(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】機械的アウトレット
(51)【国際特許分類】
F16L 41/12 20060101AFI20240228BHJP
F16B 2/10 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
F16L41/12
F16B2/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557009
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022025876
(87)【国際公開番号】W WO2022231956
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン, マシュー エー.
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ, クリストファー エー.
(72)【発明者】
【氏名】オルブライト, クリストファー
【テーマコード(参考)】
3H019
3J022
【Fターム(参考)】
3H019DA03
3J022DA12
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC17
3J022EC22
3J022FB07
3J022GA03
3J022GA12
3J022GA14
3J022GB23
(57)【要約】
機械的アウトレットは、ストラップを使用して、ダクトを有するサドルにパイプ要素を締めつけることによって、T継手を形成する。ストラップおよびサドルの一端が、調節可能留め具を介して取り付けられる。サドルおよびストラップ上の角度を付けて向けられた作用および反作用表面は、留め具が堅く締められ、パイプ要素に実質的に形状適合しているストラップに引っ張り負荷をかけ、それをサドルに対して圧縮すると、互いに係合する。ストラップおよびサドルの反対端は、ヨークおよび拡大ヘッドを介して互いに係合し、それらの端部が係合解除されることを可能にし、パイプ要素のストラップとサドルとの間への挿入を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ要素においてT継手を形成するための機械的アウトレットであって、前記機械的アウトレットは、
前記パイプ要素を受け取るための中心空間を部分的に包囲するサドルであって、ダクトが、前記サドルを通して延び、前記中心空間の中に延びている内側部分を有し、前記パイプ要素内の開口部と係合可能である、サドルと、
前記中心空間を部分的に包囲するストラップと
を備え、
前記ストラップの第1の端部は、調節可能留め具を介して前記サドルの第1の端部に取り付けられ、前記ストラップの第2の端部および前記サドルの第2の端部は、前記ストラップの前記サドルへの取り付けのためのフックアセンブリを備え、
前記ストラップは、前記第1の端部において、前記ストラップの前記第2の端部が前記サドルの前記第2の端部に取り付けられていない第1の位置と、前記ストラップの前記第2の端部が前記サドルの前記第2の端部に取り付けられた第2の位置との間で旋回可能である、機械的アウトレット。
【請求項2】
前記ダクトは、前記サドルから突出している外側部分をさらに備えている、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項3】
前記サドルの前記第1の端部に近接して位置付けられた作用表面と、
前記作用表面と対面関係において前記ストラップの前記第1の端部に近接して位置付けられた反作用表面と
をさらに備え、
前記作用表面と前記反作用表面とは、前記調節可能留め具の縦軸に対して角度を付けて向けられており、それによって、前記調節可能留め具が前記サドルと前記ストラップの前記第1の端部とを互いに向かって引き寄せ、前記作用表面と反作用表面とを係合するように調節されると、前記ストラップは、前記サドルの前記第1の端部に向かって引っ張られる、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項4】
前記作用表面は、
前記中心空間と前記調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り作用表面と、
外寄り作用表面と
を備え、
前記調節可能留め具は、前記内寄り作用表面と前記外寄り作用表面との間に位置付けられており、
前記反作用表面は、
前記中心空間と前記調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り反作用表面と、
外寄り反作用表面と
を備え、
前記調節可能留め具は、前記内寄り反作用表面と前記外寄り反作用表面との間に位置付けられている、請求項3に記載の機械的アウトレット。
【請求項5】
前記フックアセンブリは、
前記サドルまたは前記ストラップのいずれかの前記第2の端部に位置付けられたヨークと、
前記サドルまたは前記ストラップのいずれかの前記第2の端部に位置付けられた拡大ヘッドと
を備え、
