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特表2024-510296バイオエンジニアリングされた内皮構築物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】バイオエンジニアリングされた内皮構築物
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20240228BHJP
   C12N 5/077 20100101ALI20240228BHJP
   A61K 35/44 20150101ALI20240228BHJP
   A61L 27/36 20060101ALI20240228BHJP
   A61L 27/38 20060101ALI20240228BHJP
   A61L 27/40 20060101ALI20240228BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240228BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20240228BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C12N5/071
C12N5/077
A61K35/44
A61L27/36 100
A61L27/36 300
A61L27/38 100
A61L27/38 200
A61L27/38 300
A61L27/40
A61K47/42
A61K47/46
A61P27/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557289
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 AU2022050248
(87)【国際公開番号】W WO2022192967
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2021900795
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500026418
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・シドニー
(71)【出願人】
【識別番号】523353786
【氏名又は名称】サウス・イースタン・シドニー・ローカル・ヘルス・ディストリクト
【氏名又は名称原語表記】South Eastern Sydney Local Health District
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ,ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】サットン,ジェラード
(72)【発明者】
【氏名】オバマス,モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ペツォグル,コンスタンティノス
(72)【発明者】
【氏名】ホア,シェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,リィ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C081
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065BD39
4B065BD41
4B065BD50
4B065CA44
4C076BB24
4C076CC10
4C076EE43
4C081AB21
4C081CD122
4C081CD34
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB63
4C087MA05
4C087MA67
4C087NA14
4C087ZA33
(57)【要約】
本発明は、バイオエンジニアリングされたコラーゲン構築物、並びに当該構築物の調製及び使用のための方法に関する。この構築物及び方法は、置換組織及び/若しくは細胞の提供、並びに/又は組織及び細胞などの生物学的標的への薬剤の送達に適用を見出され得るが、これらに限定されない。この構築物及び方法はまた、内皮組織の置換にも適用を見出され得るが、これらに限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を含む構築物であって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を含む、構築物。
【請求項2】
組成物を含む構築物であって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、
-内皮細胞と、を含む、構築物。
【請求項3】
前記内皮細胞が、角膜内皮細胞である、請求項1又は2に記載の構築物。
【請求項4】
前記内皮細胞が、ヒト内皮細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項5】
前記血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、請求項1、3又は4のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項6】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、形質転換成長因子(TGF-β)、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、請求項1又は3~5のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項7】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、請求項1又は3~6のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項8】
前記フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、請求項7に記載の構築物。
【請求項9】
前記構築物及び/又は前記組成物が、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項10】
前記1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、請求項1~9のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項11】
前記1つ以上の架橋剤が、リボフラビンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項12】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項13】
前記溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、請求項12に記載の構築物。
【請求項14】
前記溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、請求項12又は13に記載の構築物。
【請求項15】
前記溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項16】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、前記2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項17】
前記構築物が、I型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの追加の層を含み、前記追加の層が、
-3~15mg/mlのI型コラーゲンと、
-0.135~0.5Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、請求項12~16のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項18】
各層が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、請求項17に記載の構築物。
【請求項19】
前記構築物が、前記コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、前記第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項20】
前記構築物が、IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-3~15mg/mlのI型コラーゲンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項21】
前記溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、請求項20に記載の構築物。
【請求項22】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、前記2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、請求項20又は21に記載の構築物。
【請求項23】
前記構築物が、前記コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、前記第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、請求項20~22のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項24】
前記構築物及び/又は前記組成物が、哺乳動物細胞を更に含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項25】
前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、請求項24に記載の構築物。
【請求項26】
前記構築物及び/又は前記組成物が、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、イオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、ウシ(Bovine)胎仔血清(FBS)、ウシ(Calf)胎仔血清(FCS)、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を更に含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項27】
前記構築物及び/又は前記組成物が、前記イオン及びアミノ酸を含む、培養培地を含む、請求項26に記載の構築物。
【請求項28】
(i)前記成長因子が、VEGF及び/若しくはFGFを含み、かつ/又は
(ii)前記ビタミンが、リボフラビンを含み、かつ/又は
(iii)前記マトリックスタンパク質が、I型コラーゲンを含み、かつ/又は
(iv)前記マトリックスタンパク質が、ラミニンを含む、請求項26又は27に記載の構築物。
【請求項29】
前記構築物及び/又は前記組成物が、イオンを含み、前記イオンが、前記構築物及び/又は前記組成物中に含まれるイオン性塩の成分である、請求項1~28のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項30】
前記IV型コラーゲンが、中和されている、請求項1~29のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項31】
前記構築物及び/又は前記組成物が、VIII型コラーゲン、ラミニン、ニドゲン、ペルレカンのうちのいずれか1つ以上を更に含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項32】
構築物を調製する方法であって、前記方法が、
(i)組成物を提供することであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を添加することと、を含む、方法。
【請求項33】
構築物を調製する方法であって、前記方法が、
(i)組成物を提供することであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)内皮細胞を添加することと、を含む、方法。
【請求項34】
内皮細胞を培養する方法であって、前記方法が、
(i)組成物を提供することであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を添加することと、を含む、方法。
【請求項35】
内皮細胞を培養する方法であって、前記方法が、
(i)組成物を提供することであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)内皮細胞を添加することと、を含む、方法。
【請求項36】
前記組成物が、(ii)の前に、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、第2の溶液を架橋することによって生成される、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記溶液が、I型コラーゲンを更に含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記内皮細胞が、角膜内皮細胞である、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、請求項32、34又は36~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、bFGF、TGF-β、IGF-1、BDNF、VEGF、EGF、HGF、PDGF、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、請求項32、34又は36~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、請求項32、34又は36~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ステップ(i)及び/又はステップ(ii)においてナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを添加することを更に含む、請求項32~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、請求項32~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ以上の架橋剤が、リボフラビンを含む、請求項32~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、架橋溶液を含む、少なくとも1つの層を含み、前記溶液が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、請求項32~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
前記溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が、前記コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、前記2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、請求項32~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が、前記コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、前記第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、請求項32~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物の少なくとも1つの層が、疎水性材料上で架橋されている、請求項50又は51に記載の方法。
【請求項53】
前記疎水性材料が、シリコーン又はパラフィルムである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記組成物の少なくとも1つの層が、低温材料上で架橋されている、請求項50又は51に記載の方法。
【請求項55】
前記低温材料が、低温金属である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において哺乳動物細胞を添加することを更に含む、請求項32~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、イオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、FBS、FCS、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を添加することを更に含む、請求項32~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記イオン及び/又はアミノ酸が、培養培地中に提供される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
(i)前記成長因子が、VEGF及び/若しくはFGFを含み、かつ/又は
(ii)前記ビタミンが、リボフラビンを含み、かつ/又は
(iii)前記マトリックスタンパク質が、I型コラーゲンを含み、かつ/又は
(iv)前記マトリックスタンパク質が、ラミニンを含む、請求項58又は59に記載の方法。
【請求項61】
ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、イオン性塩の成分としてイオンを添加することを更に含む、請求項32~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記IV型コラーゲンが、中和されている、請求項32~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、VIII型コラーゲン、ラミニン、ニドゲン、ペルレカンのうちのいずれか1つ以上を添加することを更に含む、請求項32~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
請求項32、33又は36~63のいずれか一項に記載の方法によって得られた、又は得ることができる、構築物。
【請求項65】
内皮組織を置換する方法であって、前記方法が、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の構築物を適用することを含む、方法。
【請求項66】
前記内皮組織が、前記角膜内皮を含むか、又はそれからなる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記内皮組織が、ヒト内皮組織である、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
前記内皮組織が、デスメ膜を含むか、又はそれからなる、請求項65~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
角膜損傷又は疾患を治療する方法であって、前記方法が、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の構築物を適用することを含む、方法。
【請求項70】
薬剤を組織に送達する方法であって、前記方法が、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の組成物を前記組織に適用することを含む、方法。
【請求項71】
内皮組織を置換する際に使用するための、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項72】
前記内皮組織が、前記角膜内皮を含むか、又はそれからなる、請求項71に記載の使用。
【請求項73】
前記内皮組織が、ヒト内皮組織である、請求項71又は72に記載の使用。
【請求項74】
前記組織が、デスメ膜を含むか、又はそれからなる、請求項71~73のいずれか一項に記載の使用。
【請求項75】
