(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】空芯モーター用の最適化されたモータードライブ
(51)【国際特許分類】
H02P 6/182 20160101AFI20240228BHJP
【FI】
H02P6/182
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553701
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2022022049
(87)【国際公開番号】W WO2022187755
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523149857
【氏名又は名称】ガブリス,クリストファー,ダブリュー
(71)【出願人】
【識別番号】523149868
【氏名又は名称】ロジャース,ティモシー,エス
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ガブリス,クリストファー,ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,ティモシー,エス
【テーマコード(参考)】
5H560
【Fターム(参考)】
5H560BB04
5H560BB07
5H560BB12
5H560DA13
5H560DB13
5H560DC12
5H560EB01
5H560EC01
5H560EC02
5H560GG04
5H560SS07
5H560XA02
5H560XA04
5H560XA12
(57)【要約】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブは、入力電源の接続に接続されたスイッチモード電力コンバータを備える。電力コンバータは、電流モード制御出力を使用して入力電源からの電力を変換し、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続される可変電圧リンクに調整された電流を供給する。モータードライブは、逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6ステップ位置センサーレス整流を採用する。スイッチモード電力コンバータは、整流インバーターの電源の前にローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備える。調整された電流は、フィルターインダクタンスと組み合わされて、多相巻線のインダクタンスよりも小さい値を持つ空芯電機子巻線へのスイッチングによって誘発され巻線の2本の脚で測定された重大な高調波リップル電流を防止するのに十分な高い調整周波数でスイッチングされる。ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスは、同時に、モータードライブの出力電圧が出力インバーターの導通期間中に逆起電力波形の正弦波形状を追跡できるのに十分に低い値を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
入力供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、前記逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6ステップ位置センサーレス整流を採用し、
前記スイッチモード電力コンバータは、前記整流インバーターの電源の前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備え、前記調整された電流は、前記巻線の2つの脚間で測定された前記多相巻線のインダクタンスよりも小さい値を持つ前記インダクタンスフィルターのインダクタンスと組み合わされた前記空芯電機子巻線への重大なスイッチング誘導高調波リップル電流を防止するのに十分な高い調整周波数でスイッチングされ、前記ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスは、同時に、前記モータードライブの出力電圧が前記出力インバーターの導通期間中に逆起電力波形の正弦波形状を追跡できるのに十分に低い値を有する電子モータードライブ。
【請求項2】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項3】
前記モータードライブは、前記出力インバーターの前記導通期間中に、正弦波状のトップ6段階電圧波形と矩形形状の6段階電流波形を同時に空芯電機子巻線に供給する請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項4】
前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記モータードライブによって前記多相空芯電機子巻線に供給される電圧波形が、前記出力インバーターの前記導通期間中の前記逆起電力波形の前記形状を模倣し、前記モータードライブは、前記出力インバーターの整流期間中に前記可変電圧リンクへの電圧を増加させる請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項5】
前記供給電力のピーク電圧は、前記モーターがフルスピードで動作しているときに前記空芯モーター巻線の2本のレッグ間で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であることにより、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルが減少し、整流期間中の前記可変電圧リンクの前記電圧を前記出力インバーターの前記導通期間よりも高くすることができる請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項6】
前記電源は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項7】
前記スイッチモード電力コンバータは、擬似共振型降圧コンバータを備える請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項8】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
入力供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、逆起電力の測定を通じて制御される、一度に前記フェーズレグの一部のみを励起する段階的整流を採用し、
前記スイッチモード電力コンバータは、前記整流インバーターに電力を供給する前記可変電圧リンクの前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備え、前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記可変電圧リンクの電圧波形は、前記整流インバーターの導通期間中に前記多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、前記整流インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの前記電圧をスパイクする電子モータードライブ。
【請求項9】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモード電力コンバータの前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項10】
前記モータードライブは、前記出力インバーターの前記導通期間中に、正弦波状のトップ6段階電圧波形と矩形形状の6段階電流波形を同時に空芯電機子巻線に供給する請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項11】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモードコンバータと前記非変調整流インバーターとの間に、その値が前記多相空芯電機子巻線の2つの脚にわたるインダクタンスよりも小さい総直列インダクタンスを備える請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項12】