前記ヘッドは、前記ストラップの前記第2の端部を前記サドルの前記第2の端部に取り付けるために、前記ヨークに係合する、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項6】
前記ヨークは、前記サドルの前記第2の端部上に位置付けられ、前記拡大ヘッドは、前記ストラップの前記第2の端部上に位置付けられている、請求項5に記載の機械的アウトレット。
【請求項7】
前記サドルの前記第1の端部上に位置付けられたサドルラグであって、前記サドルラグは、前記調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する、サドルラグと、
前記ストラップの前記第1の端部上に位置付けられたストラップラグであって、前記ストラップラグは、前記調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する、ストラップラグと
をさらに備えている、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項8】
前記サドルラグまたは前記ストラップラグのうちの少なくとも1つは、前記調節可能留め具に隣接した隙間空間を画定する、請求項7に記載の機械的アウトレット。
【請求項9】
前記調節可能留め具は、ボルトとナットとを備えている、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項10】
前記ダクトの前記外側部分は、その周囲に延びている円周方向溝を備えている、請求項2に記載の機械的アウトレット。
【請求項11】
前記ダクトの前記内側部分を包囲しているシールをさらに備えている、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項12】
前記ダクトの前記外側部分は、ねじ山付きである、請求項2に記載の機械的アウトレット。
【請求項13】
前記ストラップの前記第1の端部に近接して位置付けられ、前記中心空間に面する逃がし領域をさらに備えている、請求項1に記載の機械的アウトレット。
【請求項14】
前記逃がし領域は、前記ストラップの表面の曲率が隙間を提供するように改変され、それによって、前記パイプ要素をより良好に収容する前記ストラップの一部を備えている、請求項13に記載の機械的アウトレット。
【請求項15】
パイプ要素においてT継手を形成するための工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットであって、前記工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットは、
前記パイプ要素を受け取るための中心空間を部分的に包囲するサドルであって、ダクトが、前記サドルを通して延び、前記中心空間の中に延びている内側部分を有し、前記パイプ要素内の開口部と係合可能である、サドルと、
前記中心空間を部分的に包囲するストラップと
を備え、
前記ストラップの第1の端部は、調節可能留め具を介して前記サドルの第1の端部に取り付けられ、前記ストラップの第2の端部および前記サドルの第2の端部は、前記ストラップの前記サドルへの取り付けのためのフックアセンブリを備え、
前記工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットは、第1または第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供され、
前記第1の工場で事前に組み立てられた状態において、前記ストラップは、前記第1の端部において、前記ストラップの前記第2の端部が前記サドルの前記第2の端部に取り付けられていない第1の位置に旋回させられており、
前記第2の工場で事前に組み立てられた状態において、前記ストラップは、前記ストラップの前記第2の端部が前記サドルの前記第2の端部に取り付けられた第2の位置に旋回させられている、工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項16】
前記ダクトは、前記サドルから突出している外側部分をさらに備えている、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項17】
前記サドルの前記第1の端部に近接して位置付けられた作用表面と、
前記作用表面と対面関係において前記ストラップの前記第1の端部に近接して位置付けられた反作用表面と、
をさらに備え、
前記作用表面および前記反作用表面は、前記調節可能留め具の縦軸に対して角度を付けて向けられており、それによって、前記調節可能留め具が前記サドルおよび前記ストラップの前記第1の端部を互いに向かって引き寄せ、前記作用および反作用表面を係合するように調節されると、前記ストラップは、前記サドルの前記第1の端部に向かって引っ張られる、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項18】
前記作用表面は、
前記中心空間と前記調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り作用表面と、
外寄り作用表面と
を備え、
前記調節可能留め具は、前記内寄り作用表面と前記外寄り作用表面との間に位置付けられており、
前記反作用表面は、
