(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ポジ型感光性樹脂組成物、絶縁膜及びそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240228BHJP
G03F 7/023 20060101ALI20240228BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240228BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240228BHJP
H10K 85/10 20230101ALI20240228BHJP
【FI】
G03F7/004 501
G03F7/023
H10K50/842
H10K59/10
H10K85/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557753
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 KR2022003725
(87)【国際公開番号】W WO2022197110
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0034811
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515068085
【氏名又は名称】ドンジン セミケム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONGJIN SEMICHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ヒョクミン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ テフン
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンミュン
(72)【発明者】
【氏名】パク アラム
(72)【発明者】
【氏名】チャン グンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ソクヒョン
(72)【発明者】
【氏名】オ ヌリ
(72)【発明者】
【氏名】ソン インホ
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンヒ
【テーマコード(参考)】
2H225
3K107
【Fターム(参考)】
2H225AE05P
2H225AF04P
2H225AF05P
2H225AM10P
2H225AM15P
2H225AM16P
2H225AM39P
2H225AM77P
2H225AM80P
2H225AM90P
2H225AM93P
2H225AM99P
2H225AN54P
2H225AN68P
2H225BA22P
2H225CA24
2H225CB02
2H225CC03
2H225CC21
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC24
3K107CC25
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD97
3K107FF14
3K107FF18
(57)【要約】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、絶縁膜及びそれを含む表示装置に関し、より詳しくは、ヒドロキシル基を含むポリマーを含むため、感度に優れ、耐化学性、耐熱性、及び吸湿性に優れたポジ型感光性樹脂組成物、絶縁膜及びそれを含む表示装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸及びポリイミドからなる群から選択されるいずれか一つ以上の構造を含む第1ポリマー;
繰り返し単位中に、水酸基を少なくとも一つ以上含む第2ポリマー;
感光剤;及び
溶媒;を含み、
前記第1ポリマーの水酸基(OH基)当量に対する前記第2ポリマーの水酸基(OH基)当量は、1:0.04~1:74の比率である、ポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記第2ポリマーは、下記の化学式1または2のいずれか一つ以上の繰り返し単位を含む、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物:
[化学式1]
[化学式2]
前記化学式1において、R
1は炭素数1~20の有機基であり、
前記化学式2において、R
1~R
4はそれぞれ独立して、水素、炭素数1~30の有機基または下記の化学式3の置換基である。
[化学式3]
前記化学式3において、R
5は炭素数1~3のアルキル基であり、mは1または2の整数である。
【請求項3】
前記化学式2のR
1~R
4の中で少なくとも一つ以上は、前記化学式3の置換基を含む、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記第2ポリマーは、前記化学式1で表される繰り返し単位を含み、前記化学式2で表される繰り返し単位を含まない、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記第2ポリマーは、前記R
1が互いに異なる構造を有する2種以上の化学式1で表される繰り返し単位を含む、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記第2ポリマーは、
前記R
1が芳香族環構造を含む化学式1で表される繰り返し単位;及び
前記R
1が芳香族環構造を含まない化学式1で表される繰り返し単位;のうちの1種以上を含む、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記化学式1は、下記の化学式4で表される繰り返し単位及び化学式5で表される繰り返し単位のうちの1種以上を含む、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物:
[化学式4]
[化学式5]
前記化学式5において、R
1は炭素数1~20の脂肪族有機基である。
【請求項8】
前記第2ポリマーは、下記の化学式6~化学式7で表される繰り返し単位のうちの1種以上の繰り返し単位をさらに含む、請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物:
[化学式6]
[化学式7]
前記化学式6において、R
2は、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基または炭素数1~10のアルキル基である。
