(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】複数のプリフォーム又は管状容器のための冷却機器
(51)【国際特許分類】
B29C 49/64 20060101AFI20240228BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B29C49/64
B29C49/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552263
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 IB2022052441
(87)【国際公開番号】W WO2022195534
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021000006479
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523229528
【氏名又は名称】エッセ.イ.ピ.アー ソシエタ インダストリアリッザツィオーネ プロジェッタジツィオーネ エ オウトマツィオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カバリーニ、フランコ
(72)【発明者】
【氏名】フラーレ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マリアーニ、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ピアイ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス、マッテオ
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208AK02
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG03
4F208LG28
4F208LH01
4F208LH09
4F208LJ14
4F208LJ15
4F208LJ22
4F208LJ30
(57)【要約】
好ましくは回転式射出成形装置から出る、複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却機器であって、 - 長手方向軸Yを規定し、第1の長手方向表面2、及び第1の長手方向表面に対して反対側の第2の長手方向表面3を有する第1の長手方向支持部材7と、 - 複数の冷却管4であって、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合されており、前記冷却管が、長手方向軸Yに沿って順々に前記第1の長手方向表面2上に構成され、各冷却管が前記長手方向軸Yに対して垂直な軸を規定する、複数の冷却管4と、 - 好ましくは回転式冷却装置上に構成されるように適合された第2の長手方向支持部材14に素早く結合するための、前記第2の長手方向表面3から突出している少なくとも1つの第1の連結ピン5とを備える冷却機器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは回転式射出成形装置から出る、複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却機器(1)であって、
- 長手方向軸Yを規定し、第1の長手方向表面(2)、及び前記第1の長手方向表面に対して反対側の第2の長手方向表面(3)を有する第1の長手方向支持部材(7)と、
- 複数の冷却管(4)であって、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合されており、前記冷却管が、前記長手方向軸Yに沿って順々に前記第1の長手方向表面(2)上に構成され、各冷却管が前記長手方向軸Yに対して垂直な軸を規定する、複数の冷却管(4)と、
- 好ましくは回転式冷却装置上に構成されるように適合された第2の長手方向支持部材(14)に素早く結合するための、前記第2の長手方向表面(3)から突出している少なくとも1つの第1の連結ピン(5)とを備える冷却機器(1)。
【請求項2】
前記冷却管(4)は単一の列の状態に、好ましくは、前記長手方向軸Yに沿ってそれぞれの冷却管(4)が次の冷却管(4)と隣接して構成される、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
第2の長手方向表面(3)上に
- 前記第2の長手方向支持部材(14)から前記第1の長手方向支持部材(7)への冷却流体の通過のために、前記第2の長手方向支持部材(14)に係合する対応する第1の雌又は雄部材に結合されるように適合された少なくとも1つの第1の雄又は雌流体密封連結部材(6)と、
- 前記第1の長手方向支持部材(7)から前記第2の長手方向支持部材(14)への空気の通過のために、前記第2の長手方向支持部材(14)に係合する対応する第2の雌又は雄部材に結合されるように適合された少なくとも1つの第2の雄又は雌流体密封連結部材(8)とが設けられている、請求項1又は2に記載の機器。
【請求項4】
各冷却管(4)は、前記冷却流体のための内部回路(9)と、前記プリフォームの前記冷却管への導入を容易にするために空気吸入ダクト(10)とを備え、
前記第1の長手方向支持部材(7)は、一方の側において前記少なくとも1つの第1の雄又は雌部材(6)に、別の側において各冷却管(4)の前記内部回路(9)に連結された、前記冷却流体のための少なくとも1つのチャネル(11)を備え、一方の側において前記少なくとも1つの第2の雄又は雌部材(8)に、別の側において各冷却管(4)の前記吸入ダクト(10)に連結された、前記空気のための少なくとも1つのさらなるチャネル(12)を備える、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記第2の長手方向支持要素(14)に素早く結合するための、前記第2の長手方向表面(3)から突出している少なくとも1つの第2の連結ピン(13)、好ましくはテーパーピンが設けられる、請求項1から4までのいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の連結ピン(5)は、前記第2の長手方向表面(3)の近位にあり、第1の直径を有する第1の部分(50)と、前記第2の長手方向表面から遠位にあり、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の部分(51)とを備える端部を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
好ましくは回転式射出成形装置から出る複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却システムであって、
- 請求項1に記載の冷却機器(1)と、
