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特表2024-510360複数の部品を独立的に加工できる多軸式マシニングセンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】複数の部品を独立的に加工できる多軸式マシニングセンタ
(51)【国際特許分類】
   B23P 23/00 20060101AFI20240229BHJP
   B23B 19/02 20060101ALI20240229BHJP
   B23C 1/08 20060101ALI20240229BHJP
   B23Q 3/157 20060101ALI20240229BHJP
   B23Q 1/56 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B23P23/00 A
B23B19/02 Z
B23C1/08
B23Q3/157 C
B23Q1/56 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501830
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2022017848
(87)【国際公開番号】W WO2023153589
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0017520
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522466245
【氏名又は名称】デソン ハイ-テック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベ,デ ホ
【テーマコード(参考)】
3C002
3C045
3C048
【Fターム(参考)】
3C002AA08
3C045FD01
3C048AA01
3C048BC03
3C048DD10
3C048EE11
(57)【要約】
【課題】本発明は、複数の部品を独立的に加工することができる多軸式マシニングセンタに関し、複数のテーブルと加工ヘッドがそれぞれ独立的に運動できる新しい構造のマシニングセンタを提供することにその目的がある。
【解決手段】
このために、本発明は、ベースフレーム10と、前記ベースフレーム10の上部に備えられるワーク素材を固定する加工テーブルと、ベースフレーム10の一側に垂直に備えられる垂直支持台32と前記垂直支持台32に備えられワーク素材を加工する加工部と、複数の工具Tを自動交換する工具交換装置を含みからなる多軸式マシニングセンタにおいて、前記加工テーブルは、 第1テーブル21と第2テーブル22に分離して互いに独立的に駆動され、前記加工部は、前記垂直支持台32の前方に備えられる第1加工部71と第2加工部72で構成され、互いに独立的に駆動され、前記第1テーブル21の一側に第1工具交換装置51が備えられ、第2テーブル22の一側に第2工具交換装置52が備えられることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレーム(10)と、前記ベースフレーム(10)の上部に備えられワーク素材を固定する加工テーブルと、前記ベースフレーム(10)の一側に垂直に備えられる垂直支持台(32)と、前記垂直支持台(32)に備えられてワーク素材を加工する加工部と、複数の工具Tを自動交換する工具交換装置を含みからなる多軸式マシニングセンタにおいて、
前記加工テーブルは、
第1テーブル(21)と第2テーブル(22)に分離され、互いに独立的に駆動され、
前記加工部は、
前記垂直支持台(32)の前方に備えられ第1加工部(71)と第2加工部(72)とで構成され、互いに独立的に駆動され、
前記第1テーブル(21)の一側に第1工具交換装置(51)が設けられ、
前記第2テーブル(22)の一側に第2工具交換装置(52)が設けられ、
前記第1工具交換装置(51)が第1ヘッドの水平移動経路上に配置され、前記第1ヘッドが第1工具交換装置(51)側に移動して工具を交換し、
前記第2工具交換装置(52)が第2ヘッドの水平移動経路上に配置され、前記第2ヘッドが第2工具交換装置52側に移動して工具を交換し、
前記第1加工部(71)と第2加工部(72)は、
垂直支持台(32)の前面に備えられた上部ガイドレール(61)と下部ガイドレール(62)に沿って水平方向にそれぞれ移動し、
前記第1加工部(71)の上部に第1垂直駆動部(71a)が備えられ、前記第1加工部(71)を垂直方向に移動させ、
前記第2加工部(72)の上部に第2垂直駆動部(72a)が備えられ、前記第2加工部(72)を垂直方向に移動させ、
前記第1垂直駆動部(71a)と第2垂直駆動部(72a)は、垂直に備えられるボールねじを回転させるサーボモータ(Servo Motor)で構成され、
