(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】懸濁液ベースの薄膜凍結を用いて乾燥粉末を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/12 20060101AFI20240228BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240228BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240228BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240228BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240228BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240228BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20240228BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240228BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20240228BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240228BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20240228BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20240228BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240228BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20240228BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240228BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A61K9/12
A61K9/14
A61K47/18
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/32
A61P31/10
A61P37/06
A61P33/00
A61K31/506
A61K31/706
A61K31/167
A61K9/48
A61K9/19
A61K47/42
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555538
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022020037
(87)【国際公開番号】W WO2022192729
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500039463
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 West 7th Street Austin,Texas 78701 U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】522107795
【氏名又は名称】ティーエフエフ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ ザ サード ロバート オー.
(72)【発明者】
【氏名】サハキピジャーン サウィトリー
(72)【発明者】
【氏名】ムン チェホ
(72)【発明者】
【氏名】コレング ジュニア ジョン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA24
4C076AA31
4C076AA53
4C076AA93
4C076BB21
4C076BB27
4C076CC07
4C076CC31
4C076CC34
4C076DD38
4C076DD51
4C076EE16
4C076EE30
4C076EE41
4C076FF68
4C076GG06
4C076GG08
4C084AA17
4C084MA13
4C084MA41
4C084MA44
4C084MA55
4C084MA56
4C084NA10
4C084ZB08
4C084ZB32
4C084ZB39
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC47
4C086EA04
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA44
4C086MA55
4C086MA56
4C086NA10
4C086ZB08
4C086ZB32
4C086ZB39
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA07
4C206GA31
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA57
4C206MA61
4C206MA64
4C206NA10
4C206ZB08
4C206ZB32
4C206ZB39
(57)【要約】
いくつかの局面では、本開示は、吸入可能な組成物を得るために、懸濁液ベースの薄膜凍結法を用いて薬学的組成物を調製する方法を提供する。これらの組成物は、従来の方法を用いて調製された組成物と比較してより高い均質性を有し得る。これらの組成物を用いて1つまたは複数の疾患または障害を治療し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)溶媒中の薬学的有効成分の溶液を得る工程;
(B)該混合物に担体を加えて分散物を得る工程;
(C)前記分散物を表面に付着させる工程;
(D)前記分散物が凍結するように前記分散物を低下した温度に供して、凍結分散物を得る工程;および
(E)前記凍結分散物を乾燥プロセスに供して薬学的組成物を得る工程
を含む、薬学的組成物を調製する方法であって、
前記薬学的組成物が、担体表面に前記薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、前記薬学的組成物が単一粒子に前記薬学的有効成分と前記担体との両方を含む、前記方法。
【請求項2】
前記分散物が、追加的な賦形剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記賦形剤がアミノ酸である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記アミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記アミノ酸がロイシンまたはトリロイシンである、請求項3または請求項4のいずれか記載の方法。
【請求項6】
前記薬学的組成物が前記賦形剤を約0.05%w/w~約50%w/w含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記薬学的組成物が前記賦形剤を約1%w/w~約15%w/w含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記薬学的組成物が前記賦形剤を約2.5%w/w~約10%w/w含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記担体が糖または糖アルコールである、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
前記糖が多糖類である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記多糖類がラクトースである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記担体が前記溶媒に難溶性である、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記担体がわずかに可溶性である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記担体が非常にわずかに可溶性である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記担体が実質的に不溶性である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記分散物が懸濁液である、請求項1~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも60%含む、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも80%含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも90%含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも95%含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも98%含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記担体を少なくとも99%含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも60%含む、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも80%含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも90%含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも95%含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも98%含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも99%含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記薬学的組成物が前記担体を約50%w/w~約99%w/w含む、請求項1~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記薬学的組成物が前記担体を約60%w/w~約95%w/w含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記薬学的組成物が前記担体を約65%w/w~約90%w/w含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記混合物が、薬学的に許容されるポリマーをさらに含む、請求項1~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
前記薬学的に許容されるポリマーが非セルロース系非イオン性ポリマーである、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記非セルロース系非イオン性ポリマーがポリビニルピロリドンである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記薬学的に許容されるポリマーが、約5,000~約100,000の分子量を有する、請求項32~34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
前記分子量が約10,000~約50,000である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記分子量が約20,000~約30,000である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記薬学的組成物が、前記薬学的に許容されるポリマーを約0.5%w/w~約20%w/w含む、請求項1~37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
前記薬学的組成物が、前記薬学的に許容されるポリマーを約1%w/w~約15%w/w含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記薬学的組成物が、前記薬学的に許容されるポリマーを約2.5%w/w~約10%w/w含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記溶媒が有機溶媒である、請求項1~40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
前記有機溶媒が極性非プロトン性溶媒である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記有機溶媒がアセトニトリル、tert-ブタノール、または1,4-ジオキサンである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記溶媒が1,4-ジオキサンまたはアセトニトリルである、請求項1~42のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
前記溶媒が1,4-ジオキサンとアセトニトリルとの混合物である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記溶媒がt-ブタノールとアセトニトリルとの混合物である、請求項43記載の方法。
【請求項47】
前記薬学的有効成分が、抗がん剤、抗真菌剤、鎮痛剤などの精神薬、麻酔薬もしくは催眠薬などの意識レベル変更剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、駆虫薬、抗ニキビ薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗良性前立腺肥大症薬、抗凝固剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗痛風薬、降圧剤、抗炎症薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン剤、抗悪性腫瘍剤、抗肥満薬、抗骨粗鬆症薬、抗パーキンソン病薬、抗増殖薬、抗原虫薬、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗尿失禁剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、食欲抑制剤、β遮断薬、強心薬、化学療法剤、認知増強剤、避妊薬、コルチコステロイド、Cox-2阻害物質、利尿薬、勃起不全改善剤、去痰剤、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗物質、免疫抑制剤、角質溶解剤、脂質調節剤、ロイコトリエン阻害物質、マクロライド、筋弛緩剤、神経弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、プロテアーゼ阻害物質、または鎮静剤より選択される、請求項1~46のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
前記薬学的有効成分が抗真菌剤である、請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記抗真菌剤がアゾール抗真菌剤である、請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記アゾール抗真菌剤がボリコナゾールである、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記薬学的有効成分が免疫調節剤である、請求項47記載の方法。
【請求項52】
前記免疫調節剤が免疫抑制剤である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記免疫調節剤がタクロリムスである、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記薬学的有効成分が駆虫薬である、請求項47記載の方法。
【請求項55】
前記駆虫薬がニクロサミドである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも60%含む、請求項1~55のいずれか一項記載の方法。
【請求項57】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも80%含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも90%含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも95%含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも98%含む、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記薬学的組成物が、非晶質形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも99%含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも60%含む、請求項1~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも80%含む、請求項56記載の方法。
【請求項64】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも90%含む、請求項57記載の方法。
【請求項65】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも95%含む、請求項58記載の方法。
【請求項66】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも98%含む、請求項59記載の方法。
【請求項67】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記薬学的有効成分を少なくとも99%含む、請求項60記載の方法。
【請求項68】
前記薬学的組成物が前記薬学的有効成分を約1%w/w~約50%w/w含む、請求項1~67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
前記薬学的組成物が前記薬学的有効成分を約2.5%w/w~約40%w/w含む、請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記薬学的組成物が前記薬学的有効成分を約5%w/w~約35%w/w含む、請求項69記載の方法。
【請求項71】
第1低下温度まで冷却された表面を用いる工程をさらに含む、請求項1~70のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
前記第1低下温度が約25℃~約-190℃である、請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記第1低下温度が約-20℃~約-120℃である、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記第1低下温度が約-60℃~約-90℃である、請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記表面が、ある速度で回転する、請求項1~74のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
前記速度が約5rpm~約500rpmである、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記速度が約50rpm~約250rpmである、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記速度が約50rpm~約150rpmである、請求項77記載の方法。
【請求項79】
前記分散物が、約1cm~約250cmの高さから前記表面に付着される、請求項1~78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
前記高さが約2.5cm~約100cmである、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記高さが約5cm~約50cmである、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記乾燥プロセスが凍結乾燥を含む、請求項1~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
前記乾燥プロセスが、2つの乾燥サイクルを含む、請求項1~82のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
第1乾燥サイクルが、約0℃~約-120℃の第1温度で乾燥させることを含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記第1温度が、約-10℃~約-80℃の温度である、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記第1温度が、約-20℃~約-60℃の温度である、請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記第1乾燥サイクルが、減圧下で乾燥させることを含む、請求項83~86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
減圧圧力が、約10mTorr~約500mTorrの第1圧力である、請求項87記載の方法。
【請求項89】
前記第1圧力が約25mTorr~約250mTorrである、請求項88記載の方法。
【請求項90】
前記第1圧力が約50mTorr~約150mTorrである、請求項89記載の方法。
【請求項91】
第2乾燥サイクルが、約0℃~約80℃の第2温度で乾燥させることを含む、請求項83~90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
前記第2温度が、約10℃~約60℃の温度である、請求項91記載の方法。
【請求項93】
前記第2温度が、約20℃~約50℃の温度である、請求項92記載の方法。
【請求項94】
前記第2乾燥サイクルが、減圧下で乾燥させることを含む、請求項83~93のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
減圧圧力が、約10mTorr~約500mTorrの第2圧力である、請求項94記載の方法。
【請求項96】
前記第2圧力が約25mTorr~約250mTorrである、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前記第2圧力が約50mTorr~約150mTorrである、請求項96記載の方法。
【請求項98】
前記担体が、レーザー回折計によって測定された約0.1μm~約20μmのD
50粒度分布を有する、請求項1~97のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
前記D
50粒度分布が約0.5μm~約15μmである、請求項98記載の方法。
【請求項100】
前記D
50粒度分布が約1μm~約10μmである、請求項99記載の方法。
【請求項101】
前記担体が、レーザー回折計によって測定された約30μm~約150μmのD
50粒度分布を有する、請求項1~97のいずれか一項記載の方法。
【請求項102】
前記D
50粒度分布が約40μm~約125μmである、請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記D
50粒度分布が約70μm~約100μmである、請求項102記載の方法。
【請求項104】
前記D
50粒度分布が約40μm~約70μmである、請求項102記載の方法。
【請求項105】
前記薬学的組成物が、前記薬学的有効成分と前記担体との1つまたは複数の粒子を含み、前記粒子が凝集している、請求項1~104のいずれか1項記載の方法。
【請求項106】
前記薬学的組成物が、2つの形態を呈する粒子を含む、請求項1~105のいずれか1項記載の方法。
【請求項107】
第1形態が、前記薬学的有効成分と前記担体との1つまたは複数の粒子であり、前記粒子が凝集している、請求項106記載の方法。
【請求項108】
第2形態が、前記担体表面に付着した前記薬学的有効成分の1つまたは複数の別個のドメインを含む1つまたは複数の担体粒子である、請求項106または請求項107のいずれか記載の方法。
【請求項109】
前記別個のドメイン内の前記薬学的有効成分が、ナノ構造の凝集体として存在する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
前記薬学的組成物が、2m
2/gより大きい比表面積を有する、請求項1~109のいずれか1項記載の方法。
【請求項111】
前記比表面積が約2m
2/g~約100m
2/gである、請求項110記載の方法。
【請求項112】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約50m
2/gである、請求項111記載の方法。
【請求項113】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約25m
2/gである、請求項112記載の方法。
【請求項114】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約10m
2/gである、請求項113記載の方法。
【請求項115】
前記薬学的組成物が、前記担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、請求項1~114のいずれか一項記載の方法。
【請求項116】
前記薬学的組成物が、前記担体の比表面積よりも75%大きい比表面積を有する、請求項115記載の方法。
【請求項117】
前記薬学的組成物が、前記担体の比表面積よりも100%大きい比表面積を有する、請求項116記載の方法。
【請求項118】
前記薬学的組成物が、約1.0μm~約10.0μmの空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する、請求項1~117のいずれか一項記載の方法。
【請求項119】
前記MMADが約1.5μm~約8.0μmである、請求項118記載の方法。
【請求項120】
前記MMADが約2.0μm~約6.0μmである、請求項119記載の方法。
【請求項121】
前記薬学的組成物のMMADが、別の方法を用いて調製された同一の組成物のMMADよりも10%小さい、請求項1~120のいずれか一項記載の方法。
【請求項122】
前記薬学的組成物のMMADが25%小さい、請求項121記載の方法。
【請求項123】
前記薬学的組成物のMMADが50%小さい、請求項122記載の方法。
【請求項124】
前記薬学的組成物のMMADが100%小さい、請求項121記載の方法。
【請求項125】
前記薬学的組成物が、約1.0~約10.0の幾何標準偏差(GSD)を有する、請求項1~124のいずれか一項記載の方法。
【請求項126】
前記GSDが約1.25~約8.0である、請求項125記載の方法。
【請求項127】
前記GSDが約1.5~約6.0である、請求項126記載の方法。
【請求項128】
前記薬学的組成物が、
任意の別の方法に従って調製された薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションよりも10%大きい、回収量のうちの微粉末フラクション
を有する、請求項1~127のいずれか一項記載の方法。
【請求項129】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが15%大きい、請求項128記載の方法。
【請求項130】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが20%大きい、請求項129記載の方法。
【請求項131】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが25%大きい、請求項130記載の方法。
【請求項132】
前記薬学的組成物が、
30%より大きい、回収量のうちの微粉末フラクション
を有する、請求項1~131のいずれか一項記載の方法。
【請求項133】
前記回収量のうちの微粉末フラクションが40%より大きい、請求項132記載の方法。
【請求項134】
前記回収量のうちの微粉末フラクションが50%より大きい、請求項133記載の方法。
【請求項135】
前記薬学的組成物が、
70%より大きい、回収量のうちの放出量
を有する、請求項1~134のいずれか一項記載の方法。
【請求項136】
前記回収量のうちの放出量が80%より大きい、請求項135記載の方法。
【請求項137】
前記回収量のうちの放出量が90%より大きい、請求項136記載の方法。
【請求項138】
前記薬学的組成物が、
8%より小さい、前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)
を有する、請求項1~137のいずれか一項記載の方法。
【請求項139】
前記均質性の相対標準偏差が6%より小さい、請求項138記載の方法。
【請求項140】
前記均質性の相対標準偏差が4%より小さい、請求項139記載の方法。
【請求項141】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が、別の手段を用いて調製された薬学的組成物の均質性の相対標準偏差より50%小さい、請求項1~140のいずれか一項記載の方法。
【請求項142】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が100%小さい、請求項141記載の方法。
【請求項143】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が150%小さい、請求項142記載の方法。
【請求項144】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が200%小さい、請求項143記載の方法。
【請求項145】
前記薬学的組成物が、約95%~約105%の均質性を有する、請求項1~144のいずれか一項記載の方法。
【請求項146】
前記均質性が約97%~約103%である、請求項145記載の方法。
【請求項147】
前記均質性が約98%~約102%である、請求項146記載の方法。
【請求項148】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)が5%より小さい、請求項1~147のいずれか一項記載の方法。
【請求項149】
前記均質性の相対標準偏差(RSD)が3%より小さい、請求項148記載の方法。
【請求項150】
