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特表2024-510277海洋洗浄システムのための洗浄ヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】海洋洗浄システムのための洗浄ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B63B 59/08 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
B63B59/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557118
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 AU2022050214
(87)【国際公開番号】W WO2022192938
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2021900746
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523352321
【氏名又は名称】フランマリン アンダーウォーター サービシズ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FRANMARINE UNDERWATER SERVICES PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ディアバーグ、ロジャー ウェイン リチャード
(57)【要約】
沈水表面を洗浄するために使用される海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドは、使用中に沈水表面に隣接して配置されるとともに沈水表面に対して相対的に移動させられるように構成された本体を含む。本体は、本体を取り囲む吸引領域と流体連通している少なくとも1つの吸引孔を画定する。支持アームが本体から延在し、支持アームは、使用中に、沈水表面上の材料を沈水表面から分離させるとともに、吸引領域において懸濁させるように構成される、洗浄要素を支持する。沈水表面から分離された材料は吸引孔を通じて吸引領域から引き離される。支持アームは、接合部が使用中に洗浄要素の前方に作動的に配置された状態で、洗浄要素が接合部から離れるように横方向に間を空けた関係で支持されるように、本体との接合部から延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈水表面を洗浄するために使用される海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドであって、
沈水表面に隣接して配置されるとともに前記沈水表面に対して相対的に移動させられるように構成された本体と、
使用中に前記本体の周りの吸引領域と流体連通している少なくとも1つの吸引孔と、
前記本体から延在する少なくとも1つの支持アームであって、前記本体との接合部から延在する少なくとも1つの支持アームと、
各支持アームにより支持された洗浄要素であって、前記本体が前記沈水表面に対して作動方向に移動させられる使用中に、前記洗浄要素が、前記沈水表面上の材料を前記沈水表面から分離させるとともに、前記吸引領域において懸濁させるように構成され、前記沈水表面から分離された前記材料が前記吸引孔を通じて前記吸引領域から引き離される、洗浄要素と、
を含み、
前記洗浄要素は、前記接合部が使用中に前記洗浄要素の前方に作動的に配置されるように、前記接合部から離れるように横方向に間を空けて配される、洗浄ヘッド。
【請求項2】
前記本体は実質的に管状であり、前記吸引孔が前記本体の一端に提供され、開口が前記本体の反対側の端部に提供される、請求項1に記載の洗浄ヘッド。
【請求項3】
前記開口は、前記本体が前記開口から前記吸引孔に向かって収束するように、前記吸引孔の断面積より大きい断面積を有する、請求項2に記載の洗浄ヘッド。
【請求項4】
前記本体は、使用中に前記沈水表面に実質的に平行に方向付けることが前記洗浄要素を予め選択された作動的洗浄傾斜角度に方向付けることを支援するように、前記洗浄要素に対して傾斜する床を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項5】
前記本体は、前記床内に埋め込まれた1つ又は複数の磁石を含み、前記磁石は、前記床を強磁性沈水表面に対して摺動可能に保持するように構成される、請求項4に記載の洗浄ヘッド。
【請求項6】
前記洗浄要素はスクレーパ本体とスクレーパブレードとを含み、前記スクレーパブレードは、前記スクレーパ本体の一体部分であるか、別個の部品であって前記スクレーパに解放可能に接合される、請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項7】
前記洗浄要素は平板形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項8】
