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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】紙緩衝包装層及び包装紙
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/03 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
B65D81/03 100Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557755
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2022137432
(87)【国際公開番号】W WO2023104132
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202123095948.4
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523354196
【氏名又は名称】譚 敏洪
(71)【出願人】
【識別番号】523354200
【氏名又は名称】江蘇日通机械科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523357500
【氏名又は名称】呉 杰
(71)【出願人】
【識別番号】523354211
【氏名又は名称】日森環保科技(浙江〉有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】譚 敏洪
(72)【発明者】
【氏名】呉 杰
(72)【発明者】
【氏名】紀 向民
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA22
3E066CA03
3E066JA23
3E066KA08
3E066LA30
(57)【要約】
紙緩衝包装層及び当該紙緩衝包装層を含む包装紙が提供される。紙緩衝層は、ベース層(10)と、複数の緩衝袋(20)及び緩衝袋(20)に形成される複数の空気室(201)と、を含む。複数の緩衝袋(20)は、ベース層(10)に形成され、空気室(201)は、緩衝袋(20)の内側に形成される。緩衝袋(20)は、底部(21)と、底部(21)から外側に一体的に延在する頂部(22)と、を含む。緩衝袋(20)の底部(21)は、ベース層(10)から緩衝袋(20)の頂部(22)まで上方に一体的に延在する。緩衝袋(20)には、緩衝袋(20)の表面に形成される少なくとも一つのリブ溝(23)がさらに設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層と、
複数の緩衝袋及び前記緩衝袋に形成される複数の空気室と、を含み、複数の前記緩衝袋は、前記ベース層に形成され、前記空気室は、前記緩衝袋の内側に形成され、前記緩衝袋は、底部と、前記底部から外側に一体的に延在する頂部とを含み、前記緩衝袋の前記底部は、前記ベース層から前記緩衝袋の前記頂部まで上方に一体的に延在し、前記緩衝袋には、前記緩衝袋の表面に形成される少なくとも一つのリブ溝がさらに設けられている、
ことを特徴とする紙の包装緩衝層。
【請求項2】
前記緩衝袋は、半球状の泡状構造をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載の紙包装緩衝層。
【請求項3】
前記リブ溝は、前記緩衝袋の外表面から内側に凹むように前記緩衝袋の外表面に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の紙包装緩衝層。
【請求項4】
前記リブ溝は、横糸リブ溝をさらに含み、前記横糸リブ溝は、環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記横糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に平行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の紙の包装緩衝層。
【請求項5】
前記リブ溝は、縦糸リブ溝をさらに含み、前記縦糸リブ溝は、半環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記縦糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に略垂直する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の紙包装緩衝層。
【請求項6】
各前記縦糸リブ溝間の間隔距離は等しい、
ことを特徴とする請求項5に記載の紙包装緩衝層。
【請求項7】
前記縦糸リブ溝は、前記緩衝袋の底部から前記緩衝袋の頂部まで延在する、
ことを特徴とする請求項5に記載の紙包装緩衝層。
【請求項8】
前記横糸リブ溝は、少なくとも二つの横糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記横糸リブ壁は、前記緩衝袋から一体的に延在し、少なくとも二つの前記横糸リブ壁の間に前記横糸リブ溝の溝体を形成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の紙包装緩衝層。
【請求項9】
前記縦糸リブ溝は、少なくとも二つの縦糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記縦糸リブ壁の間に前記縦糸リブ溝の溝体構造を形成し、前記縦糸リブ溝の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁は、前記緩衝袋に沿って縦方向に設けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の紙包装緩衝層。
【請求項10】
前記緩衝袋の前記横糸リブ溝及び前記縦糸リブ溝は、直線状、曲線状又は波形構造をなす、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の紙包装緩衝層。
【請求項11】
前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、0≧H1≧H2という条件を満たす、
ことを特徴とする請求項10に記載の紙包装緩衝層。
【請求項12】
前記緩衝袋は、第1緩衝袋及び第2緩衝袋をさらに含み、前記第1緩衝袋の底部直径は、前記第2緩衝袋の底部直径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項10に記載の紙包装緩衝層。
【請求項13】
前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、H1≦H2という条件を満たす、
ことを特徴とする請求項10に記載の紙包装緩衝層。
【請求項14】
前記ベース層は、表面及び裏面を有し、前記緩衝袋は、前記ベース層の前記表面又は前記裏面に形成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の紙包装緩衝層。