前記均質性の相対標準偏差(RSD)が1%より小さい、請求項149記載の方法。
【請求項151】
前記薬学的組成物が、ジェットミル粉砕によって調製された同一の薬学的組成物のものよりも10%より大きい臨界一次圧力を有する、請求項1~150のいずれか一項記載の方法。
【請求項152】
前記臨界一次圧力が25%より大きい、請求項151記載の方法。
【請求項153】
前記臨界一次圧力が50%より大きい、請求項152記載の方法。
【請求項154】
前記担体が、25%より小さいカー指数を有する、請求項1~153のいずれか一項記載の方法。
【請求項155】
前記カー指数が20%より小さい、請求項154記載の方法。
【請求項156】
前記カー指数が15%より小さい、請求項155記載の方法。
【請求項157】
前記担体が、250g/Lより大きいタップ密度を有する、請求項1~156のいずれか一項記載の方法。
【請求項158】
前記タップ密度が400g/Lより大きい、請求項157記載の方法。
【請求項159】
前記タップ密度が500g/Lより大きい、請求項158記載の方法。
【請求項160】
前記担体が、約250g/L~約1500g/Lのタップ密度を有する、請求項1~159のいずれか一項記載の方法。
【請求項161】
前記タップ密度が約400g/L~約1250g/Lである、請求項160記載の方法。
【請求項162】
前記タップ密度が約500g/L~約1000g/Lである、請求項161記載の方法。
【請求項163】
前記担体が、100g/Lより大きい注入密度を有する、請求項1~162のいずれか一項記載の方法。
【請求項164】
前記注入密度が150g/Lより大きい、請求項163記載の方法。
【請求項165】
前記注入密度が250g/Lより大きい、請求項164記載の方法。
【請求項166】
前記担体が、約100g/L~約1500g/Lの注入密度を有する、請求項1~165のいずれか一項記載の方法。
【請求項167】
前記注入密度が約200g/L~約1250g/Lである、請求項166記載の方法。
【請求項168】
前記注入密度が約250g/L~約1000g/Lである、請求項167記載の方法。
【請求項169】
請求項1~168のいずれか1項に従って調製された薬学的組成物。
【請求項170】
(A)薬学的有効成分と、
(B)担体と
を含む薬学的組成物であって、
担体表面に前記薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に前記薬学的有効成分と前記担体との両方を含み、前記担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、前記薬学的組成物。
【請求項171】
追加的な賦形剤をさらに含む、請求項170記載の薬学的組成物。
【請求項172】
前記賦形剤がアミノ酸である、請求項171記載の薬学的組成物。
【請求項173】
前記アミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項172記載の薬学的組成物。
【請求項174】
前記アミノ酸がロイシンである、請求項172または請求項173のいずれか記載の薬学的組成物。
【請求項175】
前記賦形剤を約0.5%w/w~約20%w/w含む、請求項170~174のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項176】
前記賦形剤を約1%w/w~約15%w/w含む、請求項175記載の薬学的組成物。
【請求項177】
前記賦形剤を約2.5%w/w~約10%w/w含む、請求項176記載の薬学的組成物。
【請求項178】
前記担体が糖または糖アルコールである、請求項170~174のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項179】
前記糖が多糖類である、請求項178記載の薬学的組成物。
【請求項180】
前記多糖類がラクトースである、請求項179記載の薬学的組成物。
【請求項181】
非晶質形態の前記担体を少なくとも60%含む、請求項170~180のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項182】
非晶質形態の前記担体を少なくとも80%含む、請求項181記載の薬学的組成物。
【請求項183】
非晶質形態の前記担体を少なくとも90%含む、請求項182記載の薬学的組成物。
【請求項184】
非晶質形態の前記担体を少なくとも95%含む、請求項183記載の薬学的組成物。
【請求項185】
非晶質形態の前記担体を少なくとも98%含む、請求項184記載の薬学的組成物。
【請求項186】
非晶質形態の前記担体を少なくとも99%含む、請求項185記載の薬学的組成物。
【請求項187】
結晶性形態をとる前記担体を少なくとも60%含む、請求項170~180のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項188】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも80%含む、請求項187記載の方法。
【請求項189】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも90%含む、請求項188記載の方法。
【請求項190】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも95%含む、請求項189記載の方法。
【請求項191】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも98%含む、請求項190記載の方法。
【請求項192】
前記薬学的組成物が、結晶性形態をとる前記担体を少なくとも99%含む、請求項191記載の方法。
【請求項193】
前記担体を約50%w/w~約99%w/w含む、請求項170~192のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項194】
前記担体を約60%w/w~約95%w/w含む、請求項193記載の薬学的組成物。
【請求項195】
前記担体を約65%w/w~約90%w/w含む、請求項194記載の薬学的組成物。
【請求項196】
薬学的に許容されるポリマーをさらに含む、請求項170~195のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項197】
前記薬学的に許容されるポリマーが非セルロース系非イオン性ポリマーである、請求項196記載の薬学的組成物。
【請求項198】
前記非セルロース系非イオン性ポリマーがポリビニルピロリドンである、請求項197記載の薬学的組成物。
【請求項199】
前記薬学的に許容されるポリマーが、約5,000~約100,000の分子量を有する、請求項196~198のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項200】
前記分子量が約10,000~約50,000である、請求項199記載の薬学的組成物。
【請求項201】
前記分子量が約20,000~約30,000である、請求項200記載の薬学的組成物。
【請求項202】
前記薬学的に許容されるポリマーを約0.5%w/w~約20%w/w含む、請求項170~201のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項203】
前記薬学的に許容されるポリマーを約1%w/w~約15%w/w含む、請求項202記載の薬学的組成物。
【請求項204】
前記薬学的に許容されるポリマーを約2.5%w/w~約10%w/w含む、請求項203記載の薬学的組成物。
【請求項205】
前記薬学的有効成分が、抗がん剤、抗真菌剤、鎮痛剤などの精神薬、麻酔薬もしくは催眠薬などの意識レベル変更剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、駆虫薬、抗ニキビ薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗良性前立腺肥大症薬、抗凝固剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗痛風薬、降圧剤、抗炎症薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン剤、抗悪性腫瘍剤、抗肥満薬、抗骨粗鬆症薬、抗パーキンソン病薬、抗増殖薬、抗原虫薬、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗尿失禁剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、食欲抑制剤、β遮断薬、強心薬、化学療法剤、認知増強剤、避妊薬、コルチコステロイド、Cox-2阻害物質、利尿薬、勃起不全改善剤、去痰剤、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗物質、免疫抑制剤、角質溶解剤、脂質調節剤、ロイコトリエン阻害物質、マクロライド、筋弛緩剤、神経弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、プロテアーゼ阻害物質、または鎮静剤より選択される、請求項170~204のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項206】
前記薬学的有効成分が抗真菌剤である、請求項205記載の薬学的組成物。
【請求項207】
前記抗真菌剤がアゾール抗真菌剤である、請求項206記載の薬学的組成物。
【請求項208】
前記アゾール抗真菌剤がボリコナゾールである、請求項207記載の薬学的組成物。
【請求項209】
前記薬学的有効成分が免疫調節剤である、請求項205記載の薬学的組成物。
【請求項210】
前記免疫調節剤が免疫抑制剤である、請求項209記載の薬学的組成物。
【請求項211】
前記免疫抑制剤がタクロリムスである、請求項210記載の薬学的組成物。
【請求項212】
前記薬学的有効成分が駆虫薬である、請求項205記載の薬学的組成物。
【請求項213】
前記駆虫薬がニクロサミドである、請求項212記載の薬学的組成物。
【請求項214】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも60%含む、請求項170~213のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項215】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも80%含む、請求項214記載の薬学的組成物。
【請求項216】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも90%含む、請求項215記載の薬学的組成物。
【請求項217】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも95%含む、請求項216記載の薬学的組成物。
【請求項218】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも98%含む、請求項217記載の薬学的組成物。
【請求項219】
非晶質形態の前記薬学的有効成分を少なくとも99%含む、請求項218記載の薬学的組成物。
【請求項220】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも60%含む、請求項170~211のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項221】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも80%含む、請求項214記載の薬学的組成物。
【請求項222】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも90%含む、請求項215記載の薬学的組成物。
【請求項223】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも95%含む、請求項216記載の薬学的組成物。
【請求項224】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも98%含む、請求項217記載の薬学的組成物。
【請求項225】
結晶性形態の前記薬学的有効成分を少なくとも99%含む、請求項218記載の薬学的組成物。
【請求項226】
前記薬学的有効成分を約1%w/w~約50%w/w含む、請求項170~225のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項227】
前記薬学的有効成分を約2.5%w/w~約40%w/w含む、請求項226記載の薬学的組成物。
【請求項228】
前記薬学的有効成分を約5%w/w~約35%w/w含む、請求項227記載の薬学的組成物。
【請求項229】
前記担体が、レーザー回折計によって測定された約0.1μm~約20μmのD
50粒度分布を有する、請求項170~228のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項230】
前記D
50粒度分布が約0.5μm~約15μmである、請求項229記載の薬学的組成物。
【請求項231】
前記D
50粒度分布が約1μm~約10μmである、請求項230記載の薬学的組成物。
【請求項232】
前記担体が、レーザー回折計によって測定された約30μm~約150μmのD
50粒度分布を有する、請求項170~66のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項233】
前記D
50粒度分布が約40μm~約125μmである、請求項232記載の薬学的組成物。
【請求項234】
前記D
50粒度分布が約70μm~約100μmである、請求項233記載の薬学的組成物。
【請求項235】
前記D
50粒度分布が約40μm~約70μmである、請求項233記載の薬学的組成物。
【請求項236】
前記薬学的有効成分と前記担体との1つまたは複数の粒子を含み、前記粒子が凝集している、請求項170~235のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項237】
2つの形態を呈する粒子を含む、請求項170~236のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項238】
第1形態が、前記薬学的有効成分と前記担体との1つまたは複数の粒子であり、前記粒子が凝集している、請求項237記載の薬学的組成物。
【請求項239】
第2形態が、前記担体表面に付着した前記薬学的有効成分の1つまたは複数の別個のドメインを含む1つまたは複数の担体粒子である、請求項237または請求項238のいずれか記載の薬学的組成物。
【請求項240】
前記別個のドメイン内の前記薬学的有効成分が、ナノ構造の凝集体として存在する、請求項239記載の薬学的組成物。
【請求項241】
2m
2/gより大きい比表面積を有する、請求項170~240のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項242】
前記比表面積が約2m
2/g~約100m
2/gである、請求項241記載の薬学的組成物。
【請求項243】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約50m
2/gである、請求項242記載の薬学的組成物。
【請求項244】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約25m
2/gである、請求項243記載の薬学的組成物。
【請求項245】
前記比表面積が約2.5m
2/g~約10m
2/gである、請求項244記載の薬学的組成物。
【請求項246】
前記担体の比表面積よりも75%大きい比表面積を有する、請求項170~245のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項247】
前記担体の比表面積よりも100%大きい比表面積を有する、請求項246記載の薬学的組成物。
【請求項248】
約1.0μm~約10.0μmの空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する、請求項170~247のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項249】
前記MMADが約1.5μm~約8.0μmである、請求項248記載の薬学的組成物。
【請求項250】
前記MMADが約2.0μm~約6.0μmである、請求項249記載の薬学的組成物。
【請求項251】
前記薬学的組成物のMMADが、別の方法を用いて調製された同一の組成物のMMADよりも10%小さい、請求項170~250のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項252】
前記薬学的組成物のMMADが25%小さい、請求項251記載の薬学的組成物。
【請求項253】
前記薬学的組成物のMMADが50%小さい、請求項252記載の薬学的組成物。
【請求項254】
前記薬学的組成物のMMADが100%小さい、請求項251記載の薬学的組成物。
【請求項255】
約1.0~約10.0の幾何標準偏差(GSD)を有する、請求項170~254のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項256】
前記GSDが約1.25~約8.0である、請求項255記載の薬学的組成物。
【請求項257】
前記GSDが約1.5~約6.0である、請求項256記載の薬学的組成物。
【請求項258】
任意の別の方法に従って調製された薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションよりも10%大きい、回収量のうちの微粉末フラクション
を有する、請求項170~257のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項259】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが15%大きい、請求項258記載の薬学的組成物。
【請求項260】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが20%大きい、請求項259記載の薬学的組成物。
【請求項261】
前記薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションが25%大きい、請求項260記載の薬学的組成物。
【請求項262】
30%より大きい、回収量のうちの微粉末フラクション
を有する、請求項170~261のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項263】
前記回収量のうちの微粉末フラクションが40%より大きい、請求項262記載の薬学的組成物。
【請求項264】
前記回収量のうちの微粉末フラクションが50%より大きい、請求項263記載の薬学的組成物。
【請求項265】
70%より大きい、回収量のうちの放出量
を有する、請求項170~264のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項266】
前記回収量のうちの放出量が80%より大きい、請求項265記載の薬学的組成物。
【請求項267】
前記回収量のうちの放出量が90%より大きい、請求項266記載の薬学的組成物。
【請求項268】
8%より小さい、前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)
を有する、請求項170~267のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項269】
前記均質性の相対標準偏差が6%より小さい、請求項268記載の薬学的組成物。
【請求項270】
前記均質性の相対標準偏差が4%より小さい、請求項269記載の薬学的組成物。
【請求項271】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が、別の手段を用いて調製された薬学的組成物の均質性の相対標準偏差よりも50%小さい、請求項170~270のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項272】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が100%小さい、請求項271記載の薬学的組成物。
【請求項273】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が150%小さい、請求項272記載の薬学的組成物。
【請求項274】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差が200%小さい、請求項273記載の薬学的組成物。
【請求項275】
約95%~約105%の均質性を有する、請求項170~274のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項276】
前記均質性が約97%~約103%である、請求項275記載の薬学的組成物。
【請求項277】
前記均質性が約98%~約102%である、請求項276記載の薬学的組成物。
【請求項278】
前記薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)が5%より小さい、請求項170~277のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項279】
前記均質性の相対標準偏差(RSD)が3%より小さい、請求項278記載の薬学的組成物。
【請求項280】
前記均質性の相対標準偏差(RSD)が1%より小さい、請求項279記載の薬学的組成物。
【請求項281】
ジェットミル粉砕によって調製された同一の薬学的組成物のものよりも10%より大きい臨界一次圧力を有する、請求項170~280のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項282】
臨界一次圧力が25%より大きい、請求項281記載の薬学的組成物。
【請求項283】
前記臨界一次圧力が50%より大きい、請求項282記載の薬学的組成物。
【請求項284】
前記担体が、25%より小さいカー指数を有する、請求項170~283のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項285】
前記カー指数が20%より小さい、請求項284記載の薬学的組成物。
【請求項286】
前記カー指数が15%より小さい、請求項285記載の薬学的組成物。
【請求項287】
前記担体が、250g/Lより大きいタップ密度を有する、請求項170~286のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項288】
前記タップ密度が400g/Lより大きい、請求項287記載の薬学的組成物。
【請求項289】
前記タップ密度が500g/Lより大きい、請求項288記載の薬学的組成物。
【請求項290】
前記担体が、約250g/L~約1500g/Lのタップ密度を有する、請求項170~289のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項291】
前記タップ密度が約400g/L~約1250g/Lである、請求項290記載の薬学的組成物。
【請求項292】
前記タップ密度が約500g/L~約1000g/Lである、請求項291記載の薬学的組成物。
【請求項293】
前記担体が、100g/Lより大きい注入密度を有する、請求項170~292のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項294】
前記注入密度が150g/Lより大きい、請求項293記載の薬学的組成物。
【請求項295】
前記注入密度が250g/Lより大きい、請求項294記載の薬学的組成物。
【請求項296】
前記担体が、約100g/L~約1500g/Lの注入密度を有する、請求項170~295のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項297】
前記注入密度が約200g/L~約1250g/Lである、請求項296記載の薬学的組成物。
【請求項298】
前記注入密度が約250g/L~約1000g/Lである、請求項297記載の薬学的組成物。
【請求項299】
(A)ボリコナゾール、ニクロサミド、またはタクロリムスである、薬学的有効成分と、
(B)ラクトースである担体と
を含む薬学的組成物であって、
担体表面に前記薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に前記薬学的有効成分と前記担体との両方を含み、前記担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、前記薬学的組成物。
【請求項300】
(A)抗真菌剤、抗蠕虫剤、または免疫調節化合物である、薬学的有効成分と、
(B)糖である担体と
を含む薬学的組成物であって、
担体表面に前記薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に前記薬学的有効成分と前記担体との両方を含み、前記担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、前記薬学的組成物。
【請求項301】
その必要がある患者に、請求項169~300のいずれか一項記載の薬学的組成物を治療有効量で投与する工程を含み、薬学的有効成分が、疾患または障害を治療するのに有用である、疾患または障害を治療する方法。
【請求項302】
その必要がある患者に、請求項169~300のいずれか一項記載の薬学的組成物を治療有効量で投与する工程を含み、薬学的有効成分が、疾患または障害を予防するのに有用である、疾患または障害を予防する方法。
【請求項303】
(A)請求項169~300のいずれか一項記載の薬学的組成物と、
(B)単位用量の前記薬学的組成物を含むカプセル、単位用量の前記薬学的組成物を含むブリスターパック、または単位用量の前記薬学的組成物を分配する計量装置と、
(C)前記単位用量を分散させるエアロゾル化装置と
を含む、キット。
【請求項304】
前記エアロゾル化装置が吸入器である、請求項303記載のキット。
【請求項305】
単位用量の前記薬学的組成物を含むカプセルを含む、請求項303または請求項304のいずれか記載のキット。
【請求項306】
単位用量の前記薬学的組成物を含むブリスターパックを含む、請求項303または請求項304のいずれか記載のキット。
【請求項307】
単位用量の前記薬学的組成物を分配する計量装置を含む、請求項303または請求項304のいずれか記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年3月12日に出願の米国特許仮出願第63/160,588号の優先権の恩典を主張し、その内容は全体において参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
1.分野
本開示は全体として医薬および医薬製造の分野に関する。より具体的には、乾燥粉末を作製するための薬物粒子の懸濁液を含む薬学的組成物を調製する方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
肺への薬物送達は過去10年間で大幅に進歩した。肺疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核)の局所治療といくつかの疾患、例えば、糖尿病(Pfutzner and Forst, 2005)、麻疹(Griffin, 2014)、パーキンソン病(LeWitt et al., 2018)、統合失調症(Kristin et al., 2016)、およびインフルエンザ(Silveira et al., 2016)の全身治療との両方のための送達システムとして経口吸入製品が開発されてきた。加圧式定量吸入器またはネブライザーとは対照的に乾燥粉末吸入器(DPI)が最も有望な投与形態であると考えられている。DPIは操作の容易さおよび携帯性を含むいくつかの利点がある。さらに、それらは噴射剤を必要とせず、比較的低コストの装置を可能にし、それらの乾燥状態の結果として有効成分の安定性の向上をもたらす(Carpenter et al.、1997)。
【0004】
吸入製品の開発は効果的な薬物送達を達成するためにいくつかの物理的な問題に対処しなければならない。DPIからの薬物粒子が下気道に到達する確率を最大化するためには薬物粒子の空気動力学的直径は1μm~5μmでなければならない(Prime et al., 1997)。しかしながら、そのような微細化された薬物粒子は結合力が強く、凝集する傾向があり、結果として流動性が悪化し、エアロゾル化特性が悪化し、用量のばらつきが大きくなる(Chan and Chew, 2003)。したがって、向上した特性を備えた吸入可能な薬学的組成物を調製するための方法に対するアンメット・ニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の概要
いくつかの局面では、本開示は、
(A)溶媒中の薬学的有効成分の溶液を得る工程;
(B)該混合物に担体を加えて分散物を得る工程;
(C)分散物を表面に付着させる工程;
(D)分散物が凍結するように分散物を低下した温度に供して、凍結分散物を得る工程;および
(E)凍結分散物を乾燥プロセスに供して薬学的組成物を得る工程
を含む、薬学的組成物を調製する方法であって、担体表面に薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を薬学的組成物が含有し、薬学的組成物が単一粒子に薬学的有効成分と担体との両方を含む、方法を提供する。
【0006】
いくつかの態様では、分散物は追加的な賦形剤をさらに含む。いくつかの態様では、賦形剤は疎水性アミノ酸などのアミノ酸である。いくつかの態様では、アミノ酸はロイシンまたはトリロイシンである。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約0.05%w/w~約50%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約1%w/w~約15%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約2.5%w/w~約10%w/w含む。いくつかの態様では、担体は糖または糖アルコール、例えば、多糖類である。いくつかの態様では、多糖類はラクトースである。
【0007】
いくつかの態様では、担体は溶媒に難溶性である。いくつかの態様では、担体はわずかに可溶性である。いくつかの態様では、担体は非常にわずかに可溶性である。いくつかの態様では、担体は実質的に不溶性である。いくつかの態様では、分散物は懸濁液である。
【0008】
いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約50%w/w~約99%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約60%w/w~約95%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約65%w/w~約90%w/w含む。
