的に意味のあるばらつきが維持されることが示された。生のCNRに基づいたSVRは、NMが年齢とともに蓄積し、このばらつきがハーモナイゼーションプロシージャによって維持されたため、チャンスを有意に上回る年齢を予測することができた。図12A及び12Bに示される結果は、2つのパフォーマンスメトリック:二乗平均平方根誤差(RMSE、図12A)及びピアソン相関係数(r、図12B)に関するデータのランダムな1000分割にわたり10分割交差検証線形SVRを使用した年齢予測の平均パフォーマンスを箱ひげ図で示す。ヌル分布は、各対象の年齢を10,000回ランダムにシャッフルすることによって決定された経験的なチャンスレベルのパフォーマンス(2.5~97.5パーセンタイルを図示)を示す。アスタリスク()は、ランダムな1,000分割にわたる平均年齢予測パフォーマンスをヌル分布と比較する並べ替え検定にp<0.05を示す。n.s:生のCNRとハーモナイズされたCNRとの間の平均年齢予測パフォーマンスを比較する並べ替え検定には有意ではない。すべての箱ひげ図について、最小値、25パーセンタイル、50パーセンタイル(中央値)、75パーセンタイル、及び最大値が示される。SVRに入力する前に生のCNRでの部位効果が特徴ごとの回帰傾向から外れたことに留意されたい。これらの結果は、生のCNRに基づいたSVRがチャンスを有意に上回る年齢を予測することができたことを示した(平均±標準偏差RMSE=125.91±3.83ヶ月、10分割検証;p=0.0002、図12A、及び並べ替え検定;r=0.51±0.04;p=0.0002、並べ替え検定、図12B)。またパフォーマンスは、ハーモナイズされたCNRに基づいてチャンスを有意に上回った(RMSE=118.35±3.99ヶ月、p=0.0002、並べ替え検定;図12A、及びr=0.56±0.05;p=0.0002、並べ替え検定;図12B)。これは、年齢に関連する生物学的ばらつきがハーモナイゼーション後のデータに残っていることを示唆する。重要なことに、生のCNRまたはハーモナイズされたCNRを使用した年齢予測には有意差はなかった(ΔRMSE=7.56±5.53;p=0.1551、並べ替え検定;Δr=-0.06±0.06;p=0.7304、並べ替え検定)。
【0121】
C.NM-MRIハーモナイゼーションは統計的検出力を向上させる
統計的検出力でのNM-MRIハーモナイゼーションの効果を決定した。具体的には、ハーモナイゼーションが根底にある年齢効果の検出を容易にするかどうかは、我々の以前の研究に続いて単変量ボクセル単位解析を使用して調べた。本明細書で説明される解析は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。
【0122】
図13Aは、すべての対象からの平均NM-MRI CNRマップ(NM-MRIテンプレート)上に重ねられたマゼンタ色のピクセルによって示された、生のNM-MRI CNRが年齢と陽性で相関されたSN-VTAボクセルのマップを示す(p<0.05で閾値設定、片側、ボクセルレベル)。1,807ボクセルのうち241ボクセルで年齢効果が示された。中央の画像は対象の脳の軸方向断面のマップを示し、上部の挿入図はその領域の冠状断面(左)及び矢状断面(右)を示す。図13Bは、NM-MRIテンプレート上に重ねられたオレンジ色のピクセルによって示された、ハーモナイズされたNM-MRI CNRが年齢と陽性で相関されたSN-VTAボクセルのマップを示す(p<0.05で閾値設定、片側、ボクセルレベル)。1,807ボクセルのうち324ボクセルで年齢効果が示された。図13Bの中央の画像も対象の脳の軸方向断面のマップを示し、上部の挿入図はその領域の冠状断面(左)及び矢状断面(右)を示す。生のCNRでは、SN-VTAボクセルにおけるトレンドレベルの年齢効果が観察された(p<0.05で1,807ボクセルのうち241ボクセル、性別及びMRIスキャナを制御するロバストな線形回帰、p補正済み=0.072、並べ替え検定;図13A)。ハーモナイズされたCNRでは、年齢効果の程度はチャンスレベルを有意に上回った(p<0.05で1,807ボクセルのうち324ボクセル、性別を制御するロバストな線形回帰、p補正済み=0.042、並べ替え検定;図13B)。