前記供給電力は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項13】
前記スイッチモード電力コンバータは、擬似共振型降圧コンバータを備える請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項14】
前記モータードライブは、前記モーターが全速で動作しているときに、前記空芯モーター巻線の2本の脚で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であるピーク電圧を有する前記供給電力によって、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルを低減し、前記可変電圧リンクの前記電圧は、前記出力インバーターの前記導通期間よりも整流期間中に高くなる請求項8に記載の電子モータードライブ。
【請求項15】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
前記モータードライブは、供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、前記逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6ステップ位置センサーレス整流を採用し、
前記供給電力は、供給電力電圧振幅と供給電力周波数が固定された三相正弦波AC電圧で構成され、
前記供給電源に接続された整流器は、前記供給電源電圧を、前記供給電源周波数の6倍の周波数を持つリップルを持つ入力DC電圧に変換し、
前記整流器によって供給される前記スイッチモード電力コンバータは、リップルを持つ前記入力DC電圧を、リップルを持つ前記入力DC電圧よりも高い周波数を有する可変電圧リンクDC電圧に変換し、かつローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備えるバックコンバータを備え、
前記可変電圧リンクに接続された前記非変調整流インバーターは、リップルを持つ前記可変リンクDC電圧を三相ACモーター供給電力に変換し、各相電圧は、リップルを持つ前記可変電圧リンクDC電圧の周波数の1/6に等しい周波数を持つ正弦波状の最高6ステップ電圧波形を備える電子モータードライブ。
【請求項16】
前記供給電力は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項15に記載の電子モータードライブ。
【請求項17】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモードコンバータと前記非変調整流インバーターとの間に、その値が前記多相空芯電機子巻線の2つの脚にわたるインダクタンスよりも小さい総直列インダクタンスを備える請求項15に記載の電子モータードライブ。
【請求項18】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する請求項15に記載の電子モータードライブ。
【請求項19】
前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記可変電圧リンクの電圧波形は、前記出力インバーターの導通期間中に前記多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、前記出力インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの前記電圧をスパイクする請求項15に記載の電子モータードライブ。
【請求項20】
前記モータードライブは、前記モーターが全速で動作しているときに、前記空芯モーター巻線の2本の脚で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であるピーク電圧を有する前記供給電力によって、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルを低減し、前記可変電圧リンクの前記電圧は、前記出力インバーターの前記導通期間よりも整流期間中に高くなる請求項15に記載の電子モータードライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正弦逆起電力で空芯モーターを駆動するのに特に適する電子モータードライブに関し、より詳細には、従来の正弦波ドライブより大幅に簡素化され、より信頼性の高い整流による高効率な電力変換を独自に提供する最適化されたドライブに関する。このモータードライブの動作によりモータートルクリップルの発生がさらに最小限に抑えられ、回転がスムーズになり、モーターとドライブの組み合わせ効率が高くなる。新しいモータードライブは、製造コストが低くなっている。
【背景技術】
【0002】
現在、電気エネルギーと回転機械エネルギーの間でのより高効率な電力変換を提供できる新しい電動モーターや発電機を開発するために、多くの努力が行われている。同時に、材料使用量や製造コストの削減、効率の向上にも注目している。より高い電力変換効率を達成できる新しい電動機械は、従来の機械よりも高価であるため、市場に受け入れられる可能性が低い。業界全体の目標は、より高い効率を提供すると同時にコストをより低く抑えることである。
【0003】
より高い効率を達成するための新しい電動モーターの開発は、主に可変周波数インバーターまたはモータードライブを使用して動作する必要がある同期トポロジーの使用に注目している。回転速度を変化させることによってすべてのモーターの運転効率を向上させる手段として、電子インバーターの使用も一般的になり、新しい同期モーターの出現に支援する。使用される設計や製造方法により、最も高い効率と最も軽いモーター重量の両方を提供する可能性のある同期モーターの1つのタイプは、空芯モーターである。空芯モーターは、その巻線が鉄磁性ステータポールに巻かれるのではなく、直接磁気エアギャップ内に配置されるという点で、従来の溝付きモーターと異なる。この鉄磁性ステータポールを使用しない構造により、渦電流とヒステリシスによる磁気誘起ステータ損失を大幅に低減できる。ただし、空芯モーターの構造により、電機子巻線のインダクタンスが大幅減少してしまう。これまで、空芯モーターの巻線のインダクタンスが低いため、モータードライブが空芯モーターを適切に駆動することはより困難となっている。さらに、最高性能の空芯モーターバージョンでは、モーター重量を減少させるために多極数を使用している。この極数の増加のため、通常のモーターの基本周波数能力よりも高い能力が必要となり、駆動作業がさらに困難となる。
【0004】
高性能空芯モーターで従来のモータートライブを使用する際に遭遇する他の問題としては、電機子巻線におけるスイッチング誘起高調波リップル電流の発生である。これは、商業的に許容できないモーター損失の増加、不正確で信頼性の低い整流、および非常に複雑な制御を引き起こすため、重大になる可能性がある。スイッチング高調波リップル電流は、モーターとドライブの間にラインインダクタを追加することで低減できるが、インダクタによって、許容できないサイズ、重量、損失、コストが追加されるため、この解決策は望ましくない。同様に、整流をより正確で信頼性の高いものにするためにロータ位置センサを追加することもできるが、これは、望ましくない大幅な複雑さとコストも追加される。さらに、遭遇する可能性のあるさらなる問題は、重大な電流リップル及びトルクリップルの発生であり、これら両方は、望ましくない損失やノイズと振動の増加をもたらす。
【0005】
したがって、モーターとドライブの組み合わせ効率が大幅に向上し、信頼性が高くスムーズな動作を提供するように最適化された、空芯モーターとの使用に特に適合した新しいモータードライブが必要である。空芯モーター用の最適化されたモータードライブは、コストを最小限に抑えながら、完全に信頼性が高く高精度な整流を備える必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
