(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】成形部品を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 43/32 20060101AFI20240229BHJP
B29C 70/44 20060101ALI20240229BHJP
B30B 5/02 20060101ALI20240229BHJP
B30B 15/34 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B29C43/32
B29C70/44
B30B5/02 B
B30B15/34 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550233
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2022054377
(87)【国際公開番号】W WO2022175550
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021000921.5
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512215107
【氏名又は名称】ジームペルカンプ・マシーネン-ウント-アンラーゲンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ケーファース
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ショーラー
【テーマコード(参考)】
4E090
4F204
4F205
【Fターム(参考)】
4E090AA08
4E090AB01
4E090DA03
4F204AC03
4F204AD16
4F204AJ01
4F204FA01
4F204FB01
4F204FG09
4F204FN11
4F204FQ01
4F204FQ40
4F205AA36
4F205AC03
4F205AD16
4F205AH31
4F205AJ03
4F205AR02
4F205AR06
4F205HA09
4F205HA22
4F205HA33
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK05
4F205HK24
(57)【要約】
成形部品、特に繊維複合材料からなる部品の製造のための方法が例示および記載される。メンブレンへの負荷を低下させるために、本発明によるメンブレン(4、4A’、4B’)は、滑ってシール(16、16’)を通らされることができ、ステップc)においてメンブレン(4、4A’、4B’)は、少なくとも一部が膨張力(F
A)の結果として滑ってシール(16、16’)を通らされることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に繊維複合材料から、成形部品を製造するための方法であって、以下の、
a)
- 第1のプレスツール(2、2’)と、
- 第2のプレスツール(3、3’)と、
- 少なくとも1つのメンブレン(4、4A’、4B’)と、
- 少なくとも1つのシール(16、16’)と、
を含む装置(1、1’)であって、
- 前記第1のプレスツール(2、2’)と前記第2のプレスツール(3、3’)とは、開位置と閉位置との間で互いに対して動かすことができ、
- 前記第1のプレスツール(2、2’)と前記第2のプレスツールとの間にワークピース(19、19’、19A’)のための作業空間(8、8’)が形成され、
- 前記メンブレン(4、4A’、4B’)は、少なくとも部分的に前記第1のプレスツール(2、2’)と前記第2のプレスツール(3、3’)との間に配置され、
- 前記メンブレン(4、4A’、4B’)は、少なくとも部分的に前記作業空間(8、8’)の中に配置され、
- 少なくとも前記閉位置において、前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記第1のプレスツール(2、2’)および/または前記第2のプレスツール(3、3’)との間に作業媒体のための少なくとも1つの空洞(5、5A’、5B’)が形成され、
- 前記空洞(5、5A’、5B’)は、少なくとも前記閉位置において前記シール(16、16’)によって少なくとも一部が封止されることができ、
- 前記空洞(5、5A’、5B’)を封止するために、前記シール(16、16’)を利用して前記メンブレン(4、4A’、4B’)に封止力(F
D)が印加されることができ、
- 前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記第1のプレスツール(2、2’)および/または前記第2のプレスツール(3、3’)とは、異なる熱膨張率を有する、
装置(1、1’)を提供するステップと、
b)前記シール(16、16’)を利用して前記メンブレン(4、4A’、4B’)に封止力(F
D)を印加するステップであって、
- 前記空洞(5、5A’、5B’)は、前記メンブレン(4、4A’、4B’)に前記封止力(F
D)を印加することによって少なくとも部分的に封止され、
- 前記封止力(F
D)によって前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記シール(16、16’)との間に摩擦力(F
R)が印加される、
ステップと、
c)好ましくは前記空洞(5、5A’、5B’)の中の作業媒体を利用して前記メンブレン(4、4A’、4B’)に圧力および/または温度を印加するステップであって、
- 前記メンブレン(4、4A’、4B’)は、少なくとも部分的に少なくとも前記作業空間(8、8’)の中で、好ましくは前記第1のプレスツール(2、2’)および/または前記第2のプレスツール(3、3’)より強く膨張し、
- 好ましくは前記空洞(5、5A’、5B’)の中の作業媒体を利用して前記メンブレン(4、4A’、4B’)に圧力が印加され、
- 前記圧力は、前記空洞(5、5A’、5B’)の中への前記メンブレン(4、4A’、4B’)の膨張に対抗し、それによって、前記メンブレン表面に沿った膨張力(F
A)を生じ、
- 前記膨張力(F
A)は、少なくとも前記シール(16、16’)に隣接して前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記シール(16、16’)との間の摩擦力(F
R)に対抗する、
ステップと、
を含み、
前記メンブレン(4、4A’、4B’)は、前記シール(16、16’)を通らされることができることと、ステップc)において、前記メンブレン(4、4A’、4B’)は、前記膨張力(F
A)に起因して少なくとも部分的に前記シール(16、16’)を通らせることと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
ステップb)とステップc)とが少なくとも時間的に重なることを特徴とする、請求項1に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項3】
前記膨張力(F
A)は、前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記シール(16、16’)との間の摩擦力(F
R)より大きいことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項4】
ステップa)の後に、かつ好ましくはステップb)の前におよび/またはステップc)の前に行われる、以下の、
a1)少なくとも1つのワークピース(19、19’、19A’)を準備するステップと、
a2)前記装置(1、1’)に、特に前記作業空間(8、8’)に前記ワークピース(19、19’、19A’)を挿入するステップと、
a3)前記第1のプレスツール(2、2’)および/または前記第2のプレスツール(3、3’)を前記閉位置に動かすステップと、
を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項5】
ステップa)において準備される装置(1、1’)は、前記メンブレン(4、4A’、4B’)のプレテンションを変えるための少なくとも1つの装置(18、18’)を含むことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項6】
ステップa)の後に、かつ好ましくはステップb)の前および/またはステップc)の前に行われる以下の、
a4)前記プレテンションを変えるための装置(18、18’)を利用して前記メンブレン(4、4A’、4B’)にプレテンションを印加するステップ、
を含む、請求項5に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項7】
ステップa4)による前記メンブレン(4、4A’、4B’)のプレテンション印加によって前記メンブレン(4、4A’、4B’)にプレテンション力(F
V)が印加されることと、好ましくは、特にステップb)時および/またはステップc)時に、前記プレテンション力(F
V)が前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記シール(16、16’)との間の摩擦力(F
R)より小さいことと、を特徴とする、請求項6に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項8】
ステップb)時および/またはステップc)時に、前記メンブレン(4、4A’、4B’)に印加されるプレテンション力(F
V)は、プレテンションを変えるための前記装置(18、18’)によって変えられ、特に低減されることを特徴とする、請求項7に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項9】
特にステップb)時および/またはステップc)時の膨張力(F
A)とプレテンション力(F
V)との和は、前記メンブレン(4、4A’、4B’)と前記シール(16、16’)との間の摩擦力(F
R)より大きいことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項10】