【請求項15】
前記ベース層は、表面及び裏面を有し、前記緩衝袋は、前記ベース層の表面に形成される表面緩衝袋と、前記ベース層の裏面に形成される裏面緩衝袋と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の紙包装緩衝層。
【請求項16】
前記表面緩衝袋は、前記裏面緩衝袋から一体的に延在する、
ことを特徴とする請求項15に記載の紙包装緩衝層。
【請求項17】
内層及び外層と、
前記内層と前記外層との間に設けられる請求項1~16のいずれか1項に記載の少なくとも一つの包装緩衝層と、を含む、
ことを特徴とする包装紙。
【請求項18】
前記包装緩衝層は、第1緩衝層及び第2緩衝層をさらに含み、前記第1緩衝層と前記第2緩衝層とは、前記第1緩衝層の前記緩衝袋が前記第2緩衝層の間隔空間に設けられ、前記第2緩衝層の前記緩衝袋が前記第1緩衝層の前記間隔空間に設けられるように位置合わせして設けられる、
ことを特徴とする請求項17に記載の包装紙。
【請求項19】
前記包装緩衝層は、内側緩衝層及び外側緩衝層をさらに含み、前記内側緩衝層の前記緩衝袋の寸法は、前記外側緩衝層の前記緩衝袋の寸法よりも小さく、前記内側緩衝層の前記緩衝袋は、前記外側緩衝層の内部に設けられる、
ことを特徴とする請求項18に記載の包装紙。
【請求項20】
前記内側緩衝層と前記内層とで内側空気室が形成され、前記内側緩衝層と前記外側緩衝層とで外側空気室が形成され、前記包装緩衝層の前記内側空気室と前記外側空気室とで二重空気室の緩衝構造が形成される、
ことを特徴とする請求項19に記載の包装紙。
【請求項21】
外弧面に力を受けて変形可能な複数の強化部が形成されている球冠として形成される変形部と、
前記変形部から外側に延在するように前記変形部の周囲に形成される接続部と、を含み、
前記変形部及び前記接続部は、分解性環境保護材料により製造される、
ことを特徴とする変形可能な緩衝単体構造。
【請求項22】
前記強化部は、前記球冠の外弧面に均一に形成される、
ことを特徴とする請求項21に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項23】
少なくとも二つの前記強化部が形成されている、
ことを特徴とする請求項21に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項24】
前記強化部は、4個である、
ことを特徴とする請求項23に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項25】
前記強化部は、9個である、
ことを特徴とする請求項23に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項26】
前記接続部の底面に形成され、外部構造に変形可能な緩衝単体構造を接着して固定するための接着部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項27】
前記接着部は、前記接続部の底面全体を覆っている、
ことを特徴とする請求項26に記載の変形可能な緩衝単体構造。
【請求項28】
請求項21~26のいずれか1項に記載の変形可能な緩衝単体構造を有する包装紙であって、
複数の前記変形可能な緩衝単体構造の接続部が互いに接続されることによって形成される、
ことを特徴とする包装紙。
【請求項29】
各変形可能な緩衝単体構造は、寸法、間隔及び/又は色が異なる、
ことを特徴とする請求項28に記載の包装紙。
【請求項30】
請求項21~26のいずれか1項に記載の変形可能な緩衝単体構造を有し、袋体が任意の従来の包装紙袋である包装紙袋であって、
内壁には、少なくとも一つの前記変形可能な緩衝単体構造が接着されている、
ことを特徴とする包装紙袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装の技術分野に関し、特に紙緩衝包装層及び包装紙に関する。
【背景技術】
【0002】
物流の急速な発展に伴い、物品の包装や輸送にはますます多くの包装紙や包装袋が使用されており、包装紙や包装袋のほとんどには、プラスチックを含む気泡包装紙が使用されている。この気泡包装紙は、優れた緩衝と保護性能を有し、内部の包装物をよく保護することができる。
【0003】
包装紙は、封筒や包装袋などに広く使用されており、優れたシール性能と緩衝作用を提供する必要がある。しかしながら、プラスチックを含むこの従来の気泡包装紙は、非分解性、環境汚染及びリサイクルの難しさなどの欠陥も有する。
【0004】
現在、市場で使用されている気泡膜包装材料は、いずれも高圧ポリエチレンを主原料とし、その上、増白剤、開放剤などの補助材料を添加し、約230度の高温で押し出して気泡にブロー成形した製品である。気泡内はガスで満たされ、製品を保護するために気泡によって応力緩衝される。電子、計器、セラミック、手工芸品、家電製品、自家用車ディーラ、キッチン、家具と漆製品、ガラス製品及び精密機器などの耐震緩衝包装に広く用いられている。気泡袋、気泡クラフト紙封筒袋などの製品にすることができる。しかしながら、気泡膜の生産に使用されている原材料は、リサイクル不可能で非分解性の材料であるため、中国の環境保護にも大きな圧力をもたらすことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主な利点は、紙緩衝包装層及び包装紙を提供することにある。ここで、前記紙緩衝包装層は、複数の泡状緩衝袋を含み、緩衝と保護作用を提供する。
【0006】
本発明の別の利点は、紙緩衝包装層及び包装紙を提供することにある。ここで、前記緩衝包装層の緩衝袋は、下方に突出し、又は下方に凹んでおり、かつ、前記緩衝包装層のベース層と高低差が形成されているため、前記緩衝包装層が力を受けたときに、緩衝作用を提供するために前記緩衝袋が変形可能にする。
【0007】
本発明の別の利点は、紙緩衝包装層及び包装紙を提供することにある。ここで、前記緩衝包装層の前記緩衝袋には、少なくとも二つのリブ溝がさらに設けられており、前記リブ溝は、前記緩衝袋の内側又は外側に形成され、前記緩衝袋が力を受けて変形したときに、緩衝と保護作用を向上させるために前記リブ溝によって支持作用が提供される。
【0008】
本発明の別の利点は、紙緩衝包装層及び包装紙を提供することにある。ここで、前記緩衝包装層の前記リブ溝は、緩衝効果の向上に寄与する横方向溝及び縦方向溝を含む。
【0009】
本発明が解決しようとする技術的問題は、緩衝作用を有し、分解可能である変形可能な緩衝単体構造を提供することである。
【0010】
これに対応して、本発明によれば、前記変形可能な緩衝単体構造を有する包装紙、前記変形可能な緩衝単体構造を有する包装紙袋がさらに提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、前述の目的及び他の目的並びに利点を実現し得る本発明に係る紙包装緩衝層は、ベース層と、
