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特表2024-510394検査用スライド及びブロックの品質を検証する人工知能を活用した分子ワークフロー用のシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】検査用スライド及びブロックの品質を検証する人工知能を活用した分子ワークフロー用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20240229BHJP
   G16H 30/00 20180101ALI20240229BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551707
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 US2021062092
(87)【国際公開番号】W WO2022191884
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/158,781
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518307592
【氏名又は名称】ペイジ.エーアイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PAIGE.AI, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ラシティ, パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】カナン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ボズクルト, アリカン
(72)【発明者】
【氏名】ドグダス, ベルマ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA26
(57)【要約】
検査用スライド又はブロックの品質を検証するシステム及び方法が開示されている。本方法は、1つ以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することを含んでもよい。集合は、組織ブロックに関連付けられ、インスタンスに対応してもよい。方法は、集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、属性の存在を示す集合におけるデジタル画像から属性を有する組織の量又は割合を判定することと、判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、を含んでもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査用スライド及びブロックの品質を検証するコンピュータ実装方法であって、
組織ブロックに関連付けられ、かつインスタンスに対応する1つ以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することと、
前記集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、
前記属性の前記存在を示す前記集合におけるデジタル画像から前記属性を有する組織の量又は割合を判定することと、
前記判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、
を含む、前記コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記量又は割合を判定することは、前記属性の前記存在を示す前記集合の前記デジタル画像を組織の総量で合計するとともに正規化することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記デジタル画像の集合の各デジタル画像をタイルの集合に分割することと、
前記デジタル画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、
前記背景を含む前記タイルの集合の全てのタイルを除去することと、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記検出及び/又はセグメント化することは、1つ以上の閾値ベースの方法を用いて接続コンポネントアルゴリズムを実行することを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記検出及び/又はセグメント化することは、1つ以上のセグメンテーションアルゴリズムを用いることを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
後続の検査のために、最高品質スコアを有する組織ブロックを判定することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記組織ブロックは、検査のために準備される少なくとも1つの追加スライドを有することをユーザに提示することをさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記品質スコアが十分に低いか否かを判定することをさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記品質スコアが十分に低いと判定された場合に、新たな検査用ブロックを準備することをユーザに提示することをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記品質スコアに対応する少なくとも1つの変数の関数を出力することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの変数の前記関数は、線形関数である、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの変数の前記関数は、非線形関数である、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記属性がどこに位置するかを示す二値画像を出力することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
各デジタル画像に対する1つ以上のラベルを含む概要注釈を受信することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記1つ以上のラベルは、画素レベルラベル、タイルレベルラベル、スライドレベルラベル及び/又は部分検体レベルラベルである、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記デジタル画像は、デジタル病理組織画像である、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
機械学習モデルを用いて検査用スライド及びブロックの品質を検証するシステムであって、
命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行して操作を行うように構成される少なくとも1つのプロセッサーと、
を備え、
前記操作は、
組織ブロックに関連付けられ、かつインスタンスに対応する1つ以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することと、
前記集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、
前記属性の前記存在を示す前記集合におけるデジタル画像から前記属性を有する組織の量又は割合を判定することと、
前記判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、
を含む、前記システム。
【請求項18】
前記量又は割合を判定することは、前記属性の前記存在を示す前記集合の前記デジタル画像を組織の総量で合計するとともに正規化することを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