ステップb)時および/またはステップc)時に、前記空洞(5、5A’、5B’)の中の前記作業媒体の圧力および/または温度が変えられることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項11】
ステップa)において提供される前記装置(1、1’)は、好ましくは前記シール(16、16’)に隣接して、前記封止力を変えるための少なくとも1つの装置(17、17’)を含むことを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項12】
ステップa)において提供される前記装置(1’)は、少なくとも1つの第2のメンブレン(4B’)であって、
- 少なくとも前記閉位置において、前記少なくとも第2のメンブレン(4B’)と前記第1のプレスツール(2’)および/または前記第2のプレスツール(3’)との間に作業媒体のための少なくとも1つの第2の空洞(5B’)が形成され、
- 前記第2の空洞(5B’)を封止するために、少なくとも1つの第2のシール(16’)を利用して前記第2のメンブレン(4B’)に封止力(F
D)が印加されることができ、かつ
- 前記第2のメンブレン(4B’)は、前記第2のシール(16’)を通らされることができる、
メンブレンを含むことを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項13】
ステップb)においておよび/またはステップc)において、前記空洞(5、5A’、5B’)の中に配置された前記作業媒体の圧力は、少なくとも1.2バール、特に2バールまで上げられることと、好ましくはステップb)においておよび/またはステップc)において、前記空洞(5、5A’、5B’)の中に配置された前記作業媒体の圧力は、10バールと50バールとの間、特に15バールと30バールとの間の範囲の最大圧力まで上げられることと、を特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項14】
ステップb)においておよび/またはステップc)において、前記空洞(5、5A’、5B’)の中に配置された前記作業媒体の温度は、280℃と500℃との間、特に310℃と410℃との間の範囲の最大温度まで上げられることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【請求項15】
ステップb)の後におよび/またはステップc)の後に行われる、以下の、
c)前記装置(1、1’)を開け、前記ワークピース(19、19’、19A’)を取り出すステップ、
を含む、請求項1~14の何れか一項に記載の成形部品を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に繊維複合材料から、成形部品を製造するための方法であって、以下の、a)第1のプレスツールと、第2のプレスツールと、少なくとも1つのメンブレンと、少なくとも1つのシールと、を含む装置であって、第1のプレスツールと第2のプレスツールとは、開位置と閉位置との間で互いに対して動かすことができ、第1のプレスツールと第2のプレスツールとの間にワークピースのための作業空間が形成され、メンブレンは、少なくとも部分的に第1のプレスツールと第2のプレスツールとの間に配置され、メンブレンは、少なくとも部分的に作業空間の中に配置され、少なくとも閉位置においてメンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとの間に作業媒体のための少なくとも1つの空洞が形成され、空洞は、少なくとも閉位置においてシールによって少なくとも部分的に封止されることができ、空洞を封止するためにシールを利用してメンブレンに封止力が印加されることができ、メンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとは、異なる熱膨張率を有する、装置を提供するステップと、b)シールを利用してメンブレンに封止力を印加するステップであって、空洞は、メンブレンに封止力を印加することによって少なくとも部分的に封止され、封止力によってメンブレンとシールとの間に摩擦力が印加されるステップと、c)好ましくは空洞の中の作業媒体を利用してメンブレンに圧力および/または温度を印加するステップであって、メンブレンは、少なくとも作業空間の中で少なくとも部分的に膨張し、好ましくは第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールより強力に膨張し、好ましくは空洞の中の作業媒体を利用してメンブレンに圧力が印加され、圧力は、空洞の中へのメンブレンの膨張に対抗し、それによってメンブレン表面に沿った膨張力を生じ、膨張力は、少なくともシールに隣接してメンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗するステップと、を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維複合材料は、実質的に2種類の主成分、補強用繊維と繊維が埋め込まれるプラスチック(「母材」または「樹脂」)とからなる複合材料である。2種類の主成分を組み合わせることによって全体としての複合材料が2種類の成分単独より良好な特性を有することを実現することができる。例えば、繊維の方向における自らの高い引張強度に起因して、繊維は、複合材料の引張強度を増大させる助けとなる。他方で、母材は、例えば繊維が自らの位置に保持され、機械的および化学的影響から保護されることを保証する。
【0003】
繊維複合材料からの構成部品の製造のための複数の選択肢の一つは、予め製造された繊維-樹脂半製品(いわゆる「プリプレグ」、「予め含浸された(preimpregnated)繊維」の短縮形)の使用に基づく。そのような半製品の場合、まだ完全には反応していない樹脂システムが繊維に提供され、それによって半製品は、依然、柔軟な形(例えばウェブ形、ロール状)で入手可能である。プリプレグは、構成部品が製造され、高圧および高温で硬化されるとき化学反応を完了することによってのみ形状を変えられる。このステップは、例えばプレスの中で実行されることができる。
【0004】
例えば、航空機産業においてプリプレグが大量に加工される。加工における難題は、航空宇宙産業が多くの場合に、例えば桁などの補強用要素に起因して非常に複雑な部品幾何形状を必要とすることである。さらに、組み立て作業は減らされるべきであり、そのことは、数は減るが大きくなる構成部品を用いることによって実現されるべきである。複雑な幾何形状と大きな構成部品寸法との組み合わせは、これらの構成部品の製造のための装置およびプロセスへの要求を増大させる。一つの要件は、例えば、メンブレンに過大な負荷を負わせることなくワークピースに圧力および/または温度を均一に印加することができるように、装置中に用いられるメンブレンをワークピース幾何形状に最適に適合させることである。
【0005】
例えば繊維複合材料から構成部品を製造するための装置および方法が特許文献1から公知である。それによれば、製造される構成部品は、2つのシェルの間に挿入される。それによって、製造される構成部品に圧力が均一に印加され、それによって柔軟なメンブレンが、構成部品と反対側のメンブレンの側でメンブレンに油圧が作用するように構成部品に作用する。メンブレンは、従って、油圧によって構成部品表面に押圧される。この方法において、湾曲した部品表面の場合に油圧がすべての側に作用し、従って、メンブレンから部品表面に作用する力は、特に部品表面に直角に作用する力成分でもすべての箇所において同じであることも保証されるべきである。
【0006】
繊維複合材料から部品を製造するためのそのような「メンブレンプレス」の使用も特許文献2から公知である。
【0007】
これらの公知のプレスでは、構成部品の一方の側だけに柔軟なメンブレンが提供される一方で構成部品の他方の側には剛直なツールが提供される。これは、このタイプのプレスの設計を単純化するが、このタイプの、特に加圧プロセス時に変形するワークピースのプレスには、柔軟なメンブレンの側でワークピースに幾何形状を適合させることだけが可能であるという不利な点がある。
【0008】
従って、ワークピースの相対する側に2つのメンブレンが配置されるプレスも公知である。例えば、特許文献3からこのタイプのプレスが公知である。そこに示されているプレスは、2つのプレス要素を有し、それらにはそれぞれの場合に1つのメンブレンが取り付けられている(
図4、
図5参照)。両方のメンブレンは、プレス要素の1つに固く結合される。メンブレンのそのような固定された装着は、メンブレンによって区切られた空洞の封止を容易にし、設計によって実体化しやすいが、メンブレンをワークピース表面に最適に適合させることができないという不利な点がある。さらに、その固いクランプ法に起因してメンブレンの熱誘起膨張を補償することができない。このことは、不均一な圧力分布および構成部品品質の低下につながると同時にメンブレンを高い負荷、特に高い応力にさらしかねない。
【0009】
従って、本発明の根底にある目的は、最初に言及され、上記でさらに詳細に記載された方法を、メンブレンへの負荷が低下するような方法で設計し、さらに開発することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 113 595(A1)号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0297153(A1)号
【特許文献3】国際公開第2018/167730(A1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の前提部に記載の方法において、メンブレンは、シールを通らされることができる(独:die Membran an der Dichtung vorbeifuehrbar,英:the membrane can be passed by the seal)ことと、ステップc)においてメンブレンは、膨張力に起因してシールを通らされることと、において実現される。
【0012】
本発明による方法は、成形部品を製造するための方法である。
【0013】
本方法は、第1に、装置、特にプレスを準備することを含むステップa)を含む。このタイプのプレスは、「メンブレンプレス」としても公知である。該装置は、第1の、例えば上部プレスツールと、第2の、例えば下部プレスツールと、少なくとも1つのメンブレンと、を含む。
