(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ワイヤ加工機から放出ポイントまでワイヤを搬送するための装置
(51)【国際特許分類】
B65H 51/16 20060101AFI20240229BHJP
B65G 51/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65H51/16
B65G51/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023547646
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 DE2021101023
(87)【国際公開番号】W WO2022174850
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021103561.9
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512086138
【氏名又は名称】リッタル ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Rittal GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Auf dem Stuetzelberg,35745 Herborn,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベシュレール,アンドレアス ミカエル
(57)【要約】
本発明は、自動ワイヤ加工機(200)から放出ポイント(300)までワイヤ(100)を搬送するための装置に関し、装置は、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)を備え、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)の間のワイヤ移送インターフェース(2)が、自動ワイヤ加工機(200)のアクセス領域に配置されたワイヤ受容ユニット(3)と、ワイヤ移送インターフェース(2)と放出ポイント(300)の間に案内される空気圧搬送システム(1)の少なくとも1つの搬送ライン(5)の中に開口するワイヤ出口(4)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ワイヤ加工機(200)から放出ポイント(300)までワイヤ(100)を搬送するための装置であって、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)を備え、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)の間のワイヤ移送インターフェース(2)が、自動ワイヤ加工機(200)のアクセス領域に配置されたワイヤ受容ユニット(3)と、ワイヤ移送インターフェース(2)と放出ポイント(300)の間に案内される空気圧搬送システム(1)の少なくとも1つの搬送ライン(5)の中に開口するワイヤ出口(4)を備える、装置。
【請求項2】
ワイヤ移送インターフェース(2)が、搬送ライン(5)とワイヤ受容ユニット(3)に開口する過圧チャンバ(6)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
過圧チャンバ(6)とワイヤ受容ユニット(3)の間の流体移行部(7)が、ワイヤ移送インターフェースの調整可能な閉鎖部材(8)を介して開閉可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
調整可能な閉鎖部材(8)が、空気圧ピストンなどの線形アクチュエータ(10)を介して、流体移行部(7)が開放される開放位置と流体移行部(7)が閉鎖される閉鎖位置の間で調整可能なスライド(9)を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
スライド(9)が、貫通孔(11)と、貫通孔(11)から離間した環状シール要素(12)を備え、調整可能な閉鎖部材(8)の開放位置において貫通孔(11)がワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口チャネル(13)を過圧チャンバ(6)に接続し、閉鎖位置において環状シール要素(12)がワイヤ入口チャネル(13)を密閉して取り囲む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
閉鎖部材(8)が、制御フラップ(14)がワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口開口部(15)を開ける開放位置と、制御フラップ(14)がワイヤ移送インターフェース(2)の外側に置かれてワイヤ入口開口部(15)を閉じる閉鎖位置の間で調整可能な制御フラップ(14)を備える、請求項3または4に記載の装置。
【請求項7】
制御フラップ(14)が、開放位置と閉鎖位置の間で旋回軸(16)を中心に調整可能であり、空気圧ピストンなどの線形駆動装置(17)によって駆動される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
調整可能な閉鎖部材(8)が、長手方向軸の周りで回転可能であって長手方向軸に対して垂直に延びる貫通孔(11)を有する閉鎖ピストン(18)を備え、調整可能な閉鎖部材(8)の開放位置においてワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口チャネル(13)を過圧チャンバ(6)に接続して流体移行部(7)を確立し、回転した閉鎖位置においてワイヤ入口チャネル(13)を閉じる、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
ワイヤ受容ユニット(3)が、ワイヤ入口開口部(15)の上流に、自動ワイヤ加工機(200)によって事前に作られたワイヤをワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口開口部(15)に送り込むためのワイヤ搬送手段(19)を有する、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
