(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ロッキング・キャップ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61J 1/14 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
A61J1/14 390Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556954
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022020812
(87)【国際公開番号】W WO2022197966
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アバル、ダニエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、ブレンダン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン、ラムクマール
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC04
4C047CC15
4C047DD05
4C047DD30
4C047GG23
4C047KK15
4C047KK21
4C047KK24
(57)【要約】
ロッキング・キャップ・アセンブリは、上側ハウジングと、上側ハウジングに回転可能に接続され、容器に嵌合するように構成された下側ハウジングと、近距離通信NFC入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールと、誘導充電コイルと、マイクロプロセッサと、ラッチング機構とを含み、ラッチング機構は、上側ハウジング及び下側ハウジングが相互に回転するのを防止するように構成されたロッキング・ラッチ、並びに、ラッチ及び誘導充電コイルによって生成された電流をロック及びロック解除するように構成された電気作動構成要素を含む。下側ハウジングは、下側ハウジング内に複数のロッキング・ベーンを含み、ロッキング・ベーンは、下側ハウジングが容器と機械的に係合しているときに、下側ハウジングに対する上側ハウジングの回転に応じて下側ハウジングの内径サイズを可変的に画定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側ハウジングと、
前記上側ハウジングに回転可能に接続され、容器に嵌合するように構成された下側ハウジングと、
近距離通信(NFC)入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールと、
誘導充電コイルと、
マイクロプロセッサと、
ラッチング機構であって、前記ラッチング機構が、
前記上側ハウジング及び前記下側ハウジングが相互に回転するのを防止するように構成されたロッキング・ラッチ、並びに
前記マイクロプロセッサから受信された信号及び前記誘導充電コイルによって生成された電流に応答して、前記ラッチをロック及びロック解除するように構成された電気作動構成要素
を含む、ラッチング機構と
を備えるロッキング・キャップ・アセンブリであって、
前記下側ハウジングが前記下側ハウジング内に複数のロッキング・ベーンを含み、前記ロッキング・ベーンが、前記下側ハウジングが前記容器と機械的に係合しているときに、前記下側ハウジングに対する前記上側ハウジングの回転に応じて前記下側ハウジングの内径サイズを可変的に画定するように構成され、
前記ロッキング・キャップ・アセンブリが、前記下側ハウジングに対する前記上側ハウジングの第1の方向の回転に応じて前記容器の周りで前記複数のロッキング・ベーンを収縮させることによって、前記容器をロックするように構成され、
前記マイクロプロセッサが、前記NFCモジュールから前記NFC入力を受信し、前記NFCモジュールによって受信された前記NFC入力が前記容器から前記ロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応すると前記マイクロプロセッサが判定したことに応答して、前記ロッキング・ラッチをロック解除し、前記下側ハウジングに対する前記上側ハウジングの第2の方向の回転を許可して、前記複数のロッキング・ベーンを後退させ、前記下側ハウジングを前記容器から解放するように構成される、ロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項2】
前記下側ハウジング内のベーン位置決めリングをさらに備え、前記ベーン位置決めリングが、前記複数のロッキング・ベーン及び前記上側ハウジングに結合されており、前記ベーン位置決めリングが前記上側ハウジングとともに前記下側ハウジングに対して回転するとき、前記ベーン位置決めリングが前記複数のロッキング・ベーンを延出又は後退させる、請求項1に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項3】
前記下側ハウジング内に位置付けられた複数のロッキング・スロットをさらに備え、前記ロッキング・ラッチが、前記上側ハウジングからの前記複数のロッキング・スロットのうちの1つに係合するように構成される、請求項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項4】
前記上側ハウジング内に配置されたディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイが、前記容器内の薬剤及び前記薬剤の受取人に関連付けられた一意識別子を提示するように構成される、請求項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項5】
前記ロッキング・キャップ・アセンブリが、前記ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスに前記一意識別子を送信し、前記一意識別子が前記デバイスに送信されて前記デバイスによって読み取られた後、前記NFCモジュールを介して、前記ロッキング・キャップ・アセンブリに近接する前記デバイスから前記承認を受け取るように構成される、請求項4に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項6】
前記デバイスから無線電力充電を受け取り、前記ロッキング・キャップ・アセンブリの電気作動構成要素に電力を供給するための電気構成要素をさらに備える、請求項5に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項7】
前記下側ハウジングが前記上側ハウジングと前記容器との間に位置付けられる、請求項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項8】
前記電気作動構成要素が、前記ベーン位置決めリングに結合され、前記マイクロプロセッサから受信された前記信号に応答して、前記下側ハウジングに対する前記上側ハウジングのモータ駆動回転を引き起こして、前記容器上で前記ロッキング・キャップ・アセンブリをロック又はロック解除するように構成される、請求項7に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項9】
前記ロッキング・ラッチの位置を判定して前記ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング状態を判定するように構成された光学センサをさらに備える、請求項1から8までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項10】
前記容器内の薬剤の予定された投与よりも前の所定時間に、人間が認識可能な出力を発するように構成されたブザーをさらに備える、請求項1から9までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項11】
前記人間が認識可能な出力が、音又は振動のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項12】
前記NFCモジュールが、前記ロッキング・キャップ・アセンブリが前記容器からロック解除されているとの判定に応答してデータ・ネットワークに情報を通信するように構成される、請求項1から10までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【請求項13】
薬剤容器を固定する方法であって、
ロッキング・キャップ・アセンブリ内の近距離通信(NFC)モジュールによって、前記ロッキング・キャップ・アセンブリの近くに置かれたデバイスから前記NFCモジュールの通信チャネルを介して無線で送信された承認コードを受信するステップと、
前記承認コードが有効な承認コードであるとの判定に従って、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるかどうかを判定するステップと、
前記現在の時間が前記薬剤投与時間間隔内であるとの判定に従って、
前記NFCモジュールによって受信された入力が前記薬剤容器から前記ロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応しているとき、前記ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング・ラッチを解放して、前記ロッキング・キャップ・アセンブリの複数のロッキング・ベーンが後退できるようにするステップであって、前記複数のロッキング・ベーンが中央開口部のサイズを可変的に画定し、前記複数のロッキング・ベーンが、前記ロッキング・キャップ・アセンブリのロック状態で前記薬剤容器と機械的に係合するように構成され、前記ロッキング・ラッチを解放するための電力が、前記通信チャネルを介した前記デバイスから前記ロッキング・キャップ・アセンブリのモータへの無線エネルギー伝達によって提供される、ステップと
を含む、方法。
【請求項14】
デバイスが前記デバイスのNFCモジュールを使用して前記ロッキング・キャップ・アセンブリに関連付けられた一意識別子を読み取った後に前記デバイスによって送信された前記承認コードを受信するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
データ・ネットワークを介して承認情報を取得する複数の承認済みのモバイル端末によってロック解除されるように前記薬剤容器が構成されるように、前記薬剤容器をロック解除するための前記承認情報を前記データ・ネットワークに記憶するステップをさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記デバイスが携帯電話を含み、前記有効な承認コードが暗号学的ハッシュ・コードとして前記携帯電話から前記ロッキング・キャップ・アセンブリに送信され、前記ロッキング・キャップ・アセンブリが前記有効な承認コードを解読するための解読キーを含む、請求項13から15までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記薬剤容器がロック解除された後、前記ロッキング・キャップ・アセンブリの前記NFCモジュールを介してデータをデータ・ネットワークに送信するステップと、
前記薬剤容器内の薬剤がいつ投与されたかに関する記録を前記データ・ネットワークにおいて維持するステップと
をさらに含む、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記薬剤容器内の薬剤の予定された後続の投与よりも前の所定時間に、前記ロッキング・キャップ・アセンブリにおいて警報を鳴らすステップをさらに含む、請求項13から17までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤容器内の薬剤に関する投薬量又は他の情報を提供するために、前記薬剤容器がロック解除された後に前記ロッキング・キャップ・アセンブリ上の表示を更新するステップをさらに含む、請求項13から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ロッキング・キャップ・アセンブリを解放するためのアクセス・コードを第1の承認済みのモバイル・デバイスから第2の承認済みのモバイル・デバイスに伝達するステップをさらに含む、請求項13から19までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月17日に出願された「Locking Cap Assembly」と題する米国仮出願第63/162482号に対する優先権を主張するものであり、この米国仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、ロッキング・キャップ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
医療容器への未承認のアクセス、又は後続用量の予定時間よりも前に薬剤を投与することは、患者の安全を損なう恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
薬剤を保管する容器への承認されたアクセスが、承認された人に承認された時間にだけに与られることを保証することによって、患者の安全性を高めることができる。一部の患者は、処方された薬剤の自己投与の予定を遵守できない場合がある。その結果、薬剤の後続用量をその用量の意図された時間より前に誤って投与することは、患者の安全を損なう恐れがある。場合によっては、患者が最後の用量をいつ投与したか思い出せないことがあり、そのため次の用量をいつ投与すべきかが不確かになることがある。
【0005】
したがって、患者が処方された薬剤の投与予定を遵守するのを支援するシステム、デバイス、及び方法が必要とされている。承認された時間(例えば、後続用量の時間)にのみ患者又は介護者に薬剤への承認されたアクセスを与え、容器から薬剤がアクセスされた時間を自動的にログ記録することによって、患者の安全性が向上する可能性がある。
【0006】
本明細書に記載のシステム、装置、及び方法は、薬容器をロックし、薬を固定しているロッキング・キャップ・アセンブリに有効な承認コードが提供された場合にのみ薬容器をロック解除するための自動化された方法を提供する。様々な実装形態によれば、薬容器は、薬剤の後続用量が投与される時間枠内でのみロック解除が許可される。追加の又は異なる承認された人員が薬容器にアクセスできるようにするために、承認コードが介護者及び/又は患者の間で伝達されてもよい。
【0007】
