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特表2024-510187ディスクばね部分を有するディスクによって形成され、電気モータのロータシャフトのボア内に受け入れられる熱交換器を有する電気駆動ユニット
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  • 特表-ディスクばね部分を有するディスクによって形成され、電気モータのロータシャフトのボア内に受け入れられる熱交換器を有する電気駆動ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ディスクばね部分を有するディスクによって形成され、電気モータのロータシャフトのボア内に受け入れられる熱交換器を有する電気駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/22 20060101AFI20240228BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20240228BHJP
   H02K 15/14 20060101ALI20240228BHJP
   H02K 1/32 20060101ALI20240228BHJP
   H02K 7/116 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
H02K9/22 A
H02K9/19 B
H02K15/14 A
H02K1/32 Z
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555306
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022016251
(87)【国際公開番号】W WO2022191952
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/271,937
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/159,511
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501090308
【氏名又は名称】アメリカン アクスル アンド マニュファクチャリング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロニング、ジェフリー・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バレンテ、ポール・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パンプ、クリストファー・ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジンク、フレデリック・イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤシュワント、バンガロール・リンガラージ
【テーマコード(参考)】
5H601
5H607
5H609
5H615
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601BB16
5H601CC01
5H601CC27
5H601DD01
5H601DD11
5H601DD30
5H601DD31
5H601DD47
5H607BB01
5H607BB14
5H607EE33
5H607GG01
5H609BB03
5H609BB11
5H609BB21
5H609PP02
5H609PP07
5H609QQ09
5H609QQ13
5H609RR36
5H609RR42
5H609RR60
5H615AA01
5H615BB01
5H615PP24
(57)【要約】
ロータシャフトを有するロータと、ロータシャフトに収容された熱交換器とを有する電気モータを含む電気駆動ユニット。熱交換器は複数の熱交換器プレートを有し、熱交換器プレートのそれぞれは、ハブと、リム部材と、ハブとリブ部材とを相互接続するディスクばね部分とを有する。各ディスクばね部分は、複数の冷却剤アパーチャを規定する。熱交換器プレートは、各ディスクばね部分が設置前の状態から撓み、各リム部材が、ロータの回転軸に沿って隣接するリム部材から離間しながらロータシャフトの内面に係合するように、ロータシャフトに圧入される。第1の冷却剤通路は、プレートのハブを通して配置される。熱交換器プレート内の冷却剤アパーチャは、複数の第2の冷却剤通路を形成するように協働する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動ユニットであって、
ロータシャフトを有するロータと、前記ロータシャフト内に受け入れられる熱交換器とを有する電気モータを備え、前記熱交換器は複数の熱交換器プレートを有し、前記熱交換器プレートのそれぞれは、ハブと、リム部材と、前記ハブと前記リブ部材とを相互接続するディスクばね部分とを有し、各ディスクばね部分は複数の冷却剤アパーチャを規定し、前記熱交換器プレートは、各ディスクばね部分が設置前状態から撓み、各リム部材は前記ロータシャフトの内面に係合されるように前記ロータシャフトに圧入され、ここで、第1の冷却剤通路が前記プレートの前記ハブを通して配置され、ここで、前記第1の冷却剤通路の周りに同心円状に配置される複数の第2の冷却剤通路を形成するように前記冷却剤アパーチャは協働し、
ここで、前記熱交換器プレートの前記リム部材は、前記ロータの回転軸に沿って互いに離間されている、電気駆動ユニット。
【請求項2】