ワイヤ搬送手段(19)が、間にニップ(21)が形成された一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)を備え、一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)が過圧チャンバ(6)の外側に位置しているとき、ワイヤ(100)がニップ(21)を介して搬送されワイヤ移送インターフェース(2)のワイヤ入口開口部(15)に送り込まれ、一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)が過圧チャンバ(6)の内側に位置しているとき、ワイヤ(100)がニップ(21)を介してワイヤ入口開口部(15)から引き込まれワイヤ出口(4)に通じるチャネル(22)に送り込まれる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ニップ(21)が、調節可能な幅を有し、ベルト、ストラップ、またはローラ(20)の搬送位置では、ニップ(21)の幅は、搬送されるワイヤ(100)の直径に実質的に等しく、ベルト、ストラップ、またはローラ(20)の非動作位置では、ニップ(21)の幅は、ワイヤ入口開口部(15)の寸法以上である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ移送インターフェース(2)の外側のワイヤ入口開口部(15)の上流に配置され、このピストンが、後退位置においてワイヤ入口開口部(15)から完全に後退し、伸長位置においてワイヤ入口開口部(15)を通ってワイヤ移送インターフェース(2)に入り込む、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
調整可能な閉鎖部材(8)が流体移行部(7)を開放するとき、伸長位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ入口開口部(15)を通ってワイヤ移送インターフェース(2)に、少なくともピストン(23)の自由端が調整可能な閉鎖部材(8)を通過する程度に十分に入り込み、好ましくは調整可能な閉鎖部材(8)が、長手方向軸の周りで回転可能であって貫通孔(11)を有する調整可能なスライド(9)または閉鎖ピストン(18)である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
直線的に調整可能なピストン(23)が、軸方向に沿った調整機能に加えてさらなる調整機能を備え、スイングイン位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、長手方向軸をワイヤ入口開口部(15)に対して垂直でワイヤ入口開口部(15)と位置合わせされて配置され、スイングアウト位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ入口開口部(15)の並びの完全な外側に配置されている、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
自動ワイヤ加工機(200)が、コンベアヘッドを備え、コンベアヘッドから自動ワイヤ加工機(200)によって製造されたワイヤ(100)が、ワイヤ入口開口部(15)と位置合わせされた真っ直ぐな移送チューブ(25)に供給され、コンベアヘッドを通してワイヤ(100)が、位置合わせされたワイヤ(100)としてワイヤ搬送手段(19)に供給される、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
ワイヤ移送インターフェース(2)が、ワイヤ移送インターフェース(2)内のワイヤ(100)の存在を検出するように適合された存在センサ(26)を備える、請求項1から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
空気圧搬送システム(1)が、ワイヤスイッチ(27)を有し、ワイヤスイッチ(27)が、ワイヤ入口(28)と複数のワイヤ出口(29)を有し、事前に作られたワイヤ(100)が、ワイヤ移送インターフェース(2)からワイヤ入口(28)に供給され、各ワイヤ出口(29)が、1つの搬送ライン(5)を介して1つの放出ポイント(300)に接続され、ワイヤスイッチ(27)が、アクチュエータ(30)を有し、アクチュエータ(30)により、ワイヤ入口(28)を介して供給される事前に作られたワイヤ(100)が、事前に作られたワイヤ(100)の放出ポイント(300)のうちの目的の放出ポイントに接続されている1つの搬送ライン(5)に供給される、請求項1から16のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置および制御装置の構築における手動の、部分的に自動化された、または完全に自動化された配線のために、ワイヤ加工機を放出ポイントに搬送するための装置に関する。このような装置は、特に、ワイヤの製造から開閉装置および/または制御システムの配線に至る垂直方向の製造範囲を最大限に達成するために、すべてのプロセスステップを現場で、できれば実質的に同時に実行する必要がある場合に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
開閉装置および制御システムの構築において、配線プロセスは、中心的かつ最も時間のかかる作業の1つであり、依然として完全に手作業で実施されることがよくある。作業プロセスが非常に複雑であるだけでなく、エラーを完全に排除することも要求されるため、開閉装置や制御システムの構築に携わる人々には大きな要求が課せられる。
【0003】
配線プロセスを最適化するために、サポートのレベルが異なるさまざまな技術支援が知られている。これらは、ワイヤ組立用のハンドツールおよび/または半自動機械から、例えば、長さに合わせて切断し、被覆を剥ぎ、ワイヤ端のフェルールを適用して圧着することによって、個々のワイヤを完全に事前に組み立ててから、それらを、緩い個々のワイヤ、事前に組み立てられた個々のワイヤを連続的に相互接続したワイヤチェーンとして、または個々のワイヤが連続的に並ぶワイヤマガジンの形態で利用できるようにする全自動システムに至るまで多岐にわたる。
【0004】