【0009】
いくつかの態様では、混合物は薬学的に許容されるポリマーをさらに含む。いくつかの態様では、薬学的に許容されるポリマーは非セルロース系非イオン性ポリマーである。いくつかの態様では、非セルロース系非イオン性ポリマーはポリビニルピロリドンである。いくつかの態様では、薬学的に許容されるポリマーは約5,000~約100,000の分子量を有する。いくつかの態様では、分子量は約10,000~約50,000である。いくつかの態様では、分子量は約20,000~約30,000である。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約0.5%w/w~約20%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約1%w/w~約15%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約2.5%w/w~約10%w/w含む。
【0010】
いくつかの態様では、溶媒は有機溶媒である。いくつかの態様では、有機溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの態様では、有機溶媒はアセトニトリル、tert-ブタノール、または1,4-ジオキサンである。いくつかの態様では、溶媒は1,4-ジオキサンまたはアセトニトリルである。いくつかの態様では、溶媒は1,4-ジオキサンとアセトニトリルとの混合物である。いくつかの態様では、溶媒はt-ブタノールとアセトニトリルとの混合物である。
【0011】
いくつかの態様では、薬学的有効成分は、抗がん剤、抗真菌剤、鎮痛剤などの精神薬、麻酔薬もしくは催眠薬などの意識レベル変更剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、駆虫薬、抗ニキビ薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗良性前立腺肥大症薬、抗凝固剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗痛風薬、降圧剤、抗炎症薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン剤、抗悪性腫瘍剤、抗肥満薬、抗骨粗鬆症薬、抗パーキンソン病薬、抗増殖薬、抗原虫薬、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗尿失禁剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、食欲抑制剤、β遮断薬、強心薬、化学療法剤、認知増強剤、避妊薬、コルチコステロイド、Cox-2阻害物質、利尿薬、勃起不全改善剤、去痰剤、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗物質、免疫抑制剤、角質溶解剤、脂質調節剤、ロイコトリエン阻害物質、マクロライド、筋弛緩剤、神経弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、プロテアーゼ阻害物質、または鎮静剤より選択される。いくつかの態様では、薬学的有効成分は抗真菌剤である。いくつかの態様では、抗真菌剤はアゾール抗真菌剤、例えば、ボリコナゾールである。別の態様では、薬学的有効成分は免疫調節剤である。いくつかの態様では、免疫調節剤は免疫抑制剤、例えば、タクロリムスである。いくつかの態様では、薬学的有効成分は駆虫薬、例えば、ニクロサミドである。
【0012】
いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約1%w/w~約50%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約2.5%w/w~約40%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約5%w/w~約35%w/w含む。
【0013】
いくつかの態様では、方法は第1低下温度まで冷却された表面を用いる工程をさらに含む。いくつかの態様では、第1低下温度は約25℃~約-190℃である。いくつかの態様では、第1低下温度は約-20℃~約-120℃である。いくつかの態様では、第1低下温度は約-60℃~約-90℃である。いくつかの態様では、表面はある速度で回転する。いくつかの態様では、速度は約5rpm~約500rpmである。いくつかの態様では、速度は約50rpm~約250rpmである。いくつかの態様では、速度は約50rpm~約150rpmである。
【0014】
いくつかの態様では、分散物は約1cm~約250cmの高さから表面に付着される。いくつかの態様では、高さは約2.5cm~約100cmである。いくつかの態様では、高さは約5cm~約50cmである。
【0015】
いくつかの態様では、乾燥プロセスは凍結乾燥を含む。いくつかの態様では、乾燥プロセスは2つの乾燥サイクルを含む。いくつかの態様では、第1乾燥サイクルは約0℃~約-120℃の第1温度で乾燥させる工程を含む。いくつかの態様では、第1温度は約-10℃~-約80℃の温度である。いくつかの態様では、第1温度は約-20℃~約-60℃の温度である。いくつかの態様では、第1乾燥サイクルは減圧下で乾燥させる工程を含む。いくつかの態様では、減圧圧力は約10mTorr~約500mTorrの第1圧力である。いくつかの態様では、第1圧力は約25mTorr~約250mTorrである。いくつかの態様では、第1圧力は約50mTorr~約150mTorrである。
【0016】
いくつかの態様では、第2乾燥サイクルは約0℃~約80℃の第2温度で乾燥させることを含む。いくつかの態様では、第2温度は約10℃~約60℃の温度である。いくつかの態様では、第2温度は約20℃~約50℃の温度である。いくつかの態様では、第2乾燥サイクルは減圧下で乾燥させることを含む。いくつかの態様では、減圧圧力は約10mTorr~約500mTorrの第2圧力である。いくつかの態様では、第2圧力は約25mTorr~約250mTorrである。いくつかの態様では、第2圧力は約50mTorr~約150mTorrである。
【0017】
いくつかの態様では、担体はレーザー回折計によって測定された約0.1μm~約20μmのD50粒度分布を有する。いくつかの態様では、D50粒度分布は約0.5μm~約15μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約1μm~約10μmである。いくつかの態様では、担体はレーザー回折計によって測定された約30μm~約150μmのD50粒度分布を有する。いくつかの態様では、D50粒度分布は約40μm~約125μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約70μm~約100μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約40μm~約70μmである。
【0018】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、薬学的有効成分と担体との1つまたは複数の粒子を含み、前記粒子は凝集している。いくつかの態様では、薬学的組成物は2つの異なる形態を呈する粒子を含む。いくつかの態様では、第1形態は、薬学的有効成分と担体との1つまたは複数の粒子であり、前記粒子は凝集している。いくつかの態様では、第2形態は担体表面に付着した薬学的有効成分の1つまたは複数の別個のドメインを含む1つまたは複数の担体粒子である。いくつかの態様では、別個のドメイン内の薬学的有効成分はナノ構造の凝集体として存在する。
【0019】
いくつかの態様では、薬学的組成物は2m2/gより大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、比表面積は約2m2/g~約100m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約50m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約25m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約10m2/gである。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも75%大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも100%大きい比表面積を有する。
【0020】
いくつかの態様では、薬学的組成物は約1.0μm~約10.0μmの空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する。いくつかの態様では、MMADは約1.5μm~約8.0μmである。いくつかの態様では、MMADは約2.0μm~約6.0μmである。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは別の方法を用いて調製された同一の組成物のMMADよりも10%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは25%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは50%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは100%小さい。
【0021】
いくつかの態様では、薬学的組成物は約1.0~約10.0の幾何標準偏差(GSD)を有する。いくつかの態様では、GSDは約1.25~約8.0である。いくつかの態様では、GSDは約1.5~約6.0である。
【0022】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、別の方法に従って調製された薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションよりも10%大きい、回収量のうちの微粉末フラクションを有する。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは15%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは20%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは25%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物は、30%より大きい、回収量のうちの微粉末フラクションを有する。いくつかの態様では、回収量のうちの微粉末フラクションは40%より大きい。いくつかの態様では、回収量のうちの微粉末フラクションは50%より大きい。
【0023】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、70%より大きい、回収量のうちの放出量を有する。いくつかの態様では、回収量のうちの放出量は80%より大きい。いくつかの態様では、回収量のうちの放出量は90%より大きい。
【0024】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、8%未満である、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)を有する。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差は6%未満である。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差は4%未満である。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は別の手段を用いて調製された薬学的組成物の均質性の相対標準偏差よりも50%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は100%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は150%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は200%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物は約95%~約105%の均質性を有する。いくつかの態様では、均質性は約97%~約103%である。いくつかの態様では、均質性は約98%~約102%である。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)は5%より小さい。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差(RSD)は3%より小さい。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差(RSD)は1%より小さい。
【0025】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、ジェットミル粉砕によって調製された同一の薬学的組成物のものよりも10%より大きい臨界一次圧力を有する。いくつかの態様では、臨界一次圧力は25%より大きい。いくつかの態様では、臨界一次圧力は50%より大きい。
【0026】
いくつかの態様では、担体は25%より小さいカー指数を有する。いくつかの態様では、カー指数は20%より小さい。いくつかの態様では、カー指数は15%より小さい。いくつかの態様では、担体は250g/Lより大きいタップ密度を有する。いくつかの態様では、タップ密度は400g/Lより大きい。いくつかの態様では、タップ密度は500g/Lより大きい。いくつかの態様では、担体は約250g/L~約1500g/Lのタップ密度を有する。いくつかの態様では、タップ密度は約400g/L~約1250g/Lである。いくつかの態様では、タップ密度は約500g/L~約1000g/Lである。いくつかの態様では、担体は100g/Lより大きい注入密度を有する。いくつかの態様では、注入密度は150g/Lより大きい。いくつかの態様では、注入密度は250g/Lより大きい。いくつかの態様では、担体は約100g/L~約1500g/Lの注入密度を有する。いくつかの態様では、注入密度は約200g/L~約1250g/Lである。いくつかの態様では、注入密度は約250g/L~約1000g/Lである。
【0027】
別の局面では、本開示は本明細書において記載されるように調製された薬学的組成物を実証する。
【0028】
さらに別の局面では、本開示は、
(A)薬学的有効成分と、
(B)担体と
を含む薬学的組成物であって、担体表面に薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に薬学的有効成分と担体との両方を含み、担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、薬学的組成物を提供する。
【0029】
いくつかの態様では、分散物は追加的な賦形剤をさらに含む。いくつかの態様では、賦形剤は疎水性アミノ酸などのアミノ酸である。いくつかの態様では、アミノ酸はロイシンまたはトリロイシンである。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約0.05%w/w~約50%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約1%w/w~約15%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は賦形剤を約2.5%w/w~約10%w/w含む。いくつかの態様では、担体は糖または糖アルコール、例えば、多糖類である。いくつかの態様では、多糖類はラクトースである。
【0030】
いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる担体を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる担体を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約50%w/w~約99%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約60%w/w~約95%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体を約65%w/w~約90%w/w含む。
【0031】
いくつかの態様では、混合物は薬学的に許容されるポリマーをさらに含む。いくつかの態様では、薬学的に許容されるポリマーは非セルロース系非イオン性ポリマーである。いくつかの態様では、非セルロース系非イオン性ポリマーはポリビニルピロリドンである。いくつかの態様では、薬学的に許容されるポリマーは約5,000~約100,000の分子量を有する。いくつかの態様では、分子量は約10,000~約50,000である。いくつかの態様では、分子量は約20,000~約30,000である。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約0.5%w/w~約20%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約1%w/w~約15%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的に許容されるポリマーを約2.5%w/w~約10%w/w含む。
【0032】
いくつかの態様では、薬学的有効成分は、抗がん剤、抗真菌剤、鎮痛剤などの精神薬、麻酔薬もしくは催眠薬などの意識レベル変更剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、駆虫薬、抗ニキビ薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗良性前立腺肥大症薬、抗凝固剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗痛風薬、降圧剤、抗炎症薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン剤、抗悪性腫瘍剤、抗肥満薬、抗骨粗鬆症薬、抗パーキンソン病薬、抗増殖薬、抗原虫薬、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗尿失禁剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、食欲抑制剤、β遮断薬、強心薬、化学療法剤、認知増強剤、避妊薬、コルチコステロイド、Cox-2阻害物質、利尿薬、勃起不全改善剤、去痰剤、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗物質、免疫抑制剤、角質溶解剤、脂質調節剤、ロイコトリエン阻害物質、マクロライド、筋弛緩剤、神経弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、プロテアーゼ阻害物質、または鎮静剤より選択される。いくつかの態様では、薬学的有効成分は抗真菌剤である。いくつかの態様では、抗真菌剤はアゾール抗真菌剤、例えば、ボリコナゾールである。別の態様では、薬学的有効成分は免疫調節剤である。いくつかの態様では、免疫調節剤は免疫抑制剤、例えば、タクロリムスである。いくつかの態様では、薬学的有効成分は駆虫薬、例えば、ニクロサミドである。
【0033】
いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は非晶質形態をとる薬学的有効成分を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも60%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも80%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも90%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも95%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも98%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は結晶性形態をとる薬学的有効成分を少なくとも99%含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約1%w/w~約50%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約2.5%w/w~約40%w/w含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は薬学的有効成分を約5%w/w~約35%w/w含む。
【0034】
いくつかの態様では、担体はレーザー回折計によって測定された約0.1μm~約20μmのD50粒度分布を有する。いくつかの態様では、D50粒度分布は約0.5μm~約15μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約1μm~約10μmである。いくつかの態様では、担体はレーザー回折計によって測定された約30μm~約150μmのD50粒度分布を有する。いくつかの態様では、D50粒度分布は約40μm~約125μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約70μm~約100μmである。いくつかの態様では、D50粒度分布は約40μm~約70μmである。
【0035】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、薬学的有効成分と担体との1つまたは複数の粒子を含み、前記粒子は凝集している。いくつかの態様では、薬学的組成物は2つの異なる形態を呈する粒子を含む。いくつかの態様では、第1形態は、薬学的有効成分と担体との1つまたは複数の粒子であり、前記粒子は凝集している。いくつかの態様では、第2形態は担体表面に付着した薬学的有効成分の1つまたは複数の別個のドメインを含む1つまたは複数の担体粒子である。いくつかの態様では、別個のドメイン内の薬学的有効成分はナノ構造の凝集体として存在する。
【0036】
いくつかの態様では、薬学的組成物は2m2/gより大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、比表面積は約2m2/g~約100m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約50m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約25m2/gである。いくつかの態様では、比表面積は約2.5m2/g~約10m2/gである。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも75%大きい比表面積を有する。いくつかの態様では、薬学的組成物は担体の比表面積よりも100%大きい比表面積を有する。
【0037】
いくつかの態様では、薬学的組成物は約1.0μm~約10.0μmの空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する。いくつかの態様では、MMADは約1.5μm~約8.0μmである。いくつかの態様では、MMADは約2.0μm~約6.0μmである。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは別の方法を用いて調製された同一の組成物のMMADよりも10%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは25%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは50%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物のMMADは100%小さい。
【0038】
いくつかの態様では、薬学的組成物は約1.0~約10.0の幾何標準偏差(GSD)を有する。いくつかの態様では、GSDは約1.25~約8.0である。いくつかの態様では、GSDは約1.5~約6.0である。
【0039】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、別の方法に従って調製された薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションよりも10%大きい、回収量のうちの微粉末フラクションを有する。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは15%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは20%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物の回収量のうちの微粉末フラクションは25%大きい。いくつかの態様では、薬学的組成物は、30%より大きい、回収量のうちの微粉末フラクションを有する。いくつかの態様では、回収量のうちの微粉末フラクションは40%より大きい。いくつかの態様では、回収量のうちの微粉末フラクションは50%より大きい。
【0040】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、70%より大きい、回収量のうちの放出量を有する。いくつかの態様では、回収量のうちの放出量は80%より大きい。いくつかの態様では、回収量のうちの放出量は90%より大きい。
【0041】
いくつかの態様では、薬学的組成物は、8%未満である、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)を有する。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差は6%未満である。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差は4%未満である。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は別の手段を用いて調製された薬学的組成物の均質性の相対標準偏差よりも50%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は100%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は150%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は200%小さい。いくつかの態様では、薬学的組成物は約95%~約105%の均質性を有する。いくつかの態様では、均質性は約97%~約103%である。いくつかの態様では、均質性は約98%~約102%である。いくつかの態様では、薬学的組成物の均質性の相対標準偏差(RSD)は5%より小さい。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差(RSD)は3%より小さい。いくつかの態様では、均質性の相対標準偏差(RSD)は1%より小さい。
【0042】
いくつかの態様では、薬学的組成物はジェットミル粉砕によって調製された同一の薬学的組成物のものよりも10%より大きい臨界一次圧力を有する。いくつかの態様では、臨界一次圧力は25%より大きい。いくつかの態様では、臨界一次圧力は50%より大きい。
【0043】
いくつかの態様では、担体は25%より小さいカー指数を有する。いくつかの態様では、カー指数は20%より小さい。いくつかの態様では、カー指数は15%より小さい。いくつかの態様では、担体は250g/Lより大きいタップ密度を有する。いくつかの態様では、タップ密度は400g/Lより大きい。いくつかの態様では、タップ密度は500g/Lより大きい。いくつかの態様では、担体は約250g/L~約1500g/Lのタップ密度を有する。いくつかの態様では、タップ密度は約400g/L~約1250g/Lである。いくつかの態様では、タップ密度は約500g/L~約1000g/Lである。いくつかの態様では、担体は100g/Lより大きい注入密度を有する。いくつかの態様では、注入密度は150g/Lより大きい。いくつかの態様では、注入密度は250g/Lより大きい。いくつかの態様では、担体は約100g/L~約1500g/Lの注入密度を有する。いくつかの態様では、注入密度は約200g/L~約1250g/Lである。いくつかの態様では、注入密度は約250g/L~約1000g/Lである。
【0044】
さらに別の局面では、本開示は、
(A)ボリコナゾール、ニクロサミド、またはタクロリムスである、薬学的有効成分と、
(B)ラクトースである担体と
を含む薬学的組成物であって、担体表面に薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に薬学的有効成分と担体との両方を含み、担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、薬学的組成物を提供する。
【0045】
別の局面では、本開示は、
(A)抗真菌剤、抗蠕虫剤、または免疫調節化合物である、薬学的有効成分と、
(B)糖である担体と
を含む薬学的組成物であって、担体表面に薬学的有効成分が付着した1つまたは複数の粒子を含有し、単一粒子に薬学的有効成分と担体との両方を含み、担体の比表面積よりも50%大きい比表面積を有する、薬学的組成物を提供する。
【0046】
別の局面では、本開示は、その必要がある患者に、本明細書において記載される薬学的組成物を治療有効量で投与する工程を含み、薬学的有効成分が、疾患または障害を治療するのに有用である、疾患または障害を治療する方法を提供する。
【0047】
さらに別の局面では、本開示は、その必要がある患者に、本明細書において記載される薬学的組成物を治療有効量で投与する工程を含み、薬学的有効成分が、疾患または障害を予防するのに有用である、疾患または障害を予防する方法を提供する。
【0048】
またさらに別の局面では、本開示は、
(A)本明細書において記載される薬学的組成物と、
(B)単位用量の薬学的組成物を含むカプセル、単位用量の薬学的組成物を含むブリスターパック、または単位用量の薬学的組成物を分配する計量装置と、
(C)単位用量を分散させるエアロゾル化装置と
を含むキットを提供する。
【0049】
いくつかの態様では、エアロゾル化装置は吸入器である。いくつかの態様では、キットは単位用量の薬学的組成物を含むカプセルを含む。別の態様では、キットは単位用量の薬学的組成物を含むブリスターパックを含む。別の態様では、キットは単位用量の薬学的組成物を分配する計量装置を含む。
【0050】
本開示の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は、開示の具体的な態様を示している一方で、開示の精神および範囲内での様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者には明らかとなるため、例示のためにのみ与えられていると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