前記第1加工部(71)に第1ヘッドボディ(44)が備えられ、前記第1ヘッドボディ(44)の前方に第1ヘッドスピンドル(42)が垂直に備えられ、
前記第2加工部(72)に第2ヘッドボディが備えられ、
前記第2ヘッドボディの前方に第2ヘッドスピンドルが垂直に備えられ、
第1ヘッドスピンドル(42)の上端部にはサーボモータ(48)が備えられ、第1ヘッドスピンドル(42)の下端部には工具Tが装着されて第1テーブル(21)に固定されたワーク素材を加工し、
前記第1加工部(71)の後方に第1水平駆動部(71b)が設けられ、前記第1加工部(71)を水平方向に移動させ、
前記第2加工部(72)の後方に第2水平駆動部(72b)が備えられ、前記第2加工部(72)を水平方向に移動させ、
前記第1水平駆動部(71b)は、サーボモータで構成され、水平に備えられる上部ボールねじ(71d)を正、逆回転させて前記第1加工部(71)を水平方向に移動させ、
前記第2水平駆動部(72b)は、サーボモータで構成され、下部ボールねじ(72d)を正、逆回転させて前記第2加工部(72)を水平方向に移動させる。
前記第1テーブル(21)の後方に第1テーブル駆動部(21a)が備えられ、前記第1テーブル(21)を前後方向に移動させ、
前記第2テーブル(22)の後方に第2テーブル駆動部が備えられ、前記第2テーブル(22)を前後方向に移動させ、
前記第1テーブル駆動部(21a)は、左ボールねじ(21b)を正、逆回転させて前記第1テーブル(21)を前後方向に移動させ、
前記第2テーブル駆動部は、右ボールねじ(22b)を正、逆回転させて前記第2テーブル(22)を前後方向に移動させ、
前記第1工具交換装置(51)は、
前記第1テーブル(21)の一側に備えられ、複数の工具Tが着座するようにする円形の第1工具ディスク(51b)を含み、
前記第2工具交換装置(52)は、
前記第2テーブル(22)の一側に備えられ、複数の工具Tが着座するようにするする円形の第2工具ディスク(52b)を含み、
前記第1工具ディスク(51b)の下部に第1駆動部(51a)が備えられ前記第1工具ディスク(51b)を回転させ、
前記第2工具ディスク(52b)の下部に第2駆動部(52a)が設けられ、前記第2工具ディスク(52b)を回転させ、
コントロールボックスCに第1制御盤と第2制御盤が分離して備えられ、
前記第1制御盤は、前記第1テーブル(21)、前記第1駆動部(71)及び前記第1工具交換装置(51)を制御し、
前記第2制御盤は、前記第2テーブル(22)、前記第2駆動部(72)及び前記第2工具交換装置(52)を制御することを特徴とする複数の部品を独立的に加工することができる多軸式マシニングセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を独立的に加工することができる多軸式マシニングセンタに関し、さらに詳細には、複数のテーブルと加工ヘッドがそれぞれ独立的に運動できるようにして、1台の装備で互いに異なる部品を同時に加工でき、自動工具交換装置を装置の左右側にそれぞれ配置して工具交換装置の構造を単純化し、工具交換に伴う時間を短縮して生産性を向上させることができる多軸式マシニングセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
マシニングセンタ(Machining Center)とは、工具の自動交換装置を備え、加工素材に様々な種類の機械加工ができる数値制御工作機械を称する。
【0003】
旋盤やフライス盤などのような一般的な工作機械は、その加工方式が限定されるのに比べ、マシニングセンタを利用するようになれば一つの装備で多様な加工ができるという利点がある。
【0004】
すなわち、マシニングセンタは、旋削、フライス盤 、ドリリング、ボーリング、タッピングなどの作業を1つの装備で自動的に実行することができる。
【0005】
前記マシニングセンタは、スピンドルの個数によって短縮式と多軸式に分類することができ、スピンドルの設置位置に応じて垂直型と水平型に分類することができる。
【0006】
この中でスピンドルを複数備えた多軸式マシニングセンタは、同種の小型部品を一度に複数個加工できるという長所があり広く使用されている。
【0007】
前記マシニングセンタは、自動化された様々な種類の加工のために様々な種類の工具を選択的に交換しなければならない。
【0008】
このため、マシニングセンタは、一つの加工工程を完了すれば、スピンドルに装着された工具と工具マガジンに待機している工具を交換できる自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)を備えている。
【0009】
図1及び図2は、複数のスピンドルを備えた垂直型マシニングセンタの一例を示す。
【0010】
前記の従来のマシニングセンタは、ベースフレーム10と、前記ベースフレーム10の上部前方に備えられて素材を加工するための加工テーブル20と、ベースフレーム10の上部に立てられる支持フレーム30を含みから構成される。
