(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】複数のリンケージを有する分散アーキテクチャロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 9/06 20060101AFI20240228BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B25J9/06 D
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556904
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022020867
(87)【国際公開番号】W WO2022197996
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514062448
【氏名又は名称】パーシモン テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PERSIMMON TECHNOLOGIES, CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ホシェク マルチン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707BS26
3C707HS27
3C707HT02
3C707HT15
3C707NS12
5F131AA02
5F131DB04
5F131DB52
5F131DB58
5F131DB62
5F131DB76
5F131DB82
5F131DB86
5F131DB88
5F131DB92
(57)【要約】
好適な実施形態の一例である装置は、駆動部と可動アームとマスターコントローラとを備える。前記可動アームは、駆動部に回動可能に接続されるベースと第1及び第2のリンケージとを備える。第1のリンケージは、第1の回転関節においてベースに接続される第1のリンクと、第2の回転関節において第1のリンクに接続される第2のリンクと、第3の回転関節において第2のリンクに接続され、エンドエフェクタを有する第3のリンクとを有する。第2のリンケージは、第4の回転関節においてベース上で回動可能な第4のリンクと、第5の回転関節において第4のリンクに連結される第5のリンクと、第6の回転関節において第5のリンクに接続され、別のエンドエフェクタを有する第6のリンクとを有する。マスターコントローラは、可動アーム及びベースの駆動部に対する動作を制御する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備える装置であって、
前記可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を有し、前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を有し、
前記マスターコントローラは、前記可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリーと前記第2の肩プーリーは硬性の支柱を介して前記ベースに連結され、
前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能であり、
前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能である、
装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記駆動部上で前記ベースの回動を生じさせるように構成されるメインアクチュエータを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の肩プーリー、前記第1のアクチュエータ、前記第2の肩プーリー、及び前記第2のアクチュエータは、同軸に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の肩プーリーと前記第1のアクチュエータとは同軸に配置され、前記第2の肩プーリーと前記第2のアクチュエータとの同軸配置からオフセットされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のリンケージの前記第4のリンクと前記第5のリンクは、前記第1のリンケージに入れ子式に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のリンクの長さは前記第4のリンクの長さと等しくない、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のリンクの長さは前記第4のリンクの長さと等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第6のリンクは、前記第2のエンドエフェクタを前記第3のリンクの上方に上昇させるブリッジを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記ベースと前記駆動部との間にサーマルカップリングを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、前記ベースと前記駆動部との間で電力信号及び通信信号のうちの1つ以上を伝送するように構成されるカップリングを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記マスターコントローラは、前記可動アーム及び前記駆動部の少なくとも一方に配置される少なくとも1つのサブコントローラと通信可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
駆動部と、第1の可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備える装置であって、
前記第1の可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を有し、前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を有し、
前記マスターコントローラは、前記第1の可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは前記ベースに回動可能に連結され、それぞれ独立に動かされることができ、
前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能であり、
前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能であり、
前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは、前記ベースに取り付けられた第3のアクチュエータによって、それぞれ独立に動かされることができる、
装置。
【請求項13】
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、及び前記第3のアクチュエータは、同軸上に配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第3のアクチュエータは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを独立して位置決めできるように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記駆動部上で前記ベースの回動を生じさせるように構成されるメインアクチュエータと、前記ベースに取り付けられた第4のアクチュエータとを備え、
前記メインアクチュエータ、前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、及び前記第4のアクチュエータは、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを独立に位置決めするための4つの独立に制御される運動軸を提供するように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項16】
第2の可動アームを更に備え、前記第2の可動アームは、複数のリンクを有する第3のリンケージと、複数のリンクを有する第4のリンケージとを備え、前記第3のリンケージ及び前記第4のリンケージはそれぞれ、第3の肩プーリー又は第4の肩プーリーによって前記ベースに連結され、前記第3の肩プーリー及び前記第4の肩プーリーは、硬性の支柱を介して前記ベースに連結される、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備える装置であって、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
を有し、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、前記下側部分に取り付けられた第1の肩プーリーを通じて回転可能であり、前記第2のリンクは、第2のアクチュエータによって、前記上側部分に取り付けられた第2の肩プーリーを通じて回転可能である、
装置。
【請求項18】
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備え、
前記第3のリンクは、前記下側部分に取り付けられた第3のプーリーを通じて第3のアクチュエータによって回動可能であり、前記第4のリンクは、前記上側部分に取り付けられた肩プーリーを通じて第4のアクチュエータによって回動可能であり、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備える装置であって、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備え、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また前記下側部分に取り付けられた第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、
前記第4のリンクは、第6のアクチュエータによって、また前記上側部分に取り付けられた第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される、
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、前記第4のアクチュエータ、前記第5のアクチュエータ、及び前記第6のアクチュエータは、前記ベースに取り付けられている、
装置。
【請求項20】
前記第1のアクチュエータと、前記第3のアクチュエータと、前記第5のアクチュエータとは、前記ベースの前記下側部分に取り付けられ、前記第2のアクチュエータと、前記第4のアクチュエータと、前記第6のアクチュエータは、前記ベースの前記上側部分に取り付けられる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のペイロードを運ぶ前記少なくとも1つの第1のリンク及び前記第2のペイロードを運ぶ前記少なくとも1つの第2のリンクの少なくとも一方が伸長可能な方向を調整するために、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを同期して動かすことにより、前記第1のリンケージ及び前記第2のリンケージが回転させられる、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備える装置であって、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備え、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第3の肩プーリーは、第6のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第4のリンクは、第7のアクチュエータによって、また第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第4の肩プーリーは第8のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
〔技術分野〕
例示的かつ非限定的な実施形態は、一般に、マテリアルハンドリングロボットに関し、より詳細には、複数のリンケージを制御するための分散アクチュエータを有し、半導体処理システムにおいて半導体ウェーハなどのペイロードを操作および搬送するのに適した、マテリアルハンドリングロボットに関する。
【0002】
〔先行技術の簡単な説明〕
真空環境で動作するマテリアルハンドリングロボットは、通常、集中型アクチュエータを使用している。このようなロボットは一般に、ロボットアームと、ロボットアームを動かすための全てのアクチュエータを収容する駆動ユニットと、制御システムとを備える。制御システムは、外部入力を受け取り、ロボットアームの所望の動作を実行するように、及び/又はロボットアームを所望の位置に動かすように、アクチュエータに指示する。
【摘要】
【0003】
ある捉え方によれば、装置は、駆動部と、第1の可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を備え、
前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を備え、
前記マスターコントローラは、前記可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリーと前記第2の肩プーリーは硬性の支柱を介して前記ベースに連結される。前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能である。前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能である。
【0004】
別の見方によれば、装置は、駆動部と、第1の可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記第1の可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を備え、
前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を備え、
前記マスターコントローラは、前記第1の可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは前記ベースに回動可能に連結され、それぞれ独立に動かされることができる。前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能である。前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能である。前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは、前記ベースに取り付けられた第3のアクチュエータによって、それぞれ独立に動かされることができる。
