(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】タブ溶接構造、電池セル、電力消費機器、タブの溶接方法及びタブの溶接機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20240228BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240228BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/538
H01M50/54
H01M50/202 501S
H01M50/209
H01M50/566
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554039
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2021127726
(87)【国際公開番号】W WO2023070604
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳从勝
(72)【発明者】
【氏名】林文法
(72)【発明者】
【氏名】温耀鈴
(72)【発明者】
【氏名】林江
(72)【発明者】
【氏名】唐鳴浩
(72)【発明者】
【氏名】林嘉
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT02
5H040AY05
5H040AY06
5H040CC01
5H040DD03
5H043AA01
5H043AA02
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA12
5H043CA13
5H043EA60
5H043LA02E
5H043LA41E
(57)【要約】
本出願の実施例は、タブ溶接構造、電池セル及び電力消費機器を提供し、電池技術分野に属する。タブ溶接構造は、導電部材と、複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されたタブとを含む。導電部材とタブとは、溶接されて融合領域を形成する。ここで、融合領域は、第1の融合部と、第2の融合部とを含む。第1の融合部は、第1の方向に沿ってタブから導電部材内に延在する。第2の融合部は、第1の融合部と互いに区画され、第2の融合部は、第1の融合部の側部に位置し、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを接続するように構成される。第2の融合部は、第1の融合部とタブとを接続する役割を果たし、第1の融合部とタブとが第2の融合部を介して融合されることに相当し、タブが第1の融合部に直接接続されることによる亀裂のリスクを低減し、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させた。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブ溶接構造であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されたタブと、
前記タブと溶接されて融合領域を形成する導電部材とを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブ溶接構造。
【請求項2】
前記第1の方向において、前記第2の融合部の融合深さは、前記第1の融合部の融合深さよりも小さい、請求項1に記載のタブ溶接構造。
【請求項3】
前記第1の方向において、前記第2の融合部は、前記タブが前記導電部材に向かう方向に沿って前記タブからはみ出さない、請求項1又は2に記載のタブ溶接構造。
【請求項4】
前記導電部材と前記タブとが溶接されて第2の融合部を形成する溶接温度は、前記導電部材と前記タブとが溶接されて第1の融合部を形成する溶接温度よりも小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項5】
前記第2の融合部は、前記第1の融合部の外周側に設置され、前記第2の融合部は、前記第1の融合部の周方向に沿って延在分布する、請求項1から4のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項6】
前記第1の方向において、前記タブは、前記導電部材と積層して設置され、前記第1の融合部は、前記タブを貫通して前記導電部材内に局所的に延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項7】
第2の方向において、前記第1の融合部の少なくとも一方側には、前記第2の融合部が設置されており、
ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項8】
前記導電部材は、
当接面を有する本体部と、
前記当接面から突出する突出部とを含み、
前記タブは、前記第1の方向に沿って前記当接面に当接し、第2の方向において、前記タブと前記突出部との間には、溶接ビードが形成され、前記融合領域は、前記溶接ビードに形成され、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4と7のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のタブ溶接構造を含む、電池セル。
【請求項10】
前記電池セルは、前記タブと電気的に接続される電極端子を含み、前記電極端子は、前記導電部材である、請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、
電極端子と、
前記電極端子と前記タブとの電気的な接続を実現するために、前記電極端子と前記タブとを接続するための、前記導電部材である集電部品とを含む、請求項9に記載の電池セル。
【請求項12】
電池であって、
請求項9から11のいずれか一項に記載の電池セルと、
前記電池セルを収容するための筐体とを含む、電池。
【請求項13】
請求項12に記載の電池を含む、電力消費機器。
【請求項14】
タブの溶接方法であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供することと、
導電部材を提供することと、
前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することとを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブの溶接方法。
【請求項15】
前記の、前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することは、
前記タブと前記導電部材とを一次溶接して、前記第1の融合部を形成することと、
前記タブと前記導電部材とを二次溶接して、前記第2の融合部を形成することとを含み、
ここで、前記二次溶接の溶接温度は、前記一次溶接の溶接温度よりも小さい、請求項14に記載のタブの溶接方法。
【請求項16】
前記の、前記タブと前記導電部材とを二次溶接することは、
周方向に沿って前記タブと前記導電部材とを内側から外側に複数リング溶接して、前記第2の融合部を形成することを含む、請求項15に記載のタブの溶接方法。
【請求項17】
各リングの溶接温度は、内側から外側に段階的に下がる、請求項16に記載のタブの溶接方法。
【請求項18】
タブの溶接機器であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供するための第1の提供装置と、
導電部材を提供するための第1の提供装置と、
前記タブと前記導電部材とが融合領域を形成するように、前記タブと前記導電部材とを溶接するための溶接装置とを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブの溶接機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的に、タブ溶接構造、電池セル及び電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギであり、電動車両は、その省エネと環境保全の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