- 前記長手方向軸Yに沿って構成された第2の長手方向支持部材(14)とを備え、
前記第1の長手方向支持部材(7)及び前記第2の長手方向支持部材(14)は、クイック結合システムによって互いに結合可能であり、
前記クイック結合システムは、前記少なくとも1つの第1の連結ピン(5)を備え、好ましくは、前記第2の長手方向支持部材(14)の内部に第1のスライダ(23)を備え、前記第1のスライダ(23)は、前記少なくとも1つの第1の連結ピン(5)をその中に係止するための少なくとも1つの穴又は空洞(27)を備え、第1の長手摺動方向を規定する前記第1のスライダ(23)は、前記長手方向軸Yに平行な平面上で前記第1の方向に沿って摺動することができるとともに、前記第2の長手方向支持部材(14)から前記第1の長手方向支持部材(7)を係止解除することができる係止解除位置と、前記少なくとも1つの第1の連結ピン(5)が、前記少なくとも1つの穴又は空洞(27)の内部で係止される係止位置とをとることができる、冷却システム。
【請求項8】
前記クイック結合システムはまた、前記第2の長手方向支持部材(14)の内部に、前記第1の摺動方向と交差する前記平面上の第2の長手摺動方向を規定する第2のスライダ(26)を備え、前記第2のスライダ(26)は、前記第1のスライダ(23)が前記係止解除位置にある、前記第1のスライダ(23)との機械連結の第1の位置から、前記第1のスライダ(23)が前記係止位置にある、前記第1のスライダ(23)からの解放の第2の位置まで前記第2の摺動方向に沿って摺動することができる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の長手方向支持部材(7)は、少なくとも2つの第1の連結ピン(5)を備え、前記第1のスライダ(23)は、前記第1の長手摺動方向に沿って構成された少なくとも2つの穴(27)を備え、各穴(27)は、前記第1のスライダ(23)が前記係止解除位置から前記係止位置に移動するとき、それぞれの第1の連結ピン(5)を係止するように適切に成形されている、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の長手方向支持部材(7)は、好ましくは前記第2のスライダ(26)と相互作用して前記第2のスライダ(26)を機械連結の前記第1の位置から前記第2の開放位置へ持って行くように適合された、少なくとも1つの第2の連結ピン(13)を備える、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の長手方向支持部材(14)において、
- 前記第1のスライダ(23)がその中で摺動することができる第1の内部長手方向シート(24)と、
- 前記第1のスライダを前記係止位置に向かって押すために前記第1の内部長手方向シート(24)の底部に対する第1の端部、及び前記第1のスライダ(23)に対する第2の端部で固定された第1の弾性復帰手段(25)と、
- 好ましくは、前記第2のスライダ(26)がその中で摺動できる第2の内部シート(29)と、
- 好ましくは、前記第2のスライダを機械連結の前記第1の位置に向かって押すために前記第2の内部シート(29)の底部に対する第1の端部、及び前記第2のスライダ(26)に対する第2の端部で固定された第2の弾性復帰手段(28)とが設けられる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の長手方向支持部材(14)から前記第1の長手方向支持部材(7)へ、又はその逆への冷却流体の通過のために、少なくとも1つのクイック結合、流体密封連結が、前記第1の長手方向支持部材(7)と前記第2の長手方向支持部材(14)との間に設けられる、請求項7から11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の長手方向支持部材(7)から前記第2の長手方向支持部材(14)へ、又はその逆への空気の通過のために、少なくとも1つのクイック結合、流体密封連結が、前記第1の長手方向支持部材(7)と前記第2の長手方向支持部材(14)との間に設けられる、請求項7から12までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の内部シートの内部に前記少なくとも1つの第1の連結ピン(5)を通すための少なくとも1つの第1の貫通穴(5’)を前記第2の長手方向支持部材(14)上に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の内部シートの内部に前記第2の連結ピン(13)を通すための第2の貫通穴(13’)を前記第2の長手方向支持部材(14)上に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の連結ピン(5)は、第1の直径を有する第1の部分(50)と、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の部分(51)とを備える端部を有し、前記第1のスライダ(23)の前記それぞれの穴(27)は、前記第1の連結ピン(5)を掛止するために鳩目形状の外形を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第2の連結ピン(13)はテーパーピンであり、前記第2のスライダ(26)は、傾斜した内部表面部分(32)を有するそれぞれの貫通穴(31)を備えており、その結果、前記テーパーピンは、前記第1の長手方向支持部材(7)と前記第2の長手方向支持部材(14)との連結中に、前記内部表面部分で係合し、したがって前記第2のスライダ(26)の前記第1のスライダ(23)からの解放を生じる、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
熱可塑性材料で作られているプリフォーム又は管状容器を冷却するための回転式冷却装置(40)であって、
- 外周を有し、実質的に鉛直な回転軸Xの周りに回転するように適合されたカルーセル(41)と、
- 前記外周の少なくとも一部に沿って構成された少なくとも1つの固定案内要素(46)と、
- 前記カルーセルの前記外周に沿って半径方向に構成された、請求項7に記載の複数の冷却システム(43)であって、各冷却システム(43)は、前記回転軸Xに対して半径方向に沿って実質的に水平に並進するように適合され、前記半径方向に沿って順々に構成された複数の冷却管(4)を備え、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合される、複数の冷却システム(43)と、
- 複数のピッキング・リリーシング機器(45)であって、各グリッピング・リリーシング機器(45)はそれぞれの冷却システムと協働して、移送ホイール(80)からプリフォームを取り出し、前記プリフォームを交互に前記冷却管(4)のうちの1つへと放出して、前記プリフォームを再び取り出し、前記回転式冷却装置(40)よりも下流側に放出するように適合されており、前記少なくとも1つのピッキング・リリーシング機器(45)は、前記カルーセル(41)の回転中に前記少なくとも1つの固定案内要素(46)と協働することによって、前記半径方向に対して横に上向き又は下向きに並進するように適合される、複数のピッキング・リリーシング機器(45)とを備える、回転式冷却装置(40)。
