(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】パラレルバスによる通信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/14 20060101AFI20240228BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20240228BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F13/14 320A
G06F13/10 310B
G06F3/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500441
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2021138224
(87)【国際公開番号】W WO2022206028
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110342079.6
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523359124
【氏名又は名称】縦目科技(上海)股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZONGMU TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8/F, BUILDING 3, TENGFEI TECH TOWER, 111 XIANGKE ROAD, PUDONG NEW DISTRICT, SHANGHAI 201203, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 棟
(72)【発明者】
【氏名】劉 暁 鋒
(72)【発明者】
【氏名】朱 宏 鋒
(57)【要約】
本発明は、複数の電子デバイスと、ゲーティングチップと通信チップが配置されたホストコントローラと、を備え、前記通信チップが少なくとも、一本のチャンネルパラレルバスを制御し、各前記電子デバイスがそれぞれ独立して前記チャンネルパラレルバスに接続され、前記ホストコントローラは初回電源投入時に前記ゲーティングチップにより各前記電子デバイスにアドレスを順次に割り当てる、パラレルバスによる通信システムを提供する。本発明において、通信システムの通信チップはパラレルバスの通信方式を採用し、そしてゲーティングチップにより各電子デバイスに順次にアドレスを割り当て、少量の通信チップを使用する上で、通信機能を実現することができ、各電子デバイス(センサ)間は互いに独立し、相互に影響を与えずに既存のセンサ構成と完成車ハーネスをそのまま用いることができ、コストの優位性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子デバイスと、
ゲーティングチップと通信チップが配置されたホストコントローラと、を備え、
前記通信チップが少なくとも、一本のチャンネルパラレルバスを制御し、各前記電子デバイスがそれぞれ独立して前記チャンネルパラレルバスに接続され、
前記ホストコントローラは初回電源投入時に、前記ゲーティングチップにより各前記電子デバイスにアドレスを順次に割り当てる、ことを特徴とするパラレルバスによる通信システム。
【請求項2】
前記電子デバイスのそれぞれは、電源ピン、接地ピン及び通信ピンを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項3】
前記複数の電子デバイスは、すくなくとも一組の電子デバイスを形成し、
チャンネルパラレルバスのそれぞれには、一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの通信ピンが対応して接続される、ことを特徴とする請求項2に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項4】
前記ゲーティングチップは、少なくとも一本の電源ラインを制御し、電源ラインのそれぞれには、少なくとも一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの電源ピンが対応して接続される、ことを特徴とする請求項3に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項5】
前記ゲーティングチップは、すべての電子デバイスの電源ピンが接続された一本の電源ラインを制御する、ことを特徴とする請求項2または3に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項6】
前記ホストコントローラは、少なくとも一本のグランドラインを制御し、グランドラインのそれぞれには、少なくとも一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの接地ピンが対応して接続される、ことを特徴とする請求項3に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項7】