本開示のデバイス及びシステムは、上側ハウジングと、上側ハウジングに回転可能に接続され、容器に嵌合するように構成された下側ハウジングと、近距離通信(NFC:near field communication)入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールと、誘導充電コイルと、マイクロプロセッサと、ラッチング機構とを有するロッキング・キャップ・アセンブリを含む。ラッチング機構は、上側ハウジング及び下側ハウジングが相互に回転するのを防止するように構成されたロッキング・ラッチ、並びに、マイクロプロセッサから受信された信号及び誘導充電コイルによって生成された電流に応答してラッチをロック及びロック解除するように構成された電気作動構成要素を含む。下側ハウジングは、下側ハウジング内に複数のロッキング・ベーンを含み、ロッキング・ベーンは、下側ハウジングが容器と機械的に係合しているときに、下側ハウジングに対する上側ハウジングの回転に応じて下側ハウジングの内径サイズを可変的に画定するように構成される。ロッキング・キャップ・アセンブリは、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第1の方向の回転に応じて容器の周りで複数のベーンを収縮させることによって、容器をロックするように構成される。マイクロプロセッサは、NFCモジュールからNFC入力を受信し、NFCモジュールによって受信されたNFC入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応するとマイクロプロセッサが判定したことに応答して、ロッキング・ラッチをロック解除し、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第2の方向の回転を可能にして、複数のロッキング・ベーンを後退させ、下側ハウジングを容器から解放するように構成される。
【0008】
本開示の主題はまた、薬剤容器を固定する方法に関し、方法は、ロッキング・キャップ・アセンブリ内の近距離通信(NFC)モジュールによって、ロッキング・キャップ・アセンブリの近くに置かれたデバイスからNFCモジュールの通信チャネルを介して無線で送信された承認コードを受信するステップを含む。承認コードが有効な承認コードであるとの判定に従って、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるかどうかを判定する。現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるとの判定に従って、NFCモジュールによって受信された入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応しているとき、ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング・ラッチを解放してロッキング・キャップ・アセンブリの複数のロッキング・ベーンが後退できるようにする。複数のロッキング・ベーンは、中央開口部のサイズを可変的に画定し、複数のロッキング・ベーンによって画定される中央開口部は、ロッキング・キャップ・アセンブリのロック状態で薬剤容器と機械的に係合するように構成される。ロッキング・ラッチを解放するための電力は、通信チャネルを介したデバイスからロッキング・キャップ・アセンブリのモータへの無線エネルギー伝達によって提供される。
【0009】
他の態様は、対応するシステム及びその特徴を実装するための対応する装置、及びコンピュータ・プログラム製品を含む。
【0010】
本技術の他の構成は、本技術の様々な構成を例示として示し説明する以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになることが理解される。理解されるように、本技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、本技術の範囲からすべて逸脱することなく、他の様々な点において修正することが可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【0011】
説明する様々な実装形態の理解を深めるために、以下の図面と併せて以下の説明が参照されるべきである。図及び説明全体を通して、同様の参照番号は対応する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の態様による、ヘルスケア組織の施設内患者ケア・システムの実例を示す図である。
【
図2A】本技術の態様による、薬容器に固定されたロッキング・キャップ・アセンブリの実例を示す図である。
【
図2B】本技術の態様による、2つの異なる構成のロッキング・ベーンを有するロッキング・キャップ・アセンブリの実例を示す図である。
【
図2C】本技術の態様による、2つの異なる構成のロッキング・ベーンを示す図である。
【
図2D】本技術の態様による、
図2Aに示すロッキング・キャップ・アセンブリ及び薬ボトルの断面図である。
【
図3A】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの分解図である。
【
図3B】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの構成要素の詳細図である。
【
図3C】本技術の態様による、ロッキング・ラッチの詳細図である。
【
図3D】本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の詳細図である。
【
図3E】本技術の態様による、ロック解除状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の詳細図である。
【
図3F】本技術の態様による、ロック解除状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図である。
【
図3G】本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図である。
【
図3H】本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図である。
【
図4A】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリのシステム・アーキテクチャを示す図である。
【
図4B】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの機能フローチャートを示す図である。
【
図5A】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリを制御するために使用されるシステムを示す図である。
【
図5B】本技術の態様による、薬容器を固定するための例示的な方法を示す図である。
【
図6】本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリを制御するための例示的な電子システムを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、実装形態について言及し、その実例を添付の図面に示す。以下の説明では、記載されている様々な実装形態についての理解を提供するために、具体的な詳細を多数記載している。しかしながら、記載されている様々な実装形態をこれらの具体的な詳細なしでも実践できることが、当業者には明らかであろう。他の場合においては、実装形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、よく知られた方法、手順、構成要素、回路、及びネットワークについては詳細には説明していない。
【0014】
図1は、本技術の態様による、ヘルスケア組織の施設内患者ケア・システム100の実例を示す。
図1では、患者ケア・デバイス(又は一般に「医療デバイス」)12が、病院ネットワーク10に接続されている。患者ケア・デバイス(又は「PCD:patient care device」)という用語は、患者ケアユ・ニット(又は「PCU:patient care unit」)という用語と区別なく使用される場合があり、いずれの場合も、注入ポンプ、バイタル・サイン・モニタ、薬剤分配デバイス(例えば、キャビネット、トート)、薬剤調製デバイス、自動分配デバイス、前述のうちの1つと結合されたモジュール(例えば、注入ポンプに取り付けるように構成されたシリンジ・ポンプ・モジュール)、又は他の同様のデバイスなど、様々な補助医療デバイスが含まれ得る。各患者ケア・デバイス12は、伝送チャネル31によって内部ヘルスケア・ネットワーク10に接続される。伝送チャネル31は、任意の有線又は無線伝送チャネル、例えば、802.11無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)である。いくつかの実装形態では、ネットワーク10は、病院全体の様々な部門に位置するコンピュータ・システムも含む。例えば、
図1のネットワーク10は、任意選択として、入院部門、請求部門、医用生体工学部門、臨床検査室、中央供給部門、1つ又は複数のユニット・ステーション・コンピュータ、及び/又は医療決定支援システムに関連付けられたコンピュータ・システムを含む。以下でさらに説明するように、ネットワーク10は個別のサブネットワークを含み得る。図示の実例では、ネットワーク10は、デバイス・ネットワーク41を含み、患者ケア・デバイス12(及び他のデバイス)は、そのデバイス・ネットワーク41によって、通常の動作に従って通信する。
【0015】
追加として、施設内患者ケア・システム100は、別個の情報システム・サーバ130を組み込むことができ、その機能について以下でより詳細に説明する。さらに、情報システム・サーバ130は別個のサーバとして示されているが、施設の情報システムを設計する技術者によって望まれる場合、情報システム・サーバ130の機能及びプログラミングは、別のコンピュータに組み込まれてもよい。施設内患者ケア・システム100は、情報システム・サーバ130に接続して通信するための1つ又は複数のデバイス端末132をさらに含み得る。デバイス端末132には、ネットワーク10を介して情報システム・サーバ130と通信するためのソフトウェアを有するように構成された、パーソナル・コンピュータ、パーソナル・データ・アシスタント、ラップトップなどのモバイル・デバイス、タブレット・コンピュータ、拡張現実デバイス、又はスマートフォンが含まれ得る。
【0016】
患者ケア・デバイス12は、その目的のために参照により本明細書に組み込まれるEggersらにおいて説明されたものなどの、患者ケアを提供するためのシステムを備える。患者ケア・デバイス12は、ポンプ、生理学的モニタ(例えば、心拍数、血圧、ECG、EEG、パルス・オキシメータ、及び他の患者モニタ)、治療デバイスを含むか又はそれらを組み込んでもよく、本明細書に記載の教示に従って、他の薬物送達デバイスが利用されてもよい。図示の実例では、患者ケア・デバイス12は、1つ又は複数の機能モジュール116、118、120、122に接続された、インターフェース・ユニット14とも呼ばれる制御モジュール14を備える。インターフェース・ユニット14は、メモリ、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)58に接続された中央処理ユニット(CPU:central processing unit)50、並びにユーザ・インターフェース・デバイス54などの1つ又は複数のインターフェース・デバイス、コード化データ入力デバイス60、ネットワーク接続52、及び追加のモジュール又はデバイスと通信するための補助インターフェース62を含む。インターフェース・ユニット14はまた、必須ではないが、ソフトウェア及びデータを記憶するためのハード・ディスク・ドライブ又は不揮発性フラッシュ・メモリなどの不揮発性主記憶ユニット56と、前述の要素を相互接続するための1つ又は複数の内部バス64とを含む。
【0017】
様々な実装形態において、ユーザ・インターフェース・デバイス54は、ユーザに情報を表示して、ユーザが画面の定義された領域に触れることによって情報を入力できるようにするためのタッチ画面である。追加として又は代替として、ユーザ・インターフェース・デバイス54は、モニタ、プリンタ、キーボード、ソフト・キー、マウス、トラック・ボール、及び/又はライト・ペンなど、情報を表示及び入力するための任意の手段を含み得る。データ入力デバイス60は、バーコード・フォーマットで印刷されたデータを走査及び解釈することが可能なバーコード・リーダであってもよい。追加として又は代替として、データ入力デバイス60は、磁気ストリップを読み取るためのデバイス、無線周波数識別(RFID:radio-frequency identification)タグ又はスマート・ラベル(以下に定義)に符号化されたデジタル・データが電波、PCMCIAスマート・カード、無線周波数カード、メモリ・スティック、CD、DVD、又は他のアナログ記憶媒体若しくはデジタル記憶媒体を介してリーダ60によって捕捉されるRFIDデバイスなど、コード化されたデータをコンピュータに入力するための任意のデバイスとすることができる。データ入力デバイス60の他の実例には、音声起動若しくは認識デバイス、又は携帯用パーソナル・データ・アシスタント(PDA:personal data assistant)が含まれる。使用されるインターフェース・デバイスのタイプに応じて、ユーザ・インターフェース・デバイス54とデータ入力デバイス60は同じデバイスであってもよい。
図1ではデータ入力デバイス60がインターフェース・ユニット14内に配置されるように示されているが、データ入力デバイス60は、薬局システム34内に組み込まれるか、又は、外部に位置しており、RS-232シリアル・インターフェース若しくは任意の他の適切な通信手段を介して薬局システム34と通信してもよいことが認識される。補助インターフェース62は、RS-232通信インターフェースであってもよいが、本技術から逸脱することなく、プリンタ、患者モニタ、注入ポンプ、又は他の医療デバイスなどの周辺デバイスと通信するための任意の他の手段が使用されてもよい。追加として、データ入力デバイス60は、モジュール116、118、120、及び122などの別個の機能モジュールとすることができ、好適なプログラミング及び通信プロトコルを使用してコントローラ14又はネットワーク上の任意の他のシステムと通信するように構成されてもよい。
【0018】