【0014】
第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールは、好ましくは金属から、さらに好ましくは鋼から、特にインバーから製造される。金属、特に鋼を用いることによってプレスツールの長い耐用年数を実現することができる。インバーは、非常に低い熱膨張率も有する。従って、インバーの使用は、プレスプロセス時に変動する温度においても非常に正確なワークピース、特に成形部品の機械加工または製造を可能にする。
【0015】
メンブレンは、例えば、薄い金属板、好ましくは薄い鋼板によって形成することができる。金属薄板、特に鋼板のメンブレンには、一方で、金属の機械的特性に起因してメンブレンが高い圧力を伝えることができ、他方で、金属の高い熱伝導率に起因してワークピースを加熱または冷却するのに良好に適するという利点がある。従って、メンブレンは、ワークピースへの圧力および/または温度の印加のために有利に提供される。メンブレンは、好ましくは1つの片として形成されるが、代りにいくつかの片として形成されてもよい。装置は、また、2つまたは少なくとも2つのメンブレンも含んでよい。2つまたは少なくとも2つのメンブレンを用いることによって、簡単な方法で別々の側からワークピースに、特に成形部品に圧力および/または温度を伝えることができる。
【0016】
装置は、少なくとも1つのシールも含む。シールは、例えば、好ましくはワイヤメッシュを有するグラファイトシールであってよい。シールは、それによって、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツール上に提供されてよい。さらに、シールは、少なくとも部分的に、実質的にメンブレン、特にメンブレン表面に平行に延在してよい。シールは、好ましくは、2つの部分または少なくとも2つの部分として設計される。
【0017】
第1のプレスツールと第2のプレスツールとは、開位置と閉位置との間で互いに対して動かすことができる。これはプレスが開閉されることを可能にする。第1のプレスツールと第2のプレスツールとの間の相対的な動きは、好ましくは開位置と閉位置との間での実質的に線形の動き、特に上下方向の動きであってよい。線形の動き、特に上下方向の動きとは、開位置と閉位置との間でプレスツールを調整することが推定的に速くかつ簡単であることを意味する。閉位置において、第1のプレスツールと第2のプレスツールとは、互いの方へ動き、好ましくは少なくとも部分的に互いと接触する。開位置において、第1のプレスツールと第2のプレスツールとは、これら2つのプレスツールの間にワークピースを挿入することができるように離れる方に動く。開位置と閉位置とに加えて、第1のプレスツールと第2のプレスツールとは、依然、好ましくは互いに対して少なくとも1つの中間位置に動かすことができる。該少なくとも1つの中間位置は、それによって、特に開位置と閉位置との間に配置される。
【0018】
第1のプレスツールと第2のプレスツールとの間にワークピースのための作業空間が形成される。この作業空間は、有利には少なくとも第1のプレスツールと第2のプレスツールとの閉位置に形成される。ワークピースは、特に、好ましくは繊維複合材料で作られた成形部品である。作業空間において、少なくとも1つのワークピースは、それによって、好ましくは少なくとも1つのメンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールの間に挿入されてよい。少なくとも閉位置において、作業空間の中で、特にメンブレンを利用してワークピースに圧力および/または温度が有利に印加されてよい。
【0019】
少なくとも閉位置においてメンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとの間に作業媒体のための少なくとも1つの空洞が形成される。空洞は、それによって、好ましくは少なくとも1つのメンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとによって少なくとも部分的に区切られる。空洞は、その中に作業媒体を収容することを目的とする。言い換えると、空洞は、作業媒体で満たされてよい。メンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとは、従って、有利には、気体および/または液体が漏れない方法で互いに結合される。作業媒体は、例えば気体または液体である。好ましくは作業媒体にも圧力および/または温度が印加されてよい。作業媒体に印加されることができる圧力および/または温度は、特にメンブレンを利用してワークピースに伝えられることができる。メンブレンは、好ましくは、変形可能である。空洞も、有利には、特に作業媒体で満たし、および/または圧力および/または温度を印加することによって、好ましくはメンブレンに隣接してワークピースの方に動かし、および/または変形させることができる。有利には、少なくとも1つのシールは、少なくとも閉位置において少なくとも部分的に空洞の一端に設けられ、および/または空洞の少なくとも一端は、該少なくとも1つのシールによって区切られる。好ましくは、2つまたは少なくとも2つのメンブレンが設けられる場合、第1のプレスツールと第1のメンブレンとの間に空洞が、好ましくは第2のプレスツールと第2のメンブレンとの間に第2の空洞が設けられてよい。
【0020】
空洞は、少なくとも閉位置において少なくとも部分的にシールによって封止されてよく、空洞を封止するために、シールを利用してメンブレンに封止力が印加されてよい。封止力は、それによって、例えば、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに印加されてよく、該少なくとも1つのシールに伝えられてよいプレス力によって生じてよい。封止力は、例えば、代替としてまたは追加として該装置の構成部品の重量の力を利用して生じてよい。
【0021】
メンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとは、異なる熱膨張率も有する。好ましくは、少なくとも1つのメンブレンの熱膨張率は、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールのそれぞれの熱膨張率より大きい。第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールについては、インバーが低い熱膨張率を有するので、従って、インバーから製造すると有利である。
【0022】
本方法は、ステップb)シールを利用してメンブレンに封止力を印加するステップであって、空洞は、メンブレンに封止力を印加することによって少なくとも部分的に封止され、封止力によってメンブレンとシールとの間に摩擦力が印加されるステップも含む。封止力は、作業媒体が少なくとも部分的に空洞から漏れ出すことができないようにシールをメンブレンに押圧する。摩擦力の大きさは、多くの場合、それを生じる封止力の大きさに特定の限界内で依存し、ほぼ線形の関係がある(摩擦力と接触圧との間の比は、「摩擦係数」とも呼ばれる)。例えば、封止力が増大するとメンブレンとシールとの間の摩擦力も増大する。摩擦力は、好ましくはメンブレン表面に沿って、従ってメンブレンの表面に平行に作用する。好ましくは、摩擦力は、実質的に水平の方向または実質的に垂直の方向に作用する。摩擦力は、メンブレンの動きおよび/またはメンブレン表面に沿いシールに隣接して作用する力に対抗する。摩擦力は、従って、好ましくはメンブレンとシールとの間の相対運動に対抗する。特に、摩擦力は、作業空間から出るメンブレンの動きおよび/または作業空間に入るメンブレンの動きに対抗する。
【0023】
摩擦力は、シールとメンブレンとの間に相対運動があるかどうかに応じて静止摩擦または滑り摩擦であってよい。シールとメンブレンとが互いに対して動かされる場合、滑り摩擦がある。シールとメンブレンとが互いに対して動かされない場合、静止摩擦がある。静止摩擦限界を超えるように十分大きな力が静止摩擦に対して印加される場合、メンブレンとシールとの間に相対運動があり、そのためメンブレンとシールとの間に滑り摩擦がある。
【0024】
本方法は、ステップc)好ましくは空洞の中の作業媒体を利用してメンブレンに圧力および/または温度を印加するステップも含む。特に空洞の中の作業媒体を利用して第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度がさらに印加されるステップも規定されてよい。作業媒体を利用してメンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度を印加するために、好ましくは作業媒体自体に圧力および/または温度が印加される。あるいはまたはさらに、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度を印加することによって、メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度が印加されてよい。メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度を印加することを利用して、作業空間の中のワークピースに圧力および/または温度が印加されてもよい。メンブレンは、好ましくは少なくとも部分的にワークピースと接触し、それによってワークピースに圧力および/または温度を印加してよい。
【0025】
本事例において、「温度を印加するステップ」は、特に、加熱および/または冷却するステップを指す。
【0026】
ステップc)は、少なくとも部分的に少なくとも作業空間において膨張する、好ましくは第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールより強く膨張するメンブレンをさらに含む。メンブレンの膨張に起因して、特に作業空間においてメンブレン表面は広がり、および/またはメンブレンは伸長する。メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールは、好ましくは熱膨張する。さらに、メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールは、特に圧力および/または温度の印加に起因して膨張する。膨張を実現するために、温度の印加は、特に加熱を含む。あるいはまたはさらに、メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールは、圧力および/または温度の印加に起因して収縮してよい。この場合、メンブレンは、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールより強く収縮すると規定されてもよい。収縮を実現するために、温度の印加は、特に冷却を含む。