前記熱交換器プレートの前記ハブは互いに当接する、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項3】
前記ハブのそれぞれは円錐台形状である、請求項2に記載の電気駆動ユニット。
【請求項4】
前記ハブは前記第1の冷却剤通路を規定するように協働する、請求項2に記載の電気駆動ユニット。
【請求項5】
管は前記熱交換器プレートを通して配置され、前記管は前記熱交換器プレートの前記ハブに熱的に結合され、前記管は前記第1の冷却剤通路を規定する、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項6】
前記管は、前記熱交換器プレートの前記ハブに圧入される、請求項5に記載の電気駆動ユニット。
【請求項7】
前記ロータは、前記ロータシャフトと共に回転するように前記ロータシャフトに結合されたプラグ部材をさらに含み、前記プラグ部材は、その上にベアリングを受けるように構成されたベアリング面と、前記熱交換器に当接するプラグ部分とを規定し、ここで、凹部は前記プラグ部分に形成され、ここで、前記管は前記プラグ部分の前記凹部内に延びる、請求項5に記載の電気駆動ユニット。
【請求項8】
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記ディスクばね部分は、円錐台形である、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項9】
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記リム部材は、前記ロータの前記回転軸に対して垂直に配向される、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項10】
前記ロータによって駆動されるトランスミッション出力およびトランスミッション出力を有するトランスミッションと、
前記トランスミッション出力によって駆動される差動入力および一対の差動出力部材を有する差動装置とをさらに備える、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項11】
複数の同心リングは、前記熱交換器プレートのそれぞれの前記ディスクばね部分の少なくとも一部にわたって前記熱交換器プレートのそれぞれに形成される、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項12】
前記ロータは、前記ロータシャフトと共に回転するように前記ロータシャフトに結合されたプラグ部材をさらに含み、前記プラグ部材は、ベアリングを受けるように構成されたベアリング面と、前記ロータの回転軸に沿って配置された中央供給アパーチャと、プラグ部分の周りに円周方向に配置された複数の戻りアパーチャとを規定し、前記中央供給アパーチャは、前記ベアリング面が形成された前記プラグ部材の一部を少なくとも部分的に通して延び、前記戻りアパーチャのそれぞれは、前記中央供給アパーチャと流体連通している、請求項1に記載の電気駆動ユニット。
【請求項13】
前記戻りアパーチャのそれぞれは長手方向軸を有し、ここで、前記戻りアパーチャの前記長手方向軸は、前記戻りアパーチャの前記長手方向軸が円錐内に配置されるように、前記ロータの前記回転軸に対してある角度で配置される、請求項12に記載の電気駆動ユニット。
【請求項14】
管は前記熱交換器プレートを通して配置され、前記管は前記熱交換器プレートの前記ハブに熱的に結合され、前記管は前記第1の冷却剤通路を規定し、ここで、前記管は前記プラグ部材の前記中央供給アパーチャ内に延びる、請求項12に記載の電気駆動ユニット。
【請求項15】
電気モータを組み立てる方法であって、
中空ロータシャフトを提供することと、
熱交換器プレートのスタックを提供することと、前記熱交換器プレートのそれぞれは、ハブと、リム部材と、前記ハブおよび前記リブ部材を相互接続するディスクばね部分とを有し、各ディスクばね部分は、複数の冷却剤アパーチャを規定し、
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記リム部材が前記ロータシャフトの内面に係合されるように、前記熱交換器プレートのスタックを前記中空ロータシャフト内に圧入することとを含み、ここで、第1の冷却剤通路は前記プレートの前記ハブを通して配置され、ここで、前記第1の冷却剤通路の周りに同心円状に配置された複数の第2の冷却剤通路を形成するように前記冷却剤アパーチャは協働する、方法。
【請求項16】
前記熱交換器プレートのスタックを提供することは、前記熱交換器プレートの前記ハブを互いに当接させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ハブのそれぞれは円錐台形状である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ハブは前記第1の冷却剤通路を規定するように協働する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記熱交換器プレートのスタックを提供することは、管が前記熱交換器プレートの前記ハブに熱的に結合され、前記第1の冷却剤通路を規定するように、前記熱交換器プレートを通して前記管を挿入することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記タブは、前記熱交換器プレートの前記ハブに圧入される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記ディスクばね部分は、円錐台形状である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記リムは、前記ロータの回転軸に対して垂直に配向される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
