(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】所定の固定用量を送達するための薬剤送達装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20240228BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240228BHJP
A61M 5/20 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
A61M5/315 550Z
A61M5/20 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550075
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2022053632
(87)【国際公開番号】W WO2022175245
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596113096
【氏名又は名称】ノボ・ノルデイスク・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クヴォルスビェア, ボ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラドセン, ニコライ ミケル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF06
4C066LL30
(57)【要約】
複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置(100、300)であって、針シールド(110、310)は、針シールド(110、310)が針シールド(220、420)の近位位置に到達し得る前に、針シールドの動作が、起動針組立品(220、420)を起動針組立品(220、420)の近位位置に駆動するように適合され、それによって、駆動機構が起動され得る前に流体接続が確立し得るように、ハブ駆動構造(210、430)、起動針組立品(220、420)、引張構造(230、320)、および支持構造(136、336、338、350)に動作可能に結合されている、薬剤送達装置(100、300)。
【選択図】
図15F2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置(100、300)であって、前記薬剤送達装置が、
-ハウジング(140、130、106、165、340、350、330)と、
-前記複数の用量の前記医薬および穿刺可能な隔壁を含む、薬剤貯蔵部(290、490)と、
-複数の針組立品であって、各針組立品(220、420)が、針ハブ(225、425)に固定された針カニューレ(224、424)を含む、複数の針組立品と、
-シールド(110、310)に軸方向に係止された針ドラム(210、410)であって、前記ドラム(210、410)が、複数の軸方向軌道を含み、各軸方向軌道(212、414)が、前記複数の針組立品の針組立品(220、420)を移動可能に受容するように適合されている、針ドラム(210、410)と、
-針シールド(110、310)であって、前記針シールド(110、310)が、前記複数の針組立品を覆うように適合されている初期遠位位置と、前記針シールド(110、310)が、前記複数の針組立品の起動針組立品(220、420)が前記針シールド(110、310)の遠位端から延在することを可能にするように適合されている近位位置との間で移動可能に配設された、針シールド(110、310)と、
-前記複数の用量を順次送達するために適合された駆動機構(109、108、180、380)と、
-前記複数の用量のうちの1つの用量を送達するように前記駆動機構を起動するための起動機構(110、240、170、310、360、369、370)であって、前記起動機構が、前記針シールド(110、310)を含み、前記針シールド(110、310)が、前記針シールド(110、310)が前記近位位置にあるときに、前記駆動機構の起動を可能にするように適合されている、起動機構(110、240、170、310、360、369、370)と、を備え、
前記針ドラム(210、410)が、前記複数の針組立品のうちの前記針組立品(220、420)のうちの1つを、前記貯蔵部(290、490)と軸方向に位置合わせして起動位置に位置付けるように動作可能に配設され、前記貯蔵部(290、490)と位置合わせして配設された前記針組立品(220、420)が、前記起動針組立品(220、420)であり、
前記起動針組立品(220、420)が、前記針カニューレ(224、424)が前記隔壁を穿刺しない、前記ハウジングに対する遠位位置、および前記針カニューレ(224、424)が前記隔壁を穿刺し、かつ前記貯蔵部(290、490)と流体連通している、前記ハウジングに対する近位位置に配設され得、
前記針シールド(110、310)が、前記針シールド(110、310)の第1の移動を画定する、前記初期遠位位置から前記近位位置に、かつ前記針シールド(110、310)の第2の移動を画定する前記近位位置から前記初期遠位位置に動作されるように適合されており、
前記薬剤送達装置が、前記針シールドの前記第1の移動に応答して、前記起動針組立品を前記近位位置に駆動するために、前記ハウジングに対して移動可能に配設されたハブ駆動部分(312.2、434.1)を含むハブ駆動構造(210、430)をさらに備え、
前記薬剤送達装置が、前記針シールド(110、310)に軸方向に係止された引張構造(230、320)をさらに備え、前記引張構造が、前記針シールドの前記第2の移動に応答して、前記起動針組立品と係合し、前記起動針組立品を前記遠位位置に引っ張るためのハブ係合部分(234.2、322)を備え、
前記ハウジングが、前記起動針組立品が前記近位位置に配設されるときに、前記起動針組立品(220、420)の前記ハブ(225、425)を支持するように適合された支持構造(136、336、338、350)をさらに備え、前記支持構造が、前記針シールドの前記第1の移動に応答して、前記起動針組立品(220、420)の軸方向移動を阻止し、かつ前記針シールドの前記第2の移動に応答して、前記起動針組立品(220、420)の遠位移動を可能にするようにさらに適合されており、
前記針シールド(110、310)が、前記針シールド(110、310)が前記針シールド(220、420)の前記近位位置に到達し得る前に、前記針シールドの前記動作が、前記起動針組立品(220、420)を前記起動針組立品(220、420)の前記近位位置に駆動するように適合され、それによって、前記駆動機構が起動され得る前に流体接続が確立し得るように、前記ハブ駆動構造(210、430)、前記起動針組立品(220、420)、前記引張構造(230、320)、および前記支持構造(136、336、338、350)に動作可能に結合されている、薬剤送達装置(100、300)。
【請求項2】
前記起動針組立品(220、420)が、前記起動針組立品(220、420)の前記ハブ(225、425)が、それぞれ、前記ハブ駆動部分(312.2、434.1)と係合される、およびそれから係合解除される、係合状態および係合解除状態を含む、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項3】
前記起動針組立品(220、420)が、前記シールドの移動に応答して、前記係合状態で前記近位方向に駆動されるようにさらに適合されている、請求項2に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項4】
前記起動針組立品が、前記起動針組立品(220、420)の前記ハブ(225、425)が、それぞれ、前記引張構造(230、320)の前記ハブ係合部分(234.2、322)から結合解除される、およびそれに結合される、結合解除状態および結合状態を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項5】
前記起動針組立品(220、420)が、軸方向の間隙が前記結合解除状態で作成および排除され得るように、かつ、前記針シールドの軸方向移動に応答して、前記ハブが前記結合状態で遠位に引っ張られ得るように、前記引張構造(230、320)の前記ハブ係合部分(234.2、322)から結合解除するか、またはそれと結合するようにさらに適合されている、請求項4に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項6】
前記起動針組立品(220、420)が、前記近位位置に配設されたとき、前記起動針組立品(220、420)の前記ハブ(225、425)が、前記針シールドの軸方向移動に応答して、それぞれ、前記支持構造(136、336、338、350)によって阻止解除される、および阻止される、阻止状態および阻止解除状態を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項7】
前記起動針組立品(220、420)が、前記近位位置に配設されたとき、前記起動針組立品(220、420)の前記ハブ(225、425)の近位または遠位移動が、前記針シールド(110、310)の軸方向移動に応答して、前記阻止状態で、前記支持構造(136、336、338、350)によって阻止されるように、かつ前記近位位置において、前記起動針組立品(220、420)の前記針ハブ(225、425)が、前記遠位方向に阻止解除され、前記針シールドの遠位移動に応答して、前記阻止解除状態で移動することができるように、前記支持構造(136、336、338、350)と係合および係合解除するようにさらに適合されている、請求項6に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項8】
前記針シールドと前記ハブ駆動構造(210、430)、前記起動針組立品(220、420)、前記引張構造(230、320)、および前記支持構造(136、336、338、350)との間の動作結合が、
-前記針シールド(110、310)の前記第1の移動中の前記針シールド(110、310)の移動が、前記ハブ駆動部分(312.2、434.1)を介して前記起動針組立品(220、420)の近位移動を駆動し得、それによって、前記起動針組立品(220、420)が、前記近位位置に駆動され得、それによって、前記引張構造に対する相対的な軸方向位置を変化させずに、前記係合状態から前記係合解除かつ阻止状態に変化するように、かつ
-前記針シールドの前記第1の移動の残りの近位移動が、前記起動針組立品の前記針ハブ(225、425)と、前記引張構造(230、320)の前記ハブ係合部分(234.2、322)との間に軸方向の間隙を作成し得、それによって、前記駆動機構が、起動され得、それによって、前記針シールドの前記動作が、前記駆動機構の起動前に流体接続を提供するように適合されるように、さらに適合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項9】
前記針シールドと前記ハブ駆動構造(210、430)、前記起動針組立品(220、420)、前記引張構造(230、320)、および前記支持構造(136、336、338、350)との間の前記動作結合が、
-前記駆動機構の起動後に前記針シールド(310、420)の前記第2の移動の初期遠位移動が、前記引張構造(230、320)を引っ張り得、それによって、前記起動針組立品(220、420)の前記針ハブ(225、425)と前記引張構造(230、320)の前記ハブ係合部分(234.2、322)との間の軸方向距離が、係合まで減少し得、それによって、前記起動針組立品(220、420)を前記結合解除かつ阻止状態から、前記結合かつ阻止解除状態に変化させるように、かつ
-前記針シールドの前記第2の移動の残りの遠位移動が、前記起動針組立品を前記遠位位置に引っ張り得、それによって、前記針組立品が、起動後に前記薬剤貯蔵部から接続解除され得るように、さらに適合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項10】
前記針カニューレ(224、424)が、前記隔壁を貫通するための鋭利な先端を有する近位端と、対象者の皮膚を貫通するための鋭利な先端を有する遠位端と、を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項11】
前記起動針組立品(220、420)以外の他の針組立品が、待機針組立品であり、前記待機針組立品のうちの1つは、用量が送達された後、前記針ドラム(210、410)によって前記起動位置に移動され得、それによって、次の用量のための前記起動針とすることができる、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項13】
前記待機針組立品(220、420)が、前記貯蔵部(290、490)との軸方向の位置合わせから外れた待機位置に位置付けられる、請求項11に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項14】
前記針ハブ(225、425)が、前記引張構造(230、320)によって係合されて引っ張られるように適合された被引張部分(226.3、428)をさらに備え、前記引張構造が前記ハブに軸方向に結合されるためには、前記ハブ係合部分(234.2、322)が前記被引張部分(226.3、428)と軸方向に整列されていることを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【請求項15】
前記ドラム(210、410)が回転し、それによって、前記複数の針組立品の位置を変化させるように適合されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬剤送達装置(100、300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置に関する。本発明は、駆動機構を起動するための起動機構と、複数の針組立品と、を備える、そのような薬剤送達装置にさらに関し、複数の針組立品のうちの針組立品のうちの1つが、非接続位置と接続位置との間に移動可能に配設された起動針組立品である。本発明は、駆動機構が起動され得る近位位置に針シールドが到達し得る前に、針シールドの動作が起動針組立品を近位接続位置に駆動するように適合されるように、ハブ駆動構造、起動針組立品、引張構造、および支持構造に動作可能に結合され、それによって、駆動機構が起動され得る前に、流体接続が確立し得る、そのような装置にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
異なる液体製剤の自己投与のための薬剤送達装置は、現在、様々な形状およびサイズで存在する。輸液セットに接続するように適合されたものもあれば、注射針に接続するか、または注射針と一体化されるものもある。後者のタイプは、注射装置と呼ばれる。いくつかは、薬剤貯蔵部を有するカートリッジを備える耐久性のある装置であり、カートリッジが交換され得る。他方、カートリッジが空であるときに廃棄される使い捨て装置もある。使い捨て装置は、ユーザが各注射の前に望ましい用量サイズを設定し得る複数回投与式装置、または所与のサイズの単回投与のみを行うことができる単回投与式装置のいずれかであり得る。後者は、いわゆる「シールドアクティベーション」で存在し、カニューレは、押されたときに用量を放出する装置の正面のシールドによって覆われる。次いで、カニューレは、ユーザが装置を皮膚に押し付けて、それによって、シールドを押し下げて、用量を放出するときに、皮膚に入るようにのみ露出される。これらの注射装置は、単回注射後に廃棄される。
【0003】
固定用量装置は、毎回正しい用量を調節する装置に抵抗を感じるか、またはそれを操作することができない場合があるため、一部のユーザに好ましい。例えば、装置が小児または高齢者によって使用されるとき、過大または過少投与につながるユーザエラーを回避するために、単純さおよび使い易さが重要である。他の事例では、治療レジメンは、例えば、GLP-1タイプの薬剤の固定用量を処方する。
【0004】
しかしながら、装置自体は、使用される材料の量、およびしたがって廃棄する必要性は言うまでもなく、ユニットの費用の相当部分を占める。それゆえに、固定ボリュームの複数用量を送達することができる固定用量装置を作製することが望ましいであろう。
【0005】
既存の複数回投与式装置では、モータは、用量を調節するときに巻き上げられるばねから構成される。1つの解決策は、最大用量サイズが制限され、そのため、固定用量サイズまでダイヤルアップすることのみが可能である、通常の複数回投与式装置を作製することである。しかしながら、これは、ユーザが十分にダイヤルアップせず、したがって、予想されるよりも少ない用量を得るリスクをもたらす。この問題は、Novo Nordiskによって出願されたWO2020/089167で解決および説明されており、全用量が設定されるまで、ラチェットチューブがハウジングに係止されている。
【0006】
別の固定用量装置は、Sanofi-Aventisによって出願されたWO2019/091879に開示されている。本開示は、長手方向に変位可能な用量トラッカを有する注射装置に関し、事前選択された用量サイズに従って自動用量設定を提供する。
【0007】
代替的な固定用量装置は、Copernicusによって出願されたWO2018/007259に開示されている。本開示は、画定された数の等用量の流体物質を送達するための注射装置に関する。開示された注射装置は、ハウジングの長手方向軸に沿って配設された、安全解除機構および薬剤送達機構を有するハウジング1を備える。
【0008】
2020年12月9日にNovo Nordiskによって出願された国際特許出願第2021/122192号は、一体化された再使用可能な針を有する、予め引っ張られた複数回使用固定用量装置を説明している。
【0009】
Novo Nordiskによって2021年2月16日に出願された国際特許出願第2021/165250号は、所定の複数の固定用量を排出するための注射装置を説明する。用量は、針シールドを近位方向に移動させることで、予め引っ張られたねじりばねを解放して、一度に所定の用量のうちの1つを吐出することによって排出される。注射装置には、一度に1つずつ注射位置に移動するいくつかの一体化された針組立品がさらに提供される。針組立品を動作させる針交換機構は、係止位置と係止解除位置との間で回転可能である針シールドの回転によって制御される。したがって、ユーザは、針シールドがその拡張された第1の位置にあると、針シールドの回転によって注射装置を係止および係止解除することができる。
【0010】
US2008/0312604(Boesen)は、複数の針を有するシリンダを含む医薬送達ペンを開示する。ペンは、医薬の用量の送達を起動するための起動入力をさらに備える。起動入力128は、機械的または電気機械的であってもよい。起動入力は、ダブルアクションプランジャに動作可能に接続され得る起動ボタン128として例示される。起動ボタン128が初めて押されたとき、カートリッジは、針に結合するためにカートリッジ接続をシリンダ内の第1の段階に移動させる。次いで、起動ボタンが再び押し下げられて、エンドキャップから外れた針に結合されたカートリッジ接続を有するカートリッジを注射のために第2の段階に移動させ得る。次いで、第3のクリックが、針を第2の段階に引き込み、それをカートリッジ接続182から取り外し、第1の段階を通してカートリッジ接続を中立位置に移動させ、カートリッジ接続が、隣接するシリンダ孔で清浄な針と整列するように、シリンダ180を回転させる。
【0011】
US2002/0020646(Grothら)、WO2009/016161(Novo Nordisk)、US2019/0167913(Srinivasanら)は、全て、薬剤送達ペンに取り付けるための取り付け可能な針マガジンを説明している。マガジンは、複数の針組立品を保持し、針が接続され、別個の作動ボタンが、用量を送達するために操作され得る。いずれの出願も、駆動機構の起動が用量の排出を可能にするためにシールドが後退される前に、カートリッジまたは薬剤貯蔵部と針との間の適切な流体接続をどのように確保するかを開示していない。
【0012】
針を通して薬剤を排出するために、針が起動前に貯蔵部と流体連通していることが必要である。
【0013】
したがって、本開示の目的は、シールド起動駆動機構と、接続可能な針の挿入シーケンスおよび駆動機構の起動を制御する制御機構と、を有する、薬剤送達装置を提供することである。
【0014】
上記に関して、本発明の目的は、固定用量の医薬を送達するための、ユーザフレンドリ、安全、かつ堅牢な薬剤送達装置を提供することである。
【発明の概要】
【0015】
本発明の開示では、上記の目的のうちの1つ以上に対処する、または下記の開示だけでなく例示的な実施形態の説明からも明らかな目的に対処する、実施形態および態様が説明される。
【0016】
本開示の第1の態様では、複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置が提供されており、薬剤送達装置は、
-ハウジングと、
-複数の用量の医薬および穿刺可能な隔壁を含む、薬剤貯蔵部と、
-複数の針組立品であって、各針組立品が、針ハブに固定された針カニューレを含む、複数の針組立品と、
-シールドに軸方向に係止された針ドラムであって、ドラムが、複数の軸方向軌道を含み、各軸方向軌道が、複数の針組立品の針組立品を移動可能に受容するように適合されている、針ドラムと、
-針シールドであって、針シールドが複数の針組立品を覆うように適合されている初期遠位位置と、複数の針組立品の起動針組立品が針シールドの遠位端から延在することを可能にするように針シールドが適合されている近位位置との間で移動可能に配設された、針シールドと、
-複数の用量を順次送達するために適合された駆動機構と、
-複数の用量のうちの1つの用量を送達するように駆動機構を起動するための起動機構であって、起動機構が、針シールドを含み、針シールドは、針シールドが近位位置にあるときに、駆動機構の起動を可能にするように適合されている、起動機構と、を備え、
針ドラムが、複数の針組立品のうちの針組立品のうちの1つを、貯蔵部と軸方向に位置合わせして起動位置に位置付けるように動作可能に配設され、貯蔵部と位置合わせして配設された針組立品が、起動針組立品であり、
起動針組立品が、針カニューレが隔壁を穿刺しない、ハウジングに対する遠位位置、および針カニューレが隔壁を穿刺し、かつ貯蔵部と流体連通している、ハウジングに対する近位位置に配設され得、
針シールドが、針シールドの第1の移動を画定する、初期遠位位置から近位位置に、かつ起動後の針シールドの第2の移動を画定する、近位位置から初期遠位位置に動作されるように適合されており、
薬剤送達装置が、針シールドの第1の移動に応答して、起動針組立品を近位位置に駆動するために、ハウジングに対して移動可能に配設されたハブ駆動部分を含むハブ駆動構造をさらに備え、
薬剤送達装置が、針シールドに軸方向に係止された引張構造をさらに備え、引張構造が、針シールドの第2の移動に応答して、起動針組立品と係合し、それを遠位位置に引っ張るためのハブ係合部分を備え、
ハウジングは、起動針組立品が近位位置に配設されるときに、起動針組立品のハブを支持するように適合された支持構造をさらに備え、支持構造が、針シールドの第1の移動に応答して、起動針組立品の軸方向移動を阻止し、かつ針シールドの第2の移動に応答して、起動針組立品の遠位移動を可能にするようにさらに適合されており、
針シールドは、針シールドが針シールドの近位位置に到達し得る前に、針シールドの動作が、起動針組立品を起動針組立品の近位位置に駆動するように適合され、それによって、駆動機構が起動され得る前に流体接続が確立し得るように、ハブ駆動構造、起動針組立品、引張構造、および支持構造に動作可能に結合されている、薬剤送達装置。
【0017】
流体接続の確立および起動の承認の両方が針シールドによって制御されるため、駆動機構が起動され得る前に装置の正常な動作が貯蔵部との流体連通を提供することになることが確保される。
【0018】
さらなる態様では、起動針組立品は、起動針組立品のハブが、それぞれ、ハブ駆動部分と係合される、およびそれから係合解除される、係合状態および係合解除状態を含む。
【0019】
さらなる態様では、起動針組立品が、シールドの移動に応答して、係合状態で近位方向に駆動されるようにさらに適合されている。
【0020】
さらなる態様では、起動針組立品は、起動針組立品のハブが、それぞれ、引張構造のハブ係合部分から結合解除される、およびそれに結合される、結合解除状態および結合状態を含む。
【0021】
さらなる態様では、起動針組立品は、針シールドの軸方向移動に応答して、軸方向の間隙が結合解除状態で作成および排除され得るように、かつハブが結合状態で遠位に引っ張られ得るように、引張構造のハブ係合部分から結合解除するか、またはそれと結合するようにさらに適合されている。
【0022】
さらなる態様では、起動針組立品が、近位位置に配設されたとき、起動針組立品のハブが、針シールドの軸方向移動に応答して、それぞれ、支持構造によって阻止解除される、および阻止される、阻止状態および阻止解除状態を含む。
【0023】
さらなる態様では、起動針組立品は、近位位置に配設されたとき、起動針組立品のハブの近位または遠位移動が、針シールドの軸方向移動に応答して、阻止状態で、支持構造によって阻止されるように、かつ近位位置において、起動針組立品の針ハブが、針シールドの遠位移動に応答して、阻止解除状態で、遠位方向に阻止解除され、移動することができるように、支持構造と係合および係合解除するようにさらに適合されている。
【0024】
さらなる態様では、針シールドとハブ駆動構造、起動針組立品、引張構造、および支持構造との間の動作結合は、
-針シールドの第1の移動中の針シールドの移動が、ハブ駆動部分を介して起動針組立品の近位移動を駆動し得、それによって、起動針組立品が、近位位置に駆動され得、それによって、引張構造に対する相対的な軸方向位置を変化させずに、係合状態から、係合解除かつ阻止状態に変化するように、かつ
-針シールドの第1の移動の残りの近位移動が、起動針組立品の針ハブと、引張構造のハブ係合部分との間に軸方向の間隙を作成し得、それによって、駆動機構が、起動され得、それによって、針シールドの動作が、駆動機構の起動前に流体接続を提供するように適合されるように、さらに適合されている。
【0025】
さらなる態様では、針シールドとハブ駆動構造、起動針組立品、引張構造、および支持構造との間の動作結合は、
-駆動機構の起動後に針シールドの第2の移動の初期遠位移動が、引張構造を引っ張り得、それによって、起動針組立品の針ハブと引張構造のハブ係合部分との間の軸方向距離が、係合まで減少し得、それによって、起動針組立品を結合解除かつ阻止状態から、結合かつ阻止解除状態に変化させるように、かつ
-針シールドの第2の移動の残りの遠位移動が、起動針組立品を遠位位置に引っ張り得、それによって、針組立品が、起動後に薬剤貯蔵部から接続解除され得るように、さらに適合されている。
【0026】
さらなる態様では、針カニューレが、隔壁を貫通するための鋭利な先端を有する近位端と、対象者の皮膚を貫通するための鋭利な先端を有する遠位端と、を備える。
【0027】
さらなる態様では、起動針組立品以外の他の針組立品が、待機針組立品であり、待機針組立品のうちの1つは、用量が送達された後、針ドラムによって起動位置に移動され得、それによって、次の用量のための起動針とすることができる。
【0028】
さらなる態様では、待機針組立品は、貯蔵部との軸方向の位置合わせから外れた待機位置に位置付けられている。
【0029】
さらなる態様では、針ハブは、引張構造によって係合および引っ張られるように適合された被引張部分をさらに備え、引張構造がハブに軸方向に結合されるためには、ハブ係合部分が被引張部分と軸方向に整列されていることを含む。
【0030】
さらなる態様では、ドラムが回転し、それによって、複数の針組立品の位置を変化させるように適合されている。
【0031】
さらなる態様では、複数の針組立品は、複数の用量に対応し、用量の各々は、固定用量である。
【0032】
さらなる態様では、針シールドを近位位置に移動させることに応答して、起動機構が駆動機構を起動する。
【0033】
さらなるまたは代替的な態様では、シールドが、非円形断面を有する管状であり、それによって、ハウジング内に回転不能に配設され得る。
【0034】
さらなる態様では、針シールドの第1の移動は、針シールドを初期遠位位置から近位位置に非回転的に移動させることを含み、それによって、起動針組立品が近位位置に駆動される。
【0035】
さらなる態様では、針シールドの第2の移動は、針シールドを近位位置から初期遠位位置に非回転的に移動させることを含み、それによって、起動針組立品が遠位位置に引っ張られる。
【0036】