前記洗浄要素は、その凹形面が前記本体の方に向けられた弓形形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項9】
前記洗浄要素は、前記洗浄要素の中央部分が前記洗浄要素の対向する外側部分より上に隆起するような弓形形状を有する、請求項8に記載の洗浄ヘッド。
【請求項10】
前記洗浄要素は、前記本体の横幅より実質的に幅が広い横幅を有し、前記洗浄要素は前記本体を越えて横方向に突出する対向する翼状部を画定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項11】
前記洗浄ヘッドは、前記本体の両側に、前記洗浄要素と前記本体との間に提供された対向するチャネルをさらに含み、前記チャネルは、前記洗浄ヘッドの周りの吸引領域から前記吸引孔に向かう流体の流れを可能にするように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項12】
前記チャネルは、使用中に前記吸引領域から前記吸引孔内への流体の流量を増加させるように構成されたベンチュリタイプのくびれを備える、請求項11に記載の洗浄ヘッド。
【請求項13】
前記洗浄要素は前記本体に対して移動可能に支持され、それにより前記チャネルの断面積の調整を可能にする、請求項11または12に記載の洗浄ヘッド。
【請求項14】
前記本体は回転可能なディスクを含み、前記吸引孔は、前記ディスクを通じて横断方向に延在する1つ又は複数の孔を含む、請求項1に記載の洗浄ヘッド。
【請求項15】
前記本体に円周方向の間隔を空けて分離して配置されたいくつかの洗浄要素を含む、請求項14に記載の洗浄ヘッド。
【請求項16】
前記支持アームは、前記本体のより近くへの、又は前記本体からさらに離れるような前記洗浄要素の移動を可能にするように前記本体にフレキシブルに取り付けられる、請求項14または15に記載の洗浄ヘッド。
【請求項17】
前記支持アーム及び前記洗浄要素を前記本体から離れるように付勢するように構成された付勢部材を含む、請求項16に記載の洗浄ヘッド。
【請求項18】
前記付勢部材は、ばね、弾性プラスチック材料又は弾性発泡材料を含む、請求項17に記載の洗浄ヘッド。
【請求項19】
前記洗浄要素は、使用中、前記洗浄要素が、予め選択された作動的洗浄傾斜角度で前記沈水表面に対して作動的に整列させられるように前記接合部に向かって角度が付いている、請求項1から18のいずれか一項に記載の洗浄ヘッド。
【請求項20】
前記傾斜角度は130°~140°である、請求項19に記載の洗浄ヘッド。
【請求項21】
前記傾斜角度は135°である、請求項19または20に記載の洗浄ヘッド。
【請求項22】
沈水表面を洗浄する方法であって、
洗浄ヘッドであって、
本体と、
前記本体から延在する少なくとも1つの支持アームであって、前記本体との接合部から延在する少なくとも1つの支持アームと、
各支持アームにより支持された洗浄要素であって、前記接合部が前記洗浄要素の前方に作動的に配置されるように、前記洗浄要素が前記接合部から離れるように横方向に間を空けて配される、洗浄要素と、
を含む洗浄ヘッドを提供することと、
前記本体が前記沈水表面に隣接して及び前記沈水表面に対して移動可能に配置されるように、前記沈水表面に対して前記洗浄ヘッドを位置決めすることと、
前記本体の周りの吸引領域に吸引力をかけることと、
前記洗浄要素が前記沈水表面上の材料を前記沈水表面から分離させるとともに前記吸引領域において懸濁させるように、前記洗浄ヘッドを前記沈水表面に対して作動方向に移動させることと、
を含み、
前記沈水表面から分離された前記材料は前記吸引孔を通じて前記吸引領域から引き離される、方法。
【請求項23】
前記洗浄ヘッドは、請求項1から21のいずれか一項に記載の洗浄ヘッドである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドに関する。
より具体的には、本開示は、例えば船体又は他の構造、例えばドック桟橋又は杭の水面下部分をきれいにするために、沈水表面を洗浄するために使用される海洋洗浄システムに接続するための洗浄ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
構造物が長い期間にわたり、特に海水において水面下に沈められると、構造物が植物及び動物の増殖物、例えば海藻及び様々な種類のフジツボにより覆われるようになるのが一般的である。多くの場合において、この増殖物は乱されないままであり得る。しかしながら、船体の場合において、増殖物は生物学的付着物を構成するとともに様々な側面で有害である。付着物が船体から除去されない場合、船体自体又はその防汚コーティングの損傷を含み、潜在的には船の航海性能の低下及び増加した燃料消費の増加をもたらす大きな問題が生じ得る。
【0003】