通常、当技術分野で知られているように、正弦波ドライブで正弦波モーターを駆動するのが最善である。同様に、台形BLDC、ブラシレスDC、モーターを6段階ドライブで駆動するのが最適であることが当技術分野で知られている。新しいモータードライブは、両方のタイプの最大の利点を実現するために、矩形電流波形を備えた正弦波状のトップ電圧出力による6段階の整流を提供する。本発明は、正弦逆起電力で空芯モーターを駆動するのに適する電子モータードライブを提供する。モータードライブは、トルクリップルの発生を最小限に抑えながら、ドライブとモーターの高い組み合わせ動作効率を実現する。それは、低コストの構造で実現し、信頼性の高い整流を可能にする。本発明は、正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブを含む。モータードライブは、入力電源の接続に接続されたスイッチモード電力コンバータを備える。電力コンバータは、電流モード制御出力を使用して入力電源からの電力を変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給する。可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに調整された電流を供給する。モータードライブは、逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6段階位置センサーレス整流を採用する。スイッチモード電力コンバータは、整流インバーターの電源の前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備える。ここで、調整された電流は、巻線の2本のレッグ間で測定された多相巻線のインダクタンスよりも小さい値を持つフィルターのインダクタンスフィルターのインダクタンスと組み合わされた空芯電機子巻線への重大なスイッチング誘導高調波リップル電流を防止するのに十分な高い調整周波数でスイッチングされる。ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスは、同時に、モータードライブの出力電圧が出力インバーターの導通期間中に逆起電力波形の正弦波形状を追跡できるのに十分に低い値を有する。重大なスイッチング高調波リップル電流は、モーターの電気効率を、高調波リップルがない場合の値の10%に低下させる。6段階整流は、1つの相が通電されず、電圧と電流のゼロクロスが容易に測定できるため、特に低インダクタンスの空芯モーターでより正確で信頼性の高い整流を実現する。6段階ドライブの動作領域は、2つの相巻線が通電されるときに発生する導通と、1つの相巻線がオフになり他の相巻線がオンになるときに発生する整流という2つがある。追加の実施態様では、電流調整により、可変電圧リンクの電圧波形が導通領域中の逆起電力の波形を模倣する。可変電圧リンクへの定電流を維持するためのコンバータの応答時間が十分に速いため、モーター極が電機子相巻線を通過することによる逆起電力の上昇と下降に応じて、結果として生じる電圧が自動的に調整される。電圧が結果的に逆起電力波形に従うため、電流は、一定に維持される。電流調整の応答時間が遅すぎると、逆起電力と駆動出力電圧が逸脱するたびに電流パルスとトルクパルスが生成される。
【0007】
整流周波数とスイッチング調整周波数に関連したローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスの大きさにより、インバーターの出力が逆起電力波形を追跡できるようにすると同時に、電機子巻線でのスイッチング高調波リップル電流の発生が防止される。さらなる実施態様では、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、出力インバーターの整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する。スイッチング調整周波数は、ステータバックアイアンでの高調波誘起損失の発生を効果的に阻止し、出力電圧は、出力インバーターの導通期間中の逆起電力の変動を効果的に追跡できる。
【0008】
本発明の追加の実施態様では、モータードライブは、出力インバーターの導通期間中に、正弦波状のトップ6段階電圧波形と矩形形状の6段階電流波形を同時に空芯電機子巻線に供給する。台形の出力電圧波形を提供する従来の台形BLDCモータードライブとは異なり、本発明に係るモータードライブは、矩形電流波形と正弦波形のトップ波形を組み合わせて導通電流とトルクリップルの発生を排除する。このようなリップルは、モーターやドライブでの損失を増加させるだけでなく、望ましくない振動を引き起こす可能性がある。
【0009】
6段階ドライブを使用した場合のトルクリップルは、出力インバーターの導通期間と、1つの相巻線がオフになり、他の相巻線がオンになる整流期間中に個別に発生する。電流増加によるインダクタンス遅延により、オンに切り替えられている相が十分な速さでオンにできない場合、電流リップルとトルクリップルが高速で発生する。整流領域では、オフになっている相巻線は、蓄えられた誘導エネルギーと、インバーターブリッジ内の関連するフリーホイールダイオードを介した導通とのため、すぐに完全にオフになることはできない。同様に、オンになっている相巻線は、その巻線の誘導時定数のため、すぐに完全にオンになることはできない。低速の場合、ターンオフ時間はターンオン時間よりも遅くなる可能性があり、高速では逆になる。ターンオフ時間とターンオン時間の差により、トルクリップルが発生する可能性がある。その解決策として、コンバータが必要なときにリンクにかかる、結果として生じる電圧を必要なだけ高くできるようにすることで、コンバータが可変電圧リンクへの定電流を維持する。可変電圧リンクの電圧は、ほぼ一定の電流を維持するために整流領域中に自動的に変化し、その結果として、整流トルクリップルが最小限に抑えられる。相巻線への電流の増加率を高めるには、供給される電圧を増加させる必要がある。さらに別の実施態様では、ローパスフィルターと組み合わせた電流調整により、モータードライブによって多相空芯電機子巻線に供給される電圧波形が、出力インバーターの導通期間中の逆起電力波形の形状を模倣し、モータードライブは、出力インバーターの整流期間中に可変電圧リンクへの電圧を増加させる。電機子巻線にかかる電圧が高くなると、電機子巻線を流れる電流がより迅速に上昇するため、一定のトルクが達成される。
【0010】
本発明の好ましい実施態様では、整流トルクリップルを防止するために、スイッチモードコンバータへの供給電圧が使用される。供給電力のピーク電圧は、モーターがフルスピードで動作しているときに空芯モーター巻線の2本のレッグ間で測定される逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍である。これにより、空芯同期モーターの整流トルクリップルが減少し、整流期間中の可変電圧リンクの電圧を出力インバーターの導通期間よりも高くすることができる。したがって、コンバータは、空芯モーターのほぼ全動作速度範囲にわたって、導通領域および整流領域の両方で整流インバーターへの電流を実質的に一定に保つことができる。
【0011】
本発明のさらなる実施態様では、力率、THD、ならびにサイズ、コスト、および信頼性をさらに高めることができる。スイッチモードコンバータからの調整は、電流モード調整に基づいているため、入力される電源電圧を厳密に調整する必要がない。一般に、整流器を通過する電圧の調整は、十分に大きな静電容量を利用することによって行われる。しかしながら、この静電容量は、力率の望ましくない低下だけでなく、歪んだ電流波形または全高調波歪みを引き起こす。したがって、本発明に係るモータードライブは、好ましくは、これらの不足を補う。電源は、スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、非制御整流器により調整された後のDC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況でAC商用電源に反映される力率が0.90を超える。