プロセッサーにより実行されると、機械学習モデルを用いて検査用スライド及びブロックの品質を検証する方法を実行する命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記方法は、
組織ブロックに関連付けられ、かつインスタンスに対応する1枚以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することと、
前記集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、
前記属性の前記存在を示す前記集合におけるデジタル画像から前記属性を有する組織の量又は割合を判定することと、
前記判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、
を含む、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項20】
前記方法は、
前記デジタル画像の集合の各デジタル画像をタイルの集合に分割することと、
前記デジタル画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、
前記背景を含む前記タイルの集合の全てのタイルを除去することと、
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月9日に出願された米国仮出願第63/158,781号の優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の様々な実施形態は、概して、画像処理方法に関する。より具体的には、本開示の特定の実施形態は、検査用スライドおよびブロックの品質を検証するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍のゲノムシーケンス決定のための今のワークフローには、多くの非効率なことがある。例えば、現在のワークフロー処理では、シーケンシング用の最良のスライド又は腫瘍領域の切片を選択するために病理医が資料を見直す必要があり、これには手間や時間がかかる場合がある。
【0004】
現在の技術での困難な点には、検査(例えば、ゲノムシーケンス決定)用のヒト又は動物の患者から採取した最良の組織ブロック及び/又はスライドを識別すること、及び患者から採取され選択された組織ブロック及び/又はスライドが適切な腫瘍組織を含むことを確認することが含まれる。
【0005】
本明細書の背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に示すことを目的とする。本明細書において特に言及しない限り、本セクションに記載された事項は、本願の特許請求の範囲の従来技術ではなく、本セクションに包含されることにより、従来技術及びその示唆であることを認めるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様によれば、検査用スライド及びブロックの品質を検証するシステム及び方法を開示する。
【0007】
検査用スライドとブロックの品質を検証する方法は、コンピュータで実施されてもよい。方法は、1つ以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することを含んでもよい。集合は、組織ブロックに関連付けられ、インスタンスに対応してもよい。方法は、集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、属性の存在を示す集合におけるデジタル画像から属性を有する組織の量又は割合を判定することと、判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、を含んでもよい。
【0008】
量又は割合を判定することは、属性の存在を示す集合のデジタル画像を組織の総量で合計するとともに正規化することを含んでもよい。デジタル画像は、デジタル病理組織画像であってもよい。
【0009】
方法は、デジタル画像の集合の各デジタル画像をタイルの集合に分割することと、デジタル画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、背景を含むタイルの集合の全てのタイルを除去することと、を含んでもよい。検出及び/又はセグメント化することは、1つ以上の閾値ベースの方法を用いて接続コンポネントアルゴリズムを実行することを含んでもよい。検出及び/又はセグメント化することは、1つ以上のセグメンテーションアルゴリズムを用いることを含んでもよい。
【0010】
方法は、後続の検査のために、最高品質スコアを有する組織ブロックを判定することを含んでもよい。組織ブロックは、検査のために準備される少なくとも1つの追加スライドを有することをユーザに提示することを含んでもよい。方法は、品質スコアが十分に低い可能性があるか否かを判定することを含んでもよい。方法は、品質スコアが十分に低い可能性があると判定される場合に、新たな検査用ブロックを準備することをユーザに提示することを含んでもよい。
【0011】
方法は、品質スコアに対応する少なくとも1つの変数の関数を出力することを含んでもよい。少なくとも1つの変数の関数は、線形関数であってもよい。少なくとも1つの変数の関数は、非線形関数であってもよい。
【0012】
方法は、属性がどこに位置して得るかを示す二値画像を出力することを含んでもよい。方法は、概要注釈を受信することを含んでもよい。概要注釈は、各デジタル画像用の1つ以上のラベルを含んでもよい。1つ以上のラベルは、画素レベルラベル、タイルレベルラベル、スライドレベルラベル及び/又は部分検体レベルラベルであってもよい。
【0013】
機械学習モデルを用いて検査用スライド及びブロックの品質を検証するシステムは、命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、命令を実行して操作を行うように構成される少なくとも1つのプロセッサーとを含む。操作は、1枚以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することを含んでもよい。集合は、組織ブロックに関連付けられ、インスタンスに対応してもよい。操作は、集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、属性の存在を示す集合における画像から属性を有する組織の量又は割合を判定することと、判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、を含んでもよい。
【0014】
量又は割合を判定することは、属性の存在を示す集合のデジタル画像を組織の総量で合計するとともに正規化することを含んでもよい。
【0015】
非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、プロセッサーにより実行されると、機械学習モデルを用いて検査用スライド及びブロックの品質を検証する方法を実行する命令を記憶してもよい。方法は、1枚つ以上のデジタル画像の集合をデジタル記憶装置で受信することを含んでもよい。集合は、組織ブロックに関連付けられ、インスタンスに対応してもよい。方法は、集合に機械学習モデルを適用して属性の存在又は欠如を識別することと、属性の存在を示す集合におけるデジタル画像から属性を有する組織の量又は割合を判定することと、判定された量又は割合に対応する品質スコアを出力することと、を含んでもよい。
【0016】
方法は、デジタル画像の集合の各デジタル画像をタイルの集合に分割することと、デジタル画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、背景を含むタイルの集合の全てのタイルを除去することと、をさらに含んでもよい。
【0017】
前述の説明も以下の詳細な説明も、例示的かつ説明的なものに過ぎず、開示された実施形態を制限するものではないことを理解されたい。
【0018】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付図面は、様々な例示的な実施形態を示し、本明細書の記載と共に、開示された実施形態の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証するシステム及びネットワークの例示的なブロック図を示す。