防汚コーティングは、生物学的付着物に対する主な防御手段として船体に施される。シリコンベースのコーティングが、高速船に及びまれに止まる船、例えば海軍の船に一般に使用され、この化合物は、生物学的付着物を本質的に最小化する。コンテナ船舶など低速船において、防汚コーティングは、生物学的付着物の接着を最小化するために活性成分又は殺虫剤、例えばスズ、亜鉛又は銅の酸化物を含む。このような防汚コーティングを大きな船に塗布することは、塗布する及び損傷を受けた場合に修理するのに一般に商業的に費用がかかることが理解されよう。
【0004】
酸化銅を含む防汚コーティングは、その水面下寿命の間、浸出を経る可能性があり、結果として浸出層が防汚コーティングに比較的緩く付くようになる。時を経ると、浸出層は次第に活性が低下するようになるとともに、次第に、より多くの量の生物学的付着物がコーティングに付着し得る。
【0005】
さらに、いくつかの生物は有害である可能性があり、船が様々な港間で世界の海を横断する間に、それらが他の場所に輸送されると、在来種にとって危険となり得る。これらの問題は、生物付着を取り除くために船体を洗浄することにより減少又は回避され得る。多くの場合において、船体の洗浄は、環境を汚染するのを防止するために乾ドックにおいて実施されるが、このアプローチはしばしば費用と時間がかかる。
【0006】
制御されていない水中での洗浄は、現地の海水を汚染する洗浄用化学物質又は生物学的汚染物質を放出し得る。例えば、一部の沈水洗浄及び補修管理プラットフォーム(SCAMP:submerged cleaning and maintenance platform)は、生物学的付着物及びその中の任意の有害な侵略的外来種を破壊するために一体化された羽根車を用いる。しかしながら、生物学的付着物に加えて、洗浄残留物はまた船体コーティング及び腐食副産物の破片を含む可能性があり、その全ては、次いで、単純に周囲の海水の中へ直接排出される。上で言及したとおり、ほとんどの防汚コーティングが殺生物剤としてCu及びZnなどの重金属を含み、それらの殺生物剤は、その後、例えば防汚コーティングの緩く付着した浸出層が船体からこすり落とされた場合、洗浄作業中に水質基準を超え得るレベルで放出される。追加的に、付着物の除去は、生殖繁殖体、又はさらなる増殖又は再生が可能な植物及び動物の破片を放出するように、植物又は動物の増殖物を刺激し得る。
【0007】
したがって、まず、洗浄水及び付着物残留物を環境への排出前に濾過することが好ましい。そのようなシステムの例は特許文献1に開示されており、洗浄ヘッドが本体と、本体の周辺部に延在するスカートとを有し、スカートは船体に対して本体をシールするとともに洗浄チャンバを画定するように機能する。洗浄ヘッドはまた、洗浄チャンバ内の船体から付着物を取り除くためのスクレーパと、洗浄チャンバと流体連通している少なくとも1つの吸引パイプとを含む。使用中、取り除かれた付着物は水によって運ばれ、洗浄された海水が環境に戻る前に、吸引パイプを通じて洗浄ヘッドから濾過ユニット(これは表面に取り付けられ得る)へ引き離される。
【0008】
上記の先行技術システムは、船のプロペラの周りなどの狭い角又は届きにくい領域へ常に向けられることができない、比較的大型のプラットフォーム/車両である。それらはまた、より小型のボート船体、又はドック桟橋又は杭などのより小さい領域を洗浄するためにも、効果的に使用することができない。そのような場合、手動式洗浄ヘッドがより有用であることが多い。
【0009】
いずれかの先行技術の公開物が本明細書において言及される場合、そのような言及は、その公開物が、オーストラリア又は他の任意の国における、当該技術分野における一般知識の一部を形成するということの承認を構成するものではないと理解されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第9550552号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1態様によると、沈水表面を洗浄するために使用される海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドが提供され、洗浄ヘッドは、
沈水表面に隣接して配置されるとともに沈水表面に対して相対的に移動させられるように構成された本体と、
使用中に本体の周りの吸引領域と流体連通している少なくとも1つの吸引孔と、
本体から延在する少なくとも1つの支持アームであって、本体との接合部から延在する少なくとも1つの支持アームと、
各支持アームにより支持された洗浄要素であって、本体が沈水表面に対して作動方向に移動させられる使用中に、洗浄要素が、沈水表面上の材料を沈水表面から分離させるとともに、吸引領域において懸濁させるように構成され、沈水表面から分離された材料が吸引孔を通じて吸引領域から引き離される、洗浄要素と、
を含み、
洗浄要素は、接合部が使用中に洗浄要素の前方に作動的に配置されるように、接合部から離れるように横方向に間を空けて配される。
【0012】
本体は実質的に管状であってもよく、吸引孔が本体の一端に提供され、開口が本体の反対側の端部に提供される。開口は、本体が開口から吸引孔に向かって収束するように、吸引孔の断面積より大きい断面積を有し得る。
