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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】軸方向磁束永久磁石モータ/発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/24 20060101AFI20240228BHJP
   H02K 3/04 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H02K21/24 G
H02K21/24 M
H02K3/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557301
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022017606
(87)【国際公開番号】W WO2022197412
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】17/204,510
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523353948
【氏名又は名称】ブラックボックス エナジー システムズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,エリヤ,ロバート
【テーマコード(参考)】
5H603
5H621
【Fターム(参考)】
5H603AA11
5H603BB01
5H603BB02
5H603BB07
5H603BB09
5H603BB14
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB01
5H603CC14
5H603CC19
5H603CD13
5H603CD21
5H603CE02
5H603CE05
5H621BB01
5H621BB02
5H621BB07
5H621GA13
5H621GB14
5H621JK11
(57)【要約】
モータまたは発電機のためのステータ構成は、熱伝導性材料から作製されたステータコアを有する。この構成の界磁コイルは、熱伝導性材料によって、ステータコアに固定されている。界磁コイル構成は、導電体の巻線の第1層および第2層を有し、コイルの磁束の軸に対して略平行に配置された隣り合う平坦表面は、互いに直接的に接触している。当該ステータ構成および当該界磁コイル構成は、電気モータまたは発電機の一要素であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータであって、
a.平たい形状の立体を形成するステータコアであって、熱伝導性材料を備えるステータコアと、
b.前記ステータコアに固定された複数の界磁コイルであって、互いに周方向に離隔しており、複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルが、オープンコアを備える、複数の界磁コイルと、
c.熱伝導性接着材料によって前記ステータコアに固定された複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルと、
を備える、ステータ。
【請求項2】
前記ステータコアは、周方向に離隔した複数のポケットを定めており、
複数の前記界磁コイルのそれぞれの界磁コイルは、それぞれの前記ポケット内に配置されている、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
複数の前記ポケットの各ポケットは、半径方向に延在する複数の壁のそれぞれの対によって画定されている、請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
半径方向に延在する複数の前記壁の各壁は、周方向に隣り合った遠位端部の間にそれぞれのギャップを前記ステータコアが備えるように、半径方向内側遠位端部を備える、請求項3に記載のステータ。
【請求項5】
前記ステータコアは、
a.外周部を有する略平坦なウェブ部分と、
b.前記外周部から垂直方向に延在する環状壁と、
c.前記ウェブ部分から垂直方向に延在し、前記環状壁から内方へ半径方向に延在する、複数の壁と、
d.複数のポケットであって、複数の前記ポケットの各ポケットが複数の前記壁のそれぞれの対によって画定されており、それぞれの各界磁コイルがそれぞれのポケット内に配置されている、複数のポケットと、
を備える、請求項1に記載のステータ。
【請求項6】
それぞれの各フィールドコアは、
a.磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
をさらに備える、請求項1に記載のステータ。
【請求項7】
モータまたは発電機のための電気界磁コイルであって、
a.磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
を備える、電気界磁コイル。
【請求項8】
前記第1層は、磁束の前記軸に関して位置合わせされた状態で、前記第2層と隣り合わせに配置されている、請求項7に記載の電気界磁コイル。
