(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】複数のリンクで動作するマルチリンク装置及びマルチリンク装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240228BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240228BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240228BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20240228BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W84/12
H04W72/0457 110
H04W28/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557401
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 KR2022003704
(87)【国際公開番号】W WO2022197105
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0034964
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036273
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0038379
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067DD27
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
(57)【要約】
複数のリンクでそれぞれ動作する複数のステーションを含むマルチリンク装置が開示される。前記マルチリンク動作装置は、送受信部;及び、プロセッサを含む。前記プロセッサは、複数のステーションのうち一つであり、第1リンクで第1APと結合された第1ステーションからTWT(target wake time)エレメントを送信し、第2リンクで動作する第2ステーションと該第2ステーションと結合された第2APのためのTWT合意を要請する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクでそれぞれ動作する複数のステーションを含むマルチリンク装置であって、
送受信部;及び
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数のステーションのうち一つであり、第1リンクで第1APと結合された第1ステーションからTWT(target wake time)エレメントを送信し、第2リンクで動作する第2ステーションと該第2ステーションと結合された第2APのためのTWT合意を要請するマルチリンク装置。
【請求項2】
前記TWTエレメントは、前記TWTエレメントが確立しようとするTWT合意が適用されるリンクを指示する情報を指示するビットマップを含む、請求項1に記載のマルチリンク装置。
【請求項3】
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT要請ステーションは前記第2ステーションであり、
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT応答ステーションは前記第2APである、請求項1に記載のマルチリンク装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2APからTWT解除フレームを受信した場合に又は前記第2APに前記TWT解除フレームを成功的に送信した場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する、請求項3に記載のマルチリンク装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第2リンクが非活性化される場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除するTWT解除フレームの受信又は送信無しにも前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する、請求項1に記載のマルチリンク装置。
【請求項6】
前記TWTエレメントは、第2リンクを含む複数のリンクに確立される複数のTWT合意を要請する、請求項1に記載のマルチリンク装置。
【請求項7】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクIDに基づいて識別される、請求項6に記載のマルチリンク装置。
【請求項8】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクID、前記マルチリンク装置のMAC(medium access control)アドレス、前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれのTWT Flow IDに基づいて識別される、請求項7に記載のマルチリンク装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
TWT解除フレームを成功的に送信したり又は前記TWT解除フレームを受信した場合に、前記TWT解除フレームが指示するリンクIDに基づいて、複数のリンクに確立される複数のTWT合意のうち少なくともいずれか一つを解除する、請求項7に記載のマルチリンク装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除し、
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を、前記第1ステーションと前記第1APに承継する、請求項1に記載のマルチリンク装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を、前記第1ステーションと前記第1APに承継する時に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWTパラメータを、前記第1ステーションと前記第1APのためのTWT合意に適用する、請求項10に記載のマルチリンク装置。
【請求項12】
複数のリンクでそれぞれ動作する複数のステーションを含むマルチリンク装置の動作方法であって、
複数のステーションのうち一つであり、第1リンクで第1APと結合された第1ステーションからTWT(target wake time)エレメントを送信し、第2リンクで動作する第2ステーションと該第2ステーションと結合された第2APのためのTWT合意を要請する段階を含む動作方法。
【請求項13】
前記TWTエレメントは、前記TWTエレメントが確立しようとするTWT合意が適用されるリンクを指示する情報を指示するビットマップを含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT要請ステーションは前記第2ステーションであり、
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT応答ステーションは前記第2APである、請求項12に記載の動作方法。
【請求項15】
前記動作方法は、
前記第2APからTWT解除フレームを受信した場合に又は前記第2APに前記TWT解除フレームを成功的に送信した場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する段階をさらに含む、請求項14に記載の動作方法。
【請求項16】
前記動作方法は、
前記第2リンクが非活性化される場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除するTWT解除フレームの受信又は送信無しにも前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する段階をさらに含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項17】
前記TWTエレメントは、第2リンクを含む複数のリンクに確立される複数のTWT合意を要請する、請求項12に記載の動作方法。
【請求項18】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれを、前記複数のリンクのそれぞれのリンクIDに基づいて識別される、請求項17に記載の動作方法。
【請求項19】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクID、前記マルチリンク装置のMAC(medium access control)アドレス、前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれのTWT Flow IDに基づいて識別される、請求項18に記載の動作方法。
【請求項20】
前記動作方法は、
TWT解除フレームを成功的に送信したり又は前記TWT解除フレームを受信した場合に、前記TWT解除フレームが指示するリンクIDに基づいて、複数のリンクに確立される複数のTWT合意のうち少なくともいずれか一つを解除する段階をさらに含む、請求項18に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリンクで動作するマルチリンク装置及びマルチリンク装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの週は酢を使用して最大54Mpbsの通真相度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個伝送するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのデバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例に係る、複数のリンクでそれぞれ動作する複数のステーションを含むマルチリンク装置は、送受信部;及び、プロセッサを含む。前記プロセッサは、複数のステーションのうち一つであり、第1リンクで第1APと結合された第1ステーションからTWT(target wake time)エレメントを送信し、第2リンクで動作する第2ステーションと該第2ステーションと結合された第2APのためのTWT合意を要請する。
【0010】
前記TWTエレメントは、前記TWTエレメントが確立しようとするTWT合意が適用されるリンクを指示する情報を指示するビットマップを含んでよい。
【0011】
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT要請ステーションは前記第2ステーションであり、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT応答ステーションは前記第2APであってよい。
【0012】
前記プロセッサは、前記第2APからTWT解除フレームを受信した場合に又は前記第2APに前記TWT解除フレームを成功的に送信した場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除することができる。
【0013】
前記プロセッサは、前記第2リンクが非活性化される場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除するTWT解除フレームの受信又は送信無しにも前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除することができる。
【0014】
前記TWTエレメントは、第2リンクを含む複数のリンクに確立される複数のTWT合意を要請することができる。
【0015】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクIDに基づいて識別されてよい。
【0016】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクID、前記マルチリンク装置のMAC(medium access control)アドレス、前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれのTWT Flow IDに基づいて識別されてよい。
【0017】
前記プロセッサは、TWT解除フレームを成功的に送信したり又は前記TWT解除フレームを受信した場合に、前記TWT解除フレームが指示するリンクIDに基づいて、複数のリンクに確立される複数のTWT合意のうち少なくともいずれか一つを解除することができる。
【0018】
前記プロセッサは、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除し、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を、前記第1ステーションと前記第1APに承継することができる。
【0019】
前記プロセッサは、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を、前記第1ステーションと前記第1APに承継する時に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWTパラメータを前記第1ステーションと前記第1APのためのTWT合意に適用することができる。
【0020】
本発明の実施例に係る複数のリンクでそれぞれ動作する複数のステーションを含むマルチリンク装置の動作方法は、複数のステーションのうち一つであり、第1リンクで第1APと結合された第1ステーションからTWT(target wake time)エレメントを送信し、第2リンクで動作する第2ステーションと該第2ステーションと結合された第2APのためのTWT合意を要請する段階を含む。
【0021】
前記TWTエレメントは、前記TWTエレメントが確立しようとするTWT合意が適用されるリンクを指示する情報を指示するビットマップを含んでよい。
【0022】
前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT要請ステーションは前記第2ステーションであり、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意のTWT応答ステーションは前記第2APであってよい。
【0023】
前記動作方法は、前記第2APからTWT解除フレームを受信した場合に又は前記第2APに前記TWT解除フレームを成功的に送信した場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する段階をさらに含んでよい。
【0024】
前記動作方法は、前記第2リンクが非活性化される場合に、前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除するTWT解除フレームの受信又は送信無しにも前記第2ステーションと前記第2APのためのTWT合意を解除する段階をさらに含んでよい。
【0025】
前記TWTエレメントは、第2リンクを含む複数のリンクに確立される複数のTWT合意を要請することができる。
【0026】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクIDに基づいて識別されてよい。
【0027】
前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれは、前記複数のリンクのそれぞれのリンクID、前記マルチリンク装置のMAC(medium access control)アドレス、前記複数のリンクに確立される複数のTWT合意のそれぞれのTWT Flow IDに基づいて識別されてよい。
【0028】
前記動作方法は、TWT解除フレームを成功的に送信したり又は前記TWT解除フレームを受信した場合に、前記TWT解除フレームが指示するリンクIDに基づいて、複数のリンクに確立される複数のTWT合意のうち少なくともいずれか一つを解除する段階をさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施例は、複数のリンクで動作するマルチリンク装置を提供する。また、本発明の一実施例は、マルチリンク装置が効率的にTWT動作を行う方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示す図である。
【
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。
【
図8】本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【
図9】本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【
図10】本発明の実施例によってマルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
【
図11】本発明の実施例によってAPとステーション間にブロードキャストTWTを設定する方法を示す。
【
図12】本発明の実施例によってAPがクワイエット区間を設定することを示す。
【
図13】本発明の実施例によってステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してTXOPを設定する方法を説明する。
【
図14】本発明の実施例に係る、ステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してチャネルアクセス手順を再び行うことを示す。
【
図15】本発明の実施例によってAPが制限されたサービスピリオドを早期に終了する動作を示す。
【
図16】本発明の実施例に係るTWTエレメントのフォーマットを示す。
【
図17】本発明の実施例に係る、マルチリンク装置がTWT合意を行うことを示す。
【
図18】本発明の実施例によって、マルチリンク装置に含まれたステーションが、ステーションが含まれたマルチリンク装置に含まれた他のステーションのためにTWT合意を行うことを示す。
【
図19】本発明の実施例に係るマルチリンク装置がTWT合意を解除する動作を示す。
【
図20】本発明の実施例に係るTWTエレメントのIndividual TWT parameter setフィールドのフォーマットを示す。
【
図21】本発明の実施例に係る、最初のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドのフォーマットを示す。
【
図22】本発明の実施例に係る、マルチリンク装置が送信するTWTエレメントが含むControlフィールドのフォーマットを示す。
【
図23】本発明の実施例に係る、マルチリンク装置が送信するTWT解除フレームのActionフィールドのフォーマットを示す。
【
図24】本発明の実施例に係るMLD TWT Flowフィールドを示す。
【
図25】本発明のさらに他の実施例に係るMLD TWT Flowフィールドのフォーマットを示す。
【
図26】本発明の実施例に係る、マルチリンク装置に確立されたTWT合意を解除するTWT解除フレームを示す。
【
図27】本発明の実施例に係る、マルチリンク装置間に確立されたTWT合意が黙示的に解除されることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0032】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定臨界値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
【0033】
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0034】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【0035】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0036】
図1に示すように、インフラストラクチャーBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0037】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0038】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0039】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0040】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0041】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0042】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0043】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0044】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
【0045】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサン110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0046】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってもよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0047】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0048】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0049】
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。
図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0050】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0051】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0052】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を獲得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