【0011】
そして、支持フレーム30は、垂直支持台32と水平支持台34から構成される。
【0012】
また、前記水平支持台34の前方には、前記加工テーブル20に固定されたワーク素材を加工できるように加工ヘッド40が垂直に備えられる。
【0013】
図1は、4つの加工ヘッド40を備えたマシニングセンタを示す。
【0014】
前記加工ヘッド40の内部にはスピンドル42が備えられ、前記スピンドル42の下端には工具Tが取り付けられる。
【0015】
また、前記ベースフレーム10の後方には、複数の工具Tが収納される工具交換装置50が備えられてある。
【0016】
ここで、前記加工テーブル20と複数個の加工ヘッド40は、支持フレーム30を中心にマシニングセンタの前方に配置され、工具交換装置50は、前記支持フレーム30を中心としてマシニングセンサの後方空間に配置される。
【0017】
また、前記複数個のスピンドル42は、垂直方向に配置されて上下移動可能するように構成され、複数個の工具交換装置50は水平方向に配置され、複数個のスピンドル42とそれぞれ工具交換が行われるように構成される。
【0018】
すなわち、スピンドル42が4つであれば、工具交換装置50も4つで構成される。
【0019】
そして、前記加工テーブル20の両側部にはチップ排出路12が備えられ、前記チップ排出路12には排出スクリュー14が備えられる。
【0020】
前記した構成により、加工時に発生するチップ(Chip)を円滑に排出することができる。
【0021】
ところで、前記の構造のマシニングセンタは、加工テーブル20が単一のテーブルで構成され、4つのスピンドル42が一体で構成されている。
【0022】
そして、図1に示すように、加工ヘッド40の両側面にヘッド支持台46が備えられる。
【0023】
これにより、4つのスピンドル42が左右方向(X方向)に共に移動することはできるが、4つのスピンドル42が独立して移動することができない構造である。
【0024】
これにより、同一部品の加工には効率的であるが、互いに異なる部品を一つの装備で同時に加工することができないという欠点がある。
【0025】
また、工具交換装置50が支持フレーム30の後方に配置されているので、工具を交換するためには前記工具交換装置50の工具を加工ヘッド40が位置する前方まで移動させなければならない。
【0026】
これにより、工具を交換するための構造が複雑になり、別途のツールチェンジャーを備えなければならないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】韓国公開特許第10―2019-0068019号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10―2016-0090634号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10―2013-0119292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するためのものであり、複数のテーブルと複数の加工ヘッドがそれぞれ独立的に運動できる新しい構造のマシニングセンタを提供することにその目的がある。
【0029】
本発明の他の目的は、複数の加工ヘッドが左右方向と垂直方向にそれぞれ独立的に運動できるようにすることにより、1台の装置で互いに異なる部品を同時に加工できるようにすることにある。
【0030】
本発明のまた他の目的は、工具交換装置の構造を簡略化し、工具交換に伴う時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
前記の目的を達成するために、本発明は、ベースフレームと、前記ベースフレームの上部に備えられてワーク素材を固定する加工テーブルと、ベースフレームの一側に垂直に備えられる垂直支持台と、前記垂直支持台に備えられて工作物素材を加工する加工部と、複数の工具を自動交換する工具交換装置を含みからなる多軸式マシニングセンタにおいて、前記加工テーブルは、第1テーブルと第2テーブルに分離され、互いに独立して駆動され、前記加工部は、前記垂直支持台の前方に備えられる第1加工部と第2加工部で構成され、互いに独立して駆動され、前記第1テーブルの一側に第1工具交換装置が備えられ、前記第2テーブルの一側に第2工具交換装置が備えられ、前記第1工具交換装置が第1ヘッドの水平移動経路上に配置され、前記第1ヘッドが第1工具交換装置側に移動して工具を交換し、前記第2工具交換装置が第2ヘッドの水平移動経路上に配置され、前記第2ヘッドが第2工具交換装置側に移動して工具を交換し、前記第1加工部と第2加工部は、垂直支持台の前面に備えられた上部ガイドレールと下部ガイドレールに沿って水平方向にそれぞれ移動し、前記第1加工部の上部に第1垂直駆動部が備えられ、第1加工部を垂直方向に移動させ、前記第2加工部の上部に第2垂直駆動部が備えられ第2加工部を垂直方向に移動させる。 