【0020】
図1B】本開示の例示的な実施形態に係る疾患検出プラットフォームの例示的なブロック図を示す。
【0021】
図1C】本開示の例示的な実施形態に係るスライド分析ツールの例示的なブロック図を示す。
【0022】
図2】本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証する方法を示すフローチャートである。
【0023】
図3A】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして使用し、品質スコア関数を出力する方法を示すフローチャートである。
図3B】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして使用し、品質スコア関数を出力する方法を示すフローチャートである。
【0024】
図4A】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして使用し、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)が検査のために準備される追加スライドを有すべきか否かを判定する方法を示すフローチャートである。
図4B】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして用いて、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)が検査のために準備される追加スライドを有すべきか否かを判定する方法を示すフローチャートである。
【0025】
図5A】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして使用し、組織の新たなFFPEブロックを検査のために準備すべきか否かを判定する方法を示すフローチャートである。
図5B】本開示の例示的な実施形態に係る機械学習モデルをトレーニングして使用し、組織の新たなFFPEブロックを検査のために準備すべきか否かを判定する方法を示すフローチャートである。
【0026】
図6】本開示の例示的な実施形態に係るブロック品質を評価するための機械学習モデルの例示的な使用である。
【0027】
図7】本開示の技術を実行可能なシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本開示の例示的な実施形態を詳細に参照し、その実施例を添付図面に示す。可能な限り、図面全体を通して同じ参照番号を使用して、同一又は類似の部品を示す。
【0029】
以下、図面を参照しながら、本明細書に開示されるシステム、装置及び方法を実施例で詳細に説明する。本明細書に説明した実施例は、一例に過ぎず、本明細書の機器、装置、システム及び方法の説明を補助するために提供される。また、図示され、又は後述される特徴又は構成要素はいずれも、特に必須と指定されない限り、これらの装置、システム又は方法のいずれかの識別の実施に必須とみなされるべきではない。
【0030】
また、説明のいずれの方法についても、方法がフロー図を用いて説明されたかに関わらず、文脈による別段の指定又は要求がない限り、方法の実行において実行されるステップの明示的又は暗黙的な順序付けは、それらのステップが提示された順序で実行されなければならないことを意味するものではなく、その代わりに、異なる順序で、又は並行して実行されてもよいことを理解すべきである。
【0031】
本明細書に使用されるように、「例示的」という用語は、「理想的」ではなく、「例示」の意味で用いられる。また、本明細書における「a」及び「an」は、数量の制限を示すものではなく、参照する項目のうち1つ以上の存在を示すものである。
【0032】
本明細書に開示される技術は、AI技術を用いて最良の検査用組織ブロック及び/又はスライドを識別してもよく、患者から採取され選択された組織ブロック及び/又はスライドが適切な量の腫瘍を含むことを検証してもよい。データ及び予測は、任意のユーザインタフェースを介して(例えば、デジタル病理閲覧システム、報告書、試験室情報システム等を介して)、瞬時に集約して利用可能としてもよい。機械学習アルゴリズムは、妥当性を迅速かつ同時に評価し、試料を診断カテゴリーに分類し、最も起こりやすい分子変化をスクリーニングするため、腫瘍に対する総分子検査を制限し、十分な量の腫瘍による正当な分子結果の可能性を高める場合がある。
【0033】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態に係る機械学習を用いてスライド及びブロックの品質を検証するシステム及びネットワークのブロック図を示す。
【0034】
具体的には、図1Aは、病院、試験室及び/又は医師のオフィス等でのサーバに接続されてもよい電子ネットワーク120を示す。例えば、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125等はそれぞれ、1台以上のコンピュータ、サーバ及び/又は携帯端末を介してインターネット等の電子ネットワーク120に接続されてもよい。本願の例示的な実施形態によれば、電子ネットワーク120はまた、本開示の例示的な実施形態に係るWSIにおいて組織を分析するスライド分析ツール101を含む疾患検出プラットフォーム100を実装するように構成される処理装置を含んでもよいサーバシステム110に接続されてもよい。
【0035】
医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125は、1人以上の患者のサイトロジー検体(複数可)、病理組織検体(複数可)及びサイトロジー検体(複数可)のスライド(複数可)の画像と、病理組織検体(複数可)のスライド(複数可)のデジタル化画像と、又はそれらの組み合わせとを作成してもよく、又はそうでなければ、それらを取得してもよい。医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125はまた、年齢、病歴、がんの治療歴、家族歴及び過去の生検又はサイトロジー情報等の患者固有情報の任意の組み合わせを取得してもよい。医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125は、電子ネットワーク120を介してデジタル化スライド画像及び/又は患者固有情報をサーバシステム110に送信してもよい。サーバシステム110は、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125の少なくとも1つから受信した画像及びデータを記憶する1台以上の記憶装置109を含んでもよい。サーバシステム110はまた、1台以上の記憶装置109に記憶された画像及びデータを処理する処理装置を含んでもよい。サーバシステム110は、1つ以上の機械学習ツール(複数可)又は機能をさらに含んでもよい。例えば、処理装置は、一実施形態に係る疾患検出プラットフォーム100用の機械学習ツールを含んでもよい。或いは又はそれに加えて、本開示は(又は本開示のシステム及び方法の一部)は、ローカル処理装置(例えば、ラップトップ)で実施されてもよい。
【0036】
医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125は、病理医がスライドの画像をレビューするために用いられるシステムを指す。病院環境では、組織種情報は、試験室情報システム125に記憶されてもよい。本開示の例示的な実施形態によれば、試験室情報システム125にアクセスする必要がなく、類似するターゲットを共有するWSIにおける細胞は、グループ化されてもよい。また、検査室情報システムコンテンツへのアクセスは、その機密性の高いコンテンツのため、制限される場合がある。
【0037】
図1Bは、機械学習を用いてスライド及びブロックの品質を検証する疾患検出プラットフォーム100の例示的なブロック図を示す。
【0038】
具体的には、図1Bは、一実施形態に係る疾患検出プラットフォーム100の構成要素を示す。例えば、疾患検出プラットフォーム100は、スライド分析ツール101、データ取得ツール102、スライド取り込みツール103、スライドスキャナ104、スライドマネージャ105、ストレージ106及び閲覧アプリケーションツール108を含んでもよい。