【0027】
本方法は、従って、ステップc1)を含んでよく、ステップc1)は、好ましくは空洞の中の作業媒体を利用してメンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに圧力および/または温度を印加するステップであって、メンブレンは、少なくとも部分的に少なくとも作業空間において収縮する、特に熱収縮するステップを含む。特に、メンブレンは、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールより強く収縮すると規定されてよい。ステップc1)は、それによって、ステップc)の前および/または後に行われてよい。従って、メンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールを加熱する前および/または後のメンブレン、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールの冷却が規定されてよい。
【0028】
ステップc)は、好ましくは空洞の中の作業媒体を利用してメンブレンに圧力を印加するステップも含む。メンブレンへの圧力のこの印加は、特に、既に説明された、好ましくは空洞の中の作業媒体を利用した圧力および/または温度の印加であってよい。しかし、あるいはまたはさらに、他の手段を利用してメンブレンに圧力が印加されてもよい。
【0029】
ステップc)は、圧力が空洞の中へのメンブレンの膨張に対抗し、それによってメンブレン表面に沿った膨張力を生じるステップをさらに含む。圧力は、メンブレンに印加される圧力である。メンブレンの膨張に起因して、メンブレン表面は広がり、および/またはメンブレン、特に作業空間の中に配置されたメンブレンの区間は、伸長する。空洞の中へのメンブレンの膨張、特に膨れは、機械加工されるかまたは製造されるワークピースともはや実質的に連続的に接触していないメンブレンと、従ってワークピースに均一に印加されることができない圧力および/または温度と、を生じる結果となるだろう。さらに、メンブレンの膨れまたは弛みは、高い負荷と、ひいてはメンブレンへの損傷を生じる結果となり得る。これを防ぐために、十分な圧力が空洞の中へのメンブレンの膨張、特に膨れに対抗しなければならない。メンブレンに印加される圧力は、従って、有利には、特に、メンブレンの膨張に起因してメンブレンに空洞の方向に印加される圧力と少なくとも同じ大きさ、好ましくはより大きい。
【0030】
本事例において、「メンブレン表面に沿って」は、好ましくはメンブレン表面の方向にあることを意味すると理解される。メンブレン表面は、好ましくは機械加工されるかまたは製造されるワークピースに少なくとも閉位置において隣接するメンブレン表面でもある。
【0031】
空洞の中へのメンブレンの膨張、特に膨れは、この場合、特に、隣接する空洞の方向の、特にメンブレンの膨張領域に隣接する空洞の領域の方向のメンブレンの膨張を意味すると理解される。例えば、メンブレンが水平に配向している場合、空洞の中への膨張は、隣接する空洞の方向に少なくとも1つの垂直成分を有する膨張である。
【0032】
空洞の中へのメンブレンの膨張に対抗する、メンブレンに印加される圧力は、メンブレン表面に沿った膨張力も生じる。該膨張力は、それによって好ましくは少なくとも部分的に、特にシールに隣接して、メンブレン表面に沿ってシールの方向にまたはシールから離れる方向に作用する。
【0033】
膨張力は、好ましくは、メンブレンに印加された圧力がメンブレン表面に沿って少なくとも部分的に散逸されることによって生じる。メンブレンに圧力を印加することによって、メンブレンは、機械加工されるかまたは製造されるワークピースに対して少なくとも部分的に押圧される。その結果、メンブレンは、機械加工されるかまたは製造されるワークピースとメンブレンに印加された圧力との間で少なくとも部分的にクランプされる。このクランプに起因して、メンブレンは、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に、クランプ方向を実質的に横切り、従ってメンブレン表面に沿ってのみ膨張することができる。このこともメンブレン表面に沿った膨張力を生じるかまたは少なくとも影響を及ぼすことができる。
【0034】
ステップc)は、さらに、膨張力が少なくともシールに隣接してメンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗することを含む。メンブレンが膨張するとき、膨張力は、作業空間からメンブレン表面に沿って外にシールに隣接して作用する。この場合、摩擦力は、作業空間から出るメンブレンの動きに対抗し、および/または摩擦力は、メンブレン表面に沿って作業空間の方向に作用する。メンブレンが収縮するとき、摩擦力は、作業空間の中へのメンブレンの動きに対抗し、および/または摩擦力は、メンブレン表面に沿って作業空間から離れる方向に作用する。膨張力は、好ましくはシールとメンブレンとの接触領域においてメンブレンとシールとの間の摩擦力にも対抗する。
【0035】
ステップc)の間に、メンブレンは、特に圧力および/または温度の印加に起因して、機械加工されるかまたは製造されるワークピースと少なくとも部分的に当接する。
【0036】
本発明によれば、メンブレンは、シールを通らされることができることと、ステップc)において、メンブレンは、膨張力に起因して少なくとも部分的にシールを通らされることと、が規定される。メンブレンにシールを通らせることができることによって、機械加工されるかまたは製造されるワークピースへのメンブレンの均一な接触を、それによってメンブレンに過大な負荷を負わせることなく保証することができる。メンブレンの膨張の場合、メンブレン表面が広がった分、および/またはメンブレンが伸長した分のメンブレンの表面または部分を作業空間から外へ導くことができる。メンブレンへの応力を生じるだろうメンブレンの弛みまたは膨れは、従って回避される。その結果、メンブレンは、機械加工されるかまたは製造されるワークピースと実質的に連続的に接触することができる。メンブレンの収縮の場合、シールを通るメンブレンの能力が今度は、メンブレンの表面または区間が、特にメンブレン表面が減少し、および/またはメンブレンが短くなった範囲において作業空間に入ることを可能にする。メンブレンは、従って、過大な負荷、特に引張応力に曝されることなく、機械加工されるかまたは製造されるワークピースと実質的に連続的に接触することができる。
【0037】
膨張力に起因してメンブレンの少なくとも一部にシールを通らせることによって、メンブレンへの負荷も低下させることができる。特にメンブレンの膨張の場合のメンブレンによるシールの通行では、膨張力に起因してメンブレンのプレテンション操作なしですませることができるか、または少なくともメンブレンに印加されるプレテンションを低下させることができる。しかし、膨張力だけでメンブレンにシールを通らせる必要はない。メンブレンによるシールの通行のためには、従って、メンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗し、シールに隣接して作用する、メンブレンのメンブレン表面に沿って作用する力の和が、メンブレンとシールとの間の摩擦力より大きいと好ましい。メンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗し、シールに隣接して作用する、メンブレンのメンブレン表面に沿って作用する力の和は、それによって、少なくともシールに隣接する膨張力を含む。好ましくは、シールに隣接する膨張力は、メンブレンとの間の摩擦力に対抗し、シールに隣接して作用する、メンブレン表面に沿って作用する最大の力でもある。メンブレンにシールを通らせることによって、メンブレンは、好ましくは張力を受け、および/またはメンブレンは、機械加工されるかまたは製造されるワークピースと実質的に連続的に接触する。
【0038】
この場合、上記のそれぞれの力および/またはそれぞれの(いくつかの)力の大きさは、常に、それぞれの力および/または(いくつかの)力と関連して考えられる。
【0039】
メンブレンは、特に第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに対する膨張力に起因して、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールに対して動くことができるようにされてもよい。メンブレンと第1のプレスツール、第2のプレスツールおよび/または装置の別の部品との間にも摩擦があり得る。しかし、メンブレンとシールとの間の摩擦力が、通常メンブレンに印加される最大の摩擦力であり、シールによるメンブレンの通行に対抗するので、メンブレンとシールとの間の摩擦力は、メンブレンにシールを通らせるために必須である。
【0040】
本方法の第1の構成によれば、ステップb)とステップc)とは、少なくとも時間的に重なると規定される。これは、空洞が封止力によって十分に封止され、同時にメンブレンがシールを通らされることができることを保証する。ステップb)は、特にステップc)の前に始まり、および/またはステップc)の後にのみ終わることができる。これは、空洞からの作業媒体の漏出が特に確実に回避され得ることを意味する。
【0041】
本方法のさらなる実施形態は、膨張力がメンブレンとシールとの間の摩擦力より大きいと想定する。これは、メンブレンが確実にシールを通ることを保証する。さらに、メンブレンのプレテンション操作を省略するかまたは少なくとも減らすことができる。膨張力は、特に、メンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗する、シールに隣接する膨張力である。膨張力は、それによって、好ましくは少なくとも部分的にステップb)時に、および/または少なくとも部分的にステップc)時に、特にステップb)時に連続的に、および/またはステップc)時に連続的にメンブレンとシールとの間の摩擦力より大きい。これは、メンブレンが確実にシールを通ることを保証する。