複数の緩衝袋及び前記緩衝袋に形成される複数の空気室と、を含み、複数の前記緩衝袋は、前記ベース層に形成され、前記空気室は、前記緩衝袋の内側に形成され、前記緩衝袋は、底部と、前記底部から外側に一体的に延在する頂部とを含み、前記緩衝袋の前記底部は、前記ベース層から前記緩衝袋の前記頂部まで上方に一体的に延在し、前記緩衝袋には、前記緩衝袋の表面に形成される少なくとも一つのリブ溝がさらに設けられている。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記緩衝袋は、半球状の泡状構造をなす。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記リブ溝は、前記緩衝袋の外表面から内側に凹むように前記緩衝袋の外表面に形成される。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記リブ溝は、横糸リブ溝をさらに含み、前記横糸リブ溝は、環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記横糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に平行する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記リブ溝は、縦糸リブ溝をさらに含み、前記縦糸リブ溝は、半環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記縦糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に略垂直する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、各前記縦糸リブ溝間の間隔距離は等しい。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記縦糸リブ溝は、前記緩衝袋の底部から前記緩衝袋の頂部まで延在する。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記横糸リブ溝は、少なくとも二つの横糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記横糸リブ壁は、前記緩衝袋から一体的に延在し、少なくとも二つの前記横糸リブ壁の間に前記横糸リブ溝の溝体を形成する。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記縦糸リブ溝は、少なくとも二つの縦糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記縦糸リブ壁の間に前記縦糸リブ溝の溝体構造を形成し、前記縦糸リブ溝の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁は、前記緩衝袋に沿って縦方向に設けられる。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記緩衝袋の前記横糸リブ溝及び前記縦糸リブ溝は、直線状、曲線状又は波形構造をなす。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、0≧H1≧H2という条件を満たす。
【0022】
本発明の一実施例によれば、前記緩衝袋は、第1緩衝袋及び第2緩衝袋をさらに含み、前記第1緩衝袋の底部直径は、前記第2緩衝袋の底部直径よりも大きい。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、H1≦H2という条件を満たす。
【0024】
本発明の一実施例によれば、前記ベース層は、表面及び裏面を有し、前記緩衝袋は、前記ベース層の前記表面又は前記裏面に形成される。
【0025】
本発明の一実施例によれば、前記ベース層は、表面及び裏面を有し、前記緩衝袋は、前記ベース層の表面に形成される表面緩衝袋と、前記ベース層の裏面に形成される裏面緩衝袋と、をさらに含む。
【0026】
本発明の一実施例によれば、前記表面緩衝袋は、前記裏面緩衝袋から一体的に延在する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本発明によれば、内層及び外層と、
前記内層と前記外層との間に設けられる上記のいずれかの少なくとも一つの包装緩衝層と、を含む包装紙がさらに提供される。
【0028】
本発明の一実施例によれば、前記包装緩衝層は、第1緩衝層及び第2緩衝層をさらに含み、前記第1緩衝層と前記第2緩衝層とは、前記第1緩衝層の前記緩衝袋が前記第2緩衝層の前記間隔空間に設けられ、前記第2緩衝層の前記緩衝袋が前記第1緩衝層の前記間隔空間に設けられるように位置合わせして設けられる。
【0029】
本発明の一実施例によれば、前記包装緩衝層は、内側緩衝層及び外側緩衝層をさらに含み、前記内側緩衝層の前記緩衝袋の寸法は、前記外側緩衝層の前記緩衝袋の寸法よりも小さく、前記内側緩衝層の前記緩衝袋は、前記外側緩衝層の内部に設けられる。
【0030】
本発明の一実施例によれば、前記内側緩衝層と前記内層とで内側空気室が形成され、前記内側緩衝層と前記外側緩衝層とで外側空気室が形成され、前記包装緩衝層の前記内側空気室と前記外側空気室とで二重空気室の緩衝構造が形成される。
【0031】
上記技術的問題を解決するために、本発明に係る変形可能な緩衝単体構造は、外弧面に力を受けて変形可能な複数の強化部が形成されている球冠として形成される変形部と、
前記変形部から外側に延在するように前記変形部の周囲に形成される接続部と、を含み、
前記変形部及び前記接続部は、分解性環境保護材料により製造される。
【0032】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、前記強化部は、前記球冠の外弧面に均一に形成される。
【0033】
前記強化部は、球冠に形成される強化リブである。例えば、球冠の壁厚は、指定された部位(強化リブ部位)で厚くされる。
【0034】
前記強化部は、球冠に形成される凹部である。凹部は、球冠壁に折り目を発生させ、折り目での球冠壁の強度は、球冠の他の位置の強度よりも必然的に大きくなる。
【0035】
前記分解性環境保護材料は、分解性の紙、及び本発明の構造を実現できる従来の任意の分解性環境保護材料であることが好ましい。
【0036】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、少なくとも二つの前記強化部が形成されている。
【0037】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、前記強化部は、4個である。
【0038】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、前記強化部は、9個である。
【0039】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、前記接続部の底面に形成され、外部構造に変形可能な緩衝単体構造を接着して固定するための接着部をさらに含む。接着部は、接着剤コーティングにすることができる。
【0040】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、前記接着部は、前記接続部の底面全体を覆っている。
【0041】
