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特表2024-510188洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体、洗濯洗浄剤固体組成物、固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法、一回分包装量洗浄剤形態、マイクロフィブリル化セルロースの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体、洗濯洗浄剤固体組成物、固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法、一回分包装量洗浄剤形態、マイクロフィブリル化セルロースの使用
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/44 20060101AFI20240228BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240228BHJP
   C11D 10/02 20060101ALI20240228BHJP
   C11D 3/382 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C11D7/44
C11D17/06 ZBP
C11D10/02
C11D3/382
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555308
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 BR2022050086
(87)【国際公開番号】W WO2022187928
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,860
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521023425
【氏名又は名称】スザノ・エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】SUZANO S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギマランイス、マテウス・アントゥネス
(72)【発明者】
【氏名】ビエイラ、リチェリ・テレス
(72)【発明者】
【氏名】スパダフォーラ、ブルーナ・パパ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003BA01
4H003BA11
4H003DA01
4H003EA12
4H003EA20
4H003EB13
4H003EB16
4H003EB30
4H003EB42
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA08
4H003FA34
(57)【要約】
本発明は、少なくとも15%のマイクロフィブリル化セルロース(MFC)を有する、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を対象とする。界面活性剤をMFCマトリックス構造体中に含むことによって、5%~20%のマイクロフィブリル化セルロースを有する洗濯洗浄剤固体組成物が提供される。固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを、少なくとも1種の界面活性剤、圧縮増強剤とブレンドする工程、および得られた混合物を押し固めて、固体洗濯洗浄剤を得る工程を有する、方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも5重量%のマイクロフィブリル化セルロースを含む、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のマトリックス構造体、および5重量%~20重量%、より好ましくは8重量%~12重量%の最終有効含有量のマイクロフィブリル化セルロースを含む、洗濯洗浄剤固体組成物。
【請求項3】
水分含有量が65重量%以下である、請求項2に記載の洗濯洗浄剤固体組成物。
【請求項4】
洗濯洗浄剤固体組成物が、10重量%~20重量%の最終有効含有量の界面活性剤、および13%~17%の最終有効含有量の硫酸ナトリウムをさらに含む、請求項1または2に記載の洗濯洗浄剤固体組成物。
【請求項5】
固体組成物が100%の分散性を有する、請求項2に記載の洗濯洗浄剤組成物。
【請求項6】
アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性および非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤を含む、請求項2に記載の洗濯洗浄剤組成物。
【請求項7】
固体組成物がバインダー不含である、請求項2に記載の洗濯洗浄剤組成物。
【請求項8】
固体組成物が崩壊剤不含である、請求項2に記載の洗濯洗浄剤組成物。
【請求項9】
固体組成物が賦形剤不含である、請求項2に記載の洗濯洗浄剤組成物。
【請求項10】
請求項2に記載の固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法であって、
a)マイクロフィブリル化セルロースを、少なくとも1種の界面活性剤および圧縮増強剤とブレンドする工程;
b)得られた混合物を押し固めて、固体洗濯洗浄剤を得る工程
を含む、方法。
【請求項11】
前記工程b)の前記得られた混合物を押し固める工程を、一軸スクリュー押出機において実行して、固体洗濯洗浄剤を得る、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記マイクロフィブリル化セルロースが、少なくとも5重量%固形分である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