複数の同心リングは、前記熱交換器プレートのそれぞれの前記ディスクばね部分の少なくとも一部にわたって前記熱交換器プレートのそれぞれに形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
電気駆動ユニットであって、
ロータシャフトを有するロータと、前記ロータシャフト内に受け入れられた熱交換器とを有する電気モータを備え、前記熱交換器は、前記ロータシャフトの回転軸に沿って軸方向に配置された複数の熱交換器プレートを有し、前記熱交換器プレートのそれぞれは、第1の冷却剤アパーチャと、前記第1の冷却剤アパーチャの周りに配置された外周面と、前記第1の冷却剤アパーチャの周りに配置された複数の第2の冷却剤アパーチャとを規定し、ここで、第1の冷却剤通路は、前記熱交換器プレートの前記第1の冷却剤アパーチャを通って配置され、ここで、前記第2の冷却剤アパーチャは、協働して、前記第1の冷却剤通路の周りに同心円状に配置された複数の第2の冷却剤通路を形成し、
ここで、前記熱交換器プレートは、第1の線熱膨張係数を有する第1の材料から少なくとも部分的に形成され、ここで、前記ロータシャフトは、第2の線熱膨張係数を有する材料から形成され、ここで、前記第1の線熱膨張係数は、前記第2の線熱膨張係数よりも大きい、電気駆動ユニット。
【請求項25】
前記熱交換器プレートのそれぞれの前記外周面は、前記熱交換器プレートのそれぞれの隣接する前記外周面から独立して半径方向に移動可能である、請求項24に記載の電気駆動ユニット。
【請求項26】
前記熱交換器プレートのそれぞれは、前記第1の冷却剤アパーチャが形成されるハブを有し、ここで、前記熱交換器プレートの前記ハブは互いに当接する、請求項24に記載の電気駆動ユニット。
【請求項27】
ハブと前記外周面との間に半径方向に位置付けられた各熱交換器プレートの一部は、ディスクばねとして構成される、請求項24に記載の電気駆動ユニット。
【請求項28】
電気駆動ユニットであって、
ロータシャフトを有するロータと、熱交換器と、プラグ部材とを有する電気モータを備え、前記熱交換器は、前記ロータシャフト内に受け入れられ、複数の熱交換器プレートおよび管を有し、前記熱交換器プレートのそれぞれは、中央供給アパーチャおよび前記中央供給アパーチャの周りに配置された複数の冷却剤アパーチャを規定し、前記管は、前記中央供給アパーチャを通って配置され、前記熱交換器プレートに熱的に結合され、前記プラグ部材は、前記ロータシャフトの端部に配置され、前記ロータシャフトと共に回転するように前記ロータシャフトに結合され、前記プラグ部材は、ベアリング面およびプラグ部分を規定し、前記ベアリング面は、ベアリングを受けるように構成され、ここで、凹部は前記プラグ部分に形成され、ここで、前記管は、前記プラグ部分の前記凹部内に延びる、電気駆動ユニット。
【請求項29】
電気駆動ユニットであって、
ロータシャフトを有するロータと、熱交換器と、プラグ部材とを有する電気モータを備え、前記熱交換器は、前記ロータシャフト内に受け入れられ、複数の熱交換器プレートを有し、前記熱交換器プレートのそれぞれは、前記ロータの回転軸の周りに配置された複数の冷却剤アパーチャを規定し、冷却剤通路は、前記回転軸に沿って前記熱交換器を通して形成され、前記プラグ部材は、前記ロータシャフトの端部に配置され、前記ロータシャフトと共に回転するように前記ロータシャフトに結合され、前記プラグ部材は、ベアリングを受けるように構成されたベアリング面と、前記ロータの回転軸に沿って配置された中央供給アパーチャと、プラグ部分の周りに円周方向に配置された複数の戻りアパーチャとを規定し、前記中央供給アパーチャは、前記ベアリング面が形成された前記プラグ部材の一部を少なくとも部分的に通して延び、前記戻りアパーチャのそれぞれは、前記中央供給アパーチャと流体連通している、電気駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2021年10月26日に出願された米国仮特許出願第63/271,937号、及び2021年3月11日に出願された米国仮特許出願第63/159,511号に対して優先権を主張し、それらの開示全体が、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は、ディスクばね部分を有するディスクによって形成され、電気モータのロータシャフト内のボア内に受け入れられる熱交換器を有する電気駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]このセクションは、必ずしも先行技術ではない、本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
[0004]推進力を提供する目的で電気モータを車両に組み込むことへの車両製造業者の関心が高まっている。電気モータのコストおよびサイズを最小限に抑えるために、電気モータのロータなどの電気モータの構成要素を冷却液の流れで冷却することがしばしば必要である。電気モータのロータを冷却するための1つの既知の方法は、ロータの中空シャフトの内側で熱交換器を利用する。冷却液の流れは、ロータの回転軸に沿って形成された第1の通路へのロータの第1の端部において熱交換器に入力される。ロータの反対側の第2の端部で第1の通路を出る冷却液の流れの少なくとも一部は、第1の通路の周りに同心円状に配置された複数の第2の通路を通ってロータの第1の端部に戻される。
【0005】