ネットワーク接続52は、Ethernet(登録商標)、WiFi(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN:integrated services digital network)接続、デジタル加入者線(DSL:digital subscriber line)モデム、又はケーブル・モデムなどによる、有線接続又は無線接続であってもよい。電話モデム、MIBシステム、RS232インターフェース、補助インターフェース、光リンク、赤外線リンク、無線周波数リンク、マイクロ波リンク、若しくはWLAN接続、又は他の無線接続を含むがこれらに限定されない、任意の直接又は間接ネットワーク接続が使用されてもよい。
【0019】
機能モジュール116、118、120、122は、患者にケアを提供するため又は患者の状態を監視するための任意のデバイスである。
図1に示すように、機能モジュール116、118、120、122のうちの少なくとも1つは、薬剤又は他の輸液を患者に送達するための静脈内注入ポンプなどの注入ポンプ・モジュールであってもよい。この説明の目的上、機能モジュール116は注入ポンプ・モジュールである。機能モジュール118、120、122のそれぞれは、注入ポンプ、シリンジ・ポンプ、PCAポンプ、硬膜外ポンプ、経腸ポンプ、血圧モニタ、パルス・オキシメータ、EKGモニタ、EEGモニタ、心拍数モニタ、又は頭蓋内圧モニタなどを含むがこれらに限定されない、任意の患者治療用又は監視用デバイスであってもよい。機能モジュール118、120、及び/又は122は、プリンタ、スキャナ、バーコード・リーダ、又は任意の他の周辺入力、出力、若しくは入出力デバイスであってもよい。
【0020】
各機能モジュール116、118、120、122は、インターフェース・ユニット14と直接的又は間接的に通信し、インターフェース・ユニット14は、デバイス12の全体的な監視及び制御を提供する。機能モジュール116、118、120、122は、
図1に示すように又はEggersらにおいて詳述されているように、インターフェース・ユニット14の一端又は両端に物理的及び電子的にシリアル方式で接続されてもよい。しかしながら、本技術から逸脱することなく、機能モジュールをインターフェース・ユニットに接続するため他の手段が利用されてもよいことが認識される。十分なプログラム可能性及び接続性を提供するポンプ又は患者監視デバイスなどのデバイスが、スタンド・アロン・デバイスとして動作することが可能であり、別個のインターフェース・ユニット又は制御ユニット14を介して接続されることなくネットワークと直接通信できることも理解されよう。上記のように、追加の医療デバイス又は周辺デバイスが、1つ又は複数の補助インターフェース62を介して患者ケア・デバイス12に接続されてもよい。
【0021】
各機能モジュール116、118、120、122は、モジュール固有の構成要素76、マイクロプロセッサ70、揮発性メモリ72、及び情報を記憶するための不揮発性メモリ74を含み得る。
図1には4つの機能モジュールが示されているが、任意の数のデバイスがコントローラ・ユニット14に直接的又は間接的に接続されてもよいことに留意されたい。本明細書に記載の機能モジュールの数及び種類は、例示を目的としており、本技術の範囲を決して限定するものではない。モジュール固有の構成要素76は、注入ポンプ・モジュール116用のポンピング機構など、特定のモジュールの動作に必要な任意の構成要素を含む。
【0022】
各機能モジュールは、少なくともあるレベルの独立した動作が可能であり得る一方で、インターフェース・ユニット14は、デバイス12の全体的な動作を監視及び制御する。例えば、以下により詳細に説明するように、インターフェース・ユニット14は、機能モジュール116、118、120、122にプログラミング命令を提供し、各モジュールのステータスを監視する。プログラミング命令は、説明された機能のうちの少なくともいくつかを使用して検出された体積又は流量に基づいてもよい。
【0023】
患者ケア・デバイス12は、いくつかの異なるモード又はパーソナリティで動作することが可能であり、各パーソナリティは構成データベースによって定義される。構成データベースは、患者ケア・デバイスの内部のデータベース56、又は外部データベース37であってもよい。特定の構成データベースは、患者の位置、年齢、身体的特徴、又は医学的特徴などの患者固有の情報に少なくとも部分的に基づいて選択される。医学的特徴には、患者の診断、治療処方、病歴、医療記録、患者ケア提供者の識別情報、生理学的特徴又は心理学的特徴が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される患者固有の情報は、ケア提供者情報(例えば、医師の識別情報)、又は病院若しくは病院のコンピュータ・ネットワークにおける患者ケア・デバイス10の位置も含む。患者ケア情報は、インターフェース・デバイス52、54、60、又は62を介して入力されてもよく、例えば、薬局サーバ、入院サーバ、検査サーバなど、ネットワーク10内の任意の場所から生じてもよい。
【0024】
本技術の態様を組み込んだ医療デバイスにネットワーク・インターフェース・モジュール(NIM:Network Interface Module)を装備して、医療デバイスがノードとしてネットワークに参加することを可能にしてもよい。明確にするために、本技術を、インターネット・プロトコル(IP:Internet Protocol)を使用するEthernet(登録商標)ネットワーク環境内で動作するものとして説明するが、本技術の概念が他のネットワーク環境にも等しく適用可能であり、そのような環境が本技術の範囲内にあるよう意図されていることが理解される。
【0025】
様々なデータ・ソースとの間でやり取りされるデータを、既存の技術を用いてネットワーク互換性のあるデータに変換することができ、医療デバイスとネットワークとの間の情報の移動を、様々な手段によって実現することができる。例えば、患者ケア・デバイス12及びネットワーク10は、自動化された対話、手動の対話、又は自動化された対話と手動の対話との両方の組合せを介して通信してもよい。自動化された対話は、継続的又は断続的である場合があり、(
図1に示すように)直接ネットワーク接続54を介して、又は、RS232リンク、MIBシステム、BLUETOOTHなどのRFリンク、IRリンク、WLAN、デジタル・ケーブル・システム、電話モデム、若しくは他の有線若しくは無線通信手段を介して行われてもよい。患者ケア・デバイス12とネットワーク10との間の手動の対話は、例えば、ユーザ・インターフェース・デバイス54、コード化データ入力デバイス60、バーコード、コンピュータ・ディスク、携帯用データ・アシスタント、メモリ・カード、又はデータを記憶するための任意の他の媒体を使用して、システム間で断続的又は定期的にデータを物理的に伝達することを含む。様々な態様における通信手段は、分散データ・ソースの可能な限り多くの箇所からデータへアクセスすることによる双方向通信である。意思決定は、ネットワーク10内の様々な場所で行われてもよい。例えば、限定するものではないが、ヘルス情報サーバ(HIS:health information server)30、決定支援48、遠隔データ・サーバ49、病院部門若しくはユニット・ステーション46において、又は患者ケア・デバイス12自体の中で、決定を行うことができる。
【0026】
本技術に従ってネットワーク上で動作する医療デバイスとの直接通信は、遠隔データ・サーバ(RDS:remote data server)として知られる情報システム・サーバ30を介して実行されてもよい。本技術の態様によれば、例えば注入ポンプ又はバイタル・サイン測定デバイスなどの医療デバイスに組み込まれたネットワーク・インターフェース・モジュールは、認証されたRDSから発生しないすべてのネットワーク・トラフィックを無視する。本技術のRDSの主な役割は、NIMを有するネットワーク化されたすべての医療デバイスの位置及び状況を追跡し、オープンな通信を維持することである。
【0027】
図2Aは、本技術の態様による、薬容器に固定されたロッキング・キャップ・アセンブリの実例を示す。
図2Aは、薬ボトル208を固定するロッキング・キャップ・アセンブリ200を示す。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、上側ハウジング202と、下側ハウジング204と、上側ハウジング202上に位置付けられたディスプレイ206とを含む。下側ハウジング204は、上側ハウジングに回転可能に接続され、薬ボトル208に嵌合するように構成される。下側ハウジング204は、上側ハウジング202と薬ボトル208との間に位置付けられる。上側ハウジング202内に、
図3A及び
図4Aでより詳細に説明する電子構成要素及び通信構成要素が位置付けられる。
【0028】
様々な実装形態によれば、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、患者及び薬ボトル208の中に含まれる薬剤に関連付けられた一意識別子を表示及び/又は記憶してもよい。一意識別子は、ロッキング・キャップ・アセンブリ200に無線で通信されてもよく、ロッキング・キャップ・アセンブリ200によって内部に記憶されてもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、他のデバイスがその一意識別子を読み取ることを可能にする通信モジュールを含む。通信モジュールは、近距離通信(NFC)入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールを含み得る。いくつかの実装形態では、一意識別子は、別のデバイス(例えば、電話、タブレット)のNFCモジュールによって読み取られてもよい。いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、ロッキング・キャップ・アセンブリ200に近接するデバイスに一意識別子を送信し、一意識別子がデバイスに送信されてデバイスによって読み取られた後、NFCモジュールを介して、ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスから承認を受けるように構成される。
【0029】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリ200上のディスプレイ206は、デバイス(例えば、電話、タブレット、ハンドヘルド光学スキャナ)によって走査され得る光学的に走査可能な指標(例えば、2Dバーコード)を表示してもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリ200の近くに(例えば、5.08cm(2インチ)以内に又は接触して)デバイスが置かれたとき、デバイス内のNFCリーダは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200の一意識別子を読み取ることができる。次いで、デバイスは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200のロック解除を可能にするために、ロッキング・キャップ・アセンブリ200に固有の承認コードをロッキング・キャップ・アセンブリ200に提供してもよい。いくつかの実装形態では、有効な承認コードが、デバイスからロッキング・キャップ・アセンブリに暗号化ハッシュ・コードとして送信され、ロッキング・キャップ・アセンブリは、ロッキング・キャップ・アセンブリ上のマイクロプロセッサが有効な承認コードを解読できるようにする解読キーを記憶することが可能である。
【0030】
いくつかの実装形態では、承認コードは、デバイスにインストールされたアプリケーションを介して、承認済みのデバイスに提供される。例えば、承認コードは、クラウド・サーバから、デバイスにインストールされたアプリケーションに送信される。クラウド・サーバは、薬ボトル208内の薬剤へのアクセスを与えられたユーザが承認済みのユーザであることを確認するために、他の方法を使用してデバイスのユーザの識別情報を認証してもよい。ディスプレイ206上に表示される走査可能な指標は、クラウド・サーバから承認コードを中継するアプリケーションにアクセスできないユーザであっても、薬ボトルに保管されている薬剤をデバイスが識別できるようにしてもよい。そのようなユーザは、走査可能な指標を走査することによって、その薬物の製造業者に誘導され、薬剤に関連する副作用、推奨される投与法、又は注意事項などのさらなる情報を受け取ることができる。緊急時の場合、医師又は介護者の連絡先情報もユーザに提供されてもよい。
【0031】
ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、単一の薬ボトルをロックするために使用されてもよく、また、病院、学校、施設、又は診療所など、複数のボトルを制御及び監視する必要があり得る状況で使用されてもよい。
【0032】
図2Bは、本技術の態様による、2つの異なる構成のロッキング・ベーンを有するロッキング・キャップ・アセンブリの実例を示す。
図2Bは、下側ハウジング204に対して上側ハウジング202を回転させることによって2つの異なる位置にあるロッキング・ベーン210を示す。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、薬ボトル208の口又は開口部の上に置かれる。矢印214によって示すように上側ハウジング202を時計回りに回転させることによって、(当初は後退位置にあり、薬ボトル208の対応する突出リップ212又はロッキング・リムに係合していない)ロッキング・ベーン210が延出し始め、リップ212と係合してもよい。矢印216によって示すように上側ハウジング202を反時計回りに回転させることによって、(当初は延出位置にあり、薬ボトル208の対応する突出リップ212と係合している)ロッキング・ベーン210が後退し始めてもよく、これにより、ロッキング・キャップ・アセンブリ200を薬ボトル208から取り外すことが可能になる。ロッキング・ベーン210は、下側ハウジング204が薬ボトル208と機械的に係合しているときに、下側ハウジング204に対する上側ハウジング202の回転に応じて下側ハウジング204の内径サイズを可変的に画定するように構成される。例えば、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、下側ハウジング204に対する上側ハウジング202の第1の方向(例えば、反時計回り方向)の回転に応じて薬ボトル208の周りでロッキング・ベーン210を収縮させることによって、薬ボトル208をロックするように構成される。
【0033】
調整可能なロッキング・ベーン210により、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、異なる直径の口を有する様々なボトル・サイズに適応できるようになる。このような特徴により、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は複数の異なるボトル・サイズに対応できるようになる。ロッキング・ベーン210が後退位置にあり薬ボトル208の突出リップ212に係合しなくなるまで、下側ハウジング204に対して上側ハウジング202をひねることによって、ロッキング・キャップ・アセンブリ200が薬ボトル208から取り外される。