一つ抜き解析(つまり、128分割)を実行して、年齢と年齢ボクセル(年齢効果を示すボクセル)での平均CNRとの間の不偏相関を決定した。ここでは、所与の対象での平均CNRを読み出すために使用された年齢ボクセルは、その対象を除いたサンプルで決定された。生のCNRの不偏相関は小さかったが有意であり(r=0.19、p=0.031、性別及びMRIスキャナを制御する部分ピアソン相関)、この効果は数値的に(統計的にではなく;z=0.50、p=0.62、z検定)ハーモナイズされたCNRで強くなった(r=0.25、p=0.005、性別を制御する部分ピアソン相関)。統計的検出力でのハーモナイゼーションの効果をさらに調査するために、我々は生のCNRとハーモナイズされたCNRとの間で、一つ抜き解析の分割ごとに年齢効果ボクセルの数を比較した。図14は、生のCNR及びハーモナイズされたCNRの一つ抜きの128分割のそれぞれにわたる年齢効果ボクセルの数に関するヒストグラムを示す。アスタリスク()は、生のCNR及びハーモナイズされたCNRからの年齢ボクセルの平均数を比較する並べ替え検定にp<0.05を示す。生のCNR(平均±標準偏差:239.9±16.4ボクセル)では、ハーモナイズされたCNR(323.9±12.5ボクセル)と比較して、年齢効果ボクセルが一貫して少なく、統計的に有意な差に達した(差=84.0±9.4ボクセル、p=0.002、並べ替え検定;図14)。これらの結果は、標準的な解析プロシージャを使用してハーモナイズされたCNRで有効な統計的検出力が増加することを示唆した。これらは、生のCNR及びハーモナイズされたCNR(後者には部位共変量が含まれていない)の回帰における自由度の低下が部分的な原因である可能性がある。
【0123】
D.NM-MRIハーモナイゼーションによる再現性の向上
年齢効果の再現性、つまり、様々な対象セットで同様の結果を観察する能力を、組み合わされたデータセットからの対象のサブサンプルを使用して調査した。本明細書で説明される解析は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。
【0124】
SVRでは、変数(例えば、年齢)が予測に与える効果は各ボクセルのβ係数にコードされ、関心効果はβ係数のマルチボクセル(空間)パターンである。年齢を予測するためのβ係数のパターンの信頼性を調査するために、対象128名がランダムにサブサンプリングされ、パターンの類似性は、所与のサブセットの対象からのSVR β係数と、同じサンプルサイズを有するその他すべてのランダムなサブセットの対象からのものとの間の空間相関を計算することによって決定された。サンプルサイズ(n=32、64、96、または128)とCNRタイプ(生またはハーモナイズされたもの)との間に有意な交互作用が見つかり、ハーモナイズされたCNRの再現性での有意な向上を示唆した(F3,7991992=9,288.75、p<<0.05、二元配置ANOVA;図15A)。図15Aは、データのランダムな10分割の1,000分割(n=128)または対象のランダムな1,000サブセット(n=32、64、及び96)から年齢を予測する10分割交差検証線形SVRのβ係数の平均(±SD)再現性を示す棒グラフを示す(左)。アスタリスク()は、異なるサンプルサイズの生のCNRとハーモナイズされたCNRとの間のβ係数の平均相関を比較する二元配置ANOVA、または生のCNRとハーモナイズされたCNRとの間のペアワイズ比較の並べ替え検定にp<0.05を示す。図15Bは、生のCNR及びハーモナイズされたCNRのLOOの128分割のそれぞれにわたる年齢効果ボクセルのオーバーラップを指示するヒストグラムを示す(右)。アスタリスク()は、生のCNR及びハーモナイズされたCNRのダイス係数の中央値を比較する並べ替え検定にp<0.05を示す。Bonferroni事後検定により、最小のサブサンプルを除くすべてのサンプルサイズのハーモナイズされたCNRの再現性が有意に向上したことが明らかになった。サンプルサイズは、32(生のCNR平均±標準偏差:r=0.34±0.11、ハーモナイズされたCNR:r=0.34±0.12;p=0.817、並べ替え検定;図15A、15B)、64(生のCNR:r=0.53±0.08、ハーモナイズされたCNR:r=0.55±0.07;p=0.042、並べ替え検定;図15A、15B)、96(生のCNR:r=0.73±0.05、ハーモナイズされたCNR:r=0.75±0.04;p=0.006、並べ替え検定;図15A、15B)、及び128(生のCNR:r=0.99± 0.01、ハーモナイズされたCNR:r=0.99±0.00;p=0.002、並べ替え検定;図15A、15B)であった。
