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▶ ザ ジャクソン ラボラトリーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】多重RNAターゲティング
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6816 20180101AFI20240229BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240229BHJP
   C12N 15/55 20060101ALN20240229BHJP
   C12N 9/14 20060101ALN20240229BHJP
   C12N 15/115 20100101ALN20240229BHJP
【FI】
C12Q1/6816 Z
C12N15/09 110
C12N15/55 ZNA
C12N9/14
C12N15/115 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553946
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022018754
(87)【国際公開番号】W WO2022187524
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/157,088
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398066918
【氏名又は名称】ザ ジャクソン ラボラトリー
【氏名又は名称原語表記】THE JACKSON LABORATORY
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,アルバート
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ズカイ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ02
4B063QQ52
4B063QR10
4B063QR35
4B063QS36
(57)【要約】
本明細書に提供されるのは、いくつかの側面においては、複数のRNA標的の生細胞イメージングおよび/または修飾を実現可能にする多重RNAターゲティングシステムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼ、
RNAアプタマー配列を含むCas13ガイドRNA(gRNA)、および
RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結された検出可能な分子
を含む、RNA編集複合体を、細胞へ送達すること;ならびに
(b)検出可能な分子をイメージングすること
を含む、リボ核酸(RNA)の生細胞イメージングの方法。
【請求項2】
dCas13ヌクレアーゼが、プレcrRNAプロセシングを欠損している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
dCas13ヌクレアーゼが、dCas13bヌクレアーゼである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
dCas13ヌクレアーゼが、Prevotella dCas13ヌクレアーゼである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
Prevotella dCas13ヌクレアーゼが、Prevotella sp. P5-125 dCas13ヌクレアーゼ(PspdCas13)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
dCas13ヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異が、非極性の中性アミノ酸に突然変異している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
非極性の中性アミノ酸が、アラニンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
RNAアプタマーが、Pumilioアプタマー配列、MS2アプタマー配列、およびPP7アプタマー配列から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
RNAアプタマー配列が、Pumilioアプタマー配列であり、およびRBD配列が、Pumilio結合ドメイン配列である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
RNAアプタマー配列が、MS2アプタマー配列であり、およびRBD配列が、MS2コートタンパク質(MCP)配列である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
RNAアプタマー配列が、PP7アプタマー配列であり、およびRBD配列が、PP7コートタンパク質(PCP)配列である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
Cas13 gRNAが、非反復RNA配列へ結合する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(a)触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼ、
RNAアプタマー配列を含むCas13ガイドRNA(gRNA)、および
RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意にここで、RNAエフェクター分子は、RNAスプライシング因子、RNAメチル化または脱メチル化タンパク質、RNA分解分子、およびRNAプロセシング分子から選択される、
を含む、RNA編集複合体を、生細胞へ送達すること;ならびに
(b)検出可能な分子をイメージングすること
を含む、生細胞内のリボ核酸(RNA)を標的化する方法。
【請求項15】
RNAアプタマー配列へ連結されたCas13ガイドRNA(gRNA);および
RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意には検出可能な分子、
を含む、キット。
【請求項16】
触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼをさらに含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
第1のRNAアプタマー配列へ連結された第1のCas13ガイドRNA(gRNA)、および、第1のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第1のRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結された第1の検出可能な分子;ならびに
第2のRNAアプタマー配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第2のRBD配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意には第2の検出可能な分子、
で細胞をトランスフェクトすることを含む、多重生細胞イメージング方法。
【請求項18】
触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
細胞が、第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを含み、第1のCas13 gRNAが、第1の関心対象のRNAへ特異的に結合し、および第2のCas13 gRNAが、関心対象の第1の第2へ特異的に結合する、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを標的化するために、および任意には修飾するために、細胞をインキュベートすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Pumilio結合配列(PBS)を含むCas13ガイドRNA(gRNA)、および
Pumilio PBS結合ドメイン(PUFドメイン)へ連結された検出可能な分子
を含む、組成物。
