(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】事前に着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/40 20060101AFI20240228BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240228BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240228BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240228BHJP
A61Q 5/08 20060101ALI20240228BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A61K8/40
A61K8/19
A61K8/33
A61K8/37
A61Q5/08
A61K8/84
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554043
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2022056197
(87)【国際公開番号】W WO2022189572
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】リンジー・メンツァー
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・リアール
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット・ドロスタル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトリア・ジャイディ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB232
4C083AC012
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC331
4C083AC332
4C083AC511
4C083AC542
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD161
4C083CC35
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE27
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの毛髪着色組成物を使用して予め着色された毛髪ケラチン繊維に少なくとも1つの色除去組成物を塗布することを含む、毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であって、少なくとも1つの毛髪着色組成物は、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物と;顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤とを含み;前記色除去組成物は、少なくとも1つのグリコールエーテルと;任意選択的に、少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネートとを含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物を使用して予め着色された毛髪ケラチン繊維に少なくとも1つの色除去組成物を塗布することを含む、予め着色された毛髪ケラチン繊維から毛髪色を除去する方法であって、毛髪ケラチン繊維を着色するための前記少なくとも1つの組成物は、
- 少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物;及び
- 顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤
を含み;
前記色除去組成物は、
- 少なくとも1つのグリコールエーテル;及び
- 任意選択的に、少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート
を含む、方法。
【請求項2】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(I):
【化1】
(式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキル、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される基並びに1つ以上のヘテロ原子と、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される1つ以上の基とが任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキルから選択される基を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表し;及び
- Aは、以下の化合物:
【化2】
から選択されるモノマーである)
の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(II):
【化3】
(式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表し;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1~3の範囲の整数を表し;
- L
1は、独立して、2価のC
1~C
18脂肪族炭化水素系基、C
3~C
15シクロアルキレン基、C
3~C
12ヘテロシクロアルキレン基又はC
6~C
14アリーレン基及びこれらの混合物を表し;
- Eは、独立して、
- -O-R
3-O-;-S-R
4-S-;-R
5-N(R
6)-R
4-N(R
6)-R
5-
(式中、R
3及びR
4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
- R
5は、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;
- R
6は、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す)
の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、前記式(II)の化合物から選択され、式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれているジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1に等しく;
- L1は、2価のC
1~C
18脂肪族炭化水素系基、C
3~C
15シクロアルキレン基、C
3~C
12ヘテロシクロアルキレン基又はC
6~C
14アリーレン基及びこれらの混合物から選択され;
- Eは、独立して、
- -O-R
3-O-;-S-R
4-S-;-R
5-N(R
6)-R
4-N(R
6)-R
5-
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
- R
5が共有結合ではない場合、R
5は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
- R
6は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、前記式(II)の化合物から選択され、式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれている(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1に等しく;
- L
1は、C
3~C
15シクロアルキレン基であり;
- Eは、独立して、
- -O-R
3-O-;-S-R
4-S-;-R
5-N(R
6)-R
4-N(R
6)-R
5-
(式中、R
3及びR
4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
- R
5が共有結合ではない場合、R
5は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
- R
6は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表すことを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、前記式(II)の化合物から選択され、式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、以下の式(VI):
R
13-[O-CH
2-C(H)(R
14)]
q- (VI)
(式中、R
13は、C
1~C
4アルキル基又はフェニル、好ましくはC
1~C
4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R
14は、水素原子又はC
1~C
4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
- n及びzは、2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは、1に等しく;
- L
1は、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC
3~C
15シクロアルキレン基であり;及び
- Eは、-O-R
3-O-基(式中、R
3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC
6~C
14アリーレン基、C
3~C
12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)を表すことを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、前記式(II)の化合物から選択され、式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、以下の式(VI):
R
13-[O-CH
2-C(H)(R
14)]
q- (VI)
(式中、R
13は、C
1~C
4アルキル基又はフェニル、好ましくはC
1~C
4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R
14は、水素原子又はC
1~C
4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは、1に等しく;
- L
1は、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC
3~C
15シクロアルキレン基、好ましくは4,4-ジシクロへキシレンメタンであり;及び
- Eは、-O-R
3-O-基(式中、R
3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基を表す)を表すことを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(XII):
【化4】
(式中、L
1は、4,4-ジシクロへキシレンメタンであり、n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、Eは、-O-R
3-O-基(式中、R
3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基を表す)を表し、且つr及びsは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物から選択されることを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物の総量は、毛髪ケラチン繊維を着色するための前記組成物の総質量に対して0.01質量%~30質量%、より優先的には0.1質量%~25質量%、更により良好には0.2質量%~20質量%、一層更により良好には1質量%~10質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
着色剤の含有量は、毛髪ケラチン繊維を着色するための前記組成物の総質量に対して0.001質量%~20質量%、好ましくは0.005質量%~15質量%の範囲であり、好ましくは、前記着色剤は、顔料から選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
顔料の含有量は、毛髪ケラチン繊維を着色するための前記組成物の総質量に対して0.05質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、更により良好には0.5質量%~10質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dを前記毛髪ケラチン繊維に塗布する工程も含み、前記組成物Dの前記塗布は、前記色除去組成物の前記塗布前に行われることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
組成物D中に存在する、少なくとも1つのカルボキシル基を含む前記シリコーン化合物の総量は、組成物Dの総質量に対して0.01質量%~20質量%、より優先的には0.1質量%~15質量%、更により良好には0.5質量%~10質量%の範囲であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
組成物Dは、好ましくは、C
8~C
16アルカンから、より優先的にはイソドデカン、イソヘキサデカン、テトラデカン及び/又はこれらの混合物から選択される1つ以上の油も含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記グリコールエーテルは、式CH
3(-O-CH(CH
3)-CH
2)
nOH(式中、nは、2~50、好ましくは2~10、より優先的には2~5である)のものであり、好ましくはトリプロピレングリコールメチルエーテルから選択されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
グリコールエーテルの含有量は、前記色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも10質量%であることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記アルキル又はアルキレンカーボネートは、C
1~C
30、好ましくはC
1~C
6アルキル又はC
1~C
30、好ましくはC
1~C
6アルキレンカーボネートであり、より優先的には、前記アルキル又はアルキレンカーボネートは、アルキレンカーボネートから、更により良好にはプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
アルキル又はアルキレンカーボネートの総含有量は、前記色除去組成物の総質量に対して10質量%~60質量%、好ましくは15質量%~50質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む毛髪着色組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための組成物であって、
- 前記色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の、請求項1又は15に記載の少なくとも1つのグリコールエーテル;
- 請求項1又は17に記載の少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート;
- 任意選択的に、グリコールエーテルと異なる少なくとも1つのポリオール
を含む組成物。
【請求項20】
顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む毛髪着色組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための、請求項1~18又は19のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項21】
前記毛髪着色組成物は、請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む、請求項20に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であって、(ポリ)カルボジイミド化合物と、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤とを含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物を使用して予め着色された前記毛髪ケラチン繊維に対して、色を除去するための少なくとも1つの組成物を塗布することを含み、前記色除去組成物は、少なくとも1つのグリコールエーテルを含む、方法に関する。
【0002】
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための組成物であって、
- 色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の少なくとも1つのグリコールエーテル;
- 少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート;
- 任意選択的に、グリコールエーテルと異なる少なくとも1つのポリオール
を含む組成物にも関する。
【0003】
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための本発明の組成物又は本発明の方法に関連して使用される組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の着色分野において、非永久的な着色を行うために直接染料若しくは顔料を用いるか、又は永久的な着色を行うために染料プレカーサーを用いる様々な技法によってケラチン繊維を着色することは、既に知られている手法である。
【0005】
毛髪を着色する方法は、基本的に3種類ある:
a)「永久」着色:その作用は、本来の色を大幅に修正することが可能であり、毛髪繊維に浸透し、酸化縮合過程を介して色素を生成する酸化染料を使用する。
b)非永久的、半永久的又は直接着色:酸化縮合過程を用いず、4又は5回のシャンプー洗浄に耐え;これは、毛髪ケラチン繊維を、直接染料を含有する毛髪着色組成物を用いて着色することを含む。
c)一時着色:毛髪本来の色を修正し、1回目のシャンプー洗浄から次のシャンプー洗浄まで残存し、既に得られている色合いを増強又は補正する役割を果たす。これは、「メーキャップ」方法に関連付けることもできる。
【0006】
最後に挙げた種類の着色に関して、アゾ、トリフェニルメタン、アジン、インドアミン又はアントラキノンの性質を有する1つ以上の染料を高分子鎖にグラフトさせることにより生成する有色ポリマーを使用する手法が知られている。このような有色ポリマーは、特に着色された色の均一性及びその耐性に関して完全に満足できるものではなく、その製造、特に再現性に関連する問題に関しては、言うまでもない。
【0007】
他の着色方法は、顔料を使用することを含む。具体的には、ケラチン繊維の表面に顔料を使用すると、表面の顔料が繊維本来の色を隠すため、一般に暗色の毛髪上で認識できる着色を達成することが可能になる。この着色方法は、ケラチン繊維、特に毛髪上に均一な着色コーティングを生成するという利点を有する利用可能な染料組成物を有することも可能にする一方、同時に、毛髪を劣化させることなく、シャンプー洗浄並びにブラッシング及び/又は摩擦等の毛髪が受け得る様々な攻撃因子に耐えるコートを形成することを可能にし得る。
【0008】
しかしながら、シャンプー洗浄に関して持続性であるこのタイプの一時的な毛髪着色組成物で効率的な色除去組成物を使用する方法は、存在しない。
【0009】
したがって、シャンプー洗浄に関して持続性である前記毛髪着色組成物を使用して事前に着色された毛髪ケラチン繊維から色を効率的に除去する方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、毛髪ケラチン繊維から色を効率的に除去する方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明によって達成され、その1つの主題は、毛髪等の毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物を使用して予め着色された毛髪ケラチン繊維に少なくとも1つの色除去組成物を塗布することを含む、予め着色された毛髪等の前記毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であり、毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物は、
- 少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物;及び
- 顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤
を含み;
前記色除去組成物は、
- 少なくとも1つのグリコールエーテル;及び
- 任意選択的に、少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート
を含む。
【0012】
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための組成物であって、
- 色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の少なくとも1つのグリコールエーテル;
- 少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート;
- 任意選択的に、グリコールエーテルと異なる少なくとも1つのポリオール
を含む組成物にも関する。
【0013】
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む毛髪着色組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための、本発明の色除去組成物又は本発明の方法に関連して使用される色除去組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の他の主題、特徴、態様及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより一層明らかになるであろう。
【0015】
以下の本文では、別段の指定がない限り、数値範囲の境界値は、その範囲、とりわけ「~」及び「...~...の範囲」の表現に包含される。
【0016】
本説明において使用される「少なくとも1つ」という表現は、「1つ以上」という表現と均等である。
【0017】
本発明は、例示する実施例に限定されない。様々な実施例の特徴は、特に、例示していない変形形態内で組み合わせることができる。
【0018】
本発明の目的に関して、特に断りのない限り、以下の通りとする:
- 「アルキル」基は、例えば、1~20個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の飽和基を指し;
- 「アミノアルキル」基は、前記アルキル基がNH2基を含む、先に定義したアルキル基を指し;
- 「ヒドロキシアルキル」基は、前記アルキル基がOH基を含む、先に定義したアルキル基を指し;
- 「アルキレン」基は、メチレン、エチレン又はプロピレン等の直鎖又は分枝鎖の二価の飽和C2~C4炭化水素系基を示し;
- 「シクロアルキル」又は「アリシクロアルキル」基は、1~3つの環、好ましくは2つの環を含み、3~24個の炭素原子を含み、特に3~20個の炭素原子、より詳細には3~13個の炭素原子、一層より詳細には3~12個の炭素原子、好ましくは5~10個の炭素原子を含む、環状の飽和単環式又は二環式、好ましくは単環式の炭化水素系基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はノルボルニル、特にシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指し、シクロアルキル基は、1つ以上のメチルなどの(C1~C4)アルキル基で置換され得;その場合、好ましくは、シクロアルキル基は、イソボルニル基となることが理解され;
- 「シクロアルキレン」基は、先に定義した「シクロアルキル」を有する、好ましくは2価のC3~C12シクロアルキル基を指し;
- 「アリール」基は、6~14個の炭素原子、好ましくは6~12個の炭素原子を含む、単環式、二環式又は三環式の縮合又は非縮合の不飽和芳香族炭化水素系環式基であり;好ましくは、アリール基は、6つの炭素原子を有する1つの環を含む、例えばフェニル、ナフチル、フェナントリルであり、フェニルは、アリール基が1つ以上のメチルなどの(C1~C4)アルキル基で置換された、好ましくはトリル、キシリル又はメチルナフチルであり得ることが理解され;好ましくは、アリール基は、フェニルを表し;
- 「アリーレン」基は、先に定義した「アリール」を有する2価のアリール基であり;好ましくは、アリーレンは、フェニレンを表し;
- 「複素環式」基は、1つ以上のヘテロ原子、好ましくはO、S又はNから選択される1~5つの原子を含み、3~20個の環員、好ましくは5~10個の環員を含む、飽和又は不飽和の非芳香族又は芳香族の単環式又は多環式炭化水素系基、例えばイミダゾリル、ピロリル及びフラニルなどであり;
- 「ヘテロシクロアルキレン」基は、先に定義した「複素環式」を有する2価の複素環式基であり;
- 「アリールオキシ」基は、先に定義した「アリール」を有するアリールオキシを示し;
- 「アルコキシ」基は、先に定義した「アルキル」を有するアルキル-オキシ基を指し;
- 「アシルオキシ」基は、Rが先に定義したアルキル基である、エステル基R-C(O)-O-を指し;
- 「反応性」基は、化学反応により、他の同一の又は異なる基と共有結合を形成することができる基である。
【0019】
「毛髪ケラチン繊維」という用語は、毛髪を意味する。本明細書の残りの部分では、「ケラチン繊維」及び「毛髪ケラチン繊維」という用語は同じ意味を有する。
【0020】
「毛髪ケラチン繊維着色用組成物」という表現は、「毛髪着色組成物」と均等である。
【0021】
本発明の目的のために、「毛髪」という表現は、頭部の毛髪を意味する。これは、まつげ、眉毛及び体毛を指すものではない。
【0022】
「脱色組成物」という表現は、「毛髪ケラチン繊維から(その)色を除去するための組成物」及び「毛髪ケラチン繊維から毛髪色を除去するための組成物」と均等である。
【0023】
ポリカルボジイミド化合物
前述のように、本発明による方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む。
【0024】
組成物は、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物中に混合物として存在する少なくとも2つの異なる(ポリ)カルボジイミド化合物を含み得る。
【0025】
「(ポリ)カルボジイミド化合物」という用語は、1つ以上のカルボジイミド基、好ましくは少なくとも2つのカルボジイミド基、より優先的には少なくとも3つのカルボジイミド基を含む化合物を意味し;特に、カルボジイミド基の数は、200を超えず、好ましくは150を超えず、より優先的には100を超えない。
【0026】
「カルボジイミド基」は、一般式-(N=C=N)-で表される2価の直鎖状3原子部分を意味する。
【0027】
本発明による(ポリ)カルボジイミド化合物は、その構造中において、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される、カルボジイミド基と異なる1つ以上の反応性基を任意選択的に含み得る。
【0028】
カルボジイミド基以外の反応性基は、側基又は末端基であり得る。好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される、カルボジイミド基と異なる1つ以上の末端基、好ましくは1つ以上の末端基を含む。
【0029】
特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(I):
【化1】
(式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキル、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される基並びに1つ以上のヘテロ原子と、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される1つ以上の基とが任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキルから選択される基を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表し;及び