【0005】
別の見方によれば、装置は、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
を有し、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、前記下側部分に取り付けられた第1の肩プーリーを通じて回転可能であり、前記第2のリンクは、第2のアクチュエータによって、前記上側部分に取り付けられた第2の肩プーリーを通じて回転可能である。
【0006】
別の見方によれば、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備える。
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また前記下側部分に取り付けられた第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、
前記第4のリンクは、第6のアクチュエータによって、また前記上側部分に取り付けられた第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能である。
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、前記第4のアクチュエータ、前記第5のアクチュエータ、及び前記第6のアクチュエータは、前記ベースに取り付けられている。
【0007】
別の見方によれば、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備える。
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第3の肩プーリーは、第6のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第4のリンクは、第7のアクチュエータによって、また第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第4の肩プーリーは第8のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられていない。
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
前述の捉え方や他の特徴について、添付図面を参照しつつ以下に説明する。
【0009】
図1A-1Mは、マテリアルハンドリングロボットの動作例を示す略上面図である。
【0010】
図2Aは、集中型アクチュエータを利用する従来のアーキテクチャを有するマテリアルハンドリング真空環境ロボットの一例の概略図である。
【0011】
【0012】
図3A-3Dは、
図2Aのロボットの動作を示すが略上面図である。
【0013】
図4Aは、分散型アーキテクチャのアクチュエータを備えるマテリアルハンドリング真空環境ロボットの一例の概略図である。
【0014】
【0015】
図5A-5Dは、
図4Aのロボットの動作を示す略上面図である。
【0016】
図6Aは、分散型アーキテクチャのアクチュエータを備えるマテリアルハンドリング真空環境ロボットの別の例の概略図である。
【0017】
【0018】
図7及び
図8Aは、分散アーキテクチャのアクチュエータを備えるマテリアルハンドリング真空環境ロボットの別の例の概略図である。アームがリンクオーバリンク(link-over-link)位置にある。
【0019】
【0020】
【0021】
図10は、エンドエフェクタの高さがオフセットされている
図7の例示的ロボットの概略図である。
【0022】
図11は、ロボットの他の実施形態例を示す概略図である。
【0023】
図12Aは、エンドエフェクタが後退位置にある
図11のロボットの概略図である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
図16Aは、回動ベースがロボットアームのリンケージの上方に垂直に延びている例示的なロボットの概略図である。
【0028】
【0029】
【0030】
図18Aは、ロボットの別の例であり、肩プーリーの代替的な取り付け部を示す。
【0031】
【0032】
図19Aは、肩プーリーを作動させるための追加モーターの組み込みを示すロボットの一例の概略図である。
【0033】
【0034】
図20-22は、複数のリンケージのアームを持ち、様々なモーターで作動するロボットの例を示す概略図である。
【0035】
図23は、第1の駆動部及び第1のアームと、第2の駆動装置及び第2のアームとが、積み重ねられて反転配置されているロボットの一例を示す概略図である。
【0036】
図24A-29Iは、ロボット及びその動作の追加的な例示的実施形態の概略図及び略上面図である。
【0037】
図30及び
図31は、ロボット用の直列2リンク機構に基づくリンケージの例を示す概略図である。
【0038】
図32及び
図33は、ロボット用2リンク機構のシステム例を示す概略図である。
【0039】
図34は、回転カップリングを組み込んだロボットの一例を示す概略図である。
【0040】
図35A及び35Bは、回転サーマルカップリングの例示的な実施形態である。
【0041】
図36は、電力機能と通信機能を統合したカップリングの一実施形態の例を示す概略図である。
【詳細説明】
【0042】
本開示の特徴について図面に示す例示的な実施形態を参照して説明するが、これらの特徴は、多くの代替的実施形態においても具現化されうることを理解されたい。また、任意の適切なサイズ、形状もしくは種類の要素や材料を採用することができることも理解されたい。
【0043】
本明細書に記載される特徴は、ワークステーションWとの間でペイロードPのピックアンドプレースが可能なマテリアルハンドリングロボットを提供するために使用することができる。ワークステーションWは、例えば
図1A~
図1Mに示されるような例示的なシステムのワークステーションであることができ、オフセット型及び/又はラジアル側のワークステーションであることができる。ピックアンドプレースは次の操作を含む。a)個々のペイロードを独立して運ぶ。(b)個々のペイロードを独立してピックし(つまみ上げ)、プレースし(置き)、交換する。(c)複数のペイロードを同時に運ぶ。(d)複数のペイロードを同時にピックし、プレースし、交換する。(e)複数のペイロードを同時にプレースする際に個々のペイロードの位置を独立に調整する。
【0044】
図1A~1Mを参照すると、上述したような操作例が図式化されて示されている
図1Aには、径方向に位置するワークステーションWにおける個々のペイロードPのピック又はプレースが図示されている
図1Bには、積み重ねて配置された2つの径方向に位置するワークステーションにおける、ペイロードのペアの同時ピック又は同時プレースが図示されている
図1Cには、径方向に位置する1つ又は複数のワークステーションにおける、1つ又は複数のペイロードPの位置調整が、
図1C中の例示的な矢印を用いて図示されている
図1A-1Mに関して使用される「径方向」という用語は、搬送ロボットの中心Cに対して径方向(放射方向、ラジアル方向)であることを意味することを意図している
図1A及び
図1Bにおいて、径方向の動きは、中心Cに対して径方向の矢印で図示されている同様に、
図1Dは、オフセットが直交したワークステーション(オフセット直交ワークステーション)Wにおける個々のペイロードPのピック又はプレースを示す
図1Eは、上下に配置された2つのオフセット直交ワークステーションにおけるペイロードのペアの同時ピック又は同時プレースを図示する
図1Fは、並んで配置された2つのオフセット直交ワークステーションWにおけるペイロードのペアの同時ピック又は同時プレースを図示する
図1Gは、複数のオフセット直交ワークステーションにおける4つのペイロードの同時ピック又は同時プレースを図示する
図1Hは、オフセット直交ワークステーションにおける2つ以上のペイロードの独立且つ同時の位置調整を示す図である
図1Iは、直交しておらず径方向にもないワークステーション(非直交非径方向ワークステーション)における個々のペイロードのピック又はプレースを示す図である
図1Jは、上下に配置された2つの非直交非径方向ワークステーションにおけるペイロードのペアの同時ピック又は同時プレースを示す図である
図1Kは、並んで配置された2つの非直交非径方向ワークステーションにおけるペイロードのペアの同時ピック又は同時プレースを示す図である
図1Lは、複数の非直交非径方向ワークステーションにおける4つのペイロードの同時ピック又は同時プレースを示す図である
図1Mは、非直交非径方向ワークステーションにおける2つ以上のペイロードの独立且つ同時の位置調整を示す図である。
【0045】
上記の能力は、複数のペイロードの同時処理を可能にする一方で、例えば、システムの一部でメンテナンスが行われているために同時処理が不可能な場合に、個々のペイロードを順次処理する柔軟性も提供することにより、システムの全体的な生産性を向上させる。
【0046】
本明細書で説明する特徴は、ロボットの構造内に分散されたアクチュエータを有するマテリアルハンドリングロボットを提供するために使用することができる。この分散アーキテクチャは、全てのアクチュエータがロボットの駆動ユニットに集中する従来のアーキテクチャとは対照的である。開示されるロボットの構造内に分散されたアクチュエータを有するマテリアルハンドリングロボットは、機械的な複雑さを最小限に抑え、性能を向上させながら、上記の能力に必要な運動軸数の増加をサポートする。
【0047】
図2Aを参照すると、集中アクチュエータを利用する従来のアーキテクチャを有する例示的なマテリアルハンドリング真空環境ロボットの簡略化された断面図が示されている。図示されるロボットを、以下、"ロボット200"と称する。例示的なロボット200は、ロボットアーム202と、駆動ユニット204と、制御システム206とを備える。
図2Bを参照すると、アーム202がマテリアルハンドリング後退位置にあるロボット200の上面図が示されている。
【0048】
図2Aと
図2Bの両方を参照すると、ロボットアーム202は、左リンケージ208と右リンケージ210とを備える。左リンケージ208は、左上腕212と、左前腕214と、ペイロードPLを運ぶように構成される左エンドエフェクタ218を有する左手首216とを備えている。左上腕212は、駆動ユニット204の外側シャフト220に連結される。左前腕214は、回転関節222(左肘関節)を介して左上腕212に連結されると共に、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブなどの伝達機構226を介して駆動ユニット204の中間シャフト224に連結される。
図2A及び
図2Bの例では、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、駆動ユニット204の中間シャフト224に取り付けられた左肩プーリー221と、左前腕214に取り付けられた第1の左肘プーリー223と、左肩プーリー221と第1の左肘プーリー223との間のベルト、バンド、又はケーブルとを有する。ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、左肩プーリー221が非円形であるなど、少なくとも1つの非円形プーリーを利用する。左手首216は、別の回転関節228(左手首関節)を介して左前腕214に連結され、また、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブなどの別の伝達機構230を介して左上腕212に連結される。
図2A及び
図2Bの例では、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、左前腕214に取り付けられた第2の左肘プーリー227と、左手首216に取り付けられた左手首プーリー229と、第2の左肘プーリー227と左手首プーリー229との間のベルト、バンド、又はケーブルとを有する。ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、左手首プーリー229が非円形であるなど、少なくとも1つの非円形プーリーを利用する。左手首関節に対する左エンドエフェクタ218の横方向のオフセットは、左上腕212の関節間リンク長さと左前腕214の関節間リンク長さとの差に等しい。
【0049】
同様に、右リンケージ210は、右上腕240と、右前腕242と、ペイロードPRを運ぶように構成される右エンドエフェクタ246を有する右手首244とを備える。右上腕240は、駆動ユニット204の内側シャフト225に連結される。右前腕242は、回転関節248(右肘関節)を介して右上腕240に連結されると共に、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブなどの伝達機構250を介して駆動ユニット204の中間シャフト224に連結される。
図2A及び
図2Bの例では、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、駆動ユニット204の中間シャフト224に取り付けられた右肩プーリー270と、右上腕240に取り付けられた第1右肘プーリー271と、右肩プーリー270と第1右肘プーリー271との間のベルト、バンド、又はケーブルとを有する。ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、右肩プーリー270が非円形であるなど、少なくとも1つの非円形プーリーを利用する。右手首244は、別の回転関節252(右手首関節)を介して右前腕242に連結され、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブなどの別の伝達機構254を介して右上腕240に連結される。
図2A及び
図2Bの例では、ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、右上腕240に取り付けられた第2の右肘プーリー283と、右手首244に取り付けられた右手首プーリー285と、第2の右肘プーリー283と右手首プーリー285との間のベルト、バンド、又はケーブルとを有する。ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブは、右手首プーリー285が非円形であるなど、少なくとも1つの非円形プーリーを利用する。右手首関節に対する右エンドエフェクタ246の横方向のオフセットは、右上腕240の関節間リンク長と右前腕242の関節間リンク長との差に等しい。
【0050】
