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特表2024-510185触媒のメンテナンス推奨を提供するためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】触媒のメンテナンス推奨を提供するためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   B01J 38/00 20060101AFI20240228BHJP
   B01J 37/00 20060101ALI20240228BHJP
   B01J 23/96 20060101ALI20240228BHJP
   B01J 23/44 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B01J38/00 Z
B01J37/00 Z ZAB
B01J23/96 A
B01J23/44 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555286
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021072626
(87)【国際公開番号】W WO2022191905
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/158,343
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】リウ,イー
(72)【発明者】
【氏名】ヒズニー,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA10
4G169BB02A
4G169BB02B
4G169BC70A
4G169BC71A
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BC73A
4G169BC74A
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CA02
4G169CA07
4G169CA14
4G169DA06
4G169EA19
4G169EB12X
4G169EB18Y
4G169ED10
4G169FB79
4G169GA20
(57)【要約】
トレーニングされた機械学習モデルに基づいて触媒のメンテナンス推奨を提供するためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。本方法は、複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出するステップであって、各パラメータは、複数の触媒の各触媒から収集される、ステップと;少なくとも1つの触媒特徴、触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータを分類するステップと;前記複数の触媒のうちの触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、前記分類されたトレーニングデータから特徴ベクトルを決定するステップであって、前記特徴ベクトルは、前記触媒が正常に機能するか、又は異常に機能するかを示す、ステップと;機械学習モデルを生成するステップであって、前記機械学習モデルは、前記特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ、触媒の機能及び性能を予測する、ステップと;ガスの破壊除去効率(DRE)に従って、前記トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成するステップと;前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、前記触媒のメンテナンス推奨を提供するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムを使用して、複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出するステップであって、各パラメータは、複数の触媒のそれぞれの触媒から収集されるステップと;
少なくとも1つの触媒特徴、触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータを分類するステップと;
前記複数の触媒のうちの触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、前記分類されたトレーニングデータから特徴ベクトルを決定するステップであって、前記特徴ベクトルは、前記触媒が正常に機能するか、又は異常に機能するかを示す、ステップと;
前記コンピュータシステムを用いて、機械学習モデルを生成するステップであって、前記機械学習モデルは、前記特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ、触媒の機能及び性能を予測する、ステップと;
前記コンピュータシステムを用いて、ガスの破壊除去効率DREに従って、前記トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成するステップと;
前記コンピュータシステムを用いて、前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、触媒のメンテナンス推奨を提供するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記コンピュータシステムによって、前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、触媒のメンテナンス推奨を提案することが:
触媒を維持する又は維持しないことの推奨;
現時点において、触媒を交換する又は交換しないことの推奨;及び
将来時点において、触媒を交換する又は交換しないことの推奨、
のうちの少なくとも1つを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DREは、所定の入口温度におけるガスの変換パーセンテージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特徴ベクトルは、325゜Fから800゜Fの間で選択された温度でのガスの変換レベルを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記特徴ベクトルは、100000h-1から500000h-1の間の空間速度でのガスの変換レベルを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴ベクトルの決定は:
前記コンピュータシステムを用いて、触媒の性能及び汚染の2つ以上の確率分布関数を検出すること;
前記触媒の性能及び汚染の2つ以上の確率分布関数のうちの最適な1つを決定すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
確率分布関数は、正規分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布、コーシー分布、ロジスティック分布、対数ロジスティック分布、対数ガンマ分布、レヴィ分布、マックスウェル・ボルツマン分布、ガンベル分布、一般化パレート分布、非心T分布、パレート・レヴィ安定分布、及びガンマ分布から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