さらなるまたは代替的な態様では、針シールドの初期遠位位置が、第1の角度位置を伴う第1の遠位位置および第2の角度位置を伴う第2の遠位位置に配設されている針シールドを含み、近位位置に配設されている針シールドが、第2の角度位置に配設されている針シールドを含む。
【0037】
さらなる態様では、針シールドの第1の移動は、針シールドを第1の遠位位置から第2の遠位位置に回転的に移動させることを含み、それによって、起動針組立品が近位位置に駆動される。
【0038】
さらなる態様では、針シールドの第1の移動は、針シールドを第2の遠位位置から近位位置に非回転的に移動させることをさらに含む。
【0039】
さらなる態様では、針シールドの第2の移動は、針シールドを近位位置から初期遠位位置に非回転的に移動させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下において、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
【
図1A】
図1Aは、装置がキャップされる、本開示による薬剤送達装置の第1の実施形態を斜視図で例示する。
【
図1B】
図1Bは、キャップなし状態の
図1Aの薬剤送達装置を例示し、第1および第2の中心軸X1、X2の位置をさらに例示する。
【
図2】
図2は、第1の実施形態による薬剤送達装置の分解組立図を例示する。
【
図3A-3B】
図3Aおよび
図3Bは、キャップなし状態の注射装置の軸方向断面を例示し、
図3Aでは、シールドが遠位位置にあり、
図3Bでは、シールドが近位位置にあり、それによって、駆動機構が起動される。
【
図4A-4B】
図4Aおよび
図4Bは、異なる角度からの第1の実施形態の針シールド110を詳細な斜視図で例示する。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の駆動管180およびコネクタ170を詳細な斜視図で例示する。
【
図6A-6B】
図6Aおよび
図6Bは、第1の実施形態のハウジング内に配設された駆動管180およびコネクタ170を詳細な斜視図で例示する。ハウジングの外側管状部分が取り除かれて、ハウジング内に形成された駆動管ガイドおよびコネクタガイドが明らかになっている。
【
図7A-7B】
図7Aおよび
図7Bは、異なる角度からの第1の実施形態のコネクタ170を詳細な斜視図で例示する。
【
図8A-8D】
図8A~
図8Cは、異なる角度からの第1の実施形態の針ハブ125を詳細な斜視図で例示するが、それに対して、
図2からの4つの針組立品のうちの3つが、
図8Dに見られる。
【
図9A-9C】
図9Aおよび
図9Bは、異なる角度からの第1の実施形態の針ドラム210を詳細な斜視図で例示するが、それに対して、
図9Cは、内部構造を明らかにするために針ドラムを切り開いて例示している。
【
図10A-10C】
図10Aおよび
図10Bは、異なる角度からの第1の実施形態のスイッチャ230を詳細な斜視図で例示するが、
図10Cは、内部構造を明らかにするためにスイッチャを切り開いて例示している。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の遠位針プラグを有する針インサート211を詳細な斜視図で例示する。
【
図12】
図12は、第1の実施形態のキャップ105を詳細な斜視図で例示する。外壁の一部分が取り除かれて、内部構造を例示している。
【
図14A-14I】
図14A~
図14Iは、投与サイクル中に装置によって占有される一連の状態における、本開示の第1の実施形態による薬剤送達装置の軸方向断面を集合的に例示する。
図14A~
図14Iは、二重投与防止機構の機能を集合的に例示する。図は、装置の前方部分のみを例示し、いくつかの外側構造は、内部構造を示すように取り除かれ得る。
【
図15A1-15P2】
図15A1~
図15P2は、一連の状態における本開示の第1の実施形態による装置の操作を集合的に例示する。いくつかの状態は、側面および/または1つ以上の断面からの斜視図によって表される。例えば、
図15C1は、側面からの1つの構成の斜視図を例示し、
図15C2は、平面を通して切り取られた断面を例示し、
図15C3は、
図15C1と同じ構成であるが、別の平面を通る軸方向断面を示す。図は、装置の前方部分のみを例示し、いくつかの外側構造は、内部構造が示されるように取り除かれ得る。
【
図16A-16B】
図16Aは、本開示の第2の実施形態による薬剤送達装置の分解組立図を例示し、
図16Bは、第2の実施形態に対する針組立品420を例示する。
【
図17A-17B】
図17Aおよび
図17Bは、それぞれ、キャップ付きおよびキャップなし状態の第2の実施形態による注射装置の軸方向断面を例示する。
図17Aでは、シールドが遠位位置にあり、
図17Bでは、シールドが近位位置にあり、それによって、駆動機構が起動されている。
【
図18A-18B】
図18Aおよび
図18Bは、異なる角度からの第2の実施形態の針シールド310を詳細な斜視図で例示する。
【
図19A-19B】
図19Aおよび
図19Bは、異なる角度からの第2の実施形態の針イニシエータ430を詳細な斜視図で例示する。
【
図20A-20B】
図20Aおよび
図20Bは、異なる角度からの第2の実施形態のハウジング組立品の管状ハウジング構造340を詳細な斜視図で例示する。
【
図21A-21B】
図21Aおよび
図21Bは、異なる角度からの第2の実施形態のハウジング組立品の管状前方基部350を詳細な斜視図で例示する。
図21Bでは、前方基部が切り開かれている。
【
図22A-22B】
図22Aおよび
図22Bは、異なる角度からの第2の実施形態のハウジング組立品の二重管状カートリッジホルダ330を詳細な斜視図で例示する。ズームZ1は、カートリッジホルダの遠位端上のズームインを例示する。管状構造のうちの一方は、カートリッジを受容するように適合されており、他方は、起動機構を受容するように適合されている。
【
図23】
図23は、本開示の第2の実施形態の管状コネクタ370を詳細な斜視図で例示する。
【
図24】
図24は、本開示の第2の実施形態の駆動管380を詳細な斜視図で例示する。
【
図26】
図26は、本開示の第2の実施形態のトリガ構造360を詳細な斜視図で例示する。
【
図27】
図27は、本開示の第2の実施形態の針ドラム410を詳細な斜視図で例示する。
【
図28】
図28は、本開示の第2の実施形態の針ハブ425を詳細な斜視図で例示する。
【
図29A-29B】
図29Aおよび
図29Bは、本開示の第2の実施形態の針ハンドラ320を詳細な斜視図で例示する。ズーム窓Z2は、針ハンドラの近位端の詳細を例示する。ズーム窓Z2に例示された特徴は、
図22Aのズーム窓Z1に例示された特徴と協働するように適合されている。
【
図30A1-30O】
図30A1~
図30Oは、一連の状態における本開示の第2の実施形態による装置の操作を集合的に例示する。いくつかの状態は、側面からの斜視図、および軸方向断面または横方向断面によって表される。いくつかの状態はまた、特徴が取り除かれている角度付き斜視図で表される。例えば、
図30F1は、軸方向断面を例示し、T11およびT12に示される横方向断面の平面を示す。
図30F2は、ハウジングの一部および針イニシエータ430の外層が取り除かれている側面からの斜視図を例示する。
図30F3は、ガイド434を明確に例示するために、ハウジングの一部および針イニシエータ430の外層が取り除かれている側面からの斜視図を例示する。図は、装置の前方部分のみを例示し、いくつかの外側構造は、内部構造を示すように取り除かれ得る。
【0042】
図では、同様の構造は、主として、同様の参照番号によって識別される。参照番号に続く文字「a」は、構造の遠位端を示すために使用され、番号に続く「b」は、近位端を示すために使用される。第1の番号に続いて「.」および第2の番号を含む参照番号は、構造の機能的または構造的詳細を示すために使用される。このようにして、第1の数字は、主(比較的大きい)構造を示し、第2の数字は、副(比較的小さい)構造または特定の機能を示している。参照番号に続く文字c、d、およびeは、回転対称性または回転シフトを有する特徴を示している。1つの図でcで示される特徴は、それが明示的に記載されない限り、別の図で必ずしもcで示されるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下で「上」および「下」、「右」および「左」、「水平」および「垂直」などの用語、または同様の相対表現が使用されるとき、これらは、添付の図に言及するだけであり、必ずしも実際の使用状況ではない。示される図は、概略図であり、そのため、その相対寸法だけでなく、異なる構造の構成も、例示的な目的でのみ機能することが意図される。部材という用語が所与の構成要素に対して使用される場合、1つ以上の機能を有する単一構成要素または構成要素の一部分を定義するために使用することができる。
【0044】
以下の詳細な説明では、本開示の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本開示はこれらの特定の詳細を用いずに実践されてもよいことが、当業者には明らかであろう。他の事例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることがないように、周知の方法、手順、および構成要素は詳細には説明されていない。
【0045】
また当然のことながら、第1、第2などの用語が本明細書では様々な要素を記述するために使用される場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「場合」という用語は、文脈に応じて、「ときに」または「際に」または「決定に応じて」または「検出に応じて」を意味すると解釈され得る。同様に、「決定される場合」または「〔記載の状態または事象〕が検出される場合」という語句は、文脈に応じて、「決定する際に」、または「決定に応じて」、または「〔記載の状態または事象〕を検出する際に」、または「〔記載の状態または事象〕の検出に応じて」を意味すると解釈され得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、遠位端および近位端という用語は、それぞれ、本体への取り付け点から離れて、または最も近くに位置付けられた端を説明するために使用される解剖学的構造からの用語と類似している。したがって、注射装置の遠位端は、ユーザが装置を注射準備完了位置に保持する文脈で画定され、それによって、注射針を有する端が、遠位端になり、反対側の端が近位端になる。さらに、装置の個々の構成要素の遠位端および近位端もまた、その文脈で画定される。
【0048】
本明細書で使用される場合、回転対称性は、回転の後に、同じに見えるか、または同じ機能を保有するときの構造の特性である。構造の回転対称性の程度は、各等角回転に対して同じに見える、別個の配向の数である。n次の回転対称性は、nが2以上であり、特定の点(2D)または軸(3D)に対して、n重回転対称性、または第n次の離散回転対称性とも呼ばれ、これは、360°/nの角度による回転が物体を変化させないことを意味する。構造の特性は、視認可能な外観および構造的特徴の機能的能力の両方に関連し得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、時計回り方向という用語は、正面から視認されたときに時計の針が回転する方向を説明するために使用される。それゆえに、注射装置の時計回りの回転は、遠位端の正面から装置を視認するときに、観察される時計回りの回転である。反時計回り(counterclockwise)または反時計回り(anticlockwise)の回転は、反対方向として画定される。
【0050】
本明細書で使用される場合、装置の近位に配向された面は、装置が近位端の近位位置から遠位方向に中心軸に沿って視認されるときに現れる装置の面として画定され、遠位に配向された面は、装置が遠位端の遠位の位置から近位方向に中心軸に沿って視認されるときに現れる面として画定される。
【0051】
遠位または近位表面という用語は、より小さい構造の表面を説明するために使用される傾向があり、説明される表面は、連続的かつ平滑であり、すなわち、鋭利なエッジがなく、表面上の全ての座標が、遠位方向または近位方向にそれぞれ法線ベクトルを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、正の軸方向は、近位端から遠位端に向かって画定される。正の軸方向および遠位方向は、同じ意味で互換的に使用される。同様に、負の軸方向および近位方向の定義は、同じ意味で互換的に使用される。また、長手方向および軸方向が互換的に使用される。
【0053】
注射装置の第1の中心軸は、注射装置内に配設されたカートリッジまたはカートリッジホルダの中心を通る正の軸方向に画定される。注射装置の第2の中心軸は、注射装置内に配設された回転ドラムの中心を通る正の軸方向に画定される。
【0054】
本明細書で使用される場合、正の半径方向は、第1または第2の中心軸からの半径方向軸に沿って、中心軸に対して垂直な方向で画定される。
【0055】
正の周方向または正の角度方向は、第1または第2の中心軸から半径方向の距離に位置付けられた点に対して画定され、周方向は、反時計回りであり、軸方向および半径方向に対して垂直である。
【0056】
本開示で使用される方向は、正および負の両方であり得る。例えば、軸方向という用語は、近位端から遠位端に向かう正の軸方向と、反対方向にある負の軸方向と、を包含する。
【0057】
半径方向および周方向の両方は、軸方向に対して横方向または垂直であるため、本明細書では横方向と呼ばれる。横方向平面は、本明細書では、所与の軸方向座標に対して、かつ第1および第2の中心軸を法線ベクトルとして、半径方向および周方向の2つのベクトルにまたがる平面として画定される。
【0058】
本明細書で使用される場合、構造の軸方向移動は、移動を説明するために使用され、構造の変位ベクトルは、軸方向に成分を有する。並進移動は、軸方向のみにおける均一の動きを説明するために使用される。純粋な、厳密な、または均一な軸方向移動は、並進移動と同じであり、これらの用語は、互換的に使用される。
【0059】
構造の半径方向移動は、移動を説明するために使用され、構造の変位ベクトルは、半径方向に成分を有する。純粋な、厳密な半径方向移動は、半径方向のみにおける均一の動きを説明するために使用される。したがって、純粋な、厳密な、および均一な半径方向移動は、同じであり、これらの用語は、互換的に使用される。
【0060】
構造の周方向移動または回転移動は、移動を説明するために使用され、構造の変位ベクトルは、周方向に成分を有する。純粋な、厳密な周方向移動は、周方向のみにおける均一の動きを説明するために使用される。したがって、純粋な、厳密な、および均一な周方向移動は、純粋な、厳密な、および均一な回転移動と同じであり、これらの用語は、互換的に使用される。構造に対する回転移動の定義はまた、構造が回転の軸を画定する中心軸を含む、特殊な場合を包含する。この特殊な場合では、中心軸から外れた構造の全ての位置は、円周方向移動を受けるが、中心軸上の位置の変位ベクトルは、ゼロである。それゆえに、それ自体の中心軸の周りを回転する構造は、回転移動を実施すると言われる。
【0061】
構造の螺旋移動は、組み合わせられた軸方向および回転移動を説明するために使用され、構造の変位ベクトルは、周方向および軸方向成分を含む。構造に対する螺旋移動の定義はまた、構造が回転の軸を画定する中心軸を含む、特殊な場合を包含する。この特殊な場合では、中心軸から外れた構造の全ての位置は、螺旋移動を受けるが、中心軸上の位置の変位ベクトルは、軸方向成分のみを含む。それゆえに、それ自体の中心軸の周りを回転し、軸方向に移動する構造は、螺旋移動を実施すると言われる。
【0062】
この文脈では、純粋な、厳密な、および均一な移動は、抽象的な数学的定義であり、これらの用語は、構造体の理想的または抽象的な移動を説明するために使用される。それゆえに、実際の装置内の構造は、この理想的な挙動を呈するように期待されるべきではなく、むしろ、そのような構造は、そのような理想的な移動に近似するパターンで移動することが期待されるべきである。
【0063】
本明細書で使用される場合、右ねじまたは螺旋状の部分は、ねじ山付きのねじが反時計回りに回されるとき、その螺旋が正の軸方向に移動する、ねじまたは螺旋部分である。右ねじのねじは、通常、既定のねじであり、右手によって通常実施される反時計回りの回転によって正の方向にねじ込まれる。同様に、左ねじを有するねじは、時計回りの回転によって正の方向にねじ込まれ、したがって、左手で実施され、右ねじを操作する右手の動きを鏡映し得る。
【0064】
本明細書で使用される場合、円形セクタは、中心角度によって画定される円の角度部分を切り取ることによって得られるくさびである。180度の中心角度を有するセクタは、塗りつぶされた半円に対応することになる。同様に、円筒形セクタは、中心角度によって画定される円筒の角度部分を切り取ることによって得られるくさびであり、円筒形管状セクタは、円筒形管の角度部分である。
【0065】
整列または位置合わせという用語は、「一列にする」という意味で使用される。軸方向位置合わせは、「軸方向に延在して一列にする」という意味で使用される。不整列、誤整列、または位置合わせされていないとは、考慮される構造が一列ではないという意味で使用され、それらが軸方向に不整列である場合、それらは軸方向と平行な線を形成しない。構造が、本開示において、軸方向に整列した位置と軸方向に不整列の位置との間で変化するとき、構造のうちの1つが半径方向オフセット(横方向オフセット)されており、それによって、軸方向の配向が残るが、構造は、機能的に接触することができず、それらが軸方向に沿って一緒になる場合、すなわち、第2の構造と軸方向に整列した第1の構造が、軸方向移動に応答して軸方向の力を伝達することができる場合、これは、構造が軸方向に不整列である場合、不可能である。構造が半径方向オフセットの前に平行であった場合、それらはまた、半径方向オフセットの後にも平行である。本出願の針および貯蔵部は、それらが軸方向に延在する枠組みで説明される。したがって、針が貯蔵部と軸方向に整列しているとき、線は、軸方向延長部に対して平行に、かつ貯蔵部および針の両方を通って引かれ得る。2つの軸方向に延在する構造が軸方向に整列している場合、構造を通って、かつ軸方向延長部に平行な仮想的に引かれた線は、必ずしも構造の中心を通って引かれるわけではない。したがって、2つの構造が軸方向に整列し、かつ軸方向に力を伝達するために適合されるとき、力の伝達は、構造の周辺部分の間であり得る。
【0066】
本開示は、複数の固定用量を送達するための薬剤送達装置に関する。薬剤送達装置は、起動に応答して用量の各々を送達するための駆動機構を備える。用量が患者に安全に注射されるために、複数の注射針が、各用量に対して1つ、設置される。針は、シールドによって隠されている針マガジン組立品内に組み立てられる。したがって、針の取り扱いは、患者に隠される。薬剤送達装置について、針の取り扱いは、注射部位に対してシールドを押すことによって、注射装置を準備し、駆動機構を起動させる自動的な結果である。複数の針の注射針のうちの1つは、起動針位置に配設され、駆動機構の起動時に注射のために使用され得る。他の針は、待機針位置に配設される。針が起動針位置から移動されたとき、それは、待機針位置のうちの1つに移動される。
【0067】
使用の間には、装置の前方端は、取り外し可能なキャップによって保護される。装置は、以下の手順でユーザによって操作される。
1.キャップを取り外すか、または取ることによって、注射装置を準備する
2.シールドを取り扱う(近位に回転するか、または押す)ことによって、後方針をカートリッジ内に挿入する
3.シールドを取り扱う(近位に押す)ことによって、前方針を注射部位内に挿入する
4.シールド(近位に押す)または近位に配設された起動プッシュボタン(遠位に押す)を取り扱うことによって、駆動機構を起動して用量を送達する
5.シールド(戻しばねによって遠位に押されるシールド)を取り扱うことによって、前方針を注射部位からシールド内に引き出す
6.シールド(戻しばねによってさらに遠位に押されたシールド)を取り扱うことによって、後方針をカートリッジから引き出す
7.キャップを再装着することによって、新しい注射針を起動針位置に配置する
【0068】
滅菌性を維持するために、各針の両端が閉鎖され得、針の内面を封止し、端近傍の外面の一部は、カートリッジに入る後方針の一部およびユーザの身体に入る前方針の一部の汚染に対して封止するように覆われ得る。これは、針の前方および後方をゴムプラグで覆うことによって達成され得る。1つのプラグが針によって完全に貫通されたとき、針は、もはや滅菌性ではない。
【0069】
第1の実施形態
図1~
図15は、本開示による、複数の固定用量を送達するための注射装置100の第1の実施形態を例示する。
図1Aは、管状の細長いハウジング構造140上に装着されたキャップ105を有する注射装置100を例示する。
図1Bは、キャップ105のない注射装置100を例示し、それによって、例示されるように、細長いハウジング部分のシールド構造110および窓141の一部分が露出されている。矢印CWは、時計回り方向を示し、時計回り方向は、装置または構成要素が遠位に配向された面から見たときの時計回り方向として定義される。第1の実施形態では、シールドは、回転係止され、内部構成要素のみが回転するように強制され得る。
【0070】
図2は、注射装置100の分解組立図を示す。
図3Aおよび
図3Bは、2つの異なる状態の組み立てられた装置の断面を示す。
図4~
図13は、斜視図における、かつ異なる角度からの個々の構造のさらなる詳細を示す。また、内部構造の詳細を例示するために、構造のいくつかが切り開かれるか、または構造が切り取られている。
図14A~
図14Iは、集合的に
図14と呼ばれ、駆動機構または薬剤送達機構の起動後に、注射装置100の操作、およびシールド構造140を係止するよう適合された二重投与防止機構の機能を段階的な様式で集合的に例示する。
図15A~
図15Pは、集合的に
図15と呼ばれ、操作および二重投与防止機構のさらなる態様を例示する。
図15は、針交換機構、針挿入シーケンス制御機構(シーケンス制御機構)、および起動制御機構の機能を段階的な様式で例示する。シーケンス制御機構は、一連のカートリッジ接続、針先端の露出、針先端のシールド、およびカートリッジからの針の接続解除を制御する。特に、シーケンス制御機構は、近位針部分がカートリッジから接続解除される前に、遠位針先端がシールドされることを確保する。針交換機構は、針の交換および隔壁との針の位置合わせを制御し、起動制御機構は、駆動機構が起動される前に、針が注射準備完了状態にあることを提供する。
【0071】
図2は、分解組立図で注射装置100を示す。
図2は、キャップ105、管状の細長い針シールド構造110、複数の針組立品(例示される例では4)を例示し、複数の針組立品内の各針組立品220は、針ハブ225、針カニューレ224、および近位プラグ組立品221を含む。近位プラグ組立品は、使用前滅菌状態で針カニューレ224の近位先端を覆うための軟質封止円筒形コア221.2と、軟質コア221.2を取り囲む硬質円筒形シェル221.1と、を備える。
図2は、ドラムインサート211を有する回転ドラム210をさらに示す。ドラムインサート211は、
図11により詳細に例示され、針カニューレ224の各々に対応する複数の遠位プラグを接続するリングを備える。
図2は、スイッチャ230、カートリッジホルダ130、摺動可能に配設されたプランジャ(
図3Aに見られるプランジャ291)を有するカートリッジ290、起動ロッド240、シールド戻しばね107、ピストンワッシャ104またはピストンヘッド、内ねじを有するナット106、管状の細長いハウジング構造140、コネクタ170、駆動管180、投与駆動ばね108、ナット106の内ねじと係合するための外ねじを有するピストンロッド109、およびばね基部165をさらに示す。ピストンワッシャ104は、ピストンロッドとプランジャとの間の相対的回転を測定するモジュールによって置換され得、それによって、送達された用量が計算され得る。
図2はまた、キャップ付き状態、すなわち、キャップ105が細長いハウジング構造140上に装着された状態における意図しない起動を防止するドロップロック機構の一部である係止アーム250を例示する。
【0072】
図3Aは、準備完了状態の薬剤送達装置100を例示しており、シールドは、遠位位置にあり、
図3Bに見られる近位位置に押され得る。
図3は、第1の断面寸法の遠位管状部分140.2と、第2の断面寸法の近位管状部分140.3と、を含むハウジングを例示する。遠位管状部分140.2は、近位管状部分140.3の内面から延在し、それによって、遠位に配向された表面を有する近位管状部分140.3の遠位端で縁140.4を画定する。縁140.4は、停止表面を提供し、スナップオン構造と一緒にキャップ105の装着位置を画定する。遠位ハウジング部分140.2は、シールド110を受容するように適合されており、シールドは、軸方向に移動可能であるが、ハウジングに回転係止される。シールド110は、いくつかの針組立品を収容する回転可能に配設された針ドラム210を収容する。針ドラムは、スイッチャ230を収容し、これは、シールドが遠位位置から近位位置に移動するにつれて角度位置を変化するように適合されている。新しい位置では、スイッチャ230は、ドラム210が近位位置から遠位位置に移動するにつれて、ドラム210の回転を誘発するように配設されている。スイッチャ230は、カートリッジホルダのシャフト132上に回転可能に配設される。スイッチャ230は、シャフトに対して軸方向に移動可能である。シールド110は、起動ロッド240を通してコネクタ170にさらに結合される。コネクタ170は、駆動機構に接続されている。
【0073】
ハウジング組立品
注射装置は、他の構造を支持およびガイドする剛直なフレームを提供するハウジング組立品を備える。ハウジング組立品はまた、より短い表記を使用するためにハウジングとも呼ばれる。ハウジング組立品は、細長いハウジング構造140、カートリッジホルダ130、ナット106、およびばね基部165を備え、これらは、組み立て後に固定的に係合される。
図3Aに例示されるように、細長いハウジング構造140は、カートリッジホルダ130を受容および収容するように適合されており、カートリッジホルダ130は、カートリッジ290を受容するように適合されている。ハウジング構造140は、管状であり、横方向断面の形状は、第1の直径を有するカートリッジ290、および第2の直径を有する回転ドラム210の平行配設の周囲を囲む外壁構造によって画定される。第1の中心軸(X1)は、
図3Aに例示されるように、ハウジング内に配設されたカートリッジの中心軸として画定される。第2の中心軸(X2)は、
図3Aに同様に例示されるように、ハウジング内に配設されたドラム210の中心軸として画定される。
【0074】
カートリッジ130とドラム210との間の半径方向オフセットに起因して、ハウジング構造140の外壁構造の横方向断面は、楕円または超楕円の幾何学的形状に類似し得、ドラムおよびカートリッジの直径が異なるため、幾何学的形状は、第1および第2の中心軸を含む平面の周りで対称であり、2つの軸(X1、X2)の間に配設され、対称の平面に対する法線ベクトルを含む平面の周りで非対称である。
【0075】
組み立て中、ナット106は、ハウジング構造140に対して軸方向に調整されて、カートリッジ内に配設されたピストンワッシャ104とプランジャ291との間に隙間がないことを確保する。この調整はまた、Novo Nordiskによって出願された欧州特許出願第19217358.1号および国際特許出願第2021/122223号に説明されるように、ゼロ点調整とも呼ばれる。
図2を再び参照すると、細長いハウジング構造140は、薬剤を検査するための窓141を含む。カートリッジホルダ130はまた、カートリッジ290内の薬剤を検査するための窓131を備える。窓141は、組み立てられた状態で窓141と整列されることになる。
【0076】
薬剤送達装置の異なる機構が以下に簡単に提示されるが、それらは、
図14および
図15に関してさらに詳細に説明される。
【0077】
駆動機構