【0053】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0054】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。
図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0055】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance) 方法を示す図である。
【0056】
無線LAN通信を行う端末は、データを伝送する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば該当チャネルが占有状態と判別され、前記端末は該当チャネル対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA臨界値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA臨界値以上の無線信号が該当端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、該当チャネルから無線信号が感知されないかCCA臨界値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
【0057】
チャネルが遊休状態と判別されれば、伝送するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、該当端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が該当チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競争ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイム間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達すると、端末は当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
【0058】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競争ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競争ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競争ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0059】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
【0060】
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、
図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、
図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、
図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、
図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0061】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0062】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0063】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0064】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。
図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0065】
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0066】
L_LENGTHフィールドの単位はbyteであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナリング可能であり、L_RATEフィールドとの組合せで当該PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを互いに異なる方法で解析できる。
【0067】
まず、レガシー端末又はノン-レガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて当該PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドが6Mbpsに設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデューレーションである4usで3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びテール(Tail)フィールドに該当する3バイトを足し、これを、1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデューレーションである4usをかけた後、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、当該PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が取得される。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0068】
【0069】
このとき、
【0070】
【0071】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式3のように設定しなければならない。
【0072】
【0073】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式4の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0074】
【0075】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0076】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0077】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0078】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0079】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0080】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0081】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
【0082】
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0083】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネル以外の残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0084】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネル以外の残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0085】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を図示する。また、SU PPDUの320MHz BW構成においてプライマリー160MHzとセカンダリー160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0086】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドに、シグナルされたPPDUフォーマットによって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、初めからEHT-SIG-Aをシグナルしなくてよいので、これを考慮して、U-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを完全にシグナルする必要がある。しかし、EHT MU PPDUである場合に、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードを、SU PPDUと異なる方法でシグナルできる。EHT ER PPDUの場合に、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzのいずれの帯域を使用するPPDUであるかをシグナルできる。前記PPDUタイプ別に細部的なパンクチャリングパターンは、
図11及び
図12で詳細に後述する。
【0087】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0088】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0089】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0090】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0091】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0092】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0093】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、
図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0094】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0095】
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
【0096】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
【0097】
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
【0098】
1つの無線通信装置が複数のリンクを用いて通信する場合に、無線通信装置の通信効率を高めることができる。このとき、リンクは物理的経路(path)であり、MSDU(MAC service data unit)を伝達するために使用可能な一つの無線媒介体として構成されてよい。例えば、いずれか一つのリンクの周波数帯域が他の無線通信装置によって使用中である場合に、無線通信装置は、他のリンクで継続して通信を行うことができる。このように、無線通信装置は複数のチャネルを有用に使用することができる。また、無線通信装置が複数のリンクを用いて同時に通信を行う場合に、全体スループット(throughput)を高めることができる。ただし、既存無線LANは、1つの無線通信装置が1つのリンクを用いることを前提に規定されている。このため、複数のリンクを用いるための無線LAN動作方法が必要である。
図9~
図26を参照して、複数のリンクを用いる無線通信装置の無線通信方法について説明する。まず、
図9を用いて、複数のリンクを用いる無線通信装置の具体的な形態について説明する。
【0099】
図9は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【0100】
前述した複数のリンクを用いる無線通信方法のためにマルチリンク装置(multi-link device,MLD)が定義されてよい。マルチリンク装置は、一つ以上の提携された(affiliated)ステーションを有する装置を表すことができる。具体的な実施例によって、マルチリンク装置は、2つ以上の提携されたステーションを有する装置を表すことができる。また、マルチリンク装置はマルチリンクエレメントを交換することができる。マルチリンクエレメントは、一つ以上のステーション又は一つ以上のリンクに関する情報を含む。マルチリンクエレメントは、後述されるmulti-link setupエレメントを含むことができる。このとき、マルチリンク装置は論理的なエンティティ(entity)であってよい。具体的には、マルチリンク装置は複数の提携されたステーションを有することができる。マルチリンク装置は、MLLE(multi-link logical entity)又はMLE(multi-link entity)と呼ぶことができる。マルチリンク装置は、ロジカルリンク制御(logical link control,LLC)まで一つのMACサービスアクセスポイント(medium access control service access point,SAP)を有することができる。また、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有することができる。
【0101】
マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のリンクで動作できる。また、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のチャネルで動作できる。具体的には、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、異なる複数のリンク又は異なる複数のチャネルで動作できる。例えば、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzの異なる複数のチャネルで動作できる。
【0102】
マルチリンク装置の動作は、マルチリンクオペレーション、MLD動作、又はマルチ-バンド動作と呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがAPである場合に、マルチリンク装置は、AP MLDと呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがノン-APステーションである場合に、マルチリンク装置は、non-AP MLDと呼ぶことができる。
【0103】
図9は、non-AP MLDとAP-MLDとが通信する動作を示す。具体的には、non-AP MLDとAP-MLDはそれぞれ3個のリンクを用いて通信する。AP MLDは、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。non-AP MLDは、第1non-AP STA(non-AP STA1)、第2non-AP STA(non-AP STA2)及び第3non-AP STA(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)と第1non-AP STA(non-AP STA1)は第1リンク(Link1)を通じて通信する。また、第2AP(AP2)と第2non-AP STA(non-AP STA2)は第2リンク(Link2)を通じて通信する。また、第3AP(AP3)と第3non-AP STA(non-AP STA3)は第3リンク(Link3)を通じて通信する。
【0104】
マルチリンク動作はマルチリンク設定(setup)動作を含むことができる。マルチリンク設定は、前述したシングルリンク動作の結合(association)動作に対応するものであり、マルチリンクでのフレーム交換のために先行される必要がある。マルチリンク装置は、マルチリンク設定のために必要な情報をmulti-link setupエレメントから取得することができる。具体的には、multi-link setupエレメントは、マルチリンクと関連した能力情報を含むことができる。このとき、能力情報は、マルチリンク装置に含まれた複数の装置のいずれか一つが送信を行い、同時に他の装置が受信を行うことができるかを示す情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるリンクに関する情報を含むことができる。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるチャネルに関する情報を含むことができる。
【0105】
マルチリンク設定はピアステーション間の交渉によって設定されてよい。具体的には、APとの通信無しでステーション間の通信によってマルチリンク設定が行われてよい。また、マルチリンク設定は、いずれか一つのリンクを通じて設定されてよい。例えば、マルチリンクを通じて第1リンク~第3リンクが設定される場合であっても、第1リンクを通じてマルチリンク設定が行われてよい。
【0106】
また、TID(traffic identifier)とリンクとのマッピングが設定されてよい。具体的には、特定値のTIDに該当するフレームは、あらかじめ指定されたリンクのみを通じて交換されてよい。TIDとリンクとのマッピングは、方向ベース(directional-based)で設定されてよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが設定された場合に、第1マルチリンク装置は、複数の第1リンクに第1TIDのフレームを送信するように設定され、第2マルチリンク装置は、第1リンクに第2TIDのフレームを送信するように設定されてよい。また、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は、基本(default)設定にしたがって各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全TIDが交換されるものであってよい。
【0107】
TIDについて具体的に説明する。TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データを分類するIDである。また、TIDは、MACレイヤよりも上位レイヤにおいて用いられたリ割り当てられてよい。また、TIDは、トラフィックカテゴリー(traffic category,TC)、トラフィックストリーム(traffic stream,TS)を示すことができる。また、TIDは16個に区別されてよい。例えば、TIDは、0から15のいずれか一つと指定されてよい。アクセス政策(access policy)、チャネルアクセス又は媒体(medium)アクセス方法によって、使用されるTID値が異なるように指定されてよい。例えば、EDCA(enhanced distributed channel access)又はHCAF(hybrid coordination function contention based channel access)が用いられる場合に、TIDの値は0から7の範囲で割り当てられてよい。EDCAが用いられる場合に、TIDはユーザ優先順位(user priority,UP)を示すことができる。このとき、UPはTC又はTSによって指定されてよい。UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられてよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HCCA又はSPCAが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。また、HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDはTSIDを示すことができる。
【0108】
UPとAC(access category)はマップされてよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベルであってよい。ACは、EDCAパラメータセットを示すためのラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータセットは、EDCAのチャネル競合(contention)で用いられるパラメータである。QoSステーションはACを用いてQoSを保障することができる。また、ACは、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOを含むことができる。AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOのそれぞれは、バックグラウンド(background)、ベストエフォート(best effort)、ビデオ(video)、ボイス(voice)を示すことができる。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOは、下位ACに分類されてよい。例えば、AC_VIは、AC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化できる。また、AC_VOは、AC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化できる。また、UP又はTIDはACにマップされてよい。例えば、UP又はTIDにおける1、2、0、3、4、5、6、7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6及び7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6、及び7はその順に優先順位が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先順であり、7の方が高い優先順位であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先順位が高くなってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのそれぞれは、ACI(AC index)0、1、2、3のそれぞれに該当し得る。このようなTIDの特性上、TIDとリンクとのマッピングは、ACとリンクとのマッピングを表すことができる。また、リンクとACとのマッピングは、TIDとリンクとのマッピングを表すことができる。