【0125】
再現性でのハーモナイゼーションの効果の第二検定として、年齢ボクセルの再現性を単変量ボクセル単位解析から決定した。我々は、一つ抜き解析の分割ごとに年齢ボクセルの空間位置における重複を計算した(ダイス類似度係数(Dice、1945)を使用して測定した)。ハーモナイズされたCNR(0.973±0.022)と比較して、生のCNR(中央値±四分位範囲:0.956±0.046)の年齢ボクセルの重複が少なく、この差(差=-0.016±0.035、p=0.0002、並べ替え検定;図15A、15B)が統計的に有意であることがわかり、さらにハーモナイゼーション後の再現性の向上を実証したことがわかった。
【0126】
E.システム例を使用したComBat係数によるハーモナイゼーション
システムの実施形態(例えば、図1図3を参照して上述された計算デバイスを使用して実装されるNM-101または他のハーモナイゼーションアルゴリズム)は、製造ブランドに関係なくスキャナごとに新しい係数を計算するためにサポートされながら、GE、Siemens、及びPhilipsというブランドのスキャナにデフォルトのCombat係数を使用して、箱から外れて展開されるようになることができる。以下にいくつかのユースケース例を示す。
【0127】
新しい設備/スキャナの搭載:NM-101アルゴリズムはGE、Siemens、及びPhilipsのスキャナ用に計算されたデフォルトのコンバット係数を用いて展開されるようになることができる。GEスキャナ(51枚の画像)、Siemensスキャナ(24枚の画像)、及びPhilipsスキャナ(24枚の画像)からスキャンされたMRI画像に、NM-101アルゴリズムを用いて、画像ごとのSNのボクセルマップを計算した。これらのボクセルマップを、画像ごとに対応する年齢及び性別と共に使用して、GE、Siemens、及びPhilipsのスキャナにデフォルトのコンバット係数を計算する。
【0128】
新しい社会組織がNM-101アルゴリズムにサインアップするとき、管理者はNM-101ポータルを通じてその社会組織をシステムに取り込むことができる。管理者権限を使用して、システムに新しい社会組織を追加し、新しいスキャナ及びそれらの製造元のモデルを指定することができ、これらはデータベース内のデフォルトのコンバット係数にリンクされる。
【表2】
【0129】
コンバット係数の生成:NM-101ポータルの管理者ページから、管理者はシステムに登録されているあらゆるスキャナの新しいコンバット係数の生成を開始することができる。係数の計算はスキャナごとに別個に実行されることができ、完了してデータベースを更新するまでに最大1分かかる場合がある。NM-101ポータルでプロセスを開始すると、NM-101システムによって公開されるREST APIがトリガされ、Combatアルゴリズムが開始されることができると、以下を実行する。
1.デフォルトのコンバット係数を生成するために使用される51個の参照ボクセルマップを含むバッチコンテナを開始する。
2.デフォルトのコンバット係数を生成するために使用される51個の参照年齢及び性別を含むパラメータコンテナを開始する。参照年齢及び性別が参照ボクセルマップとアライメントすることに留意されたい。
3.基準{”scanner”=%TARGET_SCANNER%,”organization”=%TARGET_ORGANIZATION%}にマッチングするすべてのケースについてNM-101データベースをクエリする。ケースごとに、複数のSNボクセルマップを計算し、同時実行用に格納する。
4.ケースごとに...