【0042】
1つの構成は、本方法が、ステップa)の後かつ好ましくはステップb)の前および/またはステップc)の前に行われる以下の、a1)少なくとも1つのワークピースを準備するステップと、a2)装置、特に作業空間の中にワークピースを挿入するステップと、a3)第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールを閉位置に動かすステップと、を含むことを特徴とする。少なくとも1つのワークピースは、母材と母材に挿入された繊維とを有してよい。母材に挿入された繊維は、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などであってよい。繊維は、例えば、マット、不織布、織布、編み生地またはニット生地の形の半製品として用いられてよい。母材または樹脂は、例えば、熱可塑性プラスチックから形成されてよい。ワークピースは、「プリプレグ」とも呼ばれる、既に完成した「繊維母材半製品」であってよい。第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールを閉位置に動かすために、プレスツールは、好ましくはプレス軸に沿って互いの方に動かされる。第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールを閉位置に動かすことは、特に、実質的に線形の動きであってよい。好ましくは、ステップa1)は、ステップa2)の前かつステップa3)の前に行われる。ステップa2)も、好ましくはステップa1)の後かつステップa3)の前に行われる。ステップb)は、ステップa1)、a2)およびa3)の前に行われ、特に、ステップb)は、少なくともステップa3)の前に行われてよいと規定することもできる。その結果、空洞は、第1のプレスツールと第2のプレスツールとが閉位置に動かされる前に既に作業媒体で封止され、満たされてよい。
【0043】
本方法のさらなる構成によれば、ステップa)において準備される装置は、メンブレンのプレテンションを変えるための少なくとも1つの装置を含むと規定される。メンブレンにプレテンション操作を行うための装置は、例えば、調節可能なバネ行程または調節可能なプレテンションを有するバネによって実体化されてよい。あるいはまたはさらに、プレテンションは、メンブレンにプレテンションを印加するための装置によって油圧的におよび/または空気圧的に実体化されてよい。例えば製造されるかまたは機械加工されるワークピースにプレテンションを適合させるために、このタイプの装置を用いてメンブレンのプレテンションを設定してよく、変えてもよい。プレテンションの設定とその変更可能性とは、ワークピースに圧力および/または温度が印加される前に、特に空洞の中に配置された作業媒体に圧力および/または温度が印加される前に、メンブレンが既にプレテンションを有することを可能にする。同様に、メンブレンのプレテンションを変えるための装置は、好ましくはメンブレンにプレテンション力を印加することによって、特にステップc)時のメンブレンによるシールの通行に寄与することができる。
【0044】
一実施形態によれば、本方法は、ステップa)の後かつ好ましくはステップb)の前および/またはステップc)の前に行われる以下の、a4)プレテンションを変えるための装置によってメンブレンにプレテンションを印加するステップを含むと規定される。プレテンションは、メンブレンがワークピースへの作用の開始時点で既に滑らかな表面を有し、空洞の中に配置された作業媒体によってのみ張力を受けず、従って「滑らかに引っ張られる」ことを保証する。これは、温度および/または圧力作用の開始時点でワークピースへのメンブレンの均一な作用が既に起こり、メンブレンが好ましくは実質的に連続的にメンブレンと接触するという利点を有する。好ましくはステップb)の前および/またはステップc)の前に行われるステップa4)によって、メンブレンは、メンブレンに圧力および/または温度が印加される前に、特に空洞の中に配置された作業媒体に既に圧力および/または温度が印加される前に、既にプレテンションを有してよい。ステップa4)は、ステップa1)、a2)およびa3)の後または、あるいは少なくともステップa3)の前に、特にステップa1)、a2)およびa3)の前に行われてよい。ステップa4)とステップb)および/またはステップc)とが少なくとも時間的に重なることも有利に規定される。ステップa4)は、少なくともステップb)および/または少なくともステップc)と同時に行われてもよい。ステップa4)は、特に、ステップb)の前および/またはステップc)の前に開始してよく、ステップb)の後および/またはステップc)の後にのみ終了してよい。このことは、特にメンブレンがシールを通らされる間にメンブレン上に十分なプレテンションがあることを保証する。
【0045】
本方法のさらなる実施形態は、ステップa4)によってメンブレンにプレテンション操作を行うことによってメンブレンにプレテンション力が印加されることと、好ましくは、プレテンション力は、特にステップb)時および/またはステップc)時にメンブレンとシールとの間の摩擦力より小さいことと、を特徴とする。プレテンション力は、メンブレン表面に沿って作用し、好ましくは、特に摩擦力が作業空間から出る少なくとも1つのメンブレンの動きに対抗する場合、少なくとも1つのメンブレンと少なくとも1つのシールとの間の摩擦力に対抗して作用する。ステップa4)によるプレテンション印加によってメンブレンに印加されるプレテンション力は、好ましくは少なくともステップb)時および/または少なくともステップc)時にメンブレンにも印加される。プレテンション力は、従って、特にステップc)において、小さな膨張力でもメンブレンにシールを通らせるのに十分であるようにメンブレンによるシールの通行に寄与することができる。特にメンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗し、メンブレンとシールとの間の摩擦力より小さいプレテンション力によってメンブレンへの負荷を低下させてよく、従ってメンブレンの耐用年数を増大させることができる。特に、ステップb)時および/またはステップc)時、これらのステップにおいてメンブレンは、圧力および/または温度の印加に起因して既に高い負荷をかけられているので、特に、メンブレンとシールとの間の摩擦力に対抗するプレテンション力は、メンブレンとシールとの間の摩擦力より小さいことが望ましい。ステップc)時、特にこれに加えて、メンブレンは、既に、圧力の印加に起因して、製造されるかまたは機械加工されるワークピースと実質的に連続的に接触している。プレテンション力は、ステップb)および/またはステップc)の前および/または後にメンブレンとシールとの間の摩擦力より小さいこともある。
【0046】
本方法の実施形態によれば、ステップb)時および/またはステップc)時に、メンブレンに印加されるプレテンション力は、プレテンションを変えるための装置によって変えられ、特に低下すると規定される。その結果、特にステップb)時および/またはステップc)時にメンブレンに強い力が作用するので、本方法時にメンブレンへの負荷をできるだけ低く保つことができる。それによって、封止力に応じてプレテンション力を変えることができる。好ましくは、プレテンション力は、封止力が低くなると低くされ、および/またはプレテンション力は、封止力が増大すると増大される。あるいはまたはさらに、プレテンション力は、メンブレンへの圧力および/または温度の印加に応じて変えられてよい。好ましくは、プレテンション力は、圧力および/または温度が低くなると低くされ、および/またはプレテンション力は、圧力および/または温度が増大すると増大される。プレテンション力は、ステップb)および/またはステップc)の前および/または後にも変えられ、好ましくは増大され、および/または低くされてよい。
【0047】
本方法のさらなる構成は、特にステップb)時および/またはステップc)時に膨張力とプレテンション力との和がメンブレンとシールとの間の摩擦力より大きいことを特徴とする。これは、メンブレンが摩擦力に対抗してシールを通ることを可能にする。これは、好ましくは、少なくとも1つのシールに隣接する膨張力ならびにメンブレンに沿ってこの膨張力の方向に作用するプレテンション力である。しかし、膨張力は、単独で通行を起こさせる必要はなく、従って、より小さくてよい。従って、シールに隣接する膨張力は、好ましくは膨張力に対抗する、メンブレンとシールとの間の摩擦力より小さいと有利に規定されてよい。有利には、この場合、プレテンション力もメンブレンとシールとの間の摩擦力より小さい。
【0048】
本方法のさらなる実施形態は、空洞の中の作業媒体の圧力および/または温度は、ステップb)時および/またはステップc)時に変えられると規定する。空洞の中の作業媒体の圧力および/または温度を変えることができることによって、メンブレンおよび/またはワークピースに作用する圧力および/またはメンブレンおよび/またはワークピースに作用する温度も変えることができる。圧力と温度との両方を変えることができるので、一定の圧力と一定の温度との代わりに変動する圧力および温度プロファイルを提供することが可能である。例えば、最初に圧力および/または温度の増加が提供されてよく、次に一定の圧力および/または温度が維持されてよく、最後に圧力および/または温度の低下が提供されてよい。例えば、作業媒体の流入または流出による空洞の中に配置された作業媒体の量の変化によって、作業媒体の圧力の変化が可能にされる。他方で、例えば、循環する作業媒体と、空洞の中に配置された作業媒体より高いかまたは低い温度を有し、従って空洞の中に配置された作業媒体を加熱するかまたは冷却する流入作業媒体と、によって作業媒体の温度の変化が実現されてよい。
【0049】