【0034】
図2Cは、本技術の態様による、2つの異なる構成のロッキング・ベーンを示す。
図2Cは、上側ハウジング202が下側ハウジングから取り外されたときの、下側ハウジング204内に位置付けられたロッキング・ベーン210の図を示す。
図2Cの左部分は、後退位置にあるロッキング・ベーン210を示す。
図2Cの右部分は、延出位置にあるロッキング・ベーン210を示す。ベーン位置決めリング218の反時計回りの回転は、ロッキング・ベーン210を後退させる。ベーン位置決めリング218は、下側ハウジング204内にあり、ロッキング・ベーン210及び上側ハウジング202に結合されている。ベーン位置決めリング218が上側ハウジング202とともに下側ハウジング204に対して回転するとき、ベーン位置決めリング218は、ロッキング・ベーン210を延出又は後退させる。ベーン位置決めリング218の時計回りの回転は、ロッキング・ベーン210を延出させる。ベーン位置決めリング218は、上側ハウジング202に接続されており、上側ハウジング202がひねられると回転する。上側ハウジング202を時計回り方向にひねるとロッキング・ベーン210が閉じ、上側ハウジング202を反時計回り方向にひねるとロッキング・ベーン210が開く。
【0035】
図2Dは、本技術の態様による、
図2Aに示すロッキング・キャップ・アセンブリ及び薬ボトルの断面図を示す。
図2Dは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200及び薬ボトル208の断面図を示す。上側ハウジング202は、全体的に薬ボトル208の上にある(
図2Dでは全体的に薬ボトル208の右にあるものとして示されている)。下側ハウジング204は、薬ボトル208の首又は口の領域を囲繞している。ベーン位置決めリングは、ロッキング・ベーン210と比較して、薬ボトル208からさらに離れている(
図2Dのさらに右側に延在している)。ロッキング・ベーン210が延出位置にあるとき、ロッキング・ベーン210は薬ボトル208の首領域の突出リップ212に係合して、薬ボトル208からロッキング・キャップ・アセンブリ200が外れることを防止する。ロッキング・ベーン210が後退位置にあるとき、ロッキング・ベーン210はすでに薬ボトル208の突出リップ212に係合しておらず、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、薬ボトル208から取り外され得る。いくつかの薬容器は、容器の開口部に、対応するスナップ・ボトル・キャップと係合するためのリップを含む。ロック・ベーン210は、そのような薬容器のリップ上でロックしてもよい。いくつかの薬容器は、対応する螺旋型キャップと係合するためのネジ山を含む。ロック・ベーン210はまた、そのような薬容器のネジ山上でロックしてもよい。言い換えれば、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、様々な既存の薬ボトルとともに機能するように適合される。
【0036】
図3Aは、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの分解図を示す。
図3Aは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200の様々な構成要素の分解図を示す。ロッキング・キャップ・アセンブリ200の上部は、ディスプレイ206を囲繞する上側ハウジング・カバー220を含む。回路基板222及び近距離通信(NFC)アンテナ又はコイル224は、上側ハウジング・カバーの後ろに位置付けられる。超コンデンサ226及び電気作動構成要素228が上側ハウジング202内に収容されている。ベーン位置決めリング218及びロッキング・リング210が下側ハウジング204内に収容されている。
【0037】
図3Bは、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの構成要素の詳細図を示す。
図3Bは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200のいくつかの構成要素の分解詳細図を示す。上側ハウジング202内には、電気作動構成要素228、ロッキング・ラッチ232、ラッチ位置センサ234、及びラッチ引張バネ236がある。ラッチ位置センサ234は、ロッキング・ラッチ232の位置を感知して、ロッキング・ラッチ232がロック(延出)状態で位置付けられているか、ロック解除(後退)状態で位置付けられているかを判定するように構成される。ラッチ引張バネ236は、ロック状態とロック解除状態との間のロッキング・ラッチ232の動きを制御してもよい。ロッキング・ラッチ232は、上側ハウジング202及び下側ハウジング204が相互に回転するのを防止するように構成される。電気作動構成要素228は、ロッキング・キャップ・アセンブリのマイクロプロセッサから受信された信号及びロッキング・キャップ・アセンブリの誘導充電コイルによって生成された電流に応答して、ロッキング・ラッチ232をロック及びロック解除するように構成される。
【0038】
下側ハウジング204内には、ロッキング・ベーン210及び複数のラッチ・ロッキング・スロット230がある。ラッチ・ロッキング・スロット230は規則的な間隔で配置されており、各ラッチ・ロッキング・スロットは、スロットがロッキング・ラッチ232を受け入れて、ロック(延出)状態でロッキング・ラッチ232を係合位置に保持できる幅を有する。ラッチ・ロッキング・スロット230のうちの1つがロッキング・ラッチ232と係合すると、上側ハウジング202と下側ハウジング204との間の回転が阻止され、ロッキング・ベーン210の後退が防止される。
【0039】
図3Cは、本技術の態様による、ロッキング・ラッチの詳細図を示す。
図3Cは、ラッチ引張バネ236に負荷がかかったときのロッキング・ラッチ232の詳細図を示す。いくつかの実装形態では、バネ236は、圧縮されるときに負荷がかかる。ロック解除されると、ロッキング・ラッチ232が自由に後退して、薬ボトル208を開けることができるようにロッキング・キャップ・アセンブリ200を回せるようになる(例えば、上側ハウジング202を下側ハウジング204に対してひねる又は回転させることができる)。ロックされると、ロッキング・ラッチ232が後退できなくなり、ロッキング・キャップ・アセンブリ200を回すことが阻止され(例えば、回転が防止されるように上側ハウジング202が下側ハウジング204に対してロックされ)、ロッキング・ベーンが所定の位置にロックされて、薬ボトル208が開かないようになる。
【0040】
図3Dは、本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の詳細図を示す。
図3Dは、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリ200の詳細図を示す。ロック状態では、ロック238が延出し、ロッキング・ラッチ232が後退するのを防止し且つロッキング・キャップ・アセンブリ200が回転するのを防止する。ロック238は、電気作動構成要素228からさらに遠ざかるように、図面の右へ移動するときに延出する。電気作動構成要素228は、ロック238を作動させて、左(ロック解除状態、ロック238が電気作動構成要素228の近くに位置付けられる)から右(ロック状態、ロック238が電気作動構成要素228から遠くに位置付けられる)に移動させる。いくつかの実装形態では、電気作動構成要素228はロック・モータを含む。いくつかの実装形態では、電気作動構成要素288はソレノイドを含む。いくつかの実装形態では、電気作動構成要素228は回転しない。例えば、電気作動構成要素228は、ロック機構を後退させるリニア・アクチュエータであってもよい。
【0041】
ロック238が係合されると、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は薬ボトル208から取り外されない。ロック状態では、ラッチ引張バネ236が延出し、ロッキング・ラッチ232がラッチ・ロッキング・スロット230内に延出/突出して、ラッチ・ロッキング・スロット230内に保持される。
【0042】
図3Eは、本技術の態様による、ロック解除状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の詳細図を示す。
図3Eは、ロック解除状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリ200の詳細図を示す。ロック解除状態では、ロック238は後退し(図面の左へ移動し、電気作動構成要素228に近づく)、ロッキング・ラッチ232は自由に後退する。ロッキング・ラッチ232が後退すると、ロッキング・キャップ・アセンブリ200が回転してロッキング・ベーン210を後退させることが可能になり、ロッキング・キャップ・アセンブリ200を薬ボトル208から取り外すことができるようになる。
図3Dに示すロック状態では、ラッチ位置フラグ240が、ラッチ位置センサ234からの信号を遮断して、機構がロックされていることを示す。ロック解除状態では、ラッチ位置フラグ240がラッチ位置センサ234を遮ることはなくなり、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、ラッチ解除されていると示される。
【0043】
図3Fは、本技術の態様による、ロック解除状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図を示す。
図3Fは、ロック解除状態の詳細な斜視図を示す。ロック238が後退しており、ラッチ位置フラグ240がラッチ位置センサ234から離れている。ロッキング・ラッチ232も後退しており、ラッチ・ロッキング・スロット230内で係合していない。各対のラッチ・ロッキング・スロット230は、ラッチ・ロッキング突出部242によって分離されている。ラッチ・ロッキング突出部242は、ロック解除状態において、ロッキング・ラッチ232を押し、ラッチ引張バネ236を圧縮することが可能である。
【0044】
図3Gは、本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図を示す。
図3Gは、ロック状態の詳細な断面斜視図を示す。ロッキング・ラッチ236は延出位置にあり、ラッチ・ロッキング・スロット230内で係合している。ラッチ引張バネ236は、ロック状態で延出する。ラッチ位置フラグ240は、ラッチ位置センサ234の下にあり、ラッチ位置センサ234の上部243とラッチ位置センサの底部244との間の信号を遮断する。信号の遮断は、機構がロックされていることを示す。
【0045】
図3Hは、本技術の態様による、ロック状態にあるロッキング・キャップ・アセンブリの一部分の斜視図を示す。
図3Hは、ロック状態の詳細な断面斜視図を示す。電気作動構成要素228はロック238を完全に後退させておらず、ロック238の一部分246はラッチ位置フラグ240と接触したままであり、ラッチ232の後退を防止している。いくつかの実装形態では、ロック238は、電気作動構成要素228の対応する部分に係合してロック238を作動させる一連の歯を含む。
【0046】
いくつかの実装形態では、電気作動構成要素は、ベーン位置決めリング又は下側ハウジング204に結合され、マイクロプロセッサから受信された信号に応答して、下側ハウジング204に対する上側ハウジング202のモータ駆動回転を引き起こして、薬ボトル208上でロッキング・キャップ・アセンブリ200をロック又はロック解除するように構成される。そのような実装形態は、回転を作動する又は引き起こすために、大型モータ及びより多くの電力を使用する場合がある。ロッキング・キャップ・アセンブリのキャップに接続される大型モータが回るのを防止するために、追加として、別個のロックが設けられてもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリのキャップのサイズは増大されてもよく、NFCコイルによって提供される電力に加えて、より多くの電力が使用されてもよい。
【0047】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、ロックの係合を解除するソレノイドを含み得る。
【0048】
図4Aは、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリのシステム・アーキテクチャを示す。
図4Aは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200のハードウェア構成要素のシステム・アーキテクチャ400を示す。回路基板222上に位置付けられたマイクロプロセッサ408は、ロッキング・キャップ・アセンブリ200の様々な構成要素を制御する。関連するファームウェア410を有するマイクロプロセッサ408は、ディスプレイ206、電力管理システム402、NFCリーダ406、ブザーなどの出力デバイス414、Bluetooth通信モジュール412を制御する。出力デバイス414は、音声又は振動などの人間が認識可能な出力を発してもよい。マイクロプロセッサ408はまた、ラッチ位置センサ234と、MOSFETドライバ及び絶縁システム418と、電気作動構成要素228とを含むラッチ・ロッキング機構416を制御する。
【0049】
電力管理システム402は、1つ又は複数のエネルギー源、すなわちバッテリ404、超コンデンサ226、及び誘導充電コイル224による充電を制御する。バッテリ404は、貯蔵のためにより高いエネルギー密度を提供することができ、超コンデンサ226は、より迅速な充放電能力を有することができる。超コンデンサ226内の位置エネルギーは電場に蓄えられてもよく、一方、バッテリ404はその位置エネルギーを化学的な形式で蓄えてもよい。
【0050】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、(i)バッテリ404、又は(ii)超コンデンサ226及び誘導充電コイル224のいずれかを含む。いくつかの実装形態では、充電デバイス(例えば、携帯電話)の一次コイルは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200のNFCコイル224コイルに電流を誘導して、ロッキング・キャップ・アセンブリ200を逆無線充電する。逆無線充電は、携帯電話及びロッキング・キャップ・アセンブリ200を近接して一緒に置くことよって実行されてもよい。コンテナ内のNFC回路は、充電デバイスによって送信されるNFC信号を採取するためにエネルギー採取を実施するように構成されてもよく、又はエネルギーを受信及び/若しくは送信するためにNFC固有のエネルギー伝達を利用してもよい。また、デバイス(例えば、電話機)がアクセサリにワイヤレスで電力を供給できる逆充電能力を使用したQi規格又は同様の規格を使用して、エネルギーが受信及び/又は送信されてもよい。