- Aは、以下の化合物:
【化2】
から選択されるモノマーである)
から選択される。
【0030】
他の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(Ia):
【化3】
(式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
- Y
1及びY
2は、独立して、飽和C
1~C
36脂肪族基又はC
6~C
24芳香族若しくはアルキル芳香族基から選択される二価の有機基を表し、脂肪族又は芳香族基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はその組合せなどの1つ以上の非ペンダントヘテロ原子を任意選択的に含み;
- Z
1及びZ
2は、独立して、反応性末端基又は不活性末端基を表し;
- 不活性末端基として、Z
1及びZ
2は、独立して、飽和、直鎖若しくは分枝鎖又は環状C
1~C
50脂肪族基又はC
6~C
18芳香族基を表し得、前記脂肪族基及び芳香族基は、窒素、酸素、硫黄及びその組合せから選択される1~10個のヘテロ原子を任意選択的に含み、脂肪族基又は芳香族基は、部分的又は完全にフッ素化され得;この変形形態では、Z
1及びZ
2は、Z
1をY
1に、且つZ
2をY
2に連結する結合基CGを含み、基CGは、場合により、単一共有結合、飽和C-C結合、不飽和共有結合C-C結合、アミド基、エステル基、カーボネート基、チオエステル基、エーテル基、ウレタン基、チオウレタン基又はウレア基であり;
- 反応性末端基として、Z
1及びZ
2は、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択され得;
- Qは、カーボネート、エステル、エーテル、アミド、ウレタン若しくは尿素反復結合又はその組合せを介して結合された、飽和、直鎖若しくは分岐又は環状脂肪族基又は芳香族基若しくはアルキル芳香族基の反復単位を含む有機ポリマー又は有機オリゴマーを表し;
- Aは、2~30個の炭素原子を含む二価の脂肪族、芳香族、アルキル芳香族又は直鎖、飽和、分岐又は環状基を表し、これらは、脂肪族鎖又は芳香族鎖中に窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はその組合せなどの1つ以上の非ペンダントヘテロ原子を任意選択的に含み得;
- rは、0又は1又に等しい整数を示し;
- mは、0~1000の範囲、好ましくは0又は1に等しい整数を示し;
- m’は、0~1000の範囲、好ましくは0又は1に等しい整数を示し;
- nは、0~1000の範囲、好ましくは0又は1に等しい整数を示し、ここで、m+(m’*n)は、2以上である)
の化合物から選択される。
【0031】
好ましくは、Z1及びZ2は、独立して、反応性末端基を表し;より好ましくは、Z1及びZ2は、独立して、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択され得る。
【0032】
そのような(ポリ)カルボジイミド化合物は、例えば、Stahl B.V.社からPermutex XRという名称又はRelcaLink 10という名称、Picassian XLという名称で販売されており、日清紡化合物からシリーズV-02、V-02-L2、SV-02、E-02、V-10、SW-12G、E-03A、E-04DG-T、E-05、V-04、V-02B、V-04PF、V-05と共にCarbodiliteという名称で販売されている。
【0033】
好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(II):
【化4】
(式中、
- X
1及びX
2は、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
- R
1及びR
2は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表し;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1~3の範囲の整数を表し;
- L
1は、独立して、2価のC
1~C
18脂肪族炭化水素系基、C
3~C
15シクロアルキレン基、C
3~C
12ヘテロシクロアルキレン基又はC
6~C
14アリーレン基及びこれらの混合物を表し;
- Eは、独立して、
- -O-R
3-O-;-S-R
4-S-;-R
5-N(R
6)-R
4-N(R
6)-R
5-
(式中、R
3及びR
4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
- R
5は、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;
- R
6は、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す)
の化合物から選択される。
【0034】
「炭化水素系基」という用語は、1~300個の炭素原子、好ましくは1~250個の炭素原子、より優先的には1~200個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐基を意味する。好ましくは、炭化水素系基は、飽和直鎖基である。
【0035】
炭化水素系基は、1つ以上の環式基を含むことができる。
【0036】
炭化水素系基は、特に、O、S若しくはNから選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子が介在し得、且つ/又は1つ若しくは複数の陽イオン、陰イオン、若しくは双性イオン、若しくはアンモニウムなどのカチオン性基、カルボキシレートなどのアニオン性基、若しくは双性イオン性基で置換され得、且つ/又は塩の形態で組み込むことができる金属イオンを含み得る。
【0037】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素O、硫黄S又は窒素N原子に加えて、Cl、F、Br及びIなどのハロゲン原子も意味する。ヘテロ原子が炭化水素系基の鎖中に含まれる場合、このヘテロ原子は、好ましくは、酸素O、硫黄S又は窒素N原子から選択される。
【0038】
好ましくは、X1及びX2は、独立して、酸素原子を表す。
【0039】
好ましくは、R1及びR2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれているジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択される。
【0040】
好ましい実施形態において、R1及びR2は、以下の基(i)~(iv):
(i)以下の式(III):
R7-O-C(O)-C(R8)(H)- (III)
(式中、R7は、C1~C3アルキル基を表し、R8は、水素原子又はC1~C3アルキル基を表し;好ましくは、R7は、メチルであり、及びR8は、水素原子又はメチルである)
の化合物、
(ii)以下の式(IV):
R9-[O-CH2-C(H)(R10)]p- (IV)
(式中、R9は、C1~C4アルキル基を表し、R10は、水素原子又はC1~C4アルキル基を表し、pは、1~3の範囲の整数を表し;好ましくは、R9は、メチル、エチル又はブチルであり、R10は、水素原子又はメチルであり、及びpは、1に等しい)
の化合物、
(iii)以下の式(V):
(R11)2N-CH2-C(H)(R12)- (V)
(式中、R11は、C1~C4アルキル基を表し、R12は、水素原子又はC1~C4アルキル基を表し;好ましくは、R11は、メチル、エチル又はブチルであり、及びR12は、水素原子又はメチルである)
の化合物、
(iv)以下の式(VI):
R13-[O-CH2-C(H)(R14)]q- (VI)
(式中、R13は、C1~C4アルキル基を表し、R14は、水素原子又はC1~C4アルキル基を表し、qは、4~30の範囲の整数を表し;好ましくは、R13は、メチル、エチル又はブチルであり、及びR14は、水素原子又はメチルである)
の化合物
から独立して選択される。
【0041】
好ましくは、R1及びR2は、独立して、式(VI)の化合物を表し、式中、R13は、C1~C4アルキル基又はフェニル、好ましくはC1~C4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC1~C4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0042】
代替的な実施形態によれば、R1及びR2は、異なり、R1又はR2基の一方は、上に述べた式(IV)の化合物を表し、R1又はR2基の他方は、上に述べた式(VI)の化合物を表す。
【0043】
好ましくは、式(IV)において、R9は、メチル、エチル又はブチルであり、R10は、水素原子又はメチルであり、pは、1に等しい。
【0044】
好ましくは、式(VI)において、R13は、メチル、エチル又はブチルであり、R14は、水素原子又はメチルであり、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0045】
他の代替的な実施形態によれば、R1及びR2は、同一であり、式(VI)の化合物を表し、式中、R13は、C1~C4アルキル基又はフェニル、好ましくはC1~C4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC1~C4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0046】
好ましくは、nは、1~20、より優先的には2~20の範囲の整数を表す。
【0047】
好ましくは、zは、1~20、より優先的には2~20の範囲の整数を表す。
【0048】
好ましくは、wは、1に等しい。
【0049】
好ましくは、wは、1に等しく、n+zは、4~10の範囲の整数を表す。
【0050】
好ましくは、L1は、メチレン、エチレン及びプロピレンなどの2価のC1~C18脂肪族炭化水素系基、シクロペンチレン、シクロヘプチレン及びシクロへキシレンなどのC3~C15シクロアルキレン基、イミダゾレン、ピロレン及びフラニレンなどのC3~C12ヘテロシクロアルキレン基又はフェニレンなどのC6~C14アリーレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0051】
例えば、L1は、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,4-ビス(8-イソシアナトオクチル)-1,3-ジオクチルシクロブタン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナプタチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート及びフェニレンジイソシアネート並びにこれらの混合物から誘導される基から選択され得る。
【0052】
好ましくは、L
1は、C
3~C
15シクロアルキレン基又はC
6~C
14アリーレン基及びこれらの混合物、例えば以下の式(VII):
【化5】
から選択される。
【0053】
好ましくは、L1は、以下の式(VIII):
【化6】
に対応する4,4-ジシクロへキシレンメタンである。
【0054】
他の実施形態によれば、L1がC
6~C
14アリーレン基である場合、L
1は、以下の式(IX):
【化7】
で表されるm-テトラメチルキシリレン基ではない。
【0055】
先に述べたように、Eは、独立して、
- -O-R3-O-;-S-R4-S-;-R5-N(R6)-R4-N(R6)-R5-
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
- R5は、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;及び
- R6は、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す。
【0056】
好ましくは、R3及びR4は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC6~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC3~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐C1~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から独立して選択される。
【0057】
より優先的には、R3及びR4は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、ブチレン、プロピレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基から独立して選択される。
【0058】
好ましくは、R5が共有結合ではない場合、R5は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC6~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC3~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0059】
好ましくは、R6は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC6~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC3~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0060】
好ましくは、Eは、-O-R3-O-基を表し、式中、R3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される。
【0061】
より優先的には、Eは、-O-R3-O-基を表し、式中、R3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、ブチレン、プロピレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基を表す。
【0062】
特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(X):
【化8】
(式中、Rは、独立して、1~24個の炭素原子を含有するアルキル基、3~24個の炭素原子を含有するシクロアルキル基又は6~24個の炭素原子を含有するアリール基を表し、及び
nは、2~100の範囲の整数を表す)
のα-メチルスチリルイソシアネート由来のコポリマーである。
【0063】
本実施形態における「アルキル基」という用語は、先に定義した通りである。
【0064】
本実施形態における「シクロアルキル基」という用語は、先に定義した通りである。
【0065】
本実施形態において、nは、2~50、好ましくは3~30、一層より優先的には5~10の範囲の整数を表すことができる。
【0066】
他の特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(XI):
【化9】
(式中、Rは、独立して、1~24個の炭素原子を含有するアルキル基、3~24個の炭素原子を含有するシクロアルキル基又は6~24個の炭素原子を含有するアリール基を表す)
の化合物である。
【0067】
「アルキル基」、「シクロアルキル基」及び「アリール基」は、先に定義した通りである。
【0068】
好ましい実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(I)又は式(II)の化合物から選択され、式中、
- X1及びX2は、独立して、酸素原子を表し;
- R1及びR2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれているジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され、好ましくは、ヒドロキシル基が除かれている(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり、より優先的にはR13がC1~C4アルキル基又はフェニル、好ましくはC1~C4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14が水素原子又はC1~C4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、qが4~30の範囲の整数を表す、先に述べた式(VI)の化合物であり;
- n及びzが存在する場合、これらは、1~20範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1に等しく;
- L1が存在する場合、これは、2価のC1~C18脂肪族炭化水素系基、C3~C15シクロアルキレン基、C3~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC6~C14アリーレン基及びこれらの混合物、好ましくはC3~C15シクロアルキレン基から選択され;
- Aが存在する場合、これは、2価のC1~C18脂肪族炭化水素系基、C3~C15シクロアルキレン基、C3~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC6~C14アリーレン基及びこれらの混合物、好ましくはC3~C15シクロアルキレン基から選択され;
- Eが存在する場合、これは、独立して、
- -O-R3-O-;-S-R4-S-;-R5-N(R6)-R4-N(R6)-R5-
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
- R5が共有結合ではなく、R5が存在する場合、これは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
- R6が存在する場合、これは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0069】
好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
- X1及びX2は、独立して、酸素原子を表し;
- R1及びR2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれているジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1に等しく;
- L1は、2価のC1~C18脂肪族炭化水素系基、C3~C15シクロアルキレン基、C3~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC6~C14アリーレン基及びこれらの混合物から選択され;
- Eは、独立して、
- -O-R3-O-;-S-R4-S-;-R5-N(R6)-R4-N(R6)-R5-
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
- R5が共有結合ではない場合、R5は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
- R6は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0070】
より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
- X1及びX2は、独立して、酸素原子を表し;
- R1及びR2は、独立して、ヒドロキシル基が除かれている(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり;
- n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1に等しく;
- L1は、C3~C15シクロアルキレン基であり;
- Eは、独立して、
- -O-R3-O-;-S-R4-S-;-R5-N(R6)-R4-N(R6)-R5-
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
- R5が共有結合ではない場合、R5は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
- R6は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0071】
一層より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
- X1及びX2は、独立して、酸素原子を表し;
- R1及びR2は、独立して、以下の式(VI):
R13-[O-CH2-C(H)(R14)]q- (VI)
(式中、R13は、C1~C4アルキル基又はフェニル、好ましくはC1~C4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC1~C4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
- n及びzは、2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは、1に等しく;
- L1は、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC3~C15シクロアルキレン基であり;及び
- Eは、-O-R3-O-基(式中、R3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在するC6~C14アリーレン基、C3~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)を表す。
【0072】
一層より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
- X1及びX2は、独立して、酸素原子を表し;
- R1及びR2は、独立して、以下の式(VI):
R13-[O-CH2-C(H)(R14)]q- (VI)
(式中、R13は、C1~C4アルキル基又はフェニル、好ましくはC1~C4アルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC1~C4アルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
- n及びzは、1~20、好ましくは2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは、1に等しく;
- L1は、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC3~C15シクロアルキレン基、好ましくは4,4-ジシクロへキシレンメタンであり;及び
- Eは、-O-R3-O-基(式中、R3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC1~C18アルキレン基を表す)を表す。
【0073】
好ましい実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(XII):
【化10】
(式中、L1は、4,4-ジシクロへキシレンメタンであり、n及びzは、1~20、好ましくは2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、Eは、-O-R
3-O-基(式中、R
3は、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC
1~C
18アルキレン基を表す)を表し、且つr及びsは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物である。
【0074】
毛髪着色組成物中に存在する(ポリ)カルボジイミド化合物の総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して好ましくは0.01質量%~30質量%、より優先的には0.1質量%~25質量%、更により良好には0.2質量%~20質量%、一層更により良好には1質量%~10質量%の範囲である。
【0075】
着色剤
前述のように、本発明による方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む。
【0076】
好ましくは、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、1つ以上の顔料を含む。
【0077】
用語「顔料」は、ケラチン物質を着色する任意の顔料を指す。25℃の大気圧(760mmHg)下におけるこれらの水への溶解度は、0.05質量%未満、好ましくは0.01%未満である。
【0078】
使用され得る顔料は、特に当技術分野において知られている、特にKirk-Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology and in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistryに記載されている有機及び/又は鉱物顔料から選択される。
【0079】
これらは、天然起源の天然物又は非天然物であり得る。
【0080】
これらの顔料は、顔料粉末又はペースト形態であり得る。それらは、コーティングされていても又はされていなくてもよい。
【0081】
顔料は、例えば、鉱物顔料、有機顔料、レーキ、真珠光沢剤又は光輝フレークなどの特殊効果を有する顔料及びこれらの混合物から選択され得る。
【0082】
顔料は、鉱物顔料であり得る。「鉱物顔料」という用語は、Ullmann’s encyclopaediaにおける無機顔料に関する章での定義を満たす任意の顔料を指す。本発明において使用される無機顔料の中でも、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー及び酸化チタンを挙げることができる。
【0083】
顔料は、有機顔料であり得る。「有機顔料」という用語は、Ullmann’s encyclopaediaの有機顔料に関する章の定義を満たす任意の顔料を指す。
【0084】
有機顔料は、特に、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、ピレン、キノリン、アントラキノン、トリフェニルメタン、フルオラン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン及びキノフタロン化合物から選択することができる。
【0085】
特に、白色又は有色有機顔料は、カーマイン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、カラーインデックスにおいてCI 42090、69800、69825、74100、74160の参照番号で分類される青色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11680、11710、19140、20040、21100、21108、47000、47005の参照番号で分類される黄色顔料、カラーインデックスにおいてCI 61565、61570、74260の参照番号で分類される緑色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11725、45370、71105の参照番号で分類される橙色顔料、カラーインデックスにおいてCI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470の参照番号で分類される赤色顔料、仏国特許第2679771号明細書に記載されているインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択することができる。
【0086】
有機顔料の顔料ペーストの例として、Hoechst社から以下の名称で販売されている製品なども挙げることができる:
- Cosmenyl Yellow 10G:ピグメントイエロー3(CI 11710);
- Cosmenyl Yellow G:ピグメントイエロー1(CI 11680);
- Cosmenyl Orange GR:ピグメントオレンジ43(CI 71105);
- Cosmenyl Red R:ピグメントレッド4(CI 12085);
- Cosmenyl Carmine FB:ピグメントレッド5(CI 12490);
- Cosmenyl Violet RL:ピグメントバイオレット23(CI 51319);
- Cosmenyl Blue A2R;ピグメントブルー15.1(CI 74160);
- Cosmenyl Green GG:ピグメントグリーン7(CI 74260);
- Cosmenyl Black R:ピグメントブラック7(CI 77266)。
【0087】