【0039】
スライド分析ツール101は、後述するように、例示的な実施形態に係る類似するターゲットを共有するWSIにおける細胞をグループ化するプロセス及びシステムを指す。
【0040】
データ取得ツール102は、例示的な実施形態による、デジタル病理画像を分類して処理するために用いられる様々なツール、モジュール、構成要素、装置へのデジタル病理画像の転送を容易にするプロセス及びシステムを指す。
【0041】
スライド取り込みツール103は、例示的な実施形態に係る病理画像をスキャンしてデジタルフォームに変換するプロセス及びシステムを指す。スライドは、スライドスキャナ104でスキャンされてもよく、スライドマネージャ105は、スライド上の画像をデジタル化病理画像に処理してデジタル化画像をストレージ106に記憶してもよい。
【0042】
閲覧アプリケーションツール108は、例示的な実施形態に係るデジタル病理画像(複数可)に関する検体特性又は画像特性情報をユーザ(例えば、病理医)に提供するプロセス及びシステムを指す。情報は、様々な出力インタフェース(例えば、画面、モニタ、記憶装置及び/又はウェブブラウザ等)を介して提供されてもよい。
【0043】
スライド分析ツール101及びその構成要素のそれぞれは、電子ネットワーク120を介してサーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125にデジタル化スライド画像及び/又は患者情報を送受信してもよい。また、サーバシステム110は、スライド分析ツール101、データ取得ツール102、スライド取り込みツール103、スライドスキャナ104、スライドマネージャ105、閲覧アプリケーションツール108の少なくとも1つから受信した画像及びデータを記憶する記憶装置を含んでもよい。サーバシステム110はまた、記憶装置に記憶された画像及びデータを処理する処理装置を含んでもよい。サーバシステム110は、処理装置等により、1つ以上の機械学習ツール(複数可)又は機能をさらに含んでもよい。或いは又はそれに加えて、本開示は(又は本開示のシステム及び方法の一部)は、ローカル処理装置(例えば、ラップトップ)で実施されてもよい。
【0044】
上記の装置、ツール及びモジュールのいずれかは、1台以上のコンピュータ、サーバ及び/又は携帯端末を介して、インターネット又はクラウドサービス事業者等の電子ネットワーク120に接続されてもよい装置に配置されてもよい。
【0045】
図1Cは、本開示の例示的な実施形態に係るスライド分析ツール101の例示的なブロック図を示す。スライド分析ツール101は、トレーニング画像プラットフォーム131及び/又はターゲット画像プラットフォーム135を含んでもよい。
【0046】
一実施形態によれば、トレーニング画像プラットフォーム131は、トレーニング画像取り込みモジュール132、データ分析モジュール133、及び細胞識別モジュール134を含んでもよい。
【0047】
一実施形態に係るトレーニング画像プラットフォーム131は、機械学習モデルをトレーニングしてデジタル病理画像を効率的に分析して分類するために使用されるトレーニング画像を作成又は受信してもよい。例えば、トレーニング画像は、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125のいずれか1つ又は任意の組み合わせから受信されてもよい。トレーニングに用いられる画像は、現実ソース(例えば、ヒト、動物等)からのものであってもよく、又は合成ソース(例えば、グラフィックレンダリングエンジン、3Dモデル等)からのものであってもよい。デジタル病理画像としては、(a)ヘマトキシリンとエオシン(H&E)、ヘマトキシリン単独、IHC、分子病理等の種々の染色剤で染色されたデジタル化スライド、及び/又は(b)マイクロCT等の3D撮像装置からのデジタル化組織試料が挙げられる。
【0048】
トレーニング画像取り込みモジュール132は、1つ以上のヘルス変数及び/又は1つ以上のデータ変数に対応する1つ以上のトレーニングデータセットを含むデータセットを作成又は受信してもよい。例えば、トレーニングデータセットは、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125のいずれか1つ又は任意の組み合わせから受信されてもよい。このデータセットは、デジタル記憶装置に保持されてもよい。データ分析モジュール133は、個別の細胞のセットが、関心のある細胞に属するか又はデジタル化画像の背景に属するかを識別してもよい。細胞識別モジュール134は、デジタル化画像を分析し、かつサイトロジー試料中の個別の細胞をさらに分析する必要があるか否かを判定してもよい。個別の細胞をさらに分析する必要があるか否かを識別し、これらの領域を集約することに有用であり、その識別は、ユーザへの注意喚起をトリガーしてもよい。
【0049】
一実施形態によれば、ターゲット画像プラットフォーム135は、ターゲット画像取り込みモジュール136、検体検出モジュール137及び出力インタフェース138を含んでもよい。ターゲット画像プラットフォーム135は、ターゲット画像を受信し、かつ受信したターゲット画像に機械学習モデルを適用してターゲットデータセットの特徴を判定してもよい。例えば、ターゲットデータは、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、研究室サーバ124及び/又は試験室情報システム125のいずれか又はこれらの組み合わせから受信されてもよい。ターゲット画像取り込みモジュール136は、ターゲットヘルス変数又はデータ変数に対応するターゲットデータセットを受信してもよい。検体検出モジュール137は、ターゲットデータセットに機械学習モデルを適用してターゲットヘルス変数又はデータ変数の特徴を判定してもよい。例えば、検体検出モジュール137は、ターゲット関係の傾向を検出してもよい。検体検出モジュール137はまた、ターゲットデータセットに機械学習モデルを適用してターゲットデータセットの品質スコアを判定してもよい。また、検体検出モジュール137は、ターゲット画像に機械学習モデルを適用して、ターゲット要素が判定の関係に存在するか否かを判定してもよい。
【0050】
出力インタフェース138は、ターゲットデータ及び判定された関係に関する情報を(例えば、画面、モニタ、記憶装置、ウェブブラウザ等に)出力するために用いられてもよい。
【0051】
現在、分子実験室では、染色されないホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)スライドからの組織試料又は次世代シーケンシング(NGS)を用いた血液を用いて腫瘍ゲノムを評価して、遺伝子レベルの変異、融合又は欠失を識別してもよい。この評価は、腫瘍の起源を特定し、予後を推定し、治療方針(目標治療法、免疫腫瘍治療法又はバスケット試験法等)をガイドし、及び/又は微小残存病変(MRD)を評価してもよい。この評価が血液試料に対して比較的単純であってもよい一方、FFPE試料に対して複雑な多段階処理である。
【0052】
FFPEに対して、現在のワークフローは、病理医による生検又は切除スライドのいずれかから腫瘍の一次診断で開始してもよい。患者からの組織検体をFFPEブロックに包埋してもよく、各ブロックの一部をスライスしてスライドを準備してもよく、それらのスライドを用いて診断を行って、FFPEブロックの残りをゲノムシーケンス決定に使用してもよい。
【0053】
一次診断の後、腫瘍治療医は、汎腫瘍検査又は特定の遺伝子検査を要求してもよい。要求は、最適な腫瘍切片(複数可)を含む各FFPEブロックからスライドをレビューするサインアウトした病理医に提示されてもよい。最適な腫瘍切片(複数可)を識別するために、腫瘍純度が最も高く、壊死及び/又は炎症が最も少ない既存スライドを含むブロックを選択すればよい。このステップは、スライドの手動再レビューを介して行われてもよく、非常に手間がかかる場合がある。ブロックを識別した後、そのブロックから11枚の染色されていないスライドを汎腫瘍NGSパネル用のワークフローに切り出してもよい。その後、第11枚のスライドをH&Eで染色し、かつ残存腫瘍に対して評価して、前の10枚の染色されていないスライドが十分な量の腫瘍を有することを確認してもよい。これら10枚の染色されていないスライドは、基本的な患者情報(年齢、性別、トップライン診断)を含む依頼書/フォームとともに分子試験室に送られてもよい。