5.ボクセルのいずれかにNAN値を有するいかなるボクセルマップも無視し、平均SNボクセルマップを計算し、それをバッチコンテナにアペンドする。
6.年齢及び性別をパラメータコンテナにアペンドする。
7.コンバットアルゴリズムを実行して、新しいスキャナに新しい係数を生成する。Python及びMatlabのNeuroCombatアルゴリズムについては、https://github.com/Jfortin1/ComBatHarmonizationの功績である。
8.係数をNM-101データベースに保存し、係数をターゲットスキャナにリンクさせる。
【0130】
係数の適用:NM-101アルゴリズムによってケースを処理する際、SNボクセル単位解析を処理する前に、画像のキャプチャに使用されたスキャナに基づいてコンバット係数をSNボクセルマップに適用することができる。そのケースのMRI画像にInstitutionName DICOMタグ(0008、1010)及びStationName DICOMタグ(0008、0080)を使用すると、システムはNM-101データベースからそのケースに使用されているコンバット係数をクエリすることができる。これらの係数をSNボクセルマップに適用して、そのスキャナからのバッチ効果を調整することができる。
【0131】
ハーモナイゼーションの前及び後にデータ解析を実行して、データハーモナイゼーションの効果を評価することができる。GE(51件のケース)、Philips(24件のケース)、及びSiemens(24件のケース)のスキャナからのケースデータをNM-101データベースに格納した。Combatアルゴリズムを開始し、このケースデータを使用してGE、Philips、及びSiemensのスキャナ用の係数を生成し、NM-101データベースに返して格納した。これらの係数は、それらの対応するスキャナ製造元ブランド(GE、Philips、Siemens)でキャプチャされたあらゆるスキャンにデフォルトの係数として処理される。
【0132】
図16Aは、評価されたGE、Siemens、及びPhilipsのケースについてのSN CNR%(SNでのCNR-NMボクセル)の密度プロットを示す。図16Bは、対応するスキャナ(図17AのSNでのCNR-NMボクセル)ごとにNM-101データベースから取得されたコンバット係数を使用してハーモナイズされた後、図16Aと同じケースからの同じデータに対する新しい密度プロットを示す。
【0133】
F.サンプルサイズ解析
個々のスキャナのコンバット係数の生成に対するサンプルサイズの影響を観察する調査を行った。本明細書で説明される解析は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。
【0134】
コンバット係数セットは、SiemensとPhillipsとの間のスキャナタイプごとに5件、10件、15件、20件、及び24件のケースのバッチを使用して生成された。次に、各係数セットをそれらの対応するスキャナのフルセットのケースに適用して、そのデータを参照GEデータセットに対してハーモナイズした。得られたSN CNR%密度マップをそれぞれ図17A及び17Bにプロットする。
【0135】
より大きいバッチセットを使用した場合のコンバット係数の改善をさらに実証するために、結果として得られるSN CNR%データセットを参照GE密度値との差としてプロットしている。バッチセットのサイズが増加するにつれて、図18A及び18Bに示されるように、差はゼロに近づいた。例えば、図18Aでは緑色の破線(ref=0)または図18Bでは青色の破線(ref=0)は、そのデータセットとGEとの間のデルタである。
【0136】
G.病院環境での展開に適した完全に自動化されたワークフローを実装するためにComBatアルゴリズムを使用して生成された係数の適用
ComBatを病院/診療所環境に適用する課題:上記に開示された実施形態は、単変量ボクセル単位解析及び多変量ボクセル単位解析など、様々なアルゴリズムによる解析用にデータベースを準備するために、データベース全体へのComBatアルゴリズムの一回限りの適用を説明する。以下の例は、病院/診療所環境へのコンバットアルゴリズムの適用の適応を含む実施形態を説明する。本明細書で説明される以下の例は、計算デバイスを使用して実装されることができ、その例は図1図3を参照して上記で説明されている。
【0137】