【0109】
前述したように、複数のリンクのそれぞれにTIDがマップされてよい。マッピングは、特定TID又はACに該当するトラフィックが交換され得るリンクが指定されることであってよい。また、リンク内で送信方向別に送信され得るTID又はACが指定されてよい。前述したように、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は基本(default)設定にしたがって、各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全てのTIDが交換されるものであってよい。常に、ある時点に、いかなるTID又はACも少なくともいずれか一つのリンクとマップされてよい。マネジメントフレームとコントロールフレームは全てのリンクで送信されてよい。
【0110】
リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされたTID又はACに該当するデータフレームのみが送信されてよい。したがって、リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされていないTID又はACに当該しないフレームは送信されなくてよい。リンクがTID又はACにマップされた場合に、ACKもTID又はACがマップされたリンクに基づいて送信されてよい。例えば、ブロックACK合意(agreement)が、TIDとリンクとのマッピングに基づいて決定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、TIDとリンクとのマッピングがブロックACK合意に基づいて決定されてよい。具体的には、特定リンクにマップされたTIDに対してブロックACK合意が設定されてよい。
【0111】
前述したTIDとリンクとのマッピングにより、QoSが保障されてよい。具体的には、相対的に少ない数のステーションが動作するか、或いはチャネル状態の良いリンクに優先順位の高いAC又はTIDがマップされてよい。また、前述したTIDとリンクとのマッピングにより、ステーションがより長い時間に節電状態を保つようにすることができる。
【0112】
図10は、本発明の実施例によって、マルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
【0113】
マルチリンク装置の具現によって、マルチリンクで同時動作が支援されないことがある。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信を行う、複数のリンクで同時に受信を行う、或いはいずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行うことが支援されことがある。いずれか一つのリンクで行われる受信又は送信が他のリンクで行われる受信又は送信に影響を及ぼすことがあるわけである。具体的に、一つのリンクでの送信が他のリンクの干渉として作用することがある。一つのマルチリンク装置の一つのリンクで他のリンクに作用する干渉を内部洩れ(internal leakage)と呼ぶことができる。リンク間の周波数間隔が小さいほど内部洩れが大きくなることがある。内部洩れが大きすぎないと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信が行うことができる。内部洩れが大きいと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信を行うことができない。このように、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に動作を行うことをSTR(simultaneous transmit and receive,simultaneous transmission and reception)と呼ぶことができる。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信する、いずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行う、或いは複数のリンクで同時に受信を行うことを、STRと呼ぶことができる。
【0114】
先に言及したように、マルチリンク装置はSTRを支援することもでき、制限的に支援することもできる。具体的に、マルチリンク装置は特定条件下でのみSTRを支援することができる。例えば、マルチリンク装置が単一ラジオ(single radio)で動作する場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。また、マルチリンク装置が単一アンテナで動作する場合に、マルチリンク装置がSTRを行えないことがある。また、内部洩れがあらかじめ指定された大きさ以上と感知される場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。
【0115】
ステーションは、ステーションのSTR能力に関する情報を他のステーションと交換できる。具体的に、ステーションは、ステーションが複数のリンクで同時に送信を行うか複数のリンクで同時に受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報を、他のステーションと交換できる。具体的に、複数のリンクで送信又は受信を行う能力の制限の有無に関する情報は、複数のリンクで同時に送信するか、同時に受信するか、或いは送信と受信が同時に行われるかを示すことができる。また、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、段階別に指示される情報であってよい。具体的に、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報であってよい。具体的な実施例において、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、内部洩れによって発生する干渉の大きさを示す段階を指示する情報であってよい。さらに他の具体的な実施例において、内部洩れに影響を及ぼし得るリンク間の周波数間隔を示す段階を指示する情報であってよい。また、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、リンク間の周波数間隔と内部洩れの大きさとの関係を段階別に指示する情報であってよい。
【0116】
図10で、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携(affiliate)される。また、第1AP(AP1)と第2AP(AP2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携されてよい。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)との間には第1リンク(link1)が設定され、第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)との間には第2リンク(link2)が設定される。
図10で、non-APマルチリンク装置は制限的にSTRを行うことができる。第2ステーション(STA2)が第2リンク(Link2)で送信を行う場合に、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。例えば、次のような場合、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第1データ(Data1)を送信し、第1AP(AP1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を第1ステーション(STA1)に送信する。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第2データ(Data2)を送信する。この時、第2データ(Data2)の送信時期と第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)の送信時期が重なることがある。この時、第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)への送信によって第1リンク(Link1)に干渉が発生し得る。このため、第1ステーション(STA1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を受信できないことがある。
【0117】
マルチリンク装置がチャネルアクセスを行う動作について説明する。具体的な説明がないマルチリンクの動作は、
図6で説明したチャネルアクセス手順に従うことができる。
【0118】
マルチリンク装置は、複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行うことができる。このとき、チャネルアクセスはバックオフベースチャネルアクセスであってよい。マルチリンク装置が複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行い、複数のリンクでバックオフカウンターが0に到達する場合に、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。具体的な実施例において、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達し、あらかじめ指定された条件を満たす場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。具体的に、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達した場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでエネルギー感知を行うことができる。この時、あらかじめ指定された大きさ以上のエネルギーが感知されない場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、エネルギー感知を行ったリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。これにより、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。エネルギー感知に用いられる閾値の大きさは、バックオフカウンターを減少させるかを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。また、バックオフカウンターを減らすかを判断する時に、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。また、前述したエネルギー感知において、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。内部洩れは無線LAN信号として感知されないことがある。このような場合、マルチリンク装置は、内部洩れによって感知される信号をエネルギー感知によって感知することができる。また、前述したように、エネルギー感知に用いられる閾値の大きさが、バックオフカウンターを減らすか否かを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。したがって、いずれか一つのリンクで送信が行われている中であっても、マルチリンク装置は他のリンクでバックオフカウンターを減らすことができる。
【0119】
マルチリンク装置が用いるリンク間の干渉の程度によって、マルチリンク装置は、各リンクで動作するステーションが独立して動作できるかが決定されてよい。このとき、リンク間の干渉程度は、マルチリンク装置のいずれか一つのステーションがいずれか一つのリンクで送信を行う時にマルチリンク装置の他のステーションが感知する干渉の大きさであってよい。マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ以上の干渉を発生させる場合に、第2ステーションの動作が制限されてよい。具体的に、第2ステーションの受信又はチャネルアクセスが制限されてよい。干渉が発生する場合に、第2ステーションは干渉によって受信する信号のデコーディングに失敗することがあるわけである。また、干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが使用中であると判断することがあるわけである。
【0120】
また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して動作できる。具体的に、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立してチャネルアクセスを行うことができる。また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して送信又は受信を行うことができる。あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションは、干渉が存在する場合にも、受信する信号のデコーディングに成功できるわけである。また、あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが遊休であると判断できるわけである。
【0121】
マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、ステーションが動作するリンクの周波数帯域間の間隔だけでなく、マルチリンク装置のハードウェア特性によって変わることがある。例えば、高RF(radio frequency)装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉は、低RF装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉もより小さくてよい。したがって、マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、マルチリンク装置の特性に基づいて判断されてよい。
【0122】
図10には、リンクの周波数帯域間の間隔とマルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが変わることを示す。
図10の実施例において、第1マルチリンク装置(MLD#1)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)-1と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA1)-2を含む。第2マルチリンク装置(MLD#2)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA2)-1と、第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)-2を含む。第1マルチリンク装置(MLD#1)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔と、第2マルチリンク装置(MLD#2)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔は同一である。ただし、第1マルチリンク装置(MLD#1)の特性と第2マルチリンク装置(MLD#2)の特性との差によって発生する干渉の大きさが異なる。具体的に、第1マルチリンク装置(MLD#1)で発生する干渉の大きさよりも第2マルチリンク装置(MLD#2)で発生する干渉の大きさが大きくてよい。このように、マルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが異なることがあり、マルチリンク装置別にSTR支援の有無が異なることがあることを考慮するとき、STRの支援されるか否かに関する情報が交換される必要がある。
【0123】
マルチリンク装置は、マルチリンク装置が含むステーションのSTR支援の有無をシグナルすることができる。具体的に、APマルチリンク装置とnon-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置が含むAPのSTR支援の有無とnon-APマルチリンク装置が含むSTAのSTR支援の有無を交換することができる。このような実施例において、STR支援の有無を示すエレメントが用いられてよい。STR支援の有無を示すエレメントは、STR支援(support)エレメントと呼ぶことがてきる。STR支援エレメントは、1ビットにより、STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置のステーションのSTR支援の有無を示すことができる。具体的に、STR支援エレメントは、STR支援エレメントを送信するマルチリンク装置が含むステーションのそれぞれのSTR支援の有無を1ビット別に示すことができる。このとき、ステーションがSTRを支援する場合に、ビットの値は1であり、ステーションがSTRを支援しない場合に、ビットの値は0であってよい。STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置が第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含み、第1ステーション(STA1)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援し、第2ステーション(STA2)はSTRを支援しない場合に、STR支援エレメントは、1011bを有するフィールドを含むことができる。互いに異なる周波数帯域で動作するステーションはSTRを支援すると仮定され、STR支援エレメントは、互いに異なる周波数帯域で動作するステーション間のSTR支援の有無に対するシグナリングを省略してよい。例えば、第1ステーション(STA1)が2.4GHzの第1リンクで動作し、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)のそれぞれが5GHzの第2リンクと第3リンクで動作する。この時、STR支援エレメントは、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)間にSTRが支援されることを1ビットで示すことができる。また、STR支援エレメントは、STR支援エレメントがシグナルするステーションが2個である場合に1ビットのみを含むことができる。
【0124】
具体的な実施例において、マルチリンク装置のリンクのうち2.4GHzに位置しているリンクと、5GHz又は6GHzに位置しているリンクとの関係は、常にSTRと判断されてよい。したがって、2.4GHzに位置しているリンクと5GHz又は6GHzに位置しているリンクのSTRの有無に対してはシグナリングが省略されてよい。
【0125】
前述した実施例において、マルチリンク装置のステーションの動作として説明したものは、マルチリンク装置の動作に置換されてよい。また、前述した実施例において、APの動作はnon-APステーションの動作に置換され、non-APステーションの動作はAPの動作に置換されてよい。したがって、non-STRマルチリンク装置のAPの動作はnon-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換され、STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作はSTRマルチリンク装置のAPの動作に置換されてよい。また、non-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作はnon-STRマルチリンク装置のAPの動作に置換され、STRマルチリンク装置のAPの動作はSTRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換されてよい。
【0126】
低遅延トラフィック送信のためのスケジューリングについては
図11~
図15で説明する。従来の無線LAN通信では、EDCA(enhanced distributed channel access)を用いて各AC別にチャネルアクセスパラメータを設定し、設定されたチャネルアクセスパラメータを用いて各AC別に優先順位によってトラフィックが処理されるように支援する。ただし、既存EDCAは、確率的に優先順位の高いチャネルアクセスを提供することであるため、低遅延トラフィックの送信を支援するには不足する面があった。このような面を補完するために、低遅延トラフィックを優先して送信できる時間区間を設定することができる。説明の便宜のために、低遅延トラフィックが優先して送信される時間区間を、制限されたサービスピリオドと呼ぶ。VR/ARなどの低遅延トラフィック送信を必要とする大部分のサービスには周期的なトラフィック送信が必要であり、よって、制限されたサービスピリオドによる低遅延トラフィックの送信遅延減少効果が大きい。
【0127】
制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信と低遅延トラフィックに対する応答の送信が優先的に許容される時間区間であってよい。具体的には、制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信のみが許容される時間区間であってよい。さらに他の具体的な実施例において、制限されたサービスピリオドは、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信が行われ、低遅延トラフィックの送信及び低遅延トラフィックに対する応答の送信が完了した後に低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信が許容される時間区間であってよい。
【0128】
まず、制限されたサービスピリオドの設定方法について説明する。制限されたサービスピリオドは、既存WLANのTWTによって設定されてよい。TWTは、APとステーションの協議によってサービスピリオドを設定し、サービスピリオド区間でAPとステーションが送受信を行い、サービスピリオド以外の区間に低電力モードに進入することを支援する。これについては
図11で具体的に説明する。説明の便宜のために、制限されたサービスピリオドをTWTによって設定し、APとステーションが前記制限されたサービスピリオドに基づいて動作することを、制限されたTWTと呼ぶ。