前記ホストコントローラは、すべての電子デバイスの接地ピンが接続された一本のグランドラインを制御する、ことを特徴とする請求項2または3に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項8】
前記ゲーティングチップはそのうちの一つの電子デバイスの電源ピンが電力供給され、その残りの各電子デバイスの電源ピンが電源オフされるように制御する場合、前記ホストコントローラは電源ピンにより電力供給された電子デバイスにアドレスを割り当てる、ことを特徴とする請求項1に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項9】
各前記電子デバイスは、割り当てられたアドレスを記憶し、ホストコントローラとの通信時に、通信データに前記電子デバイスのアドレスを含ませる、ことを特徴とする請求項1または8に記載のパラレルバスによる通信システム。
【請求項10】
前記電子デバイスは超音波センサである、ことを特徴とする請求項1に記載のパラレルバスによる通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信の分野に属し、特に、パラレルバスによる通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサは、超音波信号を他のエネルギー信号(一般的は電気信号である)に変換するセンサである。超音波は、振動数が20KHzより高い機械波である。それには、周波数が高く、波長が短く、回折現象が小さく、特に方向性がよく、放射線になって定向伝播することができるなどの特徴がある超音波は液体、固体へ、特に日光が不透明な固体においての透過能力が大きい。超音波は不純物や分界面に触れると顕著な反射を起こして反射エコーを形成し、活動物体に触れるとドップラー効果を発生することができる。超音波センサは工業、国防、生物医学などに幅広く応用されている。
【0003】
機能安全の要求と大量のセンサのオリジナルデータの伝送の需要を満足するため、次世代超音波センサとホスト間の通信方式はバスの通信方式を採用し、この方式のホスト上にはパラレルバス形式を対応支持する通信チップが必要であり、センサは通信チップを通じてホストとの間でデータの授受を行う。
【0004】
現在、市販のメーカーがバス通信に基づいて採用されたのは、主に次の二つの方法である。
【0005】
1、シリアル通信方式を採用して、この方式にはセンサは4つのピンが必要となり、そのうちの二つのピンが通信を行うように用いられ、その他の二つのピンはそれぞれ電源と接地であるが、既存市場の超音波センサは3ピンが多く、4ピンを採用すると、センサ構造と完成車ハーネスではそのまま用いることができない。次にシリアル通信方式を採用し、そのうちの1つのセンサが異常であれば、他の同じリンク上のセンサのいずれも影響を受ける。
【0006】
2、ポイントツーポイント(point to point)の通信方式を採用し、この通信方式は伝送されたデータ量とセンサのピンからすべて需要を満足することができるが、必要な通信チップの数が多く、通信構成が相対的に複雑で、通信コストが高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上述べた従来技術の欠点に鑑み、本発明の目的は、従来技術におけるセンサとホストとの通信時に各センサの相互影響や通信コストの高いという技術的問題を解決するためのパラレルバスによる通信システムを提供する。
【0008】
上記目的及びその他の関連の目的を達成するために、本発明の実施例は、複数の電子デバイスと、ゲーティングチップと通信チップが配置されたホストコントローラと、を備え、前記通信チップが少なくとも、一本のチャンネルパラレルバスを制御し、各前記電子デバイスがそれぞれ独立して前記チャンネルパラレルバスに接続され、前記ホストコントローラは、初回電源投入時に、前記ゲーティングチップにより各前記電子デバイスにアドレスを順次に割り当てる、パラレルバスによる通信システムを提供する。
【0009】
本願の一つの実施例において、前記電子デバイスのそれぞれは、電源ピン、接地ピン及び通信ピンを有する。
【0010】
本願の一つの実施例において、前記複数の電子デバイスは、すくなくとも一組の電子デバイスを形成し、一組ごとの電子デバイスのうちの各電子デバイスの通信ピンが、対応したチャンネルパラレルバスに接続される。
【0011】
本願の一つの実施例において、前記ゲーティングチップは、少なくとも一本の電源ラインを制御し、電源ラインのそれぞれには、一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの電源ピンが対応して接続される。
【0012】
本願の一つの実施例において、前記ゲーティングチップは、すべての電子デバイスの電源ピンが接続された一本の電源ラインを制御する。
【0013】
本願の一つの実施例において、前記ホストコントローラは、少なくとも一本のグランドラインを制御し、グランドラインのそれぞれには、少なくとも一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの接地ピンが対応して接続される。
【0014】
本願の一つの実施例において、前記ホストコントローラは、すべての電子デバイスの接地ピンが接続された一本のグランドラインを制御する。
【0015】