注射装置100は、薬剤送達機構とも呼ばれる駆動機構を備える。駆動機構はまた、Novo Nordiskによって出願された欧州特許出願第19217339.1号および国際特許出願第2021/122190号にも説明されている。駆動機構は、ピストンロッド109、駆動ばね108、および駆動管180を含む。ピストンロッド109は、ハウジング組立品にねじ込み可能に接続され、駆動管180は、ピストンロッド109にスプライン結合され、ピストンロッド109および駆動管は、一緒に回転するが、軸方向に互いに対して移動し得る。駆動管180は、カートリッジ290の全内容物、すなわち、複数の固定用量を送達するように予め引っ張られている駆動ばね108によって強制的に回転させられる。ハウジング組立品は、起動および用量の送達中に駆動管をガイドするための、軸方向ガイドおよび螺旋ガイドを含む。駆動機構を起動するために、駆動管180は、軸方向ガイドに沿って近位方向に移動され得、それによって、駆動管180が軸方向ガイドによって回転阻止される、遠位位置における静止状態または回転不能状態と、近位位置における起動状態との間で移動可能である。近位位置では、駆動管180は、ピストンロッド109と一緒に回転することを可能にされ、駆動管180は、螺旋ガイドに沿ってガイドされ、それによって、駆動管180は、螺旋遠位移動を実施し得る。ピストンロッドの遠位移動は、ハウジングとのねじ接続によって決定され、駆動管180の遠位移動は、螺旋ガイドの傾斜によって決定される。したがって、駆動管180とピストンロッドとの間の相対的な軸方向の前進は、回転当たりの所望の用量を予め決定するように調整されるか、またはギヤ付きであり得る。螺旋ガイドは、駆動管180の移動のための螺旋軌道を画定し、螺旋軌道が軸方向ガイドの近位端で始まり、軸方向ガイドの遠位端で終わるため、回転が360度に制限される。したがって、駆動管180を近位位置に位置付けることに応答して、駆動管180は、駆動ばね108を軸方向に圧縮し、それゆえに、遠位方向に付勢されるが、一方、駆動ばねは、ねじれ歪みを同時に解放し、駆動管180を回転させる。それによって、駆動ばね108は、駆動管180を近位位置に移動させることに応答して、駆動管180を遠位位置で静止状態に戻すように適合される。
【0078】
トリガ機構
トリガ機構または起動機構は、細長いシールド構造110、起動ロッド240、およびコネクタ170を含む。
図2および
図3Aに例示されるように、起動ロッドは、可撓性クリップ241を備え、コネクタ170は、外側の半径方向に延在する接続タブ171を備える。可撓性クリップ241の遠位に配向された表面および起動ロッド240の近位に配向された表面240.3は、接続タブ171を受容するように適合された周方向に延在する軌道242を形成する。組み立て中、起動ロッド240は、遠位側から挿入され、その後、コネクタ170は、ハウジング140の近位側から挿入される。コネクタ170が挿入されると、可撓性クリップ241は、接続タブ171によって第2の中心軸X2に対して半径方向に偏向される。接続タブ171が軌道142に到達すると、可撓性クリップ241は、弛緩状態に戻り、第2の中心軸X2に対して負の半径方向に移動する。これによって、コネクタ170は、起動ロッド240に軸方向に係止されるが、第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転することを可能にされる。
【0079】
図5、
図7A、および
図7Bに例示されるように、コネクタ170は、駆動管180の外側起動タブ183と係合するための内側起動タブ172を備える。起動タブ172、183は、二重対称性で位置付けられ、タブを区別することができるように、それらは、図の文字cおよびdでさらに示される。
図6Aおよび
図6Bに例示されるように、ハウジングは、起動および投与中に駆動管180をガイドするための軸方向ガイド部分156および螺旋ガイド部分157を含む内側管状部分154を備える。ハウジングは、コネクタガイド152をさらに備え、コネクタ170は、遠位端に回転ガイド173を形成する切欠きを備える。
図7Aおよび
図7Bに見られるように、回転ガイド173は、遠位移動中にコネクタガイドと係合するよう適合された螺旋表面を備える。回転ガイド173とコネクタガイド152との間の係合後、コネクタ170のさらなる遠位移動は、回転を誘発し、それによって、コネクタ170は、螺旋遠位移動を実施する。コネクタ170は、ハウジング組立品内に移動可能に配設され、起動および投与の間、それは、(i)遠位位置および第1の角度位置によって画定される初期位置と、(ii)近位位置および第1の角度位置によって画定される起動位置と、(iii)近位位置および第2の角度位置によって画定される投与終了位置と、(iv)中間軸方向位置および第2の角度位置によって画定される中間位置と、(v)初期位置と同じである最終位置と、で開始する作動サイクルを通して移動されるように適合される。第1の角度位置および第2の角度位置は、切欠き173の軸方向側部分およびコネクタガイド152によって画定される。
【0080】
図6は、軸方向駆動管ガイド156および螺旋駆動管ガイド157を例示し、軸方向駆動管ガイド156は、起動中に駆動管180をガイドし、投与の終了時に回転を阻止するための停止表面を提供するように適合されている。起動中、起動タブ172の近位に配向された表面は、駆動管180の起動タブ183の遠位に配向された表面と係合する。これによって、駆動管180は、静止位置からガイドされ得、駆動管の軸方向ガイド部分182は、遠位位置で軸方向駆動管ガイド156と接触し、駆動管の螺旋ガイド部分189は、螺旋駆動管ガイド157と接触し、軸方向ガイド182および螺旋ガイド189は、それぞれ、軸方向ガイド156および螺旋駆動管ガイド157から接続解除される。起動位置では、唯一の接触は、短期間、起動タブ183、172の間の接触である。投与中、起動タブ172の近位に配向された表面は、駆動管180の起動タブ183の遠位に配向された表面と係合解除され、駆動管の螺旋部分189は、ハウジングの駆動管ガイド157と係合している。螺旋駆動管ガイド157は、投与中に、駆動管180を遠位螺旋移動でガイドするように適合されており、投与中、駆動管180は、360度回転する。さらに、投与中、駆動管180は、起動位置から中間位置を通ってガイドされ得、中間位置では、螺旋ガイド部分189が中間軸方向位置で螺旋駆動管ガイド157と接触し、駆動管180の起動タブ183の側面が起動タブ172の側面と接触し、コネクタ170が第1の角度位置に位置付けられる。駆動管180の回転が継続すると、駆動管180は、投与終了位置まで回転され、投与終了位置では、駆動管180の螺旋部分189が遠位位置で螺旋駆動管ガイド157と接触し、駆動管の軸方向部分182が軸方向駆動管ガイド156と接触し、駆動管180の起動タブ183が起動タブ172と接触し、コネクタ170が第2の角度位置に位置付けられる。
【0081】
起動および投与の投与サイクル中のコネクタの移動に戻ると、コネクタ170は、初期位置から、シールドを遠位位置から近位位置に移動させることによって起動位置に、駆動管180を回転させることによって投与終了位置に、コネクタ戻しばね107によって中間軸方向位置に、そして、戻しばねおよびコネクタガイド152によって最終位置まで移動される。
【0082】
これによって、コネクタ170は、用量が送達された後、駆動管180を再び起動するために自動的にリセットされる。
【0083】
ドロップロック機構
複数の固定用量を投与するための薬剤送達装置は、各送達に対して全用量を排出しなければならず、したがって、装置が貯蔵段階で用量を送達することを防止されることが重要である。例えば、送達装置が貯蔵中または輸送中である場合、起動のためのシールドは、キャップによって覆われるが、依然として意図しない落下が、結果的に、駆動機構の起動または移動可能に配設された針組立品の接続をもたらしてはならない。内部構成要素の意図しない加速の影響は、初期貯蔵段階で防止されなければならないが、各用量間の貯蔵または輸送中にも防止されるべきである。これは、薬剤送達装置が、起動前に追加のエネルギー付与なしで、複数の用量のうちの1つ以上を送達するように適合された、予めエネルギー付与された駆動機構を備えるとき、さらに重要である。したがって、第1の実施形態による薬剤送達装置は、キャップ105がハウジング上に装着されたときに、シールド110を係止するように適合された係止アーム250を含むドロップロック機構を備える。係止アーム250は、キャップ105をその装着位置に摺動させることに応答して偏向され、それによって、係止アーム250は、シールドの近位に配向された表面と軸方向位置合わせにある位置に偏向される。これによって、シールドが阻止され、駆動機構の起動が防止される。
【0084】
針交換機構
複数の用量を送達するための薬剤送達装置を使用して用量を送達するために、用量の各々が滅菌針を使用する滅菌様式で送達され得ることが確保されなければならない。針が装置と一体化される場合、針は、各投与の後に洗浄または滅菌されなければならない。あるいは、薬剤送達装置は、内容物全体に対応し得る用量の数に対応する複数の針を収容し得る。針のうちの1つのみが一度に使用され得、新しい針が、各注射に使用されるべきである。したがって、各投与後に自動的に針を交換する針交換機構を提供する必要があり、そのような機構は、任意の追加のユーザ工程なしに起動され得ることが好ましく、すなわち、針交換の工程は、駆動機構の起動または使用後の保護キャップの着用のような他の目的にも役立つ取り扱い工程と一体化されるべきである。したがって、第1の実施形態による薬剤送達装置は、複数の針組立品がドラム内に配設され、ドラムが貯蔵部との針の接続解除後のいくつかの増分ステップで回転される、針交換機構を備える。第1の実施形態では、針交換機構は、スイッチャ230上に配設された対応するガイド部分の対134、233、105.2、231、105.2、214、ハウジング、およびドラム210を備える。回転は、近位位置から遠位位置への針シールドの戻り移動によって、および保護キャップ105の装着によって誘発される。
【0085】
二重投与防止機構
第1の実施形態による多用途固定用量薬剤送達装置では、用量は、予め設定されており、ユーザは、別様に防止されない場合、単純に投与ボタンまたはシールドアクティベータを2回起動することによって、2回連続用量を意図せず送達することができた。したがって、二重投与防止機構が実装される必要があり、これは、駆動機構を起動する第1のユーザ操作後に二重投与防止係止を自動的に係止し、係止は、キャップ解除、起動、送達、およびリキャップの各用量送達サイクル中に、第2のユーザ操作によって係止解除を強制され得る。第2のユーザ操作は、キャップを脱着すること、キャップを装着すること、起動シールドもしくは起動ボタンを回転させること、起動シールドもしくは起動ボタンを引くこと、または別個の専用係止解除構造を回転すること、押すこと、引くこと、もしくは摺動することによって、二重投与防止機構を係止解除または阻止解除し得る。本開示による第1の例示された実施形態では、二重投与防止機構は、起動後に近位位置から遠位位置にシールドを移動させることによって係止され、それによって、針ドラム210の回転が誘発される。回転された針ドラム210は、シールドの別の近位移動を防止し、二重投与防止機構は、その後、キャップを装着し、針ドラム210の角度位置を変化させることによって係止解除される。
【0086】
針挿入シーケンス制御機構
交換可能な針組立品を有する注射装置に関して、針がカートリッジから引き出される前に針を皮膚から引き抜くことは、通常の手順である。この手順は、針に血液が引き込まれることを防止する。
【0087】
さらに、一体化された針マガジン組立品を有する薬剤送達装置では、カートリッジ上の隔壁は、それがシールドおよびマガジンによって覆われているため、ユーザの手が届かず、注射の間にユーザが清掃することを不可能にする。清掃の選択肢の欠如に起因して、それが、カートリッジ上の隔壁に液体/血液からの液滴が滴ることを防止することが重要である。
【0088】
さらに、針がカートリッジ内に挿入される前に針がユーザの身体内に挿入される場合、ユーザの身体からの圧力が、針を通して血液を押し、後方針、すなわち、近位針部分が隔壁を貫通する前に、血液を滴らせ得る。
【0089】
さらに、針をカートリッジから引き込むことは、針がカートリッジを離れるときに、隔壁の偏向およびカートリッジの体積の変化の反応として、陰圧に起因する「ポンプ」効果を結果的にもたらすことになる。カートリッジ内の陰圧は、結果として、血液がカートリッジ内に吸い込まれるが、一方、針の後方がカートリッジを離れることをもたらす。また、針が隔壁の表面を通過する間、隔壁上に液滴を残す可能性もある。
【0090】
これらの複合的な問題は、結果的に、カートリッジ隔壁が液体/血液に覆われ、血液がカートリッジに入り得るが、ユーザが隔壁の表面を清掃することができない状態をもたらし得る。
【0091】
その理由のためだけに、複数の針組立品を有する針マガジン組立品内の起動針の挿入シーケンスを制御する機構を提供することが、本開示の目的である。
【0092】
本開示は、後方針がカートリッジから引き出される前に、前方針、すなわち、遠位部分が、皮膚から引き出されなければならないという理解に基づいて、解決策を提供する。
【0093】
本開示は、後方針がユーザに入る前にカートリッジに挿入される場合、システムが閉鎖され、ユーザからの圧力が、針内で血液を押し戻すのに十分ではないことになるという理解に基づいて、解決策のさらなる態様を提供する。これはまた、後方針がカートリッジの内側にあるため、隔壁上の滴りも防止することになる。
【0094】
解決策のさらなる態様は、針をカートリッジから引き出すとき、前方針が、針の前方を閉鎖するゴムプラグによって覆われ得るという理解に基づく。次いで、後方針がカートリッジを離れたとき、その後、針がカートリッジを離れる前に、陰圧が周囲と均等化することができないことになる。後方針がカートリッジを離れたとき。針に残された液体は、陰圧が均等化されることに起因して、針に吸い込まれることになり、隔壁を清浄なままにする。
【0095】
したがって、針の後端および前端が、カートリッジおよび注射部位の皮膚を貫通し、そこから離れるときを制御する機械的シーケンスを提供することが本開示の目的である。
【0096】
機構が、以下のシーケンス制御を提供するように適合されていることが、本開示の目的である。
1:後方針をカートリッジに挿入する。
2:前方針をユーザに挿入する。
3:針を注射部位から引き抜き、追加の代替物としてプラグに差し込み、
4:カートリッジから後方針を引き出す。
【0097】
特に、後方針がカートリッジから引き出される前に、前方針が注射部位から引き出されることを制御することが望ましい。
【0098】
本開示の第1の実施形態による挿入シーケンス制御機構は、ハウジング組立品内で周方向に延在する軌道136を係合するための半径方向に延在するフィンガ227を含む、回転可能かつ摺動可能に配設されたハブ225を含む。それによって、ハブ225の近位軸方向移動の間、ハブは、シールドから結合解除され、近位移動でハウジングに結合され得、針は、貯蔵部と接続されている。針は、ハブなしで近位方向にさらに進み得、それによって、針の遠位端が露出されることになる。ハブおよびシールドのそれぞれの近位位置における、ハブとシールドとの間の結合解除、およびハウジングに対するハブの結合は、ハブおよび針なしでシールドが遠位位置に向かって移動することを可能にし、それによって、ハブがハウジングから結合解除し、シールドに結合する前に、針の遠位針先端が、注射部位から引き出され、シールドによって覆われ得、それによって、シールドがその遠位位置まで進むと、近位針先端がカートリッジから引き出される。
【0099】
起動制御機構
針を通して薬剤を排出するために、針が貯蔵部と流体連通していることが必要である。したがって、本開示は、(i)起動針組立品を流体接続し、(ii)駆動機構を起動する、シーケンスを制御するための起動制御機構を提供する薬剤送達装置を説明する。起動制御機構は、駆動機構の起動前にこれらの機構が始動されることを確保するために、二重投与防止機構および/または針交換機構の始動を制御するようにさらに適合されている。
【0100】
本開示による第1の実施形態について、起動針は、針の軸方向移動がシールドに結合され得る遠位位置と、起動針が流体連通を確立するためにカートリッジ130に接続され得る近位位置と、に配設され得る。針の近位位置では、針は、さらに、軸方向に固定され得るか、またはハウジングに結合され得、針は、シールドから結合解除され得、それによって、シールドが起動位置にさらに軸方向に移動され得る。それによって、起動制御機構は、起動前に針接続を提供する。
【0101】
別のまたはさらなる態様では、起動針は、シールドを遠位位置から近位位置に移動させることに応答して、遠位位置から近位位置に移動され得る。シールドの軸方向移動の間、スイッチャの角度位置が変化され得、それによって、二重投与防止機構および/または針交換機構が始動される。本明細書では、起動制御機構、二重投与防止機構、および/または針交換機構を有する薬剤送達装置が提供され、二重投与防止機構および/または針交換機構は、起動前に始動される。
【0102】
細長い針シールド構造
細長い針シールド構造110および起動ロッド240は、針シールド組立品を提供する。細長い針シールド構造はまた、針シールドとも呼ばれる。
図4Aおよび
図4Bに例示されるように、シールド110は、切欠き111を備え、
図2に例示されるように、起動ロッド240は、頭部部分243を備える。組み立て中、頭部部分243は、切欠き111に固定され、それによって、起動ロッド240は、針シールド110に固定的に取り付けられる。
図4Aに例示されるように、シールド110は、シールド110の遠位端を閉鎖する前方プレート115を備える。前方プレート115は、針カニューレ124と整列される開口113、およびカートリッジの中心を含む。カートリッジ130および開口113と位置合わせされて位置付けられた針カニューレは、起動針と呼ばれる。非被覆位置では、シールド組立品は、起動針カニューレが開口113を通って遠位端から延在し、同時に複数の針のうちの他の針を覆うことを可能にするように適合されている。ガイド、およびハウジング構造140に対応する横方向断面の非円形の幾何学的形状に起因して、シールド組立品は、ハウジングによる回転に対して係止され、したがって、軸方向のみに移動可能であるように配設されている。シールド組立品は、近位方向に移動したとき、シールドまたはコネクタ戻しばね107の力に対して移動される。
【0103】
前方プレート115は、キャップ105の前方プレート105.1の内側横方向表面から延在するキータブ105.2の挿入を可能にする開口114を備え、
図12を参照されたい。キータブ105.2は、以下にさらに詳細に説明されることになる内部構成要素の強制的な移動に使用され得る。
図4Aおよび
図4Bにさらに例示されるように、シールドは、シールドへの挿入後にシールド110内に針ドラム210を保持するためのクリップ112を備え、これは、組み立て中に有利であり得る。
図3Aに例示されるように、起動ロッド240の頭部部分243は、戻しばね107を支持するように適合された近位端で近位に配向された表面240.1を形成する。起動ロッド240は、係止アーム250と整列され、キャップ105がハウジング上に装着されたときに係止アーム250を受容するように適合された軸方向に延在するチャネル244をさらに含む。チャネル244は、キャップ105が装着されたときに、係止アーム250の遠位端に接触するように適合された遠位端で近位に配向された表面240.2を形成し、それによって、シールドの近位移動を阻止し、それによって、意図しない起動が防止される。
【0104】
カートリッジ
図2、
図3A、および
図3Bに戻ると、細長いカートリッジ290は、穿刺可能な隔壁によって密封された遠位端290aと、ピストンによって閉鎖された開口近位端290と、を備える。カートリッジは、医薬の複数の固定用量を収容する貯蔵部を備える。カートリッジは、遠位端の頭部部分290.1と、近位端から延在する円筒体を形成する主要部分290.3と、を含む。頭部部分290.1および主要部分290.3は、首状部分290.2によって分離される。遠位端290aでは、隔壁がキャップによってキャップされている。
【0105】
針組立品
注射装置は、複数の針組立品をさらに含み、各針組立品は、針ハブ225、針カニューレ224、および近位プラグ221を含む。
図2に見られるように、針カニューレは、近位端と遠位端との間に延在する管状体を含む。近位端では、穿刺可能な隔壁を穿刺するための、かつ貯蔵部との流体連通を確立するための近位先端が形成され、遠位端では、ドラムインサート211を継ぎ合わせるための、かつ対象者の皮膚への挿入のための遠位先端が形成される。
図8A~
図8Cは、針ハブ225のうちの1つのさらなる詳細を例示する。
図8A~
図8Cは、異なる角度からの視点における針ハブを示す。
図8Dは、
図2からの4つの針組立品のうちの3つのスケールアップを示す。
図8Cはまた、
図2からの針組立品の最後のまたは下のハブのスケールアップである。
【0106】
ハブ225は、近位端225bに対して近位方向に管状部分225.1から延在する角度区分226をさらに含む。角度区分226は、管状部分から角度部分を切除することによって形成される円筒形管状セクタとして説明され得る。角度区分226は、組み立て後にスイッチャに向かって配向される3つの表面226.1、226.2、および226.3を備える。
【0107】
各針ハブは、開口近位端を有する管状部分225.1と、遠位端で円錐部分225.2によって閉鎖され、中心軸方向孔225.3を有する遠位端と、を含む。軸方向孔225.3は、針カニューレ224を受容するように適合されている。
図3Aおよび
図8Dに例示されるように、未使用状態では、近位プラグ221は、近位端に配設され、針224の近位先端を覆って密封して、針を初期の滅菌条件に保つ。使用済み状態(
図3B参照)では、近位プラグが穿刺され、カニューレ224の管状体上で遠位に移動されている。未使用状態では、近位プラグは、滅菌バリアを提供する。
図8に戻ると、針ハブ225の各々は、半径方向に延在する制御タブ228をさらに備え、半径方向に延在するフィンガ227は、ハウジング組立品と係合および係合解除するように適合されており、それによって、起動および投与中に注射装置の1つ以上の状態で、針がハウジングに軸方向に固定されることを可能にする。複数の組立品は、回転ドラム210に挿入されるように適合されている。
【0108】
針マガジン組立品
注射装置は、回転ドラム210、ドラムインサート211、複数の針組立品、およびスイッチャ230を含む針マガジン組立品(針マガジンと呼ばれる)を備える。
図3Aおよび
図9A~
図9Cに例示されるように、回転ドラム210は、スイッチャ230を受容するように適合された貫通孔210.3を備える。
図3Aおよび
図10A~
図10Cに例示されるように、スイッチャ230は、カートリッジホルダ130から遠位方向に延在する円筒形シャフト132を受容するように適合された貫通孔230.2を備える。それによって、針マガジンは、円筒形シャフト132上に装着され得る。使用中、回転針ドラム210は、いくつかの状態では、軸方向に回転および/または移動し得、いくつかの状態では、ハウジング組立品に対して軸方向に回転および/または移動することを防止される。カートリッジホルダ130および針マガジンは、ハウジング構造140内に収容され、さらに、針マガジンは、シールド110によって受容されて覆われる。
図11に例示されるように、ドラムインサート211は、複数の遠位プラグ211.2と一体的に形成される基部リング211.1を備える。ドラムインサート211を含むドラム210は、組み立てられた未使用状態で、針カニューレ224の各々の遠位端を覆うように配設されている。遠位プラグは、使用前に針を汚染から保護する滅菌バリアを提供し得る。使用中、遠位プラグは、針124の収容された遠位先端によって順次穿刺される。ドラムインサート211は、ドラム210内に2Kモールド成形され得、これは、2つの異なるポリマーが、1つの射出成形プロセスによって1つの製品に加工される技法である。
【0109】
ピストンワッシャ
図2および
図3Aを再び参照すると、ピストンワッシャ104は、ピストンロッド109に接続されて、ピストン291と接触するための押さえを提供し得る。あるいは、ピストンロッド109とピストンとの間の相対的回転を測定するための用量測定モジュールが、ピストンワッシャ104の代わりに、ピストンロッド109とピストン291との間に提供され得る。そのような測定モジュールはまた、好適な押さえを提供する。そのような用量測定モジュールは、「Dose capturing cartridge module for drug delivery deviceと題された、WO2014/1128155に説明されている。代替的に、ピストンロッドは、ピストンに直接接触する。」
【0110】
ばね基部
図2に戻ると、ばね基部165は、近位端でハウジング構造140に固定的に装着され、圧縮可能なねじり駆動ばね108を受容および支持するように適合される。
【0111】
駆動ばね
駆動ばね108は、予め引っ張られているか、または巻き付けられており、ばね基部165と駆動管180との間に位置付けられる。駆動ばね108は、近位フック108.2を介してばね基部165に、かつ遠位フック108.1を介して駆動管に取り付けられる。駆動ばね108は、駆動管180上にトルクを誘発するようにさらに適合されており、それによって、駆動管180の回転に応答して、医薬が排出され得る。駆動ばね108は、ねじれ区分108.3、108.5を備え、コイル間の間隔は、比較的小さく、トルクを駆動管に伝達するように適合されている。駆動ばね108は、圧縮状態で、かつ医薬の排出中に軸方向の力を駆動管に伝達するように適合された圧縮可能区分108.4をさらに含む。駆動管を軸方向に駆動する能力は、投与機構の終了を可能にし、駆動管が静止位置でリセットされる。駆動ばね108は、異なる数のねじりおよび圧縮可能区分、例えば、1つの圧縮可能区分および1つのねじり区分、2つの圧縮可能区分および2つのねじり区分、2つの圧縮可能区分および3つのねじり区分、3つの圧縮可能区分および2つのねじり区分などを有し得る。好ましくは、ねじり区分は、端区分として提供され、それによって、圧縮可能区分よりも1つ多いねじり区分が存在する。
【0112】
戻しばね
シールド戻しばね107は、起動ロッド240の頭部部分243の近位端で近位配向された表面240.1と、ハウジング構造140の遠位配向された表面140.1との間に位置付けられ、戻しばねは、ハウジング組立品に対して遠位方向にシールドを付勢するように適合されている。
【0113】
回転針ドラム
図9A、
図9B、および
図9Cは、斜視図における針ドラム210を例示する。
図9Aは、針ドラム210の遠位に配向された面および側面を示すが、それに対して、
図9Bは、近位に配向された面および側面を示す。
図9Cは、針ドラム210の中心軸を含む平面の切断を例示する(軸は、
図9Cではなく
図3Aに例示されている)。
図9Cは、ドラム210の遠位に配向された面および内面を例示する。
【0114】
図9A~
図9Cに見られるように、針ドラム210は、近位端210bから遠位方向に延在する円筒形管状主要部分210.2を備える。円筒形主要部分は、第1の外径を有する。針ドラム210は、主要部分210.2から遠位端210aまで延在する円筒形管状遠位部分210.1をさらに含む。遠位部分210.1は、第1の外径よりも小さい第2の外径を有し、ドラムインサート211のリング部分211.1に収まるように適合されている。針ドラムは、スイッチャ230を受容するように適合されている貫通孔210.3を有する。
図9Aおよび
図9Cはまた、遠位プラグ211.2を受容するように適合された複数の孔213も示す。孔213は、回転対称性を伴って位置付けられ、例示される例では、孔の数は、4であり、それらは、さらに文字c、d、e、およびfで示される。孔は、ドラムの遠位端210aから、貫通孔213.2および遠位プラグ211.2を支持するための遠位に配向された表面を有する底部壁213.1まで延在する。貫通孔213.2は、カニューレ224を受容するように適合されている。針ドラム210は、針ハブ225を収容するための孔212.3を含むハブガイド212をさらに備え、ハブ225は、いくつかの状態で、軸方向に移動または回転することを可能にされる。ドラム210は、針ハブ225のフィンガ227を起動位置に保持するための軸方向に延在する切欠き212.1をさらに含む。切欠きは、孔212.3に沿って軸方向に延在する開口部として配設される。ハブガイドは、制御タブ228およびフィンガ227の着座部を提供するくぼみ212.2をさらに含む。針ドラム210は、起動中にハウジングと係合し、ハウジング組立品による軸方向ガイダンスを提供するように適合された複数の軸方向軌道216をさらに含む。軌道216の間には、二重投与防止機構で、カートリッジホルダ130に対して阻止するように適合された近位配向された表面215.1を有する軸方向に延在するリブ215が形成される。
図9Aおよび
図9Cはまた、ドラム210の内側面上に複数のリブ214を示し、キャップ105のキータブ105.2と係合するように適合されている。リブは、遠位プラグの底部壁213.1が、ドラム210の近位端に向かって孔213を受容するのとほぼ同じ軸方向レベルの位置から延在する。キータブ105および/またはリブ214は、キータブ105.2とリブ214との間の軸方向係合後のキャップの近位軸方向移動に応答して、ドラム210の回転移動へのキャップ105の軸方向移動の変換を可能にする、螺旋ガイド表面105.3、214.1を含む。リブ214は、第1の実施形態の針交換機構を可能にする構造のうちの1つである。