【請求項9】
前記導電体は、複数の前記層の各々の間で単体構成となっている、請求項8に記載の電気界磁コイル。
【請求項10】
前記第1層および前記第2層のそれぞれの前記内層リード線は、一体的に連続している、請求項9に記載の電気界磁コイル。
【請求項11】
前記導電体は、各層内に、互いに電気的に接合されたそれぞれの別個のセグメントを備える、請求項8に記載の電気界磁コイル。
【請求項12】
前記第1層の前記外層リード線は、前記第1コイルリード線を含む、請求項7に記載の電気界磁コイル。
【請求項13】
電気モータまたは発電機であって、
a.ハウジングと、
b.前記ハウジングによって回転可能に支持されたシャフトであって、前記モータの回転軸を定めるシャフトと、
c.前記シャフトに対して相対的な回転が起こらないように接続された、少なくとも1つのロータであって、交番磁極パターンを備え、複数の前記磁極が前記回転軸に対して略平行な向きを有する、少なくとも1つのロータと、
d.回転不可能なステータであって、
i.平たい形状の立体を形成するステータコアであって、熱伝導性材料を備えるステータコアと、
ii.前記ステータコアに固定された複数の界磁コイルであって、互いに周方向に離隔しており、複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルが、オープンコアを備える、複数の界磁コイルと、
iii.熱伝導性接着材料によって前記ステータコアに固定された複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルと、
を備える、回転不可能なステータと、
を備える、電気モータまたは発電機。
【請求項14】
前記ステータコアは、周方向に離隔した複数のポケットを定めており、
複数の前記界磁コイルのそれぞれの界磁コイルは、それぞれの前記ポケット内に配置されている、請求項13に記載のモータまたは発電機。
【請求項15】
複数の前記ポケットの各ポケットは、半径方向に延在する複数の壁のそれぞれの対によって画定されている、請求項14に記載のモータまたは発電機。
【請求項16】
半径方向に延在する複数の前記壁の各壁は、周方向に隣り合った遠位端部の間にそれぞれのギャップを前記ステータコアが備えるように、半径方向内側遠位端部を備える、請求項15に記載のモータまたは発電機。
【請求項17】
少なくとも1つの前記ロータは、前記交番磁極パターンをつくり出すような向きを有する、半径方向に延在する互いに離隔した複数の磁石を備える、請求項13に記載のモータまたは発電機。
【請求項18】
それぞれの各フィールドコアは、
a.前記回転軸に対して略平行に配置された磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
をさらに備える、請求項13に記載のモータまたは発電機。
【請求項19】
前記第1層は、磁束の前記軸に関して位置合わせされた状態で、前記第2層と隣り合わせに配置されている、請求項18に記載の電気界磁コイル。
【請求項20】
前記導電体は、複数の前記層の各々の間で単体構成となっている、請求項19に記載の電気界磁コイル。
【請求項21】
前記第1層および前記第2層のそれぞれの前記内層リード線は、一体的に連続している、請求項20に記載の電気界磁コイル。
【請求項22】
前記導電体は、各層内に、互いに電気的に接合されたそれぞれの別個のセグメントを備える、請求項19に記載の電気界磁コイル。
【請求項23】
前記第1層の前記外層リード線は、前記第1コイルリード線を含む、請求項18に記載の電気界磁コイル。
【請求項24】
複数の電気コイルを熱伝導性基板に据え付ける方法であって、
a.熱伝導性基板を設ける工程;
b.前記基板から垂直方向に延在しかつ中心軸から半径方向に延在する、互いに周方向に離隔した複数の壁を設ける工程;
c.複数の前記電気コイルのそれぞれの各電気コイルを、それぞれの複数の壁の対の間に、前記基板と隣り合わせに配置する工程、ここで、それぞれの各電気コイルは、空芯を有する;
d.それぞれの各電気コイルを、それぞれの前記電気コイルの前記空芯に配置された熱伝導性接着材料によって前記基板に固定する工程、ここで、前記熱伝導性接着材料は、前記基板およびそれぞれの前記電気コイルと接触している
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本開示は一般に、軸方向磁束永久磁石モータおよび発電機に関する。具体的には、低損失/高効率および高熱伝導率をもたらすステータ構成およびコイル構成を備えるモータ/発電機が開示される。
【0002】
〔背景技術〕
全てのモータおよび発電機は、電力と機械的動力との間の動力の変換時に、回転損失(rotational losses)を被る。この損失は、高速、すなわち10,000RPMを超える速さ(例えば、250,000RPM)で動作する高速モータ/発電機にとって、特に問題となる。ヒステリシス損失および渦電流損失を含む、磁気損失は、かかる回転損失のうち相当の割合を占めており、回転速度の上昇とともに増大する。低ヒステリシス鋼の使用によって、速さがより大きい場合のヒステリシス損失が低減され得るものの、嵩をより大きくすることが必要となり、結果的にモータがより重くなってしまう。また、高速、高トルクのモータ/発電機に関しては、発熱(heat buildup)が問題となる。