一般的な電池セルにとって、タブは、電池セルの電気エネルギーを出力するために、導電部材(集電部品、電極端子など)と溶接される。現在、タブと導電部材とを溶接した後にタブと導電部材が脱落する現象が現れやすく、電池セルの耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施例は、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を効果的に向上させることができるタブ溶接構造、電池セル及び電力消費機器を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の実施例は、タブ溶接構造を提供し、このタブ溶接構造は、複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されたタブと、前記タブと溶接されて融合領域を形成する導電部材とを含み、ここで、前記融合領域は、前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む。
【0006】
上記技術案では、第2の融合部は、第1の融合部の側部に位置し、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを接続する役割を果たし、第1の融合部とタブとが第2の融合部を介して融合されることに相当し、タブが第1の融合部に直接接続されることによる亀裂のリスクを低減し、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させた。
【0007】
いくつかの実施例では、前記第1の方向において、前記第2の融合部の融合深さは、前記第1の融合部の融合深さよりも小さい。
【0008】
上記技術案では、第2の融合部の融合深さは、第1の融合部の融合深さよりも小さいことにより、第1の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に長く、第2の融合部の第2の方向におけるサイズは、相対的に短い。第1の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に長く、融合領域の深さが大きく、タブと導電部材とを溶接した後の堅牢性を確保する。第2の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に短く、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを良好に接続する役割を果たし、タブ溶接位置における亀裂のリスクを低減する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第1の方向において、前記第2の融合部は、前記タブが前記導電部材に向かう方向に沿って前記タブからはみ出さない。
【0010】
上記技術案では、第2の融合部は、タブが導電部材に向かう方向に沿ってタブからはみ出さないことにより、第2の融合部は、導電部材内に延在せず、第2の融合部の深さが大きすぎて第2の融合部とタブとの間に亀裂が発生するリスクを低減する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記導電部材と前記タブとが溶接されて第2の融合部を形成する溶接温度は、前記導電部材と前記タブとが溶接されて第1の融合部を形成する溶接温度よりも小さい。
【0012】
上記技術案では、第2の融合部を形成する溶接温度は、第1の融合部を形成する溶接温度よりも小さいことにより、第1の融合部の深さは、第2の融合部の深さよりも大きく、融合領域の深さが大きく、タブと導電部材とを溶接した後の堅牢性を確保することができる。第2の融合部を形成する溶接温度が相対的に低いため、第2の融合部を形成する過程において、タブが膨張変形しにくくなり、第2の融合部とタブとの接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第2の融合部は、前記第1の融合部の外周側に設置され、前記第2の融合部は、前記第1の融合部の周方向に沿って延在分布する。
【0014】
上記技術案では、第2の融合部は、第1の融合部の外周側に位置し、且つ第1の融合部の周方向に沿って延在分布し、タブは、第1の融合部の複数の方位においても亀裂しにくくなり、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を向上させる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1の方向において、前記タブは、前記導電部材と積層して設置され、前記第1の融合部は、前記タブを貫通して前記導電部材内に局所的に延在する。
【0016】
上記技術案では、タブは、第1の方向において導電部材と積層して設置され、且つ第1の融合部は、タブを貫通して導電部材内に局所的に延在することにより、タブと導電部材とを溶接した後に良好な堅牢性を有する。タブと導電部材とは、貫通溶接の方式で溶接されてもよく、それによって第1の融合部と第2の融合部とを形成し、溶接の困難性を低減させる。
【0017】
いくつかの実施例では、第2の方向において、前記第1の融合部の少なくとも一方側には、前記第2の融合部が設置されており、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である。
【0018】
上記技術案では、第1の融合部の第2の方向における少なくとも一方側には、第2の融合部が設置されており、第2の融合部は、第1の融合部の第2の方向における一方側又は両側において第1の融合部とタブとを接続する役割を果たし、溶接プロセスを簡略化し、溶接効率を向上させた。
【0019】
いくつかの実施例では、前記導電部材は、当接面を有する本体部と、前記当接面から突出する突出部とを含み、前記タブは、前記第1の方向に沿って前記当接面に当接し、第2の方向において、前記タブと前記突出部との間には、溶接ビードが形成され、前記融合領域は、前記溶接ビードに形成され、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である。
【0020】
上記技術案では、タブは、本体部の当接面に当接し、タブと突出部との間に溶接ビードが形成され、融合領域は、溶接ビードに形成され、タブと導電部材とのシーム溶接を実現する。融合領域が溶接タブと突出部との間の溶接ビードに形成されるため、タブが溶接時に受ける熱影響が小さく、第2の融合部とタブとの接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0021】
第2の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルを提供し、この電池セルは、上記のいずれか一つの実施例によるタブ溶接構造を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記電池セルは、前記タブと電気的に接続される電極端子を含み、前記電極端子は、前記導電部材である。
【0023】
いくつかの実施例では、前記電池セルは、電極端子と、前記電極端子と前記タブとの電気的な接続を実現するために、前記電極端子と前記タブとを接続するための、前記導電部材である集電部品とを含む。
【0024】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、この電池は、上記のいずれか一つの実施例による電池セルと、前記電池セルを収容するための筐体とを含む。
【0025】
第4の態様によれば、本出願の実施例は、電力消費機器を提供し、この電力消費機器は、上記のいずれか一つの実施例による電池を含む。
【0026】