【請求項22】
第1のPBS配列へ連結された第1のCas13ガイドRNA(gRNA)、および、第1のPBS配列へ特異的に結合する第1のPUFドメイン配列へ連結された第1のRNAエフェクター分子、任意には検出可能な分子;ならびに
第2のPBS配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のPBS配列へ特異的に結合する第2のPUFドメイン配列へ連結された第2のRNAエフェクター分子、任意には検出可能な分子、
を含む、組成物。
【請求項23】
触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼをさらに含む、請求項21または請求項22に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府のライセンス権
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金R01-HG009900-01の下、政府の支援でなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる2021年3月5日に出願された米国仮出願第63/157,088号の米国特許法第119条(e)下の利益を主張する。
【0002】
配列表
この出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出されておりそれによってその全体が参照により本明細書中に組み込まれる配列表を含む。2022年3月3日に作成された当該ASCIIコピーは、J022770104WO00-SEQ-EMB.txtという名前で、サイズが64,808バイトである。
【背景技術】
【0003】
背景
転写後調節は、RNAレベルで遺伝子発現を制御し、および、その機能不全は多くの疾患に関与する。それは、様々なRNA結合タンパク質によるRNAの成熟、化学的改変、安定化、局在化、および翻訳を制御する。ひとたび転写されると、プレmRNAは、スプライシングされることでイントロンを除去し、および1つの転写産物になるようにエキソンを連結させ、ならびに、5'キャップおよび3'ポリAテールが付加されることで成熟したmRNAが生産される。成熟したmRNAは、次いで、機能的タンパク質を生産する翻訳のために核から細胞質へ輸送され、および次いで必要に応じて分解される。RNAプロセシングステップは、互いに連携して遺伝子発現を厳密に制御しており、いずれかのステップが失敗すると重篤な疾患を結果としてもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書に提供されるのは、いくつかの側面においては、多重RNAイメージングおよび/またはプロセシングを実現可能にするツールボックスである。このツールボックスは、RNAアプタマーの多用途性および改変されたRNA標的Clustered Regularly Interspaced Palindromic Repeats(CRISPR/Cas)(CRISPR/Cas)システムの精度を活用することで、例えば、高度化された生細胞イメージングプラットホームを集合的に提供する。
【0005】
本明細書に提供されるデータは、この技術により、改変されたCas13バリアント酵素のガイドRNA(gRNA)を、種々異なるRNA結合および/またはプロセシング機能を実行するためのアプタマー結合RNA結合ドメイン(RBD)(例として、PUF/MCP/PCP)と融合された別個のタンパク質および/またはペプチド(例として、RNAエフェクター分子)を動員すべく設計された種々異なるRNAアプタマーでタグ付けすることができる、ということを実証する(図1B)。標的特異的なgRNA上のRNAアプタマーを同族のRBD融合タンパク質(例として、検出可能なおよび/または機能的)と対合させることによって、本明細書の方法を、単一のRNA誘導型酵素を用いて同じ細胞内の複数のRNAのマルチカラーイメージングを達成することに、およびいくつかの態様においては異なるRNAプロセスをモジュレートすることに、使用することができる。加えて、所与の標的に対する複数のイメージングおよび/またはプロセシングステップを連係させるかまたは複数のタンパク質の複合体を集合させるために、異なるRNAアプタマーを同じgRNAに加えることができる。本明細書に示されるとおり、多重RNAシステムは、Pumilio結合部位モチーフの複数コピーを持つ遺伝子のイントロンを標的にしてその初期転写産物をイメージングすることによって、非反復RNA配列標識化の障壁を克服するために使用された。驚くべきことに、この多重RNAシステムのツールと共トランスフェクトされた哺乳動物の細胞は、特定の遺伝子座の初期転写産物に対応する、核内の明るい蛍光焦点を示した(図6)。
【0006】
よって、いくつかの側面において、本開示は、以下のことを含む生細胞RNAイメージングの方法を提供する:(a)触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼ、RNAアプタマー配列を含むCas13 gRNA、およびRNAアプタマー配列へ特異的に結合するRBD配列へ連結された検出可能な分子を含む、RNA編集複合体を、細胞へ送達すること;ならびに(b)検出可能な分子をイメージングすること。
【0007】
いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、プレcrRNAプロセシングを欠損している。いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、dCas13bヌクレアーゼである。いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、Prevotella dCas13ヌクレアーゼである。いくつかの態様において、Prevotella dCas13bヌクレアーゼは、Prevotella sp. P5-125 dCas13ヌクレアーゼ(PspdCas13)である。
いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異を含む。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異は、非極性の中性アミノ酸への突然変異である。いくつかの態様において、非極性の中性アミノ酸は、アラニンである。
【0008】
いくつかの態様において、RNAアプタマーは、Pumilioアプタマー配列、MS2アプタマー配列、およびPP7アプタマー配列から選択される。いくつかの態様において、RNAアプタマーは、Pumilioアプタマー配列であり、およびRBD配列は、Pumilio結合ドメイン配列である。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、MS2アプタマー配列であり、およびRBD配列は、MS2コートタンパク質(MCP)配列である。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、PP7アプタマー配列であり、およびRBD配列は、PP7コートタンパク質(PCP)配列である。
いくつかの態様において、Cas13 gRNAは、非反復RNA配列に結合する。
【0009】
いくつかの側面において、本開示は、以下のことを含む、生細胞内のリボ核酸(RNA)を標的化する方法を提供する:(a)dCas13ヌクレアーゼ、RNAアプタマー配列を含むCas13 gRNA、およびRNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意にここで、RNAエフェクター分子は、RNAスプライシング因子、RNAメチル化または脱メチル化タンパク質、RNA分解分子、およびRNAプロセシング分子から選択される、を含むRNA編集複合体を生細胞へ送達すること;ならびに(b)検出可能な分子をイメージングすること。
【0010】
他の側面において、本開示は、以下のものを含むキットを提供する:RNAアプタマー配列へ連結されたCas13 gRNA;および、RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRBD配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意には、検出可能な分子。
いくつかの態様において、キットは、dCas13ヌクレアーゼをさらに含む。
【0011】