本願の一つの実施例において、前記ゲーティングチップはそのうちの一つの電子デバイスの電源ピンが電力供給され、その残りの各電子デバイスの電源ピンが電源オフされるように制御する場合、前記ホストコントローラは電源ピンにより電力供給された電子デバイスにアドレスを割り当てる。
【0016】
本願の一つの実施例において、各前記電子デバイスは、割り当てられたアドレスを記憶し、ホストコントローラとの通信時に、通信データに前記電子デバイスのアドレスを含ませる。
【0017】
本願の一つの実施例において、前記電子デバイスは超音波センサである。
上述したように、本発明のパラレルバスによる通信システムは、以下のような有益な効果を有する。
【0018】
本発明において、通信システムの通信チップはパラレルバスの通信方式を採用し、そしてゲーティングチップにより各電子デバイスに順次にアドレスを割り当て、少量の通信チップを使用する上で、通信機能を実現することができ、各電子デバイス(センサ)間は互いに独立し、相互に影響を与えずに既存のセンサ構成と完成車ハーネスをそのまま用いることができ、コストの優位性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のパラレルバスによる通信システムの原理構成概略図を示す。
【
図2】本発明のパラレルバスによる通信システムの通信チップは二つのチャンネルパラレルバスを制御する際の一つの構造例示図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、特定の具体例を用いて本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容から、本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明はさらに別の異なる具体的な実施形態によって実施または応用することができ、本明細書の各詳細も異なる観点と応用に基づいて、本発明の精神から逸脱することなく様々な修飾または変更を行うことができる。なお、衝突しない場合には、以下の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の目的は、従来技術におけるセンサとホストとの通信時に各センサの相互影響や通信コストの高いという問題を解決するためのパラレルバスによる通信システムを提供する。
【0022】
以下、本実施例のパラレルバスによる通信システムの原理及び実施形態を詳細に述べ、当業者が本発明のパラレルバスによる通信システムを創造的な労働を必要とせずに理解できるようにする。
【0023】
図1に示すように、本実施例は、ゲーティングチップ112と通信チップ111とが配置されたホストコントローラ110と、複数の電子デバイス120とを備えたパラレルバスによる通信システム100を提供する。
【0024】
ここで、本実施形態では、前記パラレルバスによる通信システム100は、パーキングレーダシステムに応用するがこれに限定されなく、前記ホストコントローラ110はパーキングホストコントローラであるがこれに限定されなく、また前記電子デバイス120はセンサであるがこれに限定されなく、好ましくは、前記電子デバイス120は超音波センサである。
【0025】
なお、ホストコントローラ110及び電子デバイス120は、本実施例で列挙したものに限定されなく、本実施例におけるパラレルバスによる通信システム100の原理に従って行われる従来技術のホストコントローラ110及び電子デバイス120の変形及び置換は、本実施例におけるパラレルバスによる通信システム100の保護範囲に含まれる。
【0026】
ここで、本実施例では、前記通信チップ111は少なくとも、1つのチャンネルパラレルバスを制御する。各前記電子デバイス120は、それぞれ独立して前記チャンネルパラレルバスに接続されている。前記ホストコントローラ110は、初回電源投入時に、ゲーティングチップ112により各前記電子デバイス120に順次アドレスを割り当てる。
【0027】
本実施例では、前記通信チップ111は、1つのチャンネルパラレルバス、2つのチャンネルパラレルバス……N本のチャンネルパラレルバスを制御することができる。本実施例では、前記通信チップ111により制御されたチャンネルパラレルバスの数は限定されない。本実施例の技術原理をもとにして、当業者は、実際の需要に応じて前記通信チップ111のチャンネルパラレルバスの数を配置または選択することができる。
【0028】
本実施例では、通信チップ111が2つのチャンネルパラレルバスを制御する場合を例に説明する。通信チップ111が2つ以上のチャンネルパラレルバスを制御する技術的実現原理についてはこれ以上言及しない。
図2は本発明のパラレルバスによる通信システムの通信チップ111は二つのチャンネルパラレルバスを制御する際の一つの構造例示図を示す。例えば、
図2に示すように、前記通信チップ111は第一のチャンネルと第二のチャンネルとを有し、前記第一のチャンネルの引き出し線は前記第一のチャンネルパラレルバス111aを形成し、前記第二のチャンネルの引き出し線は前記第二のチャンネルパラレルバス111bを形成する。前記通信チップ111は2つのバスを制御するので、複数の電子デバイス120は2つのバスに接続される。
【0029】
具体的には、
図2に示すように、前記通信チップ111は、第一のチャンネルパラレルバス111aおよび第二のチャンネルパラレルバス111bを制御し、各前記電子デバイス120は、それぞれ独立して、前記第一のチャンネルパラレルバス111aまたは前記第二のチャンネルパラレルバス111bに接続される。例えば、