本発明における顔料は、欧州特許第1184426号明細書に記載されているような複合顔料の形態であり得る。これらの複合顔料は、特に、無機物質の芯物質と、有機顔料を芯物質に結合させる少なくとも1つの結合剤と、芯物質の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの有機顔料とを含む粒子から構成されるものであり得る。
【0088】
有機顔料は、レーキであり得る。「レーキ」という用語は、不溶性の粒子の上に吸着された色素を指し、そのため、そのようにして得られた複合物は、使用時にも不溶性を残している。
【0089】
その上に色素が吸着される鉱物基材は、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム又はホウケイ酸カルシウムアルミニウム及びアルミニウムである。
【0090】
染料の中でも、カルミン酸を挙げることができる。以下の名称:D&C Red 21(CI 45 380)、D&C Orange 5(CI 45 370)、D&C Red 27(CI 45 410)、D&C Orange 10(CI 45 425)、D&C Red 3(CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33(CI 17 200)、D&C Yellow 5(CI 19 140)、D&C Yellow 6(CI 15 985)、D&C Green 5(CI 61 570)、D&C Yellow 10(CI 77 002)、D&C Green 3(CI 42 053)、D&C Blue 1(CI 42 090)で知られる染料を挙げることもできる。
【0091】
レーキの例として、以下の名称:D&C Red 7(CI 15 850:1)で知られる製品が挙げられる。
【0092】
顔料は、特殊効果顔料でもあり得る。「特殊効果を有する顔料」という用語は、一様でなく且つ観測の条件(光、温度、観測角等)に応じて変化する着色した外観(特定の色合い、特定の精彩及び特定レベルの輝度で特徴付けられる)を一般にもたらす顔料を意味する。それにより、それらは、標準的な一様な不透明、半透明又は透明の色合いを呈する着色した顔料と異なる。
【0093】
特殊効果を有する顔料には、いくつつかの種類がある:蛍光又はフォトクロミック顔料などの低屈折率を有するもの及び真珠光沢剤、干渉顔料又は光輝フレークなどの高屈折率を有するもの。
【0094】
言及し得る特別な効果を有する顔料の例としては、チタン又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母等の真珠光沢顔料、チタン及び酸化鉄でコーティングされた雲母等の着色真珠光沢顔料、酸化鉄でコーティングされた雲母、チタンでコーティングされ、特に第二鉄ブルー又は酸化クロムでコーティングされた雲母、チタンでコーティングされ、先に定義した有機顔料でコーティングされた雲母及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料も含まれる。真珠光沢顔料として、BASFにより販売されているCellini(雲母-TiO2-レーキ)、Eckartにより販売されているPrestige(雲母-TiO2)、Eckartにより販売されているPrestige Bronze(雲母-Fe2O3)又はMerckにより販売されているColorona(雲母-TiO2-Fe2O3)といった真珠光沢剤を挙げることができる。
【0095】
金色真珠光沢剤、特にBASF社からBrilliant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)及びMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されているもの;青銅色真珠光沢剤、特にMerck社からBronze fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名称において且つBASF社からSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されているもの;橙色真珠光沢剤、特にBASF社からOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR 101(Cosmica)の名称において且つMerck社からPassion orange(Colorona)及びMatte orange(17449)(Microna)の名称で販売されているもの;褐色真珠光沢剤、特にBASF社からNu-antique Copper 340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されているもの;銅色味を帯びた真珠光沢剤、特にBASF社からCopper 340A(Timica)の名称で販売されているもの;赤色味を帯びた真珠光沢剤、特にMerck社からSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されているもの;黄色味を帯びた真珠光沢剤、特にBASF社からYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されているもの;金色味を帯びた赤色真珠光沢剤、特にBASF社からSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されているもの;桃色真珠光沢剤、特にBASF社からTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されているもの;金色味を帯びた黒色真珠光沢剤、特にBASF社からNu antique bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されているもの;青色真珠光沢剤、特にMerck社からMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されているもの;銀色味を帯びた白色真珠光沢剤、特にMerck社からXirona Silverの名称で販売されているもの;並びに金緑色~桃色~橙色に変化する真珠光沢剤、特にMerck社からIndian summer(Xirona)の名称で販売されているもの;並びにこれらの混合物も挙げられ得る。
【0096】
真珠光沢性剤の更なる例として、酸化チタンで被覆されたボロシリケート基材を含む粒子も挙げられ得る。
【0097】
酸化チタンで被覆されたガラス基材を含む粒子は、特に、Toyal社からMetashine MC1080RYの名称で販売されている。
【0098】
最後に、真珠光沢剤の例として、ポリエチレンテレフタレートグリッターフレーク、特にMeadowbrook Inventions社からSilver 1P 0.004X0.004(銀色グリッターフレーク)の名称で販売されているものも挙げることができる。合成基材、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート及びアルミニウム等をベースとする多層顔料を想定することもできる。
【0099】
特殊効果を有する顔料は、反射性粒子、即ちそのサイズ、構造、特にそれを構成している層の厚み並びに物理的及び化学的性質並びに表面状態に起因して入射光を反射することが可能な粒子から選択することもできる。この反射は、適切な場合、メーキャップすべき支持体にそれを適用した場合、組成物又は混合物の表面に肉眼で視認することができる光輝点、即ち周囲よりも目立って輝いて見えるより明るい点を生じさせるのに十分な強度を有することができる。
【0100】
反射性粒子は、それと組み合わされる着色剤がもたらす呈色効果を大きく変化させないように、より具体的には演色性の観点でこの効果を最適化するように選択することができる。これらは、より具体的には、黄色、桃色、赤色、青銅色、橙色、褐色、金色及び/又は銅色の色彩又は色合いを有し得る。
【0101】
これらの粒子は、様々な形態を有し得、特に小板又は小球形態、特に球形態であり得る。
【0102】
反射性粒子は、その形態に関わらず、多層構造を有しても又は有しなくてもよく、多層構造の場合、例えば均一な厚みを有する、特に反射性材料の少なくとも1つの層を有し得る。
【0103】
反射性粒子が多層構造を有しない場合、これらは、金属酸化物、特に合成によって得られた酸化チタン又は酸化鉄で構成され得る。
【0104】
反射性粒子が多層構造を有する場合、これらは、例えば、反射性材料、特に少なくとも1つの金属又は金属性材料の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された、天然又は合成基材、特に合成基材を含み得る。基材は、1つ以上の有機材料及び/又は無機材料から作製可能である。
【0105】
より詳細には、これは、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート及び合成雲母並びにこれらの混合物から選択することができるが、この一覧に限定されるものではない。
【0106】
反射性材料は、金属又は金属性材料の層を含み得る。
【0107】
反射性粒子は、特に、文献特開平09-188830号公報、特開平10-158450号公報、特開平10-158541号公報、特開平07-258460号公報及び特開平05-017710号公報に記載されている。
【0108】
金属層でコーティングされた無機基材を含む反射性粒子の更なる例として、銀でコーティングされたボロシリケート基材を含む粒子も挙げられ得る。
【0109】
小板形態の銀コーティングガラス基材の粒子は、Toyal社からMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名称で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金でコーティングされたガラス基材の粒子は、同社からCrystal Star GF 550及びGF 2525の名称で販売されている。
【0110】
銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マグネシウム、鋼、青銅又はチタンなどの金属基材を含む粒子も利用することができ、前記基材は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ケイ素及びこれらの混合物などの少なくとも1種の金属酸化物の少なくとも1つの層で被覆されている。
【0111】
例として、Eckart社からVisionaireの名称で販売されている、SiO2でコーティングされたアルミニウム粉末、青銅粉末又は銅粉末が挙げられ得る。
【0112】
基材に結合していない、液晶(WackerからのHelicones HC)又はホログラム光輝フレーク(SpectratekからのGeometric Pigments又はSpectra f/x)などの干渉効果を示す顔料も挙げられ得る。特殊効果を有する顔料は、蛍光顔料(これらは、昼光において蛍光を発する物質又は紫外蛍光をもたらす物質のいずれかである)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料及び例えばQuantum Dots Corporation社より販売されている量子ドットも含む。
【0113】
本発明に使用され得る顔料の多様性により広範囲の色を得ることが可能であり、金属効果又は干渉効果などの特定の光学効果を得ることも可能である。
【0114】
本発明による組成物に使用される顔料のサイズは、概して、10nm~200μm、好ましくは20nm~80μm、より優先的には30nm~50μmである。
【0115】
顔料は、組成物中に分散剤により分散させることができる。
【0116】
分散剤は、分散している粒子の凝集又は軟凝集を防ぐ役割を果たす。この分散剤は、分散すべき粒子の表面に対して強力な親和性を有する1種以上の官能基を有する界面活性剤、オリゴマー、ポリマー又はこれらの幾つかの混合物であり得る。特に、これらは、顔料表面に物理的又は化学的に結合し得る。これらの分散剤は、連続媒体と相性が良いか又は連続媒体に可溶性である少なくとも1つの官能基も含有する。特に、12-ヒドロキシステアリン酸のエステル及びC8~C20脂肪酸及びグリセロール又はジグリセロールなどのポリオールのエステル、例えば、分子量が約750g/molのポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート、例えば、AveciaからSolsperse 21000の名称で販売されている製品、HenkelからDehymyls PGPHの商品記号で販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)又は他のポリヒドロキシステアリン酸、例えば、UniqemaからArlacel P100の商品記号で販売されている製品及びこれらの混合物が使用される。
【0117】
本発明の組成物中に使用され得る他の分散剤として、重縮合した脂肪酸の第4級アンモニウム誘導体、例えばAvecia社により販売されているSolsperse 17000並びにポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えばDow Corning社によりDC2-5185及びDC2-5225 Cの商品記号で販売されているものが挙げられ得る。
【0118】
組成物中に使用することができる顔料は、有機剤で表面処理されたものであり得る。
【0119】
したがって、本発明に関連して有用である予め表面処理された顔料は、有機薬剤を用いて化学的、電子的、電気化学的、機械化学的又は機械的な性質の表面処理を、全面的又は部分的に施した顔料、例えばCosmetics and Toiletries,February 1990,Vol.105,pages 53-64に記載されているようなものであり、そのような処理をした後、本発明における組成物に分散される。これらの有機剤は、例えば、ロウ、例えばカルナウバロウ及びミツロウ;脂肪酸、脂肪アルコール及びこれらの誘導体、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール及びラウリン酸並びにこれらの誘導体;アニオン性界面活性剤;レシチン;脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛又はアルミニウム塩、例えばステアリン酸又はラウリン酸アルミニウム;金属アルコキシド;ポリエチレン;(メタ)アクリル酸ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート;アクリレート単位を含むポリマー及びコポリマー;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えばシリコーン、特にポリジメチルシロキサン;有機フッ素化合物、例えばパーフルオロアルキルエーテル;フルオロシリコーン化合物から選択することができる。
【0120】
本組成物に有用な表面処理された顔料は、これらの化合物の混合物で処理されたものであり得、且つ/又は数回の表面処理を施されたものであり得る。
【0121】
本発明に関連して有用な表面処理された顔料は、当業者によく知られている表面処理技法に従って調製され得るか、又はそのまま商業的に入手可能なものであり得る。
【0122】
好ましくは、表面処理された顔料は、有機層で被覆されている。
【0123】
それを用いて顔料を処理するための有機薬剤は、溶媒を蒸発させるか、表面処理剤の分子間で化学反応させるか、又は表面処理剤と顔料との間で共有結合を形成させることにより、顔料上に堆積し得る。
【0124】
したがって、表面処理は、例えば、表面処理剤と顔料表面とを化学反応させ、表面処理剤と顔料又は充填剤との間に共有結合を生成することにより実施され得る。この方法は、特に米国特許第4578266号明細書に記載されている。
【0125】
顔料と共有結合する有機剤が好ましく使用されるであろう。
【0126】
表面処理剤は、表面処理される顔料の総質量の0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~30質量%、更に好ましくは1質量%~20質量%を占めることができる。
【0127】
好ましくは、顔料の表面処理剤は、以下の処理剤:
- PEG-シリコーン処理剤、例えばLCWにより販売されているAQ表面処理剤;
- メチコン処理剤、例えばLCWにより販売されているSI表面処理剤;
- ジメチコン処理剤、例えばLCWにより販売されているCovasil 3.05表面処理剤;
- ジメチコン/トリメチルシロキシシリケート処理剤、例えばLCWから販売されているCovasil 4.05表面処理剤;
- ミリスチン酸マグネシウム処理剤、例えばLCWにより販売されているMM表面処理剤;
- ジミリスチン酸アルミニウム処理剤、例えば三好化成株式会社により販売されているMI表面処理剤;
- ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル処理剤、例えばLCWにより販売されているFHC表面処理;
- イソステアリルセバケート処理剤、例えば三好化成株式会社により販売されているHS表面処理剤;
- ペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているPF表面処理剤;
- アクリレート/ジメチコンコポリマー及びペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているFSA表面処理剤;
- ポリメチルヒドロゲノシロキサン/ペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているFS01表面処理剤;
- アクリレート/ジメチコンコポリマー処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているASC表面処理剤;
- トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているITT表面処理剤;
- アクリレートコポリマー処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているAPD表面処理剤;
- ペルフルオロアルキルホスフェート/トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているPF+ITT表面処理剤
から選択される。
【0128】
本発明の特定の実施形態によれば、分散剤は、サブミクロンサイズの粒子状形態の有機又は鉱物顔料と共に存在する。
【0129】
「サブミクロン」又は「サブミクロンの」という用語は、微粉化方法により微粉化された粒子径を有し、平均粒子径が1マイクロメートル(μm)未満、特に0.1~0.9μm、好ましくは0.2~0.6μmである顔料を指す。
【0130】
一実施形態によれば、分散剤及び顔料は、質量比に応じて、1:4~4:1、特に1.5:3.5~3.5:1又は更に良好には1.75:3~3:1の量(分散剤:顔料)で存在する。
【0131】
したがって、分散剤は、シリコーン骨格、例えばシリコーンポリエーテルを有し、且つアミノシリコーンタイプの分散剤であり得る。好適な分散剤としては、以下が挙げられる:
- アミノシリコーン、即ち1つ以上のアミノ基を含むシリコーン、例えばBYKによりBYK LPX 21879で販売されているもの、Genesee Polymersにより販売されている、GP-4、GP-6、GP-344、GP-851、GP-965、GP-967及びGP-988-1、
- シリコーンアクリレート、例えばEvonikにより販売されている、Tego(登録商標)RC 902、Tego(登録商標)RC 922、Tego(登録商標)RC 1041及びTego(登録商標)RC 1043、
- カルボキシル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)シリコーン、例えば信越化学工業株式会社によるX-22162及びX-22370、エポキシシリコーン、例えばGenesee PolymersによるGP-29、GP-32、GP-502、GP-504、GP-514、GP-607、GP-682及びGP-695又はEvonikによるTego(登録商標)RC 1401、Tego(登録商標)RC 1403、Tego(登録商標)RC 1412。
【0132】
特定の一実施形態によれば、分散剤は、アミノシリコーンタイプであり、カチオン性である。
【0133】
好ましくは、顔料は、鉱物顔料、鉱物-有機混合顔料又は有機顔料から選択される。
【0134】
本発明の一変形形態において、顔料は、有機顔料、優先的にはシリコーン化合物から選択される有機剤で表面処理された有機顔料である。本発明の他の変形形態において、顔料は、鉱物顔料である。
【0135】
直接染料
本発明による方法に関連して使用される毛髪ケラチン繊維着色用組成物は、1つ以上の直接染料を含み得る。
【0136】
「直接染料」という用語は、酸化染料以外の天然及び/又は合成染料を意味する。これらは、繊維上に表面的に拡散することになる染料である。
【0137】
これらはイオン性又は非イオン性であり得、好ましくはカチオン性又は非イオン性である。
【0138】
好適な直接染料の例としては、単独で又は混合物形態での、アゾ直接染料;(ポリ)メチン染料、例えば、シアニン、ヘミシアニン及びスチリル;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料;及び天然の直接染料を挙げることができる。
【0139】
直接染料は、好ましくは、カチオン性直接染料である。以下の式(XIII)及び(XIV)のヒドラゾノカチオン性染料並びに式(XV)及び(XVI)のアゾカチオン性染料を挙げることができる。
Het+-N(Ra)-N=C(Rb)-Ar,Q-(XIII)、
Het+-C(Ra)=N-N(Rb)-Ar,Q(XIV)、
Het+-N=N-Ar,Q-(XV)、
Ar+-N=N-Ar’’,Q-(XVI)
式(XIII)~(XVI)中、
- Het+は、優先的には環内にカチオン性電荷を有し、優先的には少なくとも1つのメチルなどの(C1~C8)アルキル基で任意選択的に置換された、イミダゾリウム、インドリウム又はピリジニウムなどのカチオン性ヘテロアリール基を表し;
- Ar+は、環外にカチオン性電荷、優先的にはアンモニウム、特にトリメチルアンモニウムなどのトリ(C1~C8)アルキルアンモニウムを有する、フェニル又はナフチルなどのアリール基を表し;
- Arは、優先的には1つ以上の電子供与性基、例えばi)任意選択的に置換された(C1~C8)アルキル、ii)任意選択的に置換された(C1~C8)アルコキシ、iii)アルキル基がヒドロキシル基で任意選択的に置換された(ジ)(C1~C8)(アルキル)アミノ、iv)アリール(C1~C8)アルキルアミノ、v)任意選択的に置換されたN-(C1~C8)アルキル-N-アリール(C1~C8)アルキルアミノで任意選択的に置換されたアリール基、特にフェニルを表すか、又は代わりに、Arは、ジュロリジン基を表し;
- Ar’’は、任意選択的に置換された(ヘテロ)アリール基、例えば、優先的には1つ以上の(C1~C8)アルキル、ヒドロキシル、(ジ)(C1~C8)(アルキル)アミノ、(C1~C8)アルコキシ又はフェニル基で任意選択的に置換された、フェニル又はピラゾリルを表し;
- Ra及びRbは、同一であるか又は異なり得、水素原子又は任意選択的に(優先的にはヒドロキシル基で)置換された(C1~C8)アルキル基を表すか;又は
さもなければ、Het+の置換基と一緒の置換基Ra及び/又はArの置換基と一緒のRbは、それらを担持する原子と一緒になって(ヘテロ)シクロアルキルを形成し;特に、Ra及びRbは、水素原子又はヒドロキシル基で任意選択的に置換された(C1~C4)アルキル基を表し;
- Q-は、ハライド又はアルキルスルフェートなどの有機又は無機アニオン性対イオンを表す。
【0140】
特に、先に定義した式(XIII)~(XVI)の環内カチオン性電荷を有するアゾ及びヒドラゾノ直接染料、より詳細には、特許出願である国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレット及び欧州特許第714954号明細書に記載されている環内カチオン性電荷を有するカチオン性直接染料、優先的には以下の直接染料を挙げることができる。
【化11】
式(XVII)及び(XVIII)中、
- R
1は、メチルなどの(C
1~C
4)アルキル基を表し;
- R
2及びR
3は、同一であるか又は異なり得、水素原子又はメチルなどの(C
1~C
4)アルキル基を表し;
- R
4は、水素原子又は電子供与性基、例えば任意選択的に置換された(C
1~C
8)アルキル、任意選択的に置換された(C
1~C
8)アルコキシ若しくはアルキル基が任意選択的にヒドロキシル基で置換された(ジ)(C
1~C
8)(アルキル)アミノを表し;特に、R
4は、水素原子であり;
- Zは、CH基又は窒素原子、優先的にはCHを表し、
- Q-は、上記で定義されたアニオン性対イオン、特に塩化物などのハロゲン化物又はメチルスルフェート若しくはメシルなどのアルキルスルフェートである。
【0141】
特に、式(XV)及び(XVI)の染料は、Basic Red 51、Basic Yellow 87及びBasic Orange 31又はその誘導体から選択され、Q’は、先に定義したアニオン性対イオン、特にクロリドなどのハライド又はメチルスルフェート若しくはメシルなどのアルキルスルフェートである。
【0142】
直接染料は、アニオン性直接染料から選択することができる。本発明のアニオン性直接染料は、アルカリ性物質と親和性を有することに由来して、一般に「酸」直接染料と称される染料である。「アニオン性直接染料」という用語は、その構造中に少なくとも1つのCO2R又はSO3R置換基(式中、Rは、水素原子或いは金属若しくはアミンに由来する陽イオン又はアンモニウムイオンを表す)を含む直接染料を意味する。アニオン性染料は、直接ニトロ酸染料、アゾ酸染料、アジン酸染料、トリアリールメタン酸染料、インドアミン酸染料、アントラキノン酸染料、インジゴイド染料及び天然酸染料から選択することができる。
【0143】
本発明に有用な酸性染料として、以下の式(XIX)、(XIX’)、(XX)、(XX’)、(XXI)、(XXI’)、(XXII)、(XXII’)、(XXIII)、(XXIV)、(XXV)及び(XXVI)の染料が挙げられる。
a)式(XIX)又は(XIX’)のジアリールアニオン性アゾ染料:
【化12】
式(XIX)及び(XIX’)中、
- R
7、R
8、R
9、R
10、R’
7、R’
8、R’
9及びR’
10は、同一であるか又は異なり得、水素原子、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO
--,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);
- R’’-S(O)
2-(式中、R’’は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基を表し;優先的にはフェニルアミノ又はフェニル基を表す);
- R’’’-S(O)
2-X’-(式中、R’’’は、任意に置換されたアルキル基又はアリール基を表し、X’は、先に定義された通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)
2S(O
-)-、M
+及びiv)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択的に置換され、M
+が先に定義した通りであるアリール(アルキル)アミノ;
- 任意選択的に置換されているヘテロアリール;優先的にはベンゾチアゾリル基;
- シクロアルキル;特にシクロヘキシル;
- Ar-N=N-(式中、Arは、任意選択的に置換されたアリール基;優先的には、1つ以上のアルキル、(O)
2S(O
-)-,M
+又はフェニルアミノ基によって任意選択的に置換されたフェニルを表す)
から選択されるか;又は
- 2つの隣接している基であるR
7及びR
8又はR
8及びR
9又はR
9及びR
10が一緒になって、縮合ベンゾ基A’を形成し;R’
7及びR’
8又はR’
8及びR’
9又はR’
9及びR’
10が一緒になって、縮合ベンゾ基B’を形成し;A’及びB’は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)
2S(O
-)-,M
+;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X’-;viii)R°-X’-C(X)-;ix)R°-X’-C(X)-X’’-;x)Ar-N=N-、及びxi)任意選択的に置換されたアリール(アルキル)アミノ;から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されており、M
+、R°、X、X’、X’’及びArは、先に定義した通りであり;
- Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子又は二価基を表し、i)Rが先に定義した通りである-NR-、又はii)メチレン-C(Ra)(Rb)-を表し、Ra及びRbは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアリール基を表すか、又は代わりに、Ra及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成し;優先的に、Wは硫黄原子を表すか、又はRa及びRbが一緒になってシクロヘキシルを形成し;