【0115】
図9Aおよび
図9Cはまた、スイッチャ230の一部分を受容するための複数の陥凹217を示す。陥凹217は、ドラム210の遠位端210aにおける孔210.3の縁から、遠位プラグ受容孔213の近位壁213.1とほぼ同じレベルの軸方向位置まで延在する。陥凹217は、第1の側面217.1、第2の側面217.2、および遠位に配向された表面217.3を有する底部壁を含む。側面217.1および217.2は、針ドラム210とスイッチャ230との間の回転停止部を提供し、それによって、トルクおよび回転移動がスイッチャ230とドラム210との間で伝達されることを可能にする。表面は、第1の停止表面217.1および第2の停止表面217.2と呼ばれる。
【0116】
複数の貫通孔213.2は、遠位プラグ受容孔213とハブ受容孔212.3との間に底部壁213.1内に位置付けられ、針カニューレ224を摺動可能に受容するように適合されている。
【0117】
スイッチャ
図10A~
図10Cは、用量の送達後にドラム210を切り替えるか、または回転させるように適合されたスイッチャ230のさらなる詳細を例示し、それによって、ドラム210およびハウジング組立品と一緒に二重投与防止機構を提供する。
図10Aは、スイッチャ230の遠位に配向された面および外側側面を例示し、
図10Bは、近位に配向された面および外側側面を例示する。
図10Cは、近位に配向された面および外側側面を例示する。
図10Cでは、スイッチャ230は、さらに、ハウジング組立品との協働のためのさらなる構造を明らかにする内側側面を例示するために切断されている。
【0118】
図10に例示されるように、
図10という表記は、集合的に
図10A~
図10Cを参照し、スイッチャは、近位端230b、遠位端230a、および貫通孔230.2を有する管状体230.1を含む。近位端230bで、スイッチャは、第2の中心軸X2に対して半径方向に延在するフランジ234を備える。フランジ234は、複数の円形の切欠き234.1を備え、切欠き234.1の間に半径方向に延在する部分234.2を形成する。切欠きは、ハブ225の数に対応し、スイッチャ230がドラム210に挿入された後の針組立品の挿入を可能にする。管状体230.1の遠位端では、スイッチャ230は、複数の軸方向に延在するアーム231をさらに備え、スイッチャ230の遠位端230aに形成され、かつ第2の中心軸X2に対してアーム231から半径方向に延在する頭部部分232を有する。複数のアーム231は、複数の陥凹217に対応する。各アーム231の頭部部分232は、陥凹217の底部壁の遠位に配向された表面217.3と接触するための近位に配向された表面232.1、陥凹217の内側側面217.4と接触するための外側側面232.2、陥凹217の第1の停止表面217.1と接触するための第1の停止表面232.5を提供する第1の側面、陥凹217の第2の側面217.2と接触するための第2の停止部232.6を提供する第2の側面、キータブ105.2の螺旋表面105.3と接触するための螺旋表面232.7、シールド110の前方プレート115の近位に配向された表面115.1から軸方向に延在する管状シリンダ116の外面116.1と接触するための内側側面232.8を含む。示されるように、頭部部分232は、回転ドラム210の表面およびシールド110の両方と、それぞれ、外側側面232.2および内側側面232.8を介して接触する。しかしながら、いくつかの状態では、スイッチャ230は、ドラム210に対して、またはシールド110に対して回転することを強制される。したがって、接触は、可撓性であり、回転固定されたシールドと回転可能に配設されたドラムとの間に、装置の揺れまたは衝突に応答したドラム210の意図しない回転を防止するのに十分である静止摩擦を提供するように適合されており、そうでなければ、ドラム210の慣性的に駆動される回転を誘発し得る。螺旋表面232.7は、キータブ105.2と一緒に、針交換機構のための構造を提供する。
【0119】
図10Cは、ハウジング組立品と協働し、軸方向移動に応答して回転を誘発するように適合された回転ガイド233を例示する。回転ガイド233は、スイッチャ230の近位端の内面上に位置付けられる。回転ガイド233は、回転ガイド233の近位端に近位右巻き螺旋表面233.2と、回転ガイド233の遠位端に遠位左巻き螺旋表面233.1と、を備える。回転ガイド233は、単一の構造として例示されるが、2つの別個の構造、すなわち、遠位に配向された螺旋表面を有する遠位回転ガイド、および近位に配向された螺旋表面を有する近位回転ガイドとして提供され得る。回転ガイド233への反時計回り方向の内面に、停止表面230.5がさらに位置付けられている。
【0120】
ドラムインサート
図11は、リング211.1および複数の針組立品に対応する複数の遠位プラグ211.2を含むドラムインサート211の斜視図を例示する。例示された例では、遠位プラグの数は、4であり、それらは、文字c、d、e、およびfでさらに示され、プラグは、四重回転対称性で配設されている。プラグ211.2は、基部リング211.1と一体的であり、リングおよびプラグの両方が同じ材料で生産され得る。
図9Aで最もよく分かるように、円筒形回転ドラム210は、外面でリング211を受容するように適合された縮小外径210.1を有する遠位端を備える。回転ドラム210は、対応する複数の遠位プラグ211.2を受容するように適合された複数の孔213をさらに備え、
図9A~
図9Cを参照されたい。ドラム210に挿入されるとき、リング211は、リングが隣接する構造と接触し、移動中に摩擦を生じ得ることを防止するように、針ドラムの外面と同一平面またはそれより下である。あるいは、回転針ドラム210は、遠位に配向された表面内に円形の陥凹と、ドラムインサートを受容するように適合された複数の孔と、を含む。再び、挿入されたドラムインサート211は、外面と同一平面またはそれより下、すなわち、遠位に配向された表面に近位である。リング211.1をプラグ211.2と一体化することによって、組立品プロセスは、遠位プラグを個々に取り扱うことと比較して、かなり容易になる。ドラムインサートは、好ましくは、2Kモールド成形され、これは、共射出射出成形とも呼ばれる、いわゆる多成分射出技術である。あるいは、2つの部品は、個々の射出成形後に組み立てられる。さらなる代替として、基部リングが省略され、プラグが個別に生産される。
【0121】
キャップ
図12は、保護キャップ105をより詳細に例示する。保護キャップ105は、各注射後に、ハウジング組立品上に取り外し可能に取り付けられるように適合されている。ハウジング構造140に対応する非円形の横方向断面に起因して、キャップ105は、純粋な軸方向移動で装着および脱着されるように適合されている。ハウジング上に装着されたとき、キャップ105は、ハウジング組立品上の構造にスナップフィットまたは圧入し得る。キャップ105は、管状形状を有し、近位端105bと遠位端105aとの間で軸方向に延在する。近位端105bは、細長い管状ハウジング構造140の一部分を受容するように開放されている。遠位端105aは、横方向平面内に延在する中央プレート105.1によって閉鎖される。キャップ105の遠位部分から切り取られると、キャップ105の内部構造が明らかになる。
図12は、第1のキータブ105c.2および第2のキータブ105d.2が、中央プレート105.1の内面から軸方向に延在していることを例示する。キータブ105.2は、二重回転対称性で位置付けられ、当業者は、異なる数のキータブ、例えば、1つ、3つ、または4つのキータブ105.2が、代替的な実施形態で提供され得ることを理解するであろう。キータブ105.2の近位端には、最終投与後のキャップの装着に応答して、回転針ドラム210および/またはスイッチャ230を係合および回転するために適合された螺旋表面105.3が提供されている。既に説明されたように、キータブ105.2は、シールド110の開口114を通した挿入に適合されており、キータブ105.2の機能は、本出願の後半でさらに詳細に説明されることになる。
【0122】
カートリッジホルダ
図13Aおよび
図13Bは、医薬または薬剤を収容するカートリッジ290を受容するように適合されたカートリッジホルダ130を詳細に例示する。
図13Aは、近位スイッチャガイド133および遠位スイッチャガイド134を有する、カートリッジホルダ130、特にシャフト132を例示する。
図13Bは、
図13Aに示されるカートリッジホルダ130の頭部部分130.1の詳細を例示する。
図13Cでは、シャフト132は、シャフト132の背後の表面を例示するために取り除かれている。
図13Cは、2つの追加のドラムガイド131eおよび131fをさらに例示し、これらは、シャフト132および近位スイッチャガイド133をより良好に例示するために
図13Aおよび
図13Bで取り除かれている。
図13Dは、軌道136をより良好に例示するために、異なる角度からの頭部部分130.1を例示する。
【0123】
図13Aに例示されるように、カートリッジホルダ130は、カートリッジ290を受容するように適合された円筒体130.3を備える。用量インジケータを有する窓130.4は、薬剤の検査を可能にし、残りの薬剤量、すなわち、残りの固定用量を示すために、円筒体内に形成される。近位端130bでは、ハウジング組立品内の正しい角度および軸方向位置を確保するために、ハウジング構造140内の対応する構造と嵌合するよう適合された、2つの軸方向に延在するアーム130.6が提供される。円筒体130.3と平行に、起動ロッド240および戻しばね107を支持およびガイドするための起動ロッドガイド130.5が提供される。起動ロッドガイドは、円筒形管の角度区分として形成される。カートリッジホルダ130は、針マガジン組立品を支持およびガイドするための頭部部分130.1をさらに含む。頭部部分130.1は、壁部分130.2およびシャフト132を含む。
【0124】
図13Bは、
図13Aのカートリッジホルダの頭部部分130.1の拡大図を例示する。例示されるように、壁部分130.2は、2つのドラムガイド131cおよび131dを備える。ドラムガイドは、ドラムガイドの遠位端に、遠位に配向された表面131.1を備える。ドラムガイド131は、第1の軸方向側面131.2と、第1の側面131.2に対して時計回り方向に位置付けられた第2の軸方向側面131.3と、を備える。ドラムガイドは、内面131.4をさらに備える。ドラムガイド131は、ドラム210の軸方向起動216と協働するように適合されている。したがって、ドラムガイド131は、駆動機構の起動中の軸方向移動中にドラム210をガイドするように適合されている。シールドの起動後および遠位移動中に、ドラムが回転され、近位に配向された表面215.1を有する軸方向に延在するリブ215は、ドラムガイド131の遠位に配向された表面131.1の一部分と軸方向に整列することになる。カートリッジホルダ130は、
図13Aおよび
図13Bで取り除かれている2つのさらなるドラムガイドを含む。壁部分130.2は、軌道をさらに含み、軌道は、軌道136の遠位端に位置付けられた近位に配向された表面136.1と、軌道136の近位端に第1の遠位に配向された表面136.2および第2の遠位に配向された表面136.3と、を有する。近位に配向された表面136.1は、右巻き螺旋縁上に形成されるが、それに対して、第1の遠位に配向された表面136.2は、近位に配向された表面136.1と平行な右巻き螺旋縁部分および実質的に横方向に延在する平坦部分136.3上に形成される(
図13Dを参照されたい)。近位スイッチャガイド133は、回転ガイド233の近位右巻き螺旋表面233.2と係合するための遠位右巻き螺旋表面133.1を有する遠位端を備え、それによって、スイッチャ230の軸方向近位移動が時計回り方向の回転移動に変換され得る。同様に、遠位スイッチャガイド134eは、近位端に、回転ガイド233の遠位端で遠位左巻き螺旋表面233.1と係合するための近位左巻き螺旋ガイド表面134.1を備え、それによって、スイッチャの軸方向遠位移動が時計回り方向の回転移動に変換され得る。
【0125】
図13Cおよび
図13Dは、軌道136の角度延長部を例示する。
図13Cは、ハブ225のフィンガ227を軌道136内にガイドするためのフィンガガイド137をさらに例示し、それによって、針ハブ225が軸方向位置に保持され得るが、一方、ドラムが近位方向にさらに移動している。フィンガガイドは、ハブの軸方向移動を回転移動に変換するための遠位右巻き螺旋表面を含む。用量が送達された後、ドラムが遠位方向に移動されるべきである。初期の遠位移動の間、フィンガ227は、軌道136の近位螺旋表面236.1によって同じ軸方向位置に保持されることになる。螺旋構造に起因して、フィンガは、ドラム210によって解除されるとき、回転を強制される。ドラム210は、特定の軸方向位置でフィンガを解除し、軸方向位置は、軌道212の遠位端がフィンガ227と軸方向に整列するときである。フィンガを解除するための機構は、挿入シーケンス制御機構の一部であり得、これは、本出願の後半でさらに詳細に説明されることになる。
【0126】
装置の操作
図14および
図15は、それぞれ、
図14A~
図14Jおよび
図15A~
図15Pを参照して、装置100の操作および異なる機構がどのように薬剤送達装置の状態を変化させているかを例示する。線L1は、シールド110の遠位端110aの初期位置を示す基準線を例示する。基準線は、異なる状態間のシールド110の相対的移動を例示する。L2は、カートリッジホルダ130の基部構造と整列した基準線を例示し、これもまた、例示された状態間の比較を可能にする。
図14および
図15は、両方、完全な投与サイクルの原理を例示するが、異なる機構の機能性を最良に例示するために、異なる構成要素および異なる角度を示す。
図14は、二重投与防止機構を主に例示するが、それに対して、
図15はまた、針交換、針挿入シーケンス制御、および起動制御機構を例示する。
【0127】
参照番号に続く文字c、d、およびeは、回転対称性または回転シフトを有する特徴を示している。特徴が
図14内のcで示されている場合、特徴は、A~Jまでの全ての図においてcで示される傾向がある。
図15の特徴についても同様である。しかしながら、例外が存在し得る。
【0128】
図14A~
図14Jは、二重投与防止機構の起動および解除中の異なる状態を例示する。
【0129】
図14Aは、キャップ付き状態における薬剤送達装置を例示し、キャップ105は、シールド110を覆っている。第1の用量を投与する前に、キャップ付き状態はまた、アウトオブパッケージ状態とも呼ばれる。キータブ105.2は、スイッチャ230とドラム210との間に位置付けられ、それによって、構造は、回転係止される。
図14Aは、第2の中心軸X2の背後の平面における、軸方向の装置の一部分の断面を例示し、背後は、読者に対して画定される。
図14Aおよび
図14Bでは、シャフト132は、取り除かれているが、近位スイッチャガイド133のうちの1つは、
図14Bに残されている。矢印CWは、X2の背後に移動する構造の時計回り方向を示す。時計回り方向に、
図14Aは、一連の隣接する構造を形成する、リブ214c、アーム231c、およびキータブ105cを例示する。キータブ105c.1の後、別の隣接するリブ214cに続くが、これは、ドラム210の別の構造によって隠されているため、
図14Aには見えない。しかしながら、リブ214cは、
図14Bで視認可能である。キャップ105とハウジング構造との間の非回転係合に起因して、キャップ105の回転が防止される。薬剤送達装置は、斜線矢印Fによって例示される、キャップ105を引っ張ることによって、
図14Aのキャップ付き状態から
図14Bに例示された準備完了状態に変化する。
【0130】
図14Bは、準備完了状態の薬剤送達装置を例示する。最終用量が
図14Aに示されるキャップ付き状態をとっているとき、準備完了状態もまた、内容物終了状態と呼ばれ、内容物終了機構が駆動機構の起動を防止する。そのような内容物終了機構は、Novo Nordiskによって出願された国際特許出願第PCT/EP2020/085271号に見られ得る。
【0131】
図14Bでは、キータブ105.2によって提供される回転係止は、キャップと一緒に取り外され得、スイッチャは、時計回り方向に回転するように強制され得る。
図14Bは、外側側面116.1がアーム231の頭部232の内面232.8と接触している状態で、シールド110の前方プレート115.1の近位表面から近位に延在する管状シリンダ116をさらに例示する。シールド110とスイッチャ230との間のこの接触は、スイッチャ230とシールド110との間の相対的回転に対する抵抗を提供する。さらに、アーム231の外面は、ドラム210の内側側面と接触する。スイッチャ230とドラム210との間のこの接触は、スイッチャ230とドラム210との間の摩擦を提供する。2つの摩擦接点の結果として、ドラム210は、シールド110と摩擦係合し、慣性力によって誘発される意図しない回転を防止される。
【0132】
例示された準備完了状態では、回転ガイド233は、近位スイッチャガイド133と軸方向に整列し、それらの間に軸方向距離d1を有する。さらに、ドラムガイド131は、例えば、ドラムガイド131fおよびドラム210内の対応する軸方向軌道216fによって例示されるように、ドラム210の軸方向軌道216と協働するように適合されている。状態を
図14Bから
図14Cに例示される状態に変化させるために、ユーザは、斜線矢印Fで示される近位方向にシールドを強制する。
【0133】
図14Cは、ドラムガイド131がドラム210を回転係止するための回転係止を提供する、起動前状態の薬剤送達装置を例示する。ドラム210の近位端が、ドラムガイド131の遠位端131bに近位の位置に移動したとき、ドラムガイド131は、軸方向軌道216と係合し、軸方向移動をガイドしながら、回転を防止する。ドラム210が回転係止解除状態から回転係止状態に変化する位置は、中間回転係止位置と呼ばれ、この位置は、例示された状態では、通過されている。
図14Cでは、回転ガイド233は、近位スイッチャガイド133と軸方向に整列しているが、距離d1が、シールド110、ドラム210、およびスイッチャ230の軸方向移動によって排除されている。ドラム210は、第1の角度位置に位置付けられ、スイッチャ230は、第1の角度位置に位置付けられている。スイッチャ230は、ドラム210に対してちょうど回転するところであり、回転に利用可能な空間は、アーム231の側面232.6とドラムの陥凹217の側面217.2との間の距離である。状態を
図14Cから
図14Dに例示される状態に変化させるために、ユーザは、さらに近位方向にシールドを強制し、これは、斜線矢印Fで示される。
【0134】
図14Dは、シールド110が近位位置に移動されており、それによって、示されていない駆動機構が起動されることになる、起動された薬剤送達状態の薬剤送達装置を例示する。
図14Cから
図14Dへのさらなる軸方向移動の間、回転ガイド233の近位端と近位スイッチャガイドとの間の螺旋表面233.2、133.1は、スイッチャ230を時計回り方向に回転するように強制しており、回転ガイド233の遠位端の螺旋表面233.1、134.1、および遠位スイッチャガイドは、軸方向に整列している。これによって、二重投与防止機構が始動され、初期状態から始動状態にシフトしている。
【0135】
回転ガイド233の近位部分および近位スイッチャガイド133は、二重投与防止機構を始動する構造であるため、それらは、概して、それぞれ、回転可能な係止イニシエータ(回転ガイド233の近位部分)および回転不能な係止イニシエータ133と呼ばれる。集合的に、それらは、係止イニシエータ233、133と呼ばれる。遠位部分および近位部分を含む回転ガイド233が1つの構造として例示されていることは明らかであるが、当業者は、それらが互いに対して動作可能に配設されている限り、それらが分離されて2つの個々の構造を形成してもよいことを理解するであろう。回転ガイド233の遠位部分および遠位スイッチャガイド133は、二重投与防止機構を起動するための構造であるため、
図14Fに関する説明から明らかになるであろうように、それらは、概して、それぞれ、回転可能な係止アクティベータ(回転ガイド233の遠位部分)および回転不能な係止アクティベータ134と呼ばれる。集合的に、それらは、係止アクティベータ233、134と呼ばれ、上記に説明されるように、係止アクティベータが軸方向に整列するとき、係止アクティベータが始動されている。
図14Dでは、スイッチャ230は、係止イニシエータ233、133が軸方向に整列され、かつ係止アクティベータ233、134が軸方向に不整列である第1の角度位置(
図14A~
図14C)から、係止イニシエータ233、133が軸方向に不整列であり、かつ係止アクティベータ233、134が軸方向に整列されている第2の角度位置(
図14D、
図14E)に移動されており、それによって、二重投与防止機構が始動されている。
図14Dに示される装置は、起動またはシールド組立品が駆動機構を起動するための近位起動位置に位置付けられ、かつ回転可能な係止アクティベータ133が始動位置に位置付けられている状態を例示するため、状態はまた、駆動機構が起動され、かつ二重投与防止機構が始動した、起動された駆動機構および始動された二重投与防止状態とも呼ばれ得る。
【0136】
スイッチャ230がドラム210に対して回転すると、回転ガイド233は、ここで、遠位スイッチャガイド134と軸方向に整列し、軸方向に延在するアーム231の頭部232の第2の側面232.6は、ドラム210の陥凹217の側面217.2に当接する。これによって、スイッチャのさらなる回転は、トルクをドラム210に伝達することになる。しかしながら、
図14Dに例示されたドラムは、中間係止位置の近位であり、したがって、回転係止状態であり、回転することができない。シャフト132のほとんどが
図14Dで取り外されているが、遠位スイッチャガイド134は図上に残っている。状態を
図14Dから
図14Eに例示される状態に変化させるために、ユーザは、シールドに対する近位の力を解除し、戻しばねが、シールドを遠位方向に押すことになる。
【0137】
図14Eは、シールド110の近位端および軸方向軌道116(
図14Eに示される116f)の近位端が、ドラムガイド131(
図14Eに示される131f)の遠位端131aと同じ横方向平面にあり、それによって、遠位方向のさらなる移動がドラム210の回転係止を係止解除することになる中間解除状態にシールド110が位置付けられている、解除状態を例示する。
【0138】
中間係止位置および中間解除位置は、軸方向に沿った同じ位置である。しかしながら、解除位置は、ドラムが係止される状態とドラムが解除される状態との間でドラムが切り替わろうとしているところを示す。中間係止位置は、状態の逆の変化を示す。
【0139】
螺旋表面134.1、133.1が左巻きであるため、スイッチャ230は、圧縮ばね107が解除位置から遠位方向にシールド110を戻す際に、時計回り方向に回転することになる。中間解除状態では、カートリッジホルダの螺旋表面134.1、スイッチャ230の螺旋表面233.1は、ドラム210がドラムガイド131から解除されるときに、ドラム210の反時計回りの回転を防止するように配設され得る。反時計回りの回転のリスクを防止または低減することは、シールド110の管状シリンダ116と摩擦係合する軸方向に延在するアーム231によっても提供され得、シールド110は、繰り返しになるが、ハウジングに回転係止されている。状態を
図14Eから
図14Fに例示される状態に変化させるために、戻しばねは、シールドを遠位方向にさらに押す。
【0140】
図14Fは、ドラム210と回転方向に当接しているスイッチャ230が、ドラム210と一緒に時計回り方向に回転した、起動された二重投与防止状態を例示する。要するに、状態は、二重投与防止状態と呼ばれることになる。スイッチャ230は、軸方向移動を回転移動に変換する係止アクティベータ233、134の螺旋表面間の係合に起因して回転しており、それによって、係止アクティベータ233、134は、それらが不整列、すなわち、位置合わせされていない位置に置かれている。スイッチャ230は、第2の角度位置から第3の角度位置に回転しており、ドラムは、結果として、軸方向軌道216がカートリッジホルダ130の軸方向ガイド131と軸方向に整列された第1の角度位置から、近位に配向された表面215.1を有する軸方向に延在するリブ215が軸方向ガイド131と整列される第2の角度位置に回転している。これによって、ドラム210は、近位の移動に応答して、カートリッジホルダ130に対して阻止するように適合されている。ドラム210を回転させて第1の角度位置に戻す手段がないため、かつスイッチャ130がシールドの円筒形部分116によって摩擦保持されるため、二重投与が防止される。
図14Fは、リブ215fがガイド131fと軸方向に整列する際にドラム210が近位位置で移動することができないことを、両方の構造が同じ断面平面に現れるように明確に例示する。比較のために、
図14Aに例示された準備完了状態では、二重投与防止機構は、係止解除されている。第1の実施形態について、二重投与防止機構は、キャップ105を装着することによって係止解除される。状態を
図14Fから
図14Gに例示される状態に変化させるために、ユーザは、キャップ105を再び取り付ける。
【0141】
係止解除の機構は、
図14G~
図14Jに集合的に例示されている。
図14Gは、キャップがハウジングに再装着されることになる第1の係止解除状態を例示する。スイッチャ230は、駆動機構の起動後、時計回り方向に回転しているため、次のアーム231fは、係合位置に回転されており、キータブ105c.1および次のアーム231fは、軸方向に整列する。この文脈では、次のアームは、反時計回り方向にアーム232cの隣に位置付けられた回転対称に配設されたアーム232fである。当業者は、所望の場合、螺旋表面の配向を変化させ、それに応じて、他の構造の配向をミラーリングすることによって、スイッチャ230およびドラム210が他の方向に回転するように設計され得ることを理解するであろう。
図14Gでは、キータブ105.2の螺旋表面は、アーム231の螺旋表面232.7と係合する。さらに、アーム231の第2の側面232.6は、陥凹の第2の停止部217.2と係合し、それによって、スイッチャおよびドラムの組み合わせられた時計回りの回転が、キャップ105の近位移動に応答して、誘発され得る。状態を
図14Gから
図14Hに例示される状態に変化させるために、ユーザは、キャップ105を近位方向に押す。
【0142】
図14Hは、キータブ105.2がスイッチャ230およびドラム210を時計回り方向に回転させている第2の係止解除状態の薬剤送達装置を例示する。スイッチャ230は、第3の角度位置から第4の角度に回転しており、ドラム210は、第2の角度位置から第3の角度位置に回転している。
図14Hに見られるように、この状態では、キータブ105.2の側面は、アーム231の側面に当接し、キータブ105.2の螺旋表面105.3は、ドラム210のリブ214の縁に当接し、それによって、キータブ105.2の近位移動は、リブ214の回転移動に伝達され得る。小さい回転間隙が、依然として、スイッチャのアーム231の第1の側面232.5とドラムの陥凹217の第1の停止部217.1との間に提供される。回転間隙は、スイッチャを回転させることなくドラムを時計回り方向に回転させることに応答して、可能な回転変位を決定する。そのような移動は、スイッチャ230とシリンダ116との間の摩擦がドラム210とスイッチャとの間の摩擦よりも大きいため可能である。状態を
図14Hから
図14Iに例示される状態に変化させるために、ユーザは、キャップ105を近位方向にさらに押し、これは、斜線矢印Fによって例示されている。
【0143】
図14Iは、キータブ105.2が、ドラム210を第3の角度位置から第4の角度位置に回転させ、それによって、第1の停止部217.1が、軸方向アーム231の側面232.5と当接するように回転されている第3の係止解除状態にある薬剤送達装置を例示する。スイッチャ230は、第4の角度位置に留まる。リブ214の側面は、さらに、アーム231の側面と当接し、これは、
図14Iのリブ214eおよびアーム231eによって最良に例示されている。ドラムの第3の角度位置と第4の角度位置との間の角度変位は、角度変位がアーム231fの側面232f.5と陥凹217fの第1の停止部217f.1との間の角度延長に対応するため、
図14Gに最良に例示される。キータブ105.2の螺旋表面105.3は、依然として、リブ214の縁と接触し、それによって、近位移動は、スイッチャ230と一緒にドラム210の回転移動を誘発することになる。状態を
図14Iから
図14Jに例示される状態に変化させるために、ユーザは、キャップ105を近位方向にさらに押し、これは、斜線矢印Fによって例示されている。
【0144】