【請求項9】
前記第2ポリマーの全繰り返し単位に対して、前記化学式6~化学式7で表される繰り返し単位の合計が30モル%以下である、請求項8に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記第1及び第2ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、それぞれ独立して1,000~50,000g/molである、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記第1ポリマーは、下記の化学式8で表される繰り返し単位及び化学式9で表される繰り返し単位を含む、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物:
[化学式8]
[化学式9]
前記化学式8及び化学式9において、R
3は二つ以上の炭素原子を有する2価~8価の有機基であり、R
4は二つ以上の炭素原子を有する2価~8価の有機基であり、R
5及びR
6は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~20の有機基であり、a及びbは、それぞれ独立して0~4であり、c及びdは、それぞれ独立して0~2であり、a+bは1以上であり、
前記a、b、cまたはdが0である場合、該当する置換基は水素原子であり、
前記m、nは、化学式8で表される繰り返し単位と化学式9で表される繰り返し単位それぞれのモル比を示し、m+n=100である。
【請求項12】
前記第1ポリマーと前記第2ポリマーとの重量比が50:50~95:5である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項13】
前記第1ポリマーと第2ポリマーの全体100重量部に対して、前記感光剤は5~50重量部で含まれる、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記感光剤はキノンジアジド化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
フェノール性水酸基含有の架橋性化合物をさらに含む、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項16】
前記フェノール性水酸基含有の架橋性化合物は、下記の化学式10~化学式27で表される化合物からなる群から選択されるいずれか一つ以上の化合物を含む、請求項15に記載のポジ型感光性樹脂組成物:
前記化学式10~化学式27において、R'は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~3のアルキル基、または下記の化学式28の置換基のうちの一つであり、R'のうちの少なくとも一つ以上は、下記の化学式28の置換基であり、
下記の化学式28において、nは1~6の整数であり、R
7は炭素数1~3のアルキル基である。
[化学式28]
【請求項17】
前記溶媒は、ガンマブチロラクトン(gamma-buturolactone;GBL)、N-メチルピロリドン(N-Methyl-2-Pyrrolidinone;NMP)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate;PGMEA)、エチルラクテート(ethyl lactate;EL)、メチル-3-メトキシプロピオネート(methyl 3-methoxypropionate;MMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(propylene glycol monomethyl ether;PGME)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(diethylene glycol methyl Ethyl Ether;MEDG)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(diethylene glycol butyl methyl ether;MBDG)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diethylene glycol dimethyl ether;DMDG)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(diethylene glycol diethyl ether;DEDG)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるいずれか一つ以上を含む、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項18】
前記ポジ型感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤及びUV吸収剤からなる群から選択される一つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化体を含む絶縁膜。
【請求項20】
請求項19に記載の絶縁膜を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感度に優れたポジ型感光性樹脂組成物、絶縁膜及びそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場では、ディスプレイ機器の中で様々な理由でオーレッド(OLED)(Organic Light Emitting Diodes)、特にアモレッド(AMOLED)(Active matrix OLED)が脚光を浴びている。
【0003】
通常、オーレッド(OLED)素子は有機絶縁膜を含み、前記有機絶縁膜の形成には、一般にポリイミド感光性樹脂組成物が用いられている。従来、ポリイミド感光性樹脂組成物に用いられるポリイミド前駆体の中で、ポリアミックエステルはアルキルに置換する技術が適用されていたが、アルキルに置換されたポリアミックエステルは、溶解度の調節が難しく、感度が低いため、その改善策が強く求められるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、感度、残膜率、接着力、耐化学性、吸湿性及び耐熱性に優れたポジ型感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化体を含む絶縁膜を提供することである。