第5の態様によれば、本出願の実施例は、タブの溶接方法を提供し、この方法は、複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供することと、導電部材を提供することと、前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することとを含み、ここで、前記融合領域は、前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、前記の、前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することは、前記タブと前記導電部材とを一次溶接して、前記第1の融合部を形成することと、前記タブと前記導電部材とを二次溶接して、前記第2の融合部を形成することとを含み、ここで、前記二次溶接の溶接温度は、前記一次溶接の溶接温度よりも小さい。
【0028】
上記技術案では、タブと導電部材との一次溶接を行う溶接温度が相対的に大きいことにより、第1の融合部の深さが相対的に深くなり、タブと導電部材とを溶接した後の堅牢性を確保する。タブと導電部材との二次溶接を行う溶接温度が相対的に低いことにより、第2の融合部を形成する過程において、タブが膨張変形しにくくなり、第2の融合部とタブとの接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0029】
いくつかの実施例では、前記の、前記タブと前記導電部材とを二次溶接することは、周方向に沿って前記タブと前記導電部材とを内側から外側に複数リング溶接して、前記第2の融合部を形成することを含む。
【0030】
上記技術案では、周方向に沿って前記タブと前記導電部材とを複数リング溶接することにより、周方向に沿って延在分布する第2の融合部を形成することができ、タブは、第1の融合部の複数の方位においても亀裂しにくくなり、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を向上させる。
【0031】
いくつかの実施例では、各リングの溶接温度は、内側から外側に段階的に下がる。
【0032】
上記技術案では、各リングの溶接温度は、内側から外側に段階的に下がり、内側から外側に各リングの溶接によるタブへの熱影響が徐々に減少し、第2の融合部とタブとの接続位置に亀裂が発生するリスクをさらに低減させる。
【0033】
第6の態様によれば、本出願の実施例は、タブの溶接機器をさらに提供し、この溶接機器は、複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供するための第1の提供装置と、導電部材を提供するための第1の提供装置と、前記タブと前記導電部材とが融合領域を形成するように、前記タブと前記導電部材とを溶接するための溶接装置とを含み、ここで、前記融合領域は、前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例を示すことに過ぎず、範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の関連する図面を得ることができる。
【
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例によるタブ溶接構造の断面図である。
【
図6】本出願のまた別のいくつかの実施例によるタブ溶接構造の断面図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施例による電池セルのタブと電極端子との溶接構造図である。
【
図9】本出願のまた別のいくつかの実施例による電池セルのタブと電極端子との溶接構造図である。
【
図10】本出願のいくつかの実施例によるタブの溶接方法のフローチャートである。
【
図11】本出願のまた別のいくつかの実施例によるタブの溶接方法のフローチャートである。
【
図12】本出願のいくつかの実施例による導電部材とタブとの溶接軌跡図である。
【
図13】本出願のいくつかの実施例によるタブの溶接機器の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0036】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と請求の範囲又は上記の図面における用語である「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0037】
本出願に言及びされた「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0038】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、二つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0039】
本出願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本出願の実施例における各部材の厚さ、長さ・幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ・幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【0040】
本出願における「複数」とは、二つ以上(二つを含む)のことを言う。
【0041】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体、又はその他の形状などをなしてもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、四角形電池セルと軟質パウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0042】
本出願の実施例で言及びした電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0043】
電池セルは電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗覆された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗覆された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0044】
電池セルでは、電池セルの電気エネルギーを出力するために、タブは、一般的に導電部材(集電部品、電極端子など)に溶接される。
【0045】
発明者は、タブと導電部材とを溶接した後に良好な堅牢性を有することを確保するために、タブと導電部材とが溶接して形成された融合部に十分な深さが必要であることを発見した。しかし、融合部の深さが深いほど、溶接時に、タブの受ける熱が高くなり、タブが複数層のシートを積層設置して形成されるため、タブの受ける温度が高いほど膨張変形しやすくなり、タブと融合部とが繋がる位置に亀裂が発生し、タブと導電部材とを溶接した後に導電部材とタブとが脱落する現象が発生しやすく、電池セルの耐用年数に影響を与える。
【0046】
これに鑑み、本出願の実施例は、タブ溶接構造を提供し、タブと導電部材とが溶接して融合領域を形成し、融合領域は、互いに区画される第1の融合部と第2の融合部とを含み、第1の融合部は、第1の方向に沿ってタブから導電部材内に延在し、第2の融合部は、第1の融合部と互いに区画され、第2の融合部は、第1の融合部の側部に位置し、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを接続するように構成される。
【0047】
このようなタブ溶接構造では、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを接続する役割を果たし、第1の融合部とタブとが第2の融合部を介して融合されることに相当し、タブが第1の融合部に直接接続されることによる亀裂のリスクを低減し、タブと導電部材との溶接後の堅牢性を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させた。なお、タブと導電部材とが溶接して形成された融合領域が第1の融合部と第2の融合部とを含むため、導電部材とタブとの間の過電流面積を増加させた。
【0048】
本出願の実施例で説明された技術案は電池及び電池を使用する電力消費機器に適用される。
【0049】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機、電動鉋などを含む。本出願の実施例では特に上記電力消費機器について限定しない。
【0050】
