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特表2024-510199待機中の電気車両のオポチュニティ充電
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】待機中の電気車両のオポチュニティ充電
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240228BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240228BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240228BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20240228BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240228BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20240228BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 53/35 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240228BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J7/02 F
H02J50/10
H02J50/40
H02J50/80
H02J50/90
B60L53/12
B60L53/67
B60L53/66
B60L53/62
B60L53/35
B60L58/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555478
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 US2022070670
(87)【国際公開番号】W WO2022192831
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】17/199,234
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】514287443
【氏名又は名称】インダクトイーブイ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ウォルゲムス、ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】カラブロ、アンソニー ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC25
5H125BC05
5H125BC21
5H125BE02
5H125CC04
5H125CD10
5H125DD02
5H125EE22
5H125EE23
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE63
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】
電気車両の充電のために、少なくとも1つの充電レーンを備えた交通待ち列であって、地面に設置され、ワイヤレス電力伝送によって少なくとも2台の車両が同時に充電できるように離間して配置された複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを含む交通待ち列が使用される。充電中、前記車両は、前記少なくとも1つの充電レーン内の第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせされ、第1の充電セッションで前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて充電される。次いで、前記車両は第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで進行し、前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせされ、第2の充電セッションで前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて充電される。前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと車両側ワイヤレス充電アセンブリとの間には、前記第1および第2の充電セッションにおける電力供給および課金を制御するために、メッセージングの時間順序付けられたシーケンスが提供される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通待ち列であって、
少なくとも1つの充電レーンの地面に設置され、充電レーンにおいてワイヤレス電力伝送によって少なくとも2台の車両が同時に充電できるように離間して配置された複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリと、
信号システムであって、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンにおいて第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリから第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリに移動する際に、当該第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両に搭載された車両側ワイヤレス充電アセンブリとの間にメッセージングの時間順序付けられたシーケンスを提供することによって、車両の自動ワイヤレス充電を促進し、それにより、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを進行する際に前記車両が前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリで充電されるものであり、前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンの前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つについてのセットアップフェーズ、充電フェーズ、および終了フェーズを管理するものである、前記信号システムと
を有する交通待ち列。
【請求項2】
請求項1に記載の交通待ち列において、さらに、前記電気車両の充電に関連付けられた少なくとも1つのサーバを有するものであり、前記セットアップフェーズは、前記信号システムが前記車両および前記少なくとも1つのサーバとの通信を確立することを含むものである、交通待ち列。
【請求項3】
請求項2に記載の交通待ち列において、さらに、前記車両の充電を許可するために、電気車両情報を前記少なくとも1つのサーバと交換することを含む許可フェーズを有するものである、交通待ち列。
【請求項4】
請求項3に記載の交通待ち列において、前記少なくとも1つのサーバは、充電を許可された前記車両を充電するのに適切な電圧および電流情報または電力制限情報を前記地上側ワイヤレス充電アセンブリに提供するものである、交通待ち列。
【請求項5】
請求項4に記載の交通待ち列において、前記充電フェーズは、前記車両のバッテリが十分に充電されるか、前記車両側ワイヤレス充電アセンブリが前記地上側ワイヤレス充電アセンブリに充電を停止するための信号を送るか、または前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリを走り去るかの少なくとも1つまで、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリから前記許可された車両の前記車両側ワイヤレス充電アセンブリにワイヤレス伝送充電をすることを含む、交通待ち列。
【請求項6】
請求項5に記載の交通待ち列において、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリは、充電信号の変化から前記車両との位置合わせの変化を検出することによって、前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリから走り去ったこと示す信号を前記車両側ワイヤレス充電アセンブリから受け取ることによって、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリの一次コイルの電流の変化を検出することによって、あるいは、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両側ワイヤレス充電アセンブリ間の通信の損失を検出することによって、前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリから走り去ったことを検出するものである、交通待ち列。
【請求項7】
