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特表2024-510218WLANマルチリンク管理フレームアドレス指定のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】WLANマルチリンク管理フレームアドレス指定のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240228BHJP
   H04W 12/03 20210101ALI20240228BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240228BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W12/03
H04W72/0457 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555639
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2021080339
(87)【国際公開番号】W WO2022188119
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・モンテムッロ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・マッカン
(72)【発明者】
【氏名】グオガン・ファン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA35
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067JJ14
(57)【要約】
本開示の態様は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法を提供し、第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属している。このような方法は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、第1の局(STA)から、第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む管理フレームを受信することを含む。そのような方法は、第1のMLDと第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、第1のMLDにより管理フレームを暗号化するステップをさらに含む。そのような方法は、第1のMLDにより、暗号化された管理フレームを、第1のSTAおよび第3のSTAのうちの一方を介して第2のMLDに向けて送信するステップをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法であって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、前記方法は、
前記第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、前記第1の局(STA)から、前記第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む管理フレームを受信するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて前記管理フレームを暗号化するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2の局の宛先アドレスおよび前記第1の局の送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のMLDにより、前記暗号化された管理フレームのヘッダを、前記第2のMLDの受信機アドレスおよび前記第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するステップ
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のMLDが、前記第1のMLDのメディアアクセス制御(MAC)インスタンスを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のSTAが、前記第1のSTAの局管理エンティティ(SME)インスタンスを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のSTAが、前記第3のSTAのMACインスタンスを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のSTAが、前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、前記第3のSTAが、前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、
受信する前記ステップが、前記第1の内部接続を介して受信するステップを含み、
送信する前記ステップが、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記暗号化された管理フレームを送信するステップを含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第1の内部接続を介して前記第1のSTAに送信するステップと、
前記OTA接続を介して前記第1のSTAから前記第2のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信するステップであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第3の内部接続を介して前記第3のSTAに送信するステップと、
前記OTA接続を介して前記第3のSTAから前記第4のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信するステップであって、前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第4のSTAの受信機アドレスおよび前記第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法であって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、前記方法は、
前記第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて第2のMLDから、前記第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立された関連付けられたセキュリティに基づいて前記暗号化された管理フレームを復号するステップと、
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記復号された管理フレームを送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のSTAの宛先アドレスおよび前記第2のSTAの送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のMLDの受信機アドレスおよび前記第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記OTA接続が、前記第1のSTAと前記第2のSTAとの間にあり、前記第1のSTAが前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、受信する前記ステップが、
前記OTA接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを前記第1のSTAから前記第1のMLDに送信するステップと、
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記OTA接続が、前記第3のSTAと前記第4のSTAとの間にあり、前記第3のSTAが前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、前記受信するステップが、
前記OTA接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第3の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを前記第3のSTAから前記第1のMLDに送信するステップと、
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームの前記ヘッダを、前記第1のSTAの受信機アドレス、前記第3のSTAの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するステップ
をさらに含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記復号された管理フレームを送信する前記ステップが、
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームを前記第1のSTAに送信するステップを含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のMLDが前記第1のMLDのMACインスタンスを有する、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のSTAが、前記第1のSTAの局管理エンティティ(SME)を有する、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のSTAが、前記第2のSTAのMACインスタンスを有する、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のSTAが、前記第2のSTAと同じであるか、または異なる、請求項11から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のMLDが、アクセスポイント(AP)MLDまたは非AP MLDのうちの一方である、請求項11から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムであって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、
前記第1のSTAが、
第2のMLDを示すヘッダを含む管理フレームを生成し、
前記生成された管理フレームを前記第1のMLDに送信する、ように構成され、
前記第1のMLDが、
前記第1のSTAから前記管理フレームを受信し、
前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて前記管理フレームを暗号化し、
前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信する、
ように構成される、システム。
【請求項24】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2の局の宛先アドレスおよび前記第1の局の送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のMLDが、
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダを、前記第2のMLDの受信機アドレス、または前記第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のSTAが、前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、前記第3のSTAが、前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、
前記管理フレームを前記第1のSTAから受信することが、前記第1の内部接続を介して受信することを含み、
前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信することが、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記暗号化された管理フレームを送信することを含む、
請求項23から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第1の内部接続を介して前記第1のSTAに送信することと、
前記OTA接続を介して前記第1のSTAから前記第2のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信することであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ことと、
を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第3の内部接続を介して前記第3のSTAに送信することと、