以下の図面は本明細書の一部を形成しており、本開示の特定の局面をさらに示すために含まれている。開示は、本明細書において提示される具体的な態様の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面のうちの1つまたは複数を参照することによってよりよく理解され得る。
【
図1】懸濁液ベースのTFFを用いた乾燥粉末の調製の方法を示す。方法1では担体の粒子は薬物溶液に懸濁される。方法2では担体の粒子は薬物-PVP K25溶液に懸濁される。方法3では、担体の粒子と工学的に改変された(engineered)粒子の両方が薬物溶液に懸濁される。
【
図2】TFF前後の吸入グレードのLACの形態を示す。x軸は担体の大きさが変わることによってLACのグレードが異なることを示す。Lactohale(登録商標)LH300およびLactohale(登録商標)LH230は凝集粒子を示した一方で、Respitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)LH206はそれらの表面に微粒子を伴う別個の粗い粒子を呈した。
【
図3】
図3A~3Cは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製されたTAC/LAC粉末の形態を示す。(
図3A)薬物負荷量が異なるTAC/Lactohale(登録商標)LH230。(
図3B)担体サイズが異なるTAC/LAC(10/90)。(
図3C)二次賦形剤を加えたTAC/LAC(10/90)。実線の矢印はLACの位置を示す。点線の矢印は脆性マトリクスのいくつかの例を表す。
【
図4】懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したTAC/LAC粉末のXRD回折図を示す。
【
図5】LAC未処理粉末の比表面積(塗りつぶした濃灰色の縦棒)、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した無混合LAC粉末(塗りつぶした明灰色の縦棒)、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したTAC/LAC粉末(縞模様の縦棒)、従来のブレンディングを用いて作製したTAC/LAC粉末(点々のある縦棒)を示す。
【
図6】
図6Aおよび6Bは、従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したTAC/Lactohale(登録商標)LH230の空気力学的特性を示す。x軸は薬物負荷量を示す。y軸は(
図6A)MMADおよびGSD、ならびに(
図6B)FPFおよびEFを示す(回収量のうちの)。
【
図7】
図7Aおよび7Bは、従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したTAC/Lactohale(10:90)の空気力学的特性を示す。x軸はLAC担体のサイズを示す。y軸は(
図7A)MMADおよびGSD、ならびに(
図7B)FPFおよびEFを示す(回収量のうちの)。
図7Cは、回収された薬物の位置と、呼吸器系内で異なる浸透性を達成した薬物負荷量のパーセンテージとを示す。
【
図8】
図8Aおよび8Bは、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した二次賦形剤を加えたTAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)の空気力学的特性を示す。(
図8A)MMADおよびGSD。(
図8B)FPFおよびEF(回収量のうちの)。
【
図9】粉末の臨界一次圧力(CPP)を示す。左端の5本の縦棒は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した無混合材料粉末のCPPを示す。中央の7本の縦棒は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したTAC-LAC粉末のCPPを示す。右端の7本の縦棒は従来のブレンディングを用いて作製したTAC-LAC粉末のCPPを示す。
【
図10】
図10A~10Cは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製されたVCZ/LAC粉末の形態を示す。(
図10A)薬物負荷量が異なるVCZ/Lactohale(登録商標)LH230。(
図10B)担体サイズが異なるVCZ/LAC(10/90)。(
図10C)二次賦形剤を加えたVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)。
【
図11】TFF懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したVCZ/LAC粉末のXRD回折図を示す。
【
図12】LAC未処理粉末の比表面積(塗りつぶした濃灰色の縦棒)、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した無混合LAC粉末(塗りつぶした明灰色の縦棒)、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したVCZ/LAC粉末(縞模様の縦棒)、従来のブレンディングを用いて作製したVCZ/LAC粉末(点々のある縦棒)を示す。
【
図13】
図13Aおよび13Bは、従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したVCZ/Lactohale(登録商標)LH230の空気力学的特性を示す。x軸は薬物負荷量を示す。(
図13A)MMADおよびGSD。(
図13B)FPFおよびEF(回収量のうちの)。
【
図14】
図14Aおよび14Bは、従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したVCZ/Lactohale(30/70)の空気力学的特性を示す。x軸はLAC担体のサイズを示す。(
図14A)MMADおよびGSD。(
図14B)FPFおよびEF(回収量のうちの)。
【
図15】
図15Aおよび15Bは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した二次賦形剤を加えたVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)の空気力学的特性を示す。(
図15A)MMADおよびGSD。(
図15B)FPFおよびEF(回収量のうちの)。
【
図16】粉末の臨界一次圧力(CPP)を示す。左端の5本の縦棒は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製した無混合材料粉末のCPPを示す。中央の7本の縦棒は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製したVCZ-LAC粉末のCPPを示す。右端の7本の縦棒は従来のブレンディングを用いて作製したVCZ-LAC粉末のCPPを示す。
【
図17】周囲条件での10ヶ月間の保存前後の組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【
図18】周囲条件での10ヶ月間の保存前後のそれらの組成物の粉末X線回折を示す。
【
図19】ラクトースグレードに基づく1.67%w/wのタクロリムス薬物負荷量の組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【
図20】様々な異なる溶媒系との1.67%w/wのタクロリムス薬物負荷量の組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【
図21】ラクトースグレードに基づく6.67%w/wのタクロリムス薬物負荷量の組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【
図22】様々な溶媒系との6.67%w/wのタクロリムス薬物負荷量の組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【
図23】ニクロサミド組成物についての粒子の粒度および呼吸器系内での分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
例示的態様の説明
いくつかの局面では、本開示は、薬学的有効成分と担体とを含有し疾患の治療において上気道および下気道に送達可能である複合粒子を含む薬学的組成物を調製する方法に関する。複合粒子は得られる組成物が乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて粉末状で下気道に送達され得るように設計されている。粉末の成分および比率または処理方法を変更する必要なく、広範な送達システムを用いて薬学的組成物を送達できることにより、歩行可能であるかまたは外来患者という状況にある者、肺機能が低下した患者または人工呼吸器が必要な可能性のある者、および低下した吸気能力を呈する可能性のある小児または高齢者を含む、広範な患者集団に組成物が広く適用可能になる。これらの方法を用いて調製される組成物も本明細書において提供される。これらの方法の詳細は下にさらに詳細に提供される。
【0053】
I.薬学的組成物
いくつかの局面では、本開示は1つまたは複数の粒子を含有する薬学的組成物を提供し、ここで、薬学的有効成分は担体表面に付着しており、薬学的組成物は単一粒子として薬学的有効成分と担体との両方を含む。さらに、薬学的有効成分および担体の最初の処理後にこれらの粒子は1つまたは複数の追加の賦形剤と混合され得る。これらの薬学的組成物は粒子が1つに凝集し得るように調製された薬学的組成物をさらに含み得る。別の態様では、薬学的組成物は、担体粒子上の別個のドメインとして薬学的有効成分が存在するように調製された薬学的組成物をさらに含み得る。これらの別個のドメインは薬学的組成物に対してナノ構造の凝集体または他の高次構造を表し得る。
【0054】
いくつかの態様では、薬学的組成物は比表面積、空気動力学的中央粒子径(MMAD)、幾何標準偏差(GSD)、微粒子フラクション、放出量、均質性、臨界一次圧力、カー指数、タップ密度、または注入密度などの1つまたは複数の好ましい特性によって規定され得る。
【0055】
本明細書において記載される方法に従って調製された本薬学的組成物は、約2m2/g~約100m2/g、約2.5m2/g~約50m2/g、約2.5m2/g~約25m2/g、または約2.5m2/g~約10m2/gの比表面積を有し得る。組成物の比表面積は、約2m2/g、2.5m2/g、3m2/g、4m2/g、5m2/g、6m2/g、8m2/g、10m2/g、12.5m2/g、15m2/g、20m2/g、25m2/g、30m2/g、40m2/g、50m2/g、75m2/gから、約100m2/gまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。比表面積はMonosorb高速表面積分析器を用いてブルナウアー・エメット・テラー(BET)一点法によって決定し得る。さらに、本明細書において記載される方法を用いて調製された薬学的組成物の比表面積は、従来の粉末ブレンディングを用いて調製された同じ成分を含む組成物と比較して、50%大きい、55%大きい、60%大きい、65%大きい、70%大きい、75%大きい、80%大きい、85%大きい、90%大きい、95%大きい、100%大きい、または125%大きい場合がある。
【0056】
同様に、本薬学的組成物は、約1.0μm~約10.0μm、約1.5μm~約8.0μm、または約2.0μm~約6.0μmのMMADを有し得る。MMADは、約0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm、4.5μm、5.0μm、6.0μm、7.5μm、8.0μmから、約10.0μmまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。MMADは下の実施例に記載されるようにレーザー回折を用いて測定し得る。本明細書において記載される方法を用いて調製された薬学的組成物のMMADは、従来のブレンディングを用いて調製された同じ成分を有する組成物と比較して、20%小さい、25%小さい、30%小さい、35%小さい、40%小さい、45%小さい、50%小さい、55%小さい、60%小さい、65%小さい、70%小さい、75%小さい、80%小さい、85%小さい、90%小さい、95%小さい、100%小さい、または125%小さい場合がある。
【0057】
さらに、本薬学的組成物は、約1.0~約10.0、約1.25~約8.0、または約1.5~約6.0のGSDを有し得る。GSDは、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.5、8.0から、約10.0まで、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。GSDは下の実施例に記載されているようにレーザー回折を用いて測定し得る。
【0058】
同様に、薬学的組成物は回収量のうちの微粉末フラクションが従来の粉末ブレンディングなどの別の手段を用いて調製された組成物の微粉末フラクションよりも大きい場合がある。本明細書において記載される方法を用いて調製された本薬学的組成物は5%大きい、10%大きい、15%大きい、20%大きい、25%大きい、30%大きい、35%大きい、40%大きい、45%大きい、50%大きい、55%大きい、60%大きい、65%大きい、70%大きい、75%大きい、80%大きい、または90%大きい微粉末フラクションを有し得る。回収量のうちの微粒子フラクション(FPF)は、5μm未満の空気動力学的直径を有する収集された薬物の総量を、収集された薬物の総量のうちのパーセンテージとして計算し得る。同様に、本組成物は50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、または98%より大きい放出量を有し得る。放出フラクション(EF)は、装置から放出された薬物の総量を、収集された薬物の総量のパーセンテージとして計算し得る。
【0059】
さらに、本組成物は、従来の粉末ブレンディングなどの別の方法を用いて調製された組成物と比較して、高度な均質性を有することが好ましい。本組成物は約95%~約105%、約97%~約103%、または約98%~約102%の均質性を有し得る。均質性は約90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、101%、102%、103% 104%、105%、108%、もしくは~約110%、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。さらに、均質性の相対標準偏差は10%より小さい、8%より小さい、6%より小さい、5%より小さい、4%より小さい、3%より小さい、2%より小さい、または1%より小さい。均質性は原末中の薬物のアッセイを実施することによって判定し、名目用量に対する薬物のパーセンテージとして報告し得る。均質性の相対標準偏差は薬物パーセンテージの標準偏差を薬物パーセンテージの平均で割ることによって計算し得る。いくつかの態様では、本方法を用いて調製された薬学的組成物の均質性の相対標準偏差は従来の方法を用いて調製されたものよりも小さい。均質性の相対標準偏差は約25%より小さい、30%より小さい、40%より小さい、50%より小さい、60%より小さい、75%より小さい、80%より小さい、100%より小さい、120%より小さい、125%より小さい、140%より小さい、150%より小さい、160%より小さい、175%より小さい、180%より小さい、200%より小さい、または約250%より小さい場合がある。
【0060】
さらに、薬学的組成物は、吸入器または他の同様の装置向けに製剤化される場合、ジェットミル粉砕によって調製された同様の組成物よりも大きな臨界一次圧力を有し得る。臨界一次圧力は粒子間力に打ち勝ちかつ粉末を一次粒子またはより小さな凝集体に分散させる圧力を表す。臨界一次圧力は5%大きい、10%大きい、15%大きい、20%大きい、25%大きい、30%大きい、40%大きい、50%大きい、または75%大きい場合がある。
【0061】
最後に、本薬学的組成物は30%より小さい、25%より小さい、20%より小さい、または15%より小さいカー指数を有し得る。同様に、組成物は、200g/Lより大きい、250g/Lより大きい、300g/Lより大きい、350g/Lより大きい、400g/Lより大きい、450g/Lより大きい、500g/Lより大きい、または750g/Lより大きいタップ密度を有し得る。タップ密度は約250g/L~約1500g/L、約400g/L~約1250g/L、または約500g/L~約1000g/Lであり得る。タップ密度は、約200g/L、250g/L、300g/L、400g/L、450g/L、500g/L、550g/L、600g/L、700g/L、750g/L、800g/L、900g/L、1,000g/L、1,250g/L、1,400g/L、1,500g/Lから、約1,600g/Lまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。薬学的組成物の注入密度は約100g/L~約1500g/L、約200g/L~約1250g/L、または約250g/L~約1000g/Lであり得る。薬学的組成物の注入密度は、約50g/L、100g/L、150g/L、200g/L、250g/L、300g/L、400g/L、450g/L、500g/L、550g/L、600g/L、700g/L、750g/L、800g/L、900g/L、1,000g/L、1,250g/L、1,400g/L、1,500g/Lから、約1,600g/Lまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲であり得る。注入密度は約100g/L、150g/L、200g/L、250g/L、または300g/Lより大きい場合がある。注入密度およびタップ密度はタップ密度計および10mLメスシリンダーを用いてUSP <616>の方法を修正した方法に従って測定される。カー(圧縮度)指数はUSP General Chapter<616>に基づいて計算される。
【0062】
A.薬学的有効成分
本方法において用いられる「薬学的有効成分」はヒトまたは動物に投与された際に治療的または薬理学的効果をもたらす任意の物質、化合物、薬物、薬、または他の主要な有効成分を指す。いくつかの態様では、薬学的組成物は、約1%w/w~約50%w/w、約2.5%w/w~約40%w/w、約5%w/w~約35%w/w、もしくは約0.5%w/w、1%w/w、1.5%w/w、2%w/w、2.5%w/w、5%w/w、10%w/w、15%w/w、20%w/w、30%w/w、40%w/wから、約50%w/wまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲の薬学的有効成分を含む。いくつかの態様では、薬学的有効成分の少なくとも60%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%が非晶質形態をとる。別の態様では、薬学的有効成分の少なくとも60%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%が結晶性形態をとる。
【0063】
好適な薬学的有効成分は、任意の生物学的に活性な剤またはそれらの、プロドラッグを含む、塩、異性体、エステル、エーテル、もしくは他の誘導体であり得、これは、抗がん剤、抗真菌剤、鎮痛剤などの精神薬、麻酔薬もしくは催眠薬などの意識レベル変更剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、駆虫薬、抗ニキビ薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗菌薬、抗良性前立腺肥大症薬、抗凝固剤、抗うつ薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗痛風薬、降圧剤、抗炎症薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン剤、抗悪性腫瘍剤、抗肥満薬、抗骨粗鬆症薬、抗パーキンソン病薬、抗増殖薬、抗原虫薬、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗尿失禁剤、抗ウイルス薬、抗不安薬、食欲抑制剤、β作動薬、β遮断薬、強心薬、化学療法剤、認知増強剤、避妊薬、コルチコステロイド、Cox-2阻害物質、利尿薬、勃起不全改善剤、去痰剤、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗物質、免疫抑制剤、角質溶解剤、脂質調節剤、ロイコトリエン阻害物質、マクロライド、筋弛緩剤、神経弛緩剤、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、プロテアーゼ阻害物質、または鎮静剤を非限定的に含む。
【0064】
薬学的有効成分の非限定例は、7-メトキシプテリジン、7-メチルプテリジン、アバカビル、アバファンギン、アバレリクス、アセブトロール、アセナフテン、アセトアミノフェン、アセトアニリド、アセタゾラミド、アセトヘキサミド、アセトレチン、アクリバスチン、アデニン、アデノシン、アラトロフロキサシン、アルベンダゾール、アルブテロール、アルクロフェナク、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルフゾシン、アリトレチノイン、アロバルビタール、アロプリノール、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、アロキシプリン、アルプラゾラム、アルプレノロール、アルトレタミン、アミホスチン、アミロライド、アミノグルテチミド、アミノピリン、アミオダロンHCl、アミトリプチリン、アムロジピン、アモバルビタール、アモジアキン、アモキサピン、アンフェタミン、アンホテリシン、アムホテリシンB、アンピシリン、アンプレナビル、アムサクリン、硝酸アミル、アミロバルビトン、アナストロゾール、アンリノン、アントラセン、アントラサイクリン、アプロバルビタール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アスピリン、アステミゾール、アテノロール、アトルバスタチン、アトバクオン、アトラジン、アトロピン、アトロピンアザチオプリン、オーラノフィン、アザシチジン、アザプロパゾン、アザチオプリン、アジンタミド、アジスロマイシン、アズトレオナム、バクロフェン、バルビトン、BCG live、ベクラミド、ベクロメタゾン、ベンドロフルメチアジド、ベネゼプリル、ベニジピン、ベノリレート、ベンペリドール、ベンタゼパム、ベンズアミド、ベンズアントラセン、ベンザチンペニシリン、ベンズヘキソールHCl、ベンズニダゾール、ベンゾジアゼピン、安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸ベフェニウム、ベタメタゾン、ベバシズマブ(アバスチン)、ベキサロテン、ベザフィブラート、ビカルタミド、ビフォナゾール、ビペリデン、ビサコジル、ビサントレン、ブレオマイシン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリンゾラミド、ブロマゼパム、メシル酸ブロモクリプチン、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブデソニド、ブメタニド、ブプロピオン、ブスルファン、ブタルビタール、ブタンベン、ブテナフィンHCl、ブトバルビトン、ブトバルビトン(ブテタール)、ブトコナゾール、硝酸ブトコナゾール、ブチルパラベン、カフェイン、カルシフェジオール、カルシプロトリエン、カルシトリオール、カルステロン、カンベンダゾール、ショウノウ、カンプトテシン、カンプトテシン類似体、カンデサルタン、カペシタビン、カプサイシン、カプトプリル、カルバマゼピン、カルビマゾール、カルボフラン、カルボプラチン、カルブロマール、カリマゾール、カルムスチン、セファマンドール、セファゾリン、セフィキシム、セフタジジム、セフロキシムアキセチル、セレコキシブ、セフラジン、セリバスタチン、セトリジン、セツキシマブ、クロランブシル、クロラムフェニコール、クロルジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロロキン、クロロチアジド、クロルフェニラミン、クロルプログアニルHCl、クロルプロマジン、クロルプロパミド、クロルプロチキセン、クロルピリホス、クロルテトラサイクリン、クロルタリドン、クロルゾキサゾン、コレカルシフェロール、クリセン、シロスタゾール、シメチジン、シンナリジン、シノキサシン、シプロフィブラート、シプロフロキサシンHCl、シサプリド、シスプラチン、シタロプラム、クラドリビン、クラリスロマイシン、フマル酸クレマスチン、クリオキノール、クロバザム、クロファラビン、クロファジミン、クロフィブラート、クエン酸クロミフェン、クロミプラミン、クロナゼパム、クロピドグレル、クロチアゼパム、クロトリマゾール、クロトリマゾール、クロキサシリン、クロザピン、コカイン、コデイン、コルヒチン、コリスチン、結合型エストロゲン、コルチコステロン、コルチゾン、酢酸コルチゾン、シクリジン、シクロバルビタール、シクロベンザプリン、シクロブタン-スピロバルビツレート、シクロエタン-スピロバルビツレート、シクロヘプタン-スピロバルビツレート、シクロヘキサン-スピロバルビツレート、シクロペンタン-スピロバルビツレート、シクロホスファミド、シクロプロパン-スピロバルビツレート、シクロセリン、シクロスポリン、シプロヘプタジン、シプロヘプタジンHCl、シタラビン、シトシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダナゾール、ダントロン、ダントロレンナトリウム、ダプソン、ダルベポエチンアルファ、ダロジピン、ダウノルビシン、デコキネート、デヒドロエピアンドロステロン、デラビルジン、デメクロサイクリン、デニロイキン、デオキシコルチコステロン、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサンフェタミン、デクスクロルフェニラミン、デクスフェンフルラミン、デクスラゾキサン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、ジアトリゾ酸、ジアゼパム、ジアゾキシド、ジクロロフェン、ジクロルプロップ、ジクロフェナク、ジクマロール、ジダノシン、ジフルニサル、ジギトキシン、ジゴキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエキリン、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、ジヨードヒドロキシキノリン、ジルチアゼムHCl、フラン酸ジロキサミド、ジメンヒドリナート、ジモルホルアミン、ジニトルミド、ジオスゲニン、ジフェノキシレートHCl、ジフェニル、ジピリダモール、ジリスロマイシン、ジソピラミド、ジスルフィラム、ジウロン、ドセタキセル、ドンペリドン、ドネペジル、ドキサゾシン、ドキサゾシンHCl、ドキソルビシン(中性)、ドキソルビシンHCl、ドキシサイクリン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドロペリドール、ジフィリン、エキノカンジン、エコナゾール、硝酸エコナゾール、エファビレンツ、エリプチシン、エナラプリル、エンリモマブ、エノキシモン、エピネフリン、エピポドフィロトキシン誘導体、エピルビシン、エポエチナルファ、エポサルタン、エクイレニン、エクイリン、エルゴカルシフェロール、酒石酸エルゴタミン、エルロチニブ、エリスロマイシン、エストラジオール、エストラムスチン、エストリオール、エストロン、エタクリン酸、エタンブトール、エチナメート、エチオナミド、エトプロパジンHCl、4-アミノ安息香酸エチル(ベンゾカイン)、エチルパラベン、エチニルエストラジオール、エトドラク、エトミデート、エトポシド、エトレチナート、エキセメスタン、フェルバメート、フェロジピン、フェンベンダゾール、フェンブコナゾール、フェンブフェン、フェンクロルホス、フェンクロフェナク、フェンフルラミン、フェノフィブラート、フェノルデパム、フェノプロフェンカルシウム、フェノキシカルブ、フェンピクロニル、フェンタニル、フェンチコナゾール、フェキソフェナジン、フィルグラスチム、フィナステリド、酢酸フレカミド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、フルジオキソニル、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルフェナム酸、フルアニゾン、フルナリジンHCl、フルニソリド、フルニトラゼパム、フルオコルトロン、フルオメツロン、フルオレン、フルオロウラシル、フルオキセチンHCl、フルオキシメステロン、デカン酸フルペンチキソール、デカン酸フルフェンチキソール、フルラゼパム、フルルビプロフェン、プロピオン酸フルチカゾン、フルバスタチン、葉酸、ホセノプリル、ホスフェニトインナトリウム、フロバトリプタン、フロセミド、フルベストラント、フラゾリドン、ガバペンチン、G-BHC(リンデン)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムフィブロジル、ゲムツズマブ、グラフェニン、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グルテチミド、グリブリド、三硝酸グリセリル(ニトログリセリン)、酢酸ゴセレリン、グレパフロキサシン、グリセオフルビン、グアイフェネシン、酢酸グアナベンズ、グアニン、ハロファントリンHCl、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、ヘプタバルビタール、ヘロイン、ヘスペレチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキセタール、酢酸ヒストレリン、ヒドロコルチゾン、ヒドロフルメチアジド、ヒドロキシ尿素、ヒヨスチアミン、ヒポキサンチン、イブリツモマブ、イブプロフェン、イダルビシン、イドブタール、イホスファミド、イヒドロエクイレニン(ihydroequilenin)、メシル酸イマチニブ、イミペネム、インダパミド、インジナビル、インドメタシン、インドプロフェン、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ヨーダミド、イオパン酸、イプロジオン、イルベサルタン、イリノテカン、イサブコナゾール、イソカルボキサジド、イソコナゾール、イソグアニン、イソニアジド、バルビツル酸イソプロピル、イソプロツロン、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、イスラジピン、イトラコナゾール(Itra)、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラック、ケリン、ラベタロール、ラミブジン、ラモトリギン、ラナトシドC、ラノスプラゾール、L-ドーパ、レフルノミド、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、レボフロキサシン、リドカイン、リヌロン、リシノプリル、ロメフロキサシン、ロムスチン、ロペラミド、ロラタジン、ロラゼパム、ロレフロキサシン、ロルメタゼパム、メシル酸ロサルタン、ロバスタチン、マレイン酸リスリド、マプロチリンHCl、マジンドール、メベンダゾール、メクリジンHCl、メクロフェナム酸、メダゼパム、メジゴキシン、酢酸メドロキシプロゲステロン、メフェナム酸、メフロキンHCl、酢酸メゲストロール、メルファラン、臭化メペンゾラート、メプロバメート、メプタジノール、メルカプトプリン、メサラジン、メスナ、メソリダジン、メストラノール、メサドン、メタカロン、メトカルバモール、メトイン、メトトレキサート、メトキサレン、メトスクシミド、メチクロチアジド、メチルフェニデート、メチルフェノバルビトン、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチルプリロン、マレイン酸メチセルギド、メトクロプラミド、メトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、ミアンセリンHCl、ミコナゾール、ミダゾラム、ミフェプリストン、ミグリトール、ミノサイクリン、ミノキシジル、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モフェチルミコフェノール酸、モリンドン、モンテルカスト、モルヒネ、モキシフロキサシンHCl、ナブメトン、ナドロール、ナルブフィン、ナリジクス酸、ナンドロロン、ナフタセン、ナフタレン、ナプロキセン、ナラトリプタンHCl、ナタマイシン、ネララビン、ネルフィナビル、ネビラピン、ニカルジピンHCl、ニクロサミド、ニコチンアミド、ニコチン酸、ニコウマロン、ニフェジピン、ニルタミド、ニモジピン、ニモラゾール、ニソルジピン、ニトラゼパム、ニトロフラントイン、ニトロフラゾン、ニザチジン、ノフェツモマブ、ノルエチステロン、ノルフロキサシン、ノルゲストレル、ノルトリプチリンHCl、ナイスタチン、エストラジオール、オフロキサシン、オランザピン、オメプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロンHCl、オプレルベキン、オルニダゾール、オキサリプラチン、オキサムニキン、オキサンテレボネート、オキサプロジン、オキサトミド、オキサゼパム、オキシカルバゼピン、オクスフェンダゾール、オキシコナゾール、オックスプレノロール、オキシフェンブタゾン、オキシフェンシクリミンHCl、パクリタキセル、パリフェルミン、パミドロネート、p-アミノサリチル酸、パントプラゾール、パラメタジオン、パロキセチンHCl、ペガデマーゼ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセジナトリウム、ペニシラミン、四硝酸ペンタエリスリトール、ペンタゾシン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペントバルビトン、ペントスタチン、ペントキシフィリン、ペルフェナジン、ペルフェナジンピモジド、ペリレン、フェナセミド、フェナセチン、フェナントレン、フェニンジオン、フェノバルビタール、フェノールバルビトン、フェノールフタレイン、フェノキシベンザミン、フェノキシベンザミンHCl、フェノキシメチルペニシリン、フェンスクシミド、フェニルブタゾン、フェニトイン、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピ
ポブロマン、ピロキシカム、マレイン酸ピゾチフェン、白金化合物、プリカマイシン、ポリエン、ポリミキシンB、ポルフィメルナトリウム、ポサコナゾール(Posa)、プラミペキソール、プラステロン、プラバスタチン、プラジカンテル、プラゾシン、プラゾシンHCl、プレドニゾロン、プレドニゾン、プリミドン、プロバルビタール、プロベネシド、プロブコール、プロカルバジン、プロクロルペラジン、プロゲステロン、プログアニルHCl、プロメタジン、プロポフォール、プロポクスル、プロプラノロール、プロピルパラベン、プロピルチオウラシル、プロスタグランジン、プソイドエフェドリン、プテリジン-2-メチル-チオール、プテリジン-2-チオール、プテリジン-4-メチル-チオール、プテリジン-4-チオール、プテリジン-7-メチル-チオール、プテリジン-7-チオール、ピランテレボネート、ピラジナミド、ピレン、ピリドスチグミン、ピリメタミン、クエチアピン、キナクリン、キナプリル、キニジン、硫酸キニジン、キニーネ、硫酸キニーネ、ラベプラゾールナトリウム、ラニチジンHCl、ラスブリカーゼ、ラブコナゾール、レパグリニド、レポサール、レセルピン、レチノイド、リファブチン、リファンピシン、リファペンチン、リメキソロン、リスペリドン、リトナビル、リツキシマブ、安息香酸リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロールHCl、ロシグリタゾン、サッカリン、サルブタモール、サリチルアミド、サリチル酸、サキナビル、サルグラモスチム、セクブタバルビタール、セコバルビタール、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリンHCl、シンバスタチン、シロリムス、ソラフェニブ、スパルフロキサシン、スピラマイシン、スピロノラクトン、スタノロン、スタノゾロール、スタブジン、スチルベストロール、ストレプトゾシン、ストリキニーネ、スルコナゾール、硝酸スルコナゾール、スルファセトアミド、スルファジアジン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルファメトキサゾール、スルファニルアミド、スルファチアゾール、スリンダク、スルファベンズアミド、スルファセトアミド、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファフラゾール、スルファメラジン、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、スルファサラジン、スルフィンピラゾン、スルピリド、スルチアム、コハク酸スマトリプタン、マレイン酸スニチニブ、タクリン、タクロリムス、タルブタール、クエン酸タモキシフェン、タムロシン、タルグレチン、タキサン、タザロテン、テルミサルタン、テマゼパム、テモゾロミド、テニポシド、テノキシカム、テラゾシン、テラゾシンHCl、テルビナフィンHCl、硫酸テルブタリン、テルコナゾール、テルフェナジン、テストラクトン、テストステロン、テトラサイクリン、テトラヒドロカンナビノール、テトロキソプリム、サリドマイド、テバイン、テオブロミン、テオフィリン、チアベンダゾール、チアンフェニコール、チオグアニン、チオリダジン、チオテパ、トトイン(thotoin)、チミン、チアガビンHCl、チボロン、チクロピジン、チニダゾール、チオコナゾール、チロフィバン、チザニジンHCl、トラザミド、トルブタミド、トルカポン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラマドール、トラスツズマブ、トラゾドンHCl、トレチノイン、トリアムシノロン、トリアムテレン、トリアゾラム、トリアゾール、トリフルプロマジン、トリメトプリム、マレイン酸トリミプラミン、トリフェニレン、トログリタゾン、トロメタミン、トロピカミド、トロバフロキサシン、チバメート、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)、ウンデセン酸、ウラシル、ウラシルマスタード、尿酸、バルプロ酸、バルルビシン、バルサルタン、バンコマイシン、ベンラファクシンHCl、ビガバトリン、ビンバルビタール、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリコナゾール、キサンチン、ザフィルルカスト、ジドブジン、ジロートン、ゾレドロネート、ゾレドロン酸、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、およびゾピクロンを含み得る。
【0065】
特定の局面では、薬学的有効成分はボリコナゾール、または一般的なクラスのアゾール化合物の他のメンバーであり得る。例示的な抗真菌アゾールはa)イミダゾール、例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、オモコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、b)トリアゾール、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール、およびc)チアゾール、例えば、アバファンギンを含む。このアプローチで用い得る他の薬物は、甲状腺機能亢進薬、例えば、カリマゾール、抗がん剤、例えば、エピポドフィロトキシン誘導体、タキサン、ブレオマイシン、アントラサイクリンなどの細胞毒性剤、ならびに白金化合物およびカンプトテシン類似体を非限定的に含む。以下の薬学的有効成分は他の抗真菌抗生物質、例えば、低水溶性エキノカンジン、ポリエン(例えば、アムホテリシンBおよびナタマイシン)や、抗菌薬(例えば、ポリミキシンBおよびコリスチン)、および抗ウイルス薬も含み得る。剤は精神薬、例えば、抗精神病薬、抗うつ薬、または鎮痛剤および/もしくは精神安定剤、例えば、ベンゾジアゼピンも含み得る。剤は意識レベル変更剤または麻酔薬、例えば、プロポフォールなども含み得る。本組成物およびそれらを作製する方法は、治療薬としての使用のための適切な薬物動態学的特性を有する薬学的組成物を調製するために用いられ得る。
【0066】
いくつかの態様では、薬学的に有効な成分は免疫系調節化合物である。化合物はタクロリムスなどの免疫抑制剤であり得る。タクロリムス(TAC)はストレプトミセス・ツクバエンシス(Streptomyces tsukubaensis)から単離された広く用いられている免疫抑制剤である。これは、臓器拒絶反応の治療のための移植医学ならびに様々な免疫疾患、例えば、肺線維症および細気管支喘息において強力な免疫抑制剤であることが証明されている。TACはシクロスポリンA(CsA)療法が移植片拒絶反応を防止することができなかった際の救援療法として最初は導入された。これはCsAと同様の作用機序を有しているが、その免疫抑制活性はCsAよりも10~100倍強力である。TACは現在では静脈内および経口の両方の投与形態で入手可能である(商業的にはPrograf(登録商標)として公知である)。しかしながら、薬物のこれらの現在利用可能な投与形態は忍容性が低く、バイオアベイラビリティがばらつきかつ/または低い。TACの経口製剤は、薬物が水に実質的に不溶性でありかつ腸上皮内のCYP3A4代謝およびp-糖タンパク質排出輸送の両方から広く代謝されるため、大きな課題がある。TACの経口バイオアベイラビリティは4%~93%のばらつきがある。非効率または不規則な薬物吸収は主に消化管からの不完全な吸収および初回通過代謝の結果であり、これは個人差が大きい。
【0067】
いくつかの態様では、薬学的有効成分はニクロサミドである。ニクロサミドはバイオアベイラビリティが低くかつばらつきがあることが以前から公知である低水溶性の親油性分子であるが、現在承認されている消化管における蠕虫感染症の治療という適応症にはこれは制限要因にはならない。薬物の全身濃度および/または肺濃度を必要とする前立腺がんまたはウイルス感染症などの疾患の治療のために薬物を新たに利用しようとすると、バイオアベイラビリティの制限を克服するという課題が明らかになる。ニクロサミドは低水溶性および親油性の両方により、薬物の経口吸収の律速段階は分子の溶解である。この薬物は、SARS-CoV-2およびMERSなどのウイルス感染症の治療などを含む、多くの他の潜在的な用途も有する。
【0068】
残念なことに、インビトロではがんに対して薬理活性を示す薬物の大部分は水溶性が低いため、呈するバイオアベイラビリティは低いかまたは無い。それらの現在承認されている適応症には制限にならないことが多いが、がんを治療する際のそれらの有用性は腫瘍抑制向けに十分な薬物濃度を達成するために薬物の吸収の大幅な向上が必要になることが多い。これらの薬学的組成物は、2007年~2017年の間に米国食品医薬品局によって承認された19の市販製品において、製薬業界によって溶解性の制限を克服するために用いられ得るメカニズムが必要である。
【0069】
B.吸入
いくつかの態様では、本開示は、特定の空気力学的な大きさの範囲内になければならない吸入可能な粒子に関する。いくつかの態様では、薬学的組成物は、約1.0~10.0マイクロメートル、約1.5~約8マイクロメートル、約2.0~約6.0マイクロメートル、もしくは約0.5マイクロメートル、1.0マイクロメートル、1.5マイクロメートル、2.0マイクロメートル、2.5マイクロメートル、3.0マイクロメートル、3.5マイクロメートル、4.0マイクロメートル、4.5マイクロメートル、5.0マイクロメートル、6.0マイクロメートル、8.0マイクロメートル、10.0マイクロメートルから、約15.0マイクロメートルまでの、またはそこから誘導可能な任意の範囲のMMADを有する。いくつかの態様では、本開示は装置を用いた本明細書において提供される吸入可能な薬学的組成物の投与のための方法を提供する。投与は、非限定的には、吸入器を用いた医薬の吸入であり得る。いくつかの態様では、吸入器はPlastiape RS01 monodose DPIなどの単純な受動的乾燥粉末吸入器(DPI)である。従来の乾燥粉末吸入器では、乾燥粉末はカプセルまたはリザーバーに貯蔵され、噴射剤を用いずに吸入によって肺に送達される。
【0070】
いくつかの態様では、吸入器はDoseOne(商標)、Spinhaler、Rotohaler(登録商標)、Aerolizer(登録商標)、またはHandihalerなどの単回投与DPIなどの単回使用の使い捨て吸入器である。これらの乾燥粉末吸入器は受動的DPIであり得る。いくつかの態様では、吸入器はPlastiape RS02、Turbuhaler(登録商標)、Twisthaler(商標)、Diskhaler(登録商標)、Diskus(登録商標)、またはEllipta(商標)などの反復投与DPIである。いくつかの態様では、吸入器はTwincer(登録商標)、Orbital(登録商標)、TwinCaps(登録商標)、Powdair、Cipla Rotahaler、DP Haler、Revolizer、Multi-haler、Twister、Starhaler、またはFlexhaler(登録商標)である。いくつかの態様では、吸入器は、Plastiape RS04 plurimonodose DPIなどの、単回用量の複数薬剤を同時に送達するための多単回用量(plurimonodose)DPIである。乾燥粉末吸入器は内部リザーバーに薬剤を貯蔵しており、噴射剤の使用の有無にかかわらず薬剤は吸入によって送達される。乾燥粉末吸入器は効果的な送達のために30L/minより大きい、例えば、約30~120L/minの吸入量を必要とし得る。
【0071】
いくつかの態様では、吸入器は定量吸入器であり得る。定量吸入器は、噴射剤の使用によって補助されたエアロゾル化された薬物の短時間のバーストにおいて、規定量の薬剤を肺に送達する。定量吸入器はキャニスタ、定量バルブ、およびアクチュエータという3つの主要部品を含む。噴射剤および任意の必要な賦形剤を含む薬剤製剤がキャニスタに貯蔵される。計量バルブが規定量の薬物製剤の分注を可能にする。定量吸入器のアクチュエータ、つまりマウスピースは、嵌合する吐出ノズルを備え、典型的には汚染を防止するためのダストキャップを含む。いくつかの態様では、吸入可能な薬学的組成物はHFA噴射剤などの噴射剤製剤として送達される。
【0072】
いくつかの態様では、吸入器は、参照により本明細書に組み入れられるPCT公報番号WO1991/14468およびWO1997/12687に記載されているものなどの、ネブライザーまたはソフトミスト吸入器である。ネブライザーは肺に吸入されるエアロゾル化されたミストの形態で薬物を送達するために用いられる。薬物製剤は圧縮ガスによるかまたは超音波によってエアロゾル化される。ジェットネブライザーはコンプレッサーに接続される。コンプレッサーは液体薬物製剤を介して圧縮ガスを高速で放出して、薬物製剤をエアロゾル化させる。エアロゾル化された薬物は次いで患者によって吸入される。超音波ネブライザーは高周波超音波を発生させて、薬物製剤の液体リザーバーと接する内部要素の振動を引き起こし、これが薬物製剤をエアロゾル化させる。エアロゾル化された薬物は次いで患者によって吸入される。いくつかの態様では、単回使用の使い捨てネブライザーを本明細書において用い得る。ネブライザーは約3~12L/min、例えば、約6L/minの流量を利用し得る。いくつかの態様では、ネブライザーは乾燥粉末ネブライザーである。
【0073】
いくつかの態様では、組成物はルーチンのスケジュールで投与し得る。本明細書において用いられるように、ルーチンのスケジュールとは事前に決められた指定された期間を指す。ルーチンのスケジュールは、スケジュールが事前に決められている限り、同一の期間、または長さが異なる期間を包含し得る。例えば、ルーチンのスケジュールは1日4回、1日3回、1日2回、毎日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、週1回、月1回、またはその間の任意の設定された日数または週数での投与を伴い得る。あるいは、事前に決められたルーチンのスケジュールは最初の1週間は1日2回、その後、数ヶ月間は1日1回などの投与を伴い得る。いくつかの態様では、薬学的組成物は1日1回投与される。好ましい態様では、薬学的組成物は1日1回未満、例えば、1日おき、3日おき、または1週間に1回投与される。I
【0074】
いくつかの態様では、ネブライザーまたは吸入器の薬学的組成物の量はカプセル、ブリスターまたはカートリッジなどの単位投与形態で提供され得、ここで、単位用量は1用量あたり少なくとも0.05mgの薬学的組成物、例えば、少なくとも0.075mgまたは0.100mgの薬学的組成物を含む。特定の局面では、単位投与形態はいかなる賦形剤の投与または添加も含まず、単に吸入用に粉末を保持するために用いられる(すなわち、カプセル、ブリスター、またはカートリッジは投与されない)。いくつかの態様では、充填粉末の全量が少なくとも1mg、好ましくは少なくとも10mg、さらにより好ましくは50mgなどの高放出量で投与され得る。いくつかの態様では、充填粉末の投与が肺の深部への、例えば、1mgより大きい高微粒子量をもたらす。好ましくは、肺の深部への微粒子量は少なくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mgである。いくつかの態様では、投与はリザーバーまたは非単位用量形態からの投与を用いることをさらに含み得、関連する用量はTurbuhalerなどの装置から計量される。
【0075】
C.賦形剤および担体
いくつかの局面では、本開示は薬学的組成物に配合された1つまたは複数の賦形剤を含む。薬学的に許容される担体、希釈剤または増量剤としても一般に公知である「賦形剤」は対象へのAPIの投与もしくは送達を容易にするために用いられるか、または対象における作用部位への送達のために薬学的に用いることができる薬物製剤へのAPIの処理を容易にするために用いられる比較的不活性な物質である。さらに、これらの化合物は、容易に測定されるかまたは患者に投与することができる投与量を得るために、希釈剤として用い得る。賦形剤の非限定例はポリマー、安定化剤、界面活性剤、表面改質剤、溶解促進剤、緩衝剤、カプセル化剤、酸化防止剤、防腐剤、非イオン性、アニオン性およびカチオン性の湿潤または清澄剤、増粘剤、pH調整剤および吸収促進剤である。いくつかの態様では、薬学的組成物は、約50%w/w~約99%w/w、約60%w/w~約95%w/w、約65%w/w~約90%w/w、もしくは約40%w/w、45%w/w、50%w/w、55%w/w、60%w/w、65%w/w、70%w/w、75%w/w、80%w/w、85%w/w、80%w/w、92%w/w、94%w/w、95%w/w、97%w/wから、約99%w/wまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲の担体を含む。いくつかの態様では、担体の少なくとも60%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%は非晶質形態をとる。別の態様では、担体の少なくとも60%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%が結晶性形態をとる。
【0076】
いくつかの局面では、本開示の薬学的組成物は糖または糖アルコールなどの1つまたは複数の担体をさらに含み得る。組成物は潤滑剤、滑剤、またはアミノ酸などの1つまたは複数の追加の賦形剤もさらに含み得る。さらに、マグネシウム塩などの1つまたは複数の流動促進剤を用い得る。流動促進剤の非限定例はステアリン酸マグネシウムである。別の態様では、組成物は1つまたは複数の二酸化ケイ素またはシリカをさらに含み得る。そのようなシリカはヒュームドシリカまたは吸入治療における使用に承認された別の形態のシリカであってもよい。別の局面では、吸入送達を容易にするためにロイシン、トリロイシン、ヒスチジンなどを含むアミノ酸、ペプチド、タンパク質のようなより大きな分子が組み込まれる。アミノ酸のいくつかの非限定例はロイシンなどの疎水性アミノ酸を含む。
【0077】
いくつかの組成物は2つ以上の賦形剤の混合物をさらに含み得る。いくつかの態様では、追加的な賦形剤の量は約0.05%w/w~約50%w/w、約1%w/w~約15%w/w、または約2.5%w/w~約10%w/wであり得る。いくつかの態様では、追加の賦形剤の量は、約0.05%w/w、0.1%w/w、0.25%w/w、0.5%w/w、0.75%w/w、1.0%w/w、1.5%w/w、2.0%w/w、2.5%w/w、3.0%w/w、4.0%w/w、5.0%w/w、6.0%w/w、8.0%w/w、10%w/w、15%w/w、20%w/w、25%w/w、30%w/w、40%w/wから、約50%w/wまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。
【0078】
1.糖担体
いくつかの局面では、本開示は薬学的組成物に配合される担体として1つまたは複数の賦形剤を含む。これらの賦形剤は炭水化物または糖、例えば、スクロース、トレハロース、もしくは乳糖などの二糖類、ラフィノースを含むフルクトース、グルコース、ガラクトースなどの三糖類、デンプンもしくはセルロースなどの多糖類、またはキシリトール、ソルビトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコールを含む。いくつかの態様では、これらの賦形剤は室温では固体である。糖アルコールのいくつかの非限定例はエリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリトール、マルトテトライトール、またはポリグリシトールを含む。いくつかの局面では、本明細書において用いられる担体は薬学的組成物を調製するために用いられる溶媒に少なくとも難溶性である。担体はわずかに可溶性であるか、非常にわずかに可溶性であるか、または実質的に不溶性であり得る。溶媒系における担体の溶解度は米国薬局方において規定された溶解度基準を用いて説明される。
【0079】
2.ポリマー
いくつかの態様では、賦形剤は薬学的に許容されるポリマーである。いくつかの態様では、賦形剤は非セルロース系ポリマーである。いくつかの態様では、賦形剤はポリビニルピロリドンなどの非イオン性非セルロース系ポリマーである。いくつかの態様では、ポリビニルピロリドンは約10,000~約40,000または約20,000~約30,000の分子量を有する。いくつかの態様では、ポリビニルピロリドンは、約10,000、12,000、14,000、16,000、18,000、20,000、22,000、24,000、26,000、28,000、30,000、32,000、34,000、36,000、38,000から、約40,000までの分子量、またはそこから誘導可能な任意の範囲の分子量を有する。いくつかの態様では、ポリビニルピロリドンは約24,000の分子量を有する。
【0080】
II.製造方法
A.薄膜凍結
理論に拘束されることを望まないが、粒子を、1つまたは複数の薬学的有効成分を含有する単一粒子に導入し、担体を同じ粒子に導入するためにこのプロセスを用い得ると考えられる。特に、複数の治療剤が組成物中に存在する場合、粒子は2つ以上の薬学的有効成分を含有する。このプロセスから得られる粒子は、大きな表面積、小さなタップ密度、小さな注入密度、または向上した流動性もしくは圧縮性、例えば、低いカー指数などの吸入を介した投与のための1つまたは複数の有益な特性を呈し得る。方法は薬学的有効成分を溶媒に溶解する工程を含む。溶媒はアセトニトリル、ジオキサンなどの有機溶媒、またはイソプロパノールまたはブタノールなどのアルコールであり得る。有機溶媒は極性非プロトン性溶媒であり、ここで、溶媒は酸性プロトンを有さないが1つまたは複数の極性結合を含有する。これらの溶媒はテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドも含み得る。いくつかの態様では、溶媒は2つ以上の溶媒の混合物であり得る。
【0081】
いくつかの態様では、方法は第1低下温度まで冷却された表面を用いる工程をさらに含む。いくつかの態様では、第1低下温度は、約25℃~約-120℃、約-20℃~約-100℃、約-60℃~約-90℃、もしくは約-150℃、-125℃、-120℃、-110℃、-100℃、-75℃、-50℃、-25℃、0℃から、約25℃まで、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。いくつかの態様では、薬学的混合物は、約1cm~約250cm、約2.5cm~約100cm、約5cm~約50cm、もしくは約0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、5cm、10cm、15cm、20cm、25cm、50cm、75cm、100cm、150cm、200cm、250cmから、約300cmまでの、またはそこから誘導可能な任意の範囲の高さから適用される。いくつかの態様では、表面はある速度で回転する。いくつかの態様では、速度は、約5rpm~約500rpm、約25rpm~約400rpm、約50rpm~約250rpm、約50rpm~約150rpm、約5rpm、10rpm、15rpm、20rpm、25rpm、50rpm、75rpm、100rpm、150rpm、200rpm、250rpm、300rpm、400rpmから、約500rpmまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。
【0082】
いくつかの態様では、乾燥プロセスは凍結乾燥を含む。いくつかの態様では、乾燥プロセスは2つの乾燥サイクルを含む。いくつかの態様では、第1乾燥サイクルは、約-120℃~約0℃、約-10℃~約-80℃、約-20℃~約-60℃、もしくは約-150℃、-125℃、-120℃、-110℃、-100℃、-90℃、-80℃、-70℃、-60℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃から、約0℃まで、またはそこから誘導可能な任意の範囲の第1温度で乾燥させることを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、約10mTorr~500mTorr、約25mTorr~約250mTorr、約50mTorr~約150mTorr、もしくは約5mTorr、6mTorr、7mTorr、8mTorr、9mTorr、10mTorr、20mTorr、25mTorr、50mTorr、100mTorr、150mTorr、200mTorr、250mTorr、300mTorr、350mTorr、400mTorr、450mTorrから、約500mTorrまで、またはそこから誘導可能な任意の範囲の第1減圧下で乾燥される。
【0083】
いくつかの態様では、第2乾燥サイクルは、約0℃~約80℃、約10℃~約60℃、約20℃~約50℃、もしくは約0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃から、約80℃までの、またはそこから誘導可能な任意の範囲の第2温度で乾燥させることを含む。いくつかの態様では、第2乾燥サイクルは減圧下で乾燥させることを含む。いくつかの態様では、薬学的組成物は、約10mTorr~500mTorr、約25mTorr~約250mTorr、約50mTorr~約150mTorr、もしくは約10mTorr、15mTorr、20mTorr、25mTorr、50mTorr、75mTorr、100mTorr、150mTorr、200mTorr、250mTorr、300mTorr、350mTorr、400mTorr、450mTorrから、約500mTorrまでの、またはそこから誘導可能な任意の範囲の第2減圧下で乾燥される。
【0084】
III.定義
請求項および/または明細書において「含む(comprising)」という用語と併せて用いられた場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は「1つ」を意味し得るが、「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」、および「1つ以上の」という意味とも合致する。本明細書において用いられるように、「別の」とは少なくとも2つ目またはそれ以降を意味し得る。
【0085】
本明細書において用いられるように、「薬物」、「医薬」、「活性剤」、「治療剤」、「治療活性剤」、または「薬学的有効成分」という用語は、ヒトまたは動物において治療的または薬理学的効果をもたらしかつ疾患、障害、または他の状態を治療するために用いられる化合物を表すために互換的に用いられる。いくつかの態様では、これらの化合物は生物への投与のための規制当局の承認を経て認可されている。
【0086】
請求項における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すことが明示的に示されているか、または代替物が相互に排他的である場合を除き、「および/または」を意味するように用いられる。本明細書において用いられるように、「別の」とは少なくとも2つ目またはそれ以降を意味し得る。
【0087】
「組成物」、「薬学的組成物」、「製剤」、「薬学的製剤」、「調製物」、および「薬学的調製物」という用語は本明細書においては同義的かつ互換的に用いられる。
【0088】
疾患または状態を「治療すること」またはその治療とは、疾患の兆候または症状を緩和しようとして、患者に1つまたは複数の薬物を投与することを含み得るプロトコルを実行することを指す。治療の望ましい効果は、疾患の進行速度を低下させること、疾患の状態を良くするかまたは軽減させること、および寛解または予後の改善を含む。緩和は疾患または状態の兆候または症状が現れる前や、それらが現れた後に起こることがある。よって、「治療する」または「治療」は疾患または望ましくない状態を「予防すること」またはその「予防」を含み得る。さらに、「治療する」または「治療」は兆候または症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、具体的には患者にわずかな効果しか及ぼさないプロトコルを含む。
【0089】
本願全体で用いられる「治療上の利益」または「治療的に有効な」という用語は、この状態の医学的治療に関して対象のウェル・ビーイングを促進するかまたは向上させるあらゆるものを指す。これは疾患の兆候または症状の頻度および重症度の低減を非限定的に含む。例えば、がんの治療は、例えば、腫瘍サイズの縮小、腫瘍の浸潤性の低減、がんの成長速度の低減、または転移の防止を伴い得る。がんの治療はがんを有する対象の生存期間を延ばすことも指し得る。