角膜損傷又は疾患を治療する際に使用するための、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項76】
組織へ薬剤を送達する際に使用するための、請求項1~31又は64のいずれか一項に記載の構築物。
【請求項77】
組成物を含む構築物を生成するためのキット、パッケージ又はデバイスであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
前記キット、パッケージ又はデバイスが、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を更に含む、キット、パッケージ又はデバイス。
【請求項78】
組成物を含む構築物を生成するためのキット、パッケージ又はデバイスであって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
前記キット、パッケージ又はデバイスが、内皮細胞を更に含む、キット、パッケージ又はデバイス。
【請求項79】
前記組成物が、I型コラーゲンを更に含む、請求項77又は78に記載のキット、パッケージ又はデバイス。
【請求項80】
前記キット、パッケージ又はデバイスが、更なる組成物を生成するためのものであり、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、請求項77又は78に記載のキット、パッケージ又はデバイス。
【請求項81】
組成物を含む構築物を調製するための、キット、パッケージ又はデバイスの使用であって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
前記キットパッケージ又はデバイスが、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を更に含む、使用。
【請求項82】
組成物を含む構築物を調製するための、キット、パッケージ又はデバイスの使用であって、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
前記キットパッケージ又はデバイスが、
-内皮細胞を更に含む、使用。
【請求項83】
前記組成物が、I型コラーゲンを更に含む、請求項81又は82に記載の使用。
【請求項84】
前記使用が、更なる組成物を生成するためのものであり、前記組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、請求項81又は82に記載の使用。
【請求項85】
前記内皮細胞が、角膜内皮細胞である、請求項77~80のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~84のいずれか一項に記載の使用。
【請求項86】
前記内皮細胞が、ヒト内皮細胞である、請求項77~80若しくは85のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~85のいずれか一項に記載の使用。
【請求項87】
前記血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、請求項77、79、80、85若しくは86のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80、81若しくは83~86のいずれか一項に記載の使用。
【請求項88】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、bFGF、TGF-β、IGF-1、BDNF、VEGF、EGF、HGF、PDGF、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、請求項77、79、80若しくは85~87のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80、81若しくは83~87のいずれか一項に記載の使用。
【請求項89】
前記血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、請求項77、79、80若しくは85~88のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80、81若しくは83~88のいずれか一項に記載の使用。
【請求項90】
前記フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、請求項89に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
【請求項91】
前記構築物及び/又は前記組成物が、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを更に含む、請求項77~80若しくは85~90のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~90のいずれか一項に記載の使用。
【請求項92】
前記1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、請求項77~80若しくは85~91のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~91のいずれか一項に記載の使用。
【請求項93】
前記1つ以上の架橋剤が、リボフラボンを含む、請求項77~80若しくは85~92のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~92のいずれか一項に記載の使用。
【請求項94】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、請求項77~80若しくは85~93のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~93のいずれか一項に記載の使用。
【請求項95】
前記溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、請求項94に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
【請求項96】
前記溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、請求項94又は95に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
【請求項97】
前記溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、請求項94~96のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
【請求項98】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、前記2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、請求項77~80若しくは85~97のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~97のいずれか一項に記載の使用。
【請求項99】
前記構築物が、前記IV型コラーゲンと、前記1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、前記第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、請求項77~80若しくは85~98のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~98のいずれか一項に記載の使用。
【請求項100】
前記構築物及び/又は前記組成物が、哺乳動物細胞を更に含む、請求項77~80若しくは85~99のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~99のいずれか一項に記載の使用。
【請求項101】
前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、請求項100に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
【請求項102】
前記構築物及び/又は前記組成物が、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、ナトリウムイオン又はカルシウムイオン以外のイオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、FBS、FCS、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を更に含む、請求項77~80若しくは85~101のいずれか一項に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は請求項80~101のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照による組み込み
本出願は、2021年3月18日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2021/900795号の優先権を主張し、その全内容は相互参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、生物学及び医学の分野に関する。より具体的には、本発明は、バイオエンジニアリングされたコラーゲン構築物、並びに当該構築物の調製及び使用のための方法に関する。この構築物及び方法は、置換組織及び/若しくは細胞の提供、並びに/又は組織及び細胞などの生物学的標的への薬剤の送達に適用を見出され得る。
【背景技術】
【0003】
疾患又は傷害が生体組織への著しい損傷をもたらす場合、臨床医は、多くの場合、移植における使用に好適なドナー組織の利用可能性によって制限される。バイオエンジニアリングされた構築物は、この問題に対する刺激的な解決策を提供するが、合成材料が生物学的組織及び/又は細胞と適合する必要性に加えて、強度及び柔軟性に対する要件によって制限される。
【0004】
移植に利用可能なドナー組織が不足している領域の一例は、角膜疾患及び外傷である。現在、従来の眼のバンクは、供与された組織についての保管及び流通センターを表す。理想的には、これらの眼のバンクは、角膜組織を調達及び培養し、治療用途のために追加の組織をバイオエンジニアリングする能力も有するであろう。
【0005】
角膜は、透明で保護的な眼の外層である。それは、光が瞳孔を通過することを可能にし、眼の光学系の主要な屈折要素である。それは、細菌、汚れ、及び他の有害物質に対するバリアとして機能する。角膜は、外側上皮、ボーマン層、実質、デスメ膜、及び内側内皮の5つの層からなる。デスメ膜は、角膜内皮についての基底膜であり、後部角膜実質を基礎となる内皮から分離する、密度が高く、厚く、比較的透明で、細胞を含まないマトリックスである。角膜実質は、角膜の全体の厚さの約90%を占め、主にコラーゲンから構成されている。
【0006】
角膜失明は、世界中で2番目に多い失明の原因である。角膜失明の原因には、トラコーマ、オンコセルカ症、ハンセン病、新生児眼炎、及び眼球乾燥症などの疾患、並びに眼外傷、角膜潰瘍、及び従来の眼科薬の使用から生じる合併症などの他のプロセスが含まれる。
【0007】
角膜損傷は、オーストラリアにおいて最も一般的な眼の緊急事態の症状を示し、全ての症例の約75%が角膜内の異物又は擦過傷の存在に起因している。これらの損傷だけで、オーストラリアの人口に年間1億5,500万ドルを超える費用がかかると推定されており、効果的に治療されなければ、感染症及び瘢痕化をもたらし、永久的な視覚障害につながる可能性がある。
【0008】
軽度の場合、損傷した角膜は正常な治癒経路を介して再生することができる。しかしながら、他の場合には、角膜の正常な治癒機構が不十分であり、角膜融解、角膜血管新生、透明性の喪失、感染症、瘢痕化、及び失明の時点までの視力低下につながり得る治癒しない欠陥の形成をもたらす。
【0009】
角膜内皮疾患は、組織置換のための改善された構築物から利益を得るであろう角膜に影響を与える状態の一例である。角膜内皮疾患の外科的治療は、層状移植の使用によって近年進化しているが、この手術は技術的に困難なままであり、貴重なドナーの角膜組織を利用する。認識された合併症には、ドナー組織の亜脱臼が含まれる。
【0010】
角膜損傷に対する現在の治療法には、抗生物質、アイパッド、縫合糸及び外科用接着剤が含まれ、これらは、軽微な問題に役立つ場合がある。しかしながら、それらは、痛みの緩和、感染症、及び/又は瘢痕組織の発達を含む、より高度な状況で発生する問題に適切に対処していない。感染症は重大な合併症を表し、多くの場合、入院を必要とする。重度の角膜損傷によく見られる瘢痕化は、永久的な視力喪失をもたらす可能性がある。このような場合、角膜移植は視力リハビリテーションのための唯一の選択肢であるが、ドナー角膜の不足が世界中に存在している。
【0011】
上述の問題の多くは、角膜損傷及び疾患に限定されず、他の身体組織の損傷及び/又は劣化の場合にも優勢である。
【0012】
置換組織及び/若しくは細胞の提供、並びに/又は組織及び細胞などの生物学的標的への薬剤の送達のための改善された構築物及び方法に対する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、生物学的組織の置換、並びに/又は組織及び細胞などの生物学的標的への薬剤の送達のための現在の供給及び方法に関連する問題のうちの少なくとも1つを軽減する。本発明者らは、透明、架橋可能、強力、柔軟性及び/又は印刷可能であるIV型コラーゲンを含む、構築物を開発した。驚くべきことに、構築物は、内皮細胞、例えば、ヒト角膜内皮細胞を培養する独自の方法を提供することができる。
【0014】
限定されないが、本明細書に記載の構築物及び方法は、一般に、薬剤(例えば、細胞、薬物及び/又は他の物質)を生物学的標的(例えば、組織、膜、細胞)に送達するために有用であり、例えば、ヒト角膜内皮組織を含む、内皮組織置換に適用を見出され得る。
【0015】
本発明は、少なくとも部分的に、以下の実施形態に関する。
【0016】
実施形態1.組成物を含む構築物であって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を含む、構築物。
実施形態2.組成物を含む構築物であって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、
-内皮細胞と、を含む、構築物。
実施形態3.内皮細胞が、角膜内皮細胞である、実施形態1又は2に記載の構築物。
実施形態4.内皮細胞が、ヒト内皮細胞である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態5.血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、実施形態1、3又は4のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態6.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、形質転換成長因子(TGF-β)、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、実施形態1又は3~5のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態7.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、実施形態1又は3~6のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態8.フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、実施形態7に記載の構築物。
実施形態9.構築物及び/又は組成物が、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを更に含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態10.1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、実施形態1~9のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態11.1つ以上の架橋剤が、リボフラビンを含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態12.構築物が、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態13.溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、実施形態12に記載の構築物。
実施形態14.溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、実施形態12又は13に記載の構築物。
実施形態15.溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、実施形態12~14のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態16.構築物が、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、実施形態1~15のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態17.構築物が、I型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの追加の層を含み、追加の層が、
-3~15mg/mlのI型コラーゲンと、
-0.135~0.5Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、実施形態12~16のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態18.各層が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、実施形態17に記載の構築物。
実施形態19.構築物が、コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、実施形態1~18のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態20.構築物が、IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-3~15mg/mlのI型コラーゲンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態21.溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、実施形態20に記載の構築物。
実施形態22.構築物が、IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、実施形態20又は21に記載の構築物。
実施形態23.構築物が、コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、実施形態20~22のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態24.構築物及び/又は組成物が、哺乳動物細胞を更に含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態25.哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、実施形態24に記載の方法。
実施形態26.構築物及び/又は組成物が、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、イオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、ウシ(Bovine)胎仔血清(FBS)、ウシ(Calf)胎仔血清(FCS)、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を更に含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態27.構築物及び/又は組成物が、イオン及びアミノ酸を含む、培養培地を含む、実施形態26に記載の構築物。
実施形態28.