前記中心空間と前記調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り反作用表面と、
外寄り反作用表面と
を備え、
前記調節可能留め具は、前記内寄り反作用表面と前記外寄り反作用表面との間に位置付けられている、請求項17に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項19】
前記フックアセンブリは、
前記サドルまたは前記ストラップのいずれかの前記第2の端部に位置付けられたヨークと、
前記サドルまたは前記ストラップのいずれかの前記第2の端部に位置付けられた拡大ヘッドと
を備え、
前記ヘッドは、前記ストラップの前記第2の端部を前記サドルの前記第2の端部に取り付けるために、前記ヨークに係合する、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項20】
前記ヨークは、前記サドルの前記第2の端部上に位置付けられ、前記拡大ヘッドは、前記ストラップの前記第2の端部上に位置付けられている、請求項19に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項21】
前記サドルの前記第1の端部上に位置付けられたサドルラグであって、前記サドルラグは、前記調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する、サドルラグと、
前記ストラップの前記第1の端部上に位置付けられたストラップラグであって、前記ストラップラグは、前記調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する、ストラップラグと
をさらに備えている、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項22】
前記サドルラグまたは前記ストラップラグのうちの少なくとも1つは、前記調節可能留め具に隣接した隙間空間を画定する、請求項21に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項23】
前記調節可能留め具は、ボルトとナットとを備えている、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項24】
前記ダクトの前記外側部分は、その周囲に延びている円周方向溝を備えている、請求項16に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項25】
前記ダクトの前記内側部分を包囲しているシールをさらに備えている、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項26】
前記ダクトの前記外側部分は、ねじ山付きである、請求項16に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項27】
前記ストラップの前記第1の端部に近接して位置付けられ、前記中心空間に面する逃がし領域をさらに備えている、請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項28】
前記逃がし領域は、前記ストラップの表面の曲率が隙間を提供するように改変され、それによって、前記パイプ要素をより良好に収容する前記ストラップの一部を備えている、請求項27に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット。
【請求項29】
請求項15に記載の工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットを使用して、パイプ要素においてT継手を形成する方法であって、前記方法は、
前記工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが前記第1または前記第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供されると、
前記パイプ要素を前記中心空間内に位置付けることと、
前記ダクトの前記内側部分を前記パイプ要素における前記開口部に係合することと、
前記工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが前記第1の工場で事前に組み立てられた状態で提供されると、
前記ストラップをその第1の端部の周りで旋回させ、それによって、前記ストラップの前記第2の端部を前記サドルの前記第2の端部に向かって移動させることと、
前記ストラップの第2の端部を前記サドルの第2の端部に取り付けることと、
前記工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが前記第1または前記第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供されると、