【0054】
分子試験室に到達すると、第1の染色されていないスライドは、H&Eで染色され、かつ技術者によって顕微鏡下で腫瘍の正確な位置を評価してもよい。腫瘍は、ダイヤモンド鉛筆又はマーカーのいずれかを用いて技術者により注釈をつけられてもよい。この位置は、残りの9枚の染色されていないスライドに大まかにマーキングされることにより、技術者が腫瘍に富むこれらの領域をスライドから「マクロ切除」してもよい。マクロ切除は、スライドの表面から染色されていないFFPE組織をブレードで掻き取ることと、FFPE組織を吸引することにより、組織を浸漬しDNAを抽出することができることとを含む。そして、それらの腫瘍切片に対してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を行ってもよく、結果をロバストなバイオインフォマティックデータパイプラインに渡してもよい。分子病理医は、結果を分析し、かつ変異体を臨床的有意性と作用の様々な段階に分類してもよい。
【0055】
分子検査に十分な腫瘍があれば、分子検査は、試料に対して検査施設に送られた後に行われてもよい。検査施設は、一次診断病理医に返信される包括的な報告書を作成してもよく、この報告書は、腫瘍医の後続のレビューのために、元の診断報告書に添付されてもよい。この処理には、2週間かかる場合があるが、腫瘍が不足である場合に、より多くの時間がかかる場合があり、さらに2週間かかる場合もある。
【0056】
AIを用いた追加検査(例えば、分子/ゲノム検査の適用)のためのFFPEブロックから1つ以上のスライドの品質の識別
本開示のシステムおよび方法は、人工知能(AI)を用いて各ブロックについて利用可能な情報に基づいて各FFPEブロックの品質スコアQを提供することにより、最高品質のFFPEブロックの選択を容易にしてもよい。品質スコアQは、各ブロックの品質(例えば、腫瘍含有率、腫瘍純度、壊死含有率等)を示してもよく、追加検査用の最良又は最適なブロックを判定するために用いられてもよい。品質スコアQを判定する様々な方法については、後述する。ブロックの品質及び/又は品質スコアQは、腫瘍含有率、腫瘍純度及び壊死含有率等に依存してもよい。AIシステム及び/又は病理医は、次に、最高品質のブロックを選択してもよい。AIシステムはまた、各ブロック内の最後(例えば、第11個)のスライドの品質を評価し、そのスライドの品質がある品質及び/又は質量閾値を満たすか否かを判定し及び/又はスライドが品質及び/又は数量閾値を満たさない場合には新たなブロックを選択することにより、ブロックが十分な品質であることを保証する検証処理を容易にしてもよい。
【0057】
図2は、本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証する例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、例示的な方法200(例えば、ステップ202~212)は、スライド分析ツール101によって自動的又はユーザからの要求に応答して行われてもよい。
【0058】
ステップ202において、電子記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、システムメモリ等)における組織ブロックに関連付けられるデジタル病理組織画像の集合を受信することを含んでもよい。
【0059】
ステップ204において、方法は、デジタル病理組織画像のそれぞれをデジタル病理組織画像に関連付けられるタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0060】
ステップ206において、方法は、各ブロックについて利用可能な情報に基づいてFFPEブロックのそれぞれに品質スコアQを提供するか又は判定することを含んでもよい。各FFPEブロックの品質は、腫瘍含有率、腫瘍純度、壊死量等に依存してもよい。品質スコアQを決定することは、各ブロックから準備された全てのスライドからのこれらの属性等の属性を測定でき、次に測定した属性に基づいてブロック内の各スライドの品質メトリックを判定できるAIシステムを用いて行われてもよい。AIシステムは、各ブロックからのスライドに対して実行され、かつ各ブロック用の品質スコアQを出力してもよい。AIシステムはまた、判定の品質スコアQsに基づいてブロックに優先順位付けを行うか又はランク付けを行うように構成されてもよい。
【0061】
ステップ208において、方法は、品質スコアQに基づいて各ブロックの品質を評価することと、検査に用いる最適なブロックを選択又は選別することとを含んでもよい。例えば、検査において使用するために最適なブロックを選択することは、最高品質スコアQを有するブロックを選択するか、又はスライドにわたって最高品質を示す品質スコアQを有するブロックを選択することを含んでもよい。この評価及び/又は選択は、ユーザ(例えば、出力の品質スコアQを評価する病理医)によって行われてもよく、AIシステムを用いて行われてもよい。
【0062】
例えば、腫瘍ブロックの選択は、最適なブロック選択の基準が腫瘍の数量及び質(つまり、生検部位の最小変化、炎症等)を含むサインアウトした病理医によって行われてもよい。腫瘍を検出し、腫瘍を定量するようにデザインされるか又は構成されるアルゴリズムは、陽性の分子所見を得る可能性の最も高い腫瘍のブロックを検出するアルゴリズムで補完されてもよい。
【0063】
ステップ210において、方法は、選択のブロックからN個のスライドを選択するか又は準備することと、N番目又は最後のスライド(例えば、11番目のスライド)の品質を評価することとを含んでもよい。この評価は、AIシステムで行われてもよい。あるいは、N個のスライドは、選択のブロックから準備されてもよく、N番目又は最後のスライド(例えば、N=11)がH&E等で染色されて、ブロックが十分な品質であることを検証してもよい。あるいは、N-1のスライドが、染色されてもよい。この検証は、手作業による検査を含んでもよい。
【0064】
ステップ212において、方法は、N番目のスライドが品質閾値を満たすか否かを判定することを含んでもよい。N番目のスライドが品質閾値を満たさない場合、方法は、新たな評価用ブロックを選択することを含んでもよい。
【0065】
品質スコアQを評価するステップ206及び/又は第N枚のスライドの品質を評価するステップ210の間、品質評価システムは、関数Q(I1、I2、...、IN、C)で記述されてもよく、ここで、関数は、品質を示す番号を出力してもよい。数値が大きいほど高品質であることを示す。各INは、ブロック内のスライドのデジタル画像であってもよい。Cは、「壊死がp%を超えるブロックを選択しない」等の具体的な制約を記述してもよく、又はCは、品質に対する関連変数のそれぞれに用いる重みを記述してもよく、例えば、品質は、壊死の割合等の様々な測定値の重み付き和である。Qを生成する方法は、複数あってもよい。
【0066】
属性を推定するAIシステムの使用
AIシステムは、壊死の割合をv1、腫瘍の割合をv2等、n個の属性viを推定してもよい。それらの属性viを算出した後、属性viは、線形又は非線形に積分されてブロックの品質スコアQを算出する。
【0067】
図3A及び図3Bは、本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証する例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、図3Aに示す例示的な方法300(例えば、ステップ302-312)又は図3Bに示す例示的な方法320(例えば、ステップ322-334)は、スライド分析ツール101によって自動的又はユーザからの要求に応答して行われてもよい。
【0068】
ステップ302において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)に受信することを含んでもよい。
【0069】