請求項2に記載の交通待ち列において、さらに、前記少なくとも1つのサーバに関連付けられたデータベースを有するものであり、前記終了フェーズは、前記信号システムが、前記充電に対する課金関連情報を送信することと、前記車両の充電許可を終了することと、前記車両の充電に関連付けられたデータおよび統計的パフォーマンス情報により前記データベースを更新することとを含むものである、交通待ち列。
【請求項8】
請求項2に記載の交通待ち列において、前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリが前記車両の充電を許可されて第1の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを出るまで、またはタイムアウト時間が過ぎるまで、前記車両に対する許可パーミッションを維持するものである、交通待ち列。
【請求項9】
請求項8に記載の交通待ち列において、前記車両が、前記少なくとも1つの充電レーンを前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで進行し、前記車両の充電が許可され、第2の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは前記維持された許可パーミッションを用いるものであり、前記許可は、前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了するまで維持されるものである、交通待ち列。
【請求項10】
請求項9に記載の交通待ち列において、前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける許可された各充電セッションからの集約された充電データを用いて充電トランザクションを完了するものである、交通待ち列。
【請求項11】
請求項1に記載の交通待ち列において、前記信号システムは、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを含む充電ステーション内に位置する少なくとも1つの充電ステーションサーバと、前記充電ステーションの外部にある少なくとも1つのサーバとを含むものであり、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリへの電力供給を管理し且つ前記充電ステーションの外部にある前記少なくとも1つのサーバとの相互接続を管理するように適合されている、交通待ち列。
【請求項12】
請求項11に記載の交通待ち列において、さらに、前記充電ステーションの外部にある前記少なくとも1つのサーバに関連付けられた外部データベースを有するものであり、前記外部データベースは、複数の車両の車両充電データおよび許可データを格納するものである、交通待ち列。
【請求項13】
請求項11に記載の交通待ち列において、前記充電ステーションは少なくとも1つの電源を有し、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは前記少なくとも1つの電源からステータスおよびアラームを受信するものであり、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは充電セッション中に、開始コマンド、充電レベルコマンド、および終了コマンドを前記少なくとも1つの電源へ送るものである、交通待ち列。
【請求項14】
請求項1に記載の交通待ち列において、前記少なくとも1つの充電レーンは、乗用車を充電するように構成された第1のレーンと、旅客バスまたは貨物車両を充電するように構成された第2のレーンとを有するものである、交通待ち列。
【請求項15】
請求項1に記載の交通待ち列において、前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける位置合わせの前に前記車両と通信して、前記車両の充電状態に基づき前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンのうちの特定の充電レーンに導くものである、交通待ち列。
【請求項16】
請求項1に記載の交通待ち列において、前記少なくとも1つの充電レーンは前記車両のレーン選択および前記車両と前記地上側ワイヤレス充電アセンブリとの位置合わせを支援するマーカーが刻まれた路面を有するものである、交通待ち列。
【請求項17】
請求項16に記載の交通待ち列において、前記マーカーは、線、記号、照明、またはボラードのうちの少なくとも1つを含むものである、交通待ち列。
【請求項18】
少なくとも1つの充電レーンを有する交通待ち列において電気車両を充電する方法であって、前記交通待ち列は、前記少なくとも1つの充電レーンの地面に設置され、充電レーンでワイヤレス電力伝送によって少なくとも2台の車両が同時に充電できるように離間して配置された複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを有するものであり、この方法は、
前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンの第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせする工程と、
第1の充電セッションにおいて、前記少なくとも1つの充電レーンの前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて前記車両を充電する工程と、
前記少なくとも1つの充電レーンの第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで前記車両を進行させる工程と、
前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンの前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせする工程と、
第2の充電セッションにおいて、前記少なくとも1つの充電レーンの前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて前記車両を充電する工程と、
前記第1および第2の充電セッションを制御するために、前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両に搭載された車両側ワイヤレス充電アセンブリとの間にメッセージングの時間順序付けられたシーケンスを提供する工程であって、信号システムが、前記少なくとも1つの充電レーン内の前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリのうちの少なくとも1つについてのセットアップフェーズ、充電フェーズ、および終了フェーズを管理する信号を送信する工程を含むものである、前記提供する工程と
を有する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、さらに、前記セットアップフェーズにおいて、前記信号システムが、前記車両および前記電気車両の充電に関連付けられた少なくとも1つのサーバとの通信を確立する工程を有するものである、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、さらに、許可フェーズを有するものであり、前記許可フェーズは前記車両の充電を許可するために前記少なくとも1つのサーバと電気車両情報を交換することを含むものである、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、さらに、前記車両の充電が許可されると、前記少なくとも1つのサーバが、前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに電圧および電流情報または電力制限情報を提供する工程を有するものである、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記充電フェーズは、前記車両のバッテリが十分に充電されるか、前記車両側ワイヤレス充電アセンブリが前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに充電を停止するための信号を送るか、または前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリを走り去るかの少なくとも1つまで、前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリから前記許可された車両の前記車両側ワイヤレス充電アセンブリにワイヤレス伝送充電をすることを含むものである、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、さらに、前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つが、充電信号の変化から前記車両との位置合わせの変化を検出することによって、前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つから走り去ったこと示す信号を前記車両側ワイヤレス充電アセンブリから受け取ることによって、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリの一次コイルの電流の変化を検出することによって、あるいは、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両側ワイヤレス充電アセンブリ間の通信の損失を検出することによって、前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つを走り去ったことを検出する工程を有するものである、方法