しかし、自動配線プロセス用のロボットで事前に組み立てられたワイヤをピックアップして処理するためのインターフェースとしては、これまでのところ技術的な解決策は知られていない。特に、ワイヤ束またはワイヤ列として提供される事前に作られたワイヤをロボットで取り扱うために分離することは特に複雑であることが判明しており、これは、特に、ワイヤが柔軟なコンポーネントであるという事実に関連している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、開閉装置または制御システムの部分的または完全に自動化された配線のための放出ポイントによる事前に作られたワイヤの受け取りおよび取り扱いを可能にする、上述のタイプの装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。従属請求項はそれぞれ、本発明の有利な実施形態に関する。
【0007】
したがって、この装置は、自動ワイヤ加工機および空気圧搬送システムを備えることが規定されており、自動ワイヤ加工機と空気圧搬送システムとの間のワイヤ移送インターフェースは、自動ワイヤ加工機のアクセス領域に配置されたワイヤ受け取り部を備えるとともに、さらに、空気圧搬送システムの少なくとも1つの搬送ラインの中に開口するワイヤ出口を備え、少なくとも1つの搬送ラインは、ワイヤ移送インターフェースと放出ポイントとの間に案内される。
【発明の効果】
【0008】
本発明による装置によれば、自動配線のために再度分離する必要がある、多数の事前に作られた個々のワイヤからなる事前に作られたワイヤ束の代わりに、配線されるそれぞれの事前に作られたワイヤは、自動ワイヤ加工機によって配線の直前に製造され、空気圧搬送システムを介して放出ポイントまで、例えば、多関節アームロボットまで、個々のワイヤとして供給されることができ、配線される事前に作られたワイヤは、自動ワイヤ作製機を使用して配線の直前に製造され、空気圧搬送システムを介して放出ポイントまで、例えば、多関節アームロボットまで、単一のワイヤとして供給されることができ、これにより、ワイヤ束またはワイヤ列の分離、および必要に応じて、束または列の個々のワイヤの識別が省略される。
【0009】
事前に作られたワイヤが搬送ラインを通過するので、事前に作られたワイヤは、通常は柔軟なコンポーネントであり、方向指定された方法でピックアップステーションに供給される。これにより、ワイヤ端処理部、例えば、ワイヤ端スリーブを備えたワイヤが最初にピックアップステーション、例えば、多関節アームロボットのエンドエフェクタに確実に到達し、それによって、ロボットがワイヤ端処理部、例えば、ワイヤ端スリーブのところでワイヤを確実にグリップできるようになる。
【0010】
放出ポイントが多関節アームロボットを有する場合、搬送ラインが多関節アームロボットのエンドエフェクタ内に直接開口するようにすることができる。多関節アームロボットは、ニップを形成する2つの逆回転ローラ、ベルト、またはストラップからなる従来技術のワイヤ通過ブレーキを有することができ、これを利用して、エンドエフェクタに供給される個々のワイヤを規定の送り速度で、例えば、エンドエフェクタのグリッパに、ローラ、ベルト、またはストラップの回転速度から生じる送り速度で供給することができる。別個のワイヤ通過ブレーキの代わりに、エンドエフェクタでのワイヤ搬送用に設けられた一対のローラ、ベルト、またはストラップを使用して、搬送ラインに沿って突進するワイヤに、規定の送り速度までブレーキをかけることができる。適切なエンドエフェクタは、DE 10 2019 106 710 A1により知られている。
【0011】
ピックアップステーションは、WO 2019/211 460 A1に記載されているように、半自動配線用のワークステーションであってもよい。DE 10 2018 133 319 A1には、多関節アームロボットによる完全自動配線用のピックアップステーションが記載されている。
【0012】
ワイヤ移送インターフェースは、ワイヤ受容セクションを介してワイヤ移送インターフェースに導入された事前に作られたワイヤを、ワイヤ出力の方向に搬送ラインを通って放出ポイントまで移送するため、流体圧、例えば、空気圧を有する圧力源によって加圧される過圧チャンバを備えてもよい。放出ポイントは、ワイヤ出力、例えば、ニップを形成する2つの逆回転ローラ、ベルト、またはベルトを備えた上述のタイプのワイヤブレーキを有してもよく、ニップは、ワイヤの直径にちょうど適合する。このようなワイヤ通過ブレーキは、従来技術により知られている。同様のワイヤ通過ブレーキはまた、EP 0654436 A1に記載されている。
【0013】
一実施形態では、放出ポイントは、多機能エンドエフェクタを有する多関節ロボットなどのロボットを備え、エンドエフェクタは、ワイヤ用の供給ホース、例えば、ポリテトラフルオロエチレン製のホースを備えるようにしてもよい。供給チューブは、ワイヤ移送インターフェースまで延びる搬送ラインであってもよい。このようにして、圧縮空気の適用を可能にし、ワイヤ移送インターフェースを介してシステム中に供給された事前に作られたワイヤを、搬送ラインを通してロボットのエンドエフェクタまで、例えば、エンドエフェクタのグリッパまで、高速で運搬することを可能にする、ほぼ閉じたシステムを築き上げることができる。グリッパにワイヤを供給するために、グリッパのすぐ上流に運搬ローラ、ロール、またはベルトを設けてもよい。これらの運搬ローラは、例えば、上述のワイヤ通過ブレーキの原理に従って、搬送ラインを介して高速で供給される事前に作られたワイヤを、エンドエフェクタのグリッパが受け入れるのに適した速度まで減速するために使用することができる。例えば、事前に作られたワイヤの断面積は、0.5から6mm2であってもよい。ワイヤは、ワイヤ端処理(部分的な引き抜き、ワイヤ端スリーブなど)の有無にかかわらず提供可能である。
【0014】
従来技術のワイヤ加工機のサイクル速度が比較的高いため、この装置は、同じワイヤ加工機から事前にハーネスが付けられたワイヤが供給されるいくつかの放出ポイントを有することができる。事前に作られたワイヤを個別に放出ポイントに供給できるようにするために、ワイヤスイッチを使用することができる。ワイヤスイッチは、ワイヤ移送インターフェースの一部であってもよく、または、ワイヤ移送インターフェースのワイヤ送給方向の下流側の少なくとも1つの搬送ラインに統合されていてもよい。一実施形態では、最良の場合、スイッチまでのワイヤ供給方向に単一の搬送ラインのみを設けることができ、または、異なるワイヤ断面積の範囲に対して2つの搬送ラインを設けることができ、一方、スイッチの供給方向には、供給される数の放出ポイントの下流側に任意の数の搬送ラインが設けられ、各搬送ラインは、複数の放出ポイントのうちの1つ、例えば、ロボットおよび/または手動ワークステーションに供給される。自動、半自動、または手動配線のサイクルレートと比較して、自動ワイヤ加工機で実現できるサイクルレートを考慮すると、自動ワイヤ加工機は、約10か所以上のピックアップステーションに使用でき、これによりスイッチは、対応する数のピックアップ搬送ラインを出力側に有することができる。