前記調節可能留め具を調節し、前記サドルおよび前記ストラップの前記第1の端部を互いに向かって引き寄せ、それによって、前記ストラップを前記サドルの前記第1の端部に向かって引っ張ることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年4月27日に出願された、米国仮出願第63/180,115号に基づき、その優先権を主張し、該出願は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パイプ要素および他の構成要素を接続するための機械的アウトレットに関する。
【背景技術】
【0003】
「T」継手を形成するサドルタイプの機械的アウトレットは、効果的であるが、設置が、多くの場合、4つ以上の別個の部品が技術者によって取り扱われることを要求するので、不利点に悩まされる。設置は、したがって、形成されるべき継手が、他のパイプ、建具類、および機器で込み入っている場所、またはアクセスが限定された壁、床、または天井に近接して扱いにくく位置付けられている場所にあるとき、時間がかかり、困難であり得る。機械的アウトレットを改良し、T継手をより迅速に形成するための機会が、明確に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、パイプ要素においてT継手を形成するための機械的アウトレットに関する。例示的実施形態において、機械的アウトレットは、パイプ要素を受け取るための中心空間を部分的に包囲するサドルを備えている。ダクトが、サドルを通して延び、中心空間の中に延びている内側部分を有する。内側部分は、パイプ要素内の開口部と係合可能である。ストラップが、部分的に中心空間を包囲する。ストラップの第1の端部は、調節可能留め具を介してサドルの第1の端部に取り付けられる。ストラップの第2の端部およびサドルの第2の端部は、ストラップのサドルへの取り付けのためのフックアセンブリを備えている。ストラップは、第1の端部において、ストラップの第2の端部がサドルの第2の端部に取り付けられていない第1の位置と、ストラップの第2の端部がサドルの第2の端部に取り付けられている第2の位置との間で旋回可能である。
【0005】
例として、ダクトは、サドルから突出している外側部分をさらに備え得る。作用表面が、サドルの第1の端部に近接して位置付けられ得、反作用表面が、作用表面と対面関係においてストラップの第1の端部に近接して位置付けられ得る。例示的実施形態において、作用表面および反作用表面は、調節可能留め具がサドルおよびストラップの第1の端部を互いに向かって引き寄せ、作用および反作用表面を係合するように調節されると、ストラップがサドルの第1の端部に向かって引っ張られるように、調節可能留め具の縦軸に対して角度を付けて向けられる。
【0006】
例示的実施形態において、作用表面は、中心空間と調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り作用表面と、外寄り作用表面とを備えている。調節可能留め具が、内寄り作用表面と外寄り作用表面との間に位置付けられる。反作用表面は、中心空間と調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り反作用表面と、外寄り反作用表面とを備えている。調節可能留め具は、内寄り反作用表面と外寄り反作用表面との間に位置付けられる。
【0007】
例示的実施形態において、フックアセンブリは、サドルまたはストラップのいずれかの第2の端部に位置付けられたヨークと、サドルまたはストラップのいずれかの第2の端部に位置付けられた拡大ヘッドとを備えている。ヘッドは、ストラップの第2の端部をサドルの第2の端部に取り付けるためのヨークに係合する。具体的例では、ヨークは、サドルの第2の端部上に位置付けられ、拡大ヘッドは、ストラップの第2の端部上に位置付けられる。
【0008】
例示的実施形態は、サドルの第1の端部上に位置付けられたサドルラグをさらに備え得る。サドルラグは、調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する。ストラップラグは、ストラップの第1の端部上に位置付けられる。ストラップラグは、調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する。サドルラグまたはストラップラグのうちの少なくとも1つは、調節可能留め具に隣接した隙間空間を画定する。例として、調節可能留め具は、ボルトとナットとを備え得る。さらなる例では、ダクトの外側部分は、その周囲に延びている円周方向溝を備えている。シールが、ダクトの内側部分を包囲し得る。ダクトの外側部分は、ねじ山付きであり得る。
【0009】
本発明による例示的機械的アウトレットは、ストラップの第1の端部に近接して位置付けられ、中心空間に面する逃がし領域をさらに備え得る。具体的例では、逃がし領域は、ストラップの表面の曲率が隙間を提供するように改変されるストラップの一部備え、それによって、パイプ要素をより良好に収容する。
【0010】