式(XIX)及び(XIX’)は、環A、A’、B、B’又はCの1つの上に、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-,M
+又は1つのカルボキシレート基(O)CO
--,M
+;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0144】
式(XIX)の染料の例として、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 28、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Pigment Red 57、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Yellow 6、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3、Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Food Yellow 3又はSunset Yellowを挙げることができ;式(XIX’)の染料の例として、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid Yellow 38を挙げることができる。
【0145】
b)式(XX)及び(XX’)のピラゾロンアニオン性アゾ染料:
【化13】
式(XX)及び(XX’)中、
- R
11、R
12及びR
13は、同一であるか又は異なり得、水素又はハロゲン原子、アルキル基又は-(O)
2S(O
-)、M
+(式中、M
+は、先に定義した通りである)を表し;
- R
14は、水素原子、アルキル基又は-C(O)O
-,M
+基(式中、M
+は、先に定義した通りである)を表し;
- R
15は、水素原子を表し;
- R
16は、オキソ基を表し、その場合、R’
16は、存在しないか、又は代わりに、R
15は、R
16と一緒になって二重結合を形成し;
- R
17及びR
18は、同一であるか又は異なり得、水素原子、又は
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);
- Ar-O-S(O)
2-(式中、Arは、任意選択的に置換されたアリール基を表し、優先的には、1つ以上のアルキル基で任意選択的に置換されたフェニルを表す)
から選択される基を表し;
- R
19及びR
20は、一緒になって、二重結合又は任意選択的に置換されたベンゾ基D’のいずれかを形成し;
- R’
16、R’
19及びR’
20は、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル基又はヒドロキシル基を表し;
- R
21は、水素原子又はアルキル基又はアルコキシ基を表し;
- Ra及びRbは、同一であるか又は異なり得、先に定義した通りであり、優先的には、Raは水素原子を表し、Rbはアリール基を表し;
- Yは、ヒドロキシル基又はオキソ基のいずれかを表し;
-
【化14】
は、Yがオキソ基である場合に単結合を表し;Yがヒドロキシル基を表す場合に二重結合を表し;
式(XX)及び(XX’)は、環D又はEの一方の上に、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-,M
+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O
-,M
+;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0146】
式(XX)の染料の例として、Acid Red 195、Acid Yellow 23、Acid Yellow 27、Acid Yellow 76を挙げることができ;式(XX’)の染料の例として、Acid Yellow 17を挙げることができる。
【0147】
c)式(XXI)及び(XXI’)のアントラキノン染料:
【化15】
式(XXI)及び(XXI’)中、
- R
22、R
23、R
24、R
25、R
26及びR
27は、同一であるか又は異なり得、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は
- アルキル;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- アルキル及び(O)
2S(O
-),M
+から選択される1つ以上の基によって優先的に置換された、任意選択的に置換されたアリールオキシ又はアリールチオ(式中、M
+は先に定義した通りである);
- アルキル及び(O)
2S(O-)-,M
+(式中、M
+は、先に定義した通りである)から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されたアリール(アルキル)アミノ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
- Z’は、水素原子又は基NR
28R
29を表し(式中、R
28及びR
29は、同一であるか又は異なり得、水素原子、又は
- アルキル;
- ヒドロキシエチルなどのポリヒドロキシアルキル;
- 1つ以上の基、特にi)メチル、n-ドデシル、n-ブチル等のアルキル;ii)(O)
2S(O
-)-、M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);iii)R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°、X、X’及びX’’は、先に定義した通りであり、優先的には、R°は、アルキル基を表す)で任意選択的に置換されたアリール;
- シクロアルキル、特にシクロヘキシル;
から選択される基を表す)を表し;
- Zは、ヒドロキシル及びNR’
28R’
29から選択される基を表し(式中、R’
28及びR’
29は、同一であるか又は異なり得、先に定義したR
28及びR
29と同じ原子又は基を表す);
式(XXI)及び(XXI’)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-,M
+又は1つのカルボキシレート基C(O)O
-,M
+;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0148】
式(XXI)の染料の例として、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3;EXT Violet No.2を挙げることができ;式(XXI’)の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる。
【0149】
d)式(XXII)及び(XXII’)のニトロ染料:
【化16】
式(XII)及び(XII’)中、
- R
30、R
31及びR
32は、同一であるか又は異なり得、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は
- アルキル;
- 1つ以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換されたアルコキシ、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換されたアルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- ポリハロアルキル;
- R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°、X、X’及びX’’は先に定義した通りである);
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);
- (O)CO
--,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- ピペリジノ、ピペラジノ又はモルホリノなどのヘテロシクロアルキル
から選択される基を表し;特に、R
30、R
31及びR
32は、水素原子を表し;
- Rc及びRdは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル基を表し;
- Wは、先に定義した通りであり;Wは、特に、-NH-基を表し;
- ALKは、直鎖又は分岐の2価のC
1~C
6アルキレン基を表し;特に、ALKは-CH
2-CH
2-基を表し;
- nは、1又は2であり;
- pは、1~5(両端値を含む)の整数を表し;
- qは、1~4(両端値を含む)の整数を表し;
- uは、0又は1であり;
- nが1である場合、Jは、ニトロ又はニトロソ基;特にニトロを表し;
- nが2である場合、Jは、酸素若しくは硫黄原子又は2価の-S(O)
m-基を表し(式中、mは、1又は2の整数を表す);優先的には、Jは-SO
2-基を表し;
- M’は、水素原子又はカチオン性対イオンを表し;
-
【化17】
は、存在しても又はしなくてもよく、先に定義した1つ以上のR
30基で任意選択的に置換されたベンゾ基を表し;
式(XXII)及び(XXII’)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-,M
+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O
-,M
+;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0150】
式(XXII)の染料の例として、Acid Brown 13及びAcid Orange 3を挙げることができ;式(XXII’)の染料の例として、Acid Yellow 1、2,4-ジニトロ-1-ナフトール-7-スルホン酸のナトリウム塩、2-ピペリジノ-5-ニトロベンゼンスルホン酸、2-(4’-N,N-2’’-ヒドロキシエチル)アミノ-2’-ニトロ)アニリンエタンスルホン酸、4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼンスルホン酸;EXT D&C Yellow 7を挙げることができる。
【0151】
e)式(XXIII)のトリアリールメタン染料:
【化18】
式(XXIII)中、
- R
33、R
34、R
35及びR
36は、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル、任意選択的に置換されたアリール及び任意選択的に置換されたアリールアルキルから選択される基を表し;特に、アルキル基及び任意選択的に(O)
mS(O
-)-、M
+基(式中、M
+及びmは、先に定義した通りである)で置換されたベンジル基を表し;
- R
37、R
38、R
39、R
40、R
41、R
42、R
43及びR
44は、同一であるか又は異なり得、水素原子、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO
--,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);又は
- 代わりに、2つの隣接する基R
41及びR
42又はR
42及びR
43又はR
43及びR
44が一緒になって縮合ベンゾ基を形成し:I’;I’は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)
2S(O
-)-,M
+;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X’-;viii)R°-X’-C(X)-、及びix)R°-X’-C(X)-X’’-(式中、M
+、R°、X、X’及びX’’は、先に定義した通りである)
から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されており;特に、R
37~R
40は、水素原子を表し、R
41~R
44は、同一であるか又は異なり得、ヒドロキシル基又は(O)
2S(O
-)-,M
+を表し;R
43及びR
44が一緒になってベンゾ基を形成している場合、これは、優先的には、(O)
2S(O
-)-基で置換されており;
環G、H、I又はI’の少なくとも1つは、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-又は1つのカルボキシレート基-C(O)O
-;優先的にはスルホネートを含むことが理解される。
【0152】
式(XXIII)の染料の例として、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 9、Acid Violet 49、Acid Green 3、Acid Green 5及びAcid Green 50を挙げることができる。
【0153】
f)式(XXIV)のキサンテン系染料:
【化19】
式(XXIV)中、
- R
45、R
46、R
47及びR
48は、同一であるか又は異なり得、水素又はハロゲン原子を表し;
- R
49、R
50、R
51及びR
52は、同一であるか又は異なり得、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO
--,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである)
から選択される基を表し、特に、R
49、R
50、R
51及びR
52は、水素又はハロゲン原子を表し;
- Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
- Lは、アルコキシドO
-、M
+;チオアルコキシドS
-、M
+又はNRf基(式中、Rfは、水素原子又はアルキル基を表し、M
+は、先に定義し通りであり;M
+は、特にナトリウム又はカリウムである)を表し;
- L’は、酸素若しくは硫黄原子又はアンモニウム基:N
+RfRg(式中、Rf及びRgは、同一であるか又は異なり得、水素原子又は任意選択的に置換されたアルキル若しくはアリール基を表す)を表し;L’は、特に、酸素原子又は1つ以上のアルキル若しくは(O)
mS(O
-)-、M
+基(式中、m及びM
+は、先に定義した通りである)で任意選択的に置換されたフェニルアミノ基を表し;
- Q及びQ’は、同一であるか又は異なり得、酸素又は硫黄原子を表し;特に、Q及びQ’は酸素原子を表し;
- M
+は、先に定義した通りである。
【0154】
式(XXIV)の染料の例として、Acid Yellow 73;Acid Red 51;Acid Red 52;Acid Red 87;Acid Red 92;Acid Red 95;Acid Violet 9を挙げることができる。
【0155】
g)式(XXV)のインドール系染料:
【化20】
式(XXV)中、
- R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58、R
59及びR
60は、同一であるか又は異なり得、水素原子、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
- (O)
2S(O
-)-,M
+(式中、M
+は水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO
--,M
+(式中、M
+は先に定義した通りである);
から選択される基を表し、
- Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
- Ri及びRhは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル基を表し;
式(XXV)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O
-)-、M
+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O
-、M
+;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0156】
式(XXV)の染料の例として、Acid Blue 74を挙げることができる。
【0157】
h)式(XXVI)のキノリン系染料:
【化21】
式(XXVI)中、
- R
61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し;
- R
62、R
63及びR
64は、同一であるか又は異なり得、水素原子又は(O)
2S(O
-)-、M
+基(式中、M
+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)を表すか;又は
代わりに、R
61及びR
62又はR
61及びR
64が一緒になって、1つ以上の(O)
2S(O
-)-、M
+基(式中、M
+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)で任意選択的に置換されたベンゾ基を形成し;
式(XXVI)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)
2S(O-)-,M+、優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される。
【0158】
式(XXVI)の染料の例として、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる。
【0159】
本発明に従って使用され得る天然の直接染料の中でも、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン、オルセインが挙げられ得る。これらの天然染料を含有する抽出物又は煎出液、特にヘンナベースの湿布又は抽出物も使用することができる。
【0160】
好ましくは、直接染料は、アニオン性直接染料から選択される。
【0161】
着色剤は、染料組成物の総質量に対して0.001質量%~20質量%、好ましくは0.005質量%~15質量%の範囲の総含有量で存在し得、好ましくは、着色剤は、顔料から選択される。
【0162】
顔料は、毛髪ケラチン繊維の着色用組成物の総質量に対して0.05質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、更により良好には0.5質量%~10質量%の総量で存在することができる。
【0163】
直接染料は、組成物の総質量に対して0.001質量%~10質量%、好ましくは毛髪ケラチン繊維の着色用組成物の総質量に対して0.005質量%~5質量%の範囲の総含有量で存在することができる。
【0164】
非カルボン酸アニオン性増粘剤
毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、非カルボン酸アニオン性増粘剤も含み得る。
【0165】
本発明の目的のために、「非カルボン酸剤」という用語は、カルボン酸官能基(-COOH)又はカルボキシレート官能基(-COO-)を含まない剤を意味する。
【0166】
本発明の目的のための「増粘剤」という語は、組成物の総質量に対して0.05質量%の濃度で存在する場合、それを導入した組成物の室温(25℃)及び大気圧下、剪断速度1s-1における粘度を少なくとも20cps、好ましくは少なくとも50cps上昇させる化合物を指す(粘度は、Haake R600レオメータ等のコーン/プレート型粘度計を用いて測定することができる)。
【0167】
好ましくは、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、非カルボン酸アニオン性ポリマーから、より優先的にはスルホン基を有するアニオン性ポリマーから選択される。
【0168】
本発明の目的のために、「アニオン性ポリマー」という用語は、1つ以上のアニオン性基又はアニオン性基を含み、カチオン性基又はカチオン性基を含まないポリマーを意味する。
【0169】
有利には、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、遊離形態又は部分的若しくは完全に中和された形態の、スルホン基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを含むアニオン性ポリマーから選択される。
【0170】
このポリマーは、架橋されていても又はされていなくてもよい。それらは、好ましくは、架橋されている。
【0171】
これらのポリマーは、会合性又は非会合性、好ましくは非会合性であり得る。
【0172】
「会合性ポリマー」とは、水性媒体中で互いに又は他の分子と可逆的に会合することができるポリマーであることを想起されたい。
【0173】
その化学構造は、より特に、少なくとも1つの親水性ゾーン及び少なくとも1つの疎水性ゾーンを含む。
【0174】
用語「疎水性基」は、少なくとも8つの炭素原子、好ましくは10~30個の炭素原子、特に12~30個の炭素原子、より優先的には18~30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素系鎖を有する基又はポリマーを意味する。
【0175】
優先的には、炭化水素系基は、単官能基化合物に由来する。例として、疎水性基は、脂肪アルコールに由来し得、例えば、ステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールに由来し得る。それは、炭化水素系ポリマー(例えば、ポリブタジエン)も示し得る。
【0176】
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは、特に、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド(C1~C22)アルキルスルホン酸、N-(C1~C22)アルキル(メタ)アクリルアミド(C1~C22)アルキルスルホン酸(ウンデシルアクリルアミドメタンスルホン酸など)及びまたこれらの一部又は全部が中和された形態から選択される。
【0177】
(メタ)アクリルアミド(C1~C22)アルキルスルホン酸、例えばアクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2,4,4-トリメチルペンタンスルホン酸、2-メタクリルアミドドデシルスルホン酸又は2-アクリルアミド-2,6-ジメチル-3-ヘプタンスルホン酸及びまたその部分的又は完全に中和された形態がより優先的には使用される。
【0178】
より特に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)及びまたその部分的又は完全に中和された形態を使用する。
【0179】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーの中でも、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びアクリルアミドの部分的又は完全に中和された架橋コポリマーが挙げられ;欧州特許第503853号明細書の実施例1において記載されている生成物が特に挙げられ得、これらのポリマーに関して前記文献が参照され得る。
【0180】
SEPPIC社によってSepinov EMT 10という名称で販売されている化合物(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)等の、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーにも言及することができる。
【0181】
会合性AMPSポリマーは、特に、C6~C22n-モノアルキルアミン又はジ-n-アルキルアミンとの反応によって改変された統計的会合性AMPSポリマー及び特許出願国際公開第00/31154号パンフレット(明細書の内容の不可欠な部分を形成する)に記載されているものなどから選択することができる。これらのポリマーは、他のエチレン性不飽和親水性モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸誘導体、例えばその1価アルコールとのエステル又はモノ-若しくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン又はその化合物の混合物から選択されるものも含むことができる。
【0182】
この系統の好ましいポリマーは、AMPS及び少なくとも1つのエチレン性不飽和疎水性モノマーの会合性コポリマーから選択される。
【0183】
これらの同一コポリマーは、脂肪鎖を含まない1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸誘導体、特にモノアルコールによって得られるそのエステル又はモノ若しくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸若しくはマレイン酸又はその化合物の混合物も含有し得る。
【0184】
これらのコポリマーは、欧州特許出願公開第A750899号明細書、米国特許第5089578号明細書及びYotaro Morishimaからの以下の公開資料において特に記載されている:
- Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures,Chinese Journal of Polymer Science,Vol.18,No.40,(2000),323-336;
- Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering-Macromolecules,Vol.33,No.10(2000),3694-3704;
- Solution properties of micelle networks formed by non-ionic moieties covalently bound to an polyelectrolyte:salt effects on rheological behavior - Langmuir,Vol.16,No.12,(2000)5324-5332;
- Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and associative macromonomers-Polym.Preprint,Div.Polym.Chem.,40(2),(1999),220-221。
【0185】
これらのポリマーの中でも、以下が挙げられ得る:
- ポリマーに対して15質量%~60質量%のAMPS単位と、40質量%~85質量%の(C8~C16)アルキル(メタ)アクリルアミド又は(C8~C16)アルキル(メタ)アクリレート単位とを含む、架橋された又は非架橋の、中和された又は非中和のコポリマー、例えば、欧州特許出願公開第A750899号明細書で説明されているもの;
- 10モル%~90モル%のアクリルアミド単位と、0.1モル%~10モル%のAMPS単位と、5モル%~80モル%のn-(C6~C18)アルキルアクリルアミド単位とを含むターポリマー、例えば、米国特許第5089578号明細書で説明されているもの。
【0186】
完全に中和されたAMPS及びメタクリル酸ドデシルのコポリマー並びにまたAMPS及びn-ドデシルメタクリルアミドの架橋及び非架橋のコポリマー、例えば上記のMorishima論文において記載されているものも挙げられ得る。
【0187】
好ましくは、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、SEPPIC社によって販売されているナトリウム2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマー(INCI名ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)から選択される。
【0188】
有利には、非カルボン酸アニオン性増粘剤の総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、更により良好には0.1質量%~5質量%、一層更により良好には0.1質量%~2質量%の範囲である。
【0189】
シリコーン
毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、少なくとも1つのシリコーンも含み得る。
【0190】
シリコーンは、以下に定義される少なくとも1つのカルボン酸基を含有する化合物と異なる。
【0191】
好ましくは、毛髪着色組成物は、非アミノシリコーン、アミノシリコーン及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのシリコーンを含む。
【0192】
シリコーンは、25℃の大気圧(1.013×105Pa)下において固体又は液体であり得、揮発性又は不揮発性であり得る。
【0193】
使用可能なシリコーンは、本発明による組成物中に可溶又は不溶であり得、これらは、油、ワックス、樹脂又はガムの形態であり得、シリコーン油が好ましい。
【0194】
シリコーンは、特に、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicones(1968),Academic Pressに詳述されている。
【0195】