駆動ユニット204は、ロボット200のアクチュエータを全て収容する。駆動ユニット204は、スピンドルアセンブリ256とZ軸機構258を含む。Z軸機構258は、モーターMZ260を用いてスピンドルアセンブリ256を上下に動かすように構成される。スピンドルアセンブリ256は、3つの同軸シャフトと3つのモーターを備える。これらのモーターは、それぞれが3つのシャフト220,224,225のうちの1つを作動させるように構成されている。先に説明したように、外側シャフト220は左上腕212に接続され、外側シャフト220はモーターMT1262によって駆動される。中間シャフト224は、前腕214,242に結合されるプーリーに連結され、モーターMT2264によって駆動される。内側シャフト225は、右上腕240に連結され、モーターMT3266によって駆動される。
【0051】
例示のロボット200は、ロボットアーム202が動作する真空環境を封じ込めるために、ベローズ265を備えると共に、モーターMT1、MT2、MT3のステータとロータとの間に円筒形バリアを備える。ベローズ265は、スピンドルアセンブリ256の上下運動に対応するように構成される。
【0052】
制御システム206は、例えばユーザ又はホストシステムから外部入力を受信し、位置エンコーダ(簡単のため
図2Aには図示せず)から個々の運動軸(モータ)の位置を読み取り、その情報を処理してモーターに電圧を印加し、所望の運動を行い、及び/又は所望の位置を達成する。
【0053】
図2A及び
図2Bの例示的ロボット200の動作が、
図3A-3Dの4つの図に示されている。
図3Aではエンドエフェクタ218、246は2つとも後退しており、
図3Bは左エンドエフェクタ218が伸長した状態を示し、
図3Cは右エンドエフェクタ246が伸長した状態を示し、
図3D両エンドエフェクタ218、246が2つとも同時に伸長した状態を示す。
【0054】
図2A及び
図2Bの例示的なロボットは多数の複雑な機械的構成を採用している。例えば多段ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブを採用しており、これらはベアリング及びプーリーを有する。これらは駆動ユニット204の中央に配置されたモーターによってロボットアーム202の様々な構成要素を作動させるために必要である。このことは、例えば、
図1A~1Mに関して説明した動作をサポートするための追加のリールのために必要とされる、より多くの運動軸を有する構成に対する拡張性を制限する。さらに、多段ベルトドライブ、バンドドライブ、又はケーブルドライブなどの複雑な機械構成は、ロボット200の性能(位置決め精度及び再現性など)を制限する。
【0055】
分散型アーキテクチャロボットの一例は、本明細書で説明するような特徴を備え、また、複数のリンケージを有するロボットアームであって、アクチュエータ(モータ)がロボットアームを含むロボットの構造全体に分散配置されたロボットアームを備えてもよい。これは、多くのリンケージを有するロボットアーム構成を可能にするために使用されうる。また、機械的複雑さを最小限に抑え、性能を向上させながら、複数のリンケージをサポートするために必要な追加の運動軸を組み込むことを可能にする。
【0056】
図4Aには、アクチュエータに関して分散アーキテクチャを使用するロボット400の例示的な実施形態が示されている。ロボット400は、駆動ユニット402、ロボットアーム404、及び制御システム406を備えてもよい。ロボット400の、アクチュエータに関する分散アーキテクチャは、例えば、ロボット400の駆動ユニット及び/又は(様々なリンクを含む)ロボットアーム404全体にわたる様々なモーターの分布又は配置であってよい。
図4Aには、ロボット400の簡略化された断面図が示されている。描かれているように、ロボットアーム404のエンドエフェクタ416、428は後退位置にある。
図4Bはその上面図である。
【0057】
駆動ユニット402は、ロボットアーム404又はロボットアーム404の様々な部分を回転させるように構成されるスピンドルアセンブリ456を有してもよい。スピンドルアセンブリ456は、スピンドルハウジング455と、1つ以上のモーター450(MT)と、1つ以上の駆動シャフト425とを有してもよい。必要であれば、駆動ユニット402は、垂直リフト機構408を有してもよい。垂直リフト機構408は、スピンドルアセンブリ456を垂直方向に昇降させるように構成される、1つ以上のリニアレール軸受機構及びモーター駆動ボールねじを備えてもよい。
【0058】
ロボットアーム404が真空環境で動作しうることを考慮すると、駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456は本若しくは複数、1本若しくは複数本の駆動シャフト425又はこれらの駆動シャフト425の上部が真空環境にあることを可能にし得る、シール機能及び他の機構を備えてもよい。一例として、1つ又は複数のモーターの1つ又は複数ロータと1つ又は複数のステータの間に配される円筒状の分離バリアが利用されてもよい。分離バリアは、分離バリアのステータ側(外側)には外部大気環境が、分離バリアのロータ側(内側)には真空環境が含まれるように配される。この場合、1本又は複数の駆動軸425は、その全体が真空環境内に位置し得る。代替的なシール機構が米国特許公開第2021/0245372号に記載されており、この公報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
ロボットアーム404は、駆動ユニット402の駆動シャフト425に連結された回動ベース410と、左リンケージ407と、右リンケージ411とを備えてもよい。以下に説明するように、回動ベース410は、左リンケージ407及び右リンケージ411を駆動するように構成されるモーターを備えてもよい。実施形態によっては、回動ベース410は、軸Aで駆動ユニットに回動可能に取り付けられたベースであってもよい。また回動ベース410は、断面が円形であってもよく、同じく断面が円形であってもよい駆動ユニット402と同軸に整列されてもよい。
【0060】
左リンケージ407は、回転関節413(左肩関節)を介して回動ベース410に結合される第1のリンク412(左上腕)と、別の回転関節415(左肘関節)を介して第1のリンク412(左上腕)に結合される第2のリンク414(左前腕)と、更に別の回転関節421(左手首関節)を介して第2のリンク414に結合される第3のリンク419(左手首)とを備えてもよい。
図4Aに示すように、第1のリンク412の関節間長さは、第2のリンク414の関節間長さと実質的に等しくてもよい。あるいは、第1のリンク412の関節間長さは、第2のリンク414の関節間長さより小さいか、又は大きくてもよい(リンク長さが不等なアームの例が
図7に示されている)。第3のリンク419は、ペイロードPLを受容するように構成されるエンドエフェクタ(左エンドエフェクタ416)を支持するか、又はエンドエフェクタを有してもよい。
【0061】
左リンケージ407の第1リンク412は、アーム404の回動ベース410に取り付けられたアクチュエータ、例えば電動モーター418(モータML)によって駆動されることができる。
【0062】
左リンケージ407の第2リンク414は、回動ベース410と第2リンク414との間の伝達機構420を介して作動させることができる。この伝達機構420は、第1リンク412が回転関節413(左肩関節)の周りを回動するときに、左手首関節が直線(特に、回転関節413(左肩関節)に対して径方向の直線、又はそのような径方向の直線と平行な直線)に沿って移動するように構成されてもよい。一例として、伝達機構420は、回動ベース410に取り付けられた左肩プーリー423と、第2リンク414に取り付けられた第1左肘プーリー427と、2つのプーリーの間のベルト、バンド、又はケーブルとを有してもよい。第1リンク412と第2リンク414の関節間長さが実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは、実質的に円形のプロファイルを有していてもよく、左肩プーリー423の有効半径は第1左肘プーリー427の有効半径の2倍であってもよい。あるいは、第1のリンク412と第2のリンク414の関節間長さが等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば左肩プーリー423は、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。
【0063】
左リンケージ407の第3リンク419の運動は、第1リンク412と第3リンク419との間の伝達機構422を通じて拘束されてもよい。この伝達機構は、第1リンク412及び第2リンク414が回転するときに、第3リンク419が一定の向き維持するように構成されてもよい。例えば、径方向の向きを維持するように構成されてもよい。一例として、この伝達機構は、第1リンク412に取り付けられた第2左肘プーリー431と、第3リンク419に取り付けられた左手首プーリー433と、2つのプーリーの間のベルト、バンド、又はケーブルとを有してもよい。第1リンク412と第2リンク414の関節間長さが実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは実質的に円形のプロファイルを有していてもよく、左手首プーリー433の有効半径は第2左肘プーリー431の有効半径の2倍であってもよい。あるいは、左上腕(第1リンク412)と左前腕(第2リンク414)の関節間長さが等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば左手首プーリー433は、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。リンクの長さが等しくなく、プーリーが非円形であるロボットアームの例は、米国特許第9,149,936号及び同第10,224,232号に開示され説明されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0064】
左リンケージ407と同様に、右リンケージ411は、回転関節429(右肩関節)を介して回動ベース410に結合される第1リンク424(右上腕)と、別の回転関節435(右肘関節)を介して第1リンク424に結合される第2リンク426(右前腕)と、別の回転関節439(右手首関節)を介して第2リンク426に結合される第3リンク437(右手首)とを有してもよい。
図4Aに示すように、第1のリンク424の関節間長さは、第2のリンク426の関節間長さと実質的に等しくてもよい。あるいは、第1のリンク424の関節間長さは、第2のリンク426の関節間長さよりも小さいか、又は大きくてもよい。第3のリンク437はまた、ペイロードPRを受容するように構成されるエンドエフェクタ(右エンドエフェクタ428)を支持するか、又はエンドエフェクタを有してもよい。
【0065】
右リンケージ411の第1リンク424は、アーム404の回動ベース410に取り付けられたアクチュエータ、例えば電気モーター(モーターMR)430によって駆動されることができる。
【0066】
右リンケージ411の第2リンク426は、回動ベース410と第2リンク426との間の伝達機構432を介して駆動することができる。この伝達機構432は、第1リンク424が右肩関節の周りを回動するときに、右手首関節が、直線(特に、右肩関節に対して径方向の直線又はそのような径方向の直線に平行な直線)に沿って移動するように構成されてもよい。一例として、伝達機構432は、回動ベース410に取り付けられた右肩プーリー441と、第2リンク426に取り付けられた第1右肘プーリー443と、2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブルとを有してもよい。第1リンク424と第2リンク426の関節間長さが実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは実質的に円形のプロファイルを有していてもよく、右肩プーリー441の有効半径は第1右肘プーリー443の有効半径の2倍であってもよい。あるいは、第1リンク424と第2リンク426の関節間長さが等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば左肩プーリーは、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。リンクの長さが等しくなく、プーリーが非円形であるロボットアームの例は、米国特許第9,149,936号及び同第10,224,232号に開示され説明されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
右リンケージ411の第3リンク437の動きは、第1リンク424と第3リンク437との間の伝達機構434を通じて拘束されてもよい。この伝達機構434は、第1リンク424及び第2リンク426が回転するときに、第3リンク437が一定の向きを維持するように構成されてもよい。例えば径方向の向きを維持するように構成されてもよい。一例として、伝達機構434は、第1リンク424に取り付けられた第2右肘プーリー445と、第3リンク437に取り付けられた右手首プーリー447と、2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブルとを有してもよい。第1のリンク424と第2のリンク426の関節間長さが実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは実質的に円形のプロファイルを有していてもよく、右手首プーリーの有効半径は第2の右肘プーリーの有効半径の2倍であってもよい。あるいは、第1リンク424と第2リンク426の関節間長さが等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば右手首プーリーは、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。リンクの長さが等しくなく、プーリーが非円形であるロボットアームの例は、米国特許第9,149,936号及び同第10,224,232号に開示され説明されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0068】
ロボットアーム404全体は、モーターMT450を用いて駆動ユニット402の駆動シャフト425を動かすことにより回転させることができる。左リンケージ407のエンドエフェクタ(左エンドエフェクタ416)は、モーターML418を用いて左リンケージ407の第1リンク412を動かすことにより、実質的に直線に沿って伸長させることができる。右リンケージ411のエンドエフェクタ(右エンドエフェクタ428)は、モーターMR430を用いて右リンケージ411の第1リンク424を動かすことにより、実質的に直線に沿って伸長させることができる。
【0069】
ロボットアーム404の回動ベース410から熱(例えば回動ベース410に取り付けられたアクチュエータによって発生する熱)を除去するために、ロボットアーム404の回動ベース410と駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456のハウジング455との間に回転サーマルカップリング452を利用することができる。
