(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】安定剤組成物、安定剤組成物の使用、縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法、及び加水分解安定化された組成物、及びそれから得られる成形品又は成形部品
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240228BHJP
C08K 5/3412 20060101ALI20240228BHJP
C08K 3/26 20060101ALI20240228BHJP
C08K 3/34 20060101ALI20240228BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/3412
C08K3/26
C08K3/34
C08K3/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553994
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2022057056
(87)【国際公開番号】W WO2022195041
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021202598.6
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598080163
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルシュタイン、ジャニック
(72)【発明者】
【氏名】メッチ-ジリゲン、エルケ
(72)【発明者】
【氏名】プファエンドナー、ルドルフ
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA011
4J002CF001
4J002CF031
4J002CF051
4J002CF061
4J002CF071
4J002CF081
4J002CF181
4J002CG001
4J002CG011
4J002CL001
4J002CL011
4J002CL031
4J002DE097
4J002DE287
4J002DJ007
4J002EU016
4J002FD036
4J002FD037
4J002FD040
4J002FD070
(57)【要約】
本発明は、アジリジン及び少なくとも1種のハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト、又はそれらの混合物に基づく新規安定剤組成物に関する。安定剤組成物は、縮合ポリマー、とりわけ脂肪族ポリエステルを加水分解による分解に対して安定化させるのに好適である。本発明はまた、本発明による安定剤組成物の使用及び縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法に関する。更に、本発明は、本発明による組成物から作製可能である成形部品及び成形体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のアジリジン及び
少なくとも1種のハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト又はそれらの混合物
からなる安定剤組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のアジリジンが、例えば以下の構造:
A)単官能性アジリジン類
1-アジリジンカルボキサミド、N-オクタデシル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-フェニル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-シクロヘキシル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-1-ナフタレニル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-デシル-;
N-ベンジルオキシカルボニルアジリジン;
(4-メトキシフェニル)(2-メチル-1-アジリジニル)メタノン;
N-(4-シクロヘキシルフェニル)-1-アジリジンカルボキサミド;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-4-ピリジンピリジンカルボン酸;
6-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-3-ピリジンメタンアミン;
6-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-2-ピリジンピリジンカルボン酸;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]ピリジン;
2-メチル-アジリジン;
2-[1-(1-アジリジニルメチル)プロポキシ]-ピリジン;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-4-ピリジンメタンアミン;
B)二官能性アジリジン類
N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサミド);
N,N'-(メチレンジ-p-フェニレン)ビス(アジリジン-1-カルボキサミド);
N,N'-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-メチル-1-アジリジンカルボキサミド];
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3,3'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(1,4-フェニレンジ-2,1-エタンジイル)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-1,4-フェニレンビス-;
N,N'-(ヘキサン-1,6-ジイル)ビス(2-メチルアジリジン-1-カルボキサミド);
N,N'-1,2-エタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,3-プロパンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,4-ブタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,5-ペンタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,6-ヘキサンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,7-ヘプタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,8-オクタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,9-ノナンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,10-デカンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3-ヒドロキシ-1,5-ペンタンジイル)ビス-
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-1,5-ナフタレンジイルビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3,3'-ジメトキシ[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-;ペンタン
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(メチル-1,3-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-;
ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル),α-[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]-ω-[[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]オキシ]-;
N,N''-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[N'-1-アジリジニル尿素;
C)三官能性アジリジン類
ペンタエリトリトールトリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート];
トリメチロールプロパントリス[3-(2-メチルアジリジン-1-イル)プロピオネート];
トリメチロールプロパントリス[3-(アジリジン-1-イル)プロピオネート];
1-アジリジンプロピオン酸、2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイルエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、α-メチル、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-[[(1-アジリジニルアセチル)オキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイルエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル-、1,1',1''-(2-エチル-1,2,3-プロパントリイル)エステル;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N',N''-(メチリジントリ-4,1-フェニレン)トリス;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[[[6-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]ヘキシル]イミノ]ビス(カルボニルイミノ-6,1-ヘキサンジイル)]ビス-;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル、1,1'-[2-エチル-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジイル]エステル;
ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、α,α',α''-1,2,3-プロパントリイルトリス[ω-[[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]オキシ]-;アジリジン、1,1',1''-(s-フェネニルトリカルボニル)トリス[2-メチル-;
D)四官能性アジリジン類