他の側面は、以下のもので生細胞をトランスフェクトすることを含む、多重生細胞イメージング方法を提供する:第1のRNAアプタマー配列へ連結された第1のCas13 RNA、および、第1のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第1のRBD配列へ連結された第1の検出可能な分子;ならびに、第2のRNAアプタマー配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第2のRBD配列へ連結されたRNAエフェクター分子、任意には第2の検出可能な分子。
いくつかの態様において、方法は、dCas13ヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることをさらに含む。
【0012】
いくつかの態様において、細胞は、第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを含み、第1のCas13 gRNAは、第1の関心対象のRNAへ特異的に結合し、および第2のCas13 gRNAは、関心対象の第1の第2へ特異的に結合する。
いくつかの態様において、方法は、第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを標的化するために、および任意には修飾するために、細胞をインキュベートすることをさらに含む。
【0013】
本明細書に提供されるのはまた、いくつかの側面においては、以下のものを含む組成物である:Pumilio結合配列(PBS)を含むCas13 gRNA、およびPumilio PBS結合ドメイン(PUFドメイン)へ連結された検出可能な分子。
本明細書に提供されるのはまた、いくつかの側面においては、以下のものを含む組成物である:第1のPBS配列へ連結された、第1のCas13 gRNA、および、第1のPBS配列へ特異的に結合する第1のPUFドメイン配列へ連結された第1のRNAエフェクター分子、任意には検出可能な分子;ならびに、第2のPBS配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のPBS配列へ特異的に結合する第2のPUFドメイン配列へ連結された第2のRNAエフェクター分子、任意には検出可能な分子。
いくつかの態様において、組成物は、dCas13ヌクレアーゼをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A-1B】図1A~1C.スキャフォールドRNAを活用する多重化型RNA編集。(図1A)従来のCRISPR/Cas13媒介性RNA編集。gRNAは、2つの部分からなり、スペーサーは、標的RNAを結合し、および、ダイレクトリピート(directed repeat)(DR)は、Cas13タンパク質を結合する。種々異なるエフェクターは、表示されているとおりの種々異なる機能を実行するためにdCas13と融合されることができる。(図1B)多重RNAターゲティングシステムにおいて、RNAアプタマーの1つ以上のコピーは、エフェクタータンパク質に融合された特定のRNA結合ドメイン(RBD)を動員するためにgRNAの3'に付加される。アプタマー-RBD対の例は、右にリストされている。
図1C】(図1C)PbuCas13bおよびPspCas13bのアラインメント。長方形iおよびiii内のアミノ酸がアラニンに突然変異することで、ヌクレアーゼデッドdCas13が生成し、ならびに、長方形ii内のアミノ酸がアラニンに突然変異することで、crRNAプロセシング活性が無効化される。dPspCas13b(AAAA)突然変異体は、長方形内に含まれているすべての残基に対するアラニン置換を含有する。
【0015】
図2A-2C】図2A~2E.多重RNAターゲティングシステム媒介性スプライシングモジュレーション。(図2A)pCI-SMN2スプライシングレポーターおよびqPCRプライマー設計の図表。レポーターは、SMN2遺伝子の3つのエキソン(E6、E7、E8)および2つのイントロンを含有する。3つのgRNAは、「gRNA」とラベル付けされた長方形によって表される、E7とE8との間のイントロンを標的とするように設計された。E7は、インクルージョンアイソフォームの成熟した転写産物内へとスプライシングされ、および、エクスクルージョンアイソフォームにおいてはスキップされた。qPCRについては、両方の転写産物は同じフォワードプライマー(配列番号9)を共有するが、エクスクルージョンおよびインクルージョンアイソフォームについて夫々、E7とE8とのジャンクション(配列番号10)またはE6とE8とのジャンクション(配列番号11)と重ねられる別個のリバースプライマーを有する。(図2B)上段パネルは、RAS1の概略図を示す。MS2の1つの(配列番号44)、2つの(配列番号45)または4つのコピー(配列番号46)が、gRNAに付け加えられ、およびRBFOX1が、MCPと融合されている。別様に規定されていなければ、この研究において使用されているdCas13は、dPspCas13b(AAAA)である。下段パネルは、RT-qPCRによってアッセイされたインクルージョン/エクスクルージョン(Inc/Exc)比率を示す。Cは、非ターゲティング対照gRNAという意味であり、およびDNは、3つのオンターゲットgRNAの混合物という意味である。(図2C)上段パネルは、RAS2の概略図を示す。PBSc(UUGAUGUA)の5つの(配列番号41)または15のコピー(配列番号43)が、gRNAに付け加えられ、およびRBFOX1が、PUFcと融合されている。下段パネルは、RT-qPCRによってアッセイされたインクルージョン/エクスクルージョン(Inc/Exc)比率を示す。
図2D-2E】(図2D~2E)RAS1およびRAS2の両方における、dPspCas13b(AAAA)とdPspCas13bとの比較。すべての倍率変化は、各プロットにおける第1列を1へ正規化することによって算出した。
【0016】
図3A-3C】図3A~3C.PBScでタグ付けされたgRNAの最適化。(図3A~3B)RNAfoldと呼ばれるオンラインツール(Mathews et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 2004)(http://rna.tbi.univie.ac.at/cgi-bin/RNAWebSuite/RNAfold.cgi)によって予測された1つのステムループを伴う3つのPBScおよび2つのステムループを伴う5つのPBScの二次構造。(図3C)RAS2におけるgRNAを修飾することによる選択的スプライシング効果。Cは、非ターゲティング対照という意味であり、および、DNは、オンターゲットgRNAという意味である。数は、RNAスキャフォールド内のPBScがいくつであるかを表し、一方で、「ループ」は、合成のステムループを伴うスキャフォールドをマークする。倍率変化は、第1列(C-0)を1へ正規化することによって算出した。
図4A-4B】図4A~4B.gRNAアプタマーとそれらのRBDエフェクターとの間の認識は、特異的かつ直交的である。(図4A)すべてのグループは、dpspCas13b、およびMS2でタグ付けされたgRNAで、トランスフェクトされた。左のグループはMCP-RBFOX1で共トランスフェクトされており、一方で右のグループはPUFc-RBFOX1で共トランスフェクトされた。(図4B)すべてのグループは、dPspCas13b、およびPBScでタグ付けされたgRNAで、トランスフェクトされた。左のグループは、MCP-RBFOX1で共トランスフェクトされており、一方で右のグループはPUFc-RBFOX1で共トランスフェクトされた。Inc/Excは、RT-qPCRによってアッセイされた。すべての倍率変化は、各プロットにおける第1列を1へ正規化することによって算出した。
【0017】
図5A図5A~5C.部位特異的RNA m6A修飾。(図5A)ACTB mRNAにおけるA1216を標的とするgRNAの設計。すべてのgRNAは、30ヌクレオチドであるTを除いて、22ヌクレオチドである。
図5B-5C】(図5B~5C)上段パネル、PUFc-M3およびPUFa-M3によって夫々媒介されるm6A修飾要素を指し示した概略図。gRNAは、15xPBScまたは5xPBSaで夫々タグ付けされている。中段パネル、非ターゲット対照によって正規化された、種々異なるgRNAを用いたACTBの相対的なmRNAレベル。下段パネル、SELECT-PCRによってアッセイされた相対的なm6Aレベル。各試料について、1ugの全RNAが使用された。