【請求項19】
少なくとも1つの冷却システム(43)及び少なくとも1つの対応するピッキング・リリーシング機器(45)は、前記回転式冷却装置(40)の冷却モジュール(42)を規定する、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に回転式冷却装置において使用可能な複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特にボトル状の、熱可塑性物質で作られている著しい数の容器の生産は、原料、一般的にポリエチレンテレフタレートすなわちPETから始まり、市場の最も多様なニーズに適合された形状-しかも特定の複雑な形状-を有し、特に軽量であり、室温で強い圧力にさらされているとき、さらに耐性である完成品容器を取得することができる工程である。
【0003】
細粒の形態の原料のままの状態のPETからプラスチック容器までの進行は、単一ステージ工程又は2ステージ工程のどちらかを選択することによって達成することができる。
【0004】
単一ステージ工程は、射出成形ステップによるPETの細粒からプリフォームまでの進行、及び延伸ブローステップによるプリフォームからプラスチック容器までの進行が、プリフォームを室温まで完全に冷却させずに連続して行われる単一の生産工場によって実施される。以て、プリフォームは、射出ステップから残っている潜熱の一部を依然として維持し、次いで、室温から再加熱されるべきときに対してブローのために適した温度に戻させるために必要な熱はより少ないので、かなりのエネルギーの節約になる。
【0005】
代わりに、いわゆる「2ステージ」工程が、必ずというわけではないが、一般に別個の2つの工場において実施され、1つの生産工場は、PETの細粒からプリフォームまでの進行を含む容器生産工程の第1の部分を実施する、すなわち、PETの細粒を射出成形金型へと射出するステップを実行する。工程の第2の部分では、プリフォームを最終容器へと変換して、延伸ブロー技術を用いる送風機の方へ向かわせ、この延伸ブロー技術は今日一般に、PET容器をブローするために使用され、工程の第2の部分は他の生産工場で実施される。2ステージ工程は、また、プリフォームを射出すること、及びプリフォームを容器へとブローすることを含み、同じ生産工場において実施されてもよいが、2つの操作は2つの別個の時間に実施される。プリフォームは、最初に、室温に到達するまで特殊な冷却工場において冷却され、次いで、ブロー工程を実施するために必要とされる温度に戻させるために適切な炉の中に導入されるのを待つ間保管されるが、ブロー工程は、PETが使用される場合に延伸ブローのために使用される、又は必要とされる熱可塑性物質に典型的である。
【0006】
一連のグリッパは、ジョーを備えた伸張性アームを有し、一連のグリッパが設けられた回転可能なホイールを備えるいわゆるスターは、射出成形のための回転式カルーセルから成る、又は直線状の成形機から成る工場において形成されるプリフォーム又は容器を運搬するために利用されてもよい。PETプリフォーム又は容器を生産するためのこのタイプの生産工場に関するある特定の問題は、増大されたオートメーション能力、増大された信頼性、1つのステーションから別のステーションへのプリフォームの移送速度の増加、メンテナンス時間の減少、そして何より生産時間の減少をもたらす必要性と関係がある。
【0007】
例えば、射出成形機の出口において複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するために、冷却管の矩形アレイが設けられたプレートを使用することが知られている。
【0008】
冷却されるプリフォーム又は管状容器のフォーマット変更をする場合、不利なことには、かなりの大きさ及び重量を有する、冷却管アレイの支持プレートは分解されて、新しいフォーマットを受けるための新しい支持プレートと置き換えられなければならない。さらに、新しい支持プレートを据え付けた後、管の整列及び芯出しを調節するための操作が一般に必要とされる。これらの操作はかなりの時間がかかるため、工場の生産性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、好ましくは、回転式又は直線状射出成形装置の出口において複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却機器であって、冷却されるプリフォームのフォーマット変更をする場合、冷却管の素早い置き換えを可能にする冷却機器を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、軽量且つコンパクトな冷却機器を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、好ましくは軸に沿って芯出しされるように構成された単一列の冷却管を備え、支持部材への素早い結合の後、代わりに従来技術の解決策で提供される管の整列及び芯出しを調節する伝統的な操作を必要としない冷却機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の解決策は、
- 長手方向軸Yを規定し、第1の長手方向表面、及び第1の長手方向表面に対して反対側の第2の長手方向表面を有する第1の長手方向支持部材と、
- 複数の冷却管であって、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合されており、前記冷却管が、長手方向軸Yに沿って順々に前記第1の長手方向表面上に構成され、各冷却管が前記長手方向軸Yに対して垂直な軸を規定する、複数の冷却管と、
- 好ましくは回転式冷却装置上に構成されるように適合された第2の長手方向支持部材に素早く結合するための、前記第2の長手方向表面から突出している少なくとも1つの第1の連結ピンとを備える冷却機器である。
【0013】
本発明の別の態様は、好ましくは回転式射出成形装置から出る複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するための冷却システムを提供することであり、システムは、
前述の冷却機器、及び前記長手方向軸Yに沿って構成された第2の長手方向支持部材を備え、
前記第1の長手方向支持部材及び前記第2の長手方向支持部材は、クイック結合システムによって互いに結合可能であり、