上記技術的問題を解決するため、本発明によれば、上記のいずれかの前記変形可能な緩衝単体構造を有する包装紙であって、複数の前記変形可能な緩衝単体構造の接続部が互いに接続されることによって形成される包装紙が提供される。
【0042】
包装紙の場合、変形可能な緩衝単体構造の接着部は、接続部の底面を覆ってもよい。接着部は接着点として設けられてもよい。各変形可能な緩衝単体構造を選択して一つの接着点を設けてもよく、複数の変形可能な緩衝単体構造に共通の接着点を設けてもよい。原則として、包装紙を保護する外部構造に接着して固定することができればよい。
【0043】
任意選択で、前記変形可能な緩衝単体構造は、さらに改良され、各変形可能な緩衝単体構造は、寸法、間隔及び/又は色が異なる。
【0044】
異なる寸法の変形可能な緩衝単体構造は、異なる緩衝強度を提供することができる。実際のニーズに応じて、より大きな緩衝が必要な位置で大きな寸法の変形可能な緩衝単体構造を設け、他の位置で比較的小さな寸法の変形可能な緩衝単体構造を設けてもよい。
【0045】
さらに、異なる寸法の変形可能な緩衝単体構造によって異なる図案を形成することができる。例えば、製品の外側に接着して保護する場合、包装紙の異なる寸法の変形可能な緩衝単体構造は、選択されたコンテンツを表示するためのLOGO図案などを形成する。
【0046】
上記技術的問題を解決するため、本発明によれば、上記のいずれかの変形可能な緩衝単体構造を有し、袋体が任意の従来の包装紙袋である包装紙袋であって、内壁には、少なくとも一つの前記変形可能な緩衝単体構造が接着されている包装紙袋が提供される。
【0047】
その後の説明及び図面を理解することによって、本発明のさらなる目的及び利点が完全に反映される。
【0048】
本発明のこれら並びに他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面によって完全に反映される。
【0049】
本発明は、少なくとも以下の技術的効果を実現することができる。
【0050】
1、分解性材料を採用して製造することで、環境汚染を回避し、環境保護要求に適合することができる。
【0051】
2、本発明は、接着部により保護される製品に迅速に固定することができ、適用性が向上する。
【0052】
3、変形可能な緩衝単体構造を介して緩衝されることにより、従来技術の気泡構造に対して、生産プロセスの難しさが低下し、生産効率が向上する。
【0053】
4、実際のニーズに応じて、変形可能な緩衝単体構造の寸法、数量、間隔を選択することで、気泡紙が耐えられる極限圧力を調整し、異なる圧力ニーズに応じて異なる構造を形成することができるため、気泡紙の適用性がさらに向上する。
【0054】
5、包装紙は、変形可能な緩衝単体構造の寸法、数量、間隔、色を設定することで異なる図案を形成するとともに、広告、LOGOなどの宣伝コンテンツを形成し、包装紙の経済的利益を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明の図面は、本発明の特定の例示的な実施例において使用される方法、構造及び/又は材料の一般的な特性を示し、明細書における説明を補足することを意図する。しかしながら、本発明の図面は、縮尺通りに描かれていない概略図面であり、したがって、与えられた如何なる実施例の正確な構造又は性能特徴を正確に反映していない可能性があり、本発明の図面は、本発明の例示的な実施例によってカバーされる数値又は属性の範囲を限定又は制限するものと解釈されるべきではない。
以下、図面及び具体的な実施形態と併せて本発明をさらに詳細に説明する。
【0056】
図1】本発明の第1好適実施例に係る紙緩衝包装層の構造を示す概略図である。
図2A】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の緩衝袋の構造を示す概略図である。
図2B】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の緩衝袋の構造を示す概略図である。
図3A】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の緩衝袋の断面を示す概略図である。
図3B】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の緩衝袋の断面を示す概略図である。
図4A】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の断面図である。
図4B】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の断面図である。
図4C】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の断面図である。
図4D】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の断面図である。
図4E】本発明の第1好適実施例に係る前記緩衝包装層の断面図である。
図5】本発明の第2好適実施例に係る包装紙の構造を示す概略図である。
図6】本発明の第2好適実施例に係る包装紙の他の代替実施形態の構造を示す概略図である。
図7】本発明の第2好適実施例に係る包装紙の他の代替実施形態の構造を示す概略図である。
図8】本発明の上記好適実施例に係る緩衝包装層の製造方法を示す概略図である。
図9】本発明の第3実施例の構造を示す概略図1である。
図10】本発明の第3実施例の構造を示す概略図2である。
図11】本発明の第4実施例の構造を示す概略図1である。
図12】本発明の第4実施例の構造を示す概略図2である。
図13】本発明の第6実施例の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
なお、図面に示される実施例は、本発明の概念を具体的かつ視覚的に解釈及び説明するための例のみとしており、寸法構造の観点から必ずしも縮尺通りに描かれるものではなく、本発明の概念に対する制限を構成するものでもない。
【0058】
本明細書において言及し、又は言及し得る上、下、左、右、前、後、表面、裏面、頂部、底部などの方位用語は、各図面に示す構造に対して定義される相対的な概念であるため、異なる位置や異なる使用状態に応じて適宜変化し得る。したがって、これら又は他の方位用語は、制限的な用語として解釈されるべきではない。
【0059】
本願明細書の図面の図1図4Eを参照して、本願の第1好適実施例に係る紙緩衝包装層は以下の説明で明らかにされる。本願において説明を便利にするため、以下では、前記紙緩衝包装層を緩衝包装層と呼ぶ。
【0060】
前記緩衝包装層は、ベース層10と、前記ベース層10に形成される複数の緩衝袋20とを含む。前記緩衝袋20と前記ベース層10とは、一体化された構造であり、かつ、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の一方側に形成される。本願の当該好適実施例において、前記ベース層10は、表面11及び裏面12を有する。ここで、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の表面11及び/又は裏面12から突出している。前記緩衝袋20は、前記ベース層10から突出しているため、前記緩衝包装層が横方向の力を受けたとき、前記緩衝袋20は、緩衝作用が形成されるように、力を受けることで変形することが理解される。