【0051】
充電デバイスによって短期間(例えば、アクセスを要求する時間)にわたってロッキング・キャップ・アセンブリ200に伝達されるエネルギーは、典型的には数百ミリワット程度である。これに関して、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、充電デバイスからエネルギーを採取してモータ又はアクチュエータを動作させるように構成されてもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、採取された電力の貯蔵及び経時的な電力の円滑な伝達を可能にするために、バッテリ又は超コンデンサなどの小型の蓄電デバイスを(例えば、キャップ内に)含んでもよい。いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、エネルギーを節約するために、開くためのコマンドを充電デバイス又は他のNFCデバイスから受信するまで、スタンバイ・モードで動作するように構成されてもよい。スタンバイ・モードでは、リソースを消費する機能は、無効にされるか又は低電力状態で動作されてもよい。
【0052】
NFCコイル224はまた、通信信号を送信又は受信してもよく、通信信号はNFCリーダ406に送信されて復号される。通信信号は、ディスプレイ206上に表示するための情報を提供してもよく、又はロッキング・キャップ・アセンブリ200のロック・ステータス(例えば、ロッキング・キャップ・アセンブリ200がロック状態にあるかロック解除状態にあるか)を提供してもよい。NFCリーダ406は、情報をマイクロプロセッサ408に中継してもよい。(NFCコイル224から受信された情報に基づいて)ロッキング・キャップ・アセンブリ200がロック状態にあると予想されるが、(ラッチ位置センサ234からの情報に基づいて)ロッキング・キャップ・アセンブリ200が実際にはロック解除状態にあるとマイクロプロセッサ408が判定する場合、マイクロプロセッサは、出力デバイス414を起動することによって、警報をトリガするための制御信号を送信することができる。ロッキング・キャップ・アセンブリ200のロッキング状態に関する同様のアラートも、BLEモジュール412を使用して送信及び受信されてもよい。ラッチ位置センサ234からセンサ信号を受信することに加えて、マイクロプロセッサ408はまた、MOSFETドライバ及び絶縁システム418を介してラッチ・ロッキング機構416を制御する。絶縁システム418は、電気作動構成要素228を駆動するために制御信号を送信する。
【0053】
いくつかの実装形態では、BLEモジュール412は、ロッキング・キャップ・アセンブリ200によって固定された薬ボトルが特定の位置から移動されたかどうかを監視することが可能である。BLEモジュールは、ロッキング・キャップ・アセンブリ200が、ロッキング・キャップ・アセンブリの近傍にある他のBLE対応デバイスと通信して、ロッキング・キャップ・アセンブリに関する位置情報を間接的に提供することを可能にする。したがって、ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、追加として、ユーザがBLEモジュールを介してロッキング・キャップ・アセンブリ200と通信できるようにする「自分の容器を探す」機能をサポートしてもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、「自分の容器を探す」機能によって起動されたときに警報を鳴らすことを可能にする電子機器をさらに含むことができる。代替として又は追加として、BLEモジュール412は、ユーザ・デバイス(例えば、携帯電話)と通信し、ロッキング・キャップ・アセンブリ200の位置情報をユーザ・デバイスに提供することができる。
【0054】
図4Bは、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリの機能フローチャートを示す。
図4Bは、ロッキング・キャップの機能フローチャート420を示す。プロセスは、NFC能力を有する電話機がロッキング・キャップ・アセンブリ200の近くに置かれることから開始する(422)。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、電話機からNFC通信を介してIDコード又はアクセス・コードを受信する(424)。
【0055】
マイクロプロセッサ408は、IDコードが有効なアクセス・コードを表しているかどうかを判定する(426)。IDコードが有効ではないとの判定に従って、ディスプレイ206はエラー・メッセージを表示する(428)。例えば、ディスプレイ206は、エラー・メッセージ「無効なコード - 開くための承認が必要」を示してもよい。IDコードが有効であるとの判定に従って、ディスプレイ206は確認メッセージを示す(430)。例えば、ディスプレイ206は、確認メッセージ「有効なコード」を示してもよい。
【0056】
マイクロプロセッサ408は、薬剤の次の用量の時間であるかどうかを判定する(432)。まだ薬剤の次の用量の時間ではないとの判定に従って、ディスプレイ206はエラー・メッセージを示す(434)。例えば、ディスプレイ206は、「まだ次の用量の時間ではない」というエラー・メッセージを示してもよい。そのような機能は、患者が時期尚早に追加の用量を服用することによって引き起こされる偶発的な過剰摂取を防ぐことで、安全に薬を自己投与するのに支援を必要とし得る患者を支援する。例えば、患者は、最後の用量が摂取された正確な時間を覚えておく及び/又は次の用量がいつ予定されているかを算出する必要がなくなる。次の用量の時間であるとの判定に従って、ロッキング・キャップ・アセンブリ200はロック解除する(436)。ロッキング・キャップ・アセンブリ200のロック解除により、ロック位置センサ234は、ロッキング・キャップ・アセンブリ200がラッチ解除されたことを検出する(438)。ロッキング・キャップ・アセンブリ200がラッチ解除された後、患者によって薬剤が取り出されてもよい(440)。
【0057】
薬剤が取り出された後、キャップは、元の位置に戻され、ラッチされてもよい。ロッキング・キャップ・アセンブリ200は、NFC通信を介して電話機と通信し、電話機は、薬剤が投与されたことを裏付ける情報を介護者に中継する(442)。電話アプリを介してステータス情報がクラウド・サーバに送信されてもよく(446)、次の用量のためにローカルで(マイクロプロセッサ408によって)時間がリセットされる(444)。マイクロプロセッサ408は、次の用量までの残り時間に対応する時間(T)を算出する(448)。
【0058】
マイクロプロセッサ408は、Tが、次の用量の時間であることを示すゼロに減少したかどうかを判定する(450)。まだ薬剤の次の用量の時間ではないとの判定に従って、システムは単に機能フローチャートを再度ループする。次の用量の時間である(すなわち、T=0)との判定に従って、マイクロプロセッサ408は、ディスプレイ206上にアラート・メッセージを表示させる。例えば、アラート・メッセージには「次の用量の時間である」と記載されてもよい。マイクロプロセッサ408は、追加として、出力デバイス414をトリガして、患者及び/又は介護者に次の用量の時間であることを通知してもよい。マイクロプロセッサ408はまた、BLEモジュール412を介してアラートを電話機へ送信させてもよい。アラートが送出された後、電話機がロッキング・キャップ・アセンブリ200の近くに置かれると、プロセスがループされる(422)。
【0059】
本明細書で使用される「キャップ」は、ボトル、トレイ、又はビンなどの容器の開口部を固定する蓋、カバー、又は他の解放可能な(例えば、ロック可能及びロック解除可能な)要素を指す場合がある。いくつかの実装形態では、ロック・ベーン又は他の作動型ロッキング要素は、「容器の周りに」固定されるものとして説明される。いくつかの実装形態は、ベーン又は他の作動型ロッキング要素を、コンテナに取り付けられた支柱又は他の突出部などのコンテナの一部分に固定してもよい。
【0060】
図5Aは、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリを制御するために使用されるシステムを示す。
図5Aは、薬剤へのアクセスの可搬性を可能にするシステム500を示す。薬剤へのアクセスは、アクセス・コード・キーを選択された介護者に転送することによって転送されてもよい。薬剤投与の関連情報及びログ(投与された時間及び用量)はクラウド・サーバに記憶され、電話機又は他のデバイスを介してアクセスされてもよい。
【0061】
システム500は、電話機504とデータ通信するクラウド・サーバ502を含む。データ通信は、WiFi信号を使用して確立されてもよい。電話機504は、薬ボトル208を固定するロッキング・キャップ・アセンブリ200に近接している。端末506を使用する医師又は薬剤師は、クラウド・サーバ502へのデータ接続を確立し、端末506が患者の電子健康記録(EHR:electronic health record)にアクセス及び/又は編集できるようにしてもよい。
【0062】
医師は、処方箋データをクラウド・サーバ502に送信してもよい。電話機504は、薬ボトル208へのアクセス及び薬ボトル208から服用される薬剤(例えば、錠剤)をログ記録する情報を提供してもよい。電話機504は、例えば例示的なフローチャート420のステップ446に従って、情報をクラウド・サーバ502に提供してもよい。いくつかの実装形態では、電話機上のアプリケーションは、(i)クラウド・サーバ502と電話機との間の情報交換、及び(ii)電話機とロッキング・キャップ・アセンブリとの間の通信を調整する。ロック解除を制御するアプリケーションは、クラウド・サーバ502内に維持されてもよく、アクセス・キー(例えば、承認コード)を異なる承認済みのユーザの電話機に提供できるようにしてもよい。そのような場合、薬剤容器は患者によって持ち運ばれることが可能であり、制御又はリマインダが1人又は複数人の世話人に伝達される。例えば、アクセス・キーは、異なる場所に移送されている行動不能な人の介護を担当する、異なる場所にいる異なる介護者に伝達されてもよい。子供が自分の薬剤を学校へ持って行くこともでき、学校の看護師が子供に薬剤を投与できるようにアクセス・キーが学校の看護師に提供されてもよい。クラウド・サーバ502は、薬剤がいつ投与されたか、投薬を投与した人の識別情報、及び薬剤の次の用量が投与されるまでの残り時間に関するデータ・ログ記録を保持することができる。電話機上のアプリケーションが、電話機とクラウド・サーバ502との間の情報交換を可能にする。
【0063】
いくつかの実装形態では、電話機504のユーザは、薬ボトル208の中に入っている薬剤に対する処方箋を有する患者である。クラウド・サーバ502は、薬の次の用量の服用を患者に思い出させるためのリマインダ・メッセージを電話機504に配信してもよい。いくつかの実装形態では、電話機504のユーザは世話人である。クラウド・サーバ502は、患者に薬剤を投与することを世話人に思い出させるためのリマインダ・メッセージを電話機504に配信してもよい。いくつかの実装形態では、クラウド・サーバ502によって電話機504に送信されるリマインダは充電ウィンドウをトリガしてもよく、この充電ウィンドウの間、ロッキング・キャップ・アセンブリ200をロック解除するために電話機504から通信信号を受信することに加えて、無線電力伝送がロッキング・キャップ・アセンブリ200によって受信されてもよい。
【0064】
第1の場所にいる第1の世話人の第1の追加デバイス508(例えば、電話機)もまた、クラウド・サーバ502にデータ接続されてもよい。第2の場所にいる第2の世話人の第2の追加デバイス510(例えば、電話機)もまた、クラウド・サーバ502にデータ接続されてもよい。第3の場所にいる第3の世話人の第3の追加デバイス512(例えば、電話機)もまた、クラウド・サーバ502にデータ接続されてもよい。
【0065】
いくつかの実装形態では、第1の場所、第2の場所、及び第3の場所はすべて同じ場所(例えば、病院)にある。第1の世話人、第2の世話人、及び第3の世話人は、異なるシフトで働く看護師である場合あがる。クラウド・サーバ502は、看護師のシフトの開始時に、承認済みのユーザにアクセスを与えるアクセス・コード・キーを各看護師に送信するように構成される。薬剤を投与した後、デバイス508、510、及び512のうちの1つ又は複数は、薬ボトル208へのアクセス及び薬ボトル208から服用される薬剤(例えば、錠剤)をログ記録する情報を提供してもよい。デバイス508、510、及び512は、例えば例示的なフローチャート420のステップ446に従って、情報をクラウド・サーバ502に提供してもよい。
【0066】
図5Bは、本技術の態様による、薬剤容器を固定するための例示的な方法を示す。ロッキング・キャップ・アセンブリは、近距離通信(NFC)モジュールを使用して、ロッキング・アセンブリの近くに置かれたデバイスからNFCモジュールの通信チャネルを介して無線で送信された承認コードを受信する(522)。ロッキング・キャップ・アセンブリのマイクロプロセッサは、承認が有効な承認コードであるかどうかを判定する。マイクロプロセッサは、NFCモジュールからNFC入力を受信し、NFCモジュールによって受信されたNFC入力が薬ボトル208からロッキング・キャップ・アセンブリ200を解放するための承認に対応するとマイクロプロセッサが判定したことに応答して、ロッキング・ラッチ232をロック解除し、下側ハウジング204に対する上側ハウジング202の第2の方向の回転を可能にして、複数のロッキング・ベーンを後退させ、下側ハウジング204を薬ボトル208から解放するように構成される。
【0067】
承認コードが有効な承認コードであるとの判定に従って、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるかどうかを判定する(524)。現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるとの判定に従って、NFCモジュールによって受信された入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応しているとき、ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング・ラッチを解放してロッキング・キャップ・アセンブリの複数のロッキング・ベーンが後退できるようにする(526)。