確率分布関数は、正規分布、ロジスティック分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布及びパレート・レヴィ安定分布から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ガスは一酸化炭素(CO)、揮発性有機化合物(VOC)、及びオゾン(O)から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
汚染物質が、Fe、Ni、Sn、Cr、Pb、Ti、Mn、Sb、P、Zn、Ca、Mg、Ba、Mo、Si、Na、K、S、及びAsから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記汚染物質は、X線光電子分光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法によって決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒は不均一系触媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒は、固体担持触媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記触媒は、白金族金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記白金族金属は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
触媒の汚染及び触媒のエージング時間のうちの少なくとも1つに従って、トレーニングデータから性能ベースライン曲線を分類することが、少なくとも1つの触媒特徴、触媒の汚染、及び触媒のエージング時間に従ってトレーニングデータから性能ベースライン曲線を分類することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピュータシステムを使用して、ガスのDREに従ってトレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成することが、パターン認識技術を使用して前記性能ベースライン曲線を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出することであって、各パラメータは、前記複数の触媒のそれぞれの触媒から収集される、こと;
少なくとも1つの触媒特徴、触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータを分類すること;
前記複数の触媒のうちの触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、前記分類されたトレーニングデータから特徴ベクトルを決定することであって、前記特徴ベクトルは、触媒が正常に機能するか、又は異常に機能するかを示す、こと;
機械学習モデルを生成することであって、前記機械学習モデルは、前記特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ、触媒の機能及び性能を予測する、こと;
ガスの破壊又は除去効率DREに従って、前記トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成すること;及び、
前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、触媒のメンテナンス推奨を提供すること、を行うように構成された少なくとも1つのシステムを含む、システム。
【請求項21】
前記システムは、
触媒を維持する又は維持しないことの推奨;
現時点での触媒を交換する又は交換しないことの推奨;及び、
将来時点での触媒を交換する又は交換しないことの推奨、
のうちの少なくとも1つを含む触媒のメンテナンス推奨を提供する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記DREは、所定の入口温度におけるガスの変換パーセンテージを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記特徴ベクトルは、325゜Fから800゜Fの間で選択された温度におけるガスの変換レベルを示す、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記特徴ベクトルは、100000h-1から500000h-1の間の空間速度におけるガスの変換レベルを示す、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記システムによる特徴ベクトルの決定は:
前記触媒の性能及び汚染に関する2つ以上の確率分布関数を検出すること;
前記触媒の性能及び汚染物質に関する前記2つ以上の確率分布関数のうちの最適な1つを決定することを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
確率分布関数は、正規分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布、コーシー分布、ロジスティック分布、対数ロジスティック分布、対数ガンマ分布、レヴィ分布、マックスウェル・ボルツマン分布、ガンベル分布、一般化パレート分布、非心T分布、パレート・レヴィ安定分布、及びガンマ分布から選択される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
確率分布関数は、正規分布、ロジスティック分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布及びパレート・レヴィ安定分布から選択される、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記ガスは一酸化炭素(CO)、揮発性有機化合物(VOC)、及びオゾン(O)から選択される、請求項20に記載のシステム。
【請求項30】
汚染物質は、Fe、Ni、Sn、Cr、Pb、Ti、Mn、Sb、P、Zn、Ca、Mg、Ba、Mo、Si、Na、K、S、及びAsから選択される、請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記汚染物質は、X線光電子分光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法によって決定される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記触媒は不均一系触媒である、請求項20に記載のシステム。
【請求項33】
前記触媒は、固体担持触媒である、請求項20に記載のシステム。
【請求項34】
前記触媒は、白金族金属を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項35】
前記白金族金属は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金から選択される、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータから前記性能ベースライン曲線を分類することは、少なくとも1つの触媒の特徴、前記触媒の汚染及び前記触媒のエージング時間に従って、前記トレーニングデータから前記性能ベースライン曲線を分類することを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
コンピュータシステムを使用して、ガスの前記DREに従って前記トレーニングデータから前記性能ベースライン曲線を生成することは、パターン認識技術を使用して前記性能ベースライン曲線を生成することを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項39】