【0090】
「対象」および「患者」はヒト、または霊長類、哺乳類および脊椎動物などの非ヒトのいずれかを指す。特定の態様では、対象はヒトである。
【0091】
本明細書において概して用いられるように、「薬学的に許容される」とは、合理的なベネフィット/リスク比に見合う、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症のない、健全な医学的判断の範囲内でヒトおよび動物の組織、臓器、および/または体液と接触する使用に好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
【0092】
「薬学的に許容される塩」は、上で定義するような薬学的に許容され、かつ所望の薬理学的活性を有する、本明細書において開示される化合物の塩を意味する。そのような塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと、または有機酸、例えば、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、3-フェニルプロピオン酸、4,4'-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクト-2-エン-1-カルボン酸、酢酸、脂肪族モノおよびジカルボン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、炭酸、ケイヒ酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシナフトエ酸、乳酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、ターシャリーブチル酢酸、トリメチル酢酸などと形成された酸付加塩を含む。薬学的に許容される塩は、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応できる場合に形成され得る塩基付加塩も含む。許容される無機塩基は水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムを含む。許容される有機塩基はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどを含む。本発明の任意の塩の一部を形成する具体的なアニオンまたはカチオンは、塩が全体として薬理学的に許容される限り、重要ではないと認識されたい。薬学的に許容される塩ならびにそれらの調製および使用の方法のさらなる例はHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, and Use (P. H. Stahl & C. G. Wermuth eds., Verlag Helvetica Chimica Acta, 2002)に示されている。
【0093】
「その誘導体」という用語は、単量体糖単位のうちの少なくとも1つが原子または分子基または結合の置換によって修飾された、任意の化学的に修飾された多糖類を指す。1つの態様では、その誘導体とはその塩である。塩は、例えば、ハロゲン化水素酸、硫酸またはリン酸などの好適な鉱酸との塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩またはリン酸塩、任意でヒドロキシル化された低級アルカン酸、例えば、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸またはピバリン酸などの好適なカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/またはオキソ置換された低級アルカンジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸との塩、同様に芳香族、ヘテロ芳香族または芳香脂肪族カルボン酸、例えば、安息香酸、ニコチン酸またはマンデル酸との塩、ならびに好適な脂肪族または芳香族スルホン酸またはN-置換スルファミン酸との塩、例えば、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、またはN-シクロヘキシルスルファミン酸塩(シクラミン酸塩)である。
【0094】
本明細書において用いられる「溶解」という用語は、ここでは有効成分である固体物質が媒体中に分子形態で分散されるプロセスを指す。発明の薬学的用量の有効成分の溶解速度は、液体/固体界面、温度および溶媒組成の標準化された条件下で単位時間当たりに溶解する薬物物質の量によって規定される。「分散物」とは、1つまたは複数の化合物が溶液中に溶解しておらずむしろ溶解度以下である、溶液である。特に、化合物は難溶性であるか、わずかに可溶性であるか、または非常にほんのわずかに可溶性であり得る。
【0095】
「溶解度」という用語は溶媒に溶解できる化合物の量と定義される。特に、具体的な量は米国薬局方の記述用語を用いて記載され得る。特に、「非常に可溶性」という用語は溶質1部に対して必要な溶媒が1部未満であることを意味する。「溶けやすい」という用語は溶質1部に対して1~10部の溶媒が必要であることを意味する。「可溶性」という用語は溶質1部に対して10~30部の溶媒が必要であることを意味する。「難溶性」という用語は溶質1部に対して30~100部の溶媒が必要であることを意味する。「わずかに可溶性」という用語は溶質1部に対して100~1000部の溶媒が必要であることを意味する。「非常にわずかに可溶性」という用語は溶質1部に対して1000~10,000部の溶媒が必要であることを意味する。「実質的に不溶性または不溶性」という用語は溶質1部に対して10,000部を超える溶媒が必要であることを意味する。
【0096】
本明細書において用いられるように、「エアロゾル」という用語は、粒子サイズが十分に微細であり、その結果として沈降速度が低く相対的な空中安定性を有する、固体または液体粒子の空気中の分散物を指す(Knight, V., Viral and Mycoplasmal Infections of the Respiratory Tract. 1973, Lea and Febiger, Phila. Pa., pg. 2を参照されたい)。
【0097】
本明細書において用いられるように、「生理的pH」は平均的なヒトにおける正常なpHにある溶液を指す。ほとんどの場合、溶液のpHは約7.4である。
【0098】
本明細書において用いられるように、「吸入」または「肺吸入」は、肺、および特定の態様では肺の肺胞領域に到達するような、吸入による薬学的調製物の投与を指すように用いられる。典型的には、吸入は口を通じたものであるが、代替的な態様では鼻を通じた吸入を伴うこともある。
【0099】
本明細書において用いられるように、「乾燥粉末」は水性液体中に懸濁または溶解していない微粒子組成物を指す。
【0100】
「非複合乾燥粉末吸入器」は気道への薬物の送達のための装置を指し、薬物は使い捨てで単回用量の様式で乾燥粉末として送達される。特定の局面では、単純な乾燥粉末吸入器の作動部品は10個未満である。いくつかの局面では、単純な乾燥粉末吸入器は、外部エネルギー源の適用を通じてというよりも、むしろ患者の吸入力によって分散エネルギーが提供されるような受動的吸入器である。
【0101】
「中央粒子径」はレーザー回折または画像分析によって測定される幾何学的直径を指す。いくつかの態様では、粒子の少なくとも50体積%または80体積%のいずれかが中央粒子径範囲内にある。
【0102】
「空気動力学的中央粒子径(MMAD)」は空気動力学的直径(幾何学的直径とは異なる)を指し、次世代インパクター(NGI装置)などのカスケードインパクションによって測定される。
【0103】
「非晶質」という用語は、分子が明確な格子パターンに組織化されていない、実質的に非結晶性の固体を指す。翻って、「結晶性」という用語は固体中の分子が明確な格子パターンを有する固体を指す。組成物中の活性剤の結晶化度は粉末x線回折によって測定される。
【0104】
本明細書および請求項において用いられるように、「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの含む(comprising)のあらゆる形態)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有する(having)のあらゆる形態)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含む(including)のあらゆる形態)、または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの含有する(containing)のあらゆる形態)という単語は包括的すなわちオープンエンドであり、付加的な明記されていない要素または方法工程を除外するものではない。
【0105】
本明細書において用いられるように、「有意な」という用語(および「有意に」などの有意の任意の形態)は2つの値間の統計的な差異を暗示するのではなく、単にパラメーターの差異の重要性または範囲を暗示することを意味している。
【0106】
本願全体を通じて、「約」という用語は、値がその値を決定するために採用された装置、方法の誤差の固有のばらつき、または研究対象または実験研究間に存在するばらつきを含むことを示すために用いられる。別の定義が適用されない限り、「約」という用語は示された値の±10%を指す。
【0107】
本明細書において用いられるように、特定された成分に関連した「~を実質的に含まない」または「実質的に含まない」という用語は、特定された成分がいずれも意図的に組成物に配合されていないこと、および/または混入物としてまたは微量のみ存在することを意味するように本明細書において用いられる。すべての混入物、副生成物、および他の材料の合計量はその組成物中に2%未満の量で存在する。「~を本質的に含まない」または「本質的に含まない」という用語は組成物に含有される特定の成分が1%未満であることを表すために用いられる。「~を完全に含まない」または「完全に含まない」という用語は含有される特定の成分が0.1%未満ということである。
【0108】
発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメーターは近似値であるが、具体例に示す数値は可能な限り正確に報告している。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定およびパラメーターで見られる標準偏差に必然的に起因する、ある程度の誤差を本来的に含んでいる。
【0109】
本開示の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な記載から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は、開示の好ましい態様を示している一方で、開示の精神および範囲内の様々な変更および修正が当業者にはこの詳細な説明から明らかになるため、例示のためにのみ与えられていると理解されたい。
【実施例】
【0110】
IV.実施例
本開示のよりよい理解を容易にするために、具体的な態様の以下の実施例が与えられている。当業者であれば、次の実施例に開示される技術は開示の実施において良好に機能することが発明者によって見出された技術を示しており、従ってその実施のための好ましい形態を構成すると考えられ得ることを認識すべきである。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、開示された具体的な態様に多くの変更を加えることができ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を依然として得ることができることを認識すべきである。以下の実施例は開示の範囲全体を何ら限定するかまたは規定すると読まれるべきではない。
【0111】
実施例1 - 吸入用の乾燥粉末を調製するための懸濁液ベースの薄膜凍結による規則的混合
A.実験計画
吸入製品の開発は、効果的な薬物送達を達成するために、いくつかの物理的問題に対処しなければならない。DPIからの薬物粒子が下気道に到達する確率を最大化するためには、薬物粒子の空気動力学的直径は1μm~5μmでなければならない(Prime et al., 1997)。しかしながら、そのような微細化された薬物粒子は結合力が高く、凝集する傾向があり、その結果、流動性が低下し、エアロゾル化特性が低下し、用量のばらつきが大きくなる(Chan and Chew, 2003)。
【0112】
空気動力学的直径、流動性、エアロゾル化特性、用量のばらつきなどの吸入製品の開発に関連する問題を克服するために、オーダードミクスチャーの概念が肺薬物送達用の担体ベースの製剤を調製するために適用されてきた。担体ベースの製剤はラクトース(LAC)などの粗い担体に接着した微細化された薬物粒子で構成される。この系ではエアロゾル化時に薬物粒子が担体粒子から脱凝集(deaggregate)され、これが結合性の高い微粉化された薬物粒子を肺の深部に導入する(de Boer et al., 2012)。担体は薬物粒子の流動性を高め、薬物粒子の凝集を減少させ、分散およびエアロゾル化を補助することができる。これは薬物単独と比較して用量の精度を向上させ、用量のばらつきを最小限に抑える。これはまた製造プロセス時の取り扱いをより容易にさせる(de Boer et al., 2012)。ランダムな混合物とは異なり、オーダードミクスチャーでは重力の影響が限定的であるため、微細なまたは接着性の粒子の移動の自由が最小限に抑制される(Tan et al., 2019)。さらに、薬物微粒子と粗い担体の表面との相互作用(すなわち、ファンデルワールス的、毛細管的、静電的、および力学的な力によって支配される相互作用)が薬物分布の均一性および粉末ブレンドの取扱い性を向上させる(de Boer et al., 2012)。
【0113】
オーダードミクスチャーの概念は粉末の均質性を向上させることを意図していたが、微細化された薬物と担体との粒子間力を制御することは担体ベースの混合物の開発にとって依然として課題となっている。至適な結合力-接着力バランスを備えた所望のブレンド組織を作成するためにはブレンディングプロセスを至適化すべきことが報告されており(Tan et al., 2019; Begat et al., 2004)、これはブレンディングが薬物と担体との物理的な再配置および粒子間力に影響を及ぼし、ひいては担体ベースのDPI製剤のエアロゾル化に影響を及ぼし得るためである(Begat et al., 2004)。薬物と担体との接着力は製造プロセス時にブレンドの均質性を維持するのに十分な強さでなくてはならないが、薬物粒子が吸入流によって脱離しないほどには強すぎないのがよい(Zhou and Morton, 2012)。オーダードミクスチャーにおける薬物粒子の接着傾向はブレンド時間とともに増加し得る(Grasmeijer et al., 2013)。薬物-担体の接着力が強いと担体からの薬物の脱離が不十分になり得るため、薬物-担体DPI製剤における薬物の付着効率が低下する原因になる(de Boer et al., 2012)。
【0114】
ブレンドの均質性はオーダードミクスチャーにとって、特に低用量の製剤および高効力の薬物にとって重要な特性である。極低用量のAPIは含有量均一性に厳密な要件を課す(Sarkar et al., 2017)。ブレンドの品質はブレンド時の粒子間または粒子とブレンダー表面との摩擦によって発生する粒子表面の静電荷にも大きく影響される可能性がある(Kaialy, 2016; Pu et al., 2009)。微粒子はブレンディングプロセス時にあらゆるもの(例えば、ブレンダー、容器壁、インペラ翼)に接着する傾向があるため、微粒子の接着は薬物の損失(その後の不均質性)および偏析傾向につながる(Sarkar et al., 2017)。多くの場合、不十分な混合は単に混合時間を増やすだけでは改善できない。ブレンド均質性を向上させるために他の要因(例えば、ミキサーの選択、回転速度、充填レベル)が検討されてきた。さらに、ブレンディング時間を長くすると、粉体が臨界ブレンディング時間を超えて混合される際に生じる分離(de-mixing)を引き起こす可能性もあり得る(Poux et al., 1991)。Grasmeijerらは混合時間を長くするとサルメテロールおよびフルチカゾンの含有量均一性が低下することを報告した(Grasmeijer et al., 2013)。分離は過剰な慣性力または剪断力に関連しており、これは薬物と担体との接着力の乱れにつながるため、偏析の可能性が高まる(Staniforth et al., 1981)。
【0115】
多くの研究によって、担体からの薬物の脱離を維持しつつ含有物均質性を向上させる要因が広範に調査されてきた。担体粒子サイズの至適化は1つの戦略であるが、しかしながら、担体サイズがエアロゾル性能に及ぼす影響は複雑であり、完全には理解されてない。いくつかの研究は担体の粒度が小さいと吸入可能量が増加し得ると報告しているが(Kaialy et al., 2012; Le et al., 2012)、担体サイズの増加が必ずしも薬物のエアロゾル化に悪影響を及ぼすわけではないことを実証した研究もある(Kaialy et al., 2013; Hassan and Lau, 2010)。さらに、小さい担体サイズの使用は小さな粒子の欠点に対処しなければならない。担体サイズがより小さくなると含有量均一性のばらつきが大きくなる(RSD>8.0%)(Kaialy et al., 2012)。
【0116】
担体の表面粗さの改変は、粒子相互作用に影響を及ぼす、薬物と担体との接触面積を変更するための別の戦略として提案されている(Zhou and Morton, 2012)。より大きな担体粒子への微細なLAC担体の添加は活性部位を改変する1つの方法として報告されている(Zeng et al., 1999; Young et al., 2007; Tee et al., 2000; Adi et al., 2008)。微粒子フラクションと微細LACの含有量との間には、それが15%未満の場合には、線形な関係があった(Young et al., 2007)。これらの微粒子は活性部位に優先的に接着できるため、薬物粒子が接着できる領域が最小限に抑えられることが提案されている(Zeng et al., 2000)。Zengらは、薬物の分散性が改善されるものの、粗いLACと微細化された薬物との混合物に微細なLAC粒子を添加すると薬物の含有量均一性が有意に低下すると報告した。したがって、均質な粉末を得るためには混合時間および混合順序の至適化が必要である(Zeng et al., 2000; Jones et al., 2010)。
【0117】
ロイシンまたはステアリン酸マグネシウムなどの力制御剤の添加が高表面自由エネルギー部位の表面不動態化を減少させる別の方法であり、これは次いでDPI性能を向上させ得る(Singh et al., 2015; Begat et al., 2005)。とはいえ、ブレンディング均質性は担体粒子表面の粗さによって影響を受ける(Karner et al., 2014)。Karnerらは、平滑な担体を含む混合物の含有量均一性は表面が粗いLACを含む混合物よりも高いことを報告した(Karner et al., 2014)。薬物は粗い表面に付着する可能性が低く、混合後の薬物と粗い表面との接着力が弱くなると仮定された(Karner et al., 2014)。よって、これはブレンディング均質性を最小限に抑え得る(Karner et al., 2014)。
【0118】
担体ベースの混合物は微細化された薬物とその担体との粒子間力の複雑な至適化を用いて結果よく開発することができるが、実験室規模の製剤を市販の吸入製品に変換することも簡単ではない(Sarkar et al., 2017)。薬物-担体ブレンドのスケールアップにはロバストな製造プロセスが必要である(Sarkar et al., 2017)。バッチサイズはブレンド均一性に大きな影響を及ぼすため、異なるバッチサイズの製造では処理パラメーター(例えば、混合時間、混合速度、混合の種類)も至適化しなければならない。さらに、DPI製品におけるばらつきは主に原料LACのバッチ間の稠性(consistency)に起因することがいくつかの研究で報告されている(de Boer et al., 2012; Steckel et al., 2004)。担体におけるそのようなバッチ間のばらつきは微粒子含有量、粒度分布、表面形態、および非晶質含有量の差異を含んでいた(Steckel et al., 2004)。
【0119】
現在市販されているDPI製品の大部分は比較的少ない肺への付着(約10~35%微粒子フラクション)を呈したため(Crowder et al., 2002)、DPI製品のエアロゾル性能を向上するために粒子工学が適用されてきた。TFFは、粒子サイズ、表面特性、形態、結晶化度などの薬物の物理化学的特性を改変できるボトムアップ粒子工学技術の1つである(Overhoff et al., 2009)。いくつかの場合(例えば、ボリコナゾール)では、薬物および賦形剤はナノ凝集体として形成される。賦形剤(例えば、マンニトール)は、薬物粒子間の結合性を最小限に抑え、次いで薬物の分散性を向上させる表面改質剤として機能する(Moon et al., 2019)。別の場合(例えば、タクロリムス)では、TFFは溶解したAPIから形成されたナノ粒子の結合の凝集体である脆性ナノ構造マトリクスとして非晶質薬物を生成することができる(Watts et al., 2013)。この系では、装置からおよび吸入流からの剪断力が多孔質粒子の脆性マトリクスを低密度の呼吸可能な粒子に分解することができる(Watts et al., 2013)。TFF粒子はミル粉砕によって生成された微細化薬物粒子に比べていくつかの利点を提供する。Wangらは、粒度が大きい(>10μm)TFF粒子はマクロファージの取り込みを回避できるため、肺での薬物の滞留を長引かせることを報告した(Wang et al., 2014)。さらに、ナノ凝集体は微粒子よりも肺内に均一に分配される(Longest et al., 2017)。
【0120】
従来の粉末ブレンディングにおいて観察されるこれらの報告された均質性の問題を回避するために、本発明者らは、ニクロサミド(NIC)、タクロリムス(TAC)およびボリコナゾール(VCZ)といういくつかのモデル薬物を用いて、一段階で吸入用のオーダードミクスチャーを調製する際のTFFの実行可能性を調査した。この系では、薬物が溶媒に溶解され、次いでラクトース(LAC)担体粒子がLACの貧溶媒である同じ溶媒に分散(つまり、懸濁)される。ナノ構造の脆性マトリクスまたはナノ凝集体はTFFプロセス時に担体と、すなわち、これに強く凝集することができ、これは続いて粉末ブレンドの均質性、密度、流動性および取扱性を向上することができると仮定された。その一方で、配合の至適化を用いて、TFFオーダードミクスチャー粉末中のAPIがエアロゾル化の際に担体から分散し、至適なエアロゾル性能を発揮することが可能であった。さらに、担体サイズ、薬物負荷量、二次賦形剤の存在がエアロゾル性能および均質性に及ぼす影響を評価した。
【0121】
B.材料および方法
材料。タクロリムスUSPはApotex Fermentation Inc.(Winnipeg, Manitoba, Canada)から購入した。ボリコナゾールUSPはAurobindo Pharma Limited(Telangana, India)から購入した。トリフルオロ酢酸、リン酸、アセトニトリル(HPLCグレード)、メタノール(HPLCグレード)、および1,4-ジオキサンはFisher Scientific(Fair Lawn, NJ, USA)から購入した。Lactohale(登録商標)(LH300、LH230、およびLH206)ならびにRespitose(登録商標)SV003はDFE Pharma (Goch, Germany)から購入した。ポビドン K25はBASF(Florham Park, NJ, USA)の厚意により提供された。Quali-V(登録商標)-1HPMCカプセル(サイズ3)はQualicaps(登録商標), Inc(USA)の厚意により提供された。RS01およびRS00高抵抗単回用量乾燥粉末吸入器はPlastiape S.p.A.(Osnago, Italy)の厚意により提供された。
【0122】
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いた乾燥粉末吸入用の粉末の調製。TACまたはVCZの分散物は製剤組成に基づいて3つの異なる方法を用いて調製した(
図1)。最初の方法では、薬物を1,4-ジオキサンに溶解した。次いで、LAC担体を溶液に分散させた。2つ目の方法では、薬物を1,4-ジオキサンに溶解した。ポリビニルピロリドン(PVP)K25をアセトニトリルに溶解した。次いで、両溶液を混合して1,4-ジオキサン-アセトニトリル(95:5 v/v)を得た後、LAC担体を溶液に分散させた。3つ目の方法では、-80℃のロイシン溶液(1.0%ロイシン水溶液)のTFFを用いてTFF無混合ロイシンを調製した一方で、ジェットミル粉砕ロイシンはセクション2.3に記載したように調製した。薬物を1,4-ジオキサンに溶解した。次いで、工学的に改変されたロイシン(TFFロイシンまたはジェットミル粉砕ロイシン)およびLAC担体を溶液に分散させた。
【0123】
LACのグレード、薬物負荷量、および二次賦形剤(PVP K25、TFFロイシン、およびジェットミル粉砕ロイシンを含む)のパーセンテージを表1に示すように至適化した。各分散物を滴下時に振とうし、次いで、回転させた極低温ステンレス製ドラム上に10cmの高さから滴下した。すべての試料を-80±10℃で凍結させ、次いで凍結乾燥機に移した。一次乾燥サイクルは-40℃および100mTorrで20時間実施し、二次乾燥サイクルは40℃および100mTorrで20時間保持した。
【0124】
(表1)懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC-LAC粉末およびVCZ-TAC粉末の製剤組成
【0125】
TAC、VCZ、およびロイシンのジェットミル粉砕。TAC、VCZ、およびロイシンは、実験室規模のAlijetエアジェットミル(モデル00 Jet-O-Mizer, Fluid Energy, Telford, PA)を用いて、TACおよびVCZについては1~5μmの呼吸可能な範囲内の粒度分布およびロイシンについては6~10μmの粒度範囲まで微粉化した。エアジェットミルは75psiの粉砕圧、65psiの供給圧、および0.7g/minの供給速度に設定した。
【0126】
LAC担体とのジェットミル粉砕された薬物のブレンディング。吸入グレードのLACと粉砕したTACまたは粉砕したVCZとの粉末ブレンドはVブレンダー(MaxiBlend(登録商標)Lab Blender, GlobePharma, New Brunswick, NJ, USA)を用いて調製した。これらの粉末は様々な薬物負荷量を有しており、様々なグレードのLACは表2に示すように調製した。粉末は25rpmで5分間ブレンドした。
【0127】
(表2)従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末およびVCZ/LAC粉末の製剤組成
【0128】
走査型電子顕微鏡法(SEM)。走査型電子顕微鏡法(Zeiss Supra 40 C SEM, Carl Zeiss, Heidenheim an der Brenz, Germany)を用いて、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の表面粒子形態を決定した。少量の原末をカーボンテープ上に配置した。スパッタを用いてすべての試料を15mmの60/40Pd/Ptでコーティングした後、画像を取得した。
【0129】
薬物の定量(HPLC)。TACの含有量はAgilent HPLC System 1220 Infinity II(Agilent, Santa Clara, CA USA)で分析した。表3に示すようにグラジエント法では2つの移動相を用いた。移動相Aは0.4%リン酸水溶液を用い、相Bには100%アセトニトリルを用いた。TACの吸光度は波長215nmのUV検出を用いて検出した。固定相はWaters XBridge C18 カラム (4.6×150mm、3.5μm)(Milford, MA, USA)であり、移動相の流量は1.5mL/minであった。カラム温度は50℃に制御した。TACの保持時間はおよそ約12.0分であった。
【0130】
VCZの含有量もAgilent HPLC System 1220 Infinity II(Agilent, Santa Clara, CA, USA)で分析した。Waters Xbridge C18カラム(4.6×150mm、3.5μm)(Milford, MA)を0.8mL/minの流速で用いた。0.1%(v/v)TFAを含む40:60(%v/v)水-アセトニトリルの移動相を用いて定組成法を4分間実施した。25℃で254nmの波長のUV検出を用いてVCZの吸光度を検出した。VCZの保持時間はおよそ約2.7分であった。
【0131】
TACの標準溶液はメタノール-水(60:40、v/v)で希釈することにより1~250μg/mLの範囲で調製した。VCZの標準溶液はアセトニトリル-水(50:50、v/v)で希釈することにより1~250μg/mLの範囲で調製した。すべての分析は試験した範囲で線形を維持した。すべてのクロマトグラフィーデータはAgilent Chemstation software(Agilent, Santa Clara, CA, USA)によって処理した。
【0132】
【0133】
インビトロエアロゾル性能。空気力学的特性は、大容量ポンプ(model HCP5, Copley Scientific, Nottingham, UK)とクリティカルフローコントローラー(model TPK 2000, Copley Scientific, Nottingham, UK)とに接続した次世代薬学的インパクター(NGI)(MSP Corp, Shoreview, MN)を用いて決定した。RS01 Plastiape(登録商標)高抵抗吸入器(Plastiape, Osnago, Italy)を用いてTAC乾燥粉末をエアロゾル化し、RS00 Plastiape(登録商標)高抵抗吸入器を用いてVCZ乾燥粉末をエアロゾル化した。これらの装置は成型シリコンアダプターによって導入口に取り付けられた。TFF粉末を、TACの場合は1回の作動あたり4秒間にわたり60L/minの流量、VCZの場合は4.1秒間にわたり58L/minの流量で、USP導入口を通じてNGI中に分散させた。
【0134】
この研究ではプレセパレーターを用いた。NGI収集プレートをメタノール中の1.5%w/vポリソルベート20でコーティングし、使用前に20分間乾燥させた。エアロゾル化後、付着した粉末を抽出し、TACの場合は水とメタノールとの混合物(40:60 v/v)、VCZの場合は水とアセトニトリルとの混合物(50:50 v/v)で希釈した。付着した粉末中のTACおよびVCZの含有量はセクション2.6に記載したHPLC法を用いて決定した。Copley Inhaler Testing Data Analysis Software (CITDAS) Version 3.2 (Copley Scientific, Nottingham, UK)を用いて微粒子フラクション(FPF)、放出フラクション(EF)、空気動力学的中央粒子径(MMAD)、および幾何標準偏差(GSD)を計算した。FPFおよびEFはいずれも、装置(カプセルおよび装置)、導入口(アダプターおよび導入口)、ステージ1~7、およびマイクロオリフィスコレクター(MOC)に付着した量の合計である回収量に基づいて計算した。