図2において、複数の電子デバイス120は全部で2N個あり、電子デバイスN1、電子デバイスN2……電子デバイスNNの全部でN個の電子デバイス120はそれぞれ独立して第一のチャンネルパラレルバス111aに接続され、電子デバイスM1、電子デバイスM2……電子デバイスMNの全部でN個の電子デバイス120はそれぞれ独立して第二のチャンネルパラレルバス111bに接続される。
【0030】
本実施例では、通信システムの通信チップ111は、第一のチャンネルパラレルバス111aと第二のチャンネルパラレルバス111bからなるパラレルバスのバス通信方式を採用し、各電子デバイス120はそれぞれ独立して前記通信チップ111に接続され、前記通信チップ111を介して前記ホストコントローラ110とデータの授受を行い、各電子デバイス120間は互いに独立しており、相互に影響を与えない。
【0031】
また、本実施例における電子デバイス120は、それぞれ前記通信チップ111に接続され、互いに独立しているため、前記電子デバイス120は3本のピンを有しており、本実施例の電子デバイス120は、応用において既存のセンサ構成と完成車ハーネスをそのまま用いることができ、通信構成の適用性を高め、通信構成のコストを効果的に低減することができる。
【0032】
本実施例において、前記電子デバイス120のそれぞれは、電源ピン、接地ピン及び通信ピンを有するがこれに限定されない。
【0033】
前記電源ピンは前記ゲーティングチップ112に接続され、前記ゲーティングチップ112により電源ピンの電源オンと電源オフが制御される。前記接地ピンは前記ホストコントローラ110に接続される。前記通信ピンは、前記通信チップ111の前記第一のチャンネルパラレルバス111aまたは前記第二のチャンネルパラレルバス111bに接続される。
【0034】
ここで、電子デバイス120の数と伝送されたデータ量がそれほど大きくない場合、一つの前記通信チップ111だけで電子デバイス120とホストコントローラ110との通信を実現することができる。前記通信チップ111の数は電子デバイス120の数と伝送されたデータ量の大きさに応じて調整することができる。
【0035】
したがって、電子デバイス120の数がそれほど多くない場合、1つの前記ゲーティングチップ112だけで各前記電気デバイスのゲーティングを実現することができ、前記ゲーティングチップ112の数は電子デバイス120の数に応じて調整することができる。
【0036】
本実施例において、前記複数の電子デバイス120は、すくなくとも一組の電子デバイスを形成し、チャンネルパラレルバスのそれぞれに一組の電子デバイスのうちの各電子デバイス120の通信ピンが対応して接続される。
【0037】
例えば、
図2に示すように、前記複数の電子デバイス120は、第1組の電子デバイスと第2組の電気デバイスとを含み、すなわち、複数の電子デバイス120は、2組の電子デバイスに分割され、1組の電子デバイスは前記第1のチャンネルパラレルバス111aに接続され、もう1組の電子デバイスは前記第2のチャンネルパラレルバス111bに接続される。
【0038】
ここで、前記通信チップ111の第一のチャンネルパラレルバス111aは、前記第1組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各通信ピンに接続され、前記通信チップ111の第二のチャンネルパラレルバス111bは、前記第2組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各通信ピンに接続される。
【0039】
各電子デバイス120の通信ピンはそれぞれ独立してパラレルバスに接続され、すなわち各電子デバイス120の通信ピンはそれぞれ独立して通信チップ111に接続され、これにより各電子デバイス120(センサ)間は互いに独立し、互いに影響を与えない。
【0040】
本実施例では、前記ゲーティングチップ112は、電源ラインのオンオフを制御し、さらにある電子デバイス120に電力を供給するか否かを制御することを目的としている。具体的には、前記ゲーティングチップ112は各電子デバイス120のゲーティングを制御するために使用され、前記ゲーティングチップ112によってゲーティングされた電子デバイス120は電源が得られ、この際電子デバイス120はホストコントローラ110によって制御されることができ、ゲーティングされていない電子デバイス120は電源が切られ、この際電子デバイス120はホストコントローラ110によって制御されることができない。
【0041】
ここで、前記ゲーティングチップ112はそれぞれ、各電子デバイス120の各電源ピンに接続され、各電子デバイス120の電源ピンを独立して制御する。ゲーティングチップ112により、どの電子デバイス120に電力を供給するかと決定される。
【0042】
本実施例において、前記ゲーティングチップ112は、少なくとも一本の電源ラインを制御し、電源ラインのそれぞれには、一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの電源ピンが対応して接続される。
【0043】
例えば、
図2に示すように、前記ゲーティングチップ112は、第一の電源ラインと第二の電源ラインの二つの電源ラインを制御する。
【0044】