【0003】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の原理を説明するために、以下の詳細な説明を含む明細書とともに、添付の図面が提供される。
【0004】
図1は、本発明の教示に従って構成された、ハウジング内における電気モータ/発電機の内部構成要素を示す部分的な側面断面図である。
【0005】
図2は、図1の一部の構成要素の等角図である。
【0006】
図3は、図1のロータの平面図である。
【0007】
図4は、図1のステータの平面図である。
【0008】
図4Aは、図4の線4A-4Aに沿った断面である。
【0009】
図5は、図4のステータの界磁コイルを示す断片斜視図である。
【0010】
図6は、図5に示す界磁コイルの例示的な巻線の概略分解図である。
【0011】
〔詳細な説明〕
本明細書に明示的に記載された開示は、必要な範囲において、参照によって本明細書に援用される、対立する任意の内容に取って代わるものである。
【0012】
以下の説明では、同様の参照符号が、いくつかの図にわたって、同様の部分または対応する部分を示す。また、以下の説明において、前部、後部、内側、外側等の用語は、便宜上の語であり、限定的な用語として解釈されるべきではないことを理解されたい。本特許において使用される用語は、本明細書に記載された装置、またはその部分が、他の向きで取り付けられ、または利用され得る限り、限定を意図するものではない。より詳細に図面を参照して、本発明の教示に従って構成された1または複数の実施形態を説明する。
【0013】
図1は、モータ/発電機を示す。モータ/発電機を概して2で示す。モータ2は、軸方向磁束モータとして構成されている。ロータとステータとの間のギャップは、回転軸に関して平行に整列されている。この構成では、磁束の方向は、回転軸と平行である。周知のように、適切な制御装置とともに、図1に示す構成を、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するモータとして、ならびに、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機として、動作させることができる。説明を簡単にするために、図示の実施形態をモータと称することとするが、当該図示の実施形態は、発電機としても動作して、発電機と称され得ることを理解されたい。モータ2は、ハウジング4、フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ステータ12およびステータ14、バッキングプレート16、シャフト18、シャフト20、リアベアリング22ならびにフロントベアリング24を備える。ハウジング4は、組み合わせられてハウジングを形成する複数の部品を含んでもよい。ハウジング4は、モータ2の構成要素が別の装置の構造体の内部で支持される、当該別の装置の構造体を備えてもよい。なお、シャフト20は、当該実施形態がモータとして動作する場合にあっては、出力シャフトとして機能してもよく、当該実施形態が発電機として動作する場合にあっては、入力シャフトとして機能してもよい。当該実施形態をモータと称するのに合わせて、シャフト20を出力シャフト20と称することにする。
【0014】
ベアリング22およびベアリング24は、ハウジング4によって支持されている。ベアリング22およびベアリング24は、任意の方法でハウジング4に固定されていてもよい。シャフト18はリアベアリング22によって回転可能に支持され、出力シャフト20はフロントベアリング24によって回転可能に支持され、モータ軸20aの周りを回転する。出力シャフト20は、モータ2の外部の部材と結合しあるいはそれ他の方法で接続して、機械的動力を伝達するように構成されてもよい。ここには2つの数字が記載されているが、シャフト18および出力シャフト20には、単一シャフトが含まれてもよく、その長さ全体にわたって均一な直径を有してもよい。簡単にするために、シャフト18および出力シャフト20は、単一シャフト出力シャフト20と称されるものとする。
【0015】
フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16は、出力シャフト20と共に回転してそれらの間で力が伝達されるように、当該出力シャフト20に接続されている。図示の実施形態では、フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16は、それらの間に相対的な回転が起こることなく、一緒に回転する。フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16は、任意の方法で、出力シャフト20に接続されてもよい。例えば、フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16は、出力シャフト20上の外部スプラインに対して相補形状で嵌合する内部スプラインを、内側ハブに有してもよい。出力シャフト20がキー溝を有するようにし、フロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16の内側ハブが相補形状のキー溝スロットを有するようにすることができるだろう。