前述の適用では、データ収集の終了時にコンバットを治験データベースに一度適用し、CNR-NMボクセルからCH-CNR-NMボクセルを作成した。これが可能となるのは、データを収集した後、即時に修正せずに、治験の完結時(または事前に指定された中間点)にデータ全体を解析することができるためである。ただし、NMソフトウェアプログラムが数百または数千の異なる診療所間に展開される場合、NM-MRIデータが毎日絶え間なく殺到する可能性がある。大規模な治験で一般的であるように数ヶ月から数年待つのではなく、NMデータは、場合によってはスキャン後数時間程度で、医師に返され報告されることができる。この場合、毎回新しい患者のNM-MRIがソフトウェアによって処理されるたびにデータベース全体にコンバットを実行するのは現実的ではない可能性がある。
【0138】
病院環境におけるNM-MRIデータのハーモナイゼーション:NM-MRIデータは信号強度に基づいており、信号強度はスキャナのブランド及びモデル、ならびに各スキャンを収集するパラメータに大きく依存していることができる。これは、標準ファントムを使用することができない病院で、複数の装置間で自動化されたワークフローを使用し得る臨床医にとって問題となる可能性がある。診療所へのNM-MRIの適用を妨げる複数の課題が存在する可能性がある。ここでは3つの例を紹介する。
【0139】
第一の例では、患者のニューロメラニンの濃度及び体積を2つの別々の時点にわたり測定する必要がある場合がある。この例では、患者はパラメータの異なる2台の異なるMRI装置で2回のNM MRIスキャンを受ける。これら2回のスキャンには、NMの濃度及び体積か症状固有のボクセルか疾患固有のボクセルかいずれかの2回のスキャンの間に意味のある比較を行う能力を交絡させる、ばらつきをスキャナに誘発させる可能性がある。
【0140】
患者がMRI装置でNMスキャンを受け、そのNMスキャンを、別のMRI装置で測定された別の患者のNMスキャンと比較しなければならない第二の場合には、これら2回のスキャンは、NMの濃度及び体積か、症状固有のボクセルか、疾患固有のボクセルかいずれかの2回のスキャンの間に意味のある比較を行う能力を交絡させる、ばらつきをスキャナに誘発させる可能性がある。
【0141】
最後に、第三の例では、標準対照CNR-NMデータセットを生成して使用する必要がある。例えば、特定の母集団または年齢群の参照データセットである。このような参照データセットを生成するには、データベースを解析し、ニューロメラニンの濃度及び体積の標準対照レベル、または標準ボクセル単位パターンを生成する必要がある。ただし、データベースには、パラメータが最適化されていない異なるMRI装置で取得されたCNR-NM MRIデータが含まれる場合がある。
【0142】
ComBat生成係数の適用:開示された実施形態には、完全に自動化された臨床環境での展開に適した方法で、コンバット生成係数を使用して患者のNM MRIデータをハーモナイズするための2つの解決策が含まれる。これらのコンバット生成係数は、今後すべてのNM MRIデータで利用できるため、さらなるNM MRIデータでコンバットを実行する必要がない。
【0143】
第一解決策の実施態様の例では、各MRIスキャナに、標準参照MRIスキャナとアライメントをとる固有の調整因子を割り当てる。この調整因子は、そのスキャナでいくつかのMRIスキャンを取得することによって生成される。これらのスキャンをデータベースに格納し、そのデータベースに格納されている処理されたCNR-NMデータと、参照スキャナデータベースからのCNR-NMデータとに対してコンバットアルゴリズムを実行する。この結果、個々のMRIスキャナのそれぞれに一意である、MRIスキャナ固有の調整因子(スキャナ固有因子と呼ばれる)が得られる。次に、スキャナ固有因子をスキャナ因子のデータベースに格納する。完全に自動化されたソフトウェアを使用するために新しいMRIスキャナを取り込むためのスキャナ固有因子を生成するこのプロセスは、スキャナ固有のハーモナイゼーションと呼ばれ、図6図8に詳述されている。
【0144】
スキャナ固有のハーモナイゼーション期間の完了後、そのスキャナで新しいMRIを取得するたびに、スキャナ固有因子を新しいCNR-NMデータに適用してハーモナイズしてから、それを医師に報告すること、またはそれを使用してボクセル単位解析方法(図8)などの統計検定を実行することができる。この場合、スキャナ固有のハーモナイゼーション期間後のいかなる新しいMRIスキャンにもコンバットを実行しない。
【0145】
第二解決策の実施態様の例では、スキャナ固有係数が存在しない装置でNM-MRIデータを取得することができても、スキャナをハーモナイズして新しいスキャナ固有係数を生成するためにいくつかのテストケースを実行することができない場合がある。これらのような状況では、ソフトウェアはベンダー固有係数と呼ばれる別の係数を使用することができる。