複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントであって、各パラメータは、複数の触媒のそれぞれの触媒から収集される、コンピュータプログラムコードセグメントと;
少なくとも1つの触媒特徴、触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータを分類するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントと;
前記複数の触媒のうちの触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、前記分類されたトレーニングデータから特徴ベクトルを決定するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントであって、前記特徴ベクトルは、前記触媒が正常に機能するか、又は異常に機能するかを示す、コンピュータプログラムコードセグメントと;
機械学習モデルを生成するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントであって、前記機械学習モデルは、前記特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ、触媒の機能及び性能を予測する、コンピュータプログラムコードセグメントと;
ガスの破壊又は除去効率DREに従って、前記トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントと;
前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、触媒のメンテナンス推奨を提供するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントと、を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記触媒のメンテナンス推奨を提供するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントは、
前記触媒を維持する又は維持しないことの推奨;
現時点での前記触媒を交換する又は交換しないことの推奨;及び、
将来時点での前記触媒を交換する又は交換しないことの推奨
のうちの少なくとも1つを含む触媒のメンテナンス推奨を生成する、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記DREは、所定の入口温度におけるガスの変換パーセンテージを含む、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記特徴ベクトルは、325゜Fから800゜Fの間で選択された温度におけるガスの変換レベルを示す、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記特徴ベクトルは、100000h-1から500000h-1の間の空間速度におけるガスの変換レベルを示す、請求項43に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記特徴ベクトルを決定するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントは:
前記触媒の性能及び汚染に関する2つ以上の確率分布関数を検出すること;
前記触媒の性能及び汚染に関する2つ以上の確率分布関数のうちの最適な1つを決定すること
を含む、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項46】
確率分布関数は、正規分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布、コーシー分布、ロジスティック分布、対数ロジスティック分布、対数ガンマ分布、レヴィ分布、マックスウェル・ボルツマン分布、ガンベル分布、一般化パレート分布、非心T分布、パレート・レヴィ安定分布、及びガンマ分布から選択される、請求項45に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
確率分布関数は、正規分布、ロジスティック分布、ワイブル分布、ジョンソンSU分布及びパレート・レヴィ安定分布から選択される、請求項45に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記ガスは一酸化炭素(CO)、揮発性有機化合物(VOC)、及びオゾン(O)から選択される、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項49】
汚染物質は、Fe、Ni、Sn、Cr、Pb、Ti、Mn、Sb、P、Zn、Ca、Mg、Ba、Mo、Si、Na、K、S、及びAsから選択される、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項50】
前記汚染物質は、X線光電子分光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法によって決定される、請求項49に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項51】
前記触媒は不均一系触媒である、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項52】
前記触媒は、固体担持触媒である、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項53】
前記触媒は、白金族金属を含む、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項54】
前記白金族金属は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金から選択される、請求項53に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項55】
前記触媒の汚染及び前記触媒のエージング時間のうちの少なくとも1つに従って、前記トレーニングデータから前記性能ベースライン曲線を分類することは、少なくとも1つの触媒の特徴、前記触媒の汚染及び前記触媒のエージング時間に従って前記トレーニングデータからの前記性能ベースライン曲線を分類することを含む、請求項54に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項56】
前記少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金族金属間の比、及びセル密度を含む、請求項55に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項57】
前記コンピュータシステムを使用して、ガスの前記DREに従って前記トレーニングデータから前記性能ベースライン曲線を生成することは、パターン認識技術を使用して前記性能ベースライン曲線を生成することを含む、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレーニングされた機械学習モデルを用いて触媒のためのメンテナンス推奨を提供するシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中の家庭及び企業で使われている電力の多くは、化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)を燃やす発電所で生産(produce)されている。その結果として生じる高温の排気(排気ガス)によってガスタービンを回転させ又は水を沸騰させることで、蒸気を発生させて(produce)、その蒸気が電力を生産する(produce)ためにタービンを回転させる。排気ガスはその後、大気中に放出される。