本発明の別の目的は、駆動信頼性に優れた前記絶縁膜を含む表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための本発明の一実施例は、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸及びポリイミドからなる群から選択されるいずれか一つ以上の構造を含む第1ポリマー;繰り返し単位中に、水酸基を少なくとも一つ以上含む第2ポリマー;感光剤;及び溶媒を含み、前記第1ポリマーの水酸基(OH基)当量に対する前記第2ポリマーの水酸基(OH基)当量は、1:0.04~1:74の比率である、ポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0006】
具体的には、前記第2ポリマーは、下記の化学式1または2のいずれか一つ以上の繰り返し単位を含むことができる。
[化学式1]
[化学式2]
【0007】
前記化学式1において、R
1は炭素数1~20の有機基であり、
前記化学式2において、R
1~R
4はそれぞれ独立して、水素、炭素数1~30の有機基または下記の化学式3の置換基である。
[化学式3]
【0008】
前記化学式3において、R5は炭素数1~3のアルキル基であり、mは1または2の整数である。
本発明の他の側面に係る絶縁膜は、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化体を含む。
本発明の別の側面に係る表示装置は、前記絶縁膜を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施例に係るポジ型感光性樹脂組成物は、感度、残膜率、接着力、耐化学性、及び耐熱性に優れ、前記ポジ型感光性樹脂組成物を含むパターン膜は、湿潤環境における厚さ変化率が微小であり、前記ポジ型感光性樹脂組成物を含む表示装置は、駆動状態で輝度が3%落ちる時間(T97)が1,000時間以上であるという効果がある。また、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、優れた感度によって生産性向上が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に係るパターンが形成されたITO(酸化インジウムスズ(Indium Tin oxide))基板上にパターン(Pattern)膜を形成し、EL(エレクトロルミネッセント・ライティング(Electroluminescent Lighting))及びアルミニウムが蒸着されたことを簡単に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語または単語は、通常の意味や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はその自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に基づいて、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されなければならない。
【0012】
したがって、本明細書に記載された実施例及び製造例に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願の時点においてこれらを代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0013】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳しく説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で具現化することができ、ここで説明する製造例及び実施例に限定されない。
本明細書において「*」は、同一であるか、異なる原子または化学式と連結される部分を意味する。
【0014】
本発明の一実施例に係るポジ型感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸及びポリイミドからなる群から選択されるいずれか一つ以上の構造を含む第1ポリマー;繰り返し単位中に、水酸基を少なくとも一つ以上含む第2ポリマー;感光剤;及び溶媒を含み、前記第1ポリマーの水酸基(OH基)当量に対する前記第2ポリマーの水酸基(OH基)当量は、1:0.04~1:74の比率である。前記のように、第1ポリマーの水酸基当量に対する第2ポリマーの水酸基当量(第1ポリマー:第2ポリマー)が1:0.04~1:74である場合、従来の通常のポリイミド系感光性樹脂組成物と比較して顕著に向上した感度特性を示すと同時に、優れた吸湿性、接着力、耐熱特性、残膜率及び耐化学性を有する硬化膜を具現化することができる。しかし、第1ポリマー及び第2ポリマーの水酸基当量比が前記範囲の未満である場合は、感度改善効果が低下する問題が生じる可能性があり、前記比率を外れる場合は、硬化膜の耐熱特性及び吸湿性、素子の信頼性などが低下する問題が生じる可能性がある。
【0015】
前記ポジ型感光性樹脂組成物は、感度、残膜率、接着力、耐化学性、耐熱性にいずれも優れており、吸湿性が低いという特徴を示す。
本発明の他の実施例によれば、前記第2ポリマーは、下記の化学式1または2のいずれか一つ以上の繰り返し単位を含むことができる。
[化学式1]
[化学式2]
【0016】
前記化学式1において、R
1は炭素数1~20の有機基であり、
前記化学式2において、R
1~R
4はそれぞれ独立して、水素、炭素数1~30の有機基または下記の化学式3の置換基である。
[化学式3]
【0017】
前記化学式3において、R5は炭素数1~3のアルキル基であり、
mは1または2の整数である。
第2ポリマーとして、前記化学式2または3のように繰り返し単位中に水酸基を含むポリマーを使用する場合、特に感度改善効果を示すことができる。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記化学式2のR1~R4の中で少なくとも一つ以上は、前記化学式3の置換基を含むことができる。化学式2の繰り返し単位中に、化学式3の置換基が少なくとも一つ以上含まれる場合、化学式3の置換基がない場合と比較して、硬化膜の接着力及び耐化学性を向上させることができる。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記第2ポリマーは、前記化学式1で表される繰り返し単位を含み、化学式2で表される繰り返し単位を含まないこともある。前記化学式1で表される繰り返し単位を含み、化学式2で表される繰り返し単位を含まない場合、感光性樹脂組成物の耐熱性により優れた特性を有することができる。
本発明の他の実施例によれば、前記第2ポリマーは、化学式1で表される繰り返し単位を具体的に1種のみを含むことができる。