本発明は、パイプ要素においてT継手を形成するための工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットをさらに包含する。例示的実施形態において、工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットは、部分的にパイプ要素を受け取るための中心空間を包囲するサドルを備えている。ダクトが、サドルを通して延び、中心空間の中に延びている内側部分を有し、パイプ要素内の開口部と係合可能である。ストラップが、部分的に中心空間を包囲する。ストラップの第1の端部は、調節可能留め具を介してサドルの第1の端部に取り付けられる。ストラップの第2の端部およびサドルの第2の端部は、ストラップのサドルへの取り付けのためのフックアセンブリを備えている。工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットは、第1または第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供される。第1の工場で事前に組み立てられた状態において、ストラップは、第1の端部において、ストラップの第2の端部がサドルの第2の端部に取り付けられていない第1の位置に旋回させられる。第2の工場で事前に組み立てられた状態において、ストラップは、ストラップの第2の端部がサドルの第2の端部に取り付けられた第2の位置に旋回させられる。
【0011】
例として、ダクトはさらに、サドルから突出している外側部分を備えている。例として、本発明による工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットは、サドルの第1の端部に近接して位置付けられた作用表面をさらに備えている。反作用表面が、作用表面と対面関係においてストラップの第1の端部に近接して位置付けられる。作用表面および反作用表面は、調節可能留め具が、サドルおよびストラップの第1の端部を互いに向かって引き寄せ、作用および反作用表面を係合するように調節されると、ストラップがサドルの第1の端部に向かって引っ張られるように、調節可能留め具の縦軸に対して角度を付けて向けられる。
【0012】
例示的実施形態において、作用表面は、中心空間と調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り作用表面と、外寄り作用表面とを備えている。調節可能留め具は、内寄り作用表面と外寄り作用表面との間に位置付けられる。作用表面はまた、中心空間と調節可能留め具との間に位置付けられた内寄り反作用表面と、外寄り反作用表面とを備えている、反作用表面を備えている。調節可能留め具は、内寄り反作用表面と外寄り反作用表面との間に位置付けられる。
【0013】
本発明による例示的実施形態において、フックアセンブリは、サドルまたはストラップのいずれかの第2の端部に位置付けられたヨークを備えている。拡大ヘッドが、サドルまたはストラップのいずれかの第2の端部に位置付けられる。ヘッドは、ストラップの第2の端部をサドルの第2の端部に取り付けるためのヨークに係合する。例として、ヨークは、サドルの第2の端部上に位置付けられ、拡大ヘッドは、ストラップの第2の端部上に位置付けられる。
【0014】
本発明による工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットの例示的実施形態は、サドルの第1の端部上に位置付けられたサドルラグをさらに備え得る。サドルラグは、調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する。ストラップラグが、ストラップの第1の端部上に位置付けられる。ストラップラグは、調節可能留め具を受け取るための開口部を画定する。サドルラグまたはストラップラグのうちの少なくとも1つは、調節可能留め具に隣接した隙間空間を画定する。例として、調節可能留め具は、ボルトとナットとを備えている。例示的実施形態において、ダクトの外側部分は、その周囲に延びている円周方向溝を備えている。シールが、ダクトの内側部分を包囲し得る。ダクトの外側部分は、ある例では、ねじ山付きであり得る。逃がし領域が、中心空間に面して、ストラップの第1の端部に近接して位置付けられ得る。例示的実施形態において、逃がし領域は、ストラップの表面の曲率が、隙間を提供し、それによって、パイプ要素をより良好に収容するように改変される、ストラップの一部を構成する。
【0015】
本発明は、本発明による工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットを使用して、パイプ要素においてT継手を形成する方法をさらに包含する。例示的実施形態において、方法は、
工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが第1または第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供されると、
パイプ要素を中心空間内に位置付けることと、
ダクトの内側部分とパイプ要素内の開口部を係合することと、
工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが第1の工場で事前に組み立てられた状態で提供されると、
ストラップをその第1の端部を中心として旋回させ、それによって、ストラップの第2の端部をサドルの第2の端部に向かって移動させることと、
ストラップの第2の端部をサドルの第2の端部に取り付けることと、
工場で事前に組み立てられた機械的アウトレットが第1または第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかで提供されると、