[0005]そのような構成はそれらの意図された目的に適しているが、本発明者らは、既知の構成が比較的高価であり、および/または製造が困難であることがあることに留意した。この点に関して、熱交換器の外面は、中空シャフトと熱交換器との間の潜在的な熱伝達を最大にするために、熱交換器の全長にわたって中空シャフトの内面に接触しなければならない。その結果、既知の設計は、熱交換器の外面と中空シャフトの内面との間に厳密な公差を必要とするという実際的な効果を有する。このような構成は、比較的高価であり、および/または製造が比較的困難であることがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]このセクションは、本開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲又はその全ての特徴の包括的な開示ではない。
【0007】
[0007]一形態において、本開示は、ロータシャフトを有するロータと、ロータシャフト内に受け入れられる熱交換器とを有する電気モータを含む電気駆動ユニットを提供する。熱交換器は、複数の熱交換器プレートを有する。熱交換器プレートのそれぞれは、ハブと、リム部材と、ハブとリブ部材とを相互接続するディスクばね部分とを有する。各ディスクばね部分は、複数の冷却剤アパーチャを規定する。熱交換器プレートは、各ディスクばね部分が設置前状態から撓み、各リム部材はロータシャフトの内面に係合されるように、ロータシャフトに圧入される。第1の冷却剤通路は、プレートのハブを通して配置される。冷却剤アパーチャは、第1の冷却剤通路の周りに同心円状に配置された複数の第2の冷却剤通路を形成するように協働しする。熱交換器プレートのリム部材は、ロータの回転軸に沿って互いに離間している。
【0008】
[0008]別の形態において、本開示は、電気モータを組み立てるための方法を開示する。本方法は、中空ロータシャフトを提供することと、熱交換器プレートのスタックを提供することと、熱交換器プレートのそれぞれは、ハブと、リム部材と、ハブおよびリブ部材を相互接続するディスクばね部分とを有し、各ディスクばね部分が複数の冷却剤アパーチャを規定し、熱交換器プレートのそれぞれのリム部材がロータシャフトの内面に係合されるように、熱交換器プレートのスタックを中空ロータシャフトに圧入することとを含み、ここで、第1の冷却剤通路はプレートのハブを通して配置され、ここで、冷却剤アパーチャは、第1の冷却剤通路の周りに同心円状に配置された複数の第2の冷却剤通路を形成するように協働する。
【0009】
[0009]更なる適用可能な分野が、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。
この概要における説明及び特定の例は、例示のみを目的として意図されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]本明細書で説明される図面は、全ての可能なインプリメンテーションではなく、選択された実施形態の例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】[0011]図1は、本開示の教示によって構成された例示的な電気駆動モジュールの長手方向断面図である。
図2】[0012]図2は、図1の電気駆動モジュールの一部の分解斜視図であり、電気モータのロータをより詳細に図示する。
図3】[0013]図3は、図1の電気駆動モジュールの一部の長手方向断面図であり、ロータシャフトおよびロータの熱交換器をより詳細に図示する図である。
図4】[0014]図4は、熱交換器プレートをより詳細に図示する、熱交換器の一部分の正面斜視図である。
図5】[0015]図5は、図4の熱交換器プレートの側面断面図である。
図6】[0016]図6は、図4の熱交換器プレートの正面立面図である。
図7】[0017]図7は、交互に構成されたロータおよび熱交換器の長手方向断面図である。
図8】[0018]図8は、第2の交互に構成されたロータおよび熱交換器の一部の長手方向断面図である。
図9】[0019]図9は、第3の交互に構成されたロータおよび熱交換器の一部の長手方向断面図である。
図9A】[0020]図9Aは、図9と同様の長手方向断面図であるが、方向転換部材と当接しているプラグ部材を描いている。
図10】[0021]図10は、プラグ部材をより詳細に図示する、図9のロータおよび熱交換器の一部の長手方向断面図である。
図11】[0022]図11は、図10のプラグ部材の正面立面図である。
図12】[0023]図12は、第4の交互に構成されたロータおよび熱交換器の一部の長手方向断面図である。
図13】[0024]図13は、第5の交互に構成されたロータおよび熱交換器の一部の長手方向断面図である。
【0011】
[0025]対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を示す。
【詳細な説明】
【0012】
[0026]図面の図1を参照すると、本開示の教示に従って構成された例示的な電気駆動モジュールが、参照番号10によって全体的に示されている。本明細書に詳述される場合を除いて、電気駆動モジュール10は、国際特許出願公開第WO2020/219955号に開示されている電気駆動モジュールと同様の方法で構成することができる。簡単に説明すると、電気駆動モジュール10は、ハウジングアセンブリ12と、電気モータ14と、トランスミッション18と、差動アセンブリ20と、一対の出力シャフト22a,22bと、冷却液ポンプ24とを含む。
【0013】
[0027]ハウジングアセンブリ12は、モータ14、トランスミッション、および差動アセンブリ20を収容することができる。
【0014】