【請求項24】
請求項19に記載の方法において、前記終了フェーズは、前記信号システムが、前記充電に対する課金関連情報を送信することと、前記車両の充電許可を終了することと、前記車両の充電に関連付けられたデータおよび統計的パフォーマンス情報でデータベースを更新することとを含むものである、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法において、さらに、前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリが前記車両の充電を許可され、前記第1の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバが、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを出るまで、またはタイムアウト時間が終了するまで、前記車両に対する許可パーミッションを維持する工程を有するものである、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、さらに、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで進行し、前記車両の充電が許可され、前記第2の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバが、許可パーミッションを用い、前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了するまで前記許可を維持する工程を有するものである、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、前記少なくとも1つの充電レーンにおける前記最後の充電セッションが完了すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける許可された各充電セッションからの集約された充電データを用いて充電トランザクションを完了するものである、方法。
【請求項28】
請求項18に記載の方法において、さらに、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを含む充電ステーションに配置され、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリへの電力供給を管理し、且つ前記充電ステーションの外部にある少なくとも1つのサーバとの相互接続を管理する少なくとも1つの充電ステーションサーバを有するものである、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、さらに、前記充電ステーションの外部にある前記少なくとも1つのサーバに関連付けられた外部データベースに、複数の車両の車両充電データおよび許可データを格納する工程を有するものである、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法において、前記充電ステーションは少なくとも1つの電源を有し、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは前記少なくとも1つの電源からステータスおよびアラームを受け取るものであり、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは充電セッション中に、開始コマンド、充電レベルコマンド、および終了コマンドを前記少なくとも1つの電源へ送るものである、方法。
【請求項31】
請求項18に記載の方法において、さらに、前記少なくとも1つの充電レーンの第1の充電レーンで乗用車を充電する工程と、前記少なくとも1つの充電レーンの第2の充電レーンで旅客バスまたは貨物車両を充電する工程とを有するものである、方法。
【請求項32】
請求項18に記載の方法において、さらに、前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける位置合わせの前に前記車両と通信して、前記車両の充電状態に基づき前記車両を少なくとも1つの充電レーンのうちの特定の充電レーンに導くものである、方法。
【請求項33】
請求項18に記載の方法において、さらに、前記車両のレーン選択および前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つとの位置合わせを支援するために、前記少なくとも1つの充電レーンの路面に刻まれたマーカーを用いて、前記車両を前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに案内する工程を有するものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、乗客または貨物の積み込みを待っている間に待ち列に並ぶ電気車両を自動的に充電するためのワイヤレス電力伝送およびワイヤレス通信の使用について記載するものである。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer: WPT)は、空芯変圧器の磁気誘導を用いて、共通の軸に沿って配置された一次(トランスミッタ)と二次(レシーバ)を誘導結合する。電力は、ファラデーの磁気誘導の法則で定められているように、一次(送信)コイルと二次(受信)コイル間の鎖交磁束によって送信装置から受信装置に送られる。
【0003】
ワイヤレス誘導通信は、例えば、米国特許第10,135,496号および米国特許第10,826,565号(いずれも「静的および動的共鳴誘導ワイヤレス充電に使用するための近距離全二重データリンク」と題する)に記載されているような誘導結合ループアンテナを用いることができ、その説明は参照により本明細書に組み込まれる。このようなワイヤレス誘導通信システムにより、地上充電装置と車両充電装置は、充電プロセス中に制御信号およびその他の通信を交換することができる。
【0004】
交通待ち列(Traffic Queues)は、交通スタンドとしても知られ、輸送ハブ(例えば、空港、鉄道駅、ホテルの私道、駅、地下鉄の駅、バス停、船乗り場など)などの交通量の多い場所や交通量の多い目的地(ホテル、ショッピングプラザ、イベントセンターなど)で乗客や貨物の積み下ろしに使用される。このような施設は通常、商用車両用に予約されており、多くの場合、種々の車両タイプ(例えばタクシーレーン、バスレーンなど)のための特定のレーンを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
次に、諸概念の選択を簡略化した形で紹介するために様々な例を説明するが、これらの概念については下記の詳細な説明でさらに説明する。この概要は、特許請求の範囲に記載の主題の範囲を限定するために用いることを意図したものではない。
【0006】
例示的な実施形態において、交通待ち列であって、少なくとも1つの充電レーンの地面に設置され、充電レーンにおいてワイヤレス電力伝送によって少なくとも2台の車両が同時に充電できるように間隔をあけて配置された複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリと、信号システムであって、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンにおいて第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリから第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリに移動する際に、前記車両の自動ワイヤレス充電を促進するものである信号システムとを含む、交通待ち列が提供される。前記信号システムは、前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両に搭載された車両側ワイヤレス充電アセンブリとの間にメッセージングの時間順序付けられたシーケンスを提供するものであり、それにより、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを進行する際に、前記車両が前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリで充電されるものである。
【0007】