以下の実施例は、説明を容易にするために、電力消費機器が車両であることを例として説明する。
【0051】
図を参照すると1、
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図であり、車両1000の内部には、電池100が設置されており、電池100は、車両1000の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池100は、車両1000への給電に使用されることができ、例えば、電池100は、車両1000の操作電源とすることができる。
【0052】
車両1000は、コントローラ200と、モータ300とをさらに含んでもよく、コントローラ200は、電池100がモータ300に給電し、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いるように制御するためのものである。
【0053】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0054】
図2を参照すると、
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の構造概略図であり、電池100は、筐体10と、電池セル20とを含み、筐体10は、電池セル20を収容するためのものである。
【0055】
ここで、筐体10は、電池セル20を収容する部材であり、筐体10は、電池セル20のために収容空間を提供し、筐体10は、様々な構造を採用してもよい。いくつかの実施例では、筐体10は、第1の部分11と、第2の部分12とを含んでもよく、第1の部分11と第2の部分12とが互いに被せられることで、電池セル20を収容するための収容空間を画定する。第1の部分11と第2の部分12は、様々な形状、例えば、長方体、円柱体などであってもよい。第1の部分11は、一側が開放された中空構造であってもよく、第2の部分12は、一側が開放された中空構造であってもよく、第2の部分12の開放側が第1の部分11の開放側に被せられることで、収容空間を有する筐体10を形成する。第1の部分11が、一側が開放された中空構造であり、第2の部分12が板状構造であるというものであってもよく、第2の部分12が第1の部分11の開放側に被せられることで、収容空間を有する筐体10を形成する。第1の部分11と第2の部分12は、シール素子によって封止を実現してもよく、シール素子は、シールリング、シーラントなどであってもよい。
【0056】
電池100において、電池セル20は、一つであってもよいし、複数であってもよい。電池セル20が複数であれば、複数の電池セル20の間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セル20に直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セル20がまず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールが直列接続又は並列接続又は直並列接続されて一つの全体を形成して、筐体10内に収容されてもよい。全ての電池セル20の間を直接的に直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、全ての電池セル20で構成される全体を筐体10内に収容してもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、電池100は、バスバー部材をさらに含んでもよく、複数の電池セル20の間は、バスバー部材によって電気的接続を実現することによって、複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は直並列接続を実現することができる。バスバー部材は、金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金などであってもよい。
【0058】
図3を参照すると、
図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の分解図であり、電池セル20は、ケース21と、電極アセンブリ22と、エンドキャップ23と、導電部材251とを含む。
【0059】
ケース21は、電極アセンブリ22を収容するための部材であり、ケース21は、一端に開口を形成した中空構造であってもよい。ケース21は、様々な形状、例えば、円柱体、長方体などであってもよい。ケース21の材質は、様々であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などであってもよい。
【0060】
ケース21内の電極アセンブリ22は、一つであってもよく、複数であってもよい。例えば、
図3に示すように、電極アセンブリ22は、複数であり、複数の電極アセンブリ22は、積層して配置される。
【0061】
電極アセンブリ22は、電池セル20において電気化学反応が発生する部材である。電極アセンブリ22は、正極板と、負極板と、セパレータとを含んでもよい。電極アセンブリ22は、正極板、セパレータと負極板を捲回して形成された捲回型構造であってもよく、正極板、セパレータと負極板を積層配置して形成された積層型構造であってもよい。
【0062】
正極板は、正極集電体と、正極集電体の対向する両側に塗覆される正極活物質層とを含んでもよい。負極板は、負極集電体と、負極集電体の対向する両側に塗覆される負極活物質層とを含んでもよい。電極アセンブリ22は、タブ252を有し、タブ252は、正極タブ252と負極タブ252とに分けられ、正極タブ252は、正極板上の正極活物質層が塗覆されていない部分であってもよく、負極タブ252は、負極板上の負極活物質層が塗覆されていない部分であってもよい。
【0063】
エンドキャップ23は、電池セル20の内部環境と外部環境との遮断するためにケース21の開口に被せられる部材である。エンドキャップ23は、ケース21の開口に被せられ、エンドキャップ23とケース21とは、共同で電極アセンブリ22、電解液及びその他の部材を収容するための空間を区画する。エンドキャップ23の形状は、ケース21の形状に適合してもよく、例えば、ケース21は、直方体構造であり、エンドキャップ23は、ケース21に適合する長方形板状構造であり、また、例えば、ケース21は、円筒体構造であり、エンドキャップ23は、ケース21に適合する円形板状構造である。エンドキャップ23の材質は、様々であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などであってもよく、エンドキャップ23の材質は、ケース21の材質と同じであってもよく、異なってもよい。
【0064】
導電部材251は、タブ252に溶接された導電性を有する部材であり、導電部材251とタブ252とは、溶接されてタブ溶接構造25(
図3に示されない)を形成する。導電部材251は、エンドキャップ23上に設置された電極端子231であってもよく、導電部材251は、タブ252と電極端子231との間に接続された集電部品であってもよい。導電部材251が電極端子231である場合、タブ252と電極端子231とは、直接接続される。導電部材251が集電部品である場合、タブ252と電極端子231とは、集電部品を介して間接的に接続される。導電部材251は、金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などであってもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、電池セル20は、放圧機構24をさらに含んでもよく、放圧機構24は、電池セル20の内部の圧力を逃がす部材である。放圧機構24は、エンドキャップ23上に設置されており、電池セル20の内部の圧力又は温度が閾値に達した時に、放圧機構24によって電池セル20の内部の圧力を逃がす。放圧機構24は、防爆弁、防爆シート、放圧弁などの部材であってもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、電池セル20は、絶縁部材をさらに含んでもよく、絶縁部材は、エンドキャップ23と電極アセンブリ22とを区切る部材であり、絶縁部材は、エンドキャップ23の電極アセンブリ22に対向する側に設置されており、絶縁部材によってエンドキャップ23と電極アセンブリ22との絶縁隔離を実現する。絶縁部材は、絶縁材質であり、絶縁部材は、プラスチック、ゴムなどの材質であってもよい。
