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特表2024-510106乾燥物品用剛性コンテナ用の取り外し可能な棚
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】乾燥物品用剛性コンテナ用の取り外し可能な棚
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/22 20060101AFI20240228BHJP
   B65D 19/18 20060101ALI20240228BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B65D6/22
B65D19/18
B65D6/18 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550174
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 GB2022050435
(87)【国際公開番号】W WO2022175668
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】2102413.8
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523314499
【氏名又は名称】シーエイチイーピー テクノロジー ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウラン,ダニエル ロペス
(72)【発明者】
【氏名】アセンシオ コティラス,ルイス
【テーマコード(参考)】
3E061
3E063
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB09
3E061CA02
3E061CA15
3E061DB11
3E061DB17
3E063AA06
3E063AA09
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA25
3E063CA26
3E063CB01
3E063CC01
3E063CC03
3E063CC06
3E063CD02
3E063CD08
3E063CD11
3E063DA05
3E063FF04
(57)【要約】
乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ(100)用の取り外し可能な棚(1)であって、取り外し可能な棚(1)がコンテナ(100)の壁(101)または前記壁(101)に取り付けられた取り外し可能な中間棚(2)に面と面を合わせて取り付けられ得るように使用可能な少なくとも1つの棚ロケータ(10、11)を備える取り外し可能な棚(1)が開示される。このようにして、1つまたは複数の取り外し可能な棚(1)をコンテナ(100)の壁に取り付けることができる。このことは、圧壊可能なコンテナ(100)の場合に特に有利であり、そのことにより、取り外し可能な棚(1)を圧壊されたコンテナ(100)内にきちんと保持し、積み重ねることができる
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ(100)用の取り外し可能な棚(1)であって、前記取り外し可能な棚(1)が前記コンテナ(100)の壁(101)または前記壁(101)に取り付けられた取り外し可能な中間棚(2)に面と面を合わせて取り付けられ得るように使用可能な少なくとも1つの棚ロケータ(10、11)を備える取り外し可能な棚(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの棚ロケータ(10、11)は、前記取り外し可能な棚(1)の面(3)に設けられ、
任意に、その側辺部(4)にまたはその近くに設けられ、
任意に、その角部(5)にまたはその近くに設けられる、請求項1に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項3】
前記取り外し可能な棚(1)は、前記棚(1)の対向端部(6)にまたはその近くに、
任意に、前記側辺部(4)に沿って、
任意に、前記棚(1)の隣接する角部(5)にまたはその近くに、それぞれ配置された少なくとも2つの棚ロケータ(10)を備える、請求項2に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項4】
前記取り外し可能な棚(1)は、少なくとも1つの雄型棚ロケータ(10、11)および少なくとも1つの相補的な雌型棚ロケータ(12、13)を備え、前記雄型および雌型棚ロケータ(10、11、12、13)はそれぞれ、前記棚(1)のいずれかの面(3)上の対応する対向位置(7)に設けられる、請求項1、請求項2または請求項3に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの雄型棚ロケータ(10、11)は、概ねピン(20、21)の形で設けられ、前記少なくとも1つの雌型棚ロケータ(12、13)は、前記ピン(20、21)に相補的なスロット(22、23)を画定する、請求項4に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項6】
前記ピン(20、21)は、拡大頭部(24)を備え、前記相補的なスロット(22、23)は、前記棚(1)の縁部(8)で開口している口部(26)であって、前記拡大頭部(24)を受容するように適合された口部(26)を備え、
任意に、前記拡大頭部(24)は、前記棚面(3)から距離(25)だけ離間している、請求項5に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項7】
前記ピン(20、21)は、前記ピン(20、21)が前記コンテナ壁(101)または前記取り外し可能な中間棚(2)に設けられた相補的なスロット(22、23)内に受容されたときに、または前記スロット(22、23)が前記取り外し可能な棚(1)に取り付けられたさらなる取り外し可能な棚(2’)の相補的なピン(20、21)を受容したときに、ダブテール結合部(102)を画定するように適合され、
任意に、前記ダブテール結合部(102)は間隙(112)を備え、
任意に、前記ピン(20、21)は略T字形の断面(27)を有する、請求項6に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項8】
前記ピン(20、21)および前記相補的なスロット(22、23)は、前記取り外し可能な棚(1)全体にわたるそれぞれの長さ(28、29)を有し、