ペンタエリトリトールテトラキス(β-アジリジノ)プロピオネート;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2,2-ビス[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル、1,1'-[2,2-ビス[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンエタノール、α,α'-[[2,2-ビス[2-ヒドロキシ-3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビス[2-メチル-;
エタノン、2,2',2'',2'''-[[2,2'-ビピリジン]-6,6'-ジイルビス(メチレンニトリロ)]テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
1,5-ペンタンジオン、2-[ビス[2-(2-メチル-1-アジリジニル)-2-オキソエチル]アミノ]-1,5-ビス(2-メチル-1-アジリジニル)-;
エタノン、2,2',2'',2'''-(1,2-エタンジイルジニトリロ)テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
メタノン、1,1',1'',1'''-(1,4,5,8-ナフタレンテトライル)テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
1-アジリジンエタノール、α,α'-[[2,2-ビス[2-ヒドロキシ-3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビス[2-メチル-;
E)多官能性アジリジン類
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロポキシ]メチル]-2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル-、1,1'-[2-[[3-[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロポキシ]メチル]-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、β,2-ジメチル、ベンジルヘキサイルヘキサメチレンエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-エチル-β-メチル、ベンジルヘキサイルヘキサキス(メチレン)エステル;
並びに前記単官能性アジリジン類、二官能性アジリジン類、三官能性アジリジン類、四官能性アジリジン類及び/又は多官能性アジリジン類の混合物及び組み合わせ
を有する、単官能性、二官能性、三官能性、四官能性及び/又は多官能性アジリジン類からなる群から選択される、請求項1に記載の安定剤組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のアジリジンが、以下の化合物
【化108】
【化109】
【化110】
【化111】
【化112】
【化113】
【化114】
【化115】
【化116】
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の安定剤組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のハイドロタルサイトが、一般式
(M
2+)
1-x・(M
3+)
x・(OH)
2・(A
n-)
x/n・mH
2O
(式中、
M
2+ Mg、Ca、Sr又はZnの群からの1又は複数の金属、
M
3+ Al又はB、
A イオン価がnのアニオン、好ましくは、OH
-、HCO
3
-、CH
3COO
-、C
6H
5COO
-、CO
3
2-、SO
4
2-、HPO
4
2-、
n 1又は2、
0<x<0.5、及び
m 0~20の数)
の化合物からなる群から選択され、
特に、前記ハイドロタルサイトが、
Ca
4Al
2(OH)
12CO
3・5H
2O、Al
2O
3・6MgO・CO
2・12H
2O、Mg
4.5Al
2(OH)
13・CO
3・3.5H
2O、Mg
6Al
2(OH)
16・CO
3・4H
2O、4MgO・AlO
3・CO
2・9H
2O、4MgO・Al
2O
3・CO
2・6H
2O、ZnO・3MgO・Al
2O
3・CO
2・8~9H
2O及びZnO・3MgO・Al
2O
3・CO
2・5~6H
2O
からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の安定剤組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のドーソナイトが、一般式
{(M
2O)
m・(Al
2O
3)・Z
o・pH
2O}
(式中、
M H、Li、Na、K、Mg
1/2、Ca
1/2、Sr
1/2、Zn
1/2からなる群から選択される元素;
Z CO
2、SO
2、(Cl
2O
7)
1/2、B
4O
6、S
2O
2(チオサルフェート)及び/又はC
2O
2(オキサレート)からなる群から選択される置換基;
m MがMg
1/2、Ca
1/2である場合、1及び2の間の数、他の全ての場合、1及び3の間の数;
n 1及び4の間の数;
o 2及び4の間の数;及び
p 0及び30の間の数)
の化合物からなる群から選択され、
特に、前記少なくとも1種のドーソナイトが、
アルミノ炭酸カリウム{(K
20)・(Al
2O
3)・(CO
2)
2・2H
2O}、アルミノチオ硫酸ナトリウム{(Na
20)・(Al
2O
3)・(S
2O
2)
2・2H
2O}、アルミノ亜硫酸カリウム{(K
20)・(Al
2O
3)・(SO
2)
2・2H
2O}、アルミノシュウ酸カルシウム{(CaO)・(Al
2O
3)・(C
2O
2)
2・5H
2O}、アルミノ四ホウ酸マグネシウム{(MgO)・(Al
2O
3)・(B
4O
6)
2・5H
2O}、アルミノジヒドロキシ炭酸ナトリウム、アルミノジヒドロキシ炭酸カリウム、及び天然に存在するアルカリアルミノ炭酸塩鉱物、例えば、インジギライト、ツニサイト、アルミノハイドロカルサイト及びストロンチオドレッセライト
からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の安定剤組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のゼオライトが、一般式
M
x/n[(AlO
2]
x(SiO
2)
y・wH
2O
(式中、
n カチオンMの電荷;
M 第1又は第2主族の元素、とりわけLi、Na、K、Mg、Ca、Sr又はBa;
y:x 0.8~15、好ましくは0.8~1.2の値、及び
w 0~300、好ましくは0.5~5の数)
の化合物からなる群から選択され、
特に、前記少なくとも1種のゼオライトが、
式Na
12Al
12Si
12O
48・27H
2O[ゼオライトA]、Na
6Al
6Si
5O
24・2NaX・7.5H
2O(X=OH、ハロゲン、ClO
4[ソーダライト]);Na
6Al
6Si
30O
72・24H
2O;Na
8Al
8Si
40O
95・24H
2O;Na
16Al
16Si
24O
80・16H
2O;Na
16Al
16Si
32O
96・16H
2O;Na
56Al
56Si
136O
384・250H
2O[ゼオライトY]、Na
86Al
86Si
106O
384・264H
2O[ゼオライトX];K
9Al
9Si
27O
72・22H
2O[ゼオライトL]のアルミノケイ酸ナトリウム;及び前記ゼオライトのNa原子の一部又は全部がLi、K、Mg、Ca、Sr又はZn原子に置き換えられているゼオライト、例えば、特に(Na,K)
10Al
10Si
22O
64・20H
2O、Ca
4.5Na
3[(AlO
2)
12(SiO
2)
12・30H
2O及びK
9Na
3[(AlO
2)
12SiO
2)
12]・27H
2O
からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の安定剤組成物。
【請求項7】
前記ハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト又はそれらの混合物が好ましくは無水物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の安定剤組成物。
【請求項8】
前記アジリジン全体の、前記少なくとも1種のハイドロタルサイト、ドーソナイト及び/又はゼオライト全体に対する重量比が、20:1~1:20、好ましくは10:1~1:10、より好ましくは5:1~1:5である、請求項1から7のいずれか一項に記載の安定剤組成物。
【請求項9】
縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための、請求項1から8のいずれか一項に記載の安定剤組成物の使用。
【請求項10】
縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法であって、請求項1から8のいずれか一項に記載の安定剤組成物が前記縮合ポリマーと混和又はブレンドされる、方法。
【請求項11】
前記安定剤組成物が、前記縮合ポリマーに対して0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%の重量比で使用又は混和される、請求項9又は10に記載の使用又は方法。
【請求項12】
前記縮合ポリマーが、
a)ポリアミド、例えば、ポリアミド6、6.6、6.9、6.10、4.6、4.10、6.12、10.10、10.12、12.12、ポリアミド4、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド11、ポリアミド12など、並びに(部分)芳香族ポリアミド、例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸から例えば生成されるポリフタルアミドなど、及び脂肪族ジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン又はm-キシリレンジアミン、又は例えばアジピン酸又はセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸からのものなど、及び芳香族ジアミン、例えば1,4-又は1,3-ジアミノベンゼンなど、例えばポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6I、ポリアミド6-3-Tと称されるもの、種々のポリアミドのブレンド、例えばPA6及びPA6.6、PA6T及びPA6I、PA6.6及びPA6Tなど、又はポリアミド及びポリオレフィンのブレンド、例えばPA/PP又はPA/PEなど、
b)脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及びジオールの、又はヒドロキシカルボン酸のポリエステル、特に脂肪族ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリエチレンナフチレート(PEN)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトンなど、
c)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、並びにブレンド、例えばPC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、PC/PA、
d)並びに前記縮合ポリマーの2種以上の混合物、組み合わせ又はブレンド