【0015】
ワイヤ移送インターフェースは、搬送ラインとワイヤ受容ユニットに通じる過圧チャンバを有していてもよい。過圧チャンバとワイヤ受容ユニットとの間の流体移行部は、ワイヤ移送インターフェースの調整可能な閉鎖部材によって開閉することができる。閉鎖部材が開いているとき、自動ワイヤ製造機によって提供される事前に作られたワイヤは、ワイヤ受容ユニットを介して過圧チャンバまで導入することができ、その目的のために、例えば、ワイヤのための適切な搬送手段、例えば、一対の逆回転運搬ローラを、過圧チャンバの上流または過圧チャンバ内に設けることができる。
【0016】
事前に作られたワイヤがその全長にわたってワイヤ取入口を通過した後、すなわち、送り方向の後端が過圧チャンバに到達した後、調整可能な閉鎖部材は、ワイヤ取入口に対して過圧チャンバを流体的に密封することができる。過圧チャンバは、ワイヤ出口に対して恒久的に開いていてもよい。過圧チャンバは、コンプレッサーなどの過圧源に接続されてもよい。バルブを介して、流体、例えば、空気を過圧源から過圧チャンバ中に特定の圧力および/または体積流量でメーターを介して供給することができ、その結果、流体は、搬送ラインを介して過圧チャンバから出て、過圧チャンバ内に配置された事前に作られたワイヤを巻き込むか押し出すことによって、搬送ラインを通して放出ポイントの方向にワイヤを搬送する。
【0017】
調整可能な閉鎖部材は、流体移行部が開放される開放位置と流体移行部が閉鎖される閉鎖位置との間で、線形アクチュエータ、例えば、空気圧ピストンによって調整可能なスライド、好ましくは平坦なスライドを備えてもよい。
【0018】
スライドは、貫通孔と、そこから離間した環状シール要素とを有してもよく、調整可能な閉鎖部材の開放位置では、貫通孔がワイヤ受けのワイヤ入口チャネルを過圧チャンバに接続し、閉鎖位置では、環状シール要素がワイヤ入口チャネルを密閉して取り囲む。
【0019】
閉鎖部材は、制御フラップを有してもよく、制御フラップは、それがワイヤ受容ユニットのワイヤ入口開口部を開ける開放位置と、制御フラップがワイヤ移送インターフェースの外側に置かれてワイヤ入口開口部を閉じる閉鎖位置との間で調整可能である。
【0020】
制御フラップは、開放位置と閉鎖位置との間で旋回軸を中心に調整可能であり、線形駆動装置によって、例えば、空気圧ピストンによって、駆動することができる。空気圧レバーがトグル機構を駆動することができ、トグル機構により、開放位置にあるワイヤ入口開口部の並びから、制御フラップが完全に取り外され、そのため、ワイヤ入口開口部には、例えば、移送チューブを使用して、ワイヤを供給するために自由にアクセスできる。移送チューブは、自動ワイヤ加工機で製造された事前に作られたワイヤを指示された方法でワイヤ入口開口部に供給するために、10mmよりも多少小さい数ミリメートルだけ、ワイヤ入口開口部と位置合わせをして、ワイヤ入口開口部の前に配置できる。移送チューブは、特に、直管部分であってもよく、またはそのような部分を有してもよく、そのため、可撓性の構成要素であり得る事前に作られたワイヤは、実質的に真っ直ぐなワイヤとして移送チューブを離れ、またこの形状を保持する。なぜなら、ワイヤは、移送チューブを出た後、ワイヤ入口開口部に入り、そこでワイヤ入口開口部またはワイヤ入口開口部に隣接するワイヤ入口チャネルの幾何学的形状によりさらに案内されるまでに、数ミリメートル、好ましくは10ミリメートル未満を通過するだけでよく、このため、本質的に真っ直ぐな導体として残るからである。
【0021】
調整可能な閉鎖部材は、その長手方向軸に対して垂直に延びる貫通孔を備えた、長手方向軸の周りで回転可能な閉鎖ピストンを有してもよく、調整可能な閉鎖部材の開放位置では、ワイヤ取入口のワイヤ入口チャネルを過圧チャンバに接続して流体移行を確立し、そして、それに対して回転した閉鎖位置では、ワイヤ入口チャネルを閉鎖する。
【0022】
ワイヤ受容ユニットは、そのワイヤ入口開口部の上流にワイヤ搬送手段を有することができ、これにより、自動ワイヤ製造機によって事前に作られたワイヤがワイヤ受容ユニットのワイヤ入口開口部に供給される。ワイヤ搬送手段は、例えば、一対の逆回転ローラまたはベルトを含むことができる。ローラまたはリムの間にニップが形成されていてもよく、それを通して、一対の逆回転ローラまたはベルトが過圧チャンバの外側にあるときに、ワイヤが搬送され、ワイヤ移送インターフェースのワイヤ入口開口部に供給され、または、一対の逆回転ローラまたはベルトが過圧チャンバ内に位置するときに、ワイヤ入口開口部から引き出され、ワイヤ出口に入るチャネル開口部に送られる。
【0023】
ロールニップなどのニップは、調整可能な幅を有することができ、ロールまたはベルトの搬送位置では、ニップの幅は、搬送されるワイヤの直径に実質的に対応する。ロールまたはベルトの非使用位置では、ニップの幅は、少なくともロールまたはベルトのアクセス領域への障害のないワイヤの進入を可能にするために、そして、必要に応じて、調整可能な閉鎖部材、例えば、制御フラップの開放位置と閉鎖位置との間の移動、特に旋回を可能にするために、ワイヤ入口開口部の寸法以上であってもよく、制御フラップが旋回して開放位置のワイヤ入口開口部の並びから外れ、その結果、制御フラップは、閉鎖位置から外れて開放位置へと旋回するときに、非動作位置に位置しているワイヤ移送手段のローラまたはベルトの間を通って移動する。
【0024】
ワイヤ移送インターフェースの外側のワイヤ入口開口部の前に、長手方向軸に沿って直線的に調整可能であって、後退位置ではワイヤ入口開口部から完全に後退しており、そして、伸長位置ではワイヤ入口開口部を通ってワイヤ移送インターフェースに入る、ピストンが配置されてもよい。
【0025】