前記第一の電源ラインは、前記第1組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各電源ピンに接続され、前記第1組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各電源ピンによる電力供給を制御することに用いられる。前記第二の電源ラインは、前記第2組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各電源ピンに接続され、前記第2組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各電源ピンによる電力供給を制御することに用いられる。
【0045】
また、前記ゲーティングチップ112は、すべての電子デバイス120の電源ピンが接続された1本の電源ラインのみ制御してもよい。
【0046】
本実施例では、前記ゲーティングチップ112は、1回ごとに1つの電子デバイス120のみゲーティングし、1つの電子デバイス120の電源ピンが電源オンされ、その残りの各電子デバイス120の電源ピンが電源オフされるように、そのうちの1つの電子デバイス120の電源ピンによる電力供給を制御する。前記ゲーティングチップ112はそのうちの一つの電子デバイス120の電源ピンが電力供給され、その残りの各電子デバイス120の電源ピンが電源オフされるように制御する場合、前記ホストコントローラ110は電源ピンにより電力供給された電子デバイス120にアドレスを割り当てる。
【0047】
本実施例では、前記ホストコントローラ110はそれぞれ、各前記電子デバイス120の各接地ピンに接続され、各前記電子デバイス120の各接地ピンを接地させる。
【0048】
本実施例において、前記ホストコントローラは、少なくとも一本のグランドラインを制御し、グランドラインのそれぞれには、少なくとも一組の電子デバイスのうちの各電子デバイスの接地ピンが対応して接続される。
【0049】
例えば、
図2に示すように、本実施例では、前記ホストコントローラ110は、第一のグランドライン及び第二のグランドラインを制御する。
【0050】
ここで、前記第一のグランドラインは、前記第一組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各接地ピンに接続され、前記第二のグランドラインは、前記第二組の電子デバイスのうちの複数の電子デバイス120の各接地ピンに接続される。
【0051】
また、前記ホストコントローラ110は、全ての電子デバイス120の接地ピンが接続された1本のグランドラインを制御することもできる。
【0052】
本実施例では、前記ホストコントローラ110は、初回電源投入時に、ゲーティングチップ112により各前記電子デバイス120にアドレスを順次に割り当てる。各前記電子デバイス120は、割り当てられたアドレスを記憶し、通信中にそれぞれのアドレスを前記ホストコントローラ110にアップロードする。
【0053】
具体的には、本実施例では、前記ホストコントローラ110は、初回電源投入時に、前記ゲーティングチップ112により各前記電子デバイス120にアドレスを順次に割り当て、ここで、チャンネルパラレルバスにおける各電子デバイス120の接続順序に従って(例えば左から右へ)、チャンネルパラレルバスに接続された各電子デバイス120にアドレスを順次に割り当てる。
【0054】
例えば、前記通信チップ111は、1本のチャンネルパラレルバスを制御し、当該チャンネルパラレルバスに接続された電子デバイス120にアドレスを順次割り当てる。具体的な割り当てのプロセスは次のとおりとなる。
【0055】
前記ホストコントローラ110が初回電源投入時に、ゲーティングチップ112により、チャンネルパラレルバスにおける一番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の電源オフとが制御され、前記ホストコントローラ110はチャンネルパラレルバスにおける一番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、チャンネルパラレルバスにおける一番目の電子デバイス120にアドレスが割り当てられた後、前記ゲーティングチップ112によりチャンネルパラレルバスにおける一番目の電子デバイス120の電源オフと、チャンネルパラレルバスにおける二番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の同様な電源オフとが制御され、続いてチャンネルパラレルバスにおける二番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、このチャンネルパラレルバスにおけるすべての電子デバイス120のアドレス割り当てが完了するまで、上記プロセスを繰り返す。
【0056】
また、例えば、前記通信チップ111は、第一のチャンネルパラレルバス111aおよび第二のチャンネルパラレルバス111bの二つのチャンネルパラレルバスを制御する。先に第一のチャンネルパラレルバス111aに接続された電子デバイス120にアドレスを順次に割り当て、次に第二のチャンネルパラレルバス111bに接続された電子デバイス120にアドレスを順次に割り当てる。
【0057】