【0003】
他のガスの他に、排気ガスには、揮発性有機化合物(VOC)及び一酸化炭素(CO)が含まれることがある。大気中のCO及びVOCは、いくつかの健康問題及び環境問題を引き起こす可能性がある。VOCはまた、スモッグ形成の原因となる地上レベルオゾン(O)の前駆体でもある。そのため、連邦、州、及び地方の環境規制は、排ガスを大気中に放出する前に、VOCと一酸化炭素のレベルを下げるために処理することを義務付けている。
【0004】
通常、VOC及び一酸化炭素を含む排気ガスは、汚染物質を水と二酸化炭素に酸化変換することによって、そのような汚染物質のレベルを下げる触媒を含む触媒酸化装置で処理される。このような触媒は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウムなどの貴金属成分;バナジウム、銅、マンガン、セリウム、クロムなどの金属成分;酸化マンガンもしくは酸化クロムなどの金属酸化物触媒、及びこのような金属及び/又は金属酸化物触媒の組み合わせを含むことが多い。これらの触媒材料は高価であるため、触媒の有効寿命を最適化する必要がある。さらに、触媒の交換は単純な作業ではなく、通常、排気ガスを放出するプラントの全部又は一部を停止する必要があるため、交換にかかる総費用に実現されない生産高が加算される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、プラントのオペレータは、触媒がいつ有効寿命に達するかを予測し、その予測に基づいて触媒を交換する必要がある。しかし、所定の触媒が動作する条件(例えば、発電所の燃料品質及びデューティサイクル)は常に変化するため、あるプラント又はタービンユニットから収集されたデータを別のプラントに適用することは困難である。さらに、所定の触媒の性能とエージングに寄与する現場プロセスも完全には理解されていない。そのため、所定の産業用途又は発電用途における触媒の寿命末期をいかなる精度でも予測することは困難であり、時間がかかる。このため、オペレータは、設備に許容される短期間の停止期間内に、所定の触媒を保持するか又は交換するかについて、十分に正確な推奨を行うことが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、客観的な基準に基づいて触媒のメンテナンス推奨を行うように、機械学習技術を使用して特定の反応における触媒の性能ベースライン曲線を定量的に定義するための方法、システム、及びコンピュータ可読媒体を提供することによって、所定の触媒をいつ交換するかの決定に、機械学習技術を活用する。例示的なプロセスでは、現場で使用される触媒の性能と汚染レベルが決定され、性能ベースライン曲線と比較される。触媒の性能がベースライン曲線を上回っている場合、その触媒は運転状態を維持され得る。サンプルの性能がベースライン曲線を下回っている場合、触媒は交換され得る。
【0007】
特に、本開示は、以下のステップを含む方法を実行する触媒性能ツール(CPT)を提示する:(a)コンピュータシステムを使用して、複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出するステップであって、各パラメータは、複数の触媒の各触媒から収集されるステップと;(b)少なくとも1つの触媒特徴、少なくとも1つの触媒の汚染及び触媒のエージング時間に従って、前記トレーニングデータを分類するステップと;(c)前記複数の触媒のうちの触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、前記分類されたトレーニングデータから特徴ベクトルを決定するステップであって、前記特徴ベクトルは、前記触媒が正常に機能するか、又は異常に機能するかを示す、ステップと;(d)前記コンピュータシステムを用いて、機械学習モデルを生成するステップであって、前記機械学習モデルは、前記特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ、触媒の機能及び性能を予測する、ステップと;(e)前記コンピュータシステムを用いて、ガスの破壊除去効率(DRE)に従って、前記トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成するステップと;(f)前記トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、前記コンピュータシステムによって、前記触媒のメンテナンス推奨を提供するステップと、を含む。本開示の方法はまた、トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、コンピュータシステムによって、(i)触媒を維持する(又は維持しない)ことの推奨、(ii)現時点で触媒を交換する(又は交換しない)ことの推奨、及び(iii)将来時点で触媒を交換する(又は交換しない)ことの推奨のうちの少なくとも1つを提供することを含む、触媒のメンテナンス推奨を提供する。本開示は、開示された方法を実行するためのシステム及びコンピュータ可読媒体も提示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示と一致する方法を実行するための例示的なシステム1000を示す図である。
図2】触媒のメンテナンス推奨を生成する方法2000を示すフローチャートである。
図3図2の方法2000のさらなる詳細を示すフローチャートである。
図4】BASF Camet(登録商標)金属ホイルCO酸化触媒運転ケースのサンプルから収集されたデータレイクの例示的な部分を示す図である。
図5図4に示す例示的なガスタービンユニットA~Eに設置されたBASF Camet(登録商標)金属ホイルCO酸化触媒運転ケースのサンプリングから収集されたデータレイクの別の部分を示す図である。
図6】触媒のメンテナンス推奨を生成するための別の方法4000を示すフローチャートである。
図7】本開示の第1の試験実施例に関して生成された候補性能分布関数(PDF)を示す図である。
図8】第1の実施例に関して生成されたパレート・レヴィ安定分布(Pareto-Levy Stable distribution)PDFを示す図である。
図9】第1の実施例に関して生成されたCO DRE曲線を示す図である。
図10】第1の実施例で見つかった汚染のレベルを示す図である。
図11】本発明の第2の試験実施例に関して生成されたCO DRE曲線を示す図である。
図12】第2の実施例で見つかった汚染のレベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の触媒性能ツール(CPT)は、データ分析及びマイニング並びに予測モデルの開発及び選択のためのツール及び方法を提供する。所定の触媒の性能の評価は、次の4つの主要な段階:(1)機械学習モデルが過去の運転ケースから収集されたデータレイクを使用してトレーニングされる段階;(2)データが、触媒の使用推奨が要求された新しい運転ケースから収集される段階;(3)触媒の使用推奨が、トレーニングされた機械学習モデルを使用して行われる段階;(4)新しい運転ケースからのデータがデータレイクに追加される段階、で行われる。
【0010】
大まかに言うと、CPTは、データレイクで収集された情報に基づいて、触媒のメンテナンス推奨を生成する。他のデータポイント中でも、データは、様々な入口温度におけるCO DREを含み得る。データは、主成分分析、及び自己組織化マッピングなどの探索的データ分析技術を用いて前処理される。主要な入力変数は、変数間の相関関係に基づいて特定されることができる。その後、様々な機械学習技術が予備データセットを用いてスクリーニングされ得る。スクリーニングの結果に基づいて、特定の機械学習技術が選択され、完全なデータセットを使用して洗練され得る。その後、洗練された機械学習技術を使用して、性能ベースライン曲線を生成することができる。