前記OTA接続を介して前記第3のSTAから前記第4のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信することであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第4のSTAの受信機アドレスおよび前記第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、送信することと、
を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムであって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAに所属し、
前記第1のSTAが、
オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記第2のMLDから、前記第2のMLDを示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信し、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のMLDに送信する、
ように構成され、
前記第1のMLDが、
前記第1のSTAから、前記暗号化された管理フレームを受信し、
前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間に確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、前記暗号化された管理フレームを復号し、
前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信する、
ように構成される、システム。
【請求項31】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のSTAの宛先アドレス、前記第3のSTAの宛先アドレス、および前記第2のSTAの送信元アドレスのうちの1つを示す、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のMLDの受信機アドレスおよび前記第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項33】
前記OTA接続が前記第1のSTAと前記第2のSTAとの間にあり、前記第1のSTAが前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のMLDに送信することが、前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを送信することを含み、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のSTAから受信することが、前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信することを含む、
請求項30から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1のMLDが、前記復号された管理フレームの前記ヘッダを、前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方の受信機アドレス、前記第2のSTAの送信機アドレス、のうちの1つまたは複数を示すように更新するようにさらに構成される、請求項30または33に記載のシステム。
【請求項35】
前記受信機アドレスが、前記第1のSTAを示し、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信することが、前記復号された暗号化された管理フレームを前記第1のSTAに送信することを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記受信機アドレスが、前記第3のSTAを示し、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信することが、前記復号された暗号化された管理フレームを前記第3のSTAに送信することを含む、請求項34に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
これは、本発明について出願された最初の出願である。
【0002】
本発明は、通信ネットワークの分野に関し、特に、WLANマルチリンク管理フレームアドレス指定のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
IEEE 802.11では、確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、ユニキャスト管理フレームが暗号化される。マルチリンク動作(MLO)の場合、アクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)と非AP MLDとの間でセキュリティアソシエーションが確立される。したがって、AP MLDの所属するAPと非AP MLDの所属する局(STA)との間にセキュリティアソシエーションはない。したがって、AP MLDと非AP MLDとの間のセキュリティアソシエーションの性質のために、所属するAPおよび所属するSTAにおけるユニキャスト管理フレーム、例えば無線固有管理フレームの処理が制限される場合がある。
【0004】
したがって、従来技術の1つまたは複数の制限を回避または緩和するWLANマルチリンク管理フレームアドレス指定のためのシステムおよび方法が必要とされている。
【0005】
この背景情報は、本発明に関連する可能性があると出願人が信じる情報を明らかにするために提供される。上記の情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成することを認めることは必ずしも意図されておらず、解釈されるべきでもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法を提供し、第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属している。このような方法は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、第1の局(STA)から、第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む管理フレームを受信することを含む。そのような方法は、第1のMLDと第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、第1のMLDにより管理フレームを暗号化するステップをさらに含む。そのような方法は、第1のMLDにより、暗号化された管理フレームを、第1のSTAおよび第3のSTAのうちの一方を介して第2のMLDに向けて送信するステップをさらに含む。
【0007】
そのような解決策は、MLD間のセキュリティアソシエーションを使用して、各所属するSTA間に別々のセキュリティアソシエーションを確立する必要なしに、所属するSTAを介したMLD間の安全な通信を可能にする。
【0008】
いくつかの実施形態では、管理フレームのヘッダは、第2の局の宛先アドレスおよび第1の局の送信元アドレスのうちの1つを示す。いくつかの実施形態では、管理フレームのヘッダは、第2のSTAの受信機アドレスおよび第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す。
【0009】
いくつかの実施形態では、そのような方法は、第1のMLDにより、第2のMLDの受信機アドレスおよび第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すために暗号化された管理フレームのヘッダを更新するステップをさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のMLDは、第1のMLDのメディアアクセス制御(MAC)インスタンスを有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のSTAは、第1のSTAの局管理エンティティ(SME)インスタンスを有する。いくつかの実施形態では、第3のSTAは、第3のSTAのMACインスタンスを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のSTAは、第1のMLDへの第1の内部接続を含み、第3のSTAは、第1のMLDへの第3の内部接続を含み、受信するステップは、第1の内部接続を介して受信するステップを含み、
【0013】
送信するステップは、暗号化された管理フレームを、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて送信するステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、送信するステップは、暗号化された管理フレームを第1の内部接続を介して第1のSTAに送信するステップと、OTA接続を介して第1のSTAから第2のSTAに暗号化された管理フレームを送信するステップであって、暗号化された管理のヘッダが、第2のSTAの受信機アドレスおよび第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、送信するステップは、暗号化された管理フレームを第3の内部接続を介して第3のSTAに送信するステップと、OTA接続を介して第3のSTAから第4のSTAに暗号化された管理フレームを送信するステップであって、暗号化された管理フレームのヘッダが、第4のSTAの受信機アドレスおよび第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、を含む。
【0016】
本開示の別の態様は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法を提供し、第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属している。そのような方法は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて第2のMLDから、第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信するステップを含む。そのような方法はまた、第1のMLDと第2のMLDとの間で確立された関連付けられたセキュリティに基づいて、暗号化された管理フレームを第1のMLDにより復号するステップと、第1のMLDにより、復号された管理フレームのヘッダに基づいて復号された管理フレームを送信するステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、暗号化された管理フレームのヘッダは、第1のSTAの宛先アドレスおよび第2のSTAの送信元アドレスのうちの一方を示す。
【0018】
いくつかの実施形態では、暗号化された管理フレームのヘッダが、第1のMLDの受信機アドレスおよび第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す。
【0019】
いくつかの実施形態では、OTA接続は、第1のSTAと第2のSTAとの間にあり、第1のSTAは第1のMLDへの第1の内部接続を含み、受信するステップは、OTA接続を介して暗号化された管理フレームを受信するステップと、第1の内部接続を介して暗号化された管理フレームを第1のSTAから第1のMLDに送信するステップと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、OTA接続は、第3のSTAと第4のSTAとの間にあり、第3のSTAは第1のMLDへの第3の内部接続を含み、受信するステップは、OTA接続を介して暗号化された管理フレームを受信するステップと、第3の内部接続を介して暗号化された管理フレームを第3のSTAから第1のMLDに送信するステップと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のMLDにより、復号された管理フレームのヘッダを、第1のSTAの受信機アドレス、第3のSTAの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するステップをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のMLDにより、復号された管理フレームのヘッダに基づいて復号された管理フレームを送信するステップは、第1のMLDにより、復号された管理フレームを第1のSTAに送信するステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のMLDは、第1のMLDのMACインスタンスである。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のSTAは、第1のSTAの局管理エンティティ(SME)である。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2のSTAは、第2のSTAのMACインスタンスを有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のSTAは、第2のSTAと同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、第1のMLDは、アクセスポイント(AP)MLDまたは非AP MLDのうちの一方である。