すなわち、各電子デバイス120が第一のチャンネルパラレルバス111aに接続された順序(例えば左から右へ)に従って、第一のチャンネルパラレルバス111aに接続された電子デバイス120にアドレスを割り当て、各電子デバイス120が第二のチャンネルパラレルバス111bに接続された順序(例えば左から右へ)に従って、第二のチャンネルパラレルバス111bに接続された電子デバイス120にアドレスを割り当てる。具体的な割り当てのプロセスは次のとおりとなる。
【0058】
前記ホストコントローラ110が初回電源投入時に、ゲーティングチップ112により、第一のチャンネルパラレルバス111aにおける一番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の電源オフとが制御され、前記ホストコントローラ110は第一のチャンネルパラレルバス111aにおける一番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、第一のチャンネルパラレルバス111aにおける一番目の電子デバイス120にアドレスが割り当てられた後、前記ゲーティングチップ112により第一のチャンネルパラレルバス111aにおける一番目の電子デバイス120の電源オフと、第一のチャンネルパラレルバス111aにおける二番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の同様な電源オフとが制御され、続いて第一のチャンネルパラレルバス111aにおける二番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、第一のチャンネルパラレルバス111aにおけるすべての電子デバイス120のアドレス割り当てが完了するまで、上記プロセスを繰り返す。
【0059】
そして、前記ゲーティングチップ112により、第二のチャンネルパラレルバス111bにおける一番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の電源オフとが制御され、前記ホストコントローラ110は第二のチャンネルパラレルバス111bにおける一番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、第二のチャンネルパラレルバス111bにおける一番目の電子デバイス120にアドレスが割り当てられた後、前記ゲーティングチップ112により第二のチャンネルパラレルバス111bにおける一番目の電子デバイス120の電源オフと、第二のチャンネルパラレルバス111bにおける二番目の電子デバイス120の電源投入と、残りの電子デバイス120の同様な電源オフとが制御され、続いて第二のチャンネルパラレルバス111bにおける二番目の電子デバイス120にアドレスを割り当て、第二のチャンネルパラレルバス111bにおけるすべての電子デバイス120のアドレス割り当てが完了するまで、上記プロセスを繰り返す。
【0060】
本実施例において、ホストコントローラ110は電子デバイス120にアドレスを割り当てた後、電子デバイス120は割り当てられたアドレスを記憶し、ホストコントローラ110との通信時に、通信データに前記電子デバイス120のアドレスを含ませる。
【0061】
すなわち、電子デバイス120がホストコントローラ110との通信中に、ホストコントローラ110が発行する指令パケットには電子デバイス120が含まれ、また、電子デバイス120がホストコントローラ110に応答する場合、応答パケットには各電子デバイス120のアドレスが含まれる。
【0062】
例えば、車載超音波センサは、内蔵された不揮発性メモリにより割り当てられたアドレスを記憶しており、前記ホストコントローラ110は、割り当てられたアドレスに基づいて当該車載超音波センサに対して指令を送信することにより、当該車載超音波センサとの通信を実現する。指令が受信された車載超音波センサは、ホストコントローラ110にデータをフィードバックする際に、自身のアドレスをアップロードし、そのうち、車載超音波センサのアドレスは、車載超音波センサによりアップロードされたアドレスに基づいてホストコントローラ110がデコードするように、通信メッセージにパッケージ化される。
【0063】
以上に述べたように、本発明において、通信システムの通信チップはパラレルバスの通信方式を採用し、そしてゲーティングチップにより各電子デバイスに順次にアドレスを割り当て、少量の通信チップを使用する上で、通信機能を実現することができ、各電子デバイス(センサ)間は互いに独立し、相互に影響を与えずに既存のセンサ構成と完成車ハーネスをそのまま用いることができ、コストの優位性を有する。したがって、本発明は従来技術における種々の欠点を効果的に克服し、高度な産業利用価値を有する。
【0064】
上記の実施例は、本発明の原理およびその有効性を例示的に示すだけであって、本発明を限定するものではない。この技術に精通している者であれば誰でも、本発明の精神および範疇に反することなく、上述した実施形態を修飾または変更することができる。したがって、当該技術分野において通常の知識を有する者が、本発明によって開示された精神および技術的思想から逸脱することなく達成したすべての同等の修飾または変更は、本発明の請求の範囲によってカバーされるものとする。
【符号の説明】
【0065】
100 パラレルバスによる通信システム
110 ホストコントローラ
111 通信チップ
111a 第一のチャンネルパラレルバス
111b 第二のチャンネルパラレルバス
112 ゲーティングチップ
120 電子デバイス
【国際調査報告】