図14Jは、キータブ105c.2の側面がリブ214fの側面、およびアーム231eの側面に当接する第4の最終的な係止解除状態にある薬剤送達装置を例示しており、キータブ105c.2は、繰り返しになるが、ドラムの側面217.1に係止される。これによって、全ての構成要素は、回転係止され、貯蔵部がより少ない用量を収容することを除いて、
図14Aに例示された状態に対応する。
図14Jでは、ドラム210およびスイッチャ230は、それらの第4の角度位置からそれらの第5の角度位置に一緒に回転されている。軸方向軌道216およびドラムガイド231は、再び軸方向に整列され、二重投与防止係止が係止解除されている。装置がキャップなしであるとき、別の起動の準備ができる。
【0145】
【0146】
図15Aは、キャップ105がシールド110を覆っている、
図14Aに対応する、キャップ付き状態の薬剤送達装置を例示する。キータブ105.2は、スイッチャ230とドラム210との間に位置付けられ、それによって、構造は、回転係止される。
図14Aに例示されるものに加えて、
図15Aは、カートリッジの遠位端に穿刺可能な隔壁291を有する、カートリッジ290の頭部部分290.1を例示する。
図15Aは、針ハブ225内に固定的に配設された針カニューレ224を備える針組立品220をさらに例示する。見られるように、ハブガイド212が、針ハブ225を収容するための孔212.3を含む針ドラム210内に形成される。
図15Aでは、針ハブ225は、くぼみ212.2によって提供される着座部内に配設される。針ハブ225は、2つの角度位置に配設され得、第1の角度位置は、
図15Aに示されており、半径方向に延在するフィンガを有する制御タブ228が、くぼみ212.2に着座している。第1の角度位置では、くぼみ212.2の近位に配向された表面は、制御タブ228の遠位に配向された表面228.2に当接し、それによって、ドラム210の近位移動が、ハブ225に伝達され得る。フィンガ227および制御タブ228の軸方向に延在する側面227.2、228.3は、第1の角度位置を画定する、くぼみ212.2の側面に当接する。ハブ225の近位端では、ハブは、スイッチャのフランジ234によって支持される。スイッチャ230がドラム210に係止されているため、ハブ225も、それがドラムに対して近位位置にあるとき、同様である。
図15Aでは、針ハブ225およびカニューレ224は、ハウジングに対して遠位位置に配設され、カニューレは、シールド110によって覆われ、シールド110は、キャップ105によって覆われる。ハブ225は、ハウジング130に対して遠位位置に位置付けられるが、ドラム210に対して近位位置に位置付けられる。ハブの第1の角度位置は、
図15B、
図15C、および
図15I~
図15Pにさらに例示されている。ハブの第2の角度位置は、
図15D~
図15Hに関連して示され、説明されている。薬剤送達装置は、斜線矢印Fによって例示される、キャップ105を引っ張ることによって、
図15Aのキャップ付き状態から
図15Bに例示された準備完了状態に変化する。
【0147】
図15Bは、キャップ105が取り外された、次の状態、準備完了状態を例示する。
図15Bは、
図14Bに対応し、針224が遠位位置にあることをさらに例示する。針224の遠位端は、シールドによって覆われ、近位先端は、カートリッジ290の隔壁の遠位の近位プラグ221によって覆われる。軌道216は、ドラムガイド131と軸方向に整列する。スイッチャ230のアーム231の頭部部分232は、陥凹217内で時計回り方向に角度的に変位することを可能にされ、それによって、スイッチャは、ドラム210に対して回転し得る。状態を
図15Bから
図15Cに例示される状態に変化させるために、ユーザは、斜線矢印Fで示される近位方向にシールドを強制する。
【0148】
図15Cは、
図14Cの起動前状態と比較して、投与サイクルのより早期である第1の起動前状態と呼ばれ得る、次の状態を例示する。第1の起動前状態では、シールド110(図示せず)、およびハブ225を有するドラム210は、軸方向位置に近位に移動されており、フィンガ227は、ハブを第1の角度位置から第2の角度位置に回転させるように適合されたフィンガガイド137との相互作用を開始する。
図15C1は、制御タブ228を有する針ハブ225、およびくぼみ212.2に着座したフィンガ227を側面視から例示する。
図15C2は、制御タブ228がくぼみ212.2に着座した状態のハブ225を示す軸方向断面を例示し、近位プラグ221は、カニューレ224によって穿刺されており、カニューレの近位端は、ここで、貯蔵部290と流体連通している。
図15C3は、フィンガガイド237の螺旋表面237.1と接触しているフィンガ227の螺旋表面227.1を側面視から例示する。さらなる近位移動に応答して、フィンガガイドは、螺旋表面227.1、237.1の間の接触に起因して、ハブ225を第2の角度位置に回転させることになり、それによって、フィンガ227は、軌道236内に半径方向に延在することになる。この軸方向位置では、ドラム210は、ドラムの軌道216とカートリッジホルダの軸方向ドラムガイド131(
図13に示されるガイド131)との間の係合に起因して、回転係止されることになる。近位針が隔壁を穿刺すると、ドラムの回転係止は、ドラム210に外部からの意図せず適用されたトルクに応答して、隔壁への損傷を防止する。状態を
図15Cから
図15Dに例示される状態に変化させるために、ユーザは、さらに近位方向にシールドを強制し、これは、斜線矢印Fで示される。
【0149】
図15Dは、ハブ225が第2の角度位置に回転されている軸方向位置にシールド110、ドラム210、およびハブ225がさらに移動している、第2の起動前状態を例示する。これによって、くぼみ212.2の近位に配向された表面、および遠位に配向された表面228.2は、軸方向に不整列であるように、すなわち、結合解除されるように、接触せず摺動する。第2の角度位置では、フィンガ227は、フィンガ227のための軌道を形成する切欠き212.1と軸方向に整列される。この位置では、フィンガ227はまた、軌道236内に半径方向に延在し、それによって、ハウジングに軸方向に係止される。制御タブ228は、第2の角度位置でドラムに当接するように適合された第2の側面228.1を備える。
図15D1の側面図は、フィンガ227と孔212.3との間の位置合わせを明確に例示する。この条件は、断面が、起動針組立品の位置でくぼみ212.2を通って作製され、それによって、フィンガ227の軸方向表面227.2が断面平面の背後で見ることができる、
図15D2からも理解され得る。ドラム210がさらに近位に移動したとき、フィンガ227は、切欠き212.1内に摺動することになり、表面227.2は、
図15E2に見られるように、ドラム210の切断面によって部分的に隠されることになる。
図15D2は、フィンガ227が、軌道236との係合を通して、ハウジングに対して軸方向にハブ225を係止することを明確に例示する。状態を
図15Dから
図15Eに例示される状態に変化させるために、ユーザは、さらに近位方向にシールドを強制し、これは、斜線矢印Fで示される。
【0150】
図15Eは、シールド110およびドラム210がさらに近位に移動している第3の起動前状態を例示する。しかしながら、起動位置225のハブがハウジングに係止されているため、ハブ225は、ハウジングに対してその軸方向位置を保持しているが、それは、ドラム210に対して遠位に移動しており、それによって、針224は、遠位先端がドラム210から延在している位置に移動されており、それによって、遠位プラグ211.2が穿刺される(
図15には示されていない遠位プラグ)。状態を
図15Eから
図15Fに例示される状態に変化させるために、ユーザは、さらに近位方向にシールドを強制し、これは、斜線矢印Fで示される。
【0151】
図15Fは、
図14Cに例示された起動前状態に対応する第4の起動前状態を例示し、シールド100、ドラム110、およびスイッチャ230は、回転可能なガイド233の近位部分と近位スイッチャガイド133との間に接触が確立されるまで、近位方向にさらに移動している。この接点は、
図14Cにより良好に例示されている。この状態では、針カニューレは、シールド110によって覆われていない。スイッチャ230は、ドラム210に対して2つの角度位置に位置付けられ得、
図15A~
図15Fは、スイッチャ230の側面233.5がドラム210の陥凹217の側面217.1に当接する第1の角度位置にあるスイッチャを例示する。状態を
図15Fから
図15Gに例示される状態に変化させるために、ユーザは、さらに近位方向にシールドを強制し、これは、斜線矢印Fで示される。
【0152】
図15Gは、シールド110、ドラム210、およびスイッチャ230が、ハウジングに対してその近位位置に位置付けられ、駆動機構が起動される、
図14Dに対応する起動状態を例示する。起動針組立品は、ドラム210に対して遠位位置に位置付けられ、針カニューレ224の遠位端は、ここで、患者の皮膚への挿入の準備ができている。シールドは、使用中、皮膚に押し付けられるため、遠位針先端は、この状態で、注射部位の皮下皮膚層に位置付けられることになる。示されるように、近位針端が貯蔵部と流体連通していること、および遠位端が注射開始前に皮膚内に位置付けられることが確保される。待機針組立品220は、依然として、それらがドラム210のそれらの着座部212.2から解除されていないため、ドラム210に対して近位位置に位置付けられている。近位スイッチャガイド133のガイダンス、ならびに軌道216および軸方向ガイド131によって提供されるドラムの回転係止に起因して、スイッチャ230は、ドラム210に対して第2の角度位置に時計回り方向に回転するように強制され、表面232.6および217.2が当接する。
図15G2では、近位スイッチャガイド134は、停止表面230.5に位置付けられている(
図10Cも参照されたい)。また、起動ハブ225の近位端とフランジ234との間に軸方向の間隙が作成されることも留意される。状態を
図15Gから
図15Hに例示される状態に変化させるために、ユーザは、シールドに対する近位の力を解除し、戻しばねが、シールドを遠位方向に押すことになる。
【0153】
図15Hは、軌道136を介してハウジングに係止されるフィンガ227が、くぼみ212.2と軸方向に整列される位置まで、シールド110、ドラム210、およびスイッチャ230が遠位に移動した第1の起動後状態を例示する。ハブが依然として軌道136に軸方向に係止されているため、スイッチャ230のフランジ234とハブ225の近位端との間の間隙は、排除されている。ハブ225は、ドラム210に対して近位位置に再び位置付けられ、スイッチャ230は、ここで、起動ハブ225を遠位方向に沿って引っ張るように配設され、適合されている。針224の近位端は、依然として、貯蔵部またはカートリッジ290と流体連通にあり、ドラム210は、ハウジングに回転係止131、216される。針の遠位端は、シールド110によって覆われており、遠位針プラグ211.2内に存在する。遠位プラグ211.2とカニューレ224との間の摩擦に起因して、カニューレ224は、針224およびハブ225を遠位に引っ張る。これによって、フィンガ227の遠位に配向された螺旋表面227.4(
図8C)は、ハブ225の遠位移動に応答して、第1の角度位置に向かってハブを付勢する、軌道の近位に配向された螺旋表面136.1(
図13B)に対して付勢される。しかしながら、
図15Eに例示された第3の起動前状態におけるフィンガ227と軌道212.3との間に作成された回転係止に起因して、
図15Hに例示された第1の起動後状態まで回転は発生していない。言い換えれば、フィンガ227およびくぼみ212.2が半径方向に同じ軸方向位置に整列されるまで、フィンガ227の回転はない。状態を
図15Hから
図15Iに例示される状態に変化させるために、戻しばねは、シールドを遠位方向にさらに押す。
【0154】
図15Iは、シールド110、ドラム210、およびスイッチャ230が、第1の起動後状態と比較して、遠位方向にさらに移動している第2の起動後状態を例示する。フランジ234が起動針ハブ225の近位端の表面と当接するため、ハブ225は、スイッチャ230によって遠位方向に引っ張られ、フィンガ227の遠位配向された螺旋表面227.4(
図8C)と軌道の近位配向された螺旋表面136.1(
図13B)との間の接触に起因して、第1の角度位置に回転されている。近位針端は、依然として、貯蔵部290と流体連通している。状態を
図15Iから
図15Jに例示される状態に変化させるために、戻しばねは、シールドを遠位方向にさらに押す。
【0155】
図15Jは、シールド110、ドラム210、スイッチャ230、およびハブ225が遠位方向にさらに移動しており、それによって、ドラム210の軸方向軌道216の近位端がドラムガイド131の遠位端に移動している第3の起動後状態を例示する。この位置では、針カニューレ124の近位端は、カートリッジ290から接続解除されており、ドラムは、カートリッジ290の隔壁を損傷することなく回転され得る。状態を
図15Jから
図15Kに例示される状態に変化させるために、戻しばねは、シールドを遠位方向にさらに押す。
【0156】
図15Kは、
図14Eに例示された中間解除状態に対応する、第4の起動後状態を例示する。ドラム230およびスイッチャ230を有するシールド110は、軸方向軌道216がドラムガイド131から解除されており、かつスイッチャの回転ガイド233の遠位端が、スイッチャをさらに時計回り方向に回転させるように適合された遠位スイッチャガイド134と接触する、軸方向位置までさらに遠位に移動している。スイッチャ230が陥凹217との係合を通してドラム210に回転方向に当接するため、スイッチャ230は、時計回り方向の回転移動をドラム210に伝達するように適合され、配設される。
図15K2は、ドラムガイド131の遠位縁およびドラム210の近位縁の両方を例示し、それによって、ガイド131が軌道216から係合解除されることが理解され得る。また、軌道216およびガイド131が依然として軸方向に整列されていることも例示されている。状態を
図15Kから
図15Lに例示される状態に変化させるために、戻しばねは、シールドを遠位方向にさらに押す。
【0157】
図15Lは、
図14Fに例示された起動された二重投与防止状態に対応する、第5の起動後状態を例示する。ドラム230およびスイッチャ230を有するシールド110は、軸方向位置にさらに遠位に移動しており、スイッチャ230は、第3の角度位置に回転されており、ドラム210は、第1の角度位置から、ドラムガイド131が軌道216の間に延在する軸方向リブ215と軸方向に整列される第2の角度位置に回転されている。この位置合わせに起因して、ドラム210は、近位方向に移動することができず、二重投与防止係止が始動されており、次の用量が投与される前に係止解除されなければならない。シールドは、ハウジングに対して軸方向に係止され、したがって、回転しない。第5の起動後状態は、針を有するドラムが回転する第1の状態であり、次の待機針をカートリッジ290と軸方向に整列した起動針位置に位置付けるために、ドラム210の回転が必要とされる。したがって、
図15Lの状態は、第2の針交換状態とも呼ばれ得、
図15Kの状態は、第1の針交換状態とも呼ばれ得る。状態を
図15Lから
図15Mに例示される状態に変化させるために、ユーザは、キャップ105を取り付ける。
【0158】
図15Mは、
図14Gの第1の係止解除状態に対応する第3の針交換状態を例示する。注射装置は、キャップ105をハウジングに装着することによって係止解除される。キャップ105は、スイッチャ230を係合および回転するように適合されたキータブ105.2を備え、キータブ105.2は、繰り返しになるが、ドラム210を回転させるように適合されている。
図15Mでは、スイッチャは、依然として、第3の角度位置にあり、ドラムは、第2の角度位置にある。状態を
図15Mから
図15Nに例示される状態に変化させるために、ユーザは、斜線矢印Fによって示される近位方向にキャップ105を押す。
【0159】
図15Nは、
図14Hの第2の係止解除状態に対応する第4の針交換状態を例示する。キータブ105.2は、スイッチャを第3の角度位置から第4の角度位置に回転させ、ドラムを第2の角度位置から第3の角度位置に回転させている。
図15N2は、スイッチャ230の軸方向アーム231と回転方向に当接しているキータブ105.2を例示する。さらに、キータブは、ドラム210のリブ214と係合し、さらなる近位移動に応答して、ドラム210をスイッチャ230に対して回転させ得る。状態を
図15Nから
図15Oに例示される状態に変化させるために、ユーザは、斜線矢印Fによって示される近位方向にキャップ105を押す。
【0160】
図15Oは、
図14Iの第3の係止解除状態に対応する第5の針交換状態を例示し、キャップ105は、さらに近位に移動しており、キータブ105.2は、ドラム210を第3の角度位置から第4の角度位置に回転させている。状態を
図15Oから
図15Pに例示される状態に変化させるために、ユーザは、斜線矢印Fによって示される近位方向にキャップ105を押す。
【0161】
図15Pは、
図14Jの第4のロック解除状態に対応する第6の針交換状態を例示し、キャップは、完全装着位置にさらに近位に押されている。この状態では、ドラム210のリブ114と係合するキータブ105.2、および回転方向に当接してスイッチャと係合するドラム210は、ドラム210およびスイッチャ230を第4の角度位置から第5の角度位置に回転させている。
【0162】
第2の実施形態
図16~
図30は、本開示による、複数の固定用量を送達するための注射装置300の第2の実施形態を例示する。
【0163】
図16Aは、注射装置300の分解組立図を示し、
図16Bは、
図16Aからの針組立品のうちの1つを示す。
図17Aおよび
図17Bは、組み立てられた状態の装置の断面を示す。
図17Aでは、キャップが装着され、
図17Bでは、キャップが取り外されており、シールドが近位位置に押し込まれて駆動機構を起動している。
図17は、シールドと駆動機構との間の接続を例示しておらず、したがって、駆動機構の状態は、
図17Aから
図17Bで変化していない。しかしながら、シールドおよび駆動機構が接続されたとき、シールドの近位移動は、結果的に、駆動管の近位移動をもたらすことになり、それによって、ハウジングから解除される。
図18~
図29は、斜視図における、かつ異なる角度からの個々の構造のさらなる詳細を示す。また、内部構造の詳細を例示するために、構造のいくつかが切り開かれるか、または構造が切り取られている。
図30A~
図30Oは、集合的に
図30と呼ばれ、二重投与防止機構、針交換機構、針挿入シーケンス制御機構(シーケンス制御機構)、および起動制御機構の機能を段階的な様式で例示する。
【0164】
図16Aは、分解組立図で注射装置300を示す。
図16Aは、キャップ305、管状の細長いシールド構造310、複数の針組立品(例示される例では4つ)を例示し、複数の針組立品内の各針組立品420は、
図16Aからの針組立品のうちの1つの拡大図である
図16Bにより良好に例示されるように、針ハブ425、針カニューレ424、および近位プラグ組立品421を含む。近位プラグ組立品は、本開示の実施形態1に関して説明されるように、使用前滅菌状態で針カニューレ424の近位先端を覆うための軟質封止円筒形コアと、軟質コアを取り囲む硬質円筒形シェルと、を備え得る。
図16Aは、回転針ドラム410と、ドラム410への挿入のための、かつカニューレ224の各々の遠位先端を覆うように配設される遠位プラグ411と、をさらに示す。
図16Aは、針イニシエータ430、カートリッジホルダ330、および、摺動可能に配設されたプランジャ291を有するカートリッジ490を示す(
図17Aを参照)。
図16Aは、管状の細長いハウジング構造340、前方基部350、コネクタ370、駆動管380、細長い管状トリガ構造360、トリガ延長部369、および針ハンドラ320をさらに示す。全ての構成要素が
図16Aに例示されているわけではないが、本開示による第2の実施形態は、駆動機構の起動を可能にするためにシールドをコネクタ370と接続する起動ロッドまたは他の接続手段と、シールド310を遠位方向に付勢するためのシールド戻しばねと、ピストンワッシャまたはピストンヘッドと、ピストンロッドと係合するための内ねじを有するナットと、投与駆動ばねと、ナットの内ねじと係合するための外ねじを有するピストンロッドと、駆動ばねの近位端を受容するためのばね基部と、をさらに備える。
【0165】
図17Aは、キャップ305が装着され、かつプランジャ490が最近位位置にある初期貯蔵状態における薬剤送達装置300を例示している。ハウジングは、第1の断面寸法340.2の遠位管状部分、および第2の断面寸法340.3の近位管状部分を含む。遠位管状部分340.2は、近位管状部分340.3の内面から延在し、それによって、遠位に配向された表面を有する近位管状部分340.3の遠位端で縁340.4を画定する。縁340.4は、停止表面を提供し、スナップオン構造340.5と一緒にキャップ305の装着位置を画定する。見られるように、装着位置では、キャップ305は、遠位管状部分の主要部分を覆って収容する。前方基部350は、シールド310を摺動可能かつ回転可能な配設で受容して支持するように適合されている。前方基部350は、ハウジング構造340の遠位端に固定的に装着される。
図17Aに示されるように、シールド310が遠位位置にある場合、前方基部350およびハウジング構造340は、近位部分を収容し、シールド350の遠位部分は、覆われずに遠位方向に延在する。
図17Bに示されるように、シールドが近位位置にある場合、シールドの小さい部分のみがハウジングから延在する。管状トリガ構造360は、シールド310の内側に配設される。トリガ構造360は、それが軸方向に移動可能である間、ハウジングに回転係止される。さらに、トリガ構造360は、シールド310に軸方向に係止されるが、一方、シールドは、回転係止されたトリガ構造360に対して相対的に回転され得る。針ハンドラ320は、トリガ構造360の内側に配設される。しかしながら、針ハンドラ320の遠位部分は、シールド310の内側遠位表面上に歯318と係合するように配設され、一方向の相対的回転および他方の方向の複合回転を可能にするラチェット機構を提供する。針ハンドラは、外側シリンダと、アーム320.3を接続することによって外側シリンダに接続された内側シリンダと、を備える。針ドラム420は、針ハンドラ420の内側シリンダと外側シリンダとの間に配設され、接続アームは、ドラム410の側壁の2つの窓を通って半径方向に延在している。窓の周方向の延長部、すなわち、幅は、接続アームの周方向延長部よりも大きく、それによって、針ハンドラ320は、ドラム410に対して角度位置まで間を移動することを可能にされる。さらに、ドラムの外面は、トリガ構造360の内面と係合し、ドラム410とトリガ構造360との間のラチェット機構は、一方向の相対的回転および別の方向の複合回転を提供する。シールド310、延長部369に固定されたトリガ構造360、針ハンドラ320、およびドラム420は、全て、互いに対して軸方向に固定され、ハウジングに対して軸方向に移動可能である。針ハンドラ320の内側シリンダは、カートリッジホルダのシャフト332と軸方向に位置合わせされて配設される。針ハブは、針ドラム内に固定的に取り付けられた遠位針プラグとの摩擦係合を通して、ドラムに軸方向に固定される。しかしながら、摩擦係合を超える軸方向の力に応答して、起動針は、ドラム410に対して軸方向に移動可能である。針イニシエータ430は、ハウジングに軸方向に固定されるが、回転することを可能にされる。針イニシエータは、ドラム410が遠位位置に配設されるとき、ドラム410および針ハブ425の近位部分を受容して収容する。針イニシエータは、シールド310に回転可能に結合され、したがって、シールドが第1の角度位置から第2の角度位置に回転されるときに、シールドと一緒に回転する。この回転の間、イニシエータ上の内側ガイドは、起動位置のハブ上の外側イニシエータガイド426.1と係合し、ドラム410に対する近位位置にそれを駆動する。構造の詳細が、
図18~
図29に関連してさらに説明される。
【0166】
ハウジング組立品
注射装置は、他の構造を支持およびガイドする剛直なフレームを提供するハウジング組立品を備える。ハウジング組立品はまた、ハウジングとも呼ばれ、より短い表記を可能にする。ハウジング組立品は、細長いハウジング構造340、前方基部350、カートリッジホルダ330、前方基部350、ナット、およびばね基部を備え、これらは、組み立て後に固定的に係合される。細長いハウジング構造340は、カートリッジホルダ330を受容および収容するように適合されており、カートリッジホルダ330は、カートリッジ490を受容するように適合されている。ハウジング構造340は、管状であり、横方向断面は、第1の直径を有するカートリッジ290、および第2の直径を有する回転ドラム410の平行配設の周囲を囲む外壁によって画定される。第1の中心軸(X1)は、カートリッジ290の中心軸およびハウジング内に配設されたピストンロッドとして画定される。第2の中心軸(X2)は、
図17Aに同様に例示されるように、ハウジング内に配設されたドラム410の中心軸として画定される。カートリッジホルダ330がドラム410およびカートリッジ290を受容するための構造を含むため、第1の中心軸(X1)および第2の中心軸(X2)が
図17Aおよび
図20B上に示される。
【0167】
カートリッジ330とドラム410との間の半径方向オフセットに起因して、ハウジング構造340の外壁構造の横方向断面は、楕円または超楕円の幾何学的形状に類似し得、ドラムおよびカートリッジの直径が異なるため、幾何学的形状は、第1および第2の中心軸を含む平面の周りで対称であり、2つの軸(X1、X2)の間に配設され、対称の平面に対する法線ベクトルを含む平面の周りで非対称である。あるいは、断面は、円形であり得るが、断面の全体的なエリアを増加させることになる。したがって、楕円の非対称設計が好ましい。
【0168】
また、本開示による第2の実施形態について、ハウジングの残りの部分とのナットの組み立て中にゼロ点調整が保証される。
【0169】
薬剤送達装置の異なる機構が以下に簡単に提示されるが、それらは、
図30に関してさらに詳細に説明される。
【0170】
駆動機構
注射装置300は、第1の実施形態100について説明される駆動機構と同様に機能する駆動機構を備える。駆動機構は、駆動管380、およびハウジング内の対応するガイドを備える。駆動機構は、駆動ばね、ピストンロッド、およびナットをさらに備え、これらは、第2の実施形態に関して具体的に例示されていない。しかしながら、構成要素は、第1の実施形態について例示および説明された構成要素と同様に機能する。
【0171】
トリガ機構
トリガ機構は、細長いシールド構造310、細長い管状のトリガ構造360、およびトリガ延長部369と、示されていない起動ロッドまたはトリガ延長部369をコネクタ370と接続するための接続手段と、コネクタ370と、を備える。シールド310は、トリガ構造360内に受容される。シールド310は、トリガ構造360に対して回転可能に配設されるが、軸方向に係止される。トリガ構造360は、ハウジングに回転係止されるが、シールドと一緒に近位位置と遠位位置との間で移動することを可能にされる。トリガ延長部369は、トリガ構造360に接続され、それによって近位方向に延在される。起動ロッドは、トリガ延長部369とコネクタ370との間に位置付けられ、それによって、シールドは、シールド310が遠位位置に位置付けられるとき、駆動機構を起動し得る。コネクタ370は、ハウジングに回転係止される。コネクタ370は、コネクタ170と同様に、遠位位置と、駆動管が起動位置に位置付けられる近位位置との間で移動され得る。駆動管380は、可撓性アームの遠位に配向された表面がコネクタ370の起動タップ372と係合し得る弛緩位置、ならびに駆動管が投与位置およびその端に到達する偏向状態から偏向可能な可撓性アーム383を備え、可撓性タブは、起動タブ372によって偏向される。
【0172】
ドロップロック機構
第2の実施形態による薬剤送達装置はまた、ドロップロック機構を備える。軸方向に延在するリブを有するシールド310と、周方向および軸方向のガイドを有する基部フレーム350と、を備える、第2の実施形態のドロップロック機構。シールド310は、基部フレーム内の第1の角度位置と第2の角度位置との間に回転可能に配設される。シールドは、第1の角度位置でさらにより軸方向に係止されるが、遠位係止解除位置から近位位置に、第2の角度位置で軸方向に移動可能である。シールドは、遠位係止位置とも呼ばれる第1の角度位置から第2の角度位置にガイドされ、円周ガイドに当接するリブによってガイドされる。さらなるガイドが停止表面によって停止される第2の角度位置では、シールドの軸方向リブが軸方向に移動することを可能にするように適合された切欠きが提供される。したがって、シールドは、遠位係止解除位置とも呼ばれる第2の角度位置から、切欠きによって近位位置にガイドされ、それによって、切欠きは、軸方向ガイドを提供する。