【0135】
X線粉末回折(XRD)。粉末の結晶化度は、卓上型X線回折装置であるモデルMiniflex 600 II(Rigaku, Tokyo, Japan)を用いて、一次単色放射線(Cu K放射線源、λ=1.54056Å)で測定した。装置は15mAで40kVの加速電圧で操作した。試料を試料ホルダに装填し、2°/minの走査速度、5~40°の2θ範囲にわたって0.02°のステップサイズおよび2秒の滞留時間で走査した。
【0136】
比表面積。粉末の比表面積(SSA)を決定するために、Monosorb高速表面積分析装置であるモデルMS-21(Quantachrome, Boynton Beach, FL, USA)およびブルナウアー・エメット・テラー(BET)一点法を用いてガス吸着分析を実施した。分析前に、既知量の粉末をヘリウム下にて25℃で24時間脱気した。この脱気温度は、水蒸気の除去を依然として促進しつつ、熱に関連した粉末の劣化を回避するように選択した。窒素-ヘリウムの混合物(30:70 v/v)を吸着ガスとして用いた。得られた表面積を試料の重量でノーマライズして粉末のSSAを得た。
【0137】
均質性試験。懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製された粉末をセクション2.6に記載されているようにHPLCを用いてそれらのTACおよびVCZの含有量についてそれぞれ分析した。各製剤粉末からの10個の試料をアッセイのために試験した。各試料は20.0mg±1mgの重量があり、TACの場合はメタノール/水(60:40 v/v)、VCZの場合はアセトニトリル/水(50:50 v/v)で希釈して100μg/mLを得た。各製剤の含有量均一性のパーセンテージは名目用量に対するTACまたはVCZのパーセンテージとして計算された一方で、TACおよびVCZの含有量均質性はパーセンテージ相対標準偏差(%RSD)で表された。
【0138】
レーザー回折計による脱凝集(deagglomeration)の程度。TFFオーダードミクスチャーおよび粉末ブレンドの粒度はRODOS乾式分散ユニット(Sympatec GmbH, Clausthal-Zellerfel, Germany)と結合させたHELOSレーザー回折装置を用いて測定した。試料は20%の定回転設定で回転テーブルによって供給した。測定は光学濃度が1%を超えたときに5msごとに起こるように設定した。時間基準は100msに設定し、強制安定性を適用した。5%~25%の光学濃度間の各測定のPSDを平均して全体のPSDを得た。PSDは0.25~4.0バールの範囲の一次圧力(PP)で段階的に増加させて測定した。各圧力で測定を3回実施した。凝集体を1つに保持する相互作用力に打ち勝つことができる圧力である臨界一次圧力(CPP)はJaffariらから適合させた方法を用いて決定した(Jaffari et al., 2013)。CPPは、2つの連続する一次圧力間の幾何学的中央径の差が6%より小さい場合に割り当てられた(Jaffari et al., 2013)。
【0139】
統計的分析。各製剤のEF、FPF、MMAD、およびSSAの統計的有意性はANOVAを用いて判定した。p値<0.05を有意差とみなした。JMP15.1を用いてデータの有意性を比較した。
【0140】
C.結果
1.懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末の特性
物理的特性。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の表面形態を決定するためにSEMを用いた。無混合LACはTFF後もその形態を保持していることが示された(
図2)。小さな担体(Lactohale(登録商標)LH300、Lactohale(登録商標)LH230)は凝集したが、大きな担体(例えば、Respitose(登録商標)SV003、Lactohale(登録商標)LH206)は別個の粗大粒子を呈した。プロセス前後にLAC粒子の表面には微細なLAC粒子が見られた。
【0141】
図3は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製されたTAC/LAC粉末の形態を示す。TACのナノ構造脆性マトリクスがLAC担体の表面に見られた。本発明者らの過去の研究で報告されたように、TACのナノ構造脆性マトリクスはTFFによって形成された。薬物負荷量によってナノ構造脆性マトリクスのより多くの部分がLACの表面に接着する結果となった(
図3A)。
図3BはTACのナノ構造脆性マトリクスのLAC担体表面への付着がLAC担体の様々な大きさによって影響を受けたことを実証している。
【0142】
Lactohale(登録商標)LH300およびLactohale(登録商標)LH230の場合に示されているようにTACのナノ構造脆性マトリクスおよび小型のLACが凝集している。Respitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)LH206などのより大きなLAC担体については、本発明者らは、薬物のナノ構造脆性マトリクスと薬物凝集体でコーティングされたLAC粒子とを含む2つの粒子形態を観察した。Respitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)LH206の粒度分布はそれぞれ19~106μmおよび20~170μmの範囲であった(DFE Pharma, 2020)。ナノ構造脆性マトリクスは小型のLACと凝集できるが、大きな担体の表面を覆うことができないため担体から脱離する。その結果、ナノ構造凝集体の一部のみがRespitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)LH206の表面に付着した一方で、脆性マトリクスの他の部分は個々の脆性マトリクス粒子として残った。
図3Cは二次賦形剤の添加後により大きなフラクションのナノ構造脆性マトリクスがLAC担体と混合したことを実証している。
【0143】
薬物および賦形剤の物理的状態はX線回折によって特性決定された(
図4)。予想され得るように、XRD回折図においてLAC担体およびジェットミル粉砕ロイシンのピークが観察され、両方の賦形剤が貧溶媒系に分散されていたためプロセス後も結晶質のままであることが示された。XRD回折図は、TFF無混合TAC、TAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)、またはTFF TAC/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)においてはTACのピークがないことを実証した。これはTACがプロセス後に非晶質になったことを示している。TACはその結晶化が遅いガラス形成能タイプIII薬物である(Wyttenbach and Kuentz, 2017)。この特性により安定剤を用いないプロセス後も薬物は非晶質を維持する。TFF無混合ロイシンはロイシンを水に溶解し、続いてTFFすることによって調製されたが、XRD回折図はロイシンのピークを示し、ロイシンがプロセス後も依然として結晶質であることが示された。TFFロイシンを薬物溶液に分散させ、続いてTFFした後、XRD回折図は、TFF無混合ロイシンとTAC/Lactohale(登録商標)LH230/TFFロイシン(10/90/10)のTFF混合物との両方でロイシンのピークが検出されたため、TFFロイシンが結晶質のままであったことを実証した。TFF TAC/Lactohale(登録商標)LH230/PVP K25(10/90/5)ではLACのピークのみが見られたことを示したため、製剤へのPVP K25の添加は製剤組成物の結晶性に影響を及ぼさなかった。
【0144】
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の比表面積(SSA)はガス吸収分析によって決定した。本発明者らは未処理のLACとTFF無混合LACとの間ではSSAに有意差(p<0.05)が無いことを見出し、これはLAC担体の表面積がTFFによって変化されないことを示している。さらに、担体サイズは担体のSSAに影響を及ぼす。Lactohale(登録商標)LH300はLACの全4グレードの中で最も高いSSAを呈した一方で、Respitose(登録商標)SV003は最も低いSSAを示した(
図5)。Lactohale(登録商標)LH206のより大きなサイズにもかかわらず、Respitose(登録商標)SV003のSSAはLactohale(登録商標)LH206のものよりも小さかった。これは、様々な種類のLAC Respitose(登録商標)SV003が19~106μmの粒度範囲の篩過LACである一方で、Lactohale(登録商標)LH206が20~170μm(DFE Pharma, 2020)の粒度範囲の粉砕LACであることに関連し得る。したがって、異なるプロセスに起因して、Respitose(登録商標)SV003のより低いSSAは表面粗さと小さなLACの量との差異に関連し得る。
【0145】
TACの存在により、SSAの傾向は未処理LACおよびTFF無混合LACのものと同様であった。TAC TFFオーダードミクスチャーのSSAの順位はLH300 > LH230 > LH206 > SV003であった。同様に、Respitose(登録商標)SV003を含有するTFF TACのSSAはLactohale(登録商標)LH206を含有する製剤のものよりも小さかった。
【0146】
2.懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末の特性
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末のエアロゾル性能に対する薬物負荷量、担体サイズ、および二次賦形剤の存在の影響を調査した。インビトロ空気力学試験は懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末のエアロゾル性能に薬物負荷量が影響を及ぼすことを明らかにした。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末のMMADは薬物負荷量が1~5%の範囲で増加するにつれて有意に低下した(
図6)(p<0.05)が、しかしながら、薬物負荷量が5~30%の範囲ではMMADに有意差はなかった。同様に、回収量の微粒子フラクション(FPF)は薬物負荷量が1%から10%まで増加するにつれて32%から53%まで有意に増加した(
図6B)(p<0.05)。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末のFPFは薬物負荷量が10%から30%まで増加するにつれて53~57%の範囲で一貫していた(
図6B)。さらに、薬物負荷量はTACの放出フラクションには有意な影響がなかった。すべての製剤のEFは91~94%の範囲であった。
【0147】
従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末のエアロゾル性能も薬物負荷量が増加するにつれて向上したことに留意することが重要である。従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末のMMADは薬物負荷量が1%から30%まで増加するにつれて4.59μm±0.01μmから3.56μm±0.01μmまで有意に低下した(p<.05)。従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC(30/70)のFPFは従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC(1/99)よりも有意に高かった。同様の傾向にもかかわらず、従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末のFPFは薬物負荷量範囲全体にわたってTFF懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末のFPFよりも小さかった。
【0148】
担体サイズは懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末のエアロゾル性能に影響を及ぼすようであった。懸濁液ベースのTFFおよび従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH300(10/90)はいずれも他のLACグレードよりも有意に高いMMADおよび低いFPF(p<0.05)を示した(
図7)。さらに、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH206(10/90)は他のLACグレードと比較して有意に小さいMMADおよび高いFPF(p<0.05)を示した。最後に、
図7Cは回収された薬物の位置と、呼吸器系内で異なる浸透性を達成する薬物負荷量のパーセンテージとを示す。
【0149】
TFFまたはジェットミル粉砕によって調製された工学的に改変されたロイシン粒子も、担体から薬物を分散させるために用いられた。どちらの工学的に改変された分散剤も懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製されたTAC/LAC粉末のエアロゾル性能には影響を及ぼさないようであることが分かった。本発明者らは0%、5%、および10%のTFFロイシンを含有する製剤のMMAD、FPF、およびEFには有意差を観察せず、これはTFFロイシンの量がTAC-LAC粉末のエアロゾル性能に影響を及ぼさなかったことを示している(
図8)。さらに、10%TFFロイシンおよび10%ジェットミル粉砕ロイシンを含有する製剤間ではMMAD、FPF、およびEFに差異はなく、TFF粉末のエアロゾル化がロイシンの形態によって影響を受けなかったことが示された。
【0150】
TFF粉末のエアロゾル性能に対するPVP K25の影響も調査した。インビトロ空気力学試験はPVP K25の存在がTACのエアロゾル性能を低下させることを実証した。PVPを異なる量で含有する製剤間ではMMAD、FPF、およびEFに有意差は無かった。
【0151】
3.従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末の均質性
(表4)従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末の均質性。%RSDは相対標準偏差であり、標準偏差に100を掛け、この積を平均で割ることによって計算される。%RSDは平均に対するデータのひろがりを表す。
【0152】
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末および従来の配合を用いて作製されたものを分析してそれらのTAC含有量の均一性を判定した。米国薬局方によれば、DPIの含有量均質性の基準は名目用量の85~115%である(Tan et al., 2019)。10投与単位の相対標準偏差(RSD)は6%以下となるべきである(Tan et al., 2019)。HPLC分析はTACの含有量が97~102%の範囲であることを示した(表4)。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたほぼすべての製剤のRSDは、TAC/Lactohale(登録商標)LH206(1/90)を除き、概して6%より小さかった。担体サイズが最も大きいLactohale(登録商標)LH206は最も高いRSD(8.1%)を呈し、より小さなLAC担体よりもばらつきが大きいことが示された。
【0153】
従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末よりも含有量均一性において大きなばらつきを呈した。TACの含有量は名目用量の90~111%で変動した。TACのRSDは約6~21%RSDであった。興味深いことに、より小さいサイズのLACは、より大きいサイズのLACよりも小さいRSDを示した。TAC/Lactohale(登録商標)LH300(10/90)およびTAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)のRSDは約6%であったが、TAC/Respitose(登録商標)(10:90)およびTAC/Lactohale(登録商標)LH206(10/90)のRSDはそれぞれ21.3および19.5であった。
【0154】
4.従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末の臨界一次圧力
粉末の脱凝集の程度はJaffariの研究(Jaffari et al., 2013)から適合させた乾式分散レーザー回折法によって決定した。臨界一次圧力は粒子サイズがプラトーに達する圧力であり、これは凝集体を1つに保持する相互作用力に打ち勝つために必要な分散圧力を示す(Jaffari et al., 2013)。CPPは粉末の結合性および粉末の脱凝集の程度も表す(Jaffari et al., 2013)。
図9は懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製された粉末のCPPを示す。懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製された粉末のCPPはTACの薬物負荷量によって影響を受けることが実証された。懸濁液ベースのTFFプロセスについては、TAC/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)のCPPはTAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)およびTAC/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)よりもそれぞれ2.5バールおよび0.5バール高かった(
図9)。これは薬物負荷量が多いほど脱凝集の程度が小さくなることを示している。
【0155】
従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH230でも同様の傾向が見られた。従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)のCPPはTAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)およびTAC/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)より0.5バール高かった。興味深いことに、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末は従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/LAC粉末よりも高いCPPを呈した(
図9)。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)のみが従来のブレンディングを用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)と同じCPPを呈した。
【0156】
さらに、担体サイズが粉末の脱凝集に影響を及ぼした。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された無混合LAC粉末については、LACの粒度が大きいほどCPPが低くなり(
図9)、LACの粒度が大きいほど多くの脱凝集を呈したことが示された。これは懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングの両方を用いて作製されたTAC/LAC粉末で観察された傾向と一致している。両方の方法を用いて作製されたTAC/Lactohale(登録商標)LH300(10:90)はより大きなサイズのLACを含有する他の製剤よりも高いCPPを示した。同じ製剤組成にもかかわらず、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたTAC/LAC粉末は従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも高いCPPを呈した。
【0157】
興味深いことに、様々なタイプの二次賦形剤がTFF粉末の脱凝集の程度に影響を及ぼす。
図9中の青い縦棒は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された二次賦形剤を含有する製剤のCPPの比較を示す。TAC/Lactohale(登録商標)LH230/TFFロイシン(10/90/10)のみがTAC/Lactohale(登録商標)LH230(10/90)より高いCPPを呈した。TAC/Lactohale(登録商標)LH230/ジェットミル粉砕ロイシン(10/90/10)およびTAC/Lactohale(登録商標)LH230/PVP K25(10/90:5)のCPPはTAC/Lactohale(登録商標)LH230(1/90)のものと同様であり、ジェットミル処理ロイシンおよびPVP K25の添加はTFFオーダードミクスチャー粉末における脱凝集の程度に影響を及ぼさないことが示された。
【0158】
5.懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ-LAC粉末の特性
物理的特性。
図10は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製されたVCZ/LAC粉末の粒子形態を示す。VCZはLAC担体の表面にナノ凝集体を形成した。
図10AはVCZの薬物負荷量が多いほどLAC担体上のナノ凝集体の部分が大きくなることを実証している。LACの粒子サイズはTFFオーダードミクスチャーの粒子形態に影響を及ぼすようであった。
図10Bは、Lactohale(登録商標)LH300およびLactohale(登録商標)LH230などの小さなLAC担体がVCZナノ凝集体と凝集した一方で、Respitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)LH206などのより大きな担体がVCZナノ凝集体で覆われた別個の粒子を呈したことを示している。TACの場合と同様に、PVPおよびTFFロイシンはTFF後に脆性マトリクスを形成して、LAC担体上に脆性マトリクスの付着をもたらした(
図10C)。
【0159】
図11は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZおよび賦形剤の結晶性を示す。VCZのピークはTFF VCZ/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)およびTFF無混合VCZの両方において約13.5°および17.5°で観察され、VCZがTFF後に結晶質であることが示された。さらに、貧溶媒系中に分散されたLAC、ジェットミル粉砕ロイシン、およびTFFロイシンはXRD回折図においてシャープなピークを呈した。これはLACおよびロイシンの両方がプロセス後も結晶質のままであることを示している。PVP K25の添加はVCZの結晶性に影響を及ぼさなかった。VCZのピークはVCZ/Lactohale(登録商標)LH230/PVP K25(30/70/5)でも観察された。
【0160】
VCZの存在により、TFF無混合LACと比較してSSAが有意に増加した(p<0.05)。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/Lactohale(登録商標)LH300はLACグレードの中で最も高いSSAを呈したが、しかしながら、他のグレードのLAC間ではSSAの有意差は観察されなかった(
図12)。従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末はLAC未処理粉末および無混合LACと同様の傾向を呈することが示された。従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のSSAは次のように順位付けされた:Lactohale(登録商標)LH300 > Lactohale(登録商標)LH230 > Lactohale(登録商標)LH206 > Respitose(登録商標)SV003。
【0161】
TACの場合と同様に、本発明者らはVCZのエアロゾル性能に対する薬物負荷量、担体サイズ、および二次賦形剤の存在の影響を調査した。薬物負荷量は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のエアロゾル性能に影響を及ぼした。インビトロ空気力学試験はTFF製剤中の薬物負荷量が1%から10%まで増加するにつれてMMADが5.68μm±0.36μmから3.90μm±0.48μmまで有意に低下することを実証した(
図13A)(p<0.05)。薬物負荷量が10%を超えた場合にはMMADに有意差はなかった。同様に、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のFPFは薬物負荷量が1%から10%まで増加すると12.38%±1.98%から33.21%±5.17%まで増加した(
図13B)。薬物負荷量が10%を超えた場合にはFPFは変化しなかった(
図13B)。これは従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末とは対照的である。薬物負荷量は従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のエアロゾル性能には有意な影響を及ぼさなかった。従来のブレンディングについては、VCZ-Lactohale(登録商標)LH230(1:99)のFPFはVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)よりわずかに高かったが、しかしながら、VCZ/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)とVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)との間にはMMADに有意差はなかった。
【0162】
担体サイズは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末および従来のブレンディングを用いて作製された粉末のエアロゾル性能に影響を及ぼした。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/Respitose(登録商標)SV003(30/70)およびVCZ/Lactohale(登録商標)LH206(30/70)は他のグレードのLACよりも有意に高いFPFおよび小さいMMADを呈することが示された(p<0.05)(
図14)。同様に、従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/Respitose(登録商標)SV003(30/70)およびVCZ/Lactohale(登録商標)LH206(30/70)は他のより大きなLACサイズよりも低いMMADおよび高いFPFを呈した(
図14)。これらの結果はLACのサイズが大きいほどエアロゾル性能が優れていることを示している。
【0163】
二次賦形剤の添加は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のエアロゾル性能に影響を及ぼすようである。TACの場合と同様に、PVP K25の存在はMMADの有意な増加およびFPFの有意な低下(p<0.05)を示したため、VCZのエアロゾル性能を低下させた(
図15)。さらに、TFFロイシンおよびジェットミル粉砕ロイシンの添加はVCZ/LAC粉末のエアロゾル性能を向上させた。ジェットミル粉砕ロイシンおよびTFFロイシンを含有する製剤はロイシンを含まない製剤よりも有意に小さいMMADおよび高いFPFを呈した(p<0.05)。興味深いことに、10%のTFFロイシンを含有する製剤は10%のジェットミルロイシンを含有する製剤と同様のMMADを示したが、より高いFPFおよびEFを示した。これはTFFロイシンがジェットミル粉砕ロイシンよりも優れた分散特性を有しているようであることを示している。
【0164】
6.従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末の均質性
(表5)従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末の均質性
【0165】
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末および従来のブレンディングを用いて作製された粉末の含有量均一性をHPLCで分析した。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末中のVCZの含有量は名目用量の96~102.5%の範囲であった(表5)。TACの場合と同様に、ほとんどすべてのTFF製剤のRSDは、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(1/99)およびVCZ/Lactohale(登録商標)LH206(30:70)を除いて、概して6%より小さかった。VCZ/Lactohale LH206(30/70)は最も大きなRSD(8.1%)を呈し、最も大きなばらつきが示された。
【0166】
同じ製剤組成にもかかわらず、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末は従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも大きなばらつきを実証した。すべての粉末ブレンドにおけるVCZの含有量は名目用量の92.3~120.6%のばらつきがあった。VCZのRSDは7.6~14.6%の範囲であった。従来のブレンディングによって作製されたVCZ/Lactohale(登録商標)LH206(30/70)は他のLACグレードよりも高いRSD(14.6%)を呈した。さらに、薬物負荷量は粉末ブレンドの均質性に影響を及ぼさないようであった。異なる薬物比率を含む従来のブレンディングによって作製されたVCZ/Lactohale(登録商標)LH230のRSDはすべて12%より高かった。
【0167】
7.従来のブレンディングと比較した、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末の臨界一次圧力
懸濁液ベースのTFFプロセスおよび従来のブレンディングを用いて作製された粉末のCPPはレーザー回折によって決定した。