【0013】
本体は、使用中に沈水表面に実質的に平行に方向付けることが洗浄要素を予め選択された作動的洗浄傾斜角度に方向付けることを支援するように、洗浄要素に対して傾斜し得る床を含む。一実施形態において、本体は、床内に埋め込まれた1つ又は複数の磁石を含み、磁石は、床を強磁性沈水表面に対して摺動可能に保持するように構成される。
【0014】
洗浄要素はスクレーパ本体とスクレーパブレードとを含み得る。スクレーパブレードはスクレーパ本体の一体部分であってもよい。代替的に、スクレーパブレードは別個の部品であり得るとともにスクレーパに解放可能に接合され得る。
【0015】
洗浄要素は平板形状を有してもよい。
一実施形態において、洗浄要素は、その凹形面が本体の方に向けられた弓形形状を有する。この実施形態において、洗浄要素は、洗浄要素の中央部分が洗浄要素の対向する外側部分より上に隆起するような弓形形状を有し得る。
【0016】
洗浄要素は、本体の横幅より実質的に幅が広い横幅を有してもよく、洗浄要素は本体を越えて横方向に突出する対向する翼状部を画定する。
洗浄ヘッドは、本体の両側に、洗浄要素と本体との間に提供された対向するチャネルを含んでもよく、チャネルは、洗浄ヘッドの周りの吸引領域から吸引孔に向かう流体の流れを可能にするように構成される。チャネルは、使用中に吸引領域から吸引孔内への流体の流量を増加させるように構成されたベンチュリタイプのくびれを画定し得る。洗浄要素は本体に対して移動可能に支持されてもよく、それによりチャネルの断面積の調整を可能にする。
【0017】
一例において、本体は回転可能なディスクを含んでもよく、吸引孔は、ディスクを通じて横断方向に延在する1つ又は複数の孔を含む。洗浄ヘッドは、本体に円周方向の間隔を空けて分離して配置されたいくつかの洗浄要素を含み得る。
【0018】
一実施形態において、支持アームは、本体のより近くへの、又は本体からさらに離れるような洗浄要素の移動を可能にするように本体にフレキシブルに取り付けられる。洗浄ヘッドは、支持アーム及び洗浄要素を本体から離れるように付勢するように構成された付勢部材を含み得る。付勢部材は、ばね、弾性プラスチック材料又は弾性発泡材料であってもよい。
【0019】
洗浄要素は、使用中、洗浄要素が、予め選択された作動的洗浄傾斜角度で沈水表面に対して作動的に整列させられるように接合部に向かって角度が付いていてもよい。一例において、傾斜角度は130°~140°である。一例において、傾斜角度は135°である。
【0020】
本開示の第2態様によると、沈水表面を洗浄する方法が提供され、方法は、
洗浄ヘッドであって、
本体と、
本体から延在する少なくとも1つの支持アームであって、本体との接合部から延在する少なくとも1つの支持アームと、
各支持アームにより支持された洗浄要素であって、接合部が洗浄要素の前方に作動的に配置されるように、洗浄要素が接合部から離れるように横方向に間を空けて配される、洗浄要素と、
を含む洗浄ヘッドを提供することと、
本体が沈水表面に隣接して及び沈水表面に対して移動可能に配置されるように、沈水表面に対して洗浄ヘッドを位置決めすることと、
本体の周りの吸引領域に吸引力をかけることと、
洗浄要素が沈水表面上の材料を沈水表面から分離させるとともに吸引領域において懸濁させるように、洗浄ヘッドを沈水表面に対して作動方向に移動させることと、
を含み、
沈水表面から分離された材料は吸引孔を通じて吸引領域から引き離される。
【0021】
上記及び他の特徴は、以下の説明から及び添付の概略図を参照してより明らかとなる。以下の図面は、説明のみを目的として与えられるとともに決して限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】手動での使用のために構成された海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドの第1実施形態の正面斜視図である。
図2図1に示された洗浄ヘッドの背面斜視図である。
図3図1に示された洗浄ヘッドの側面図である。
図4図1に示された洗浄ヘッドの平面図である。
図5】自動化された洗浄プラットフォームにおける使用のために構成された海洋洗浄システムのための洗浄ヘッドの第2実施形態の上方斜視図である。
図6図5に示された洗浄ヘッドの下方斜視図である。
図7図5に示された洗浄ヘッドの底面図である。
図8図5に示された洗浄ヘッドの側面図である。
図9】洗浄ヘッドのさらなる実施形態の背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、船体又は他の構造、例えばドック桟橋又は杭の水面下部分を洗浄するためなど、沈水表面を洗浄するために使用される海洋洗浄システムへの接続のための洗浄ヘッド10に関する。本発明の実施形態は船体の洗浄に関連して説明されるが、他の用途も想定されることが理解されるべきである。
【0024】
図1~4は、洗浄ヘッド10の一実施形態を示す。洗浄ヘッド10は、管状の本体12であって、その一端に開口14を有し、その反対側の端部に吸引孔16を有する管状の本体12を含む。吸引孔16は好適な吸引パイプ(図示せず)へ接合されるように構成され、したがって、吸引パイプが締め付けられ得る円筒形の排出口の形状を有し得る。