前記クイック結合システムは、前記少なくとも1つの第1の連結ピンを備え、好ましくは、前記第2の長手方向支持部材の内部に第1のスライダを備え、第1のスライダは、前記少なくとも1つの第1の連結ピンをその中に係止するための少なくとも1つの穴又は空洞を備え、第1の長手摺動方向を規定する前記第1のスライダは、前記長手方向軸Yに平行な平面上で前記第1の方向に沿って摺動すること、及び第2の長手方向支持部材から第1の長手方向支持部材を係止解除することができる係止解除位置と、少なくとも1つの第1の連結ピンが、少なくとも1つの穴又は空洞の内部で係止される係止位置とをとることができる。
【0014】
有利には、この冷却システムは、冷却されるプリフォームのフォーマットを変更するとき、冷却管の容易な、素早い、効果的な置き換えを可能にする。
【0015】
変形例において、クイック結合システムはまた、前記第2の長手方向支持部材の内部に、前記第1の摺動方向と交差する前記平面上の第2の長手摺動方向を規定する第2のスライダを備え、前記第2のスライダは、第1のスライダが係止解除位置にある、前記第1のスライダとの機械連結の第1の位置から、第1のスライダが係止位置にある、前記第1のスライダからの解放の第2の位置まで前記第2の摺動方向に沿って摺動することができる。
【0016】
本発明のさらなる態様は、熱可塑性材料で作られているプリフォーム又は管状容器を冷却するための回転式冷却装置であって、
- 外周を有し、実質的に鉛直な回転軸Xの周りに回転するように適合されたカルーセルと、
- 前記外周の少なくとも一部に沿って構成された少なくとも1つの固定案内要素と、
- カルーセルの外周に沿って半径方向に構成された、上で示されているような複数の冷却システムであって、各冷却システムは、前記回転軸Xに対して半径方向に沿って実質的に水平に並進するように適合され、前記半径方向に沿って順々に構成された複数の冷却管を備え、各冷却管は冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合された、複数の冷却システムと、
- 複数のピッキング・リリーシング機器であって、それぞれの冷却システムと協働し、前記回転式冷却装置よりも上流に置かれた移送ホイールからプリフォームを取り出すように適合された各ピッキング・リリーシング機器は、前記プリフォームを交互に前記冷却管のうちの1つの中へと放出し、前記プリフォームを再び取り出して前記回転式冷却装置よりも下流側に放出し、前記少なくとも1つのピッキング・リリーシング機器は、カルーセルの回転中、前記少なくとも1つの固定案内要素と協働することによって、前記半径方向に対して横に上向きに又は下向きに並進するように適合されている、複数のピッキング・リリーシング機器とを備える回転式冷却装置に関する。
【発明の効果】
【0017】
有利には、そのような回転式冷却装置は極めてコンパクトで信頼性が高く、より大きなオートメーション最大能力を有し、プリフォーム又は試験管の冷却時間を低減することができ、一方さらにプリフォーム又は試験管を十分堅固にすることによって変形のリスクなしに外側において掛止させることができる。
【0018】
従属請求項は、本発明の好ましい実施例を記述し、本記述の一体部を形成する。
【0019】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面の助けによって、非限定的な実例によって開示された、複数のプリフォームを冷却するための冷却システムの好ましいが網羅的でない実施例の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1a】本発明による冷却システムの実例の斜視図である。
【
図1b】
図1aのシステムのコンポーネントの互いに結合されていない斜視図である。
【
図1c】
図1bのコンポーネントのうちの一方のさらなる斜視図である。
【
図2a】前述のコンポーネントが互いに結合されていない側面図である。
【
図2b】前述のコンポーネントが互いに結合されていない側面図である。
【
図2c】
図2aに示されたコンポーネントの上面図である。
【
図3】
図2bのコンポーネントの平面C-Cに沿った断面図である。
【
図4】
図2cのコンポーネントの平面B-Bに沿った断面図である。
【
図5】
図2cのコンポーネントの平面A-Aに沿った断面図である。
【
図6a】前述のコンポーネントが互いに結合された側面図である。
【
図6b】前述のコンポーネントが互いに結合された側面図である。
【
図6c】
図6aに示されたコンポーネントの上面図である。
【
図7】
図6bのコンポーネントの平面F-Fに沿った断面図である。
【
図8】
図6cのコンポーネントの平面D-Dに沿った断面図である。
【
図9】
図6cのコンポーネントの平面E-Eに沿った断面図である。
【
図10】
図6aに示されたコンポーネントの上面図である。
【
図11】
図10に示されたコンポーネントの平面J-Jに沿った断面図である。
【
図12a】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第1のスライダを示す図である。
【
図12b】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第1のスライダを示す図である。
【
図12c】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第1のスライダを示す図である。
【
図13a】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第2のスライダを示す図である。
【
図13b】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第2のスライダを示す図である。
【
図13c】前記コンポーネントのうちの1つに設けられた第2のスライダを示す図である。
【
図14】本発明のシステムのさらなるコンポーネントの側面図である。
【
図15a】本発明による冷却システムのさらなる実施例の、第1の動作位置にあるコンポーネントの断面図である。
【
図15b】本発明による冷却システムのさらなる実施例の、第2の動作位置にあるコンポーネントの断面図である。
【
図16】複数の冷却システムを備える回転式冷却装置の斜視図である。
【
図17】
図16の装置のモジュールの正面図及びピッキング・リリーシング機器の高さを調節するための案内要素の一部を示す図である。
【
図18】
図16の装置が組み込まれた状態の熱可塑性物質で作られているプリフォーム又は容器を生産するための生産工場の実例の図形で表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面中の同じ参照番号は同じ要素又はコンポーネントを特定する。
【0022】
複数のプリフォーム又は管状容器を冷却するために、本発明の冷却機器は、例えば、
図16に示されるもののような回転式冷却装置40に据え付けられることが可能である。
【0023】
熱可塑性材料で作られている試験管などのプリフォーム又は管状容器を冷却するためのそのような回転式冷却装置40は、回転式射出成形機70、必ずというわけではないが例えば回転式射出圧縮成形機より下流側に、プリフォーム又は容器を生産するための生産工場に配置されるように適合されている(