【0129】
図11に、本発明の実施例によってAPとステーション間にブロードキャストTWTを設定する方法を示す。
【0130】
TWTにおいてサービスピリオドは次のように設定されてよい。APは、APに連結された(associated)ステーションに、TWTに参加することを要請する。ステーションは、ブロードキャストTWTに参加したり、又はAPと個別(individual)TWTについて協議することができる。この時、APは、HE OperationエレメントのTWT Requiredサブフィールドの値を1に設定してステーションにTWTの参加を要請できる。また、APは、ブロードキャストTWTエレメントをマネジメントフレーム、例えばビーコンフレームで送信し、ステーションにブロードキャストTWTの参加に必要な情報を伝達できる。この時、APは、dot11TWTOptionActivatedがtrueであり、HE CapabilitiesエレメントのBroadcast TWT Supportフィールド(elementの)を1に設定し、ブロードキャストTWTを支援する旨をシグナルできる。APは、制限されたサーピリオドをTWTのサービスピリオドと類似に設定できる。
【0131】
図11の実施例において、第1ステーション(STA1)は、APにTWT設定を要請する。APと第1ステーション(STA1)は、TWTパラメータ、例えば、最初TBTT、リッスン区間(listen interval)を設定する。これにより、APと第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)は、ブロードキャストTWTが設定される。APは、ビーコンフレームを用いてブロードキャストTWTサービスピリオドを指示する。ブロードキャストTWTサービスピリオドの間に、APは、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)にDL(downlink)PPDU(physical layer protocol data unit)を送信するか、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)にトリガーフレームを送信してUL(uplink)送信をトリガーできる。ブロードキャストTWTサービスピリオドで第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)はビーコンフレームを受信するためにウエイク-アップする。第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)は、受信したビーコンフレームからTWTに関する情報を取得する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にトリガーフレームを送信し、第1ステーション(STA1)はAPにPS-Pollフレームを送信し、第2ステーション(STA2)はAPにQoS Nullフレームを送信する。APは、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)が送信したPS-Pollフレーム及びQoS Nullフレームを受信し、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)がアウェイク(awake)状態であると判断する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にmulti-STA Block ACKフレームを送信する。APは第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にDL PPDUを送信する。
【0132】
既存TWTのサービスピリオドにTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスを行ったり或いは送信を行うことを制限しない。TWTは、TWTに参加するステーションが節電状態(doze state)に進入することを助けるためのものであるためである。ただし、低遅延トラフィックの送信遅延を防止するための制限されたサービスピリオドは低遅延トラフィックの優先的な送信を保障しなければならず、そのため、制限されたサービスピリオドを保護するための方法が必要である。
【0133】
制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスすることを制限することができる。具体的には、制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスできなくてよい。制限されたサービスピリオドの間に、制限されたTWTに参加しないステーションがチャネルアクセスを完了した場合に、当該ステーションは送信を行わないでチャネルアクセス手順を再開始してよい。このとき、ステーションは、制限されたサービスピリオドが終了した時に、チャネルアクセス手順を再開始できる。また、ステーションのチャネルアクセスは、EDCAバックオフ手順を表すことができる。チャネルアクセスを完了したことは、EDCAバックオフ手順のバックオフカウンターが0に到達したことを表すことができる。また、ステーションがチャネルアクセス手順を再開始する時に、ステーションは、直前のチャネルアクセスに用いたCW内で無作為に整数を取得し、取得した整数をバックオフカウンターに用いることができる。すなわち、ステーションは、直前のチャネルアクセスに用いたCWのサイズを2倍に増やさなくてよい。この時、CWはAC別に維持されてよい。このようなチャネルアクセス制限は、制限されたTWTを支援するステーションにのみ適用されてよい。具体的には、このようなチャネルアクセス制限は、ノン-レガシー(EHT)ステーションのうち、EHT Capabilitiesエレメントのdot11RestrictedTWTOptionImplementedがtrueと設定されたステーションにのみ適用され、ノン-レガシー(EHT)ステーションのうち、EHT Capabilitiesエレメントのdot11RestrictedTWTOptionImplementedがfalseと設定されたステーションには適用されなくてよい。本明細書において、ノン-レガシーステーションは、EHTステーション及びEHTステーション以後ステーションを表すことができる。また、レガシーステーションはEHTステーション以前ステーションであり、non-HTステーション、HTステーション、VHTステーション及びHEステーションを表すことができる。
【0134】
また、制限されたサービスピリオドの間にノン-レガシーステーションに、低遅延トラフィック以外のトラフィックにNAVが設定されてよい。具体的には、低遅延トラフィック以外のトラフィックにNAVが設定されたように、ステーションは低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信のためのチャネルアクセス手順を中止できる。このような実施例において、NAVは、従来NAV(ベーシックNAV、Intra-BSS NAV)と独立したNAVであってよい。このとき、ノン-レガシーステーションは、制限されたTWTを支援するステーションに限定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、ノン-レガシーステーションは、制限されたTWTに参加するステーションに限定されてよい。
【0135】
制限されたサービスピリオドは、ブロードキャストTWTサービスピリオド内に含まれてよい。さらに他の具体的な実施例において、制限されたサービスピリオドは、ブロードキャストTWTサービスピリオド内に含まれなくてよい。
【0136】
また、制限されたサービスピリオドは、APが指定した周期で反復されてよい。すなわち、APは、制限されたサービスピリオドの反復周期を指定できる。これにより、APは、制限されたサービスピリオドを設定するために毎度ビーコンフレームのTWTエレメントを送信する必要がない。このとき、サービスピリオドの周期は、低遅延トラフィックが用いられる低遅延サービスの特性によって設定されてよい。例えば、低遅延トラフィックが50msごとに生成される低遅延サービスピリオドの周期は50msであってよい。
【0137】
また、制限されたTWTを支援しないステーションにはクワイエット区間(Quiet Interval)が設定されてよい。従来無線LANにおいてクワイエット区間はチャネルセンシングを支援するための区間である。クワイエット区間が設定される場合に、全てのステーションは送信を中断する。このようなクワイエット区間の特徴を用いて、制限されたサービスピリオドを保護することができる。これについて
図12で説明する。このとき、制限されたTWTを支援しないステーションはレガシーステーションに限定されてよい。
【0138】
図12に、本発明の実施例によってAPがクワイエット区間を設定することを示す。
【0139】
制限されたTWTを運営するAPはQuietエレメントを送信し、クワイエット区間を設定することができる。クワイエット区間ではステーションはチャネルアクセスを中断する。ただし、制限されたTWTに参加するステーションのチャネルアクセスまで制限されると、低遅延トラフィックの送信を行うことができない。したがって、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間を無視してよい。このとき、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間は、制限されたTWTの制限されたサービスピリオドを保護するために設定されたクワイエット区間を表す。具体的には、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間を、制限されたサービスピリオドと見なすことができる。制限されたTWTを運営するAPは、クワイエット区間を制限されたサービスピリオドと一致するように設定しなくてよい。Quietエレメントにおいてクワイエット区間はTU(time unit,1024us)単位で設定され、TWTは256us単位で設定されるためである。
【0140】
ただし、制限されたサービスピリオドのために設定されないクワイエット区間以外のクワイエット区間でチャネルアクセスを行う場合に、制限されたサービスピリオドのために設定されていないクワイエット区間を妨害することがある。このため、制限されたサービスピリオドのために設定されたクワイエット区間、すなわち、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間を区別する必要がある。したがって、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応しないクワイエット区間を無視できないことがある。制限されたサービスピリオドに対応しないクワイエット区間でステーションは全ての送信を行うことができない。具体的には、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドと重ならないクワイエット区間を無視できないことがある。具体的な実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドと重ならないクワイエット区間では全ての送信を行うことができない。
【0141】
また、上の実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドの開始時点及びクワイエット区間の開始時点があらかじめ指定された時間内であり、サービスピリオドの開始時点及びクワイエット区間の開始時点があらかじめ指定された時間内である場合に、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間と見なすことができる。前述したように、制限されたTWTを運営するAPは、クワイエット区間を制限されたサービスピリオドと一致するように設定しなくてよいためである。
【0142】
図12の実施例において、APはビーコンフレームを送信してクワイエット区間及び制限されたサービスピリオドを設定する。
図12(a)で、クワイエット区間は、制限されたサービスピリオドと同じ時間区間に設定される。したがって、クワイエット区間で制限されたTWTに参加するステーションは、チャネルアクセスを行う。
図12(b)で、クワイエット区間は、制限されたサービスピリオドの開始時点よりも早い時点から制限されたサービスピリオドの終了時点よりも遅い時点まで設定される。
図12(b)で、制限されたサービスピリオドとオーバーラップしないクワイエット区間で制限されたTWTに参加するステーションのチャネルアクセスが制限される。制限されたサービスピリオドにオーバーラップしているクワイエット区間で、制限されたTWTに参加するステーションはチャネルアクセスを行う。
【0143】
前述したように、制限されたサービスピリオドの間にチャネルアクセスが制限されてよい。これにより、TXOP設定に関連してもこのような制限が適用され得る。これについて
図13で説明する。
【0144】
図13に、本発明の実施例によってステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してTXOPを設定する方法を説明する。
【0145】
制限されたサービスピリオドが始まる前にTXOPを得たステーション、すなわちTXOPホルダーであるステーションが、制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了する必要があり得る。これは、制限されたサービスピリオドが始まった場合にもTXOPホルダーのフレーム交換が続くと、低遅延トラフィックの送信に妨害になり得るためである。このとき、ステーションはノン-レガシーステーションであってよい。さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたTWTを支援するステーションに限定されてよい。すなわち、dot11RestrictedTWTOptionImplementedのフィールドの値がfalseに設定されたステーションは、このような制限が適用されなくてよい。
【0146】
具体的な実施例において、TXOPホルダーであるステーションが低遅延トラフィックを送信する場合に、制限されたサービスピリオドが始まった後にもフレーム交換を持続することがある。
【0147】
ステーションが制限されたサービスピリオド前にTXOPを終了する具体的な方法について説明する。
【0148】
ステーションは、制限されたサービスピリオドに基づいてTXOPを設定できる。具体的には、ステーションは、TXOPの終了時点を、制限されたサービスピリオド開始前と設定できる。この時、ステーションは、フレーム交換シーケンスを開始する開始フレームのデューレーションを、制限されたサービスピリオド開始前と設定できる。例えば、ステーションがチャネルアクセスに成功した時点が、制限されたサービスピリオドが始まる3m以前であれば、ステーションは、TXOPを3ms以前と設定できる。また、ステーションは、CTS-to-Selfフレームを送信してTXOを終了してよい。このとき、ステーションは、CTS-to-Selfフレームを基本送信速度、6Mbpsで送信できる。ステーションが基本送信速度でフレームを送信するとき、多くのレガシーステーションがフレームを受信できるためである。
【0149】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始前にCF-Endフレームを送信できる。これにより、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始前にTXOPを終了できる。このとき、ステーションは、CF-Endフレームを基本送信速度、6Mbpsで送信できる。ステーションが基本送信速度でフレームを送信するとき、多くのレガシーステーションがフレームを受信できるためである。
【0150】
また、TXOPホルダーでないステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点に、制限されたサービスピリオド開始前に設定されたNAVを解除できる。このとき、ステーションは、制限されたTWTを支援するステーションであってよい。すなわち、ステーションは、dot11RestrictedTWTOptionImplementedのフィールドの値をTrueに設定したステーションであってよい。TXOPホルダーでないステーションであるが、制限されたTWTを支援しないステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点に、制限されたサービスピリオド開始前に設定されたNAVを解除することができない。ただし、ステーションがフレーム交換を完了し、TXOPの残ったデューレーションが、CF-Endフレームの送信にかかる時間とSIFSとの和の2倍未満である場合に、ステーションはCF-Endフレームを送信しなくてよい。この時、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点にTXOPが解除されたと見なすことができる。具体的には、ステーションは、制限されたサービスピリオド開始時点にベーシックNAVが解除されたと見なすことができる。
【0151】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、制限されたTWTに参加するステーションに限定されてよい。
【0152】
図13の実施例において、APは、TWTエレメントを含むビーコンフレームを送信し、制限されたサービスピリオドが設定されることをシグナルする。
図13(a)の実施例において、ステーションはRTSフレームを送信してTXOPを設定する。このとき、ステーションは、RTSフレームのDurationフィールドの値を、制限されたサービスピリオド前までと設定する。ステーションは、APとフレーム交換を行い、制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了する。この時、ステーションは最後にCTS-to-Selfフレームを送信する。
図13(b)の実施例において、ステーションは、RTSフレームを送信してTXOPを設定する。この時、ステーションは、RTSフレームのdurationフィールドの値を、制限されたサービスピリオドを考慮しないで設定する。ステーションはAPとフレーム交換を行い、制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了する。この時、ステーションは最後にCF-endフレームを送信してTXOPを解除する。
【0153】
従来の無線LAN動作では、TXOP規則の例外として、TXOPリミット(limit)を超えて送信され得る動作を定義する。例えば、単一MPDUの再送信、Block ack合意(agreement)下で単一MSDU送信(A-MSDU及び2個以上のMPDUで構成されたA-MPDUに含まれない)、制御フレーム及びQoS Nullフレーム(2個以上のMPDUで構成されたA-MPDUに含まれない)の送信は、TXOPリミット(limit)を超えて送信されてよい。制限されたサービスピリオドに対してもこのような例外が認定されると、低遅延トラフィックの送信が遅延されることがある。このようなTXOPリミットの例外は、制限されたサービスピリオドを侵犯して適用されてはならない。
【0154】
TXOPの終了時点及び制限されたサービスピリオドの開始時点があらかじめ指定された時間差内である場合に、ステーションは、TXOPが制限されたサービスピリオドの開始前に取得されたTXOPであると判断できる。あらかじめ指定された時間は100usであってよい。さらに他の具体的な実施例において、TXOPの終了時点が制限されたサービスピリオド内である場合に、ステーションは、TXOPが制限されたサービスピリオドの開始前に取得されたTXOPであると判断できる。
【0155】
前述したように、ステーションは、制限されたサービスピリオド前にフレーム交換を完了する必要があり得る。これにより、ステーションは、フレーム交換の完了時点が制限されたサービスピリオド内である場合に、フレーム交換を始めることが許容されなくてよい。この時、ステーションは、フラグメンテーションを行って制限されたサービスピリオド開始前にフレーム交換を完了してよい。
【0156】
また、TXOPホルダーであるステーションが行うフレーム交換で低遅延トラフィックが送信される場合に、ステーションは、低遅延サービスピリオド開始後にもフレーム交換を持続してよい。
【0157】
制限されたサービスピリオドを考慮したチャネルアクセス手順について
図14で説明する。
【0158】
図14には、本発明の実施例に係るステーションが制限されたサービスピリオドを考慮してチャネルアクセス手順を再び行うことを示す。
【0159】
前述したように、ステーションが制限されたサービスピリオド前にチャネルアクセスを完了しても、フレーム交換完了時点が制限されたサービスピリオド開始以後である場合に、ステーションは送信を行わないで再びチャネルアクセス手順を始めることができる。この時、ステーションはバックオフカウンターの値を再び取得することができる。この時、ステーションは、直前チャネルアクセス手順に用いたCWのサイズをそのまま用いることができる。すなわち、ステーションは、直前チャネルアクセス手順に用いたCWのサイズを2倍に増加させず、CWが有し得る値の最小値に初期化しなくてよい。また、ステーションは、再試行(retry)回数、例えば、QSRC(QoS STA Retry Counter)を増加させなくてよい。
【0160】
また、ステーションがチャネルアクセスを完了した時点が、制限されたサービスピリオド開始時点からあらかじめ指定された時間以内である場合に、ステーションは送信を行わないで再びチャネルアクセス手順を始めることができる。
【0161】
上の実施例において、低遅延トラフィックを送信しようとするステーションは、フレーム交換完了時点が制限されたサービスピリオド開始以後である場合にも、チャネルアクセス完了後にフレーム交換を始めることができる。このような例外は、低遅延トラフィックを送信しようとするステーションが、制限されたTWTに参加するステーションである場合にのみ許容されてよい。
【0162】
また、前述したように、ステーションは、低遅延トラフィック以外のトラフィックのACにNAVが設定されているように動作できる。したがって、ステーションは、低遅延トラフィック以外のトラフィックのACの送信のためのCCA結果が遊休でない(BUSY)と判断できる。
【0163】