【0011】
その後、新しい運転ケースから得られたデータは性能ベースライン曲線と比較され、ベースラインと新しい運転ケースの間の差異は、観察された差異を関連する入力変数と結びつけることによって特定されることができる。この比較に基づいて、新しい運転ケースに関してメンテナンス推奨が生成され得る。各新運転ケースから導出されたデータは、データレイクに反復的に追加され、性能ベースライン曲線をさらに洗練させるために使用される。
【0012】
メンテナンス推奨は、触媒が所定のプラント又は適用に対して期待通りに機能しているかどうかを特定し、触媒が期待通りに機能していない場合、メンテナンス推奨はさらに、触媒が期待通りに機能していない理由を特定し得る。
【0013】
図1は、本開示に一致する方法を実行するための例示的なシステム1000を示す。
【0014】
図1に示されるように、システム1000は、ユーザアプリケーションを実行する1つ以上のクライアント側処理装置11001-Nと、サーバアプリケーションを実行する1つ以上のサーバ側処理装置12001-Nとを含む、クライアント/サーバアーキテクチャを使用して実装されることができる。クライアント側処理装置1100は、電子インターフェース1300、例えば、広域ネットワーク(WAN)インターフェース、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、又はインターネットなどの有線及び/又は無線通信インターフェースを介して、サーバ側処理装置1200と通信することができる。あるいは、システム1000は、スタンドアロン処理装置、例えば、処理装置1100として実装されてよい。
【0015】
クライアント側処理装置1100は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ端末、モバイルデバイスなどを用いて、シンクライアント又はシッククライアントとして実装されてよく、及び、例えばデスクトップ、ラップトップ、又はハンドヘルドデバイスの形態をとってよい。図1に示されるように、クライアント側処理装置1100はそれぞれ、バス1130によって動作可能に結合された1つ以上の処理ユニット1110及びメモリ1120を含み得る。
【0016】
処理ユニット1110は、本開示と一致する方法を実行するようにプログラムされた1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、関連するハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードワイヤードロジック回路とを含み得る。プロセッサは、単独又は並列で動作し得る。メモリ1120は、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得る。様々な時点で、本明細書に開示される方法の実行に必要なコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及びデータは、メモリ1120のROM及び/又はRAM部分に格納され得る。特に、メモリ1120は、オペレーティングシステム、1つ以上のクライアント側アプリケーションプログラム(例えば、コンピュータもしくはモバイルアプリケーションプログラム)及び/又はプログラムモジュール、並びにプログラムデータを格納することができる。バス1130は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含み得、前記のそれぞれは、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用して実装される。
【0017】
クライアント側処理装置1100はそれぞれ、1つ以上のユーザ入力装置1140及び出力デバイス1150も含み得る。出力デバイスは、例えば、ユーザに情報を出力するためのモニタ、ディスプレイ、スピーカ、及び/又はプリンタを含み得る。ユーザ入力装置1140は、例えば、キーボード、マイクロフォン、スキャナ、及び/又は、ディスプレイ又はモニタ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースと協働してコマンド又はデータを入力するための、マウス又はタッチスクリーンなどのポインティングデバイスを含み得る。
【0018】
サーバ側処理装置1200は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバなどを使用して実装されることができる。図1に示されるように、サーバ側処理装置1200はそれぞれ、バス1230によって動作可能に結合された1つ以上の処理ユニット1210及びメモリ1220を含むことができる。
【0019】
処理ユニット1210は、本開示と一致する方法を実行するようにプログラムされた1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、関連するハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードワイヤード論理回路とを含み得る。プロセッサは、単独又は並列で動作し得る。メモリ1220は、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得る。様々な時点で、本明細書に開示される方法の実行に必要なコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及びデータは、メモリ1220のROM及び/又はRAM部分に格納され得る。特に、メモリ1220は、オペレーティングシステム、1つ以上のサーバ側アプリケーションプログラム及び/又はプログラムモジュール、並びにプログラムデータを格納することができる。バス1230は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含むことができ、前記のそれぞれは、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用して実装される。
【0020】
いくつかの実施態様では、システム1000は、本開示と一致する方法を実行するために必要なデータを提供するための1つ以上のセンサ入力1400をさらに含むことができる。センサ入力は、高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)1410、X線回折計(XRD)1420、X線光電子分光計(XPS)1430、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)1440、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計1450、エネルギー分散型分光計(EDS)1460、CCDカメラ1470、性能評価リアクタ(PER)システム1480、及び/又はガスフィルタ相関CO分析計(GFC)1490などのそのようなデータを収集するための実験設備及び/又は試験設備を含み得る。
【0021】
図2は、触媒のメンテナンス推奨を生成するための方法2000を概括的に示すフローチャートである。方法2000は、メモリ1120及び/又は1220に格納されたコンピュータ可読命令、データ構造、及び/又はプログラムモジュールを実行することによって実施されることができる。
【0022】
ステップ2100では、機械学習モデルは、過去の運転ケースから収集されたデータレイクを使用してトレーニングされ得る。データレイクは、メモリ1120及び/又は1220のうちの1つ以上に格納されてよく、さらに、複数のそのようなメモリに分散されてよい。機械学習モジュールは、サーバ側処理装置1200のうちの1つ以上を用いて、クライアント側処理装置1100のうちの1つ以上、又は連続的及び/もしくは並列的に動作するそのようなデバイスの組み合わせによって、学習及び実行されてよい。