【0025】
本体12は、沈水表面に隣接して配置されるとともに使用中に沈水表面に対して作動方向に移動させられるように構成される。作動方向は矢印18により示され、本体12は、開口14から吸引孔16に向かう方向に移動させられる。
【0026】
以下の説明を目的として、「前方」及び「後方」という用語は移動の作動方向を示すことが理解されるべきである。したがって、「前方」は、吸引孔16に対して、又は図1~3に示される洗浄ヘッド10の右に向かう位置に対して、最も近い又は基端側にある洗浄ヘッド10の特徴又は部分を指すために本明細書において使用される。反対に、「後方」は、吸引孔16に対して、又は図1~3に示される洗浄ヘッド10の左に向かう位置に対して、最も遠い又は先端側にある洗浄ヘッド10の特徴又は部分を指すために本明細書において使用される。
【0027】
例示的実施形態において、本体12は、対向する側壁24により床22に接合された屋根20を有する略四辺形の断面を有する。
洗浄ヘッド10は、通常は吸引孔16から中心に延在する中心軸26を有する。洗浄ヘッド10の例示的な実施形態は、中心軸26を通り垂直に延在する対称面を中心として鏡面対称である、すなわち、対称面は屋根20及び床22を通り中心に延在する。
【0028】
本体12は、屋根20が開口14に向かってより大きい横断方向寸法αを有するとともに吸引孔16に向かってより小さい横断方向寸法βを有するように、平面図において見られると形が略台形である(図4を参照)。したがって、本体12が開口14から吸引孔16に向かって収束するように、開口14は吸引孔16の断面積より大きい断面積を有する。
【0029】
図3においてより明らかに見られ得るとおり、床22が中心軸26に対して傾斜している一方で、屋根20は中心軸26に対して実質的に平行に方向付けられている。床22は、したがって、屋根20に対しても傾斜しており、床22は、開口14で又は開口14の近くで屋根20のより近くに位置する一方で、床22は吸引孔16で又は吸引孔16の近くで屋根20からさらに離れるように間を空けて配される。
【0030】
本体12は、床22内に埋め込まれた1つ又は複数の磁石を含む。使用中において、及び、沈水表面が、例えば船体において典型的に見られるように、強磁性である場合、磁石は、床22を沈水表面に対して摺動可能に接触するように保持するように構成される。
【0031】
洗浄ヘッド10は、本体に提供された操縦取付具を含み、この操縦取付具は、操縦力が本体12にかけられることを可能にするように構成される。図1~4に示される例示的実施形態において、操縦取付具は、本体12の屋根20に接合されたハンドル28である。ハンドル28は、屋根20から外向きに突出する円筒形柱状物である。場合により、ハンドル28は屋根20から直角に突出し得る。しかしながら、ハンドル28は単に、洗浄ヘッド10をユーザが保持及び操縦することを可能にするために機能するだけであり、したがって、ハンドル28は他の形でも提供され得る、例えば球状ノブ、円弧状ボウハンドル、又はU字形又はL字形バーハンドルであることが認められるべきである。さらに他の例において、操縦取付具は、本体12において凹部、例えばオペレータの手により把持され得る1つ又は複数の指かけ凹部を含み得る。
【0032】
支持アーム30が本体12から延在し、支持アーム30は接合部32で屋根20に接合される。支持アーム30は、支持アーム30が開口14の上にかかるように軸方向に床22を越えて延在する。例示的実施形態において、支持アーム30は、屋根20と同一平面上にあるように整列させられるとともに、本質的には、屋根20の一体的な延在部を形成する。しかしながら、他の実施形態において、支持アーム30は屋根20からオフセットされても、屋根20に対して角度が付いていてもよい。
【0033】
使用中に接合部32が洗浄要素34の前方に作動的に配置されるように、洗浄要素34が接合部32から横方向に間を空けて配された状態で、洗浄要素34は、支持アーム30から垂れ下がる。洗浄要素34は、開口14の後方に横方向に間隔を空けてあり、及びまたハンドル28の後方に位置する。使用中、洗浄要素34が沈水表面に対して(及びしたがって床22に対して)130°~140°の角度θで作動的に整列させられるように、洗浄要素34は、開口14に向かって前方に/内向きに角度が付いている(図3を参照)。一例において、角度θは135°である。
【0034】
例示的実施形態において、洗浄要素34は、開口14から離れる方を向く外面38、開口14の方に向く内面40、及び下縁42を有する、スクレーパ本体36を含む。スクレーパ本体36は支持アーム30と一体的であり得る。スクレーパ本体36には、その下縁42に沿ってその下縁42を越えて延在する一体的なスクレーパブレード44が設けられる。スクレーパブレード44は、スクレーパブレード44の上縁が内面40に沿って延在する周縁部46を画定するように、スクレーパ本体36の内部にある。周縁部46はスクレーパ本体36を強化するとともに使用中に生じ得るその任意の屈曲を緩和するために強化構造として機能する。