図14の実施例において、APは、TWTエレメントを含むビーコンフレームを送信し、制限されたサービスピリオドが設定されることをシグナルする。制限されたサービスピリオド開始前にステーションのチャネルアクセスのバックオフカウンター値が0に到達する。ステーションは、送信しようとするトラフィックを含むフレーム交換完了時点がサービスピリオド開始時点以後であると判断する。したがって、ステーションは、直前チャネルアクセス手順で用いたCW値内でバックオフカウンターを取得する。ステーションは、取得したバックオフカウンターを用いて再びチャネルアクセス手順を行う。この時、ステーションは再送信カウンターを増加させない。
【0164】
制限されたサービスピリオド完了前に全ての低遅延トラフィック送信が完了することがある。このような場合、低遅延サービスピリオドによって低遅延トラフィック以外のトラフィックの送信が制限されることは非効率的であり得る。したがって、制限されたサービスピリオドを早期に終了する方法が必要であり得る。これについて
図15の実施例を用いて説明する。
【0165】
図15には、本発明の実施例によってAPが制限されたサービスピリオドを早期に終了する動作を示す。
【0166】
APが、制限されたサービスピリオドを早期終了するためには、制限されたTWTに参加するステーションの全ての低遅延トラフィック送信が完了したことを判断できなければならない。そのために、制限されたTWTに参加するステーションは、送信するフレームに低遅延トラフィックをさらに送信するか否かをシグナルできる。具体的には、ステーションは、フレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値を設定し、低遅延トラフィックをさらに送信することをシグナルできる。このとき、制限されたサービスピリオドで送信されるフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値が1であれば、More dataサブフィールドは、低遅延トラフィックの追加送信が必要であることを示し、低遅延トラフィック以外のトラフィックの追加送信が必要であるかは示さなくてよい。例えば、制限されたTWTに参加するステーションが送信バッファに低遅延トラフィックを保存しないで低遅延トラフィック以外のトラフィックのみを保存する場合に、ステーションは、制限されたサービスピリオドでステーションが送信するフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値を0に設定できる。APは、制限されたTWTに参加するステーションが制限されたサービスピリオドでフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値に0がないかに基づいて、制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。具体的には、APの送信バッファに送信する低遅延トラフィックがなく、制限されたTWTに参加するステーションが制限されたサービスピリオドでフレームのFrame ControlフィールドのMore dataサブフィールドの値に0がない場合に、APは、制限されたサービスを早期に終了できる。
【0167】
APは、あらかじめ指定された制御フレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。このとき、コントロールフレームはCF-Endフレームであってよい。この時、APは、CF-EndフレームのBSSID(TA)フィールドをAPのMAC address又はBSSIDに設定できる。また、APは、CF-EndフレームのBSSID(TA)フィールドのIndividual/Groupビットを1に設定できる。さらに他の具体的な実施例において、APは、あらかじめ指定されたマネジメントフレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了できる。
【0168】
制限されたサービスピリオド内で制限されたサービスピリオドを終了するとあらかじめ指定されたフレームを受信したステーションは、制限されたサービスピリオドが終了したと判断できる。この時、あらかじめ指定されたフレームを受信したステーションは、制限されたサービスピリオドに適用される制限無しでチャネルアクセスを再開できる。前述したように、あらかじめ指定されたフレームはCF-Endフレームであってよい。この時、ステーションが制限されたサービスピリオドで受信したCF-EndフレームのTA(BSSID)フィールドの値が、ステーションが連結された(associated)APのMACアドレスである場合に、ステーションは、制限されたサービスピリオドを終了するCF-Endフレームとして判断できる。
【0169】
前述したように、レガシー無線通信端末から制限されたサービスピリオドを保護するために、制限されたサービスピリオドのためのクワイエット区間が設定されてよい。このとき、APは、制限されたサービスピリオドを終了するためにCF-Endフレームを送信できる。APがCF-Endフレームを送信する場合に、レガシーステーションに設定されたクワイエット区間も解除できるわけである。
【0170】
前述した実施例において、CF-Endフレームは、Frame ControlフィールドのTypeが制御フレーム(Type value B3 B2==01)であり、SubtypeがCF-Endフレーム(Subtype value B7 B6 B4 B4==1110)フレームであってよい。
【0171】
制限されたサービスピリオドのためのクワイエット区間が設定されるとき、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオド内でCF-Endフレームを送信することが許容されなくてよい。具体的な実施例において、制限されたTWTに参加するステーションは、制限されたサービスピリオドに対応するクワイエット区間でCF-Endフレームを送信することが許容されなくてよい。制限されたTWTに参加するステーションがCF-Endフレームを送信する場合に、レガシーステーションに設定されたNAVが解除されるためである。ただし、前述したように、CF-Endフレームが制限されたサービスピリオドを早期に終了するために用いられる場合に、APは、制限されたサービスピリオド内でCF-Endフレームを送信できる。
【0172】
図15の実施例において、APは、TWTエレメントとQuietエレメントを含むビーコンフレームを送信する。制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドが設定されたと判断し、制限されたTWTを支援しないステーションは、クワイエット区間が設定されたと判断する。APが、制限されたサービスピリオド内で全ての低遅延トラフィックの送信が完了したと判断した場合に、APは、CF-Endフレームを送信して制限されたサービスピリオドを早期に終了し、レガシーステーションに設定されたクワイエット区間を解除する。この時、制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドで適用されていたチャネルアクセス制限がなくなったと判断する。具体的には、前述したように、制限されたサービスピリオドの間にNAVが設定される実施例が適用された場合に、制限されたTWTを支援するステーションは、制限されたサービスピリオドのためのNAVが解除されたと判断できる。また、CF-Endフレームを受信した制限されたTWTを支援しないステーションはNAVを解除する。
【0173】
前述したように、マルチリンク装置に含まれたステーションのそれぞれは、他のステーションと結合(association)を行うことができる。したがって、マルチリンク装置に含まれたステーションのそれぞれは、個別のTWTサービスピリオドを運営できる。すなわち、マルチリンク装置が動作する複数のリンクのそれぞれで個別のTWTサービスピリオドが運営されてよい。このように個別のTWTサービスピリオドが運営されるためには個別のTWT合意(agreement)が必要であり得る。そのために、マルチリンク装置のステーションは、TWT要請(request)フレームを送信し、TWT要請フレームを受信したステーションがTWT応答フレームを送信することができる。TWT要請フレームは、TWT設定(setup)フレームのCommandフィールドの値が0~2であるフレームであってよい。また、TWT応答フレームは、TWT設定(setup)フレームのCommandフィールドの値が3~7であるフレームであってよい。具体的なTWT合意方法は、IEEE 802.11axで定義されたのと同一であってよい。
【0174】
TWT動作によってステーションは節電(power save)を行うことができる。したがって、節電効率を上げるために、マルチリンク装置は、マルチリンク装置が動作する複数のリンクにTWTサービスピリオドを設定できる。例えば、第1ステーションと第2ステーションを含むマルチリンク装置は、第1ステーションが動作する第1リンクと第2ステーションが動作する第2リンクでTWTサービスピリオドを設定し、第1ステーションと第2ステーションの動作状態(アウェイク状態、節電(doze)状態)を同期化させることができる。この時、第1ステーションは、第1ステーションが結合された第1APにTWT要請フレームを送信し、第2ステーションは、第2ステーションが結合された第2APにTWT要請フレームを送信できる。このとき、第1ステーションの送信したTWT要請フレームと第2ステーションの送信したTWT要請フレームが示すTWTパラメータ値が同一であることがある。そのため、複数のリンクで個別にTWT要請フレームを送信することが送信効率を低下させることがある。本発明の具体的な実施例では、1つのリンクで送信されるTWT要請フレームが複数のリンクに対するTWT合意を行うことができる。これについて
図16を用いて説明する。
【0175】
図16は、本発明の実施例に係るTWTエレメントのフォーマットを示す。
【0176】
複数のリンクで行われるTWT合意のためのTWT要請フレームが第1リンクで送信されてよい。このとき、TWT要請フレームは、複数のリンクで行われるTWT動作に対するTWTパラメータを含んでよい。また、第2リンクで行われるTWT合意のためのTWT要請フレームが第1リンクで送信されてよい。このとき、TWT要請フレームは、第2リンクで行われるTWT動作に対するTWTパラメータを含んでよい。例えば、マルチリンク装置が第1リンクで動作する第1ステーションと第2リンクで動作する第2ステーションを含むとき、第1ステーションは第2ステーションのためのTWT合意を設定することができる。このとき、第1ステーションは第1APと結合され、第2ステーションは第2APと結合され、第1AP及び第2APが一つのマルチリンク装置に含まれる場合に、第1ステーションは第1APとTWT合意を設定できる。これは、マルチリンク装置に含まれたステーションはMACレイヤの一部の機能を共有したり又は一部の情報を共有できるためである。前述したTWT合意動作のためには新しいフォーマットのTWTエレメントが必要であり得る。
【0177】
具体的には、TWTエレメントは、TWT合意が行われるリンクに関する情報を含んでよい。このとき、リンクに関する情報は、APが運営するリンクのIDに関する情報であってよい。具体的な実施例において、TWTエレメントは、TWT合意が行われる複数のリンクを指示できる。例えば、リンクに関する情報はビットマップであってよい。このとき、ビットマップの各ビットは、複数のリンクのそれぞれにおいてTWTエレメントが行われるか否かを示すことができる。ステーションは、このようなTWTエレメントを送信して複数のリンクでTWT合意を行うことができる。
【0178】
前述したビットマップをLink ID(identifier)ビットマップと呼ぶことができる。Link IDビットマップのサイズは、2オクテットであってよい。例えば、Link IDビットマップの値が1110 0000 0000 00002bの場合に、Link IDビットマップは、一番目のビットに該当する第1リンク、二番目のビットに該当する第2リンク及び三番目のビットに該当する第3リンクのためのTWT交渉であることを示すことができる。このような実施例において、リンクエレメントが送信されるリンク以外のリンクのみのためのTWTパラメータに関する情報を含むリンクエレメントが送信されてよい。また、このような実施例において、1つのリンクでエレメントが複数のリンクで行われるTWT合意のために送信されてよい。
【0179】
また、TWTエレメントは、TWT合意に適用される識別子を示すTWTフロー(flow)IDを含んでよい。TWTエレメントが複数のリンクで行われるTWT合意を行うための場合に、TWTエレメントが含むTWTフローIDは、TWTエレメントがTWT合意を行い得る全てのリンクのTWT合意に用いられない値であってよい。さらに他の具体的な実施例において、TWTエレメントが複数のリンクで行われるTWT合意を行うための場合に、TWTエレメントは、複数のTWTフローIDを指示するためのフィールドを含んでよい。例えば、TWTエレメントが複数のリンクで行われるTWT合意を行うための場合に、TWTエレメントは、複数のTWTフローIDのそれぞれを指示する複数のサブフィールドを含んでよい。このとき、複数のサブフィールドは、TWTエレメントがTWT合意を行い得る複数のリンクのそれぞれに対応してよい。これらの実施例において、各サブフィールドに該当するリンクが使用しないTWTフローIDが用いられてよい。また、TWTエレメントがサブフィールドに該当するリンクのTWT合意を変更しようとする場合に、サブフィールドに該当するリンクが既存に使用したTWTフローIDがサブフィールドに用いられてよい。これは、既存にTWTフローIDが用いられたTWT合意が存在するためである。したがって、ステーションが新しいTWT合意を行おうとする場合に、ステーションは、現存するTWT合意のTWTフローIDに該当しないTWTフローIDをTWT合意に使用するように制限されてよい。このとき、ステーションが現存するTWT合意を変更しようとする場合に、ステーションは、変更しようとするTWT合意に該当するTWTフローIDをTWT合意に使用することができる。
【0180】
図16(a)は、本発明の実施例に係るTWTエレメントのフォーマットを示す。TWTエレメントは、Element IDフィールド、Lengthフィールド、Controlフィールド及びTWT Parameter Informationフィールドを含んでよい。このとき、Element IDフィールドは、Element IDフィールドが含まれるエレメントがTWTエレメントであることを示す。Element IDフィールドの値は216であってよい。
【0181】
図16(b)は、TWTエレメントのcontrolフィールドの具体的なフォーマットを示す。Controlフィールドは、NDP Paging Indicatorフィールド、Responder PM Modeフィールド、Negotiation Typeフィールド、TWT Information Frame Disabledフィールド、Wake Duration Unitフィールド、Link ID Bitmap Presentフィールド、及びReservedフィールドを含む。
図16(b)は、IEEE 802.11axで定義するTWTエレメントに比べて、Link ID Bitmap Presentフィールドをさらに含む。このとき、Link ID Bitmap Presentフィールドは、TWTエレメントが前述のLink IDビットマップを含むか否かを示す。具体的には、Link ID Bitmap Presentフィールドの値が1である場合に、TWTエレメントはLink IDビットマップを含み、Link ID Bitmap Presentフィールドの値が0である場合に、TWTエレメントはLink IDビットマップを含まなくてよい。TWTエレメントを受信したステーションは、Link ID Bitmap Presentフィールドの値によって、TWTエレメントがLink IDビットマップを含むか否かを判断できる。
【0182】
図16(c)は、TWTエレメントが含むIndividual TWT Parameter Setフィールドのフォーマットを示す。TWTエレメントが含むIndividual TWT Parameter Setフィールドは、Request Typeフィールド、Target Wake Timeフィールド、TWT Group Assignmentフィールド、Nominal Minimum TWT wake Durationフィールド、TWT Wake Interval Mantissaフィールド、TWT Channelフィールド、NDP Pagingフィールド及びLink ID Bitmapフィールドを含んでよい。
図16(b)は、IEEE 802.11axで定義するIndividual TWT Parameter Setフィールドに比べて、Link ID Bitmapフィールドをさらに含む。TWTエレメントがLink ID Bitmapフィールドを含む場合に、TWTエレメントは、Link ID Bitmapフィールドが指示するリンクに対してTWT Requestを要請することを示すことができる。TWT要請フレームがTWTエレメントを含み、TWTエレメントがLink ID Bitmapフィールドを含む場合に、TWT要請フレームを受信したステーションは、TWT要請フレームがLink ID Bitmapフィールドが指示するリンクに対するTWT合意を要請していると判断できる。
【0183】
図16(d)は、本発明の実施例に係るTWTエレメントのRequest Typeフィールドを示す。TWTエレメントのRequest Typeフィールドは、TWT Requestフィールド、TWT Setup Commandフィールド、Triggerフィールド、Implicitフィールド、Flow Typeフィールド、TWT Flow Identifierフィールド、TWT Wake Interval Expnentフィールド及びTWT Protectionフィールドを含んでよい。TWT Flow Identifierフィールドは、TWTエレメントを含むTWT要請フレームが行うTWT合意を識別するTWT Flow IDを指示する。このとき、TWT Flow IDは、前述した実施例によって設定されてよい。
【0184】
図17は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置がTWT合意を行うことを示す。
【0185】
APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。Non-APマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含む。第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3Link(Link3)で動作する。第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3Link(Link3)で動作する。non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)~第3リンク(Link3)でTWT合意を行うためにTWT要請フレームを送信できる。このとき、TWT要請フレームは1つのTWTエレメントを含んでよい。具体的には、non-APマルチリンク装置が同一のTWTパラメータが用いられるTWTサービスピリオドを運営しようとする場合に、TWT要請フレームは1つのTWTエレメントを含んでよい。
【0186】
具体的には、TWTエレメントは、TWTサービスピリオド(service period)の開始時点及び終了時点を指示できる。また、TWTエレメントは、
図16を用いて説明したLink IDビットマップを含んでよい。具体的には、TWTエレメントは、Link ID Bitmapサブフィールドで第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3リンク(Link3)を指示できる。
【0187】
APマルチリンク装置は、受信したTWT要請フレームのTWTエレメントのLink ID Bitmapサブフィールドが第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3リンク(Link3)を指示するので、TWT要請フレームがシグナルするTWTパラメータが第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3リンク(Link3)のTWTサービスピリオドに関するものであると判断できる。
【0188】
APマルチリンク装置は、non-APマルチリンク装置にTWT応答フレームを送信してTWT設定(setup)を承諾することができる。この時、第1リンク(Link1)~第3リンク(Link3)のそれぞれでTWT合意が確立される。このとき、各リンクでのTWT合意は、第1ステーション(STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意、第2ステーション(STA2)と第2AP(AP2)間のTWT合意、及び第3ステーション(STA3)と第3AP(AP3)間のTWT合意を示すことができる。
【0189】
図18は、本発明の実施例によって、マルチリンク装置に含まれたステーションが、ステーションが含まれたマルチリンク装置に含まれた他のステーションのためにTWT合意を行うことを示す。
【0190】
前述したように、第2リンクで行われるTWT合意のためのTWT要請フレームが第1リンクで送信されてよい。そのために、第1リンクで動作する第1ステーションは、第1リンクでTWT要請フレームを送信できる。このとき、TWT要請フレームのTWTエレメントは、TWT Link IDビットマップを含み、TWT Link IDビットマップは、第2リンクを指示できる。第1リンクで動作する第1APは、TWT Link IDビットマップに基づき、TWT要請フレームが第2リンクでのTWT合意のために送信されたと判断できる。
【0191】
図18の実施例において、APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)を含む。non-APマルチリンク装置は、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)を含む。第1AP(AP1)及び第2AP(AP2)のそれぞれは、第1リンク(Link1)及び第2リンク(Link2)で動作する。第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)のそれぞれは、第1リンク(Link1)及び第2リンク(Link2)で動作する。第1ステーション(STA1)は、第2リンク(Link2)でのTWT合意のためのTWT要請フレームを、第1リンク(Link1)で送信する。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)にTWT応答フレームを送信して第2リンク(Link2)でのTWT合意を受諾する。これにより、第2ステーション(STA2)と第2AP(AP2)間にTWT合意が設定される。