図18)。代替的に、そのような回転式冷却装置40は、直線状射出成形機などの非回転式射出成形機より下流側に、プリフォーム又は容器を生産するための生産工場内に配置されるように適合されている。
【0024】
移送ホイール80は、回転式又は直線状射出成形機70と回転式冷却装置40との間に設けられている。冷却されたプリフォーム又は容器を降ろすための任意の技術的解決策を、回転式冷却装置40より下流側に設けることもできる。
【0025】
回転式冷却装置40は、
- 円形の外周を規定し、実質的に鉛直な回転軸Xの周りに回転するように適合されたカルーセル41と、
- 例えば、たった1つの案内要素又はカムであり、
図17に部分的にのみ示されており、カルーセル41の外周の少なくとも一部に沿って配置される少なくとも1つの固定案内要素46と、
- カルーセルの外周に沿って半径方向に構成された複数の冷却システム43であって、各冷却システム43は、回転軸Xに対して半径方向に沿って実質的に水平に並進するように適合され、互いに平行に、且つ半径方向に沿って順々に構成された複数の冷却管4を備え、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合されている、複数の冷却システム43と、
- 複数のピッキング・リリーシング機器45であって、各ピッキング・リリーシング機器45はそれぞれの冷却システム43と協働して、移送ホイール80からプリフォームを取り出し、前記プリフォームを交互に前記冷却管4のうちの1つへと放出して、一旦冷却が完了したら同じプリフォームを再び取り出し、回転式冷却装置40よりも下流側に、例えば1つ又は複数の降ろしホイールにおいて放出するように適合されている、複数のピッキング・リリーシング機器45とを備える(
図16~17)。
【0026】
特に案内要素46は、連続的な又は不連続の環状要素、すなわちその一部分において閉鎖若しくは開き、カルーセル41と同心であり、さまざまな高さの領域を提供する環状要素であり得る。
【0027】
少なくとも1つのピッキング・リリーシング機器45は、カルーセル41の回転中に固定案内要素46と協働することによって、半径方向に対して横に上向き又は下向きに、例えば半径方向に対して垂直に並進するように適合される。
【0028】
例えば、各ピッキング・リリーシング機器45は、カルーセルの構造体に固定された、実質的に鉛直方向の案内48に沿って摺動する支持構造44を備える。そのような支持構造44は、好ましくはその上端にローラ又はタペット要素47を備え、ローラ又はタペット要素47は、カルーセル41の回転中に、案内要素46を摺動させることによって、又は案内要素46に追随することによって、対応するピッキング・リリーシング機器45の上向き又は下向きの並進を引き起こす。支持構造44は代わりに、好ましくは下端にグリッパを備える。
【0029】
任意選択で、少なくとも1つの冷却システム43及び少なくとも1つの対応するピッキング・リリーシング機器45は、回転式冷却装置40の冷却モジュール42の中に構成され、したがって冷却モジュール42を規定する。
【0030】
冷却モジュール42が存在する場合には、少なくとも1つの案内48が各冷却モジュールに固定される。
【0031】
図17の実例において、冷却モジュール42は、3つの冷却システム43及び3つの対応するピッキング・リリーシング機器45を備える。
【0032】
他の変形例では、3つ未満又は3つを超える冷却システム43、及び各冷却モジュール42に対してそれぞれのピッキング・リリーシング機器45が設けられる可能性がある。例えば、単一の冷却システム43及び単一の対応するピッキング・リリーシング機器45が設けられてもよい。
【0033】
少なくとも1つの移動機器、例えば、対応する冷却システム43に、第1の方向に又は第1の方向とは反対の第2の方向に半径方向Yに沿って、必ずではないが好ましくは1つの冷却管とその隣の冷却管との間のピッチに等しい並進運動を付与するように適合された、関連する駆動装置を備えた少なくとも1つのモータが設けられる(表示なし)。
【0034】
各冷却システム43は、本発明による冷却機器1を備える。
【0035】
そのような冷却機器1は、
- 長手方向軸Yを規定し、第1の長手方向表面2、及び第1の長手方向表面2とは反対側の第2の長手方向表面3を有する第1の長手方向支持部材7と、
- 複数の冷却管4であって、それぞれが、冷却されるそれぞれのプリフォームを受け入れるように適合されており、前記冷却管は、長手方向軸Yに沿って第1の長手方向表面2上に順々に構成されており、各冷却管は、長手方向軸Yに対して垂直な軸を規定する、複数の冷却管4と、
- ベース又は第2の長手方向支持部材14に素早く結合するための、第2の長手方向表面3から突出している少なくとも1つの第1の連結ピン5であって、ベース又は第2の長手方向支持部材14は、前記冷却システム43の一部であり、且つ好ましくは回転式冷却装置40の構造上に構成される、少なくとも1つの第1の連結ピン5とを備える(
図1b、
図1c)。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つの第1の連結ピン5は、実質的にマッシュルーム形状の、又はキャップ形状の端部を有する。より一般的には、そのような端部は、第2の長手方向表面3の近位にあり、第1の直径を有する第1の部分50と、第2の長手方向表面から遠位にあり、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2の部分51とを備える(
図5)。
【0037】
任意選択で、第2の長手方向支持部材14に素早く結合するための、第2の長手方向表面3から突出している少なくとも1つの第2の連結ピン13、好ましくはテーパーピンが設けられる。
【0038】
特に、長手方向軸Yに沿って構成された第2の長手方向支持部材14は、案内すなわちレール49上を摺動して前記構造体に、好ましくは冷却モジュール42の構造体に一体的に固定されることが可能である(
図17)。
【0039】
第1の支持部材7及び第2の支持部材すなわちベース14は金属材料で、必ずではないが、好ましくはアルミニウムで作られていてもよい。
【0040】
好ましくは、冷却機器1の冷却管4は単一列の状態に、好ましくは、長手方向軸Yに沿ってそれぞれの冷却管4が次の冷却管と隣接して構成される。
【0041】
1つの変形例では、第1の長手方向支持部材7の第2の表面3上には、
- 第2の長手方向支持部材14から第1の長手方向支持部材7への冷却流体、例えば水の通過のために(逆もまた同様)、第2の長手方向支持部材14に係合する(
図4、8)対応する第1の雌又は雄部材6’に結合されるように適合された少なくとも1つの第1の雄又は雌流体密封連結部材6と、
- 第1の長手方向支持部材7から第2の長手方向支持部材14への空気の通過のために(逆もまた同様)、第2の長手方向支持部材14に係合する(