【0035】
例示的な実施形態は一体的なスクレーパ本体36及びスクレーパブレード44を示しているが、他の実施形態において、スクレーパブレード44はスクレーパ本体36とは別個であり得るとともに好適な手段によりそれに解放可能に接合され得る。一例において、スクレーパブレード44はスクレーパ本体36にボルト締めされ得る。別の例において、スクレーパブレード44は、スクレーパ本体36において提供された相補的な大きさのスロット内に受け入れられるとともに摩擦保持されるように構成され得る。
【0036】
例示的実施形態において、スクレーパ本体36及びスクレーパブレード44は、平面図において見られると同心円状の湾曲形状又は弓形形状を有し、それらの凹形面は本体12に向けられ、これは図1及び2においてより明らかに見られる。いくつかの例において、スクレーパ本体36及びスクレーパブレード44は同心円状の球形であり得る。
【0037】
スクレーパ本体36は、開口14から離れるように後方へ間を空けて配されるとともに、スクレーパブレード44が床22に対向するように位置するのに十分な距離だけ垂れ下がる。一例において、スクレーパブレード44の底縁は床22と同一平面上にある。スクレーパブレード44の底縁は尖っている。スクレーパブレード44が弓形である実施形態において、スクレーパブレード44はまた、スクレーパブレード44の中央部分が屋根20より上に及びスクレーパブレード44の対向する外側部分よりも屋根20の近くにあるように弓形とされ得る。
【0038】
洗浄要素34は、その開口14における本体12の横幅より実質的に幅が広い横幅を有する。例示的な実施形態は、本体12より約50%幅が広い洗浄要素34を示す。一例において、洗浄要素34が約300mmの横幅を有する一方で、本体12は開口14において約200mmの横幅を有する。洗浄要素34は、したがって、本体12を越えて横方向に突出する対向する翼状部48を画定する。
【0039】
洗浄ヘッド10は、洗浄要素34と開口14との間で翼状部48の前方に位置する対向するサイドチャネル50を画定する。例示的実施形態において、チャネル50は、開口14の高さと等しい高さを有する。
【0040】
一例において、チャネル50は、チャネル50の断面積が増減し得るように調整可能である幅を有する。この点において、洗浄要素34は、洗浄要素34が本体12に近づくように又は本体12から離れるように軸方向に移動して、それによりチャネル50の幅を調整し得るように、本体12に対して移動可能に支持され得る。例示的実施形態において、支持アーム30は、洗浄要素34が本体12に近づくように又は本体12から離れるように軸方向に移動し得るように、伸長可能である。別の例において、支持アーム30は入れ子式である。別の例において、支持アーム30は、屋根20に摺動可能に接合されるとともに屋根20により支持される。さらなる例において、洗浄要素34は、支持アーム30に摺動可能に接合されるとともに支持アーム30により支持される。洗浄要素34が本体12から必要な距離離れて位置付けられた後で、すなわち、チャネル50の必要な幅が設定されると、支持アーム30及び/又は洗浄要素34は、例えば好適なボルト、クリップ又は割りピンを使用することにより、使用中のそのさらなる望ましくない移動を防ぐために、適所に固定され得る。
【0041】
チャネル50は、洗浄ヘッド10の周りの吸引領域から吸引孔16に向かう流体の流れを可能にするように構成され、使用中、本体12の周りの水(主として、本体12の横方向外側に位置する水である)は、チャネル50及び開口14を通じて本体12内へ、及び次いで吸引孔16を通じて吸引される。チャネル50の断面積の調整は、オペレータが、チャネル50を通る流体の流れの最適な流量を維持することを可能にする。
【0042】
チャネル50の各々は、開口14の横断方向寸法αより小さい断面寸法Φを有する(図4を参照)。一実施形態において、チャネル50の断面寸法Φは、α>2Φとなるように、横断方向寸法αの半分未満である。このような方法で、チャネル50は、本体12を囲む外部環境からチャネル50を通じ、開口14内への水の増加した流量を生じさせるように構成されたベンチュリタイプのくびれを提供するように構成される。
【0043】
図9に示された洗浄ヘッドの別の実施形態において、洗浄要素34は、平面図において見られたときに平板形状を有し得る。
洗浄ヘッド10の例示的な実施形態は、プラスチック材料又は金属でできている一体的な単一の部品である。一例において、洗浄ヘッド10は、ポリウレタン又はナイロンプラスチック材料で製造され得る。一例において、洗浄ヘッド10は、鋼、アルミニウム又はこれらの金属の好適な合金で製造され得る。
【0044】
使用時に、海洋洗浄システムを作動させることは、吸引パイプを通じて吸引を引き起こし、本体12内の低圧をもたらし、これは次いで、水が、チャネル50及び開口14を通じて本体12内へ吸引されるようにする。
【0045】