【0012】
好ましい実施態様のキーとしては、モーターの電機子相巻線の整流周波数よりもはるかに高いスイッチング調整周波数の使用である。この大きな差により、ローパスフィルターを両方の周波数から十分に離してモータードライブを機能させることができる。ただし、非常に高いスイッチング調整周波数を使用すると、望ましくないスイッチング損失が発生し、モーター駆動の効率が低下する可能性がある。高周波のスイッチモードコンバータのスイッチング損失を低減する1つの方法として、ソフトスイッチングを使用する。通常、電流調整スイッチングが出力インバーターで発生する従来のモータードライブとは異なる。本発明に係る好ましいモータードライブは、出力インバーターに供給される前に、スイッチモードコンバータにおいて調整スイッチングを達成する。したがって、本発明の追加の実施態様では、スイッチモード電力コンバータは、擬似共振型降圧コンバータを備える。
【0013】
別の実施態様では、本発明は、正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブを含む。モータードライブは、入力供給電力の接続に接続され、供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備える。可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに調整された電流を供給する。モータードライブは、逆起電力の測定を通じて制御される、一度にフェーズレグの一部のみを励起する段階的整流を採用する。スイッチモード電力コンバータは、整流インバーターに電力を供給する可変電圧リンクの前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備える。ローパスフィルターと組み合わせた電流調整により、可変電圧リンクの電圧波形は、整流インバーターの導通期間中に多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、整流インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの電圧をスパイクする。電圧スパイクを回避するための当技術分野の教示とは対照的に、電機子巻線またはモータードライブの寿命に望ましくない影響を与えずに整流トルクリップルを低減するには、モーターの駆動動作には制御されて制限された電圧スパイクが望ましい場合があることが判明した。整流中、スイッチモードコンバータは、可変電圧リンクへの電圧を昇圧するが、これは整流中に電圧モード制御に変更することで制限される可能性がある。入力電源電圧が逆起電力より大幅に高くない場合、スイッチモードコンバータは、電流モード制御から動作を変更する必要がない。
【0014】
電圧調整が不要になるため、モータードライブの大きな利点を活用できる。これらにより、効率を向上させながらモータードライブのサイズを減少させることができる。さらに別の実施態様では、本発明は、正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブを含む。モータードライブは、供給電力の接続に接続され、供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備える。可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに調整された電流を供給する。モータードライブは、逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6段階位置センサーレス整流を採用する。供給電力は、供給電力電圧振幅と供給電力周波数が固定された三相正弦波AC電圧で構成される。供給電源に接続された整流器は、供給電源電圧を、供給電源周波数の6倍の周波数を持つリップルを持つ入力DC電圧に変換する。整流器によって供給されるスイッチモード電力コンバータは、リップルを持つ入力DC電圧を、リップルを持つ入力DC電圧よりも高い周波数を有する可変電圧リンクDC電圧に変換し、かつローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備えるバックコンバータを備える。可変電圧リンクに接続された非変調整流インバーターは、リップルを持つ可変リンクDC電圧を三相ACモーター供給電力に変換し、各相電圧は、リップルを持つ可変電圧リンクDC電圧の周波数の1/6に等しい周波数を持つ正弦波状のトップ6段階電圧波形を備える。
【0015】
さらに、ローパスフィルターと組み合わせた電流調整により、可変電圧リンクの電圧波形は、出力インバーターの導通期間中に多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、出力インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの電圧をスパイクする。相巻線の組み合わせた逆起電力は、出力インバーターのフリーホイールダイオードを介して逆に導通される整流された波形にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明ならびにその多くの利点および特徴は、以下の図面と併せて好ましい実施態様の以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解され得る。
【
図1】
図1は、本発明に係るモータードライブで使用するための正弦逆起電力を有する空芯モーターの側面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブの概略図である。
【
図3】
図3Aおよび
図3Bは、本発明に係らない出力フィルター静電容量がゼロに設定されたモータードライブの可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットである。
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、本発明に係らない非常に大きく設定された出力フィルター静電容量を有する可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットである。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、本発明に係る出力フィルター静電容量が最適値に設定された場合の可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットである。
【
図6】
図6は、
図2のモータードライブで使用される異なる周波数の比較図表である。
【
図7】
図7A、
図7B、および
図7Cは、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブの逆起電力、可変電圧リンク調整および駆動出力電流波形のプロットである。
【
図8】
図8Aは、本発明に係るモータードライブで使用する空芯モーターの三相巻線の回路図であり、
図8B、
図8C、および
図8Dは、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブの巻線逆起電力、巻線相電流×抵抗、およびモーター駆動出力電圧波形のプロットである。
【
図9】
図9は、モーターを備えた6段階モータードライブの従来の様々な問題と、本発明に係るそれぞれを克服するために利用された関連する解決策を示す表である。
【
図10】
図10は、本発明に係る空芯モーター用の代替構成のモータードライブの概略図である。
【
図11】
図11は、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブのそれぞれについての電力変換機能ステップおよび関連する電圧波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照すると、同様の参照符号は同一または対応する部分を示しており、