【0070】
図35Aには回転サーマルカップリングの一例452が示されている。回転サーマルカップリング452は第1の部分453及び第2の部分454を有してもよく、これら第1の部分453及び第2の部分454の各々は、1つ又は複数の実質的に円筒状の面を有する。これらの円筒面は対応する回転関節と同軸に位置している。また、回転サーマルカップリング452の一方の部分上の円筒面が回転サーマルカップリング452の別の部分上の対向する円筒面に面するように位置している。対向する円筒面は、回転サーマルカップリング452の対向する実質的に円筒面間の間隙を横断する輻射を通じて熱を伝達するように構成されてもよい。真空環境中に残留ガスが存在する場合、この輻射のメカニズムは、回転サーマル電力カップリング452の対向する実質的に円筒状面の間の環境を介する対流又は伝導によって補われてもよい。
【0071】
図35Aの例に示されるように、有効面積を増大させ、例示的な回転サーマルカップリング452によって占有される体積をなるべく小さくするために、回転サーマルカップリング452の第1の部分453及び第2の部分454の各々に、円筒状の形状やフィン、又は同様の構造のアレイが用いられてもよい。また、2つのアレイが交互配置されてもよい。
【0072】
あるいは、回転サーマルカップリングの別の例示的な実施形態459を示す
図35Bの例に描かれているように、回転サーマルカップリング459の第1の部分461及び第2の部分463は、第1の部分461と第2の部分463との間のギャップを横断する非接触熱伝達が行われるように構成される、対向するディスク形状を有することを特徴としてもよい。別の代替例では、回転サーマルカップリング459の有効な特徴の任意の他の適切な形状を利用することができる。例えば、非限定的な例として、円錐形状、球形状、フィン、及びこれらの組み合わせを利用することができる。
【0073】
図35Aの例示的な回転サーマルカップリング452及び
図35Bの例示的な回転サーマルカップリング459の有効面は、熱放射率が向上するように処理されてもよい。例えば、回転サーマルカップリング452の2つの部分453、454、及び回転サーマルカップリング459の2つの部分461、463は、アルミニウム製であってもよく、有効面は陽極酸化処理されていてもよい。
【0074】
例示的な回転サーマルカップリング452(又は例示的な回転サーマルカップリング459)が、ロボットアーム404の回動ベース410と駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456のハウジング455との間の熱伝達を促進するために、回転サーマルカップリング452(又は回転サーマルカップリング459)の一部分は、ロボットアーム404の回動ベース410に取り付けられてもよく、回転サーマルカップリング452(又は回転サーマルカップリング459)の他の部分は、駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456のハウジング455に、駆動ユニット402の1本又は複数本の駆動シャフト425の回転軸と実質的に同軸の配置で取り付けられてもよい。あるいは、回転サーマルカップリング452(又は回転サーマルカップリング459)の特徴は、ロボットアーム404の回動ベース410及び/又は駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456のハウジングに直接組み込まれてもよい。
【0075】
駆動ユニット402のスピンドルアセンブリ456のハウジング455(スピンドルハウジング)は、受動的又は能動的に冷却されてもよい。例えば能動的な液冷であってもよく、強制的に空気を当てて冷却してもよい。あるいは、特に、駆動ユニット402がリフト機構を有する場合、ハウジング455の面と、これに対向する駆動ユニット402のフレームの面は、ハウジング455から駆動ユニット402のフレームへの熱伝達を促進するように構成されてもよい。一例として、ハウジング455及び駆動ユニット402のフレームは、駆動ユニット402のフレームに対するスピンドルアセンブリ456の垂直運動を可能にしながら、熱伝達に利用可能な有効面積を増加させるために、例えばフィンなどのインターリーブ形状を有することを特徴としてもよい。この場合も、熱放射率を向上させるために有効面を処理することができる。例えば、構成部品をアルミニウム製とし、有効面を陽極酸化処理してもよい。
【0076】
追加的及び代替的な熱管理構造及び特徴は、2021年2月10日に出願された米国特許第10,569,430号及び米国特許公開第2021/0245372号に見出すことができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
図4Aに戻ると、例示的ロボット400の制御システム406は分散型アーキテクチャを有することを特徴とすることができる。制御システム406はマスターコントローラ460を備えてもよい。マスターコントローラ460は、ロボットアーム404及び/又は駆動ユニット402に配置された様々な制御モジュール462によって補完されてもよい。各制御モジュール462は、ロボット400の1つ又は複数の運動軸の制御を担当する。例えば、制御システム406の分散アーキテクチャは、ロボットアーム404及び/又は駆動ユニット402の全体にわたる様々な制御モジュール462の分布又は配置において具現化され得る。マスターコントローラ460は、例えば、通信ネットワーク、例えば、EtherCATのような高速通信ネットワークを介して、様々な制御モジュール462を調整してもよい。マスターコントローラ460は、
図4Aの例に描かれているように、ロボット400の駆動ユニット402に配置されてもよい。あるいは、マスターコントローラ460は、例えば
図28Aに示されるように、ロボット400の駆動ユニット402の外部に配置されてもよい。別の選択肢として、集中制御ソリューションが利用されてもよい。
【0078】
例えば
図4Aの実施例におけるロボットアーム404の回動ベース410に位置する制御モジュール462のような、ロボットアーム404内の能動的な構成要素に電力を供給し、それらと通信するために、ロボット400はまた、1つ以上の回転カップリング464a、464bを採用してもよい。各回転カップリング464a、464bは、回転関節を介して電力を伝達するように構成される電力カップリング、及び/又は回転関節を介して通信信号を伝達するように構成される通信リンクを有してもよい。例えば、
図4Aに示されるように、スピンドルアセンブリ456からロボットアーム404の回動ベース410に電力を伝達し、スピンドルアセンブリ456とロボットアーム404の回動ベース410との間で通信信号を伝達するために、回転カップリング464a、464bが利用されてもよい。
【0079】
回転カップリング464a、464bは、様々な物理的原理及びそれらの組み合わせで動作するものであってよく、例えば、1つ又は複数の導電性ブラシにそれぞれ接触する1つ又は複数の導電性リングを有するスリップリング構成、イオン液体などの導電性流体により湿潤したスリップリング構成、非接触容量性カップリング、非接触誘導性カップリングなどの原理により動作するものであってよい。
【0080】
次に
図36を参照すると、誘導電力カップリング及び光通信リンクを含んでもよい回転カップリング464a、464bに具現化された一体型回転カップリングの一例が、全体として3700で示されている。これを以下、"電力カップリング3700"と称する。一体型回転カップリング3700は、スピンドルアセンブリ456のハウジング455に対して動かないようにされる下側部分3705と、ロボットアーム404の回動ベース410と共に回転する上側部分3710との2つの部分を有することを特徴としてもよい。
【0081】
電力カップリング3700は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0229296号、2018/0105044号、及び2018/0105045号に記載されるような誘導原理で動作してもよい。電力カップリング3700は、1つ又は複数の制御モジュール462に電力を供給し、ロボットアーム404内の位置エンコーダ及び他のセンサなどの他の能動デバイスに直接的又は間接的に電力を供給するために利用されてもよい。例えば、AC電源からの電力は、回転しない下側部分3705上の一次コイル3740及び一次コア3742を通じて、上側部分3710上の二次コア3744及び二次コイル3746に伝送されてもよい。コイル及びコアは、分割ハウジング3750に収容されてもよい。二次コイル3746及び二次コア3744から交流として出力される電力は、整流フィルタ3760で整流及びフィルタリングされ、直流として出力されてもよい。
【0082】
電力カップリング3700の例示的な通信リンクは、2つの光通信モジュール、例えば、スピンドルアセンブリ456のハウジング455に対して固定されている第1の光通信モジュール3720と、ロボットアーム404の回動ベース410と共に回転する第2の光通信モジュール3725とを有してもよい。入ってくる通信信号は、銅-光ファイバ変換ユニット3730を用いて光信号に変換されてもよい。変換された光信号は、光ファイバケーブル3732を用いて第1の光通信モジュール3720に伝送される。光信号は、第1の光通信モジュール3720を通じて送信されると、第2の光通信モジュール3725に受信され、光ファイバケーブル3732を通じて送信され、光ファイバ-銅変換ユニット3735に受信され、光信号から電気(非光)通信信号に戻される。第1の光通信モジュール3720及び第2の光通信モジュール3725は、スピンドルアセンブリ456とロボットアーム404の回動ベース410との間の非接触データ転送を容易にし得る光通信リンクを提供する。一例として、光通信リンクは、制御システム460の通信ネットワークに組み込まれ、ロボットアーム404に配置された制御モジュール462との間の双方向データ転送を可能にすることができる。
【0083】
一体型回転カップリングの2つの部分464a、464bは、ロボット400の回転カップリングの軸受を利用してアライメントを維持してもよいし、様々な静的及び動的負荷条件下でロボット400の構造が変形したとしても高度なアライメントを維持するために、一体型回転カップリング3700に追加の軸受を利用してもよい。
【0084】
分散アクチュエータを有するアーキテクチャをサポートするために利用され得る上記の構成、ならびに追加及び代替の好適な構成のより詳細な説明は、米国特許公開第2021/0245372号に見出すことができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0085】
次に
図5A-5Dを参照すると、例示的ロボット400の動作が示されている。
図5Aは、エンドエフェクタ416、428が両方とも後退した状態を示し、
図5Bは、左のエンドエフェクタ416が伸ばされた状態を示し、
図5Cは、右のエンドエフェクタ428が伸ばされた状態を示し、
図5Dは、エンドエフェクタ416、428が両方とも伸びた状態を示す。
【0086】
次に
図6A及び
図6Bを参照すると、本発明によるロボットの別の例示的実施形態が、ロボット600として示されている。
図6A及び
図6Bの例示的実施形態は、左肩プーリー670がロボットアーム604の回動ベース610に直接取り付けられていなくてもよいことを除いて、
図4A及び
図4Bの例示的実施形態と実質的に同じであってもよい。直接取り付けられる代わりに、左肩プーリー670は、追加のモーター(モーターM2L)672によって、ロボットアーム604の回動ベース610に対して動かされうる。モーターM2L 672は、ロボットアーム604の回動ベース610に取り付けられ、モーターM1L 618と同軸に配置され得る。
【0087】
ロボットアーム604の左リンケージ607全体は、モーターM1L 618及びM2L 672を所望の回転量だけ同期して動かすことによって回転させることができる。これは、例えば、左リンケージ607のエンドエフェクタ(及び左エンドエフェクタ617)が伸長され得る方向を調整するために使用され得る。そして左エンドエフェクタ617は、モーターM2L 672を停止させたまま、モーターM1L 618を用いて左リンケージの第1リンクを移動させることにより、実質的に直線に沿って所定の方向に伸長させることができる。
【0088】
追加モーター(モーターM2L)672は、ロボットアーム604の2つのエンドエフェクタ617、646を水平面内で(ある範囲内で)独立して位置決めすることを可能にし得る別の自由度を提供し得る。水平面内の2つのエンドエフェクタ617、646の位置は、4つの独立した座標によって定義されてもよく、例えば、デカルト座標xL、yLが、左エンドエフェクタ617の位置を表し、デカルト座標xR、yRが、右エンドエフェクタ646の位置を表してもよい。このため、ロボットアーム604の2つのエンドエフェクタ617、646を独立に位置決めするために、4つの独立に制御される運動軸(自由度)が必要とされうる。
図6A及び
図6Bの特定の例では、モーターMT、M1L、M2L、及びMRが、この目的のために利用され得る。
【0089】
ロボットアーム604の2つのエンドエフェクタ617、646を独立して位置決めする能力は、例えば、2つのペイロードが(
図5Dのような)一対のワークステーションに同時に搬入されるときに、左エンドエフェクタ617上のペイロードの位置ずれを補正し、同時に、右エンドエフェクタ646上のペイロードの位置ずれを補正するために利用され得る。
【0090】
次に、
図7、
図8A及び
図8Bを参照すると、本発明によるロボットの別の例示的な実施形態が、全体的に700で示されている。ロボット700は、駆動ユニット704と、それに結合されたロボットアーム702とを備え、ロボットアーム702は、ロボットアーム702の内部構成要素を遮ることのない視界を提供するために、リンクオーバリンク位置にある。ロボットアーム702は、左リンケージ708と右リンケージ10とを備える。左リンケージ708は、左上腕712と、左前腕714と、ペイロードPLを運ぶように構成される左エンドエフェクタ711を有する左手首716とを備えている。同様に、右リンケージ710は、右上腕740と、右前腕742と、ペイロードPRを運ぶように構成される右エンドエフェクタ746を有する右手首744とを備える。
【0091】
図8A及び8Bは、エンドエフェクタ711、746が後退位置にあるロボットアーム702を示す。
図7、8A及び8Bの例示的実施形態の構造は、右リンケージ710が左リンケージ708の鏡像として構成され得ることを除いて、