【0020】
本発明の別の実施例によれば、前記第2ポリマーは、前記化学式1のR1が互いに異なる構造を有する2種以上の化学式1で表され得る繰り返し単位を含むことができる。前記第2ポリマーは、より具体的には、前記化学式1において、前記R1が芳香族環構造を含む繰り返し単位と、前記R1が芳香族環構造を含まない繰り返し単位のうちの1種以上を含むことができる。前記第2ポリマーは、前記R1が芳香族環構造を含む繰り返し単位のみを含み得、前記R1が芳香族環構造を含まない繰り返し単位のみを含み得、共に含むこともできる。
【0021】
前記化学式1において、R
1が芳香族環構造を含む繰り返し単位は、例えば、下記の化学式4のように表され得、R
1が芳香族環構造を含まない繰り返し単位は、例えば、下記の化学式5のように表され得る。
[化学式4]
[化学式5]
【0022】
前記化学式5において、R1は炭素数1~20の脂肪族有機基である。
前記第2ポリマーにおいて、化学式4で表される繰り返し単位と化学式5で表される繰り返し単位は、混合比において制限なく使用することができ、化学式4で表される繰り返し単位のみが含まれ得、化学式5で表される繰り返し単位のみが含まれ得る。第2ポリマーにおいて、化学式4で表される繰り返し単位より化学式5で表される繰り返し単位のモル比が高いほど、透過度の面でより有利である可能性があるが、残膜率が相対的に低下する可能性があるため、より必要な特性に合わせて適切に調整することができ、例えば、前記化学式4で表される繰り返し単位を1~80モル%、詳しくは10~50モル%、さらに詳しくは10~30モル%の比率で含むことができるが、これに限定されるものではなく、適切なレベルのモル比で調整して使用することができる。
【0023】
本発明の別の実施例によれば、前記第2ポリマーは、より具体的には、前記化学式1で表される繰り返し単位または化学式2で表される繰り返し単位の他にも、下記の化学式6~化学式7で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。前記第2ポリマーは、前記化学式4で表される繰り返し単位のみで構成され得、この場合、他の繰り返し単位が含まれなくても前記感光性樹脂組成物の感度改善効果に優れる可能性がある。しかし、前記第2ポリマーが前記化学式5で表される繰り返し単位を含む場合、前記化学式6~化学式7で表される繰り返し単位のうちの一つ以上の繰り返し単位が共に含まれると、残膜率の改善がより効果的であり得る。
[化学式6]
[化学式7]
【0024】
前記化学式6において、R2はアリール基またはアルキル基であり得、アリール基である場合、前記感光性樹脂組成物の感度改善時に発生するトレードオフ(Trade off)、すなわち、残膜率及び接着力の低下などに対してさらに効果的であり得る。具体的には、前記化学式6において、R2は、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基または炭素数1~10のアルキル基であり得る。
【0025】
前記第2ポリマーが前記化学式6~化学式7で表される繰り返し単位を含む場合、前記第2ポリマーの全繰り返し単位に対して、前記化学式6~化学式7で表される繰り返し単位の合計が30モル%以下であることが良い。前記化学式6~化学式7で表される繰り返し単位の合計が30モル%より多く第2ポリマーに含まれる場合、前記感光性樹脂組成物の感度改善効果が低下するという問題が生じる可能性がある。
【0026】
前記第1及び第2ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、それぞれ独立して1,000~50,000g/molであり得る。前記第1及び第2ポリマーの重量平均分子量が1,000g/mol未満である場合、残膜率及び接着力の不良、耐熱性低下などの問題が生じる可能性があり、50,000g/molを超える場合、感度が改善せず、パターン形成部に残渣が発生するという問題が生じる可能性がある。
【0027】
前記第1ポリマーは、具体的には、下記の化学式8で表される繰り返し単位及び化学式9で表される繰り返し単位を含むことができる。
[化学式8]
[化学式9]
【0028】
前記化学式8及び化学式9において、R3は二つ以上の炭素原子を有する2価~8価の有機基であり、R4は二つ以上の炭素原子を有する2価~8価の有機基であり、R5及びR6は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~20の有機基であり、a及びbは、それぞれ独立して0~4であり、c及びdは、それぞれ独立して0~2であり、a+bは1以上であり、前記a、b、cまたはdが0である場合、該当する置換基は水素原子であり、前記m、nは、化学式8で表される繰り返し単位と化学式9で表される繰り返し単位それぞれの0~100のモル比を示し、m+n=100である。
【0029】
前記第1ポリマーと第2ポリマーとの重量比は50:50~95:5であり得る。前記第1ポリマーと前記第2ポリマーとの重量比が50:50~95:5で含まれている場合、前記感度、残膜率、接着力、耐化学性、耐熱性にいずれも特に優れている可能性がある。
【0030】
前記ポジ型感光性樹脂組成物は、前記第1ポリマーと第2ポリマーの全体100重量部に対して、前記感光剤は5~50重量部で含まれることが良い。前記感光剤が5重量部未満で含まれる場合、前記感光性樹脂組成物の感光性が低下して、基板上の感度が低下するという問題が生じる可能性があり、50重量部超で含まれる場合、感度が低下し、パターン部に残渣が発生するという問題が生じる可能性がある。
【0031】
前記感光剤は、例えば、キノンジアジド化合物であり得る。前記感光剤がキノンジアジド化合物である場合、前記第1ポリマーと第2ポリマーとを含む樹脂組成物の感光度に優れる可能性があるが、前記例示に限定されるものではない。
【0032】
前記ポジ型感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基含有の架橋性化合物をさらに含む場合、耐化学性がさらに向上する効果がある。
【0033】
前記フェノール性水酸基含有の架橋性化合物は、例えば、下記の化学式10~27で表される化合物からなる群から選択されるいずれか一つ以上を含むことができる。
【0034】
【0035】
前記化学式10~化学式27において、R'は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~3のアルキル基、または下記の化学式28の置換基のうちの一つであり、R'のうちの少なくとも一つ以上は、下記の化学式28の置換基であり、下記の化学式28において、nは1~6の整数であり、R