【0016】
ステータ12およびステータ14は、ハウジング4等によって、回転不可能に支持されている。図示の実施形態では、複数のスタンドオフ26が、任意の適切な方法で、ステータ12およびステータ14ならびにハウジング4に対して接続されていてもよい。複数のスタンドオフ26は、任意の適切な方法で、ハウジング4に対して接続されていてもよい。
【0017】
そのため、出力シャフト20が回転すると、一方のステータ12およびステータ14と、他方のフロントプレート6、ロータ8およびロータ10、ならびにバッキングプレート16との間に、相対的な回転が起こる。
【0018】
図1は、複数のロータ8および10が、ステータ12およびステータ14と互い違いになって、フロントプレート4とバッキングプレート16との間に介在している様子を示す。モータ2は、1または複数のステータおよびロータを備えてもよい。
【0019】
また、図2を参照すると、ハウジング4および図1に見られるその他の構成要素がない状態における、フロントプレート6、ロータ8、ステータ12、および出力シャフト20が、斜視図で示されている。フロントプレート4およびロータ8をシャフト20に接続するための、代替的な一構成を見ることができる。プレート28は、シャフト20に回転不可能に接続され、複数の接続特徴部30を通じてプレート6に接続されてもよい。ロータ8は、ロータ8を複数の接続特徴部30に接続する複数の接続特徴部32(図3参照)を備えてもよい。また、フロントプレート6は、ロータ8の複数の取り付け特徴部または接続特徴部36(図3参照)と相補的に機能するように構成および配置された、複数の接続特徴部34を備えてもよい。
【0020】
ロータ8は、交番磁極パターンを備える。図3に示す実施形態では、半径方向に延在する互いに離隔した複数の磁石38および40がある。磁石38および磁石40は、それぞれの開口部またはポケット42に配置され、任意の適切な手段(例えば、エポキシ樹脂等)を用いてロータ8に固定されてもよい。磁石の磁極の向きは、隣接する磁石の磁極の向きとは反対となっており、交番磁極パターンが生み出されている。例えば、図3では、複数の磁石38は、それらのそれぞれのN極がモータ軸20aに対して平行に図の外へ延在した状態で示されており、複数の磁石40は、それらのそれぞれのS極がモータ軸20aに対して平行に図の外へ延在した状態で示されている。これにより、交番磁極パターンまたは交番磁極アレイがつくり出されている。ロータ8およびロータ10の各々のロータの磁石38および磁石40、ならびに、図示された2つのロータ以外の任意のさらなるロータの磁石38および磁石40が、他方のロータ(その他のロータ)の対応する磁石38および磁石40に対して位置合わせされる。したがって、ロータ8の磁石38は、ロータ10の磁石38に対して、ロータ8の磁石38のN極がロータ10の磁石38のS極に対向した状態で位置合わせされている。図1に示すように、ロータ10の磁石38のS極38Sは、ロータ8の磁石38のN極38Nに対向している。図1にも見られるように、磁石38および磁石40は、ロータ8の表面8aの向こうへ、そしてロータ10の表面10aおよび表面10bの向こうへ、一直線に配置されてもよい。図示の実施形態では、ロータ8とプレート6とが直接的に接触していることから明らかである通り、磁石38および磁石40は、ロータ8の表面8bを越えて延在していない。
【0021】
磁石38および磁石40は、ロータ8の回転動作のために十分な構造的強度が維持されつつ、磁束密度の大きくないロータ8の領域が最小限となるように、互いに可能な限り近くに配置されてもよい。任意の適切な数の磁極が存在してもよい。ロータ8は、交番磁極構成に適した任意の材料(例えば、弱磁性または非磁性の材料(例えば、炭素繊維、ステンレス鋼またはアルミニウム等)等であるが、これらに限定されない)から作製されてもよい。
【0022】
図示の実施形態では、バッキングプレート16は、磁石38および磁石40の交番磁極パターンから生じる磁界回路の完成に必要となる、高い透磁率を有する材料(例えば、鋼または鉄等)を含む。バッキングプレート16はロータ8およびロータ10に付随して回転するため、バッキングプレート16において磁束に変動は起こらず、これにより、ヒステリシス損失が除去される。
【0023】
図4を参照すると、ステータ12が示されている。図示の実施形態では、ステータ12は、ステータ14と同一の構成となっている。追加のステータが、ロータ間に介在させて用いられてもよく、ステータ12と同一または同様の構成としてもよい。ステータ12およびステータ14は、シャフト18または出力シャフト20に接続されておらず、任意の適切な構造体(例えば、ハウジング2によって支持されたスタンドオフ26等)によって回転不可能に支持されている。任意の適切な数および任意の適切な構成のスタンドオフ26が用いられてもよく、それらは任意の適切な方法で、ステータ12に固定されてもよい。ステータ12は、中央に配置された開口部44を含む。シャフト18または出力シャフト20は、当該開口部44を通るように配置され得る。ステータ12は、ステータコア13を含み、ステータコア13は、開口部44が形成された略平坦なウェブ部分13a(図4a参照)と、ウェブ部分13aから直立して延在する略環状の壁13bと、を備える。ステータコア13は、第1の周方向に離隔した複数のポケット46を含む。図示の実施形態において、複数のポケット46は、その底部において、平坦なウェブ部分13aと境界を接している。ステータコア12aは、ポケット46の半径方向に延在する側面を定める複数の壁54を備えてもよい。ステータコア12aは、壁54によって画定された、材料を含まない複数のキャビティまたは領域48を有してもよい。