図5、9)対応する第2の雌又は雄部材8’に結合されるように適合された少なくとも1つの第2の雄又は雌流体密封連結部材8とが設けられている(
図1c)。
【0042】
各冷却管4は好ましくは、冷却流体のための内部回路(
図5及び
図9)と、例えば回転式冷却装置40のピッキング・リリーシング機器45によって解放されたとき、プリフォームの冷却管への導入を容易にするために空気吸入ダクト10とを備える。
【0043】
第1の長手方向支持部材7は好ましくは、
- 一方の側において少なくとも1つの第1の雄又は雌部材6に、別の側において各冷却管4の内部回路9に連結された、冷却流体のための少なくとも1つのチャネル11と(
図4及び
図8)、
- 一方の側において少なくとも1つの第2の雄又は雌部材8に、別の側において各冷却管4の吸入ダクト10に連結された、空気のための少なくとも1つのさらなるチャネル12と(
図5及び
図9)を備える。
【0044】
図1cにおける特定の実例では、第1の長手方向支持部材7は2つの雄部材6、及び雌部材8を備える。したがって、第2の長手方向支持部材14は、2つの雌部材6’、及び雄部材8’を備えることになる。この場合、支持部材7には、
- それぞれの雄部材6に連結された、冷却流体のための2つのチャネル11であって、1つのチャネルは、支持部材7へと入る冷却流体の入口向けであり、もう一方のチャネルは、前記支持部材7からの冷却流体の出口向けである、2つのチャネル11と、
- ダクト10を通じて吸入された空気が雌部材8によって漏出することをできるようにするチャネル12とが設けられている(
図4~5及び
図8~9)。
【0045】
したがって、この実例における冷却システム43には、冷却流体のための2つの流体密封連結6、6’、及び空気のための1つの流体密封連結8、8’、例えば2つの油圧連結、及び空気圧連結が設けられている。
【0046】
代替的に、プリフォームの冷却管への挿入を容易にするために、空気を吸入するのではなく、ダクト10を使用して空気を冷却管内へブローすることができる。それゆえに、支持部材7の少なくとも1つのダクト12により、雌部材8によって空気を導入し、次いでダクト10を通じて前記空気をブローすることが可能になる。
【0047】
ベース14内のさらなる任意選択のチャネル(表示せず)により、外部連結53から流体密封連結の雌部材6’への水の運搬が可能になり、逆もまた同様である。
【0048】
したがって、この実例において、ベース14と管4の支持部材7との間の油圧連結が、雄-雌タイプの流体密封連結である一対の押込嵌合によって形成される。
図14は、本発明において使用されることが可能な市販の流体密封係合連結の実例を示している。代わりに空気圧連結が雄-雌タイプの単一係合連結によって形成される。
【0049】
有利には、冷却システム43は、冷却機器1の第1の長手方向支持部材7及び第2の長手方向支持部材又はベース14がクイック結合システムによって互いに/互いから連結及び連結解除できることを実現し、クイック結合システムにより、冷却システムを形成する部材を組み立てる、及び分解するために外部ツールを使用する必要がなくなる。
【0050】
そのようなクイック結合システムは、冷却機器1の少なくとも1つの第1の連結ピン5を備え、好ましくは、第1の実施例における第2の長手方向支持部材又はベース14内に、
- 長手方向軸Yに平行な平面上を前記第1の方向に沿って摺動し、係止解除位置(
図3)及び係止位置(
図7)をとることができる、第1の長手摺動方向を規定する第1のスライダ23であって、第1のスライダ23が、係止位置にあるときに少なくとも1つの第1の連結ピン5をその中に係止するための少なくとも1つの穴又は空洞27を備える、第1のスライダ23と、
- 前記第1の摺動方向と交差する前記平面上の第2の長手摺動方向を規定する第2のスライダ26であって、第2のスライダ26が、第1のスライダ23が係止解除位置にある、第1のスライダ23と機械連結する第1の位置(
図3)から前記第2の摺動方向に沿って、第1の長手方向支持部材7及び第2の長手方向支持部材14が、少なくとも1つの第1の連結ピン5によって互いに連結され、第1のスライダ23が係止位置にある、前記第1のスライダ23からの解放の第2の位置(
図7)へ摺動する、第2のスライダ26とを備える(
図3及び
図7)。
【0051】
この第1の実施例では、第2の長手方向支持部材14上での冷却機器1の組み立ては、単に手作業で力を頂部から下向きに第1の長手方向支持部材7に印加することによって行われる。この力に続いて、商用係合継手を有する使用可能な流体密封連結が連結され、第1のスライダ23は、係止位置から係止解除位置に移るようにトリガされる。
【0052】
第1の実施例の
図3及び
図7に対応する
図15a及び
図15bに示される第2の実施例において、クイック結合システムは、冷却機器1の少なくとも1つの第1の連結ピン5を備え、第2の長手方向支持部材すなわちベース14内に、少なくとも1つの第1の連結ピン5をその中に係止するための少なくとも1つの穴又は空洞27を備えるスライダ23のみを備える。長手摺動方向を規定するそのようなスライダ23は、長手方向軸Yに平行な平面上を前記方向に沿って摺動することができ、支持部材7がベース14から係止解除されるのが可能な係止解除位置(
図15a)、及び少なくとも1つの第1の連結ピン5が内部で少なくとも1つの穴又は空洞27に係止される係止位置(
図15b)をとることができる。
【0053】
両方の実施例において、冷却機器1の第2の長手方向支持部材14からの取り外しは、単に手作業で第1のスライダ23をベース14の内部に向けて押圧することによって行われ、少なくとも1つの連結ピンは、好ましくは、また、2つの部品を隔てるばねの力により結合解除され、前記ばねは流体密封連結の係合継手内に設けられている。
【0054】
好ましくは、第1の長手方向支持部材7は、少なくとも2つの第1の連結ピン5、例えば2つの第1のピン5を備え、第1のスライダ23は、前記第1の長手摺動方向に沿って構成されたそれぞれの穴27を備える。
【0055】
好ましくは、各穴27は、第1のスライダ23が係止解除位置から係止位置を通るとき、それぞれの第1の連結ピン5を係止するように適切に成形されている。
【0056】
特に、穴27は、ピン5の素早く効率的な機械結合のためのスロット形状の外形を有する。
【0057】
例えば、マッシュルーム形状の、又はキャップ形状の連結ピン5の場合、第1のスライダ23の穴27は、平面図で第1の外形を有する第1の部分52と、平面図で、第1の外形よりも幅が狭い(
図12b)第2の外形を有する第2の部分53とを有する。素早い機械的結合ステップ中に、連結ピン5は、より大きな外形を有する部分52においてそれぞれの穴27を横断する。第1のスライダ23の、第2の支持部材14の外側に向かう摺動の後、ピン5は、より幅が狭い外形を有する穴27の部分53内の第2の部分51と係止されることになる。
【0058】