7は炭素数1~3のアルキル基である。
[化学式28]
【0036】
前記溶媒は、一般に感光性樹脂組成物の溶媒として使用されるものを使用することができ、例えば、ガンマブチロラクトン(gamma-buturolactone;GBL)、N-メチルピロリドン(N-Methyl-2-Pyrrolidinone;NMP)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate;PGMEA)、エチルラクテート(ethyl lactate;EL)、メチル-3-メトキシプロピオネート(methyl 3-methoxypropionate;MMP)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(propylene glycol monomethyl ether;PGME)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(diethylene glycol methyl Ethyl Ether;MEDG)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(diethylene glycol butyl methyl ether;MBDG)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diethylene glycol dimethyl ether;DMDG)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(diethylene glycol diethyl ether;DEDG)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるいずれか一つ以上を含むことができるが、前記例示に限定されない。
【0037】
本発明の別の実施例によれば、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤及びUV吸収剤からなる群から選択される一つ以上の添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤をさらに含む場合、前記樹脂組成物の耐熱性、吸湿性などが向上するため、より優れたパネル信頼性の確保が可能になるという効果を有することができる。
【0038】
本発明の他の一実施例に係る絶縁膜は、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化体を含むものであって、より具体的には、前記絶縁膜は、半導体用電子部品の表面保護膜または層間絶縁膜であり得るが、これに限定されない。
【0039】
本発明の別の一実施例は、前記絶縁膜を含む表示装置であり得、具体例として、有機電界発光素子用表示装置であり得る。前記有機電界発光素子用表示装置は、基板上に形成された第1電極;前記第1電極上に形成された絶縁層及び前記絶縁層上に形成された第2電極を含み、前記絶縁層は、本発明の一実施例に係る前記ポジ型感光性樹脂組成物を含むものである。
【0040】
前記絶縁層は、前記第1電極の上面を部分的に露出させてパターン化されているものであり得る。また、前記絶縁層は、前記第1電極のエッジ(edge)部分を覆うように形成され得る。
【0041】
前記絶縁層は、前記第1電極の上面を部分的に露出させてパターン化されているものであり得る。また、前記絶縁層は、前記第1電極のエッジ(edge)部分を覆うように形成され得る。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が下記の実施例によって限定されるものではない。
[製造例1:第1ポリマー合成]
(合成例1)
乾燥窒素気流下、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルをガンマブチロラクトンに溶解させた後、撹拌しながら、二無水物4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)70モルを入れて溶解させた後、70℃で4時間撹拌させた。その後、フタル酸無水物(PA)60モルを入れて70℃で2時間撹拌させた。さらに、180℃で4時間撹拌した後反応終了し、ポリイミドポリマーを得た。
【0043】
(合成例2)
前記合成例1に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)60モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)40モルを使用したこと以外は、前記合成例1と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0044】
(合成例3)
前記合成例1に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)50モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)50モルを使用したこと以外は、前記合成例1と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0045】
(合成例4)
前記合成例1に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノ-ビフェニル(3,3’-Dihydroxy-4,4’-diamino-biphenyl)70モル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(1,3-Bis(3-aminophenoxy)benzene)30モルを使用したこと以外は、前記合成例1と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0046】
(合成例5)
前記合成例1に対して、二無水物として、4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)70モルに代えて、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼンジアンヒドリド(1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride)70モルを使用したこと以外は、前記合成例1と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0047】
(合成例6)