【0061】
なお、本願の当該好適実施例において、前記緩衝包装層は、紙材料からなる。ここで、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20は、スタンピング、押し出し又はローラプレスによって前記ベース層10の片側に一体的に形成される緩衝構造である。本願の当該好適実施例において、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20は、半球状の泡状構造をなすことが好ましい。ここで、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の支持により緩衝作用を提供する。
【0062】
本願の当該好適実施例において、前記緩衝包装層には、複数の空気室201がさらに設けられている。ここで、前記空気室201は、前記緩衝袋20の内側に形成され、前記空気室201内は、ガスで充填され、又はスポンジなどの他の緩衝物で充填され、又はガスで充填される。前記緩衝包装層の前記空気室201は、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20を支持することができ、前記緩衝包装層の緩衝と支持効果の向上に有利である。
【0063】
図1図4Eに示すように、前記緩衝包装層の前記ベース層10は、紙構造である。ここで、前記ベース層10は、一定の硬度を有する板紙であってもよく、一定の柔軟性を有する紙であってもよい。前記緩衝袋20は、前記ベース層10の上側及び/又は下側から突出しており、すなわち、前記緩衝袋20は、底端が前記ベース層10に接続され、頂端が前記ベース層10の表面11及び/又は裏面12から突出している。
【0064】
前記緩衝包装層の前記緩衝袋20は、底部21と、前記底部21から外側に一体的に延在する頂部22とを含む。前記緩衝袋20の底部21は、前記ベース層10に接続され、前記ベース層10を介して前記緩衝袋20に支持作用を提供する。前記緩衝袋20の頂部22は、前記底部21の外側に位置し、かつ、前記緩衝包装層が力を受けたとき、前記緩衝袋20の前記頂部22は、支持と緩衝作用が提供されるように、力によって変形する。前記緩衝袋20は、前記ベース層10から突出しているため、前記緩衝包装層が外力を受けたとき、前記緩衝袋20の前記頂部22は、最初に力の影響を受けて変形することが理解される。
【0065】
本願の当該好適実施例において、前記緩衝袋20は、半球状をなすことが好ましい。本願の他の代替実施形態において、前記緩衝袋20は、筒状構造又はハート状突起の形状をなす。このように、本願において、前記緩衝袋20の形状は、ここでは一例としてのみ用いるものであり、限定されるものではない。前記緩衝袋20の前記底部21は、前記ベース層10から前記緩衝袋20の前記頂部22まで上方又は下方に一体的に延在する。本願の一好適実施例において、前記緩衝袋20の前記底部21は、前記ベース層10から上方又は下方に垂直に延在することが好ましい。前記緩衝袋20の前記頂部22が力を受けたとき、前記緩衝袋20の前記底部21は、前記ベース層10に垂直する方向に沿って力を伝導し、前記緩衝袋20の支持作用の向上に有利である。
【0066】
図3A及び図3Bに示すように、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20には、少なくとも一つのリブ溝23がさらに設けられている。ここで、少なくとも一つの前記リブ溝23は、前記緩衝袋20の表面に形成され、前記リブ溝23によって前記緩衝袋20の強度を向上させることで、前記緩衝袋20が力を受けたときの支持作用、トルクや前記緩衝包装層の緩衝作用が向上する。
【0067】
前記リブ溝23は、前記緩衝袋20の外表面から内側に凹むように前記緩衝袋20の外表面に形成される。換言すれば、前記リブ溝23は、前記緩衝袋20に形成される溝構造である。前記リブ溝23は、前記緩衝袋20の外表面によって形成される溝構造である。
【0068】
図3A及び図3Bに示すように、本願の当該好適実施例において、前記リブ溝23は、横糸リブ溝231をさらに含む。ここで、前記横糸リブ溝231は、環状構造をなして前記緩衝袋20に形成される。前記横糸リブ溝231が位置する平面は、前記ベース層10に略平行する。前記緩衝袋20の前記頂部22が力を受けたとき、前記リブ溝23の前記横糸リブ溝231は、緩衝作用が提供されるように、力によって変形することになる。前記リブ溝23は、縦糸リブ溝232をさらに含む。前記縦糸リブ溝232は、半環状構造をなして前記緩衝袋20に形成される。ここで、前記縦糸リブ溝232が位置する平面は、前記ベース層10に略垂直する。前記緩衝袋20の前記頂部22が力を受けたとき、前記リブ溝23の前記縦糸リブ溝232は、支持作用を提供する。
【0069】
本願の当該好適実施例において、前記リブ溝23の数は、単数又は偶数であってもよいことが理解される。本願の当該好適実施例において、前記リブ溝23の前記縦糸リブ溝232は、3、5、7などであることが好ましい。ここで、各縦糸リブ溝232間の間隔距離は等しい。前記リブ溝23の前記縦糸リブ溝232の数が2、4、6である場合、各前記縦糸リブ溝232は、前記緩衝袋20の外面に対称的に形成される。
【0070】
詳細には、前記縦糸リブ溝232は、前記緩衝袋20の前記底部21から前記緩衝袋20の前記頂部22まで延在する。任意選択で、本願の他の代替実施形態において、前記縦糸リブ溝232の長さは、緩衝袋20の底部21から頂部22までの長さの3分の1又は3分の2である。
【0071】
前記横糸リブ溝231は、少なくとも二つの横糸リブ壁2311をさらに含む。ここで、少なくとも二つの前記横糸リブ壁2311は、前記緩衝袋20から一体的に延在し、少なくとも二つの横糸リブ壁231の間に横糸リブ溝231の溝体を形成する。なお、本願の当該好適実施例において、前記横糸リブ溝231の前記横糸リブ壁2311が互いに重ね合わされ、前記緩衝袋20が力を受けたとき、前記横糸リブ溝231の隣接する二つの横糸リブ壁2311は、力によって分離され、それによって力の緩衝作用が提供される。
【0072】
前記縦糸リブ溝232は、少なくとも二つの縦糸リブ壁2321をさらに含む。少なくとも二つの前記縦糸リブ壁2321の間に前記縦糸リブ溝232の溝体構造を形成する。前記縦糸リブ溝232の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁2321は、前記緩衝袋20に沿って縦方向に設けられる。前記緩衝袋20の前記頂部が力を受けたとき、前記縦糸リブ溝232の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁2321は、前記緩衝袋の支持作用は向上するように支持力を提供する。
【0073】