好ましくは、第2のスライダ26もまた設けられる場合、第1の長手方向支持部材7は、第2のスライダ26と相互作用して第2のスライダ26を第1の機械連結位置から第2の開放位置へ持って行くように適合された少なくとも1つの第2の連結ピン13、例えば1つのみの連結ピン13を備える。図の実例において、第2の連結ピン13はテーパーピンであり、第2のスライダ26は、傾斜した(
図13a、13b、13c)内部表面部分32を有するそれぞれの貫通穴31を備えており、その結果、テーパーピンは、第1の長手方向支持部材7と第2の長手方向支持部材14との連結のステップ中に、前記内部表面部分で係合し、したがって第2のスライダ26の第1のスライダ23からの解放(
図7)を生じる。
【0059】
2つのスライダ23及び26に関する変形例において、好ましくは、第2の長手方向支持部材又はベース14は、
- ベース14の内部に部分的に構成された第1のスライダ23と、
- 前記第1の摺動方向を規定し、第1のスライダ23がその中で摺動することができる第1の内部長手方向シート24と、
- 第1のスライダをベース14(
図9)に対してより外側の、ベース14と支持部材7との間の係止位置(
図7)に対応する位置に向かって押すために前記第1の内部長手方向シート24の底部に対する第1の端部、及び第1のスライダ23に対する第2の端部で固定された第1の弾性復帰手段25と、
- ベース14の完全に内側に構成された第2のスライダ26と、
- 横向きであり、好ましくは第1の摺動方向に対して直交し、第2のスライダ26がその中で摺動できる前記第2の摺動方向を規定する第2の内部シート29(
図3)と、
- 第2のスライダ26を第1のスライダ23(
図3)との機械連結の前記第1の位置に向かって押すために前記第2の内部シート29の底部に対する第1の端部、及び第2のスライダ26に対する第2の端部で固定された第2の弾性復帰手段28とを備える。
【0060】
第1及び第2の弾性復帰手段25、28は、必ずではないが、好ましくは、ばね、例えばつる巻きばねである。他のタイプのばねが代替的に設けられる可能性がある。
【0061】
図12a、12b及び12cに示される第1のスライダ23は、好ましくは、
- 端部に設けられ、ベース14に対して内部である、弾性復帰手段25の1つの端部を収容するためのシート34と、
- 第1のスライダ23が、ベース14及び支持部材7が互いに連結されない係止解除位置に対応する、ベース14に対して最も内側の位置(
図5)から、ベース14及び支持部材7がピン5によって互いに連結された係止位置に対応する最も外側の位置(
図9)へ通るとき、それぞれの第1の連結ピン5を係止するように適切に成形された、第1のスライダ23の長手摺動方向に沿って構成された、例えば2つ又は3つの、少なくとも2つの横断貫通穴27と、
- 第2のスライダ26の対応する突起37を収容し、第1のスライダ23を、ベース14に対して前記より内側の位置に固定された状態を保つ(
図3)ための側面へこみ36と、
- 第1のスライダ23のストロークの範囲を定めるために、ベース14と一体の使用可能な当接要素39を収容するように構成された使用可能な長手方向スロット38とを備える。
【0062】
代替的に又は追加的に、第1のスライダ23のストローク端当接部は、第2のスライダ26の突起37と前記突起37を収容するように成形された側面へこみ36の一部との間に作られてもよい(
図7)。
【0063】
第2のスライダ26が設けられない場合、スライダ23は側面へこみ36を有さない。
【0064】
図13a、13b及び13cに示される第2のスライダ26は好ましくは、
- 弾性復帰手段28の1つの端部を収容するための、第1のスライダ23に対して遠位端部に設けられたシート30と、
- 支持部材7とベース14の連結のステップ中に、第2の連結ピン13が傾斜表面の前記部分32で係合して、第2のスライダ26の第1のスライダ23からの解放がもたらされ、弾性復帰手段28を圧縮するように、内部表面の部分32が適切に傾斜する状態で、第2のスライダ26の中央エリアに構成された貫通穴31と、
- 第1のスライダ23に対して近位端に設けられ、第1のスライダ23の側面へこみ36との機械連結を実施し、第1のスライダ23をマニホールド(
図5)に対して最も内側の位置に固定されたまま保つ、前述の突起37とを備える。
【0065】
第2の長手方向支持部材又はベース14はさらに、第1の長手方向内部シート24の内部に前記少なくとも1つの第1の連結ピン5を通すための少なくとも1つの貫通穴5’を備え、場合により、第2の内部シート29の内部に第2の連結ピン13を通すためのさらなる貫通穴13’を備える(
図4及び5)。
【0066】
1つだけの第1の連結ピン5が、支持部材7の第2の長手方向表面3に設けられ(変形例は表示せず)、したがって、1つだけの貫通穴5’がベース14の平坦表面52に設けられ、1つだけの横断貫通穴27が第1のスライダ23に設けられた場合、第2の連結ピン13、好ましくはコニカルピンはまた、支持部材7とベース14との間の抗回転機器として機能する。
【0067】
第2の連結ピン13は、第2のスライダ26がない実施例において、第1の長手方向支持部材7の第2の長手方向表面3から突出して設けられることも可能である。また、この場合においては、1つだけの第1の連結ピン5が、支持部材7の第2の長手方向表面3に設けられ(変形例は表示せず)、したがって、1つだけの貫通穴5’がベース14の平坦表面52に設けられ、1つだけの横断貫通穴27がスライダ23に設けられたとき、第2の連結ピン13、好ましくはコニカルピンは、スライダ23がその中で摺動する内部長手方向シート24に対して側方に構成された、ベース14の対応する穴又は空洞に挿入され、支持部材7とベース14との間の抗回転機器として機能する。
【0068】
図2aから
図14を参照して、本発明の冷却システム43を例示する1つだけの実施例を示す。
【0069】
支持部材7は、平坦表面3から突出し、前記支持部材7とベース14の機械連結、又は油圧連結、又は空気圧連結に有用な以下の構成要素、すなわち
- 2つの第1の機械連結ピン5と、
- 1つの第2の機械連結ピン13と、
- それぞれの流体密封係合連結の2つの雄部材6と、
- さらなる流体密封係合連結の1つの雌部材8とを備える。
【0070】
ベース14は、支持部材7の平坦表面3の方向に向く平坦表面52に、
- 前記第1の機械連結ピン5が通るための2つの第1の貫通穴5’と、
- 前記第2の機械連結ピン13が通るための1つの第2の貫通穴13’と、
- 雄部材6に対応する、それぞれの流体密封係合連結の2つの雌部材6’と、
- 雌部材8に対応する、さらなる流体密封係合連結の1つの雄部材8’とを備える(
図4~5)。
【0071】
下記は、支持部材7の、したがって冷却機器1の冷却システム43のベース14へのクイック結合操作の実施の説明である。前記クイック結合操作は以下の
- ベース14に対して最も内側の位置で第1のスライダ23を係止すること(
図3及び5)を実現するステージであって、第1の弾性復帰手段25が圧縮され、第2の弾性復帰手段28が伸張され、それによって第2のスライダ26の突起37が第1のスライダ23の側面へこみ36に挿入されたまま保つ、ステージと、