調節可能留め具を調節し、サドルおよびストラップの第1の端部を互いに向かって引き寄せ、それによって、ストラップをサドルの第1の端部に向かって引っ張ることと
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1および2は、第1の工場で事前に組み立てられた状態で示される本発明による例示的機械的アウトレットの等角図である。
【
図2】
図1および2は、第1の工場で事前に組み立てられた状態で示される本発明による例示的機械的アウトレットの等角図である。
【
図3】
図3は、本発明による例示的機械的アウトレットの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、拡大尺度における
図3に示される機械的アウトレットの一部の断面図である。
【
図3B】
図3Bは、拡大尺度における
図3に示される機械的アウトレットの一部の断面図である。
【
図3C】
図3Cは、パイプ要素とともに組み立てられている
図3に示される例示的機械的アウトレットの断面図である。
【
図3D】
図3Dは、パイプ要素上に組み立てられている
図3に示される例示的機械的アウトレットの軸方向図である。
【
図4】
図4および5は、第2の工場で事前に組み立てられた状態に示される例示的機械的アウトレットの等角図である。
【
図5】
図4および5は、第2の工場で事前に組み立てられた状態に示される例示的機械的アウトレットの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、パイプ要素においてT継手を形成するための機械的アウトレットに関する。
図1および2は、本発明による例示的機械的アウトレット10を示す。機械的アウトレット10は、サドル12を備え、それは、パイプ要素(図示せず)を受け取るための中心空間14を部分的に包囲する。サドル12は、異なるサイズで提供され、異なる曲率半径を有し、異なるパイプ直径を収容する。ダクト16が、サドル12を通して延びている。
図3に示されるように、ダクト16は、中心空間14の中に延びている内側部分18を有する。内側部分18は、パイプ要素の側壁内の開口部に係合するようにサイズを決定される。シール20が、ダクト16の内側部分18を包囲し、サドル12とパイプ要素との間で圧縮されると、それらの間のシールを提供する。例示的シール20は、ゴム化合物等のエラストマから形成され、いくつかの例示的シール構造を挙げると、単純ガスケットまたは圧力活性化シールを備え得る。工場で事前に組み立てられた機械的アウトレット(下記に説明される)では、シール20が、継手の組立中、弛んだ部品ではないようにサドル12に保持される場合、有利である。シール20は、内側部分18に対するまたはサドルに対する摩擦嵌めを介して、ポケット19内に保持され得る。
図1-3にさらに示されるように、ダクト16は、外側部分22も備え得、それは、中心空間14から離れるようにサドル12から突出している。外側部分22は、いくつかの例を挙げると、弁、スプリンクラー、または別のパイプ要素等の別の構成要素と係合可能である。この例示的実施形態において、ダクト16の外側部分22は、円周方向溝24を具備し、機械的結合を介した取り付けを可能にする。外側部分22は、ねじ山付きでもあり得、特定の構成要素との適合性のために適切なように、内部または外部ねじ山を伴う。
【0018】
機械的アウトレット10はまた、ストラップ26を備えている。ストラップ26は、サドル12と同一材料(例えば、延性の鉄)から形成され、ストラップ26も、中心空間14を部分的に包囲し得る。
図3に示されるように、ストラップ26の第1の端部28は、サドル12の第1の端部30に取り付けられる。この例では、取り付けは、ナット34と、ボルト36とを備えている調節可能留め具32(以降、「留め具32」)による。
図1および2と
図4および5の比較によって示されるように、ストラップ26の第2の端部38は、フックアセンブリ13(下記に説明される)を介して、サドル12の第2の端部40に取り付け可能である。
図1および2は、ストラップ26の第2の端部38がサドル12の第2の端部40に取り付けられていない構成における機械的アウトレット10を示す。ストラップ26のこの第1の位置は、下記に解説されるように、機械的アウトレット10の第1の工場で事前に組み立てられた状態を表す。
図4および5は、ストラップの第2の端部38がサドル12の第2の端部40に取り付けられた第2の工場で事前に組み立てられた状態を備えている第2の位置におけるストラップ26を示す。ストラップ26は、第1の端部28において、第1の位置と第2の位置との間で旋回運動可能である。
【0019】
サドル12とストラップ26との間の旋回可能な取り付けは、この例示的実施形態において、サドル12の第1の端部30上に位置付けられたサドルラグ42と、ストラップ26の第1の端部28上に位置付けられたストラップラグ44とを使用して、もたらされる。サドルラグ42およびストラップラグ44の両方は、留め具32を受け取るためのそれぞれの開口部46および48を画定する(
図3参照)。