ステップ304において、各スライド画像又はスライド画像のセット用の1つ以上のラベルを含む概要注釈を受信することを含んでもよい。これらのラベルは、画素レベル、タイルレベル、スライドレベル、部分検体レベルであってもよい。ラベルは、二値(又はマルチラベルの二値)、カテゴリー、序数、実値であってもよい。これらの変数は、例えば、侵襲癌、壊死存在及び/又は割合等の品質関連属性の存在を記述してもよい。
【0070】
ステップ306において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0071】
ステップ308において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0072】
ステップ310において、方法は、機械学習モデルをトレーニングして、背景として除去された位置以外の、スライド上の全ての位置を入力として品質関連属性を推定することを含んでもよい。モデルは、サポートベクターマシン(SVM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、トランスフォーマー(Transformer)、グラフニューラルネットワーク(GNN)、多層パーセプトロン(MLP)、関係ネットワーク等であってもよい。システムは、壊死が発見された場所を示す二値画像等である各関連属性用の画像を生成するようにトレーニングされてもよく、又は壊死の割合を示す数、腫瘍純度を示す別の数等である存在する関連変数の量、又は所定の閾値を超える腫瘍組織等の関連変数の量があるか否かを直接出力するようにトレーニングされてもよい。
【0073】
ステップ312において、トレーニングされた機械学習モデルのパラメータを電子ストレージに保存することを含んでもよい。
【0074】
図3Bを参照すると、ステップ322において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)で受信することを含んでもよい。
【0075】
ステップ324において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0076】
ステップ326において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0077】
ステップ328において、方法は、インスタンスに対応するデジタル病理組織画像の各セットに対して、トレーニングされた機械学習モデルを実行することを含んでもよい。
【0078】
ステップ330において、方法は、各属性の存在を示す任意のデジタル病理組織画像を組織の総量で合計して正規化してその変数の割合を出力として生成するか、又は各関連変数を出力することを含んでもよい。組織の総量が所定の閾値を満たすか、超えるかを判定してもよい。システムは、各属性の存在を示す「画像」、例えば、壊死が発見された場所を示す画像を生成するようにトレーニングされてもよい。あるいは、その代わりに、各関連変数を直接出力するようにシステムをトレーニングすることができ、ここでi番目の関連変数は、Vで示されてもよい。
【0079】
ステップ332において、方法は、関連変数の関数である品質スコアを線形関数又は非線形関数のいずれかとして出力することを含んでもよい。この関数は、構成Cにおける値で特定される線形組み合わせであってもよく、例えば、関連変数の総数をNとすると、出力Qは、w+w+...+wに等しい。このスコアはまた、例えば、壊死がp%より大きく品質が0である場合、非線形であってもよく、そうでなければw+w+...+wで与えられる構成Cで特定される線形結合である。
【0080】
ステップ334において、方法は、各ブロックの品質スコアを電子ストレージに書き込むことを含んでもよい。
【0081】
品質を直接学習するシステムの使用
この方法は、必ずしも中間変数を生成せずに、ブロック内のスライドが検査に適切であるか、又はブロック内のスライドでは不十分であるかどうかを直接推測するAIシステムを用いる。
【0082】
図4A及び図4Bは、本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証する例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、図4Aに示す例示的な方法400(例えば、ステップ402-412)又は図4Bに示す例示的な方法420(例えば、ステップ422-434)は、スライド分析ツール101によって自動的に、又はユーザからの要求に応答して行われてもよい。
【0083】
ステップ402において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)に受信することを含んでもよい。
【0084】
ステップ404において、方法は、各FFPEブロック内のスライド画像が検査に適切であったか又は不適切であったかを示す二進値を受信することを含んでもよい。
【0085】
ステップ406において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0086】
ステップ408において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0087】
ステップ410において、方法は、機械学習モデルをトレーニングして、除去された位置以外の、スライド上の全ての位置を入力として、適切であったか、追加検査が必要であったか、又は適切でなかったかを推定することと、各関連属性の画像又は存在する関連変数の量を出力することを含んでもよい。モデルは、サポートベクターマシン(SVM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、トランスフォーマー(Transformer)、グラフニューラルネットワーク(GNN)、多層パーセプトロン(MLP)、関係ネットワーク、セマンティックセグメンテーションネットワーク、インスタンスセグメンテーションネットワーク(例えば、マスクR-CNN)、物体検出CNN(例えば、高速R-CNN)等であってもよい。システムは、壊死が発見された場所を示す二値画像等である各関連属性用の画像を生成するようにトレーニングされてもよく、又は壊死の割合を示す数、腫瘍純度を示す別の数等である存在する関連変数の量を直接出力するようにトレーニングされてもよい。
【0088】
ステップ412において、方法は、トレーニングされたモデルを電子ストレージに保存することを含んでもよい。
【0089】
ステップ422において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)に受信することを含んでもよい。
【0090】
ステップ424において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0091】
ステップ426において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0092】
ステップ428において、方法は、ブロックに対応するスライドの各セットに対して、トレーニングされた機械学習モデルを実行して品質スコアを出力することと、品質ストアを各ブロック用の電子ストレージに記憶することとを含んでもよい。
【0093】
ステップ430において、方法は、後続の検査用の、最高品質スコアを有するブロックを選択することを含んでもよい。これは、ユーザによって手動で行われてもよく、又はスライド分析ツール101によって自動的に行われてもよい。
【0094】
ステップ432において、方法は、ブロックが検査のために追加スライドを準備するべきであるか否かをユーザに提示することを含んでもよい。
【0095】
選択のブロックから最後のスライドが適切な品質を有することを検証するための使用
図5A及び図5Bは、本開示の例示的な実施形態に係る検査用スライド及びブロックの品質を検証する例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、図5Aに示す例示的な方法500(例えば、ステップ502-512)又は図5Bに示す例示的な方法520(例えば、ステップ522-534)は、スライド分析ツール101によって自動的又はユーザからの要求に応答して行われてもよい。
【0096】
ステップ502において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)に受信することを含んでもよい。