本方法のさらなる実施形態によれば、ステップa)において提供される装置は、好ましくはシールに隣接して、封止力を変えるための少なくとも1つの装置を含むと規定される。封止力を変えるための装置によってメンブレンに作用する摩擦力も変えることができる。封止力の変更可能性は、例えば、シールに作用するアクチュエータであって、メンブレン表面にシールをより強く、またはより弱く押圧するアクチュエータによって実現することができる。2つ以上のシールが提供される場合、好ましくは、各シールにおける封止力を他のシールと独立に設定および変化させることができるように封止力を変えるための装置が各シールに提供される。メンブレン、作業媒体および/またはワークピースへの圧力および/または温度の印加時に封止力を変えることによって、シールの有効性を本方法時に変化する要件に適合させることが可能である。従って、ニーズに基づくシールの有効性の適合は、特に有利である。なぜならば、特に良好なシール(高い封止力)と特に良好なメンブレンの動きやすさ、特にシールを通るメンブレンの良好な能力(低い封止力)という2つの目的は、同時にかつ最大程度に実現することができず、この点で目的の対立があるからである。そのような目的の対立を解決する1つの方法は、競合する目的の間の順位を確立することである。例えば、主目的として良好なシールが定義される一方で、メンブレンの良好な動きやすさは、第2の目的としてのみ定義される。本方法時に封止力を変えることができることによって、本方法時に競合する目的の間の順位を変えることが可能である。例えば、本方法の開始時点で(例えば温度上昇中の加熱段階において)は、この段階において、特にメンブレンの熱誘起膨張が可能にされることになっているため、メンブレンの動きやすさを主目的として定義することができる。これは、メンブレンとシールとの間の低い封止力、従って低い摩擦力を設定することによって実現される。他方、本方法のさらなる経過において(例えば一定の高い温度および高い圧力において)、この段階では高い漏れのリスクがある一方で、特に、ほぼ一定の温度の結果としてメンブレンの熱誘起膨張はもはやほとんど起こらないため、メンブレンの良好な封止を主目的として定義することができる。このことは、メンブレンとシールとの間のより高い封止力、従ってより高い摩擦力を設定することによって実現することができる。従って、封止力の調整可能性または変更可能性は、競合する目的の状況に基づいた優先順位付けと、ニーズに基づいた優先順位付けと、を可能にする。
【0050】
本方法の1つの構成は、ステップa)において提供される装置が、少なくとも1つの第2のメンブレンを含み、少なくとも閉位置において少なくとも第2のメンブレンと第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールとの間に作業媒体のための少なくとも1つの第2の空洞が形成され、第2の空洞を封止するために、少なくとも1つの第2のシールを利用して第2のメンブレンに封止力が印加されることができ、第2のメンブレンは、第2のシールを通らされることができることを特徴とする。第2のメンブレンの使用は、メンブレンの曲げなしでもワークピースの複数の面への作用を可能にする。従って、2つの別々のメンブレンが用いられると、ワークピースは、例えばワークピースの局所的な変形に反応するために個々に作用を受けることができる。少なくとも1つのメンブレンは、好ましくは、第1のプレスツールに結合されることができ、少なくとも第2のメンブレンは、第2のプレスツールに結合されることができる。少なくとも1つのメンブレンと少なくとも第2のメンブレンとは、同一の厚さまたは異なる厚さを有してよい。特にステップb)時および/またはステップc)時に、少なくとも1つのメンブレン、少なくとも第2のメンブレン、少なくとも1つの空洞および/または少なくとも第2の空洞に実質的に同じ圧力および/または実質的に同じ温度および/または異なる圧力および/または異なる温度もそれぞれの場合に印加されてよい。好ましくは、ステップb)において、少なくとも第2のメンブレンに封止力が印加されることによって少なくとも第2のメンブレンと少なくとも第2のシールとの間に摩擦力が印加されるとも規定される。有利には、ステップc)において、好ましくは、少なくとも第2の空洞の中の作業媒体を利用して少なくとも第2のメンブレンに圧力および/または温度が印加され、少なくとも第2のメンブレンは、少なくとも作業空間において少なくとも部分的に膨張し、好ましくは、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールより強く膨張し、好ましくは少なくとも第2の空洞の中の作業媒体を利用して少なくとも第2のメンブレンに圧力が印加され、圧力は、少なくとも第2の空洞の中への少なくとも第2のメンブレンの膨張に対抗し、従って少なくとも第2のメンブレンのメンブレン表面に沿った第2の膨張力を生じるとも規定される。第2の膨張力は、少なくとも第2のシールに隣接して少なくとも第2のメンブレンと少なくとも第2のシールとの間の摩擦力に対抗する。好ましくは、ステップc)において、少なくとも第2のメンブレンも、第2の膨張力に起因して少なくとも部分的に少なくとも第2のシールを通らされる。
【0051】
本方法の一実施形態によれば、ステップb)および/またはステップc)において空洞の中に配置された作業媒体の圧力は、少なくとも1.2バール、特に2バールに上げられ、好ましくは、ステップb)および/またはステップc)において、空洞の中に配置された作業媒体の圧力は、10バールと50バールとの間、特に15バールと30バールとの間の範囲の最大圧力に上げられると規定される。圧力を少なくとも1.2バール、特に2バールに上げることによって、特にメンブレン表面に沿って十分に大きな膨張力が印加されることが保証される。しかし、これらの最初に上げられる値は、プレスの作業空間の大きさならびにメンブレンの厚さに強く依存し、場合によっては顕著に高く、例えば少なくとも2.5バール、4バール、5バールであってよく、あるいは8バールでさえあってよい。初期のメンブレン厚さのミリメートルあたり1.0バール~2.0バールの経験則が適用される。次に、記載作業圧力まで増大させるかまたは調節するためにこれらの値が用いられる。場合によって、ステップc)における最大圧力は、次に50バールの最大値の代わりに70バールの最大まで増大されてよい。
【0052】
あるいはまたはさらに、ステップb)および/またはステップc)において、空洞の中に配置された作業媒体の温度は、280℃と500℃との間、特に310℃と410℃との間の範囲の最大温度に上げられると規定されてよい。好ましくは、少なくとも2つの空洞がある場合には両方の空洞の圧力および/または温度がしかるべく上げられる。上記圧力と上記温度とは、繊維複合材料からの成形部品の製造において最適な結果をもたらした。上記の値は、最大値であり、プレスにおける製造時、例えばウォームアップ段階時および冷却段階時にはもっと低い圧力および温度の値にも到達する。
【0053】
最後に、本方法のさらなる実施形態は、本方法がステップb)の後および/またはステップc)の後に行われる以下の、c)装置を開け、ワークピースを取り出すステップを含むことを特徴とする。装置を開けるために、第1のプレスツールおよび/または第2のプレスツールは、互いに対して開位置に動かされる。開位置において、容易かつ迅速にワークピースを取り出すことができるようにプレスツールの間には十分な空間がある。
【0054】
本発明は、単に好ましい実施形態例を示す図面に基づいて下記にさらに詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1A】本発明による方法を実施するための装置の第1の構成をワークピースが挿入されていない開位置での断面図で示す。
【
図1B】ワークピースが挿入されている開位置における
図1Aからの装置。
【
図1C】ワークピースが挿入されている閉位置における
図1Aからの装置。
【
図4A】本発明による方法を実施するための装置の第2の構成をワークピースが挿入されていない開位置での断面図で示す。
【
図4B】ワークピースが挿入されている開位置における
図4Aからの装置。
【
図4C】ワークピースが挿入されている閉位置における
図4Aからの装置。
【0056】
図1Aは、本発明による方法を実施するための装置1の第1の構成をワークピースが挿入されていない開位置での断面図で示す。装置1は、第1の上部プレスツール2と第2の下部プレスツール3とを含む。2つのプレスツール2、3は、互いに対して例えば垂直方向(
図1Aにおいて矢印によって示される)に動かすことができる。2つのプレスツール2、3は、それによって、開位置と閉位置との間で互いに対して動かすことができる。さらに、プレスは、少なくとも部分的に第1のプレスツール2と第2のプレスツール3との間に配置されるメンブレン4を含む。本事例において、メンブレン4は、第1のプレスツール2に結合される。
図1に示される構成への代替として、メンブレン4は、第2のプレスツール3に結合されることもできる。メンブレン4と第1のプレスツール2との間に作業媒体、例えば油のための空洞5が形成される。メンブレン4は、金属から製造され、好ましくは0.2mmと3.5mmとの間の範囲の厚さを有する。空洞5は、チャンネル6を通して作業媒体で満たすことができる。上部プレスツール2と下部プレスツール3との両方の中には加熱媒体および/または冷却媒体を導くことができる孔7が設けられる。
【0057】
図1Aに示した装置1の構成において、第1のプレスツール2と第2のプレスツール3との間にワークピース(
図1Aには図示せず)を挿入することができる作業空間8が形成される。本構成において、作業空間8は、特に第2のプレスツール3の中の凹み8aを含む。2つのプレスツール2、3は、例えば突起9Aと凹み9Bとによって形成させることができるガイド9を有し、突起9Aは、第2のプレスツール3上に設けられてよく、凹み9Bは、第1のプレスツール2上に設けられてよい。
【0058】
メンブレン4は、以下の方法で第1のプレスツール2に結合される。第1のプレスツール2は、第1のプレスツール2にネジ止めされる(ネジ結合は
図1Aに示さず)外周縁要素10を有する。第1のプレスツール2とその縁要素10との間にメンブレン4が導かれるギャップ11が形成される。ギャップ11は、メンブレン4が中にクランプされるクランプ装置13が設けられている中空空間12に開く。クランプ装置13は、テンションアンカー14と結合され、テンションアンカー14は、開口部を通って第1のプレスツール2と縁要素10から外に導かれ、そこで自体を外表面において支えているバネ15によって外向きに押圧され、それによって、メンブレン4にプレテンション、特にプレテンション力F