本願の当該好適実施例において、前記横糸リブ溝231の少なくとも二つの前記横糸リブ壁2311及び前記縦糸リブ溝232の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁2321は、外側から内側に向かった構造が形成されるように前記緩衝袋20の外側表面から内側に延在しており、前記緩衝袋の構造特性の向上に有利であることが理解される。
【0074】
なお、本願の当該好適実施例において、前記緩衝袋20の前記横糸リブ溝231及び前記縦糸リブ溝232は、直線状、曲線状又は波状構造をなす。前記横糸リブ溝231及び前記縦糸リブ溝232の形状は、ここでは一例としてのみ用いるものであり、限定されるものではない。
【0075】
図4A図4Eに示すように、本願の別の態様にしたがって、前記緩衝包装層の構造をさらに説明する。ここで、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20は、前記ベース層10に均一に形成される。図4Aに示すように、本願の当該好適実施例において、前記緩衝包装層の各前記緩衝袋20は、大きさが均一である。前記緩衝包装層には、間隔空間202がさらに設けられている。ここで、前記間隔空間202は、各前記緩衝袋20の外側に位置するように前記ベース層10の一方側に形成される。前記緩衝包装層の前記間隔空間202は、前記緩衝袋20の同じ側に形成され、かつ、前記間隔空間202は、より良い緩衝効果が提供されるように、緩衝用の充填物を充填するために用いられることが理解される。前記緩衝包装層が密閉される場合、前記緩衝包装層の前記間隔空間202及び前記緩衝袋20の前記空気室201内に互いに離間するガス貯蔵室が形成されるようにガスを充填することができる。前記緩衝包装層が力を受けたとき、前記間隔空間202及び前記緩衝袋20の前記空気室201は、圧力によって逆方向の力を提供し、ガス緩衝効果の提供に有利であることが理解される。
【0076】
図4Aに示すように、前記緩衝袋20の前記底部21の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋20の前記底部21の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、0≧H1≧H2という条件を満たす。すなわち、前記緩衝包装層の緩衝効果を向上させるために、前記ベース層10の片側に互いに離間する複数の前記緩衝袋20を配置する。かつ、支持と耐圧効果がよい互いに離間する前記緩衝袋20が提供される。
【0077】
図4Bに示すように、本願の当該好適実施例において、前記緩衝包装層の前記緩衝袋20は、大きさ(直径)が異なる。詳細には、本願の当該好適実施例において、前記緩衝袋20は、第1緩衝袋20A及び第2緩衝袋20Bをさらに含む。ここで、前記第1緩衝袋20Aの底部直径は、前記第2緩衝袋20Bの底部直径よりも大きい。このように、二層の前記緩衝袋層が上下に重ね合わされる場合には、前記第1緩衝袋20Aは、前記第2緩衝袋20Bの上方に重ね合わせることができ、前記第1緩衝袋20Aの内側に前記第2緩衝袋20Bが設けられており、前記緩衝袋20の前記第1緩衝袋20A及び前記第2緩衝袋20Bにより二重の緩衝保護作用が提供され、ひいては緩衝と支持の効果が向上する。
【0078】
図4Cに示すように、本願の当該好適実施例において、上述の第1好適実施例とは、前記緩衝袋20の前記底部21の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋20の前記底部21の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、Hl≦H20という条件を満たす点で相違する。二つの前記緩衝包装層が対向して設けられる場合、一方の緩衝包装層の前記緩衝袋20は、他方の前記緩衝包装層の前記間隔空間201に位置合わせして設けることができ、その結果、二つの前記緩衝包装層は、位置合わせして設けることができる。位置合わせして設けられる二つの前記緩衝包装層は、二つの方向(前記ベース層10の表面及び裏面から)に緩衝と支持作用を提供し得ることが理解される。
【0079】
図4A図4Cに示すように、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の片側に形成されており、すなわち、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の表面又は前記ベース層10の裏面に形成されている。図4Dに示すように、前記緩衝袋20は、前記ベース層10の表面及び裏面に形成されている。したがって、前記緩衝袋20は、表面緩衝袋20C及び裏面緩衝袋20Dをさらに含む。ここで、前記表面緩衝袋20Cは、前記ベース層10の表面11に形成され、すなわち、前記表面緩衝袋20Cは、前記ベース層10の表面から上方に突出して延在する。前記裏面緩衝袋20Dは、前記ベース層10の裏面12に形成され、すなわち、前記裏面緩衝袋20Dは、前記ベース層10の裏面から下方に突出して延在する。
【0080】
前記ベース層10の表面に位置する前記表面緩衝袋20Cは、前記ベース層10からの緩衝と支持作用を提供し得、前記ベース層10の裏面に位置する裏面緩衝袋20Dは、前記ベース層10からの緩衝と支持作用を提供し得ることが理解される。
【0081】
なお、本願の当該好適実施例において、前記緩衝袋20の前記表面緩衝袋20Cと前記裏面緩衝袋20Dとは、互いに離間しており、かつ、前記ベース層10から一体的に延在する。
【0082】
図4Eに示されるように、上記好適実施例の前記緩衝包装層とは、前記緩衝袋20の前記表面緩衝袋20Cは、前記裏面緩衝袋20Dから一体的に延在しており、すなわち、前記表面緩衝袋20Cと前記裏面緩衝袋20Dとは、一体化された構造である点で相違する。
【0083】
図5図8に示すように、本願の他の好適実施例に係る包装紙は以下の説明で明らかにされる。前記包装紙は、内層100と、外層200と、前記内層100と前記外層200との間に設けられる少なくとも一つの包装緩衝層300とを含む。ここで、前記包装緩衝層300の構造は、上記いずれの好適実施例における包装緩衝層と同じであり、ここでは説明しない。
【0084】
前記包装緩衝層300は、前記内層100と前記外層200との間に位置する。ここで、前記包装緩衝層300は、接着により前記内層100と前記外層200の内側とに接着されている。前記包装緩衝層300の前記緩衝袋20の頂部は、前記内層100の内側又は前記外層200の内側に接着され、前記包装緩衝層300の前記間隔空間202は、前記内層100又は前記外層200によって封止されることにより、密閉ガス貯蔵構造が形成される。これにより、前記包装緩衝層300の前記ベース層10は、前記内層100又は前記外層200に接着されて封止されることにより、密閉ガス貯蔵構造が形成される。
【0085】
前記包装紙の前記包装緩衝層300が多層である場合、前記包装緩衝層300によって多重緩衝構造が形成されることが理解される。図6に示すように、本願の当該好適実施例において、前記包装紙の前記包装緩衝層300は、第1緩衝層300a及び第2緩衝層300bをさらに含む。ここで、前記第1緩衝層300aと前記第2緩衝層300bとは、構造が同じであり、位置合わせして設けられる。ここで、前記第1緩衝層300aの前記緩衝袋20は、前記第2緩衝層300bの前記間隔空間202に対応し、前記第2緩衝層300bの前記間隔空間202に設けられる。ここで、前記第2緩衝層300bの前記緩衝袋20は、前記第1緩衝層300aの前記間隔空間202に対応し、前記第1緩衝層300aの前記間隔空間202に設けられる。