第1ヘッドボディが設けられ、第1ヘッドボディの前方に第1ヘッドスピンドルが垂直に設けられ、第2加工部に第2ヘッドボディが設けられ、第2ヘッドボディの前方に第1ヘッドスピンドルが垂直に備えられる。 2ヘッドスピンドルが垂直に設けられ、前記第1ヘッドスピンドルの上端部にサーボモータが設けられ、前記第1ヘッドスピンドルの下端部に工具が装着され、前記第1テーブルに固定されたワーク素材を加工し、前記第1加工部の後部に第1水平駆動部を備えて第1加工部を水平方向に移動させ、前記第2加工部の後方に第2水平駆動部を備え、第2加工部を水平方向に移動させ、前記第1水平駆動部はサーボモータで構成されている。 水平に備えられる上部ボールねじを正、逆回転させて第1加工部を水平方向に移動させ、前記第2水平駆動部は、サーボモータで構成され、下部ボールねじを正、逆回転させて第2加工部を水平方向 に移動し、第1テーブルの後部に第1テーブル駆動部が設けられ、第1テーブルを前後方向に移動させ、第2テーブルの後部に第2テーブル駆動部を備え、第2テーブルを前後方向に移動させる。 前記第1テーブル駆動部は、左ボールねじを正、逆回転させて第1テーブルを前後方向に移動させ、前記第2テーブル駆動部は、右ボールねじを正、逆回転させて第2テーブルを前後方向に移動させる。 第1工具交換装置は、第1テーブルの一方の側に設けられ、複数の工具を着座させる円形の第1工具ディスクを含み、第2工具交換装置は、第2テーブル 一方の側に設けられ、複数の工具が着座する円形の第2工具ディスクを含み、第1工具ディスクの下部に第1駆動部が設けられて第1工具ディスクを回転させ、第2工具ディスクを回転させる。 下部に第2駆動部が設けられて第2工具ディスクを回転させ、制御ボックスに第1制御盤と第2制御盤とが分離して設けられ、第1制御盤は第1テーブル、第1駆動部及び第1 工具交換装置を制御し、第2制御盤は、第2テーブル、第2駆動部及び第2工具交換装置を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係れば、複数の加工ヘッドが上下方向及び左右方向にそれぞれ独立的に運動しながら複数の部品を独立的に加工できるようにする効果がある。
【0033】
また、加工テーブルを互いに分離してそれぞれ駆動させ、複数の加工ヘッドが左右方向及び垂直方向にそれぞれ独立的に運動できるようにすることで、1台の装置で互いに異なる部品を独立的に加工することができる。
【0034】
これにより、1台の装備で2台の装備を運用する効果を得ることができる。
【0035】
特に左右対称型ワークの場合には、左右で同時に加工ができるので、生産性を向上させることができる効果がある。
【0036】
また、工具交換装置がテーブルの左右側にそれぞれ配置され、工具ディスクが回転する構造であるため、工具交換に伴う時間を短縮できる効果がある。
【0037】
また、工具交換時に工具を移動させる必要がないため、別途のツールチェンジャーを備えなくてもよい効果がある。
【0038】
また、加工ヘッドが工具側に移動して工具をピックアップする構造であるため、工具交換装置の構造を単純化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】従来技術に係る多軸式マシニングセンタの一例を示す斜視図である。
図2図1を後方側から見た斜視図である。
図3】本発明に係る多軸式マシニングセンタの斜視図である。
図4】本発明に係る多軸式マシニングセンタの正面図である。
図5】本発明に係る多軸式マシニングセンタの左側面図である。
図6】本発明に係る多軸マシニングセンタの左側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0041】
本明細書において、前方とは、垂直支持台を中心にその前の方向を意味し、後方とは、垂直支持台の後の方向を意味する。
【0042】
本発明に係る多軸式マシニングセンタは、図3~5に示すように、ベースフレーム10と、前記ベースフレーム10の上部に備えられてワーク素材を固定する加工テーブルと、ベースフレーム10の一側に垂直に備えられる垂直支持台32と、前記垂直支持台32に備えられてワーク素材を加工する加工部と、複数の工具Tを自動交換する工具交換装置を含みからなる多軸式マシニングセンタにおいて、前記加工テーブルは、第1テーブル21と第2テーブル22とに分離されて互いに独立的に駆動される。
【0043】
また、本発明に係る加工部は、前記垂直支持台32の前方に備えられる第1加工部71と第2加工部72とから構成され、互いに独立的に駆動される。
【0044】
また、第1テーブル21の一側には第1工具交換装置51が備えられ、前記第2テーブル22の一側には第2工具交換装置52が備えられる。
【0045】