任意に、前記長さ(28、29)は、前記取り外し可能な棚(1)の前記側辺部(4)または縁部(8)に対して垂直に延在する、請求項6または請求項7に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項9】
前記ピン(20、21)は、前記ピン(20、21)の前記長さ(28)に沿って先細りの断面(27)を備える、請求項8に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項10】
前記長さ(28、29)は、前記棚縁部(8)が前記取り外し可能な棚(1)に取り付けられたさらなる取り外し可能な棚(2’)の対応する縁部(8’)と面一になり得るように適合され、
任意に、前記スロット(22、23)の前記長さ(29)は、前記ピン(20、21)の前記長さ(28)より長い、請求項8または請求項9に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項11】
前記ピン(20、21)の前記長さ(28)は、前記ピン(20、21)の横幅(30)または高さ(31)より長い、請求項8、請求項9または請求項10に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項12】
前記取り外し可能な棚(1)は、材料(好ましくは硬質プラスチックからなる)の実質的に一体パネルまたは連続パネル(9)の形で設けられる、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項13】
前記取り外し可能な棚(1)は、前記取り外し可能な棚(1)を前記剛性コンテナ(100)内に収容するための少なくとも1つのハンドル(14)または少なくとも1つのレスト(15)をさらに備える、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の取り外し可能な棚(1)。
【請求項14】
乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ(100)であって、請求項1~請求項13のいずれかに記載の少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)を受容するための少なくとも1つの棚ロケータ(12、13)を有するコンテナ壁(101)を備える剛性コンテナ(100)。
【請求項15】
前記剛性コンテナ(100)は、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)を備え、
任意に、前記少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)は、前記剛性コンテナ(100)内に配置され、前記剛性コンテナ(100)によって画定された閉鎖空間(105)を2つ以上の区画(106)に分割するように適合され、
任意に、前記少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)は、前記コンテナ壁(101)に、
任意に、前記コンテナ壁(101)の外面(103)に、面と面を合わせて取り付けられる、請求項14に記載の剛性コンテナ(100)。
【請求項16】
前記剛性コンテナ(100)は、折り畳み可能である、請求項14または請求項15に記載の剛性コンテナ(100)。
【請求項17】
前記剛性コンテナ(100)は、少なくとも部分的に折り畳まれ、
任意に、前記剛性コンテナ(100)は、完全に折り畳まれ、
任意に、前記剛性コンテナは、前記剛性コンテナ(100)の基底部(104)上に完全に折り畳まれる、請求項15および請求項16に記載の剛性コンテナ(100)。
【請求項18】
前記剛性コンテナ(100)は、コンテナキャップ(107)を備える、請求項14~請求項17のいずれか一項に記載の剛性コンテナ(100)。
【請求項19】
前記コンテナの基底部(104)は、1つまたは複数のマーキング(108)を備え、前記1つまたは複数のマーキング(108)および前記キャップ(107)は、前記剛性コンテナ(100)が完全に折り畳まれてキャップが被せられたときに、前記剛性コンテナ(100)内に積み重ねられた取り外し可能な棚(1、2、2’)の数を示すように適合される、請求項17および請求項18に記載の剛性コンテナ(100)。
【請求項20】
請求項17、請求項18または請求項19のいずれか一項に記載の少なくとも部分的に折り畳まれた剛性コンテナ(100)を備えるスタック(200)。
【請求項21】
各々が少なくとも1つの棚ロケータ(10、11)を備える1つまたは複数の取り外し可能な棚(1、2、2’)を備える剛性コンテナ(100)の静脈物流の準備方法であって、
前記棚ロケータ(10、11)を使用して、前記少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)を、前記コンテナ(100)の壁(101)に、または前記壁(101)に取り付けられた取り外し可能な中間棚(2)に面と面を合わせて取り付けるステップを含む方法。
【請求項22】
前記剛性コンテナ(100)は、折り畳み可能であり、前記方法はさらに、
前記壁(101)を、任意に前記剛性コンテナ(100)の基底部(104)またはその上に折り畳むステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ(100)であり、各々が少なくとも1つの棚ロケータ(10、11)を備える1つまたは複数の取り外し可能な棚(1、2,2’)を有し、前記棚ロケータ(10、11)を介して前記1つまたは複数の取り外し可能な棚(1、2’)が前記コンテナ(100)の少なくとも1つの壁(101)にまたは前記壁(101)に取り付けられた取り外し可能な中間棚(2)に面と面を合わせて取り付けられる剛性コンテナ(100)の準備方法であって、
前記1つまたは複数の棚ロケータ(10、11)を介して前記少なくとも1つの壁(101)または前記取り外し可能な中間棚(2)から少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)を取り外すステップと、
前記剛性コンテナ(100)によって画定された閉鎖空間(105)内に前記少なくとも1つの取り外し可能な棚(1)を配置して、2つ以上の区画(106)を作成するステップと
を含む方法。
【請求項24】
前記剛性コンテナ(100)は折り畳まれ、前記方法はさらに、