乾燥窒素気流下、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルをガンマブチロラクトンに溶解させた後、撹拌しながら、二無水物4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)70モルを入れて溶解させた後、70℃で4時間撹拌させた。その後、フタル酸無水物(PA)60モルを入れて70℃で2時間撹拌させる。ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DFA)30モルを加え、180℃で4時間撹拌した後反応終了し、ポリイミドポリマーを得た。
【0048】
(合成例7)
前記合成例6に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)60モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)40モルを使用したこと以外は、前記合成例6と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0049】
(合成例8)
前記合成例6に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)50モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)50モルを使用したこと以外は、前記合成例6と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0050】
(合成例9)
前記合成例6について、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノ-ビフェニル(3,3’-Dihydroxy-4,4’-diamino-biphenyl)70モル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(1,3-Bis(3-aminophenoxy)benzene)30モルを使用したこと以外は、前記合成例6と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0051】
(合成例10)
前記合成例6に対して、二無水物として、4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)70モルに代えて、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼンジアンヒドリド(1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride)70モルを使用したこと以外は、前記合成例6と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0052】
(合成例11)
乾燥窒素気流下、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)70モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)20モルをNMPに溶解させた。ここに二無水物4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)100モルを加え、30℃で2時間撹拌した。その後、3-アミノフェノール20モルを加え、40℃で2時間撹拌を続けた。また、ピリジンをトルエンに20重量%に希釈して、溶液に加えて、冷却管を付け系外に水をトルエンと共に共沸で除去しながら溶液の温度を120℃で2時間、また180℃で2時間反応させた。この溶液の温度が室温まで低下すると、水に溶液を投入し、白色の粉体を得た。この粉体を濾過で集め、また水で3回洗浄を行った。洗浄後、白色粉体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥させた。このようにしてポリイミドポリマーを得た。
【0053】
(合成例12)
前記合成例11に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)70モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)20モルに代えて、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(3,3’-Diamino-4,4’-dihydroxydiphenyl Sulfone)60モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)30モルを使用したこと以外は、前記合成例11と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
(合成例13)
前記合成例11に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)70モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)20モルに代えて、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)50モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)40モルを使用したこと以外は、前記合成例11と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0054】
(合成例14)
前記合成例11に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl)propane)70モル、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)20モルに代えて、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノ-ビフェニル(3,3’-Dihydroxy-4,4’-diamino-biphenyl)70モル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(1,3-Bis(3-aminophenoxy)benzene)20モルを使用したこと以外は、前記合成例11と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0055】
(合成例15)