すなわち、本発明は、第1テーブル21と第2テーブル22、第1加工部71と第2加工部72がそれぞれ駆動される。
【0046】
前記の構造により、1台の装備で互いに異なる部品を独立的に加工することができる。これにより、1台の装備を2台の装備に運用する効果を得ることができる。
【0047】
そして、前記第1加工部71と第2加工部72は、垂直支持台32の前面に備えられた上部ガイドレール61と下部ガイドレール62とに沿って水平方向(X方向)にそれぞれ移動する。
【0048】
すなわち、本発明に係る第1加工部71と第2加工部72は、垂直支持台32の前面に直接装着されて移動する。
【0049】
また、第1加工部71の上部には第1垂直駆動部71aが備えられ、第1加工部71を垂直方向(Z方向)に移動させる。
【0050】
そして、前記第2加工部72の上部には第2垂直駆動部72aが備えられ、第2加工部72を垂直方向(Z方向)に移動させる。
【0051】
ここで、前記第1垂直駆動部71aと第2垂直駆動部72aは、垂直に備えられるボールねじを回転させるサーボモータ(Servo Motor)で構成されることが好ましい。
【0052】
また、前記第1加工部71には、図6に示すように、第1ヘッドボディ44が備え
られ、前記第1ヘッドボディ44の前方には第1ヘッドスピンドル装備42が垂直で備えられる。
【0053】
すなわち、第1ヘッドボディ44は、第1垂直駆動部71aが設けられたボディと第1ヘッドスピンドル44を接続する。
【0054】
そして、前記第2加工部72には第2ヘッドボディが備えられ、前記第2ヘッドボディの前方には第2ヘッドスピンドルが垂直に備えられる。
【0055】
前記第1ヘッドスピンドル42の上端部にはサーボモータ48が備えられ、第1ヘッドスピンドル42の下端部には工具Tが装着されて第1テーブル21に固定されたワーク素材を加工する。
【0056】
一方、第2ヘッドスピンドルの構造は、前記した第1ヘッドスピンドル42の構造と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0057】
前記の構造により、第1ヘッドスピンドル42の下端に装着された工具Tで第1テーブル21に固定された素材を加工し、第2ヘッドスピンドルの下端に装着された工具で第2テーブル22に固定されたワークを独立して加工することができる。
【0058】
また、前記第1加工部71の後方には、図5及び図6に示すように、第1水平駆動部71bが設けられ、第1加工部71を左右方向(X方向)に移動させる。
【0059】
そして、前記第2加工部72の後方には第2水平駆動部72bが設けられ、第2加工部72を左右方向(X方向)に移動させる。
【0060】
ここで、前記第1水平駆動部71bは、サーボモータで構成され、水平に備えられる上部ボールねじ71dを正逆回転させる。
【0061】
また、前記第2水平駆動部72bは、サーボモータで構成され、下部ボールねじ72dを正逆回転させる。
【0062】
前記の構造により、第1加工部71と第2加工部72を左右方向(X方向)にそれぞれ独立に移動させることができる。
【0063】
そして、図5に示すように、第1テーブル21の後方には第1テーブル駆動部21aが備えられ、第1テーブル21を前後方向(Y方向)に移動させる。
【0064】
また、同様に、第2テーブル22の後方には第2テーブル駆動部が備えられ、第2テーブル22を前後方向(Y方向)に移動させる。
【0065】
ここで、前記第1テーブル駆動部21aは、サーボモータで構成され、左ボールねじ21bを正逆回転させて第1テーブル21を前後方向に移動させる。
【0066】
また、同様に第2テーブル駆動部は、右ボールねじ22bを正逆回転させて第2テーブル22を前後方向に移動させる。
【0067】
前記の構造により、第1テーブル21と第2テーブル22とで互いに異なる部品を加工することができる。
【0068】
そして、本発明に係る第1工具交換装置51は、図3及び図4に示すように、第1テーブル21の一側に備えられ、複数の工具Tが着座されるようにする円形の第1工具ディスク51bを含みから構成される。
【0069】
また、第2工具交換装置52は、第2テーブル22の一側に備えられ、複数の工具Tを着座されるようにする円形の第2工具ディスク52bを含みから構成される。
【0070】
これにより、第1工具ディスク51bと第2工具ディスク52bに別々の工具Tを配置して互いに異なる部品を加工することができる。
【0071】
ここで、前記第1工具ディスク51bの下部には第1駆動部51aが備えられ、前記第1工具ディスク51bを回転させる。
【0072】
また、前記第2工具ディスク52bの下部には第2駆動部52aが備えられ、前記第2工具ディスク52bを回転させる。
【0073】
前記第1駆動部51a及び第2駆動部52bは、コントロールボックスC内の制御盤によって制御されるサーボモータで構成することができる。