オペレータが、ハンドル28を把持し得るとともに、床22が沈水表面に実質的に面一になるように、洗浄される船体の沈水表面に隣接するように洗浄ヘッド10を置くことができる。床22内の磁石は、洗浄ヘッド10を沈水表面に対して保持するのを支援し、それにより、洗浄ヘッド10を沈水表面と接触した状態に維持するのに必要な力の圧力の量を減少させる。床22の傾斜角度は、沈水表面に対してスクレーパブレード44を、例えば135°の傾斜角度θで、最適に整列させるように構成される。
【0046】
オペレータは次いで、生物学的付着物を沈水表面からこすり落とすために、洗浄ヘッド10を実質的に中心軸26に沿った前後方向に移動させることができる。洗浄ヘッド10を前方方向に、すなわち吸引孔16に向かう方向に移動させることは、能動的除去ストローク方向を構成することが理解されよう。対照的に、洗浄ヘッド10を後方方向、すなわち洗浄要素34に向かう方向に移動させることは復帰ストローク方向を構成する。これはスクレーパブレード44の傾斜角度θを理由とする。
【0047】
その傾斜角度θと併せて、スクレーパブレード44の尖った底縁は、生物学的付着物を船体から持ち上げて(例えば薄切りにして又は剥がして)離すように動作する。これは、生物学的付着物デブリが船体に沿って引きずられて船体に施された任意の防汚コーティングに追加的な損傷を潜在的に引き起こすのを防ぐ。
【0048】
場合により、生物学的付着物は、固く取り除くのが難しい可能性があり、そのため、洗浄ヘッド10が一度通過した後で必ずしも沈水表面から分離しない。このような場合、スクレーパブレード44は生物学的付着物に乗り上げ、洗浄ヘッド10を短い距離だけ沈水表面から離れるように移動させる。スクレーパブレード44の作動的に前方にあるハンドル28の位置は、オペレータによりかけられる下向きの圧力及び前方方向の力が、スペーサブレード44の作動的に前に加えられることをもたらす。これは、スクレーパブレード44が任意の除去されていない生物学的付着物に乗り上げるのを可能にするのを支援する。
【0049】
それとは対照的に、下向きの力及び前方方向の力がそれらのスクレーパブレードより実質的に上に、又はそれらのスクレーパブレードの作動的に後方に、のいずれかにかけられる他のシステムにおいて、スクレーパブレードは生物学的付着物にはまって抜けられなくなる又は埋め込まれる傾向があり、これにより、スクレーパブレードが生物学的付着物上で曲がり易くなるか又は枢動し易くなることが多く、しばしばブレードに損傷をもたらし、その結果、もはや正しく動作しなくなる。
【0050】
生物学的付着物が沈水表面から分離される際、こする動作中に船体から分離し得る任意の防汚コーティングの任意の緩く付着した浸出層と併せて、材料は周囲の水に取り込まれて、洗浄ヘッド10の周りの「汚れた」水のスラリーをもたらす。このスラリーは、洗浄された水が環境に戻される前にさらなる処理及び濾過のために、吸引孔16及び吸引パイプを介して除去するために、チャネル50及び開口14を通じて本体12内へ吸引される。
【0051】
チャネル50のより小さい開口により引き起こされた増加した流量は、そこから周囲の水が洗浄ヘッド10内へ吸引されることができる吸引領域の範囲を増大させる。これは、生物学的付着物のいずれもが環境に散らばること無しに、実質的に全ての除去された生物学的付着物が洗浄ヘッド10により捕捉されることをもたらす。
【0052】
図5~8は洗浄ヘッド110の第2実施形態を示す。洗浄ヘッド110は、自動化された海洋洗浄システムにおいて、例えば、洗浄ヘッド110がそのハウジング(140)内に回転可能に取り付けられるとともに沈水表面に沿って移動させられるように構成された米国特許第9550552号明細書において説明されたシステムなどにおいて使用されるように構成される。洗浄ヘッド110は、沈水表面に隣接して配置されるとともに使用中に沈水表面に対して作動方向に回転させられるように構成される。作動方向は矢印112により示されている。この実施形態において、ドライブシャフトは、洗浄ヘッド110に操縦力がかけられることを可能にするように構成された操縦取付具として機能する。
【0053】
以下の説明を目的として、「前方」及び「後方」という用語は移動の作動方向を指していることが理解されるべきである。したがって、「前方」は、洗浄ヘッド110の、別の特徴又は部分の回転方向において前にある特徴又は部分を指すために使用される。反対に、「後方」は、洗浄ヘッド110の、別の特徴又は部分の回転方向において後に続く特徴又は部分を指すために使用される。
【0054】
洗浄ヘッド110はディスク形本体114を含む。多くの吸引孔116が本体114を通じて横断方向に延在し、この吸引孔116を通じて、吸引パイプからの吸引が施され得るとともに、これを通じて水及び生物学的付着物のスラリーが使用中に除去され得る。
【0055】