押し固める工程が、タブレット化、ペレット化、顆粒の形成、バー形成および粉末顆粒化から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも5%の最終有効含有量のマイクロフィブリル化セルロース、界面活性剤および圧縮増強剤を含む、一回分包装量洗浄剤形態。
【請求項15】
前記一回分包装量洗浄剤形態が、10重量%~20重量%の最終有効含有量の界面活性剤、および13%~17%の最終有効含有量の硫酸ナトリウムをさらに含む、請求項14に記載の一回分包装量洗浄剤形態。
【請求項16】
請求項14または15に記載の一回分包装量洗浄剤形態を製造するための、マイクロフィブリル化セルロースの使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[001]本発明は、少なくとも5%のマイクロフィブリル化セルロース(MFC)を有する、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を対象とする。界面活性剤をMFCマトリックス構造体中に含むことによって、5%~20%のマイクロフィブリル化セルロースを有する洗濯洗浄剤固体組成物が提供される。固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを、少なくとも1種の界面活性剤、圧縮増強剤とブレンドする工程、および得られた混合物を押し固めて、固体洗濯洗浄剤を得る工程を有する、方法も提供される。
【背景】
【0002】
[002]本発明は、良好な取り扱い性および崩壊性を提供する、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を提供することを対象とする。
【0003】
[003]洗濯洗浄剤の運搬は、洗浄剤が高レベルの賦形剤を有する場合、問題となる。清浄にする力によってではなく、使用した量によって洗浄剤が捉えられる場合、賦形剤はときとして市場で必要である。この意味において、一部の市場では、賦形剤を除去することに抵抗し、賦形剤不含で同じ価格の洗浄剤の代わりに、より大きな体積を呈する洗浄剤を選択している。賦形剤は、顆粒状洗浄剤粉末において、粉末の凝集を回避し、洗浄剤容器から分け取る際に、自由な流動を提供するためにも、重要な役割を果たす。
【0004】
[004]賦形剤の使用と、体積が必要であるという認識は、洗浄剤を押し固めた形態で使用する場合には免れられる。通常、押し固めた形態は、一回量の包装またはさらには用量の数分の1を示すものであってもよく、消費者は、洗濯物の量、水質(たとえば、硬水の場合)、汚れのひどさ等に応じて、使用するタブレットの個数を調整することができる。押し固めることは、マイクロフィブリル化セルロース(MFC)マトリックスを使用して達成されてもよい。先行技術、たとえばWO2017125727A1は、固体洗浄剤のセルロースの使用を開示している。この文献では、賦形剤として微結晶セルロースを使用しているが、マイクロフィブリル化セルロースの使用は開示していない。
【0005】
[005]US2020/0255776A1として発行された米国出願は、固体組成物を含む洗浄またはクリーニング製品であって、前記組成物がレオロジー改質剤としてMFCを含む、すなわち、MFCが、前記文献に記載されている組成物において、組成物の粘性を増強するための成分として、増粘剤として使用されている製品を開示している。
【0006】
[006]そのため、より良好な構造および圧縮に対する耐性を有する、組成物を通じて増強された取り扱い性と崩壊性とを提供する固体洗浄剤組成物が、当技術分野において依然として必要とされている。ネットワーク構造化の供給物質としてMFCの使用は、この必要性を満すことができる。
【発明の簡単な説明】
【0007】
[007]本発明は、ネットワーク構造化供給物質として使用される、少なくとも5重量%のマイクロフィブリル化セルロース(MFC)を有する、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を対象とする。界面活性剤をMFCマトリックス構造体中に含むことによって、5重量%~20重量%のマイクロフィブリル化セルロースを有する洗濯洗浄剤固体組成物が提供される。組成物は、圧縮増強剤、好ましくは13重量%~17重量%の硫酸ナトリウムを含む。固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを、少なくとも1種の界面活性剤、圧縮増強剤とブレンドする工程、および得られた混合物を押し固めて、固体洗濯洗浄剤を得る工程を有する、方法も提供される。
【発明の詳細な説明】
【0008】
[008]本発明は、圧縮への抵抗の他に、良好な取り扱い性および崩壊性を提供する、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を提供することを対象とする。
【0009】
[009]本発明に記載する重量百分率は、洗浄剤組成物中の成分(MFC、界面活性剤、圧縮増強剤)の最終有効含有量に関する。
【0010】
[010]第1の態様では、本発明は、少なくとも5重量%のマイクロフィブリル化セルロース(MFC)を含み、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは8重量%~12重量%のMFCを含む、固体形態の、洗濯洗浄剤組成物のためのマトリックス構造体を提供する。
【0011】
[011]マトリックス構造体は、100nm~800nmの平均直径を有するマイクロフィブリル化セルロースで形成される。10%よりも高い固体百分率を有するMFCは、二次成分、たとえば洗浄剤を組み込んでもよい、安定な固体構造体を形成することが観測されている。かなり安定ではあるが、操作のために加圧される場合、このような構造体は、操作中に崩れるまたは劣化することがある。その一方で、MFCは強力なネットワークを提供し、このようなマトリックス構造体を押し固めることで、良好な物理的安定性がマトリックスに提供され、押し固められた一回量は、とりわけ運搬のため、および洗濯機への挿入のために操作され得る。
【0012】
[012]本発明の側面では、MFCマトリックス構造体は、その中に、少なくとも固体洗濯洗浄剤組成物を提供する界面活性剤、および圧縮増強剤を含んでいてもよい。界面活性剤をMFCに組み込むことで、一般に押し固められてもよく、組成物に提供された形状を保持する固体洗濯洗浄剤組成物が提供される。さらに、圧縮増強剤を組み込むことで、組成物が、より良好に圧縮に耐えることができる。