図1における第1の工場で事前に組み立てられた状態に示されるように、留め具32は、それがストラップとサドルとが互いに対して旋回することを可能にするラグ42と44との間の間隙50を可能にしながら、ストラップ26をサドル12に対して保持するように調節される。この旋回能力は、組立中、機械的アウトレット10が開放され、パイプ要素を中心空間14内に受け取ることを可能にする。旋回運動が、留め具32の周りで生じるので、サドルラグ42およびストラップラグ44のそれぞれの開口部46および48のうちの少なくとも一方または両方が、サドル12とストラップ26との間の旋回運動を可能にするように、留め具32の周りでラグまたは複数のラグ内の隙間空間を画定するように形状およびサイズを決定されることが有利である。
【0020】
図3、3A、3B、および3Cは、機械的アウトレット10の締めつけ特徴を図示する。締めつけ特徴は、作用表面60と反作用表面62との間の係合によってもたらされる(
図3A)。作用表面60が、その第1の端部30に近接して、サドル12上に位置付けられ、反作用表面62が、その第1の端部28に近接して、ストラップ26上に位置付けられる。この例では、作用および反作用表面は、それぞれ、サドルラグ42およびストラップラグ44上にある。作用表面60は、反作用表面62と対面関係にある。
図3Aおよび3Bに示されるように、サドル12上の作用表面60は、「内寄り」作用表面60aおよび「外寄り」作用表面60bに分割され得、内寄り作用表面60aは、中心空間14と留め具32との間に位置付けられ、留め具32は、外寄り作用表面60bと内寄り作用表面60aとの間に位置付けられる。同様に、反作用表面62は、「内寄り」反作用表面62aおよび「外寄り」反作用表面62bに分割され得る。内寄り反作用表面62aは、中心空間14と留め具32との間に位置付けられる。留め具32は、外寄り反作用表面62bと内寄り反作用表面62aとの間に位置付けられる。
【0021】
アウトレット10は、
図3Aおよび3Bに図示されるように、ある範囲のパイプ要素外径許容誤差を収容するように設計される。
図3Aは、内寄り反作用表面62aに係合する内寄り作用表面60aを示し、間隙が、外寄り作用表面60bと外寄り反作用表面62bとの間にある。本状況は、外径許容誤差範囲の下限における外径を有するパイプ要素が、留め具32が堅く締められることに先立って、中心空間14内に受け取られるときに生じる。
図3Bは、外寄り反作用表面62bに係合する外寄り作用表面60bを示し、間隙が、内寄り作用表面60aと内寄り反作用表面62aとの間にある。この状況は、外径許容誤差範囲の上限における外径を有するパイプ要素が、留め具32が堅く締められることに先立って、中心空間14内に受け取られるときに生じる。
【0022】
作用表面60および反作用表面62は、最初、留め具32の縦軸64に対して角度を付けて向けられており、それによって、留め具がそれらを係合するように引き寄せるように調節されると(しっかりと締められると)、作用および反作用表面60と62との間の角度を付けて向けられる界面を通して働く留め具32によって加えられる圧縮力は、ストラップ26がサドル12の第1の端部30に向かって引っ張られるようにする。したがって、
図3に示されるように、その第2の端部38がサドル12の第2の端部40に取り付けられると、張力が、ストラップ26内に発生させられる。
図3Cに示されるように、ストラップ26に加えられる張力は、作用および反作用表面60と62とを対面して係合させ、中心空間14内に受け取られるパイプ要素15をサドル12に対して圧縮し、それによって、シール20も圧縮し、流体密継手を機械的アウトレットとパイプ要素との間にもたらすであろう。実践的設計に関して、作用および反作用表面60、62と留め具32の縦軸64との間の配向角66は、30°~60°に及び得、約55°の配向角が、有利である。さらに、ストラップ26の曲率半径が、変形させられていないとき(
図3)、それが係合するパイプ要素の外面の半径より大きい場合、有利である。この寸法関係は、パイプ要素の中心空間14の中へのより容易な挿入を可能にし、また、改善された締めつけ作用のために、ストラップ26がパイプ要素に実質的に形状適合することを可能にする(
図3C)。サドル12は、変形させられていないとき(
図3)、有利なこととして、許容誤差範囲内のパイプ要素の外面に実質的に合致した曲率半径を有する。
【0023】
図3Bにさらに示されるように、サドル12とストラップ26との間の旋回運動は、外寄り作用および反作用表面60bと62bとを停止表面として使用して、限定され得る。作用および反作用表面60bと62bとの対面関係およびその近接度(留め具32によって制御される)は、外寄り反作用表面62bが、ストラップ26の第2の端部38がサドル12の第2の端部40に取り付けられていないとき、外寄り作用表面60bに接触し、それによって、中心空間14内に受け取られたパイプ要素(図示せず)の縦軸と実質的に平行であるラグ42と44との間を通過する軸58(
図1参照)まわりのストラップとサドルとの間の旋回運動の範囲を限定し得るようなものである。
【0024】