洗浄ヘッド110は、本体114に円周方向に間隔を空けて分離して配置されたいくつかの洗浄部材118をさらに含む。各洗浄部材118は、例えばねじ又はボルト122により本体114に固定されるように構成された取付けブラケット/接合部120を含む。支持アーム124は、ブラケット120から回転方向において後方へ延在し、支持アーム124はその反対側の端部から垂れ下がる洗浄要素126を担持する、すなわちブラケット120は使用中に洗浄要素126の前方に作動的に配置される。
【0056】
支持アーム124は、洗浄要素126が本体114のより近くへ又は本体114からさらに離れるように移動することを可能にするために支持アーム124が屈曲することができるように、ブラケット120において本体114にフレキシブルに取り付けられる。付勢部材128が、支持アーム124及び洗浄要素126を本体114から離れるように付勢するように提供される。図示の例において、付勢部材128は本体114と支持アーム124との間に提供される。付勢部材128はばね、例えば圧縮ばねであることができ、又はそれは弾性プラスチック又は発泡材料の柱状物であることができる。
【0057】
各洗浄要素126は、使用中、洗浄要素126が130°~140°の角度θで沈水表面に対して作動的に整列させられるように、ブラケット120に向かって前方に/内向きに角度が付いている(図8を参照)。一例において、角度θは135°である。
【0058】
この実施形態において、洗浄要素126は、ブラケット120から離れる方を向く外面132と、ブラケット120の方に向く内面134と、下縁136と、を有するスクレーパ本体130を含む。スクレーパ本体130は支持アーム124と一体になっている。
【0059】
スクレーパ本体130は、その下縁136に沿って及びその下縁136を越えて延在するスクレーパブレード138を支持する。本例において、スクレーパブレード138は、スクレーパブレード138の上縁が外面132に沿って延在する周縁部140を画定するように、スクレーパ本体130の外側にある。周縁部140は、スクレーパ本体130を強化するとともに使用中に生じ得るその任意の屈曲を緩和するために、強化構造として機能する。
【0060】
本例において、スクレーパ本体130及びスクレーパブレード138は、平面図において見たときに平板形状を有する。さらに、スクレーパブレード138はスクレーパ本体130にボルト142により固定される。
【0061】
使用中、スクレーパブレード138が取り除きにくい生物学的付着物に遭遇すると、スクレーパブレード138は生物学的付着物に乗り上げる。この移動は支持アーム124の屈曲及び関連する付勢部材128の圧縮により可能にされる。障害物が横断されると、付勢部材128は、スクレーパブレード138を沈水表面と再び接触するように付勢する。
【0062】
スクレーパブレード138の作動的に前方にあるブラケット120の位置は、本体114によりかけられた下向きの及び横方向の力がスクレーパブレード138の作動的に前に加えられるようにする。これは、スクレーパブレード138が任意の除去されていない生物学的付着物に乗り上げることを可能にするのを支援し、これはスクレーパブレード138が生物学的付着物上で曲がる又は枢動する傾向を緩和し、それによりスクレーパブレード138の損傷の可能性を低下させる。
【0063】
幅広く説明された開示の趣旨又は範囲から逸脱すること無しに数多くの変更及び/又は修正が特定の実施形態に示される洗浄ヘッドになされ得ることが当業者により認められる。本発明の実施形態は、したがって、全ての点において、説明のためのものであり限定するためのものではないと考えられる。
【0064】
以下の特許請求の範囲において及び先の説明において、言語又は必要な暗示を原因として文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語又は変化形、例えば「含む(comprises)」又は「含む(comprising)」は非限定的で包含的な意味で、すなわち様々な実施形態における挙げられた特徴の存在を特定するが、さらなる特徴の存在又は追加を排除しないように使用される。不定冠詞「a」による要素への言及は、文脈が1つのみの要素があることを明らかに要求しない限り、2つ以上の要素が存在する可能性を排除しない。
【符号の説明】
【0065】
10 洗浄ヘッド
12 本体
14 開口
16 吸引孔
18 矢印(作動方向)
20 屋根
22 床
24 側壁
26 中心軸
28 ハンドル
30 支持アーム
32 接合部
34 洗浄要素
36 スクレーパ本体
38 外面
40 内面
42 下縁
44 スクレーパブレード
46 周縁部
48 翼状部
50 チャネル
110 洗浄ヘッド
112 矢印(作動方向)
114 本体
116 吸引孔
118 洗浄部材
120 接合部/ブラケット
122 ボルト
124 支持アーム
126 洗浄要素
128 付勢部材
130 スクレーパ本体
132 外面
134 内面
136 下縁
138 スクレーパブレード
140 周縁部
142 ボルト
α 本体のより大きい横断方向寸法
β 本体のより小さい横断方向寸法
θ 洗浄要素の傾斜角度
Φ チャネルの断面寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】