(i)成長因子が、VEGF及び/若しくはFGFを含み、かつ/又は
(ii)ビタミンが、リボフラビンを含み、かつ/又は
(iii)マトリックスタンパク質が、I型コラーゲンを含み、かつ/又は
(iv)マトリックスタンパク質が、ラミニンを含む、実施形態26又は27に記載の構築物。
実施形態29.構築物及び/又は組成物が、イオンを含み、イオンが、構築物及び/又は組成物中に含まれるイオン性塩の成分である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態30.IV型コラーゲンが、中和されている、実施形態1~29のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態31.構築物及び/又は組成物が、VIII型コラーゲン、ラミニン、ニドゲン、ペルレカンのうちのいずれか1つ以上を更に含む、実施形態1~30のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態32.構築物を調製する方法であって、方法が、
(i)組成物を提供することであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を添加することと、を含む、方法。
実施形態33.構築物を調製する方法であって、方法が、
(i)組成物を提供することであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)内皮細胞を添加することと、を含む、方法。
実施形態34.内皮細胞を培養する方法であって、方法が、
(i)組成物を提供することであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を添加することと、を含む、方法。
実施形態35.内皮細胞を培養する方法であって、方法が、
(i)組成物を提供することであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、溶液を架橋することによって生成される、提供することと、
(ii)内皮細胞を添加することと、を含む、方法。
実施形態36.組成物が、(ii)の前に、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、第2の溶液を架橋することによって生成される、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37.溶液が、I型コラーゲンを更に含む、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38.内皮細胞が、角膜内皮細胞である、実施形態32~37のいずれか1つに記載の方法。
実施形態39.血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、実施形態32、34又は36~38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態40.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、bFGF、TGF-β、IGF-1、BDNF、VEGF、EGF、HGF、PDGF、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、実施形態32、34又は36~39のいずれか1つに記載の方法。
実施形態41.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、実施形態32、34又は36~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42.フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、実施形態41に記載の方法。
実施形態43.ステップ(i)及び/又はステップ(ii)においてナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを添加することを更に含む、実施形態32~42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態44.1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、実施形態32~43のいずれか1つに記載の方法。
実施形態45.1つ以上の架橋剤が、リボフラビンを含む、実施形態32~44のいずれか1つに記載の方法。
実施形態46.組成物が、架橋溶液を含む、少なくとも1つの層を含み、溶液が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、実施形態32~45のいずれか1つに記載の方法。
実施形態47.溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、実施形態46に記載の方法。
実施形態48.溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、実施形態46又は47に記載の方法。
実施形態49.溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、実施形態45~48のいずれか1つに記載の方法。
実施形態50.組成物が、コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、実施形態32~49のいずれか1つに記載の方法。
実施形態51.組成物が、コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、実施形態32~50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態52.組成物の少なくとも1つの層が、疎水性材料上で架橋されている、実施形態50又は51に記載の方法。
実施形態53.疎水性材料が、シリコーン又はパラフィルムである、実施形態52に記載の方法。
実施形態54.組成物の少なくとも1つの層が、低温材料上で架橋されている、実施形態50又は51に記載の方法。
実施形態55.低温材料が、低温金属である、実施形態54に記載の方法。
実施形態56.ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において哺乳動物細胞を添加することを更に含む、実施形態32~55のいずれか1つに記載の方法。
実施形態57.哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、実施形態56に記載の方法。
実施形態58.ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、イオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、FBS、FCS、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を添加することを更に含む、実施形態32~57のいずれか1つに記載の方法。
実施形態59.イオン及び/又はアミノ酸が、培養培地中に提供される、実施形態58に記載の方法。
実施形態60.
(i)成長因子が、VEGF及び/若しくはFGFを含み、かつ/又は
(ii)ビタミンが、リボフラビンを含み、かつ/又は
(iii)マトリックスタンパク質が、I型コラーゲンを含み、かつ/又は
(iv)マトリックスタンパク質が、ラミニンを含む、実施形態58又は59に記載の方法。
実施形態61.ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、イオン性塩の成分としてイオンを添加することを更に含む、実施形態32~60のいずれか1つに記載の方法。
実施形態62.IV型コラーゲンが、中和されている、実施形態32~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態63.ステップ(i)及び/又はステップ(ii)において、VIII型コラーゲン、ラミニン、ニドゲン、ペルレカンのうちのいずれか1つ以上を添加することを更に含む、実施形態32~62のいずれか1つに記載の方法。
実施形態64.実施形態32、33又は36~63のいずれか1つに記載の方法によって得られた、又は得ることができる、構築物。
実施形態65.内皮組織を置換する方法であって、方法が、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の構築物を適用することを含む、方法。
実施形態66.内皮組織が、角膜内皮を含むか、又はそれからなる、実施形態65に記載の方法。
実施形態67.内皮組織が、ヒト内皮組織である、実施形態65又は66に記載の方法。
実施形態68.内皮組織が、デスメ膜を含むか、又はそれからなる、実施形態65~67のいずれか1つに記載の方法。
実施形態69.角膜損傷又は疾患を治療する方法であって、方法が、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の構築物を適用することを含む、方法。
実施形態70.薬剤を組織に送達する方法であって、方法が、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の組成物を組織に適用することを含む、方法。
実施形態71.内皮組織を置換する際に使用するための、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態72.内皮組織が、角膜内皮を含むか、又はそれからなる、実施形態71に記載の使用。
実施形態73.内皮組織が、ヒト内皮組織である、実施形態71又は72に記載の使用。
実施形態74.組織が、デスメ膜を含むか、又はそれからなる、実施形態71~73のいずれか1つに記載の使用。
実施形態75.角膜損傷又は疾患を治療する際に使用するための、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態76.組織へ薬剤を送達する際に使用するための、実施形態1~31又は64のいずれか1つに記載の構築物。
実施形態77.組成物を含む構築物を生成するためのキット、パッケージ又はデバイスであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
キット、パッケージ、又はデバイスが、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を更に含む、キット、パッケージ又はデバイス。
実施形態78.組成物を含む構築物を生成するためのキット、パッケージ又はデバイスであって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
キット、パッケージ又はデバイスが、内皮細胞を更に含む、キット、パッケージ又はデバイス。
実施形態79.組成物が、I型コラーゲンを更に含む、実施形態77又は78に記載のキット、パッケージ又はデバイス。
実施形態80.キット、パッケージ又はデバイスが、更なる組成物を生成するためのものであり、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、実施形態77又は78に記載のキット、パッケージ又はデバイス。
実施形態81.組成物を含む構築物を調製するための、キット、パッケージ又はデバイスの使用であって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
キットパッケージ又はデバイスが、
-内皮細胞と、
-血小板溶解物及び/又はその成分と、を更に含む、使用。
実施形態82.組成物を含む構築物を調製するための、キット、パッケージ又はデバイスの使用であって、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含み、
キットパッケージ又はデバイスが、
-内皮細胞を更に含む、使用。
実施形態83.組成物が、I型コラーゲンを更に含む、実施形態81又は82に記載の使用。
実施形態84.使用が、更なる組成物を生成するためのものであり、組成物が、
-IV型コラーゲンと、
-I型コラーゲンと、
-1つ以上の架橋剤と、を含む、実施形態81又は82に記載の使用。
実施形態85.内皮細胞が、角膜内皮細胞である、実施形態77~80のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~84のいずれか1つに記載の使用。
実施形態86.内皮細胞が、ヒト内皮細胞である、実施形態77~80若しくは85のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~85のいずれか1つに記載の使用。
実施形態87.血小板溶解物が、ヒト血小板溶解物である、実施形態77、79、80、85若しくは86のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80、81若しくは83~86のいずれか1つに記載の使用。