前記壁(101)を、任意に前記剛性コンテナ(100)の基底部(104)から直立させるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥物品の輸送のための剛性コンテナ用の取り外し可能な棚、ならびに関連するコンテナおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、乾燥物品の輸送のための折り畳み式コンテナ用の取り外し可能な棚(すなわち、空のコンテナを圧壊された形態または折り畳まれた形態でサービスセンターにより容易に戻すことができるように、別の形で剛性壁が少なくとも部分的に圧壊可能であるコンテナ)、ならびに関連する折り畳み式コンテナおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナは、流通網にわたって物品を輸送するための既知の手段である。これらの物品は、乾燥成分、部品、包装材料または包装製品を含み得、ばら積み品を含み得る。ばら積み品を輸送するために使用されるコンテナは、中間バルクコンテナ(IBC)と称され得る。部品、他の材料または製品を輸送するために使用されるコンテナは、折り畳み式大型コンテナ(FLC)と称され得る。FLCは、プールされる場合(すなわち、再利用可能なコンテナとして使用される場合)に特に有益であり得、サプライチェーンにおける静脈物流の効率性および費用対効果を改善する。
【0003】
FLCは、一般に、基底部、本体、および取り外し可能な蓋を備える。蓋は取り外され得、その後、コンテナの本体を形成する1つまたは複数の壁がコンテナの基底部上で都合よく圧壊され得る、または折り畳まれ得る。次に、蓋は元に戻され、圧壊されたコンテナの上に配置されて、空の折り畳まれたコンテナは、使用後にサービスセンターに戻される状態になる。
【0004】
組み立てられた状態では、コンテナの基底部、本体、および蓋を組み合わせたものが、内容物が保管され得る閉鎖空間を画定する。閉鎖空間を、例えば、2つ以上の区画に分割するために、1つまたは複数の取り外し可能な棚が設けられ得る。このことにより、物品の輸送中に、閉鎖空間をより効率に使用することができる。物品が荷降ろしされ、棚が取り外されると、棚は折り畳まれたコンテナ内に配置されて、コンテナと共にサービスセンターに戻される必要があり、棚が付けられたコンテナに対する新しいプーリングサイクルが開始され得る。
【0005】
コンテナは、貨物コンテナまたは輸送コンテナとして説明され得る。一実施例では、コンテナは、約700リットルの総体積または容積を有し得るが、それ以外に様々な寸法および形状が利用可能である。例えば、コンテナは、約1000リットルから約1500リットルの間のいずれかの容積を有し得る。コンテナ本体は、標準パレットの寸法に対応する寸法を有し得る、基底部の設置面積に対応するように寸法決めされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術のコンテナでは、取り外し可能な棚は、取り外した後に置き忘れられる可能性があり、その結果、サービスセンターに戻されない、またはそれぞれのコンテナと一緒に戻されない可能性がある。さらに、折り畳まれたコンテナは、1つまたは複数の棚を含む場合もあれば、棚を含まない場合もあり、この情報は識別するのが困難な場合がある。これらの可能性は、サプライチェーン全体の効率に悪影響を及ぼす可能性がある。なぜなら、紛失した棚を置き換える必要がある場合があり、その結果、そうでなければ回避できたはずの追加コストが生じるからである。
【0007】
したがって、従来技術のコンテナに関連する1つまたは複数の不利点を克服する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ用の取り外し可能な棚であって、取り外し可能な棚がコンテナの壁または前記壁に取り付けられた取り外し可能な中間棚に面と面を合わせて取り付けられ得るように使用可能な少なくとも1つの棚ロケータを備える取り外し可能な棚が提供される。
【0009】
したがって、棚は、有利には、(任意に、コンテナ壁に既に取り付けられている別の棚を介して)コンテナ壁に取り外し可能に取り付けられ得、その結果、取り外し可能な棚がコンテナに対して置き忘れられる可能性が低くなる。
【0010】
このことは、コンテナが折り畳み可能である場合、すなわち、コンテナ壁の少なくとも1つが、取り付けられた取り外し可能な棚と一緒に、輸送のために折り畳まれ得る場合に、特に有利である。
【0011】
原則として、棚を壁(または中間棚)に面と面を合わせて取り外し可能に取り付けるどんな方法も考えられ得ることが理解されるであろう。例えば、棚を面と面を合わせて取り外し可能に取り付ける有利な方法は、棚を壁に掛けることによる方法であり、この場合、棚ロケータは、取り外し可能な棚をコンテナの壁から所望の形態で(すなわち、面と面を合わせて)掛けるようにハンガーまたはフックの形で設けられ、コンパクト性および空間効率を維持すると同時に、棚を置き忘れるリスクを最小限に抑えることができる。
【0012】
少なくとも1つの棚ロケータは、取り外し可能な棚の面に設けられ得る。このことは、取り付けられた棚の面と面を合わせた配置を容易にし得る。
【0013】
使用時に、棚の面は、輸送される物品を支持するために使用され得、この目的のために使用されない棚の他の表面とは異なる。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの棚ロケータは、輸送物品の妨げにならないように、棚面の側辺部にまたはその近くに設けられ得る。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの棚ロケータは、棚の角部またはその近くに設けられ得る。
【0016】
さらに、1つまたは複数の棚ロケータの位置は、コンテナ壁または中間棚の上側辺部または上縁への取り付けのために、ユーザに対して、棚の上側辺部または上縁を明らかにし得ることが理解されるであろう。
【0017】
有利には、取り付けられたときの棚のより良好な重量配分のために、少なくとも2つの棚ロケータがそれぞれ、棚の対向する両端部またはその近くに配置され得る。
【0018】
好ましくは、少なくとも2つの棚ロケータは、棚が(任意に中間棚を介して)コンテナに取り付けられた形態において、棚の上側辺部などの棚の側辺部に沿って配置され得る。
【0019】
好ましくは、少なくとも2つの棚ロケータは、棚の隣接する角部に、またはその近くに配置され得る。
【0020】
有利には、取り外し可能な棚は、少なくとも1つの雄型棚ロケータと、少なくとも1つの相補的な雌型棚ロケータとを備え得る。
【0021】
雄型ロケータが取り外し可能な棚に設けられ、雌型ロケータが取り外し可能な棚が取り付けられるコンテナの壁に、または前記壁に既に取り付けられている取り外し可能な中間棚に設けられ得、またはその逆に、そのように設けられ得るのは少なくとも1つの雌型棚ロケータであり得るという点で、雄型ロケータおよび雌型ロケータの位置は交換可能であり得ることが理解されよう。
【0022】