【0086】
前記包装緩衝層300aの前記第1緩衝層300aの前記ベース層10a及び前記第2緩衝層300bの前記ベース層10bは、前記内層100と前記外層200との間に接着されている。本願の当該好適実施例において、二層構造の前記包装緩衝層300は、前記内層100及び前記外層200からの緩衝効果を提供することが理解される。
【0087】
図7に示すように、本願の当該好適実施例において、前記包装緩衝層300は、内側緩衝層300c及び外側緩衝層300dをさらに含む。ここで、前記内側緩衝層300cの前記緩衝袋20cの寸法は、前記外側緩衝層300dの前記緩衝袋20dの寸法よりも小さい。このように、前記内側緩衝層300cと前記外側緩衝層300dとが位置合わせして設けられる場合、前記内側緩衝層300cの前記緩衝袋20cは、前記外側緩衝層20dの内部に設けられる。
【0088】
本願の当該好適実施例において、前記包装緩衝層300の前記内側緩衝層300cと前記外側緩衝層300dとは、上下に重ね合わされ、前記内層100は、前記内側緩衝層300cの一方側に設けられ、前記外層200は、前記外側緩衝層300dの一方側に設けられる。
【0089】
本願の当該好適実施例において、前記包装緩衝層300の前記内側緩衝層300cと前記外側緩衝層300dとは、接着されて二層緩衝構造を形成する。ここで、前記内層100は、前記内側緩衝層300cの前記ベース層10と接着され、前記外側200は、前記外側緩衝層300dの頂部と接着される。これにより、前記包装緩衝層300は、二層空気室構造を形成し、すなわち、前記内側緩衝層300cと前記内層100とで内側空気室101が形成され、前記内側緩衝層300cと前記外側緩衝層300dとで外側空気室102が形成され、前記包装緩衝層300の前記内側空気室101と前記外側空気室102とで二重空気室の緩衝構造が形成される。
【0090】
本願の当該好適実施例において、前記包装緩衝層300の前記内側空気室101は、前記内側緩衝層300cと前記内層100とで形成される密閉空気室構造であり、前記外側空気室102は、前記内側緩衝層300cと前記外側緩衝層300dとで形成される密閉構造であることが理解される。
【0091】
前記包装紙の側面が力を受けたとき、前記包装緩衝層300の前記内側緩衝層300c、前記外側緩衝層300d並びに前記包装緩衝層300に形成される前記内側空気室101及び前記外側空気室102で形成される多層支持構造は、前記包装紙に二重支持と緩衝構造を提供することが理解される。
【0092】
本願の当該好適実施例において、前記包装紙は、紙構造であることが好ましい。ここで、前記内層100は、クラフト紙などの非気泡紙であり、摩擦を低減させ、内部構造を平坦化するのに有利である。前記外層200は、クラフト紙などの紙構造である。
【0093】
本願明細書の図面の図8を参照して、本願の別の態様によれば、包装緩衝層の製造方法が提供される。前記包装緩衝層は紙構造であるため、製造プロセスにおいてローラプレス又は押し出しによって紙の表面に前記緩衝袋構造が形成される。
【0094】
ローラ1及びローラ2は、前記包装緩衝層の加工に必要な金型である。ここで、前記ローラ1及び前記ローラ2は、ローラプレスにより被加工紙に前記緩衝袋を形成する。前記ローラ1及び/又は前記ローラ2には、前記包装緩衝層の緩衝袋構造に対応する複数の突起構造が設けられている。
【0095】
なお、前記包装緩衝層の加工方法は、ここでは一例としてのみ用いるものであり、限定されるものではない。
【0096】
本発明の実施形態を特定の具体的な実施例により以下に説明するが、当業者は、本明細書に開示された内容により本発明の他の利点や技術的効果を十分に理解することができる。本発明はまた、異なる具体的な実施形態によって実施又は適用されてもよく、本明細書の各詳細は、異なる観点に基づいて適用し、本発明の一般的な設計思想から逸脱することなく様々な修正又は変更を行うこともできる。なお、矛盾することなく、以下の実施例と実施例における特徴は互いに組み合わされてもよい。本発明の以下の例示的な実施例は、様々な異なる形態で実施することができ、ここに記載される具体的な実施例に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施例は、本発明の開示を徹底的かつ完全なものにし、これらの例示的な具体的な実施例の技術的手段を当業者に完全に伝えるために提供されることを理解されたい。
【0097】
要素が別の要素に「接続」又は「結合」と称される場合、当該要素は別の要素に直接接続又は結合されてもよく、又は中間要素が存在してもよいことを理解されたい。要素が別の要素への「直接接続」又は「直接結合」と称される場合、中間要素が存在しないことで相違する。すべての図面において、同じ図面符号は常に同じ要素を表す。
第3実施例
【0098】
図1及び図2に示すように、本発明に係る変形可能な緩衝単体構造は、外弧面に力を受けて変形可能な複数の強化部1.1が形成されている球冠として形成される変形部1と、
前記変形部から外側に延在するように前記変形部1の周囲に形成される接続部2と、を含み、
前記変形部1及び前記接続部2は、分解性環境保護材料により製造される。
【0099】
任意選択で、本実施例において、前記強化部1.1は、球冠に均一に形成される4個の凹部である。凹部は、球冠壁に折り目を発生させ、折り目での球冠壁の強度は、球冠の他の位置の強度よりも必然的に大きくなる。
【0100】
これに対応して、前記強化部1.1は、球冠に形成される強化リブであるように選択されてもよい。例えば、球冠の壁厚は、指定された部位(強化リブ部位)で厚くされる。
第4実施例
【0101】
図11及び図12に示すように、本発明に係る変形可能な緩衝単体構造は、外弧面に力を受けて変形可能な複数の強化部1.1が形成されている球冠として形成される変形部1と、
前記変形部から外側に延在するように前記変形部1の周囲に形成される接続部2と、を含み、
前記変形部1及び前記接続部2は、分解性環境保護材料により製造される。
【0102】
任意選択で、本実施例においては、前記強化部1.1は、球冠に均一に形成される9個の凹部である。凹部は、球冠壁に折り目を発生させ、折り目での球冠壁の強度は、球冠の他の位置の強度よりも必然的に大きくなる。
【0103】
これに対応して、前記強化部1.1は、球冠に形成される強化リブであるように選択されてもよい。例えば、球冠の壁厚は、指定された部位(強化リブ部位)で厚くされる。
第5実施例
【0104】
本発明の第5実施例は、上記第3実施例及び第4実施例に基づいてさらに改良されたものであり、同じ部分については説明せず、前記接続部の底面に形成され、外部構造に変形可能な緩衝単体構造を接着して固定するための接着部をさらに含む。
【0105】
任意選択で、前記接着部は、接続部の底面全体を覆っている。
【0106】
又は、前記接着部は、接着点として形成され、接続部の底面に設けられる。接着部は、接着剤コーティングを採用してもよい。
第6実施例
【0107】