他の例示的な実施形態では、前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンの1若しくはそれ以上の地上側ワイヤレス充電アセンブリについてのセットアップフェーズ、充電フェーズ、および終了フェーズを管理するものである。また、前記電気車両の充電に関連付けられた少なくとも1つのサーバが提供されてもよい。前記信号システムは、前記セットアップフェーズ中に前記車両および前記少なくとも1つのサーバとの通信を確立するものである。また、前記車両の充電を許可するために、電気車両情報を前記少なくとも1つのサーバと交換することを含む許可フェーズが提供されてもよい。前記少なくとも1つのサーバは、充電が許可された前記車両を充電するのに適切な電圧および電流情報または電力制限情報を前記地上側ワイヤレス充電アセンブリに提供してもよい。
【0008】
更なる例示的な実施形態において、前記充電フェーズは、前記車両のバッテリが十分に充電されるか、前記車両側ワイヤレス充電アセンブリが前記地上側ワイヤレス充電アセンブリに充電を停止するための信号を送るか、または前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリを走り去るかの少なくとも1つまで、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリから前記許可された車両の前記車両側ワイヤレス充電アセンブリにワイヤレス伝送充電をすることを含むものである。前記地上側ワイヤレス充電アセンブリは、充電信号の変化から前記車両との位置合わせの変化を検出することによって、前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリから走り去ったこと示す信号を前記車両側ワイヤレス充電アセンブリから受け取ることによって、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリの一次コイルの電流の変化を検出することによって、あるいは、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両側ワイヤレス充電アセンブリ間の通信の損失を検出することによって、前記車両が前記地上側ワイヤレス充電アセンブリを走り去ったことを検出してもよい。
【0009】
更なる他の実施形態では、前記少なくとも1つのサーバに関連付けられたデータベースが提供される。このような実施形態において、前記終了フェーズは、前記信号システムが、前記充電に対する課金関連情報を送信することと、前記車両の充電許可を終了することと、前記車両の充電に関連付けられたデータおよび統計的パフォーマンス情報により前記データベースを更新することとを含んでもよい。前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリが前記車両の充電を許可され、前記第1の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを出るまで、またはタイムアウト時間が終了するまで、前記車両に対する許可パーミッションを維持してもよい。前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで進行し、前記車両の充電が許可され、第2の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは前記維持された許可パーミッションを用いてもよい。前記許可は前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了するまで維持されてもよい。前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける許可された各充電セッションからの集約された課金データを用いて充電トランザクションを完了してもよい。
【0010】
交通待ち列の例示的な構成において、前記信号システムは、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを含む充電ステーション内に位置する少なくとも1つの充電ステーションサーバと、前記充電ステーションの外部にある少なくとも1つのサーバとを含んでもよい。前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリへの電力供給を管理し且つ前記充電ステーションの外部にある前記少なくとも1つのサーバとの相互接続を管理するように適合されていてもよい。前記充電ステーションの外部の前記少なくとも1つのサーバに関連付けられた外部データベースが提供されてもよい。前記外部データベースは、複数の車両の車両充電データおよび許可データを格納してもよい。また、前記充電ステーションは少なくとも1つの電源を有してもよい。前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは前記少なくとも1つの電源からステータスおよびアラームを受け取ってもよく、また、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは充電セッション中に、開始コマンド、充電レベルコマンド、および終了コマンドを前記少なくとも1つの電源へ送ってもよい。
【0011】
交通待ち列の他の例示的な構成では、前記少なくとも1つの充電レーンは、乗用車を充電するように構成された第1のレーンと、旅客バスまたは貨物車両を充電するように構成された第2のレーンとを有してもよい。
【0012】
交通待ち列の更なる他の例示的な構成では、前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける位置合わせの前に前記車両と通信して、前記車両の充電状態に基づき前記車両を少なくとも1つの充電レーンのうちの特定の充電レーンに導いてもよい。また、前記少なくとも1つの充電レーンは前記車両のレーン選択および前記車両と前記地上側ワイヤレス充電アセンブリとの位置合わせを支援するマーカーが刻まれた路面を有してもよい。前記マーカーは、線、記号、照明、および/またはボラードを含んでもよい。
【0013】
また、本明細書では電気車両を充電する方法も記載されている。このような方法によれば、電気車両は、少なくとも1つの充電レーンを備えた交通待ち列において充電されるものであり、前記交通待ち列は、前記少なくとも1つの充電レーンの地面に設置され、充電レーンにおいてワイヤレス電力伝送によって少なくとも2台の車両が同時に充電できるように離間して配置された複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを有するものである。この方法は、前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンの第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせする工程と、第1の充電セッションにおいて、前記少なくとも1つの充電レーンの前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて前記車両を充電する工程と、前記少なくとも1つの充電レーンの第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで前記車両を進行させる工程と、前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンの前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと位置合わせする工程と、第2の充電セッションにおいて、前記少なくとも1つの充電レーンの前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリを用いて前記車両を充電する工程と、前記第1および第2の充電セッションを制御するため、前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両に搭載された車両側ワイヤレス充電アセンブリとの間にメッセージングの時間順序付けられたシーケンスを提供する工程とを含むものである。
【0014】
この方法は、さらに前記少なくとも1つの充電レーン内の前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリのためのセットアップフェーズ、充電フェーズ、および終了フェーズを管理する信号を送信する信号システムを用いて、前記メッセージングの時間順序付けられたシーケンスを提供する工程を含んでもよい。前記信号システムは、前記車両と、前記電気車両の充電に関連付けられた少なくとも1つのサーバとの通信を確立してもよい。許可フェーズ中に前記車両の充電を許可するために電気車両情報が前記少なくとも1つのサーバと交換されてもよい。前記少なくとも1つのサーバは、さらに、前記車両の充電が許可されると、前記第1および第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに電圧および電流情報または電力制限情報を提供してもよい。
【0015】