さらに、雄型棚ロケータおよび雌型棚ロケータは、他の可能性の中でも特に、棚が取り付けられた形態にある状態で、同様に棚の上側辺部もしくは下側辺部または上面または下面に、またはその近くに設けられ得ることが理解されよう。
【0023】
しかしながら、好ましくは、前記雄型棚ロケータおよび雌型棚ロケータはそれぞれ、棚のいずれかの面上の対応する対向x-y位置に設けられる。
【0024】
すなわち、雄型棚ロケータおよび雌型棚ロケータの対は、同じx-y座標を有することが好ましく、棚の面は概念上のx-y平面に平行に延在し、概念上のz軸は面外方向を示す。
【0025】
このことにより、コンテナ壁上の所望の位置に取り外し可能な棚(または既に取り付けられている他の取り外し可能な棚)の取り付けがユーザにとってより直観的になり得るという点で操作が容易になるだけでなく、その後に、各対の1つまたは複数の雄型および/または雌型棚ロケータを介して、1つまたは複数のさらなる取り外し可能な棚が取り外し可能な棚に取り付けられ得、取り外し可能な棚の自由面(すなわち、例えば、背面または外面)上の追加の棚を自由に収容できるようになる。
【0026】
少なくとも1つの雄型棚ロケータは、概ねピンの形で設けられ得る。
【0027】
少なくとも1つの雌型棚ロケータは、スロットを画定し得、このスロットは、好ましくは、互いの取り付けのために前記ピンに相補的な形状を有し得る。
【0028】
これらの形状は、特に単純な形状であり、したがって使い勝手の良い形状であり得る。
【0029】
有利には、ピンは、拡大頭部を備え得、相補的なスロットは、棚の上縁などの棚の縁部に開口部を伴う口部を備え得、前記口部または開口部は、ピンの少なくとも拡大頭部を受容するように適合される。
【0030】
このことにより、さらにユーザが棚および/もしくはコンテナ壁またはコンテナ壁に取り付けられた中間棚の両方にある棚ロケータを容易に識別することができるという点で操作が容易になり、ならびに/またはユーザが所望の形態で取り外し可能な棚をどのように取り付けるかを直観的に理解することができるようになり得る。
【0031】
好ましくは、拡大頭部は、棚面から離間して設けられ得る。したがって、幅狭のまたは軸部のピン部分が、拡大ピン頭部と棚の面とを接合することができる。このことは、棚が定位置に取り付けられた後に、取り外し可能な棚が容易にまたは不本意に取り外されるまたは分解されることを防止し得る。
【0032】
有利には、ピンは、ピンが前記コンテナ壁または前記取り外し可能な中間棚に設けられた相補的なスロット内に受容されたときに、またはスロットが別の取り外し可能な棚の相補的なピンを受容したときに、ダブテール結合部を画定するように適合され得る。
【0033】
ダブテール結合部は多くの技術分野において周知である。しかしながら、それらの特徴は、本明細書で説明されるような取り外し可能な棚を取り付けるために使用される場合に非常に有利である。なぜなら、ダブテール結合部または継手は、ユーザが必要な取り付け様式(その方向および向きを含む)を識別するのに役立ち得るからである。
【0034】
好ましくは、前記ダブテール結合部は、取り外し可能な棚が最大限容易に着脱され得るように、間隙を備え得る。
【0035】
好ましくは、ピンは、例えば、望ましくないまたは意図しない面外の力(z軸に沿って作用する)による分離をより十分に防止するために、略T字形断面を有し得る。
【0036】
有利には、ピンおよび相補的スロットは、取り外し可能な棚全体にわたって延在するそれぞれの長さを有し得る。
【0037】
好ましくは、前記長さは、取り外し可能な棚の側辺部または縁部に対して垂直に延在し得る。
【0038】
このことは、これらの長さが、棚のx-y平面内にあり得る取り付け方向、およびコンテナ壁上または前記壁に取り付けられた取り外し可能な中間棚上の適切な位置に棚を適切に取り付けるために必要な移動範囲もユーザに示すという点で、棚の操作をさらに容易にし得る。
【0039】
ピンは、対応するスロットへのピンの挿入をさらに容易にするために、ピンの長さに沿って先細りの断面または階段状の断面をさらに備え得る。
【0040】
ピンおよびスロットのこれらの長さは、棚の上縁部などの棚縁部が、さらなる取り外し可能な棚またはコンテナ壁の対応する縁部と面一になるように適合され得る。
【0041】
しかしながら、好ましくは、スロットの長さは、ピンの長さよりも長く、棚のx方向(例えば、垂直方向であり得る)におけるピンの挿入深さは、スロットの長さによって決定される。
【0042】
ピンの長さ(棚の公称x軸に沿った)は、ピン(20、21)のその横幅(棚の公称y軸に沿った)または高さ(棚の公称z軸に沿った)より長くてもよい。
【0043】
その結果、取り外し可能な棚が取り付けられた形態にあるときに、取り外し可能な棚の輸送中に作用する可能性のある力に対してピンを最適に寸法決めすることができる。
【0044】
取り外し可能な棚は、材料(好ましくは硬質プラスチックからなる)の実質的に一体パネルまたは連続パネルの形で設けられ得る。
【0045】
取り外し可能な棚は、輸送される物品を支持するために、取り外し可能な棚を剛性コンテナ内に収容するための少なくとも1つのハンドルおよび/または少なくとも1つのレストをさらに備え得る。
【0046】
本開示の別の態様によれば、乾燥物品を輸送するための剛性コンテナであって、本明細書で説明されるような少なくとも1つの取り外し可能な棚を受容するための本明細書に記載されるような少なくとも1つの棚ロケータを有するコンテナ壁を備える剛性コンテナが提供される。
【0047】
剛性コンテナは、本明細書で説明されるような少なくとも1つの取り外し可能な棚を備え得る。
【0048】
少なくとも1つの取り外し可能な棚は、剛性コンテナ内に配置され得、剛性コンテナによって画定される閉鎖空間を2つ以上の区画に分割するように適合され得る。
【0049】
あるいは、少なくとも1つの取り外し可能な棚は、本明細書で説明されるように、コンテナ壁の外面などのコンテナ壁に、または取り外し可能な中間棚に面と面を合わせて取り付けられ得る。
【0050】
有利には、剛性コンテナは折り畳み可能であり得る。
【0051】
剛性コンテナは、少なくとも部分的に折り畳まれてもよく、例えば、完全に折り畳まれてもよく、および/または剛性コンテナの基底部上に折り畳まれてもよい。
【0052】
有利には、剛性コンテナは、コンテナキャップまたは蓋を備え得る。
【0053】
コンテナ基底部は、1つまたは複数のマーキングを備えてもよく、1つまたは複数のマーキングおよびキャップ/蓋は、剛性コンテナが完全に折り畳まれてキャップが被せられ、逆輸送または初期展開の準備ができているときに、剛性コンテナ内に積み重ねられた取り外し可能な棚の数を示すように適合され得る。
【0054】