好ましくは、毛髪着色組成物は、25℃の大気圧(1.013×105Pa)下において液体である1つ以上のシリコーンを含有する。
【0196】
揮発性シリコーンは、沸点が60℃~260℃(大気圧下)であるもの、より詳細には以下から選択することができる:
i)以下のものなど、3~7つ、好ましくは4~5つのケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン、
- オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン。
Union CarbideからVolatile Silicone 7207の名称又はRhodiaからSilbione 70045 V 2の名称、Union CarbideからVolatile Silicone 7158の名称又はRhodiaからSilbione 70045 V 5の名称で販売されている製品;
- 以下の化学構造を有するジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型の環状コポリマー:
【化22】
好ましくは、シクロメチルシロキサンを挙げることができる。
Union Carbide社から販売されているVolatile Silicone FZ 3109;
- 環状シリコーンとケイ素系有機化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)及びオクタメチルシクロテトラシロキサンと1,1’-オキシ(2,2,2’,2’,3,3’-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ビスネオペンタンとの混合物;
ii)一般的に、25℃における粘度が5×10
-6m
2/s以下である、2~9つのケイ素原子を含有する直鎖ポリジアルキルシロキサン、例えばデカメチルテトラシロキサン。
【0197】
この分類に属する他のシリコーンは、Cosmetics and Toiletries,Vol.91,Jan.76,pp.27~32,Todd&Byers Volatile silicone fluids for cosmeticsに公開されている記事に記載されており、Toray Silicone社からSH 200の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0198】
不揮発性シリコーンの中でも、単独で又は混合物としての、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム及び樹脂並びにその構造内において、一般に炭化水素系基を介して結合している、好ましくはアリール基、アミン基、アルコキシ基及びポリオキシエチレン若しくはポリオキシプロピレン基から選択される1つ若しくは複数の有機官能基を含むオルガノポリシロキサン(又は有機変性ポリシロキサン若しくは代わりに有機変性シリコーン)を挙げることができる。好ましくは、不揮発性シリコーンは、任意選択的にオキシエチレン化及びオキシプロピレン化されたポリジメチル/メチルシロキサンから選択される。
【0199】
有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特に上に述べた有機官能基で修飾されたポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサンであり得る。ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、直鎖及び/又は分岐のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0200】
有機変性シリコーンの中でも、以下を含むオルガノポリシロキサンを挙げることができる:
- 任意選択的にC6~C24アルキル基を含むポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン基;例えば、ジメチコンコポリオール、特にDow Corning社からDC 1248の名称で販売されているもの若しくはUnion Carbide社からの油であるSilwet(登録商標)L722、L7500、L77及びL711;又は(C12)アルキルメチコンコポリオール、特にDow Corning社からQ2 5200の名称で販売されているもの;
- 置換又は無置換のアミン基、特にC1~C4アミノアルキル基;Genesee社からGP4 Silicone Fluid及びGP7100の名称で販売されている製品又はDow Corning社からQ2-8220及びDC929若しくはDC939の名称で販売されている製品を挙げることができる;
- チオール基;例えば、GeneseeからGP72A及びGP71の名称で販売されている製品;
- アルコキシル化された基;例えば、SWS SiliconesからSilicone Copolymer F-755の名称で販売されている製品並びにGoldschmidt社からAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440の名称で販売されている製品;
- ヒドロキシル化された基;例えば、ヒドロキシアルキル基を有するポリオルガノシロキサン;
- アシルオキシアルキル基;例えば、米国特許第A-4957732号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン;
- カルボン酸型のアニオン性基;例えば、欧州特許第186507号明細書に記載されているもの又はアルキルカルボン酸型のアニオン性基、例えば信越化学工業株式会社からの製品であるX-22-3701E又は2-ヒドロキシアルキルスルホネート型若しくは2-ヒドロキシアルキルチオスルフェート型のアニオン性基、例えば、Goldschmidt社からAbil(登録商標)S201及びAbil(登録商標)S255の名称で販売されている製品;
- ヒドロキシアシルアミノ基;例えば、欧州特許出願公開第342834号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン;例えば、Dow Corning社からの製品であるQ2-8413を挙げることができる。
【0201】
シリコーンは、ポリジアルキルシロキサンから選択することもでき、その中でも、主として、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンを挙げることができる。これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、以下の市販品を挙げることができる:
- Rhodiaによって販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例えば70 047 V 500 000油;
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油;
- Dow Corning社の200シリーズの油、例えば、粘度が60000mm2/sの粘度であるDC200;
- General ElectricからのViscasil(登録商標)油及びGeneral ElectricからのSFシリーズの特定の油(SF 96、SF 18)。
【0202】
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られている、ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社からの48シリーズの油も挙げることができる。
【0203】
この分類に含まれるポリジアルキルシロキサンとしては、ポリ(C1~C20)ジアルキルシロキサンである、Goldschmidt社からAbil Wax(登録商標)9800及び9801の名称で販売されている製品も挙げることができる。
【0204】
本発明に従って使用することができるより具体的な製品は、以下のものなどの混合物である:
- 鎖末端にヒドロキシを有するポリジメチルシロキサン、即ちジメチコノール(CTFA)から及びシクロメチコン(CTFA)としても知られる環状ポリジメチルシロキサンから生成する混合物、例えば、Dow Corning社から販売されている製品であるQ2-1401、
- 鎖末端にヒドロキシを有するポリジメチルシロキサン、即ちジメチコノール(CTFA)から及びジメチコン(CTFA)としても知られるポリジメチルシロキサンから生成する混合物、例えば、Dow Corning社から販売されている製品であるXiameter(登録商標)PMX-1503 Fluid。
【0205】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に25℃における粘度が1×10-5~5×10-2m2/sの範囲である、直鎖及び/又は分枝のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0206】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中でも、以下の名称で販売されている製品を挙げることができる:
- Rhodiaの70 641シリーズのSilbione(登録商標)油;
- RhodiaからのRhodorsil(登録商標)油の70633及び763シリーズ;
- Dow Corningの油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid;
- BayerからのPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20;
- BayerからのPN及びPHシリーズのシリコーン、例えば製品PN1000及びPH1000;
- General ElectricからのSFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
【0207】
好ましくは、毛髪着色組成物は、少なくとも1つのアミノシリコーンを含む。「アミノシリコーン」という用語は、少なくとも1つの一級、二級若しくは三級アミン又は四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを指す。
【0208】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、室温(25℃)下で、ポリスチレン換算で測定することができる。カラムは、μ styragelカラムを使用する。溶出液はTHFであり、流速は1ml/分である。THF中に0.5質量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定及びUV測定により行う。
【0209】
好ましくは、本発明に関連して使用することができるアミノシリコーンは、以下から選択される:
a)式(A):
【化23】
(式中、x’及びy’は、質量平均分子量(Mw)が約5000~500000となる整数である)
に対応するポリシロキサン;
b)式(B):
R’aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR’2-b)m-O-SiG3-a-R’a(B)
(式中、
- Gは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はフェニル、OH、C
1~C
8アルキル、例えばメチル若しくはC
1~C
8アルコキシ、例えばメトキシからの基を表し、
- aは、同一であるか又は異なり得、0又は1~3の整数、特に0を表し、
- bは、0又は1、特に1を表し、
- m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
- R’は、同一であるか又は異なり得、式-CqH2qL(式中、qは、2~8の範囲の数であり、Lは、以下の基:-N(R’’)2;-N+(R’’)3A-;-NR’’-Q-N(R’’)2;及び-NR’’-Q-N+(R’’)3A-(式中、R’’は、同一であるか又は異なり得、水素、フェニル、ベンジル又は1価の飽和炭化水素系基、例えばC
1~C
20アルキル基を表し;Qは、式C
rH
2r(rは、2~6、好ましくは2~4の範囲の整数である)の直鎖又は分岐基を表し;A-は、化粧的に許容されるアニオン、特にハライドアニオン、例えばフルオリド、クロリド、ブロミド又はヨーダイドを表す)から選択される任意選択的に四級化されたアミン基である)
に対応するアミノシリコーン。
【0210】
好ましくは、アミノシリコーンは、式(B)のアミノシリコーンから選択される。好ましくは、式(B)のアミノシリコーンは、以下の式(C)、(D)、(E)、(F)及び/又は(G)に対応するアミノシリコーンから選択される。
【0211】
第1の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、式(C):
【化24】
(式中、m及びnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲であるような数であり、nは、場合により、0~1999、とりわけ49~149の数を示し、及びmは、場合により、1~2000、とりわけ1~10の数を示す)
に対応する「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られるシリコーンから選択される。
【0212】
第2の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(D):
【化25】
(式中、
- m及びnは、総和(n+m)が1~1000の範囲、特に50~250の範囲、より詳細には100~200の範囲となる数であり;nは、0~999、特に49~249、より詳細には125~175の数を表すことができ、mは、1~1000、特に1~10、より詳細には1~5の数を表すことができ;
- R
1、R
2及びR
3は、同一であるか又は異なり得、ヒドロキシル又はC
1~C
4アルコキシ基を表し、R
1~R
3基の少なくとも1つは、アルコキシ基を表す)
のシリコーンから選択される。
【0213】
好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ基である。
【0214】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは、0.2:1~0.4:1、好ましくは0.25:1~0.35:1の範囲であり、より詳細には0.3:1である。
【0215】
これらのシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~1000000の範囲、より詳細には3500~200000の範囲である。
【0216】
第3の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(E):
【化26】
(式中、
- p及びqは、総和(p+q)が1~1000の範囲、特に50~350の範囲、より詳細には150~250の範囲となる数であり;pは、0~999、特に49~349、より詳細には159~239の数を表すことができ、qは、1~1000、特に1~10、より詳細には1~5の数を表すことができ;
- R
1及びR
2は、異なり、ヒドロキシル又はC
1~C
4アルコキシ基を表し、R
1基又はR
2基の少なくとも1つは、アルコキシ基を表す)
のシリコーンから選択される。
【0217】
好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ基である。
【0218】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、概して、1:0.8~1:1.1の範囲、好ましくは1:0.9~1:1の範囲であり、より詳細には1:0.95である。
【0219】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~200000、一層詳細には5000~100000、より詳細には10000~50000の範囲である。
【0220】
構造(D)又は(E)のシリコーンを含む市販品は、その組成中において、式(D)又は(E)と異なる構造を有する1つ以上の他のアミノシリコーンを含むことができる。
【0221】
構造(D)のアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社からBelsil(登録商標)ADM 652の名称で販売されている。
【0222】
構造(E)のアミノシリコーンを含有する製品は、WackerからFluid WR 1300(登録商標)の名称又はBelsil(登録商標)ADM LOG 1の名称で販売されている。
【0223】
これらのアミノシリコーンが使用される場合、特に有利な一実施形態は、これらを水中油型エマルジョン形態で使用することを含む。水中油型エマルジョンは、1つ以上の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、任意の性質のものとすることができるが、好ましくはカチオン性及び/又は非イオン性である。エマルジョン中のシリコーン粒子の数平均粒子径は、概して、3nm~500nmの範囲である。好ましくは、特に式(E)のアミノシリコーンとして、平均粒子径が5nm~60nmの範囲(両端値を含む)、より詳細には10nm~50nmの範囲(両端値を含む)にあるマイクロエマルジョンが利用される。したがって、本発明に従い、Wacker社からFinish CT 96 E(登録商標)又はSLM 28020(登録商標)の名称で販売されている式(E)のアミノシリコーンマイクロエマルジョンを利用することができる。
【0224】
第4の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(F):
【化27】
(式中、
- m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
- Aは、4~8つの炭素原子、好ましくは4つの炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキレン基を表す)
のシリコーンから選択される。この基は、好ましくは、直鎖である。
【0225】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~1000000、更に詳細には3500~200000の範囲である。
【0226】
式(B)に対応する他のシリコーンは、例えば、Dow CorningからのXiameter MEM 8299 Emulsion(INCI名:アモジメチコン及びトリデセス-6及びセトリモニウムクロリド)である。
【0227】
第5の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(G):
【化28】
(式中、
- m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
- Aは、4~8つの炭素原子、好ましくは4つの炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキレン基を表す)
のシリコーンから選択される。この基は、好ましくは、分岐である。
【0228】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、500~1000000、一層より詳細には1000~200000の範囲である。
【0229】
この式に対応するシリコーンは、例えば、Dow CorningからのDC2-8566 Amino Fluidである。
【0230】
c)式(H):
【化29】
(式中、
- R
5は、1~18個の炭素原子を含有する1価の炭化水素系基、特にC
1~C
18アルキル又はC
2~C
18アルケニル基、例えばメチルを表し;
- R
6は、SiC結合を介してSiに結合している2価の炭化水素系基、特にC
1~C
18アルキレン基又は2価のC
1~C
18、例えばC
1~C
8アルキレンオキシ基を表し;
- Q
-は、アニオン、例えば、ハライドイオン、特にクロリドイオンであるか、又は有機酸塩、特にアセテートであり;
- rは、2~20、特に2~8の範囲である統計的な平均値を表し;
- sは、20~200、特に20~50の範囲である統計的な平均値を表す)
に対応するアミノシリコーン。
【0231】
この種のアミノシリコーンは、特に、米国特許第4185087号明細書に記載されている。
【0232】
- d)式(I):
【化30】
(式中、
- R
7は、同一であるか又は異なり得、1~18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1~C
18アルキル基、C
2~C
18アルケニル基又は5つ若しくは6つの炭素原子を含む環、例えばメチルを表し;
- R
6は、SiC結合を介してSiに結合している2価の炭化水素系基、特にC
1~C
18アルキレン基又は2価のC
1~C
18、例えばC
1~C
8アルキレンオキシ基を表し;
- R
8は、同一であるか又は異なり得、水素原子、1~18個の炭素原子を有する1価の炭化水素系基、特にC
1~C
18アルキル基、C
2~C
18アルケニル基又は-R
6-NHCOR
7基を表し;
- X
-は、アニオン、例えばハライドイオン、とりわけクロリド又は有機酸塩、とりわけアセテートであり;
- rは、2~200、特に5~100の範囲である統計的な平均値を表す)
の四級アンモニウムシリコーン。
【0233】
これらのシリコーンは、例えば、特許出願である欧州特許出願公開第A0530974号明細書に記載されている。
【0234】
e)式(J):
【化31】
(式中、
- R
1、R
2、R
3及びR
4は、同一であるか又は異なり得、C
1~C
4アルキル基又はフェニル基を表し、
- R
5は、C
1~C
4アルキル基又はヒドロキシル基を表し、
- nは、1~5の範囲の整数であり、
- mは、1~5の範囲の整数であり、
- xは、アミン数が0.01~1meq/gの範囲であるように選択される)
のアミノシリコーン;
f)(AB)
n型のマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン(Aは、ポリシロキサンブロックであり、Bは、少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレンブロックである)。
【0235】
前記シリコーンは、好ましくは、以下の一般式:
[-(SiMe2O)xSiMe2-R-N(R’’)-R’-O(C2H4O)a(C3H6O)b-R’-N(H)-R-]、又は
代わりに[-(SiMe2O)xSiMe2-R-N(R’’)-R’-O(C2H4O)a(C3H6O)b-]
(式中、
- aは、1以上、好ましくは5~200、より詳細には10~100の範囲の整数であり;
- bは、0~200、好ましくは4~100、より特定すると5~30の範囲の整数であり;
- xは、1~10000、より詳細には10~5000の範囲の整数であり;
- R’’は、水素原子又はメチルであり;
- Rは、同一であるか又は異なり得、任意選択的に1つ以上の酸素等のヘテロ原子を含む直鎖又は分岐の2価のC2~C12炭化水素系基を表し;好ましくは、Rは、エチレン基、直鎖若しくは分岐プロピレン基、直鎖若しくは分岐ブチレン基又はCH2CH2CH2OCH2CH(OH)CH2-基を表し;優先的には、Rは、-CH2CH2CH2OCH2CH(OH)CH2-基を表し;
- R’は、同一であるか又は異なり得、任意選択的に1つ以上の酸素等のヘテロ原子を含む、直鎖又は分岐の2価のC2~C12炭化水素系基を表し;好ましくは、R’は、エチレン基、直鎖若しくは分岐プロピレン基、直鎖若しくは分岐ブチレン基又は-CH2CH2CH2OCH2CH(OH)CH2-基を表し;優先的には、R’は、-CH(CH3)-CH2-を表す)
で表される繰り返し単位から形成される。
【0236】
シロキサンブロックは、好ましくは、シリコーンの総質量に対して50mol%~95mol%、より特定すると70mol%~85mol%を表す。
【0237】
アミン含有量は、ジプロピレングリコール中にコポリマー30%を含む溶液において好ましくは0.02~0.5meq/g、より詳細には0.05~0.2である。
【0238】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、5000~1000000、より詳細には10000~200000である。
【0239】
とりわけ、名称Silsoft A-843又はSilsoft A+でMomentiveによって販売されているシリコーンについて言及し得る。
【0240】
g)及びこれらの混合物。
【0241】
好ましくは、式(B)のアミノシリコーンは、式(E)に対応するアミノシリコーンから選択される。
【0242】
好ましくは、毛髪着色組成物は、好ましくは界面活性剤と一緒にエマルジョン又はマイクロエマルジョンの形態で導入される、INCI名アモジメチコンを有する少なくとも1つのアミノシリコーンを含む。
【0243】
好ましくは、毛髪着色組成物は、INCI名アモジメチコンを有する少なくとも1つのアミノシリコーンを、エマルジョン又はマイクロエマルジョンとして、INCI名トリデセス-5及びトリデセス-10を有する界面活性剤と一緒に含む。
【0244】
シリコーンは、毛髪着色組成物の総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~15質量%、より優先的には0.1質量%~10質量%、更により優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0245】
アミノシリコーンは、毛髪着色組成物の総質量に対して0.01%~20%、好ましくは0.05%~15%、より優先的には0.1%~10%、更により優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0246】
会合性ポリマー
本発明による色除去方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、前述の非カルボン酸アニオン性増粘剤と異なる少なくとも1つの会合性ポリマーも含み得る。
【0247】
「会合性ポリマー」とは、水性媒体中で互いに又は他の分子と可逆的に会合することができるポリマーであることを想起されたい。
【0248】
その化学構造は、より特に、少なくとも1つの親水性ゾーン及び少なくとも1つの疎水性ゾーンを含む。
【0249】
用語「疎水性基」は、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10~30個の炭素原子、特に12~30個の炭素原子、より優先的には18~30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素系鎖を有する基又はポリマーを意味する。
【0250】
優先的には、炭化水素系基は、単官能基化合物に由来する。例として、疎水性基は、脂肪アルコールに由来し得、例えば、ステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールに由来し得る。それは、炭化水素系ポリマー(例えば、ポリブタジエン)も示し得る。
【0251】
会合性ポリマーは、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性であり得る。
【0252】
好ましくは、会合性ポリマーは、アニオン性会合性ポリマーから選択される。
【0253】
挙げられ得るアニオン性会合性ポリマーの中でも、次に示すものを挙げることができる:
- (a)少なくとも1つの親水性単位と、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位とを含むもの、より具体的には、親水性単位がアニオン性エチレン性不飽和モノマーから形成されているもの、より具体的には、ビニルカルボン酸から形成されているもの、最も具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸又はこれらの混合物から形成されているもの。
【0254】
これらのアニオン性会合性ポリマーの中でも、本発明によって特に好ましいものは、20質量%~60質量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、5質量%~60質量%の低級(メタ)アクリル酸アルキル、2質量%~50質量%の脂肪鎖アリルエーテル及び0~1質量%の架橋剤(周知の共重合可能な不飽和ポリエチレン性モノマー、例えばフタル酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート又はメチルビスアクリルアミドである)から形成されるポリマーである。
【0255】
後者のポリマーの中でも、特に、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、ポリエチレングリコール(10EO)ステアリルアルコールエーテル(Steareth-10)との架橋ターポリマー、特にCiba社からSalcare SC 80(登録商標)及びSalcare SC 90(登録商標)の名称で販売されている、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、steareth-10アリルエーテルとの架橋ターポリマー(40/50/10)の水性30%エマルジョンが最も好ましい。