【0146】
ベンダー固有係数は、各ベンダーのMRI装置でいくつかのスキャンを取得することによって生成されることができる。この場合、スキャンは、固有ベンダー群内の異なるMRI装置モデル(例えば、Philips製の異なるMRIモデル)で取得される可能性がある。コンバットは、1社の固有ベンダーのみのMRI装置から取得したCNR-NMボクセルのデータベース上で実行されることができ、得られたデータを参照MRIベンダーデータベース(この場合にはGEデータベース)からのCNR-NMボクセルと比較することができる。この比較から得られた出力を使用して、ベンダー固有係数と呼ばれるベンダー固有調整因子を生成することができる。
【0147】
スキャナ固有係数がない場合、スキャナ固有のハーモナイゼーションをまだ受けていない同じベンダーのMRI装置からの新しいスキャンのいずれかにベンダー固有係数を適用することができる。この場合、コンバットは新しいスキャナからのスキャンのいずれにも適用されず、係数がコンバットの実装の代わりになる。これにより、コンバットをこれら固有のボクセルに対して直接実行することを必要とせずに、係数を使用することのみに基づいて、CNR-NMボクセルをハーモナイズしてCH-CNR-NMボクセルを生成することが可能になる。ベンダー固有調整因子の利点の1つは、スキャナ固有調整因子が存在しなくても、CNR-NMボクセルをCH-CNR-NMにハーモナイズすることができることである。実施態様の例では、正確なスキャナ固有またはベンダー固有の調整因子を生成するために使用されることができる最適な回数のMRIスキャンを決定するために、5、10、及び24回のCNR-NMスキャンからコンバット係数を生成した。これについては、図16図18、及び図16図18に関連する説明に詳述されている。
【0148】
利点:コンバット係数によりCH-CNR-NMボクセルが得られるため、次の利点も適用される。
【0149】
異なるMRI装置またはパラメータの異なる同じMRI装置から測定されたボクセルを含むCH-CNR-NMボクセルのデータベースのボクセル単位解析の結果、本来であればハーモナイゼーションを受けていない同じデータベース内のCNRボクセルでのボクセル単位解析を使用して達成されるよりも、ボクセルベースのパターンを検出する検出力が向上することができる。一例では、ボクセル単位解析方法をCH-CNRボクセルのデータベースに適用した結果、ボクセル単位解析をCHRボクセルのみに適用するよりも、固有の診断(疾患固有のボクセル)か固有の症状(症状固有のボクセル)かいずれかに有意に関連付けられるボクセルを検出するための統計的検出力が高まる。
【0150】
異なるMRI装置またはパラメータの異なる同じMRI装置から測定されたボクセルを含むCH-CNR-NMボクセルのデータベースのボクセル単位解析の結果、本来であればハーモナイゼーションを受けていない同じデータベース内のCNRボクセルでのボクセル単位解析を使用して達成されるよりも、ニューロメラニンの濃度及び体積での差異を検出するための検出力が向上することができる。
【0151】
異なるMRI装置またはパラメータの異なる同じMRI装置から測定されたボクセルを含むCH-CNR-NMボクセルのデータベースのボクセル単位解析の結果、本来であればハーモナイゼーションを受けていない同じデータベース内のCNR-NMボクセルでのボクセル単位解析を使用して達成されるよりも、ボクセルベースのパターンを検出するための再現性が改善することができる。一例では、ボクセル単位解析方法をCH-CNR-NMボクセルのデータベースに適用した結果、ボクセル単位解析をCHR-NMボクセルのみに適用するよりも、固有の診断(疾患固有のボクセル)か固有の症状(症状固有のボクセル)かいずれかに有意に関連付けられるボクセルを検出するための統計的検出力が高まる。
【0152】
異なるMRI装置またはパラメータの異なる同じMRI装置から測定されたボクセルを含むCH-CNR-NMボクセルのデータベースのボクセル単位解析の結果、本来であればハーモナイゼーションを受けていない同じデータベース内のCNRボクセルでのボクセル単位解析を使用して達成されるよりも、ニューロメラニンの濃度及び体積での差異を検出するための再現性が改善することができる。
【0153】
異なるMRI装置またはパラメータの異なる同じMRI装置で測定されたボクセルを含むCH-CNR-NMボクセルのデータベースの多変量ボクセル単位解析の結果、本来であればハーモナイゼーションを受けていない同じデータベース内のCNRボクセルでのボクセル単位解析を使用して達成されるよりも、多変量予測を実行するための能力が向上することができる。この例では、年齢は…(図X)。