【0192】
この場合、TWT要請フレームを送信したステーションとTWT合意が適用されるステーションとが異なる。また、前述したように、TWT要請フレームを送信したステーションは1つのステーションであるが、TWT合意は複数のステーションに適用されることがある。そのため、TWT合意を解除し得るステーションが問題になることがある。
【0193】
既存のTWT動作では、TWT合意を識別するために、3ビットのTWT Flow ID、及びTWT合意を結んだ2つのステーションのMACアドレスが用いられてよい。具体的には、TWT要請ステーションのMACアドレス、TWT応答ステーションのMACアドレス、及びTWT Flow IDによってTWT合意が識別できた。マルチリンク装置が設定したTWT合意は、前述したように、TWT合意を行ったステーションとTWT合意が適用されるステーションとが異なることがあり、TWT合意を識別し難いことがある。例えば、
図17及び
図18の実施例において、TWT要請ステーションは第1ステーションであり、TWT応答ステーションは第1APである。ただし、
図17の実施例において、TWT合意は、第1ステーションと第1AP、第2ステーションと第2AP、及び第3ステーションと第3APに適用される。
図18の実施例において、TWT合意は、第2ステーションと第2APに適用される。また、
図17の実施例において、1つのTWT Flow IDが、第1ステーションと第1AP、第2ステーションと第2AP、及び第3ステーションと第3APに同一に適用されることがある。そのため、TWT合意が識別できない。このような問題点を解決するために、次のような実施例を適用することができる。
【0194】
TWT合意を解除し得るステーションは、TWT合意が適用されるステーションであってよい。そのために、TWT要請ステーションは、TWT要請フレームを送信したステーションではなく、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。具体的には、TWT要請ステーションは、TWT要請フレームを送信したマルチリンク装置のステーションのうち、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。また、TWT応答ステーションは、TWT応答フレームを送信したステーションではなく、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。具体的には、TWT応答ステーションは、TWT応答フレームを送信したマルチリンク装置のステーションのうち、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。
【0195】
また、TWT合意を識別するための方法として次のような実施例が適用されてよい。
【0196】
具体的な実施例において、TWT合意はリンクのIDに基づいて識別されてよい。具体的には、TWT合意は、TWT Flow ID、TWT要請ステーションのMACアドレス、TWT応答ステーションのMACアドレス、及びTWT合意が適用されるリンクのIDに基づいて識別されてよい。
図17の実施例において、第1ステーションと第1APとの間に設定されたTWT合意である第1TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス、及び第1リンクのIDによって識別されてよい。第2ステーションと第2APとの間に設定されたTWT合意である第2TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス及び第2リンクのIDによって識別されてよい。第3ステーションと第3APとの間に設定されたTWT合意である第3TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス及び第3リンクのIDによって識別されてよい。具体的な実施例によってTWT Flow IDは各リンク別に設定されてよい。
【0197】
また、TWT合意はマルチリンク装置別に行われたものと見なされてよい。したがって、TWT合意を識別するために、TWT要請ステーションのMACアドレスの代わりにTWT要請マルチリンク装置のMACアドレス、TWT応答ステーションのMACアドレスの代わりにTWT応答マルチリンク装置のMACアドレスが用いられてよい。
図17の実施例において、第1ステーションと第1APとの間に設定されたTWT合意である第1TWT合意は、TWT Flow ID、non-APマルチリンク装置のMACアドレス、APマルチリンク装置のMACアドレス及び第1リンクのIDによって識別されてよい。第2ステーションと第2APとの間に設定されたTWT合意である第2TWT合意は、TWT Flow ID、non-APマルチリンク装置のMACアドレス、APマルチリンク装置のMACアドレス及び第2リンクのIDによって識別されてよい。第3ステーションと第3APとの間に設定されたTWT合意である第3TWT合意は、TWT Flow ID、non-APマルチリンク装置のMACアドレス、APマルチリンク装置のMACアドレス及び第3リンクのIDによって識別されてよい。具体的な実施例によって、TWT Flow IDは各リンク別に設定されてよい。具体的な実施例によって、TWT Flow IDは各リンク別に設定されてよい。
【0198】
また、TWT要請ステーションは、TWT要請フレームを送信したステーションではなくTWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。具体的には、TWT要請ステーションは、TWT要請フレームを送信したマルチリンク装置のステーションのうち、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。また、TWT応答ステーションは、TWT応答フレームを送信したステーションではなくTWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。具体的には、TWT応答ステーションは、TWT応答フレームを送信したマルチリンク装置のステーションのうち、TWT合意が適用されるリンクで動作するステーションであってよい。
図17の実施例において、第1ステーションと第1APとの間に設定されたTWT合意である第1TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス及び第1APのMACアドレスによって識別されてよい。第2ステーションと第2APとの間に設定されたTWT合意である第2TWT合意は、TWT Flow ID、第2ステーションのMACアドレス及び第2APのMACアドレスによって識別されてよい。第3ステーションと第3APとの間に設定されたTWT合意である第3TWT合意は、TWT Flow ID、第3ステーションのMACアドレス及び第3APのMACアドレスによって識別されてよい。具体的な実施例によって、TWT Flow IDは各リンク別に設定されてよい。
【0199】
また、TWT合意は、TWT要請フレームが送信されたリンクに基づいて識別されてよい。具体的には、TWT合意は、TWT Flow ID、TWT要請ステーションのMACアドレス、TWT応答ステーションのMACアドレス、及びTWT要請フレームが送信されるリンクのIDに基づいて識別されてよい。
図17の実施例において、第1ステーションと第1APとの間に設定されたTWT合意である第1TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス及び第1リンクのIDによって識別されてよい。第2ステーションと第2APとの間に設定されたTWT合意である第2TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス及び第1リンクのIDによって識別されてよい。第3ステーションと第3APとの間に設定されたTWT合意である第3TWT合意は、TWT Flow ID、第1ステーションのMACアドレス、第1APのMACアドレス及び第1リンクのIDによって識別されてよい。具体的な実施例によって、TWT Flow IDは各リンク別に設定されてよい。
【0200】
上ではマルチリンク装置がTWT合意を設定する方法について説明した。マルチリンク装置がTWT合意を解除(teardown)する方法について
図19を用いて説明する。
【0201】
図19は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置がTWT合意を解除する動作を示す。
【0202】
本発明の実施例において、マルチリンク装置は、1つのリンクで、複数のリンクに適用されたTWT合意を解除することができる。従来の無線LANにおいて、ステーションは、TWT合意を解除するためにTWT解除フレームを送信する。このとき、TWT解除フレームは、TWT要請ステーション又はTWT応答ステーションが送信できる。TWT解除フレームは、TWT Flow IDを指示するTWT Flow Identifierフィールドを含む。このとき、TWT Flow Identifierフィールドは3ビットフィールドであってよい。TWT合意が適用されるステーションがTWT解除フレームを受信した場合に、ステーションは、TWT解除フレームが指示するTWT Flow IDに該当するTWT合意を解除することができる。TWT解除フレームが成功的に送信された場合に、TWT解除フレームを送信したステーションは、TWT解除フレームが指示するTWT Flow IDに該当するTWT合意を解除できる。したがって、TWT合意を解除するステーション及び解除の対象となるTWT合意は、TWT解除フレームの送信者のMACアドレス、TWT解除フレームの受信者のMACアドレス及びTWT Flow IDに基づいて識別されてよい。
【0203】
ただし、前述したように、マルチリンク装置のステーションにTWT合意が確立される場合に、TWT要請フレームを送信したステーションとTWT合意が適用されるステーションとが異なることがある。また、前述したように、TWT要請フレームを送信したステーションは1つのステーションであるが、TWT合意は複数のステーションに適用されることがある。したがって、このような場合にも適用可能なTWT合意解除方法が必要である。
【0204】
TWT解除フレームは、リンクの識別子に関する情報を含んでよい。このとき、マルチリンク装置のステーションは、TWT解除フレームが指示するリンクの識別子、例えばリンクIDに基づいて、複数のTWT合意のうち少なくともいずれか一つを解除できる。具体的には、マルチリンク装置のステーションが第1リンクで動作し、ステーションが第2リンクで行われたTWT合意を解除する場合に、ステーションは、第1リンクで、リンクの識別子に関する情報を含むTWT解除フレームを送信できる。これらの実施例において、リンクの識別子は、解除されるTWT合意が適用されるリンクの識別子であってよい。例えば、TWT解除フレームは、TWT Flow IDを指示するTWT Flow Identifierフィールドと、解除されるTWT合意が適用されるリンクの識別子を指示するLink IDフィールドを含んでよい。また、TWT解除フレームは、1個のLink IDフィールドを含んでよい。また、TWT解除フレームは、複数のLink IDフィールドを含んでよい。そのために、マルチリンク装置に含まれたステーションが送信するTWT解除フレームのフォーマットは、マルチリンク装置に含まれていないステーションが送信するTWT解除フレームのフォーマットと異なってよい。さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置に含まれたステーションが送信するTWT解除フレームのフォーマットは、マルチリンク装置に含まれていないステーションが送信するTWT解除フレームのフォーマットと同一であってよい。
【0205】
第1マルチリンク装置が第2マルチリンク装置に第1リンクでTWT解除フレームを送信し、第2マルチリンク装置がTWT解除フレームを成功的に受信した場合に、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置は、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に確立された(establish)TWT合意のうち、TWT解除フレームが指示するTWT Flow IDに該当するTWT合意を解除できる。このとき、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置は、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に確立された(establish)TWT合意のうち、TWT解除フレームが指示するリンクに関連した情報に該当するTWT合意を解除することができる。具体的には、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置は、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に確立された(establish)TWT合意のうち、TWT解除フレームが指示するTWT Flow ID及びTWT解除フレームが指示するリンクに関連した情報に該当するTWT合意を解除できる。
【0206】
さらに他の具体的な実施例において、第1マルチリンク装置が第2マルチリンク装置に第1リンクでTWT解除フレームを送信し、第2マルチリンク装置がTWT解除フレームを成功的に受信した場合に、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置は、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に確立された(establish)TWT合意のうち、TWT解除フレームを送信したステーションのMACアドレス及びTWT解除フレームを受信したステーションのMACアドレスに該当するTWT合意を解除できる。さらに他の具体的な実施例において、第1マルチリンク装置が第2マルチリンク装置に第1リンクでTWT解除フレームを送信し、第2マルチリンク装置がTWT解除フレームを成功的に受信した場合に、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置は、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に確立された(establish)TWT合意のうち、TWT合意を行ったステーションのMACアドレス及びTWT合意を行ったステーションのMACアドレスに該当するTWT合意を解除できる。さらに他の具体的な実施例において、TWT解除フレームを受信したステーションとTWT解除フレームを送信したステーションは、ステーションが動作するリンク内でTWT解除フレームが指示するTWT Flow IDに該当するTWT合意を解除できる。
【0207】
また、1つのTWTエレメントによって複数のリンクにTWT合意が設定される場合に、1つのTWT解除フレームによって複数のリンクに設定されたTWT合意が解除されてよい。このとき、複数のリンクに設定されたTWT合意のTWTパラメータは互いに同一であってよい。また、複数のリンクに設定されたTWT合意のTWT Flow IDは互いに同一であってよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に一度に、例えば1つのTWTエレメントによって第1リンク~第3リンクにTWT合意が確立された場合に、第1マルチリンク装置又は第2マルチリンク装置は、第1リンク~第3リンクのいずれか一つでTWT解除フレームを送信し、第1リンク~第3リンクに確立されたTWT合意を解除できる。
【0208】
APマルチリンク装置は、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。Non-APマルチリンク装置は、第1ステーション(non-AP STA1)、第2ステーション(non-AP STA2)及び第3ステーション(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3Link(Link3)で動作する。第1ステーション(non-AP STA1)、第2ステーション(non-AP STA2)及び第3ステーション(non-AP STA3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)及び第3Link(Link3)で動作する。第1ステーション(non-AP STA1)は第1AP(AP1)と結合され、第2ステーション(non-AP STA2)は第2AP(AP2)と結合され、第3ステーション(non-AP STA3)は第3AP(AP3)と結合される。第1ステーション(non-AP STA1)と第1AP(AP1)との間にTWT合意が成立し、当該TWT合意のTWT Flow IDはxである。第2ステーション(non-AP STA2)と第2AP(AP2)との間にTWT合意が成立し、当該TWT合意のTWT Flow IDはyである。第3ステーション(non-AP STA3)と第3AP(AP3)との間にTWT合意が成立し、当該TWT合意のTWT Flow IDはzである。
【0209】
この時、non-APマルチリンク装置は、第1ステーション(non-AP STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意及び第3ステーション(non-AP STA3)と第3AP(AP3)間のTWT合意を解除するためにTWT解除フレームを送信する。この時、TWT解除フレームは、第1ステーション(non-AP STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意のTWT Flow IDに該当するx、及び第3ステーション(non-AP STA3)と第3AP(AP3)間のTWT合意のTWT Flow IDに該当するzを指示する。
【0210】
APマルチリンク装置は、non-APマルチリンク装置にTWT解除フレームに対するACKを送信する。その後、APマルチリンク装置は、第1ステーション(non-AP STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意、及び第3ステーション(non-AP STA3)と第3AP(AP3)間のTWT合意を解除する。non-APマルチリンク装置は、TWT解除フレームに対するACKを受信する。その後、non-APマルチリンク装置は、第1ステーション(non-AP STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意、及び第3ステーション(non-AP STA3)と第3AP(AP3)間のTWT合意を解除する。
【0211】
前述した実施例によってTWT合意を設定し解除するためのTWTエレメントについて
図20を用いて説明する。
【0212】
図20は、本発明の実施例に係るTWTエレメントのIndividual TWT parameter setフィールドのフォーマットを示す。
【0213】
TWTエレメントのIndividual TWT parameter setフィールドのRequest Typeフィールドは、1ビットフィールドであるTWT Requestサブフィールド、3ビットフィールドであるTWT Setup Commandサブフィールド、1ビットフィールドであるTriggerサブフィールド、1ビットフィールドであるImplicitサブフィールド、1ビットFlow Typeサブフィールド、3ビットフィールドであるTWT Flow Identifierサブフィールド、5ビットフィールドであるTWT Wake Interval Exponentサブフィールド、及び1ビットフィールドであるTWT Protectionサブフィールドを含む。
【0214】
TWT Requestサブフィールドの値が1である場合に、TWTエレメントを送信するステーションは、TWT要請ステーション又はTWTスケジュールドステーションであってよい。また、TWT Requestサブフィールドの値が0である場合に、TWTエレメントを送信するステーションは、TWT応答ステーション又はTWTスケジューリングAPであってよい。
【0215】
TWT Setup Commandサブフィールドは、TWTコマンドのタイプを指示することができる。TWT Setup Commandサブフィールドの値は、0~7に設定されてよい。TWT Setup Commandサブフィールドの値が0~7である場合に、TWT Setup Commandサブフィールドは、TWT Setup Commandサブフィールドを含むTWTエレメントが要請(Request)TWT、提案(Suggest)TWT、要求(Demand)TWT、TWTグルーピング(Grouping)、受容(Accept)TWT、変更(Alternate)TWT、命令(Dictate)TWT、及び拒絶(Reject)TWTであることを示すことができる。これは、従来に用いられるTWT Setup Commandサブフィールドの設定と同一であってよい。
【0216】
Triggerサブフィールドの値が1である場合に、Triggerサブフィールドは、TWTエレメントによってTWT合意が確立される場合に、TWTサービスピリオドには1個以上のトリガーフレーム(trigger frame)が送信されることを指示できる。
【0217】
Implicitサブフィールドは、TWTエレメントが黙示的(implicit)TWTを要請(request)するか否かを示す。Implicitサブフィールドの値が1である場合に、Implicitサブフィールドは、TWTエレメントが黙示的TWTを要請することを示すことができる。Implicitサブフィールドの値が0である場合に、Implicitサブフィールドは、TWTエレメントが明示的(explicit)TWTを要請することを示すことができる。
【0218】
Flow Typeサブフィールドは、TWTサービスピリオド内でのTWT要請ステーションとTWT応答ステーション間の相互作用方式を示す。Flow Typeサブフィールドの値は、従来の無線LAN標準で定義されるFlow Typeサブフィールドの値と同一に設定されてよい。
【0219】