【0068】
いくつかの実装形態では、第1の場所、第2の場所、及び第3の場所は異なる場所にある。例えば、第1の世話人、第2の世話人、及び第3の世話人は、患者の拡大家族の一員であってもよく、別の場所に居住していてもよい。患者が薬を服用できなかったとき、第1の世話人、第2の世話人、及び第3の世話人のうちの1人又は複数人が、クラウド・サーバ502によって通知を受けることができ、その世話人は、薬剤の投与を手伝うために患者の場所に行くことができる。
【0069】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、上側ハウジングと、上側ハウジングに回転可能に接続され、容器に嵌合するように構成された下側ハウジングと、近距離通信(NFC)入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールと、誘導充電コイルと、マイクロプロセッサと、ラッチング機構とを含む。ラッチング機構は、上側ハウジング及び下側ハウジングが相互に回転するのを防止するように構成されたロッキング・ラッチ、並びに、マイクロプロセッサから受信された信号及び誘導充電コイルによって生成された電流に応答してラッチをロック及びロック解除するように構成された電気作動構成要素を含む。下側ハウジングは、下側ハウジング内に複数のロッキング・ベーンを含み、ロッキング・ベーンは、下側ハウジングが容器と機械的に係合しているときに、下側ハウジングに対する上側ハウジングの回転に応じて下側ハウジングの内径サイズを可変的に画定するように構成される。ロッキング・キャップ・アセンブリは、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第1の方向の回転に応じて容器の周りで複数のベーンを収縮させることによって、容器をロックするように構成される。マイクロプロセッサは、NFCモジュールからNFC入力を受信し、NFCモジュールによって受信されたNFC入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応するとマイクロプロセッサが判定したことに応答して、ロッキング・ラッチをロック解除し、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第2の方向の回転を可能にして、複数のロッキング・ベーンを後退させ、下側ハウジングを容器から解放するように構成される。
【0070】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、下側ハウジング内のベーン位置決めリングをさらに含み、ベーン位置決めリングは、複数のロッキング・ベーン及び上側ハウジングに結合される。ベーン位置決めリングが上側ハウジングとともに下側ハウジングに対して回転するとき、ベーン位置決めリングは、複数のロッキング・ベーンを延出又は後退させる。いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、下側ハウジング内に位置付けられた複数のロッキング・スロットをさらに含む。ロッキング・ラッチは、上側ハウジングからの複数のロッキング・スロットのうちの1つに係合するように構成される。
【0071】
いくつかの実装形態では、上側ハウジング内にディスプレイが配置されており、ディスプレイは、容器内の薬剤及び薬剤の受取人に関連付けられた一意識別子を提示するように構成される。ロッキング・キャップ・アセンブリは、ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスに一意識別子を送信し、一意識別子がデバイスに送信されてデバイスによって読み取られた後、NFCモジュールを介して、ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスから承認を受けるように構成される。
【0072】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、デバイスから無線電力充電を受け取り、ロッキング・キャップ・アセンブリの電気作動構成要素に電力を供給するための電気構成要素をさらに含む。下側ハウジングは、上側ハウジングと容器との間に位置付けられる。
【0073】
いくつかの実装形態では、電気作動構成要素は、ベーン位置決めリングに結合され、マイクロプロセッサから受信された信号に応答して、下側ハウジングに対する上側ハウジングのモータ駆動回転を引き起こして、容器上でロッキング・キャップ・アセンブリをロック又はロック解除するように構成される。
【0074】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、ロッキング・ラッチの位置を判定してロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング状態を判定するように構成された光学センサをさらに含む。
【0075】
いくつかの実装形態では、ロッキング・キャップ・アセンブリは、容器内の薬剤の予定された投与よりも前の所定時間に、人間が認識可能な出力(例えば、音声、音、振動)を発するように構成された、ブザーなどの(例えば、キャップ内の)出力デバイスをさらに含む。NFCモジュールは、ロッキング・キャップ・アセンブリが容器からロック解除されているとの判定に応答してデータ・ネットワークに情報を通信するように構成される。
【0076】
いくつかの実装形態では、薬剤容器を固定する方法は、ロッキング・キャップ・アセンブリ内の近距離通信(NFC)モジュールによって、ロッキング・キャップ・アセンブリの近くに置かれたデバイスからNFCモジュールの通信チャネルを介して無線で送信された承認コードを受信するステップを含む。承認コードが有効な承認コードであるとの判定に従って、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるかどうかを判定する。現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるとの判定に従って、NFCモジュールによって受信された入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応しているとき、ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング・ラッチを解放してロッキング・キャップ・アセンブリの複数のロッキング・ベーンが後退できるようにする。複数のロッキング・ベーンは、中央開口部のサイズを可変的に画定し、複数のロッキング・ベーンは、ロッキング・キャップ・アセンブリのロック状態で薬剤容器と機械的に係合するように構成される。ロッキング・ラッチを解放するための電力は、通信チャネルを介したデバイスからロッキング・キャップ・アセンブリのモータへの無線エネルギー伝達によって提供される。
【0077】
いくつかの実装形態では、方法は、デバイスがデバイスのNFCモジュールを使用してロッキング・キャップ・アセンブリに関連付けられた一意識別子を読み取った後にデバイスによって送信された承認コードを受信するステップをさらに含む。
【0078】
いくつかの実装形態では、方法は、データ・ネットワークを介して承認情報を取得する複数の承認済みのモバイル端末によってロック解除されるように薬剤容器が構成されるように、薬剤容器をロック解除するための承認情報をデータ・ネットワークに記憶するステップをさらに含む。
【0079】
いくつかの実装形態では、方法は、デバイスが携帯電話であることを含み、有効な承認コードは、暗号学的ハッシュ・コードとして携帯電話からロッキング・キャップ・アセンブリに送信され、ロッキング・キャップ・アセンブリは、有効な承認コードを解読するための解読キーを含む。
【0080】
いくつかの実装形態では、方法は、薬剤容器がロック解除された後、ロッキング・キャップ・アセンブリのNFCモジュールを介してデータをデータ・ネットワークに送信するステップと、薬剤容器内の薬剤がいつ投与されたかに関する記録をデータ・ネットワークにおいて維持するステップとをさらに含む。
【0081】
いくつかの実装形態では、方法は、薬剤容器内の薬剤の予定された後続の投与よりも前の所定時間に、ロッキング・キャップ・アセンブリにおいて警報を鳴らすステップをさらに含む。
【0082】
いくつかの実装形態では、方法は、薬剤容器内の薬剤に関する投薬量又は他の情報を提供するために、薬剤容器がロック解除された後にロッキング・キャップ・アセンブリ上の表示を更新するステップをさらに含む。いくつかの実装形態では、方法は、ロッキング・キャップ・アセンブリを解放するためのアクセス・コードを第1の承認済みのモバイル・デバイスから第2の承認済みのモバイル・デバイスに伝達するステップをさらに含む。
図6は、本技術の態様による、ロッキング・キャップ・アセンブリを制御するための例示的な電子システムを示す概念図である。電子システム600は、プロセスの1つ若しくは複数の部分若しくはステップ又はサーバ130、患者ケア・デバイス12内のコンピューティング・ハードウェア、若しくは端末デバイス132を含むがこれらに限定されない
図1~
図5Bによって提供される構成要素及びプロセスに関連するソフトウェアの実行のためのコンピューティング・デバイスであってもよい。電子システム600は、
図1~
図5Bに関する本開示との組合せにおいて、代表的なものであってもよい。この点に関して、電子システム600は、パーソナル・コンピュータ、若しくはスマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップ、PDA、拡張現実デバイス、時計若しくはバンド若しくは眼鏡などのウェアラブルなどのモバイル・デバイス、若しくはそれらの組合せ、若しくは、1つ若しくは複数のプロセッサが組み込まれた若しくは結合された他のタッチ画面若しくはテレビ、又は、ネットワーク接続性を有する任意の他の種類のコンピュータ関連電子デバイスであってもよい。
【0083】
電子システム600は、様々なタイプのコンピュータ可読媒体と、様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースとを含んでもよい。図示の実例では、電子システム600は、バス608、処理ユニット612、システム・メモリ604、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)610、永続ストレージ・デバイス602、入力デバイス・インターフェース614、出力デバイス・インターフェース606、及び1つ又は複数のネットワーク・インターフェース616を含む。いくつかの実装形態では、電子システム600は、前述の様々な構成要素及びプロセスの動作のために、他のコンピューティング・デバイス又は回路を含むか又はそれらと統合されてもよい。
【0084】
バス608は、電子システム600の多数の内部デバイスを通信可能に接続するすべてのシステム・バス、周辺機器バス、及びチップセット・バスを一括して表す。例えば、バス608は、処理ユニット612を、ROM610、システム・メモリ604、及び永続ストレージ・デバイス602と通信可能に接続する。
【0085】
これらの様々なメモリ・ユニットから、処理ユニット612は、本開示のプロセスを実行するために実行すべき命令及び処理すべきデータを取り出す。異なる実装形態では、処理ユニットは、シングル・プロセッサ又はマルチコア・プロセッサとすることができる。
【0086】
ROM610は、処理ユニット612及び電子システムの他のモジュールによって必要とされる静的データ及び命令を記憶する。一方、永続ストレージ・デバイス602は、読み書き用メモリ・デバイスである。このデバイスは、電子システム600がオフのときでも命令及びデータを記憶する不揮発性メモリ・ユニットである。本開示のいくつかの実装形態は、大容量ストレージ・デバイス(磁気ディスク又は光ディスク、及びそれに対応するディスク・ドライブなど)を永続ストレージ・デバイス602として使用する。
【0087】
他の実装形態は、取り外し可能なストレージ・デバイス(フロッピ・ディスク、フラッシュ・ドライブ、及びそれに対応するディスク・ドライブなど)を永続ストレージ・デバイス602として使用する。永続ストレージ・デバイス602と同様に、システム・メモリ604は、読み書き用メモリ・デバイスである。しかしながら、ストレージ・デバイス602とは異なり、システム・メモリ604は、ランダム・アクセス・メモリのような揮発性読み書き用メモリである。システム・メモリ604は、実行時にプロセッサが必要とする命令及びデータの一部を記憶する。いくつかの実装形態では、本開示のプロセスは、システム・メモリ604、永続ストレージ・デバイス602、及び/又はROM610に記憶される。これらの様々なメモリ・ユニットから、処理ユニット612は、いくつかの実装形態のプロセスを実行するために実行すべき命令及び処理すべきデータを取り出す。
【0088】
バス608は、入力デバイス・インターフェース614及び出力デバイス・インターフェース606にも接続する。入力デバイス・インターフェース614は、ユーザが、情報及び選択されたコマンドを電子システムに通信することを可能にする。入力デバイス・インターフェース614とともに使用される入力デバイスには、例えば、英数字キーボード及びポインティング・デバイス(「カーソル制御デバイス」とも呼ばれる)が含まれる。出力デバイス・インターフェース606は、例えば、電子システム600によって生成された画像の表示を可能にする。出力デバイス・インターフェース606とともに使用される出力デバイスには、例えば、プリンタ、及び陰極線管(CRT:cathode ray tube)又は液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)などの表示デバイスが含まれる。いくつかの実装形態は、入力デバイスと出力デバイスとの両方として機能するタッチ画面などのデバイスを含む。
【0089】
また、
図6に示すように、バス608はまた、ネットワーク・インターフェース616を介して電子システム600をネットワーク(図示せず)に結合する。ネットワーク・インターフェース616は、例えば、ワイヤレス・アクセス・ポイント(例えば、Bluetooth若しくはWiFi)又はワイヤレス・アクセス・ポイントに接続するための無線回路(例えば、トランシーバ、アンテナ、増幅器)を含んでもよい。ネットワーク・インターフェース616はまた、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)、ワイド・エリア・ネットワーク(「WAN:wide area network」)、ワイヤレスLAN、パーソナル・エリア・ネットワーク(「PAN:personal area network」)、若しくはイントラネットなどのコンピュータのネットワーク(network of computers)、又はインターネットなどのネットワークのネットワーク(network of networks)の一部にコンピュータを接続するためのハードウェア(例えば、Ethernet(登録商標)ハードウェア)を含んでもよい。電子システム600のいずれか又はすべての構成要素を、本開示と併せて使用することができる。