図16は、薬物負荷量が懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のCPPに影響を及ぼしたが、従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のCPPには影響を及ぼさなかったことを示している。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末における薬物負荷量が多いほどCPPが高くなり、薬物負荷量がより多いVCZ/LAC粉末はより少ない脱凝集を呈することが示された。逆に、従来のブレンディングを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のCPPは薬物負荷量が増加しても変化しなかった。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された薬物負荷量が10%および30%のVCZ/LAC粉末は同じ組成を有する従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも高いCPPを呈した。これは、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末における脱凝集の程度が従来のブレンディングを用いて作製された粉末のものよりも低かったことを示している。
【0168】
担体サイズも、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末および従来のブレンディングを用いて作製された粉末のCPPに影響を及ぼした。VCZ/Lactohale(登録商標)LH300(30:70)のCPPはVCZ/Lactohale(登録商標)LH230(30/70)のものよりも高いCPPを示したが、より大きなサイズのLACは微細なLACグレードと比較してCPPが概してより高くなった。
【0169】
二次賦形剤の添加が、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製されたVCZ/LAC粉末のCPPを増加させた。これはTACの場合とは対照的である。二次賦形剤の含有量が多いほどCPPが高くなり、TFFロイシン、ジェットミル粉砕ロイシン、およびPVP K25の添加によって脱凝集の程度が低下したことが示された。
【0170】
8.ラクトース吸入グレードのTFF TAC/LAC(50/50)の従来のブレンディングによって調製された10%タクロリムスブレンドのブレンド均一性
A.ブレンド調製手順:
10%タクロリムスブレンドであるロット19TF105は20グラムの50%タクロリムスブレンド(ロット19TF078)を80グラムのラクトース(Respitose SV-003)とVブレンダー内でブレンドすることによって調製した。ブレンドは80グラムのラクトースに50%タクロリムスを5グラムずつ加え、次いで15分間ブレンドした。最後の50%タクロリムスブレンドをVブレンダーに加えた後、ブレンドを30分間混合した(合計75分間のブレンディング)。
【0171】
B.ブレンドのイン・プロセス均一性:
ブレンディング後、プラスチックのスパチュラを用いてブレンドから15~25mgの試料を5つ採取し、次いで試料ごとに15mg秤量し、5mLの希釈液(50:50の水:ACN)中に希釈(濃度0.3mg/mL)することによって分析した。5つの試料の平均は101.6%であり、試料の回収範囲は96.7%~104.3%であった(表7)。
【0172】
(表7)19TF105ブレンド均一性のイン・プロセス結果
【0173】
さらに、ロット19TF105のアッセイ試験を2回実施した。2回実施した中の最初のセットは回収率が93.2%および83.9%であり、これは試料間のNMTの差が5.0%であるという記載の基準を満たしていなかった(表8)。2回実施した中の製造した2つ目のセットは回収率が86.2%および86.4%であった。これらの試料はタクロリムスの回収率が90~110%であるという最終製品仕様を満たしていなかった。
【0174】
【0175】
10%タクロリムスブレンドを充填したカプセルの含有量均一性を試験した。各カプセルを個別に秤量することによって30個のカプセルに10%タクロリムス粉末であるロット19TF105を5mg充填し、次いで10個のカプセルをサンプリングして含有量均一性のためにHPLCで分析した。試料を1:4のDI水:DMSO混合物(0.1mg/mL)で5mLまで希釈した。試料はAV値が30.1であり1回目のUSP<905>試験には不合格であった(表9)。
【0176】
(表9)手作業で充填した10%タクロリムスカプセルの含有量均一性
【0177】
含有量均一性に関してのカプセルの不合格後、ブレンド効力およびカプセル充填プロセスを試験した。ブレンド効力は150mgの10%タクロリムスブレンドを5mLの1:4のDI水:DMSO希釈液(3mg/mL)に希釈することによって試験した。効力はラベル表示の110.3%であることが分かった(表10)。カプセルがアッセイ結果に干渉する可能性があるかどうかまたはブレンドをカプセルに直接充填することが問題となるかどうかを試験するために、5mgのブレンドを5mLのメスフラスコに直接充填し、次いでカプセルをフラスコに加えた。次いで物質をDI水:DMSO希釈液である1:4混合物に溶解した(0.1mg/mL濃度)。カプセルへの直接充填は95.0%~106.3%のアッセイ範囲という結果になった(表11)。
【0178】
【0179】
(表11)カプセルの存在下での10%タクロリムスブレンドの回収
【0180】
10%タクロリムスをカプセルに直接充填する精度の向上を補助するために、秤量プロセス時の静電気による干渉を制限するのを補助すべく天秤に除電棒を加えることにした。次いでさらに10カプセル充填した。HPLC用の試料は最初の含有量均一性試料と同じ様式で処理した(1:4のDI水:DMSO希釈液)。除電棒の追加により試料の含有量均一性は改善したが、平均回収率は依然として低かった(表12)。
【0181】
(表12)10%タクロリムスブレンドを充填したカプセルの2回目の含有量均一性
【0182】
10%タクロリムスブレンド粉末をボトルに充填した。10%タクロリムス粉末の未開封ボトルから上部、中央、底部の試料を採取して均一性に関してサンプリングした。これらの試料を採取した後、ボトル内の残りの粉末をすべて1:4のDI水:DMSO溶液で溶解し、定量的に200mLメスフラスコに移した。均一性試料はボトル内でのAPIの明確な層形成を示し、ボトル内で下方をサンプリングするほどAPIの%が低いことが分かった(表13)。100.2%という全ボトルアッセイは粉末をボトルに充填する際にAPIが失われないことを示した。この最初の結果に基づくと、より密度の高いラクトース粉末が経時的に沈降する、ラクトースとタクロリムスとのTFF粉末の分離が起きていると考えられた。
【0183】
(表13)未開封ボトルに関するブレンド均一性およびアッセイ
【0184】
個々のボトルが最小限のハンドリングによりブレンド均一性の分離を示したことに基づいて、充填されたボトル間の均一性を試験して充填プロセス時にブレンドの分離が起きているかどうかを判定する必要があると決定した。ボトル#1、#11、およびボトル#18は、1:4のDI水:DMSO溶液を用いてボトル内のすべての粉末を溶解し、定量的に200mLのメスフラスコに移すことによってアッセイした。充填プロセス時に各ボトル内の50%タクロリムス粉末の効力が低下した。最初のボトルはラベル表示の111.5%のアッセイを有し、中央のボトル(#11)は101.9%のアッセイを有し、最後のボトル(#18)は92.7%のアッセイを有していた(表14)。
【0185】
【0186】
タクロリムスの均一性を回復させるために、ボトル内のタクロリムスブレンド粉末を手作業で20回反転させ、アッセイ試験のためにサンプリングし、次いでボトルをさらに20回反転させてボトルの3回目のサンプリングを行った。プラスチックボトル内で粉末を20または40回反転しても、ブレンド均一性は試料間のRSDが改善されなかったため改善しないようであった(表15)。
【0187】
(表15)反転後のプラスチックボトル内の10%タクロリムス粉末の均一性
【0188】
粉末内の静電気の蓄積を低減しようとして、プラスチックの代わりにガラスボトルに10%ブレンドを保存する。ガラスボトルを手作業で反転させて均一性を元に戻すことができるかどうかを見るために、ボトル#8からの粉末をプラスチックボトルからガラスボトルに移した。ボトルをサンプリングし、200回タップし、次いで再度サンプリングした。タッピングは、粉末をプラスチックボトルからガラスボトルに移すプロセスが均質性を再構築する助けになる場合に、粉末の強制的な偏析を達成することができるかを見るために行われた。タッピングした後、ボトルを50回反転させ、次いでさらに50回、各混合間隔後にサンプリングを行いながら反転させた。プラスチックボトルからガラスボトルに移すと粉末の不均一性が増加し、タッピングがラクトースをさらに沈降させ、ボトルの上部の50%タクロリムスTFF粉末の濃度を増加させた(表16)。タッピングしたボトルの上部試料は濃度が目標濃度の349%であった。手作業で反転させるとタッピング後の試料の均一性をある程度回復できたが、許容可能なレベルまで均一性を回復させることはできなかった。
【0189】
(表16)反転後のガラスボトル内の10%タクロリムス粉末の均一性
【0190】
手作業で反転することがブレンド均一性を再構築できなかった後、ボトルを転がしてみて、均一性を取り戻すためにより長い回転時間を用いることができるかどうかを見ることにした。新しいプラスチックボトル(ボトル#10)を35RPMで30分間回転させ、試験#4からのガラスボトルを70RPMで30分間回転させた。次いで両方のボトルを均一性に関してサンプリングした。プラスチックボトルは回転させた後に均一にならなかった一方で、ガラスボトルは均一になったようである(表17)。ガラスボトルは94.8%のアッセイを有し、相対標準偏差は3.1%であった。
【0191】
(表17)ボトルの回転後の10%タクロリムス粉末の均一性
【0192】
ボトル内での粉末偏析の問題を回避するために考えられる1つの可能性としては、Vブレンダーを用いて10%タクロリムス粉末をブレンドし、次いで充填ガンを用いてVブレンダーからカプセルに直接充填することであった。この充填ガンは真空を用いて粉末を分注ガンに吸い込み、真空を解放することによってカプセルに分注することできる。本発明者らは粉末を取り扱うことが均一性を低下させることがわかっているので、カプセル充填時には必要に応じてブレンドはVブレンダー内で繰り返しブレンドされ得る。この研究のために、19TF105の4つのボトルをVブレンダーに加え、30分間ブレンドした。次いで粉末を均一性に関してサンプリングした後、充填ガンで15mg(目標充填重量の3倍)を20用量分注した(用量1、10、および20は5mLバイアルに収集し、希釈液に溶解した)。
【0193】
Vブレンダーを用いても、本発明者らは10%ブレンドに対しては均一性を回復させることはできなかった(表18)。Vブレンダーにおいて均質性を確立できないのは2つの問題の結果であり得る。Vブレンダーは通常はVブレンダーのある程度の容量範囲内で操作されることが意図されており、20グラムの10%タクロリムス粉末はVブレンダー内で占める体積が小さく、良好なブレンディングを行うには十分な体積がなかった可能性がある。最初のGMP製造時よりも多くの粉末がVブレンダー壁の側面に付着していることもブレンディング後に観察された。壁に付着したこの余分な粉末は、粉末をボトルからVブレンダーまで移動させたことから発生した余分な静電気の結果であるか、またはVブレンダー内での体積がより小さいと粉末の動きがより大きくなり、より多くの静電荷が発生したためであり得る。この余分な電荷は均一なブレンドを作成する能力に影響を及ぼし得る。
【0194】
(表18)Vブレンダーにおける19TF105 10%タクロリムス粉末のブレンド均一性
【0195】
充填ガンはVブレンドよりも低い均一性を呈し、ブレンド内で50%タクロリムス粉末への偏りを示した(表19)。これはおそらく10%ブレンドが作製されたRespitoseラクトースよりも50%タクロリムスブレンドの良好なエアロゾル特性のためである。
【0196】
【0197】
9.保存後の組成物
組成物に対する保存の影響を判定するために、組成物の試料を周囲条件で約10ヶ月間保存した。これらの組成物をそれらの初期の特性と比較して、エアロゾル性能に何らかの実質的な変化があるかどうかを判定した。関連する特性を以下の表20に示す。呼吸器系への組成物の分布プロファイルは
図17に見ることができる。同様に、10ヶ月後のタクロリムス組成物の結晶性またはその欠如を
図18に示す。10ヶ月後、これらの組成物は非晶質のままであった。
【0198】
【0199】
10.組成物調製に対する薬物負荷量の分析
さらに、薬学的組成物の調製に対する薬物負荷量の影響を検討した。特に、薬物負荷量が異なる(1.67%および6.67%)2セットの組成物を実施した。さらに、これらの組成物は様々な異なる溶媒系を用いかつ異なる量の固形分で調製した。系の具体的な組成を下の表21&22に示す。
【0200】
(表21)薬物負荷量が1.67%w/wの組成物の調製に関して試験した条件
【0201】
(表22)薬物負荷量が6.67%w/wの組成物の調製に関して試験した条件
【0202】
まず、異なるラクトース賦形剤を含むアセトニトリルとt-ブタノールとの混合物を用いて調製した固形分1.67%の組成物の粒度分布および関連する特性である。これらの組成物はそれぞれ下の表23に示されるようなMMADおよびGSDなどの特性を示した。呼吸器系内でのこれらの粒子の分布を
図19に示す。組成物を調製するために用いる溶媒系を変えて同様の分析を行った。得られた組成物の特性を表24および
図20に示す。
【0203】
同様の研究を6.67%タクロリムスの薬物負荷量で実施し、表25および26ならびに
図21および22に示す。
【0204】
(表23)異なるラクトースグレードを用いた1.67%タクロリムス薬物負荷量を有する得られた組成物
【0205】
(表24)異なる溶媒系を用いて組成物を調製した、1.67%のタクロリムス薬物負荷量を有する得られた組成物
【0206】
(表25)異なるラクトースグレードを用いた、6.67%タクロリムス薬物負荷量を有する得られた組成物
【0207】
(表26)異なる溶媒系を用いて組成物を調製した、6.67%のタクロリムス薬物負荷量を有する得られた組成物
【0208】
10.ニクロサミド組成物
同様に、ニクロサミド含有組成物の特性を下の表27に示すように調製した。これらの組成物はタクロリムスまたはボリコナゾールに関して上に記載したものと同様の方法を用いて調製した。これらの組成物はLactohale LH206およびLH230ならびにRespitose SV003を用いて調製した。これらの組成物のなかで、Lactohale LH230を含む組成物は他のグレードの担体と比較して最も優れたエアロゾル性能を示した。さらに、シリカ(アエロジル)またはロイシンなどの追加の賦形剤の存在下で組成物を試験した。これらの二次賦形剤の添加は、二次賦形剤を含まない組成物と比較して、組成物の性能を概して向上させた。これらの組成物は、MMAD、GSD、放出量またはフラクション、および回収または送達量両方の微粒子フラクションに関して上に記載のように試験した。これらのデータを下の表28に示す。これらのデータを用いて
図27に示すように吸入器によって肺内に放出された量の分布を決定した。
【0209】
【0210】
【0211】
D.考察
懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末はエアロゾル化可能でありかつ均質である。薬物および吸入グレードのLACを含有するオーダードミクスチャーは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて調製できる。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末のエアロゾル性能および均質性を、従来のブレンディングを用いて作製された粉末のものと比較した。本発明者らの結果は、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末が従来のブレンディングを用いて作製された同じ製剤組成物よりも優れたエアロゾル性能および均一な粉末を呈することを示している。
【0212】
懸濁液ベースのプロセスを用いて作製された乾燥粉末中の薬物の均質性は薬物およびその担体の脱凝集の程度に関連している可能性がある。懸濁液のTFFにより担体表面上で薬物粒子の凝集が生じた。様々な粒子形態にもかかわらず、VCZのナノ凝集体およびTACナノ構造の脆性マトリクスの両方がLAC担体の表面に密着することができる。薬物-担体比率がより高くかつLACサイズがより小さい製剤では、LAC担体も薬物の脆性マトリクスによって覆われていた。さらに、TFFの超急速冷凍速度が処理時の偏析を最小限に抑えることができる可能性があり、これは他の規則的混合アプローチよりも有益である。
【0213】
オーダードミクスチャーの脱凝集の程度は臨界一次圧力によって決定した(Jaffari et al., 2013)。臨界一次圧力はオーダードミクスチャー粉末を1つに保持する粒子間力に打ち勝つことができる分散圧力を表す(Jaffari et al., 2013)。
図9および16に示されるように、TFF無混合VCZおよび無混合TACは概してTFF無混合LACよりも高い圧力を必要とし、無混合LACが脆性マトリクス中の薬物よりも脱凝集しやすいことが示された。予想されたとおり、薬物の脆性マトリクスとLACとの組み合わせにより無混合LACよりも高いCPPが得られた。さらに、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末のCPPは従来のブレンディングを用いて作製された粉末のものよりも高かった。これは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の脱凝集の程度が従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも低いことを示しており、これは懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末には薬物と担体との間の粒子間力に打ち勝つためにより高い圧力が必要であることを意味している。
【0214】
エアロゾル化時のオーダードミクスチャーの均質性および脱凝集は結合(薬物-薬物)および接着(薬物-担体)力に応じて異なる(Begat et al., 2004)。いくつかの研究は薬物と賦形剤ホスト粒子との相互作用が偏析のリスクを低減できることを報告している(Lai et al., 1981; Wai Yip and Hersey, 1977; Crooks and Ho, 1976; Thiel and Stephenson, 1982)。粒子間力の範囲および強度は偏析の程度に影響を及ぼし、続いてオーダードミクスチャーの均質性に影響を及ぼす(Chaudhuri et al., 2006)。本発明者らは、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末における脱凝集の程度が低いことは、薬物と担体との粒子間力が従来のブレンディングを用いて作製された粉末におけるものよりも強いことを示していると仮定した。これは偏析の問題を最小限に抑えるのを助け、ひいてはオーダードミクスチャーの均質性を向上させる。
【0215】
強い凝集は、担体からの薬物の分散性および脱離に影響を及ぼすため、担体ベースの製剤にとって通常は望ましくない(de Boer et al., 2012)。しかしながら、本発明者らの結果はTFFオーダードミクスチャーのエアロゾル化がレーザー回折によって測定された脱凝集の程度と相関関係がないことを実証している。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末は従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも少ない脱凝集を呈したが、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末のTACおよびVCZ両方のエアロゾル性能は従来のブレンディングを用いて作製された粉末の性能よりも高かった(
図6、7、13、および14)。これは従来のブレンディングに対して懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末間の様々な分散メカニズムに関連している可能性が高い。オーダードミクスチャーは主にLAC担体を含有していたが、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の表面積は未処理の粉末および従来のブレンディングを用いて作製された粉末よりも大きかった(
図4および12)。多孔質粒子は接触面積がより小さくかつ粒子間力もより小さく(Weers, 2000)、これはエアロゾル化の際に剪断されて分離し得る。対照的に、ジェットミル粉砕されたTACおよびVCZの平坦な表面は接触面積が比較的より大きくかつ粒子間力がより強く(Hinds, 1999)、これは担体からの薬物の脱離を最小限に抑えることができる。
【0216】
担体の粒度および薬物負荷量は懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末のエアロゾル化に影響を及ぼす。薬物のエアロゾル化性能に対する担体の粒度の影響は文献においてこれまでに研究されてきた(Grasmeijer et al., 2015; Peng et al., 2016)。文献(Grasmeijer et al., 2015; Peng et al., 2016)において報告されたエアロゾル性能に対する担体サイズの影響は一貫性がないという傾向があるにもかかわらず、担体サイズが大きくなるとTACおよびVCZのFPFの増加をもたらした。両方の薬物の場合、Lactohale(登録商標)LH300を含有するTFF製剤がより大きなサイズのLACを含有する他のTFF製剤よりも低いFPFおよびEFを呈することを示した。Lactohale(登録商標)LH300はDv50が5μm未満の非常に微細かつ微粒子化されたLACグレードである(DFE Pharma, 2020)。その非常に小さい粒度により、Lactohale(登録商標)LH300は他のグレードよりも結合力が高く、これはより多くの薬物を付着させかつ凝集させることを可能にする。これは、超微細LAC粒子が高結合性であり、粉末凝集の増加につながると報告したGuenetteの研究と一致している(Grasmeijer et al., 2015)。
【0217】
非常に微細なグレードのLACに加えて、この研究では3つの異なるLACグレードを用いた。Lactohale(登録商標)LH230は微粉砕されたLACである一方、Lactohale(登録商標)LH206は微細なLAC粒子を含有しない粗粉砕されたLACである(DFE Pharma, 2020)。Repitose(登録商標)SV003は、粒度分布が狭い、細かく篩過されたLAC結晶で構成されているため、Lactohaleとは異なる。どちらの薬物の場合でも、粗大なLACがエアロゾル性能を向上できることが示された。TACの場合、Lactohale(登録商標)LH206を含有する製剤のFPFは他のLACグレードよりも有意に高かった。同様に、Respitose(登録商標)SV003およびLactohale(登録商標)206を含有するVCZ製剤は、微細なLACと比較して、有意に小さいMMADおよび高いFPFを呈した。担体サイズによってエアロゾル性能が高まる傾向はいくつかの研究からの知見と一致している。LACのサイズが大きくなると担体粒子間および担体粒子と吸入器壁との間の衝突力が増加し得、これは、運動量移行を増加させ、続いて担体からの薬物の脱離を増加させることが報告されている(Kaialy et al., 2012; Donovan and Smyth, 2010; Donovan et al., 2012; Ooi et al., 2011)。
【0218】
さらに、懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末中の薬物負荷量もTACおよびVCZ両方のエアロゾル性能に影響を及ぼした。どちらの薬物も同じ傾向を呈した。薬物負荷量の増加が10%未満であればエアロゾル性能が向上した。薬物含有量が10%を超えるとエアロゾル性能は薬物含有量によって影響を受けなかった。この知見は、薬物負荷量が増加するにつれてFPFが増加し、この後、LAC担体表面上の活性部位の飽和により臨界閾値に達することを報告した文献と一致している(Young et al., 2005; Du et al., 2017)。LACの表面は窪みおよび隙間や様々な結晶ファセットを含んでおり不均質なため、表面は低および高接着部位の両方を含むことになる(Young et al., 2011)。薬物は最初に高接着部位(活性部位)に優先的に結合し、次に低接着部位に結合する。臨界閾値では活性部位の結合能が最大値に達する。薬物含有量がさらに増加すると薬物が中間的な接着部位に結合できるようになるので、脱凝集の容易さが増す。しかしながら、その特定の点で、薬物含有量がさらに増加すると薬物粒子が残りの低接着部位に結合して担体上に単層を形成し、これは一定の微粒子フラクションをもたらす。一定の微粒子フラクションを呈する点は担体サイズに応じて異なることも報告されている(Young et al., 2005; de Boer et al., 2005; Dickhoff et al., 2003)。本発明者らの研究では薬物負荷量の効果を調査するためにLactohale(登録商標)LH230のみを用いたので、両方の薬物の場合に観察された同じ閾値(つまり、10%の薬物負荷量)はLactohale(登録商標)LH230の結合能に関連している。
【0219】
担体サイズおよび薬物負荷量はTFFオーダードミクスチャーの均質性にわずかに影響を及ぼすようである。どちらの薬物の場合もLactohale(登録商標)LH206を含有する製剤におけるブレンド均一性に大きなばらつきを示したが、しかしながら、別の担体サイズでは明確な傾向は観察されなかった。本発明者らは、担体の表面に付着していないTAC脆性マトリクスおよびVCZのナノ凝集体の一部によって含有量均質性が低下し得ると仮定した。興味深いことに、薬物負荷量はTFFオーダードミクスチャーの均質性には有意に影響を及ぼさなかった。1%薬物負荷量を含むTFF VCZ製剤は他の比率よりも大きなばらつきを示したが、薬物負荷量の全範囲にわたって有意な傾向はなかった。
【0220】
二次賦形剤は薬物のエアロゾル化に影響を及ぼすが、効果は異なる粒子形態の分散メカニズムに基づいてばらつきがある。本発明者らの研究では、二次賦形剤がオーダードミクスチャーに加えられた。PVP K25を溶媒に溶解し薬物と混合した後、LAC担体を貧溶媒に分散させた。本発明者らの結果は、PVP K25の添加がTACまたはVCZのエアロゾル性能を向上しないことを示す。この所見はTrainiの研究と一致している。LAC担体の表面上のPVPコーティングが薬物-担体の接着性を増加させ、ひいてはエアロゾル性能を低下させることが報告された(Traini et al., 2012)。本発明者らは、PVP K25の一部が薬物とナノ構造脆性マトリクスを形成できる一方で、PVPの他の部分がLACの表面をコーティングし得ると仮定した。その結果、コーティングされたLAC上のVCZナノ凝集体またはTACナノ構造脆性マトリクスの接着性がコーティングされていないLACよりも強くなるので、担体からの薬物の脱離が最小限に抑えられている可能性がある。
【0221】
製剤におけるロイシンの存在はVCZのエアロゾル性能を向上させるようであるが、TACのエアロゾル性能には影響を及ぼさなかった。工学的に改変された粒子は粒子間力を修飾できる力制御剤として報告されている(Grasmeijer et al., 2015)。VCZナノ凝集体とTACナノ構造脆性マトリクスとの粒子形態および物理的特性の差異によって粉末の分散メカニズムが異なり、これが、エアロゾル化に対する工学的に改変されたロイシンの影響を左右している。
【0222】
TACナノ構造脆性マトリクスはLAC担体上に形成され、大きな比表面積を呈した。本発明者らの結果は、工学的に改変されたロイシンの添加がTACのエアロゾル性能を向上しないことを実証している。表面が高度に多孔質な粒子は粒子間分離距離がより短く、接触面積がより小さく、かつ粒子間結合力がより弱いことが報告された(Weers, 2000)。したがって、TAC脆性マトリクスの表面エネルギーは表面改質剤の添加がなくてもエアロゾル化するほど十分に低い可能性がある。
【0223】
対照的に、VCZのエアロゾル性能の向上は表面改質剤の添加による結合および接着力の変化に起因する可能性が高い。本発明者らは、TFFロイシンおよびジェットミル粉砕ロイシンがVCZナノ凝集体とLAC担体の表面との両方に付着し得、これが続いて薬物粒子間の結合力および薬物とそのLAC担体との接着力の両方を最小限に抑えることができると仮定した。VCZナノ凝集体は少量の表面テクスチャ改質賦形剤が必要であることが報告された(Moon et al., 2019)。VCZナノ凝集体の平坦な表面により、接触面積が大きくなり、ひいては粒子の結合力が高くなり(Duddu et al., 2002)、これは薬物自体がエアロゾル化することを困難にさせる。VCZのエアロゾル性能は少量のマンニトールの添加によって向上させることができる。マンニトール粒子はVCZナノ凝集体の表面に接着し、表面テクスチャ改質剤として機能する(Moon et al., 2019)。本発明者らの場合と同様に、ロイシンは、VCZナノ凝集体およびLAC担体に付着した場合、粒子間の接触面積および距離を最小限に抑えることができる(Paajanen et al., 2009; Mangal et al., 2019)。これは続いて、エアロゾル性能に影響を与える主な接着力である(Hickey, 1994)粒子間のファンデルワールス力を低下させる(Hinds, 1999)。したがって、TFF VCZオーダードミクスチャーのエアロゾル性能は、工学的に改変されたロイシンを加えることによって至適化することができる。
【0224】
この研究により、TFFはオーダードミクスチャー、特に乾燥粉末吸入を意図したものを調製するための実行可能な一段階方法であることが確認された。懸濁液ベースのTFFプロセスは、薬物がLAC担体と強力に凝集したニクロサミド組成物、ボリコナゾールナノ凝集体、およびタクロリムスナノ構造脆性マトリクスを生成する。これは偏析のリスクが低減するという利点を提供する。脱凝集の程度がより低いことはTFFオーダードミクスチャーのエアロゾル性能に影響を及ぼさなかった。TFFオーダードミクスチャーのエアロゾル性能は、薬物負荷量および担体サイズを変更することによって、ならびに工学的に改変されたロイシンを加えることによって至適化することができる。懸濁液ベースのTFFプロセスを用いて作製された粉末の均質性は許容範囲内であり、担体サイズ、薬物負荷量、または二次賦形剤の存在によっては有意に影響されなかった。
【0225】
本明細書において開示されかつクレームされた組成物および方法はすべて本開示に照らして過度の実験を行うことなく作製および実施することができる。本開示の組成物および方法を好ましい態様の点から記載してきたが、開示の概念、精神および範囲から逸脱することなく、方法および記載された方法の工程または一連の工程に変更を加え得ることは当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的および生理学的の両方で関連する特定の剤を本明細書において記載される剤の代わりに用い得る一方で、同一または類似の結果が達成されるであろうことは明らかである。当業者には明らかなそのような類似の代替物および修正はすべて添付のクレームによって定義される開示の精神、範囲および概念内にあるとみなされる。
【0226】
参考文献
以下の参考文献は、本明細書において記載されたものを補足する例示的な手順上のまたは他の詳細を提供する限りにおいて、参照により本明細書に特に組み込まれる。
【国際調査報告】