【0256】
- (b)i)少なくとも1つの不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性単位と、ii)少なくとも1つの不飽和カルボン酸型の(C10~C30)アルキルエステル等の疎水性単位とを含むもの。
【0257】
本発明において有用な不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステルは、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル及びアクリル酸ドデシル及び対応するメタクリレート、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル及びメタクリル酸ドデシルを含む。
【0258】
この種類のアニオン性ポリマーは、例えば、米国特許第3915921号明細書及び米国特許第4509949号明細書によって説明及び調製される。
【0259】
この種類のアニオン性会合性ポリマーの中でも、95質量%~60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4質量%~40質量%のC10~C30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0~6質量%の架橋重合性モノマーからなるもの又は上記されるものなど、98質量%~96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1質量%~4質量%のC10~C30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0.1質量%~0.6質量%の架橋重合性モノマーからなるものがより特に使用されるであろう。
【0260】
上記の前記ポリマーの中でも、本発明によると最も特に好ましいものは、Pemulen TR1(登録商標)、Pemulen TR2(登録商標)、Carbopol 1382(登録商標)、更により優先的には、Pemulen TR1(登録商標)の商品名でGoodrich社によって販売されている製品及びCoatex SX(登録商標)の名称でSEPPIC社から販売されている製品である。
【0261】
名称Acrylidone LMでISPによって販売されているアクリル酸/メタクリル酸ラウリル/ビニルピロリドンターポリマーについても言及し得る。
【0262】
- (c)無水マレイン酸/C30~C38α-オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えば、Newphase Technologies社からPerforma V 1608(登録商標)の商品名で販売されている製品である(無水マレイン酸/C30~C38α-オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー);
- (d)次に示すものを含むアクリル系ターポリマー:
i)約20質量%~70質量%のα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸[A]、
ii)約20質量%~80質量%の、[A]以外のα,β-モノエチレン性不飽和非界面活性剤モノマー、
iii)約0.5質量%~60質量%の、1つの水酸基を有する界面活性剤とモノエチレン性不飽和モノイソシアネートとの反応生成物である非イオン性モノウレタン、
例えば、欧州特許出願公開第0173109号明細書で説明されているもの、より具体的には実施例3で説明されているターポリマー、即ちメタクリル酸/アクリル酸メチル/ベヘニルアルコールジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートエトキシル化物(40EO)のターポリマーの水性25%分散物。
- (e)モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルとを含むコポリマー。
【0263】
優先的には、これらの化合物は、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びC1~C4アルコールのエステルも含む。
【0264】
この種の化合物の例として、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ステアリルのターポリマーであるRoehm&Haas社から販売されているAculyn 22(登録商標)及びまたRoehm&Haas社から販売されているAculyn 88を挙げることができる。
【0265】
有利には、非カルボン酸アニオン性増粘剤と異なる会合性ポリマーは、アクリル会合性ポリマー、より優先的にはカルボン酸アクリル会合性ポリマーから選択される。
【0266】
特に好ましくは、会合性ポリマーは、それらのモノマーの中にα、β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα、β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪アルコールとのエステルを含むコポリマーから選択される。
【0267】
有利には、会合性ポリマーの総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して0.05質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より優先的には0.1質量%~5質量%、一層より優先的には0.1質量%~1質量%の範囲である。
【0268】
少なくとも1つのカルボン酸基を含む化合物
本発明による色除去方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、少なくとも1つの会合性ポリマーを含む、会合性ポリマーと異なる少なくとも1つの化合物も含む。
【0269】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる化合物は、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物、ポリウレタン、アクリルポリマー及びこれらの混合物から選択される。
【0270】
ポリウレタン及びアクリルポリマー
好ましい実施形態によれば、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、ポリウレタン、アクリルポリマー及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる1つ以上の化合物を含む。
【0271】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる化合物は、ポリウレタン、アクリルポリマー及びこれらの混合物から選択されるポリマーの粒子の水性分散物の形態である。
【0272】
好ましくは、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、ポリウレタン、アクリルポリマー及びこれらの混合物から選択されるポリマーの粒子の水性分散物の形態で少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる1つ以上の化合物を含む。
【0273】
したがって、本実施形態において、ポリマー粒子の水分散物に使用されるポリマーは、会合性ポリマーと異なる。
【0274】
この分散物は、化粧用組成物を水性媒体中に分散させた単純な分散物であり得る。分散物の特定の例として、ラテックスを挙げることができる。
【0275】
ポリマー粒子の水性分散物は、ポリウレタン粒子の水性分散物から選択することができる。
【0276】
より詳細には、本発明において使用される水性分散物中に存在するポリウレタンは、
- 以下の式(A):
【化32】
(式中、
- R
1は、ジヒドロキシル化された化合物の2価の基を表し、
- R
2は、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートの基を表し、
- R
3は、1つ以上のイオン性基で任意選択的に置換された低分子量ジオールの基を表し、
- nは、1~5の範囲の整数を表し、及び
- mは、1を超える)
のプレポリマーと;
- 以下の式(B):
H
2N-R
4-NH
2(B)
(式中、R
4は、1つ以上のイオン性又は潜在的イオン性基で置換されていないアルキレン又はアルキレンオキシド基を表す)
に従う少なくとも1つの鎖延長剤と;
- 以下の式(C):
H
2N-R
5-NH
2(C)
(式中、R
5は、1つ以上のイオン性又は潜在的イオン性基で置換されたアルキレン基を表す)
に従う少なくとも1つの鎖延長剤と
の反応により得られる。
【0277】
本発明に従って使用することができるジヒドロキシル化された化合物の中でも、特に2つのヒドロキシル基を含有し、数平均分子量が約700~約16000、好ましくは約750~約5000である化合物を挙げることができる。高分子量のジヒドロキシル化された化合物の例としては、ポリオールポリエステル、ポリオールポリエーテル、ポリヒドロキシル化ポリカーボネート、ポリヒドロキシル化ポリアセテート、ポリヒドロキシル化ポリアクリレート、ポリヒドロキシル化アミドポリエステル、ポリヒドロキシル化ポリアルカジエン、ポリヒドロキシル化ポリチオエーテル及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、ヒドロキシル化された化合物は、ポリオールポリエステル、ポリオールポリエーテル、ポリヒドロキシル化ポリカーボネート及びこれらの混合物から選択される。
【0278】
本発明に従って使用することができるポリイソシアネートは、特に、分子量が約112~1000、好ましくは約140~400である有機ジイソシアネートから選択される。
【0279】
好ましくは、ポリイソシアネートは、ジイソシアネートから、より詳細には一般式R2(NCO)2(式中、R2は、4~18個の炭素原子を含有する2価の脂肪族炭化水素系基、5~15個の炭素原子を含有する2価の脂環式炭化水素系基、7~15個の炭素原子を含有する2価の芳香脂肪族炭化水素系基又は6~15個の炭素原子を含有する2価の芳香族炭化水素系基を表す)で表されるものから選択される。
【0280】
好ましくは、R2は、有機ジイソシアネートを表す。有機ジイソシアネートの例は、特に、以下から選択することができる:テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンイソシアネート(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)メタン、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、例えばトルエン2,4-ジイソシアネート、トルエン2,6-ジイソシアネート及びこれらの混合物、水素化トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート及びそのジフェニルメタン2,4-ジイソシアネート異性体と、任意選択的にジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネート異性体との混合物、ナフタレン1,5-ジイソシアネート並びにこれらの混合物。
【0281】
好ましくは、ジイソシアネートは、脂肪族及び脂環式ジイソシアネートであり、より優先的には1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンイソシアネート及びこれらの混合物から選択される。
【0282】
本発明による「低分子量ジオール」という用語は、分子量が約62~700、好ましくは62~200であるジオールを指す。これらのジオールは、脂肪族基、脂環式基又は芳香族基を含むことができる。好ましくは、これらは、脂肪族基のみを含む。
【0283】
好ましくは、R3は、20個を超える炭素原子を含有する低分子量ジオールを表し、より優先的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)及びこれらの混合物から選択される。
【0284】
低分子量ジオールは、任意選択的に、イオン性又は潜在的イオン性基を含むことができる。イオン性又は潜在的イオン性基を含有する低分子量ジオールの例は、特に、特許である米国特許第3412054号明細書に記載されている。この種の化合物は、好ましくは、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、カルボキシル基を含有するポリカプロラクトンジオール及びこれらの混合物から選択される。
【0285】
イオン性又は潜在的イオン性基を含有する低分子量ジオールが使用される場合、これらは、好ましくは、ポリウレタン分散物中にポリウレタン1グラム当たりCOOHが0.30meq未満存在する量で使用される。
【0286】
プレポリマーは、2つの群に属する連鎖延長剤を用いることにより鎖延長される。鎖延長剤の第1の群は、一般式(B)の化合物に対応する。
【0287】
式(B)の鎖延長剤は、好ましくは、アルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、ピペラジン;アルキレンオキシドジアミン、例えば3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルアミン(ジプロピルアミンジエチレングリコール又はDPA-DEGとしても知られ、Tomah Products,Milton,Wis.から入手可能)、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン(DuPontからのDytec A)、ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4-メチレンジ(シクロヘキシルアミン)、Tomah Products,Milton,Wis.より入手可能なDPAシリーズのエーテル-アミン、例えばジプロピルアミンプロピレングリコール、ジプロピルアミンジプロピレングリコール、ジプロピルアミントリプロピレングリコール、ジプロピルアミンポリ(プロピレングリコール)、ジプロピルアミンエチレングリコール、ジプロピルアミンポリ(エチレングリコール)、ジプロピルアミン1,3-プロパンジオール、ジプロピルアミン2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジプロピルアミン1,4-ブタンジオール、ジプロピルアミン1,3-ブタンジオール、ジプロピルアミン1,6-ヘキサンジオール及びジプロピルアミンシクロヘキサン-1,4-ジメタノール;並びにこれらの混合物から選択される。
【0288】
鎖延長剤の第2の群は、一般式(C)の化合物に対応する。この種の化合物は、好ましくは、イオン性又は潜在的イオン性基と、イソシアネート基と反応することができる2つの基とを有する。この種の化合物は、任意選択的に、イソシアネート基と反応する2つの基と、イオン性であるか又はイオン性基を形成することができる1つの基とを含むことができる。
【0289】
イオン性又は潜在的イオン性基は、好ましくは、三級若しくは四級アンモニウム基又はこの種の基に変換することができる基、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基及びスルホネート基から選択することができる。三級又は四級アンモニウム基の塩に変換することができる基の少なくとも一部の変換は、水と混合する前又は混合時に行うことができる。
【0290】
式(C)の鎖延長剤は、好ましくは、ジアミノスルホネート、例えばN-(2-アミノエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(ASA)のナトリウム塩、N-(2-アミノエチル)-2-アミノプロピオン酸のナトリウム塩及びこれらの混合物から選択される。
【0291】
本発明により使用することができるポリウレタンは、任意選択的に、それぞれの鎖末端に位置し、前記連鎖を停止する化合物(連鎖停止剤)も含むことができる。この種の化合物は、特に、米国特許第7445770号明細書及び/又は米国特許第7452770号明細書に記載されている。
【0292】
好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物の粘度は、23℃で2000mPa.s未満であり、より優先的には1500未満、一層更により良好には1000未満である。一層より好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物のガラス転移温度は、0℃未満である。
【0293】
同じく好ましくは、ポリウレタン水性分散物のポリウレタン(又は活性物質若しくは固形分)含有量は、分散物の質量を基準として20質量%~60質量%、より優先的には25質量%~55質量%、一層更により良好には30質量%~50質量%である。これは、水性分散物のポリウレタン含有量(乾燥分)が分散物の総質量に対して好ましくは20質量%~60質量%、より優先的には25質量%~55質量%、一層更により良好には30質量%~50質量%であることを意味することを意図する。
【0294】
同じく好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物のガラス転移温度(Tg)は、-25℃以下、好ましくは-35℃未満、より優先的には-40℃未満である。
【0295】
ポリウレタン粒子の平均径は、約1000nmまで、例えば約50nm~約800nm、更により良好には約100nm~約500nmの範囲であり得る。これらの粒子径は、レーザー粒子径分布測定装置(例えば、Brookhaven BI90)を用いて測定することができる。
【0296】
ポリウレタン水性分散物の非限定的な例として、BayerからBaycusan(登録商標)の名称で販売されているもの、例えばBaycusan(登録商標)C1000(INCI名:ポリウレタン-34)、Baycusan(登録商標)C1001(INCI名:ポリウレタン-34)、Baycusan(登録商標)C1003(INCI名:ポリウレタン-32)、Baycusan(登録商標)C1004(INCI名:ポリウレタン-35)及びBaycusan(登録商標)C1008(INCI名:ポリウレタン-48)を挙げることができる。
【0297】
イソフタル酸/アジピン酸コポリマー/へキシレングリコール/ネオペンチルグリコール/ジメチロール酸/イソホロンジイソシアネートのポリウレタン水性分散物(INCI名:ポリウレタン-1、例えばBASFのLuviset(登録商標)PUR)、ポリカーボネートのポリウレタン、脂肪族ポリエステルのポリウレタン及び脂肪族ポリウレタン(例えば、DSMのNeorez(登録商標)シリーズ、例えばNeorez(登録商標)R989、Neorez(登録商標)及びR-2202)も挙げることができる。
【0298】
好ましい実施形態によれば、ポリウレタン粒子の水性分散物は、INCI名ポリウレタン-35を有する化合物又はINCI名ポリウレタン-34を有する化合物の粒子の水性分散物から選択することができる。
【0299】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる化合物は、アクリルポリマーの粒子の水性分散物の形態であり、より優先的には皮膜形成アクリルポリマー粒子の水性分散物の形態である。
【0300】
本発明の目的のために、「ポリマー」という用語は、1つ以上の単位(これらの単位は、モノマーとして知られる化合物から誘導される)の繰り返しに対応する化合物を意味する。この又はこれらの単位は、少なくとも2回、好ましくは少なくとも3回繰り返される。
【0301】
「皮膜形成ポリマー」という用語は、単独で又は補助的な皮膜形成剤の存在下において、支持体、特にケラチン性物質上に巨視的に連続した皮膜、好ましくは凝集性皮膜を形成することができるポリマーを指す。
【0302】
本発明の目的のために、「アクリル系ポリマー」という用語は、(メタ)アクリル酸及び/若しくは(メタ)アクリル酸エステル並びに/又は(メタ)アクリル酸アミドから選択される少なくとも1つのモノマーから合成されるポリマーを意味する。
【0303】
ポリマーの(メタ)アクリル酸モノマーから誘導された単位は、任意選択的に、塩の形態、特にアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩又は有機塩基塩の形態であり得る。
【0304】
(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)は、有利には、アルキル(メタ)アクリレート、特にC1~C30、好ましくはC1~C20、更により良好にはC1~C10アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、特にC6~C10アリール(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC2~C6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選択される。
【0305】
アルキル(メタ)アクリレートの中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0306】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中でも、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
【0307】
アリール(メタ)アクリレートの中でも、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートを挙げることができる。
【0308】
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル、好ましくはC1~C30、より優先的にはC1~C20、一層更により良好にはC1~C10、一層より詳細にはC1~C4アルキル(メタ)アクリレートである。
【0309】
本発明によれば、エステルのアルキル基は、フッ素化され得るか又は更に過フッ素化され得、即ちアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている。
【0310】
(メタ)アクリル酸アミドの例としては、(メタ)アクリルアミドに加えて、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN-(C2~C12アルキル)(メタ)アクリルアミドも挙げることができる。N-アルキル(メタ)アクリルアミドの中でも、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドを挙げることができる。
【0311】
本発明によるアクリル系ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマー、有利にはコポリマー、更により良好には(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマーであり得る。
【0312】
好ましくは、本発明によるアクリル系ポリマーは、以下のモノマー:
a)(メタ)アクリル酸;及び
b)C1~C30、より優先的にはC1~C20、更により良好にはC1~C10、一層詳細にはC1~C4アルキル(メタ)アクリレート
に由来する1つ以上の単位を含む。
【0313】
好ましくは、アクリル系ポリマー粒子の水性分散物は、界面活性剤を含まない。
【0314】
「界面活性剤」という用語は、2つの表面間の表面張力を調整することができる任意の薬剤を指す。
【0315】
本発明によるアクリル系ポリマーの中でも、(メタ)アクリル酸とメチル又はエチル(メタ)アクリレートとのコポリマー、特にメタクリル酸とエチルアクリレートとのコポリマー、例えばLuvimer MAEの商品名でBASF社から販売されている化合物、又はFixate Superhold Polymerの商品名でLubrizol社から販売されている化合物であるポリアクリレート-2クロスポリマー、又はDaitosol 3000VP3の商品名で大東化成工業株式会社から販売されている化合物であるアクリレートコポリマー、又はDaitosol 3000 SLPN-PE1の商品名で大東化成工業株式会社(Daito Kasei Kogyo)から販売されている化合物であるアクリレートポリマーを挙げることができる。
【0316】
アクリル系ポリマーは、任意選択的に、(メタ)アクリル酸及び/若しくは(メタ)アクリル酸エステル並びに/又は(メタ)アクリル酸アミドモノマー以外の1つ以上の追加のモノマーを含むことができる。
【0317】
追加のモノマーとして、例えば、スチレンモノマー、特にスチレン及びα-メチルスチレン、好ましくはスチレンが挙げられるであろう。
【0318】
特に、アクリル系ポリマーは、スチレン/(メタ)アクリレートコポリマー、特に少なくとも1つのスチレンモノマーと、少なくとも1つのC1~C20、好ましくはC1~C10アルキル(メタ)アクリレートモノマーとを重合させることにより得られるコポリマーから選択されるポリマーであり得る。
【0319】
C1~C10アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートから選択することができる。
【0320】
アクリル系ポリマーとしては、Joncryl 77の名称でBASF社から、Yodosol GH41Fの名称でAkzo Nobel社から及びSyntran 5760 CGの名称でInterpolymer社から販売されているスチレン/(メタ)アクリレートコポリマーを挙げることができる。
【0321】
好ましくは、毛髪着色組成物は、アクリル系ポリマー粒子の少なくとも1つの水性分散物を含む。
【0322】
より優先的には、毛髪着色組成物は、以下のモノマー:
a)(メタ)アクリル酸;及び
b)C1~C30、より優先的にはC1~C20、更により良好にはC1~C10、一層詳細にはC1~C4アルキル(メタ)アクリレート
に由来する1つ以上の単位を含むアクリル系ポリマー粒子の少なくとも1つの水性分散物を含む。
【0323】
好ましくは、アクリル系ポリマー粒子の水性分散物のアクリル系ポリマー(又は活性物質若しくは固形分)含有量は、分散物の質量を基準として20質量%~60質量%、より優先的には22質量%~55質量%、更により良好には25質量%~50質量%である。
【0324】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーと異なる化合物の総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5質量%~30質量%、更により良好には1質量%~25質量%、一層より優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0325】
ポリウレタン、アクリルポリマー及びこれらの混合物から選択される、前述の会合性ポリマーと異なるポリマー粒子の水性分散物の総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5質量%~30質量%、更により好ましくは1質量%~25質量%、更により優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0326】
特定の実施形態によれば、先に記載された会合性ポリマーと異なるアクリルポリマー粒子の水性分散物の総量は、毛髪着色組成物の総質量に対して好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5質量%~30質量%、更に良好には1質量%~25質量%、更により優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0327】
有機溶媒
本発明による方法に関連して使用される染料組成物は、1つ以上の有機溶媒を含み得る。
【0328】
有機溶媒の例として、低級C1~C4アルカノール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル並びにジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテルに加えて、芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0329】
好ましくは、毛髪着色組成物は、C1~C4低級アルカノールから選択される1つ又は複数の有機溶媒、より優先的にはエタノールを含む。
【0330】
有機溶媒は、毛髪着色組成物の総質量に対して約0.01質量%~60質量%(両端値を含む)、好ましくは0.05質量%~50質量%、より優先的には毛髪着色組成物の総質量に対して0.1質量%~45質量%(両端値を含む)の総量で存在することができる。
【0331】
本発明による方法に関連して使用される毛髪着色組成物は、好ましくは、水性である。含水量は、毛髪着色組成物の総質量に対して20質量%~99質量%、好ましくは50質量%~98質量%、より優先的には60質量%~95質量%の範囲であり得る。
【0332】
添加物
本発明による方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、通常使用される任意のアジュバント又は添加剤を含有し得る。