からなる群から選択される、請求項9から11のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項13】
少なくとも1種の縮合ポリマー及び
請求項1から8のいずれか一項に記載の安定剤組成物
を備えるか又はそれからなる、加水分解安定化された組成物。
【請求項14】
前記安定剤組成物を、前記縮合ポリマーに対して0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、特に好ましくは0.1~3重量%の重量比で備える、請求項13に記載の加水分解安定化された組成物。
【請求項15】
二次酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン劣化防止剤、核形成剤、核形成防止剤、衝撃改質剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロープ剤、鎖延長剤、加工助剤、離型助剤、難燃剤、顔料、色素、蛍光増白剤、抗菌剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、連結剤、架橋剤、架橋防止剤、親水性化剤、疎水性化剤、加水分解安定剤、接着促進剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、発泡剤、分解添加剤、消泡剤、臭気捕捉剤、マーキング剤、防曇剤、フィラー及び強化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を備える、請求項13又は14に記載の加水分解安定化された組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1種の縮合ポリマーが、脂肪族ポリエステルからなる群から選択される、請求項13から15のいずれか一項に記載の加水分解安定化された組成物。
【請求項17】
例えば電気電子産業、建築業、運送業(自動車、航空機、船舶、鉄道)のため、医学的用途のため、家庭用及び電気機器、車両部品、消費財、梱包材、家具、テキスタイルのための、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダリング、プレス加工、スピニング加工、回転成形を介して作製される、請求項13から16のいずれか一項に記載の加水分解安定化された組成物から作製可能な成形部品又は成形品、特に、箔又はフィルム、フォーム、繊維、ケーブル及びチューブ、プロファイル、中空体、テープ、ジオメンブレンなどの膜、又は接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジリジン及び少なくとも1種のハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト、又はそれらの混合物に基づく新規安定剤組成物に関する。安定剤組成物は、縮合ポリマー、とりわけ脂肪族ポリエステルを加水分解による分解に対して安定化させるのに好適である。本発明はまた、本発明による安定剤組成物の使用及び縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法に関する。更に、本発明は、本発明による組成物から作製可能である成形部品及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル、ポリアミド、及びポリカーボネートなどの重縮合ポリマーは、これらのポリマーの化学結合が水によって切断され得るため、基本的に加水分解感受性ポリマーとして分類されている。これは、例えば環境中でのこれらのポリマーの分解には有利であり得るが、とりわけ技術的用途及び所望の延長された耐用年数に関して不利となる場合も多い。化石原料由来のポリマーは、次第に、再生可能原料由来のポリマーに置き換えられている。これらの「バイオ」ポリマーは、例えば、ポリラクチド又はPLAとしても公知のポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルに基づく。しかしながら、脂肪族エステル基は明確に、(部分)芳香族エステル基よりも加水分解に対する感受性が高い(例えば、M.Droescher et al,Angewandte Makromolekulare Chemie(「Applied Macromolecular Chemistry」)1984,128,203-213を参照されたい)。
【0003】
重縮合ポリマー及びPLAの加水分解安定性を改善することは周知の課題である。例えば、WO2012072489は、加水分解安定剤として、カルボジイミド類、ポリカルボジイミド類、エポキシド、アルキルケテンダイマー及びオキサゾリジノンに言及している。CN101759969は、カルボジイミド類、エポキシ、オキサゾリン類、オキサジン類又はアジリジン類を備えるPLAベースの加水分解耐性組成物を記載している。エポキシドの形態の加水分解安定剤に加えて、酸化カルシウム又はケイ酸カルシウムなどの更なる添加剤を備える組成物もまた、例えばWO94/24201から公知である。ポリエステル及びPLAにおけるアジリジン類の使用は、例えばUS3959228、TW1472575又はUS2014/0100318に更に言及されている。しかしながら、フィラーなどの特定の添加剤は、加水分解耐性に悪影響を及ぼす場合もあり、例えば、モンモリロナイトなどの層状シリケートは、PLAの加水分解を促進することが公知である(A.Rapacz-Kmita et al.Materials Letters 2015,146,73-76、Q.Zhao et al.Polymer Degradation and Stability 2008,93,1450-1459)。
【0004】
加えて、アジリジン類、ハイドロタルサイト及び分解性ポリマーを含み得る掘削流体が公知である(WO2015/065575)。
【0005】
したがって、最も直近の従来技術は、アジリジン類を備える重縮合物によって構成される。例えば、ポリエステル及びPLAにおけるアジリジン類の使用は、US3959228、TW1472575、US2014/0100318又はUS2016/024297に言及されている。
【0006】
したがって、重縮合ポリマー、特にポリエステル、とりわけPLAなどの脂肪族ポリエステルの加水分解安定性を、これらのポリマーの可能な用途を拡大するために向上させる必要性が存在する。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する安定剤組成物に関して達成される。請求項9は、安定剤組成物の可能な使用を開示し、請求項10は、縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法に関する。請求項13は、加水分解安定化された組成物に関し、請求項17は、加水分解安定化された組成物から作製可能な成形部品又は成形品に関する。
【0008】
従属請求項はそれぞれ、有利な発展形態に関する。
【0009】
したがって、第1の態様において、本発明は、少なくとも1種のアジリジン、及び少なくとも1種のハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト又はそれらの混合物からなる安定剤組成物に関する。
【0010】
アジリジン類とハイドロタルサイト、ゼオライト又はドーソナイトとの組み合わせを備えるポリエステルが特に良好な加水分解安定性を示すことは、驚くべきことであると考えられる。これらの組み合わせは、まだ文献に記載されていない。
【0011】
ポリエステル又はポリアミドなどの重縮合ポリマーの新たな加水分解安定化された可塑性組成物、並びに、とりわけPLAなどのバイオポリマーに対して高い有効性を有する、加水分解安定性を改善するための新たな安定剤組成物が提供される。
【0012】
好ましい実施形態において、前記少なくとも1種のアジリジンは、例えば以下の構造:
A)単官能性アジリジン類
1-アジリジンカルボキサミド、N-オクタデシル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-フェニル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-シクロヘキシル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-1-ナフタレニル-;
1-アジリジンカルボキサミド、N-デシル-;
N-ベンジルオキシカルボニルアジリジン;
(4-メトキシフェニル)(2-メチル-1-アジリジニル)メタノン;
N-(4-シクロヘキシルフェニル)-1-アジリジンカルボキサミド;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-4-ピリジンピリジンカルボン酸;
6-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-3-ピリジンメタンアミン;
6-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-2-ピリジンピリジンカルボン酸;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]ピリジン;
2-[2-(1-アジリジニル)エトキシ]-4-ピリジンメタンアミン;
2-メチル-アジリジン;
2-[1-(1-アジリジニルメチル)プロポキシ]-ピリジン;
B)二官能性アジリジン類
N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサミド);
N,N'-(メチレンジ-p-フェニレン)ビス(アジリジン-1-カルボキサミド);
N,N'-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-メチル-1-アジリジンカルボキサミド];
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3,3'-ジメチル[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(1,4-フェニレンジ-2,1-エタンジイル)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-1,4-フェニレンビス-;
N,N'-(ヘキサン-1,6-ジイル)ビス(2-メチルアジリジン-1-カルボキサミド);
N,N'-1,2-エタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,3-プロパンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,4-ブタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,5-ペンタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,6-ヘキサンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,7-ヘプタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,8-オクタンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,9-ノナンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