【0027】
本開示の別の態様は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムを提供し、第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属している。このようなシステムでは、第1のSTAは、第2のMLDを示すヘッダを含む管理フレームを生成し、生成された管理フレームを第1のMLDに送信するように構成される。そのようなシステムでは、第1のMLDは、第1のSTAから管理フレームを受信し、第1のMLDと第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて管理フレームを暗号化し、暗号化された管理フレームを、第1のSTAおよび第3のSTAのうちの一方を介して第2のMLDに向けて送信する、ように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、管理フレームのヘッダは、第2の局の宛先アドレスおよび第1の局の送信元アドレスのうちの1つを示す。
【0029】
いくつかの実施形態では、管理フレームのヘッダは、第2のSTAの受信機アドレスおよび第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1のMLDは、暗号化された管理フレームのヘッダを更新して、第2のMLDの受信機アドレス、第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すようにさらに構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1のSTAは、第1のMLDへの第1の内部接続を含み、第3のSTAは、第1のMLDへの第3の内部接続を含む。このようなシステムでは、第1のSTAから管理フレームを受信することは、第1の内部接続を介して受信することを含み、第1のSTAおよび第3のSTAのうちの一方を介して第2のMLDに向けて暗号化された管理フレームを送信することは、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を使用して暗号化された管理フレームを送信することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、送信するステップは、暗号化された管理フレームを第1の内部接続を介して第1のSTAに送信するステップと、OTA接続を介して第1のSTAから第2のSTAに暗号化された管理フレームを送信するステップであって、暗号化された管理のヘッダが、第2のSTAの受信機アドレスおよび第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、送信するステップは、暗号化された管理フレームを第3の内部接続を介して第3のSTAに送信するステップと、OTA接続を介して第3のSTAから第4のSTAに暗号化された管理フレームを送信するステップであって、暗号化された管理のヘッダが、第4のSTAの受信機アドレスおよび第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、を含む。
【0034】
本開示の別の態様は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムを提供し、第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、第2のMLDは、第2のSTAに所属している。このようなシステムでは、第1のSTAは、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて第2のMLDから、第2のMLDを示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信し、暗号化された管理フレームを第1のMLDに送信するように構成される。このようなシステムでは、第1のMLDは、第1のSTAから、暗号化された管理フレームを受信し、第1のMLDと第2のMLDとの間に確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、暗号化された管理フレームを復号し、復号された管理フレームのヘッダに基づいて暗号化された管理フレームを送信する、ように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、暗号化された管理フレームのヘッダは、第1のSTAの宛先アドレス、第3のSTAの宛先アドレス、および第2のSTAの送信元アドレスのうちの1つを示す。いくつかの実施形態では、暗号化された管理フレームのヘッダは、第1のMLDの受信機アドレスおよび第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す。
【0036】
いくつかの実施形態では、OTA接続は、第1のSTAと第2のSTAとの間にあり、第1のSTAは、第1のMLDへの第1の内部接続を含む。このようなシステムでは、暗号化された管理フレームを第1のMLDに送信することは、第1の内部接続を介して暗号化された管理フレームを送信することを含み、
【0037】
暗号化された管理フレームを第1のSTAから受信することは、第1の内部接続を介して暗号化された管理フレームを受信することを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のMLDは、復号された管理フレームのヘッダを、第1のSTAおよび第3のSTAのうちの一方の受信機アドレス、第2のSTAの送信機アドレス、のうちの1つまたは複数を示すように更新するようにさらに構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、受信機アドレスは第1のSTAを示し、復号された管理フレームのヘッダに基づいて暗号化された管理フレームを送信することは、復号された暗号化された管理フレームを第1のSTAに送信することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、受信機アドレスは第3のSTAを示し、復号された管理フレームのヘッダに基づいて暗号化された管理フレームを送信することは、復号された暗号化された管理フレームを第3のSTAに送信することを含む。
【0041】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の方法を実施するためのデバイスを提供する。
【0042】
実施形態は、これらが実施され得る本発明の態様と併せて上記で説明されてきた。当業者は、実施形態が記載されている態様と併せて実施されてもよいが、その態様の他の実施形態と共に実施されてもよいことを理解するであろう。実施形態が互いに排他的であるか、または互いに矛盾する場合、それは当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態は、1つの態様に関連して説明され得るが、当業者にとって明らかとなるように、他の態様にも適用可能であり得る。
【0043】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と組み合わせて参照することにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本開示の一実施形態による、MLDアーキテクチャを示す図である。
図2】本開示の一実施形態による、MLDセキュリティアソシエーションを示す図である。
図3】本開示の一実施形態による、IEEE 802.11管理フレームアドレス指定を示す図である。
図4】本開示の一実施形態による802.11データフレームアドレス指定を示す図である。
図5】本開示の一実施形態による、MLDコンテキストにおけるユニキャスト管理フレーム送信を示す図である。
図6】本開示の一実施形態による、MLOにおける強化された管理フレームアドレス指定を示す図である。
図7】本開示の一実施形態による、ユニキャスト管理フレームパスを示す図である。
図8】本開示の一実施形態による、リンク固有のアップリンク(UL)管理フレームフローのコールフロー図である。
図9】本開示の一実施形態による、リンク固有のダウンリンク(DL)管理フレームフローのコールフロー図である。
図10】本発明の異なる実施形態による、本明細書に明示的または暗黙的に記載された上記の方法および特徴の動作のいずれかまたはすべてを実行することができるユーザ機器(UE)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の符号により識別されることに留意されたい。
【0046】
本開示の実施形態が適用可能な無線通信システムは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)であってもよい。通信デバイスは、複数のリンク上での並列送信をサポートする無線通信デバイスであってもよい。このような通信デバイスは、マルチリンクデバイス(MLD)またはマルチバンドデバイスと呼ばれてもよい。MLDは、単一リンク送信のみをサポートするデバイスよりも高い送信効率および高いスループットを有し得る。
【0047】
MLDは、図1を参照してさらに説明するように、別のMLDエンティティへの複数の無線リンクを有するWLANエンティティとして説明され得る。AP MLDは、MLDを参照することができ、ここで、MLDに所属する各局(STA)は、APである。非AP MLDは、MLDと呼ばれてもよく、ここでは、MLDに所属する各STAは、非AP STAである。したがって、STAは、AP STAまたは非AP STAを指すことができる。
【0048】
図1は、本開示の一実施形態による、MLDアーキテクチャ100を示す。当業者には理解され得るように、MLDは、2つ以上の所属するSTAと、1つのメディアアクセス制御(MAC)データサービスを含み得る論理リンク制御(LLC)への単一のMACサービスアクセスポイント(SAP)とを有し得る論理エンティティであり得る。したがって、MLDは、その所属するSTAへの内部接続を有する。そのような内部接続は、有線、ブルートゥース(登録商標)、または、MLDと所属するSTAとの間の所属関係を形成する何らかの他の接続とすることができることを理解されたい。
【0049】
MLDの典型的な使用事例は、2.4 GHz(リンク140)および5 GHz(リンク150)WLAN帯域の2つの無線リンクを使用して非AP MLD(WLAN端末)112に接続されたアクセスポイント(AP)MLD 102であり得る。個々の無線リンク140および150は、リンクと呼ばれてもよい。AP MLD 102内の無線ユニット104,105は、所属するAP(例えば、2.4 GHz AP-1(AP-1 104)および5 GHz AP-2(AP-2 105))と呼ばれる。非AP MLD 112内の無線ユニット114,115は、所属するSTA(例えば、2.4 GHz STA-1(STA-1 114)および5 GHz STA-2(STA-2 115))と呼ばれる。
【0050】
所属するAP104および105の各々は、レガシー非AP STAにもサービスを提供することができる。例えば、2.4 GHz無線リンク140を有するAP MLD 102はまた、レガシー802.11 ax非AP STAにサービスするレガシーAPとして動作することもできる。この場合、図示するように、2.4 GHz無線リンクのソースは、AP MLD 102内の所属するAP104である。
【0051】
当業者には理解され得るように、MLDの動作は、同じ物理エンティティ(例えば、同じハンドセット内の2つの非AP STA)内の2つの論理局(STA)(マルチバンドクライアント)の動作とは異なり得る。MLD内では、トラフィックは2つのリンク間で調整され、セキュリティアソシエーションはそれらのリンクにわたって維持される。これは、複数の論理STAの概念を超えるいくつかの利点を提供する。
【0052】
上述したように、MLDは、図1に示すように、1つまたは複数の所属するSTAを含むことができる。AP MLD 102は、例示されるように、有線G/W(ゲートウェイ)に接続され得るローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、例えばLAN 1に接続され得る。AP MLD 102は、MLDの基本サービス・セット(BSS)識別子(ID)を有し得る。図1では、ネットワークを識別するSSID(サービス・セット識別子)としてSSIDAを例示している。この場合、AP MLD 102は、所属するAP(AP-1 104およびAP-2 105)を介して非AP MLDにLANへのアクセスを提供することができる。AP-1 104およびAP-2 105は、レガシーデバイスのためのLANへのアクセスを提供することもできる。STA(例えば、104,105,114および115)は、それぞれが1つのリンクで動作することができる論理局である。AP MLDに属する論理局104および105はアクセスポイント(AP)であり得、非AP MLDに属する論理局114および115は非アクセスポイント局(非AP STA)であり得る。