【0024】
壁13bの半径方向幅は、均一であってもよく、または、図4に見られるように、変化してもよい。例えば、図示の実施形態において、ポケット46に隣接する壁部分13b’の半径方向幅は、キャビティまたは空所48に隣接する壁部分13b’’の半径方向幅よりも小さい。
【0025】
ステータ12は、複数の界磁コイル(フィールドコイル)50を備える。複数の界磁コイル50は各々、それぞれのポケット46内に配置されている。典型的には、界磁コイル50の数は、磁石24および26の数の半分である。界磁コイル50は、任意の適切な手段(例えば、界磁コイル50とポケット46を画定する壁との間に配置されたエポキシ樹脂47a等)によって、ポケット46内に固定されてもよい。エポキシ樹脂47aは、少なくとも2W/mKの熱伝導率を有する。
【0026】
本発明の教示によれば、図示の実施形態では、ステータ12およびステータ14は、界磁コイル50からの熱を伝達するように構成されている。ステータ12およびステータ14は、ヒートシンクとして機能し、界磁コイル50からの高い熱伝達をもたらしてコイル内の発熱を低減させるように、高い熱伝導率を有する。図示の実施形態では、ステータコア13は、高熱伝導性材料から作製されており、ポケット46内に界磁コイル50を固定するために使用される材料も、高熱伝導性材料である。少なくとも100W/mKの熱伝導率を有する材料が使用されてもよい。例えば、ステータコア13は、約285W/mKの熱伝導率をもたらす焼結窒化アルミニウムから作製されてもよく、約600W/mKの熱伝導率をもたらす立方晶窒化ホウ素から作製されてもよく、または約740W/mKの熱伝導率をもたらすダイヤモンドアルミニウム窒化物(diamond aluminum nitride)から作製されてもよい。ほとんどの用途に関しては、焼結窒化アルミニウムが高費用効果で十分な熱伝導性をもたらす。高出力密度に関しては、立方晶窒化ホウ素がさらなる熱伝導性をもたらす。高トルクを有する超高出力密度モータに関しては、ダイヤモンド中心立方晶窒化ホウ素(diamond centric cubic boron-nitride)がそのうえさらなる熱伝導特性をもたらす。
【0027】
図4Aを参照すると、界磁コイル50は、コア52の中に強磁性材料のない、オープンコアコイル(open core coil)である。界磁コイル50のコア52には、界磁コイル50からの熱伝達が促進されるように、熱伝導性材料(例えば、熱伝導性エポキシ樹脂47b等)が充填されてもよい。熱伝導性エポキシ樹脂47bの熱伝導率が高いほど良い。例えば、熱伝導性エポキシ樹脂47bは、少なくとも100W/mKの熱伝導率を有してもよい。また、熱伝導性エポキシ樹脂47bは、ウェブ部分13aに固定された界磁コイル50を保持するように機能する。さらに、エポキシ樹脂47aは、界磁コイル50からポケット46の壁への熱伝達を促進する。そのため、エポキシ樹脂47aは、熱伝導性エポキシ樹脂(例えば、熱伝導性エポキシ樹脂47bと同じエポキシ樹脂)を含んでもよい。
【0028】
さらに、熱は、ステータコア13に接続されたスタンドオフ26を通じて、ステータ12およびステータ14からハウジング4へ伝導されてもよい。また、スタンドオフ26は、ステータ12およびステータ14を適所に保持する。ハウジング4は、水冷式であってもよい。
【0029】
さらに、本発明の教示によれば、ステータ12およびステータ14は、渦電流を低減または除去するように構成される。一実施形態では、ステータ12およびステータ14は、渦電流損失が防止され、または渦電流損失が低く維持されるように、非導電性材料(例えば、焼結窒化アルミニウムまたは立方晶窒化ホウ素等)を含んでもよい。図示の実施形態に関して、ステータ12およびステータ14が導電特性を有する材料から作製されている場合には、図4に示すように、ポケット46およびキャビティ48を画定するそれぞれの薄壁54は、それぞれの遠位端部54aにおいて、互いに接続されていない。導電性材料が使用される場合、遠位端部54a間のギャップによって、渦電流が薄壁54を通って流れることが防止される。領域またはキャビティ48を画定する壁54の複数の対の遠位端部54a間におけるそれぞれのギャップには、偶発的に閉じた電気的なループが生じて渦電流が存在し得るようになることを防止するために、非導電性材料(例えば、窒化アルミニウム等)が充填されてもよい。当該構造体が高トルクをもたらすものとなるように、遠位端部54a間のギャップを充填することによって、ステータの構造的剛性を増大してもよい。
【0030】