図1は、本発明に係るモータードライブで使用するための正弦逆起電力を有する空芯モーターの側面図を示す。空芯モーター60は、ロータ61とステータ62とで構成される。ロータ61は、交互の極性の永久磁石64の配列が取り付けられたロータバックアイアン63を有する。磁石64は、磁束を、磁気ギャップ65を介して積層ステータバックアイアン66へと前後に駆動する。低損失リッツ線巻線67は、磁気ギャップ65内に直接配置され、ステータバックアイアン66に接着される。ロータ61は、ベアリング69、70によって回転可能に軸支された中心シャフト68に取り付けられる。ベアリング69、70は、外側ハウジングチューブ73によって接続されたハウジングエンドプレート71、72によって支持される。ステータバックアイアン66は、外側ハウジングチューブ73によって支持される。巻線67は、ハウジングチューブ73の内部に収容されてもよく、あるいはハウジングエンドプレート72の外側に取り付けられてもよいモータードライブ30によって通電される。ロータ61が回転すると、巻線67内に多相正弦逆起電力が生成される。シングルロータートポロジーで示されているが、本発明に係るモータードライブで使用する空芯モーターは、ロータの2つの回転面の間に支持される非強磁性体に結合された巻線を用いて構成することもできる。
【0018】
図2は、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブを示す。モータードライブ30は、正弦逆起電力を有し、また非常に低いインダクタンスと高い極数を有する空芯モーターに特に適するように設計された、独特の6段階バージョンの整流を備える。ドライブ30は、固定周波数AC供給電力31を、スイッチモード電力コンバータ33にDC電力を供給するEMI導通フィルター34に接続される三相入力整流器35に受け取る。EMIフィルター34は、L―C―L構成36を利用して、スイッチモードコンバータ33からのスイッチングノイズがAC商用電源31に逆伝播するのを防止する。電気航空機などのDC電力使用の輸送用途の場合、整流器32を使用する必要はなく、DC電力をスイッチモードコンバータ33に直接供給することができる。図示のように、スイッチモードコンバータ33は、可変電圧リンク41に電流モード制御調整を提供するMOSFET37を使用するバックコンバータを備える。MOSFET37は、連続電流モードで動作することもできるし、あるいはスイッチング損失が低減された不連続電流モードで動作することもできる。バックコンバータ33は、フィルター静電容量38、フィルター静電容量39、およびダイオード40によって構成される。
【0019】
バックコンバータ33は、モーター空芯電機子巻線34を駆動するための非変調出力インバーター43に三相同期電力を供給する。コンバータ33は、電流モード制御を通じて調整された電流を可変リンク41に供給し、その結果、可変リンク41の両端間の電圧は、定電流を維持しながら変化する。従来の正弦波ドライブとは異なり、モータードライブ30は、正弦波状のトップ6段階電圧および矩形状の6段階電流を電機子巻線46に提供する。また、モータードライブ30は、従来の正弦波ドライブのように、一度にすべての巻線46に通電するわけではない。三相モーターの場合、三相巻線46のうちの2つだけが一度に通電される。これにより、整流制御がより簡単かつ信頼性の高いものになる。さらに、従来の正弦PWMドライブで駆動されるモーターのベアリングに損傷を与える可能性があるコモンモード電流の生成を排除する。また、従来のBLDCモータードライブとは異なり、モータードライブ30は巻線46に台形電圧を出力しない。その代わりに、特別な調整とサイズ/設計されたフィルターを備えたドライブは、逆起電力の正弦波トップ形状と出力電圧を一致させることができ、効率を向上させながら導通トルクリップルを大幅に低減する。
【0020】
抵抗器42は、可変リンク41内に設けられ、この実施態様では、電流測定を提供するためのスイッチモードコンバータ33と非変調出力インバーター43との間の電力接続である。非変調整流専用出力インバーター43は、整流スイッチングを提供し、電機子巻線46に電流を整流するために一度に2つが通電される、それぞれが三相Hブリッジ内のフリーホイールダイオードを内蔵した6つのIGBTトランジスタ44、45を備える。出力インバーター43内のトランジスタ44、45は、それぞれ、ドライブの動作中に完全にオンおよび完全にオフに切り替えられる。出力インバーター43の整流の制御は、ロータが回転するときの各電機子巻線46の逆起電力のゼロクロスモニタリング47によって行われる。整流スイッチングは、相巻線46のゼロクロスを測定し、コンパレータ48を介して送信した後に進められる。モーター/電機子電流制御54のトルク制御は、バックコンバータ33とMOSFET37のスイッチングとを通じて提供される。モーター速度制御50は、電機子巻線46からの外側ループ50内の周波数フィードバック49を使用し、コンバータ33からの出力および可変電圧リンク41への電流のオン/オフ47を介して提供される。電流モード制御を提供するためのスイッチモードコンバータ33の他の構成としては、例えば1つ以上のトランジスタスイッチングおよびより高い効率の変換をもたらす追加の構成要素も利用することができる。
【0021】
ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスのサイズは、モーターの動作に影響する。
図3Aおよび3Bは、本発明に係らない出力フィルター静電容量およびインダクタンスがゼロに設定されたモータードライブの可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットを示す。可変リンク電圧100は、バックコンバータ33のスイッチングの結果として、振幅106の高周波パルス105で構成される。巻線36の逆起電力101は正弦波である。単一相のみの逆起電力101が示されている。トルクパルスの低減は、出力インバーター43の導通中に逆起電力波形101の形状と一致する駆動出力波形102によって達成される。図示されるように、駆動波形102は、電流の流れおよびトルクについてほぼ均一な差分量103を有する逆起電力波形101と一致する。しかしながら、駆動出力102は、電機子巻線のインダクタンスが非常に低いため、高周波電流高調波を引き起こす重大な高周波リップルを持つ。この高周波電流は、ステータバックアイアン66に重大な磁気誘導損失を引き起こす可能性があり、その結果、許容できない効率の低下とその結果としての加熱が生じる。
【0022】
図4Aおよび4Bは、本発明に係らない非常に大きく設定された出力フィルター静電容量を有する可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットを示す。可変リンク電圧110は、バックコンバータ32のスイッチングの結果として非常にゆっくりとのみ調整される振幅115のDC電圧で構成される。巻線34の逆起電力111は正弦波である。図示されるように、駆動波形112は、完全にオンおよび完全にオフの方形波として提供される。駆動出力波形112は、駆動出力波形のエッジに高い差分部分113を有する逆起電力波形111を有する、変動する差分量114を有し、それは、電流の流れおよびトルクにパルスが生じる。トルクパルスは、望ましくない振動や騒音の発生を引き起こす可能性があり、一方、トルクパルスを引き起こす電流パルスは、電機子巻線36におけるI2R抵抗損失が増加する期間に起因して、望ましくない効率の低下をもたらす可能性がある。
【0023】
電流の流れとその結果生じるトルクのパルスを最小限に抑えながら、高周波高調波電流とステータバックアイアンでの誘導損失を排除するために、バックコンバータ33からのローパスフィルターインダクタンスキャパシタンス、またはフィルターリング周波数の「ゴルディロックス値」が存在することが判明した。これは、電流調整の応答時間が導通期間より大幅に短くなるように、整流周波数よりも数倍高い周波数を有する電流調整スイッチングと組み合わせる必要がある。