図13を参照して、本発明によれば、上記第3実施例~第5実施例のいずれかの変形可能な緩衝単体構造を有する包装紙であって、複数の前記変形可能な緩衝単体構造の接続部が互いに接続されることによって形成される包装紙が提供される。
【0108】
任意選択で、上記第6実施例は、さらに改良され、各変形可能な緩衝単体構造は、寸法、間隔及び/又は色が異なる。
第7実施例
【0109】
本発明によれば、上記第3実施例~第5実施例のいずれかの変形可能な緩衝単体構造を有し、袋体が任意の従来の包装紙袋である包装紙袋であって、内壁には、少なくとも一つの前記変形可能な緩衝単体構造が接着されている包装紙袋が提供される。
【0110】
他に定義されない限り、ここで使用されるすべての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、いずれも本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。また、ここで明示的に定義されない限り、汎用辞書において定義された用語といった用語は、関連する分野の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されないことも理解される。
【0111】
本発明を具体的な実施形態及び実施例によって詳細に説明したが、これらは本発明に対する制限を構成するものではない。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、多くの変形及び改良を行うこともでき、これらも本発明の保護範囲とみなされるべきである。
【0112】
当業者は、上記説明及び図面に示される本発明の実施例は、例としてのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。本発明の目的は、完全かつ効果的に実現された。本発明の機能的及び構造的原理は、実施例において示され、説明されており、前記原理から逸脱することなく、本発明の実施形態は、任意の変形又は修正を有し得る。
【符号の説明】
【0113】
1、変形部
1.1、強化部
2、接続部
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層と、
複数の緩衝袋及び前記緩衝袋に形成される複数の空気室と、を含み、複数の前記緩衝袋は、前記ベース層に形成され、前記空気室は、前記緩衝袋の内側に形成され、前記緩衝袋は、底部と、前記底部から外側に一体的に延在する頂部とを含み、前記緩衝袋の前記底部は、前記ベース層から前記緩衝袋の前記頂部まで上方に一体的に延在し、前記緩衝袋には、前記緩衝袋の表面に形成される少なくとも一つのリブ溝がさらに設けられている、
ことを特徴とする紙の包装緩衝層。
【請求項2】
前記リブ溝は、前記緩衝袋の外表面から内側に凹むように前記緩衝袋の外表面に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の紙包装緩衝層。
【請求項3】
前記リブ溝は、横糸リブ溝をさらに含み、前記横糸リブ溝は、環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記横糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に平行する、
ことを特徴とする請求項に記載の紙の包装緩衝層。
【請求項4】
前記リブ溝は、縦糸リブ溝をさらに含み、前記縦糸リブ溝は、半環状構造をなして前記緩衝袋に形成され、前記縦糸リブ溝が位置する平面は、前記ベース層に略垂直する、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項5】
前記横糸リブ溝は、少なくとも二つの横糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記横糸リブ壁は、前記緩衝袋から一体的に延在し、少なくとも二つの前記横糸リブ壁の間に前記横糸リブ溝の溝体を形成する、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項6】
前記縦糸リブ溝は、少なくとも二つの縦糸リブ壁をさらに含み、少なくとも二つの前記縦糸リブ壁の間に前記縦糸リブ溝の溝体構造を形成し、前記縦糸リブ溝の少なくとも二つの前記縦糸リブ壁は、前記緩衝袋に沿って縦方向に設けられる、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項7】
前記緩衝袋の前記横糸リブ溝及び前記縦糸リブ溝は、直線状、曲線状又は波形構造をなす、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項8】
前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、0≧H1≧H2という条件を満たす、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項9】
前記緩衝袋は、第1緩衝袋及び第2緩衝袋をさらに含み、前記第1緩衝袋の底部直径は、前記第2緩衝袋の底部直径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項10】
前記緩衝袋の前記底部の外側直径をH1とし、隣接する二つの緩衝袋の前記底部の間隔をH2とし、ここで、H1及びH2は、H1≦H2という条件を満たす、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項11】
前記ベース層は、表面及び裏面を有し、前記緩衝袋は、前記ベース層の表面に形成される表面緩衝袋と、前記ベース層の裏面に形成される裏面緩衝袋と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載の紙包装緩衝層。
【請求項12】
内層及び外層と、
前記内層と前記外層との間に設けられる請求項1~1のいずれか1項に記載の少なくとも一つの包装緩衝層と、を含む、
ことを特徴とする包装紙。
【請求項13】
前記包装緩衝層は、第1緩衝層及び第2緩衝層をさらに含み、前記第1緩衝層と前記第2緩衝層とは、前記第1緩衝層の前記緩衝袋が前記第2緩衝層の間隔空間に設けられ、前記第2緩衝層の前記緩衝袋が前記第1緩衝層の前記間隔空間に設けられるように位置合わせして設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装紙。
【請求項14】
前記包装緩衝層は、内側緩衝層及び外側緩衝層をさらに含み、前記内側緩衝層の前記緩衝袋の寸法は、前記外側緩衝層の前記緩衝袋の寸法よりも小さく、前記内側緩衝層の前記緩衝袋は、前記外側緩衝層の内部に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装紙。
【請求項15】
前記内側緩衝層と前記内層とで内側空気室が形成され、前記内側緩衝層と前記外側緩衝層とで外側空気室が形成され、前記包装緩衝層の前記内側空気室と前記外側空気室とで二重空気室の緩衝構造が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装紙。
【国際調査報告】