本開示の別の態様によれば、本明細書で説明されるような少なくとも部分的に折り畳まれた剛性コンテナを備えるスタックが提供される。
【0055】
本開示の別の態様によれば、各々が本明細書で説明されるような少なくとも1つの棚ロケータを備える本明細書に記載されるような1つまたは複数の取り外し可能な棚を備える剛性コンテナの静脈物流の準備方法であって、
少なくとも1つの棚ロケータを使用して、少なくとも1つの取り外し可能な棚を、コンテナの壁にまたは前記壁に取り付けられた取り外し可能な中間棚に面と面を合わせて取り付けるステップを含む準備方法が提供される。
【0056】
剛性コンテナは折り畳み可能であり得、したがって、該方法は、
前記壁を、任意に剛性コンテナの基底部上に折り畳むステップをさらに含む。
【0057】
本開示の別の態様によれば、乾燥物品を輸送するための剛性コンテナであり、各々が本明細書で説明されるような少なくとも1つの棚ロケータを備える本明細書で説明されるような1つまたは複数の取り外し可能な棚を有し、棚ロケータを介して前記1つまたは複数の取り外し可能な棚がコンテナの少なくとも1つの壁にまたは前記壁に取り付けられた取り外し可能な中間棚に面と面を合わせて取り付けられる剛性コンテナの準備方法であって、
1つまたは複数の棚ロケータを介して前記少なくとも1つの壁または取り外し可能な中間棚から少なくとも1つの取り外し可能な棚を取り外すステップと、
取り外し可能な棚を剛性コンテナによって画定された閉鎖空間内に配置し、そのことにより2つ以上の区画を作成するステップと
を含む準備方法が提供される。
【0058】
有利には、剛性コンテナは折り畳まれてもよく、該方法はさらに、
前記壁を、任意に、前記壁が剛性コンテナの基底部またはその上に置かれた折り畳み形態から直立させるステップを含む。
【0059】
本明細書に記載される本開示の各態様についての任意選択のおよび/または好ましい特徴は、本発明のその他の態様にも適用可能である。
【0060】
次に、本発明の特定の実施形態を、添付図面を参照しながら、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本明細書で説明される取り外し可能な棚の正面斜視図である。
図2】前面扉が開放され、キャップまたは蓋が部分的に開放された状態である、本明細書で説明される乾燥物品を輸送するための折り畳み式剛性コンテナの正面斜視図である。
図3】側面扉が開放されているが、蓋および2つの取り外し可能な棚が示されておらず、第1の取り外し可能な棚がコンテナの後壁に取り付けられ、第2の取り外し可能が棚はコンテナの内側に下げられた状態である、図2のコンテナの側面斜視図である。
図4図3と同じコンテナを示しており、第2の取り外し可能な棚がコンテナ内のその静止位置に向かってさらに下げられた状態を示す図である。
図5】異なる角度または側面から見た図3および図4のコンテナの側面斜視図であり、第2の取り外し可能な棚がコンテナ内の所定位置に完全に収容された状態を示す図である。
図6図3図5のコンテナの一部の拡大斜視図であり、第1の取り外し可能な棚がコンテナの後壁に取り付けられる様子を示す図である。
図7図3図6のコンテナの拡大斜視図であり、第1の取り外し可能な棚および第2の取り外し可能な棚の両方をコンテナの後壁に(1つずつまたは同時に)取り付ける方法を示す図である。
図8図3図7のコンテナの一部の上面図であり、第1の取り外し可能な棚および第2の取り外し可能な棚がコンテナに取り付けられた細部を示す図である。
図9図1の取り外し可能な棚の一部の立面図である。
図10図9に示す線S-Sに沿った、図1および図9の棚の棚ロケータのうちの1つの断面図である。
図11】圧壊形態にある図3図8のコンテナの正面斜視図であり、蓋がなく、第1の取り外し可能な棚がコンテナ内に積み重ねられて格納された状態を示す図である。
図12図11のコンテナの側面斜視図であり、第2の取り外し可能な棚が第1の取り外し可能な棚の上に積み重ねられ、同様にコンテナの内部に格納された状態を示す図である。
図13図12のコンテナであって、蓋が閉じられ、輸送の準備ができた形態を示す図である。
図14】輸送に備えて、本明細書で説明されるような折り畳み式剛性コンテナを圧壊するまたは折り畳む方法を示す図である。
図15図14に示す順序と同様の折り畳み順序を示すが、加えて、新しい輸送サイクルを開始するために、棚付きコンテナを直立させるプロセス(フレーム8)の一部として、ユーザがどのようにして取り外し可能な棚をコンテナの壁に取り付ける(フレーム1~フレーム7)か、または前記壁から取り外し可能な棚を取り外すことができるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
乾燥物品の輸送のための剛性コンテナのための取り外し可能な棚の置き忘れまたは紛失を低減するために、本発明者らは、図1に示すように、取り外し可能な棚1、2に1つまたは複数の棚ロケータ10、11を設けることが望ましい場合があることを認識している。図1は、乾燥物品用の剛性コンテナのための取り外し可能な棚1、2を示す。説明する取り外し可能な棚1、2は、本質的に、プラスチック製の1つまたは複数の剛性部品から作製され得る連続パネル9である。したがって、取り外し可能な棚1、2は、単一のパネルまたは一体パネル9として提供され得る、または、いくつかの子部品から組み立てられ得、および/または組み立て可能であり得る。取り外し可能な棚1、2は、異なる方法または技術に従って製造される場合があり、プラスチック製でない部品から作製される、またはそのような部品を含む場合があるが、本発明の目的および用途では、当技術分野で知られているように、容易に軽量かつ適切な剛性を有する棚にすることができるので、プラスチックが有利であることが理解されよう。
【0063】
取り外し可能な棚1、2は、少なくとも1つの棚ロケータ10、11を備える。各々の棚ロケータ10、11または両方の棚ロケータ10、11は、取り外し可能な棚1、2の置き忘れまたは紛失を防止するために、取り外し可能な棚1、2をコンテナから取り外した後にユーザによって使用可能である。そうするためには、ユーザは、以下でさらに説明するように、棚ロケータ10、11を介して、取り外し可能な棚1をコンテナに取り付けることができる。したがって、取り外し可能な棚1、2を容易に配置することができる。取り外し可能な棚1、2は、棚1の前面3に設けられ得る2つの棚ロケータ10、11のみを備え得る。しかしながら、異なる数の棚ロケータ(一例として1つのみ)も同様に可能である。本明細書で説明される取り外し可能な棚1、2では、例えば、実際には、各取り外し可能な棚1、2上に合計で4つの棚ロケータ10、11、12、13(すなわち、図1に示されるように、棚1、2の前面3上に設けられた2つの前面棚ロケータ10、11および図1には示されていないが図3および図4に示されている棚後面3上に設けられた2つの背面棚ロケータ12、13の形で)設けられる。背面棚ロケータ12、13の重要性は、さらなる取り外し可能な棚1、2をいずれかの取り外し可能な棚1、2に取り付けることができるということである。取り外し可能な棚1、棚ロケータ10、11およびコンテナについてさらに説明する前に、特に取り外し可能な棚1、2の説明に役立ついくつかの定義をここで紹介する。