図5Aおよび5Bは、本発明に係る出力フィルターインダクタンスおよび静電容量が最適値に設定された場合の可変電圧リンク調整および駆動出力電圧波形のプロットを示す。可変リンク電圧120は、逆起電力波形が空芯モーターの磁極の端で矩形から発散するため、整流と同期する可変振幅成分126を有する平均振幅125の変動DC電圧で構成される。整流周波数はモーターの基本周波数の6倍であり、電流調整スイッチングは整流周波数より少なくとも5倍高いことが好ましい。これにより、電流調整は、出力インバーター43の導通期間中に、不整合な駆動出力電圧波形122および逆起電力波形121からの電流パルスを防止するのに十分な速さで定電流を維持することができる。したがって、駆動出力波形122は、導通領域において逆起電力波形121を模倣する。駆動出力電圧波形122は、調整された電流の流れに対する逆起電力波形121との均一な差分量123を有する。整流と同期する可変リンク電圧120の可変振幅成分126は、波形122、123の構成の有意な差分部分123を低減または除去する。同様に、フィルターコンデンサ39およびフィルターインダクタ38の静電容量およびインダクタンス量は、(MOSFET37の調整スイッチングに起因し、周波数がはるかに高く、整流と同期していない)高周波電流高調波が
図3Aおよび3Bの構成のステータバックアイアン損失を引き起こすことも防止する。
【0024】
図6は、
図2のモータードライブで使用される異なる周波数の比較図表を示す。比較170は、バックコンバータ33の基本周波数171、整流周波数172、ローパスフィルターカットオフ周波数173、および調整スイッチング周波数174をすべて対数スケールで示している。40極モーターの場合、基本周波数171は1.2kHzであり、6段階整流172の周波数はその6倍、つまり7.2kHzである。電流調整スイッチング173は、好ましくは、高周波スイッチングリップルを除去することを可能にし、かつ直流電圧を変化させ、電流パルスが正弦波状に変化する逆起電力を防ぐのに十分な速い応答時間を有するように、はるかに高い。図示のように、ローパスフィルターカットオフ周波数173は、整流周波数172の8倍、すなわち57.6kHzである。ローパスフィルターのインダクタンス38と静電容量39のカットオフ周波数は、1/(2パイ(LC)^1/2)に等しい。さらに、調整スイッチング周波数は5倍高い288kHzに設定されている。これにより、ローパスフィルター38、39がすべての調整スイッチングを効果的にフィルターリングして取り除き(スイッチング高調波損失を防止)、同時に電流モード制御57が出力インバーター43からの正弦波逆起電力形状を正確に追跡できるようにする(導通トルクパルスと追加の抵抗損失と磁気誘導損失を防止する)。
【0025】
導通トルクパルスを防止することが望ましいだけでなく、整流トルクパルスの生成を軽減することも望ましい。整流トルクパルスは、高速で相巻線に電流を瞬時にオンにすることができないことと、低速で動作しているときにフリーホイーリングダイオードを介して電流が流れることによって電流を長く維持することによって、発生する。
図7A、7B、および7Cは、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブの逆起電力、可変電圧リンク調整および駆動出力電流波形のプロットを示す。各相の逆起電力180は正弦波183です。可変リンク電圧181は、好ましくは、出力インバーター43の導通期間186中に合成相184の形状を追跡し、一方の相巻線46をオフにし、他方の相巻線46をオンに切り替えるときに、整流中に電圧185を増加またはスパイクさせる。これにより、オンする相がより速くオンになり、整流トルクリップルが低減される。また、これにより、相電流182が、トルク生成とモーター効率を最大限にするために、ほぼ平坦な頂部188を有する所望の矩形の6段階形状187をとることが可能になる。相電流182は、整流イベント190、191ではわずかに高くなるが、導通189における領域ではわずかに低下するが、概して平らな上部188である。
【0026】
図8Aは、本発明に係るモータードライブで使用する空芯モーターの三相巻線の回路図を示す。概略
図200は、各相201、202、203が、個々の逆起電力207、208、209、相巻線インダクタンス210、211、212、および相巻線抵抗213、214、215の組み合わせである相電圧204、205、206を含むことを示す。相電流216、217、218はすべて、中央ワイ接続219に一緒に流れる。A相電圧204は、逆起電力207と抵抗213の和に相電流216をかけたものに等しい。
【0027】
図8B、8C、および8Dは、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブの巻線逆起電力、巻線相電流×抵抗、およびモーター駆動出力電圧波形のプロットを示す。A相207の逆起電力は正弦波である。A相の相電流にA相巻線の抵抗をかけて得られる積は、平坦な頂部221とオフ期間222を備えた6段階の矩形波220です。結果として得られるA相についての駆動出力電圧波形は、これらの電圧の合計であり、正弦波の頂部を有する6段階電圧波形204である。頂部224は、直線側233およびオフ期間222を有する導通221の間に、逆起電力207の正弦波形状を追跡する。
【0028】
図9は、モーターを備えた6段階モータードライブの従来の様々な問題と、本発明に係るそれぞれを克服するために利用された関連する解決策を示す表を示す。表230からわかるように、コギング231を伴うスロット付きステータ構造からのトルクリップルは、一般的な問題の1つである。この問題としての231は、空芯モーター構造232の使用によって克服される。空芯モーターにはステータ極歯がないため、コギングトルクがない。極歯がないため、電機子巻線はロータとステータのバックアイアンの間の磁気ギャップの内側に配置される。この構造により、電機子巻線のインダクタンスが非常に低くなり、従来のスロット巻線モーターよりもはるかに低くなる。
【0029】
2番目の問題としての233は、相巻線の電流を十分に速く増加できないため、高速での大きな整流トルクリップルから発生する可能性がある。相巻線の電流を急速に増加させる能力は、巻線のインダクタンスによって低下する。この問題は、非常に低いインダクタンス(スロット巻線モーターよりも最大百倍低い)を有する空芯モーター構造234を使用することによっても克服される。空芯構造により、電流応答時間を速くすることが可能となり、高速での整流トルクリップルが低くなる。
【0030】
三番目の問題235としては、低インダクタンスによって電機子巻線235の高周波PWMリップル電流から固定子駆動誘導高調波損失が発生することである。駆動に起因するステータ高調波損失を排除するための解決策としては、可変DCリンクを利用して非変調整流専用駆動出力インバーター236に電力を供給する。滑らかなフィルターリングされた電流が非変調整流専用インバーターと接続された電機子巻線とに供給されるため、モーターの電機子巻線は高周波スイッチング用のフィルターインダクタンスとして機能する必要がなくなった。
【0031】
電流とトルクのリップルの原因となる4番目の問題237としては、インバーター出力電圧波形がモーターの逆起電力波形237と不一致になる。2つの波形の形状が一致しない場合、電流と結果として生じるトルクリップルが発生する。この不一致を解消するために、可変リンクと整流専用インバーターに電力を供給するコンバータは、整流期間238よりも高い周波数と速い応答時間で電流モード制御で動作する。ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスのサイズも、整流とスイッチング調整の周波数に合わせて適切な値、つまり「ゴルディロックス」値に設定される。これにより、電圧出力波形が逆起電力波形をエミュレートするのに十分な速さで自動的に調整されるため、コンバータは導通領域中に定電流を維持できる。
【0032】