【0067】
図4を参照すると、
図4は、本出願のいくつかの実施例によるタブ溶接構造25の断面図であり、本出願の実施例は、タブ溶接構造25を提供し、タブ溶接構造25は、導電部材251と、複数層のシートが第1の方向Zに沿って積層して形成されたタブ252とを含む。導電部材251は、タブ252と溶接されて融合領域253を形成する。
【0068】
ここで、融合領域253は、第1の融合部2531と第2の融合部2532とを含む。第1の融合部2531は、第1の方向Zに沿ってタブ252から導電部材251の内部に延在する。第2の融合部2532は、第1の融合部2531と互いに区画され、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の側部に位置し、第2の融合部2532は、第1の融合部2531とタブ252とを接続するように構成される。
【0069】
タブ252は、多層構造であり、タブ252は、複数層のシートが第1の方向Zに沿って積層して形成され、第1の方向Zは、シートの厚さ方向である。電極アセンブリ22(
図3に示される)が捲回構造であることを例に、極板(正極板、負極板)は、捲回前に幅方向における一方側に間隔をあけて配置されたシート状の複数のサブタブを形成し、極板が捲回された後、複数のサブタブが積層されて、タブ252を形成する。サブタブは、タブ252を形成するシートであってもよい。タブ252は、導電部材251と溶接される前に、溶接の方式でタブ252における複数層のシートを溶接してもよい。
【0070】
導電部材251は、タブ252と溶接されて融合領域253を形成する部材である。電池セル20において、導電部材251は、電極端子231、集電部品などであってもよい。
【0071】
融合領域253は、導電部材251とタブ252とが溶接されて融合する部分である。第1の融合部2531は、融合領域253がタブ252と導電部材251とを接続する部分であり、第2の融合領域253は、融合領域253が第2の融合部2532とタブ252とを接続する部分である。第1の融合部2531は、第2の融合部2532と互いに区画され、両方が繋がる位置に区画面が形成され、第1の融合部2531と第2の融合部2532とは、2回の溶接によりそれぞれ形成される。第1の融合部2531と第2の融合部2532とは、様々な区画形式を有する。例えば、第1の融合部2531と第2の融合部2532との両方の色が異なることにより、両方が互いに区画されてもよく、第1の融合部2531と第2の融合部2532との両方の表面粗さが異なることにより、両方が互いに区画されてもよい。
【0072】
第2の融合部2532は、第1の融合部2531の側部に位置し、第2の融合部2532は、第1の融合部2531とタブ252とを接続する役割を果たし、第1の融合部2531とタブ252とが第2の融合部2532を介して融合されることに相当し、タブ252が第1の融合部2531と直接接続されることによるタブ252の溶接位置の亀裂のリスクを低減し、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を向上させ、電池セル20の耐用年数を向上させた。なお、タブ252と導電部材251とが溶接して形成された融合領域253が第1の融合部2531と第2の融合部2532とを含むため、導電部材251とタブ252との間の過電流面積を増加させた。
【0073】
いくつかの実施例では、引き続いて
図4を参照すると、第1の方向Zにおいて、第2の融合部2532の融合深さは、第1の融合部2531の融合深さよりも小さい。
【0074】
第1の融合部2531の融合深さは、第1の融合部2531の第1の方向Zにおけるサイズであり、第2の融合部2532の融合深さは、第2の融合部2532の第1の方向Zにおけるサイズである。第2の融合部2532の融合深さは、第1の融合部2531の融合深さよりも小さいことにより、第1の融合部2531の下端は、第2の融合部2532の下端よりも深い位置に位置する。
【0075】
第2の融合部2532の融合深さが第1の融合部2531の融合深さよりも小さいため、タブ252と導電部材251とを溶接して第2の融合部2532を形成する時の溶接温度は、タブ252と導電部材251とを溶接して第1の融合部2531を形成する時の溶接温度よりも小さく、第2の融合部2532を形成する過程において、タブ252の受ける熱影響が小さく、タブ252が熱膨張しにくい。
【0076】
第1の融合部2531の第1の方向Zにおけるサイズは、相対的に長く、融合領域253の深さが大きく、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を確保する。第2の融合部2532の第1の方向Zにおけるサイズは、相対的に短く、第2の融合部2532は、第1の融合部2531とタブ252とを良好に接続する役割を果たし、タブ252の溶接位置の亀裂のリスクを低減させる。
【0077】
いくつかの実施例では、引き続いて
図4を参照すると、第1の方向Zにおいて、第2の融合部2532は、タブ252が導電部材251に向かう方向に沿ってタブ252からはみ出さない。
【0078】
図4に示すように、タブ252が導電部材251の上側に位置することを例に、第2の融合部2532は、タブ252が導電部材251に向かう方向に沿ってタブ252からはみ出さず、即ち第2の融合部2532の下端は、タブ252の内部に位置することにより、第2の融合部2532の第1の方向Zにおける融合深さが大きくなりすぎない。
【0079】
第2の融合部2532の融合深さが大きいほど、タブ252と導電部材251とを溶接して第2の融合部2532を形成する過程において、タブ252の受ける熱影響が大きくなり、膨張亀裂しやすくなる。
【0080】
一方、本実施例では、第2の融合部2532は、タブ252が導電部材251に向かう方向に沿ってタブ252からはみ出さないことにより、第2の融合部2532は、導電部材251の内部に延在せず、第2の融合部2532の深さが大きすぎることにより第2の融合部2532とタブ252との間に亀裂が発生するリスクを低減させる。
【0081】
いくつかの実施例では、導電部材251とタブ252とが溶接されて第2の融合部2532を形成する溶接温度は、導電部材251とタブ252とが溶接されて第1の融合部2531を形成する溶接温度よりも小さい。
【0082】
タブ252と導電部材251とを溶接する過程において、第2の融合部2532を形成する溶接温度が第1の融合部2531を形成する溶接温度よりも小さいことは、第2の融合部2532を形成する溶接電力が第1の融合部2531を形成する溶接電力よりも小さいことで実現することができる。タブ252と導電部材251とをレーザ溶接することを例に、タブ252と導電部材251とを1回目にレーザ溶接して第1の融合部2531を形成する溶接電力を第1の溶接電力とし、タブ252と導電部材251とを2回目にレーザ溶接して第2の融合部2532を形成する溶接電力を第2の溶接電力とし、第2の溶接電力は、第1の溶接電力よりも小さい。
【0083】
本実施例では、第2の融合部2532を形成する溶接温度は、第1の融合部2531を形成する溶接温度よりも小さいことにより、第1の融合部2531の深さは、第2の融合部2532の深さよりも大きく、融合領域253の深さが大きく、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を確保することができる。第2の融合部2532を形成する溶接温度が相対的に低いため、第2の融合部2532を形成する過程において、タブ252が膨張変形しにくくなり、第2の融合部2532とタブ252との接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0084】
いくつかの実施例では、
図5を参照すると、
図5は、
図4に示すタブ溶接構造25の上面図であり、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の外周側に設置され、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の周方向に沿って延在分布する。