【0013】
[013]固体洗濯洗浄剤組成物は、最終有効含有量で10重量%~20重量%の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性および非イオン性界面活性剤から選択されてもよい。
【0014】
[014]好適なアニオン性界面活性剤としては、分子構造中の長鎖炭化水素疎水性基と、塩、たとえば、カルボン酸、スルホン酸、硫酸またはリン酸基を含む親水性基とを含有する界面活性剤が挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤の塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、アンモニウムおよびアミンの塩が挙げられる。他の好適な二次アニオン性界面活性剤としては、分子構造中に、8~22個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルカリール基と、スルホン酸または硫酸エステル基とを有する有機硫酸反応生成物のアルカリ金属、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウムの塩が挙げられる。このようなアニオン性界面活性剤の例としては、アルキル基に8~22個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホネート、アルキル基に8~22個の炭素原子を有するアルキルエーテルサルフェートの水溶性塩が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキル硫酸塩;アルキルエーテル硫酸塩;およびこれらの混合物から選択されてもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキル硫酸塩;アルキルエーテル硫酸塩;石鹸;アルキル(好ましくはメチル)エステルスルホン酸塩およびこれらの混合物から選択されてもよい。非イオン性界面活性剤は、アルコールエトキシレート(AEもしくはAEO)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、たとえば、エトキシル化および/もしくはプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、またはグルコサミンの/V-アシルN-アルキル誘導体(グルカミド(glucamide)、GAもしくは脂肪酸グルカミド、FAGA)、ならびにSPANおよびTWEEN(登録商標)の商標名で入手可能な製品、ならびにこれらの組み合わせから選択してもよい。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物およびこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
[015]界面活性剤は、MFCとブレンドし、次いで押し固めてもよい。押し固めは、良好な崩壊性を提供しながら、操作のための物理的完全性を保持するのに十分であるべきである。押し固めた形態は、タブレット、ペレット、顆粒、バーおよび粉末である。
【0016】
[016]固体洗濯洗浄剤組成物は、圧縮増強剤として、最終有効含有量で13重量%~17重量%の硫酸ナトリウムを含んでもよい。
【0017】
[017]マトリックス構造体または固体形態の洗濯洗浄剤組成物の性能について、水分は重要な項目である。取り扱い性と崩壊性との間のバランスは、本発明の洗濯洗浄剤組成物中、45重量%~65重量%の水分含有量の場合に、達成され得る。このような水分含有量を有すること、および押し固めて400g/L~700g/Lのバルク密度を提供することによって、良好な分散性が提供される。本発明において、分散性試験を通じて25℃の水中で測定した場合、洗濯洗浄剤固体組成物は、100%の分散性を有する。
【0018】
[018]マイクロフィブリル化セルロースによって、バインダー、ビルダー、崩壊剤および賦形剤も少量組み込むことができ、まったく組み込まないこともできる。
【0019】
[019]含まれる場合、ビルダー、たとえば、ポリアクリレートのホモポリマーまたはそのコポリマー、たとえば、ポリ(アクリル酸)(PAA)またはコポリ(アクリル酸/マレイン酸)(PAA/PMA)を使用してもよい。さらなる非限定例としては、シトレート、キレート剤、たとえば、アミノカルボキシレート、アミノポリカルボキシレートおよびホスホネート、ならびにアルキルまたはアルケニルコハク酸が挙げられる。追加の具体例としては、2,2’,2”-ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノ二コハク酸(IDS)、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジイルビス(ホスホン酸)(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレン)テトラキス(ホスホン酸)(EDTMPA)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレン)ペンタキス(ホスホン酸)(DTPMPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(EDG)、アスパラギン酸-N-一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸--N,N-二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸-N-一プロピオン酸(ASMP)、イミノ二コハク酸(IDA)、N-(2-スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N-(2-スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N-(2-スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