実施形態88.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲン、bFGF、TGF-β、IGF-1、BDNF、VEGF、EGF、HGF、PDGF、IgG、アルブミンのうちのいずれか1つ以上である、実施形態77、79、80若しくは85~87のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80、81若しくは83~87のいずれか1つに記載の使用。
実施形態89.血小板溶解物の成分が、フィブリノーゲンである、実施形態77、79、80若しくは85~88のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80、81若しくは83~88のいずれか1つに記載の使用。
実施形態90.フィブリノーゲンが、ヒトフィブリノーゲンである、実施形態89に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
実施形態91.構築物及び/又は組成物が、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンを更に含む、実施形態77~80若しくは85~90のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~90のいずれか1つに記載の使用。
実施形態92.1つ以上の架橋剤が、UV光、青色光、緑色光、又は白色光によって活性化することができる、実施形態77~80若しくは85~91のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~91のいずれか1つに記載の使用。
実施形態93.1つ以上の架橋剤が、リボフラボンを含む、実施形態77~80若しくは85~92のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~92のいずれか1つに記載の使用。
実施形態94.構築物が、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、少なくとも1つの層を含み、各層が、
-6~24mg/mlのIV型コラーゲンと、
-0.04~0.15Mのナトリウムイオン、及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンと、を含む、溶液を架橋することによって生成される、実施形態77~80若しくは85~93のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~93のいずれか1つに記載の使用。
実施形態95.溶液が、
(i)6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び0.01~0.04Mのカルシウムイオン、又は
(ii)3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン、及び0.015~0.03Mのカルシウムイオン、又は
(iii)4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン、及び0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含む、実施形態94に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
実施形態96.溶液が、
(i)24mg/ml未満のIV型コラーゲンと、
(ii)0.04Mを超えるナトリウムイオンと、
(iii)0.008Mを超えるカルシウムイオンと、を含む、実施形態94又は95に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
実施形態97.溶液が、0.01~0.1mgのリボフラビンを含む、実施形態94~96のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
実施形態98.構築物が、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、2つ以上の層を含み、2つ以上の層の各々が、少なくとも1つの他の層に架橋されている、実施形態77~80若しくは85~97のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~97のいずれか1つに記載の使用。
実施形態99.構築物が、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、第1の層を含み、第1の層が、1つ以上の他の層に架橋する前に個別に架橋されている、実施形態77~80若しくは85~98のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~98のいずれか1つに記載の使用。
実施形態100.構築物及び/又は組成物が、哺乳動物細胞を更に含む、実施形態77~80若しくは85~99のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~99のいずれか1つに記載の使用。
実施形態101.哺乳動物細胞が、ヒト細胞を含むか、又はそれからなる、実施形態100に記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は使用。
実施形態102.構築物及び/又は組成物が、培養培地、成長因子、ホルモン、マトリックスタンパク質、糖タンパク質、ビタミン、ナトリウムイオン又はカルシウムイオン以外のイオン、イオン源、フィブロネクチン、アミノ酸、抗生物質、麻酔剤、第XIII因子、FBS、FCS、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬のうちのいずれか1つ以上を更に含む、実施形態77~80若しくは85~101のいずれか1つに記載のキット、パッケージ若しくはデバイス、又は実施形態80~101のいずれか1つに記載の使用。
【0017】
定義
本出願で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の参照を含む。例えば、「成分」という用語は、複数の成分も含む。
【0018】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味する。「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの単語「含む(comprising)」の変形は、対応して変化した意味を有する。したがって、例えば、成分「A」を「含む」組成物は、成分「A」から排他的になり得るか、又は1つ以上の追加の成分(例えば、成分「B」及び/又は成分「C」)を含み得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ウシ、ウマ、ヒツジ、霊長類、鳥類及びげっ歯類の種を含む、経済的、社会的又は研究上重要な任意の動物を含む。したがって、「対象」は、例えば、ヒトなどの哺乳動物、又は非ヒト哺乳動物であり得る。
【0020】
本明細書で使用される場合、「組織」という用語は、組織の成分である細胞及び組織から形成される臓器の両方を包含すると理解されるであろう。
【0021】
本明細書で使用される場合、「キット」という用語は、材料を送達するための任意の送達システムを指す。そのような送達システムは、ある場所から別の場所への反応試薬(例えば、適切な容器内のラベル、参照試料、支持材料など)及び/又は支持材料(例えば、緩衝液、アッセイを実施するための書面による指示など)の保管、輸送、又は送達を可能にするシステムを含む。例えば、キットは、関連する反応試薬及び/又は支持材料を含む、箱などの1つ以上の筐体を含み得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、引用された数値に関して使用される場合、引用された数値及び引用された数値の±10パーセント以内の数値を含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2つ以上を意味する。ある特定の態様又は実施形態では、複数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、又はそれ以上、並びにそれらの中で導出可能な任意の数値、及びそれらの中で導出可能な任意の範囲を意味することができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、数値の範囲に関して使用される場合、「間」という用語は、範囲の各エンドポイントでの数値を包含する。例えば、0.008Mから0.4Mの間の濃度を有するカルシウムイオンは、濃度0.008Mを有するカルシウムイオン及び濃度0.4Mを有するカルシウムイオンを含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、「より多い」という用語は、数値に関して使用される場合、「より多い又は等しい」を意味すると理解されるであろう。例えば、0.018Mより多いカルシウムイオンは、0.018Mのカルシウムイオンの濃度及び0.018Mより多いカルシウムイオンの全ての濃度を包含する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「未満」という用語は、数値に関して使用される場合、「未満又は等しい」を意味すると理解されるであろう。例えば、15mg/ml未満のIV型コラーゲンは、15mg/mlの濃度のIV型コラーゲン及び15mg/ml未満の全ての濃度のIV型コラーゲンを包含する。
【0027】
本明細書で使用される場合、IV型コラーゲンを説明するために使用される場合、「中和された」という用語は、コラーゲン溶液のpHが6.7~7.6であることを意味すると理解されるであろう。例えば、「中和された」IV型コラーゲンは、6.8~7.5、又は6.9~7.4、又は7.0~7.3、又は6.9~7.2などのpHを有することができる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「架橋」という用語は、コラーゲンに関して使用される場合、分子内及び分子間共有結合の増加を意味すると理解されるであろう。「架橋された」及び「架橋している」などの「架橋」という単語の変形は、対応して変化した意味を有する。いくつかの事例では、「架橋している」コラーゲンは、コラーゲン原線維における線維内及び線維間共有結合の増加を意味すると理解されるであろう。
【0029】
本明細書における先行技術文書の任意の説明、又はそれらの文書から導出されたか、若しくはそれらの文書に基づく本明細書における記述は、文書又は導出された記述が、関連技術の一般的な知識の一部であることを認めるものではない。
【0030】
説明の目的のために、本明細書で参照される全ての文書は、特に明記されない限り、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで、本発明の好ましい実施形態は、付属の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【0032】
図1】それぞれ二重層及び三重層のcol-4上で成長する細胞株角膜内皮細胞の代表的な画像を提供する(図1A及び図1B)。5%hPLに曝露すると、二重層及び三重層のcol-4膜の両方が、3日目までにウェル中のカバースリップから剥離し始めた。図1Cは、機械的破壊後に接着したままのcol-4の二重層上の角膜内皮細胞の細胞境界の代表的な画像を提供する。図1A及び図1Bは、10倍の倍率で撮影した。図1Cは、20倍の倍率で撮影した。
図2】5日目の培養物中の二重層のcol-4膜の代表的な画像を提供する。図2Aでは、膜を5%hPL培地中で5日間培養し、col-4角膜内皮シートをここでウェル内のカバースリップから分離した。図2Bでは、膜を5%FCS培地中で5日間培養したが、コンフルエントはシートとして分離の兆候を示さない。図2Cは、ウェルから取り外された分離シートの代表的な画像を提供し、これは透明で平坦である。
図3】機械的破壊後の細胞回復の代表的な画像を提供する。col-4が細胞に潜在的に拡大するために残ったときの回復と、col-4フィルムが引き裂かれたときとの間の比較が示される。全ての画像は10倍の倍率で撮影した。
図4】PBSでの洗浄後に色あせない単純なドット(図4A)、又は眼の配向を可能にするために手術でデスメ膜をマークするためにしばしば使用される非対称形状である「F」(図4B)のようなより複雑な形状のいずれかでマークされたcol-4膜の代表的な画像を提供する。
図5】Stryker注射器(図5A)に吸引され、VisionBlue(図5B)で染色されるcol-4膜(特に、示される二重層膜)の容量を示す代表的な画像を提供する。図5Bの破線は、8.5mmのトレフィンによる膜のトレフィン処理後に残る領域を表す。