【0053】
本開示の範囲を限定するものではないが、APに属するマルチリンクデバイス102は、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(APマルチリンクデバイス、AP MLD)と呼ばれてもよい。同様に、非AP STAに属するマルチリンクデバイス112は、マルチリンクSTA、マルチリンクSTAデバイス、またはSTAマルチリンクデバイス(STAマルチリンクデバイス、STA MLD)と呼ばれてもよい。さらに、「メンバSTA」は「STA」と呼ばれてもよいので、「メンバSTAを含むマルチリンクデバイス」が「STAを含むマルチリンクデバイス」と記載されてもよい。
【0054】
MLD 102または112は、単一のアンテナデバイスであってもよく、またはマルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、3つ以上のアンテナを有するデバイスが使用されてもよい。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は、本開示の実施形態では限定されない。マルチリンクデバイス102または112は、同じアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にし得るか、または同じデータパケットが異なるリンク上で送信されることさえ可能にし得る。あるいは、同じアクセスタイプのサービスは異なるリンクで送信され得ないが、異なるアクセスタイプのサービスは異なるリンクで送信され得る。
【0055】
2つのエンティティにより交換されるトラフィックを保護するために、STAとAPとの間にIEEE 802.11セキュリティが確立される。セキュリティフレームワークは、IEEE 802.1 X規格上に構築された認証および鍵管理フレームワークである。IEEE 802.1 Xは、サプリカント(IEEE 802.11インフラストラクチャネットワーク内で非AP STAにマッピングされる)と認証部(IEEE 802.11インフラストラクチャネットワーク内でAPにマッピングされる)とが相互に認証してセキュリティアソシエーションを確立することを可能にするプロトコルを定義する。IEEE 802.11インフラストラクチャネットワークにおいて、サプリカントのアイデンティティはSTAのMACアドレスであってもよく、オーセンティケータのアイデンティティはAPのMACアドレスであってもよい。
【0056】
図2は、本開示の一実施形態による、MLDセキュリティアソシエーションを示す。図2は、非AP MLD 112がその非AP MLD MACアドレスを使用してAP MLD 102と関連付けることができることを示している。非AP MLD 112およびAP MLD 102は、互いに認証してデータを交換するための通信状態を確立することができる。MLD 102および112は、所属するSTA間のリンク140および150を介して通信することができる(AP-1 104とSTA-1 114との間のリンク140およびAP-2 105とSTA-2 115との間のリンク150)。認証および関連付けプロトコルが正常に完了すると、非AP MLD 112の所属するSTA114および115は、AP MLD 102のそれぞれの所属するAP104および105に関連付けられ得る。
【0057】
非AP MLD 112がAP MLD 102に関連付けられると、非AP MLD 112は、AP MLD 102に関連付けられた認証符号を介してセキュリティアソシエーション202を確立することができる。MLDセキュリティの観点から、セキュリティアソシエーション202は、非AP MLD 112とAP MLD 102との間に確立されるが、所属する非AP STA(STA-1 114およびSTA-2 115)とそれらのそれぞれの所属するAP(2.4 GHz AP-1 104および5 GHz AP-2 105)との間にはセキュリティアソシエーションはない。したがって、STA-1 114と所属するAP-1 104との間にはセキュリティアソシエーションは存在しないが、それは、リンク140を介した通信はAP MLDセキュリティアソシエーション202を使用し得るからである。
【0058】
説明したように、MLDの概念は、AP MLD 102と非AP MLD 112との間の複数のWLAN接続を可能にする。トラフィックは、複数の接続(例えば、リンク140または150)のいずれかで流れることができ、(複数のチャネルを使用するために)性能利得を提供することができる。
【0059】
前述したように、セキュリティアソシエーション202は、APと非AP MLDとの間に確立される。所属するAP(104および105)および所属するSTA(114および115)を含むリンク(例えば、140および150)は、MLDセキュリティアソシエーション202に参加しない。したがって、AP MLDおよび非AP MLDのためのリンクとして動作する場合、所属するAP(104および105)と所属するSTA(114および115)との間にセキュリティアソシエーションはない。本開示の実施形態は、この問題に対する解決策を提供する。
【0060】
当業者により理解され得るように、802.11は、様々なタイプのフレームを含むことができ、そのうちの2つは、データフレームおよび管理フレームを含むことができる。管理フレームは、APとSTAとの間、およびその逆でユニキャストされ得る。ベース802.11規格では、ユニキャスト管理フレームは、例えばAPとSTAとの間でネゴシエートされる鍵で暗号化され得るペアワイズ・トランジェント鍵セキュリティアソシエーション(PTKSA)で暗号化され得る。しかしながら、マルチリンク動作(MLO)の場合、非AP MLDとAP MLDとの間にPTKSAが確立される。したがって、MLOの場合、2つの可能なユニキャスト管理フレーム送信があり得る。すなわち、一般的な管理フレームについてAP MLD(例えば、AP MLD 102)と非AP MLD(例えば、非AP MLD 112)との間、および、無線固有の管理フレーム(例えば、無線リソース管理(RRM))について、所属するAP(例えば、AP-1 104またはAP-2 105)と所属するSTA(例えば、STA-1 114またはSTA-2 115)との間である。
【0061】
当業者には理解されるように、MLOでは、所属するSTAおよびAPは、アドレスを対応するMLDアドレスにマッピングする能力を有し、各所属するAPは、固有のBSSIDを有することができる。例えば、AP MLD 102は、所属するAP(例えば、AP-1 104またはAP-2 105)および所属するSTA(例えば、STA-1 114またはSTA-2 115)を介して、非AP MLD 112にフレームを送信することができる。AP MLD 102は、所属するAP(例えば、AP-1 104またはAP-2 105)にフレームを中継することができ、所属するAPは、所属するSTA(例えば、STA-1 114またはSTA-2 115)にフレームを送信する。次いで、所属するSTA(例えば、STA-1 114またはSTA-2 115)は、フレームを非AP MLD 112に中継することができる。
【0062】
図3は、本開示の一実施形態による、IEEE 802.11管理フレームアドレス指定を示す。ベース802.11規格では、管理フレームがAPとSTAとの間で交換される場合、MACヘッダは、アドレス1(A1)、アドレス2(A2)、およびアドレス3(A3)を含む1つまたは複数のフィールドを備え得る。
【0063】
ベース802.11の標準動作の場合、UL方向の管理フレームは、行302に示すように、BSSIDに設定されたA1、STAに設定されたA2、およびBSSIDに設定されたA3を有することができる。同様に、DL方向の管理フレームは、行304に例示されるように、A1がSTAに設定され、A2がBSSIDに設定され、A3がBSSIDに設定され得る。
【0064】
ベース802.11規格は、802.11個の非MLDのための現在のアドレス指定スキームを称し得る。MLOのためのユニキャスト管理フレームは、PTKSAで暗号化され得、これは、前述したように、非AP MLD 112とAP MLD 102との間に確立される。
【0065】
当業者により理解され得るように、A1、A2、およびA3のフィールド要件は、送信されているフレームのタイプに依存し得る。したがって、MLOでは、フレーム内のA1、A2、およびA3は、フレームを送信するために選択されたリンクに基づいて変化し得る。
【0066】
図4は、本開示の一実施形態による802.11データフレームアドレス指定を示す。
【0067】
ベース802.11の標準動作の場合、UL方向において、ユニキャストデータフレームは、暗号化される前に、行402に示すように、受信機アドレス(RA)、例えばBSSIDに設定されたA1と、送信機アドレス(TA)、例えばSTA(データフレームを送信している)に設定されたA2と、宛先アドレス(DA)に設定されたA3とを有することができる。DAは、例えば、(データフレームを送信している)STAを介してLANを介してアクセス可能な任意のDAとすることができる。当業者には理解されるように、LANは、無線LANまたはAPが取り付けられる有線LANのセグメントであってもよい。
【0068】
同様に、DL方向におけるベース802.11標準動作の場合、ユニキャストデータフレームは、行404に示すように、A1がSTAに設定され、A2がBSSIDに設定され、A3が送信元アドレス(SA)に設定され得る。
【0069】
UL方向のMLO(例えば、802.11 be)の場合、ユニキャストデータフレームは、行406に示すように、A1がAP MLDに設定され、A2が非AP MLDに設定され、A3がDAに設定され得る。同様に、DL方向のMLOの場合、ユニキャストデータフレームは、行408に示すように、非AP MLDに設定されたA1、AP MLDに設定されたA2、およびSAに設定されたA3を有し得る。当業者には理解されるように、図4のアドレス指定スキームでは、図示するように、AP MLDアドレスがMLOのBSSIDを置き換えてもよい。
【0070】
当業者により理解され得るように、ベース802.11動作およびMLO動作のために図4により示されるアドレス指定は、データフレームが暗号化される前およびデータフレームが復号された後に適用される。MLOでは、RAおよびTAは、リンク固有のアドレスによるカプセル化後に置き換えられ得る。カプセル化の前に、MLD APアドレスはBSSIDを置き換えることができる。
【0071】
しかしながら、例えば無線媒体を介してデータフレームが送信される場合、AP MLDアドレス(例えば、UL方向に)は、受信機アドレス(RA=A1)のために所属するAPにより置き換えられてもよく、送信機アドレス(TA=A2)、例えば非AP MLDは、非AP MLDに関連付けられた所属するSTAアドレスにより置き換えられてもよい。そして、例えばデータフレームを処理するためにデータフレームが復号されると、A1の所属するAPアドレスはAPアドレスに置き換えられ、A2の所属するSTAアドレスは非AP MLDアドレスに置き換えられる。
【0072】
図5は、本開示の一実施形態による、MLDコンテキストにおけるユニキャスト管理フレーム送信を示す。説明したように、MLOの場合、2つの可能なユニキャスト管理フレーム送信があり得る。すなわち、一般的な管理フレーム送信502について、AP MLD(例えば、AP MLD 102)と非AP MLD(例えば、非AP MLD 112)との間、ならびに、無線固有の管理フレーム送信504および505(例えば、RRM)について、所属するAP(例えば、AP-1 104またはAP-2 105)と所属するSTA(例えば、STA-1 114またはSTA-2 115)との間である。当業者には理解され得るように、802.11 beでは、ペアワイズ・トランジェント鍵(PTK)が、MLD MACアドレスを使用して導出され、したがって、それはMLDエンティティにバインディングされる。したがって、MLDのみが、そのPTKで暗号化されたフレームを送信することを許可される。
【0073】
ベース802.11規格では、ユニキャスト管理フレームのアドレス指定は以下の通りであり得る。A1=DEST_BSSID/STA、A2=SRC_STA/BSSID、A3=BSSID、これは図3にも示されており、BSSIDはAPのアドレスである。
【0074】
MLOでは、レガシーAPは2つの論理エンティティ(所属するAPおよびAP MLD)に分割され、図2に示すようにAP MLDでセキュリティ管理される。AP MLD 102および非AP MLD 112は、いずれかのリンク(例えば、140または150、それらの所属するAPおよびSTAを介して)でフレームを送信するオプションを有する。このフレームは、無線固有のユニキャスト管理フレームであってもよい。
【0075】