[0028]図1および図2を参照すると、電気モータ14は、任意のタイプの電気モータとすることができ、ステータ32と、回転軸36の周りを回転するようにステータ32内に受け入れられたロータ34とを有することができる。ステータ32は、複数の界磁巻線を含むことができる。ロータ34は、複数のロータ積層体40から形成することができるロータ本体38と、ロータ本体38に取り付けることができる1組の巻線42と、ロータシャフト44と、熱交換器46とを有することができる。ロータシャフト44は、中空とすることができ、および/または熱交換器46が受け入れられる熱交換器ボア48を規定することができる。
【0015】
[0029]トランスミッション18は、遊星減速52と、シャフト54と、トランスミッション出力ギア56とを含むことができる。遊星減速は、ピッチ線速度を可能な限り低く保つためにロータシャフト44と一体的に形成することができる太陽ギアと、ハウジングアセンブリ12に接地するかまたは回転不能に結合することができるリングギアと、遊星キャリアと、遊星キャリアによって支持することができ、太陽ギアおよびリングギアの両方と噛み合って係合することができる複数の遊星ギアとを有することができる。太陽ギア、リングギアおよび遊星ギアは、はすばギアであってもよい。シャフト54は、ハウジングアセンブリ12に対して回転軸36の周りを回転するようにシャフトを支持する1組のベアリング60に取り付けることができる。トランスミッション出力ギア56は、回転軸36の周りでシャフト54と共に回転するように、シャフト54に結合されることができる(例えば、シャフト54と一体的に形成されることができる)。
【0016】
[0030]差動アセンブリ20は、最終駆動または差動入力ギア70および差動装置を含むことができる。差動入力ギア70は、出力軸80の周りを回転可能であることがあり、トランスミッション出力ギア56に噛み合い係合されることができる。提供された例では、トランスミッション出力ギア56および差動入力ギア70は、はす歯ギアである。差動装置は、(少なくとも1つの動作モードにおいて)出力シャフト22aと22bとの間の速度差を可能にしながら、出力シャフト22aおよび22bに回転力を提供することができる任意のタイプの差動機構であることができる。提供された例では、差動装置は、差動装置入力ギア70と共に回転するように差動装置入力ギア70に結合された差動装置ケースと、差動装置ケースに結合され、第2の回転軸80に垂直な1つ以上のピニオン軸の周りに(差動装置ケースに対して)回転可能な複数の差動装置ピニオンを有する差動装置ギアセットと、差動装置ピニオンと噛み合い係合され、第2の回転軸80の周りに回転可能な一対のサイドギアとを含む。出力シャフト22a及び22bのそれぞれは、サイドギアのうちの関連する1つに結合されて、それと共に回転することができる。提供される例では、出力シャフト22bは、2つの別個の構成要素、すなわちスタブシャフト90およびハーフシャフト92として形成される。スタブシャフト90は、サイドギアのうちの関連する1つに駆動結合され、関連するギアとハーフシャフト92との間に伸張し、第2の回転軸80の周りを回転するようにハウジングアセンブリ12内のベアリング94によって支持される。出力シャフト22a及びハーフシャフト92のそれぞれは、スプライン付き雄ステムを備えた等速ジョイント100を有する。出力シャフト22a上の等速ジョイントのスプライン付き雄ステムは、サイドギアのうちの関連する1つに受け入れられ、回転不能に結合される。ハーフシャフト92上の等速ジョイントのスプライン付き雄ステムは、スタブシャフト90内に受け入れられ、スタブシャフト90に回転不能に結合される。
【0017】
[0031]ポンプ24は、ハウジングアセンブリ12に取り付けることができ、自動トランスミッション液などの適切な流体を電気駆動モジュール10の周りに循環させて、様々な構成要素を潤滑および/または冷却することができる。提供された例では、ポンプ24から吐出された流体は、供給パイプ120を通ってロータシャフト44内の熱交換器46に供給される。熱交換器46は、その回転軸36に沿って誘電性流体の流れ(流入)を受け取り、次いで、誘電性流体の流れが、誘電性流体の流入を受け取ったロータ34の端部に向かって流入の周りに同心円状に流れるように、ロータ34の反対側の端部で流れを方向転換させる。
【0018】
[0032]図2および図3を参照すると、熱交換器46は、複数の熱交換器プレート150を備え、任意選択で、入力部材152、方向転換部材154、およびプラグ部材156を含むことができる。熱交換器46は、ロータシャフト44の回転軸36と一致する長手方向軸を有する第1の冷却剤通路160と、第1の冷却剤通路160の周りに同心円状に配置された複数の第2の冷却剤通路162とを規定する。
【0019】
[0033]図4から図6を参照すると、熱交換器プレート150のそれぞれは、ハブ170と、リム部材172と、ディスクばね部分174とを有することができる。ハブ170は、第1の円錐角176によって規定されることができる円錐台形状など、所望の様式で成形されることができる。リム部材172は、熱交換器プレート150の外周を規定する。ディスクばね部分174は、ハブ170とリム部材172とを相互接続し、複数の冷却剤アパーチャ180を規定する。提供された例では、冷却剤アパーチャ180のそれぞれは、楕円形または涙滴形状を有するが、冷却剤アパーチャ180は、任意の所望の様式でサイズ決め、成形、および位置決めすることができることが理解されよう。ディスクばね部分174は、皿ばね座金などと同様の方法で構成され、所望のばね定数を提供するように所望の方法で形成することができる。提供された特定の例では、ディスクばね部分174は、第1の円錐角176よりも大きさが大きい第2の円錐角182によって規定される円錐台形状を有する。任意選択で、熱交換器プレート150の軸方向表面の一方または両方の全部または一部を、追加の表面積を提供するように形成することができる。提供される例では、ディスクばね部分174は、ディスクばね部分174が「平坦」または「平滑」を伴って(すなわち、示される同心リブ186を伴わずに)形成される構成よりも約12パーセント大きい表面積を提供する起伏または波状表面を伴う、ディスクばね部分174の対向する軸方向表面を提供する同心リブ186を伴って形成される。