伸長位置では、長手方向軸に沿って直線的に調整可能なピストンは、調整可能な閉鎖部材が流体移行部を開放するときに、少なくとも自由端が調整可能な閉鎖部材、好ましくは、直線的に調整可能なスライドの貫通孔、または長手方向軸の周りを回転できる閉鎖ピストンの貫通孔、を通過する程度まで、ワイヤ入口開口部を通ってワイヤ移送インターフェースを貫通することができる。特に、直線的に調整可能なプランジャを使用して、ワイヤ入口ポートを介してワイヤ移送インターフェースに導入された事前に作られたワイヤを、調整可能な閉鎖部材の有効範囲の向こう側まで過圧チャンバに押し込むことができ、これにより、過圧チャンバからワイヤ受入れユニットの反対側の搬送ラインへワイヤを搬送するために、過圧チャンバを流体的に隔離することができる。
【0026】
軸方向の調整機能に加え、直線的に調整可能なピストンは、直線的に調整可能なピストンが、長手方向軸がワイヤ入口開口部に対して垂直でワイヤ入口開口部と位置合わせされたスイングイン位置に配置される、さらなる調整機能を有することができる。スイングアウト位置では、直線的に調整可能なピストンをワイヤ入口開口部の並びの完全な外側に配置することができ、これにより、例えば、上述の移送チューブを利用して、事前に作られたワイヤの供給が妨げられることなく行われるようにすることができる。
【0027】
自動ワイヤ加工機は、コンベアヘッドを含んでもよく、そこから自動ワイヤ加工機によって製造された事前にハーネスが付けられたワイヤが真っ直ぐな移送チューブ内に供給される。移送チューブは、ワイヤ入口開口部と位置合わせすることができ、移送チューブを通して、ワイヤを位置合わせされたワイヤとして、ワイヤ移送手段に供給することができる。
【0028】
ワイヤ移送インターフェースは、ワイヤ移送インターフェース内にワイヤが存在すること、またはワイヤ移送インターフェースからワイヤが出たことを検出するように構成された存在センサを含むことができる。
【0029】
自動ワイヤ加工機で複数の放出ポイントに対応できるようにするために、空気圧搬送システムにワイヤダイバータを装備することができる。ワイヤスイッチには、1つのワイヤ入口と複数のワイヤ出口がある。事前に端処理されたワイヤは、ワイヤ移送インターフェースからワイヤ入口に供給されてもよい。ワイヤ出力は、それぞれ、搬送ラインを介してピックアップステーションの1つに接続していてもよい。ワイヤスイッチは、ワイヤ入口を介して供給される事前に作られたワイヤを、事前に作られたワイヤの放出ポイントのうちの目標放出ポイントに接続される搬送ラインの1つに供給するアクチュエータを有することができる。ワイヤスイッチを用いて自動ワイヤ加工機を複数の放出ポイントに対応させることで、実質的な投資対象である自動ワイヤ加工機の稼働率を高めるために、ワイヤスイッチを使用することができる。調査によると、自動ワイヤ加工機のサイクルレートは、手動、半自動、または自動配線のサイクルレートよりも約10倍高いことが分かっており、したがって、事前に組み立てられたワイヤを備えた上記のワイヤダイバータを使用する一般的な自動ワイヤ加工機によって、約10の放出システムに対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のさらなる詳細は、以下の図を参照して説明される。これにより、次のことが示される。
【
図1】本発明による構成の例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2】ワイヤ移送インターフェースの例示的な実施形態の断面図である。
【
図3】
図2によるワイヤ移送インターフェースの閉鎖部材のスライドの斜視図である。
【
図4】
図2によるワイヤ移送インターフェースの斜視図である。
【
図5】ワイヤ移送インターフェースの別の例示的な実施形態の側面図である。
【
図6】搬送手段が動作位置にあるワイヤ移送インターフェースの別の例示的な実施形態の上面図である。
【
図7】搬送手段が非動作位置にある
図6による実施形態および図である。
【
図8】本発明によるワイヤ移送インターフェースのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図9】
図8による実施形態の閉鎖ピストンの斜視図である。
【
図10】ワイヤ移送インターフェースの別の実施形態の断面図である。
【
図11】
図10による実施形態の閉鎖ピストンの斜視図である。
【
図12】ワイヤ移送インターフェースのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図13】直線的に調整可能なピストンが後退位置にある
図12による実施形態の断面図である。
【
図14】直線的に調整可能なピストンが伸長位置に配置されている
図12による実施形態および図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、自動ワイヤ加工機200から放出ポイント300までワイヤを搬送するための本発明による装置の例示的な実施形態の概略図を示す。特に、自動ワイヤ加工機200は、2つの異なる放出ポイント300、1つの放出ポイントは制御または開閉装置システムのロボット支援配線用の1つの放出ポイントと、手動または部分的に自動化された配線用の1つのワークステーションに対応する。自動ワイヤ加工機200は、所定のサイクルレートおよび部品リストに従って、配線ステップに必要な事前に作られたワイヤをジャストインタイムで2つのピックアップポイント300に提供するように設定および制御される。自動ワイヤ加工機200が事前に作られたワイヤ100を生成した後、ワイヤ移送インターフェースを使用して自動ワイヤ加工機200から空気圧搬送システム1にそれを供給することができる。事前に作られたワイヤ100がワイヤ移送インターフェース2を介して空気圧搬送システム1に移送された後、ワイヤは、ワイヤダイバータ27を通過し、それは、意図された受け取りポイントに応じて、関連する受け取りポイントに関連付けられた搬送ライン5にワイヤを導入する。搬送ラインは、少なくとも内壁に摩擦低減コーティングを有するホースであってもよい。あるいは、ホースは摩擦係数の低い材料で強固に作られていてもよい。例えば、ホースは、ポリテトラフルオロエチレンのコーティングを有していてもよいし、この材料で作られてもよい。ホースは複数のセクションから作られてもよく、ホース継手を使用してホースのセクションを一体に接続して搬送ライン5を形成してもよい。
【0032】