図6A及び6Bの例示的実施形態と実質的に同じであってもよい。これは、右肩プーリー770がロボットアーム702の回動ベース710に直接取り付けられなくなる可能性があることを意味する。その代わりに右肩プーリー770は、追加のモーター(モーターM2R)772によって、ロボットアーム702の回動ベース710に対して動かされうる。モーターM2R 772は、ロボットアーム702の回動ベース710に取り付けられ、モーターM1R 730と同軸に配置され得る。
【0092】
この構成では、ロボットアーム702の左リンケージ708と同様に、モーターM1R 730及びM2R 772を同期させて所望の回転量だけ動かすことにより、右リンケージ710を回転させることができる。これは例えば、右リンケージ710のエンドエフェクタ746(右エンドエフェクタ)を伸ばす方向を調整するために使用することができる。そして、モーターM2R 772を停止させたまま、モーターM1R 730を用いて右リンケージ710の第1リンクを動かすことにより、右エンドエフェクタ746を実質的に直線に沿って所定の方向に伸長させることができる。
【0093】
ロボット700の左リンケージ708及び右リンケージ710を独立して回転させる能力は、
図9A-9Lに示されるような、ワークステーションの様々な形態、位置、及び向きをサポートするために使用することができる。
図9Aは、ロボットアーム702のエンドエフェクタ711、746が互いに実質的に平行な状態で引き込まれた様子を示す
図9Bは、左エンドエフェクタ711が、左側にオフセットされた直交ワークステーションまで伸ばされた様子を示す
図9Cは、右エンドエフェクタ746が、右側にオフセットされた直交ワークステーションまで伸ばされた様子を示す
図9Dは、エンドエフェクタ711、746の両方が、実質的に平行なアクセス経路で、オフセットした2つの直交ワークステーションに同時に伸ばされた様子を示す
図9Eは、ロボットアーム702のリンケージ708、710及びエンドエフェクタ711、746が互いに対して回転した状態で後退している様子を示す
図9Fは、左エンドエフェクタ711が、左側にオフセットされた非直交及び非径方向ワークステーションに伸ばされた様子を示す
図9Gは、右エンドエフェクタ746が、左側にオフセットされた非直交及び非径方向ワークステーションに伸ばされた様子を示す
図9Hは、エンドエフェクタ711、746の両方が、2つのオフセットされた非直交及び径方向交ワークステーションに同時に伸ばされた様子を示す
図9Iは、ロボットアーム702のリンケージ708、710及びエンドエフェクタ711、746が互いに遠ざかるように回転した状態で後退している様子を示す
図9Jは、左エンドエフェクタ711が、径方向ワークステーションまで伸ばされた様子を示す
図9Kは、右エンドエフェクタ746が、同じ径方向ワークステーション又はそのワークステーションの下に位置する径方向ワークステーションに伸ばされた様子を示す
図9Lは、エンドエフェクタ711、746の両方が、同じ径方向ワークステーション又は垂直に積み重ねられた2つのワークステーションに同時に伸長された様子を示す。
【0094】
例えば
図9Hに示されるように、左エンドエフェクタ711及び右エンドエフェクタ746によって、径方向ワークステーション(駆動ユニット704の軸に対して径方向に配向されたワークステーション)又は垂直に積み重ねられた一対の径方向ワークステーションに同時にアクセスするために、エンドエフェクタの一方(この特定の例では左エンドエフェクタ711)を他方のエンドエフェクタ746の上方に位置させるようにすることができる。このような構成の一例が
図10に示されており、左手首717が右手首744に対して垂直方向に長くなっており、それによって左エンドエフェクタ711が右エンドエフェクタ746から垂直方向にオフセットしている。
【0095】
次に
図11を参照すると、ロボットの別の実施形態例が全体的に1100で示されており、以下これをロボット1100と称する。ロボット1100において、ロボットアーム1102は、駆動ユニット1104の駆動シャフト1125に連結された回動ベース1110と、左リンクALと、左リンクBLと、右リンクARと、右リンクBRとを有してもよい。回動ベース1110は、以下に説明するように、4つのリンケージを駆動するように構成されたモーターを有してもよい。
【0096】
左リンケージの各々、例えば、左リンケージAL及び左リンケージBLは、
図4Aに関して説明した例示的ロボット400の左リンケージ407と実質的に同じ3リンク構造及び内部構造を有することを特徴としてもよい。同様に、右リンケージの各々、例えば、右リンケージAR及び右リンケージBRは、
図4Aに関して説明した例示的な実施形態の右リンケージ411と実質的に同じ3リンク構造及び内部構造を有することを特徴としてもよい。
【0097】
左リンケージALの第1のリンク1120は、回転関節(左肩関節A)を介してロボットアーム1102の回動ベース1110に結合されてもよく、ロボットアーム1102の回動ベース1110に取り付けられたモーターM2L 1172によって駆動されてもよい。同様に、左リンケージBLの第1のリンク1121は、回転関節(肩関節B)を介してロボットアーム1102の回動ベース1110に結合されてもよく、ロボットアーム1102の回動ベース1110に取り付けられたモーターM1L 1118によって駆動されてもよい。2つのリンケージの肩プーリー、例えば、左リンケージALの左肩プーリー1111及び左リンケージBLの左肩プーリー1113は、硬性の支柱1124を介してロボットアーム1102の回動ベース1110に連結されてもよい。
図11の例に示されるように、左リンケージALの左肩関節、左リンケージBLの左肩関節、モーターM1L 1118、モーターM2L 1172、左リンケージALの左肩プーリー1111、及び左リンケージBLの左肩プーリー1113は、同軸に配置されてもよい。あるいは、モーターM2Lを有する左リンケージALの左肩関節及び左リンケージALの左肩プーリー1111は、モーターM1Lを有する左リンケージBLの左肩関節及び左リンケージBLの左肩プーリー1113からオフセットされていてもよい。
【0098】
図11にさらに示されるように、左リンケージAL及び左リンケージBLは、例えば、左リンケージAL及び左リンケージBLが入れ子式に連結されるように構成されてもよい。図示のように、左リンケージBLの上腕及び前腕は、左リンケージALの上腕及び前腕に入れ子式に連結されている。この場合、左リンケージALの第1リンク1120は、リンケージBLの第1リンク1121の下方にあり、リンケージALの第2リンク1128は、リンケージBLの第2リンク1130の上方にあってもよい。
図11に示されるように、2つのリンケージの肩関節(左リンケージALの左肩関節及び左リンケージBLの左肩関節)が同軸状に配置される場合、左リンケージALの第1リンク1120の関節間長さは、左リンケージBLの第1リンク1121の関節間長さよりも長くてもよい。あるいは、2つのリンケージの肩関節(左リンケージALの左肩関節及び左リンケージBLの左肩関節)が互いにオフセットしている場合、左リンケージALの第1リンク1120の関節間長さは、左リンケージBLの第1リンク1121の関節間長さと等しくてもよい。実施形態によって、任意の適切な関節間長さを採用してもよい。
【0099】
左リンケージBLの第3のリンク1131は、左リンケージBLのエンドエフェクタ(エンドエフェクタLB)を、第2のリンク1128に結合された左リンケージAL(エンドエフェクタLA)の第3のリンク1141の上方に位置させる、オプションのブリッジ構造1122を有することを特徴としてもよい。これにより、左リンケージBLの第2リンク及び/又は左リンケージBLの手首関節から発生する可能性のある汚染物質によって、左エンドエフェクタLA上のペイロードが汚染されることを防止することができる。
【0100】
ロボット1100の右リンケージは、左リンケージの鏡像として構成されてもよい。具体的には、右リンケージARは、左リンケージALの実質的な鏡像となるように構成されてもよく、右リンケージBRは、左リンケージBLの実質的な鏡像となるように構成されてもよい。右リンケージBRの第3リンク1133は、第2リンク1137に結合された第3リンク1143(エンドエフェクタRA)の上方にエンドエフェクタRBを位置させるためのブリッジ構造1135を有することを特徴としてもよい。右リンケージARの第1リンク(上腕)は、アームの回動ベース1110に取り付けられてもよいモーターM2R 1173によって駆動されてもよく、右リンケージBRの第1リンク(上腕)は、モーターM1R 1174によって駆動されてもよい。
【0101】
次に
図12A及び
図12Bを参照すると、ロボット1100は、エンドエフェクタLA、LB、RA、RBが後退した状態で示されている。(
図11に示されたリンクオーバリンク位置とは対照的である)。ロボットアーム1102全体は、モーターMT1150を用いて駆動ユニット1104の駆動シャフト1125を動かすことにより回転させることができる。左エンドエフェクタLAは、モーターM2L 1172を用いて左リンケージALの第1リンク1120を動かすことにより、その後退位置から、実質的に直線に沿って伸ばされることができる。左エンドエフェクタLBは、モーターM1L 1118を用いて左リンケージBLの第1リンク1121を動かすことにより、実質的に直線に沿って伸ばされることができる。右エンドエフェクタRAは、モーターM2R 1173を用いて右リンケージARの第1リンクを動かすことにより、実質的に直線に沿って伸ばされることができる。そして最後に、エンドエフェクタRBは、モーターM1R 1174を用いて右リンケージBRの第1リンクを動かすことにより、実質的に直線に沿って伸ばされることができる。
【0102】
ロボット1100の動作例を
図13A~13Jに示す。
図13Aは全てのエンドエフェクタが後退した状態を示し、
図13BはエンドエフェクタLAが伸ばされた状態を示し、
図13CはエンドエフェクタRAが伸ばされた状態を示し、
図13DはエンドエフェクタLAとRAが同時に伸ばされた状態を示し、
図13EはエンドエフェクタLBが伸ばされた状態を示し、
図13FはエンドエフェクタRBが伸ばされた状態を示し、
図13GはエンドエフェクタLBとRBが伸ばされた状態を示し、
図13HはエンドエフェクタLAとLBが伸ばされた状態を示し、
図13IはエンドエフェクタRAとRBが伸ばされた状態を示し、
図13Jは全てのエンドエフェクタ(エンドエフェクタLA、RA、LB、RB)が同時に伸ばされた状態を示す。
【0103】
次に
図14を参照すると、ロボットの別の実施形態例がで一般的に1400で示されており、これを以下、ロボット1400と呼ぶ。ロボット1400は、左肩プーリー(左リンケージALの左肩プーリー1411及び左リンケージBLの左肩プーリー1413)がロボット1100のロボットアーム1401の回動ベース1410に直接取り付けられていないことを除いて、ロボット1100と実質的に同じであってもよい。直接取り付けられていない代わりに、左肩プーリー1411、1413は、ロボットアーム1401の回動ベース1410に取り付けられ、モーターM1L 1418及びM2L 1472と同軸に配置され得る追加のモーター(モーターM3L)1402によって、ロボットアーム1401の回動ベース1410に対して動かされ得る。
【0104】
追加モーター(モーターM3L)1402は、ロボットアーム1401の左及び右エンドエフェクタ、例えば左エフェクタLA及び右エンドエフェクタRAを水平面内で独立して(ある範囲内で)位置決めすることを可能にし得る、別の自由度を提供し得る。水平面内の2つのエンドエフェクタの位置は、4つの独立した座標によって定義されてもよく、例えば、デカルト座標xLA及びyLAが左エンドエフェクタLAの位置を表し、デカルト座標xRA及びyRAが右エンドエフェクタRAの位置を表してもよい。その結果、ロボットアーム1401の2つのエンドエフェクタを独立して位置決めするために、独立して制御される4つの運動軸が提供されてもよい。ロボット1400では、モーターMT1450、M1L 1418、M2L 1472、及びM1R1430が、この目的のために使用されてもよい。
【0105】
ロボットアーム1401の左右のエンドエフェクタを独立して位置決めする能力は、例えば、2つのペイロードが(
図13Dのような)一対のワークステーションに同時に届けられる場合に、左エンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタLA)上のペイロードの位置ずれを補正し、同時に、右エンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタRA)上のペイロードの位置ずれを補正するために利用され得ることができ、便利である。
【0106】
次に
図15を参照すると、本発明によるロボットの別の実施形態例が1500で示されており、以下これをロボット1500と称する。例示的ロボット1500の構造は、右肩プーリーがロボットアーム1501の回動ベース1510に直接取り付けられていないことを除いて、例示的ロボット1400と実質的に同じであってよい。その代わりに右肩プーリー(左リンケージALの右肩プーリー及び左リンケージBLの右肩プーリー)は、追加のモーター(モーターM3R)1502によって、ロボットアーム1501の回動ベース1510に対して動かされてもよい。モーターM3R 1502は、ロボットアーム1501の回動ベース1510に取り付けられ、モーターM1R 1530及びM2R 1572と同軸に配置されてもよい。
【0107】
この構成では、ロボットアーム1501の左リンケージと同様に、モーターM1R 1530、M2R 1572、及びM3R 1502を所望の回転量だけ同期して動かすことにより、右リンケージを回転させることができる。これは例えば、右リンケージのエンドエフェクタ、例えば、右エンドエフェクタRA及び右エンドエフェクタRBが伸長され得る方向を調整するために使用され得る。そして、モーターM3R 1502を停止させたまま、モーターM2R 1572を用いて右リンケージARの第1リンクを動かすことにより、右エンドエフェクタRAを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸ばすことができる。そして同様に、モーターM3R 1502を停止させたまま、モーターM1R 1530を用いて右リンケージBRの第1リンクを動かすことにより、右エンドエフェクタRBを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸ばすことができる。
【0108】
ロボットアーム1501の左リンケージ及び右リンケージを独立して回転させる能力は、
図9A-9Lに関して前述したように、ワークステーションの様々な形態、位置、及び向きをサポートするために使用され得る。
【0109】
次に
図16A及び