【0064】
取り外し可能な棚1、2は、一対の対向面3(図1には一方の面のみが示されている)を備え、その面の1つは、使用時に(上面として)物品(図示せず)を支持する。面3は、取り外し可能な棚1、2を画定する縁部8によって囲まれている。図1は、略長方形の棚形状を示すが、原則として他の形状も可能である。また、各々の取り外し可能な棚1、2は、完全な棚として設けられ得る、または完全な棚が、組み合わさって必要な支持面を形成し得る2つ以上のより小さい棚から構成され得る。縁部8は、長方形の取り外し可能な棚1の4つの側辺部の各々を取り囲む。したがって、各棚面3は、対応する長方形の面の側辺部4も有する。説明された取り外し可能な棚1、2において、棚ロケータ10、11、12、13は、図1に示されるように、棚1の対向端部6に、棚1の隣接する角部5の近くに、および棚1、2の縁部8および1つの側辺部4の近くに設けられる。さらに図1に示されているように、取り外し可能な棚1、2またはその面3のいずれかの上に局所的な概念上の座標x-y系を定義することが可能である。 取り外し可能な棚1、2は、x軸に沿って延在する2つの短辺部4と、y軸に沿って延在する2つの長辺部4とを有する。したがって、z軸(図1には示されていないが、図8を参照)は、それに応じて、棚1、2または棚面3のいずれかによって画定される概念上の平面x-yに対して面外直交軸として示される。
【0065】
本明細書で説明される取り外し可能な棚1、2の操作に戻ると、取り外し可能な棚1、2はそれぞれ、有利には、取り外し可能な棚1がコンテナ100に対して置き忘れられないように、コンテナ壁101に既に取り付けられている別の棚2(すなわち、中間棚2)を任意に介して、コンテナ壁101に取り外し可能に取り付けられ得る。本明細書で説明される取り外し可能な棚1、2を1つずつ、または事前に取り付けられた2つ以上の取り外し可能な棚1、2をまとめて同時に取り付けることが可能であることが理解されるであろう。
【0066】
図2は、乾燥物品を輸送するための剛性コンテナ100を示す。棚ロケータ10、11、12、13の形状および機能についてさらに詳細に説明する前に、剛性コンテナ100の基本的なトポグラフィーを説明する。剛性コンテナ100は、輸送される物品を保管することができる閉鎖空間105を画定する。閉鎖空間105の側方は1つまたは複数のコンテナ壁101によって画定され、その下部はコンテナ基底部104によって画定され、その上部は、物品へのアクセスを容易にするために、図2にも示されるように、長手方向に半分に折り畳むことができる取り外し可能なコンテナキャップまたは蓋107によって画定される。前壁101は、開放可能な前面扉109を組み込んでおり、この前面扉もまた、物品(またはこれらの物品を支持する、コンテナ100内に設けられた棚)へのアクセスを容易にするために開放され得る。側壁101の1つには、開放可能な側面扉110が設けられており、前面扉109と同様に使用され得る。本明細書で説明されるような1つまたは複数の取り外し可能な棚1、2は、閉鎖空間105を2つ以上の区画106にそれぞれ分割するようにコンテナ100内に配置され得るが、このことについて、図3図5に関連してより詳細に説明する。
【0067】
図3図5は、1つの取り外し可能な棚1が物品を支持するためにコンテナ100内の所定位置に下げられた状態の図2のコンテナを示している。取り外し可能な棚1は、取り外し可能な棚1の4つの隅部5に配置された棚レスト15(図1に示す)を介して、コンテナ100の垂直側辺部に沿って内部に設けられた適切な突出部(本明細書では説明せず)上に載置される。この操作は、想像できるように、棚1上に1つまたは複数のハンドル14(図1にも示されている)を設けることによって極めて容易になる。図3図5には別の取り外し可能な棚2が示されており、この第2の取り外し可能な棚は、その棚ロケータ10、11の2つと、コンテナ100の後壁101上に設けられた2つの対応する相補的な棚ロケータ12、13とを介して、コンテナ100の後壁101に面と面を合わせて取り付けられる。この取り外し可能な棚2はまた、追加の棚ロケータ12、13(コンテナ後壁101上に設けられた棚ロケータ12、13に対して同様または同一のものであり得る)を有し、これらの棚ロケータ12、13は、取り外し可能な棚1が物品の輸送にはもう必要ないが、コンテナ100に取り付けられて格納されるときに、コンテナ100内に配置された取り外し可能な棚1の棚ロケータ10、11を受容するために棚後面3に設けられる。逆に、ここで取り付けられた取り外し可能な棚2は、コンテナ100の後壁101上のその位置から取り外されてコンテナ100内の追加の棚2として展開されて、物品を輸送するために閉鎖空間105を2つだけでなく3つの区画106に分割することができる。
【0068】
ここで、図1および図3図5に示す前面棚ロケータ10、11は、コンテナ壁101の縁部またはコンテナ壁101に取り付けられた中間棚2の縁部8に設けられた対応する雌型棚ロケータ12、13に受容されるように適合された雄型棚ロケータ10、11であることが理解されよう。また、図3図5に示されるように、棚1、2がコンテナ壁101に面と面を合わせて垂直に取り付けられたときに、棚ロケータ10、11に近い棚1、2の縁部8は棚1、2の上縁部になる。しかしながら、これらの形態は必須ではない。
【0069】
棚ロケータ10、11、12、13が、棚1、2をコンテナ壁101または前記コンテナ壁101に既に掛けられている1つまたは複数の中間棚に取り付ける(説明される棚1、2の具体的な例では、掛けて取り付ける)ために組み合わせて使用可能である限り、1つまたは複数の雄型棚ロケータ10、11は、例えば、棚面3の1つにおいて1つまたは複数の雌型棚ロケータ12、13で置き換えられてもよく、逆もまた同様であり、棚1、2の他の面3上またはコンテナ壁101上の1つまたは複数の雌型棚ロケータ12、13は、例えば、1つまたは複数の対応する雄型棚ロケータ10、11で置き換えられてもよい。したがって、棚ロケータ10、11、12、13は、棚1、2上のそれらの特定の構造およびx-y位置とは無関係に、上記の置き換えを実現するように位置決めされ、成形されることが重要である。
【0070】