この方法は、さらに、前記充電フェーズ中、前記車両のバッテリが十分に充電されるか、前記車両側ワイヤレス充電アセンブリが前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに充電を停止するための信号を送るか、または前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つを走り去るかの少なくとも1つまで、前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つから前記許可された車両の前記車両側ワイヤレス充電アセンブリにワイヤレス伝送充電をすることを含んでもよい。前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つは、充電信号の変化から前記車両との位置合わせの変化を検出することによって、前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つから走り去ったこと示す信号を前記車両側ワイヤレス充電アセンブリから受け取ることによって、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリの一次コイルの電流の変化を検出することによって、あるいは、前記地上側ワイヤレス充電アセンブリと前記車両側ワイヤレス充電アセンブリ間の通信の損失を検出することによって、前記車両が前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つを走り去ったことを検出してもよい。
【0016】
前記終了フェーズ中、前記信号システムは、前記充電に対する課金関連情報を送信し、前記車両の充電許可を終了し、前記車両の充電に関連付けられたデータおよび統計的パフォーマンス情報によりデータベースを更新してもよい。前記第1の地上側ワイヤレス充電アセンブリが前記車両の充電を許可され、前記第1の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記車両が前記少なくとも1つの充電レーンを出るまで、またはタイムアウト時間が終了するまで、前記車両に対する許可パーミッションを維持してもよい。前記車両が、前記少なくとも1つの充電レーンを前記第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリまで進み、前記車両の充電が許可され、前記第2の充電セッションを開始すると、前記少なくとも1つのサーバは前記維持された許可パーミッションを用い、少なくとも、前記少なくとも1つの充電レーンにおける最後の充電セッションが完了するまで、前記許可を維持してもよい。前記少なくとも1つの充電レーンにおける前記最後の充電セッションが完了すると、前記少なくとも1つのサーバは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける許可された各充電セッションからの集約された課金データを用いて充電トランザクションを完了してもよい。
【0017】
この方法は、さらに、複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリを含む充電ステーションに配置され、前記複数の地上側ワイヤレス充電アセンブリへの電力供給を管理し、前記充電ステーションの外部にある少なくとも1つのサーバとの相互接続を管理する、少なくとも1つの充電ステーションサーバを含んでもよい。また、前記複数の車両の車両充電データおよび許可データが前記充電ステーションの外部にある前記少なくとも1つのサーバに関連付けられた外部データベースに格納されていてもよい。前記充電ステーションは少なくとも1つの電源を有してもよく、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは前記少なくとも1つの電源からステータスおよびアラームを受信してもよい。また、前記少なくとも1つの充電ステーションサーバは、充電セッション中に、開始コマンド、充電レベルコマンド、および終了コマンドを前記少なくとも1つの電源に送信してもよい。
【0018】
また、この方法は、前記少なくとも1つの充電レーンの第1の充電レーンで乗用車を充電することと、前記少なくとも1つの充電レーンの第2の充電レーンで旅客バスまたは貨物車両を充電することとを含んでもよい。前記信号システムは、前記少なくとも1つの充電レーンにおける位置合わせの前に前記車両と通信して、前記車両の充電状態に基づき前記車両を前記少なくとも1つの充電レーンのうちの特定の充電レーンに導いてもよい。前記車両のレーン選択および前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つとの位置合わせを支援するために、前記少なくとも1つの充電レーンの路面に刻まれたマーカーを用いて前記車両を前記第1または第2の地上側ワイヤレス充電アセンブリの少なくとも1つに案内してもよい。
【0019】
この概要の節は、本発明の主題の態様を簡略化された形で紹介するために提供されるものであり、本発明の主題の更なる説明が詳細な説明の本文に続く。この概要の節に列挙した要素の特定の組み合わせおよび順序は、特許請求される主題の要素を限定することを意図したものではない。むしろ、この節は下記の詳細な説明に記載されるいくつかの実施形態の要約された例を提供するものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の前述およびその他の有益な特徴および利点は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1図1は、設置された地上充電アセンブリを用いる自動ワイヤレス充電を備えた例示的な交通待ち列を示す。
図2図2は、設置された地上充電アセンブリを用いる自動ワイヤレス充電のための複数の待ち列を備えた複数レーンの交通スタンドを示す。
図3図3は、例示的な実施形態における単一の充電ポイントでの自動ワイヤレス充電に使用されるワイヤレス充電信号および範囲を示す。。
図4図4は、例示的な実施形態における自動ワイヤレス充電に関連する電気車両システムを高レベルで示す。
図5図5は、例示的な実施形態において、待ち列中の電気車両の自動ワイヤレス充電を促進するためのシステム間シグナリングの例を示す。
図6図6は、自動ワイヤレス充電を促進するためのシステム間シグナリングの例であって、車両充電アセンブリが課金について事前に許可されるものを示す。
図7図7は、例示的な実施形態における複数の地上充電アセンブリのための制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に記載の自動ワイヤレス充電を備えた交通待ち列の実施形態は、本開示の一部を形成する添付の図面および実施例と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されよう。この説明は、本明細書に記載しおよび/または示す特定の製品、方法、条件、またはパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用する用語は、例として特定の実施形態を説明することを目的としており、特許請求される主題を限定することを意図したものではない。同様に、可能な機構、動作形態、または改良の理由に関する任意の説明は例示のみを目的とするものであり、本明細書で説明する主題は、このような示唆された機構、動作形態、または改良の理由が正確である、若しくは正確ではないことによって制約されるものではない。本明細書全体を通して、本説明は方法および当該方法を実施するシステム/ソフトウェアの双方に言及する。
【0022】
次に、例示的な実施形態の詳細な説明を図1図7を参照して説明する。この説明は可能な実施の詳細な説明を提供するが、これらの詳細は例示を目的としたものであり、決して本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。「バッテリ」という用語は、本明細書では一般的な化学エネルギー貯蔵システムを表すために用いられており、他の携帯用エネルギー貯蔵システム(例えば、固体電池、可逆的燃料電池、ウルトラキャパシタなど)と置き換え、補充、またはハイブリッド化できることに留意されたい。また、ワイヤレス電力伝送(WPT)システムが用いられる例の多くは、車載システムに電力供給し、定置式電気車両(EV)のバッテリを充電するのに用いられているが、これが唯一の用途として考えられるわけではない。
【0023】
タクシー待ち列は商用乗用車両を順序付けされた列へと集める。一実施形態において、タクシーレーンと乗客レーンは両方とも先着順の待ち列で運行し、待ち列の先頭のタクシーがレーンの先頭の到着する乗客(および荷物)を乗せるようになっている。この実施形態では、ほとんどのタクシーは待ち列に並んでいる間アイドル状態にあり、待ち列が進行するにつれ断続的に移動する。電動タクシーは、特に交通量の多い屋根付き(または半密閉された)乗車/降車場所においてアイドリング時の排気ガスが少ないため好まれる。
【0024】
図1は例示的な交通待ち列101を示す、交通待ち列101において電気車両102および103がアイドル状態で乗客または貨物を待っている。誘導電力伝送としても知られるワイヤレス電力伝送(WPT)により、地上側一次アセンブリ104、105、および106から各車両102および103の車両搭載二次アセンブリ107および108の磁気励起を通じて車両のバッテリを充電することができる。地上側一次アセンブリは、同じ待ち列中の2台以上の車両が各地上側一次アセンブリ104、105、および106を用いて同時に充電できるように配置されている。車両アセンブリ107および108のバッテリは、化学電池、容量性電池(例えば、ウルトラキャパシタ)、可逆燃料電池、またはハイブリッドアレイを形成するそれらの混合物を含んでもよい。