図5を参照すると、複数の界磁コイルのそれぞれの界磁コイル50が、それぞれのポケット46内に配置されて示されている。いずれの界磁コイルも、モータ2のモータ軸20aと同じ磁束の方向51を有している。
【0031】
また、図4Aおよび図6を参照すると、図示の実施形態では、界磁コイル50は、コイルが発生させる熱を巻きから巻きへ効果的に伝導するように構成されている。界磁コイル50は、個々の複数の巻きを備える。当該個々の複数の巻きは、50a(上層a)および50b(下層b)として識別されている。巻き50a、50bの各々は、電気的に絶縁された平坦な銅線を備える。それぞれの層a、b内において、当該平坦な銅線は、上層aのそれぞれの各巻き50aおよび下層bのそれぞれの各巻き50bの内側平坦表面が、それぞれの隣接する巻き50a、50bの外側平坦表面と隣り合わせに接触させて配置されるように巻かれている。巻き50a、50bを形成する当該銅線は、互いに背中合わせになった2つの平坦表面を有し、当該2つの平坦表面は、軸20aに対して、略平行に配置されている。磁束の方向51の直線からの半径の方向における各巻きの厚さは、任意の適切な寸法であってもよく、界磁コイル50を含む銅線の「半径方向」の厚さおよび軸方向の高さによって、平坦な巻き50a、50bの相当ゲージサイズが定められることが認識されている。一例として、界磁コイル50を含む銅線のサイズは、16ゲージ相当(等価16ゲージ)であってもよい。
【0032】
平坦表面対平坦表面の直接的構成によって、高巻き詰込み率(high winding packing factor)とも称される、非常に高い銅充填率がもたらされる。銅充填率が高いほど、コイル50の(所与の電流に対する)磁界が大きくなる。この平坦側面対平坦側面の巻き構成によって、界磁コイル50は、隣り合う巻きの間の接触表面積がより大きくなることの結果として、高い熱伝達をもたらすように構成されている。界磁コイル50の巻き50a、50b間の高い熱伝達によって、ステータコア13へのより良好な熱伝達がもたらされる。これは、高熱伝導性材料(例えば、エポキシ樹脂47aおよびエポキシ樹脂47b等)を使用することによって促進される。本発明がそのように限定されるものではないものの、図示の平坦表面から平坦表面へのコイル巻き構成はまた、(磁束の方向51に対して垂直な)磁気平面内において、小さな表面積を有する。これにより、高速動作時の渦電流損失が制限される。平坦表面巻線50a、50bは、丸形コイルよりも表面積が大きく、これにより、高RPMに伴うより高い周波数の電流を伝えるためのより多くの表面がもたらされる。これにより、界磁コイル巻線50a、50bにおける銅の使用をより少なくすることが可能となり、同等の電流に対するコストおよび重量が低減される。
【0033】
図5を参照すると、界磁コイル50のリード線50a’(最上層a)およびリード線50b’(最下層b)は、それぞれの凹部60内に配置されてもよい。各ステータコア13は、少なくとも1つのコイル層を備えていてもよく、または、各々、複数の積層コイル層を備えていてもよい。図1および図2に見られるように、各ステータは、複数のステータコア(例えば、12aおよび12b、ならびに、14aおよび14bで示されるステータコア)を備えてもよい。複数のステータコアは、任意の適切な固定手段(例えば、ガラス繊維またはその他の複合材料等)によってまとめられ、エポキシ樹脂が充填されてもよい。
【0034】
図6を参照すると、本発明の教示の一態様に従って構成された巻き56aを有する、界磁コイル50の図示の例示的な巻きの分解図が概略的に示されている。図6は、界磁コイル50の巻き56の最上層aと、界磁コイル50の巻き56の最下層bと、を示す。最上層aは、外部から渦巻線状に内方へめぐる巻き56aを備え、最下層bは、内部から渦巻線状に外方へめぐる巻き56bを備える。平坦銅線は、56a’’および56b’’において、連続導体として、層aと層bとの間の移行をなしている。したがって、界磁コイル50の中心と矢印58によって表される電流の方向との間に渡り線はなく、結果として生じる磁界の方向は、最上層aと最下層bとの両方に関して同じである。
【0035】
図6には、層aの隣り合う巻き56aの間のギャップ、および、層bの隣り合う巻き56b間のギャップが示されている。このギャップは、単に巻き56a、56bを明確に図示する目的のために、示されたものである。すなわち、上述したように、それぞれの各巻き50a、50bの内側平坦表面は、それぞれの隣接する巻き50a、50bの外側平坦表面と隣り合わせに接触させて配置されている。
【0036】
巻線56aおよび巻線56bは、単体構成(unitary construction)となっていてもよい。図5および図6は、例示的な一方法を示したものであり、この例示的な一方法では、界磁コイル50は、2つの別個の巻き56aおよび56bから構成されており、上層aの巻き56aの端部56a’’を下層bの巻き56bの端部56b’’と接続することによって、互いに接合されている。層aが層bから分離して巻かれており、層aの巻き56aの端部に形成された端部56a’’が上層aの内側(コア側)にあってもよい。同様に、内層bが層aから分離して巻かれており、層bの巻き56bの端部に形成された端部56b’’が内側(コア側)にあり、端部56a’’に対して位置合わせされた状態にあってもよい。層aは、層bと隣り合わせに配置されてもよく、端部56a’’と端部56b’’とは、電気的に接合されていてもよい。