図6図6.RNA生細胞イメージング。HEK293T細胞は、dPspCas13b、Clover-NLS-PUFc、および、LMNAのイントロンを標的にするgRNAでトランスフェクトされた。点線は核の境界をマークし、および矢印はLMNA遺伝子座での初期LMNA転写物を標識する蛍光焦点を指している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
本明細書に提供されるのは、いくつかの側面においては、(CRISPR/Cas)RNAターゲティングシステムを使用した、生細胞内における多重化型RNAイメージングのための方法および組成物である。図1Bに示されるとおり、一態様において、この三部型のシステムは、(a)dCas13ヌクレアーゼ(例として、dCas13b)などの、触媒的に不活性であり、プレcrRNAプロセシングを欠損している、RNA誘導型ヌクレアーゼ、(b)RNAアプタマー配列を含むガイドRNA(gRNA)、および(c)RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列を含むタンパク質(例として、RNAイメージングまたはエフェクター分子)を含む。gRNAのRNAアプタマー配列へRBD配列(およびよってエフェクター分子)が結合すると、関心対象の標的部位で複合体が形成される。
【0019】
本明細書に提供される技術は、生細胞RNAイメージングにおけるギャップを埋める。蛍光in situハイブリダイゼーション技法は、RNAを研究することに幅広く使用されている一方で、細胞固定の要求が、動的なRNAイメージングを妨げている。dCas9-gRNAシステムもまた、非反復ゲノム遺伝子座をイメージングすることに利用されているが、しかし、これらのシステムは、細胞内へと何十ものgRNAを送達することの必要性、および付随するオフターゲットイメージングの増大を理由として、生細胞イメージングのために適合させることが困難である。加えて、MS2アプタマーおよびMS2コートタンパク質(MCP)のシステム、ならびにPP7アプタマーおよびPP7コートタンパク質(PCP)のシステムを包含する、数種のRNAアプタマーおよびそれらのRBDが、ここ最近の数十年で開発されていながらも(例として、Keryer‐Bibens et al., Biol. Cell., 2008)、それらの標的配列多様性は、限定的なままであった(例として、Choudhury et al., Nat. Commun. 2012;Wang et al., Nat. Methods, 2013)。また、これらのRNAアプタマー配列は、一般に、標的化のためのキメラ転写産物を生成するために関心対象のRNA上へと挿入されなくてはならず、これは内在性RNAの標的化を難題にし、生細胞イメージング用途にとっては尚更である。本明細書に提供される多重RNAターゲティングシステムは、例えばPumilioアプタマーシステム内に存在する大きな配列多様性を利用することによって、およびRNAアプタマー配列をRNA誘導型RNA編集(例として、Cas13)足場gRNA上へと組み込むことによって、これらの難題を克服する。複数のRNAアプタマー配列がgRNA上へと組み込まれていてもよく、これは生細胞内の無数のRNA分子のイメージングを可能にする。
【0020】
多重RNAターゲティングシステム
本明細書に提供されるのは、RNAアプタマーの多用途性および改変されたRNA標的CRISPR/Cas(例として、Cas13)システムの精度を活用する多重RNAターゲティングシステムである。このシステムは、あらゆるRNAターゲティング機能のために使用されてもよい。RNAターゲティング機能の非限定例は、以下のものを包含する:イメージング、スプライシング、メチル化、脱メチル化、編集、およびプロセシング。
【0021】
CRISPR/Cas RNAターゲティングシステム
本開示のいくつかの側面において、本明細書中のCRISPR/Cas RNAターゲティングシステムは、RNAse活性を持つCasヌクレアーゼ酵素、標的RNA配列へCasヌクレアーゼ酵素を誘導するスキャフォールドガイドRNA(gRNA)、Casヌクレアーゼ酵素が結合する標的RNA配列、およびRNAエフェクター分子を含有する。用語「Casヌクレアーゼ」、「Cas酵素」、および「Casタンパク質」は、本明細書中で互換的に使用される。CRISPR/Casヌクレアーゼは、当該技術分野において周知であり(例として、Harrington, L.B. et al., Science, 2018)および、それらが特異的な核酸(例として、RNAまたはDNA)配列を認識しおよび切る、様々な細菌種の中に存在する。CRISPR/Casヌクレアーゼは、2つのクラスへとグループ分けされる。クラスIシステムが、核酸を結合および分解するために複数のCRISPR/Casタンパク質の複合体を使用するのに対し、他方、クラスIIシステムは、単一の大きなタンパク質を同じ目的で使用する。いくつかの態様において、本開示のCasヌクレアーゼは、核酸(例として、RNA)を結合しおよび分解するクラスIIヌクレアーゼである。
【0022】
ヌクレアーゼ
Casヌクレアーゼは、RNAse活性を持つかまたはそうでなくても関心対象のRNA標的へ結合するためにgRNAと複合体を形成することができる、天然に存在するかまたは改変されたあらゆるCasヌクレアーゼであってもよい。Casヌクレアーゼの非限定例は、以下のものを包含する:Cas1、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Cas11、Cas12、およびCas13。Cas13は、例えば、天然にRNase活性を有する。
異なる細菌種からのCRISPR/Casヌクレアーゼは、異なる特性(例として、特異性、活性、結合親和性)を有する。Casヌクレアーゼがそれから派生し得る細菌の非限定例は、以下のものを包含する:Prevotella(例として、Prevotella sp. P5-125、Prevotella buccae)、Staphylococcus(例として、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis)、Streptococcus(例として、Streptococcus pyogenes、Streptococcus thermophilus)、Neissseria(例として、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae)、Porphyromonas(例として、Porphyromonas gulae、Porphyromonas gingivalis) Riemerella(例として、Riemerella anatipestifer、Riemerella columbipharyngis)、Leptotrichia(例として、Leptotrichia wadei、Leptotrichia buccalis、Leptotrichia shahii)、Ruminococcus(例として、Ruminococcus flavefaciens、Ruminococcus productus)、Bergeyella(例として、Bergeyella zoohelcum、Bergeyella cardium)、およびListeria(例として、Listeria seeligeri、Listeria monocytogenes)。
【0023】
いくつかの態様において、Casヌクレアーゼは、Cas13ヌクレアーゼである。Cas13ヌクレアーゼは、他のCasヌクレアーゼと比較してDNaseドメインを欠いており、および、代わりに2つの高等真核生物および原核生物ヌクレオチド(HEPN)RNAseドメインを含有する。Cas13ヌクレアーゼは、CRISPR-RNA(crRNA)として知られているガイドRNAへ結合し、および次いで、2つのHEPNドメインを一緒にすることでRNAse活性を持つ単一の触媒作用の部位を形成する立体構造変化を受ける(例として、Slaymaker, et al., Cell Reports, 2019;Liu, et al., Cell, 2017)。このRNAse活性の立体構造的活性化は、Cas13にとって、それが標的RNA配列を結合した後で標的ヌクレオチド配列の一部ではないすぐ近くのRNAヌクレオチドを破壊することもまたできるという理由から有利である(例として、Pawluck, Cell, 2020)。RNAse触媒活性に加えて、Cas13ヌクレアーゼはまた、前駆体crRNAが活性なcrRNAへとプロセスされる、触媒的なcrRNA成熟活性をも保有する。crRNA成熟触媒活性については、下でより詳細に議論する。