N,N'-1,10-デカンジイルビス[1-アジリジンカルボキサミド];
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3-ヒドロキシ-1,5-ペンタンジイル)ビス-
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-1,5-ナフタレンジイルビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(3,3'-ジメトキシ[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス-;ペンタン
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-(メチル-1,3-フェニレン)ビス-;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルビス-;
ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル),α-[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]-ω-[[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]オキシ]-;
N,N''-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[N'-1-アジリジニル尿素;
C)三官能性アジリジン類
ペンタエリトリトールトリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート];
トリメチロールプロパントリス[3-(2-メチルアジリジン-1-イル)プロピオネート];
トリメチロールプロパントリス[3-(アジリジン-1-イル)プロピオネート];
1-アジリジンプロピオン酸、2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイルエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、α-メチル、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-[[(1-アジリジニルアセチル)オキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイルエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル-、1,1',1''-(2-エチル-1,2,3-プロパントリイル)エステル;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N',N''-(メチリジントリ-4,1-フェニレン)トリス;
1-アジリジンカルボキサミド、N,N'-[[[6-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]ヘキシル]イミノ]ビス(カルボニルイミノ-6,1-ヘキサンジイル)]ビス-;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル、1,1'-[2-エチル-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-エチル-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジイル]エステル;
ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、α,α',α''-1,2,3-プロパントリイルトリス[ω-[[[[3-[(1-アジリジニルカルボニル)アミノ]-4-メチルフェニル]アミノ]カルボニル]オキシ]-;アジリジン、1,1',1''-(s-フェネニルトリカルボニル)トリス[2-メチル-;
D)四官能性アジリジン類
ペンタエリトリトールテトラキス(β-アジリジノ)プロピオネート;
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2,2-ビス[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル、1,1'-[2,2-ビス[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンエタノール、α,α'-[[2,2-ビス[2-ヒドロキシ-3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビス[2-メチル-;
エタノン、2,2',2'',2'''-[[2,2'-ビピリジン]-6,6'-ジイルビス(メチレンニトリロ)]テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
1,5-ペンタンジオン、2-[ビス[2-(2-メチル-1-アジリジニル)-2-オキソエチル]アミノ]-1,5-ビス(2-メチル-1-アジリジニル)-;
エタノン、2,2',2'',2'''-(1,2-エタンジイルジニトリロ)テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
メタノン、1,1',1'',1'''-(1,4,5,8-ナフタレンテトライル)テトラキス[1-(2-メチル-1-アジリジニル)-;
1-アジリジンエタノール、α,α'-[[2,2-ビス[2-ヒドロキシ-3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビス[2-メチル-;
E)多官能性アジリジン類
1-アジリジンプロピオン酸、1,1'-[2-[[3-[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロポキシ]メチル]-2-[[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-メチル-、1,1'-[2-[[3-[3-(1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロポキシ]メチル]-2-[[3-(2-メチル-1-アジリジニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;
1-アジリジンプロピオン酸、β,2-ジメチル、ベンジルヘキサイルヘキサメチレンエステル;
1-アジリジンプロピオン酸、2-エチル-β-メチル、ベンジルヘキサイルヘキサキス(メチレン)エステル;
並びに前記アジリジン類の混合物及び組み合わせ
を有する、単官能性、二官能性、四官能性及び/又は多官能性アジリジン類からなる群から選択される。
【0013】
本明細書で特に好適なアジリジン類は、
【化1】
N,N'-(メチレンジ-p-フェニレン)ビス(アジリジン-1-カルボキサミド)、
【化2】
ペンタエリトリトールトリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]
【化3】
N,N'-(ヘキサン-1,6-ジイル)ビス(2-メチルアジリジン-1-カルボキサミド)
【化4】
トリメチロールプロパントリス[3-(2-メチルアジリジン-1-イル)プロピオネート]
【化5】
トリメチロールプロパントリス[3-(アジリジン-1-イル)プロピオネート]
である。
【0014】
他の好ましいアジリジン類は、WO2020/020714及びWO2021/148570に記載されている。言及されているアジリジン類に関連するこれらの特許出願の開示内容は、本発明の開示内容の一部となる。
【0015】
特に好ましいアジリジン類は、以下の化合物である:
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【0016】
言及されているアジリジン類のいくつかは、例えばMenadiona社(Barcelona、Spain)又はPolyaziridine LLC(Palm Beach、USA)から市販されている。
【0017】
好ましくは、前記少なくとも1種のハイドロタルサイトは、一般式
(M2+)1-x・(M3+)x・(OH)2・(An-)x/n・mH2O
(式中、
M2+ Mg、Ca、Sr又はZnの群からの1又は複数の金属、
M3+ Al又はB、
A イオン価がnのアニオン、好ましくは、OH-、HCO3
-、CH3COO-、C6H5COO-、CO3
2-、SO4
2-、HPO4
2-、
n 1又は2、
0<x<0.5、及び
m 0~20の数)
の化合物からなる群から選択される。
【0018】
特に、前記ハイドロタルサイトは、Ca4Al2(OH)12CO3・5H2O、Al2O3・6MgO・CO2・12H2O、Mg4.5Al2(OH)13・CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16・CO3・4H2O、4MgO・AlO3・CO2・9H2O、4MgO・Al2O3・CO2・6H2O、ZnO・3MgO・Al2O3・CO2・8~9H2O及びZnO・3MgO・Al2O3・CO2・5~6H2Oからなる群から選択される。
【0019】
前記少なくとも1種のドーソナイトが、一般式
{(M2O)m・(Al2O3)・Zo・pH2O}
(式中、
M H、Li、Na、K、Mg1/2、Ca1/2、Sr1/2、Zn1/2からなる群から選択される元素;
Z CO2、SO2、(Cl2O7)1/2、B4O6、S2O2(チオサルフェート)及び/又はC2O2(オキサレート)からなる群から選択される置換基;
m MがMg1/2、Ca1/2である場合、1及び2の間の数、他の全ての場合、1及び3の間の数;
n 1及び4の間の数;
o 2及び4の間の数;及び
p 0及び30の間の数)
の化合物からなる群から選択される場合、更に有利である。
【0020】
特に、前記少なくとも1種のドーソナイトは、アルミノ炭酸カリウム(potassium aluminocarbonate){(K20)・(Al2O3)・(CO2)2・2H2O}、アルミノチオ硫酸ナトリウム(sodium aluminothiosulphate){(Na20)・(Al2O3)・(S2O2)2・2H2O}、アルミノ亜硫酸カリウム(potassium aluminosulphite){(K20)・(Al2O3)・(SO2)2・2H2O}、アルミノシュウ酸カルシウム(calcium aluminooxalate){(CaO)・(Al2O3)・(C2O2)2・5H2O}、アルミノ四ホウ酸マグネシウム(magnesium aluminotetraborate){(MgO)・(Al2O3)・(B4O6)2・5H2O}、アルミノジヒドロキシ炭酸ナトリウム(sodium aluminodihydroxycarbonate)、アルミノジヒドロキシ炭酸カリウム(potassium aluminodihydroxycarbonate)、及び天然に存在するアルカリアルミノ炭酸塩鉱物、例えば、インジギライト(indigirite)、ツニサイト(tunisite)、アルミノハイドロカルサイト(aluminohydrocalcite)及びストロンチオドレッセライト(strontiodresserite)からなる群から選択される。
【0021】
好ましくは、前記少なくとも1種のゼオライトは、一般式
Mx/n[(AlO2]x(SiO2)y・wH2O
(式中、
n カチオンMの電荷;