【0085】
第2の融合部2532は、第1の融合部2531の外周側に設置され、即ち第1の融合部2531は、第2の融合部2532の内側に位置する。第2の融合部2532は、第1の融合部2531の周方向に沿って延在分布し、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の周方向に沿って延在し且つ首尾が繋がる全包囲構造であってもよく、第1の融合部2531の周方向に沿って延在し且つ首尾が距離を有する半包囲構造であってもよい。
【0086】
本実施例では、第2の融合部2532が第1の融合部2531の外周側に位置し、且つ第1の融合部2531の周方向に沿って延在分布するため、タブ252は、第1の融合部2531の複数の方位においても亀裂しにくくなり、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を向上させる。
【0087】
いくつかの実施例では、
図4と
図5に示すように、第1の方向Zにおいて、タブ252は、導電部材251と積層して設置され、第1の融合部2531は、タブ252を貫通して導電部材251の内部に局所的に延在する。
【0088】
タブ252が導電部材251の上側に位置することを例に、第1の融合部2531は、タブ252を上から下に貫通し、第1の融合部2531の底部は、導電部材251の内部に延在することにより、第1の融合部2531と導電部材251とが接続される。
【0089】
本実施例では、タブ252は、第1の方向Zにおいて導電部材251と積層して設置され、且つ第1の融合部2531は、タブ252を貫通して導電部材251の内部に局所的に延在することにより、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を良好にする。タブ252と導電部材251とを貫通溶接の方式で溶接してもよく、それによって第1の融合部2531と第2の融合部2532とを形成し、溶接の困難性を低減させる。
【0090】
いくつかの実施例では、
図6と
図7を参照すると、
図6は、本出願のまた別のいくつかの実施例によるタブ252の溶接構造の断面図であり、
図7は、
図6に示すタブ溶接構造25の上面図であり、第2の方向Xにおいて、第1の融合部2531の少なくとも一方側には、第2の融合部2532が設置されている。ここで、第2の方向Xは、第1の方向Zに垂直である。
【0091】
第2の方向Xは、第1の方向Zに垂直であり、第1の方向Zは、第1の融合部2531の融合深さ方向と一致し、第2の方向Xは、第1の融合部2531の幅方向と一致してもよい。第1の融合部2531の少なくとも一方側に第2の融合部2532が設置されていることは、第1の融合部2531のタブ252に近い側にのみ第2の融合部2532が設置されていることであってもよく、第1の融合部2531のタブ252に近い側とタブ252に遠い側との両方にも第2の融合部2532が設置されていることであってもよい。例示的には、
図6と
図7において、第2の方向において、第1の融合部2531のタブ252に近い側には、第2の融合部2532が設置されており、第1の融合部2531のタブ252に遠い側には、第2の融合部2532が設置されていない。
【0092】
本実施例では、第1の融合部2531の第2の方向Xにおける少なくとも一方側には、第2の融合部2532が設置されており、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の第2の方向Xにおける一方側又は両側に第1の融合部2531とタブ252とを接続する役割を果たし、溶接プロセスを簡略化し、溶接効率を向上させた。
【0093】
いくつかの実施例では、
図6と
図7に示すように、導電部材251は、本体部2511と突出部2512とを含む。本体部2511は、当接面2511aを有する。突出部2512は、当接面2511aから突出する。タブ252が第1の方向Zに沿って当接面2511aに当接し、第2の方向Xにおいて、タブ252と突出部2512との間には、溶接ビード2513が形成され、融合領域253は、溶接ビード2513に形成され、第2の方向Xは、第1の方向Zに垂直である。
【0094】
当接面2511aは、本体部2511がタブ252を当接させる面であり、例示的には、当接面2511aは、平面である。第2の方向Xは、第1の方向Zに垂直であり、第2の方向Xは、第1の融合部2531の幅方向と一致してもよい。
【0095】
例示的には、
図6に示すように、第2の融合部2532は、第2の方向Xにおいて第1の融合部2531のタブ252に近い側に位置する。第1の方向Zにおいて、第2の融合部2532の融合深さは、第1の融合部2531の融合深さよりも小さく、第2の融合部2532の下端は、タブ252の内部に位置し、第1の融合部2531の下端は、導電部材251の内部に延在する。
【0096】
本実施例では、タブ252は、本体部2511の当接面2511aに当接し、タブ252と突出部2512との間には、溶接ビード2513が形成され、融合領域253は、溶接ビード2513に形成され、タブ252と導電部材251とのシーム溶接を実現する。融合領域253が溶接タブ252と突出部2512との間の溶接ビード2513に形成されるため、タブ252の溶接時に受ける熱影響が小さく、第2の融合部2532とタブ252との接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0097】
本出願の実施例は、電池セル20を提供し、上記のいずれか一つの実施例によるタブ溶接構造25を含む。
【0098】
いくつかの実施例では、
図8と
図9を参照すると、
図8は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20のタブ252と電極端子231の溶接構造図であり、
図9は、本出願のまた別のいくつかの実施例による電池セル20のタブ252と電極端子231の溶接構造図であり、電池セル20は、電極端子231を含み、電極端子231は、タブ252と電気的に接続され、電極端子231は、導電部材251である。
【0099】
ここで、
図8において、タブ252と電極端子231とは、貫通溶接の方式で融合領域253を形成する。
図9において、タブ252と電極端子231とは、シーム溶接の方式で融合領域253を形成する。
【0100】
図8と
図9に示すように、電池セル20に複数の電極アセンブリ22(
図3に示される)が含まれる実施例では、一部の電極アセンブリ22のタブ252(例えば、正タブ252)は、電極端子231と溶接され、別の一部の電極アセンブリ22のタブ252(例えば、正タブ252)は、電極端子231と溶接される。
【0101】
別のいくつかの実施例では、電池セル20は、電極端子231と集電部品とを含み、集電部品は、電極端子231とタブ252との電気的な接続を実現するために、電極端子231とタブ252とを接続するためのものであり、集電部品は、導電部材251である。
【0102】
本出願の実施例は、電池100を提供し、筐体10と上記のいずれか一つの実施例による電池セル20とを含む。筐体10は、電池セル20を収容するためのものである。
【0103】
本出願の実施例は、上記いずれか一つの実施例による電池100を含む電力消費機器を提供する。
【0104】
電力消費機器は、上記の、電池100を用いるいずれか一つの機器であってもよい。
【0105】
本出願の実施例は、タブ252の溶接方法を提供し、
図10を参照すると、
図10は、本出願のいくつかの実施例によるタブ252の溶接方法のフローチャートであり、該方法は、
【0106】
複数層のシートが第1の方向Zに沿って積層して形成されるタブ252を有する電極アセンブリ22を提供するS100と、
【0107】
導電部材251を提供するS200と、
【0108】
タブ252と導電部材251とを溶接して融合領域253を形成するS300とを含む。
【0109】
ここで、融合領域253は、第1の融合部2531と第2の融合部2532とを含む。第1の融合部2531は、第1の方向Zに沿ってタブ252から導電部材251の内部に延在する。第2の融合部2532は、第1の融合部2531と互いに区画され、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の側部に位置し、第2の融合部2532は、第1の融合部2531とタブ252とを接続するように構成される。