図6】最小限の液体が存在する場合、1分後にヒト角膜内の間質表面に接着した角膜内皮細胞(角膜内に存在する斑点表面として画像に示される)を有する二重層col-4膜の代表的な画像を提供する。
図7】成形プラットフォームのアセンブリの代表的な画像を提供する。A:支持材料-シリコーン。B:中間層-穴のあるポリエステルフィルム。C:最上層-ポリエステルフィルム。D:組み立てられたプラットフォーム。E:支持材料はまた、パラフィンであってもよい。F:低温金属板は、上部に中間層を有する支持材料であった。バイオインクは中間層に充填され、最上層によって覆われる。
図8】コラーゲン膜上のラミニン(赤色)の免疫染色の画像を提供する。A:ラミニンを含むcol-4膜。B:col-4のみの膜。各画像の右上隅の線は、膜の境界を示す。
図9】4つの内皮構築物の位相差画像を提供する。全てが、コンフルエンスに達する初代角膜内皮細胞との高い細胞適合性を示した。A:10.8mg/mLでのcol-4。B:col-1及びcol-4を混合した。C:上部にcol-4層を有するcol-1層。
図10】培養皿から自己分離したコラーゲン膜を担持する細胞の画像を提供する。
図11】免疫染色後に撮影された画像を提供する。代表的な膜上で培養した角膜初代細胞は、対照と比較してNa/K-ATPaseの高い発現を示した。A:10.8mg/mLのcol-4膜、B:上部上にcol-4層を有するcol-1層 C:対照。
図12】3つの支持材料によって作製された膜の画像を提供する。A:シリコーン、B:パラフィン、及びC:低温金属板。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明者らは、透明、架橋可能、強力、柔軟性及び/又は印刷可能であるIV型コラーゲンを含む、構築物を開発した。本発明の構築物は、内皮細胞、例えば、角膜内皮細胞を培養する独自の方法を提供することができ、生物学的標的(例えば、臓器、組織、細胞)に薬剤を送達する手段を提供することができる。構築物は、細胞、例えば、内皮細胞についての担体として使用され得る。本明細書に記載される構築物は、角膜におけるデスメ膜を模倣することが可能であり得る。構築物は、置換膜を提供することができ、かつ/又は内皮治癒を可能にすることができる。角膜への適用に好適であるが、構築物は、例えば、構造支持体、透明度、柔軟性、生存細胞、及び他の因子を提供することによって、内皮置換及び/又は修復、並びに薬剤の送達の分野における多数の用途のためのプラットフォームを提供する。
【0034】
本明細書に記載の構築物は、インビボ組織を模倣し、細胞が定着するための足場として、かつ/又は条件の操作を通じて機能し、細胞自体が周囲のマトリックスを再生するように促す生体材料を利用し得る。眼組織への適用に対するそれらの適合性の文脈において、本発明者らは、例えば、透明性を維持し、依然として多孔質であり、角膜内皮細胞及び成長因子の浸潤、移動及び/又は増殖を可能にするのに十分な生体適合性でありながら、治療中の組織(例えば、角膜におけるデスメ膜)の構造的完全性を具現化することができる構築物を作製することの難しさに対処した。
【0035】
構築物
本発明は、内皮組織置換、例えば、角膜内皮組織の置換に好適な構築物を提供する。構築物はまた、組織及び細胞などの生物学的標的に薬剤を送達するために使用され得る。
【0036】
構築物は、IV型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、組成物を含むことができる。本発明の構築物は、IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、1つ以上の架橋剤と、を含む、組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、構築物は、内皮細胞を更に含む。構築物は、血小板溶解物及び/又はその成分を含むことができる。血小板溶解物は、ヒト血小板溶解物であってもよい。血小板溶解物の成分の非限定的な例としては、フィブリノーゲン、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、形質転換成長因子(TGF-β)、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、IgG及びアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、血小板溶解物の成分は、フィブリノーゲンであり得、これは、ヒトフィブリノーゲンであり得る。構築物は、組成物の1つ以上の層を含むことができる。組成物は、IV型コラーゲンを含むことができる。使用されるコラーゲンは、その天然に存在する対応物と比較して、修飾されていなくてもよい。修飾されたIV型コラーゲンも使用されてもよい。いくつかの実施形態では、修飾は、コラーゲン繊維の端部にある。
【0037】
構築物は、IV型コラーゲンを含む組成物の1つ以上の層を含むことができる。本発明の一部の構築物は、IV型コラーゲンと、I型コラーゲンと、を含む、組成物の1つ以上の層を含む。追加的又は代替的に、構築物は、I型コラーゲンを含む組成物の1つ以上の層に架橋されたIV型コラーゲンを含む組成物の1つ以上の層を含むことができる。IV型コラーゲンを含む組成物の層及びI型コラーゲンを含む組成物の層は、交互であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、構築物は、2つの層を含み、一方の層は、I型コラーゲンを含む組成物を含み、他方の層は、IV型コラーゲンを含む組成物を含む。
【0038】
本発明の構築物を生成するために使用される組成物は、任意選択で、イオン及び/又は1つ以上のイオン源を更に含むことができる。好適なイオンの非限定的な例としては、カルシウムイオン及びナトリウムイオンが挙げられる。好適なイオン源の非限定的な例としては、カルシウム(例えば、塩化カルシウム)及びナトリウム(例えば、塩化ナトリウム)を含む化合物が挙げられる。カルシウムイオン及びナトリウムイオンは、組成物中に一緒に又は個々に存在し得る。イオンは、構築物及び/又は組成物中に存在し得る。
【0039】
構築物及び/又は組成物は、内皮細胞、例えば、角膜内皮細胞を含むことができる。内皮細胞は、ヒト内皮細胞であり得る。いくつかの実施形態では、構築物及び/又は組成物は、ウシ胎仔血清(FCS)及び/又は血小板溶解物を更に含む。血小板溶解物は、ヒト血小板溶解物であってもよい。更なる実施形態では、構築物及び/又は組成物は、フィブリノーゲンを含み、これは、ヒトフィブリノーゲンであってもよい。構築物及び/又は組成物はまた、ラミニンを含むことができる。
【0040】
本発明者らは、本発明の構築物を生成するために使用される組成物のためのIV型コラーゲン、I型コラーゲン、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンの最適な相対濃度を特定しており、それらのうちのいくつかは、本出願の実施例及び特許請求の範囲に記載されている。開示されるIV型コラーゲン、I型コラーゲン、ナトリウムイオン及び/又はカルシウムイオンの相対濃度は、例示的なものに過ぎないことが理解されるであろう。
【0041】
組成物は、6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.04~0.15Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンを含み得る。組成物は、1~20mg/mlのIV型コラーゲン、0.07~0.5Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、1~20mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.25Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.1Mのカルシウムイオンを含み得る。組成物は、3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.25Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンを含み得る。組成物の成分についての他の可能な範囲には、3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び/又は0.01~0.05Mのカルシウムイオンが含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン及び/又は0.015~0.03Mのカルシウムイオンを含み得る。代替的に、組成物は、5~10mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン及び/又は0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、15mg/ml未満のIV型コラーゲン並びに0.06Mより多いナトリウムイオン及び/又は0.018Mより多いカルシウムイオンを含み得る。
【0042】
本発明の組成物は、1つ以上の架橋剤を更に含み得る。好適な架橋剤の非限定的な一例は、リボフラビンである。リボフラビンは、0.01~0.5%(w/v)の濃度で存在し得る。リボフラビンは、約0.01~0.1mgの量で存在し得る。いくつかの実施形態では、存在するリボフラビンの量は、0.01、0.1mg、又はこれらの値の間の任意の量である。UV光又は青色光などの光を使用して、リボフラビンを活性化し、組成物を架橋することができる。当業者は、他の好適な架橋剤及び/又は光源、例えば、ローズベンガル染料及び緑色光を認識しており、これらの両方が角膜へのいくつかの適用のために承認されている。いくつかの実施形態では、ローズベンガルは、光架橋剤として使用され、緑色光によって活性化される。代替的に、ローズベンガルが光架橋剤として使用され、白色光によって活性化される。いくつかの実施形態では、0.01~0.5%(w/v)のローズベンガルが光架橋のために使用される。更なる実施形態では、コラーゲン組成物をローズベンガル及び好適な光源と架橋することによって提供される組成物が着色されるであろう。いくつかの実施形態では、色はピンクであろう。これらの着色された組成物は、組織内のコラーゲン代謝をモニタリングするため、又はコラーゲン活性の追跡を必要とする他の用途のために使用され得る。本発明の構築物は、それらの架橋形態で提供されてもよい。
【0043】
構築物は、架橋されていてもよいコラーゲン組成物の単層を含み得るか、又はコラーゲン組成物の2つ以上の層を含み得る。各層は、次の層の添加前に既存の構築物に架橋されていてもよい。これは、任意の他の層の添加前に個別に架橋されていてもよい構築物の第1の層を含み得る。
【0044】
構築物は、成形プラットフォームを使用して生成され得る。好適な成形プラットフォームは、支持表面、中間材料、及び上部材料を含み得る。組成物は、疎水性材料から作製された支持表面上で架橋され得る。好適な疎水性材料の非限定的な例としては、シリコーン及びパラフィルムが挙げられる。架橋はまた、低温表面上で実行され得る。低温表面は、金属表面であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、中空中心を有し得る中間材料を使用してもよい。中間材料の中空中心を使用して、組成物を支持表面上に移すことができる。中間層に好適な材料の非限定的な一例は、ポリエステルである。上部材料は、重量で圧縮する前に添加され得る。最上層に好適な材料の非限定的な一例は、ポリエステルである。
【0045】
構築物及び/又は組成物は、細胞を更に含み得る。細胞は、例えば、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、ヤギ(caprine)細胞、ヤギ(hircine)細胞、マウス細胞、ウサギ細胞、ハムスター(cricetine)細胞、イタチ細胞、又はそれらの任意の組み合わせ)であってもよい。利用される細胞の種類は、概して、組成物が使用される特定の目的に依存するであろう。例えば、細胞は、組成物が投与される組織と同じ種類であってもよい。好適な細胞の種類の非限定的な例としては、中心及び/若しくは末梢角膜上皮、眼球及び/若しくは眼瞼結膜上皮、眼瞼結膜間質、角膜内皮、並びに/又は眼瞼縁のものを含む眼細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、メルケル細胞、及びランゲルハンス細胞を含むが、これらに限定されない皮膚細胞、並びにニューロン及びグリア細胞を含むが、これらに限定されない神経組織細胞が挙げられる。他の例としては、上皮細胞、角膜実質細胞、神経細胞、及び内皮細胞が挙げられる。内皮細胞は、原発性内皮細胞であり得る。いくつかの実施形態では、細胞は、造血幹細胞、骨髄幹細胞、神経幹細胞、上皮幹細胞、皮膚幹細胞、筋肉幹細胞、脂肪幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、間葉系幹細胞、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、細胞は、神経細胞であり得る。好適な上皮細胞の非限定的な一例は、水晶体上皮細胞である。好適な内皮細胞の非限定的な例は、角膜内皮細胞である。構築物及び/又は組成物の細胞は、自己由来(すなわち、組成物を受け取ることを意図した所与の対象からの自己由来、又は同種異系(すなわち、ドナー由来)であり得る。