M 第1又は第2主族の元素、とりわけLi、Na、K、Mg、Ca、Sr又はBa;
y:x 0.8~15、好ましくは0.8~1.2の値、及び
w 0~300、好ましくは0.5~5の数)
の化合物からなる群から選択される。
【0022】
特に、前記少なくとも1種のゼオライトは、式Na12Al12Si12O48・27H2O[ゼオライトA]、Na6Al6Si5O24・2NaX・7.5H2O(X=OH、ハロゲン、ClO4[ソーダライト]);Na6Al6Si30O72・24H2O;Na8Al8Si40O95・24H2O;Na16Al16Si24O80・16H2O;Na16Al16Si32O96・16H2O;Na56Al56Si136O384・250H2O[ゼオライトY]、Na86Al86Si106O384・264H2O[ゼオライトX];K9Al9Si27O72・22H2O[ゼオライトL]のアルミノケイ酸ナトリウム;及び前記ゼオライトのNa原子の一部又は全部がLi、K、Mg、Ca、Sr又はZn原子に置き換えられているゼオライト、例えば、特に(Na,K)10Al10Si22O64・20H2O、Ca4.5Na3[(AlO2)12(SiO2)12・30H2O及びK9Na3[(AlO2)12SiO2)12]・27H2Oからなる群から選択される。
【0023】
特に、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ドーソナイト又はそれらの混合物が無水配合物として使用される場合は有利である。
【0024】
本発明による安定剤組成物において、前記アジリジン全体の、前記少なくとも1種のハイドロタルサイト、ドーソナイト及び/又はゼオライト全体に対する重量比が、20:1~1:20、好ましくは10:1~1:10、より好ましくは5:1~1:5である場合は更に有利である。
【0025】
加えて、本発明は、縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための、上に記載した本発明による安定剤組成物の使用に関する。
【0026】
別の態様では、本発明は、縮合ポリマーを加水分解による分解に対して安定化させるための方法であって、本発明による前述の安定剤組成物が前記縮合ポリマーと混和又はブレンドされる、方法に関する。
【0027】
本発明による使用及び本発明による方法の両方は、前記安定剤組成物が、前記重縮合ポリマーに対して0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%の重量比で使用又は混和されるという点において有利に識別される。
【0028】
加えて、本発明は、少なくとも1種の縮合ポリマー並びに請求項1から8のいずれか一項に記載の本発明による安定剤組成物を備えるか又はそれからなる、加水分解安定化された組成物に関する。
【0029】
使用、方法又は組成物の好ましい実施形態では、前記重縮合ポリマーが、
a)ポリアミド、例えば、ポリアミド6、6.6、6.9、6.10、4.6、4.10、6.12、10.10、10.12、12.12、ポリアミド4、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド11、ポリアミド12など、並びに(部分)芳香族ポリアミド、例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸から例えば生成されるポリフタルアミドなど、及び脂肪族ジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン又はm-キシリレンジアミン、又は例えばアジピン酸又はセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸からのものなど、及び芳香族ジアミン、例えば1,4-又は1,3-ジアミノベンゼンなど、例えばポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6I、ポリアミド6-3-Tと称されるもの、種々のポリアミドのブレンド、例えばPA6及びPA6.6、PA6T及びPA6I、PA6.6及びPA6Tなど、又はポリアミド及びポリオレフィンのブレンド、例えばPA/PP又はPA/PEなど、
b)脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及びジオールの、又はヒドロキシカルボン酸のポリエステル、特に脂肪族ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate:PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate:PTT)、ポリプロピレンテレフタレート(polypropylene terephthalate:PPT)、ポリエチレンナフチレート(polyethylene naphthylate:PEN)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸(polylactic acid:PLA)、ポリヒドロキシブチレート(polyhydroxybutyrate:PHB)、ポリヒドロキシバレレート(polyhydroxyvalerate:PHV)、ポリブチレンサクシネート(polybutylene succinate:PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(polybutylene succinate adipate:PBSA)、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトンなど、
c)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、並びにブレンド、例えばPC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、PC/PA、
d)並びに前記ポリマーの2種以上の混合物、組み合わせ又はブレンド
からなる群から選択されることが提供される。
【0030】
更に、a)~c)で明記されたポリマーは、非晶質及び(部分的)結晶形態の両方を有し得る。
【0031】
特に好ましいポリエステルは、脂肪族ポリエステル、すなわち、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから、又は脂肪族ラクトンから生成され得るポリエステルである。
【0032】
脂肪族ポリエステルに好適なジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、-1,6,2-エチルヘキサンジオール-1,3、2,2-ジエチルプロパンジオール-1,3、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノールである。
【0033】
好適なジカルボン酸は、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸又はシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸である。
【0034】
脂肪族構造に加えて、芳香族構造もまた、最大20mol%、好ましくは10mol%未満、非常に特に好ましくは1mol%未満のより少ない程度存在し得る。ジオールの場合における好適な芳香族構造は、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,6-ナフタレンジオール、1,8-ナフタレンジオール、ビスフェノールAであり、ジカルボン酸の場合はテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸であり;複素環式芳香族ジカルボン酸の一例は2,5-フランジカルボン酸である。
【0035】
好適なヒドロキシカルボン酸は、例えば、乳酸、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸又は3-ヒドロキシ吉草酸であり;芳香族部分を有するヒドロキシカルボン酸はマンデル酸である。
【0036】
他の好ましいポリエステルは、特に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及び1,4-ブタンジオールとテレフタル酸、アジピン酸又はセバシン酸とのコポリマーである。
【0037】
好ましいポリアミドは、特に、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド6とポリアミド6.6とのブレンド、ポリアミド10.10、ポリアミド10.12、ポリアミド12.12、ポリアミド11及びポリアミド12である。
【0038】
加えて、組成物は、二次酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン劣化防止剤、核形成剤、核形成防止剤、衝撃改質剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロープ剤、鎖延長剤、加工助剤、離型助剤、難燃剤、顔料、色素、蛍光増白剤、抗菌剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、連結剤、架橋剤、架橋防止剤、親水性化剤、疎水性化剤、加水分解安定剤、接着促進剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、発泡剤、分解添加剤、消泡剤、臭気捕捉剤、マーキング剤、防曇剤、フィラー及び強化剤からなる群から選択される他の添加剤を備えてもよい。
【0039】
好ましい実施形態では、組成物は特に、ホスファイト又はホスホナイト、フィラー又は酸捕捉剤を含有する。
【0040】
好適なフェノール系酸化防止剤は、例えば、
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖又は分岐鎖ノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノールなど、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデカ-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデカ-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデカ-1'-イル)フェノール、及びそれらの混合物など;
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールなど;
ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシルフェニル)アジペートなど;
トコフェロール、例えば、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール及びこれらの混合物など(ビタミンE);
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2'-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4'-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィドなど;
アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2'メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール-ビス[3,3-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンなど;
O-、N-及びS-ベンジル化合物、例えば、3,5,3',5'-テトラ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチル-ベンジル-メルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートなど;
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネートなど;
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノールなど;
トリアジン化合物、例えば、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなど;
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
アシルアミノフェノール、例えば、4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート;
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
β(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル;
β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸と一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N'-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyalによって販売)など;
アスコルビン酸(ビタミンC)
である。
【0041】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の構造:
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
(ここで、上記化合物において、nは整数であり、2及び10の間である)
である。
【0042】
他の好ましいフェノール系酸化防止剤は、例えば、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)、トコトリエノール、トコモノエノール、ユビキノール、ヒドロキシチロソール、フラボノイド及びフラボノール、例えば、クリシン、ケルシチン(quercitin)、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ナリンギン、モリン、ケンフェロール、フィセチン、ダチセチン、ルテオリン、アピゲニン、タキシフォリンなど、イソフラボン類、例えば、ゲニステイン、ゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、ホルモノネチンなど、アントシアニン、例えば、デルフィニジン及びマルビジンなど、クルクミン、カルノソール酸、カルノソール、ロスマリン酸、タンニン及びレスベラトロール、並びに、例えば、ベータ-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン又はアスタキサンチンなどのアルコールの基を有するカロテノイドなどの再生可能原料に基づくフェノール系酸化防止剤である。
【0043】
好適なアミン系酸化防止剤は、例えば:
N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'-ジメチル-N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p'-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノ-フェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチル-フェノール、2,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N',N'-テトラ-メチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチル-フェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1',3'-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル-ジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N',N'-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エン、及びそれらの混合物又は組み合わせ
である。
【0044】
好ましいアミン系酸化防止剤は、N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンである。
【0045】
特に好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の構造である:
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0046】
好ましいヒドロキシルアミン又はN-オキシド(ニトロン)は、例えば、N,N-ジアルキルヒドロキシルアミン、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジステアリルヒドロキシルアミン、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、並びに式:
【化42】
によるGenox EP(SI Group)である。
【0047】
好適なラクトンは、ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば、3-(4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3'-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-(2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン)、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オンなど、並びに亜リン酸基を更に含有するラクトン、例えば、
【化43】
【化44】
【化45】
などである。
【0048】
好ましいフィラーは、炭酸カルシウム、シリケート、タルク、マイカ、カオリン、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、又はセルロースなどの天然物の繊維である。他の好適なフィラーは、ハイドロタルサイト又はゼオライト又は層状シリケート、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、レディカイト(ledikite)、マガダイト(magadite)、イライト、カオリナイト、ワラストナイト、アタパルジャイトである。
【0049】
好適な二次酸化防止剤は、特に、ホスファイト又はホスホナイト、例えば、
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリ-ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2'2''-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3'',5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル))ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン
などである。
【0050】
特に好ましいホスファイトは、
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
(ここで、n=3~100)
である。
【0051】
【0052】
好適な二次酸化防止剤はまた、有機硫黄化合物、例えば、スルフィド及びジスルフィドなど、例えば、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルジチオプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、3-(ドデシルチオ)-,1,1'-[2,2-ビス[[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]プロパン酸エステルである。以下の構造は好ましい:
【化59】
【化60】
【化61】
【0053】
好適な酸捕捉剤(「制酸剤」)は、特に脂肪酸と共に形成された、一価、二価、三価又は四価金属、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム又は亜鉛の塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウムなどである。好適な酸捕捉剤の他のクラスは、ハイドロタルサイト、とりわけ、アルミニウム、マグネシウム及び亜鉛をベースとする合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、とりわけ酸化カルシウム及び酸化マグネシウム並びに酸化亜鉛、アルカリ土類炭酸塩、とりわけ炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びドロマイト、及び水酸化物、とりわけブルーサイト(水酸化マグネシウム)である。
【0054】
好適な共安定剤はまた、ポリオール、特にアルジトール又はシクリトールである。ポリオールは、例えば、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、短鎖ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオール、並びにアルコール基を有する超分岐ポリマー/オリゴマー又はデンドリマー、例えば
【化62】
である。好ましくは、少なくとも1種のアルジトールは、トレイトール、エリトリトール、ガラクチト-ル、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、アルトリトール、イジトール、マルトトリトール、及びポリオール末端基を有する水添オリゴ及び多糖、及びそれらの混合物からなる群から選択される。エリトリトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の好ましいアルジトールが特に好ましい。
【0055】
他の好適な糖アルコールの例は、ヘプチトール及びオクチトール:メソ-グリセロ-アロヘプチトール、D-グリセロ-D-アルトヘプチトール、D-グリセロ-D-マンオヘプチトール、メソ-グリセロ-グロヘプチトール、D-グリセロ-D-ガラクトヘプチトール(ペルセイトール)、D-グリセロ-D-グルコヘプチトール、L-グリセロ-D-グルコヘプチトール、D-エリトロ-L-ガラクト-オクチトール、D-トレオ-L-ガラクト-オクチトールである。