図2および3に示されるように、ストラップ26およびサドル12の第2の端部38および40は、フックアセンブリ13を使用して、互いに解放可能に取り付け可能である。この例示的実施形態において、フックアセンブリ13は、ヨーク68を備え、それは、拡大ヘッド70を受け取る。この例示的実施形態において、ヨーク68は、サドル12の第2の端部40に位置付けられ、拡大ヘッド70は、ストラップ26の第2の端部38に位置付けられるが、位置は、逆転され得る。ヨーク68と拡大ヘッド70との間の確動機械係合を提供するために、拡大ヘッドは、円筒形状に成形され、ヨーク68内に形成された凹面表面72内に受け取られ得る。
【0025】
T継手を形成するための機械的アウトレット10の使用は、機械的アウトレットが、
図1および2(第1の工場で事前に組み立てられた状態)または4および5(第2の工場で事前に組み立てられた状態)に示されるように、2つの工場で事前に組み立てられた状態のうちの1つにおいて受け取られることから開始する。機械的アウトレット10は、示されるように提供され得るか、または、弁またはスプリンクラー等の構成要素が、ダクト16の外側部分22に取り付けられて供給され得る。ストラップ26およびサドル12の第1の端部28および30は、留め具32によって、互いに緩く取り付けられる。ストラップ26およびサドル12の第2の端部38および40は、係合されることも、そうでないこともある。パイプ要素(図示せず)は、第1または第2の工場で事前に組み立てられた状態のいずれかにおいて、サドルおよびストラップによって包囲される、中心空間14内に位置付けられ得る。機械的アウトレット10が、第2の工場で事前に組み立てられた状態(
図4および5)にあるとき、パイプ要素は、パイプ要素の自由端を中心空間14の中に挿入することによって、中心空間14内に位置付けられ得る。機械的カップリング10が、第1の工場で事前に組み立てられた状態(
図1および2)にあるとき、パイプ要素は、ストラップ26およびサドル12のそれぞれの係合解除された端部38と40との間に、その端部の中間においてパイプ要素を通すことによって、中心空間14内に位置付けられる。
図3Cに示されるように、ダクト16の内側部分18は、次に、パイプ要素15内の開口部17と係合され、シール20が、最初に、パイプ要素とサドル12との間に圧縮されるであろう。
図1-3および3Cに示されるように、第1の工場で事前に組み立てられた状態にある場合、ストラップ26は、その第1の端部において、軸58まわりで旋回させられ、それによって、ストラップの第2の端部38をサドルの第2の端部40に向かって移動させる。ストラップ26の第2の端部38は、次いで、拡大ヘッド70をヨーク68の凹面表面72と係合することによって、サドル12の第2の端部40に取り付けられる。次に、留め具32が、堅く締められ、ストラップ26およびサドル12の第1の端部28および30を互いに向かって引き寄せ、作用表面60を反作用表面62と係合する(
図3B参照)。留め具32のさらなる堅い締め付けは、作用表面と反作用表面とに互いにスライドさせ、それによって、ストラップ26をサドル12の第1の端部30に向かって引っ張る。ストラップ26への緊張は、それに変形させ、パイプ要素をサドルに対して締めつけさせ、シール20を圧縮し、流体密継手をパイプ要素と機械的アウトレット10との間に形成する。第2のパイプ要素、弁、スプリンクラー等(図示せず)の構成要素が、次いで、まだ存在していない場合、ダクト16の外側部分22に取り付けられ得る。取り付けは、例えば、機械的結合を使用して、溝24に係合することによってもたらされ得るか、または、外側部分22が、特定の着目構成要素を収容するために、必要に応じて、ねじ山付き(内側または外側ねじ山)であり得る。
図2、3、および3Dに示されるように、逃がし領域25をストラップ26上に含むことは、有利であり、逃がし領域は、ストラップ26の第1の端部28に近接し、中心空間14に面して位置する。逃がし領域25は、ストラップの表面の曲率が、隙間を提供し、機械的アウトレット10の組立中、パイプ要素15をより良好に収容するように改変されるストラップ26の一部を構成する。逃がし領域25は、第1および第2の工場で事前に組み立てられた状態の両方の組立のために有益であり、例えば、ストラップ26の鋳造中、形成され得るか、または、ストラップは、逃がし領域25を含むように機械加工され得る。
【0026】
本発明による機械的アウトレットは、弛んだ部品が取り扱われる必要がなく、1つのみのボルトが、継手を固定するために堅く締められる必要があるので、接続部のより効率的組立を含む多数の利点を提供することが予期される。パッド間係合は、組立が完了したことの視覚的指示を提供し、留め具に加えられたトルクを測定する必要性を取り除く。パッド間係合は、トルクを加え過ぎた留め具に起因して、ラグがストラップまたはサドルから切り落とされる破壊モードも回避する。
【0027】
本明細書に説明される主張される発明の実施形態の全ては、単に一例として、明示的に提供される。無数の変形および修正が、本開示の概念から逸脱することなく、本明細書に説明される例示的実施形態に対して行われ得る。加えて、本開示の範囲は、本明細書および請求項において説明され、図面に示される全ての要素、特徴、および側面のあらゆる修正および組み合わせを包含することが意図される。あらゆるそのような修正および組み合わせは、本開示の範囲内にあることが意図される。
【国際調査報告】