【0024】
本明細書に使用されるCas13ヌクレアーゼは、何ら特定の細菌種に限定されるものでもない。いくつかの態様において、Cas13ヌクレアーゼは、Prevotella Cas13ヌクレアーゼである。Prevotella Cas13ヌクレアーゼタンパク質は、いずれのPrevotella種からのものであってもよい。Prevotella種の非限定例は、Prevotella (P.) sp. P5-125、P. albensis、P. amnii、P. bergensis、P. bivia、P. brevis、P. bryantii、P. buccae、P. buccalis、P. copri、P. dentalis、P. denticola、P. disiens、P. histicola、P. intermedia、P. maculosa、P. marshii、P. melaninogenica、P. micans、P. multiformis、P. nigrescens、P. oralis、P. oris、P. oulorum、P. pallens、P. salivae、P. stercorea、P. tannerae、P. timonensis、およびP. verolalisを包含する。いくつかの態様において、Prevotella Cas13ヌクレアーゼは、Prevotella sp. P5-125 Cas13ヌクレアーゼ(PspCas13)である。
【0025】
さらに、本明細書に使用されるCas13ヌクレアーゼは、何ら特定のサブタイプによって限定されるものでもない。Cas13ヌクレアーゼサブタイプの非限定例は、Cas13a(C2c2)、Cas13b(C2c6)、Cas13c(C2c7)、およびCas13dを包含する。これらのCas13ヌクレアーゼサブタイプは、それらのサイズ、それらのタンパク質ドメインの組成、およびそれらが結合するcrRNAの立体配置に基づき区別される。いくつかの態様において、Cas13ヌクレアーゼは、Cas13bヌクレアーゼである。
【0026】
いくつかの態様において、Casヌクレアーゼは、触媒的に不活性である(例として、dCas)。本明細書中の触媒的に不活性なCasヌクレアーゼは、触媒的に不活性になるように修飾されたCasヌクレアーゼの組換えまたは天然に存在する型またはそのバリアントもしくはホモログのあらゆるものを包含する(例として、Casと比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の活性以内)。いくつかの側面において、バリアントまたはホモログは、天然に存在するCasヌクレアーゼと比較して、全体配列または配列の部分(例として、50、100、150、または200の連続的なアミノ酸部分)にわたって少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。Casヌクレアーゼは、点突然変異、突然変異の組み合わせ、または1つ以上の触媒作用性(例として、RNAse)ドメインの脱離もしくは置換によって、触媒的に不活性にされていてもよい。
【0027】
いくつかの態様において、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼは、触媒的に不活性なCas13ヌクレアーゼである。これらの触媒的に不活性な「デッド」Cas13(dCas13)タンパク質は、標的RNA切断の代わりに異なるRNAプロセシングステップを操作するための、他のエフェクタータンパク質と融合されることができる(図1A)。HEPNドメインにおける触媒作用の残基の突然変異は、RNA結合活性を保持しながら、Cas13ヌクレアーゼ活性を不活化させる。HEPNドメインにおけるこれらの突然変異は、Cas13ヌクレアーゼがRNA結合活性を保持するような、単一の点突然変異、点突然変異の組み合わせ、挿入、または欠失であってもよい。これらの突然変異は、保存的(例として、正に帯電したアミノ酸に対して正に帯電したアミノ酸)であってもまたは非保存的(例として、正に帯電したアミノ酸に対して、中性、非極性のアミノ酸)であってもよい。
【0028】
いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、dCas13aヌクレアーゼ、dCas13bヌクレアーゼ、dCas13cヌクレアーゼ、またはdCas13dヌクレアーゼである。いくつかの態様において、触媒的に不活性なdCas13ヌクレアーゼは、配列番号1におけるアミノ酸配列を持つdCas13bヌクレアーゼである。いくつかの態様において、dCas13bヌクレアーゼは、配列番号1におけるアミノ酸配列の修飾されたバージョンを有する。
いくつかの態様において、触媒的に不活性なCas13ヌクレアーゼは、Cas13bヌクレアーゼ(dCas13b)である。いくつかの態様において、dCas13ヌクレアーゼは、Prevotella sp. P5-125 dCas13bヌクレアーゼ(PspdCas13)である。
いくつかの態様において、Cas13ヌクレアーゼは、Cas13ヌクレアーゼタンパク質が上に記載のとおりの非特異的なRNAse活性を保有することを理由として、触媒的に不活性である。
【0029】
活性なCRISPR-RNA(crRNA)は、CRISPR前駆体転写産物(プレcrRNA)から生産される。細胞において、プレcrRNAのアレイは、単一の核酸分子に転写され得、およびその結果得られるプレcrRNAは、Casヌクレアーゼおよび他のRNAエンドヌクレアーゼタンパク質によって一組のcrRNA分子へとプロセスされる(成熟させられる)。一組のcrRNA分子は、1~50、5~40、5~30、5~20、5~10、10~50、10~40、10~30、10~20、20~50、20~40、20~30、30~50、30~40、40~50またはそれより多くのcrRNA分子を包含してもよい。成熟したcrRNA分子は、単一のスペーサー配列および反復配列を含有する。成熟したcrRNA分子は、Casヌクレアーゼに結合される。
プレcrRNAをcrRNAへとプロセスするRNAエンドヌクレアーゼタンパク質は、あるCasヌクレアーゼを包含する、いずれのRNAエンドヌクレアーゼタンパク質であってもよい。RNAエンドヌクレアーゼタンパク質の非限定例は、以下のものを包含する:Cas13、Cse(CasE)、Cas6、Cys4、Cas5d、RNAse I、RNAse II、およびRNAse III。
【0030】
いくつかの態様において、プレcrRNAをcrRNAへとプロセスするRNAエンドヌクレアーゼタンパク質は、Cas13ヌクレアーゼである。Cas13a、Cas13c、およびCas13dヌクレアーゼは、ダイレクトリピート(DR)領域およびスペーサー領域を(5'から3'へ)持つcrRNAになるようにプレcrRNAをプロセスする。Cas13bヌクレアーゼは、スペーサー領域およびダイレクトリピート領域を(5'から3'へ)持つcrRNAになるようにプレcrRNAをプロセスする。しかしながら、CasヌクレアーゼがCas13ヌクレアーゼであり、および、プレcrRNAが、標的RNA配列を結合するCas13ヌクレアーゼのために充分であるときには、プレcrRNAプロセシングは要求されない(例として、East-Seletsky, et al., Molecular Cell, 2017)。
【0031】
いくつかの態様において、本明細書中のCasヌクレアーゼは、プレcrRNAプロセシングを欠損している。本明細書中のプレcrRNAプロセシングを欠損しているCasヌクレアーゼは、プレcrRNAプロセシングを欠損するように修飾されたCasヌクレアーゼの組換えまたは天然に存在する型またはそのバリアントもしくはホモログのあらゆるものを包含する(例として、天然に存在するCasヌクレアーゼと比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の活性以内)。いくつかの側面において、バリアントまたはホモログは、天然に存在するCasヌクレアーゼと比較して、全体配列または配列の部分(例として、50、100、150、または200の連続的なアミノ酸部分)にわたって少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。Casヌクレアーゼは、点突然変異、突然変異の組み合わせ、または1つ以上のプレcrRNAプロセシング(例として、lid)ドメインの脱離もしくは置換によって、プレcrRNAプロセシングとされてもよい。
【0032】