図16Bを参照すると、本発明によるロボット1600の別の例示的な実施形態が示されている。ロボットアーム1601の回動ベースは、ロボットアーム1601のリンケージの上方に垂直に延伸され、上側部分1612及び下側部分1614を有する回動構造1610を形成してもよい。この例示的実施形態において、左リンケージAL及び右リンケージARは、回動構造体の下側部分1614によって支持されてもよく、一方、左リンケージBL及び右リンケージBRは、回動構造体1610の上部分1612から吊り下げられてもよい。そのような実施形態では、支持された左リンケージAL及び右リンケージARは、吊り下げられた左リンケージBL及び右リンケージBRの鉛直方向の鏡像である。
【0110】
ロボットアーム1601の連動装置(左リンケージAL、右リンケージAR、左リンケージBL、及び右リンケージBR)の内部構造は、ロボット400に関して説明したものと実質的に同じであってよい。
図16Aに描かれているようにA、左リンクALの第1リンク1650は、回動構造1610の下側部分1614に取り付けられてもよいモーターM1L 1618によって駆動されてもよく、右リンクARの第1リンク1652は、同じく回動構造1610の下側部分1614に取り付けられてもよいモーターM1R 1630によって駆動されてもよい。左リンケージBLの第1のリンク1654は、回動構造1610の上側部分1612に取り付けられてもよいモーターM2L 1672によって駆動されてもよく、右リンケージBRの第1のリンク1656は、同じく回動構造1610の上側部分1612に取り付けられてもよいモーターM2R 1672によって駆動されてもよい。
【0111】
次に
図17A~17Hを参照すると、ロボット1600の動作が示されている。
図17Aは、全てのエンドエフェクタが後退した状態を示し、
図17Bは、左エンドエフェクタLAが伸ばされた状態を示し、
図17Cは、右エンドエフェクタRAが伸ばされた状態を示し、
図17Dは、左及び右エンドエフェクタLA及びRAが伸ばされた状態を示し、
図17Eは、左エンドエフェクタLBが伸ばされた状態を示し、
図17Fは、右エンドエフェクタRBが伸ばされた状態を示し、
図17Gは、左及び右エンドエフェクタLB及びRBが伸ばされた状態を示し、
図17Hは、全てのエンドエフェクタ(エンドエフェクタLA、RA、LB及びRB)が伸ばされた状態を示す。
【0112】
次に
図18A及び
図18Bを参照すると、本発明によるロボットの別の実施例が1800で示されており、以下これをロボット1800と称する。ロボット1800は、駆動装置1801、ロボットアーム1804、及び制御システム1806を有してもよい。回動ベースは、ロボットアーム1804のリンケージの上方に垂直に延設されてもよく、その場合、駆動ユニット1801の駆動シャフト1825に連結される回動構造1810を形成する。回動構造1810は、上側部分1812と下側部分1814とを備える。ロボット1800は、左リンケージALの肩プーリー1811がロボットアーム1804の回動構造1810に直接取り付けられていないことを除いて、ロボット1600と実質的に同じであってもよい。その代わりに、左リンケージALの肩プーリー1811は、追加のモーター(モーターM3L)1802によって、ロボットアーム1804の回動構造1810に対して動くようにされてもよい。モーターM3L 1802は、ロボットアーム1804の回動構造1810の下側部分1814に取り付けられ、モーターM1L 1872と同軸に配置され得る。そして、同様に、左リンケージBLの肩プーリー1813は、ロボットアーム1804の回動構造1810に直接取り付けられていなくてもよい。直接取り付けられる代わりに、左リンケージBLの肩プーリー1813は、追加のモーターM4L 1818によって、ロボットアーム1804の回動構造1810に対して動くようにされてもよい。モーターM4L 1818は、ロボットアーム1804の回動構造1810の上側部分1812に取り付けられ、モーターM2L 1831と同軸に配置され得る。
【0113】
モーターM1L 1872とM3L 1802を同期させて所望の回転量だけ動かすことにより、左リンケージAL全体を回転させることができる。これは、例えば、左リンケージALのエンドエフェクタ(エンドエフェクタLA)を伸ばす方向を調整するために使用することができる。そしyr、モーターM3L 1802を停止させたまま、モーターM1L 1872を用いて左リンケージALの第1リンクを動かすことにより、エンドエフェクタLAを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸長させることができる。
【0114】
同様に、モーターM4L 1818及びM2L 1831を同期して所望の回転量だけ動かすことにより、左リンケージBL全体を回転させることができる。これは、例えば、左リンケージBLのエンドエフェクタ(エンドエフェクタLB)を伸ばす方向を調整するために使用することができる。そして、モーターM4L 1818を停止させたまま、モーターM2L 1831を用いて左リンケージBLの第1リンクを動かすことにより、左エンドエフェクタLBを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸ばすことができる。
【0115】
モーターM3L 1802は、エンドエフェクタLA及びRAを水平面内で(ある範囲内で)独立に位置決めすることを可能にし得る追加の自由度を提供し得る。水平面内の2つのエンドエフェクタの位置は、4つの独立した座標によって定義されてもよく、従って、2つのエンドエフェクタを独立に位置決めするために、4つの独立に制御される運動軸(自由度)が使用されてもよい。この特定の例では、モーターMT1850、M1L 1872、M3L 1802、及びM1R 1833がこの目的のために利用されてもよい。
【0116】
同様に、モーターM2L 1831は、エンドエフェクタLB及びRBを水平面内で(ある範囲内で)独立に位置決めすることを可能にする追加の自由度を提供してもよい。この場合も、水平面内の2つのエンドエフェクタの位置は、4つの独立した座標によって定義することができ、従って、2つのエンドエフェクタを独立に位置決めするために、4つの独立に制御される運動軸(自由度)を使用することができる。この特定の例では、モーターMT1850、M2L 1831、M4L 1818、及びM2R 1873がこの目的のために利用されてもよい。
【0117】
ロボットアーム1804の左右のエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタLA及びRA、又はエンドエフェクタLB及びRBを、所定の水平面内で独立して位置決めする能力は、2つのペイロードが(
図17Dのような)一対のワークステーションに同時に送られる場合に、左のエンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタLA)上のペイロードの位置ずれを補正し、同時に、右のエンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタRA)上のペイロードの位置ずれを補正するために利用されてもよく、便利である。
【0118】
本発明によるロボットの別の実施形態例を
図19A及び
図19Bに示し、これを以下、ロボット1900と称する。ロボット1900は、右リンケージARの肩プーリーがロボットアーム1901の回動構造1910に直接取り付けられていないことを除いて、ロボット1800と実質的に同じであってよい。直接取り付けられる代わりに、右リンケージARの肩プーリーは、追加のモーター(モーターM4R)1902によって、ロボットアーム1901の回動構造1910に対して動くようにされてもよい。モーターM4R 1902は、ロボットアーム1901の回動構造1910の上側部分1912に取り付けられ、モーターM2R 1973と同軸に配置され得る。そして、同様に、右リンクBRの肩プーリーは、ロボットアーム1901の回動構造1910に直接取り付けられていなくてもよい。右リンケージBRの肩プーリーは、追加のモーター(モーターM3R)1904によって、ロボットアーム1901の回動構造1910に対して動くようにされてもよい。モーターM3R 1904は、ロボットアーム1901の回動構造1910の下側部分1914に取り付けられ、モーターM1R 1933と同軸に配置され得る。
【0119】
モーターM2R 1973とモーターM4R 1902とを同期させて所望の回転量だけ動かすことにより、右リンケージAR全体を回転させることができる。これは、例えば、右リンケージARのエンドエフェクタ(エンドエフェクタRA)を伸ばす方向を調整するために使用することができる。そして、モーターM4R 1902を停止させたまま、モーターM2R 1973を用いて左リンケージARの第1リンクを動かすことにより、右エンドエフェクタRAを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸ばすことができる。
【0120】
同様に、モーターM1R 1933及びM3R 1904を所望の回転量だけ同期して動かすことにより、右リンケージBR全体を回転させることができる。これは、例えば、右リンケージBRのエンドエフェクタ(エンドエフェクタRB)を伸ばす方向を調整するために使用することができる。そして、モーターM3R 1904を停止させたまま、モーターM1R 1933を用いて左リンケージBRの第1リンクを動かすことにより、右エンドエフェクタRBを、実質的に直線に沿って所定の方向に伸ばすことができる。
【0121】
ロボットアーム1901の左リンケージ及び右リンケージを独立して回転させる能力は、
図9A-9Lに関して前述したように、(径方向ワークステーション及び非直交非径方向ワークステーションを含む、)ワークステーションの様々な形態、位置、及び向きをサポートするために使用され得る。
【0122】
ロボットアーム1901の左右のエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタLA及びRA、並びにエンドエフェクタLB及びRBを、独立して位置決めする能力は、2つのペイロードが(
図17Dのような)一対のワークステーションに同時に送られる場合に、左のエンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタLA)上のペイロードの位置ずれを補正し、同時に、右のエンドエフェクタ(例えばエンドエフェクタRA)上のペイロードの位置ずれを補正するために利用されてもよく、便利である。またこの能力は、4つのペイロードが同時に搬送される場合(
図17Hなど)に、エンドエフェクタLA上のペイロードの位置ずれ、エンドエフェクタRA上のペイロードの位置ずれ、エンドエフェクタLB上のペイロードの位置ずれ、及びエンドエフェクタRB上のペイロードの位置ずれを同時に補正するために利用することができ、便利である。
【0123】
次に
図20を参照すると、ロボットの別の実施形態例が2000で示されており、これを以下、ロボット2000と呼ぶ。ロボット2000は少なくとも1つのアームを有し、各アームは6つのリンケージ(連結構造)と6つのモーターとを有する。各リンケージは、ペイロードを運ぶように構成されるエンドエフェクタを有する。各モーターは、各アームのリンケージの1つを駆動するように構成される。図示されるように、ロボットアーム2001の回動ベースは、ロボットアーム2001のリンケージの上方に垂直に延伸され、上側部分2012と下側部分2014とを有する回動構造2010を形成している。この例示的な実施形態において、左リンケージAL1及びAL2、並びに右リンケージAR1及びAR2は、回動構造2010の上部分2012から吊り下げられてもよく、一方、左リンケージBL1、BL2、BL3、BL4、並びに右リンケージBR 1、BR2、BR3、BR4は、回動構造2010の下部分2014によって支持されてもよい。対応するモーターを使用して、ロボットアーム2001の各エンドエフェクタ、例えばエンドエフェクタLA、LB、LC、RA、RB、又はRCは、それぞれ独立に、実質的に直線に沿って、ロボットアームの回動構造に対して伸長することができる。
【0124】
次に
図21を参照すると、ロボット2100の別の実施例は、8つのリンケージを有するアーム2102を備えてもよい。各リンケージは、ペイロードを運ぶように構成されるエンドエフェクタを有する。また、8つのモーターが用いられ、各モーターは、リンケージの1つを作動させるように構成されている。対応するモーターを使用して、ロボットアーム2102のエンドエフェクタの各々、例えば、エンドエフェクタLA、LB、LC、LD、RA、RB、RC、又はRDは、それぞれ独立に、ロボットアーム2102の回動構造2102に対して実質的に直線に沿った方向に伸ばされることができる。ただし伸ばされる方向は、ロボットアーム2102の回動構造2102に対して固定された方向である。
【0125】
次に
図22を参照すると、ロボット2200の別の例示的な実施形態は、アーム2202を有してもよい。例示的ロボット2200は、ロボットアーム2202の回動構造2110に対するロボットアーム2202のエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタLA、LB、LC、LD、RA、RB、RC、RDの運動方向の調整を提供するために、追加の4つのモーターが利用され得ることを除いて、
図21の例示的ロボット2100と同じである。
図22の特定の例では、エンドエフェクタLA及びLBの運動方向、エンドエフェクタLC及びLDの運動方向、エンドエフェクタRA及びRBの運動方向、ならびにエンドエフェクタRC及びRDの運動方向は、独立して調整され得る。
【0126】
次に
図23を参照すると、ロボット2300の別の例示的な実施形態は、回動構造2301に結合された2つのアームを有してもよい。ロボット2300では、それぞれロボットアーム2306、2308を有する2つの駆動ユニット2302、2304が利用されてもよい。特に、第1(下側)ロボットアーム2308を有する第1(下側)駆動ユニット2304は、上向きの配置で使用されてもよく、第2(上側)ロボットアーム2306を有する第2(上側)駆動ユニット2302は、第1(下側)ロボットアーム2308を有する第1(下側)駆動ユニット2304の上方に倒立した配置で使用されてもよい。
【0127】
各ロボットアーム(第1(下側)ロボットアーム2308及び第2(上側)ロボットアーム2306)は、それぞれ単一のエンドエフェクタを有する2つのリンケージを有することを特徴とする。ただし、実施形態によっては任意の適切な数のリンケージ及びエフェクタを使用してもよい。一例として、上側ロボットアーム2306は、エンドエフェクタLA及びRAを有する2つのリンケージを備えることを特徴としてもよく、下側ロボットアーム2308は、エンドエフェクタLB、LC、RB、RCを有する4つのリンケージを備えることを特徴としてもよい。別の例として、上側ロボットアーム2306は、それぞれエンドエフェクタLA、LB、RA、RBを有する4つのリンケージを備えることを特徴とすることができ、下側ロボットアーム2308は、エンドエフェクタLC、LD、RC、RDを有する4つのリンケージを備えることを特徴としてもよい。
【0128】
図24A~29Jを参照すると、ロボットの例示的な実施形態が更に開示されている。