【0025】
交通待ち列の路面109には、運転者(および/または自動運転システム)によるレーン選択ならびに地上側一次アセンブリ104、105、および106との位置合わせを支援するためのテキストおよびマーカーが刻まれていてもよい。自動運転システムを支援するために、路面109に線、シンボル、およびライトが設置されていてもよい。
【0026】
図2は、大量輸送ハブ(例えば、空港)に設置された地上充電アセンブリを用いる自動ワイヤレス充電のための複数の待ち列を備えたマルチレーン交通スタンドを示す。屋根付きエリア201は風雨からの遮蔽を提供し、歩道202は乗用車両への歩行者のアクセスを提供する。この例では、一段高い交通規制堤防203を用いて、単一の一次アセンブリを備えた充電ポイント207を含む第1の充電レーン204の自動充電エリアを拡張し、標準乗用車両209、210および211を充電するための第2の充電レーン205をさらに含む。第3の充電レーン206には、1若しくはそれ以上の対となる一次アセンブリ充電ポイント208が装備されており、大型車両212の自動充電を可能にする。図示されるように、充電ポイント207および208は、複数の車両がそれぞれの充電レーン204、205および206でアイドル状態にある間充電できるように、それぞれの充電レーン204、205および206に離間して配置されている。
【0027】
レーンマーキング213、214、215(塗装され、反射型の、照明付き舗装、またはボラードや柱で構成される)には、運転者および自動運転システムを充電ポイント207および208に導き、また、歩行者を充電ポイント207および208から遠ざけるといった複数の目的がある。
【0028】
図3は、例示的な実施形態における単一の充電ポイントで自動ワイヤレス充電に使用されるワイヤレス充電信号および範囲を示す。自動充電のために、舗装302の表面と面一になるように埋め込まれるものとして図示される地上一次アセンブリ301は、充電中、車両二次アセンブリ303と位置合わせおよび通信をしなければならない。この例では、二次アセンブリ303は車両シャーシ304の下側に取り付けられている。
【0029】
充電信号305が開始される前に、アップリンク306およびダウンリンク307のデータ経路が、例えば、上記の参照により組み込まれる米国特許第10,135,496号に記載されているように確立される。誘導リンク306および307は、接近範囲308および離脱範囲309が一次地上コイルアセンブリ301のサイズ(約500ミリメートル)をわずかに超える程度に電力が制限されている。位置合わせプロセスに関する更なる情報は、「ワイヤレス充電前の車両と充電コイルの位置合わせ方法および装置」と題する米国特許第10,814,729号、「ワイヤレス誘導電力伝送におけるコイル位置合わせ誤差を検出する方法および装置」と題する米国特許第10,193,400号、「位置合わせのための信号をリークする伝送路を含む、ワイヤレス充電前の車両の位置合わせ方法と装置」と題する米国特許第10,040,360号で見ることができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。他の実施形態としては、代替的な短距離ローカルエリア・ワイヤレス・ネットワーキング技術(例えば、Bluetooth、Zigbee、Wi―Fi)、またはより長距離のワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)技術(例えば、LTEなどの携帯技術、コネクテッド・カー・ワイヤレス・パケット・データ・ネットワーキング等)が含まれてもよい。更なる他の実施形態では、充電場所、利用可能性、および価格に関する情報を問い合わせるために、運転者または自動運転システムによって追加または補足の通信デバイスが用いられてもよい。
【0030】
図4は、例示的な実施形態における自動ワイヤレス充電に関連する電気車両システムを高レベルで示す。図に示すように、電気車両401は二次車両コイルアセンブリ402(この場合、単一のコイルユニット)を備えている。バッテリ管理システム(Battery Management System:BMS)409はバッテリ404の監視および管理を担う。アルゴリズムに基づいて、BMS409は、充電レベルと温度を監視しつつ、充電率を設定し個々のセル(またはセルバンク)の充電/放電のバランスを調整することでパフォーマンスを管理し、範囲および寿命を最大化する。
【0031】
BMS409は、ダウンリンクデータリンク405およびアップリンクデータリンク406を介して送信されるメッセージングにより充電セッション(および関連する物流、課金、およびセンサ読み取り)を制御するものであり、ダウンリンクデータリンク405およびアップリンクデータリンク406は二次アセンブリ402によって提供される誘導通信トランシーバシステムによりサポートされている。BMS409のデータストアには、識別および許可情報、バッテリ電圧、および最大電流レベル設定が含まれる。ワイヤレス充電コントローラ403は、例えば有線または無線のコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バスとして実装され得るデータリンク407を介して、車両ネットワークと誘導通信トランシーバシステムとを変換し橋渡しするように機能する。BMS409は、有線(または無線)接続410を介してバッテリ404からのセンサデータを測定する。
【0032】
二次車両コイルアセンブリ402は、高電流バス408を介してバッテリパック404に直流電流を届ける。バッテリパック404が十分に充電されている場合、待ち列内にあり位置合わせされ、充電ポイントの一次アセンブリと通信している間、電流を、通信、エンターテイメント、および環境制御などの車両401の車載システムに回し、またはそれら車載システムと共有してもよい。
【0033】
図5は、例示的な実施形態において、待ち列中の電気車両の自動ワイヤレス充電を促進するためのシステム間シグナリングの例を示す。具体的には、図5は、交通待ち列内の自動充電に関連する機能エンティティ間でのメッセージングの時間順序付けられたシーケンスを示す。
【0034】
セットアップフェーズ501は、EVの位置合わせおよび充電ステーションの外部にあるエンティティとの通信の確立を含む。エンティティには、全てのEVに関連する暗号化サーバ、認証(Authentication)サーバ、許可(Authorization)サーバ、会計サーバおよび管理サーバと、EV充電に関連するデータリポジトリが含まれる。セットアップフェーズ501中に、充電ポイントクラスタ(例えば、図2の207または208)は、1若しくはそれ以上の誘導ビーコンをブロードキャストする。このビーコンは、二次車両コイルクラスタの1若しくはそれ以上のメンバーにより受信される。一次地上コイルアセンブリと二次車両コイルアセンブリとの間の位置合わせが達成されると、EVの二次車両コイルクラスタはBMS409(図4)に通知する。少なくとも車両識別子と充電許容量を用いて充電を開始する前に、暗号化認証および許可操作502が必要である。
【0035】
認証および許可(Auth)フェーズ502は、外部許可サーバとのメッセージングの交換を含む(図7を参照)。充電(したがって課金)の許可が成功するかどうかは、安全なリンクを介した外部許可サーバとの(この例ではBMS409に格納されている)EV情報の交換に依る。この実施形態で使用され得る外部サーバおよびデータリポジトリにアクセスするためのプロトコルの一例としては、ISO/DIS15118―20規格草案「車両対グリッド通信インターフェース―パート20:第2世代ネットワークおよびアプリケーションプロトコルの要件」がある。
【0036】
ISO15118規格には、許可フェーズをセットアップフェーズのメッセージングへ結合した課金許可の自動化方法が含まれている。15118の以前の版で「プラグ&充電」と呼ばれていたこの方法は、トランスポート層(トランスポート層セキュリティ(Transport Layer Security:TLS))およびアプリケーション層(デジタルXMLベースの署名およびデジタル証明書を使用)で暗号化セキュリティメカニズムを有効にし、それにより、セットアップメッセージングが黙示的認証および許可を含むことができる。ISO15118規格を実装する実施形態では、別個の許可フェーズは必要ない場合がある。
【0037】
Authフェーズ502が完了すると、地上側コイルアセンブリ(GA)としても知られる充電ポイント(CP)が、必要とされる電圧および電流まで通電される。この例では、GAは1若しくはそれ以上の一次地上コイルアセンブリのクラスタであり、当該一次地上コイルアセンブリのクラスタはエネルギーを伝送し、対応する二次車両コイルアセンブリクラスタと共にデュプレックス通信トランシーバ機能を提供する。車両アセンブリ(VA)としても知られる二次車両コイルアセンブリは、車両に搭載された1若しくはそれ以上の二次車両コイルアセンブリのクラスタであり、当該1若しくはそれ以上の二次車両コイルアセンブリのクラスタは、エネルギーを受け取り、対応する一次アセンブリクラスタと共にデュプレックス通信トランシーバ機能を提供する。充電中、VAは電力を受け取り、バッテリシステムを充電し、EVバッテリシステムに電力を供給する。