【0023】
ステップ2200では、データは、触媒の使用推奨が要求される新しい運転ケースからデータを収集されることができる。例えば、データは、TEM1410、XRD1420、XPS1430、ICP-MS1440、FTIR1450、EDS1460、CCDカメラ1470、PER1480、及び/又はGFC1490などの1つ以上のセンサ入力を使用して収集されることができる。
【0024】
ステップ2300では、触媒の使用推奨は、トレーニングされた機械学習モデルと、新たな運転ケースから収集されたデータとを用いて作成され得る。例えば、触媒の使用推奨は、サーバ側処理装置1200の1つ以上で、1つ以上のクライアント側処理装置1100で、又は直列的及び/もしくは並列的に動作するそのようなデバイスの組み合わせで動作するトレーニングされた機械学習モデルによって決定され、ディスプレイ又はプリンタなどの出力デバイス1150を使用してユーザに出力されてよい。
【0025】
ステップ2400では、新たな運転ケースからのデータは、利用可能なデータのレイクに追加されてよく、そこからデータは、機械学習モデルをさらにトレーニング及び洗練するために使用されてよい。例えば、新しい運転ケースからのデータは、1つ以上のメモリ1120及び/又は1220に格納されたデータレイクに追加されてよい。
【0026】
図3は、図2の方法2000をより詳細に示すフローチャートである。特に、図3は、ステップ2100~2300内で実行され得る特定のサブステップを示す。
【0027】
図3に示されるように、過去の運転ケースから収集されたデータレイクを使用して機械学習モデルをトレーニングする際(ステップ2100)、データは、過去の運転ケースのデータレイクから引き出されることができる(サブステップ2110)。キー入力変数は、前処理されたデータ間の相関関係に基づいて特定されてもよい(サブステップ2120)。次に、データは、探索的データ分析技術によって前処理されてよい(サブステップ2130)。
【0028】
次に、完全データセットのサブセットを含む予備データセットを用いて、様々な機械学習技術がスクリーニングされることができる(サブステップ2140)。次に、完全なデータセットを用いて、最も適合する機械学習技術が選択され、洗練される(サブステップ2150)。
【0029】
触媒の使用推奨が要求され得る新しい運転ケースからのデータの収集(ステップ2200)では、利用可能なデータが新しい運転事例から引き出され得る(サブステップ2210)。次いで、新しい運転ケースからのデータは、探索的データ分析技術によって前処理され(サブステップ2220)、キー入力変数が新しい運転ケースから抽出されることができる(サブステップ2230)。
【0030】
トレーニングされた機械学習モデルを使用して触媒の使用推奨を行うときは(ステップ2300)、ベースラインケースは、過去に洗練された機械学習技術を使用して作成され、機械学習技術のためのキー入力変数は、新しい運転ケースを使用して特定され得る(サブステップ2310)。次いで、ベースラインと新しい運転ケースとの間の性能及び汚染プロファイルにおけるいかなる差異も特定され得る(サブステップ2320)。次いで、ベースラインと新しい運転ケースの間で観察された差異は、関連するキー入力変数と相関され得る(サブステップ2330)。次いで、メンテナンス推奨は、ベースラインと新しい運転ケースとの間の比較に基づくことができる(サブステップ2340)。
【0031】
以前と同様に、新しい運転ケースから収集されたデータは、過去の運転ケースからのデータレイクに追加されることができる(ステップ2400)。
【0032】
本明細書に記載のシステム及び方法は、広範囲の触媒に関して実施されることができる。いくつかの実施態様では、例えば、触媒は不均一系触媒であってよい。触媒はまた、固体担持触媒であってもよい。触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金などの1つ以上の白金族金属を含んでよい。
【0033】
図4は、例示的なガスタービンユニットA-Cに設置されたBASF Camet(登録商標)金属ホイルCO酸化触媒の運転ケースのサンプリングから収集されたデータレイクの例示的な一部を示す。このデータは代表的なものであるが、決して限定的なものではなく、本明細書で説明するデータレイクは、他のタイプの触媒から抽出されてよく、図4に示されるパラメータの全て、一部を含んでもよく、又はまったく含まなくてもよい。
【0034】
図4では、ユニット識別子(行1)は、特定のタービンユニットを一意に識別する英数字のテキスト文字列であり得る。ユニット識別子は、例えば、プラント名、ユニット番号、及び/又は地理的座標によって、ユニットが設置されている場所を特定するために相互参照されることができる。
【0035】
プラント構成(行2)は、ピーク負荷発電用のシンプルサイクルガスタービン及びベースロード発電用の複合サイクルガスタービンなど、プラント構成のタイプを示す。タービンモデル(行3)は、対象タービンの商用モデル、例えば、ゼネラルエレクトリックLM6000ターボシャフト航空転用ガスタービンエンジン(General Electric LM6000 turboshaft aero-derivative gas turbine engine)、アルストムGT24ガスタービン(Alstom GT 24 gas turbine)、又は他のタービンモデルを示すモデル番号又はその他の識別子であってよい。
【0036】
タービンタイプ(行4)は、タービンのタイプ(例えば、航空転用又はヘビーフレームタイプなど)を示す。
【0037】
オリジンイヤー(行5)は、タービンユニットの設計年又は製造年を示す。
【0038】
設置日(行6)は、タービンユニットが設置された日付を示す。
【0039】
Camet(登録商標)Foil p(行7)は、Camet(登録商標)ホイルのカスタマイズされた設計を識別する。
【0040】
PGM装荷量(行8)は、白金族金属の装荷量を、例えば1立方フィート当たりのグラム数で示す。
【0041】
Pt及びPdの比#(行9)は、触媒の白金とパラジウムの比数値を示す。
【0042】
セル密度(行10)は、触媒セルの密度を、例えば1平方インチ当たりのセル数で示す。
【0043】
ホイル長さ(行11)は、触媒ホイル長さ(例えばインチ)を示す。
【0044】
幾何学的表面積(行12)は、触媒の体積に対する表面積の比を、例えば、平方フィート対立方フィートで示す。
【0045】
稼働時間(行13)は、触媒がタービンの活性排気流中にある時間数を示す。
【0046】
フレッシュAl(行14)は、XPSスペクトルの分析によって決定された、フレッシュ触媒上のアルミニウムの原子パーセントを示す。
【0047】
行15~24のデータは、XPSスペクトルの分析によって決定された、エージング触媒中の鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、リン(P)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、硫黄(S)のそれぞれの原子パーセンテージを示す。元素のこのリストは網羅的ではなく、いくつかの実施態様では、XPSスペクトルは、アルミニウム(Al)、炭素(C)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ヒ素(Ar)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)、及びチタン(Ti)などの追加の元素を定量することができる。いくつかの実施態様では、XPSスペクトルは、定量的又は半定量的な表面分析によって記述され得る。
【0048】