図24A及び24Bにおいて、ロボット2400は、駆動ユニット2409と、回動ベース2410上のロボットアーム2402とを有する。ロボットアーム2402は、ロボットアーム2402の連結構造(リンケージ)を支持する梁状構造を形成するように、横方向に伸びるようにされてもよい。この梁状構造は、リンケージを駆動するモーターを収容してもよい。ロボット2400は、
図4A及び
図4Bを参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0129】
図25A及び25Bにおいて、ロボット2500は、駆動ユニット2509と、回動ベース2510上のロボットアーム2502とを有する。ロボット2500は、
図6A及び
図6Bを参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0130】
図26A及び26Bにおいて、ロボット2600は、回動ベース2610上のロボットアーム2602を有する駆動ユニット2609を備える。ロボット2600の例は、
図7を参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0131】
図27A及び27Bにおいて、ロボット2700は、回動ベース2710上のロボットアーム2702を有する駆動ユニット2709を備える。例示的ロボット2700は、
図11を参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0132】
図28A及び28Bにおいて、ロボット2800は、ロボットアーム2802を有する回動ベース2810が搭載された駆動ユニット2809を備える。ロボット2800の例は、
図14を参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0133】
図29A-29Iにおいて、ロボット2900は、ロボットアーム2902を有する回動ベース2910が搭載された駆動ユニット2909を備える。例示的ロボット2900は、
図15を参照して説明した例示的な実施形態と同様の機能を提供することができる。
【0134】
加えて、
図29A-29Iの例示的な実施形態において、本発明によるロボット2900は、実質的に径方向の経路に沿って、径方向のワークステーションにアクセスすることが可能であってもよい。例えば、
図29B及び
図29Cに図解的に示されるように、右リンケージAと右リンケージBの延在方向が実質的に径方向となるように、回動梁状構造、右リンケージA及び右リンケージBを径方向ステーションの前に位置させるように回動させることができる。これらの図において、
図29Bは、水平方向に並んだ直交ワークステーションへのアクセスに適した初期位置にあるロボットアーム2902を示し、
図29Cは、右リンケージA及び右リンケージBが径方向に伸縮できるように位置が調整されたロボットアーム2902を示す。
【0135】
一例の動作では、ロボット2900は、左ワークステーションと右ワークステーションとの間でペイロードを移送することもできる。例えば、
図29D-29Fに図式的に示されるように、左リンケージA、左リンケージB、右リンケージA、及び右リンケージBの絶対的な向きを一定に保ちながら、回動梁状構造体を180度回転させることにより、左リンケージA及び左リンケージBを左側から右側に再配置することができ、同時に、右リンケージA及び右リンケージBを右側から左側に再配置することができる。
図29Dは、ロボットアーム2902が初期位置2950にある様子を示す。この状態において、左リンケージA及び左リンケージBは左ワークステーションにアクセスするように位置決めされ、右リンケージA及び右リンケージBは右ワークステーションにアクセスするように位置決めされている
図29Eは、ロボットアーム2902が中間位置2952にある様子を示す。この状態において、回動梁状構造体は、その初めの向きから90度回転している
図29Fは、ロボットアーム2902が最終位置2954にある様子を示す。この状態において、左リンケージA及び左リンケージBは右ワークステーションにアクセスするように位置決めされ、右リンケージA及び右リンケージBは左ワークステーションにアクセスするように位置決めされている。
【0136】
別の動作例として、ロボットアーム2902の同じ再配置を、
図29G-29Iに図式的に示されているような形で行うこともできる。すなわち、左リンケージA及び左リンケージBを回動梁状構造体に対していずれかの方向に180度回転させると共に、右リンケージA及び右リンケージBも回動梁状構造体に対していずれかの方向に180度回転させ、更に回動梁状構造体をいずれかの方向に180度回転させることによって、同じ再配置を達成することができる。
図29Gは、ロボットアーム2902が初期位置2960にある様子を示す。この状態において、左リンケージA及び左リンケージBは左ワークステーションにアクセスするように位置決めされ、右リンケージA及び右リンケージBは右ワークステーションにアクセスするように位置決めされている
図29Hは、ロボットアーム2902が中間位置2952にある様子を示す。この状態において、左リンケージA及び左リンケージBは回動梁状構造体に対して180度回転し、右リンケージA及び右リンケージBも回動梁状構造体に対して180度回転している
図29Iは、ロボットアーム2902が最終位置2964にある様子を示す。この状態において、左リンケージA及び左リンケージBは右ワークステーションにアクセスするように位置しており、右リンケージA及び右リンケージBは左ワークステーションにアクセスするように位置している。
【0137】
図24A~29Iに示す例示のロボットのリンケージ(連結構造体)は、直列3リンク機構に基づいている。例えば、各リンケージが、回転関節を介して直列に接続されたリンク1(上腕)、リンク2(前腕)及びリンク3(手首)から構成される機構に基づいている。あるいは、例示した実施形態のいずれかのリンケージは、直列2リンク機構に基づいていてもよい。
【0138】
次に
図30を参照すると、直列2リンク機構に基づくリンケージの一例が一般に3000で示されており、以下これをリンケージ3000と呼ぶ。リンケージ3000は、回転関節(肩関節)3005を介してロボットアーム3004の回動構造(回動ベース、回動構造の上側、回動構造の下側、又は前述した回動梁状構造など)に結合されたリンク1(上腕)3002と、別の回転関節(肘関節)3006を介してリンク1 3002に結合されたリンク2(前腕)3008とを有してもよい。リンク2 3008は、ペイロードを受容するように構成されたエンドエフェクタ3010を支持してもよい。
【0139】
リンク3000のリンク1 3002は、ロボットアームの回動構造に取り付けられたアクチュエータ、例えば電動モーターM1 3012によって駆動されてもよい。リンク3000のリンク2 3008は、ロボットアームの回動構造に取り付けられた別のアクチュエータ、例えば電気モーターM2 3016とリンク2 3008との間の伝達機構3014を通じて駆動されてもよい。一例として、伝達機構は、モーターM2 3016に結合された肩プーリー3018、リンク2に取り付けられた肘プーリー3020、及び2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブル3022を含んでもよい。
【0140】
次に
図31を参照すると、直列2リンク機構に基づくリンケージの別の例が3100で一般的に示されており、以下これを、リンケージ3100と呼ぶ。リンケージ3100は、回転関節(肩関節)3106を介してロボットアームの回動構造3104に結合されたリンク1(上腕)3102と、回転関節(肘関節A)3110を介してリンク1 3102に結合されたリンク2A(前腕A)3108と、別の回転関節(肘関節B)3114を介してリンク1 3102に結合されたリンク2B(前腕B)3112とを有してもよい。リンク2A及びリンク2Bはそれぞれ、ペイロードを受容するように構成されたエンドエフェクタ3116、3118を支持してもよい。
【0141】
リンケージ3100のリンク1 3102は、ロボットアームの回動構造に取り付けられたアクチュエータ、例えば電動モーターM1 3120によって駆動されてもよい。リンケージ3100のリンク2 3108は、ロボットアームの回動構造に取り付けられた別のアクチュエータ、例えば電気モーターM2 3122とリンク2 3108との間の伝達機構を介して駆動されもよい。一例として、伝達機構は、モーターM2 3122に結合された肩プーリーA、リンク2Aに取り付けられた肘プーリーA、及び2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブルを含んでもよい。同様に、リンク3100のリンク2B 3112は、ロボットアームの回動構造に取り付けられたさらに別のアクチュエータ、例えば電動モーターM3 3124とリンク2B 3112との間の伝達機構を介して駆動されてもよい。一例として、伝達機構は、モーターM3 3124に結合された肩プーリー3126、リンク2B 3112に取り付けられた肘プーリー3128、及び2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブル3130を含んでもよい。
【0142】
次に
図32を参照すると、2つのリンケージを有するシステムが一般的に3200で示されており、以下これをシステム3200と呼ぶ。リンケージの各々は、直列2リンク機構に基づいており、リンケージA及びリンケージBを有してもよい。リンケージAは、回転関節(肩関節A)3206を介してロボットアームの回動構造3204(回動ベース、回動構造の上部、回動構造の下部、又は前述の回動梁状構造など)に結合されたリンク1A(上腕A)3202と、別の回転関節(肘関節A)3210を介してリンク1A 3202に結合されたリンク2A(前腕A)3208とを有してもよい。リンク2A 3208は、ペイロードを受容するように構成されたエンドエフェクタ(エンドエフェクタA)3212を支持してもよい。
図32に示すように、肘関節A 3210からエンドエフェクタA 3212の中心までを測った長さであるリンク2A 3208の有効長は、リンク1A 3202の関節間有効長と実質的に等しくてもよい。あるいは、肘関節A 3210からエンドエフェクタA 3212の中心までの長さであるリンク2A 3208の有効長は、リンク1A 3202の関節間有効長より短いか、又は長くてもよい。
【0143】
リンク1A 3202は、ロボットアームの回動構造3204に取り付けられたアクチュエータ、例えば電気モーターM1 3214によって駆動されてもよい。リンク2A 3208の運動は、ロボットアームの回動構造とリンク2Aとの間の伝達機構3216を通じて拘束されてもよい。この伝達機構3216は、リンク1Aがロボットアームの回動構造に対して回動するときに、エンドエフェクタAの中心が実質的に直線に沿って移動するように構成されてもよい。一例として、伝達機構3216は、リンク1Aに取り付けられた肩プーリーA 3218と、リンク2Aに取り付けられた肘プーリーA 3220と、2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブルとを含んでもよい。リンク2Aの長さ(肘関節AからエンドエフェクタAの中心までの長さ)とリンク1Aの関節間長が実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは実質的に円形のプロファイルを有していてもよく、肩プーリーAの有効半径は肘プーリーAの有効半径の2倍であってもよい。あるいは、リンク1A及び2Aの長さは等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば肩プーリーAは、参照により上記に組み込まれた米国特許及び特許公報に記載されているように、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。
【0144】
リンケージBは、回転関節(肩関節B)を介してロボットアームの回動構造に結合されたリンク1B(上腕B)3222と、別の回転関節(肘関節B)を介してリンク1B 3222に結合されたリンク2B(前腕B)3224とを有してもよい。リンク2B 3224は、ペイロードを受容するように構成されたエンドエフェクタ(エンドエフェクタB)3226を支持してもよい。
図32に示すように、肘関節BからエンドエフェクタBの中心3226までを測った長さであるリンク2B 3224の長さは、リンク1B 3222の関節間長に実質的に等しくてもよい。あるいは、肘関節BからエンドエフェクタBの中心3226までの長さであるリンク2Bの長さ3224は、リンク1Bの関節間長3222より短いか、又は長くてもよい。
【0145】
リンク1B 3222は、ロボットアームの回動構造3204に取り付けられたアクチュエータ、例えば電気モーターM2 3228によって駆動されてもよい。リンク2Bの運動は、ロボットアームの回動構造とリンク2Bとの間の伝達機構を通じて拘束されてもよい。この伝達機構は、リンク1Bがロボットアームの回動構造3204に対して回動するときに、エンドエフェクタBの中心3226が実質的に直線に沿って移動するように構成されてもよい。一例として、この伝達機構は、リンク1B 3222に取り付けられた肩プーリーB 3230と、リンク2B 3224に取り付けられた肘プーリーB 3232と、2つのプーリー間のベルト、バンド、又はケーブル3234とを含んでもよい。リンク2Bの長さ3224(肘関節BからエンドエフェクタBの中心までを測定した長さ)とリンク1Bの関節間長3222が実質的に等しい例を考えると、2つのプーリーは実質的に円形のプロファイルを有し、肩プーリーBの有効半径は肘プーリーBの有効半径の2倍であってもよい。あるいは、リンク1Bと2Bの長さが等しくない場合、プーリーの少なくとも1つ、例えば肩プーリーBは、上の例と同様に、非円形プロファイルを有することを特徴としてもよい。
【0146】
次に
図33を参照すると、システム3300と呼ばれる別の例示的実施形態は、それぞれが直列2リンク機構に基づく2つのリンクのシステムを有することを特徴とする。システム3300は、肩プーリーA 3218及び肩プーリーB 3230がロボットアームの回動構造3304に取り付けられていないことを除いて、システム3200と実質的に同じである。この実施形態において、肩プーリーA及びBは、回動構造3304に取り付けられる代わりに、ロボットアームの回動構造3304に連結されたモーターM3 3302のようなアクチュエータに連結される。この追加の自由度は、リンク1A 3202及びリンク2A 3208がそれぞれロボットアームの回動構造に対して回転するときに起こり得る、エンドエフェクタAの中心3212及びエンドエフェクタBの中心3226の実質的に直線的な運動の方向を調整するために、使用され得る。
【0147】