- 連結ピン5、連結ピン13、油圧連結の雄部材6、及び空気圧連結の雌部材8をそれぞれ第1のスライダ23の穴27、第2のスライダ26の穴31、油圧連結の雌部材6’、及び空気圧連結の雄部材8’に自動的に係合するように、支持部材7をベース14上へと降ろすステージとを含む。
【0072】
特に、支持部材7をベース14上へと降ろすことによって、連結ピン13は、第2のスライダ26の穴31の傾斜表面の部分32で係合する。このように、連結ピン13は、第2のスライダ26を弾性復帰手段28に向かって押して、弾性復帰手段28を圧縮し、へこみ36から突起37を解放する。
【0073】
第1のスライダ23は、もはや第2のスライダ26に拘束されず、弾性復帰手段25の作用によりベース14の外側に向かって変位して、ベース14及び支持部材7がピン5によって互いに連結される係止位置に対応する、最も外側の位置に到達する(
図7及び9)。
【0074】
実際、第1のスライダ23のベース14に対する最も内側の位置から最も外側の位置への変位中、ピン5は、支持部材7とベース14の機械結合を定める穴27のスロット形状の外形に挿入される。
【0075】
ピン5は、ベース14又はマニホールド上の支持部材7の鉛直係合移動の端部における第1のスライダ23との係止位置にある(
図7、8及び9)。第1のスライダ23の、ベース14の外側に向かうストロークは、ベース14の構造体と一体且つ2つの穴27間の第1のスライダ23に設けられる長手方向スロット38に挿入される当接ピン39によって範囲が定められる(
図5及び9参照)。
【0076】
有利には、穴31の傾斜表面の部分32により、第1の弾性復帰手段25によって印加されるスラスト力より小さな力で第1のスライダ23を解放できるようになる。傾斜表面の部分32は、連結ピン13の鉛直進行方向に対して約20~30°、好ましくは25°の傾斜角を有する。
【0077】
第1のスライダ23の、最も外側の構成における自動位置合わせによって、支持部材7のベース14との手作業クイック結合操作が完了する。
【0078】
有利には、自動的にベース14から支持部材7を、したがって冷却機器1を結合解除する逆の操作を実施するためには、
- 第1のスライダ23を手作業でベース14の内側の方向に前記第1のスライダを最も内側の位置で係止するまで押す(
図3及び5)ことと、
- 同時に、支持部材7の上向きの移動を手作業で容易にすることとを行うことが十分である。
【0079】
解放操作中、ピン5は、第1のスライダ23をベースの内部に向けて押圧することによって、穴27のスロット外形から出る傾向がある。同時に、好ましくは、例えば連結の内部に設けられた反力ばね60(
図14)は、支持部材7を上向きに押して、穴31の傾斜表面の部分32から連結ピン13を解放し、弾性復帰手段28の作用によって第2のスライダ26が第1のスライダ23上で係合されて、第1のスライダ23を格納位置に係止するのを可能にする(
図3及び5)。この点において、弾性復帰手段25は圧縮され、弾性復帰手段28は伸張されて、第2のスライダ26の突起37が第1のスライダ23の側面へこみ36に挿入されたまま保たれる。
【0080】
有利には、部品間の油圧結合、空気圧結合、及び機械結合並びに結合解除操作は、単一のそれぞれの手作業操作によって行われる。実際、本発明の解決策は、自動的に支持部材7と支持部材すなわちベース14との機械係止を達成する一方、冷却機器1の単一の手作業移動によって連結を係合することを可能にする。
【0081】
さらに、本発明の解決策は、第1のスライダの単一の手作業移動との連結を解放することができる一方、ベース14から冷却機器1を機械的に結合解除する。これらすべては明らかに、冷却されるプリフォーム又は試験管に応じた冷却管のフォーマットを変更するときに、より素早いより効率的な操作を含意する。
【0082】
支持部材7、したがって冷却機器1を冷却システム43のベース14に素早く結合する操作の実施は、第2のスライダ26が設けられていない場合について下記に説明される。前記クイック結合操作は以下の
- 弾性復帰手段25の伸張によって単一スライダ23をベース14に対して最も外側の位置に維持することを実現するステージと、
- スライダ23を最も内側の位置までベース14の内部に向かって手作業で押圧し(
図15aの矢印参照)、前記最も内側の位置に押圧されたスライダ23が、弾性復帰手段25が圧縮されたまま維持することを保つステージと、
- 連結ピン5、油圧連結の雄部材6、及び空気圧連結の雌部材8をそれぞれスライダ23の穴27、油圧連結の雌部材6’、及び空気圧連結の雄部材8’に係合するように、支持部材7をベース14上へと降ろすステージと、
- 前記スライダ23を、弾性復帰手段25の作用により、ベース14の外側に向かって移動させて、ベース14と指示部材7とがピン5によって互いに連結される係止位置に対応する最も外側の位置(
図15b)に到達させることによって、スライダ23にかかる手作業の圧力を解放するステージとを含み、実際、スライダ23の、ベース14に対する最も内側の位置から最も外側の位置への変位中、ピン5は穴27のスロット形状の外形に挿入されて、支持部材7とベース14との間の機械結合が定まる。
【0083】
スライダ23の、ベース14の外側に向かうストロークは、ベース14の構造体と一体の、且つ2つの穴27間のスライダ23に設けられる長手方向スロット38に挿入される当接ピン39によって範囲が定められる。
【0084】
有利には、自動的にベース14から支持部材7を、したがって冷却機器1を結合解除する逆の操作を実施するためには、
- スライダ23を最も内側の位置までベース14の内部に向かって手作業で押圧し、弾性復帰手段25が圧縮されることによって、前記最も内側の位置に押圧されたスライダ23を保つことと、
- 連結の雄部材及び雌部材を係合解除し、穴27からピン5を引き抜くことによって、支持部材7の上向きの移動を手作業で容易にすることと、
- 前記スライダ23を、弾性復帰手段25の作用により、ベース14の外側に向かって移動させて、最も外側の位置に到達させることによって、スライダ23にかかる手作業の圧力を解放することとを行うことが十分である。
【0085】
解放操作中に、スライダ23をベースの内部に向かって押圧することによって、ピン5は、穴27のスロット外形から出る傾向がある。好ましくは、同時に、例えば連結の内部に設けられた反力ばね60(
図14)は、また、支持部材7を上向きに押す。
【0086】
第2のスライダ26を含む又は含まない、両方の実施例の利点は、結合システム43の2つの部品間の結合に必要とされる力を低減することである。実際、係合ステップにおいて、第1の連結ピン5を第1のスライダ23に挿入するために必要とされる力は実質的にゼロであるが、油圧及び空気圧連結の雄-雌部材の結合に必要とされる力は不変であり、場合により、これに連結ピン13を第2のスライダ26の内部に挿入するための力が加えられる。
【国際調査報告】