【0110】
上記の方法でタブ252と導電部材251とを溶接した後、第1の融合部2531とタブ252とが第2の融合部2532を介して融合されることに相当し、タブ252が第1の融合部2531と直接接続されることによるタブ252の溶接位置の亀裂のリスクを低減させ、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を向上させ、電池セル20の耐用年数を向上させた。なお、タブ252と導電部材251とが溶接して形成された融合領域253が第1の融合部2531と第2の融合部2532とを含むため、導電部材251とタブ252との間の過電流面積を増加させた。
【0111】
上記方法では、ステップS100とステップS200の前後順序が制限されない。まずステップS100を実行してから、ステップS200を実行してもよく、まずステップS200を実行してから、ステップS100を実行してもよい。
【0112】
いくつかの実施例では、
図11を参照すると、
図11は、本出願のまた別のいくつかの実施例によるタブ252の溶接方法のフローチャートであり、ステップS300は、
【0113】
タブ252と導電部材251とを一次溶接して、第1の融合部2531を形成するS310と、
【0114】
タブ252と導電部材251とを二次溶接して、第2の融合部2532を形成するS320とを含む。
【0115】
ここで、二次溶接の溶接温度は、一次溶接の溶接温度よりも小さい。
【0116】
本出願の実施例では、ステップS310とステップS320の前後順序が制限されない。まずステップS310を実行してから、ステップS320を実行してもよく、例えば、まずタブ252と導電部材251とを一次溶接して第1の融合部2531を形成してから、第1の融合部2531のエッジで二次溶接し、第1の融合部2531とタブ252とを接続する第2の融合部2532を形成し、まずステップS320を実行してから、ステップS310を実行してもよく、例えば、まずタブ252と導電部材251とを二次溶接して第2の融合部2532を形成してから、第2の融合部2532のエッジで一次溶接し、第2の融合部2532と導電部材251とを接続する第1の融合部2531を形成する。
【0117】
二次溶接の溶接温度が一次溶接の溶接温度よりも小さいことは、二次溶接の溶接電力が一次溶接の溶接温度よりも小さいことで実現することができる。タブ252と導電部材251とをレーザ溶接することを例に、レーザ二次溶接により第2の融合部2532を形成する溶接電力は、レーザ一次溶接により第1の融合部2531を形成する溶接電力よりも小さい。
【0118】
本実施例では、タブ252と導電部材251とを一次溶接する溶接温度が相対的に大きいことにより、第1の融合部2531の深さは、相対的に深く、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を確保する。タブ252と導電部材251とを二次溶接する溶接温度が相対的に低いことにより、第2の融合部2532を形成する過程において、タブ252が膨張変形しにくくなり、第2の融合部2532とタブ252との接続位置に亀裂が発生するリスクを低減させた。
【0119】
いくつかの実施例では、導電部材251とタブ252とを二次溶接することは、周方向に沿ってタブ252と導電部材251とを内側から外側に複数リング溶接して、第2の融合部2532を形成することを含む。
【0120】
図12を参照すると、
図12は、本出願のいくつかの実施例による導電部材251とタブ252の溶接軌跡図であり、導電部材251とタブ252とを二次溶接する時に、二次溶接軌跡Aに沿って内側から外側に溶接してもよく、導電部材251とタブ252とを一次溶接する時に、一次溶接軌跡Bに沿って螺旋の方式で溶接してもよい。
【0121】
周方向に沿ってタブ252と導電部材251とを複数リング溶接することにより、第1の融合部2531の周方向に沿って延在分布する第2の融合部2532を形成し、タブ252が第1の融合部2531の複数の方位においても亀裂しにくくなり、タブ252と導電部材251との溶接後の堅牢性を向上させることができる。
【0122】
いくつかの実施例では、各リングの溶接温度は、内側から外側に段階的に下がる。
【0123】
周方向に沿ってタブ252と導電部材251とを内側から外側に複数リング溶接して第2の融合部2532を形成する過程において、各リングの溶接温度が内側から外側に徐々に低減するため、第2の融合部の融合深さが内側から外側に階段状に減少し、内側から外側に各リングの溶接によるタブ252への熱影響が徐々に減少し、第2の融合部2532とタブ252との接続位置に亀裂が発生するリスクをさらに低減させる。
【0124】
本出願の実施例は、タブ252の溶接機器2000をさらに提供し、
図13を参照すると、
図13は、本出願のいくつかの実施例によるタブ252の溶接機器2000の概略ブロック図であり、溶接機器2000は、第1の提供装置2100と、第2の提供装置2200と、溶接装置2300とを含む。
【0125】
第1の提供装置2100は、複数層のシートが第1の方向Zに沿って積層して形成されるタブ252を有する電極アセンブリ22を提供するためのものである。第1の提供装置2100は、導電部材251を提供するためのものである。溶接装置2300は、タブ252と導電部材251とが融合領域253を形成するように、タブ252と導電部材251とを溶接するためのものである。
【0126】
ここで、融合領域253は、第1の融合部2531と第2の融合部2532とを含む。第1の融合部2531は、第1の方向Zに沿ってタブ252から導電部材251の内部に延在する。第2の融合部2532は、第1の融合部2531と互いに区画され、第2の融合部2532は、第1の融合部2531の側部に位置し、第2の融合部2532は、第1の融合部2531とタブ252とを接続するように構成される。
【0127】
説明すべきこととして、衝突しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0128】
以上の実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本出願には、様々な修正及び変更が可能である。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0129】
10-筐体、11-第1の部分、12-第2の部分、20-電池セル、21-ケース、22-電極アセンブリ、23-エンドキャップ、231-電極端子、24-放圧機構、25-タブ溶接構造、251-導電部材、2511-本体部、2511a-当接面、2512-突出部、2513-溶接ビード、252-タブ、253-融合領域、2531-第1の融合部、2532-第2の融合部、100-電池、200-コントローラ、300-モータ、1000-車両、2000-溶接機器、2100-第1の提供装置、2200-第2の提供装置、2300-溶接装置、A-二次溶接軌跡、B-一次溶接軌跡、Z-第1の方向、X-第2の方向。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブ溶接構造であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されたタブと、
前記タブと溶接されて融合領域を形成する導電部材とを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブ溶接構造。
【請求項2】
前記第1の方向において、前記第2の融合部の融合深さは、前記第1の融合部の融合深さよりも小さい、請求項1に記載のタブ溶接構造。
【請求項3】
前記第1の方向において、前記第2の融合部は、前記タブが前記導電部材に向かう方向に沿って前記タブからはみ出さない、請求項1又は2に記載のタブ溶接構造。
【請求項4】
前記導電部材と前記タブとが溶接されて第2の融合部を形成する溶接温度は、前記導電部材と前記タブとが溶接されて第1の融合部を形成する溶接温度よりも小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項5】