Vが提供されることができる。空洞5を封止するために、メンブレン4の動きを可能にするシール16がギャップ11の中に設けられる。従って、メンブレン4は、シール16を通らされることができる。封止力を変えるための装置17がシール16に隣接して設けられる。プレテンションを変えるための装置18もバネ15に隣接して設けられる。
【0059】
図1Bは、ワークピース19が挿入されている開位置における
図1Aからの装置1を示す。既に記載された装置1の領域も対応する参照番号とともに
図1Bに提供される。
図1Aに示された位置との差異は、作業空間8、特に第2のプレスツール3の凹み8Aの中にワークピース19が挿入されたことである。
【0060】
図1Cは、閉位置における
図1Aからの装置1を示す。既に記載された装置1の領域も対応する参照番号とともに
図1Cに提供される。装置1は、2つのプレスツール2、3を互いの方に閉位置に動かすことによって閉じられた。
図1Cに示した位置において、ワークピース19に圧力および/または温度が印加される。チャンネル6を通して空洞5の中に導かれる作業媒体、例えば油によって圧力が印加され、それによって、メンブレン4は、ワークピース19の方に押圧される。温度は、種々の方法で印加されてよい。1つの可能性は、チャンネル6を通して空洞5の中に導かれる作業媒体を、熱が空洞5の中に配置された作業媒体からメンブレン4を通ってワークピース19に伝達されるように加熱することである。逆に、作業媒体は、ワークピース19を冷却するために冷却されてもよい。あるいはまたはさらに、孔7に加熱媒体および/または冷却媒体が流され、それによって、まず2つのプレスツール2、3、次にメンブレン4およびワークピース19も加熱または冷却されることができると規定されてよい。同じ方法でメンブレン4、第1のプレスツール2および/または第2のプレスツール3に圧力および/または温度が印加されてよい。圧力作用の結果、ワークピース19は、
図1Cに示した位置において圧縮される。
【0061】
図2は、拡大図において
図1Cからの装置1の一部の領域を示す。既に記載された装置1の領域も対応する参照番号とともに
図2に示される。
図2Aにおいてメンブレン4のクランプと封止とが特に分かりやすい。空洞5は、メンブレン4に封止力F
Dを印加するシール16によって、好ましくは封止力F
Dでメンブレン4を押圧するシール16によって少なくとも部分的に封止される。封止力F
Dは、メンブレン4の表面に垂直、すなわち
図2Aにおいてほぼ垂直の方向に作用する。封止力F
Dの大きさは、封止力を変えるための装置17によって変えることができる。これは、例えば封止力を変えるための装置17が、メンブレン4に対して力を増減してシール16を押圧するアクチュエータを有することで行うことができる。封止力F
Dが大きくなるほど信頼性の高いシールを生む結果となるが、メンブレン4の動きやすさを制限する。逆に、封止力F
Dが小さくなるほどメンブレン4の動きやすさが改善されるが、シールの質の低下とそれに伴う漏れのリスクにつながる。従って、封止力F
Dの大きさは、封止力を変えるための装置17によって、プロセスパラメータ(特に空洞5の中の圧力および/または温度)に応じて最適値に設定されてよい。
【0062】
図2に表示した封止力F
Dは、メンブレンとシールとの間の摩擦力F
Rを生じる。摩擦力F
Rは、メンブレン表面に沿って、従ってメンブレン4の表面に平行に、すなわち
図2においてほぼ水平の方向に作用する。摩擦力F
Rは、常にメンブレン4の動きと反対の方向を向く。メンブレン4は、特に熱誘起されて膨張および収縮することができるので、従って摩擦力F
Rは、異なる方向(
図2において両矢印によって表される)を有することができる。例えば、作業空間8の中のメンブレン4の膨張の場合、摩擦力F
Rは、作業空間8から外に向かうメンブレン4の動きに対抗する。作業空間8の中のメンブレン4の収縮の場合、摩擦力F
Rは、作業空間8の中へのメンブレン4の動きに対抗する。摩擦力F
Rの大きさは、それを生じる封止力F
Dの大きさに依存し、多くの場合に特定の限度内でほぼ線形の関係がある(摩擦力と接触圧との間の比は、「摩擦係数」とも呼ばれる)。
【0063】
さらに、メンブレン4にプレテンションが印加されるプレテンション力F
Vが
図2に示される。プレテンション力F
Vは、メンブレン表面に沿って、従ってメンブレン4の表面に平行、すなわち
図2においてほぼ水平の方向に作用する。プレテンション力F
Vの大きさも、すなわちプレテンションを変えるための装置18を用いて設定または変化させることができる。プレテンション力F
Vの設定または変更は、例えばバネ15のプレテンションの変化によって実現されてよい。
【0064】
図3は、
図1Cからの装置1の一部を拡大図で示す。2つのプレスツール2、3は、閉位置に配置されている。メンブレンを利用してワークピース19にも圧力および/または温度が印加されることができるように、メンブレン4に圧力および/または温度が印加される。ワークピース19への圧力および/または温度の均一な印加を実現するために、メンブレン4は、実質的に連続的にワークピース4と接触するべきである。しかし、メンブレン4への圧力および/または温度の印加に起因して、特に熱的に誘起されたメンブレン4の膨張があり得る。2つのプレスツール2、3も、圧力および/または温度の印加に起因して、特に熱的に誘起されて膨張することができる。メンブレン4の膨張は、通常、プレスツール2、3の膨張より大きい。これは、メンブレン4は、通常、プレスツール2、3が製造される材料より低い熱膨張率を有する材料から製造されるという事実に起因する。プレスツール2、3は、例えば、インバーから製造される。メンブレン4の膨張に起因して、メンブレン4のメンブレン表面は広がり、および/またはメンブレン4は伸長し、それによって、膨張するメンブレン4が空洞5の中に膨張する、特に空洞5の中に膨らむ危険がある。空洞5へのメンブレン4の膨張は、例として
図3において破線を用いて表示される。空洞5の中へのメンブレン4の膨張は、メンブレン4がワークピース19から剥がれ、従ってもはや実質的に連続的にワークピース19と接触しておらず、メンブレン4を利用してワークピース19に圧力および/または温度が均一に印加されることができないという結果となる。空洞5の中へのメンブレン4の膨張に対抗するために、従って、特に空洞5の中の作業媒体を利用してメンブレン4に圧力が印加される。圧力のこの印加は、特に、前に説明した空洞5の中の作業媒体を利用するメンブレン4への圧力および/または温度の印加であってよい。それに関して、メンブレン4に印加される圧力は、メンブレン4が空洞5の方向に膨張する圧力と少なくとも等しく、好ましくはより大きくなければならない。
【0065】
メンブレン4への圧力の印加によってメンブレン4のメンブレン表面に沿って膨張力F
Aが生じる。膨張力F
Aは、それに関して、好ましくは、メンブレン4に印加される圧力が少なくとも部分的にメンブレン4のメンブレン表面に沿って散逸することで生じる。メンブレン4に圧力を印加することによって、メンブレン4も少なくとも部分的に、機械加工されるかまたは製造されるワークピース19に対して押圧される。その結果、メンブレンは、少なくとも部分的にワークピース19とメンブレン4に加えられる圧力との間で(
図3において矢印によって表される)「クランプ」される。このクランプに起因して、メンブレン4は、実質的にメンブレン4のメンブレン表面に沿って膨張することしかできず、そのこともメンブレン4のメンブレン表面に沿った膨張力F
Aを生じることに寄与する。
【0066】
膨張している、または膨張したメンブレン4がワークピース19から剥がれず、実質的に連続的にワークピース19と接触するには、メンブレン4のメンブレン表面が広がった、および/またはメンブレン4が伸長した分の表面または区間も作業空間8から外に導かれなければならない。さもないとメンブレンは、プレスツール2、3に隣接して、特にギャップ11に隣接して弛む可能性がある。メンブレン4を少なくとも部分的に作業空間8の外へ導くには、メンブレン4は、シール16を通らされなければならない。それに関して、メンブレン4によるシール16の通行は、メンブレン4のメンブレン表面に沿って作用する膨張力FAによって生じる。しかし、摩擦力FRがメンブレン4によるシール16の通行に対抗し、封止力FDに起因してメンブレン4とシール16との間に印加される。従って、膨張力FAは、少なくともシール16に隣接して摩擦力FRに対抗する。メンブレン4がシール16を通るには、メンブレン4とシール16との間の摩擦力FRに対抗し、シール16に隣接して作用するメンブレン4のメンブレン表面に沿って作用する力の和が、好ましくはメンブレン4とシール16との間の摩擦力FRより大きくなければならない。メンブレン4とシール16との間の摩擦力FRに対抗し、シール16に隣接して作用する、メンブレン4のメンブレン表面に沿って作用する力の和は、それに関して、少なくとも、シール16に隣接する膨張力FAを含む。好ましくは、膨張力FAが摩擦力FRより大きければ、メンブレン4にシール16を通らせるために追加の力は必要ない。しかし、さらに、プレテンションを変えるための装置を利用してメンブレン4に印加することができるプレテンション力FVもメンブレン4にシール16を通らせる助けとなり得る。シール16に隣接する膨張力FAと、膨張力FAと同じ方向に作用するプレテンション力FVと、の和は、この場合、膨張力FAに対して作用するメンブレン4とシール16との間の摩擦力FRより大きくなければならない。メンブレン4によるシール16の通行を単純化するために、従って、封止力FDは、メンブレンへの圧力および/または温度の印加時に封止力を変えるための装置17によって低下されると規定することができる。
【0067】
ワークピース19に圧力および/または温度が十分に印加された後に、
図1Aおよび
図1Bに示した開位置に2つのプレスツール2、3を戻すことができる。次に装置1からワークピースを取り出すことができる。
【0068】
図4Aは、本発明による方法を実施するための装置1’の第2の構成をワークピースが挿入されていない開位置での断面図で示す。装置1’は、装置1’が第2のメンブレン4B’を含む点で実質的に
図1A~