最後に、TSR ボタン VHSV(行25)は、技術運転要求時の試験済み触媒サンプルの標準状態(逆時)での体積時間空間速度である。
【0049】
図5は、図4に示す例示的なガスタービンA-Cユニットに設置されたBASF Camet(登録商標)金属ホイルCO酸化触媒運転ケースのサンプリングから収集されたデータレイクの別の部分を示している。具体的には、図5は、入口温度325、400、500、600、及び800゜Fにおいて所定のVHSVで測定されたCO DREを示している。
【0050】
図6は、触媒のメンテナンス推奨を生成するための別の方法6000を示すフローチャートである。
【0051】
ステップ6100では、システム1000は、各パラメータが複数の触媒中の各触媒から収集されるように、複数の触媒の各触媒から1つ以上のパラメータを含むトレーニングデータを抽出することができる。例えば、システムは、図4~5に関連して上述したように、トレーニングデータのセットを抽出することができる。
【0052】
ステップ6200では、トレーニングデータは、トレーニングデータに記載された少なくとも1つの触媒特徴に従って分類されることができる。例えば、少なくとも1つの触媒特徴は、白金族金属の装荷量、白金とパラジウム(Pt:Pd)比、及びセル密度を含み得る。いくつかの実施態様では、トレーニングデータは、触媒の汚染及び触媒のエージング時間の少なくとも1つに従って分類され得る。あるいは、トレーニングデータは、触媒の汚染と触媒のエージング時間の両方に従って分類されることができる。これに関して、汚染物質は、Fe、Ni、Sn、Cr、Pb、Ti、Mn、Sb、P、Zn、Ca、Mg、Ba、Mo、Si、Na、K、S、及びAsのうちの1つ以上を含むことができる。汚染物質の濃度は、XPS又はICP-MSによって測定されることができる。
【0053】
ステップ6300では、特徴ベクトルが複数の触媒の各触媒から抽出された1つ以上のパラメータに基づいて、分類されたトレーニングデータから決定され得る。特徴ベクトルは、触媒の性能が正常であるか異常であるかを示すように選択されることができる。いくつかの実施態様では、特徴ベクトルは、所定の入口温度におけるガスの変換レベルを示すことができる。例えば、特徴ベクトルは、325゜Fから800゜Fの間の入口温度におけるCOの変換レベルを示すことができる。いくつかの実施態様では、特徴ベクトルは、所定の空間速度におけるガスの変換レベルを示すことができる。例えば、特徴ベクトルは、100000h-1から500000h-1の間の空間速度におけるCOの変換レベルを示すことができる。
【0054】
いくつかの実施態様では、特徴ベクトルの決定は、コンピュータシステムを用いて、触媒の性能及び汚染に関する2つ以上の確率密度関数(PDF)のうちの最適な1つを検出することを含む。いくつかの実施態様では、最適なPDFが選択される前に、数十もの候補PDFが生成され、評価され得る。
【0055】
PDFには、以下の分布:アルファ分布、アングリット分布、逆正弦分布、ベータ分布、ベータプライム分布、ブラッドフォード分布、バー分布、コーシー分布、フォールドコーシー分布、半コーシー分布、巻き込みコーシー分布、カイ分布、カイ2乗分布、非心カイ2乗分布、コサイン分布、ガンマ分布、2重ガンマ分布、一般化ガンマ分布、逆ガンマ分布、対数ガンマ分布、ピアソンIII型分布、ワイブル分布、ワイブル最小分布、ワイブル最大分布、2重ワイブル分布、指数化ワイブル分布、逆ワイブル分布、アーラン分布、指数分布、一般化指数分布、切り捨て指数分布、指数修正正規分布、正規分布、フォールド正規分布、一般化正規分布、半正規分布、対数正規分布、べき正規分布、べき対数正規分布、R正規分布、切り捨て正規分布、半指数べき分布、F分布、非心F分布、疲労寿命(ビルンバウム-サーンダーズ(Birnbaum-Saunders))分布、ロジスティック分布、対数ロジスティック分布、一般化ロジスティック分布、半ロジスティック分布、一般化半ロジスティック分布、パレート分布、一般化パレート分布、一般化極値分布、ガウス超幾何分布、逆ガウス分布、相互ガウス分布、ギルブラット分布(Gilbrat distribution)、ゴンペルツ分布(Gompertz distribution)、ガンベル分布(Gumbel distribution)、右歪曲ガンベル分布、左歪曲ガンベル分布、双曲線正割分布、ジョンソンSB分布、ジョンソンSU分布、ヨー・ジョンソン分布(Yeo Johnson distribution)、コルモゴロフ‐スミルノフ片側検定分布、コルモゴロフ‐スミルノフ両側検定分布、ラプラス分布、対数‐ラプラス分布、レヴィ分布、左スキューレヴィ分布(Left-skewed Levy distribution)、パレート・レヴィ安定分布、ロマックス分布、マックスウェル・ボルツマン分布、ミエルケ・ベータ・カッパ分布、仲上分布、T分布、非心T分布、べき分布、レシプロカル分布(Reciprocal distribution)、レイリー分布、ライス分布、半円分布、三角分布、テューキー・ラムダ分布(Tukey Lambda distribution)、一様分布、一般化T分布、ワルド分布、のうち2つ以上を含むことができる。
【0056】
ステップ6400では、システムは、触媒の機能及び性能を予測するために、選択された特徴ベクトルに基づいてトレーニングされ得る機械学習モデルを生成することができる。機械学習モデルは、教師あり又は教師なしのトレーニング技術を用いてトレーニングされることができる。
【0057】
教師あり学習は、トレーニングセットから生成され得るデータモデルに基づく予測を可能にする。適切な教師あり学習技術には、例えば、決定木、K-最近傍、及びガウス・ナイーブ・ベイズ技術が含まれる。教師なし学習技術は、トレーニングデータ自体からデータモデルを生成する。適切な教師あり学習技術には、例えば、人工ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、線形判別分析、ロジスティック回帰技術などの技術を含むことができる。他の適切な教師あり学習技術及び教師なし学習技術はベイジアンネット遺伝的アルゴリズム/遺伝的プログラミング、シミュレーテッドアニーリング、集合のもつれた階層、再帰パーティション分割、クラスタリング、隠れマルコフモデル、ファジィ法、セマンティックネットワーク、ナイーブベイズ類似度マッピング、サポートベクターマシン、自己組織化マップ、及びガウス過程技術などが使用されることができる。
【0058】
ステップ6500では、システムは、ガス(例えば入口温度が325゜Fから800゜Fの間のCOガス)のDREに従って、トレーニングデータから性能ベースライン曲線を生成することができる。例えば、性能ベースライン曲線は、パターン認識技術を使用して生成されることができる。
【0059】
ステップ6600では、システムは、トレーニングされた機械学習モデルに基づいて、触媒のメンテナンス推奨を提供する。触媒のメンテナンス推奨は、代替的に、又はそのいくつかの組み合わせで、触媒を運転中に維持する(又は維持しない)べきであること、触媒を現時点で交換する(又は交換しない)べきであること、又は将来的に触媒を交換する(又は交換しない)べきであることを示すことができる。
【0060】
実施例
以下の非限定的な実施例は、開示されたシステム及び方法及びコンピュータ可読媒体の様々な態様及び特徴を示している。
【0061】
最初の試験実施例では、空間速度500,000h-1の条件下でモノリスサンプルを使用するフロースルー反応器を用いて、触媒の活性と性能を測定した。COとHOの開始濃度は、それぞれ約100ppmと1.5%であった。ガス状反応物(窒素ガス(N)と混合されたガスタンクから、又は有機液体にNをバブリングすることによって)は、反応器に入る前に空気と混合された。反応器内の標準的な酸素ガス(O)濃度は約10%であった。反応生成物は、テレダインモデルT300ガスフィルタ相関(Teledyne Model T300 Gas Filter Correlation)CO分析器によって同定及び定量された。