ワイヤ100が搬送ライン5に沿って意図された放出ポイント300に到達すると、そこでワイヤブレーキを利用して制動することができ、ワークステーションとして設計された放出ポイント300での手動排出、またはロボット支援の放出ポイント300のエンドエフェクタへのワイヤ100の供給に利用できるようにすることができる。適切なワイヤ通過ブレーキは、例えば、EP 0654436 A1に記載されている。多関節アームロボットの場合、エンドエフェクタ内のワイヤ供給のために必ず存在する一対のローラまたはロールをワイヤ通過ブレーキとして使用することができ、このため、ローラまたはロールは二重の機能を有する。適切なエンドエフェクタは、DE 10 2019 106 710 A1に記載されている。
【0033】
自動ワイヤ加工機200は、放出ポイント300でさらに加工されるよりもはるかに速く、配線されるワイヤ100を生産できるので、すなわち、自動ワイヤ加工機200は、放出ポイント300よりもはるかに高いサイクルレートを有するので、自動ワイヤ加工機200は、多数の放出ポイント300、特に図示の2つよりも多くに対応することができる。実験によれば、少なくとも約10個の放出ポイント300が、従来技術で一般的な自動ワイヤ加工機200によって処理できることが示されている。
【0034】
特に、本発明による構成により、ワイヤをジャストインタイムで製造し、受け取りポイントで利用できるようにすることができるため、事前に組み立てられたワイヤのためのバッファ倉庫は必ずしも必要ではない。しかしながら、自動ワイヤ処理機200の利用率を高めるために、ハーネス付きワイヤ用のバッファ倉庫(図示せず)を設けることができる。これは、例えば、ワイヤ移送インターフェース2と放出ポイント300との間の搬送ライン5に配置することができる。さらに、配線前にワイヤを分離して識別する必要があるため本発明による装置と比較して処理労力が大幅に増加する、例えば、ワイヤ束の形態でのワイヤの配列を準備する必要がなくなる。
【0035】
図2から
図4は、本発明によるワイヤ移送インターフェース2の例示的な実施形態を示している。ワイヤ移送インターフェース2は、ワイヤ受容ユニット3とワイヤ出口ユニット4を有する。予め組み立てられたワイヤは、自動ワイヤ組立機からワイヤ受容ユニット3を介してワイヤ移送インターフェース2に供給される。信頼できる方向性のあるワイヤ供給を確実にするために、特に導体断面積が小さく、そのため曲げゆるみが大きいワイヤに対して、移送チューブ25を設けることができ、これは、ワイヤ受容ユニットのポイントと位置合わせされているため、事前に作られたワイヤは、自動ワイヤ加工機を出た後、開口部3に到達するまで数ミリメートルを渡るだけで済む。
【0036】
ワイヤがワイヤ受容ユニット3を通ってワイヤ移送インターフェース2に入った後、ワイヤは流体移行部7を通過し、その中には閉鎖部材8が配置されている。閉鎖部材8は、ワイヤ移送インターフェース2の過圧チャンバ6に対して、ワイヤ受容ユニット3を選択的に流体的に隔離または解放するように配置されている。ワイヤ移送インターフェース2へ、好ましくは過圧チャンバ6へワイヤを導入するために、ワイヤは、閉鎖部材8の開放位置で平坦なスライド9の貫通孔11を通過することができる。ワイヤがスライド9、特に貫通孔11を完全に通過した後、すなわち、特に、ワイヤ端が供給方向の後部にある状態で過圧チャンバ6にも到達した後、閉鎖部材8を閉鎖位置にすることができる。この目的のために、スライド9を直線的に移動させることができ、すなわち、
図1から
図3による実施形態では、過圧チャンバ6に面したスライド9の閉鎖側に配置された環状シール要素12が、過圧チャンバ6とワイヤ入口チャネル13の間の流体移行部7を流体的に密閉するまで、ワイヤ移送インターフェース2のハウジングにさらに押し込むことができる。スライド9は、例えば、空気圧ピストンなどの線形アクチュエータ10によって開放位置と閉鎖位置の間で調整することができる。
【0037】
事前に作られたワイヤがワイヤ移送インターフェース2に到着し、閉鎖部材8が閉位置に配置された後、流体圧力、特に空気圧を、圧力ポート31を介して過圧チャンバ6に加えることができる。圧力ポート31を介してワイヤ移送インターフェース2に流入する圧縮空気は、ワイヤ出口4を介してのみワイヤ移送インターフェース2から出ることができ、圧縮空気は、過圧チャンバ6内に配置されたワイヤを同伴または押して、それをワイヤ出口4に接続された搬送ライン5、例えば、ポリテトラフルオロエチレン製のホースに導入する。
【0038】
図5は、本発明によるワイヤ移送インターフェース2の代替実施形態を示し、ここでは、
図3から
図4による実施形態から外れて、閉鎖部材8は、線形駆動装置17とトグルレバー駆動装置24を介して旋回する制御フラップ14として設計され、旋回軸16を中心に旋回可能である。
図5に示す開放位置では、制御フラップ14は、ワイヤ受容ユニット3の前方のワイヤ入口開口部15との位置合わせが完全に外れるように旋回し、これによりワイヤがワイヤ入口開口部15を介して妨げられることなくワイヤ転送インターフェース2に入ることができ、この目的のために、例えば、
図2を参照して説明したように、移送チューブ25をワイヤ入口開口部15の数ミリメートル以内に持ってくることができる。ワイヤの少なくとも大部分がワイヤ転送インターフェース2に到着し、せいぜいワイヤ入口開口部15上に後端がワイヤ受容部3からまだ突き出ている後に、制御フラップ14は、
図5に示す開放位置から、制御フラップ14がワイヤ移送インターフェース2の外側に接してワイヤ入口開口部15を閉じる閉鎖位置に旋回することができる。制御フラップ14を上述した閉位置に旋回させる過程で、ワイヤ入口開口部15を越えてまだ突き出ているワイヤの端も、ワイヤ移送インターフェース2に完全に押し込むことができる。ワイヤ入口開口部15に面する側面に、制御フラップ14は、閉鎖位置においてワイヤ入口開口部15を取り囲むシール要素、例えば、環状シール要素を有し、これにより、ワイヤ受容ユニット3と結果としてそれに流体的に接続された過圧チャンバは、ワイヤ受容ユニット3に関してワイヤ移送インターフェース2の内部で流体的に閉鎖され、過圧チャンバに導入される過圧(
図3から
図4と比較)は、ワイヤ出口4を介してのみ帳消しにすることができ、したがって、ワイヤ出口4を介してワイヤ移送インターフェース2から出る流体の流れをもたらし、このプロセスでは、既に説明した方法でワイヤ移送インターフェース2に受け入れられた事前に作られたワイヤを同伴または押し込み、ワイヤ出口4に接続された空気圧搬送システムの搬送ライン5に導入する。
【0039】