しかしながら、例えば、AP-1 104とSTA-1 114との間、または、AP-2 105とSTA-2 115との間にはセキュリティアソシエーションが存在しないので、例えば、STA-1 114において発生するフレームは、AP-1 114への送信のためにSTA-1 114において暗号化されない場合がある。したがって、フレームは、AP MLD 102と非AP MLD 104との間のセキュリティアソシエーション202を介して送信され得る。
【0076】
結果として、既存のベース802.11スキームは、セキュリティを管理せず、したがってユニキャスト管理フレームを暗号化または復号化することができない所属するAP(例えば、AP-1 104およびAP-2 105)にフレームを向けることができることを示すので、ユニキャスト管理フレームのアドレス指定はもはや正しくない可能性がある。
【0077】
実施形態は、マルチリンク動作(MLO)のためのユニキャスト管理フレームのためのベース802.11標準アドレス指定スキームへの更新を提供し得る。実施形態は、所属するSTAと、MLD(例えば、分割された論理エンティティ)との間で、MLD内でユニキャスト管理フレームが転送されることを可能にし得る。実施形態は、所属するSTAにおけるフレームの送信および受信、ならびにMLDにおけるフレームのセキュリティカプセル化およびカプセル化解除をさらに可能にすることができる。
【0078】
実施形態は、所属するAP/BSSIDまたはAP MLDにA3を設定することにより、リンク固有のユニキャスト管理フレーム(例えば、RRM)のルーティングをさらに提供し得る。したがって、A3は、管理フレームに関連付けられた特定のリンクを示すために利用され得る。
【0079】
図6は、本開示の一実施形態による、MLOにおける改良された管理フレームアドレス指定を示す。図6は、IEEE 802.11におけるMLOのための改良された管理フレームアドレス指定スキームを提供し得る。
【0080】
図6は、MLDエンティティ(AP MLD 102および非AP MLD 112)間のUL(行602)およびDL(行604)におけるMLD管理フレーム送信のアドレス指定を示す。さらに、所属するAP管理フレームは、所属するSTAエンティティ(所属するAP(AP-1 104およびAP-2 105)および所属する非AP STA(STA-1 114およびSTA-2 115))の間のUL(行606)およびDL(行608)に示されている。
【0081】
UL方向のMLOの場合、行602、(AP MLD 102と非AP MLD 112との間で送信される)MLD管理フレームは、AP MLDに設定されたA1、非AP MLDに設定されたA2、およびAP MLDに設定されたA3を有し得る。同様に、DL方向のMLOについて、行604、MLD管理フレームは、非AP MLDに設定されたA1、AP MLDに設定されたA2、およびAP MLDに設定されたA3を有することができる。
【0082】
さらに、UL方向の所属するAP管理フレーム、行606は、フレームがカプセル化される前に、AP MLD(フレームを復号するエンティティ)に設定されたA1、非AP MLD(フレームを送信しているSTA)に設定されたA2、および所属するAP BSSIDに設定されたA3を有することができる。前述したように、A1は、フレームを復号するエンティティであるAP MLDに設定され得る。A2は、フレームを送信しているSTAである非AP MLDに設定され得る。A3は、STAがフレームを送信している所属するAPである所属するAP BSSIDに設定され得る。
【0083】
DL方向では、行608において、所属するAP管理フレームは、非AP MLDに設定されたA1と、AP MLDに設定されたA2と、(フレームを受信している所属するSTAに関連付けられた)所属するAP BSSIDに設定されたA3と、を有することができる。
【0084】
図5を参照すると、STA-1 114によりAP-1 104に送信されている管理フレームについて、A1はAP MLDに設定されてもよく、A2は非AP MLDであってもよく、A3はAP-1に設定されてもよい。同様に、AP-1 104からSTA-1 114に送信されるフレームについて、A1は非AP MLDに設定されてもよく、A2はAP MLDに設定されてもよく、A3はAP-1に設定されてもよい。
【0085】
一実施形態では、MLOにおいて、STA-1 114は、AP-1に管理フレームを送信することができる。そうすることで、STA-1 114は、フレームを構築し、それを非AP MLD 112に転送することができる。非AP MLDは、フレームを暗号化し、所属するリンク、例えばリンク140または150を介してAP MLD 102に送信することができる。AP MLD 102は、暗号化されたフレームのカプセル化を解除し得る。AP MLD 102は、フレームがAP MLDに設定されたA1およびAP-1に設定されたA3を有すると判定することができる。したがって、AP MLDはAP-1にフレームを送信することができる。
【0086】
当業者により理解され得るように、所属するAP(例えば、AP-1 104およびAP-2 105)および所属するSTA(例えば、STA-1 114およびSTA-2 115)は、本明細書で説明するようにフレームの構築および送信に関与することができる。
【0087】
図7は、本開示の一実施形態による、ユニキャスト管理フレームパスを示す。フレームパス720は、図示するように、所属するAP-1 104から所属するSTA-1 114へのユニキャスト管理フレームパスを示す。
【0088】
図7を参照すると、AP MLD 102は、AP MLD MACインスタンス701およびAP MLD局管理エンティティ(SME)インスタンス702を含むことができる。所属するAP-1 104は、所属するAP-1 MACインスタンス703および所属するAP-1 SMEインスタンス704を含むことができる。所属するAP-2 105は、所属するAP-2 MACインスタンス705および所属するAP-2 SMEインスタンス706を含むことができる。
【0089】
同様に、非AP MLD 112は、非AP MLD MACインスタンス711および非AP MLD SMEインスタンス712を含み得る。所属するSTA-1 114は、所属するSTA-1 MACインスタンス713および所属するSTA-1 SMEインスタンス714を含むことができる。所属するSTA-2 115は、所属するSTA-2 MACインスタンス715および所属するSTA-2 SMEインスタンス716を含むことができる。
【0090】
上述したように、パス720は、図示するように、所属するAP-1 SMEインスタンス704から所属するSTA-1 SME 714へのユニキャスト管理フレームのパスを示している。当業者には理解されるように、所属するAP SMEおよび所属するSTA SMEは、互いに管理フレームを送信することができる。
【0091】
722において、所属するAP-1 SMEインスタンス704は、所属するSTA-1 SME 714に送信するためのユニキャスト管理フレーム(UMF)を生成することができる。724において、所属するAP-1 SMEインスタンス704は、AP MLDでMLDセキュリティが管理されているため、フレームの暗号化のためにUMFをAP MLD MACインスタンス701に転送することができる。724におけるメッセージは、所属するAP-1 SME 704とAP MLD MACインスタンス701との間の内部通信であり得る。
【0092】
726において、AP MLD MACインスタンス701は、UMFを暗号化しエンキューすることができる。AP MLD MACインスタンス701は、所属するAP-1 SMEにUMFのSA(A3)を設定することができる。当業者には理解され得るように、UMFのA3はBSSIDに設定されてもよく、この方向(DL)ではSAであってもよい。次いで、AP MLD MACインスタンス701は、所属するSTA-1 SME 714に送信するためにUMFを送信するために、所属するAP MACインスタンス(例えば、所属するAP-1 MACインスタンス703または所属するAP-2 MACインスタンス705)のセットの所属するAP MACインスタンス(例えば、所属するAP-2 MACインスタンス705)を決定することができる。
【0093】
したがって、728において、AP MLD MACインスタンス701は、所属するSTA(例えば、所属するAP-2 MAC 705)への送信のために、暗号化されたUMFを所属するAP(例えば、所属する非AP STA(所属するSTA-1 114または所属するSTA-2 115)に送信することができる。
【0094】
730において、所属するAP-2 MACインスタンス705は、図示するように、暗号化されたUMFを所属するSTA-2 MACインスタンス715に送信することができる。732において、所属するSTA-2 MACインスタンス715は、復号のために暗号化されたUMFを非AP MLD MACインスタンス711に転送することができる。
【0095】
734において、非AP MLD MACインスタンス711は、UMFを復号することができる。非AP MLD MACインスタンス711は、フレームのA3に基づいて、UMFが所属するSTA-1 SMEインスタンス714に宛てられていると判定することができる。A3は、所属するAP SME(例えば、所属するAP-1 SMEインスタンス704)のアドレスを示すことができ、AP MLD 102と非AP MLD 112との間のセキュリティアソシエーション202に基づいて、非AP MLD MACインスタンス711は、所属するAP-1 SMEインスタンス704の所属するSTA SMEインスタンスが所属するSTA-1 SMEインスタンス714であり得ると判定することができる。したがって、736において、非AP MLD MACインスタンス711は、所属するSTA-1 SMEインスタンス714に復号されたUMFを転送することができる。
【0096】
当業者には理解されるように、730における送信は、AP MLD 102と非AP MLD 112(例えば、リンク140またはリンク150)との間の利用可能なリンクのいずれかで行われ得る。リンク(例えば、リンク140または150)は、AP MLD 102と非AP MLD 112との間でフレームを通信するので、どちらのリンクを使用してもよい。したがって、別の実施形態では、728,730および732で実行される動作は、それぞれ738,740および742で実行される動作で置き換えることができる。例えば、738において、AP MLD MACインスタンス701は、所属するSTA(例えば、所属する非AP STA(所属するSTA-1 114)に送信するために、暗号化されたUMFを所属するAP(例えば、所属するAP-1 MACインスタンス703)に送信することができる。740において、所属するAP-1 MACインスタンス703は、図示するように、暗号化されたUMFを所属するSTA-1 MACインスタンス713に送信することができる。742において、所属するSTA-1 MACインスタンス713は、復号のために暗号化されたUMFを非AP MLD MACインスタンス711に転送することができる。
【0097】
図8は、本開示の一実施形態による、リンク固有の管理フレームフローのコールフロー図である。コールフロー800は、所属するSTA-2から所属するAP-2 105へのUMFの送信を例示し得る。
【0098】
図8を参照すると、802において、所属するSTA-2 SMEインスタンス716は、所属するAP2(例えば、所属するAP-2 105)に送信するためのリンク固有の管理MACプロトコルデータユニット(MMPDU)を構築することができる。リンク固有のMMPDUの典型的な例は、無線リソース測定フレームであり得る。
【0099】
804において、所属するSTA-2 SMEインスタンス716は、AP2に設定されたA1、STA2に設定されたA2、およびAP2に設定されたA3(DA)のアドレス指定を使用して、非AP MLD MACインスタンス711にMMPDUを送信することができる。
【0100】
当業者により理解され得るように、非AP MLD 112(例えば、非AP MLD MACインスタンス711)は、受信されたMMPDUフレームのA3から、AP-2が宛先アドレスであると判定し得る。セキュリティアソシエーション202に基づいて、非AP MLD 112は、AP-2がAP MLD 102に所属していると判定することができる。したがって、非AP MLDは、STA MACインスタンス(例えば、この実施形態では、所属するSTA-1 MAC 713および所属するSTA-2 MAC 715)のセットから選択された所属するSTA MACインスタンス(例えば、所属するSTA-2 MACインスタンス715)を介して、カプセル化されたMMPDUをAP MLDに送信することができる。非AP MLDは、所属するSTAのいずれかを用いて、カプセル化されたMMPDUを送信し得る(例えば、STA1またはSTA2)。
【0101】