5番目および6番目の問題239および241としては、相ターンオフのフリーホイールダイオードのターンオフ遅延と相ターンオンの誘導時定数のターンオン遅延によって整流領域で発生するトルクリップルである。これらの問題239、241は、可変電圧リンク240への定電流を維持する電流モード制御で、かつコンバータが定電流242を維持できるほど十分に高い供給電圧を通じて定電流を維持し続けることができる高速で動作するコンバータによって克服される。高速で整流領域の定電流を維持するコンバータは、可変電圧リンクの定電流を維持するために、オンする相の電流の立ち上がり速度を速くするため、整流中に可変電圧リンクを周期的に上昇させる。
【0033】
前述の
図2に示したように、モータードライブは従来のPWMスイッチングバックコンバータで構成できる。あるいは、フィルターコンポーネントのサイズを減らして効率や周波数を高めるには、バックコンバータは、完全共振スイッチング構成または擬似共振スイッチング構成のいずれかで構成できる。
図10は、本発明に係る空芯モーター用の第2の代替構成のモーター駆動を示す。モータードライブ250は、擬似共振型降圧コンバータ段を使用する6段階ドライブを備える。ドライブ250は、AC供給電力251を、それをDC入力供給電力253に整流する三相電力整流器252に受け取る。モータードライブがDC電力から直接動作する場合、整流器252は省略されてもよい。DC入力供給電力253は、可変電圧リンク261に調整された電流を供給する擬似共振スイッチモードコンバータに電力を供給する。可変電圧リンクは、モーター電機子巻線266に整流スイッチングを提供する非変調または整流専用インバーターに電力を供給する。擬似共振型降圧コンバータ254は、共振およびソフトスイッチングによる低損失で高周波数でスイッチングするSiCMOSFET255で構成される。インダクタ256およびコンデンサ257は共振を提供し、一方、ローパスフィルター258のインダクタンスおよび静電容量は、本発明に係る逆起電力追跡能力を提供するように理想的に設定される。出力ダイオード260はフィルターインダクタ259を導通させる。バックコンバータ254の出力は、可変DCリンク261に供給され、リンク電流測定を可能にするために抵抗器262が挿入される。可変DCリンク261は、非変調出力インバーター263に直流電流を供給する。出力インバーター263は、整流専用のスイッチングを提供する6つのIGBT264、265を備える。結果として、高周波PWM調整スイッチングは電機子巻線266には渡されず、それによってモーターのステータにおける駆動に起因する高調波損失が排除され、最高の効率が得られる。モーターは主に、電気力とシャフト機械力の間で変換を行うためのトランスデューサーであり、フィルターではない。モータードライブ263のさらなる利点は、コモンモード電流が完全に排除されることである。シャフトベアリングに電流が発生しないため、結果として生じる放電ベアリングのピッチングや故障が防止される。モータードライブ263はゼロクロス整流267によって整流され、出力インバーター263はブラシ付きDCモーターの機械整流子と同じように動作する。3つのコンパレータ268は、励磁されていないときのゼロクロスについて電機子巻線266の逆起電力を監視する。コンパレータ268からの信号は、出力インバーター263の整流前進267を起動する。モーター速度制御270は、電機子巻線266の周波数269を監視し、モーターの速度を設定するための基準速度信号271に対するオン/オフ制御によって調整272をすることによって達成される。モーター速度270が基準速度271よりも小さい場合、出力信号273はモータードライブに加速電流および加速トルクを加えるように信号を送信する。トルクを加えるための信号273が存在する場合、電流制御274は、抵抗器262の両端の電圧274または電流を監視することによって、可変DCリンク261への電流のレベルを設定する。監視された電流は基準電流制限253と、電流モード制御のバックコンバータ275の動作によって可変DCリンク240に全電流を加える信号と比較される。電流モード制御を行うにはいくつかの異なる方法があり、ドライブの動作範囲にわたって安定しており、できれば高速で正確な応答が得られるのであれば、どの方法でも構わない。バックコンバータ254のスイッチング調整は、フィルターインダクタ258およびフィルターコンデンサ259のサイズを小さくするために高周波であることが好ましい。また、電流制御が、逆起電力と駆動出力電圧との間に生じる不整合から導通領域中の電流パルスを防止できるように、整流周波数よりも著しく高いことが好ましい。MOSFET255のスイッチング損失の低減、結果としてフィルターインダクタ258およびフィルターコンデンサ259のサイズの低減、さらに高いスイッチング周波数を可能にするために、擬似共振スイッチングが有効となっている。MOSFET255の擬似共振スイッチングのために、共振インダクタ256と共振コンデンサ257がバックコンバータ254に追加される。その結果、MOSFET255は、より低い損失とEMIの発生を抑えたスイッチングが可能になる。あるいは、ゼロ電圧スイッチングを可能にするより複雑な擬似共振バージョンや、LLCなどの完全共振コンバータを含む、他の共振構成のバックコンバータを本発明に係るモータードライブとともに使用して損失を低減することもできる。このようなトポロジーの1つとして、一定の周波数制御も可能になる。このようなPWM擬似共振コンバータでは、ダイオード260は並列に別の半導体スイッチを含む。
【0034】
図11は、本発明に係る空芯モーター用のモータードライブのそれぞれについての電力変換機能ステップおよび関連する電圧波形を示す図である。電力変換機能300は、振幅303および周波数302の三相正弦波供給電圧301を取り込む。三相電圧301は、整流器304によって整流され、リップル電圧305を有する固定DCを生成する。振幅307は振幅303と等しいが、リップル周波数306は供給周波数302の6倍である。リップル電圧を有する固定DCは、ゴルディロックスフィルター308を備え、それをリップル電圧を有する可変リンクDC309に変換されるスイッチモードバックコンバータに接続される。振幅311はモーターを駆動するために変化し、振幅303よりも低くなる。リップル電圧310はリップル周波数306よりも数倍高くなる。リップル電圧を有する可変リンクDCは、それを正弦波トップ電圧および6段階電圧を有する三相モーター供給電力313に変換する非変調インバーター312に電力を供給する。振幅315は振幅311と同じであるが、周波数316は周波数310の1/6である。波形314は6段階であり、極性の反転の間にオフ期間317がある。
【0035】
明らかに、記載された好ましい実施態様の多くの修正および変形が可能であり、本発明のこの開示に照らして当業者には思いつくであろう。したがって、これらの修正および変形、およびそれらの等価物は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲内に含まれることを意図する。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
入力供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、前記逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6ステップ位置センサーレス整流を採用し、
前記スイッチモード電力コンバータは、前記整流インバーターの電源の前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備え、前記調整された電流は、前記巻線の2つの脚間で測定された前記多相巻線のインダクタンスよりも小さい値を持つ前記インダクタンスフィルターのインダクタンスと組み合わされた前記空芯電機子巻線への重大なスイッチング誘導高調波リップル電流を防止するのに十分な高い調整周波数でスイッチングされ、前記ローパスフィルターインダクタンスキャパシタンスは、同時に、前記モータードライブの出力電圧が前記出力インバーターの導通期間中に逆起電力波形の正弦波形状を追跡できるのに十分に低い値を
有し、
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する電子モータードライブ。
【請求項2】