前記合成例11に対して、二無水物として、4,4’-オキシジフタリックアンヒドリド(4,4’-Oxydiphthalic Anhydride)(ODPA)100モルに代えて、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼンジアンヒドリド(1,4-Bis(3,4-dicarboxyphenoxy)benzene dianhydride)100モルを使用したこと以外は、前記合成例11と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0056】
(比較合成例1)
前記合成例1に対して、ジアミンとして、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)(2,2-Bis(3-amino-4-hydroxyphenyl))-ヘキサフルオロプロパン(hexafluoropropane)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルに代えて、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-Oxydianiline)80モル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)フェニル(1,3-Bis(4-aminophenoxy)Phenyl)20モルを使用したこと以外は、前記合成例1と同じ方法でポリイミドポリマーを製造した。
【0057】
[製造例2:第2ポリマー合成]
(合成例16)
乾燥窒素気流下、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルをDMFに溶解させた後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10重量部を添加した。前記混合溶液を55℃までゆっくりと上昇させ、この温度で48時間保持した後、常温に冷却し、乾燥工程を通じて、テトラヒドロフランを完全に除去してヒドロキシル基を含むポリマーを得た。
【0058】
(合成例17)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシエチルマレイミド100モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0059】
(合成例18)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド50モル、ヒドロキシエチルマレイミド50モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0060】
(合成例19)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド80モル、フェニルマレイミド20モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0061】
(合成例20)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド80モル、スチレン20モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0062】
(合成例21)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシスチレン100モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0063】
(合成例22)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシスチレン50モル、ヒドロキシフェニルマレイミド50モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0064】
(合成例23)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシスチレン90モル、フェニルマレイミド10モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0065】
(合成例24)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド69モル、フェニルマレイミド31モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0066】
(合成例25)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド65モル、フェニルマレイミド35モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0067】
(合成例26)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド50モル、フェニルマレイミド50モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0068】
(合成例27)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシフェニルマレイミド30モル、フェニルマレイミド70モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0069】
(合成例28)
前記合成例16に対して、モノマーとして、ヒドロキシフェニルマレイミド100モルに代えて、ヒドロキシスチレン60モル、フェニルマレイミド40モルを使用したこと以外は、前記合成例16と同じ方法でヒドロキシル基を含むポリマーを製造した。
【0070】
(比較合成例2)
乾燥窒素気流下、フェノール193g、37wt%ホルマリン142g、シュウ酸0.97g(0.5%)を反応器に投入した後、100℃で6時間反応させた後、生成物を減圧濃縮してノボラックフェノール樹脂を得た。
【0071】
[製造例3:感光剤合成]
(合成例29)
乾燥窒素気流下、バラスト(Ballast)として、下記の化学式Aで表される4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1モルと5-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド2モルを常温で、1,4-ジオキサンに溶解させた。ここにトリエチルアミンを35℃以上にならないように滴下した。滴下した後、40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿物を濾過し、1%の塩酸水で洗浄した。その後、水で3回洗浄した。この沈殿物を真空乾燥機で乾燥してキノンジアジド化合物を製造した。