【0074】
そして、本発明のコントロールボックスCには、第1制御盤と第2制御盤が分離されて備えられる。
【0075】
ここで、前記第1制御盤は、第1テーブル21、第1駆動部71及び第1工具交換装置51を制御し、前記第2制御盤は、第2テーブル22、第2駆動部72及び第2工具交換装置52を制御する。
【0076】
一方、本発明に係るマシニングセンタの工具交換装置に、本出願人が提案したことがある韓国特許出願第10-2019-0075000号(韓国登録特許第10-2272172号公報)の「改良されたピッチ補正構造を有する多軸工作機械用治具装置」を採用することもできる。これによれば、工具数の拡張が容易になる利点がある。
【0077】
マシニングセンタのコラム内部に自動工具交換装置を取り付ける場合、通常、ツールマガジンとスピンドルとの間にはツールチェンジャーが備えられる。
【0078】
しかし、本発明は、別途のツールチェンジャーがなくてもよいので、自動工具交換装置の構造が簡単になる。
【0079】
以下、本発明に係る多軸式マシニングセンタの作用効果を説明する。
【0080】
便宜上、第1加工部71の加工ヘッドに工具Tを装着して第1テーブル21に固定されたワークを加工する過程のみ説明する。
【0081】
まず、第1加工部71のスピンドル42の端部に工具Tを装着するためには、第1工具交換装置51の第1駆動部51aにより第1工具ディスク51bを回転させて所望する工具Tを所定の位置に位置させる。
【0082】
すなわち、第1工具ディスク51bを回転させ、工具Tを工具交換位置(例えば中央の右側)に位置するようにする。
【0083】
続いて第1加工部71を工具Tが位置する左側に移動させた後、加工ヘッドの端部に工具Tが自動的に装着されるようにする。
【0084】
前記工具の装着時には空気圧またはソレノイド方式を用いることができるが、このような工具装着方式は公知の技術であるので詳細な説明は省略する。
【0085】
続いて、前記第1加工部71をワークが位置した右側に移動させた後、入力されたプログラムにより工具を回転させ、第1テーブル21を移動させながらワークを加工する。
【0086】
このとき、第1加工部71を左右方向(X方向)及び上下方向(Z方向)に移動させ、第1テーブル21を前後方向(Y方向)に移動させながら第1テーブル21に固定されたワークを加工する。
【0087】
そして、次の加工を行う場合には、前記第1加工部71を左に再び移動させた後、第1工具ディスク51bに作業が完了された工具Tを安着させる。
【0088】
続いて、第1加工部71を一定高さ持ち上げた後、第1工具ディスク51bを回転させて次工程の工具Tをスピンドル42の下部に位置させる。
【0089】
続いて、前と同じ方法で加工ヘッドに工具Tを取り付けて、第1加工部21をワークが位置する第1テーブル21に移送した後、後続加工を行う。
【0090】
一方、第2加工部72は、工具を交換する際に右側に移動させることを除外しては前記した第1加工部72と同様に作動される。
【0091】
従来の多軸式マシニングセンタは、図1及び図2に示すように、複数の加工ヘッドが一体型に構成されている。
【0092】
すなわち、複数の加工ヘッドが同時に動く構造となっていることで、同一部品を同時に加工する場合には効率的であるが、互いに異なる部品を同時に加工することはできない。
【0093】
また、自動工具交換装置が装置の後方に備えられており、工具交換時に工具が前方に移動する構造となっている。
【0094】
これにより、工具交換装置の構造が複雑になり、別途のツールチェンジャー(Tool Changer)を備えなければならないという欠点がある。
【0095】
これに比べて 本発明は、第1加工部71と第2加工部72が互いに独立的に駆動され、第1テーブル21と第2テーブル22も互いに独立的に駆動される。
【0096】
これにより、第1テーブル21と第2テーブル22で互いに異なる部品を同時に加工することができる。
【0097】
また、左右対称のワークの場合、ワークの左側では第1加工部71で左側を加工し、ワークの右側では第2加工部72で右側を同時に加工することができる。これにより生産性を大幅に向上させることができる。
【0098】
また、工具交換時に工具が前方に移動するのではなく、加工ヘッドが移動して工具をピックアップする構造であるため、工具交換装置の構造が簡単になる。
【0099】
また、従来のように別途のツールチェンジャーを備える必要がなく、工具交換に伴う時間も短縮できる。
【0100】
以上では、本発明の好ましい実施形態を例示的に説明したものであり、本発明の範囲は前記の特定の実施形態に限定されない。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が可能であることが理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】