【0020】
[0034]図3および図4を参照すると、熱交換器プレート150は、熱交換器プレート150のスタック190を生成するために互いに対して積み重ねられることができる。提供された例では、熱交換器プレート150のハブ170は互いに当接し、一方、熱交換器プレート150のリム部材172は互いに離間している。任意選択的に、ハブ170は、例えば、当接するハブ170の各対の間に配置されるシーラントおよび/または接着剤を介して、または溶接(例えば、抵抗溶接)もしくはろう付けを介して、互いに接合することができる。図示のように、熱交換器プレート150のハブ170は、協働して第1の冷却剤通路160を形成し、一方、ディスクばね部分174の冷却剤アパーチャ180は、複数の第2の冷却剤通路162を形成する。注目すべきことに、冷却剤アパーチャ180は、任意の所望の方法で配向することができる。好ましくは、隣接する熱交換器プレート150の冷却剤アパーチャ180は、1つの熱交換器プレート150を通過する流体冷却剤が、隣接する熱交換器プレート150内の冷却剤アパーチャ180のうちの1つを通過する前に回転軸36の周りを回転しなければならないように、互いに整列しないように回転される。熱交換器プレート150のスタック190は、リム部材172が中空ロータシャフト44の内周面200に係合するように、好ましくはリム部材172が中空ロータシャフト44の回転軸36に対して垂直に配向され、それによって中空ロータシャフト44と熱交換器プレート150との間の伝導熱伝達を最大にするように、ロータシャフト44に挿入(例えば、圧入)される。その可撓性により、ディスクばね部分174は、熱交換器プレート150のスタック190の設置中に曲げることができ、ロータシャフト44内の熱交換器ボア48の直径の変動の存在にもかかわらず、中空ロータシャフト44の内周面200へのリム部材172のそれぞれの係合を確実にする。ディスクばね部分174の可撓性にもかかわらず、熱交換器プレート46のリム部材172は、熱交換器プレート150のスタック190がロータシャフト44内に受け入れられるとき、ロータシャフト44の回転軸36に沿って互いに離間される。任意選択で、熱交換器プレート150は、ロータシャフト44が形成される材料とは異なる線熱膨張係数を有する材料で形成することができる。例えば、熱交換器プレート150はアルミニウムで形成することができ、ロータシャフト44は鋼で形成することができる。このように構成することにより、熱交換器プレート150は、温度の(例えば、周囲空気温度から、周囲空気温度における電気駆動モジュール10(図1)の連続的かつ安定した動作に関連する温度への)上昇に起因してサイズが大きくなることが可能になり、これは、電気駆動モジュール10(図1)の製造にとって有利であることがある。この点に関して、熱交換器プレート150の外径、熱交換器ボア48の内径、および熱交換器ボア48の円筒度に関する公差は、電気駆動ユニット10(図1)の連続的な安定した動作中に電気駆動ユニット10(図1)の温度が周囲空気温度から上昇するにつれて、個々の熱交換器プレート150がロータシャフト44の内周面200と接触するように成長する能力に起因して、増大されることができる。さらに、熱交換器プレート150が、周囲空気温度から電気駆動ユニット10(図1)の動作温度への加熱に応答して個々に成長および移動する能力は、リム部材172のいずれもが、-20℃などの第1の予め定められたの温度でロータシャフト44の内周面200に軽く係合しないか、リム部材172の少数のみ、またはすべてが、-20℃などの第1の予め定められたの温度でロータシャフト44の内周面200に軽く係合する一方で、熱交換器プレート150のすべてのリム部材172が、90℃などの第2の予め定められたの温度でロータシャフト44の内周面200に係合する設計を可能にする。熱交換器プレート150のスタック190は、ロータシャフト44への熱交換器46の設置のために(ロータシャフト44が室温に維持されている間に)第1の予め定められたの温度まで冷却されることができる。第2の予め定められたの温度は、電気モータ14(図1)の安定した連続動作中にロータ34(図1)を冷却するために冷却剤が熱交換器46を通って能動的に循環される目標動作温度より低い温度であることができる。ロータシャフト44が膨張する速度よりも大きい速度で熱膨張する熱交換器プレート150の能力は、ロータシャフト44内の熱交換器ボア48の直径および/または円筒度の適度な変動にかかわらず、(例えば、ロータシャフト44とリム部材172との間の境界面を横切るロバストな熱伝達のために)熱交換器プレート44のリム部材172のそれぞれの外周面間の接触を確実にするために用いられることができる。
【0021】