【0056】
特に、少なくとも1種のシクリトールは、イノシトール(myo、scyllo-、D-chiro-、L-chiro-、muco-、neo-、allo-、epi-及びcis-イノシトール)、1,2,3,4-テトラヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシシクロヘキサン、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンズリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、ケブラキトール、シケリトール、キナ酸、シキミ酸、及びバリエノールからなる群から選択することができ;本明細書ではmyo-イノシトールが好ましい。
【0057】
好適な光安定剤は、例えば、2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、オキサミド、及び2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンに基づく化合物である。
【0058】
好適な2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールとしては、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-5'メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-sec-ブチル-5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニル-エチル]-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニル-エチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)-フェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)-フェニル-ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];ポリエチレングリコール300を用いる2-[3'-tert-ブチル-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)-2'-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールの再エステル化の生成物;[R-CH2CH2-COO-CH2CH2-]-2、ここで、R=3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシ-5'-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(α,α-ジメチルベンジル)-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5'-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0059】
好適な2-ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2',4'-トリヒドロキシ及び2-ヒドロキシベンゾフェノンの2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ誘導体である。
【0060】
好適なアクリレートは、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-α-カルボメトキシシンナメート、メチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチル-α-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート及びN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリンである。
【0061】
好適な安息香酸のエステルとしては、4-tert-ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート、オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートが挙げられる。
【0062】
好適なオキサミドは、例えば、4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2'-エトキサニリド、及びその2-エトキシ-2'-エチル-5,4'-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、o-及びp-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物及びo-及びp-エトキシ-二置換オキサニリドの混合物である。
【0063】
好適な2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンは、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジンである。
【0064】
好適な金属不活性化剤は、例えば、N,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチルアル-N'-サリチロイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル-プロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)オキシリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドである。
【0065】
特に好ましい金属不活性化剤は、
【化63】
【化64】
である。
【0066】
好適な低分子量ヒンダードアミンは、例えば、
1,1-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の縮合物、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又は4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン
である。
【0067】
上述の構造には、それぞれの場合において、立体障害のあるN-H、N-アルキル、例えばN-メチル又はN-オクチル、N-アルコキシ誘導体、例えばN-メトキシ又はN-オクチルオキシ、シクロアルキル誘導体、例えばN-シクロヘキシルオキシ、及びN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)アナログも含まれる。
【0068】
好ましい低分子量ヒンダードアミンは、以下の構造を更に有する:
【化65】
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
【化81】
【0069】
好ましいオリゴマー又はポリマーヒンダードアミンは、
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【化92】
である。
【0070】
上記化合物について、nはそれぞれの場合において3~100を意味する。
【0071】
別の好適な光安定剤は、以下の一般構造:
【化93】
(ここで、Rは-O-C(O)-C
15H
31又は-O-C(O)-C
17H
35を意味する)
を有するHostanox NOW(製造業者:Clariant SE)である。
【0072】
上述の構造には、それぞれの場合において、立体障害のあるN-H、N-アルキル、例えばN-メチル又はN-オクチル、N-アルコキシ誘導体、例えばN-メトキシ又はN-オクチルオキシ、シクロアルキル誘導体、例えばN-シクロヘキシルオキシ、及びN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)アナログも含まれる。
【0073】
好適な分散剤は、例えば、
ポリアクリレート、例えば、長鎖側鎖基を有するコポリマー、ポリアクリレートブロックコポリマー、アルキルアミド:例えばN,N'-1,2-エタンジイルビスオクタデカンアミドソルビタンエステル、例えばモノステアリルソルビタンエステル、チタネート及びジルコネート、官能基を有する反応性コポリマー、例えば、ポリプロピレン-co-アクリル酸、ポリプロピレン-co-無水マレイン酸、ポリエチレン-co-グリシジルメタクリレート、ポリスチレン-alt-無水マレイン酸ポリシロキサン:例えばジメチルシランジオール-エチレンオキシドコポリマー、ポリフェニルシロキサンコポリマー、両親媒性コポリマー:例えばポリエチレン-ブロック-ポリエチレンオキシド、デンドリマー、例えば水酸基を含有するデンドリマー
である。
【0074】
好適な核形成防止剤は、ニグロシンなどのアジン色素である。
【0075】
好適な難燃剤は、特に、
a)無機系難燃剤、例えば、Al(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)、MgCO3、層状シリケート、例えば未修飾又は有機修飾のモンモリロナイト又はセピオライトなど、複塩、例えばMg-Al-シリケートなど、POSS(Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane:多面体オリゴマーシルセスキオキサン)化合物、ハンタイト、ハイドロマグネサイト又はハロイサイト、並びにSb2O3、Sb2O5、MoO3、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛など、
b)窒素含有難燃剤、例えば、メラミン、メレム、メラム、メロン、メラミン誘導体、メラミン縮合物又はメラミン塩、ベンゾグアナミン、ポリイソシアヌレート、アラントイン、ホスファセン(phosphacene)、特にメラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミン金属ホスフェート、例えば、メラミンアルミニウムホスフェート、メラミン亜鉛ホスフェート、メラミンマグネシウムホスフェートなど、及び対応するピロホスフェート及びポリホスフェート、ポリ-[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン]、ポリリン酸アンモニウム、メラミンボレート、メラミンヒドロブロミド、
c)ラジカル形成剤、例えば、アルコキシアミン、ヒドロキシルアミンエステル、アゾ化合物、スルフェンアミド、スルフェンイミド、ジクミル又はポリクミル、ヒドロキシイミド及びそれらの誘導体、例えば、ヒドロキシイミドエステル又はヒドロキシイミドエーテルなど、
d)リン含有難燃剤、例えば、赤リン、ホスフェート、例えば、レゾルシノールジホスフェート、ビスフェノールAジホスフェート及びそのオリゴマー、トリフェニルホスフェート、エチレンジアミンジホスフェートなど、ホスフィネート、例えば次亜リン酸の塩及びそれらの誘導体など、例えば、アルキルホスフィネート塩、例えばアルミニウムジエチルホスフィネート又は亜鉛ジエチルホスフィネート又はアルミニウムホスフィネート、アルミニウムホスファイト、アルミニウムホスホネート、ホスホネートエステル、メタンホスホン酸のオリゴマー及びポリマー誘導体、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスホリルフェナントレン-10-オキシド(DOPO)及びそれらの置換化合物など、