図5による実施形態の拡張において、
図6および
図7による実施形態は、反対方向に駆動され、それらの間に調整可能なローラニップ21を有する2つのローラ20からなるワイヤ搬送手段19を備える。特に、ローラ20は、
図6による搬送位置と、
図7による非動作位置とをとることができる。
図6による搬送位置では、ローラニップ21は、搬送されるワイヤの幅に実質的に対応できる幅だけを有する。
図7に示す非動作位置では、ローラニップ21は、制御フラップ14(
図5と比較)がローラ20の間の開放位置と閉鎖位置との間で干渉することなく旋回できるように十分な幅を有する。
【0040】
図8から
図9による実施形態において、
図2から
図4による実施形態から逸脱しており、閉鎖部材8は、ブッシュ内で回転可能な閉鎖ピストン18として設計されており、長手方向軸に垂直な貫通孔11を有し、ブッシュに対して閉鎖ピストン18または孔11をシールするために、貫通孔11の上下それぞれにシール要素12を有する。開放位置では、貫通孔11は、ワイヤ受容ユニット3またはワイヤ入口チャネル13と位置合わせされ(
図2と比較)、これにより、ワイヤが妨げられることなく閉鎖ピストン18を通ってワイヤ移送インターフェース2の過圧チャンバに挿入されることができる。ワイヤが閉鎖ピストンを完全に通過した後、すなわち、後端も送り方向に向けて、特に貫通孔11を通って完全に過圧チャンバに入った後、閉鎖ピストン18は、閉鎖位置まで、例えば、90°だけ回転させることができ、これにより、過圧チャンバがワイヤ受容ユニット3に関して密閉される。
【0041】
図10と
図11による実施形態では、2つの逆回転ローラ20を備えたワイヤ搬送手段19は、過圧チャンバ6の内側に配置されている。閉鎖部材、特に閉鎖ピストン18は、過圧チャンバ6とワイヤ受容ユニット3とを接続するチャネルセクションに配置される。閉鎖ピストン18は、一方では、過圧チャンバ6へのワイヤの導入、他方では、過圧チャンバ6に関するワイヤ受容ユニット3の流体シールを達成するために、開放位置と閉鎖位置の間で
図8と
図9を参照してすでに説明した方法で調整することができる。前の図に示された実施形態と比較すると、
図11と
図12による実施形態は、過圧チャンバ6の内側のワイヤ搬送手段19の配置により、ワイヤ受容ユニット3を介して導入されたワイヤを、特に、供給方向の後方にあるワイヤ端部も閉鎖部材、特に閉鎖ピストン18を完全に通過するまで、さらなる技術的手段を必要とせずに、完全に過圧チャンバ6内に引き込むことができるという利点があり、そのため、閉鎖ピストン18は、開放位置と閉鎖位置の間で妨げられることなく調整することができる。
【0042】
図12から
図14に示される実施形態は、前の図を参照して説明した多くの特徴を組み合わせたものであり、さらに、制御フラップ14に、長手方向に沿って直線的に調整可能なピストン23が設けられ、制御フラップ14が閉鎖位置にあるとき、ピストン23は、後退位置ではワイヤ入口開口部15から完全に後退し、伸長位置ではワイヤ入口開口部15を通ってワイヤ移送インターフェース2に入り込む。これにより、例えば、移送チューブ25(
図2と比較)によって予め挿入されたワイヤを、ピストン23によって過圧チャンバ6に、供給方向の後方にあるワイヤの端部も完全に閉鎖部材の閉鎖ピストン18を通過する程度まで押し込むことができるようになり、したがって、閉鎖ピストン18は、ワイヤ取入口3に関して過圧チャンバ6を流体的にシールするために、妨げられることなくワイヤの破壊を危険にさらすことなく、長手方向軸を中心に90°回転することによって、開放位置から閉鎖位置まで回転することができる。したがって、この実施形態では、
図5による実施形態とは異なり、制御フラップ14はシール機能を持たない。
【0043】
前述の説明、図面、および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別におよび任意の組み合わせで本発明を実現するために不可欠である可能性がある。
【符号の説明】
【0044】
1 空気圧搬送システム
2 ワイヤ移送インターフェース
3 ワイヤ受容ユニット
4 ワイヤ出口
5 搬送ライン
6 過圧チャンバ
7 移行部
8 閉鎖部材
9 スライド
10 線形アクチュエータ
11 貫通孔
12 シール要素
13 ワイヤ入口チャネル
14 制御フラップ
15 ワイヤ入口開口部
16 旋回軸
17 線形駆動装置
18 閉鎖ピストン
19 ワイヤ搬送手段
20 ローラ
21 ローラニップ
22 チャネル
23 ピストン
24 トグルレバー駆動装置
25 移送チューブ
26 存在センサ
27 ワイヤスイッチ
28 ワイヤ入口
29 ワイヤ出口
30 操作部
31 圧力ポート
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ワイヤ加工機(200)から放出ポイント(300)までワイヤ(100)を搬送するための装置であって、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)を備え、自動ワイヤ加工機(200)と空気圧搬送システム(1)の間のワイヤ移送インターフェース(2)が、自動ワイヤ加工機(200)のアクセス領域に配置されたワイヤ受容ユニット(3)と、ワイヤ移送インターフェース(2)と放出ポイント(300)の間に案内される空気圧搬送システム(1)の少なくとも1つの搬送ライン(5)の中に開口するワイヤ出口(4)を備え
、ワイヤ移送インターフェース(2)が、搬送ライン(5)とワイヤ受容ユニット(3)に開口する過圧チャンバ(6)を備え、過圧チャンバ(6)とワイヤ受容ユニット(3)の間の流体移行部(7)が、ワイヤ移送インターフェースの調整可能な閉鎖部材(8)を介して開閉可能であることを特徴とする、装置。
【請求項2】
調整可能な閉鎖部材(8)が、空気圧ピストンなどの線形アクチュエータ(10)を介して、流体移行部(7)が開放される開放位置と流体移行部(7)が閉鎖される閉鎖位置の間で調整可能なスライド(9)を備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
スライド(9)が、貫通孔(11)と、貫通孔(11)から離間した環状シール要素(12)を備え、調整可能な閉鎖部材(8)の開放位置において貫通孔(11)がワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口チャネル(13)を過圧チャンバ(6)に接続し、閉鎖位置において環状シール要素(12)がワイヤ入口チャネル(13)を密閉して取り囲む、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