【0173】
第2の実施形態によるドロップロック機構は、軸方向に延在するリブ317を有するシールド310(
図18A)、装置がキャップされ得、かつシールドが軸方向に係止される第1の角度位置と、シールドがキャップなしであり、かつシールドが軸方向に係止解除され、軌道を可能にする第2の角度位置との間にシールドをガイドするように適合された角度軌道351.1(
図21A)を有するハウジングを備える。
【0174】
針交換機構
第2の実施形態による薬剤送達装置は、針交換機構を備え、複数の針組立品がドラム内に配設され、ドラムが針の接続解除後の工程で回転され、シールドを遠位位置に戻す。回転は、保護キャップ305の装着によってのみ、または単にシールド310を回転させることによって誘発される。次いで、キャップは、シールドが回転された後に装着され得るが、針は、位置が変化している。第2の実施形態の針交換機構は、一対の対応するガイド部分305.1、317を含む。別の代替例では、回転は、シールドの戻りのみによって誘発されたと想像され得る。しかしながら、そのような解決策はまた、二重投与機構の係止解除の代替的な方式も必要とすることになる。別の実施形態では、針交換は、軸方向に摺動可能なシールドまたは軸方向に摺動可能なプッシュボタンに平行に配設された別個の構造によって提供され得る。しかしながら、別個の構造が、シールドおよびプッシュボタンの操作とは独立して配設された場合、別個の構造は、針を交換するために追加のユーザ取り扱いステップを必要とすることになる。
【0175】
二重投与防止機構
本開示による第2の例示された実施形態では、二重投与防止機構は、駆動機構の起動後に近位位置から遠位位置にシールドを移動させることによって係止され、それによって、シールドの回転が誘発される。回転されたシールドは、シールドの別の近位移動を防止し、二重投与防止機構は、その後、キャップを装着し、針ドラム210の角度位置を変化させることによって係止解除される。
【0176】
針挿入シーケンス制御機構
本開示の第2の実施形態による挿入シーケンス制御機構は、ハブ425から半径方向に延在し、かつ回転可能に配設された針イニシエータ430と係合するように適合された第1のイニシエータガイド426.1を備える、摺動可能に配設されたハブ425を備える。ハブ425の軸方向移動の前に、ハブ425は、シールドおよび針ハンドラ320の回転を介してシールドから結合解除され得る。ハブが近位位置に駆動されるとき、ハブは、回転可能に配設された針イニシエータとカートリッジホルダ330の基部プレート338との間でハウジングに結合される。近位位置では、針は、貯蔵部と接続されている。ハブとシールドとの間の結合解除およびハウジングへの結合は、シールドがハブの後の近位位置に移動し、ハブの前の遠位位置に戻ることを可能にする。これによって、針の遠位針先端は、近位針先端がカートリッジから引き出される前に、注射部位から引き出され、シールドによって覆われ得る。
【0177】
起動制御機構
本開示による第2の実施形態について、起動針は、針の軸方向移動がシールドに結合され得る遠位位置と、起動針が流体連通を確立するためにカートリッジ130に接続され得る近位位置と、に配設され得る。近位位置では、針は、さらに、ハウジングに軸方向に固定され得、針は、シールドから結合解除され得、それによって、シールドが起動位置にさらに軸方向に移動され得る。それによって、起動制御機構は、起動前に針接続を提供する。
【0178】
別のまたはさらなる態様では、起動針は、シールドから結合解除され、シールドを第1の角度位置から第2の角度位置に移動させ、それによって、針ハブと係合する針イニシエータを第1の角度位置から第2の角度位置に移動させることに応答して、遠位位置から近位位置に移動され得る。その後、シールドは、近位位置に移動され得る。シールドの軸方向移動の間、針イニシエータの角度位置が変化され、それによって、二重投与防止機構が始動される。
【0179】
本明細書では、起動制御機構、二重投与防止機構、および/または針交換機構を有する薬剤送達装置が提供され、二重投与防止機構および/または針交換機構は、起動および/または針挿入シーケンス制御機構の前に始動される。
【0180】
細長い針シールド構造
図18は、細長い針シールド構造310のさらなる詳細を例示する。
図18Aは、外側および外側構造を例示するが、一方、
図18Bは、内側構造を有する内側表面を主に例示する。シールド310は、外側管状部分311、中間管状部分314、および内側管状部分316を備える。外側管状部分は、前方プレート315によって遠位端で閉鎖され、投与中、開口313が起動針カニューレ424と整列されている。外側管状部分311の側面上に、前方基部350の周方向ガイド351.1および軸方向ガイド351.2と協働するように適合された、軸方向に延在するリブ317が配設されている。外側管状部分311の壁構造では、トリガ構造360の遠位管状部分360.1を首部にスナップオンするよう適合されたスナップアームも提供され、それによって、シールド310は、軸方向に係止されている間にトリガ構造に対して回転し得る。外側管状構造311の近位端に、第1の軸方向ガイド部分312.1、螺旋ガイド部分312.2、第1の横方向ガイド部分312.3、第2の軸方向ガイド部分312.4、第2の横方向ガイド部分312.5、および第3の軸方向ガイド部分312.6を有する切欠き312が提供される。例示される例では、同じサイズの2つの切欠き312c、312dと、より大きい周方向延長部を有する第3の切欠き312eが提供される。切欠き312のガイド部分は、針イニシエータ430上の構造と協働するように適合されている。例示される例では、ガイド構造のうちのいくつかは、針シールド310上に2つ提供され、例えば、螺旋ガイド部分312c.2、312d.2は、2つの異なる角度位置で提供される(二重対称性では配設されず、それらは単に角度的に分離されている)。中間管状部分314は、前方プレート315の内面から近位に延在する。中間管状部分の近位に配向された表面は、それらがドラム410内に配設されるとき、針ハブ425と軸方向に位置合わせして配設されるように適合されている。切欠き414.2は、中間管状部分314に提供され、円形セクタ314.1を残す。切欠き314.2は、開口313と半径方向に位置合わせして配設され、それによって、起動針ハブは、シールド310がその近位位置に押されたときに、シールドに対して軸方向距離を摺動することを可能にされる。シールド310が近位位置にあるとき、起動ハブ425は、前方プレート315の内面に当接するが、それに対して、他方の針ハブ425は、中間管状部分314の近位縁に当接し、
図17Bを参照されたい。内側管状部分316はまた、前方プレート315から近位方向に延在し、針ハンドラ320の内側管状部分320.1に収まるように配設される。これによって、内側管状部分は、針ハンドラ320を中心に置くように適合され、シールド310と針ハンドラ320との間の相対的回転中にベアリングとして機能する。遠位端の内面上に、針ハンドラ320のいくつかのラチェットアーム326と協働するよう適合された1つ以上のラチェット歯318、説明される例では4つを含む周方向ガイドが提供され、これによって、一方向回転を確保するラチェット機構が提供される。例示される例では、シールド310は、四重回転対称性で配設された歯のためのものを含み、針ハンドラは、二重回転対称性で配設された2つのラチェットアームを含む。これによって、針ハンドラは、90度の相対的な増分で回転し得る。
【0181】
針イニシエータ
図19は、針イニシエータ430を例示する。
図19Aは、針イニシエータ430の内面上に配設され、針イニシエータ430の回転に応答して、針ハブを近位方向に駆動するように適合された針ハブガイド434を例示する。ハブガイド434は、二重係止機構にさらに関与する。
図19Bは、回転中にシールド310と係合するように適合された3つのシールドガイド432c、432d、432e(0、90、180に位置付けられ、したがって、三重回転対称性では位置付けられていない)を例示する。より具体的には、シールドガイド432は、シールド310の近位移動中に、シールドの切欠き312の螺旋表面312.2と係合するように適合されている。例示される例では、2つのシールドガイド432cおよび432dが、それらの間に90度の角度を有して配設され、これは、シールド310の2つの小さい切欠き312cおよび312dに対応する。第1および第2のシールドガイドは、第1および第2の切欠き312c、312dの螺旋ガイド312c.2、312c.2と協働するように適合された遠位に配向された表面432c.2、432d.2を提供する。第3のシールドガイドは、第1および第2の切欠き312c、312dよりも幅が広く、第3の切欠き312eの螺旋ガイド312e.2と協働するよう適合された遠位に配向された表面432e.2を提供する。第3の切欠き312eは、より広い第3のシールドガイド432eを跨ぐのに十分な幅であり、第1の切欠き312cおよび第2の切欠き312dは、それぞれ、第1のシールドガイド432cおよび第2のシールドガイド432dを跨ぐのに十分な幅であり、シールド310と針イニシエータ430との間のある程度の相対的回転を可能にする。針イニシエータ430は、カートリッジホルダ330上の停止表面と係合する内面上にタブをさらに備え、組み立て中の適切な角度的な位置付けを可能にし、初期位置に配設されたときに、ハウジングに対する時計回りの回転を防止する。
【0182】
図19Aに例示されるように、ハブガイド434は、第1の螺旋ガイド部分434.1、第1の横方向ガイド部分434.2、第2の螺旋ガイド部分434.3、軸方向ガイド部分434.4、および第3の螺旋ガイド部分434.5を備える。第1の螺旋ガイド部分は、針イニシエータ430が回転するとき、ハブ425を近位方向に駆動するように適合されている。横方向ガイド部分434.2は、ハブ425を近位位置に保持するように適合され、第2の螺旋ガイド部分は、ハブ425の遠位移動に応答して、針イニシエータ430を回転させるように適合されている。
【0183】
図19Bに例示されるように、より小さいシールドガイド432cは、第1の軸方向ガイド部分432c.1、遠位に配向された表面を有する第1の横方向ガイド部分432c.2、第2の軸方向ガイド部分432c.3、第2の横方向ガイド部分432c.4、および第3の軸方向ガイド部分432c.5を備える。
図19にさらに例示されるように、外面は、3つの状態インジケータ436.1、436.2、436.3でマーク付けされ、これらは、ハウジングに対するその相対的配設を介して、駆動機構が軸方向移動によって起動され得る係止解除状態、またはシールドが軸方向に係止される係止状態にシールドがあるかどうかを例示するように適合されている。状態インジケータ436.1および436.3は、例えば、赤色またはシールドが係止されていることを示すブロック付き矢印であり得、状態インジケータ436.2は、例えば、緑色またはシールドが係止解除されていることを示す矢印であり得る。
【0184】
細長いハウジング構造および前方基部
図20Aは、斜視図における細長いハウジング構造340の外面を例示する。
図20Bは、ハウジング構造340を切断して示して、内面を例示する。示されるように、ハウジング構造は、カートリッジおよび残りの用量の数を調べるための窓341を備える。
【0185】
さらに、ハウジングの遠位端では、装置が起動の準備ができているか否かを示すための状態インジケータ窓342が提供される。インジケータ436は、状態インジケータ窓342と半径方向に位置合わせして配設され得る。それによって、インジケータは、外側から視認可能にされ、針イニシエータ436の相対的角度位置に依存する薬剤送達装置の状態を示し得る。
【0186】
遠位端では、前方基部350のスナップコネクタ350.1を受容するように適合された横方向スリット340.1も提供され、それによって、前方基部350は、ハウジング構造340上にカチッと嵌合され得る。上記に説明されたように、細長いハウジング構造は、遠位管状部分340.2および近位管状部分340.3を含む。遠位管状部分は、カートリッジホルダ330、カートリッジ290、および針交換機構を収容するように適合されている。近位管状部分340.3は、駆動エンジンを収容するように適合され、外面340.4上の縁は、装着されたキャップ305のための軸方向停止部を提供する。
図17も参照されたい。
【0187】
図20Aは、前方基部350の外面を示し、
図20Bは、内面を明らかにする切断を示す。前方基部350は、ハウジングとの固定係合のためのスナップコネクタ350.1を備える。前方基部は、周方向ガイド351.1と一体的に形成された軸方向ガイド351.2をさらに備える。周方向ガイドは、第1の角度位置から第2の角度位置にシールド310を支持およびガイドするために適合され、第2の角度位置では、周方向ガイドは、軸方向ガイド351.2内に進む。したがって、第2の軸方向位置では、シールドは、駆動機構を起動するために、軸方向ガイド351.2によって近位方向にガイドされ得る。例示される例では、シールドは、第1の角度位置から第2の角度位置に移動されるときに、反時計回り方向に回転される。回転軸は、第2の中心軸X2によって画定される。
【0188】
カートリッジホルダ
図22Aは、カートリッジホルダ330の外面を例示し、
図22Bは内面を示す。カートリッジホルダは、第1の直径を有する第1の細長い管状部分330と、平行に配設された第2の管状部分と、を含む。第1の管状部分330.1は、円形断面を形成し、円筒形カートリッジ490を収容するように適合されている。第2の管状部分330.2の断面は、より複雑な断面である。この断面は、第2の直径を有する半円に近似する形態で始まり、第1の管状体330.1の円形断面の一部分が中心から減算されることによって形成される。第1の直径は、第2の直径の約3分の2である。第2の管状部分は、細長いトリガ構造360を収容し、シールドと駆動機構との間の機械的相互作用を可能にするように適合されている。
【0189】
カートリッジホルダは、カートリッジ490から針マガジンを区切る基部プレート338をさらに備える。開口337が基部プレート338内に提供されて、起動位置に配設された針組立品がカートリッジ290の穿刺可能な膜にアクセスすることを可能にする。しかしながら、開口337は、針プラグ421の直径よりも小さく、それによって、針組立品が近位に移動するときに、近位針プラグ421の近位移動を阻止するのに十分小さい。
【0190】
カートリッジホルダは、基部プレート338に向かって近位に移動する際に針ドラム410を受容するように適合された円形セクタ336をさらに含む。
【0191】
カートリッジホルダは、近位側からドラム410の内側に配設されるように適合されたシャフト332をさらに備え、それによって、ドラム410は、起動位置上の針が交換される際に、第2の中心軸X2に当接して回転し得る。針ハンドラ320の内側管状部分が遠位側をドラム内に挿入されると、シャフト332および針ハンドラ320の内側管状部分が軸方向に整列される。遠位端では、シャフト332は、いくつかの遠位に延在する歯334を含み、各々が針ハンドラ320の対応する歯324に面するように適合された螺旋表面324.1を備える(
図29A)。
【0192】
コネクタおよび駆動管
図23は、コネクタ370を例示し、
図24は、駆動管380をより詳細に例示する。コネクタ370は、円筒形管状部分370.1を備える。内面上には、2つの起動タブ372cおよび372dが、部分370.1の中心に向かって半径方向に延在する。駆動管は、遠位端に第1の直径を有する第1の円筒形管状部分380.1、中央に第2の直径を有する第2の円筒形管状部分380.2、および近位端に第3の直径を有する第3の円筒形管状部分380.3を含む。第1の直径は、第2の直径よりも小さく、第2の直径は、第3の直径よりも小さい。第3の管状部分380.3は、その近位端に、いくつかの、例えば、2、3、または4つのラチェットアーム381を有する近位に延在するフランジを備える。ラチェットアーム381は、ハウジング内の歯の周方向リングと協働するように配設されている。アームは、投与中のクリック数を増加させるために、歯に対して位相を異にして配設され得る。
【0193】
第2の部分380.2から遠位端に向かって、可撓性アーム383が遠位方向に延在している。可撓性アーム383は、アーム383の偏向を制限する窓350.5内に配設されている。アーム383は、反時計回り方向に少しだけ偏向し、時計回り方向により多く偏向することを可能にされる。したがって、アーム383は、窓380.5と組み合わせて、非対称の機械的特性を呈し、反時計回り方向に比較的剛直であるが、それに対して、時計回り方向に比較的可撓性である。中央区分380.2上には、投与中にタブ372と協働し、分割用量、すなわち、投与終了前のコネクタの遠位移動を防止するように適合された、外側螺旋ガイド384がさらに配設されている。ハウジングの円筒形支持部分に収まるように適合される遠位部分380.1上には、投与中にハウジングの螺旋ガイド部分と協働するよう適合された螺旋ガイド部分389が提供されている。投与中、例示された駆動管380は、反時計回り方向に回転する。さらに、軸方向ガイド部分382も提供され、螺旋ガイド部分389の遠位端と近位端との間に延在し、それによって、駆動管380上の軸方向および螺旋ガイド部分の各対が、閉じた投与ガイドサイクルを提供する。また、ハウジング上の軸方向および螺旋ガイド部分は、閉じたガイドを形成する。
【0194】
シールド310が遠位位置から近位位置に押されるとき、コネクタ370は、それに応答して、遠位位置から近位位置に移動される。コネクタ370は、コネクタ170と対照的に、ハウジングに回転係止される。近位移動の間、タブ372の各々は、可撓性アーム383と接触し、それを近位方向に移動させる。コネクタによって提供される力が、反時計回り方向に偏向可能なアームを曲げる傾向があるにもかかわらず、アーム383は、窓380.5からの支持に起因して、少し偏向するに過ぎない。
【0195】
駆動管380がハウジングの軸方向ガイド部分と接触しないように移動すると、駆動管が解除され、圧縮可能な駆動ばねがハウジングの螺旋ガイド部分に沿って駆動管を回転させ始める。駆動管が360度回転に近づくと、偏向可能なアームは、タブ372と接触し、それによって、アームは、時計回り方向に偏向される。これによって、駆動管は、駆動管の軸方向ガイド部分がハウジングの軸方向ガイド部分と接触するまで、ずっと回転することを可能にされる。この時点で、タブ372は、遠位方向に移動することにおいて、外側螺旋ガイド384によってもはや防止されない。したがって、コネクタ370およびタブ372が遠位位置に移動すると、アーム383は、弛緩位置に戻るように偏向し、ユーザが別の投与のために装置を係止解除するときに、駆動管380の別の起動のために位置付けられる。
【0196】
駆動管はまた、駆動管380内に受容されるピストンロッドを軸方向に係止するためのキー380.4を備える。ピストンロッドがハウジングにねじ込まれると、駆動管の回転は、ピストンロッドを遠位方向に駆動し、それによって、用量が排出され得る。駆動管が常に360度回転するため、かつねじ山のピッチが一定であるため、送達される用量は、固定されるか、または予め画定される。
【0197】
トリガ延長部
図25Aは、トリガ延長部369の外面を例示し、
図25Bは、内面を例示する。トリガ延長部は、異なる直径を有する半円筒によって形成された2つのシェル部分を含み、これは、円筒形管状セクタと呼ばれることになる。第1のシェル部分369.1は、対応する曲率によって画定される第1の直径と、軸方向の第1の長さと、を有する。第2のシェル部分は、第2の直径および第2の長さを有する。第1の長さは、第2の長さよりも長く、第1の直径は、第2の直径よりも短い。2つのシェル部分は、半径方向に位置合わせして平行に配設され、トリガ構造360の近位端を受容するように適合された中間円形空洞369.3を画定する。トリガ延長部369はまた、トリガ構造のスナップコネクタとクリックフィットするように適合された窓369.5を備える。組み立て後、トリガ延長部369の遠位に配向された表面または縁は、待機位置に配設された針ハブ425の近位表面を支持する。これによって、トリガ延長部339は、軸方向移動の間、待機位置に配設されたハブ425を支持する。
【0198】
トリガ構造
図26は、遠位端に管状部分360.1と、周方向で180度超、360度未満に延在する第1の円筒形管状セクタ360.2と、を含む、トリガ構造360を例示する。トリガ部分は、近位端に配設され、周方向に約180度延在する第2の円筒形管状セクタ360.3をさらに含む。第1の円筒形管状セクタ360.2は、管状部分360.1と第2の円筒形管状セクタ360.3との間に配設される。第2の円筒形管状セクタの近位部分は、トリガ延長部360の円形空洞369.3に収まるように適合され、スナップコネクタ360.4は、窓369.5上にスナップするよう適合されている。
【0199】
第1の円筒形管状セクタ360.2は、回転針ドラム410のラチェット歯412と協働するように適合された、例示された実施例では2つのインデックスラチェットアーム362を備え、それによって、ドラム410の一方向回転が提供される。さらに、インデックスラチェット機構362、412は、カートリッジホルダ330の基部プレート338のカートリッジおよび開口337と軸方向に整列した起動位置における針の正確な位置付けを提供する。
【0200】
第1の円筒形管状セクタ360.2は、カートリッジホルダ330の第2の管状部分330.2の断面によって画定される制限に収まり、したがって、トリガ構造は、回転係止されるが、カートリッジホルダ330に対して軸方向に移動可能である。
【0201】
回転針ドラム
図27は、斜視図における回転針ドラム410の外面を例示する。重要な特徴は、
図30A1の軸方向断面にも例示されており、横方向断面T1およびT2も、
図30A1に例示されている。ドラム410は、内側円筒形管状部分410.1を備え、内側管状部分410.1は、組み立て中にカートリッジホルダ330のシャフト332を近位端から受容するように適合されている。
【0202】
横断面区分T1に最良に例示されるように、内側管状部分410.1は、外面上に軸方向に延在するリブ410.2と、リブ410.2の外側端上に対応する数の円筒形管状セクタ410.3と、を含む。内側管状部分410.1、リブ410.2、および円筒形管状セクタ410.3は、一体的に形成され、近位端から内側管状部分410.1と円筒形管状セクタ410.3との間に第1の軸方向に延在する空洞414.1を形成する。それによって、第1の軸方向に延在する空洞414.1は、中空円筒形管状セクタとして形成される。円筒形管状セクタ410.3の間に、第1の円筒形管状空洞セクタ414.1と連通して軸方向に延在する開口部414.2が形成される。円形管状セクタ410.3の遠位端から、管状フランジ部分410.5を延在させ、それによって、第2の円筒形管状空洞セクタ414.3が、内側管状部分410.1の外面とフランジ部分410.5の内面との間に形成される(
図30A1)。それによって、第1の円筒形管状空洞セクタ414.1、軸方向開口部414.2、および第2の円筒形管状空洞セクタ414.3は、軸方向に移動可能な針ハブ425を受容するように適合され、ハブ受容空洞414と呼ばれる。
【0203】
近位端410bから、円筒形管状セクタ410.3の外面で、スペーサとして機能する軸方向リブ410.4をトリガ構造360まで延在させる。ドラム410の近位部分およびリブ410.4は、トリガ構造360の第1の円筒形管状セクタ360.2の内面と当接して配設されている。軸方向リブ410.4の遠位端で、いくつかの歯412を含む歯付きリングが配設されている。歯412は、トリガ構造360の第1の円筒形管状セクタ360.2のインデックスラチェットアーム362と協働するように適合されている。歯412およびラチェットアームは、ラチェット機構を提供し、機構の回転運動は、軸方向リブ410.4によって安定化される。
【0204】
内側管状部分410.1の遠位端には、2つの対向して配向された内側切欠き416.1が提供され、フランジ部分410.5は、内側切欠き416.1と半径方向に整列した2つの対向して配向された外側切欠き416.2を備える。ドラム410は、針ハンドラ320を受容するように適合されている。以下に説明されるように、針ハンドラ320は、内側管状部分320.1と、半径方向に延在する接続アーム320.2と接続された外側管状部分320.2と、を備える。内側および外側切欠き416.1、416.2を含む針ハンドラ切欠きは、半径方向に延在する接続アーム320.3を受容するように適合されている。
【0205】
フランジ部分410.5は、ハブ受容空洞414と軸方向に整列した円筒形空洞410.6をさらに含む。開口410.7が、ハブ受容空洞414と円筒形空洞410.6との間で基部プレート内に提供され、開口は、針カニューレ424を受容するように適合されている。円筒形空洞410.6は、遠位針プラグ411を受容するように適合されている。
【0206】
針ハブ
図28は、針ハブ425の外面を例示し、内面は、第2の中心軸X2に向かって配設された表面であり、外面は反対向きである。近位端から、ハブ425は、第1の幅(周方向延長部)および第2の厚さ(半径方向延長部)を有する第1の円筒形管状セクタ425.1を含む。円筒形管状セクタ425.1は、ハブ425の総軸方向延長部の約3分の2を提供する。第1の円筒形管状セクタ425.1の遠位端からハブ425の遠位端まで、第2の幅および第2の厚さを有する第2の円筒形管状セクタ425.2が提供される。第2の円筒形管状セクタ425.2は、遠位部分として配設され、ハブ425の全長の約1/3を提供する。
【0207】
第1の円筒形管状セクタ425.1の外面上に、近位部分427.1と遠位部分427.3との間の中央部分427.2に半径方向切欠き427.4を含む第1の軸方向に延在するリブ427が提供される。近位軸方向部分427.1、および同じ軸方向延長部と平行に、第2の軸方向に延在するリブ429が配設されている。第1および第2のリブ427、429は、トリガ構造360の第1の円筒形管状セクタ360.2の内面と当接して配設されるように適合されている。第1の軸方向リブ427.1の近位端に、針イニシエータ430の回転に応答して、起動位置に配設されるハブを近位方向に駆動するための第1のイニシエータガイド426.1が提供される。第2の軸方向リブ429の近位端では、起動位置におけるハブ425の遠位移動に応答して、針イニシエータ430を回転させるための第2のイニシエータガイド426.1が提供される。第1の円筒形管状セクタの遠位端で、かつ第2の軸方向リブ429と軸方向に整列して、針ハンドラ320の対応するハブ保持タブ322との協働のために適合された針ハンドラ阻止タブ428が提供される。
【0208】
第1の円筒形管状セクタ425.1は、内側円筒形管状部分410.1の外面と針ドラム410の円筒形管状セクタ410.3の内面との間で第1の円筒形管状空洞セクタ414.1内に配設されるように適合されている。第2の円筒形管状セクタ425.2は、内側円筒形管状部分410.1の外面とドラム410の管状フランジ部分410.5の内面との間で第2の円筒形管状空洞セクタ414.3内に配設されるように適合されている。第1の軸方向リブ427、第2の軸方向リブ429、および針ハンドラ阻止タブ428は、全て、軸方向開口部414.2内に配設されるように適合されている。
【0209】
待機位置に位置付けられた針ハブ425について、イニシエータガイド426の外面は、トリガ構造360.3の第2の円筒形管状セクタ460.3の内面に当接し、イニシエータガイド426の遠位に配向された表面は、第1および第2の管状セクタ260.2、260.3の間の肩部の近位に配向された表面に当接する。ガイドの近位に配向された表面は、トリガ延長部369の縁の遠位に配向された表面と当接する。さらに、針ハンドラ阻止タブ428の近位に配向された表面は、針ハンドラ320の対応するハブ保持タブ328の遠位に配向された表面と当接する(
図29A)。第1の軸方向ガイド427の中央部分427.2の半径方向切欠き427.4は、インデックスラチェットアーム362と同じ軸方向位置に配設され、それによって、針の交換中に針ハブ425とラチェットアームとの間のもつれなしで、トリガ構造360とドラム410との間の相対的回転を可能にする。したがって、待機位置に配設された針ハブは、トリガ構造360とトリガ延長部369との間で軸方向に係止され、針ハンドラ320によって阻止または保持される。
【0210】
起動位置に配設された針ハブ425について、遠位に配向された螺旋表面を含む第1のイニシエータガイドは、針イニシエータ430のハブガイド434の第1の螺旋ガイド部分434.1の近位に配向された表面に当接する。対照的に、待機位置の針ハブ425に対して、起動位置の針ハブ425は、トリガ構造360およびトリガ延長部469によって軸方向に係止されない。しかしながら、それは、針ハンドラのハブ保持タブ322によって依然として阻止され、それによって、係止解除される前に、近位方向に移動することが防止される。