【0046】
本発明の構築物及び/又は組成物は、必須アミノ酸及び/又は非必須アミノ酸を含んでもよい。好適な必須アミノ酸の非限定的な例としては、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、システイン、チロシン、ヒスチジン、及びアルギニンが挙げられる。
【0047】
本発明の構築物及び/又は組成物は、フィブロネクチン、麻酔剤、抗生物質、ホルモン(例えば、インスリン)、成長因子(例えば、ヒト上皮成長因子(hEGF)、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子、形質転換成長因子[ベータを含む]、及び結合組織成長因子)、フィブリン安定化因子(例えば、第XIII因子)、マトリックスタンパク質(例えば、コラーゲン[I型コラーゲンなど]、ラミニン、インテグリン)、ビタミン(例えば、ビタミンC、リボフラビン)、糖タンパク質(例えば、トランスフェリン)、ウシ(Bovine)胎仔血清(FBS)、ウシ(Calf)胎仔血清(FCS)、ヒト血清、血小板溶解物、ヒト血小板溶解物、治療薬、並びにそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない追加の成分(例えば、薬剤)を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物及び/又は構築物は、イオン及びアミノ酸を含む培養培地を含む。好適な成長因子の非限定的な例としては、血管内皮成長因子(VEGF)及び線維芽細胞成長因子(FGF)が挙げられる。ビタミンは、アスコルビン酸塩(ビタミンC、リボフラビン)であり得る。マトリックスタンパク質は、I型コラーゲン、及び/又はラミニンを含み得るが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の構築物及び/又は組成物は、水及び/又は培養培地(例えば、DMEM、DMEM/F-12、MEM、CnT-PR)を含む他の好適な成分を含み得る。培養培地は、例えば、グリシン、L-アラニン、L-アルギニン塩酸塩、L-アスパラギン-H2O、L-アスパラギン酸、L-システイン塩酸塩-H2O、L-シスチン2HCl、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン塩酸塩-H2O、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リシン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン二ナトリウム塩二水和物、L-バリン、ビタミン、ビオチン、塩化コリン、D-カルシウムパントテン酸、葉酸、ナイアシンアミドピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i-イノシトール、無機塩、塩化カルシウム(CaCl2)(無水)、硫酸銅(CuSO4-5H2O)、硝酸鉄(Fe(NO3)3”9H2O)、硫酸鉄(FeSO4-7H2O)、塩化マグネシウム(無水)、硫酸マグネシウム(MgSO4)(無水)、塩化カリウム(KCl)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、塩化ナトリウム(NaCl)、無水リン酸ナトリウム二塩基(Na2HPO4)、リン酸ナトリウム一塩基(NaH2PO4-、硫酸亜鉛(ZnSO4-7H2O)、他の成分、D-グルコース(デキストロース)、ヒポキサンチンNa、リノール酸、リポ酸、プトレシン2HCl、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの任意の1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、イオンは、組成物中に含まれるイオン塩の成分として提供される。
【0049】
構築物/組成物の非限定的な特性には、以下のうちの1つ以上が含まれる。
-非ニュートンせん断薄化流体特性により、構築物/組成物の粘度は、せん断速度が増加するにつれて低下し得る。いくつかの実施形態では、構築物/組成物の粘度は、室温で0.01及び1000Pa.sの範囲内であり得る。
-光の透過率から生じる視覚を妨げることなく、又は実質的に妨げることなく、例えば、400~700nmの視覚的色範囲で90%を超える光学的透明度。
-印刷後に形状/構造を維持又は実質的に維持する能力を備えた2D及び/又は3D印刷(例えば、バイオ印刷/押し出し印刷)に対する適合性。
-印刷プロセス中に組成物/構築物内の細胞の生存率を維持しながら印刷することに対する適合性。
-生細胞を含むか否かにかかわらず、二次元又は三次元構造で提供される能力。
-細胞の成長を維持及び/又は促進する能力(例えば、上皮細胞(例えば、水晶体上皮細胞)、角膜実質細胞、神経細胞、及び内皮細胞(例えば、角膜内皮細胞)などの初代ヒト細胞の拡大及び/又は成長を維持及び/又は促進する能力)。
-スフェロイドオルガノイドの形成を促進する能力。
-経時的な細胞による分解の能力(例えば、2~7日)。
-経時的な細胞生存率の維持(例えば、34℃で7日)。
-組織、臓器、膜(例えば、哺乳動物及びヒトの組織、臓器、膜)を含む、様々な表面に付着する能力。
【0050】
構築物の調製
構築物は、組成物の1つ以上の層を形成することによって調製され得る。構築物は架橋されていてもよい。1つ以上の層中の組成物は、複数の異なる調製物を合わせることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、凍結乾燥されたウシIV型コラーゲンが、組成物の調製において使用され得る。追加的又は代替的に、ヒトコラーゲンが使用され得る。イオン及び組成物の他の成分を添加する前に、IV型コラーゲンは中和され得る。当業者は、様々な緩衝液を使用して、コラーゲンを生理学的pHに保ち、溶解性を維持することができることを認識するであろう。本発明のいくつかの実施形態では、IV型コラーゲンは、組成物の調製において混合され得る。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、組成物の単層を表面に適用して構築物を形成する。単層は、個別に架橋されていてもよい。更なる実施形態では、1つ以上の追加の層が、第1の層に添加される。各層は、次の層の添加前に、既存の構築物に架橋されてもよい。構築物を形成し得る組成物の層の数に関して特定の制限は存在しない。層は、IV型コラーゲン、I型コラーゲン、又は2つの混合物を含み得る。IV型コラーゲンのみ及びI型コラーゲンのみを含む組成物の交互の層を使用して、構築物を形成することができる。いくつかの実施形態では、構築物は2つの層を有し、一方の層は、IV型コラーゲンのみを含む組成物を含み、他方の層は、I型コラーゲンのみを含む組成物を含む。
【0052】
構築物を作製するために使用される組成物は、6~24mg/mlのIV型コラーゲン、0.04~0.15Mのナトリウムイオン及び/若しくは0.008~0.4Mのカルシウムイオン、又は1~20mg/mlのIV型コラーゲン、0.07~0.5Mのナトリウムイオン及び/若しくは0.008~0.4Mのカルシウムイオンを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、1~20mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.25Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.1Mのカルシウムイオンを含み得る。組成物は、3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.25Mのナトリウムイオン及び/又は0.008~0.4Mのカルシウムイオンを含み得る。組成物の成分についての他の可能な範囲には、3~15mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.1Mのナトリウムイオン、及び/又は0.01~0.05Mのカルシウムイオンが含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、4~12mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.08Mのナトリウムイオン及び/又は0.015~0.03Mのカルシウムイオンを含み得る。代替的に、組成物は、5~10mg/mlのIV型コラーゲン、0.06~0.07Mのナトリウムイオン及び/又は0.018~0.02Mのカルシウムイオンを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、15mg/ml未満のIV型コラーゲン並びに0.06Mより多いナトリウムイオン及び/又は0.018Mより多いカルシウムイオンを含み得る。
【0053】
本発明の構築物を作製するために使用される組成物は、1つ以上の架橋剤を更に含み得る。好適な架橋剤の非限定的な一例は、リボフラビンである。リボフラビンは、約0.1mgの量で存在し得る。0.01~0.1mg/mlの量のリボフラビンが存在し得る。リボフラビンは、0.01~0.5%(w/v)の濃度で存在し得る。UV光又は青色光などの光を使用して、リボフラビンを活性化し、組成物を架橋することができる。当業者は、他の好適な架橋剤及び/又は光源、例えば、ローズベンガル染料及び緑色光を認識しており、これらの両方が角膜へのいくつかの適用のために承認されている。いくつかの実施形態では、ローズベンガルは、光架橋剤として使用され、緑色光によって活性化される。代替的に、ローズベンガルが光架橋剤として使用され、白色光によって活性化される。いくつかの実施形態では、0.01~0.5%(w/v)のローズベンガルが光架橋のために使用される。構築物及び/又は組成物は、内皮細胞、例えば、角膜内皮細胞を含むことができる。内皮細胞は、ヒト内皮細胞であり得る。いくつかの実施形態では、構築物及び/又は組成物は、ウシ胎仔血清(FCS)及び/又は血小板溶解物を更に含む。
【0054】
更なる実施形態では、構築物及び/又は組成物は、フィブリノーゲンを更に含み、これは、ヒトフィブリノーゲンであり得る。ヒトフィブリノーゲンは、0.7~2mg/mlの濃度で構築物に添加され得る。いくつかの実施形態では、血小板溶解物及び/又はフィブリノーゲンは、内皮細胞を培養するための培養培地として使用するために構築物に添加される。追加的又は代替的に、血小板溶解物の成分が添加され得る。血小板溶解物は、ヒト血小板溶解物であってもよい。好適な血小板溶解物の成分の非限定的な例としては、フィブリノーゲン、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、形質転換成長因子(TGF-β)、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、IgG及びアルブミンが挙げられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、構築物の調製のためのデバイス及び/又はキットを提供する。デバイス及び/又はキットは、使用まで本発明の構築物及び/又は組成物を形成するために必要な異なる調製物の分離を容易にし得る。
【0056】
デバイス及びキットは、例えば、第1及び第2の区画を分離する障壁の除去、並びに/又は一方若しくは両方の区画の密封若しくは壁を穿刺することなどによって、2つの区画化された調製物の混合を容易にする手段を提供する成分を更に備え得る。当業者は、この目的のために様々な配置が行われ得ることを容易に理解するであろう。
【0057】
追加的又は代替的に、デバイス及びキットは、デバイス又はキットからの調製物の放出中又は放出後に、2つの区画化された調製物の混合を確実にするように構成され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、デバイス及びキットは、組成物及び/又は構築物の生成に使用される追加の成分(例えば、血小板溶解物、イオン、アミノ酸、細胞、抗生物質、成長因子、フィブリノーゲン安定化因子、麻酔剤など)を含む追加の区画を含み得る。デバイス又はキットは、これらの追加の成分を互いとの、及び/又は組成物の他の成分との混合を容易にするように構成され得る。
【0059】