【0037】
実施例1
ステータであって、
a.平たい形状の立体を形成する(形成する)ステータコアであって、熱伝導性材料を備えるステータコアと、
b.前記ステータコアに固定された複数の界磁コイルであって、互いに周方向に離隔しており、複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルが、オープンコアを備える、複数の界磁コイルと、
c.熱伝導性接着材料によって前記ステータコアに固定された複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルと、
を備える、ステータ。
【0038】
実施例2
前記ステータコアは、周方向に離隔した複数のポケットを定めて(画定して)おり、
複数の前記界磁コイルのそれぞれの界磁コイルは、それぞれの前記ポケット内に配置されている、実施例1に記載のステータ。
【0039】
実施例3
複数の前記ポケットの各ポケットは、半径方向に延在する複数の壁のそれぞれの対によって画定されている、実施例2に記載のステータ。
【0040】
実施例4
半径方向に延在する複数の前記壁の各壁は、周方向に隣り合った遠位端部の間にそれぞれのギャップを前記ステータコアが備えるように、半径方向内側遠位端部を備える、実施例3に記載のステータ。
【0041】
実施例5
前記ステータコアは、
a.外周部を有する略平坦なウェブ部分と、
b.前記外周部から垂直方向に延在する環状壁と、
c.前記ウェブ部分から垂直方向に延在し、前記環状壁から内方へ半径方向に延在する、複数の壁と、
d.複数のポケットであって、複数の前記ポケットの各ポケットが複数の前記壁のそれぞれの対によって画定されており、それぞれの各界磁コイルがそれぞれのポケット内に配置されている、複数のポケットと、
を備える、実施例1に記載のステータ。
【0042】
実施例6
それぞれの各フィールドコアは、
a.磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
をさらに備える、実施例1に記載のステータ。
【0043】
実施例7
モータまたは発電機のための電気界磁コイルであって、
a.磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
を備える、電気界磁コイル。
【0044】
実施例8
前記第1層は、磁束の前記軸に関して位置合わせされた状態で、前記第2層と隣り合わせに配置されている、実施例7に記載の電気界磁コイル。
【0045】
実施例9
前記導電体は、複数の前記層の各々の間で単体構成となっている、実施例8に記載の電気界磁コイル。
【0046】
実施例10
前記第1層および前記第2層のそれぞれの前記内層リード線は、一体的に連続している、実施例9に記載の電気界磁コイル。
【0047】
実施例11
前記導電体は、各層内に、互いに電気的に接合されたそれぞれの(各個の)別個のセグメントを備える、実施例8に記載の電気界磁コイル。
【0048】
実施例12
前記第1層の前記外層リード線は、前記第1コイルリード線を含む、実施例7に記載の電気界磁コイル。
【0049】
実施例13
電気モータまたは発電機であって、
a.ハウジングと、
b.前記ハウジングによって回転可能に支持されたシャフトであって、前記モータの回転軸を定めるシャフトと、
c.前記シャフトに対して相対的な回転が起こらないように接続された、少なくとも1つのロータであって、交番磁極パターンをつくり出すような向きを有する、半径方向に延在する互いに離隔した複数の磁石を備え、複数の前記磁石の複数の前記磁極が前記回転軸に対して略平行な向きを有する、少なくとも1つのロータと、
d.回転不可能なステータであって、
i.平たい形状の立体を形成するステータコアであって、熱伝導性材料を備えるステータコアと、
ii.前記ステータコアに固定された複数の界磁コイルであって、互いに周方向に離隔しており、複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルが、オープンコアを備える、複数の界磁コイルと、
iii.熱伝導性接着材料によって前記ステータコアに固定された複数の前記界磁コイルのそれぞれの各界磁コイルと、
を備える、回転不可能なステータと、
を備える、電気モータまたは発電機。
【0050】
実施例14
前記ステータコアは、周方向に離隔した複数のポケットを定めており、
複数の前記界磁コイルのそれぞれの界磁コイルは、それぞれの前記ポケット内に配置されている、実施例13に記載のモータまたは発電機。
【0051】
実施例15
複数の前記ポケットの各ポケットは、半径方向に延在する複数の壁のそれぞれの対によって画定されている、実施例14に記載のモータまたは発電機。
【0052】
実施例16
半径方向に延在する複数の前記壁の各壁は、周方向に隣り合った遠位端部の間にそれぞれのギャップを前記ステータコアが備えるように、半径方向内側遠位端部を備える、実施例15に記載のモータまたは発電機。
【0053】
実施例17
それぞれの各フィールドコアは、
a.前記回転軸に対して略平行に配置された磁束の軸と、