本明細書中のCasヌクレアーゼにおけるプレcrRNAプロセシングの欠損は、触媒的な不活性とは別個のことであり、および、触媒的な不活性に加えてのまたは触媒的な不活性とは無関係のことであり得る。いくつかの態様において、Casヌクレアーゼ(例として、Cas13)は、触媒的に不活性であり(dCas)かつプレcrRNAプロセシングを欠損している。
プレcrRNAプロセシングを欠損しているCasヌクレアーゼは、プレcrRNAが、Casヌクレアーゼ活性を生じさせるためにcrRNAへとプロセスされる必要がないときに、好ましい。
【0033】
いくつかの態様において、プレcrRNAプロセシングを欠損しているCas13ヌクレアーゼは、Cas13bヌクレアーゼである。Cas13bヌクレアーゼにおいて、プレcrRNAプロセシング活性を担うアミノ酸は、lidドメインにある(例として、Slaymaker, et al., Cell Reports, 2019)。よって、Cas13ヌクレアーゼのlidドメインまたはlidドメインであると疑わしいものにおける、いずれかの残基またはいずれかの残基の組み合わせは、Cas13ヌクレアーゼがプレcrRNAプロセシングを欠損するように突然変異または欠失していてもよい。Cas13ヌクレアーゼ(例として、Cas13bヌクレアーゼ)の配列は、プレcrRNAプロセシングのために要求されるlidドメインにおける残基を同定するためにアラインされてもよい。Cas13ヌクレアーゼがプレcrRNAプロセシングを欠損するようにこれらの残基のあらゆる組み合わせが突然変異していてもよい。
【0034】
いくつかの態様において、プレcrRNAプロセシングを欠損しているCas13ヌクレアーゼは、Prevotella (P.) sp. P5-125 Cas13bヌクレアーゼである。P. sp. P5-125におけるlidドメインは、プレcrRNAプロセシングに不可欠であるアミノ酸367~370(KADK)を含有する。いくつかの態様において、P. sp. P5-125がプレcrRNAプロセシングを欠損するように、アミノ酸367~370の1つ、いくつか、または全部が、突然変異している。よって、いくつかの態様において、プレcrRNAプロセシングを欠損している酵素は、配列番号1のアミノ酸位置367~370(KADK)に対応する1つ以上の位置(単数または複数)に突然変異を有する。いくつかの態様において、プレcrRNAプロセシングを欠損している酵素は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。
【0035】
いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367~370に対応する1つの位置、2つの位置、3つの位置、または4つの位置が、本開示におけるプレcrRNAプロセシングを欠損しているCasヌクレアーゼ(例として、Cas13b)において突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置369に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置370に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および368に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および369に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および370に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368および369に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368および370に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、368および369に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、369および370に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368、369および370に対応するアミノ酸が、突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、368、369および370に対応するアミノ酸が、突然変異している。
【0036】
いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367~370(KADK)に対応する1つ以上の位置(単数または複数)は、非極性の中性アミノ酸に突然変異している。非極性の中性アミノ酸の非限定例は、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、メチオニン(M)、トリプトファン(W)、グリシン(G)、およびシステイン(C)である。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)は、アラニンに突然変異している。いくつかの態様において、プレcrRNAプロセシングを欠損している酵素は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)は、非極性の中性アミノ酸の組み合わせに突然変異している。
【0037】
いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367に対応するアミノ酸が、非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368に対応するアミノ酸が、非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置369に対応するアミノ酸が、非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置370に対応するアミノ酸が、非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および368に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および369に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367および370に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368および369に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368および370に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、368および369に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、369および370に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置368、369および370に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。いくつかの態様において、配列番号1のアミノ酸位置367、368、369および370に対応するアミノ酸が、1つ以上の非極性の中性アミノ酸(例として、アラニン)に突然変異している。
【0038】
ガイドRNA
CRISPR/Casヌクレアーゼは、標的部位とガイドRNA(gRNA)との間の相補的な塩基対合を通じて関心対象の標的部位に向けられる。用語「gRNA」および「crRNA」は、本明細書中で互換的に使用される。本明細書中のgRNAは、(1)標的RNA配列(例として、非コード配列、コード配列)にハイブリダイズする(結合する)少なくとも1つのユーザー定義のスペーサー配列(RNAターゲティング配列ともまた称される)、および、(2)CRISPR/Casヌクレアーゼを標的RNA配列へ誘導するためにCRISPR/Casヌクレアーゼへ結合するスキャフォールド配列(例として、ダイレクトリピート配列)を含む。当業者には理解されるとおり、各gRNAは、その標的RNA配列に相補的なスペーサー配列を包含するように設計される。スペーサー配列の長さは様々であってもよく、例えばそれは、15~50、15~40、15~30、20~50、20~40、または20~30ヌクレオチドの長さを有してもよい。いくつかの態様において、スペーサー配列の長さは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30+/-2ヌクレオチドである。