【0154】
上記に列挙されたすべての実施態様では、ボクセル単位解析は単変量または多変量であることができる。
【0155】
開示される実施形態には、ハードウェア及びソフトウェアの差異などの因子による非生物学的ばらつきを除去するために、部位及びスキャナ間でNM-MRIデータをハーモナイズするための方法が含まれる。非生物学的ばらつきを効果的に除去することに加えて、ハーモナイゼーション方法は、再現性及び統計的検出力の両方を高めながら、生物学的に関連するばらつき(例えば、年齢効果)を維持する。開示されたシステム及び方法は、NM-MRIデータをハーモナイズするための最初のアプローチを表し、大規模な多部位調査を可能にし、強化するための重要なステップである。
【0156】
ComBatアルゴリズムの実装により、取得プロトコルを完全にハーモナイズしなかった複数の部位にわたるスキャナに関連する系統的バイアスを減らすことに成功した。両方とも同じ研究所(Columbia University)にある2台のGEスキャナ(MR750及びSigna Premier)間のSN-VTA CNR値に有意差を観察したが、MR750データを3mmのスライス厚で取得したのに対し、Signa Premierデータを1.5mmのスライス厚で取得した。これらのデータをハーモナイズするComBatの能力は、「バッチ」効果が非生物学的ばらつきのソースをすべて包含することができ、ソフトウェア及びハードウェアの制限により不可能な場合がある完全にマッチングした取得プロトコルの必要性を軽減することができることを示唆した。
【0157】
NM-MRIデータから非生物学的な分散を除去することに加えて、生物学的に意味のあるばらつきを維持することも重要であることができる。バイオマーカー開発に焦点を当てた多部位調査を促進するためのハーモナイゼーション方法の成功には、関連する生物学的ばらつきの維持が含まれることができる。パーキンソン病、統合失調症、またはその他の任意の精神神経症状の診断のためのNM-MRIバイオマーカーの場合、これは通常、診断の効果であることができる。他のバイオマーカーは、代わりに、治療反応または他の臨床的に関連するアウトカムの予測に焦点を当てる可能性がある。開示された実施形態及び例は、ComBatが健康な個人間の年齢に関連するばらつきを保つことを示すことによって、生物学的に意味のあるばらつきを維持することができるという概念実証を示す。開示された調査は、発明者の知る限り、NM-MRIデータに対するMVPAの初めての適用を表している。SVM方法を使用して、生のCNR及びSVRのSN-VTA CNRからMRIスキャナをクラス分類することに成功し、生のCNR及びハーモナイズされたCNRの両方でSN-VTA CNRから年齢を予測することに成功した。
【0158】
結論として、本明細書では、ComBatを使用してNM-MRIデータをハーモナイズするためのシステム、デバイス、及び方法を開示することにより、生物学的に関連するばらつきを維持しながら、非生物学的ばらつきを効果的に低減させ、再現性及び統計的検出力の改善をもたらす。ComBatのハーモナイゼーションは、多部位調査に推奨されているように、データ収集前に様々なスキャナ間の取得パラメータをハーモナイズする場合でも、調査に利益をもたらす可能性が高い。ただし重要なことに、現在のデータは、少なくともそれらが事前に同定されている限り、ハーモナイゼーションが有害である可能性、または調査中の生物学的効果を曖昧にする可能性が低いことを示唆する。このアプローチは、NM-MRIベースのバイオマーカーを開発する大規模な多部位調査への道を開くことができる。
【0159】
様々な実施形態が特定の特徴及び/またはコンポーネントの組み合わせを有するものとして説明されているが、上述の実施形態のいずれかからのあらゆる特徴及び/またはコンポーネントの組み合わせを有する他の実施形態も可能である。