デバイス及びキットは、デバイス又はキットから成分を放出する前、放出中、又は放出直後に、分離された成分の混合を容易にすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、組成物はバイオインクであり、デバイスは三次元(3D)プリンタ(例えば、押し出しプリンタ)である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、架橋剤は、リボフラビンである。更なる実施形態では、リボフラビンは、UV光又は青色光によって活性化され得る。IV型コラーゲン並びにナトリウム及び/又はカルシウムイオンを含有し得る溶液は、一列に押し出され得、UV光又は青色光が適用され得る。追加の列が、架橋剤及び光の適用によって架橋される構造を形成するために、第1の列の上に適用され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、架橋は、15分未満、14分未満、13分未満、12分未満、11分未満、10分未満、9分未満、8分未満、7分未満、6分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、又は1分未満で生じる。使用される光源は、3mW/cmの365nm UV、10mW/cmの青色光、又は組織培養フードUVランプであり得る。
【0063】
架橋剤は、ローズベンガルであり得る。いくつかの実施形態では、ローズベンガルは、緑色光によって活性化される。更なる実施形態では、ローズベンガルは、白色光によって活性化される。なお更なる実施形態では、架橋は、15分未満、14分未満、13分未満、12分未満、11分未満、10分未満、9分未満、8分未満、7分未満、6分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、又は1分未満で生じる。使用される光源は、100mw/cmの白色光であり得る。当業者は、光源及びパラメータが特定の適用に従って変化することができることを認識するであろう。
【0064】
本発明のコラーゲン構築物は、用途に応じて様々な厚さを有してもよく、例えば、ゲルの厚さは、50μm~3mmであってもよい。構築物は、注射可能であってもよく、かつ/又はマットは、破損することなくピンセットで取り扱われてもよい。
【0065】
構築物の適用
本発明者らは、例えば、置換内皮組織として有用であり得る構築物を開発した。構築物を使用して修復/置換することができる組織の非限定的な例としては、角膜内皮及びデスメ膜が挙げられる。構築物は、例えば、ヒト角膜内皮及びヒトデスメ膜を修復/置換することによって、角膜損傷又は疾患を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、構築物は、内皮角膜形成術におけるドナー角膜組織の置換として、又は角膜内皮移植術(endokeratoplasty)における角膜形成術の代替として使用され得る。構築物はまた、標的組織及び細胞への薬剤の送達にも使用され得る。構築物の特徴は、それらをバイオ印刷に非常に好適なものにする。本発明の構築物は、薬剤(例えば、天然成長因子、薬物、ナノ粒子、及び/若しくは細胞)の送達を必要とする適用、並びに/又は個々の生物学的表面の固定のために、並びに/又は組織移植において、並びに/又は組織培養方法において使用され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、構築物は、組織シーラント及び/又は生物学的構造のための固定剤として機能することができる。それらは、組織に構造的及び/又は栄養的支持を提供することができる。追加的又は代替的に、構築物は、治癒を促進することができ、かつ/又は標的組織中に存在する構築物及び/若しくは細胞の成分として提供され得るものを含む、標的細胞型の成長を促進することができる。組成物は、細胞、例えば、ヒト角膜内皮細胞の培養に有用であり得る。
【0067】
組成物が適用され得る組織の型に関して制限は存在しないが、本発明者らは、組成物が、細胞、例えば、内皮細胞と適合性があること、並びに/又は角膜内皮細胞の成長及び/若しくは増殖を支持し得ることを実証した。
【0068】
例えば、組成物は、本明細書において、角膜内皮細胞の成長及び/又は増殖を支持するのに有効であることが実証される。これらの実施形態では、組成物は、角膜内皮細胞の増殖及び/又は移動を促進するために使用され得る。
【0069】
したがって、本発明は、様々な薬剤を生物学的標的に送達するための方法を提供する。標的は、例えば、中心及び/若しくは末梢角膜上皮の組織、並びに/又はデスメ膜を含む、眼組織内又はその周辺に位置し得る。この方法を使用して、他のヒト組織のコラーゲンIV含有基底層を修復及び/若しくは置換すること、並びに/又は他のヒト組織のコラーゲンIV含有基底層に薬剤を送達することもできる。
【0070】
広範に説明されている本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に開示されている本発明に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【実施例
【0071】
ここで、本発明を、特定の実施例を参照して説明するが、これらは、いかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0072】
実施例1:デスメ膜を模倣したcol-4膜の生成
col-4粉末(6mg/mLの最低濃度)を0.1Mの酢酸中に溶解し、次いで5MのNaOH及び27.4mg/mLのCaClで中和して、6.7~7.4の最終pHにした。これらのステップを室温で実施した。溶液が中和されたら、最初に使用したcol-4の90μLごとに0.1~0.2mgのリボフラビンを添加し、col-4/リボフラビン溶液を更にボルテックスし、それぞれ30秒及び1分間遠心分離することによって溶解させた。
【0073】
カルシウムイオンの添加により、透明で中和されたcol-4溶液が生成された。得られた液体を、直ちに光架橋することができるか、又は少なくとも1週間後に使用するために-30℃で保存することができる。溶液は、少なくとも1時間後に使用するために室温に保つことができる。リボフラビンを含まない中和されたcol-4は、架橋特性の変化なしに少なくとも1週間後に使用するために30℃で保存することができる。
【0074】
複数の形態のcol-4膜を生成した。
a:col-4の二重層(約100μm)。これは、最初に25μLのcol-4/リボフラビン溶液をガラスカバースリップ(直径13mm)上にピペットすることによって生成した。液滴をカバースリップ領域を覆うように拡散させ、UV又は青色光の下に1分間置いた。次いで、更なる25μLの溶液を部分的に架橋された溶液上にピペットし、再度領域を覆うように拡散させた。次いで、col-4フィルムをUV又は青色光の下で更に3分間架橋して、二重層の架橋col-4フィルムを作製した。作製されたフィルムの層状の性質は、col-4フィルムの単層と比較してその強度を増加させることを意図している。
【0075】
b:col-4の三重層(約200μm)。これは、col-4の二重層と同様の方法で生成した。25μLのcol-4/リボフラビン溶液をガラスカバースリップ上にピペットし、その領域を覆うように拡散させた。この層をUV又は青色光の下に1分間置いた。更に25μLを部分的に架橋された溶液上にピペットし、領域を再び覆うように拡散させた。二重層のフィルムを更に1分間架橋した後、最終的な25μLを添加し、拡散させて領域を再度充填し、三重層構造を形成した。
【0076】
次いで、col-4膜を、1×PBSを含有する35mmペトリ皿に入れ、透明になるまで2×15分間洗浄した。これらの膜は、使用するまで4℃で1×PBS中に保存することができた。培養実験では、col-4膜を最初に細胞培養フードのUV光下で15分間滅菌した。滅菌したら、膜を12ウェルプレートのウェルに入れた。
【0077】
生成した二重層及び三重層のcol-4膜は両方とも、細胞株を使用して試験した場合、角膜内皮細胞と適合した(図1A/B)。加えて、単層、二重層、及び三重層のcol-4膜の間に見られる厚さの増加は、5%hPL培地中で3~5日培養した後にウェルから剥離する能力に影響を及ぼさなかった。単層と二重/三重層のcol-4膜との間の透明度の差は、洗浄後に肉眼的にも顕微鏡的にも観察されなかった。二重及び三重の層col-4膜をピンセットで取り扱ったとき、膜構造がより強かったので、一緒に架橋された層の数が多いほど、違いが観察された。しかしながら、三重層のcol-4は作製されたものの中で最も強力であったが、この強度はスクロールに折り畳むことができなかったため、その柔軟性の一部を損なった。二重層のcol-4は、単層よりも強く、適切なレベルの柔軟性を維持した。細胞は、機械的破壊後も全ての種類の膜に付着したままであり、この例は図1Cに見られる。理想的なバイオエンジニアリングされた内皮膜は、二重層膜であるように見えるが、三重層膜も候補になり得る。
【0078】
col-4膜上の角膜内皮細胞のための独自の培養システムの開発
不死化角膜内皮細胞株(B4G12)及び初代角膜内皮細胞の両方を使用した。B4G12細胞を解凍し(液体窒素中で保存した後)、コーティングされた組織培養フラスコ中で80%のコンフルエンスに達するまで拡大させた。細胞を、Nutrient Mixture Ham’s F12及び培地199、20μg/mLのアスコルビン酸、10ng/mLのbFGF及び10,000U/mLのペニシリン及び10,000μg/mLのストレプトマイシンの1:1混合物中の5%のFCS培地のウシ胎仔血清(FCS)ベースの成長培地を使用して培養した。次いで、細胞を継代させ、カウントした。1×10個の細胞が、75~100μLの細胞充填培地と同等になるように細胞密度を調整した。この量の培地を、生成されたcol-4膜に添加し、細胞を含む膜をインキュベーターに45分間放置して、細胞の接着を可能にした。更に500μLのFCSベースの成長培地を、膜を含むウェルに添加した。
【0079】
翌日、FCSベースの成長培地を、5%ヒト血小板溶解物(hPL)培地で置き換えた。このhPL培地は、FCSがhPLに置き換えられたことを除いて、5%FCSベースの成長培地と同じ組成を有した。膜を、hPL培地中で3~5日間インキュベートした。
【0080】
細胞株は、5日後に完全なコンフルエンスに達し、平均密度は3784個の細胞/mmであった。col-4膜上での角膜内皮細胞の培養中の角膜内皮シートの生成は、5%hPLの追加を必要とした。
【0081】
合計19個の膜;3個の三重層及び16個の二重層col-4を作製し、観察した。細胞が、5%hPL培地中でコンフルエンスに達した後、これらの膜の全てを分離した(図2A)。作製した全ての三重層膜を、5%hPL培養の開始の4日後に分離した。観察のためにより多くの膜を作製した二重層のcol-4群の平均分離時間は、5%hPL培地中での3~5日間の培養の範囲であった(表1)。比較すると、5%FCS培地中で培養したcol-4角膜内皮シートのいずれも、剥離することができなかった(図2B)。
【表1】
【0082】
創傷治癒試験
バイオエンジニアリングされたcol-4角膜内皮シートは、外科医がピンセットを使用してそれらを操作するため、機械的破壊を受けた。膜への傷を含む機械的外傷の後、シートを、ピンセットを使用して35mmのペトリ皿に固定し、5%FCS培地中で1週間回復させた。col-4が無傷のまま残っている領域と、col-4が残っていない領域にわたる細胞の回復を比較した。一部のシートを引き裂いて、col-4を完全に除去し(対照条件)、一方、他のシートでは、細胞を単にcol-4から引っ掻いた。各シートの同じ領域を毎日撮像し、画像分析ソフトウェアImage Jを使用して回復した細胞領域を決定した。
【0083】
この試験は、移植された内皮から細胞の30%が失われるDMEK手術中に一般的に重要であった。傷つけた後、内皮細胞は回復することができ、7日後にcol-4膜上に傷跡のない単層を形成した(図3)。しかしながら、col-4層自体に裂け目があった場合、細胞はcol-4を拡大させることができなかったため、細胞を回復させることができなかった。
【0084】
模擬臨床試験
バイオエンジニアリングされた内皮のマーキング
手術中に、外科医が、内皮細胞を患者の眼に取り付けるために正しく配置されるように、どの側にあるかを決定できるように、デスメ膜を、方向を示すようにマークし得ることが不可欠である。非毒性ペンを使用して、col-4膜上に「F」などの非対称形状を描いた。このマークの付いたcol-4膜を洗浄して、様々な液体中での洗浄及び手術中の機械的操作の後にマークが見えるままであるかどうかを決定した。
【0085】
作製されたcol-4膜は、外科医が、内皮細胞がどちらの側にあるかを区別することを可能にする非対称のマークを作製するために手術で使用されるのと同じマーカーでマークすることができる。膜の非内皮側で作製されたマークは、洗い流すことができず、区別可能なままであった(図4A)。文字「F」を含むより複雑な形状は、この形状を膜に直接描画すると破れを引き起こす可能性があるため、ドットを使用して文字を形成することもできる(図4B)。
【0086】
模擬DMEK(デスメ膜内皮角膜形成術)手術試験