【0333】
毛髪着色組成物中に含有され得る添加剤の中でも、還元剤、軟化剤、消泡剤、保湿剤、紫外線遮蔽剤、解膠剤、可溶化剤、香料、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤、タンパク質、ビタミン、防腐剤、油、ワックス及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0334】
毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、特に、懸濁液、分散液、ゲル、エマルジョン、特に水中油型(O/W)若しくは油中水型(W/O)エマルジョン又は多相エマルジョン(W/O/W型又はポリオール/O/W型又はO/W/O型)の形態、クリーム、ムース、スティック、ベシクル、特にイオン性若しくは非イオン性脂質の分散液又は2相若しくは多相ローションの形態であり得る。
【0335】
当業者は、一般知識に基づき、適切な提供形態に加えて、それを調製する方法を、まず使用する構成成分の性質、特にそれらの担体中での溶解性を考慮し、次に組成物に意図されている用途を考慮して選択することができる。
【0336】
組成物Dの任意の適用
本発明による毛髪等の毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法は、少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dを毛髪ケラチン繊維に塗布する工程も含み得、前記組成物Dの塗布は、色除去組成物の塗布前に行われる。
【0337】
「カルボキシル基」という用語は、COOH又はCOO-官能基を意味し、COO-基の対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び四級アンモニウムから選択することができる。
【0338】
使用可能なシリコーンは、組成物D中に可溶又は不溶であり得、これらは、油、ロウ、樹脂又はゴムの形態であり得、シリコーン油及びゴムが好ましい。
【0339】
シリコーンは、特に、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicones(1968),Academic Pressに詳述されている。
【0340】
好ましくは、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下の式(XXVII):
【化33】
(式中、
- R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子を含有するアルキル基;ヒドロキシル基;1~20個の炭素原子を含有するアルコキシ基;又は6~12個の炭素原子を含有するアリール基を表し;
- R2は、独立して、基R4-COOM(R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Mは水素原子を表す);アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’3(R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含むアルキルを表す);カルボキシル基COOH又は基Ra-(ORb)x-COOMを含むピロリジン基(式中、Raは、1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rbは、1~4つの炭素原子を含むアルキル基を表し、xは、1~200の範囲の整数であり;Mは水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3を表し、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含むアルキルを表す)を表し;
- R3は、独立して、1~20個の炭素原子を含むアルキル基;水酸基;R4-COOM基(R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基を表し、Mは水素原子を表す);アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含むアルキルを表す);1~20個の炭素原子を含むアルコキシ基;6~12個の炭素原子を含むアリール基又はR
a-(OR
b)
x-COOM基(式中、R
aは1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、R
bは1~4つの炭素原子を含むアルキル基を表し、xは1~200の範囲の整数であり;Mは水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含むアルキルを表す)を表す)を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表し;
- pは、0~1000の範囲の整数を表し;
R2基及び/又はR3基の少なくとも1つは、カルボキシル基COOH又はCOOM(式中、Mは、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含有するアルキルを表す)を表す)を含むことが理解される)
のオルガノシロキサンから選択される。
【0341】
特に、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下から選択することができる:
以下の式(XXVIII):
【化34】
(式中、
- R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、更により良好には1~6つの炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキル基、優先的にはメチルを表し;
- R4は、独立して、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基;又は2価の基R
a-(OR
b)
x-(式中、R
aは、1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、R
bは、1~4つの炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
- Mは、独立して、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサン;
- 以下の式(XXIX):
【化35】
(式中、
- R1は、独立して、1~10個の炭素原子、好ましくは1~6つの炭素原子を含有するアルキル基、より優先的にはメチルを表し;
- R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアルキレン基;又は2価の基R
a-(OR
b)
x-(式中、R
aは、1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、R
bは、1~4つの炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
- Mは、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
- pは、1~1000の範囲の整数を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサン;
- 以下の式(XXX):
【化36】
(式中、
- R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、更により良好には1~6つの炭素原子を含有するアルキル基、優先的にはメチルを表し;
- R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基;又は2価の基R
a-(OR
b)
x-(式中、R
aは、1~4つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、R
bは、1~4つの炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
- R3は、1~20個の炭素原子を含有するアルキル基、1~20個の炭素原子を含有するアルコキシ基又は6~12個の炭素原子を含有するアリール基を表し;
- Mは、独立して、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’
3(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4つの炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサン;
- 以下の式(XXXI):
【化37】
(式中、
- R8は、1~6つの炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチルを表し;
- mは、1~1000の範囲の整数を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサン;及び
- それらの混合物。
【0342】
式(XXVIII)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、Momentive社からSilform INXの商品名で販売されている化合物(INCI名:ビスカルボキシデシルジメチコン)を挙げることができる。
【0343】
式(XXIX)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル側基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、信越化学工業株式会社からX-22-3701Eの商品名で販売されている化合物を挙げることができる。
【0344】
式(XXX)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、信越化学工業株式会社からX-22-3710の商品名で販売されている化合物を挙げることができる。
【0345】
式(XXXI)のオルガノシロキサンの中でも、Grant Industries社からGrandsil SiW-PCA-10の商品名で販売されている化合物(INCI名:ジメチコン(及び)PCAジメチコン(及び)ブチレングリコール(及び)デシルグルコシド)を挙げることができる。
【0346】
カルボキシル基を含むシリコーン化合物は、例えば、Chisso Corporation名義の欧州特許出願公開第186507号明細書に記載されている化合物に対応し得、これは、参照により本明細書に援用される。
【0347】
好ましくは、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、式(XXVIII)のオルガノシロキサン、式(XXIX)のオルガノポリシロキサン及びこれらの混合物から選択される。
【0348】
より優先的には、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下の式(XXIXa):
【化38】
(式中、
- R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子又は8~12個の炭素原子で任意選択的に中断される、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキレン基を表し;
- pは、1~1000の範囲の整数を表し;
- nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサンから選択される。
【0349】
組成物D中に存在する、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物の総量は、組成物Dの総質量に対して好ましくは0.01質量%~20質量%、より優先的には0.1質量%~15質量%、更により良好には0.5質量%~10質量%の範囲である。
【0350】
油
組成物Dは、1つ以上の油も含むことができる。
【0351】
好ましくは、組成物Dは、1つ以上の油を含む。より優先的には、組成物Dは、アルカンから選択される1つ以上の油を含む。
【0352】
「油」という用語は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×105Pa)下で液体である脂肪質物質を意味する。
【0353】
油は、揮発性又は非揮発性であり得る。
【0354】
「揮発性油」という用語は、皮膚と接触すると、室温及び大気圧下において1時間未満で蒸発することが可能な油を指す。揮発性油は、室温で液体である化粧用揮発性油である。より詳細には、揮発性油の蒸発速度は、0.01~200mg/cm2/minである(両端値を含む)(本文中で後述する蒸発速度の測定手順を参照されたい)。
【0355】
「不揮発性油」という用語は、室温及び大気圧下で皮膚又はケラチン性繊維上に残留する油を指す。より詳細には、不揮発性油の蒸発速度は、厳密に0.01mg/cm2/分未満である(本文中で後述する蒸発速度の測定手順を参照されたい)。
【0356】
好ましくは、組成物は、C6~C16アルカン及び/又はこれらの混合物から選択される1つ以上の油を含む。
【0357】
C6~C16アルカンに関して、これらは、直鎖又は分岐であり得、場合により環状である。
【0358】
特に、分岐C8~C16アルカン、例えばC8~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン又はイソヘキサデカン、例えばIsopar又はPermethylの商品名で販売されている油及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0359】
7~15個の炭素原子、特に9~14個の炭素原子、より詳細には11~13個の炭素原子を含む、好ましくは植物由来の直鎖アルカンも挙げることができる。
【0360】
本発明における使用に適した直鎖アルカンの例として、n-ヘプタン(C7)、n-オクタン(C8)、n-ノナン(C9)、n-デカン(C10)、n-ウンデカン(C11)、n-ドデカン(C12)、n-トリデカン(C13)、n-テトラデカン(C14)及びn-ペンタデカン(C15)並びにこれらの混合物、特にCognis社による特許出願である国際公開第2008/155059号パンフレットの実施例1に記載されているn-ウンデカン(C11)及びn-トリデカン(C13)の混合物を挙げることができる。
【0361】
Sasolからそれぞれ商品記号Parafol 12-97及びParafol 14-97で販売されているn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)に加えて、これらの混合物も挙げられ得る。
【0362】
本発明における使用に適したアルカンの例として、特許出願である国際公開第2007/068371号パンフレット及び国際公開第2008/155059号パンフレットに記載されているアルカンを挙げることができる。これらのアルカンは、脂肪アルコールから得られ、脂肪アルコール自体はヤシ核油又はパーム油から得られる。
【0363】
特定の実施形態によれば、組成物はイソドデカンを含む。この種の化合物は、例えば、Isododecaneの商品記号でIneosから販売されているイソドデカンである。
【0364】
好ましくは、組成物Dは、C8~C16アルカンから、より優先的にはイソドデカン、イソヘキサデカン、テトラデカン及び/又はこれらの混合物から選択される1つ以上の油を含む。
【0365】
より優先的には、組成物Dは、イソドデカンを含む。
【0366】
組成物Dは、組成物の総質量に対して30質量%~99質量%、好ましくは50質量%~99質量%、更により良好には70質量%~99質量%の総量で存在する1つ以上の油を含むことができる。
【0367】
組成物Dは、先に述べた顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含むことができる。
【0368】
色除去組成物
先に示されたように、毛髪ケラチン繊維、特に毛髪から色を除去する方法は、上記で定義された毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物を使用して予め着色された前記毛髪ケラチン繊維に少なくとも1つの色除去組成物を塗布することを含み、前記色除去組成物は、少なくとも1つのグリコールエーテルと、任意選択的に、少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネートを含む。
【0369】
グリコールエーテル
用語「グリコールエーテル」は、ヒドロキシル基を含むか又はヒドロキシル基を含まない1つ以上のグリコールエーテルを意味する。
【0370】
好ましくは、グリコールエーテルは、式R11(-O-CH(CH3)-CH2)nOH(式中、R11は、C1~C30、好ましくはC1~C6、より優先的にはC1~C4アルキル基を表し、nは、1~50、好ましくは2~50、より好ましくは2~10、優先的には2~5である)のものから選択される。
【0371】
有利には、グリコールエーテルは、式CH3(-O-CH(CH3)-CH2)nOH(式中、nは、2~50、好ましくは2~10、より優先的には2~5である)のものである。
【0372】
特に好ましくは、グリコールエーテルは、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル及びこれらの混合物、好ましくはトリプロピレングリコールメチルエーテルから選択される。
【0373】
グリコールエーテルの総含有量は、好ましくは、色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%であり、より優先的には、少なくとも10質量%である。
【0374】
グリコールエーテルの総含有量は、色除去組成物の総質量に対して5質量%~100質量%、好ましくは5~80質量%、より優先的には5~60質量%、更により優先的には5~50質量%、より好ましくは5~40質量%、更により好ましくは10~40質量%、更により好ましくは20~40質量%の範囲であり得る。
【0375】
アルキル又はアルキレンカーボネート
本発明による方法に関連して使用される色除去組成物は、少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネートを含み得る。
【0376】
用語「アルキルカーボネート」は、アルキル又はジアルキルカーボネートを意味する。
【0377】
好ましくは、アルキル又はアルキレンカーボネートは、C1~C30、好ましくはC1~C6アルキル又はC1~C30、好ましくはC1~C6アルキレンカーボネートである。より優先的には、アルキル又はアルキレンカーボネートは、アルキレンカーボネートから、更により良好にはプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート及びこれらの混合物から選択される。
【0378】
特に好ましくは、アルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートはプロピレンカーボネートから選択される。
【0379】
有利には、アルキル又はアルキルカーボネートの総含有量は、色除去組成物の総質量に対して10質量%~60質量%、好ましくは15質量%~50質量%の範囲である。
【0380】
ポリオール
本発明による方法に関連して使用される色除去組成物は、前述のグリコールエーテルと異なる少なくとも1つのポリオールを含み得る。
【0381】
本発明の目的のために、「ポリオール」という用語は、1つ以上の酸素原子で任意に中断され、異なる炭素原子によって有される少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基(-OH)を有する炭化水素系の鎖から構成される有機化合物を意味し、この化合物は、場合により、環状又は非環状、直鎖又は分岐及び飽和又は不飽和である。
【0382】
より具体的には、ポリオールは、2~30のヒドロキシル基、より優先的には2~10のヒドロキシル基、更により優先的には2~3のヒドロキシル基を含む。
【0383】
色除去組成物は、好ましくは、ジグリセロール、グリセロール、プロピレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、オクタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコースなどの糖及びこれらの混合物から選択される1つ以上のポリオールを含み得る。
【0384】
特に好ましくは、ポリオールはジプロピレングリコールから選択される。
【0385】
ポリオールの含有量は、有利には、色除去組成物の総質量に対して1質量%~50質量%、好ましくは5質量%~30質量%、より優先的には5質量%~20質量%の範囲である。
【0386】
アルカリ性剤
本発明による方法に関連して使用される色除去組成物は、少なくとも1つのアルカリ性剤も含み得る。
【0387】
好ましくは、アルカリ性剤は、有機アルカリ性剤及び無機アルカリ性剤、より優先的には有機アルカリ性剤から選択され得る。
【0388】
好ましくは、有機アルカリ性剤は、25℃におけるpKbが12未満、より好ましくは10未満、より優先的に6未満である有機アミンから選択される。これは、塩基性が最も高い官能基に対応するpKbであることに留意すべきである。加えて、有機アミンは、10個を超える炭素原子を含むアルキル又はアルケニル脂肪鎖を含まない。
【0389】
有機アルカリ性剤は、好ましくは、アルカノールアミン、特にモノ-、ジ-又はトリ-ヒドロキシ(C
1~C
6)アルキルアミン、例えば2-アミノ-2-メチルプロパノール、モノエタノールアミン、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エチレンジアミン、アミノ酸、以下の式(I)のポリアミン並びにそれらの混合物から選択される。
【化39】
式(I)において、Wは、1つ以上のヒドロキシル基若しくはC
1~C
6アルキル基で場合により置換され、且つ/又は場合によりO等の1つ以上のヘテロ原子で中断された二価C
1~C
6アルキレン基又は-NR
uであり;R
x、R
y、R
z、R
t及びR
u(同一であるか又は異なり得る)は、水素原子、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ヒドロキシアルキル、又はC
1~C
6アミノアルキル基を表す。
【0390】
式(I)のアミンの例として1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミン及びスペルミジンを挙げることができる。
【0391】
「アルカノールアミン」という用語は、第1級、第2級又は第3級アミン官能基と、1つ又は複数のヒドロキシル基を有する1つ又は複数の直鎖又は分枝C1~C8アルキル基とを含む有機アミンを意味する。
【0392】
同一の又は異なる1~3つのC1~C4ヒドロキシアルキル基を含むモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンなどのアルカノールアミンから選択される有機アミンは、本発明を実施するのに特に好適である。
【0393】
この種の化合物の中でも、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンを挙げることができる。
【0394】
より詳細には、使用することができるアミノ酸は、L体、D体又はラセミ体の形態にある天然又は合成由来のものであり、より詳細には、カルボン酸官能基、スルホン酸官能基、ホスホン酸官能基及びリン酸官能基から選択される少なくとも1つの酸官能基を含む。このアミノ酸は、中性形態又はイオン形態であり得る。
【0395】
本発明で使用され得るアミノ酸としては、特にアスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられ得る。
【0396】
有利には、アミノ酸は、追加のアミン官能基を、任意選択的に環内又はウレイド基内に含む、塩基性アミノ酸である。
【0397】
このような塩基性アミノ酸は、好ましくは、以下の式(II):
R-CH2-CH(NH2)-C(O)-OH (II)
(式(II)において、Rは、イミダゾリル、好ましくは、イミダゾリル-4-イル;アミノプロピル;アミノエチル;-(CH2)2N(H)-C(O)-NH2;及び-(CH2)2-N(H)-C(NH)-NH2から選択される基を表す)
に対応するもの及びまたその塩から選択される。
【0398】
有機アミンは、複素環型の有機アミンからも選択することができる。アミノ酸に関して既に挙げたヒスチジンに加えて、特にピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール及びベンゾイミダゾールも挙げることができる。
【0399】
有機アミンは、アミノ酸ジペプチドからも選択することができる。本発明において使用することができるアミノ酸ジペプチドとしては、特にカルノシン、アンセリン及びバレニンを挙げることができる。
【0400】
有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物からも選択することができる。本発明で使用され得るこの種のアミンとして、アミノ酸として既に挙げたアルギニンに加えて、特にクレアチン、クレアチニン、1,1-ジメチルグアニジン、1,1-ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、n-アミジノアラニン、3-グアニジノプロピオン酸、4-グアニジノ酪酸2-([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン-1-スルホン酸及び炭酸グアニジンを挙げることができる。
【0401】
好ましくは、アルカリ性剤は、アルカノールアミンから、より優先的にはモノエタノールアミンから選択される。
【0402】
存在する場合、アルカリ性剤の含有量は、有利には、色除去組成物の総質量に対して0.01質量%~10質量%、好ましくは0.1質量%~5質量%、より優先的には0.1質量%~2質量%の範囲である。
【0403】
水溶性有機溶媒
本発明による方法に関連して使用される色除去組成物は、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等の1~5つの炭素原子を含有するモノアルコールから選択される少なくとも1つの水溶性有機溶媒を含み得る。
【0404】
本発明による方法に関連して使用される色除去組成物は、水を含み得る。
【0405】
別の特定の実施形態によれば、色除去組成物は、水を含まない。
【0406】
更に、上述の添加剤は、本発明による方法に関連して使用される色除去組成物に含まれ得る。
【0407】
プロトコル
毛髪ケラチン繊維着色用組成物及び任意選択的な組成物Dは、湿った又は乾いた毛髪ケラチン繊維上で使用することができ、また明るい色又は暗い色の天然又は着色されたパーマネントウェーブ、脱色又は縮毛矯正が施されたあらゆるタイプの毛髪ケラチン繊維上で使用することができる。
【0408】
好ましい実施形態によれば、毛髪着色組成物及び組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に同時に適用される。
【0409】
他の好ましい実施形態によれば、組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に毛髪着色組成物を適用した後の毛髪ケラチン繊維に適用される。
【0410】
他の好ましい実施形態によれば、組成物Dは、毛髪ケラチン繊維着色用組成物を適用する前の毛髪ケラチン繊維に適用される。
【0411】
本発明の特定の実施形態によれば、毛髪ケラチン繊維、例えば毛髪は、毛髪ケラチン繊維着色用組成物及び任意選択的な組成物Dを適用する前に洗浄される。
【0412】
好ましくは、洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程は、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に適用した後、且つ組成物Dをケラチン繊維に適用する前に実施される。
【0413】
より優先的には、乾燥工程は、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に適用した後、且つ組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前に実施される。
【0414】
毛髪ケラチン繊維への適用は、任意の標準的な手段を介して、特に櫛、目の細かいブラシ、目の粗いブラシ、スポンジ又は指を用いて行うことができる。
【0415】
毛髪ケラチン繊維着色用組成物及び任意選択的な組成物Dのケラチン繊維への適用は、一般的に、室温(15~25℃)で行われる。
【0416】
毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に適用した後、例えば組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前又は例えば洗浄、濯ぎ、脱水若しくは乾燥工程前に、1分間~6時間、特に1分間~2時間、より詳細には1分間~1時間、より優先的には1分間~30分間放置することができる。