前記第2の融合部は、前記第1の融合部の外周側に設置され、前記第2の融合部は、前記第1の融合部の周方向に沿って延在分布する、請求項1から4のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項6】
前記第1の方向において、前記タブは、前記導電部材と積層して設置され、前記第1の融合部は、前記タブを貫通して前記導電部材内に局所的に延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項7】
第2の方向において、前記第1の融合部の少なくとも一方側には、前記第2の融合部が設置されており、
ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項8】
前記導電部材は、
当接面を有する本体部と、
前記当接面から突出する突出部とを含み、
前記タブは、前記第1の方向に沿って前記当接面に当接し、第2の方向において、前記タブと前記突出部との間には、溶接ビードが形成され、前記融合領域は、前記溶接ビードに形成され、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4と7のいずれか一項に記載のタブ溶接構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のタブ溶接構造を含む、電池セル。
【請求項10】
前記電池セルは、前記タブと電気的に接続される電極端子を含み、前記電極端子は、前記導電部材である、請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、
電極端子と、
前記電極端子と前記タブとの電気的な接続を実現するために、前記電極端子と前記タブとを接続するための、前記導電部材である集電部品とを含む、請求項9に記載の電池セル。
【請求項12】
電池であって、
請求項9から11のいずれか一項に記載の電池セルと、
前記電池セルを収容するための筐体とを含む、電池。
【請求項13】
請求項12に記載の電池を含む、電力消費機器。
【請求項14】
タブの溶接方法であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供することと、
導電部材を提供することと、
前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することとを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブの溶接方法。
【請求項15】
前記の、前記タブと前記導電部材とを溶接して融合領域を形成することは、
前記タブと前記導電部材とを一次溶接して、前記第1の融合部を形成することと、
前記タブと前記導電部材とを二次溶接して、前記第2の融合部を形成することとを含み、
ここで、前記二次溶接の溶接温度は、前記一次溶接の溶接温度よりも小さい、請求項14に記載のタブの溶接方法。
【請求項16】
前記の、前記タブと前記導電部材とを二次溶接することは、
周方向に沿って前記タブと前記導電部材とを内側から外側に複数リング溶接して、前記第2の融合部を形成することを含む、請求項15に記載のタブの溶接方法。
【請求項17】
各リングの溶接温度は、内側から外側に段階的に下がる、請求項16に記載のタブの溶接方法。
【請求項18】
タブの溶接機器であって、
複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供するための第1の提供装置と、
導電部材を提供するための第
2の提供装置と、
前記タブと前記導電部材とが融合領域を形成するように、前記タブと前記導電部材とを溶接するための溶接装置とを含み、
ここで、前記融合領域は、
前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、
前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む、タブの溶接機器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的に、タブ溶接構造、電池セル、電力消費機器、タブの溶接方法及びタブの溶接機器に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記技術案では、第2の融合部の融合深さは、第1の融合部の融合深さよりも小さいことにより、第1の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に長く、第2の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に短い。第1の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に長く、融合領域の深さが大きく、タブと導電部材とを溶接した後の堅牢性を確保する。第2の融合部の第1の方向におけるサイズは、相対的に短く、第2の融合部は、第1の融合部とタブとを良好に接続する役割を果たし、タブ溶接位置における亀裂のリスクを低減する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
第6の態様によれば、本出願の実施例は、タブの溶接機器をさらに提供し、この溶接機器は、複数層のシートが第1の方向に沿って積層して形成されるタブを有する電極アセンブリを提供するための第1の提供装置と、導電部材を提供するための第2の提供装置と、前記タブと前記導電部材とが融合領域を形成するように、前記タブと前記導電部材とを溶接するための溶接装置とを含み、ここで、前記融合領域は、前記第1の方向に沿って前記タブから前記導電部材内に延在する第1の融合部と、前記第1の融合部と互いに区画され、前記第1の融合部の側部に位置し、前記第1の融合部と前記タブとを接続するように構成される第2の融合部とを含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
融合領域253は、導電部材251とタブ252とが溶接されて融合する部分である。第1の融合部2531は、融合領域253がタブ252と導電部材251とを接続する部分であり、第2の融合部2532は、融合領域253が第1の融合部2531とタブ252とを接続する部分である。第1の融合部2531は、第2の融合部2532と互いに区画され、両方が繋がる位置に区画面が形成され、第1の融合部2531と第2の融合部2532とは、2回の溶接によりそれぞれ形成される。第1の融合部2531と第2の融合部2532とは、様々な区画形式を有する。例えば、第1の融合部2531と第2の融合部2532との両方の色が異なることにより、両方が互いに区画されてもよく、第1の融合部2531と第2の融合部2532との両方の表面粗さが異なることにより、両方が互いに区画されてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
図8と
図9に示すように、電池セル20に複数の電極アセンブリ22(
図3に示される)が含まれる実施例では、一部の電極アセンブリ22のタブ252(例えば、正
極タブ252)は、電極端子231と溶接され、別の一部の電極アセンブリ22のタブ252(例えば、
負極タブ252)は、電極端子231と溶接される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
二次溶接の溶接温度が一次溶接の溶接温度よりも小さいことは、二次溶接の溶接電力が一次溶接の溶接電力よりも小さいことで実現することができる。タブ252と導電部材251とをレーザ溶接することを例に、レーザ二次溶接により第2の融合部2532を形成する溶接電力は、レーザ一次溶接により第1の融合部2531を形成する溶接電力よりも小さい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
第1の提供装置2100は、複数層のシートが第1の方向Zに沿って積層して形成されるタブ252を有する電極アセンブリ22を提供するためのものである。第2の提供装置2200は、導電部材251を提供するためのものである。溶接装置2300は、タブ252と導電部材251とが融合領域253を形成するように、タブ252と導電部材251とを溶接するためのものである。
【国際調査報告】