非AP MLD 112がAP MLD 102と関連付けられると、STA-1がAP-1とマッピングされ、STA-2がAP-2とマッピングされ、以下同様であるように、それらの対応するアフィリエイトが互いにマッピングされる。さらに、非AP MLD 112およびAP MLD 102は、それぞれの所属するSTAおよび所属するAPを介して2つのリンク(例えば、140および150)を有するように示されているが、当業者は、非AP MLD 112とAP MLD 102との間に3つ以上のリンクが存在し得ることを理解することができる(例えば、AP MLDについて3つ以上の所属するAPが存在し、非AP MLDについて3つ以上の所属するSTAが存在し得る)。
【0102】
806において、非AP MLD MACインスタンス711は、PTK(暗号化)を用いてMMPDUをカプセル化し得る。
【0103】
本明細書では、カプセル化という用語は、フレームがカプセル化されるときにフレームが暗号化されて別のフレーム内で転送されるように、暗号化および転送を意味する。いくつかの実施形態では、ペイロードは、受信および暗号化され、新しいヘッダ情報を有する新しいフレームに挿入され、転送、送信、または送信エンティティにより送信されることが当業者には理解されるべきである。
【0104】
次いで、非AP MLD MACインスタンス711は、808において、アドレス指定A1をAP MLDに設定し、A2を非AP MLDに設定し、A3をAP2に設定して、所属するSTA-2 MACインスタンス715にフレームを転送することができる。カプセル化は、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づくので、それに応じて、808において、フレームのアドレス指定が変更される。
【0105】
810において、所属するSTA-2 MACインスタンス715は、AP2に設定されたA1、STA2に設定されたA2、およびAP2に設定されたA3というアドレス指定を使用して、所属するAP-2 105(例えば、所属するAP-2 MACインスタンス705)に暗号化されたMMPDUをオーバ・ザ・エア(OTA)で送信することができる。当業者により理解され得るように、送信されたフレームOTAは、そのA3からAP2(変化しないまま)を有することにより強化され得る。このコンテキストでは、OTAは、例えば、MLDとその所属する局との間の内部接続とは対照的に、IEEE 802.11により定義されるような外部無線インターフェースを指す。
【0106】
812において、フレームは、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づいてカプセル化されるため、実施形態は、所属するAP-2 MACインスタンス705がカプセル化を解除し、受信したフレームを処理することを可能にする。したがって、所属するAP-2 MACインスタンス705は、例えば、A1をAP MLDに設定し、A2を非AP MLDに設定し、A3をAP2として維持することにより、フレームのアドレスをマッピングすることができる。次いで、所属するAP-2 MACインスタンス705は、カプセル化を解除するために、更新されたアドレスを有するフレームをAP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)に転送することができる。
【0107】
814において、AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)は、PTKを用いてMMPDUのカプセル化を解除し得る(復号)。AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)は、A3(AP-2に設定されている)に基づいて、フレームがAP-2 105宛てであると判定することができる。さらに、AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)は、非AP MLDを示すA2に基づいて、送信機アドレス(TA)が、AP-2 105にマップされた所属するSTA(例えば、STA-2 115)であり得ると判定し得る。したがって、AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)は、その後に、アドレス指定、すなわちAP2に設定されたA1、STA2に設定されたA2、およびAP2に設定されたA3を用いて、カプセル化を解除されたフレームをAP-2 105へ送信し得る。当業者には理解されるように、AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)により送信されるカプセル化を解除されたフレームのアドレス指定は、図示するように、所属するSTA2 SMEにより非AP MLDに送信されるMMPDUヘッダ804のアドレス指定と同様であり得る。
【0108】
別の実施形態では、図示するように、808,810および812で実行される動作は、それぞれ828,830および832での動作により代替的に実行されてもよい。上述したように、806において、非AP MLD MACインスタンス711がPTKを用いてMMPDUを暗号化すると、828において、非AP MLD MACインスタンス711は、STA MACインスタンスのセット(例えば、この実施形態では、所属するSTA-1 MAC 713および所属するSTA-2 MAC 715)から選択された所属するSTA MACインスタンス(例えば、所属するSTA-1 MACインスタンス713)を介して、カプセル化されたMMPDUをAP MLDに送信することができる。非AP MLD MACインスタンス711は、AP MLDに設定されたA1、非AP MLDに設定されたA2、およびAP2に設定されたA3のアドレス指定を使用して、所属するSTA-1 MACインスタンス713にフレームを転送することができる。
【0109】
830において、所属するSTA-1 MACインスタンス713は、AP1に設定されたA1、STA1に設定されたA2、およびAP2に設定されたA3というアドレス指定を使用して、所属するAP-1 104(例えば、所属するAP-1 MACインスタンス703)に暗号化されたMMPDUをオーバ・ザ・エア(OTA)で送信することができる。当業者により理解され得るように、送信されたフレームOTAは、そのA3からAP2(変化しないまま)を有することにより強化され得る。
【0110】
832において、フレームは、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づいてカプセル化されるため、所属するAP-1 MACインスタンス703は、受信したフレームのカプセル化を解除して処理することができない可能性がある。したがって、所属するAP-1 MACインスタンス703は、例えば、A1をAP MLDに設定し、A2を非AP MLDに設定し、A3をAP2として維持することにより、フレームのアドレスをマッピングすることができる。次いで、所属するAP-1 MACインスタンス703は、更新されたアドレスを有するフレームをAP MLD 102(例えば、カプセル化解除のためのAP MLD MACインスタンス701)に転送することができる。
【0111】
図9は、本開示の別の実施形態による、DLにおけるリンク固有の管理フレームフローのコールフロー図である。図9のコールフローは、本明細書においてさらに記載されるように、図7のユニキャスト管理フレームパスを反映し得る。
【0112】
図9を参照すると、コールフロー920は、図示するように、所属するAP-1 104から所属するSTA-1 114へのユニキャスト管理フレームパスを例示する、図7のフレームパス720を反映し得る。722と同様であり得る922において、所属するAP-1 SMEインスタンス704は、所属するSTA-1 114(STA-1 SME 714)に送信するためのリンク固有の管理MACプロトコルデータユニット(MMPDU)を構築することができる。
【0113】
724と同様であり得る924において、所属するAP-1 SMEインスタンス704は、AP MLDでMLDセキュリティが管理されているため、フレームの暗号化のためにMMPDUをAP MLD MACインスタンス701に転送することができる。MMPDUを転送する際に、所属するAP-1 SMEインスタンス704は、アドレス指定、すなわちSTA1に設定されたA1、AP1に設定されたA2、およびAP1に設定されたA3を使用することができる。924におけるメッセージは、所属するAP-1 SME 704とAP MLD MACインスタンス701との間の内部通信であり得る。
【0114】
当業者により理解され得るように、AP MLD 102(例えば、AP MLD MACインスタンス701)は、受信されたMMPDUフレームのA1から、STA-1 114が受信機アドレスであると判定することができる。セキュリティアソシエーション202に基づいて、AP MLD 102は、STA-1が非AP MLD 112に所属していると判定することができる。次いで、AP MLD MACインスタンス701は、所属するSTA-1 SME 714に送信するためにMMPDUを送信するために、所属するAP MACインスタンス(例えば、所属するAP-1 MACインスタンス703または所属するAP-2 MACインスタンス705)のセットの所属するAP MACインスタンス(例えば、所属するAP-2 MACインスタンス705)を決定することができる。AP MLD 102は、所属するAP MACインスタンス(例えば、所属するAP-2 MACインスタンス705)を介して、MMPDUを暗号化し、非AP MLDに送信することができる。
【0115】
したがって、726と同様であり得る926において、AP MLD MACインスタンス701は、PTK(暗号化)を有するMMPDUを送信し得る。次いで、AP MLD MACインスタンス701は、928において(728と同様に)、カプセル化されたフレームを、アドレス指定、すなわち非APMLDに設定されたA1、AP MLDに設定されたA2、およびAP1に設定されたA3(SA)を使用して、所属するAP-2 MACインスタンス705に転送することができる。カプセル化は、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づくので、それに応じて、928において、フレームのアドレス指定が変更される。
【0116】
730と同様であり得る930において、所属するAP-2 MACインスタンス705は、アドレス指定A1をSTA2に設定し、A2をA2に設定し、A3をAP1に設定して、所属するSTA-2 MACインスタンス715に暗号化されたMMPDUをオーバ・ザ・エアで送信することができる。
【0117】
732と同様であり得る932において、フレームは、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づいてカプセル化されるため、所属するSTA-2 MACインスタンス715は、受信したフレームのカプセル化を解除して処理することができない可能性がある。したがって、所属するSTA-2 MACインスタンス715は、カプセル化を解除するために、カプセル化されたMMPDUを非AP MLD MACインスタンス711に転送することができる。カプセル化されたMMPDUを転送する際に、所属するSTA-2 MACインスタンス715は、アドレス指定、すなわち非AP MLDに設定されたA1、AP MLDに設定されたA2、およびAP1に設定されたA3を使用することができる。
【0118】
734に類似し得る934において、非AP MLD MACインスタンス711は、PTKを用いてMMPDUのカプセル化を解除(復号化)し得る。非AP MLD MACインスタンス711は、フレームのA3に基づいて、MMPDUが所属するSTA-1 SMEインスタンス714宛てのものであると判定することができる。A3は、所属するAP SME(例えば、所属するAP-1 SMEインスタンス704)のアドレスを示すことができ、AP MLD 102と非AP MLD 112との間のセキュリティアソシエーション202に基づいて、非AP MLD MACインスタンス711は、所属するAP-1 SMEインスタンス704の所属するSTA SMEインスタンスが所属するSTA-1 SMEインスタンス714であり得ると判定することができる。したがって、936において(736と同様であり得る)、非AP MLD MACインスタンス711は、STA1に設定されたアドレス指定A1、AP1に設定されたA2、およびAP1に設定されたA3を使用して、カプセル化を解除されたMMPDUを所属するSTA-1 SMEインスタンス714に転送し得る。
【0119】
当業者により理解され得るように、実行される動作930は、AP MLD 102と非AP MLD 112との間の利用可能なリンクのいずれか(例えば、リンク140またはリンク150)で行われ得る。リンク(例えば、リンク140または150)は、AP MLD 102と非AP MLD 112との間でフレームを通信するので、どちらのリンクを使用してもよい。したがって、別の実施形態では、928,930および932で実行される動作は、それぞれ938,940および942で実行される動作で置き換えることができる。
【0120】
したがって、別の実施形態では、738と同様であり得る938において、AP MLD MACインスタンス701は、アドレス指定、すなわちAP MLDに設定されたA1、AP1に設定されたA2、およびA1に設定されたA3を使用して送信するために、カプセル化されたMMPDUを所属するAP(例えば、所属するAP-1 MACインスタンス703)に送信することができる。