【0417】
好ましくは、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に適用した後、組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前に、放置時間は設けない。
【0418】
毛髪着色組成物及び任意選択的な組成物Dを適用した後、繊維を自然乾燥させ得るか、又は例えば30℃以上の温度で乾燥させ得る。
【0419】
したがって、本発明による方法は、加熱器具を使用して毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を含むことができる。
【0420】
本発明の方法の熱を印加する工程は、フード型ドライヤー、ヘアドライヤー、ストレートアイロン、クリマゾン(Climazon)などを使用して実施することができる。
【0421】
好ましくは、本発明の方法の熱を印加する工程は、ヘアドライヤーを使用して実施される。
【0422】
本発明の方法が毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を含む場合、毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程は、毛髪ケラチン繊維着色用組成物及び/又は任意選択的な組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用した後に実施される。
【0423】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を実施している間、毛束に対してコーミング、ブラッシング又は手櫛などの機械的な作用を与えることができる。
【0424】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程がフード型ドライヤー又はヘアドライヤーを使用して実施される場合、温度は、好ましくは30℃~110℃、優先的には50℃~90℃である。
【0425】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程がストレートアイロンを使用して実施される場合、温度は、好ましくは110℃~220℃、好ましくは140℃~200℃である。
【0426】
特定の変形形態において、本発明の方法は、フード型ドライヤー、ヘアドライヤー又はクリマゾン、好ましくはヘアドライヤーを使用して熱を印加する工程(b1)と、ストレートアイロン又はカールアイロン、好ましくはストレートアイロンを使用して熱を印加する工程(b2)とを含む。
【0427】
工程(b1)は、工程(b2)前に実施することができる。
【0428】
乾燥工程とも称される工程(b1)を実施する最中は、毛髪ケラチン繊維を、例えば30℃以上の温度で乾燥させることができる。特定の実施形態によれば、この温度は40℃を超える。特定の実施形態によれば、この温度は45℃を超え、且つ110℃未満である。
【0429】
好ましくは、毛髪ケラチン繊維を乾燥させる場合、熱の供給に加えて空気流を用いることにより乾燥させる。こうして乾燥時に空気流を用いることにより、毛束の被覆の分離を改善することが可能になる。
【0430】
乾燥中、毛束に対してコーミング、ブラッシング又は手櫛などの機械的な作用を与えることができる。
【0431】
乾燥工程(b2)においてストレートアイロン又はカールアイロンを滑らせる際の温度は、好ましくは、110℃~220℃、好ましくは140℃~200℃の範囲であり得る。
【0432】
乾燥工程が終了したら、形付け工程を、例えば、ストレートアイロンを用いて実施することができ;形付け工程の温度は110~220℃、好ましくは140~200℃である。
【0433】
好ましくは、本発明は、予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であり、特に、
i)上記の毛髪ケラチン繊維着色用組成物の毛髪ケラチン繊維への塗布、次いで、
ii)任意選択的に、前記毛髪着色組成物の繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
iii)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程、次いで、
iv)前述の少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dの、毛髪ケラチン繊維への塗布、次いで、
v)任意選択的に、前記組成物Dの毛髪ケラチン繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
vi)任意選択的に、毛髪ケラチン繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程
を含む方法である。
【0434】
好ましくは、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に適用する工程は、数回繰り返される。
【0435】
好ましい実施形態によれば、色除去方法は、毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であり、特に少なくとも2つの組成物A及びBの使用時、上記で定義された毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物を得るために即座に混合する工程と、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に塗布する工程とを含み、
- 組成物Aは、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
- 組成物Bは、前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前述の会合性ポリマーと異なる少なくとも1つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、任意選択的に、先に定義されたような少なくとも1つのシリコーンを含む。
【0436】
好ましくは、組成物A及びBは、好ましくは毛髪ケラチン繊維に適用する15分未満前、より優先的には適用前10分未満、更により良好には適用の5分未満前に混合される。
【0437】
組成物A及び組成物Bの質量比は、好ましくは、0.1~10、優先的には0.2~5、更により良好には0.5~2、更に0.6~1.5の範囲である。特定の実施形態において、組成物A及び組成物Bの質量比は、1に等しい。
【0438】
特定の実施形態によれば、本発明の方法は、毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法であり、特に少なくとも2つの組成物A及びBの使用時、上記で定義された毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物を得るために即座に混合する工程と、毛髪着色組成物を毛髪ケラチン繊維に塗布する工程とを含み、
- 組成物Aは、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
- 組成物Bは、前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前述の会合性ポリマーと異なる少なくとも1つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
組成物A及び/又は組成物Bが、任意選択的に、先に定義されたような少なくとも1つのシリコーンを含み;及び
前述の組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に、組成物A及びBの混合物を毛髪ケラチン繊維に適用する前及び/又は後、好ましくは後に適用される。
【0439】
次いで、先に示されたように、毛髪ケラチン繊維、色を除去する方法は、上記で定義された毛髪ケラチン繊維を着色するための少なくとも1つの組成物を使用して予め着色された毛髪ケラチン繊維に、上記で定義した少なくとも1つの色除去組成物を塗布することを含む。
【0440】
好ましくは、次いで、色除去組成物は、任意選択のリーブオン時間後にすすぎ出され、任意選択的にシャンプー洗浄が続く。
【0441】
好ましくは、色除去組成物は、すすぎ出される前に、30秒間~60分間、優先的には1~30分間、より優先的には1~15分間、より好ましくは2~10分間放置される。
【0442】
特定の実施形態によれば、本発明による方法は、色除去組成物の塗布後、毛髪ケラチン繊維をマッサージする工程も含む。
【0443】
このマッサージ工程中、剥離手袋等の特定のツールを使用することができる。
【0444】
好ましくは、マッサージ工程の間、指を房に沿って5回通過する。5回の通過の合計時間は、例えば房1g当たり30秒~2分の範囲であり得る。
【0445】
毛髪ケラチン繊維をマッサージする工程は、数回、例えば2回、任意選択的に中間のリーブオン時間で繰り返され得る。
【0446】
色除去組成物を塗布する工程は、任意選択的に中間のすすぎを伴って、数回繰り返され得る。
【0447】
毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物を工程する工程と、色除去組成物を塗布する工程との間の時間は、数分~数日、例えば数十日間の範囲であり得る。好ましくは、毛髪ケラチン繊維毛髪着色組成物を塗布する工程と、色除去組成物を塗布する工程との間の時間は、1時間~30日間、より優先的には1日間~15日間の範囲である。
【0448】
任意のマッサージ工程後、例えばシャンプーを使用して毛髪ケラチン繊維を洗浄する工程が続き得る。次いで、毛髪ケラチン繊維をマッサージし、すすぎ、乾燥させることができる。
【0449】
色除去組成物
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維から色を除去するための組成物であって、
- 色除去組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の少なくとも1つのグリコールエーテル;
- 少なくとも1つのアルキル又はアルキレンカーボネート;
- 任意選択的に、グリコールエーテルと異なる少なくとも1つのポリオール
を含む組成物にも関する。
【0450】
好ましくは、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、本発明による方法に関連して使用される、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物である。
【0451】
好ましくは、グリコールエーテル、アルキルカーボネート又はアルキレンカーボネート及び任意選択的なポリオールは、それぞれ上で定義した通りである。
【0452】
グリコールエーテルの総含有量は、有利には、色除去組成物の総質量に対して5質量%~60質量%、より優先的には5~50質量%、更により優先的には5~40質量%、より優先的には10~40質量%、更により好ましくは20~40質量%の範囲であり得る。
【0453】
有利には、アルキル又はアルキルカーボネートの総含有量は、色除去組成物の総質量に対して10質量%~60質量%、好ましくは15質量%~50質量%の範囲である。
【0454】
ポリオールの含有量は、有利には、色除去組成物の総質量に対して1質量%~50質量%、好ましくは5質量%~30質量%、より優先的には5質量%~20質量%の範囲である。
【0455】
好ましくは、上述のように、本発明による方法に関連して使用される色除去組成物に含まれ得る成分は、本発明による色除去組成物に含まれ得る。
【0456】
使用
本発明は、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物で予め着色された毛髪ケラチン繊維、例えば毛髪から色を除去するための本発明の組成物又は本発明の方法に関連して使用される組成物の使用にも関する。
【0457】
好ましくは、毛髪着色組成物は、上で定義されるような少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む。
【0458】
好ましくは、毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物は、上記で定義した通りである。
【0459】
ここで、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これらは、決して本発明の範囲を限定するものではない。しかしながら、実施例は、本発明の特定の特徴、変形形態及び好ましい実施形態を支持することを可能にする。
【実施例】
【0460】
本発明の(ポリ)カルボジイミドは、市販の製品又は当業者にも知られている化学反応に従って合成することができる試薬から出発して、当業者に知られている合成方法を介して入手することができる。例えば、書籍Sciences of Synthesis-Houben-Weyl Methods of Molecular Transformations,2005,Georg Thiem Verlag Kg,Rudigerstrasse 14,D-70469 Stuttgart又は米国特許第4284730号明細書又はカナダ国特許出願第2509861号明細書を挙げることができる。
【0461】
より詳細には、本発明の(ポリ)カルボジイミドを調製する方法は、第1工程において、ジイソシアネート試薬(1):
O=C=N-L1-N=C=O (1)
(式(1)中、L1は、先に定義した通りである)
を、米国特許第4284730号明細書に記載されているものなどのカルボジイミド化触媒(2)、特にリン系触媒、特にホスホレンオキシド並びにホスホレンスルホキシド、ジアザ-及びオキサアザ-ホスホランから選択されるものの存在下に、好ましくは不活性雰囲気(窒素又はアルゴン)中、特に好ましくは非プロトン性の極性溶媒、例えばTHF、グリム、ジグリム、1,4-ジオキサン又はDMF中、室温~溶媒の還流温度の温度、好ましくは約140℃で反応させることにより;カルボジイミドジイソシアネート化合物(3):
O=C=N-L1-(N=C=N-L1)n-N=C=O (3)
(式(3)中、L1及びnは、先に定義した通りである)
を得ることを含む。触媒を失活させるために、塩化ベンゾイルなどのハロゲン化ベンゾイルを添加し得る。
【0462】
この調製方法の第2工程において「対称」(ポリ)カルボジイミドを得る場合、化合物(3)を、1モル当量(1eq.)の求核試薬R1-X1-Hと反応させ、次いで0.5eq.の試薬H-E-H(式中、R1、X1及びEは、先に定義した通りである)と反応させることにより、本発明による「対称」化合物(4):
[R1-X1-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)n-NH-C(O)]2-E (4)
(式(4)中、R1、X1、L1、n及びEは、先に定義した通りである)
を得る。(3)から化合物(4)を得るための一変形形態によれば、まず0.5eq.の試薬H-E-Hを添加した後、1eq.の試薬R1-X1-Hを添加することが可能である。
【0463】
この調製方法の第2工程において「非対称」(ポリ)カルボジイミドを得る場合、化合物(3)を、1モル当量(1eq.)の求核試薬R1-X1-Hと反応させ、次いで1eq.の試薬H-E-H(式中、R1、X1及びEは、先に定義した通りである)と反応させることにより、化合物(5):
R1-X1-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)n-NH-C(O)-E-H (5)
(式(5)中、R1、X1、L1、n及びEは、先に定義した通りである)
を得る。
【0464】
(3)から化合物(5)を得るための一変形形態によれば、まず1eq.の試薬R1-X1-Hを添加した後、0.5eq.の試薬H-E-Hを添加することが可能である。
【0465】
第3の工程において、化合物(5)を、1eq.の化合物(6):
R2-X2-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)z-N=C=O (6)(前記化合物(6)は、化合物(3’):
O=C=N-L1-(N=C=N-L1)z-N=C=O(3’),
(式(3’)中、L1及びzは、先に定義した通りである)
を、1eq.の求核試薬R2-X2-H(式中、L1、R2、X2及びzは、先に定義した通りである)と反応させることにより予め調製されたものである)
と反応させることにより、非対称化合物(7):
R1-X1-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)n-NH-C(O)-E-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)z-NH-C(O)-X2-R2 (7)
(式(7)中、R1、X1、L1、R2、X2、n、z及びEは、先に定義した通りである)
を得る。
【0466】
1モル当量の化合物O=C=N-L1-(N=C=N-L1)z-N=C=O (3’)を、1/wモル当量のH-E-Hと反応させ、次いで1eq.の求核試薬R2-X2-Hと反応させることにより、化合物(8):
H-[E-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)z]w-NH-C(O)-X2-R2 (8)
(式(8)中、L1、R2、X2、z及びEは先に定義した通りであり、wは1~3の整数であり;より優先的には、w=1である)
を得ることも可能である。
【0467】
次いで、最終化合物(8)を、次いで1eq.の化合物(4’):
R1-X1~C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)n-N=C=O(4’)
(前記化合物(4’)は、0.5eq.の求核試薬R1-X1-Hを1eq.の化合物(3)と反応させることにより合成することができる)
と反応させることにより、本発明の(ポリ)カルボジイミド(9):
R1-X1-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)n-NH-C(O)-[E-C(O)-NH-L1-(N=C=N-L1)z]w-NH-C(O)-X2-R2 (9)
(式(9)中、L1、R1、X1、R2、X2、n、z、w及びEは、先に定義した通りである)
を得ることができる。
【0468】
(ポリ)カルボジイミド化合物及びそれと同様に全ての反応中間体及び試薬は、当業者に知られている従来の方法、例えば、水及び水と不混和な有機溶媒を用いた抽出、沈殿、遠心分離、濾過及び/又はクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0469】
実施例1:(ポリ)カルボジイミド化合物を合成する方法
温度計、撹拌機及び還流管を備えた500mL容の三ツ口丸底フラスコに4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート50g及び4,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-1H-ホスホール1-オキシド0.5gを撹拌しながら装入する。
【0470】
赤外分光法により2200~2300cm-1のイソシアネート基の吸収で反応を監視しながら、反応媒体を窒素中140℃で4時間加熱した後、120℃に冷却する。
【0471】
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル5.3g及び1,4-ブタンジオール1.2gの混合物を撹拌しながら反応媒体に導入する。赤外分光法により2200~2300cm-1を監視し、イソシアネート基が完全に消失するまで温度を120℃に維持し、次いで室温に冷却する。
【0472】
室温に冷却した後、蒸留水85gを含む500mL容のガラス製ビーカーに反応媒体を激しく撹拌しながら滴下することにより、所望の生成物を半透明の黄色液体の形態で得る。
【0473】
実施例2
以下に記載される組成物A1、A2、B1及びB2を調製した。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0474】
【0475】
【0476】
次いで、2つの混合物を作製する。
【0477】
組成物A1を組成物B1と50/50比で混合することにより組成物C1を得る。
【0478】
組成物A2を組成物B2と50/50比で混合することにより組成物C2を得る。
【0479】
したがって、組成物C1及びC2は本発明に係る毛髪着色組成物である。
【0480】
次に、以下の組成物Dを調製した。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0481】
【0482】
色除去組成物
並行して、本発明によるいくつかの色除去組成物が調製され、以下の表に記載される。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0483】
【0484】
毛髪を着色するためのプロトコル:
組成物C1及びC2をそれぞれ、白髪90%を含む乾いた天然の毛髪の毛束に毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0485】
次いで、毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。
【0486】
次に、組成物Dを、組成物C1及びC2で処理して乾燥させた毛髪の前記毛束に毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0487】
このようにして着色された毛髪の房を室温で24時間放置し、次いで脱色処理を行う。
【0488】
組成物C1で着色された毛髪の房を組成物E1で処理する。組成物C2で着色された毛髪の房を組成物E2で処理する。
【0489】
予め着色された毛髪の房から色を除去するためのプロトコル
組成物E1及びE2の各々を着色毛髪の房に房1g当たり組成物1gの割合で塗布する。毛髪の房を最初にマッサージする(指を房に5回沿わせる)。次に、室温で10分間のリーブオン時間後、毛髪の房を再びマッサージし(指を房に5回沿わせ)、次いで毛髪の房をすすぐ。
【0490】
次いで、毛束を、標準シャンプー(Garnier Ultra Doux)を使用して洗浄する。
【0491】
次いで、毛髪をマッサージし、すすぎ、次いでヘアドライヤーを使用して乾燥させる。
【0492】
次いで、色除去を1~5のスケールで評価する。1のスコアは、優れた色除去を示す。5のスコアは、色除去が不十分であることを示す。結果は、以下の表に記載される。
【0493】
【0494】
本発明による組成物E1及びE2は、優れた色除去力を有することが観察される。
【0495】
したがって、本発明による方法は、(ポリ)カルボジイミド化合物と、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される着色剤とを含む毛髪毛髪着色組成物を使用して予め着色された毛髪の房からの色の効率的な除去を得ることを可能にする。
【0496】
実施例3:
実施例3では、実施例2で上述した毛髪毛髪着色組成物A1、B1及びDを使用する。したがって、実施例3では、実施例2において上述した毛髪毛髪着色組成物C1を用いる。
【0497】
色除去組成物
並行して、本発明によるいくつかの色除去組成物が調製され、以下の表に記載される。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0498】
【0499】
毛髪を着色するためのプロトコル:
組成物C1を、白髪90%を含む乾燥した天然の毛髪の毛束に毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0500】
次いで、毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。
【0501】
次に、コーミング後、組成物Dを、組成物C1で処理して乾燥させた毛髪の前記毛束に毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0502】
このようにして着色された毛髪の房は、その後、色除去処理を受ける。組成物C1で着色された毛髪の房を組成物E3~E7で処理する。
【0503】
毛髪の房から色を除去するためのプロトコル
組成物E3~E7のそれぞれを着色毛髪の房に房1グラム当たり組成物1gの割合で塗布する。毛髪の房を最初にマッサージする(指を房に5回沿わせる)。次に、室温で10分間のリーブオン時間後、毛髪の房を再びマッサージし(指を房に5回沿わせ)、次いで毛髪の房をすすぐ。
【0504】
次いで、毛束を、標準シャンプー(Garnier Ultra Doux)を使用して洗浄する。
【0505】
次いで、毛髪をマッサージし、すすぎ、次いでヘアドライヤーを使用して乾燥させる。
【0506】
次いで、色除去を1~5のスケールで評価する。1のスコアは、優れた色除去力(脱色力とも呼ばれる)を示す。5のスコアは、色除去力が不十分であることを示す。結果は、以下の表に記載される。
【0507】
【0508】
本発明による組成物E3~E7は、繊維に対して優れた色除去力を有することが観察される。
【0509】
したがって、本発明による毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法は、(ポリ)カルボジイミド化合物と、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される着色剤とを含む毛髪ケラチン繊維を着色するための組成物を使用して予め着色された毛髪の房から色を効率的に除去することを可能にする。
【0510】
実施例4:
以下に記載される組成物A3及びB3を調製した。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0511】
【0512】
【0513】
組成物A3を組成物B3と50/50比で混合することにより組成物C3を得る。
【0514】
次に、実施例2で上述した組成物Dを使用する。
【0515】
色除去組成物
並行して、本発明によるいくつかの色除去組成物が調製され、以下の表に記載される。量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0516】
【0517】
毛髪を着色するためのプロトコル:
組成物C3を、白髪90%を含む乾燥した天然の毛髪の毛束に毛束1グラム当たり組成物0.8gの比率で適用する。
【0518】
次いで、毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。
【0519】
次に、組成物Dを、組成物C3で処理して乾燥させた毛髪の前記毛束に毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0520】
このようにして着色された毛髪の房を室温で24時間放置し、次いで脱色処理を行う。
【0521】
組成物C3で着色された毛髪の房は、組成物E8又は組成物E9で処理される。
【0522】
予め着色された毛髪の房から色を除去するためのプロトコル
組成物E8及びE9のそれぞれを着色毛髪の房に房1グラム当たり0.5gの組成物の割合又は房1グラム当たり10gの組成物の割合で塗布する。毛髪の房を最初にマッサージする(指を房に5回沿わせる)。次に、室温で10分間のリーブオン時間後、毛髪の房を再びマッサージし(指を房に5回沿わせ)、次いで毛髪の房をすすぐ。
【0523】
次いで、毛束を、標準シャンプー(Garnier Ultra Doux)を使用して洗浄する。
【0524】
次いで、毛髪をマッサージし、すすぎ、次いでヘアドライヤーを使用して乾燥させる。
【0525】
結果:
毛束の色の持続性を、Minolta Spectrophotometer CM3600A分光測色計(D65光源、角度10°、正反射成分を含む)を使用して、CIE L*a*b*系で評価した。
【0526】
このL*a*b*系において、L*は、色の強度を表し、a*は、緑/赤色軸を示し、b*は、青/黄色軸を示す。
【0527】
着色の持続性は、上述したように、房から色を除去する前、次いで予め着色された色から色を除去する方法を受けた後、着色された房間の色差ΔEによって評価される。ΔE値が低いほど、色除去組成物に対して色がより持続する。
【0528】
【0529】
この式において、L*a*b*は、毛髪を着色した後及び房から色を除去した後に測定された値を表し、L0*a0*b0*は、毛髪を着色した後であるが、房から色を除去する前に測定された値を表す。
【0530】
【0531】
本発明による色E8を除去するための組成物は、色E9を除去するための比較組成物と比較してより良好な色除去力を有することが観察された。
【0532】
したがって、本発明による毛髪ケラチン繊維から色を除去する方法は、(ポリ)カルボジイミド化合物と、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される着色剤とを含む毛髪着色組成物を使用して予め着色された毛髪の房から色を効率的に除去することを可能にする。
【国際調査報告】