閉鎖部材(8)が、制御フラップ(14)がワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口開口部(15)を開ける開放位置と、制御フラップ(14)がワイヤ移送インターフェース(2)の外側に置かれてワイヤ入口開口部(15)を閉じる閉鎖位置の間で調整可能な制御フラップ(14)を備える、請求項
2または
3に記載の装置。
【請求項5】
制御フラップ(14)が、開放位置と閉鎖位置の間で旋回軸(16)を中心に調整可能であり、空気圧ピストンなどの線形駆動装置(17)によって駆動される、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
調整可能な閉鎖部材(8)が、長手方向軸の周りで回転可能であって長手方向軸に対して垂直に延びる貫通孔(11)を有する閉鎖ピストン(18)を備え、調整可能な閉鎖部材(8)の開放位置においてワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口チャネル(13)を過圧チャンバ(6)に接続して流体移行部(7)を確立し、回転した閉鎖位置においてワイヤ入口チャネル(13)を閉じる、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
ワイヤ受容ユニット(3)が、ワイヤ入口開口部(15)の上流に、自動ワイヤ加工機(200)によって事前に作られたワイヤをワイヤ受容ユニット(3)のワイヤ入口開口部(15)に送り込むためのワイヤ搬送手段(19)を有する、請求項1から
6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ワイヤ搬送手段(19)が、間にニップ(21)が形成された一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)を備え、一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)が過圧チャンバ(6)の外側に位置しているとき、ワイヤ(100)がニップ(21)を介して搬送されワイヤ移送インターフェース(2)のワイヤ入口開口部(15)に送り込まれ、一対の逆回転ベルト、ストラップ、またはローラ(20)が過圧チャンバ(6)の内側に位置しているとき、ワイヤ(100)がニップ(21)を介してワイヤ入口開口部(15)から引き込まれワイヤ出口(4)に通じるチャネル(22)に送り込まれる、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
ニップ(21)が、調節可能な幅を有し、ベルト、ストラップ、またはローラ(20)の搬送位置では、ニップ(21)の幅は、搬送されるワイヤ(100)の直径に実質的に等しく、ベルト、ストラップ、またはローラ(20)の非動作位置では、ニップ(21)の幅は、ワイヤ入口開口部(15)の寸法以上である、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ移送インターフェース(2)の外側のワイヤ入口開口部(15)の上流に配置され、このピストンが、後退位置においてワイヤ入口開口部(15)から完全に後退し、伸長位置においてワイヤ入口開口部(15)を通ってワイヤ移送インターフェース(2)に入り込む、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
調整可能な閉鎖部材(8)が流体移行部(7)を開放するとき、伸長位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ入口開口部(15)を通ってワイヤ移送インターフェース(2)に、少なくともピストン(23)の自由端が調整可能な閉鎖部材(8)を通過する程度に十分に入り込み、好ましくは調整可能な閉鎖部材(8)が、長手方向軸の周りで回転可能であって貫通孔(11)を有する調整可能なスライド(9)または閉鎖ピストン(18)である、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
直線的に調整可能なピストン(23)が、軸方向に沿った調整機能に加えてさらなる調整機能を備え、スイングイン位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、長手方向軸をワイヤ入口開口部(15)に対して垂直でワイヤ入口開口部(15)と位置合わせされて配置され、スイングアウト位置における直線的に調整可能なピストン(23)が、ワイヤ入口開口部(15)の並びの完全な外側に配置されている、請求項
10または
11に記載の装置。
【請求項13】
自動ワイヤ加工機(200)が、コンベアヘッドを備え、コンベアヘッドから自動ワイヤ加工機(200)によって製造されたワイヤ(100)が、ワイヤ入口開口部(15)と位置合わせされた真っ直ぐな移送チューブ(25)に供給され、コンベアヘッドを通してワイヤ(100)が、位置合わせされたワイヤ(100)としてワイヤ搬送手段(19)に供給される、請求項
7に記載の装置。
【請求項14】
ワイヤ移送インターフェース(2)が、ワイヤ移送インターフェース(2)内のワイヤ(100)の存在を検出するように適合された存在センサ(26)を備える、請求項1から
13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
空気圧搬送システム(1)が、ワイヤスイッチ(27)を有し、ワイヤスイッチ(27)が、ワイヤ入口(28)と複数のワイヤ出口(29)を有し、事前に作られたワイヤ(100)が、ワイヤ移送インターフェース(2)からワイヤ入口(28)に供給され、各ワイヤ出口(29)が、1つの搬送ライン(5)を介して1つの放出ポイント(300)に接続され、ワイヤスイッチ(27)が、アクチュエータ(30)を有し、アクチュエータ(30)により、ワイヤ入口(28)を介して供給される事前に作られたワイヤ(100)が、事前に作られたワイヤ(100)の放出ポイント(300)のうちの目的の放出ポイントに接続されている1つの搬送ライン(5)に供給される、請求項1から
14のいずれかに記載の装置。
【国際調査報告】