[化学式A]
【0072】
(合成例30)
前記合成例29に対して、バラスト(Ballast)として、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールに代えて、下記の化学式Bで表される物質を使用したこと以外は、前記合成例29と同じ方法でキノンジアジド化合物を製造した。
[化学式B]
【0073】
(合成例31)
前記合成例29に対して、バラスト(Ballast)として、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールに代えて、下記の化学式Cで表される物質を使用したこと以外は、前記合成例29と同じ方法でキノンジアジド化合物を製造した。
[化学式C]
【0074】
[製造例4:感光性ポリイミド樹脂組成物の製造]
実施例1~48、比較例1~4及び参考例1~14の組成を、下記表1~表3の組成比に従って混合して樹脂組成物を製造した。
【0075】
【0076】
【0077】
前記表2において架橋性化合物である化学式D~化学式Fは、下記のように表される化合物である。
[化学式D]
[化学式E]
[化学式F]
【0078】
【0079】
[実験例1:感光性ポリイミド樹脂組成物の物性評価]
前記製造例4によって製造された実施例1~48、比較例1~4及び参考例1~14について、感度、残膜率、接着力、耐化学性、耐熱性、吸湿性、駆動信頼性などの物性を下記の基準に従って測定し、下記表4~表6、8に示した。ガラス(glass)基板上にスリットコーターを用いて前記実施例1~48、比較例1~4及び参考例1~14で感光性樹脂組成物を塗布した後、VCD(真空乾燥)工程を40Paの圧力まで行い、120℃で2分間ホットプレート上でプリベークして厚さ3.0μmの膜を形成した。
【0080】
a)感度
前記のように形成された膜に所定のパターンマスク(pattern mask)を用いてブロードバンド(Broadband)での強度が20mW/cm2である紫外線を、感度が2.5μmコンタクトホール(contact hole)CD基準のドーズ(Dose)量を照射した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%の水溶液で、23℃で1分間現像した後、超純水で1分間洗浄した。その後、オーブンの中で、250℃で60分間硬化させて、厚さ2.0μmのパターン膜を得た。感度が100mJ以下である場合を○、100mJ超過~120mJ以下である場合を△、120mJ超過である場合をXで示した。
【0081】
b)残膜率
前記a)の感度測定時に形成された膜厚の変化を測定した。
残膜率=硬化後の厚さ/プリベーク後の厚さで表し、残膜率が60%以上である場合を○、50%以上~60%未満である場合を△、50%未満である場合をXで示した。
【0082】
c)接着力
前記a)の感度測定時と同じ方法でパターン(Pattern)膜を形成するが、付着しているドットパターン(Dot pattern)の最小CDを基準にして接着力を比較評価した。ドットパターン(Dot pattern)の最小CDが5μm以上で接着力が確保される場合を○、10μm以上で接着力が確保される場合を△、15μm以上で接着力が確保されるか、そうでない場合をXで示した。
【0083】
d)耐化学性
前記製造された基板をメチルピロリドン(NMP)に60℃/120秒間浸漬し、浸漬前後の硬化膜の厚さ変化率を測定した。硬化膜の厚さ変化率が150Å未満は◎、150以上~300Å未満は○、300以上~600Å未満は△、600Å以上はXと表記した。
【0084】
e)耐熱性
耐熱性はTGAを用いて測定した。前記a)の感度測定時に形成されたパターン(Pattern)膜をサンプリングした後、TGAを用いて常温から900℃まで毎分10℃ずつ昇温した。5重量%損失(Loss)温度が300℃超過である場合を○、5重量%損失(Loss)温度が280~300℃である場合を△、5重量%損失(Loss)温度が280℃未満である場合をXで示した。
【0085】
f)吸湿性
前記a)の感度測定時に形成されたパターン(Pattern)膜を85℃、85%RH基準の恒温、恒湿オーブンに240時間精製した後、オーブン投入前と後の膜厚の変化を基準にして吸湿性を評価した。厚さ変化率が250Å未満である場合◎、250Å超過300Å未満は○、300以上~600Å未満は△、600Å以上はXと表記した。
【0086】
g)オーレッド(OLED)駆動信頼性
図1は、本発明の実施例に係るパターンが形成されたITO(酸化インジウムスズ(Indium Tin oxide))基板1上にパターン(Pattern)膜2を形成し、EL(エレクトロルミネッセント・ライティング(Electroluminescent Lighting))及びアルミニウム3が蒸着されたことを簡単に示したものである。前記a)の感度測定方法と同じ方法で、
図1に示すパターンされたITO(酸化インジウムスズ)基板上にパターン(Pattern)膜を形成し、ELを蒸着する。上部にカソード(Cathode)電極でAlを蒸着し、カプセル化(Encapsulation)工程を行う。85℃、85%RH基準、素子オン(On)状態で輝度が3%ドロップ(drop)される時間(T
97)を評価した。1100時間以上確保される場合を◎、1000時間以上1100時間未満確保される場合を○、900時間~1000時間である場合を△、900時間未満である場合をXで示した。
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
[実験例2:水酸基当量比による感光性ポリイミド樹脂組成物の物性評価]
下記表7の組成比に従って混合して樹脂組成物を製造した後、これらに対する感度などの物性評価を前記実験例1と同様に行った。下記表7の含有量単位は重量部である。
【0091】
【0092】
【0093】
前記表8に示すように、第1ポリマーが水酸基を含まないため、第1ポリマー及び第2ポリマーの水酸基当量比が低い場合、感度が著しく低下するという問題が発生した。また、第2ポリマーの水酸基当量が過剰である場合、感度は改善されたものの、耐化学性または耐熱特性が著しく低下するという問題があり、吸湿及び駆動信頼性も低下するという問題が生じることがわかる。一方、第1ポリマー及び第2ポリマーの水酸基当量比が適正レベルに調整された実施例49~54は、感度に優れるだけでなく、耐熱特性及び駆動信頼性などにも優れていることを確認することができる。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施例について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するのだ。
【国際調査報告】