【0038】
充電フェーズ503は、バッテリパック404が十分に充電されるか、BMS409が充電を停止するよう信号を送るか、または車両が充電ポイント(例えば、図2の207または208)から走り去るまで続く。車両側で提供される走り去り検出としては、1)ギアがパーキングからシフトされた、2)ギアがパーキングからシフトされ、ブレーキ表示がオンからオフに切り替わった、3)加速度センサが閾値を超える動きを感知した、4)BMS409が充電を停止する信号を送信する、および/または5)運転者または運転システムが充電を停止する信号を送信する、といった検出を含むことができる。地上側の走り去り検出としては、GAが充電信号の変化(例えば、一次コイル電流の増加など)を介して位置合わせの変化を検出する、GAがデュプレックス誘導通信システムを介して位置合わせの変化、または信号損失に至るまでの誘導通信のビットエラー率の低下を検出するといった検出を含むことができる。
【0039】
充電フェーズ503が完了すると、終了ステージ504が開始される。終了ステージ504では、課金関連情報が送信され、充電の許可が終了し、ローカルおよび外部のデータベースがデータおよび統計的パフォーマンス情報により更新され、最後に暗号化されたデータリンクがシャットダウンされる。課金関連情報には、供給される電気エネルギー、車両または場所の定格情報、充電レーンの料金、充電ポイントごとの(充電セッションごとの)時間、充電ポイントごと(充電セッションごと)の供給電力、集約された合計充電時間、集約された合計充電時間、および/または定額充電費用が含まれてよい。パフォーマンス情報には、温度測定値、(セッションごとの)充電時間、集約された合計充電時間、充電レベル、電圧、電流、および/またはセッションごとの電力、または複数の連続するセッションおよび充電ポイントにわたる集約された電力が含まれてもよい。
【0040】
図6は、自動ワイヤレス充電を促進するためのシステム間シグナリングの例であって、車両アセンブリが課金のために事前に許可されている場合を示す。具体的には、図6は、自動非接触式ワイヤレス充電を用いるEVの許可および課金に関するメッセージング方法を示す。
【0041】
図5に関して説明したように、交通待ち列充電のための独立した充電ポイントの利用は、交通待ち列中の各充電セッションで必要な同じセットアップメッセージングによる充電セッションの集約を含む。独立した充電ポイントの配置は、複雑さが軽減される点や、電気車両がどの充電ポイントでも待ち列に出入りでき、待ち列がすぐに空になる場合は充電ポイントをスキップできる点で有用的である。
【0042】
誰でも無料で充電できる場合を除いて、課金を可能にするためには充電に許可が必要なことが理解されよう。図6において、「エッジ」または「ローカル」許可デバイスでの調整またはキャッシングは充電セッション間で維持することができる。
【0043】
図5に示すように、図6の実施形態のセットアップフェーズ601は、EVの位置合わせと、充電ステーションの外部にあるエンティティとの通信の確立とを含む。Authフェーズ602は、外部許可サーバとのメッセージング交換を含む。ただし、2~Nのワイヤレス充電ポイントが待ち列にある場合、第1のワイヤレス充電ポイントが充電の許可を完了し、第1の充電セッション604を開始すると、ローカルまたはエッジ許可サーバ603は、EVが充電エリアから出るまで、またはタイムアウトするまで許可パーミッションをキャッシュに保持する。代替的に、上述したように、許可フェーズをセットアップフェーズのメッセージングに組み合わせる自動化された課金許可方法を用いてもよい。EVが同じレーンまたは異なるレーンにある第2の充電ポイントへ待ち列内を進行し、第2の充電セッション605が開始されると、キャッシングされた許可が用いられ、それにより、後続の各充電セッションのメッセージングおよびセットアップ時間の削減が可能になる。この例では、許可は、最後の充電セッション606が完了するまで持続し、その後、ローカル許可サーバ603が、許可された各セッションからの集約された充電データを用いてトランザクションを完了させる。これにより、待ち列内の各パッドに対するローカル許可サーバ603への余分な呼び出しが削除される。最後の充電セッション606が完了すると、終了ステージ607が開始される。終了ステージ607中に、課金関連情報(例えば、集約された充電情報)が送信され、充電の許可が終了し、ローカルおよび外部のデータベースがデータおよび統計的パフォーマンス情報で更新され、最後に暗号化されたデータリンクがシャットダウンされる。
【0044】
図7は、例示的な実施形態における非接触式自動ワイヤレス充電を備えた交通待ち列充電ステーションの複数の地上充電アセンブリのための制御システムを示す。
【0045】
この例において充電ステーションサーバ701には、電源702および703、内部通信リンク704、705および706、ワイヤレス充電ポイント707、ならびに充電ステーション708の外部にあるエンティティ(サーバ、データリポジトリ)への相互接続を管理するソフトウェアが含まれる。
【0046】
データベースサーバ712は、充電ステーション708の外部にあり、(例えば、地理的、全国的、大陸的、世界的)サービスエリアにわたり1若しくはそれ以上の充電ステーション708に供する。車両データおよび課金許可データは、データベースサーバ712によってアクセス可能なデータベース713に格納される。このデータベースサーバは、任意選択で地理情報システム(GIS)やサービス交換(例えば、到着時間、充電計画、充電セッションのスケジュール、および、匿名化と抽象化によりフリートプロバイダー全体のプライバシーを維持しつつ、積み込み/積み下ろし速度やその他のサービスの追跡)を収容して、充電場所やサービスへのアクセスを可能にし、また充電器予約システムをサポートする。デジタル・データ・ネットワーク714は、充電ステーションサーバ701または任意選択的な中間サーバ711からデータベースサーバ712へのアクセスを可能にする。
【0047】
充電ステーション708内の待ち列構造707の各充電ポイントには、給電部709を介して第1の電源702から、または給電部710を介して第2の電源703から電力が供給される。第1の電源702はデジタルデータリンク704を用いてステータスおよびアラームを充電ステーションサーバ701に通信する。第2の電源703も同様にデジタルデータリンク705を用いてステータスおよびアラームを充電ステーションサーバ701に通信する。充電ステーションサーバ701は、充電セッション中にそれぞれのデータリンク704および705を用いて、開始、充電レベル、および終了コマンドを第1の電源702および第2の電源703に送る。
【0048】
EV運転システム(またはワイヤレスデータ装置を用いるEV運転者)間の予約セッションまたは情報セッションは、陸側パケットネットワーク714を介してリモートサービス交換機712またはローカル・サービス・サーバ701へ接続された、基地局715として本明細書に示される広域ワイヤレス・アクセス・ネットワーク(例えば携帯電波)を通じて有効になる。ローカルサービス交換サーバ701は、データリンク717を介してローカルサーバ701に接続されたローカル・ワイヤレス・ロケーション・アクセス・ネットワーク技術(例えば、IEEE802.11Wi―Fiアクセスポイント716)を任意選択でサポートしてもよい。
【0049】
更なる実施形態
タクシー車両が「直列待ち列」(WPTレーンまたはWPTレーンのセット)で充電している場合、WPT充電により、待ち列に並んでいる車両が列中で前に進む際、電力網が変動する可能性がある。これらの変動は充電セッションの開始時および終了時の両方で発生する可能性がある。
【0050】
充電車両の整備によるこれらの変動は、短い待ち列では問題とならないと予想されるが、(並列レーンの数および充電器が備えられたレーンの長さの両方で)待ち列が大きくなるにつれて悪化することが予想される。電力需要の変動の問題は、WPT積み込みドックやその他の終結された大規模なWPT配備だけでなく、大規模な駅(depot)レベルの充電ステーションでも発生する可能性がある。
【0051】
一実施形態において、バッテリを搭載した局所的な電力網蓄電システム(図示せず)により、電力網から見られる影響を平衡化/平準化する。蓄電ソリューションは、化学電池、固体電池、または容量ベースとすることができる。充電ステーション708を小規模電力網へ分離することによって、蓄電システムはより大きな電力網に対するローカル需要を和らげるのに役立つ。
【0052】
第2の実施形態において、ローカルサーバ701の制御下で、充電ポイント707での(位置合わせ後の)充電開始時間および充電速度を調整することで過度に大きく望ましくない電力需要の変動を防ぐことができる。
【0053】