図30~33では、第2のリンク(リンク2、リンク2A、又はリンク2Bなど)は、第1のリンク(リンク1、リンク1A、又はリンク2Bなど)の上に示されている。しかし、例えば、第2のリンク(リンク2、リンク2A、又はリンク2Bなど)が第1のリンク(リンク1、リンク1A、又はリンク2Bなど)の下側に位置するように、連結を反転させることができる。このような反転リンク構成は、例えば、リンクがロボットアームの回動構造の上側から吊り下げられている場合に利用することができる。
【0148】
別の例示的な実施形態では、ロボットアームの回動構造(回動ベース、回動構造の上側、回動構造の下側、又は先に説明した回動梁状構造など)は、ロボットアームの1つ又は複数のリンケージの鉛直方向の高さを調整するように構成される、1つ又は複数のZ軸(垂直リフト)機構を有してもよい。これは、例えば、異なる鉛直方向高を有する積み重ね構成のステーションと、実質的に同じ鉛直方向高に横並びに設置され得る構成のステーションとにアクセスするために使用するのに便利であろう。
【0149】
上記の例示的実施形態では、回転カップリングはロボット駆動ユニットの下側に示されている。しかしながら、
図34に描かれているように、
図36に関して説明した例示的な回転カップリング3700のような回転カップリングは、駆動ユニットの上側に配置されてもよい。これにより、ロボットアーム内の密閉空間の完全性を損なうことなく、ロボットアームの便利な分離(取り外し、交換など)を可能にすることができる。ロボットアームが分離されるとき、回転カップリング3700の上部はロボットアームに取り付けられたままでもよく、回転カップリングの下部はロボットの駆動ユニットに取り付けられたままでもよい。
【0150】
動かない駆動ユニットを有する例示的なロボットに関して特徴を説明してきたが、これらの特徴は、トラバース駆動ユニットのような可動駆動ユニットを有するロボットに拡張することができる。トラバース駆動装置については、例えば米国特許第10,424,498号及び同第10,742,070号、並びに米国特許公開第220/0262660号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0151】
上記の例示的な実施形態の一部として単一のZ軸機構を有する駆動ユニットが示されているが、任意の数のZ軸機構が使用されてもよい。Z軸機構を使用しない実施形態が存在してもよい。上記の例示的な実施形態は、ボールねじを経由して回転モーターによって作動するZ軸を伴って描かれている。しかし、リンク機構またはリニアモータなどの任意の他の適切な構成が使用されてもよい。またZ軸の構成はこれらに限定されない。
【0152】
本書の図に示されているベアリング(軸受)、ベアリングの構成、およびベアリングの位置は、説明のためだけのものであり、その目的は、個々の部品が一般的に互いに対してどのように制約され得るかを伝えることであり、単なる例示であることに留意されたい。ベアリング、ベアリングの構成及びベアリングの位置は、任意の適切なものを使用することができる。
【0153】
制御システムの様々な構成要素間の通信手段として通信ネットワークを説明したが、無線ネットワークやポイントツーポイントバスなど、マスターコントローラと制御モジュール間の任意の他の適切な通信手段を利用することができる。
【0154】
ある例示的実施形態において、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を備え、
前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を備え、
前記マスターコントローラは、前記可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリーと前記第2の肩プーリーは硬性の支柱を介して前記ベースに連結され、
前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能であり、
前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能である。
【0155】
前記駆動部は、前記駆動部上で前記ベースの回動を生じさせるように構成されるメインアクチュエータを有してもよい。前記第1の肩プーリー、前記第1のアクチュエータ、前記第2の肩プーリー、及び前記第2のアクチュエータは、同軸に配置されてもよい。前記第1の肩プーリーと前記第1のアクチュエータとは同軸に配置され、前記第2の肩プーリーと前記第2のアクチュエータとの同軸配置からオフセットされていてもよい。前記第2のリンケージの前記第4のリンクと前記第5のリンクは、前記第1のリンケージに入れ子式に配置されてもよい。前記第1のリンクの長さは、前記第4のリンクの長さと等しくなくてもよい。前記第1のリンクの長さは、前記第4のリンクの長さと等しくてもよい。前記第6のリンクは、前記第2のエンドエフェクタを前記第3のリンクの上方に上昇させるブリッジを有してもよい。前記装置は、前記ベースと前記駆動部との間にサーマルカップリングを備えてもよい。前記装置は、前記ベースと前記駆動部との間で電力信号及び通信信号のうちの1つ以上を伝送するように構成されるカップリングを備えてもよい。前記マスターコントローラは、前記可動アーム及び前記駆動部の少なくとも一方に配置される少なくとも1つのサブコントローラと通信してもよい。
【0156】
別の例示的実施形態において、装置は、駆動部と、第1の可動アームとを備え、
前記第1の可動アームは、前記駆動部に回動可能に接続されるベースと、第1のリンケージと、第2のリンケージとを備え、
前記第1のリンケージは、
第1の回転関節において前記ベース上で回動可能な第1のリンクと、
第2の回転関節において前記第1のリンクに連結される第2のリンクと、
第3の回転関節において前記第2のリンクに連結される第3のリンクであって、第1のペイロードを運ぶように構成される第1のエンドエフェクタを有する第3のリンクと、
を備え、
前記第2のリンケージは、
第4の回転関節において前記ベース上で回動可能な第4のリンクと、
第5の回転関節において前記第4のリンクに連結される第5のリンクと、
第6の回転関節において前記第5のリンクに連結される第6のリンクであって、第2のペイロードを運ぶように構成される第2のエンドエフェクタを有する第6のリンクと、
を備える。
前記装置はまた、前記駆動部に接続されるマスターコントローラを備える。前記マスターコントローラは、前記第1の可動アーム及び前記ベースの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。前記第1の回転関節は第1の肩プーリーを有し、前記第4の回転関節は第2の肩プーリーを有し、前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは前記ベースに回動可能に連結され、それぞれ独立に動かされることができる。前記第1のリンクは、前記ベースに取り付けられた第1のアクチュエータによって、前記第1の回転関節を中心に回動可能である。前記第4のリンクは、前記ベースに取り付けられた第2のアクチュエータによって、前記第4の回転関節を中心に回動可能である。前記第1の肩プーリー及び前記第2の肩プーリーは、前記ベースに取り付けられた第3のアクチュエータによって、それぞれ独立に動かされることができる。
【0157】
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、及び前記第3のアクチュエータは、同軸上に配置されてもよい。前記第3のアクチュエータは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを独立して位置決めできるように構成されてもよい。前記装置は、前記駆動部上で前記ベースの回動を生じさせるように構成されるメインアクチュエータと、前記ベースに取り付けられた第4のアクチュエータとを備えてもよく、前記メインアクチュエータ、前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、及び前記第4のアクチュエータは、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを独立に位置決めするための4つの独立に制御される運動軸を提供するように構成される。前記装置は、更に第2の可動アームを備えてもよく、前記第2の可動アームは、複数のリンクを有する第3のリンケージと、複数のリンクを有する第4のリンケージとを備え、前記第3のリンケージ及び前記第4のリンケージはそれぞれ、第3の肩プーリー又は第4の肩プーリーによって前記ベースに連結され、前記第3の肩プーリー及び前記第4の肩プーリーは、硬性の支柱を介して前記ベースに連結される。
【0158】
別の例示的実施形態において、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
を備え、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、前記下側部分に取り付けられた第1の肩プーリーを通じて回転可能であり、前記第2のリンクは、第2のアクチュエータによって、前記上側部分に取り付けられた第2の肩プーリーを通じて回転可能である。
【0159】
前記装置は更に、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備えてもよい。前記第3のリンクは、前記下側部分に取り付けられた第3のプーリーを通じて第3のアクチュエータによって回動可能であってもよく、前記第4のリンクは、前記上側部分に取り付けられた肩プーリーを通じて第4のアクチュエータによって回動可能であってもよい。前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成されてもよい。
【0160】
別の例示的実施形態において、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備え、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また前記下側部分に取り付けられた第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、
前記第4のリンクは、第6のアクチュエータによって、また前記上側部分に取り付けられた第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成され、
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、前記第3のアクチュエータ、前記第4のアクチュエータ、前記第5のアクチュエータ、及び前記第6のアクチュエータは、前記ベースに取り付けられている。
【0161】
前記第1のアクチュエータと、前記第3のアクチュエータと、前記第5のアクチュエータとは、前記ベースの前記下側部分に取り付けられてもよく、前記第2のアクチュエータと、前記第4のアクチュエータと、前記第6のアクチュエータは、前記ベースの前記上側部分に取り付けられてもよい。前記第1のペイロードを運ぶ前記少なくとも1つの第1のリンク及び前記第2のペイロードを運ぶ前記少なくとも1つの第2のリンクの少なくとも一方が伸長可能な方向を調整するために、前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを同期して動かすことにより、前記第1のリンケージ及び前記第2のリンケージを回転させられてもよい。
【0162】
別の例示的実施形態において、装置は、駆動部と、可動アームと、前記駆動部に接続されるマスターコントローラとを備え、
前記可動アームは、
前記駆動部に回動可能に接続され、上側部分及び下側部分を有するベースと、
第1の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第1のリンクを有し、第1のペイロードを運ぶように構成される、第1のリンケージと、
第2の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第2のリンクを有し、第2のペイロードを運ぶように構成される、第2のリンケージと、
第3の回転関節において前記ベースの前記下側部分上で回転可能な少なくとも1つの第3のリンクを有し、第3のペイロードを運ぶように構成される、第3のリンケージと、
第4の回転関節において前記ベースの前記上側部分上で回転可能な少なくとも1つの第4のリンクを有し、第4のペイロードを運ぶように構成される、第4のリンケージと、
を備え、
前記第1のリンクは、第1のアクチュエータによって、また第1の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第1の肩プーリーは第2のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第2のリンクは、第3のアクチュエータによって、また第2の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第2の肩プーリーは第4のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられておらず、
前記第3のリンクは、第5のアクチュエータによって、また第3の肩プーリーを通じて、前記下側部分上で回動可能であり、前記第3の肩プーリーは、第6のアクチュエータによっては前記下側部分に取り付けられておらず、
前記第4のリンクは、第7のアクチュエータによって、また第4の肩プーリーを通じて、前記上側部分上で回動可能であり、前記第4の肩プーリーは第8のアクチュエータによっては前記上側部分に取り付けられていない。
前記マスターコントローラは、前記ベースと前記第1のリンケージと前記第2のリンケージと前記第3のリンケージと第4のリンケージの前記駆動部に対する動作の協調を制御するように構成される。
【0163】
本発明は、固定された駆動ユニットを有する例示的なロボットを用いて説明されているが、本発明は、並進駆動ユニットのような可動駆動ユニットを有するロボットにも拡張することができる。そのような可動駆動ユニットは、例えば、米国特許第10,800,050号、米国特許第10,742,070号、米国特許第10,596,710号、米国特許同第10,269,604号に開示されており、また米国特許公開第220/0262660A1号及び同第2018/0108552A1号にも開示されている。これらの文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また本発明は、回転関節を有するロボットを用いて説明されてきたが、柱状(線形)関節などの他のタイプの関節を有するロボット(線形アームを有するロボット)に拡張することができる。
【0164】
なお、上述の説明は単なる例であることも理解しなければならない。当業者は種々の変形および修正を考えることができるだろう。例えば、前述した様々な実施形態からの特徴を選択的に組合せて新たな実施形態とすることも可能である。本明細書は、そのような代替案、修正、及び変形をすべて包含することを意図している。
【国際調査報告】