図3からの装置1と異なる。しかし、2つの装置1、1’の機能は、基本的に同じである。従って、本事例においては、特に2つの装置1、1’の間の差異について詳細が示される。
【0069】
図4Aに示した装置1’は、第1の上部プレスツール2’と第2の下部プレスツール3’とを含む。2つのプレスツール2’、3’は、開位置と閉位置との間で互いに対して例えば垂直の方向に(
図4Aにおいて矢印によって示される)動かすことができる。さらに、装置1’は、第1の上部メンブレン4A’と第2の下部メンブレン4B’とを含み、第1のメンブレン4A’は、第1のプレスツール2’に結合され、第2のメンブレン4B’は、第2のプレスツール3’に結合される。第1のメンブレン4A’とそれに結合された第1のプレスツール2’との間に作業媒体のための第1の空洞5A’が形成され、第2のメンブレン4B’とそれに結合された第2のプレスツール3’との間に作業媒体のための第2の空洞5B’が形成され、作業媒体は、例えば油であってよい。メンブレン4A’、4B’は、金属から製造され、好ましくは0.2mmと3.5mmとの間の範囲の厚さを有する。空洞5A’、5B’は、それぞれチャンネル6’を通して作業媒体で満たすことができる。第1のプレスツール2’の中と第2のプレスツール3’の中との両方に加熱媒体および/または冷却媒体を導くことができる孔7’が設けられる。
【0070】
図4Aに示した装置1も、ワークピース(
図4Aには図示せず)を挿入することができる作業空間8’を有する。作業空間8’は、一部は第1のプレスツール2’の中に、一部は第2のプレスツール3’の中に延在する。2つのプレスツール2’、3’は、例えば突起9A’と凹み9B’とによって形成させることができるガイド9’を有し、突起9A’は、第2のプレスツール3’の上に設けられてよく、凹み9B’は、第1のプレスツール2’の上に設けられてよい。
【0071】
第1のメンブレン4A’は、第1のプレスツール2’に以下の方法で結合される(第2のメンブレン4B’と第2のプレスツール3’とに同じことが適用される)。第1のプレスツール2’は、第1のメンブレン4A’が導かれるギャップ11’をその縁領域の中に有する。ギャップ11’は、第1のメンブレン4A’が中にクランプされるクランプ装置13’が設けられている中空の空間12’に開いている。クランプ装置13’は、開口部を通って第1のプレスツール2’から外に導かれ、そこで自体を外表面に支持するバネ15’によって外向きに押圧され、それによって、第1のメンブレン4A’にプレテンション、特にプレテンション力FVを提供することができるテンションアンカー14’に結合される。バネ15’に隣接して、プレテンション、特にプレテンション力FVを変えることができる、プレテンションを変えるための装置18’も設けられる。第1の空洞5A’を封止するために、第1のメンブレン4A’の動きを可能にするシール16’がギャップ11’の中に設けられる。シール16’に隣接して、封止力を変えるための装置17’も設けられる。
【0072】
図4Bは、ワークピース19’が挿入された開位置において
図4Aからの装置1’を示す。既に記載された装置1’の領域も対応する参照番号とともに
図4Bに提供される。
図4Aに示した位置との差異は、第2のプレスツール3’の作業空間8’にワークピース19’が挿入されたことである。ワークピース19’に加えて、装置1の作業空間8’に2つのさらなるワークピース19A’が挿入され、ワークピース19A’は、例えばZ形の断面を有する既に予め製造された補強要素(例えば航空機胴体の「桁」)であってよい。ワークピース19A’は、後続の製造ステップにおいてワークピース19’に結合されるはずである。ワークピース19A’の複雑な幾何形状にもかかわらず均一な圧力分布を可能にするために、形状が作業空間8’の形とワークピース19、19A’の形とに適合する複数のコア20’が作業空間に挿入される。
【0073】
図4Cは、閉じた位置において
図4Aからの装置1’を示す。既に記載された装置1’の領域も対応する参照番号とともに
図4Cに提供される。装置1’は、閉位置の方に2つのプレスツール2’、3’を互いに動かすことによって閉じられた。
図4Cに示した閉位置において、圧力および/または温度がワークピース19’に印加される。圧力および/または温度の印加は、本方法を実施するための装置1の第1の構成と関連して記載した手法によって行われる。第2の本実施形態において、2つの空洞5A’、5B’は、互いに独立に作業媒体で満たされてよいが、2つの空洞5A’、5B’は、好ましくは作業媒体で均一に満たされる。2つの空洞5A’、5B’の中の作業媒体および/または2つのメンブレン4A’、4B’にもそれぞれ独立に圧力および/または温度が印加されてよい。あるいはまたはさらに、2つの空洞5A’、5B’の中の作業媒体および/または2つのメンブレン4A’、4B’に圧力および/または温度が均一に印加される。
【0074】
図5は、
図4Cからの装置1’の一部を拡大図で示す。2つのプレスツール2’、3’は、閉位置にある。メンブレン4A’、4B’を利用してワークピース19’にも圧力および/または温度が印加されることができるように、2つのメンブレン4A’4B’に圧力および/または温度が印加される。空洞5A’、5B’も、それぞれのメンブレン4A’、4B’に封止力F
Dを印加するシール16’によって、好ましくはそれぞれのメンブレン4A’、4B’を封止力F
Dで押圧するそれぞれのシール16’によって少なくとも部分的に封止される。封止力F
Dは、それぞれのメンブレン4A’、4B’の表面に垂直、すなわち
図5においてほぼ垂直の方向に作用する。封止力F
Dの大きさは、封止力を変えるためのそれぞれの装置17’によって変えることができ、封止力を変えるためのそれぞれの装置17’は、それぞれの封止力F
Dを独立に変えることができる。
【0075】
しかし、封止力を変えるための装置17’は、好ましくはそれぞれの封止力FDを一律に変える。本方法を実施するための装置1の第1の構成について既に説明したように、それぞれの封止力FDは、それぞれのメンブレン4A’、4B’とそれぞれのシール16’との間のそれぞれの摩擦力FRを生じる。摩擦力FRは、それによって、それぞれのメンブレン4A’、4B’のメンブレン表面に沿って、従ってそれぞれのメンブレン4A’、4B’の表面に平行に作用する。
【0076】
装置1’のこの第2の構成においても、メンブレン4A’、4B’への圧力および/または温度の印加に起因して、これは、特にメンブレン4A’、4B’の熱膨張を生じ得るという問題が発生する。2つのプレスツール2’、3’も、圧力および/または温度の印加によって特に熱的に膨張することができ、メンブレン4A’、4B’の膨張は、通常、プレスツール2’、3’の膨張より強い。装置1の第1の構成について既に説明したように、メンブレン4A’、4B’のそれぞれのメンブレン表面は広がり、および/またはメンブレン4A’、4B’は伸長し、それによって、膨張するメンブレン4A’、4B’がそれぞれの隣接する空洞5A’、5B’の中に膨張する危険がある。例として、それぞれの空洞5A’、5B’の中へのメンブレン4A’、4B’の膨張が
図5において破線を用いて表示される。装置1’のこの構成において、それぞれの空洞5A’、5B’へのメンブレン4A’、4B’の膨張に対抗するために、特にそれぞれの空洞5A’、5B’の中の作業媒体を利用してメンブレン4A’、4Bにも圧力が印加される。圧力のこの印加は、特に、それぞれの空洞5A’、5B’の中の作業媒体を利用した、特に、前に説明したメンブレン4A’、4B’への圧力および/または温度の印加であってよい。メンブレン4A’、4B’に印加された圧力は、それに関して、それぞれの場合に、それぞれのメンブレン4A’、4B’がそれぞれの隣接する空洞5A’、5B’の方向に膨張する圧力と少なくとも等しく、好ましくはより大きくなければならない。圧力は、それによって、それぞれの場合に、メンブレン4A’、4B’に互いに独立にまたは均一に印加されることができる。メンブレン4A’、4B’への圧力の印加は、それぞれのメンブレン4A’、4B’のメンブレン表面に沿ったそれぞれの膨張力F
Aを生じる。
【0077】
装置1の第1の構成に関して既に説明したように、それぞれのメンブレン4A’、4B’は、膨張力FAに起因してそれぞれの摩擦力FRに対抗してシールを通ることができる。それぞれのメンブレン4A’、4B’とそれぞれのシール16’との間のそれぞれの摩擦力FRに対抗し、それぞれのシール16’に隣接して作用する、それぞれのメンブレン4A’、4B’のメンブレン表面に沿って作用する力の和は、好ましくは、それぞれのメンブレン4A’、4B’とそれぞれのシール16’との間のそれぞれの摩擦力FRより大きくなければならない。本事例において、メンブレン4A’、4B’あたりの力のこの和は、大きさが異なっていても等しくてもよいと規定することができる。さらに、メンブレン4A’、4B’あたりのそれぞれのシールに隣接する膨張力FAは、大きさが異なっていても等しくてもよい。プレテンションを変えるためのそれぞれの装置18’を利用してそれぞれのメンブレン4A’、4B’に印加されることができ、メンブレン4A’、4B’あたりのそれぞれの膨張力FAと同じ方向に作用するプレテンション力FVも、大きさが異なっていても等しくてもよい。シール16に隣接する膨張力FAと、膨張力FAと同じ方向に作用するプレテンション力FVとの和も、メンブレン4A’、4B’あたりの大きさが異なっていても等しくてもよい。同様に、封止力FDの変化は、メンブレン4A’、4B’あたりの封止力を変えるための装置17によって互いに独立にまたは均一に行われてよい。
【符号の説明】
【0078】
1、1’ 装置
2、2’ 第1の(上部)プレスツール
3、3’ 第2の(下部)プレスツール
4、4A’、4B’ メンブレン
5、5A’、5B’ 空洞
6、6’ チャンネル
7、7’ 孔
8、8’ 作業空間
8A 凹み
9、9’ ガイド
9A、9A’ 突起
9B、9B’ 凹み
10 縁要素
11、11’ ギャップ
12、12’ 中空空間
13、13’ クランプ装置
14、14’ テンションアンカー
15、15’ バネ
16、16’ シール
17、17’ 封止力を変えるための装置
18、18’ プレテンションを変えるための装置
19、19’、19A’ ワークピース
20’ コア
FA 膨張力
FD 封止力
FR 摩擦力
FV プレテンション力
【国際調査報告】