【0121】
740と同様であり得る940において、所属するAP-1 MACインスタンス703は、図示するように、アドレス指定、すなわちSTA1に設定されたA1、AP1に設定されたA2、およびAP1に設定されたA3を使用して、暗号化されたMMPDUを所属するSTA-1 MACインスタンス713にオーバ・ザ・エアで送信することができる。
【0122】
742と同様であり得る942において、フレームは、非AP MLD 112とAP MLD 102との間のセキュリティアソシエーション202に基づいてカプセル化されるため、所属するSTA-1 MACインスタンス713は、受信したフレームのカプセル化を解除して処理することができない可能性がある。したがって、所属するSTA-1 MACインスタンス713は、カプセル化を解除するために、カプセル化されたMMPDUを非AP MLD MACインスタンス711に転送することができる。
【0123】
本明細書で説明するように、実施形態は、MACアドレスの変更に基づいて管理フレームの送信を提供することができる。説明したように、例えば、図7および図9を参照すると、管理フレームは、AP MLDと所属するAPと、非AP MLDと所属するSTAとの間で、方法により送信され得る。本方法は、A1(RA)がSTA-1に設定され、A2(TA)がAP-1に設定され、A3がAP-1に設定された所属するAP SMEにおいて管理フレームを生成するステップを含むことができる。A3は、DLの場合にはSAであり、ULの場合にはDAであり得ることを理解されたい。この方法はさらに、管理フレームをカプセル化することと、A3を同じに保ちながら、A1を非AP MLDに、A2をAP MLDに変更することとを含み得る(例えば、AP-1)。本方法は、フレームがオーバ・ザ・エアで送信されるというリンク上で、所属するSTAへのA1および所属するAPへのA2を変更するステップをさらに含むことができる。この方法はさらに、所属するSTAにおいてフレームを受信することと、A1を非AP MLDに、A2をAP MLDに、A3をそのままにすることとを含み得る。この方法はさらに、フレームをカプセル化することと、A1、A2、A3設定に基づいて、フレームがSTA-1に向けられていると判定することとを含み得る。この方法はさらに、STA-1 SMEにおいて、非AP MLDからフレームを受信することを含み得る。
【0124】
実施形態は、802.11 MLD内のユニキャスト管理フレームセキュリティをサポートすることを提供することができる。本明細書に記載されるように、実施形態は、ユニキャスト管理フレームがMLD内で正しく受信、送信、符号化(暗号化またはカプセル化)および復号(復号化またはカプセル化解除)され得るように、拡張された802.11フレームアドレス指定スキームをさらに提供し得る。当業者には理解されるように、フレームアドレス指定スキームは、ユニキャスト管理フレームがリンク特有(所属するAPと所属する非AP STAとの間)であるか、一般的(非AP MLDとAP MLDとの間)であるかに依存して異なり得る。
【0125】
図10は、本発明の異なる実施形態による、本明細書に明示的または暗黙的に記載された上記の方法および特徴の動作のいずれかまたはすべてを実行することができるUE 1000の概略図である。例えば、ネットワーク機能を備えたコンピュータがUE 1000として構成されてもよい。
【0126】
図示するように、UE 1000は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ1010、またはグラフィック処理装置(GPU)などの専用プロセッサ、または他のそのようなプロセッサユニット、メモリ1020、非一時的大容量ストレージ1030、入出力インターフェース1040、ネットワークインターフェース1050、およびトランシーバ1060を含むことができ、これらはすべて双方向バス1070を介して通信可能に結合されている。特定の実施形態によれば、図示されている要素のいずれかまたはすべてが利用されてもよく、または要素のサブセットのみが利用されてもよい。さらに、UE 1000は、複数のプロセッサ、メモリ、またはトランシーバなどの特定の要素の複数のインスタンスを含むことができる。また、ハードウェアデバイスの要素は、双方向バスなしで他の要素に直接結合されてもよい。プロセッサおよびメモリに加えて、またはこれらの代わりに、必要とされる論理演算を実行するために、集積回路などの他の電子機器が採用されてもよい。
【0127】
メモリ1020は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、このようなものの任意の組み合わせなどの任意のタイプの非一時的メモリを含み得る。大容量ストレージ要素1030は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光学的ディスクドライブ、USBドライブ、またはデータおよびマシン実行可能プログラムコードを記憶するように構成されている任意のコンピュータプログラム製品などの任意のタイプの非一時的記憶装置を含み得る。特定の実施形態によれば、メモリ1020または大容量ストレージ1030には、上記で説明された上述の方法動作のいずれかを実行するためにプロセッサ1010により実行可能なステートメントおよび命令を記録していてもよい。
【0128】
本発明の実施形態は、電子機器ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実施され得る。いくつかの実施形態では、本発明は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行する1つまたは複数のコンピュータプロセッサにより実施される。いくつかの実施形態では、本発明は、例えば、処理動作を迅速に実行するために1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、部分的または完全にハードウェアで実施される。
【0129】
本技術の特定の実施形態が説明目的で本明細書に記載されてきたが、本技術の範囲から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることを理解されたい。したがって、明細書および図面は、単に添付の特許請求の範囲により定義される本発明の例示として見なされるべきであり、本発明の範囲内にあるあらゆるおよびすべての修正、変形、組み合わせまたは均等物を網羅すると考えられる。特に、機械により読み取り可能な信号を記憶するため、本技術の方法に従ってコンピュータの動作を制御するため、および/または本技術のシステムに従ってその構成要素の一部またはすべてを構造化するために、コンピュータプログラム製品もしくはプログラム要素、または磁気または光ワイヤ、テープ、またはディスクなどのプログラムストレージもしくはメモリデバイスを提供することは、本技術の範囲内である。
【0130】
本明細書に記載される方法に関連付けられた動作は、コンピュータプログラム製品内のコード化された命令として実施され得る。言い換えると、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品がメモリにロードされて無線通信デバイスのマイクロプロセッサ上で実行されたときに方法を実行するためのソフトウェアコードが記録されている、コンピュータ可読媒体である。
【0131】
さらに、本方法の各動作は、パーソナルコンピュータ、サーバ、PDAなどの任意のコンピューティングデバイス上で、C++、Javaなどの任意のプログラミング言語から生成された1つもしくは複数、または1つもしくは複数の一部のプログラム要素、モジュール、またはオブジェクトに従って実行することができる。加えて、各動作、または各前記動作を実施するファイルまたはオブジェクトなどは、専用ハードウェアまたはその目的のために設計された回路モジュールにより実行されてもよい。
【0132】
前述の実施形態の説明を通じて、本発明は、ハードウェアのみを使用して、またはソフトウェアおよび必要なユニバーサルハードウェアプラットフォームを使用して実施されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決策は、ソフトウェア製品の形で具体化されてもよい。ソフトウェア製品は、不揮発性、または非一時的な記憶媒体に記憶されてもよく、これは、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、USBフラッシュメモリ、または取り外し可能なハードディスクであってもよい。ソフトウェア製品は、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイス)が本発明の実施形態で提供される方法を実行することを可能にする、いくつかの命令を含む。例えば、このような実行は、本明細書に記載される論理演算のシミュレーションに対応していてもよい。ソフトウェア製品は、付加的または代替的に、本発明の実施形態によるデジタル論理装置またはプログラミングするための動作をコンピュータデバイスが実行することを可能にする、いくつかの命令を含んでもよい。
【0133】
本発明は、特定の特徴およびその実施形態を参照して説明されてきたが、本発明から逸脱することなく様々な修正および組み合わせがなされ得ることは明らかである。したがって、明細書および図面は、単に添付の特許請求の範囲により定義される本発明の例示として見なされるべきであり、本発明の範囲内にあるあらゆるおよびすべての修正、変形、組み合わせまたは均等物を網羅すると考えられる。
【符号の説明】
【0134】
100 MLDアーキテクチャ
102 マルチリンクデバイス
104 論理局/無線ユニット
105 論理局/無線ユニット
112 マルチリンクデバイス
114 論理局/無線ユニット
115 論理局/無線ユニット
140 リンク
150 リンク
202 セキュリティアソシエーション
302 行
304 行
402 行
404 行
406 行
408 行
502 管理フレーム送信
504 管理フレーム送信
602 行
604 行
606 行
608 行
701 AP MLD MACインスタンス
702 AP MLD局管理エンティティ(SME)インスタンス
703 AP-1 MACインスタンス
704 AP-1 SMEインスタンス
705 AP-2 MACインスタンス
706 AP-2 SMEインスタンス
711 非AP MLD MACインスタンス
712 非AP MLD SMEインスタンス
713 STA-1 MACインスタンス
714 STA-1 SMEインスタンス
715 STA-2 MACインスタンス
716 STA-2 SMEインスタンス
720 フレームパス
800 コールフロー
804 MMPDUヘッダ
920 コールフロー
1010 プロセッサ
1020 メモリ
1030 大容量ストレージ
1040 入出力インターフェース
1050 ネットワークインターフェース
1060 トランシーバ
1070 双方向バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法であって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、前記方法は、
前記第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、前記第1の局(STA)から、前記第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む管理フレームを受信するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて前記管理フレームを暗号化するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの宛先アドレスおよび前記第1のSTAの送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のMLDにより、前記暗号化された管理フレームのヘッダを、前記第2のMLDの受信機アドレスおよび前記第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するステップ
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のMLDが、前記第1のMLDのメディアアクセス制御(MAC)インスタンスを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のSTAが、前記第1のSTAの局管理エンティティ(SME)インスタンスを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のSTAが、前記第3のSTAのMACインスタンスを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のSTAが、前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、前記第3のSTAが、前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、