b.軸方向に隣り合う複数の層として構成された連続的な導電体であって、渦巻線状に配置された隣り合うそれぞれの複数の巻きを各層が備え、当該導電体が第1コイルリード線と第2コイルリード線とを備える、連続的な導電体と、
c.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第1層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第1層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第1層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第1層と、
d.外層リード線と内層リード線とを含む軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層であって、複数の前記巻きが前記外層リード線から前記内層リード線へ渦巻線状に内方へ巻かれており、前記第2層の複数の前記巻きを含む前記導電体の部分が、磁束の前記軸に対して略平行に配置され互いに背中合わせになった第1平坦表面と第2平坦表面とを含み、前記第2層の複数の前記巻きの各巻きの前記第1表面が、前記第2層の複数の前記巻きの隣接する巻きの前記第2表面と隣り合わせに直接的に接触させて配置されている、軸方向に隣り合う複数の前記層の第2層と、
をさらに備える、実施例13に記載のモータまたは発電機。
【0054】
実施例18
前記第1層は、磁束の前記軸に関して位置合わせされた状態で、前記第2層と隣り合わせに配置されている、実施例17に記載の電気界磁コイル。
【0055】
実施例19
前記導電体は、複数の前記層の各々の間で単体構成となっている、実施例18に記載の電気界磁コイル。
【0056】
実施例20
前記第1層および前記第2層のそれぞれの前記内層リード線は、一体的に連続している、実施例19に記載の電気界磁コイル。
【0057】
実施例21
前記導電体は、各層内に、互いに電気的に接合されたそれぞれの別個のセグメントを備える、実施例18に記載の電気界磁コイル。
【0058】
実施例22
前記第1層の前記外層リード線は、前記第1コイルリード線を含む、実施例17に記載の電気界磁コイル。
【0059】
実施例23
複数の電気コイルを熱伝導性基板に据え付ける方法であって、
a.熱伝導性基板を設ける工程;
b.前記基板から垂直方向に延在しかつ中心軸から半径方向に延在する、互いに周方向に離隔した複数の壁を設ける工程;
c.複数の前記電気コイルのそれぞれの各電気コイルを、それぞれの複数の壁の対の間に、前記基板と隣り合わせに配置する工程、ここで、それぞれの各電気コイルは、空芯を有する;
d.それぞれの各電気コイルを、それぞれの前記電気コイルの前記空芯に配置された熱伝導性接着材料によって前記基板に固定する工程、ここで、前記熱伝導性接着材料は、前記基板およびそれぞれの前記電気コイルと接触している
を含む、方法。
【0060】
前述した説明は、本発明を例示および説明する目的のために提示されたものである。この説明は、網羅的なものとなるように意図したものではなく、または、本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。例えば、「例えば」、「例として」および「一例」等の語句の使用を伴う所与の実施例は、非限定的なものとして解釈されるべきである。上記の教示に照らして、明らかな修正または変更が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際的な適用を最も良く例証することによって、想定される特定の使用に適した様々な修正を行いつつ、様々な実施形態および形式において当業者が本発明を利用できるように、選択および記載されたものである。限られた数の実施形態のみが詳細に説明されているものの、本発明は、その範囲に関して、上述した説明に記載されまたは図面に示された構成要素の構成および配置の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、様々な方法で、また、様々な形式およびその他の実施形態において、実施または実行することができる。さらに、明確にするために、特定の用語が使用されている。各々の特定の用語には、同様の様態において機能して同様の目的を達成する、全ての技術的均等物が含まれることを理解されたい。本発明の範囲は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲によって画定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明の教示に従って構成された、ハウジング内における電気モータ/発電機の内部構成要素を示す部分的な側面断面図である。
図2図1の一部の構成要素の等角図である。
図3図1のロータの平面図である。
図4図1のステータの平面図である。
図4A図4の線4A-4Aに沿った断面である。
図5図4のステータの界磁コイルを示す断片斜視図である。
図6図5に示す界磁コイルの例示的な巻線の概略分解図である。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
【国際調査報告】