[0035]入力部材152は、供給パイプ120(図1)から第1の冷却剤通路160に冷却剤流体を輸送するように構成され、したがって、任意の所望の方法で構成することができる。提供された例では、入力部材152は、熱交換器プレート150のうちの1つと同様に構成される(すなわち、ハブ170a、リム部材172a、およびディスクばね部分174aを有する)。しかしながら、入力部材152は、比較的厚い材料から形成され、ハブ170aから熱交換器プレート150のスタック190から離れる方向に延びるノズル210を含む。必要に応じて、センタリング要素212を入力部材152のノズル210に取り付けることができ、ロータシャフト44の内周面200に係合することができる。提供された例では、センタリング要素212は、ノズル210に係合する複数の内側ローブと、隣接する内側ローブ間に配置され、ロータシャフト44の内周面200に係合する複数の外側ローブとを含む。入力部材152の比較的厚い材料は、熱交換器46が中空ロータシャフト44に組み立てられるときに熱交換器プレート150のディスクばね部分174がそれらの設置前の状態から偏向されるという事実にもかかわらず、入力部材172が、所望の位置で回転軸36に沿って熱交換器プレート150のスタック190の位置を維持するために用いられることができる程度まで、リム部材152aがロータシャフト44の内周面200に係合することを可能にする。示す例では、熱交換器プレート150のうちの1つのハブ170は、入力部材170のハブ152aに当接する。したがって、入力部材152のハブ170aおよび隣接する熱交換器プレート150のハブ170は、互いに封止および/または接合されることができることが理解されよう。
【0022】
[0036]方向転換部材154は、方向転換部材154に面する熱交換器プレート150のハブ170に面する環状内側マウント220と、中空ロータシャフト44の内周面200と係合するように圧入される外側マウント222とを有する環状の円錐台形構造とすることができる。代替的に、外側マウント222は、ロータシャフト44の熱交換器ボア48に滑り嵌めするように構成することができる。複数の方向転換アパーチャ224が、内側マウント220と外側マウント222との間で方向転換部材154の周囲に形成されている。
【0023】
[0037]プラグ部材156は、入力部材152、熱交換器プレート150のスタック190、及び方向転換部材154が受け入れられる中空ロータシャフト44の開放端を閉じるために用いることができる。提供された例において、プラグ部材156は、プラグ部分230と、エンドストップ232と、シャフトマウント234とを含む。プラグ部分230は、ロータシャフト44の内周面200に圧入するとともに内周面200に密封係合するように、径寸法が設定されている。プラグ部分230は、中空ロータシャフト44の軸方向長さに沿った所望の位置に、方向転換部材154の位置、したがって熱交換器プレート150のスタック190および入力部材152の位置を位置決めおよび/または維持するように、軸方向長さが寸法決めされる。あるいは、波形ばねなどの弾性要素(図示せず)を、プラグ部分230と方向転換部材154との間に配置することができる。このような構成は、熱交換器プレート150のスタック190上に所望の軸方向荷重を維持するのに役立つことができ、これは、熱交換器プレート150間のハブ間界面における漏れを抑制するために、熱交換器プレート150の互いからの軸方向分離を防止するのに役立つことができる。シャフトマウント234は、プラグ部分230から離れる方向にエンドストップ232から伸張することができ、ハウジングアセンブリ12(図1)に対する回転のためにロータ34(図1)を支持するベアリング(図示せず)をその上に受けるように構成されたベアリング面236を規定することができる。
【0024】
[0038]第1の冷却液通路160から流出する流体冷却液は、方向転換部材154の環状内側マウント220を通って流れ、プラグ部材156の端部の輪郭付き凹部240を介して方向転換されて、半径方向外向きに流れて方向転換部材154に向かって戻ることができ、そこで流れは方向転換アパーチャ224を通って第2の冷却液通路162に入る。
【0025】
[0039]熱交換器46は、その環状ハブ170が協働して第1の冷却剤通路160を形成する熱交換器プレート150のスタック190を有するものとして描かれているが、熱交換器46は幾分異なって形成されることができることが理解されるであろう。図7を参照すると、熱交換器46’は、管250がハブ170を通して挿入され、管が第1の冷却剤通路160を規定することを除いて、図3の熱交換器とほぼ同様である。提供された例では、管250はハブ170に圧入されるが、管250は熱交換器プレート150に溶接(例えば、抵抗溶接)またはろう付けされることができることが理解されるであろう。
【0026】
[0040]方向転換部材154は、中空ロータシャフト44の内周面200と係合するように圧入される外側マウント222を有するものとして説明されてきたが、外側マウント222は、いくらか異なるように構成されてもよいことが理解されよう。例えば、外側マウント222は、輪郭付けられた凹部240内に受け入れられ、プラグ部材156に係合されるように構成されてもよい。
【0027】
[0041]図8には、本開示の教示に従って構成された別のロータ及び熱交換器の一部が図示されている。熱交換器46’’は、管250’’が図7の例よりもプラグ部材156に比較的近い点まで延びていることを除いて、図7の熱交換器46’とほぼ同様である。提供された特定の例では、管250’’は、外側マウント222およびプラグ部分230が互いに当接または接触する点を越えて凹部240内に延びる。管250’’の軸方向端部300は、管250’’を通って流れる流体が軸方向端面302にぶつかるまたは衝突するように、プラグ部分230上の軸方向端面302に近接して配置することができる。このような構成は、プラグ部材156から熱交換器46’’を通って循環される流体への熱伝達を改善することができ、特に、熱交換器46’’を通って循環される流体に空気が混入される状況において改善することができる。この点に関して、凹部240内および/またはプラグ部分230上の軸方向端面302に近接する管250’’の軸方向端部300の配置は、プラグ部材156内またはその近傍に空気が集まり、プラグ部材156から熱交換器46’’を通して循環される流体への熱伝達を潜在的に低減できるリスクを低減または排除することができる。