【0062】
貴金属の形態と結晶子サイズは、高分解能TEMとXRDによって特徴付けられた。貴金属の酸化状態と種分化はXPSによって決定された。
【0063】
TEMデータは、ブルカー Ge EDSシステムを備えたJEOL JEM2011 200 KeV LaB6源顕微鏡でスピリットソフトウェアを使用して収集された。デジタル画像は、ボトムマウントGatan 2K CCDカメラとデジタルマイクログラフ収集ソフトウェアでキャプチャされた。すべての粉末サンプルは、200メッシュのレーシーカーボンコーティングCuグリッド上の乾燥分散液として調製され、分析された。
【0064】
XRDデータは、45kV、40mAに設定されたCu K-α放射線発生器を備えたPANalytical MPD X’Pert Pro回折システムを使用して収集された。光路は、1/4°発散スリット、0.04ラジアンソーラースリット、15mmマスク、1/2°散乱防止スリット、サンプル、0.04ラジアンソーラースリット、Niフィルタ、PIXCEL位置検出器より構成された。サンプルはまず乳鉢と乳棒で粉砕し、サンプル(約2グラム)を丸いマウントにバックパックすることによって調製された。円形マウントからのデータ収集は、ステップサイズ0.026°2θ、1ステップあたりのカウント時間600秒のステップスキャンを用いて、10°から90°2θの範囲をカバーした。粉末X線回折パターンの入念なピークフィッティングは、Jade Plus9分析用X線回折ソフトウェアを使用して実施した。各サンプルに存在する相は、国際回折データセンタ(ICDD(International Center for Diffraction Data))のPDF-4/フルファイルデータベースの検索/マッチによって特定された。PdOの結晶子サイズは、観察データのホールパターンフィッティング(WPF)と結晶構造のリートベルト精密化によって推定された。
【0065】
XPSスペクトルは、40eVのパスエネルギー(高分解能)を使用するアルミニウムKα単色源を有するThermo-Fisher K-Alpha XPSシステムによって取得された。サンプルは、5×10-8torr未満の真空下で両面テープに取り付けられた。定量にはスコフィールド感度係数とAvantageソフトウェアを使用した。
【0066】
図2の方法2000を参照すると、システム1000は、データレイクに格納された過去の触媒ケースからCO DREと汚染データを抽出することから開始した(ステップ2100)。
【0067】
次に(ステップ2200)、パターン認識アルゴリズムを使用して、性能と汚染のPDFを生成した。図7に示されるように、90種類の候補PDFが600°FでのCO DREについてスクリーニングされた。図8に示されるように、パレート・レヴィ安定分布が確率値(p値)に基づいて最良の分布として特定され、これはデータがパレート・レヴィ安定曲線に適合することを86%の信頼度で示した。600°FでのCO DRE分布は、(1)総集団の50%がCO DRE>89.6%であり、(2)60%のCO DREが4.2%であることを定量的に予測した。次いでベースラインCO DRE曲線は、異なる入口温度、具体的には325、400、500、600、800゜Fで、総集団の50%のCO DREを決定することにより作成された。ベースライン汚染プロファイルも同様の方法で得られた。
【0068】
ステップ2300では、新しい触媒ケースは、データレイクに示される他の触媒ケースと同じ条件下でテストされた。その結果は、ニュートラルネットワークアルゴリズムに基づく異常検出器に供給され、新しいケースの性能及び汚染プロファイルを図8に示すパレート・レヴィ安定ベースラインと比較することによって、新しいケースを「正常」又は「異常」に分類した。
【0069】
図9に示されるように、新しい触媒ケースは、ベースラインのCO DRE曲線を上回るCO DRE曲線を有した。したがって、このケースは、性能の観点から「正常」と分類された。しかし、図10に示されるように、新しいケースは、半定量的XPS表面分析によって決定されたベースライン汚染プロフィールよりも、Si、Ca、Na、As、Fe、P、S、Baなどを含むより高いレベルの表面汚染物質を有した。したがって、このケースは汚染物質の観点から「異常」と分類された。
【0070】
したがって、触媒の使用推奨は、現在の運転を維持し、触媒の耐用年数を最大限にするために汚染源を特定する、ということであった。
【0071】
最終ステップ(ステップ2400)として、この新しいケースからのデータがデータレイクに追加され、機械学習モデルのさらなるトレーニングと精錬に使用された。
【0072】
第2の試験実施例では、図2の方法のステップ2100と2200を、第1の試験実施例に関連して上で説明したように実施した。
【0073】
ステップ2300では、2番目の新しい触媒をステップ2100の他の触媒ケースと同じ条件でテストした。図11に示されるように、この第2のケースでは、CO DRE曲線の一部がベースラインを下回っていることが判明した。したがって、このケースは、性能の観点から「異常」に分類された。
【0074】
図12に示されるように、第2の実施例の汚染プロファイルをベースライン汚染プロファイルと比較すると、汚染物質の過剰な表面蓄積がないことが示唆された。このケースは汚染物質の観点からは「正常」であった。この汚染物質評価を検証するため、酸洗浄が実施された。酸洗浄の結果、CO DREの性能は改善されなかった。したがって、触媒の使用推奨は、システムの放出量がコンプライアンスリミットに近づいていたため、触媒の交換ということであった。
【0075】
最終ステップ(ステップ2400)として、この新しいケースからのデータがデータレイクに追加され、機械学習モデルのさらなるトレーニングと精錬に使用された。
【0076】
前述の説明は、説明のために提示されたものである。それは網羅的なものではなく、開示された正確な形態又は実施形態に限定されるものではない。実施形態の修正及び適合は、開示された実施形態の仕様及び実施を考慮することから明らかになるであろう。例えば、システム1000の特定の構成要素が互いに結合されているものとして説明されてきたが、そのような構成要素は、互いに統合されていてよく、又は任意の適切な方法で分散されていてよい。
【0077】
さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、その範囲には、本開示に基づく等価な要素、修正、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施にわたる態様の組み合わせ)、適合、又は変更を有するあらゆる実施形態が含まれる。特許請求の範囲の要素は、特許請求の範囲に採用された文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載され又は本出願の手続中に記載された実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は非排他的なものとして解釈されるべきである。さらに、開示された方法のステップは、ステップの順序変更、ステップの挿入又は削除を含めて、任意の方法で修正されることができる。特に、非依存的なステップは、任意の順序で、又は並行して実行されることができる。
【0078】
他の実施形態は、本明細書に開示された実施形態の仕様及び実施を考慮することにより明らかになるであろう。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮され、開示された実施形態の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】