TWT Flow Identifierサブフィールドは、TWT合意を区分するためのID値を指示する。従来の無線LAN標準においてTWTエレメントは1個のTWT Flow Identifierサブフィールドのみを含む。ただし、前述したように、1つのTWTエレメントによって複数のリンクにTWT合意が設定される場合に、TWTエレメントは、複数のTWT Flow Identifierサブフィールドを含んでよい。このとき、複数のTWT Flow Identifierサブフィールドのそれぞれは、複数のリンクのそれぞれに設定されたTWT合意のTWT Flow IDを指示できる。
【0220】
TWT wake intervalサブフィールドは、TWTエレメントによって設定されるTWTサービスピリオド間の平均インターバル(interval)を指示する。このとき、平均インターバルは予測値である。TWT wake intervalサブフィールドの値は、従来の無線LAN標準で定義される値と同一に設定されてよい。
【0221】
TWT protectionサブフィールドの値が1である場合に、TWT protectionサブフィールドは、TWT要請ステーションがTWT応答ステーションにTWTサービスピリオドに対する保護(protection)を支援するように要請することを示す。このとき、TWTサービスピリオドの保護方法は、従来の無線LAN標準で定義されるのと同一であってよい。
【0222】
Individual TWT Parameter SetフィールドのTarget Wake Timeフィールド、TWT Group Assignmentフィールド、Nominal Minimum TWT Wake Durationフィールド、TWT Wake Interval Mantissaフィールド、TWT Channelフィールド、及びNDP Pagingフィールドは、従来の無線LAN標準で定義されるのと同一に設定されてよい。
【0223】
Individual TWT Parameter Setフィールドは、
図16を用いて説明した実施例のように、Link ID Bitmapサブフィールドを含んでよい。Link ID Bitmapサブフィールドが複数のリンクを指示する場合に、TWTエレメントは、複数のリンクでTWT合意を要請することができる。このとき、複数のリンクでTWT合意が成立する場合に、複数のリンクに、互いに同じTWTパラメータを有するTWTサービスピリオドが適用されてよい。
【0224】
また、1つのTWTエレメントによって複数のリンクにTWT合意が設定されても、複数のリンクに設定された複数のTWT合意は、互いに異なるTWT Flow IDを有することがある。TWT合意が一度に設定されても、互いに異なるリンクに適用され、互いに異なるステーションとAPに適用されるためである。TWTエレメントは、複数のTWT Flow Identifierフィールドを含んでよい。具体的には、TWTエレメントは、TWT合意が適用される複数のリンクのそれぞれに該当する複数のTWT Flow Identifierフィールドを含んでよい。このとき、TWTエレメントが含むTWT Flow Identifierフィールドの個数は、Link ID Bitmapサブフィールドが指示するリンクの個数と同一であってよい。例えば、Link ID Bitmapサブフィールドが2個のリンクを指示する場合に、Link ID Bitmapサブフィールドを含むTWTエレメントは、2個のTWT Flow Identifierフィールドを含んでよい。TWTエレメントが含む複数のTWT Flow Identifierフィールドのうち、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールドは、Request Typeフィールドに含まれたTWT Flow IDであってよい。一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのサブフィールドは、
図20におけるAdditional TWT Flow IDフィールドのように、TWTエレメントの別のフィールドに含まれてよい。また、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールドは、TWT要請フレームが送信されるリンクに確立されるTWT合意のTWT Flow IDを指示できる。一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドは、TWT合意が確立されるリンクのうち、TWT要請フレームが送信されるリンク以外の残りのリンクに確立されるTWT合意のTWT Flow IDを指示できる。前述したように、TWT合意が確立されるリンクのうち、TWT要請フレームが送信されるリンク以外の残りのリンクは、Link ID Bitmapサブフィールドによって指示されてよい。また、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドは、Link IDの値のサイズ順にリンクにマップされてよい。一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドのうち、一番目のサブフィールドは、TWT要請フレームが送信されるリンク以外の残りのリンクのうち一番目に小さい値のリンクIDを有するリンクにマップされ、二番目のサブフィールドは、TWT要請フレームが送信されるリンク以外の残りのリンクのうち二番目に小さい値のリンクIDを有するリンクにマップされ、三番目のサブフィールドは、TWT要請フレームが送信されるリンク以外の残りのリンクのうち三番目に小さい値のリンクIDを有するリンクにマップされてよい。
【0225】
TWTエレメントが1つのTWT合意のみを要請する場合に、TWTエレメントは、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドを含まなくてよい。TWTエレメントがTWT要請フレームが送信されるリンク以外の1つのリンクでのTWT合意のみを要請する場合に、TWTエレメントは、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドを含まなくてよい。このとき、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールドは、TWT要請フレームが要請するTWT合意に該当するTWT Flow IDを指示することができる。
【0226】
図21は、本発明の実施例に係る一番目のTWT Flow Identifierサブフィールド以外の残りのTWT Flow Identifierサブフィールドのフォーマットを示す。
【0227】
前述したように、Additional TWT Flow IDフィールドのサイズは、TWTエレメントのLink IDビットマップによって指示されるリンクの個数によって決定されてよい。従来の無線LANにおいてステーションが確立できるTWT合意の最大個数は8個である。したがって、従来の無線LANにおいてTWT Flow Identifierサブフィールドは3ビットフィールドである。マルチリンク装置が確立できるTWT合意の最大個数は8個である場合に、TWT Flow Identifierサブフィールドは3ビットフィールドであってよい。また、Additional TWT Flow IDフィールドは、3ビットサイズを有するサブフィールドを1個以上含んでよい。TWTエレメントがn個のTWT合意を要請する場合に、Additional TWT Flow IDフィールドは、3ビットのサブフィールドをn-1個含んでよい。このとき、前述したように、一番目のTWT Flow Identifierサブフィールドは、Request Typeフィールドに含まれたTWT Flow IDであってよい。さらに他の具体的な実施例において、TWTエレメントがn個のTWT合意を要請する場合に、Additional TWT Flow IDフィールドは、3ビットのサブフィールドをn個含んでよい。また、TWT Parameter Setフィールドがオクテット(octec)単位の長さを有するように、Additional TWT Flow IDフィールドにリザーブドフィールドが含まれてよい。このような実施例が
図21(a)に示されている。
【0228】
図21(a)のPer-octetフォーマットにおいて、Additional TWT Flow IDフィールドは、1オクテットに2個のTWT Flow IDサブフィールドを含む。具体的には、TWTエレメントが3個のTWT合意を要請する場合に、Additional TWT Flow IDフィールドは、1個のオクテットに2個のTWT Flow IDサブフィールドを含んでよい。
【0229】
また、Additional TWT Flow IDフィールドが奇数個のTWT Flow IDを指示する場合に、Additional TWT Flow IDフィールドが含む最後のオクテットは、1個のTWT Flow IDを指示し、残り5ビットは、リザーブドフィールドに設定されてよい。このような実施例が
図22(b)に示されている。
【0230】
前述した実施例において、TWT Flow IDサブフィールドのサイズが3ビットであるとしたが、TWT Flow IDサブフィールドのサイズが4ビットである場合にも前述の実施例が適用されてよい。
【0231】
前述したように、1つのTWTエレメントが複数のリンクでTWT合意を要請することができる。したがって、それに必要な情報をさらに送信する必要がある。これについて
図22を用いて説明する。
【0232】
図22は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置が送信するTWTエレメントが含むControlフィールドのフォーマットを示す。
【0233】
1つのTWTエレメントが複数のリンクでTWT合意を要請する時に必要な追加情報は、TWT合意が行われるリンクを指示する情報であるLink IDビットマップと、TWT合意に該当するTWT Flow IDであるAdditional TWT Flow Identifierフィールドを含んでよい。ただし、マルチリンク装置のステーションが、ステーションが結合されたステーションにTWT要請フレームを送信する場合に、TWT要請フレームに含まれるTWTエレメントは、このような追加情報を含まなくてよい。TWTエレメントは、Link ID Bitmapフィールド及びAdditional TWT Flow Identifierフィールドを含むか否かを指示するフィールドを含んでよい。TWTエレメントを受信したステーションは、Link ID Bitmapフィールド及びAdditional TWT Flow Identifierフィールドを含むか否かを指示するフィールドに基づいて、TWTエレメントのフォーマットを判断できる。
【0234】
TWT要請ステーションの送信したTWTエレメントがLink ID Bitmapサブフィールドを含む場合に、TWT要請ステーションは、TWTエレメントのControlフィールドのLink ID Bitmap Presentサブフィールドの値を1に設定できる。TWTエレメントのControlフィールドのLink ID Bitmap Presentサブフィールドの値が1である場合に、TWTエレメントを受信したTWT応答ステーションは、TWTエレメントが、Link ID Bitmapサブフィールドを含み、複数のリンク又はTWTエレメントを含むTWT要請フレームが送信されたリンクと異なるリンクでTWT合意を確立するためのものであると判断できる。
【0235】
TWT要請ステーションの送信したTWTエレメントがAdditional TWT Flow IDサブフィールドを含む場合に、TWT要請ステーションは、TWTエレメントのControlフィールドのAdditional TWT Flow ID Presentサブフィールドの値を1に設定できる。TWTエレメントのControlフィールドのAdditional TWT Flow ID Presentサブフィールドの値が1である場合に、TWTエレメントを受信したTWT応答ステーションは、TWTエレメントが、Additional TWT Flow IDサブフィールドを含み、複数のリンクでTWT合意を確立するためのものであると判断できる。
【0236】
さらに他の具体的な実施例において、Additional TWT Flow ID Presentサブフィールドは省略されてよい。このとき、TWTエレメントを受信したTWT応答ステーションは、Link ID Bitmapサブフィールドに基づいて、TWTエレメントがAdditional TWT Flow IDサブフィールドを含むか否かを判断できる。また、TWTエレメントを受信したTWT応答ステーションは、Link ID Bitmapサブフィールドに基づいて、TWTエレメントが含むAdditional TWT Flow IDサブフィールドのサイズを判断できる。
【0237】
前述したように、マルチリンク装置は、第1リンクで、第2リンクに適用されるTWT合意を解除するためのTWT解除フレームを送信できる。また、マルチリンク装置は、1つのリンクにTWT解除フレームを送信し、複数のリンクに適用されるTWT合意を解除することができる。
【0238】
TWT解除フレームも同様、従来の無線LANにおけるTWT解除フレームに追加の情報を含んでよい。これについて
図23を用いて説明する。
【0239】
図23は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置が送信するTWT解除フレームのActionフィールドのフォーマットを示す。
【0240】
マルチリンク装置の送信するTWT解除フレームは、新しいアクションフレームと定義されてよい。説明の便宜のために、マルチリンク装置の送信するTWT解除フレームを、MLD TWT解除フレームと呼ぶ。MLD TWT解除フレームは、ActionフィールドのカテゴリーのうちUnprotected S1Gに指定されてよい。Unprotected S1GのActionフィールドの値のうち、従来の無線LANにおいて用いられない値が、MLD TWT解除フレームに割り当てられてよい。例えば、
図23(a)の実施例におけるように、12がMLD TWT解除フレームに割り当てられてよい。このとき、ステーションがMLD TWT解除フレームを送信しようとする場合に、ステーションは、アクションフレームにおいてカテゴリーの値を22に設定し、Unprotected S1G Actionフィールドの値を12に設定できる。
【0241】
また、MLD TWT解除フレームのActionフィールドは、TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意を指示するフィールドを含んでよい。このフィールドをMLD TWT Flowフィールドと呼ぶことができる。MLD TWT Flowフィールドは、TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意に該当するリンクのリンクIDと、TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意に該当するTWT Flow IDを指示できる。
図23(b)は、TWT解除フレームが含むActionフィールドの一例を示す。
【0242】
MLD TWT Flowフィールドは、Unprotected S1Gカテゴリーだけでなく、他のカテゴリーのActionフィールドによって指示されてもよい。例えば、MLD TWT解除フレームは、S1GカテゴリーのProtected Actionフレームフォーマットで送信されてよい。このとき、S1GカテゴリーのアクションフレームのActionフィールドがMLD TWT Flowフィールドを含んでよい。
【0243】
TWT解除フレームは、本実施例で説明したアクションフレームと異なるフォーマットで用いられてよく、TWT解除フレームとしてアクションフレーム以外のフレームが用いられてもよい。具体的なMLD TWT Flowフィールドのフォーマットについて
図24を用いて説明する。
【0244】
図24は、本発明の実施例に係るMLD TWT Flowフィールドを示す。
【0245】
MLD TWT Flowフィールドは、可変長を有するフィールドを含んでよい。具体的には、MLD TWT Flowフィールドは、MLD TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意に該当するTWT Flow IDを指示する可変長のフィールドを含んでよい。具体的な実施例において、MLD TWT Flowフィールドは、固定長を有するMLD TWT Flow Controlフィールドと可変長を有するMLD TWT Flow IDsフィールドを含んでよい。MLD TWT Flow Controlフィールドは1オクテットフィールドであってよい。また、MLD TWT Flow Controlフィールドは、MLD TWT Flow IDsフィールドをパースするための情報を指示できる。具体的には、MLD TWT Controlフィールドは、MLD TWT Flow IDsフィールドのサイズに関する情報を指示できる。MLD TWT Flow IDsフィールドは、解除しようとするTWT合意に該当するTWT Flow IDを指示できる。また、MLD TWT Flow Controlフィールドの設定によってMLD TWT Flow IDsフィールドは省略されてよい。このような実施例に係るMLD TWT Flowフィールドが
図24(a)に示されている。
【0246】
MLD TWT Flow Controlフィールドは、MLD TWT Flow IDsフィールドの長さを指示するフィールドを含んでよい。このとき、このフィールドをLength of MLD Flow IDsフィールドと呼ぶことができる。Length of MLD Flow IDsフィールドは、1オクテット単位でMLD TWT Flow IDsフィールドの長さを指示できる。このとき、MLD TWT Flow IDsフィールドの長さが5オクテットである場合に、Length of MLD Flow IDsフィールドの値は5又は4に設定されてよい。このような実施例に係るMLD TWT Flowフィールドが
図24(b)に示されている。
【0247】
また、TWT Flow Controlフィールドは、MLD TWT解除フレームを送信するマルチリンク装置とMLD TWT解除フレームを受信するマルチリンク装置間とのに確立された全てのTWT合意を解除しようとすることを指示するサブフィールドを含んでよい。このようなサブフィールドをTeardown All TWT of All Linkフィールドと呼ぶ。マルチリンク装置がMLD TWT解除フレームの受信者との間に確立された全てのTWT合意を解除しようとする場合に、マルチリンク装置は、MLD TWT解除フレームのTeardown All TWT of All Linkサブフィールドの値を1に設定できる。Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1に設定されたMLD TWT解除フレームが成功的に受信された場合に、MLD TWT解除フレームを送信したマルチリンク装置とMLD TWT解除フレームを受信したマルチリンク装置との間に確立された全てのTWT合意が解除される。Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1である場合に、Length of MLD Flow IDsフィールドはリザーブドフィールドに設定されてよい。したがって、Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1である場合に、MLD TWT FlowフィールドはMLD TWT Flow IDsを含まなくてよい。このような実施例に係るTWT Flow Controlフィールドが
図24(b)に示されている。
【0248】
MLD TWT Flow IDsフィールドは、1オクテットごとに、3ビットのTWT Identifierサブフィールド、4ビットのLink IDフィールド、及び1ビットのTeardown All TWTサブフィールドを反復して含んでよい。このとき、連続したTWT Identifierサブフィールド、Link IDフィールドが、MLD TWT解除フレームが解除するTWT合意を識別できる。このような実施例に係るMLD TWT Flow IDsフィールドが
図24(c)に示されている。
【0249】
また、Teardown All TWTサブフィールドは、Teardown All TWTサブフィールドに該当するリンクと関連したTWT合意が全て解除されることを指示できる。このとき、Teardown All TWTサブフィールドに該当するリンクは、Teardown All TWTサブフィールドと同じオクテットに含まれたLink Idフィールドに該当するリンクである。また、Teardown All TWTサブフィールドの値が1である場合に、TWT Identifierサブフィールドはリザーブドフィールドとして設定されてよい。このような実施例に係るMLD TWT Flow IDsフィールドが
図24(e)に示されている。
【0250】
さらに他の具体的な実施例において、Teardown All TWTサブフィールドは、Teardown All TWTサブフィールドに該当するTWT Flow IDに該当するTWT合意が全て解除されることを指示できる。このとき、Teardown All TWTサブフィールドに該当するリンクは、Teardown All TWTサブフィールドと同じオクテットに含まれたTWT Flow Identifierサブフィールドに該当するTWT Flow IDである。また、Teardown All TWTサブフィールドの値が1である場合に、Link IDサブフィールドはリザーブドフィールドとして設定されてよい。このような実施例に係るMLD TWT Flow IDsフィールドが
図24(f)に示されている。
【0251】
さらに他の具体的な実施例において、MLD TWT Flow IDsフィールドは、複数のTWT Identifierサブフィールドを連続して含み、複数のLink IDフィールドを連続して含み、Teardown All TWTサブフィールドを連続して含んでよい。このような実施例において、同じ順序のTWT IdentifierサブフィールドとLink IDフィールドが、MLD TWT解除フレームが解除するTWT合意を識別できる。例えば、一番目のTWT Identifierサブフィールドと一番目のLink IDフィールドとの組合せが、MLD TWT解除フレームが解除するTWT合意を識別し、二番目のTWT Identifierサブフィールドと二番目のLink IDフィールドとの組合せが、MLD TWT解除フレームが解除するTWT合意を識別できる。MLD TWT Flow IDsフィールドに含まれるTWT Flow Identifierサブフィールドの個数、Link IDサブフィールドの個数、及びTeardown All TWTサブフィールドの個数のうち少なくとも一つは、MLD TWT Flow IDsフィールドのサイズに比例してよい。また、Teardown All TWTサブフィールドとLink IDフィールドは順次に対応してよい。例えば、一番目のTeardown All TWTサブフィールドは一番目のLink IDフィールドに該当し、二番目のTeardown All TWTサブフィールドは二番目のLink IDフィールドに該当してよい。また、Teardown All TWTサブフィールドとTWT Flow Identifierサブフィールドは順次に対応してよい。例えば、一番目のTeardown All TWTサブフィールドは一番目のTWT Flow Identifierサブフィールドに該当し、二番目のTeardown All TWTサブフィールドは二番目のTWT Flow Identifierサブフィールドに該当してよい。