【0097】
ステップ504において、方法は、各FFPEブロック内のスライド画像が検査に適切なFFPEブロックのものであったか、又は不適切であったFFPEブロックのものであったかを示す二進値を受信することを含んでもよい。
【0098】
ステップ506において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0099】
ステップ508において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0100】
ステップ510において、方法は、機械学習モデルをトレーニングして、除去された位置以外の、スライド上の全ての位置を入力として、適切であったか、追加検査が必要であったか、又は適切でなかったかを推定することと、各関連属性の画像又は存在する関連変数の量を出力することを含んでもよい。モデルは、SVM、CNN、RNN、トランス、グラフニューラルネットワーク、MLP、関係ネットワーク、セマンティックセグメンテーションネットワーク、インスタンスセグメンテーションネットワーク(例えば、マスクR-CNN)、物体検出CNN(例えば、高速R-CNN)等であってもよい。システムは、壊死が発見された場所を示す二値画像等である各関連属性用の画像を生成するようにトレーニングされてもよく、又は壊死の割合を示す数、腫瘍純度を示す別の数等である存在する関連変数の量を直接出力するようにトレーニングされてもよい。
【0101】
ステップ512において、方法は、トレーニングされたモデルを電子ストレージに保存することを含んでもよい。
【0102】
ステップ522において、方法は、デジタル病理組織画像の集合をデジタル記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAM等)に受信することを含んでもよい。
【0103】
ステップ524において、方法は、各スライド画像をタイルの集合に分割することを含んでもよい。
【0104】
ステップ526において、方法は、各スライド画像の背景から組織領域を検出及び/又はセグメント化して組織マスクを作成することと、全ての非組織タイルを除去することとを含んでもよい。これは、以下を含むが、これらに限定されない様々な方法で行うことができる。
a.接続されたコンポーネントアルゴリズムの実行が続く、例えば、色/輝度、テクスチャ特徴、大津法等に基づく閾値ベースの方法
b.例えば、k-means、グラフカット、マスクR-CNN等であるセグメンテーションアルゴリズム。
【0105】
ステップ528において、方法は、ブロックに対応するスライドのセットのそれぞれに対してトレーニングされた機械学習モデルを実行して品質スコアを出力することと、品質ストアを各ブロック用の電子ストレージに記憶することとを含んでもよい。
【0106】
ステップ530において、方法は、スライドのセットの品質が十分に低い(例えば、所定の品質未満)か否かを判定することと、スライドのセットの品質が十分に低い場合、新たなブロックを検査のために準備すべきであることをユーザに提示することとを含んでもよい。
【0107】
図6は、ブロック品質を評価するための機械学習モデルの例示的な使用である。機械学習モデル604は、入力602を有してもよい。例示的な説明では、入力602は、複数の組織ブロックで表される。入力602は、変数608(例えば、腫瘍含有率、腫瘍純度及び/又は壊死率)を用いて機械学習モデル604により品質に対して分析されるが、異なる数の変数は、用いられてもよい。品質メトリック610は、変数608を用いる分析から出力され、次にステップ612において入力602(ブロック)をソートするために用いられてもよい。出力606は、ステップ612においてソートされたブロックであってもよい。
【0108】
浸潤性乳癌の連続再発性スコア
浸潤性乳癌が検出された後、腫瘍のゲノムアッセイを行って追加治療を見送るか否かを判定して、患者内分泌(ホルモン)療法、患者補助化学療法又はいくつかの他の療法を行ってもよい。これらの検査により、連続スコアリングシステムを用いて一次腫瘍を摘出した後の疾患の再発及び転移のリスクを評価してもよい。さらに、検査は、増殖、浸潤、転移、間質の完全性及び血管新生に関するゲノム情報を調べてもよい。
【0109】
例えば、EndoPredict(EPclin)検査は、12個の遺伝子のリボ核酸(RNA)発現に基づくものであり、かつこのゲノム情報と追加の臨床的特徴とを組み合わせて10年間の遠隔再発率(DR)を予測する。1から6のスコアが、入力組織に付与されてもよく、6は、高いリスクを示し、1は、低いリスクを示す。別の例示的な検査は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)又は新鮮な組織を用いる70遺伝子アッセイであるマンマプリント(MammaPrint)である。腫瘍試料からRNAは単離されて連続スコアの予測に用いられ、0より大きい値は、低いがん再発リスクを示し、0より小さい値は、高い再発リスクを示し、これは、補助化学療法が必要であることを示唆する。
【0110】
別の例示的な検査は、7つの遺伝子を分析してがん再発を予測する乳癌指標(BCI)検査である。BCI予後スコア及びBCI予測スコアという2つのスコアは、出力され、BCI予後スコアは、診断後の5~10年間後のがん再発可能性を、スコア5.1~10が高い再発リスクを示す0~10の連続スケールで推定する。BCI予測スコアは、合計10年間の内分泌療法に対して、追加の5年間の内分泌療法を実施することによる有益性の可能性を推定する。
【0111】
腫瘍型DX再発スコアは、腫瘍内の21個の遺伝子の発現を調べる別のこのような分析対象である。0~100の間の出力番号は、がん再発リスクを示し、31より大きなスコアは、転移リスクが高く内分泌療法によるアジュバント化学療法が必要であることを示し、26~30のスコアは、内分泌療法と共に使用される場合のアジュバント化学療法の不確定な有益性を示し、26未満のスコアは、術後の治療が内分泌療法のみで十分であることを示す。
【0112】
プロシグナ乳癌予後遺伝子シグネチャーアッセイ(つまり、PAM50遺伝子シグネチャー)は、FFPE試料からのRNAを用いてホルモン受容体陽性乳癌の遠隔再発リスクを評価する。スコアが高いほど再発リスクが高いことを示す0~100の連続スコアを生成して治療方針をガイドする。
【0113】
これらの検査の全ては、適切なブロックを選択すること、そのブロックからの染色されていないスライドが適切な腫瘍組織を有することを確認すること、及びゲノムアッセイを適用する前にスライド中の腫瘍の位置を判定することを要求してもよい。現在の技術を用いる場合、これらのステップは、手作業で、時間かかり、エラーが発生しやすい。本明細書に記載される技術は、ゲノム検査用の十分な腫瘍含有量を有する高品質スライドを選択して検証してもよい。本明細書に記載される技術は、現在の技術よりも、自動、高速、高精度のステップを含んでもよい。
【0114】
非浸潤性乳癌の再発に対する連続スコア
非浸潤性乳癌の診断に続き、患者が乳腺腫瘤摘出術又は乳房切除術を受けた後にアジュバント治療が必要である場合がある。この治療は、再発リスクを低減するための内分泌療法又は放射線治療を含んでもよいが、これらの治療には、副作用がある。患者がこれらの治療から取得し得る利益を判定するために、ゲノムアッセイは、開発される。
【0115】
非浸潤性乳癌の最も一般的な形態は、非浸潤性乳管癌(DCIS)である。現在、DCISに対する処理選択肢を判定するための一次ゲノム検査は、12パネルのゲノム検査であるオンコタイプDX DCISである。この検査は、乳癌再発リスクを判定するために0~100の連続スコアを生成し、数値が高いほど再発防止のためのアジュバント治療が必要であることを示す。
【0116】
本開示のシステム及び方法は、ゲノム検査用の十分な腫瘍含有量を有する高品質なスライドを選択して検証するために用いられてもよい。
【0117】
前立腺癌治療推奨の連続スコアのワークフロー
前立腺癌を診断するために、男性は、前立腺生検を受ける場合がある。次に、生検試料を処理し病理医によって目視でレビューして疾患の存在及び程度を判定してもよい。しかしながら、前立腺の除去、ホルモン療法、放射線療法等の前立腺癌治療は、男性の生活の品質に悪影響を与える場合があり、積極的な治療が必要ではない患者もいる。