前記モータードライブは、前記出力インバーターの前記導通期間中に、正弦波状のトップ6段階電圧波形と矩形形状の6段階電流波形を同時に空芯電機子巻線に供給する請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項3】
前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記モータードライブによって前記多相空芯電機子巻線に供給される電圧波形が、前記出力インバーターの前記導通期間中の前記逆起電力波形の前記形状を模倣し、前記モータードライブは、前記出力インバーターの整流期間中に前記可変電圧リンクへの電圧を増加させる請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項4】
前記供給電力のピーク電圧は、前記モーターがフルスピードで動作しているときに前記空芯モーター巻線の2本のレッグ間で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であることにより、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルが減少し、整流期間中の前記可変電圧リンクの前記電圧を前記出力インバーターの前記導通期間よりも高くすることができる請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項5】
前記電源は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項6】
前記スイッチモード電力コンバータは、ゼロ電圧切り替えを可能にするために共振を採用する請求項1に記載の電子モータードライブ。
【請求項7】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
入力供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、逆起電力の測定を通じて制御される、一度に前記フェーズレグの一部のみを励起する段階的整流を採用し、
前記スイッチモード電力コンバータは、前記整流インバーターに電力を供給する前記可変電圧リンクの前に、ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備え、前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記可変電圧リンクの電圧波形は、前記整流インバーターの導通期間中に前記多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、前記整流インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの前記電圧を
スパイクし、
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモード電力コンバータの前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する電子モータードライブ。
【請求項8】
前記モータードライブは、前記出力インバーターの前記導通期間中に、正弦波状のトップ6段階電圧波形と矩形形状の6段階電流波形を同時に空芯電機子巻線に供給する請求項
7に記載の電子モータードライブ。
【請求項9】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモードコンバータと前記非変調整流インバーターとの間に、その値が前記多相空芯電機子巻線の2つの脚にわたるインダクタンスよりも小さい総直列インダクタンスを備える請求項
7に記載の電子モータードライブ。
【請求項10】
前記供給電力は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項
7に記載の電子モータードライブ。
【請求項11】
前記スイッチモード電力コンバータは、ゼロ電圧切り替えを可能にするために共振を採用する請求項
7に記載の電子モータードライブ。
【請求項12】
前記モータードライブは、前記モーターが全速で動作しているときに、前記空芯モーター巻線の2本の脚で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であるピーク電圧を有する前記供給電力によって、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルを低減し、前記可変電圧リンクの前記電圧は、前記出力インバーターの前記導通期間よりも整流期間中に高くなる請求項
7に記載の電子モータードライブ。
【請求項13】
正弦逆起電力を有する永久磁石空芯同期モーターを駆動するための電子モータードライブであって、
前記モータードライブは、供給電力の接続に接続され、前記供給電力を電流モード制御出力で変換し、調整された電流を可変電圧リンクに供給するスイッチモード電力コンバータを備え、
前記可変電圧リンクは、空芯モーターの多相空芯電機子巻線に通電する非変調整流インバーターに接続され、それに前記調整された電流を供給し、前記モータードライブは、前記逆起電力の測定によって制御される、一度に2つのフェーズレグのみを励起する6ステップ位置センサーレス整流を採用し、
前記供給電力は、供給電力電圧振幅と供給電力周波数が固定された三相正弦波AC電圧で構成され、
前記供給電源に接続された整流器は、前記供給電源電圧を、前記供給電源周波数の6倍の周波数を持つリップルを持つ入力DC電圧に変換し、
前記整流器によって供給される前記スイッチモード電力コンバータは、リップルを持つ前記入力DC電圧を、リップルを持つ前記入力DC電圧よりも高い周波数を有する可変電圧リンクDC電圧に変換し、かつローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターを備えるバックコンバータを備え、
前記可変電圧リンクに接続された前記非変調整流インバーターは、リップルを持つ前記可変リンクDC電圧を三相ACモーター供給電力に変換し、各相電圧は、リップルを持つ前記可変電圧リンクDC電圧の周波数の1/6に等しい周波数を持つ正弦波状の最高6ステップ電圧波形を
備え、
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記電流スイッチング調整周波数の半分未満であるが、前記出力インバーターの前記整流周波数の5倍を超えるカットオフ周波数を有する電子モータードライブ。
【請求項14】
前記供給電力は、前記スイッチモード電力コンバータに供給される前に、制御されない整流器によってDCに変換されるAC商用電源で構成され、前記非制御整流器により調整された後の前記DC両端のフィルター静電容量は十分に低くなるように、アクティブな力率補正を使用しない状況で前記AC商用電源に反映される力率が0.90を超える請求項
13に記載の電子モータードライブ。
【請求項15】
前記ローパスインダクタンスキャパシタンスフィルターは、前記スイッチモードコンバータと前記非変調整流インバーターとの間に、その値が前記多相空芯電機子巻線の2つの脚にわたるインダクタンスよりも小さい総直列インダクタンスを備える請求項
13に記載の電子モータードライブ。
【請求項16】
前記ローパスフィルターと組み合わせた前記電流調整により、前記可変電圧リンクの電圧波形は、前記出力インバーターの導通期間中に前記多相空芯電機子巻線の組み合わせた逆起電力を模倣し、前記出力インバーターの整流期間中に可変電圧リンクの前記電圧をスパイクする請求項
13に記載の電子モータードライブ。
【請求項17】
前記モータードライブは、前記モーターが全速で動作しているときに、前記空芯モーター巻線の2本の脚で測定される前記逆起電力の最大ピーク値の少なくとも2倍であるピーク電圧を有する前記供給電力によって、前記空芯同期モーターの整流トルクリップルを低減し、前記可変電圧リンクの前記電圧は、前記出力インバーターの前記導通期間よりも整流期間中に高くなる請求項
13に記載の電子モータードライブ。
【請求項18】
前記スイッチモード電力コンバータは、ゼロ電圧切り替えを可能にするために共振を採用する請求項13に記載の電子モータードライブ。
【国際調査報告】