【0090】
上記のこれらの機能は、コンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにおいて実装されてもよい。1つ又は複数のコンピュータ・プログラム製品を使用して本技法を実装することができる。プログラマブル・プロセッサ及びコンピュータをモバイル・デバイスに含めるか又はモバイル・デバイスとしてパッケージ化することができる。1つ又は複数のプログラマブル・プロセッサによって、また1つ又は複数のプログラマブル論理回路によって、プロセス及び論理フローを実行することができる。説明した注入機能用に特別に構成された汎用及び専用のコンピューティング・デバイス並びにストレージ・デバイスを、通信ネットワークを介して相互接続することができる。
【0091】
いくつかの実装形態は、コンピュータ・プログラム命令を機械可読又はコンピュータ可読媒体(コンピュータ可読記憶媒体、機械可読媒体、又は機械可読記憶媒体とも呼ばれる)に記憶する、マイクロプロセッサ、ストレージ、及びメモリなどの電子構成要素を含む。このようなコンピュータ可読媒体のいくつかの実例には、RAM、ROM、読み取り専用コンパクト・ディスク(CD-ROM:read-only compact disc)、記録可能コンパクト・ディスク(CD-R:recordable compact disc)、書き換え可能コンパクト・ディスク(CD-RW:rewritable compact disc)、読み出し専用デジタル多用途ディスク(例えば、DVD-ROM:read-only digital versatile disc、2層DVD-ROM)、様々な記録可能/書き換え可能DVD(DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RWなど)、フラッシュ・メモリ(例えば、SDカード、mini-SDカード、micro-SDカードなど)、磁気及び/又はソリッド・ステート・ハード・ドライブ、読み取り専用及び記録可能Blu-Ray(登録商標)ディスク、超高密度光ディスク、及び任意の他の光学又は磁気媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行可能であり様々な動作を実行するための命令セットを含むコンピュータ・プログラムを記憶することができる。コンピュータ・プログラム又はコンピュータコードの実例には、コンパイラによって生成されるような機械コード、及びインタプリタを使用してコンピュータ、電子構成要素、又はマイクロプロセッサによって実行される高レベル・コードを含むファイルが含まれる。
【0092】
上記の説明は主に、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ又はマルチコア・プロセッサについて言及しているが、いくつかの実装形態は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)などの1つ又は複数の集積回路によって実行される。いくつかの実装形態では、そのような集積回路は、回路自体に記憶されている命令を実行する。
【0093】
本出願の本明細書及び任意の特許請求の範囲で使用される「コンピュータ」、「サーバ」、「プロセッサ」、及び「メモリ」という用語はすべて、電子デバイス又は他の技術デバイスを指す。これらの用語は、人又は人のグループを除外する。本明細書の目的のために、表示する(display)又は表示している(displaying)という用語は、電子デバイス上に表示することを意味する。本出願の本明細書及び任意の特許請求の範囲で使用される「コンピュータ可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによって読み取り可能な形式で情報を記憶する有形の物理的オブジェクトに完全に限定される。これらの用語は、ワイヤレス信号、有線ダウンロード信号、及び任意の他の一時的な信号を除外する。
【0094】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載されている本主題の実装形態は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティング・デバイス、例えば、マウス又はトラック・ボールとを有するコンピュータ上で実装され得る。ユーザとの対話を提供するために、他の種類のデバイスも同様に使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどとすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む任意の形式で受け取ることができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスとの間でドキュメントを送受信することによって、例えば、ウェブ・ブラウザから受信された要求に応じてユーザのクライアント・デバイス上のウェブ・ブラウザ上にウェブ・ページを送信することによって、ユーザと対話することができる。
【0095】
本明細書に記載された本主題の実施例は、バック・エンド構成要素、例えばデータ・サーバを含む、又はミドルウェア構成要素、例えばアプリケーション・サーバを含む、又はフロント・エンド構成要素、例えば、ユーザが本明細書に記載されている本主題の実装形態と対話することができるグラフィカル・ユーザ・インターフェース若しくはウェブ・ブラウザを有するクライアント・コンピュータ、又は1つ若しくは複数のそのようなバック・エンド構成要素、ミドルウェア構成要素、若しくはフロント・エンド構成要素の任意の組合せを含む、特別に構成されたコンピューティング・システムにおいて実装され得る。システムの構成要素は、デジタル・データ通信の任意の形式又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの実例には、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)及びワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、インター・ネットワーク(例えば、インターネット)、並びにピア・ツー・ピア・ネットワーク(例えば、アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワーク)が含まれる。
【0096】
コンピューティング・システムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に、互いに離れており、通信ネットワークを介して対話する場合がある。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータで実行され、互いにクライアントとサーバの関係を有するコンピュータ・プログラムによって発生する。いくつかの実装形態では、サーバは、(例えば、データをクライアント・デバイスと対話するユーザに対して表示し、そのユーザからユーザ入力を受信するために)データ(例えば、HTMLページ)をクライアント・デバイスに送信する。クライアント・デバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)は、サーバでクライアント・デバイスから受信することができる。
【0097】
当業者は、本明細書に記載の様々な例示的なブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又は両方の組合せとして実装され得ることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を例示するために、様々な例示的なブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムについて、それらの機能性の観点から一般的に説明してきた。このような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定のアプリケーション及び設計上の制約に依存する。説明した機能性は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で実装されてもよい。本技術の範囲からすべて逸脱することなく、様々な構成要素及びブロックが、異なって構成されてもよい(例えば、異なる順序で構成されてもよく、又は異なる方法で分割されてもよい)。
【0098】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が、例示的な手法の説明であることを理解されたい。設計上の嗜好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が再構成されてもよいことが理解される。ステップのうちのいくつかが同時に実行されてもよい。添付の方法請求項は、様々なステップの要素をサンプルの順序で提示しており、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意図するものではない。
【0099】
本技術の条項としての例示:
本開示の態様の様々な実例について、便宜上、番号付きの条項(1、2、3など)として説明する。これらは実例として提供されており、本技術を限定するものではない。図及び参照番号の識別は、単に実例として、説明を目的として以下に提供されており、条項はそれらの識別によって限定されない。
【0100】
条項1 ロッキング・キャップ・アセンブリは、上側ハウジングと、上側ハウジングに回転可能に接続され、容器に嵌合するように構成された下側ハウジングと、近距離通信(NFC)入力を無線で受信するように構成されたNFCモジュールと、誘導充電コイルと、マイクロプロセッサと、ラッチング機構であって、上側ハウジング及び下側ハウジングが相互に回転するのを防止するように構成されたロッキング・ラッチ、並びに、マイクロプロセッサから受信された信号及び誘導充電コイルによって生成された電流に応答してラッチをロック及びロック解除するように構成された電気作動構成要素を含むラッチング機構とを含む。下側ハウジングは、下側ハウジング内に複数のロッキング・ベーンを含み、ロッキング・ベーンは、下側ハウジングが容器と機械的に係合しているときに、下側ハウジングに対する上側ハウジングの回転に応じて下側ハウジングの内径サイズを可変的に画定するように構成される。ロッキング・キャップ・アセンブリは、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第1の方向の回転に応じて容器の周りで複数のベーンを収縮させることによって、容器をロックするように構成され、マイクロプロセッサは、NFCモジュールからNFC入力を受信し、NFCモジュールによって受信されたNFC入力が容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応するとマイクロプロセッサが判定したことに応答して、ロッキング・ラッチをロック解除し、下側ハウジングに対する上側ハウジングの第2の方向の回転を可能にして、複数のロッキング・ベーンを後退させ、下側ハウジングを容器から解放するように構成される。
【0101】
条項2 下側ハウジング内のベーン位置決めリングをさらに備え、ベーン位置決めリングが、複数のロッキング・ベーン及び上側ハウジングに結合されており、ベーン位置決めリングが上側ハウジングとともに下側ハウジングに対して回転するとき、ベーン位置決めリングが複数のロッキング・ベーンを延出又は後退させる、条項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0102】
条項3 下側ハウジング内に位置付けられた複数のロッキング・スロットをさらに備え、ロッキング・ラッチが、上側ハウジングからの複数のロッキング・スロットのうちの1つに係合するように構成される、条項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0103】
条項4 上側ハウジング内に配置されたディスプレイをさらに含み、ディスプレイが、容器内の薬剤及び薬剤の受取人に関連付けられた一意識別子を提示するように構成される、条項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0104】
条項5 ロッキング・キャップ・アセンブリが、ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスに一意識別子を送信し、一意識別子がデバイスに送信されてデバイスによって読み取られた後、NFCモジュールを介して、ロッキング・キャップ・アセンブリに近接するデバイスから承認を受け取るように構成される、条項4に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0105】
条項6 デバイスから無線電力充電を受け取り、ロッキング・キャップ・アセンブリの電気作動構成要素に電力を供給するための電気構成要素をさらに備える、条項5に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0106】
条項7 下側ハウジングが上側ハウジングと容器との間に位置付けられる、条項2に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0107】
条項8 電気作動構成要素が、ベーン位置決めリングに結合され、マイクロプロセッサから受信された信号に応答して、下側ハウジングに対する上側ハウジングのモータ駆動回転を引き起こして、容器上でロッキング・キャップ・アセンブリをロック又はロック解除するように構成される、条項7に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0108】
条項9 ロッキング・ラッチの位置を判定してロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング状態を判定するように構成された光学センサをさらに備える、条項1から8までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0109】