【0211】
針ハンドラ
図29Aは、針ハンドラ320の外面および近位面を例示する。
図26Bは、針ハンドラ320の遠位面および側面の小さい部分を例示する。針ハンドラ320は、近位閉鎖端および遠位開放端を有する内側円筒形管状部分320.1を備える。針ハンドラ320は、外側円筒形管状部分320.2と、内側管状部分320.1の外面と外側管状部分320.2の内面との間に対向する部位に延在する2つの接続アーム320.3と、をさらに備える。
【0212】
いくつかのハブ保持タブ322は、外側管状部分320.3の近位端320bの内面上に位置付けられている。ハブ保持タブ322の数は、針ハブの数に対応し、例示される例では4である。
【0213】
内側円筒形管状部分320.1は、遠位端に、前方プレート315から近位方向に延在する内側円筒形管状部分316を受容するように適合された開口320.4を備える。このようにして、管状部分316は、針ハンドラ320とシールド310との間の相対的回転移動を支持する。近位端では、針ハンドラ320の内側管状部分320.1は、いくつかの近位に延在する歯324を備え、各々が、組み立て後にカートリッジホルダ330のシャフト332に面して適合された螺旋表面324.1を備える。
【0214】
遠位端320aでは、外側円筒形管状部分320.2は、針シート310のラチェット歯318(
図18A)と協働するように適合された、2つの対向して配設されたラチェットアーム326を備える。例示される例では、シールド310は、4つの等距離に位置付けられた歯を備え、それによって、各々の間は90度ある。したがって、針ハンドラ320がシールド310内に配設されるとき、90度単位で回転し得る。
【0215】
外側管状部分320.2はまた、ドラム310のフランジ部分310.5の近位に配向された表面上に画定された首状部分410.8上にスナップするよう適合された2つのクリックアーム320.4も備える。
【0216】
外側管状部分が装置300の残りの部分と組み立てられるとき、内側管状部分は、ドラム410の内側円筒形管状部分410.1内に延在し、外側管状部分は、フランジ部分410.5を受容し、接続アーム320.3は、切欠き416.1、416.2に配設されている。接続アーム320.3は、くさび状に形成され、周方向の幅を画定する。切欠き416の対応する幅は、くさびの幅よりも大きく、したがって、針ハンドラは、ドラム310に対して予め画定された角度で回転することを可能にされる。例示される例では、針ハンドラは、ドラム410に対して20度移動するように適合されている。
【0217】
装置の操作
図30は、
図30A~
図30Oをそれぞれ参照して、装置300の操作、および異なる機構がどのように薬剤送達装置の状態を変化させているかを例示する。いくつかの図では、追加の態様が、Tおよび数字で示される横方向断面で例示されている。
図17Aは、装置の初期状態を示し、キャップが、ハウジングに装着されている。したがって、
図17Aおよび
図30は、完全投与サイクルを集合的に例示し、それによって、二重投与防止、針交換、針挿入シーケンス制御、および起動制御機構の原理を段階的な様式で例示する。
【0218】
参照番号に続く文字c、d、およびeは、回転対称性または回転シフトを有する特徴を示している。特徴が
図30内のcで示されている場合、特徴は、A~Oまでの全ての図においてcで示される傾向がある。しかしながら、逸脱もあり得る。
【0219】
図17Aは、キャップ付き状態における薬剤送達装置を例示し、キャップ305が、ハウジングに装着され、シールド310を覆っている。薬剤送達装置は、キャップ305を引っ張ることによって、
図17Aのキャップ付き状態から
図30Aに例示された準備完了状態に変化する。
【0220】
図30Aは、キャップ305が取り外され、かつシールド310が周方向軌道351.1内の停止表面に対して、リブ317を用いて第1の角度位置に位置付けられている、次の状態を例示する。T1は、シールド310、針ハンドラ320、ハブ425、およびドラム410の横方向断面を例示し、T2は、シールド310、針ハンドラ320、およびドラム410の断面図を例示する。
図30A1は、軸方向断面を例示し、起動位置における、針ハンドラ320のハブ保持タブ322と針ハブ425の針ハンドラ阻止タブ428との間の相対位置を例示する。
図30A1は、タブ322、428が軸方向に整列し、針ハンドラ阻止タブ428が起動ハブ425の近位移動を防止するように配設されていることを横方向断面T1と一緒に例示する。横方向断面T2は、針ハンドラ320の可撓性アーム326が、針シールド310の2つの対向する歯318内に位置付けられていることを例示する。シールドの2つの他の対向する歯318は空であり、これは、装置のこの状態でこれらの歯に可撓性アームが置かれていないことを意味する。断面T2はまた、ドラム410の切欠き416に配設された接続アーム320.3を例示し、接続アーム320.3は、ドラム410の停止表面に対して時計回りに位置付けられている。断面T1およびT2の断面の横方向平面は、視野方向と一緒に
図30A1に示されている。リブ317の角度位置は、
図30A2に例示されており、また、第1の状態インジケータ436.1は、状態インジケータ窓342と半径方向に整列し、シールド310が係止されており、近位方向に押されることができないことを示す。薬剤送達装置は、斜線矢印Fによって示される、ユーザがシールド310を回転させることによって、
図30Aに例示された状態から
図30Bに例示された状態に変化する。力Fがリブ317に適用されたとき、トルクtが誘発され(
図30A2に矢印で示される)、シールド310は、反時計回り方向に回転する。時計回り方向CWも矢印によって示されている。矢印CWは、方向を示す単なるインジケータであり、必ずしもシールドの回転を示すものではない。
図30A2の時計回り方向は、読者に最も近い側を示す。
【0221】
図30Bは、第1の準備完了状態を例示する。T3は、シールド310、針ハンドラ320、およびドラム410の横方向断面であり、T4は、シールド310、ハブ425、およびドラム410の横方向断面である。T4では、針ハンドラは、近位面から見える。準備完了状態で設定されるために、シールド310は、
図30Bのキャップなし状態から90度回転する必要があり、したがって、第1の準備完了状態は、この方式では中間状態である。
図30Bでは、シールドが20度回転している。
図30Aの角度位置から、シールド410の切欠き416が接続アーム320.3よりも幅広であるため、針ハンドラ320は、針ハブ410に対して反時計回りに20度回転することを可能にされる。横方向断面T4から見ることができるように、針ハンドラ320は、シールドと一緒に20度回転し、接続アーム320.3は、反時計回り方向に切欠き416の停止表面に当接する。針ハンドラは、ラチェットアーム326間の摩擦係合に起因して、シールドの回転に従う。しかしながら、接続アーム320.3がシールド410に対する当接の角度位置に到達すると、摩擦係合は、シールド310のさらなる反時計回りの回転に応答して、解除されることになる。
図30B1および横方向断面T4から見ることができるように、針ハンドラ320と起動位置にあるハブ425との間のこの相対的角度位置で、ハブのハブ保持タブ322は、針ハンドラ阻止タブ428と軸方向に位置合わせされておらず、それによって、起動ハブの近位移動を可能にする。待機位置のハブは、依然として、トリガ延長部369の遠位に配向された縁によって保持される(
図17Aを参照されたい)。薬剤送達装置は、ユーザがシールド310を、斜線矢印Fによって示される反時計回り方向に回転させることによって、
図30Bに例示される状態から
図30Cに例示される状態に変化する。時計回り方向CWも矢印によって示されている。
図30B2の時計回り方向は、読者に最も近い側を示す。
【0222】
図30Cは、第2の準備完了状態を例示する。T5は、シールド310および針イニシエータ430の横方向断面である。T6は、シールド310および針ハンドラの横方向断面である。
図30C1、特に横方向断面T6から見ることができるように、針ハンドラ320とシールド310との間の摩擦係合が解除されており、シールド310が反時計回り方向回転し続けると、可撓性ラチェット326が内向きに曲がる。針ハンドラ320の回転は、前の状態についてT4に示されるドラム410によって防止される。第2の準備完了状態では、シールド310は、シールド310の切欠き312の第1の軸方向ガイド部分312.1と、針イニシエータ430のシールドガイド432の第1の軸方向ガイド部分432.1との間の接触まで回転しており、これは、
図30C2およびT5に最良に例示されている。例示される例では、そのような接触のうちの3つが確立されるが、当業者は、より少ないか、またはより多くの接触、例えば、1、2、または4つの接触が提供され得ることを理解するであろう。さらなる回転に応答して。針イニシエータが軸方向に係止されているが、反時計回り方向に回転移動可能であるため、シールドの反時計回り方向へのさらなる回転は、結果として、2つの構造の複合回転をもたらすことになる。薬剤送達装置は、ユーザがシールド310を、斜線矢印Fによって示される反時計回り方向に回転させることによって、
図30Cに例示される状態から
図30Dに例示される状態に変化する。時計回り方向CWも矢印によって示されている。
図30C2の時計回り方向は、読者から最も遠い側を示し、
図30C3の時計回り方向は、読者に最も近い側を示す。力Fはまた、それぞれ、最も遠い側および最も近い側について例示されており、したがって、反対方向に向いている。
【0223】
図30Dは、第3の準備完了状態を例示する。T7は、針イニシエータ430、ハブ425、およびドラム410の横方向断面を例示し、T8は、シールド310、針ハンドラ320、およびドラム410の横方向断面を例示し、T9は、他方側からのT7の断面を例示する。
図30D1は、T7、T8、およびT9の平面を示す軸方向断面である。
図30D2は、斜視図であり、特にハブ425と針イニシエータ430との間の相互作用を例示する。シールド310は、前の状態について説明されたように、針イニシエータ430と回転接触している。
図30D1および
図30D2、T7およびT8は、ハブガイド434の第1の螺旋ガイド部分434.1が、起動ハブ425から半径方向に延在する第1のイニシエータガイド426.1と接触していることを例示する。待機ハブ425のいずれも、ハブガイド434と接触していない。T8は、シールド310が針ハンドラ320に対して少しだけさらに回転したことを例示する。
図30D1はまた、起動針がこの状態で近位方向に移動されていないことを例示する。しかしながら、針イニシエータ430のさらなる回転は、螺旋ガイド部分434.1に起因して、ハブ425の近位移動を誘発することになる。薬剤送達装置は、ユーザがシールド310を、
図30D3上で斜線矢印Fおよびトルクtによって示される反時計回り方向に回転させることによって、
図30Dに例示される状態から
図30Eに例示される状態に変化する。時計回り方向CWはまた、
図30C2および
図30C3と同様の方式で矢印によって示される。
【0224】
図30Eは、シールド310が近位に押されて、駆動機構を起動し得る、準備完了状態を例示する。T10は、針シールド310、針ハンドラ320、ドラム410の横方向断面を例示し、横方向断面T10の平面が
図30E1に示されている。
図30E1は、軸方向断面を例示し、ハウジングに対して、かつドラム410に対して近位位置に位置付けられた起動針424cを示す。待機位置に位置付けられた針カニューレ424d、424e、424fは、同じ軸方向位置を維持している。待機位置に配設された針カニューレは、全てが
図30E1に示されていないが(針カニューレ424eのみが示されている)、それらは、T10に例示される針ドラムの対応する円筒形空洞410d.6、410e.6、および410f.6と整列している。しかしながら、
図30E1は、起動針424cがハウジングに対して近位位置に位置付けられるとき、近位針端が近位針プラグ421を穿刺していることを例示する。針カニューレ424はまた、ドラム410および遠位プラグ411cに対して近位に移動されているにもかかわらず、遠位針先端は、依然として、遠位プラグ411c内に存在する。示されるように、遠位プラグ411cは、ドラムに軸方向に固定され、円筒形空洞410c.6内に配設されている。
図30E1は、第1のイニシエータガイド426.1および第2のイニシエータガイド426.2の遠位に配向された表面と接触している、ハブガイド434の第1の横方向ガイド部分434.2の近位に配向された表面を例示する。第1の横方向ガイド部分434.2が平坦であるため、針ハブ425は、近位位置に堅く保持される。起動ハブ425cは、針イニシエータ430のさらなる回転に応答して、さらに近位に駆動されない。
【0225】
シールド310が、ハウジングおよびドラム410に対して90度回転しており、針ハンドラ320が、ハウジングおよびドラム410に対して20度回転しているため、シールド310は、針ハンドラ320に対して70度回転している。シールド310と針ハンドラ320との間の相対的回転は、横方向断面T10で角度q1で示されている。
【0226】
図30E3に例示されるように、薬剤送達装置は、ユーザがシールド330を近位方向に押すことによって、
図30Eに例示される状態から
図30Fに例示される状態に変化する。これは、シールド310の軸方向リブ317が、前方基部350の軸方向351.2ガイドと軸方向に整列しているため、可能である(
図30E1を参照されたい)。
【0227】
図30Fは、シールド310が近位起動位置に向かって近位に押されている、第1の起動前状態を例示する。T11は、シールド310、針ハンドラ320、ドラム410、および針カニューレ424を例示し、T12は、シールド310および針イニシエータ430の横方向断面を例示する。
図30F1は、軸方向断面を例示し、針カニューレ424cの遠位端がシールドから遠位に延在し、覆われていないことを示す。
図30F2は、シールドガイド432dが第1の軸方向ガイド部分312d.1に当接すること、遠位に配向された表面432d.2が切欠き312dの螺旋ガイド部分312d.2の近位縁に当接することを例示する。
図30F1に戻ると、シールド310は、軸方向リブ317と軸方向ガイド351.2との間の係止を通してハウジングに軸方向に係止され、針イニシエータ430は、回転可能に配設されている。したがって、シールド312のさらなる近位移動に応答して、螺旋ガイド部分312d.2は、シールド310の軸方向移動を針イニシエータ430の反時計回りの回転に伝達することになる。
図30F1にさらに見られるように、針ハンドラ320の歯324(
図29Aも参照されたい)は、カートリッジホルダのシャフト332の遠位端で歯に近づく。各歯324、334は、協働して針ハンドラ320の時計回りの回転を誘発するように適合された螺旋ガイド324.1、334.1を備える。
図30F3に見られるように、シールドが近位に移動したにもかかわらず、ハブガイド434の第1の横方向ガイド部分434.2の近位に配向された表面と、第1のイニシエータガイド426.1および第2のイニシエータガイド426.2の遠位に配向された表面との間の接触は、この状態で変化していない。
【0228】
T11は、管状部分の切欠き314.2が、シールド310のさらなる近位移動に応答して、起動針ハブ425の遠位端を受容するように適合されていることをさらに例示する。T12は、シールドガイド432と、切欠き312の第1の軸方向ガイド部分312.1との間の接触をさらに例示する。
【0229】
図30F1に例示されるように、薬剤送達装置は、ユーザがシールド330を近位方向に押すことによって、
図30Fに例示される状態から
図30Gに例示される状態に変化する。
【0230】
図30Gは、駆動機構が起動される近位起動位置までシールド310がずっと近位に押し出されている起動状態を例示する。当業者は、駆動機構を自動的に起動する代わりに、シールドが、代替的に、近位位置で駆動機構を係止解除するように配設および適合され得、その後、駆動機構が近位の押し込みまたは駆動ボタンによって起動され得ることを理解するであろう。
【0231】
図30G1は、針ハブ425cの遠位端425bが前方プレート315の近位表面に当接し、それによって、カニューレ424cの遠位先端が注射部位の皮下層に到達し得るため、起動針カニューレが開口313から完全に延在することを見ることができる、軸方向断面を例示する。T13は、シールド310、針イニシエータ430、ハブ425、およびドラム410の横方向断面を例示する。T14は、シールド310、針ハンドラ320、およびドラム410の横方向断面を例示する。T15は、針イニシエータ430およびシールド310の断面を例示する。
【0232】
T14は、ラチェットアーム318dが次の歯326cと係合する位置まで、針ハンドラが回転していることを例示する。
図30Fから
図30Gまで、針ハンドラは、カートリッジホルダ330のシャフト332に向かって針ハンドラの内側管状部分320.1の近位移動に起因して、時計回り方向に20度回転している。移動は、内側管状部分320.1の近位端およびシャフト323の遠位端で、歯324、334によって近位移動から回転移動に変換される。歯324、334は、ラチェットアーム318をシールド310の歯326と位置合わせして設定するように適合された螺旋表面324.1、334.1を備える。
図30G1に見られるように、針ハンドラは、針ハブ425に対して再び位置付けられているため、針ハンドラ320のハブ保持タブ322は、起動ハブ425cの針ハンドラ阻止タブ428と軸方向に整列している。この状態では、2つのタブ322、428の間に軸方向距離が存在するが、シールドが遠位に移動されるため、この距離は、排除されることになり、それによって、針ハンドラ320は、カートリッジ290から針カニューレを引き出すように適合されている。
【0233】
図30G2は、シールドガイド432eが、螺旋ガイド312e.2の遠位端に到達しており、それによって、針イニシエータ430が、回転係止されたシールドに対して反時計回り方向に回転していることを例示する。相対的回転は、第1の軸方向ガイド部分312.1とシールドガイド432との間に角度空間が作り出されている、T15にさらに例示されている。さらに、新しい接触が、シールドガイド432と第2の軸方向ガイド部分312.4との間に確立されており、それによって、針イニシエータ430は、さらなる反時計回り回転に対して阻止される。
【0234】
図30G3は、針イニシエータ430の反時計回りの回転に起因して、ハブガイド434はまた、ハブ接触を横方向ガイド部分434.2から第2の螺旋ガイド部分434.3に回転およびシフトさせていること、すなわち、新しい接触が、螺旋ガイド部分434.3の近位に配向された表面と第2のイニシエータガイド426.2の遠位に配向された螺旋表面との間に確立されていることを例示する。ガイド部分434.3、426.2の螺旋表面は、左巻きであり、起動針ハブ425cの遠位移動に応答して、イニシエータを反時計回り方向に回転させるように適合されている。
【0235】
上記に説明されるように、
図30Gは、シールド310が近位位置に移動されており、それによって、示されていない駆動機構が起動される、起動された薬剤送達状態の薬剤送達装置を例示する。
図30Fから
図30Gまでのシールド310のさらなる軸方向移動の間、シールドの螺旋表面212.2とシールドガイド432の遠位に配向された表面432.2との間の接触は、針ハンドラを反時計回り方向に回転させるように強制しており、それによって、第2のイニシエータガイド426.2の遠位螺旋表面を、第2の螺旋ガイド部分434.3の近位表面と軸方向に位置合わせさせる。この位置合わせは、二重投与防止機構における第1の工程であり、したがって、二重投与防止機構は、ガイド部分434.3、426.2の位置合わせによって始動されている。
【0236】
シールドガイド432の遠位に配向された表面432.2およびシールド310の螺旋表面312.2は、二重投与防止機構を始動する構造であるため、それらは、概して、それぞれ、回転可能な係止イニシエータ432.2および回転不能な係止イニシエータ312.2と呼ばれる。集合的に、それらは、係止イニシエータ432.2、312.2と呼ばれる。
【0237】
第2の螺旋ガイド部分434.3および第2のイニシエータガイド426.2は、二重投与防止機構を起動するための構造であるため、
図30Hに関する説明から明らかになるであろうように、それらは、概して、それぞれ、回転可能な係止アクティベータ434.3および回転不能な係止アクティベータ426.2と呼ばれる。集合的に、それらは、係止アクティベータ434.3、426.2と呼ばれ、上記に説明されるように、係止アクティベータが軸方向に整列するとき、係止アクティベータが始動されている。
【0238】
針イニシエータ430は、係止イニシエータ432.2、312.2が軸方向に整列され、二重投与防止機構の初期状態に対応し、かつ係止アクティベータ434.3、426.2が軸方向に不整列である(
図30F)第1の角度位置から、二重投与防止機構の始動状態に対応する第2の角度位置まで移動され、係止イニシエータ432.2、312.2が軸方向に不整列であり、係止アクティベータ434.3、426.2が軸方向に整列しており(
図30G)、それによって、二重投与防止機構が始動されている。
図30Gに示される装置は、起動組立品が駆動機構を起動するための近位起動位置に位置付けられ、かつ回転可能な係止アクティベータ434.3が始動位置に位置付けられている状態を例示するため、状態はまた、駆動機構が起動され、かつ二重投与防止機構が始動した、起動された駆動機構および始動された二重投与防止状態とも呼ばれ得る。
【0239】
図30G3およびT15に示されるように、シールドイニシエータ430は、ハブ425およびシールド310に対して回転しており、ハブガイド434の第2の螺旋ガイド部分434.3は、ここで、第2のイニシエータガイド426.2と軸方向に整列し、針イニシエータ430のシールドガイド432の第2の側面432.5は、シールド310の切欠き312の側面312.4に当接する(T15を参照されたい)。これによって、針ハンドラの反時計回り方向のさらなる回転が防止される。
【0240】
図30G4に例示されるように、起動状態では、起動構造360は、駆動機構を起動するために近位に延在する。ユーザがシールド上の近位圧力を解除すると、薬剤送達装置は、
図30Gに例示される状態から
図30Hに例示される状態に変化する。ユーザが圧力を解除すると、圧縮ばねは、シールドを遠位方向に付勢し、カニューレ424cと遠位針プラグ411cとの間の摩擦係合に起因して、カニューレは、ハブ425cおよび第2のシールドガイド426.2を遠位方向に引っ張ることになる。第2のシールドガイドは、針イニシエータを反時計回り方向に付勢することになるが、針イニシエータが接触境界面312.4、432.5でシールドによって回転に対して係止されるため、かつそれがハウジングに軸方向に係止されるため、針イニシエータは、針イニシエータが中間解除位置で回転可能に解除されるまで、針ハブ425cを近位位置に保持する。
【0241】
図30Hは、第1の起動後状態または第1の中間解除状態を例示し、シールド310は、軸方向位置に遠位に移動しており、針イニシエータは、反時計回り方向に回転することを可能にされる。
【0242】
図30H1は、軸方向断面を例示し、シールド310が遠位方向に移動されており、それによって、針カニューレ224cが覆われ、遠位針プラグ411c内で再び位置付けられていることを示す。また示されるように、
図30H1では、2つのタブ322、428間の軸方向距離が排除されており、それによって、針ハンドラ320がカートリッジ290から針カニューレを引き出すように位置付けられている。
図30H2および
図30H3に示されるように、第1の中間解除位置は、第1の位置に到達するシールド310に対して画定され、針イニシエータ430は、反時計回り方向に回転することを可能にされる。
図30H1、H2、H3、およびH5は、シールド310に軸方向に係止される第1の中間解除位置で針ハンドラ320が針ハブ325を遠位方向に引っ張り、それによって、第2のイニシエータガイド426.2がハブガイド434の第2の螺旋部分434.3の回転を誘発することを一緒に示す。シールド310の第2の軸方向ガイド部分312.4が、この第1の中間解除位置で、針イニシエータ430のシールドガイド432の第2の側面432.5と係合解除しているため、針イニシエータは、反時計回り方向に回転することを可能にされ、それによって、針イニシエータ430のシールドガイド432の第2の側面432.5の間の接触がシールド310の切欠き312の第3の軸方向ガイド部分312.6に当接するまで、回転し得る。この位置では、針イニシエータは、反時計回り方向に再び回転係止されることになる。T16およびT17は、シールド310、針ハンドラ320、ドラム410、およびハブ425の横方向断面を例示し、タブ322が軸方向に整列していることを示す。T17は、ラチェットアーム318が依然として歯326内に位置付けられていることを例示する。
図30H4は、斜視図におけるハウジング内のシールド310を例示する。
【0243】
薬剤送達装置は、イニシエータ430が、シールドによって回転方向に阻止されるまで回転しながら、遠位方向に移動するシールドによって、
図30Hに例示される状態から
図30Iに例示される状態に変化する。
【0244】
図30Iは、針イニシエータが、シールドによって阻止されるまで回転している、第2の起動後状態を例示する。
図30I1は、軸方向断面を例示し、シールド310の軸方向位置がほぼ変化せず、針カニューレ424cが依然として遠位針プラグ411cおよびカートリッジ内に位置付けられていることを主に例示する。
【0245】
図30Iは、針イニシエータが、針イニシエータ430のシールドガイド432の第2の側面432.5と、シールド310の切欠き312の第3の軸方向ガイド部分312.6との間の接触まで回転していることを例示する。針イニシエータ430がカートリッジホルダの基部プレート338に対して置かれると、かつイニシエータ430の第2の横方向ガイド部分432c.4がシールドの第2の横方向ガイド部分312.5と接触すると、イニシエータ430は、シールド310の近位移動に対して、この回転係止位置で阻止することになる。したがって、二重投与防止機構の第2の工程が行われており、二重投与防止機構は、起動状態にある。
図30I3は、ハウジング内のシールド310を例示し、
図30I4は、針イニシエータ430の反時計回りの回転に起因して、ハブガイド434もまた、第2の螺旋部分434.3と第2のイニシエータガイド426.2との間のハブ接触を、第3の螺旋ガイド部分434.5と第2のイニシエータガイド426.2との間で軸方向で位置合わせするように回転およびシフトさせていることを例示する。第3の螺旋ガイド部分434.5と第2のイニシエータガイド426.2との間の軸方向距離は、シールドおよびハブが接触前に軸方向に移動することを可能にする。これによって、針カニューレは、さらなる回転前にカートリッジから引き出され得る。
【0246】
薬剤送達装置は、シールドを遠位方向にさらに移動させる圧縮ばねによって、
図30Iに例示される状態から
図30Jに例示される状態に変化する。
【0247】
図30Jは、第3の起動後状態または第2の中間解除状態を例示し、シールド330は、さらに遠位に移動している。
図30J1は、軸方向断面を例示し、シールドが遠位に移動して針カニューレ424cをカートリッジ290から引き出し、それによって、近位端がプラグ421内に位置付けられることを例示する。あるいは、プラグは、針カニューレと一緒に遠位に引っ張られ、近位端は、覆われていないままである。
図30J1はまた、シールドの第2の横方向ガイド部分312.5とイニシエータ430の432.4第2の横方向ガイド部分432c.4との間の軸方向距離が増加したことを例示する。第2の解除位置では、針イニシエータ430は、回転可能に解除され、反時計回り方向に回転することを可能にされる。この位置では、シールド310の第2の軸方向ガイド部分312.4は、シールドガイド432の第2の軸方向ガイド部分432.3と係合解除しており、シールドガイド432の第3の軸方向ガイド部分432.5およびシールド310の切欠き312の第3の軸方向ガイド部分312.6は、係合解除しており、それによって、針イニシエータは、反時計回り方向に再び回転することを可能にされる。係合解除位置は、
図30I2の例示で逸脱することによって最良に理解され、次いで、シールドが第2の軸方向ガイド部分312.4 432.3が係合解除されるまで遠位に移動していることを企図し得る。トルク誘発の反時計回りの回転が針イニシエータ430に適用される場合、第2の中間解除位置で、針イニシエータ430は、ハブガイド432の第2の軸方向ガイド部分432.3と切欠き312の第3の軸方向ガイド部分312.6との間の接触の確立まで回転することになる。