e)ハロゲン含有塩素及び臭素系難燃剤、例えば、任意選択でSb2O3及び/又はSb2O5と組み合わされた、ポリ臭化ジフェニルオキシド、例えばデカブロモジフェニルオキシドなど、トリス(3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル-ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭化ジフェニルエタン、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモ-ビスフェノールA、臭化ポリスチレン、臭化ポリブタジエン又はポリスチレン-臭化ポリブタジエンコポリマー、臭化ポリフェニレンエーテル、臭化エポキシ樹脂、ポリペンタブロモベンジルアクリレートなど、
f)ボレート、例えば、任意選択でシリカなどの担体材料上の亜鉛ボレート又はカルシウムボレートなど、
g)硫黄含有化合物、例えば、元素硫黄、ジスルフィド及びポリスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、メルカプトベンゾチアゾール及びスルフェンアミドなど、
h)ドリップ防止剤、例えばポリテトラフルオロエチレンなど、
i)シリコン含有化合物、例えばポリフェニルシロキサンなど、
j)炭素改質物、例えば、カーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)、膨張グラファイト又はグラフェンなど、
k)及びそれらの組み合わせ又は混合物
である。
【0076】
好適な可塑剤は、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、クエン酸のエステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸のエステル、トリメリット酸エステル、イソソルビドエステル、リン酸エステル、エポキシド、例えばエポキシ化大豆油又は脂肪族ポリエステルである。
【0077】
好適な潤滑剤及び加工助剤は、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸の塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛又はモンタンワックスの塩、アミドワックス、例えば、エルカ酸アミド又はオレイン酸アミド、フルオロポリマー、シリコーン又はネオアルコキシチタネート及びジルコネートである。
【0078】
好適な顔料は、天然において無機又は有機であり得る。無機顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、ウルトラマリン、カーボンブラックであり、有機顔料は、例えば、アントラキノン、アンサンスロン、ベンゾイミダゾロン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、インダンスロン、イソインドリノン、アゾ化合物、ペリレン、フタロシアニン又はピランスロンである。他の好適な顔料は、金属系エフェクト顔料又は金属酸化物系真珠光沢顔料である。
【0079】
好適な蛍光増白剤は、例えば、ビスベンゾオキサゾール、フェニルクマリン又はビス(スチリル)ビフェニル、及び特に式:
【化94】
【化95】
【化96】
【化97】
【化98】
の蛍光増白剤である。
【0080】
好適なフィラー不活性化剤は、例えば、ポリシロキサン、ポリアクリレート、特にブロックコポリマー、例えばポリメタクリル酸-ポリアルキレンオキシド又はポリグリシジル(メタ)アクリレート、及びそれらの、例えばスチレンとのコポリマー、及び例えば以下の構造:
【化99】
【化100】
【化101】
【化102】
【化103】
【化104】
【化105】
【化106】
【化107】
のエポキシドである。
【0081】
好適な帯電防止剤は、例えば、エトキシ化アルキルアミン、脂肪酸エステル、アルキルスルホネート及びポリエーテルアミドなどのポリマーである。
【0082】
好適なオゾン劣化防止剤は、上述のアミン、例えば、N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンである。
【0083】
好適な核形成剤は、タルク、単及び多官能性カルボン酸、例えば、安息香酸、コハク酸、アジピン酸などのアルカリ又はアルカリ土類塩、例えば安息香酸ナトリウム、亜鉛グリセロレート、アルミニウムヒドロキシ-ビス(4-tert-ブチル)ベンゾエート、2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、並びにトリスアミド及びジアミド、例えば、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリ(4-メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリ(tert-ブチルアミド)、N,N',N''-1,3,5-ベンゼントリイルトリス(2,2-ジメチル-プロパンアミド)又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミドなどである。
【0084】
重縮合ポリマーの分子量増加に好適な添加剤(鎖延長剤)は、ジエポキシド、ビス-オキサゾリン類、ビス-オキサゾロン類、ビス-オキサジン類、ジイソシアネート、二無水物、ビス-アシルラクタム、ビス-マレイミド、ジシアネート、カルボジイミド類である。他の好適な鎖延長剤は、ポリマー化合物、例えば、ポリスチレン-ポリアクリレート-ポリグリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、ポリスチレン-無水マレイン酸コポリマー及びポリエチレン-無水マレイン酸コポリマーなどである。
【0085】
電気伝導性を高めるのに好適な添加剤は、例えば、前述の帯電防止剤、カーボンブラック及び炭素化合物、例えばカーボンナノチューブ及びグラフェン、金属粉末、例えば銅粉末など、及び導電性ポリマー、例えば、ポリピロール、ポリアニリン及びポリチオフェンなどである。熱伝導性を高めるのに好適な添加剤は、例えば、アルミノニトリド(aluminonitride)及び窒化ホウ素である。
【0086】
好適な赤外活性添加剤は、例えば、アルミノシリケート、ハイドロタルサイト、又はフタロシアニン又はアントラキノンなどの着色剤である。
【0087】
好適な離型助剤は、例えば、シリコーン、石鹸、及びモンタンワックスなどのワックスである。
【0088】
上に記載した添加剤組成物、及び該当する場合には追加の添加剤の、プラスチックへの組み込みは、従来の加工方法によって実施され、ここで、ポリマーは、溶解され、好ましくは混合機、混練機又は押出機によって、本発明による添加剤組成物及び該当する場合には追加の添加剤と混合される。好ましい加工装置は、押出機、例えば一軸押出機、二軸押出機、遊星ローラ押出機、リング押出機、及び共混練機であり、これらは好ましくは真空脱気を備える。加工は、本明細書では、空気下、又は必要に応じて、不活性ガス条件下で行われ得る。
【0089】
更に、本発明による添加剤組成物は、例えば10~90%の本発明による組成物をポリマーに含有する、いわゆるマスターバッチ又は濃縮物の形態で調製され、組み込まれ得る。
【0090】
更に、本発明は、本発明による加水分解安定化された組成物から作製可能である成形部品又は成形品に関する。特に、成形部品又は成形品は、例えば電気電子産業、建築業、運送業(自動車、航空機、船舶、鉄道)のため、医学的用途のため、家庭用及び電気機器(household and electrical appliance)、車両部品、消費財、梱包材、家具、テキスタイルのための、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダリング、プレス加工、スピニング加工、回転成形を介して作製される、箔、フィルム、フォーム、繊維、ケーブル及びチューブ、プロファイル、中空体、テープ、ジオメンブレンなどの膜、又は接着剤からなる群から選択される。
【0091】
本発明は、以下の実施例を参照してより詳細に説明され、実施例は、本発明の主題の限定として解釈されない。
【0092】
(実施形態)
以下の添加物質を実施例において使用した。
ハイドロタルサイト1:Actilox CAH EXP 0213;供給業者:Nabaltec
ハイドロタルサイト2:DHT-4C;供給業者:Kisuma Chemicals、DHT-4Aをか焼したもの
ハイドロタルサイト3:Hycite 713;供給業者:Clariant SE
ハイドロタルサイト4:Sorbacid 911;供給業者:Clariant SE
ハイドロタルサイト5:DHT-4A;供給業者:Kisuma Chemicals
【0093】
使用したゼオライトは、AlfaAesar製のmolecular sieve type 13Xであった。
【0094】
アジリジンは、製造業者MenadionaのPOLY-U Powderである。化学名は、N,N'-(メチレンジ-p-フェニレン)ビス(アジリジン-1-カルボキサミド)である。
【0095】
本発明による安定剤組成物の効果を試験するために、表1に記載の添加剤と一緒にポリラクチド(PLA)(Luminy L130、供給業者:Total Corbion)を、二軸押出機(Process 11、製造業者ThermoScientific)において、800g/hのスループットで、最大200℃にて配合した。ポリマー及び添加剤を、真空乾燥機において一晩乾燥させた後で加工した。配合後、化合物を温蔵庫において60℃の脱イオン水中で2週間(336時間)エージングした。エージング後、試料を一晩乾燥させ、MVRを決定した(190℃/2.16kg)。
【0096】
【0097】
本発明による安定剤組成物の効果を試験するために、表2に記載の添加剤と一緒にポリブチレンテレフタレート(PBT)(Pocan B1204、供給業者:Lanxess)を、二軸押出機(Process 11、製造業者ThermoScientific)において、800g/hのスループットで、最大245℃にて配合した。ポリマー及び添加剤を、真空乾燥機において一晩乾燥させた後で加工した。配合後、化合物を温蔵庫において85℃の脱イオン水中で2週間(336時間)エージングした。エージング後、試料を一晩乾燥させ、MVRを決定した(250℃/2.16kg)。
【0098】
【0099】
本発明による安定剤組成物の効果を試験するために、表3に記載の添加剤と一緒にポリアミド6(PA6)(Ultramid B27E、供給業者:BASF)を、マイクロコンパウンダ(Micro 5cc Twin Screw Extruder、製造業者DSM)において、最大245℃で配合した。ポリマー及び添加剤を、真空乾燥機において一晩乾燥させた後で加工した。配合後、化合物を温蔵庫において85℃の脱イオン水中で2週間(336時間)エージングした。エージング後、試料を一晩乾燥させ、分子量をGPCによって決定した。
【0100】
【0101】
MVRとは、ポリマーの分子量の尺度である。MVRが高いほど、分子量は低くなり、したがって加水分解によってポリマーが分解されている。MVRの増加が小さいほど、加水分解安定性は高くなる。したがって、本発明による組み合わせは、優れた加水分解安定性を示す。
【国際調査報告】