手術試験は、人工眼を使用して手術用ウェットラボで実施した。全体のプロセスは、ドナーのデスメ膜がその付着した内皮とともに移植される通常のDMEK手術のステップに従った。この試験において、細胞を有する3つの種類の膜の全て、すなわち、単層、二重層、及び三重層を使用した。膜を最初に8.5mmのトレフィンを使用してトレフィン処理し、注入プロセス中に視覚化を可能にするためにVisionBlueで染色した。次に、人工眼に挿入するために、膜をStryker注射器に吸引した。挿入後、気泡を眼内のシートの上部に配置して、縮小を可能にし、移植されたシートを患者の眼に取り付けることができるDMEK手術の部分を模倣した。
【0087】
二重層及び三重層のcol-4角膜内皮シートの両方が、注射可能であり、Stryker注射器から人工眼に排出可能であった(図5Aに示される)。しかしながら、その強度の増加及び柔軟性の低下のために、三重層膜にはより強い力が必要であった。また、注射時の眼の視覚化のために通常の手術で使用されるVisionBlue染料(図5Bに示される)で適切に染色することもできる。col-4角膜内皮二重及び三重層シートの両方を適切にトレフィン処理して、正しいサイズのシート(このサイズは、図5Bに破線で示されている)を作製することができる。このトレフィン処理は、不均一の端部を取り除くことで、滑らかな円形の層を作製した。また、ビッグバブル技術と互換性があり、人工眼及びブタの眼に適切に排出することができた。
【0088】
エクスビボ試験
この試験は、デスメ膜を欠く角膜全体へのcol-4角膜内皮の接着を判定するために行った。シートを眼に入れ、細胞側を上向きにして平らにして、角膜層の通常の構造及び向きを模倣した。1分、5分、10分、及び15分の5つの異なる時点で、角膜全体を拾い上げ、元の位置からの層の動きを調べることによって、層の接着を判定した。
【0089】
バイオエンジニアリングされた内皮層を、デスメ膜のないヒト角膜に配置した後、眼内に最小限の液体があったときに、間質に即座に(1分以内に)接着することができた(図6)。この接着は、チェックした以下の全ての時点で維持された。しかしながら、最小限の液体で1時間の接着時間後でも、一定量の液体を添加すると、col-4シートが角膜から解離し、表面に浮遊した。加湿チャンバ内で一晩インキュベートした後、液体を添加すると、col-4シートを角膜実質に接着させたままにすることができた。この接着は、臓器貯蔵培地中で2週間培養した後、シートが接着したままであるため、永続的であることを見出した。シートはまた、最初及びその培養の期間の両方にわたって、角膜内で透明なままであった。
【0090】
実施例2:追加の内皮構築物の調製及び試験
この実施例では、コラーゲンI(col-1)及びラミニンを膜の主要成分として使用する構築物を含む追加の内皮構築物を調製し、試験した。初代内皮細胞を使用して、更なる証拠及び更なる構築物の例を提供した。
【0091】
材料及び方法
コラーゲンI(col-1)溶液の調製
製造業者のプロトコルに従って、col-1粉末(Bovine skin、Sigma-Aldrich)を調製した。粉末を、800rpmの速度で16時間の連続撹拌下、0.1Mの酢酸溶液(pH=2.72)中に溶解した。次に、混合物を目で観察して、コラーゲン粉末が完全に溶解したことを確認した。次いで、コラーゲン溶液を1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、冷蔵庫に保管した。
【0092】
90部のコラーゲン溶液を、2.7部の5MのNaOHで中和し、次いで7.3部のCaClと混合した。0.1%及び0.2%(w/v)の溶液のリボフラビンを、500μLの2mg/mlのCaCl溶液に、0.5及び1mgのリボフラビン粉末を個別に添加することによって作製した。チューブを2分間ボルテックスし、ミニ遠心分離機内で1分間チューブを遠心分離することによって沈殿物をチェックした。リボフラビン粉末(Sigma-Aldrich)を、1mg/mlの最終濃度で添加されたイオンを伴う、新たに作製された中和されたコラーゲン溶液に添加した。この実施例で使用したcol-1溶液は、3~12mg/mLのcol-1濃度を有した。
【0093】
コラーゲン4(col-4)溶液の調製
col-4粉末(6mg/mLの最低濃度)を0.1Mの酢酸中に溶解し、次いで5MのNaOH及び27.4mg/mLのCaClで中和して、6.7~7.4の最終pHにした。これらのステップを室温で実施した。溶液が中和されたら、最初に使用したcol-4の90μLごとに0.1~0.2mgのリボフラビンを添加し、col-4/リボフラビン溶液を更にボルテックスし、それぞれ30秒及び1分間遠心分離することによって溶解させた。
【0094】
カルシウムイオンの添加により、透明で中和されたcol-4溶液が生成された。得られた液体を、直ちに光架橋することができるか、又は少なくとも1週間後に使用するために-30℃で保存することができる。溶液は、少なくとも1時間後に使用するために室温に保つことができる。リボフラビンを含まない中和されたcol-4は、架橋特性の変化なしに少なくとも1週間後に使用するために30℃で保存することができる。
【0095】
コラーゲンI及び/又はIV構築物の調製
4つのコラーゲン構築物を調製した。
1a:10.8mg/mLでのcol-4
1b:col-1及びcol-4を、4mg/mLのcol-1及び7mg/mLのcol-4と混合した
1c:底部にcol-1層(10.5mg/mL)、上部にcol-4層(10.5mg/mL)
1d:col-4 10mg/mL及びラミニン10μg/mL
全ての構築物を2つの層で調製した。簡潔に述べると、20μLのコラーゲンバイオインク(col-4のみ、col-1のみ、又はcol-1とcol-4の混合物)を直径22mmのカバースリップ上に滴下し、p100ピペットを使用して広げて表面を充填した。ヒドロゲルを480nmの光で、3cmの距離から最低1分間架橋した。これに続いて、第1の上に20μLのコラーゲンバイオインクの第2の層を適用した。完成した膜を更に最低4分間架橋した。膜を顕微鏡下で垂直に配置することによって膜の厚さを測定した。膜を、シェーカー上で各々5分間、滅菌1×PBSで3回洗浄し、透明になるまで4℃で一晩放置した。膜は直ちに使用するか、又は使用まで冷蔵庫に保管した。滅菌は、膜をPBSから取り出し、クラスIIバイオセーフティキャビネット内で15分間UV下に置くことによって行った。
【0096】
透明性試験
架橋後、全てのヒドロゲルを1×PBSで10分間3回洗浄した。次いで、膜を24ウェルプレート中に平らに配置し、ウェルの少なくとも90%を充填した。400~1000nmの各ウェルの光学密度を、プレートリーダー(Tecan Safire II)を使用して測定し、透過率%を、1-平均ODによって得た。
【0097】
ラミニン膜によるコラーゲンIVの免疫染色
膜を4%パラホルムアルデヒドで15分間固定し、PBSですすいだ。試料を5%のBSA/PBSによって30分間遮断し、抗ラミニンベータ1抗体(100希釈のうちの1;Abcam ab256380)とともに4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、膜をPBSですすぎ、ロバ抗ウサギ594二次抗体とともに室温(RT)で2時間インキュベートした。免疫染色を可視化し、Zeiss LSM700走査型レーザー共焦点顕微鏡を使用して画像化した。
【0098】
初代角膜内皮細胞培養
初代角膜内皮細胞を培養した。デスメ膜をドナー角膜から剥離し、37℃で3~5.5時間、チューブ中のコラゲナーゼA(2mg/mL、Sigma)中で消化した。消化チューブを、室温(RT)で190gで5分間遠心分離した。上清を除去し、5分間の更なる消化のために、TrypLE select 1×(ThermoFisher)を添加した。M5培地は、5%FBS、ヒト内皮無血清培地(SFM、ThermoFisher)、10μMのY-27632(Sigma)及び1%抗生物質-抗真菌剤(ThermoFisher)を添加してTrypLEを不活性化し、チューブを再び遠心分離した。細胞ペレットを新鮮なM5培地中に再懸濁した。50μLの細胞懸濁液(1.5×10^5細胞)を、既に6ウェルに配置された各膜の中心に添加したか、又は直径9mmのスペーサーを対照として有するcol-1でプレコーティングされたペトリ皿を添加した。プレート及び皿をインキュベーター内に45分間置き、続いて1.5mLのM5培地を添加した。翌日、M5を増殖培地M4(Ham’s F12:M199、1:1、5%FBS、1%ITS、10μMのY-27632、10ng/mlのhFGFb、及び1%の抗生物質-抗真菌剤)に置き換えた。培地を1週間に3回交換し、培養液を位相差光学顕微鏡によって調べた。
【0099】
バイオエンジニアリングされた内皮の免疫染色
培養後、膜及び対照を低温メタノールで2分間固定し、PBSですすいだ。試料を5%BSA/PBSによって30分間遮断し、4℃で一晩マウスNa/K-ATPase(Abcam)とインキュベートした。試料をPBSですすぎ、ヤギ抗マウス488二次抗体及びHoechst 33342と室温で2時間インキュベートした。免疫染色を可視化し、Zeiss LSM700走査型レーザー共焦点顕微鏡を使用して画像化した。
【0100】
成形プラットフォームを使用してコラーゲン構築物を製造する代替方法
成形プラットフォームは、3つの層で組み立てた。疎水性材料(例えば、シリコーン、パラフィルム)又は低温表面(例えば、低温金属)のいずれかで作製された支持層、中空の中心を有する50μm以上のポリエステルフィルムであった中間層、最上層は別のポリエステルフィルムであった(図7)。
【0101】
簡潔に述べると、支持層及び中間層を最初に組み立て、30μLのコラーゲンバイオインク(col-4のみ、col-1のみ、又はcol-1及びcol-4の混合)を中間層の中空中心にピペットで移した。次いで、最上層を装置の上に配置した。成形体全体を重量で圧縮し、成形ヒドロゲル膜を480nmの光で、3cmの距離から2分間架橋した。
【0102】
架橋後、最上層を除去し、20μLのコラーゲンバイオインクを架橋膜に適用した。次に、バイオインクを最上層で覆い、再び架橋した。次いで、二重層膜を取付装置から取り出し、膜を顕微鏡下で垂直に配置することによって膜の厚さを測定した。
【0103】
膜を、シェーカー上で各々5分間、滅菌1×PBSで3回洗浄し、透明になるまで4℃で一晩放置した。膜は直ちに使用するか、又は使用まで冷蔵庫に保管した。滅菌は、膜をPBSから取り出し、クラスIIバイオセーフティキャビネット内で15分間UV下に置くことによって行った。
【0104】
結果
コラーゲンI及び/又はIV構築物の調製
4つの膜全てを、平均厚さ250μm、透明度90%超で正常に構築した(表2)。
【表2】
【0105】
ラミニン膜によるコラーゲンIVの免疫染色
ラミニンを有するコラーゲン膜の蛍光画像は、対照よりも強い染色を示した(図8)。これは、ラミニン(赤色蛍光)が膜を横切って組み込まれたことを示唆している。
【0106】
初代角膜内皮細胞培養
初代角膜内皮細胞は、試験された全ての膜についてコンフルエンスに達した(図9)。培養の約10~14日で、膜は、それらが調製されたカバースリップから自己分離することができた(図10)。次いで、分離された膜をピンセットで拾い上げ、免疫染色のために別の皿に移した。
【0107】
バイオエンジニアリングされた内皮の免疫染色
col-1のみで成長した原発性ヒト角膜内皮細胞並びにcol-1 I及びcol-4層膜は、対照(col-1でプレコーティングされたペトリ皿)と比較して、細胞境界上の主要なマーカーNa/K-ATPaseの強度が高かった(図11)。
【0108】
成形プラットフォームを使用してコラーゲン構築物を製造する代替方法
2つの層状コラーゲン膜は、成形プラットフォームによって成功裏に作製することができた(図12)。低温金属板を使用した場合、膜は支持材料ではなく最上層に接着した。しかしながら、接着力が弱く、PBSですすぐことで膜を容易に除去することができた。成形プラットフォーム法は、一貫した膜生成を可能にした。最上層は、膜の滑らかな表面を保証し、膜を支持材料から容易に除去することができた。
【0109】
結論
この実施例に示されるデータは、col-4膜が、膜の透明性に影響を与えることなく、col-1及びラミニンなどの構造タンパク質を組み込むことができることを示す。加えて、架橋法を介して、純粋なcol-1の1つの層及びcol-4の別の層を使用して、2つの層状構築物を作製することができる。初代角膜内皮細胞を試験し、細胞がコンフルエンスに達した後(通常、培養の約10日目)、それらが生成されたディスクから膜を自己分離させることができた。初代内皮細胞を培養するときに、ヒト血小板溶解物を添加する必要はない。膜上に滑らかな表面を生成し、膜の容易な除去及び取り扱いを可能にする、コラーゲン構築物を製造する新しい方法も開発された。
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図5
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図7
図8
図9
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図12
【国際調査報告】