条項10 容器内の薬剤の予定された投与よりも前の所定時間に、人間が認識可能な出力を発するように構成されたブザーをさらに備える、条項1から9までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0110】
条項11 人間が認識可能な出力が、音又は振動のうちの少なくとも1つである、条項10に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0111】
条項12 NFCモジュールが、ロッキング・キャップ・アセンブリが容器からロック解除されているとの判定に応答してデータ・ネットワークに情報を通信するように構成される、条項1から10までのいずれか一項に記載のロッキング・キャップ・アセンブリ。
【0112】
条項13 薬剤容器を固定する方法であって、ロッキング・キャップ・アセンブリ内の近距離通信(NFC)モジュールによって、ロッキング・キャップ・アセンブリの近くに置かれたデバイスからNFCモジュールの通信チャネルを介して無線で送信された承認コードを受信するステップと、承認コードが有効な承認コードであるとの判定に従って、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるかどうかを判定するステップと、現在の時間が薬剤投与時間間隔内であるとの判定に従って、NFCモジュールによって受信された入力が薬剤容器からロッキング・キャップ・アセンブリを解放するための承認に対応しているとき、ロッキング・キャップ・アセンブリのロッキング・ラッチを解放してロッキング・キャップ・アセンブリの複数のロッキング・ベーンが後退できるようにするステップであって、複数のロッキング・ベーンが中央開口部のサイズを可変的に画定し、複数のロッキング・ベーンがロッキング・キャップ・アセンブリのロック状態で薬剤容器と機械的に係合するように構成され、ロッキング・ラッチを解放するための電力が、通信チャネルを介したデバイスからロッキング・キャップ・アセンブリのモータへの無線エネルギー伝達によって提供される、ステップとを含む、方法。
【0113】
条項14 デバイスがデバイスのNFCモジュールを使用してロッキング・キャップ・アセンブリに関連付けられた一意識別子を読み取った後にデバイスによって送信された承認コードを受信するステップをさらに含む、条項13に記載の方法。
【0114】
条項15 データ・ネットワークを介して承認情報を取得する複数の承認済みのモバイル端末によってロック解除されるように薬剤容器が構成されるように、薬剤容器をロック解除するための承認情報をデータ・ネットワークに記憶するステップをさらに含む、条項13又は14に記載の方法。
【0115】
条項16 デバイスが携帯電話を含み、有効な承認コードが暗号学的ハッシュ・コードとして携帯電話からロッキング・キャップ・アセンブリに送信され、ロッキング・キャップ・アセンブリが有効な承認コードを解読するための解読キーを含む、条項13から15までのいずれか一項に記載の方法。
【0116】
条項17 薬剤容器がロック解除された後、ロッキング・キャップ・アセンブリのNFCモジュールを介してデータをデータ・ネットワークに送信するステップと、薬剤容器内の薬剤がいつ投与されたかに関する記録をデータ・ネットワークにおいて維持するステップとをさらに含む、条項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
【0117】
条項18 薬剤容器内の薬剤の予定された後続の投与よりも前の所定時間に、ロッキング・キャップ・アセンブリにおいて警報を鳴らすステップをさらに含む、条項13から17までのいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項19 薬剤容器内の薬剤に関する投薬量又は他の情報を提供するために、薬剤容器がロック解除された後にロッキング・キャップ・アセンブリ上の表示を更新するステップをさらに含む、条項13から18までのいずれか一項に記載の方法。
【0119】
条項20 ロッキング・キャップ・アセンブリを解放するためのアクセス・コードを第1の承認済みのモバイル・デバイスから第2の承認済みのモバイル・デバイスに伝達するステップをさらに含む、条項13から19までのいずれか一項に記載の方法。
【0120】
さらなる考慮事項:
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が、例示的な手法の説明であることを理解されたい。設計上の嗜好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が再構成されてもよいことが理解される。ステップのうちのいくつかが同時に実行されてもよい。添付の方法請求項は、様々なステップの要素をサンプルの順序で提示しており、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意図するものではない。
【0121】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実践できるようにするために提供されたものである。前述の説明は、本技術の様々な実例を提供しており、本技術はこれらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正形態は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、他の態様に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す態様に限定されることを意図するものではなく、文言の特許請求の範囲と一致する完全な範囲が与えられるべきであり、要素についての単数形での言及は、特に明記しない限り、「唯一」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味することを意図している。特に明記しない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の(his))は、女性形及び中性形(例えば、彼女の(her)及びその(its))を含み、逆もまた同様である。見出し及び小見出しがある場合、それらは、便宜上使用されているにすぎず、本明細書に記載の発明を限定するものではない。
【0122】
本明細書で使用されるウェブサイトという用語は、1つ又は複数のウェブ・ページ、ウェブ関連コンテンツをホスト又は記憶するために使用される1つ又は複数のサーバなどを含む、ウェブサイトの任意の態様を含む場合がある。したがって、ウェブサイトという用語は、ウェブ・ページ及びサーバという用語と交換可能に使用される場合がある。「ように構成された」、「ように動作可能である」、及び「ようにプログラムされた」という述語は、主語の特定の有形又は無形の修正を暗示するものではなく、むしろ、交換可能に使用されることを意図している。例えば、動作又は構成要素を監視及び制御するように構成されたプロセッサは、プロセッサが動作を監視及び制御するようにプログラムされていること、又はプロセッサが動作を監視及び制御するように動作可能であることも意味する場合がある。同様に、コードを実行するように構成されたプロセッサは、コードを実行するようにプログラムされた又はコードを実行するように動作可能なプロセッサとして解釈され得る。
【0123】
本明細書で使用される自動という用語は、ユーザの介入なしのコンピュータ又はマシンによる、例えば、コンピュータ若しくはマシン又は他の開始メカニズムによる述語アクションに応答する命令による性能を含む場合がある。「実例」という単語は、本明細書では「実例又は例示としての役割を果たすこと」を意味するために使用される。「実例」として本明細書に記載される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0124】
「態様」などの語句は、そのような態様が本技術に不可欠であることも、そのような態様が本技術のすべての構成に適用されることも意味するものではない。態様に関する開示は、すべての構成又は1つ若しくは複数の構成に適用されてもよい。態様は、1つ又は複数の実例を提供する場合がある。態様などの語句は、1つ又は複数の態様を指す場合があり、その逆も同様である。「実施例」などの語句は、そのような実施例が本技術に不可欠であることも、そのような実施例が本技術のすべての構成に適用されることも意味するものではない。実施例に関する開示は、すべての実装形態又は1つ若しくは複数の実装形態に適用されてもよい。実施例は、1つ又は複数の実例を提供する場合がある。「実施例」などの語句は、1つ又は複数の実施例を指す場合があり、その逆も同様である。「構成」などの語句は、そのような構成が本技術に不可欠であることも、そのような構成が本技術のすべての構成に適用されることも意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成又は1つ若しくは複数の構成に適用されてもよい。構成は、1つ又は複数の実例を提供する場合がある。「構成」などの語句は、1つ又は複数の構成を指す場合があり、その逆も同様である。
【0125】
本明細書で使用される「決定する」又は「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、算出すること、計算すること、処理すること、導出すること、生成すること、取得すること、検索すること(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造内で検索すること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。「決定すること」は、ユーザの介入なしにハードウェア要素を介して、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。
【0126】
本明細書で使用される「提供する」又は「提供すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。例えば、「提供すること」は、後で取り出すためにストレージ・デバイスのある位置に値を記憶すること、少なくとも1つの有線又は無線通信媒体を介して受信側に値を直接送信すること、値への参照を送信又は記憶することなどを含み得る。「提供すること」は、ハードウェア要素を介して、符号化すること、復号すること、暗号化すること、解読すること、実証すること、検証することなども含み得る。
【0127】
本明細書で使用される「メッセージ」という用語は、情報を通信する(例えば、送信又は受信する)ための多種多様なフォーマットを包含する。メッセージは、XML文書、固定フィールド・メッセージ、カンマ区切りメッセージ、JSON、カスタム・プロトコルなどの機械可読情報の集合体を含み得る。メッセージは、いくつかの実施例では、情報の1つ又は複数の表現を送信するために利用される信号を含み得る。単数形で述べられているが、メッセージが複数の部分で作成、送信、保存、受信などされ得ることを理解されたい。
【0128】
本明細書で使用される「対応する」又は「対応している」という用語は、2つ以上のオブジェクト間、データ・セット間、情報間などの構造的、機能的、量的、及び/若しくは質的な相関又は関係を包含し、対応又は関係は、2つ以上のオブジェクト、データ・セット、情報などのうちの1つ又は複数を同一又は同等に見えるように翻訳するために使用され得ることが好ましい。対応は、閾値、値の範囲、ファジー論理、パターン照合、機械学習評価モデル、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を使用して評価されてもよい。
【0129】
いずれの実施例においても、生成又は検出されたデータを「遠隔」のデバイス又は場所に転送することができ、ここで、「遠隔」とは、プログラムが実行される場所又はデバイス以外の場所又はデバイスを意味する。例えば、遠隔地は、同じ都市における別の場所(例えば、オフィス、研究室など)、異なる都市における別の場所、異なる州における別の場所、異なる国における別の場所である可能性がある。したがって、あるアイテムが別のアイテムの「遠隔」にあると示されている場合、これは、2つのアイテムが同じ部屋にあるが離れている又は少なくとも異なる部屋にある若しくは異なる建物にある可能性があること、及び2つのアイテムが少なくとも1.61km(1マイル)、16.1km(10マイル)、若しくは161km(100マイル)離れている可能性があることを意味する。情報を「通信する」とは、好適な通信チャネル(例えば、私設又は公共のネットワーク)を経由して、その情報を電気信号として表しているデータを送信することについて言及している。アイテムを「転送する」とは、そのアイテムを物理的に輸送することによるのか又は(可能であれば)それ以外の方法によるのかにかかわらず、そのアイテムをある場所から次の場所に移動させる任意の手段を指し、少なくともデータの場合には、データを搬送する媒体を物理的に輸送すること又はそのデータを通信することを含む。通信媒体の実例には、無線又は赤外線伝送チャネル、並びに、別のコンピュータ又はネットワーク接続されたデバイスへのネットワーク接続、及びインターネット又はセルラ・ネットワークが含まれる。
【0130】
本明細書で使用される「ユーザ・インターフェース」(対話型ユーザ・インターフェース、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、又はUIとも呼ばれる)は、入力信号を受信する若しくは電子情報を提供するため且つ/又は受信した任意の入力信号に応答してユーザに情報を提供するための、データ・フィールド及び/又は他の制御要素を含むネットワークベースのインターフェースを指す場合がある。制御要素には、ダイヤル、ボタン、アイコン、選択可能エリア、又は対話(例えば、クリック、タッチ、選択など)されたときに、UIを提示するデバイスのためにデータ交換を開始する、UIを介して提示される他の認識可能な指標が含まれ得る。UIは、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML:hyper-text mark-up language)、FLASH(商標)、JAVA(登録商標)、.NET(商標)、ウェブ・サービス、又はリッチ・サイト・サマリ(RSS:rich site summary)などの技術を使用して、全体的又は部分的に実装されてもよい。いくつかの実装形態では、UIは、記載された態様のうちの1つ又は複数に従って通信する(例えば、データを送信又は受信する)ように構成されたスタンドアロン・クライアント(例えば、シック・クライアント、ファット・クライアント)に含まれてもよい。通信は、医療デバイス、診断デバイス、監視デバイス、又はそれらと通信するサーバとの間の通信であってもよい。
【国際調査報告】