【0028】
[0042]図9には、本開示の教示に従って構成されたさらに別のロータおよび熱交換器の一部が図示されている。熱交換器46’’’は、図3の熱交換器46または図7の熱交換器46’と同様に構成することができる。図10および図11をさらに参照すると、プラグ部材156’’’は、ロータの回転軸36の周りに同心円状に形成された中央供給アパーチャ400と、中央供給アパーチャ400の周りに円周方向に配置された複数の戻りアパーチャ402とを備えて構成される。中央供給アパーチャ400は、プラグ部分230’’’と、ベアリング面236が形成されているシャフトマウント234’’’の部分とを通して伸長している。戻りアパーチャ402のそれぞれは、回転軸36に対してある角度で形成することができ、中央供給アパーチャ400の遠位端または盲端410に近接して中央供給アパーチャ400と交差することができる。提供された例では、戻りアパーチャ402のそれぞれは、長手方向軸416を有し、戻りアパーチャ402の長手方向軸416は、円錐状に配置される。プラグ部分230’’’の軸方向端面420は、熱交換器46’’’の方向転換部材154に対して所望の方法で位置決めすることができる。示す例では、プラグ部分230’’’の軸方向端面420は、戻りアパーチャ402が通して延びる円錐台形部分を含む。円錐台形部分の外面は、戻りアパーチャ402の長手方向軸に対して垂直である。任意選択で、円錐台形部分の外面は、方向転換部材154の円錐台形角に一致するように構成することができる。
【0029】
[0043]動作中、第1の冷却液通路160を通って排出された流体は、中央供給アパーチャ400内に、その後戻りアパーチャ402内に方向付けられて、方向転換部材154内に形成された方向転換アパーチャ224に向かって流体の流れを方向転換することができる。したがって、ベアリング面236に取り付けられ、回転軸36を中心とした回転のためにロータを支持するベアリング(図1)からの熱は、プラグ部材156’’’ (すなわち、シャフトマウント234’’’)を通して伝導され、ロータおよびプラグ部材156’’’を通して循環される冷却流体に拒絶されることができる。いくつかの状況では、戻りアパーチャ402は、ベアリングが取り付けられるプラグ部材156’’’の部分の端部を過ぎた位置または端部に近接する位置で中央供給アパーチャ400と交差することが望ましい場合がある。中央供給アパーチャ400を通過する流体に対する遠心力は、流体を最も早い機会に戻りアパーチャ402に押し込む一種のポンプ作用を生成する。したがって、戻りアパーチャ402が中央供給アパーチャ400と交差する点をベアリングを通過して(またはロータから離れて面するベアリングの端部に近接して)配置することにより、ベアリングからの熱をより迅速かつ/またはより効率的に排除する構成を提供することができる。
【0030】
[0044]第1の冷却剤通路160が管250’’’によって部分的に又は完全に形成される状況では、管250’’’は、図12に示されるように、所望の距離にわたって中央供給アパーチャ400の内側に嵌合するように、その径及び長さを任意選択的に寸法決めすることができることが理解されよう。このような構成は、プラグ部材156’’’の内外への流体の流れを分離するのに役立つ。図示の特定の例では、管250’’’は、方向転換部材154から出た後、またはそれを越えて延びた後、直径が細くなっている。追加的または代替的に、プラグ部分230’’’の軸方向端面420は、図9Aに示されるように、方向転換部材154の外側マウント222に直接当接されることができる。また、任意選択的に、戻りアパーチャ402は、方向転換部材154内の方向転換アパーチャ224に位置合わせすることができる。
【0031】
[0045]図9および図12の実施形態は、一体的かつ単体的に形成されたプラグ部材156’’’とともに図示されているが、プラグ部材156’’’は、組み立てられて互いに固定的に結合されるいくつかの別個の構成要素として作製されることができることが理解されるであろう。追加的に又は代替的に、方向転換部材154は、プラグ部材156’’と組み合わせることができる。図13の例では、方向転換部材154’’’’の環状内側マウント220’’’’は、プラグ部分230’’’に固定して結合することができ、プラグ部材156’’’内の方向転換アパーチャ402は、方向転換アパーチャ224であってもよい。示す例では、管250は細くなっておらず、中央供給アパーチャ400’’’’の拡大部分またはカウンターボア部分500に所望の方法(例えば、滑り嵌め、圧入)で受け入れられている。中央供給アパーチャ400’’、均一な径に形成されることができる(すなわち、中央供給アパーチャ400’’ ’’が段付けされない)ことが理解されるであろう。
【0032】
[0046]本実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提供されている。それは、網羅的であること、又は本開示を限定することを意図したものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、概して、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、具体的に図示又は説明されていなくても、交換可能であり、選択された実施形態において使用されることができる。同上のものはまた、多くの方法で変更されてもよい。そのような変形は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】