【0252】
さらに他の具体的な実施例において、MLD TWT解除フレームは、複数のリンクを指示するためのLink IDビットマップを含んでよい。これは、前述したTWTエレメントが含むLink ID Bitmapフィールドのフォーマットと同一であってよい。その他、MLD TWT解除フレームは複数のTWT合意を解除するための情報をシグナルするためにビットマップを含んでよい。これについて
図25を用いて説明する。
【0253】
図25は、本発明のさらに他の実施例に係るMLD TWT Flowフィールドのフォーマットを示す。
【0254】
前述したように、MLD TWT解除フレームは可変長を有してよい。このとき、MLD TWT解除フレームは、固定長のMLD TWT Flow ControlフィールドとMLD TWT Bitmapフィールドを含んでよい。すなわち、MLD TWT解除フレームは、
図24で説明した実施例において言及されたMLD TWT Flow IDsフィールドの代わりに、MLD TWT Bitmapフィールドを含んでよい。このとき、MLD TWT Flow Controlフィールドの長さは1オクテットであってよい。また、MLD TWT解除フレームにおいてMLD TWT BitmapフィールドはMLD TWT Flow Controlフィールドの値によって省略されてよい。このような実施例に係るMLD TWT Flowフィールドのフォーマットが
図25(a)に示されている。
【0255】
MLD TWT Controlフィールドは、MLD TWT Bitmapフィールドのサイズと関連した情報を示すサブフィールドを含んでよい。このようなサブフィールドをLength of Bitmapサブフィールドと呼ぶ。Length of Bitmapフィールドは3オクテット単位でMLD TWT Bitmapフィールドのサイズを指示できる。例えば、MLD TWT Bitmapフィールドのサイズが9オクテットである場合に、Length of Bitmapフィールドの値は3又は2に設定されてよい。Length of Bitmapサブフィールドは3ビットのフィールドであってよい。このとき、MLD TWT Bitmapフィールドが有し得る長さの種類が8個以下に制限されてよい。これは、TWT Flow IDの個数が8個以下であるためである。このような実施例に係るMLD TWT Controlフィールドのフォーマットが
図25(b)に示されている。
【0256】
MLD TWT Flow Controlフィールドは、
図24で説明したように、MLD TWT解除フレームを送信するマルチリンク装置とMLD TWT解除フレームを受信するマルチリンク装置との間に確立された全てのTWT合意を解除しようとすることを指示するサブフィールドを含んでよい。このようなサブフィールドをTeardown All TWT of All Linkフィールドと呼ぶ。マルチリンク装置がMLD TWT解除フレームの受信者との間に確立された全てのTWT合意を解除しようとする場合に、マルチリンク装置は、MLD TWT解除フレームのTeardown All TWT of All Linkサブフィールドの値を1に設定できる。Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1に設定されたMLD TWT解除フレームが成功的に受信された場合に、MLD TWT解除フレームを送信したマルチリンク装置とMLD TWT解除フレームを受信したマルチリンク装置との間に確立された全てのTWT合意が解除される。Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1である場合に、Length of TWT Bitmapフィールドはリザーブドフィールドとして設定されてよい。したがって、Teardown All TWT of All Linkサブフィールドが1である場合に、MLD TWT FlowフィールドはTWT Bitmapフィールドを含まなくてよい。このような実施例に係るTWT Flow Controlフィールドが
図25(c)に示されている。
【0257】
TWT Bitmapフィールドは、3オクテットごとに、1オクテット長のTWT Flow ID Bitmapサブフィールドと2オクテット長のLink ID Bitmapサブフィールドを反復して含んでよい。このような実施例に係るTWT Bitmapフィールドが
図25(d)に示されている。TWT Flow ID Bitmapサブフィールドは、TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意に該当するTWT Flow IDを指示できる。MLD TWT解除フレームが、TWT Flow IDが1~3であるTWT合意を解除する場合に、TWT Flow ID Bitmapサブフィールドは1110 0000
2bに設定されてよい。このとき、TWT Flow IDの値1~8のそれぞれは、TWT Flow ID Bitmapサブフィールドの一番目のビットから八番目のビットにマップされる。また、Link ID Bitmapサブフィールドは、TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意に該当するリンクのリンクIDを指示できる。MLD TWT解除フレームがLink IDが1~3に対応するリンクに設定されたTWT合意を解除する場合に、Link ID Bitmapサブフィールドは1110 0000
2bに設定されてよい。このとき、Link IDの値1~8のそれぞれは、Link ID Bitmapサブフィールドの一番目のビットから八番目のビットにマップされる。また、前述したように、TWT Flow IDは3ビットで指示されてよい。したがって、TWT Flow IDビットマップは、3ビットサイズのフィールドで1つのTWT Flow IDの値を指示できる。この場合、TWT Flow IDビットマップサブフィールドの5ビットは、リザーブドフィールドであってよい。このような実施例に係るTWT Bitmapフィールドが
図25(e)に示されている。
【0258】
さらに他の具体的な実施例において、TWT Bitmapフィールドは、TWT Flow ID Bitmapサブフィールドを連続して含み、Link ID Bitmapサブフィールドを連続して含んでよい。TWT Bitmapフィールドに含まれるTWT Flow ID Bitmapサブフィールドの長さ及びLink ID Bitmapサブフィールドの長さのうち少なくとも一つは、TWT Bitmapフィールドのサイズに比例してよい。
【0259】
TWT解除フレームが解除しようとするTWT合意は、TWT Flow ID Bitmapサブフィールドによって指示されるTWT Flow IDに該当し、Link ID Bitmapサブフィールドによって指示されるLink IDに該当するTWT合意である。
【0260】
前述したMLD TWT解除フレームは、従来の無線LANで用いられたTWT解除フレームではなくマルチリンク装置間に確立されたTWT合意を解除するためのフレームとして新しく定義されたものである。従来のTWT解除フレームを用いて、マルチリンク装置間に確立されたTWT合意を解除する方法について説明する。具体的には、1)TWT解除フレームが送信されるリンクで確立されていた全てのTWT合意を解除する方法、2)特定リンクで確立されていた全てのTWT合意を解除する方法、3)全てのリンクで特定TWT Flow IDに該当するTWT合意を解除する方法、及び4)全てのリンクに設定された全てのTWT合意を解除する方法について説明する。
【0261】
図26は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置に確立されたTWT合意を解除するTWT解除フレームを示す。
【0262】
従来のTWT解除フレームは、1オクテット長のTWT Flowフィールドを含む。このとき、TWT Flowフィールドの一番目のビットから三番目のビット(B0-B2)は、TWT Flow IDを指示するTWT Flow Identifierサブフィールドである。TWT Flowフィールドの四番目のビットから五番目のビット(B3-B4)は、リザーブドサブフィールドである。TWT Flowフィールドの六番目のビットから七番目のビット(B5-B6)は、ネゴシエーションタイプを示すNegotiation Typeサブフィールドである。このとき、TWT Flowフィールドの六番目のビットから八番目のビット(B7)は、Teardown All TWTサブフィールドとして設定されてよい。Teardown All TWTサブフィールドは、TWT解除フレームを送信するステーションとTWT解除フレームを受信するステーションとの間に確立された全てのTWT合意を解除しようとすることを指示できる。前述したTWT Flowフィールドのフォーマットは、Negotiation Typeサブフィールドの値が0又は1である場合であってよい。Teardown All TWTサブフィールドの値が1である場合に、TWT Flow Identifierサブフィールドはリザーブドフィールドとして設定され、TWT Flow Identifierサブフィールドの値は0に設定されてよい。
【0263】
まず、TWT解除フレームが送信されるリンクで確立された全てのTWT合意を解除する方法について説明する。TWT解除フレームが送信されるリンクで確立された全てのTWT合意を解除することをシグナルするために、TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールド(B7)の値は1に設定され、Teardown Typeサブフィールド(B4)の値は0に設定されてよい。このとき、TWT Flowフィールドの一番目のビットから四番目のビットまで(B0-B3)は、リザーブドフィールドとして設定されてよい。このような実施例に係るTWT Flowフィールドのフォーマットが
図26(a)に示されている。TWT FlowフィールドのTeardown all TWTサブフィールドの値が1であり、Teardown Typeサブフィールドの値は0である場合に、TWT Flowフィールドを含むTWT解除フレームを送信したマルチリンク装置と受信したマルチリンク装置は、両マルチリンク装置間に確立された全てのTWTのうち、TWT解除フレームが送信されるリンクで確立された全てのTWT合意を解除できる。
【0264】
特定リンクで確立された全てのTWT合意を解除する方法について説明する。特定リンクで確立された全てのTWT合意を解除することをシグナルするために、TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールド(B7)の値は0に設定され、Teardown Typeサブフィールド(B4)の値は1に設定されてよい。このとき、TWT Flowフィールドの一番目のビットから四番目のビットまで(B0-B3)は、TWT解除フレームが解除するTWT合意に該当するリンクを指示するLink IDフィールドとして設定されてよい。このような実施例に係るTWT Flowフィールドのフォーマットが
図26(b)に示されている。TWT FlowフィールドのTeardown all TWTサブフィールドの値は0であり、Teardown Typeサブフィールドの値は1である場合に、TWT Flowフィールドを含むTWT解除フレームを送信したマルチリンク装置と受信したマルチリンク装置は、Link IDフィールドが指示したリンクで確立された全てのTWT合意を解除できる。
【0265】
全てのリンクで特定TWT Flow IDに該当するTWT合意を解除する方法について説明する。全てのリンクで特定TWT Flow IDに該当するTWT合意を解除することをシグナルするために、TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールド(B7)の値は0に設定され、Teardown Typeサブフィールド(B4)の値は0に設定され、All Linkサブフィールド(B3)の値は1に設定されてよい。このような実施例に係るTWT Flowフィールドのフォーマットが
図26(c)に示されている。TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールドの値が0で、Teardown Typeサブフィールドの値が0で、All Linkサブフィールドの値が1である場合に、TWT Flowフィールドを含むTWT解除フレームを送信したマルチリンク装置と受信したマルチリンク装置は、両マルチリンク装置と確立されたTWT合意のうち、TWT Flow Identifierフィールドが指示するTWT Flow IDに該当する全てのTWT合意を解除できる。
【0266】
全てのリンクに設定された全てのTWT合意を解除する方法について説明する。全てのリンクに設定された全てのTWT合意を解除することをシグナルするために、TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールド(B7)の値は1に設定され、Teardown Typeサブフィールド(B4)の値は1に設定されてよい。このとき、TWT Flowフィールド(B0-B3)はリザーブドフィールドとして設定されてよい。このような実施例に係るTWT Flowフィールドのフォーマットが
図26(d)に示されている。TWT解除フレームのTeardown all TWTサブフィールドの値が1であり、Teardown Typeサブフィールドの値が1である場合に、TWT Flowフィールドを含むTWT解除フレームを送信したマルチリンク装置と受信したマルチリンク装置は、両マルチリンク装置と確立されたTWT合意を解除できる。
【0267】
前述した実施例において、TWT合意は、TWT解除フレームによって解除された。ただし、TWT解除フレームが送信又は受信されない場合にもTWT合意は解除されてよい。これを黙示的解除と呼ぶ。これについて
図27を用いて説明する。
【0268】
図27は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置間に確立されたTWT合意が黙示的に解除されることを示す。
【0269】
APとnon-APステーションとの結合が解除される場合に、APとnon-APステーションとの間に確立されたTWT合意が黙示的に解除されてよい。また、APとnon-APステーションとの結合が行われたリンクが非活性化(disable)される場合に、APとnon-APステーションとの間に確立されたTWT合意が黙示的に解除されてよい。このとき、リンクが非活性化されることは、リンクにマップされたTIDがなくなることを含んでよい。以下の説明では、説明の便宜のために、APとnon-APステーション間の結合が解除(disassociate)される場合を取り上げて説明するが、これは、APとnon-APステーションとの結合が行われたリンクが非活性化(disable)される場合にも適用されてよい。
【0270】
前述したように、1つのTWTエレメントによって複数のリンクにTWT合意が確立されてよい。このとき、複数のリンクに確立されたTWT合意のTWT Flow IDは同一であってよい。また、複数のリンクに確立されたTWT合意の要請ステーションが同一であり、複数のリンクに確立されたTWT合意の応答ステーションが同一であってよい。このため、複数のリンクに確立されたTWT合意が互いに区別し難く、TWT合意を解除する時にも同時に解除されなければならないことがある。また、従来の無線LAN標準においてAPとnon-APステーションが結合解除される場合に、APとnon-APステーションは、APとnon-APステーション間に確立されたTWT合意を黙示的に解除する。この時、APとnon-APステーションとの間に確立されたTWT合意に関する情報を削除する。
【0271】
1つのTWTエレメントによって複数のリンクにTWT合意が確立され、複数のリンクに確立されたTWT合意のTWT Flow IDは同一であり、TWT要請ステーションとTWT応答ステーションが結合解除される場合に、複数のTWT合意は全て黙示的に解除されてよい。
【0272】
さらに他の具体的な実施例において、マルチリンク装置に含まれたステーションである第1ステーションが、第1ステーションと結合された第2ステーションと結合解除される場合に、第1ステーションがTWT応答ステーションであるか或いは第1ステーションがTWT要請ステーションであるTWT合意は、黙示的に解除されてよい。このとき、第1ステーションが第1リンクで動作する。解除されるTWT合意は、第1ステーションが含まれたマルチリンク装置が動作するリンクのうち、第1リンク以外のリンクで動作するステーションに継承されてよい。この時、TWT合意の継承のためにLink IDを含むシグナリングが行われてよい。また、TWT合意の継承のためのシグナリングは、マネジメントフレームで送信されてよい。また、このようなTWT合意の継承は、いずれか一つのステーションがステーションと結合されたステーションと結合されない場合にも適用されてよい。TWT合意の継承が行われる場合に、継承前に確立されたTWT合意は解除されてよい。前述した実施例において、TWT合意継承は、以前に確立されたTWT合意に適用されるTWTパラメータが新しいTWT合意に適用されることを示すことができる。
【0273】
図27の実施例において、non-APマルチリンク装置(non-AP MLD)は、第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含む。第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)、及び第3リンク(Link3)で動作する。APマルチリンク装置(AP MLD)は、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)のそれぞれは、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)、及び第3リンク(Link3)で動作する。第1ステーション(STA1)と第1AP(AP1)は結合され、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)、及び第3リンク(Link3)でTWT合意(TWT1,TWT2,TWT3)を確立する。第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)、及び第3リンク(Link3)でTWT合意(TWT1,TWT2,TWT3)の要請ステーション及び応答ステーションは第1ステーション(STA1)及び第1AP(AP1)である。non-APマルチリンク装置(non-AP MLD)とAPマルチリンク装置(AP MLD)が再結合(reassociation)手順を行い、第1ステーション(STA1)と第1AP(AP1)が結合解除されてよい。第1ステーション(STA1)及び第1AP(AP1)がTWT応答ステーション又はTWT要請ステーションであるTWT合意は全て黙示的に解除されてよい。したがって、第1リンク(Link1)、第2リンク(Link2)、及び第3リンク(Link3)でTWT合意(TWT1,TWT2,TWT3)が全て解除される。
【0274】
再結合により、第1ステーション(STA1)が、APマルチリンク装置(AP MLD)の第1AP(AP1)と異なるAPである第4AP(AP4)に結合されて他のリンクで動作できる。このとき、第1ステーション(STA1)と第1AP(AP1)間のTWT合意は、第1ステーション(STA1)と第4AP(AP4)に継承されてよい。このように、最初TWT設定が行われたリンクに関係なく、TWT合意継承によって新しいリンクにTWT合意が設定されてよい。
【0275】
上記のように無線LAN通信を取り上げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、セルラー通信などの他の通信システムでも同一に適用可能である。また、本発明の方法、装置及びシステムは特定の実施例と関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピュータシステムによって具現可能である。
【0276】
以上で実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せ又は変形して実施可能である。したがって、このような組合せ及び変形に関係する内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【0277】
以上では実施例を中心に説明したが、これは単に例示であるだけ、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形及び応用が可能であることが理解できよう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形実施が可能である。また、このような変形及び応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0278】
100 ステーション
110 プロセッサ
120 通信部
140 ユーザインタフェース部
150 ディスプレーユニット
160 メモリ
200 AP
210 プロセッサ
220 通信部
260 メモリ
300 サーバ
S101 ビーコン(beacon)メッセージ
S103 プローブ要請(probe request)
S105 プローブ応答(probe response)
S107a 認証要請(authentication request)
S107b 認証応答(authentication response)
S109a 結合要請(association request)
S109b 結合応答(association response)
S111 認証ステップ
S113 IPアドレス獲得ステップ
【国際調査報告】