【0160】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、様々なコンピュータ実装操作を実行するための命令またはコンピュータコードを有する非一時的なコンピュータ可読媒体(非一時的なプロセッサ可読媒体とも呼ばれることができる)を備えたコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝播信号(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体及びコンピュータコード(コードとも呼ばれることができる)は、特異的な1つまたは複数の目的のために設計され構築されたものであってもよい。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、例えばハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気ストレージ媒体と、例えばコンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)及びホログラフィックデバイスなどの光学ストレージ媒体と、例えば光ディスクなどの光磁気ストレージ媒体と、搬送波信号処理モジュールと、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス及びランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどのプログラムコードを格納して実行するのに専用に構成されるハードウェアデバイスとを含むが、これらに限定されない。本明細書に記載される他の実施形態は、例えば、本明細書に記載される命令及び/またはコンピュータコードを含むことができる、コンピュータプログラム製品に関する。
【0161】
本開示では、明示的に別段の記載がない限り、または文脈から明らかでない限り、単数形の物品への言及は複数形の物品を含むことを理解されたく、その逆も同様である。文法的な接続詞は、別段の記載がない限り、または文脈から明らかでない限り、接続された節、文、単語などのあらゆるすべての選言的及び接続的組み合わせを表現することを意図したものである。したがって、用語「または」は、一般に、「及び/または」などを意味することを理解されたい。本明細書中提示されるありとあらゆる例、または例示の言葉(「例えば」、「など」、「を含む」など)の使用は、実施形態をより理解しやすくすることを意図するに過ぎず、実施形態の範囲または特許請求の範囲に制限をかけることはない。
【0162】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態及び/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって実行されることができる。ハードウェアモジュールには、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/または特定用途向け集積回路(ASIC)が含まれ得る。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(商標)、Ruby、Visual Basic(商標)、及び/またはその他のオブジェクト指向、手続き型、またはその他のプログラミング言語及び開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語 (コンピュータコードなど)で表現されることができる。コンピュータコードの例は、例えば、コンパイラによって生成されるなどのマイクロコードまたはマイクロ命令、マシン命令と、ウェブサービスを生成するために使用されるコードと、インタプリタを使用してコンパイラによって実行されるより高レベルの命令を有するファイルとを含むが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、Fortranなど)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlangなど)、論理プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java、C++など)または他の適切なプログラミング言語及び/または開発ツールを使用して実装されてもよい。コンピュータコードの追加の例は、制御信号、暗号化コード及び圧縮コードを含むが、これらに限定されない。
【0163】
また、様々な概念を1つ以上の方法として具現化することができ、その一例が提供されている。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序付けされることができる。したがって、例示的な実施形態では連続的な行為として示されているが、行為が図示されるものとは異なる順序で実行される実施形態を構築することができ、これにはいくつかの行為を同時に実行することが含まれる場合がある。
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【国際調査報告】