【0248】
図30J2は、ハブ425の第2のイニシエータガイド426.2と針イニシエータ430のハブガイド434の第3の螺旋ガイド部分434.5との間の接触が確立されるまで、シールドがハブ425と一緒に遠位に移動されたことを例示する。シールドのさらなる遠位移動に応答して、第2のイニシエータガイド426.2は、解除された針イニシエータ430の回転を誘発することになる。
【0249】
薬剤送達装置は、シールドを遠位方向にさらに移動させる圧縮ばねによって、
図30Jに例示される状態から
図30Kに例示される状態に変化するが、一方、針イニシエータは、反時計回り方向に回転する。
【0250】
図30Kは、シールド330がさらに遠位に移動している第4の起動後状態を例示する。
図30K1は、軸方向断面を例示し、シールドが遠位位置に位置付けられることが示されている。軸方向リブ317が、軸方向ガイド351.2から外れ、それによって、シールドは、これ以上回転係止されない。
【0251】
図30K2は、針イニシエータ430の回転後、第2の中間解除位置から、イニシエータガイド426は、ハブガイド434と軸方向に不整列であり、シールド310が遠位位置に移動する際に、2つのガイド間でさらなる相互作用が発生しないことになることを例示する。
図30I1はまた、二重投与防止機構のこの第3の工程の後、ハブガイド432の第1の横方向ガイド部分432.2が、シールド310の第2の横方向ガイド部分312.5と軸方向に整列していることを例示する。二重投与防止係止が、ここで、確立されている。この位置では、針イニシエータ430は、反時計回り方向に再び回転係止されることになる。これはまた、シールド310の時計回りの回転に応答して、針イニシエータが時計回り方向に回転することになることを意味する。
【0252】
図30K3は、状態インジケータ窓342内の第1の状態インジケータ436.1を例示し、シールド310が係止されており、近位方向に押されることができないことを示す。
【0253】
薬剤送達装置は、ユーザがキャップ305を取り付けることによって、
図30Kに例示される状態から
図30Lに例示される状態に変化する。
【0254】
図30Lは、キャップ305がハウジング上に取り付けられ、
図30L1に示される内側螺旋針交換ガイド305.1の間に接触が確立されている、第6の起動後状態を例示する。
図30L1は、内部特徴を例示するためにキャップの一部分が取り除かれている斜視図を例示する。
図30L2は、軸方向断面を例示する。T18は、横方向断面を例示し、ハウジング構造140、カートリッジホルダ130、針イニシエータ430、針ハブ425cを起動位置に有するドラム410、および起動位置に対して反時計回りの待機位置に位置付けられる、起動になる次の針425dを例示する。
図T19は、キャップ305、シールド310、針ハンドラ320、およびハブ425を有するドラム410を例示する。例示されるように、接続アーム320.3は、切欠き416.2の側面に当接する。ラチェットアーム326は、歯内(
図30H1のT17を参照されたい)に留まり、シールドの時計回りの回転に追従するように適合されている。したがって、シールドの時計回りの回転は、針ハンドラの時計回りの回転を誘発することになり、これは、ドラム410の時計回りの回転を誘発し、針交換機構を始動することになる。T20は、キャップ305、ハウジング340、カートリッジホルダ330の基部プレート338、およびイニシエータ430を例示する。キャップが近位に押されるとき、螺旋針交換ガイド305.1は、軸方向リブ317を通してシールドの回転を誘発し、T19に示されるように、螺旋軌道305.1は、90度延在し、したがって、次いで、カートリッジホルダ330の開口337およびシールドの開口313と位置合わせして、針カニューレ424dを起動位置に変化させるように適合されている。さらに、シールドの時計回りの回転はまた、針イニシエータ430の時計回りの回転を誘発し、それによって、イニシエータがその初期位置にリセットされ得る。
【0255】
薬剤送達装置は、ユーザがキャップ305を近位に押すことによって、
図30Lに例示される状態から
図30Oに例示される状態に変化する。
【0256】
図30Mは、第1の針交換状態を例示し、T21は、針カニューレ424cが、開口337と軸方向に位置合わせして、起動位置から離れて時計回りに回転し始めていること、およびカニューレ224dが、起動位置に向かって待機位置から離れて移動し始めていることを例示する。
図30Nは、T22と一緒に第2の針交換状態を例示し、
図30Oは、T23と一緒に第3のおよび最終的な針交換状態を例示する。最終的な針交換状態では、針カニューレ424dは、開口337と軸方向に位置合わせして起動位置に位置付けられており、それによって、カートリッジ290と接触することになり得る。針イニシエータ430は、針と一緒に時計回りに90度回転されている。T23は、針イニシエータが、針カニューレ424の新たな始動を開始する、すなわち、カニューレを近位に駆動するために初期位置を越えて回転しないことを確保するために、カートリッジホルダの基部プレート338上の停止特徴部336.1を示す。
【0257】
上記に説明されたように、起動構造360の第1の円筒形管状セクタ360.2は、回転針ドラム410のラチェット歯412と協働するように適合された、インデックスラチェットアーム362を備え、それによって、ドラム410の一方向回転が、開口337に対する精密な位置付けとともに保証される。
【0258】
実施形態のリスト
実施形態の第1のリスト
1.複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置(100、300)であって、薬剤送達装置が、
-ハウジングと、
-薬剤貯蔵部(290、490)および穿刺可能な隔壁と、
-複数の用量を順次送達するために適合された駆動機構と、
-複数の針組立品であって、各針組立品(220、420)が、針ハブ(224、425)に固定された針カニューレ(224、424)を含み、針カニューレ(224、424)が、近位端および遠位端を含む、複数の針組立品と、
-針シールド(110、310)であって、シールド(110、310)が針を覆うように適合されている遠位位置と、シールド(110、310)が駆動機構を起動するように適合されているか、またはシールド(110、310)が起動機構を係止解除するように適合されている近位位置との間で移動可能に配設されている、針シールド(110、310)と、
-シールド(110、310)に軸方向に係止された針ドラム(210、410)であって、ドラム(210、410)が、複数の針組立品に対応する複数の軸方向軌道(212、414)を含み、針組立品が、軌道(212、414)の各々に移動可能に配設されている、針ドラム(210、410)と、
針ドラム(210、410)が、複数の針組立品のうちの針組立品(220、420)のうちの1つを、貯蔵部(290、490)と軸方向に位置合わせして起動位置に位置付けるように動作可能に配設され、貯蔵部(290、490)と位置合わせして配設された針組立品(220、420)が、起動針組立品(220、420)であり、起動針組立品(220、420)は、針カニューレが隔壁を穿刺しない、ハウジングに対する遠位位置、および針カニューレが隔壁を穿刺し、かつ貯蔵部と流体連通している、ハウジングに対する近位位置に配設され得、
他の針が、待機針であり、待機針のうちの1つは、用量が送達された後、起動位置に移動され得、それによって、次の用量のための起動針とすることができ、
薬剤送達装置が、シールド(110、310)に軸方向に係止され、かつ初期状態および起動状態でハブ(225、425)に結合し、それによって、針組立品が、引張構造によって遠位位置に引っ張られ得、中間状態でハブ(225、425)から結合解除し、それによって、シールドがシールドから独立して移動され得るように適合された引張構造(230、320)をさらに備え、
シールドが、初期位置から中間位置、そして起動位置まで起動経路に沿って動作するように適合されており、
薬剤送達装置が、シールドを初期位置から中間位置に移動させることに応答して、軌道針組立品(220、420)を遠位位置から近位位置に駆動するように適合されており、
薬剤送達装置は、
-初期状態であって、シールドが初期かつ遠位位置にあり、針組立品が遠位位置であり、シールドによって覆われている、初期状態から、
-中間状態であって、シールドが中間位置にあり、針組立品が近位位置にある、中間状態に、シールドを初期位置から中間位置に移動させることに応答して、
-起動位置であって、シールドおよび針組立品が近位位置にあり、駆動機構が作動または係止解除される、起動位置であって、シールドを中間位置から起動位置に近位方向に移動させることに応答して、変化し得、
薬剤送達装置が、作動前に流体接続が確立されること、および針組立品が、作動後に遠位位置に引っ張られ得ることを確保する、薬剤送達装置(100、300)。
2.ハウジングが、近位位置で起動針組立品(220、420)の針ハブ(225、425)を支持するように適合された支持構造(136、338)を備え、それによって、ハブ(225、425)のさらなる近位移動が防止される、実施形態1に記載の薬剤送達装置(100、300)。
3.薬剤送達装置が、ハウジングに対して移動可能に配設されたハブ駆動部分(312.2、434.1)を含むハブ駆動構造(210、430)をさらに備え、シールドが、ハブ駆動部分(312.2、434.1)に動作可能に結合され、ハブ駆動部分が、シールドを初期位置から中間位置に移動させることに応答して、ハウジングに対して遠位位置から近位位置に起動針組立品(220、420)を駆動するように適合されている、実施形態2または3に記載の薬剤送達装置(100、300)。
4.引張構造(230、320)が、ハブ係合部分(234.2、322)を備え、ハブが、引張構造(230、320)によって係合されて引っ張られるように適合された被引張部分(226.3、428)をさらに備え、引張構造がハブに軸方向に結合されるためには、ハブ係合部分(234.2、322)が被引張部分(226.3、428)と軸方向に整列されていることを含む、実施形態1~3のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
5.待機針組立品(220、420)が、貯蔵部(290、490)との軸方向位置合わせから外れた待機位置に位置付けられる、実施形態1~4のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
6.ドラム(210、410)が回転し、それによって、待機針組立品のうちの1つを有する起動針組立品を変化させるように適合されている、実施形態1~5のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
7.初期位置にあるシールド(110、310)に対して、シールドは、遠位位置にあり、活性化位置にあるシールドに対して、シールドは、近位位置にある、実施形態1~6のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
8.中間位置にあるシールド(110、310)に対して、(i)シールド(110)が、遠位位置と近位位置との間の中間軸方向位置にあるか、または(ii)シールド(310)が、別の角度位置で遠位位置にある、実施形態1~7のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
9.初期状態および中間状態にある薬剤送達装置に対して、針カニューレ(224、424)の遠位端が、シールドによってさらに覆われ、起動位置にある薬剤送達装置に対して、針カニューレの遠位端が、シールドから延在する、実施形態1~8のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
10.初期状態にある薬剤送達装置に対して、引張構造(230、320)が、ハブ(225、425)に結合され、中間状態に対して、引張構造(230、320)が、ハブ(225、425)から結合解除され、それによって、シールドが、針組立品(220、420)を伴わずに近位に移動され得、起動位置に対して、引張構造(230、320)が、ハブ(225、425)に結合され、それによって、針組立品が、シールドと一緒に遠位方向に引っ張られ得る、実施形態1~9のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
11.複数の針組立品が、複数の用量に対応し、用量の各々が、固定用量である、実施形態1~10のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
12.(i)起動針組立品に対する流体連通の確立、および(ii)駆動機構の起動のシーケンスを制御するための起動制御機構を提供する、実施形態1~11のいずれかに記載の薬剤送達装置(100、300)。
13.初期位置が、遠位位置であり、中間位置が、遠位位置と近位位置との間の軸方向位置である、実施形態1~12のいずれかに記載の薬剤送達装置(100)。
14.シールドが、非円形断面を有する管状であり、それによって、ハウジング内に回転不能に配設され得る、実施形態1~13のいずれかに記載の薬剤送達装置(100)。
15.ドラム(210)が、円形断面を有する管状であり、シールド(110)が、ドラム(210)を受容するように適合され、ドラム(210)が、軸方向に係止され、シールド(110)内に回転可能に配設されている、実施形態14に記載の薬剤送達装置(100)。
16.引張構造(230)が、円形断面を有する管状であり、引張構造(230)が、ドラム(210)内に受容されるように適合されており、引張構造が、軸方向に係止され、ドラム(210)内に回転可能に配設され、引張構造が、引張構造の近位端にフランジ部分として形成するハブ係合部分(234.2)を備え、それによって、ハブ係合部分(234.2)が、軌道位置に配設されたハブ(225)を支持し、近位位置から遠位位置に引っ張るように配設されている、実施形態15に記載の薬剤送達装置(100)。
17.ドラム(210)が、遠位位置から近位位置にハブを駆動するための駆動部分(312.2)をさらに備える、実施形態13~16のいずれかに記載の薬剤送達装置。
18.ハブが、フィンガ(227)を備え、ハウジングは、フィンガ(227)と係合し、それを、ハブがシールドに結合される第1の角度位置から、ハブがハウジングに結合され、シールドが中間位置に近位に移動されるときにハブがシールドから結合解除分離される第2の角度位置に回転させるためのフィンガガイド(137)を備える、実施形態13~17のいずれかに記載の薬剤送達装置。
19.初期位置が、第1の角度位置における遠位位置であり、中間位置が、第2の角度位置における遠位位置である、実施形態1~18のいずれかに記載の薬剤送達装置(300)。
20.ハブ駆動構造(430)が、針ドラム(410)を受容するように適合された円形断面を有する管状であり、ハブ駆動構造が、回転に応答して、遠位から近位方向にハブを駆動するように適合され配設された螺旋ハブ駆動部分(312.2、434.1)を備える、実施形態19に記載の薬剤送達装置(300)。
21.シールド(310)が、円筒形断面を有する管状であり、それによって、シールドは、遠位位置にあるシールドに対して、ハウジング内に回転可能に配設され、シールドが遠位位置の近位に位置するとき、ハウジングおよびシールドが、回転を防止するためにガイドと係合することを含む、実施形態19または20に記載の薬剤送達装置(300)。
22.シールド(310)が、第1の角度位置から第2の角度位置への回転中にハブ駆動構造(430)と係合するように適合され、それによって、ハブが、シールドを第2の角度位置に回転させることに応答して、近位位置に駆動され得る、実施形態20または21に記載の薬剤送達装置(300)。
23.引張構造(320)が、シールドに解除可能かつ回転可能に係止され、引張構造が、シールド(310)に追従し、それによって、シールドの回転移動に応答して、シールドをハブ(425)から結合解除するように適合されている、実施形態19~22のいずれかに記載の薬剤送達装置(300)。
【0259】
実施形態の第2のリスト
1.複数の用量の医薬を送達するための薬剤送達装置(100、300)であって、薬剤送達装置が、
-ハウジングと、
-薬剤貯蔵部(290、490)および穿刺可能な隔壁であって、隔壁を穿刺することが、貯蔵部との流体連通を可能にする、薬剤貯蔵部(290、490)および穿刺可能な隔壁と、
-起動に応答して、用量を送達するように適合された駆動機構と、
-複数の針組立品であって、各針組立品(220、420)が、針ハブ(224、425)に固定された針カニューレ(224、424)を備え、針カニューレ(224、424)が、近位端に鋭利な先端、および遠位端に鋭利な先端を含み、針の遠位部分が、ハブ(225、425)から遠位方向に延在し、近位部分が、ハブ(225、425)から近位方向に延在する、複数の針組立品と、
-針シールド(110、310)であって、シールド(110、310)が針を覆うように適合されている遠位位置と、駆動機構が起動されるか、または起動機構が係止解除される近位位置との間で移動可能に配設されている、針シールド(110、310)と、
-針マガジンであって、針ドラム(210、410)であって、針ドラム(210、410)が、シールド(110、310)に軸方向に係止され、ドラム(210、410)が、複数の針組立品に対応する複数の軸方向軌道(212、414)を含み、針組立品が、軌道(212、414)の各々内に移動可能に配設され、針マガジンが、シールドに軸方向に係止された引張構造(230、320)をさらに含み、引張構造(230、320)が、ハブ係合部分(234.2、322)を含み、ハブが、引張構造(230、320)によって係合および引張されるように適合された被引張部分(226.3、428)をさらに含む、針マガジンと、を備え、
針マガジンが、複数の針組立品のうちの針組立品(220、420)のうちの1つを、貯蔵部(290、490)と軸方向に位置合わせして起動位置に位置付けるように動作可能に配設され、貯蔵部(290、490)と位置合わせして配設された針組立品(220、420)が、起動針組立品(220、420)であり、起動針組立品(220、420)は、貯蔵部との流体連通が確立されていない、ハウジングに対する遠位位置、および針カニューレが貯蔵部と流体連通している、ハウジングに対する近位位置に配設され得、
ハウジングが、近位位置で起動針組立品(220、420)の針ハブ(225、425)を支持するように適合された支持構造(136、338)を備え、それによって、ハブ(225、425)のさらなる近位移動が防止され、
薬剤送達装置が、ハウジングに対して移動可能に配設されたハブ駆動部分(312.2、434.1)を含むハブ駆動構造(210、430)をさらに備え、ハブ駆動部分(312.2、434.1)が、シールド(110、310)に動作可能に結合され、(a1)シールド(110)の近位移動または(b1)シールド(310)の角度移動に応答して、ハウジングに対して遠位位置から近位位置に起動針組立品(220、420)を駆動するように適合されており、
薬剤送達装置が、結合された準安定状態および結合解除された準安定状態に配設され得、
薬剤送達装置が、(i)起動針組立品に対する流体連通の確立、および(ii)駆動機構の起動のシーケンスを制御するための起動制御機構をさらに備え、
薬剤送達装置は、
-初期状態であって、薬剤送達装置が、結合された準安定状態(a2.1、b2.1)にあり、ハブ(225、425)がハウジングに対して遠位位置に配設され、シールド(110、310)がハウジングに対して遠位位置に位置付けられる、初期状態から、
-中間状態であって、薬剤送達装置が結合解除された準安定状態に配設され、ハブ(225、425)が、ハウジングに対して近位位置に配設され、ハブ(225、425)が、ハウジングのハブ保持部分(136、338)に軸方向に係止され、シールド(110、310)から結合解除され、
(a2)シールドをシールドの遠位位置から中間軸方向位置に移動させることに応答して、シールド(110)が中間軸方向位置に位置付けられ、ハブ(225)が近位に駆動されて、ハブの中間軸方向位置を通過し、ハブの近位位置にさらに移動し、ハブが第2の角度の結合解除位置に回転する結合解除部分(137)によってシールドから結合解除されているか、または
(b2)シールドを第1の角度方向で初期角度位置から第2の角度位置に回転させることに応答して、シールド(310)が、第2の角度位置および遠位位置に配設され、それによって、シールドが、引張構造(320)と係合し、それを第1の角度位置から第2の角度位置に回転させており、ハブ(425)が、第2の角度位置でシールド(410)から解除されており、シールドが駆動構造の第1の角度位置で駆動構造(430)と係合した後、シールドが、駆動構造を駆動構造(430)の第2の角度位置に回転させ、それによって、ハブ(425)を近位位置に駆動している、中間状態に、
-起動状態であって、ハブ(225、425)がハウジングに対して近位位置に配設され、ハブ(225、425)がハウジングのハブ保持部分(136、338)に軸方向に係止され、シールドが近位位置に配設され、それによって、シールド(110、310)が駆動機構を起動しているか、またはそれによって、駆動機構が起動のために係止解除されており、引張構造(230、430)のハブ係合部分(234.2、322)が、ハブ(225、425)の被引張部分(226.3、428)の近位に配設されるようにシールドと一緒に近位に移動されており、ハブ係合部分(234.2、322)および被引張部分(226.3、428)が軸方向に位置合わせしており、引張構造が、ハブを遠位方向に引っ張るように適合されており、それによって、シールド(110)が、ハブ(225)を伴わずに近位方向(230)に移動されている、起動状態に、
(a3)シールド(110)を中間軸方向位置から近位位置に移動させることに応答して、または
(b3)シールド(310)を遠位位置から近位位置に移動させることに応答して、変化し得る、薬剤送達装置。
2.選択肢(a)の薬剤送達装置が、
(a4)ハウジング上に提供された結合解除部分(137)であって、結合解除部分(137)が螺旋ガイド部分を含み、ハブ(425)が遠位位置と中間軸位置との間で移動可能であり、ハブ(425)の係合部分(227)が結合解除部分(137)と係合し、ハブ(225)が、ハブ(225)を通って中心軸を中心としてドラム(210)に対して回転可能に配設され、結合解除部分は、ハブ(225)が中間軸方向位置から近位位置に移動されるときに、第1の角度位置から第2の角度位置に回転し、駆動部分(212.2)が、ドラム(210)上に提供される、結合解除部分(137)をさらに備え、
(a4.1)結合された準安定状態で配設されているハブ(225)に対して、ハブ(225)が第1の角度位置に配設され、ハブ(225)が駆動部分(212.2)によって係合され、駆動部分(212.2)がハブ(225)をシールド(110)と一緒に近位方向に移動させ得、引張構造(230)のハブ係合部分(234.2)がハブ(225)の被引張部分(226.3)に近位に配設され、ハブ係合部分(234.2)および被引張部分(226.3)が軸方向に整列され、それによって、引張構造(320)に対するハブ(425)の近位移動が防止され、
(a4.2)結合解除された準安定状態に配設されているハブ(225)に対して、ハブ(225)が第2の角度位置に配設され、ハブ(225)が駆動部分(212.2)から係合解除され、それによって、駆動部分を有するシールド(110)が、引張構造(230)と一緒に近位に移動し得、それによって、シールドが、ハブ(225)を伴わずに近位起動位置に移動され得る、実施形態1に記載の薬剤送達装置。
3.選択肢(b)の薬剤送達装置は、
(b2)ハブ(425)がドラム(410)に回転係止され、ドラム(410)がハウジングに対して回転係止され、引張構造(320)が、前記ドラム(410)および前記ハブ(425)に対して、第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転可能に配設され、第2の角度位置からの第1の角度方向におけるさらなる回転がドラム(41)によって阻止され、引張構造(230)が、第1の角度方向に回転されているシールドに対して、シールドに解除可能に係止され、引張構造(320)が、いくつかの近位に延在する歯(324)をさらに備え、各々が、ハウジング上の対応する歯(334)に面するように適合された螺旋表面(324.1)を備え、それによって、第2の角度位置に配設されている引張構造に対して、引張構造(320)は、シールドが遠位位置から近位位置に移動されるときに、第1の角度位置に戻るように回転され、駆動構造(430)が、ハブ(425)に対して第1の角度位置に配置され得、駆動部分(434.1)が、ハブの係合部分(426.1)と係合する螺旋ガイド部分を備え、駆動部分(434.1)は、駆動構造(430)が、第1の角度方向で、第1の角度位置から第2の角度位置に回転されるときに、ハブ(425)を近位方向に駆動し得、ハブ(425)が近位位置に移動されていることをさらに含み、
(b2.1)結合された準安定状態に配設されているハブ(425)に対して、引張構造が第1の角度位置に配設され、引張構造のハブ係合部分(322)が、ハブ(225、425)の被引張部分(428)の近位に配設され、ハブ係合部分(322)および被引張部分(428)が軸方向に整列し、引張構造(320)に対するハブ(425)の近位移動が防止され、駆動構造(430)が第1の角度位置に配設され、シールド(310)が初期角度位置に配設され、回転のための間隙がシールドと駆動構造の係合部分(432.1)との間に提供され、
(b2.2)結合解除された準安定状態に配設されているハブ(425)に対して、シールド(310)が中間角度位置に配設され、引張構造が第2の角度位置に配設され、引張構造がシールドから回転可能に解除され、シールドが第1の角度方向にさらに回転されるとき、ハブ係合部分(234.2、322)および引張部分(226.3、428)が軸方向に整列しておらず、それによって、引張構造(230、320)に対するハブ(225、425)の近位移動が可能にされ、回転のための間隙が排除されており、シールド(310)と係合部分(432.1)との間が排除されており、それによって、駆動構造は、シールドが、第1の角度方向でシールドの第2の角度位置にさらに回転されるときに、第1の角度位置から第2の角度位置に回転することになる、実施形態1または2に記載の薬剤送達装置。
4.起動位置に位置付けられていない複数の針組立品のうちの針組立品が、貯蔵部(290、490)との軸方向位置合わせから外れた待機位置に位置付けられる、実施形態1~3のいずれかに記載の薬剤送達装置。
5.ドラム(210、410)が投与サイクル中に回転し、それによって、待機針組立品のうちの1つを有する起動針組立品を変化させるように適合されている、実施形態4に記載の薬剤送達装置。
6.投与サイクルが、ハウジングからキャップ(105、305)を引っ張ることと、シールド(110、310)を遠位位置から近位位置に移動させることによって駆動機構を起動することと、シールド(110、310)が遠位位置に戻されることを可能にすることと、ハウジング上にキャップを再装着することと、を含む、実施形態5に記載の薬剤送達装置。
7.ハウジングが、キャップ(105、305)と協働するためのガイドを備え、それによって、キャップが、純粋な軸方向移動で装着される、実施形態6に記載の薬剤送達装置。
8.キャップ(105、305)が、針ドラム(210、410)をある位置に回転させるように適合されており、待機針のうちの1つが、キャップを装着することに応答して、起動位置に位置付けられる、実施形態7に記載の薬剤送達装置。
9.複数の針組立品が、複数の用量に対応し、用量の各々が、固定用量である、実施形態1~8のいずれかに記載の薬剤送達装置。
10.起動状態にある薬剤送達装置に対して、シールドを近位位置から遠位位置に移動させることに応答して、シールドがハブから結合解除され、引張構造(230、320)が、ハブ(225、425)と係合し、それを遠位位置に引っ張るように適合されている、実施形態1~9のいずれかに記載の薬剤送達装置。
11.起動状態にある薬剤送達装置に対して、二重投与防止機構が始動されている、実施形態1~10のいずれかに記載の薬剤送達装置。
【0260】
例示的な実施形態の上記の説明では、異なる構成要素について説明された機能を提供する異なる構造および手段を、本発明の概念が当業者にとって明らかである程度まで、説明してきた。異なる構成要素に対する詳細な構築および仕様は、本明細書に記載されるラインに沿って当業者によって実施される通常の設計手順の対象とみなされる。
【国際調査報告】