受信する前記ステップが、前記第1の内部接続を介して受信するステップを含み、
送信する前記ステップが、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記暗号化された管理フレームを送信するステップを含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第1の内部接続を介して前記第1のSTAに送信するステップと、
前記OTA接続を介して前記第1のSTAから前記第2のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信するステップであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第3の内部接続を介して前記第3のSTAに送信するステップと、
前記OTA接続を介して前記第3のSTAから前記第4のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信するステップであって、前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第4のSTAの受信機アドレスおよび前記第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信の方法であって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、前記方法は、
前記第1のマルチリンクデバイス(MLD)により、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて第2のMLDから、前記第2のMLDに関連付けられたアドレス情報を示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第1のMLDにより、前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立された関連付けられたセキュリティに基づいて前記暗号化された管理フレームを復号するステップと、
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記復号された管理フレームを送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のSTAの宛先アドレスおよび前記第2のSTAの送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のMLDの受信機アドレスおよび前記第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記OTA接続が、前記第1のSTAと前記第2のSTAとの間にあり、前記第1のSTAが前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、受信する前記ステップが、
前記OTA接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを前記第1のSTAから前記第1のMLDに送信するステップと、
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記OTA接続が、前記第3のSTAと前記第4のSTAとの間にあり、前記第3のSTAが前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、前記受信するステップが、
前記OTA接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信するステップと、
前記第3の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを前記第3のSTAから前記第1のMLDに送信するステップと、
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームの前記ヘッダを、前記第1のSTAの受信機アドレス、前記第3のSTAの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するステップ
をさらに含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記復号された管理フレームを送信する前記ステップが、
前記第1のMLDにより、前記復号された管理フレームを前記第1のSTAに送信するステップを含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のMLDが前記第1のMLDのMACインスタンスを有する、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のSTAが、前記第1のSTAの局管理エンティティ(SME)を有する、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のSTAが、前記第2のSTAのMACインスタンスを有する、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のSTAが、前記第2のSTAと同じであるか、または異なる、請求項11から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のMLDが、アクセスポイント(AP)MLDまたは非AP MLDのうちの一方である、請求項11から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムであって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAおよび第4のSTAに所属し、
前記第1のSTAが、
第2のMLDを示すヘッダを含む管理フレームを生成し、
前記生成された管理フレームを前記第1のMLDに送信する、
ように構成され、
前記第1のMLDが、
前記第1のSTAから前記管理フレームを受信し、
前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間で確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて前記管理フレームを暗号化し、
前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信する、
ように構成される、システム。
【請求項24】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの宛先アドレスおよび前記第1のSTAの送信元アドレスのうちの一方を示す、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記管理フレームの前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスをさらに示す、請求項23または24に記載のシステム
【請求項26】
前記第1のMLDが、
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダを、前記第2のMLDの受信機アドレス、または前記第1のMLDの送信機アドレスのうちの1つまたは複数を示すように更新するようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のSTAが、前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、前記第3のSTAが、前記第1のMLDへの第3の内部接続を含み、
前記管理フレームを前記第1のSTAから受信することが、前記第1の内部接続を介して受信することを含み、
前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方を介して前記第2のMLDに向けて前記暗号化された管理フレームを送信することが、オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記暗号化された管理フレームを送信することを含む、
請求項23から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第1の内部接続を介して前記第1のSTAに送信することと、
前記OTA接続を介して前記第1のSTAから前記第2のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信することであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第2のSTAの受信機アドレスおよび前記第1のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、送信することと、
を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
送信する前記ステップが、
前記暗号化された管理フレームを前記第3の内部接続を介して前記第3のSTAに送信することと、
前記OTA接続を介して前記第3のSTAから前記第4のSTAに前記暗号化された管理フレームを送信することであって、前記暗号化された管理の前記ヘッダが、前記第4のSTAの受信機アドレスおよび前記第3のSTAの送信機アドレスを示すように更新される、ことと、
を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
第1のマルチリンクデバイス(MLD)と第2のMLDとの間の通信のシステムであって、前記第1のMLDは、第1の局(STA)および第3のSTAに所属し、前記第2のMLDは、第2のSTAに所属し、
前記第1のSTAが、
オーバ・ザ・エア(OTA)接続を用いて前記第2のMLDから、前記第2のMLDを示すヘッダを含む暗号化された管理フレームを受信し、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のMLDに送信する、
ように構成され、
前記第1のMLDが、
前記第1のSTAから、前記暗号化された管理フレームを受信し、
前記第1のMLDと前記第2のMLDとの間に確立されたセキュリティアソシエーションに基づいて、前記暗号化された管理フレームを復号し、
前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信する、
ように構成される、システム。
【請求項31】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のSTAの宛先アドレス、前記第3のSTAの宛先アドレス、および前記第2のSTAの送信元アドレスのうちの1つを示す、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記暗号化された管理フレームの前記ヘッダが、前記第1のMLDの受信機アドレスおよび前記第2のMLDの送信機アドレスをさらに示す、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項33】
前記OTA接続が前記第1のSTAと前記第2のSTAとの間にあり、前記第1のSTAが前記第1のMLDへの第1の内部接続を含み、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のMLDに送信することが、前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを送信することを含み、
前記暗号化された管理フレームを前記第1のSTAから受信することが、前記第1の内部接続を介して前記暗号化された管理フレームを受信することを含む、
請求項30から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1のMLDが、前記復号された管理フレームの前記ヘッダを、前記第1のSTAおよび前記第3のSTAのうちの一方の受信機アドレス、前記第2のSTAの送信機アドレス、のうちの1つまたは複数を示すように更新するようにさらに構成される、請求項30または33に記載のシステム。
【請求項35】
前記受信機アドレスが、前記第1のSTAを示し、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信することが、前記復号された暗号化された管理フレームを前記第1のSTAに送信することを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記受信機アドレスが、前記第3のSTAを示し、前記復号された管理フレームのヘッダに基づいて前記暗号化された管理フレームを送信することが、前記復号された暗号化された管理フレームを前記第3のSTAに送信することを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
プロセッサによって実行されると、無線通信デバイスに請求項1から22のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】