N-(2-スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N-メチルイミノ二酢酸(MIDA)、a-アラニン-N,N-二酢酸(a-ALDA)、セリン-N,N-二酢酸(SEDA)、イソセリン-N,N-二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン-N,N-二酢酸(PHDA)、アントラニル酸-N,N-二酢酸(ANDA)、スルファニル酸-N、N-二酢酸(SLDA)、タウリン-N、N-二酢酸(TUDA)およびスルホメチル-N、N-二酢酸(SMDA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチリデンジアミントリアセテート(HEDTA)、ジエタノールグリシン(DEG)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、アミノトリス(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ならびにこれらの組み合わせおよび塩が挙げられる。
【0020】
[020]一側面では、本発明は、固体洗濯洗浄剤組成物を製造する方法であって、
a)マイクロフィブリル化セルロースを、少なくとも1種の界面活性剤および圧縮増強剤とブレンドする工程;
b)得られた混合物を、一軸スクリュー押出機において押し固め、均質化して、固体洗濯洗浄剤を得る工程
を含む、方法を提供する。
【0021】
[021]一側面では、方法に供給されるマイクロフィブリル化セルロースは、少なくとも5重量%固形分、好ましくは10重量%~25重量%固形分、より好ましくは20重量%固形分である。
【0022】
[022]一側面では、本発明は、5重量%~20重量%の最終有効含有量のマイクロフィブリル化セルロースと、10重量%~20重量%の最終有効含有量の界面活性剤、および13%~17%の最終有効含有量の硫酸ナトリウムとのブレンドを圧縮することによって製造される、固体洗濯洗浄剤組成物を提供する。
【0023】
[023]押し固め方法としては、タブレット化、押出成形、ペレット化、顆粒化、バー形成を挙げることができる。
【0024】
[024]一側面では、本発明は、一回量包装の洗浄剤を形成する単一包装における、少なくとも5重量%の最終有効含有量のマイクロフィブリル化セルロース、界面活性剤および圧縮増強剤を含む洗浄剤組成物を提供する。
【0025】
[025]本発明の固体組成物はまた、酵素または酵素ブレンドを含んでもよい。酵素は、増強されたクリーニング性能および/または布地ケアの利益を提供する。好適な酵素の例としては、限定するものではないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、クロロフィラーゼおよびアミラーゼ、またはこれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、たとえば、プロテアーゼおよびリパーゼを、アミラーゼとともに含んでもよい酵素カクテルである。洗濯洗浄剤固体組成物中に存在する場合、酵素または酵素ブレンドは、洗濯洗浄剤固体組成物の酵素タンパク質の0.00001~2重量%、0.0001~1重量%、より好ましくは0.001~0.5重量%のレベルで存在してもよい。一般に、選択された酵素の特性は、選択された洗浄剤に適合するべきであり(すなわち、pH最適、他の酵素および非酵素成分との適合性等)、酵素は有効量で存在するべきである。
試験
[026]固体形態の洗濯洗浄剤組成物を評価するための試験を実行した。いくつかの組成物を試験し、表1に示す通り、取り扱い性および分散性について、良好な結果が提供された。
【0026】
【表1】
【0027】
[027]下の表1.1は、取り扱い性、分散性および安定性について試験され、良好な結果を提供した圧縮増強剤である、硫酸ナトリウムを含むいくつかの組成物を示す。すべての値は、重量百分率における値である。
【0028】
【表2】
【0029】
[028]試験は、15%~30%の最終有効含有量の範囲内のマイクロフィブリル化セルロースが、良好な即時および7日後の感覚受容性外観、ならびに完全機械洗浄試験における良好な性能を提供し、固体形態の洗濯洗浄剤組成物の完全な崩壊を達成することを示す。
【0030】
[029]10%の固体含有量で導入されたマイクロフィブリル化セルロースは、固体形態の洗濯洗浄剤組成物を、過度に脆性にすることがあり、不良な取り扱い性をもたらすことがある。試験を実行し、表2によれば、10%のマイクロフィブリル化セルロースは、固体形態の洗濯洗浄剤組成物における使用のためには、既に低すぎた。
【0031】
【表3】
【0032】
[030]表3は、多量の界面活性剤は、固体形態の洗濯洗浄剤組成物において完全な分散に関しては困難にすぎるという結果に終わったことを表している。
【0033】
【表4】
【0034】
[031]F05およびF08組成物に見られるように、各々のマイクロフィブリル化セルロースの1.5倍超の質量の界面活性剤を使用することは、固体形態の洗濯洗浄剤組成物が、押し固めた後、完全な分散に関しては困難になりすぎる原因となりうる。
【0035】
[032]酵素ブレンドは、表4に示す通り、良好な特性を提供することも示されている。
【0036】
【表5】
【0037】
[033]さらに、組成物F09を、洗浄し、しみを除去するというスクリーニング試験を通じて、特に、標準的な茶;コーヒー;ソース;チョコレート;肉および煤のしみを使用して、粉末および液体形態の市販の有力な洗濯洗浄剤と比較した。各布地において、標準的なしみを、シルクスクリーンによって、制御された一様な広がりを有するが飽和に達するまで適用した。定着させるため、布地を少なくとも1日、覆いがあり換気される場所に、しみがついたまま静置して乾燥させた。50gのF09組成物を使用して、ならびに粉末および液体形態の市販の洗濯洗浄剤からの50gの比較例組成物を使用して、各布地を冷水中で30分、2kgのしみのない白色布地と一緒に洗浄した。
【0038】
[034]家庭製品に本発明を適用することはまた、タブレット洗浄剤組成物を製造するためのマイクロフィブリル化セルロースの使用により開示される。
【国際調査報告】