同様に、棚1、2がコンテナ100の後壁101に面と面を合わせて垂直に取り付けられる形態において、棚ロケータ10、11、12、13が棚1、2の上側辺部4または縁部8に近接して配置されることは必須ではなく、棚ロケータ10、11、12、13は、それ以外の形で、棚1、2の底縁部または底側辺部に近接して、あるいは横方向に配置されてもよい。しかしながら、雄型棚ロケータ10、11および雌型棚ロケータ12、13は、取り外し可能な棚1、2の公称x-y平面上の空間的に対応する位置7に配置され、そのことにより、雄型および雌型の棚ロケータ10、11、12、13は、使用時に、パネル9をコンテナ100上に所望通りに取り付けるために、係合した雄型/雌型棚ロケータ10、12;11、13の対を形成し得ることが重要である。そのような位置は、例えば図4に示されている。
【0071】
本明細書で説明される棚ロケータ10、11、12、13を設けることによってもたらされる利点は、折り畳み式コンテナ100を提供することに合致する。折り畳み式コンテナ100では、コンテナ壁101のうちの少なくとも1つが折り畳まれ、その結果、コンテナ100は、取り付けられている取り外し可能な棚1、2と一緒にサービスセンターに戻されるように、よりコンパクトな形に構成され得る。したがって、取り外し可能な棚1、2は、折り畳まれたコンテナ100内にきちんと格納され得る。サービスセンターでは、コンテナ100の使用サイクルが再び開始され得る。つまり、コンテナ100は、最初に再調整され、次いで使用場所に輸送され、そこで組み立てられて、輸送される物品が積み込まれる。取り外し可能な棚1、2は、この時点では依然としてコンテナ100内に積み重ねられているが、コンテナが物品を輸送する準備ができているときには、閉鎖空間105内に設置される準備ができている。
【0072】
原則として、棚をコンテナ壁にまたはコンテナ壁に取り付けられている中間棚に、面と面を合わせて取り外し可能に取り付ける方法が考えられ得る。さらに、代替として複数の棚が複数のコンテナ壁に取り付けられてもよく、これらの複数のコンテナ壁は全て個々に折り畳み可能であり得る。棚をコンテナ壁に寄せてまたは別の棚に面と面を合わせて取り外し可能に取り付ける有利な方法は、単に棚を掛けることによる方法である。したがって、本明細書で説明される設計の代替形態として、棚ロケータはそれぞれハンガーまたはフックの形で設けられ得ることが理解されるであろう。そのような場合、棚1、2は、本明細書で説明される雌型棚ロケータ12、13などの対応する棚ロケータを必要とせずに、コンテナ壁101にまたは任意の中間棚に、内部または外部から直接掛けられ得る。
【0073】
ここで図6図10を参照すると、少なくとも1つの雄型棚ロケータ10、11が、説明される棚1、2内に、概ねピン20、21(図6図9および図10に最も詳細に示されている)の形で設けられる。代わりに、少なくとも1つの雌型棚ロケータ12、13は、概ねスロット22、23の形で設けられ、スロット22、23の形状は、ピン20、21の形状と少なくともある程度相補的であり、その結果、ピン20、21をスロット20、21内に真っ直ぐにかつ直感的に受容することができ、その結果、棚1、2を意図したとおりに取り付けることができる。
【0074】
各ピン20、21は、拡大頭部24を備え、各々の相補的スロット22、23は、口部26の形の開口部を備え、口部26は、棚1、2(または棚ロケータ12、13がコンテナ壁101上に設けられている場合にはコンテナ壁101)の縁部8で開口している。この口部または開口部26は、ピン20、21の少なくとも拡大頭部24を受容するように適合されるが、そうでなければピン20、21全体を受容してもよい。口部26は、ユーザが各ピン20、21をそれぞれのスロット22、23と係合させ、次いでピン20、21を図6および図7の矢印で示されるx方向に摺動させることによって、取り外し可能な棚1、2の取り付けを可能にする。図9に示すように、ピン20、21の拡大頭部24は、この棚ロケータ10、11が設けられている棚1、2の面3から距離25だけ離間している。幅狭のまたは軸部のピン部分32は、拡大ピン頭部24と棚1、2の面3とを接合する。したがって、ユーザは、棚および/もしくはコンテナ壁上、またはコンテナ壁に取り付けられた中間棚上の棚ロケータ10、11、12、13、20、21、22、23を容易に識別し、それらを意図した形で使用することができる。さらに、ピン20、21の拡大頭部24は、取り外し可能な棚1、2が意図したように定位置に取り付けられると、容易にまたは不本意に取り外される、または分解されるのを防止する。棚1、2を図8に示すz方向に引っ張って棚1、2を取り外すことは不可能である。例えば図7に示される棚1、2のいずれかを取り外すためには、ユーザは、x軸に沿って、示されている矢印の方向とは逆の方向に、一度に1つの棚1、2、または両方の棚1、2を一緒に摺動させる必要がある。
【0075】
言い換えれば、ピン20、21および対応するスロット22、23は、ピン20、21がスロット22、23内に受容されたときにダブテール結合部102を画定するように適合される。この結合部は、図8に最もわかりやすく示されている。結合部はまた、ピン20、21の挿入および対応するスロット22、23からのピン20、21の取り外しを容易にするために、適度の間隙103を有する。
【0076】
あるいは、ピンが円筒形状を有し、スロットが対応する円筒空洞の形状を有し、棚がz軸に沿った並進および結合によって意図した位置に配置されてもよい。代替の保持方法(例えば、ピンとスロットとの間の締まり嵌めの形で)を考案することができたが、これはあまり好ましくない解決策であった。
【0077】
本明細書で説明されるダブテール結合部102に戻ると、各ピン20、21は、図9に最もわかりやすく示されるように、略T字形断面27を有することに留意されたい。各ピン20、21は、対応するピン幅30およびピン高さ31を有する。しかしながら、他の形状も可能であった(しかし、それらはあまり好ましくなかった)。例えば、ピン20、21(およびそれと共に、対応するスロット22、23)は、略台形形状を有してもよい。図9および図10に示されている全ての寸法は、ミリメートル(mm)である。例えば、図10を参照すると、各ピン20がx軸に沿った55mmに等しい長さ28を有することが分かる。ピンは、この方向に約半分のところから先細りになっている。このことにより、対応するスロット22へのピン20の挿入が容易になる。x方向のピン20の長さ28は、スロット22の対応する長さ29(これは図4および図11に示されている)と共に、x軸に沿ったコンテナ壁101に対するまたは中間棚に対する棚1、2の取り付けの正確な位置を決定するという点で重要である。棚1、2は、最大限にコンパクトにするために、取り付けられた形態において面一または実質的に面一の縁部8を有することが望ましい場合がある。コンテナ壁101の縁部に関しても同じことが言える。ピン20、21およびスロット22、23はx方向に直線的に延在し、このことは、各ピン20、21がスロット22、23の口部26上の定位置に配置された後に、取り付けまたは接続が1回の直線的な動きで達成され得るという点で、取り外し可能な棚1、2の操作をさらに容易にする。ピン20、21が十分視認でき、それらに作用する可能性がある力を構造的に支持することができるように(例えば、取り付け中だけでなく輸送中にも)、ピンの長さ29は、図9にも示されるように、その横方向の幅30または高さ31よりも長い。