他の実施形態では、待ち列への充電ポイント707の配置を幾何学的に分散させて、アクティブな充電に関与する充電ポイントの数を制限することができる。可能な形状には、より小さい間隔(例えば、平均車両長の1/2)またはより大きい間隔(例えば、平均車両長の1.5倍)が含まれる。充電ポイントのこの幾何学的分布は、レーンごとに、または同じレーン内であっても、同時に進入する、充電する、または充電ステーション708内の充電ポイント707間を移動する車両の数を制限するように変更することができる。
【0054】
他の実施形態では、充電ポイントの並列待ち列は、電力変動を制限する分離された電源703を有してもよい。
【0055】
また、代替実施形態は(組み合わせて使用することもできるが)、充電ポイント707へのEVの移動および充電ポイント707間のEVの移動を調整するために、誘導通信システム上で、短距離WLANアクセスポイント716で、または広域電波通信システム基地局715で、照明付きレーンシグナリング装置(例えば信号機)または(ローカルサーバ701とEVベースの運転者または運転システムとの間における)電波通信を使用すること含む。電力変動制御について説明される上記諸実施形態は、個別に実行することができ、あるいは、電力変動制御のために同じ充電ステーション708配置で使用される一部またはすべての実施形態により実行することができる。
【0056】
他の実施形態では、旅客バスも待ち列を形成し得る。一般的な例として空港を用いると、乗客は航空路線のゲートや手荷物の受け取りからの様々な出入り口に分散している。通常、シャトルバスは乗客の需要の急増を待って車両基地内で待機するため、乗客の乗車場所と降車場所で待機するだけでなく、車両基地内で配車を待つ際にも、かなりの時間をアイドル状態で過ごすことがある。
【0057】
更なる他の実施形態では、貨物車両も、乗客降車地点、ダンプサイト、または積み込みドックで順番を待つ待ち列を形成し得る。
【0058】
更なる他の実施形態では、EVと充電ステーション間における事前の充電通信により、複数の交通待ち列についてインテリジェント管理が可能になる。バッテリ充電状態が低い車両ほど、より遅い充電レーンに導かれてもよい(その充電レーンは更なる充電ポイントを装備してもよい)。
【0059】
結論
上記で様々な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例示的な目的のみで提示されているものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上述したシステムおよび方法に関連する要素のいずれも上述した望ましい機能のうちの任意の機能を採用することができる。したがって、好適な実施形態の広がりおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のうちの任意の実施形態によって限定されるべきではない。
【0060】
本明細書で説明するように、本明細書に記載の方法の態様を実施するロジック、コマンド、または命令は、デスクトップまたはノートブック・パーソナル・コンピュータ、モバイルデバイス、例えばタブレット、ネットブック、およびスマートフォンなど、クライアント端末およびサーバホストのマシンインスタンスなどのコンピュータシステムのための任意の数のフォームファクタを含むコンピュータシステムにおいて提供されてもよい。本明細書で説明する他の実施形態は、本明細書で説明する技術を、他の形態のプログラムされたロジック、ハードウェア構成、または専用コンポーネント若しくはモジュールを含む他の形態に組み込むことを含み、そのような技術の機能を実行するためのそれぞれの手段を備えた装置を含む。そのような技術の機能を実装するために用いられるそれぞれのアルゴリズムは、本明細書で説明する電子的動作の一部または全てのシーケンス、または添付の図面および以下の詳細な説明に示す他の態様を含んでもよい。本明細書に記載の方法を実行するための命令を含むそのようなシステムおよびコンピュータ可読媒体もまた、例示的な実施形態を構成する。
【0061】
一実施形態において、図4図7に関して本明細書で説明される充電機能はソフトウェアにおいて実施することができる。このようなソフトウェアは、ローカルまたはネットワーク上の、1若しくはそれ以上の非一時的メモリなどのコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読記憶装置または他のタイプのハードウェアベースの記憶装置に格納されたコンピュータにより実行可能な命令を有することができる。また、そのような機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとし得るモジュールに対応する。必要に応じて、複数の機能を1若しくはそれ以上のモジュールで実行してもよく、記載される実施形態は単なる例に過ぎない。ソフトウェアは、デジタル信号プロセッサ、ASIC、マイクロプロセッサ、または、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ、若しくは他のコンピュータシステムなどのコンピュータシステム上で動作するその他のタイプのプロセッサで実行することができ、そのようなコンピュータシステムを特別にプログラム設定された機械に変化させることもできる。
【0062】
本明細書に記載の例は、プロセッサ、ロジック、またはいくつかのコンポーネント、モジュール、若しくはメカニズム(本明細書では「モジュール」)を含んでもよく、またはそれらの上で動作させることができる。モジュールは、指定された操作を実行できる有形の実体(ハードウェアなど)であり、特定の方法で構成または配置し得る。一例において、回路は、モジュールとして指定された方法で(例えば、内部的に、または他の回路などの外部エンティティに関連して)配置され得る。一例において、1若しくはそれ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント若しくはサーバ・コンピュータ・システム)または1若しくはそれ以上のハードウェアプロセッサの全体または一部は、ファームウェアまたはソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分、またはアプリケーション)によって指定された操作を実行するように動作するモジュールとして構成され得る。一例において、ソフトウェアはマシン可読媒体に常駐していてもよい。ソフトウェアは、モジュールの基盤となるハードウェアによって実行されると、前記指定された動作をハードウェアに実行させる。
【0063】
したがって、「モジュール」という用語は、指定された方法で動作し、または本明細書に記載されている動作の一部または全てを実行するために、物理的に構築された、特別に構成された(例えば、ハードワイヤード)、または一時的に(例えば、一時的に)構成された(例えば、プログラムされた)エンティティである、有形のハードウェアおよび/またはソフトウェアエンティティを包含すると理解される。モジュールが一時的に構成される例では、各モジュールは任意の時点でインスタンス化する必要がない。例えば、モジュールがソフトウェアを用いて構成された汎用ハードウェアプロセッサを有する場合、汎用ハードウェアプロセッサは異なる時点でそれぞれの異なるモジュールとして構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、或る時点で特定のモジュールを構成し、異なる或る時点で異なるモジュールを構成するように、ハードウェアプロセッサを構成することができる。
【0064】
当業者であれば、本明細書に含まれる開示は車両への電力の供給に関することが理解されるであろうが、これは多くの可能な用途のうちの1つに過ぎず、車両以外の用途を含む他の実施形態も可能であることを理解されたい。例えば、当業者であれば、顧客が待ち列で待機し、顧客が待ち列を通過する際に顧客の電子デバイスに充電を提供することが望まれる多数の用途があることを理解するであろう。例えば、歯ブラシ、携帯電話、及びその他のデバイスを充電するのに使用されるもの(例えば、PowerMat(商標))など、誘導式携帯式コンシューマ電子デバイス充電器は、本明細書に記載されるように管理されてもよい。したがって、これらおよびその他のそのような用途は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
交通待ち列(Traffic Queues)は、交通スタンドとしても知られ、輸送ハブ(例えば、空港、鉄道駅、ホテルの私道、駅、地下鉄の駅、バス停、船乗り場など)などの交通量の多い場所や交通量の多い目的地(ホテル、ショッピングプラザ、イベントセンターなど)で乗客や貨物の積み下ろしに使用される。このような施設は通常、商用車両用に予約されており、多くの場合、種々の車両タイプ(例えばタクシーレーン、バスレーンなど)のための特定のレーンを含む。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 中国特許出願公開第108407640号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2019/0217718号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2012/0203410号明細書
【国際調査報告】