【0118】
前立腺組織試料の病理学的評価のみを用いることの代わりに、ゲノムアッセイを用いて腫瘍攻撃性を予測する。例えば、オンコタイプDXゲノム前立腺スコアは、17個の遺伝子を調べて0~100の連続スコアで前立腺癌の攻撃性を判定する。値が0に近い患者は、積極的な監視が推奨される可能性があることに対して、高いスコアを有する患者は、有害転帰(例えば、死亡又は転移)のリスクを低減するために、早期に積極的な治療を受けるべきである。別の検査は、ゲノム評価と他の測定とを組み合わせて、スコアが高いほどがんの攻撃性が高いことを示す連続スコアを判定するプロラリスアッセイである。この検査は、男性が、積極的な治療の代わりに、前立腺癌に対する積極的な監視を選択できるか否かを判定することを支援してもよい。
【0119】
本開示のシステム及び方法は、ゲノム検査用の十分な腫瘍含有量を有する高品質なスライドを選択して検証するために用いられてもよい。
【0120】
悪性腫瘍の可能性に対する連続スコアのワークフロー
腫瘍は、細胞の異常な塊であり、良性も悪性もある。良性腫瘍は、転移能又は周辺組織への侵入能に欠けるのに対し、悪性腫瘍は、その能力を有する。場合によっては、病理評価は、腫瘍が悪性であるか又は良性であるかを判定することに不十分である。これらのタイプのシナリオにおいて、連続スコアを用いて判定を容易にしてもよい。
【0121】
例えば、Myriad myPathメラノーマ検査は、細胞分化、細胞シグナル及び免疫応答シグナルに関連付けられる23個の遺伝子を測定して-16~10程度のスケールに対する連続スコアを生成し、0より大きなスコアは、皮膚腫瘍が悪性である可能性が高く積極的な治療が必要であることを示し、-2より小さいスコアは、腫瘍が良性である可能性が高いことを示す。
【0122】
本開示のシステム及び方法は、ゲノム検査用の十分な腫瘍含有量を有する高品質なスライドを選択して検証するために用いられてもよい。
【0123】
図7に示すように、装置700は、中央処理装置(CPU)720を含んでもよい。CPU720は、任意のタイプの専用又は汎用マイクロプロセッサー装置等を含む任意のタイプのプロセッサー装置であってもよい。CPU720はまた、当業者が理解するように、単独で操作するシステム等のマルチコア/マルチプロセッサーシステムにおけるシングルプロセッサー、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて操作する演算装置のクラスタにおけるシングルプロセッサーであってもよい。CPU720は、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク又はマルチコアメッセージパッシングスキームのデータ通信インフラ710に接続されてもよい。
【0124】
装置700は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)であるメインメモリ740を含んでもよく、かつ二次メモリ730を含んでもよい。二次メモリ730、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)は、例えば、ハードディスクドライブ又はリムーバブルストレージドライブであってもよい。このようなリムーバブルストレージドライブは、例えば、フレキシブルディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ及びフラッシュメモリ等を含んでもよい。本実施例のリムーバブルストレージドライブは、周知の方式でリムーバブルストレージユニットから読み出し及び/又はムーバブルストレージユニットに書き込む。リムーバブルストレージユニットは、リムーバブルストレージドライブによって読み書きされるフロッピディスク、磁気テープ、光ディスク等を含んでもよい。当業者が理解するように、このようなリムーバブルストレージユニットは、一般に、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶したコンピュータ利用可能な記憶媒体を含む。
【0125】
代替実施形態では、二次メモリ730は、コンピュータプログラム又は他の命令を装置700にロードすることを可能にする同様の手段を含んでもよい。このような手段としては、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(ビデオゲーム装置内に存在するもの等)、リムーバブルメモリチップ(EPROM又はPROM等)及び関連付けられるソケット、並びにソフトウェア及びデータをリムーバブルストレージユニットから装置700に転送することを可能にするその他のリムーバブルストレージユニット及びインタフェース等が挙げられる。
【0126】
装置700はまた、通信インタフェース(COM)760を含んでもよい。通信インタフェース760は、装置700と外部装置との間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にする。通信インタフェース760は、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカード等を含んでもよい。通信インタフェース760を介して転送されるソフトウェア及びデータは、電子信号、電磁信号及び光信号、又は通信インタフェース760によって受信可能であるその他の信号の形式であってもよい。これらの信号は、例えば、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク又はその他の通信チャンネルを用いて実現されてもよい装置700の通信路を介して通信インタフェース760に供給されてもよい。
【0127】
このような設備のハードウェア要素、オペレーティングシステム及びプログラミング言語は、本質的に一般的なものであり、かつ当業者であれば、十分に精通しているものと推測される。装置700はまた、キーボード、マウス、タッチパネル、モニタ、ディスプレイ等の入出力装置を接続するための入出力ポート750を含んでもよい。もちろん、様々なサーバ機能は、複数の同様のプラットフォームに分散して実装されて処理負荷を分散させてもよい。あるいは、サーバは、1つのコンピュータハードウェアプラットフォームを適宜プログラミングすることで実装されてもよい。
【0128】
本開示に全体を通して、コンポーネント又はモジュールとは、一般に、機能又は関連機能群を実行するために共に論理的にグループ化できるアイテムを指す。同様の参照符号は、一般に、同一又は類似のコンポネートを指すことを意図する。コンポネート及びモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実装されてもよい。
【0129】
上記ツール、モジュール及び機能は、1つ以上のプロセッサーにより実行されてもよい。「ストレージ」型の媒体は、コンピュータ及びプロセッサー等のタンジブルメモリ、又はその関連付けられるモジュールのいずれか又はすべてを含んでよく、例えば、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ等であり、いつでもソフトウェアプログラミングのために非一時的なストレージを提供し得る。
【0130】
ソフトウェアは、インターネット、クラウドサービス事業者又はその他の通信ネットワークを介して通信されてもよい。例えば、通信は、ソフトウェアをコンピュータ又はプロセッサーの一方から他方にロードすることを可能にしてもよい。なお、本明細書に使用されるように、非一時的なタンジブル「ストレージ」媒体に限定されない限り、コンピュータ又はマシン「読み取り可能な媒体」等の用語は、プロセッサーに命令を提供して実行することに関与する任意の媒体を指す。
【0131】
前述の一般的な説明は、例示的で説明的なものに過ぎず、かつ本開示を限定するものではない。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示される発明の明細書及び実施形態の記載から当業者にとって明らかであり、本明細書及び実施例は、例示的なものとしてのみ考慮されることを意図する。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】