【0078】
本明細書で説明されるコンテナ100は、図11図12および図13で示されるように、完全に圧壊可能である。完全に圧壊可能とは、本明細書で説明されるコンテナ100が、図14に示されるように、それらの基底部104上で完全に折り畳まれ得ることを意味する。その時点で、キャップまたは蓋107は、例えば、図13に示されるように、圧壊されたまたは折り畳まれたコンテナ上に配置され得る。図11では、1つの取り外し可能な棚2のみが、折り畳まれたコンテナ100内に格納されている。しかしながら、図12は、2つ以上の棚1、2が折り畳まれたコンテナ100内で積み重ねられた形態で格納され得ることを示している。興味深い特徴は、蓋またはキャップ107が、折り畳まれたコンテナ100内に格納され積み重ねられた取り外し可能な棚1、2の数に応じて、折り畳まれたコンテナ100上で垂直方向に異なる位置をとることに起因する。この特徴は、折り畳まれたコンテナ100内に積み重ねられた取り外し可能な棚1、2の数に関する視覚情報をユーザに提供するために使用され得る。図14および図15は、コンテナ100の基底部104上に設けられた一連のマーキング108を示す。マーキング108は、蓋107を少なくとも部分的に取り囲むカーテン111がマーキング108のうちの1つ、複数、または全てを覆うように配置され、そのことにより、可視マーキング108が折り畳まれたコンテナ100内に格納された棚1、2の数に対応することになる。
【0079】
図14、特に図14-1~図14-4は、各々が本明細書で説明されるような少なくとも1つの棚ロケータ10、11、12、13を備える本明細書で説明されるような1つまたは複数の取り外し可能な棚1、2を備える折り畳み式剛性コンテナ100の静脈物流の準備方法を概略的に示している。コンテナ100は、この例では、側壁(図14-1および図14-2)を順に重ねて、かつ両方をコンテナ100の基底部104の上に折り畳み、次に、図14-3および図14-4に示されるように、前壁および後壁を前記側壁の上に折り畳むことによって折り畳まれる。全ての壁はヒンジ式であるが、これらのヒンジ(および蓋107のヒンジ)の詳細は、本明細書の範囲内ではない。
【0080】
あるいは、壁101は、異なる様式で、例えば、壁101の各々または壁の全てをまとめてコンテナ100の基底部104から取り外し、それらをこの基底部104の上に平らに置くことによって、圧壊可能であり得る。図14には示されていないが、ユーザは、本明細書で説明されるような少なくとも1つの棚ロケータ10、11、12、13を使用して、少なくとも1つの取り外し可能な棚1、2を、コンテナ101の前記壁101のうちの少なくとも1つ、または本明細書で説明されるような中間棚に面と面を重ねて取り付けている。次いで、取り外し可能な棚1、2は、コンテナ100のそれぞれの側壁101に沿って基底部104の上に折り畳まれる。
【0081】
図15は、本明細書で説明されるものと同様の1つまたは複数の取り外し可能な棚1、2を有する折り畳み式コンテナ100を分解する方法を例示しており、加えて、乾燥物品を輸送するために折り畳み式剛性コンテナ100を準備するための第1のステップを示している(図15-8)。コンテナは、各々が本明細書で説明されるような少なくとも1つの棚ロケータ10、11、12、13を備える本明細書で説明されるような2つの取り外し可能な棚1、2を有し、棚ロケータを介して、前記1つまたは複数の取り外し可能な棚1、2は、コンテナ100の少なくとも1つの壁101にまたは前記壁101に取り付けられた取り外し可能な中間棚に面と面を合わせて取り付けられ得る。
【0082】
図15-1では、ユーザは、事前にコンテナ100から蓋107を取り外し、コンテナの前面扉109を開いて、コンテナ100内から取り外し可能な棚1を取り外す。図15-2および図15-3において、ユーザは、まず棚ロケータ10の一方で操作し、次いで他方の棚ロケータ11で操作して、前述したように、取り外し可能な棚1をコンテナの後壁101に取り付ける。次いで、図15-4では、ユーザは、図14-1のステップと同様に、コンテナ100の第1の側壁101を折り畳む。続いて、コンテナ100は、取り外し可能な棚1が折り畳まれた側壁101上に載せられた状態で平らに折り畳まれる(図15-5)。この時点で、蓋107は、折り畳まれたコンテナ100上に戻され(15-6)、図14-5に関連して上述した内容は、このステップおよび次のステップ(図15-6)にも当てはまり、折り畳まれたコンテナ100は、輸送サイクルを再開するためにサービスセンターに戻される準備ができた形態で示されている(ただし、マーキングは図15には示されていない)。折り畳まれたコンテナ100がサービスセンターに戻され、必要に応じて再調整され、またはその他の点検を受けた状態であると考えて、コンテナ100は、図15-8に示されるように新たに組み立てられ得、ユーザは、コンテナ壁101から取り外し可能な棚1、2を取り外して、その後、棚上に積み込まれる物品を支持するためにコンテナ100内の定位置に取り外し可能な棚1、2を再設置することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 第1の取り外し可能な棚
2 第2の取り外し可能な(中間)棚
3 棚面
4 棚の側辺部(または棚の面)
5 棚の角部
6 棚の端部
7 棚面上の対応する位置
8 棚縁部
9 棚パネル
10、11 第1および第2の雄型棚ロケータ
12、13 第1および第2の雌型棚ロケータ
14 棚ハンドル
15 棚レスト
20、21 第1および第2のピン
22、23 第1および第2のスロット
24 ピンの拡大頭部
25 ピンの頭部に関する距離
26 スロットの口部
27 ピンの断面
28 ピン長
29 スロット長
30 ピン幅
31 ピン高さ
32 ピンの軸部(ピンの幅狭部)
100 コンテナ
101 コンテナ壁
102 ダブテール結合部
103 間隙
104 コンテナ基底部
105 コンテナの閉鎖空間
106 コンテナの区画
107 コンテナのキャップまたは蓋
108 マーキング
109 コンテナの前面扉
110 コンテナの側面扉
111 蓋カーテン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】