【0039】
いくつかの態様において、CRISPR/Casシステムは、CRISPR/Cas13システムであり、およびgRNAは、Cas13 gRNAである。CRISPR/Cas13システムのgRNAは、Cas13ヌクレアーゼへ結合するダイレクトリピート(DR)ヘアピン構造、および相補的なRNA標的配列へ結合するスペーサー配列を含む。ダイレクトリピートヘアピン構造は、本開示のgRNAにおいて、スペーサー配列(例として、Cas13a、Cas13c、またはCas13dシステムにおける)の上流(5'末端に向かう)、またはスペーサー配列(例として、Cas13bヌクレアーゼシステムにおける)の下流(3'末端に向かう)であってもよい。
【0040】
RNAアプタマーおよびRBD配列
本開示に提供されるガイドRNAは、RNAアプタマーを含む。RNAアプタマーは、特定のRNA結合ドメイン(RBD)に認識および結合されることができるRNA配列(例として、一本鎖RNA配列、二本鎖RNA配列、ハイブリッド一本鎖RNA配列、または部分的に二本鎖のRNA配列)である。本開示において、RNAアプタマーは、RBDへ結合する。RNAアプタマーおよびRBDは、特定のRNAアプタマーおよびRBDに限定されない。RNAアプタマーの非限定例は、PUFドメイン結合(PBS)配列、MS2配列、PP7配列、Qβ配列、A30配列、J-18配列、CD4配列、A10配列、およびPRRスキャフォールド結合配列(例として、Germer, et al., Int. J. Biochem. Mol. Biol., 2013)である。RBDの非限定例は、Pumilio-FB(PUF)ドメイン、MS2コートタンパク質(MCP)ドメイン、PP7コートタンパク質(PCP)ドメイン、RNA認識モチーフ(RRM)、K相同ドメイン(KH)、RGG(Arg-Gly-Gly)ボックス、ジンクフィンガードメイン、二本鎖RNA結合ドメイン(dsRBD)、Piwi/アルゴノート/Zwille(PAZ)ドメイン、およびPRRスキャフォールドドメインである(例として、Coquille S et al. Nature Communications 20014; 5(5729)を参照)。
【0041】
いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、PUFドメイン結合配列(PBS)であり、およびRBD配列は、PUFドメインである。PUFドメインおよびPBSは、当該技術分野において知られている(例として、その各々が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2016148994A号およびCheng A. et al. Cell Research 2016; 26: 254-257、を参照)。手短に言えば、PBSは、PUFドメインに結合される。いくつかの態様において、PBSは、8merである。かかる態様において、65,000よりも多くの可能なPBS配列がある(4つの可能なRNAヌクレオチドがあるとした場合)。他の態様において、本開示のPBSは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはそれより多くのRNAヌクレオチドを有する。PUFドメインは、特異的なRNA塩基を認識する35~39アミノ酸の複数タンデム配列を含有する。いくつかの態様において、本開示のPUFドメインは、PBSにおいて5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはそれより多くのRNAヌクレオチドを結合する。いくつかの態様において、PUFドメインは、8つより多い単位から構成される。例えば、PUF9Rは、9つの単位を有し、および9つのRNA塩基を認識する(例として、Zhao Y et al., Nucleic Acids Research, 2018; 46(9): 4771-4782を参照)。
【0042】
PBSおよびPUFドメインは、あらゆるPBSおよびその対応するPUFドメインであってもよい。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUAUAUA-3'を有しおよび野生型ヒトPumilio 1 PUFドメインを結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUAUGUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(3-2)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UUGAUAUA-3'を有しおよびPUFドメインCを結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGGAUAUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(6-2)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UUUAUAUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(7-2)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUGUGUG-3'を有しおよびPUFドメインPUF531を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUAUAUG-3'を有しおよびPUFドメインPUF(1-1)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UUUAUAUA-3'または5'-UAUAUAUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(7-1)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUAUUUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(3-1)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UUUAUUUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF(7-2/3-1)を結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UUGAUGUA-3'を有しおよびPUFドメインPUFcを結合する。いくつかの態様において、本開示のPBSは、配列5'-UGUUGUAUA-3'を有しおよびPUFドメインPUF9Rを結合する。WO 2016148994に記載されているPUFドメインのいずれか1つが、本明細書に提供されるとおりに使用されてもよい。他のPUFドメインが使用されてもよい。
【0043】
いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、MS2アプタマー配列であり、およびRBD配列は、MCP配列である。MS2アプタマーおよびMCP配列は、当該技術分野において知られている(例として、Bertrand, et al., Molecular Cell, 1998)。手短に言えば、MS2アプタマー配列は、バクテリオファージMS2に由来し、および、MS2コートタンパク質(MS2 coat protein)(MCP)結合配列によって認識されるステムループを形成するRNA配列である。MCP RBDは、第2のステムループから2塩基対によって離された膨らんだ(bulged)プリン(例として、対をなさないアデニン(A)またはウラシル(U))を持つRNAステムループを優先的に結合する。あらゆるMS2アプタマー配列およびその対応するMCP配列が使用されてもよい。
【0044】
いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、PP7アプタマー配列であり、およびRBD 配列は、PCP配列である。PP7アプタマーおよびPCP配列は、当該技術分野において知られている(例として、LimおよびPeabody, Nucl. Acids Res., 2002)。手短に言えば、PP7アプタマーは、バクテリオファージPP7に由来し、および、PP7コートタンパク質(PP7 coat protein)(PCP)結合配列によって認識されるステムループを形成するRNA配列である。PCP RBDは、第2のステムループから4塩基対によって離されたそれらの5'側上の膨らんだ(bulged)プリン(例として、対をなさないAまたはU)を持つRNAステムループを結合する。あらゆるPP7アプタマー配列およびその対応するPCP配列が使用されてもよい。
【0045】
RNAアプタマー
いくつかの態様において、本開示のgRNAは、RNAアプタマー配列をさらに含む。「RNAアプタマー配列」は、1つ以上のRNAアプタマー配列を指すということが理解されるであろう。RNAアプタマーは、gRNAへ連結されるかまたはgRNA内に組み込まれてもよい。「へ連結される」は、この文脈においては、gRNAの5'末端または3'末端に付着した(繋ぎ合わせられた)かまたは内部的に(gRNAの5'末端3'末端の間に)挿入されたRNAアプタマーを指す。gRNAへ連結されるRNAアプタマーは、介在するリンカーを伴わずに直接的に、または介在するリンカーを通じて間接的に、gRNAへ連結されてもよい。介在するリンカーは、これらに限定されないが以下のものを包含するあらゆるリンカーであってもよい:ヌクレオチド配列(例として、RNA、DNA、RNA/DNA)、切断可能(例として、エンドヌクレアーゼによって)または切断不能のいずれでもよいポリペプチド配列、またはジスルフィドリンカー。他のリンカーもまた使用されてもよい。
【0046】
gRNA内に組み込まれるRNAアプタマー配列は、Casヌクレアーゼが依然としてgRNAを結合することができ(例として、ダイレクトリピート配列に)およびスペーサー配列が依然としてその標的RNA配列へ結合することができるようにであればgRNA内のどこにでも位置付けられてもよい。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、Casヌクレアーゼへ結合する反復配列の上流(5'側)に、反復配列内に、または下流(3'側)に位置付けられてもよい。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、スペーサー配列の上流(5'側)に、スペーサー配列内に、または下流(3'側)に位置付けられてもよい。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、ダイレクトリピート配列とスペーサー配列との間に位置付けられる。
【0047】
本開示のgRNAは、いくつのRNAアプタマーを含有してもよい。いくつかの態様において、gRNAは、1~50、1~40、1~30、1~20、1~10、1~5、5~50、5~40、5~30、5~20、5~10、10~50、10~40、10~30、10~20、20~50、20~40、20~30、30~50、30~40、または40~50のRNAアプタマーを含有する。複数のRNAアプタマーが同じgRNA上に存在するとき、RNAアプタマーは、すべて同じRNA結合ドメイン(RBD)を結合してもよく、いくつかが異なるRBDを結合してもよく、またはそれらがすべて異なるRBDへ結合してもよい。単一のgRNA上の複数のRNAアプタマーの存在は、各RNAアプタマーが単一のRNA結合ドメイン(RBD)配列に結合されるという理由から、標的RNA分子での多重化を可能にする。
【0048】
単一のgRNA上に1つよりも多くのRNAアプタマーが存在する態様では、1つ以上のスペーサー領域(単数または複数)が、2つの隣接するRNAアプタマーを分離してもよい。スペーサー領域は、約3ヌクレオチド~約100ヌクレオチドの長さを有してもよい。例えば、スペーサーは、約3ヌクレオチド(nt)~約90nt、約3ヌクレオチド(nt)~約80nt、約3ヌクレオチド(nt)~約70nt、約3ヌクレオチド(nt)~約60nt、約3ヌクレオチド(nt)~約50nt、約3ヌクレオチド(nt)~約40nt、約3ヌクレオチド(nt)~約30nt、約3ヌクレオチド(nt)~約20ntまたは約3ヌクレオチド(nt)~約10ntの長さを有することができる。例えば、スペーサーは、約3nt~約5nt、約5nt~約10nt、約10nt~約15nt、約15nt~約20nt、約20nt~約25nt、約25nt~約30nt、約30nt~約35nt、約35nt~約40nt、約40nt~約50nt、約50nt~約60nt、約60nt~約70nt、約70nt~約80nt、約80nt~約90nt、または約90nt~約100ntの長さを有することができる。いくつかの態様において、スペーサーは、4ntである。
【0049】
RNAエフェクター分子
本開示のCRISPR/Cas RNAシステムは、RNAエフェクター分子を含む。本明細書において、RNAエフェクターは、検出される(例として、イメージングされる)ことができる分子(例として、タンパク質またはペプチド)および/または標的RNAに対して作用する分子を指す。RNAエフェクター分子機能の非限定例は、転写調節機能(例として、スプライシング、発現)、転写後修飾機能(例として、メチル化、脱メチル化)、および他のRNAプロセシング機能(例として、標的化(例として、分解のため))を包含する。
【0050】
いくつかの態様において、RNAエフェクター分子は、検出可能な分子である。検出可能な分子は、細胞内でトラッキングされ得る分子である。検出可能な分子のトラッキングは、これらに限定されないが以下のものを包含するあらゆる方法であってもよい:イメージング、走査、および顕微鏡法。いくつかの態様において、検出可能な分子は、細胞内でイメージングされる。イメージングは、in vitroまたはin vivoのいずれでもよい、生細胞におけるものまたは死細胞(例として、固定された細胞)におけるものであり得る。細胞内の検出可能な分子をイメージングする方法は、これらに限定されないが、以下のものを含む:蛍光、放射性標識された放射、重原子標識化、および電子顕微鏡法。
【0051】
いくつかの態様において、RNAエフェクター分子は、蛍光によってイメージングされる検出可能な分子である。蛍光イメージングは、蛍光タンパク質および/または蛍光色素に頼るものである。RNAエフェクター分子は、あらゆる蛍光タンパク質または蛍光色素であってもよい。蛍光タンパク質の非限定例は、以下のものを包含する:緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、Clover、Sirius、青色蛍光タンパク質(BFP)、SBFP2、Azurite、mAzurite、EBFP2、moxBFP、mKalama1、mTagBFP2、Aquamarine、シアン蛍光タンパク質(CFP)、ECFP、Cerulean、mCerulean3、moxCerulean3、SCFP3A、mTurqouise2、CyPet、AmCyan1、MiCy、iLOV、AcGFP1、sfGFP、moxGFP、mEmerald、EGFP、mEGFP、mAzamiGreen、CfSGFP2、ZsGreen、SGFP2、mClover2、mClover3、mNeonGreen、EYFP、Topaz、mTopaz、mVenus、moxVenus、SYFP2、mGold、mCitrine、yPet、ZsYellow、mPapayay1、mCyRFP1、mKO、mOrange、mOrange2、mKO2、TurboRFP、tdTomato、mScarlet-H、mNectarine、mRuby2、eqFP611、DsRed2、mApple、mScarlet、mScarlet-1、mStrawberry、FusionRed、mRFP1、mCherry、およびmCherry2。蛍光色素の非限定例は、以下のものを包含する:AlexaFluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 561、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、Pacific Blue、クマリン、BODIPY-FL、Pacific Green、Oregon Green、フルオレセイン(FITC)、Cy3、Pacific Orange、PE-Cyanine 7、PerCP-Cyanine 5.5、テトラメチルローダミン(TRITC)、Texas Red、Cy5、SNAPタグ、CLIPタグ、およびHALOタグ。
【0052】
これらの蛍光タンパク質および/または蛍光色素のあらゆる組み合わせが、本明細書に提供される方法、キット、および組成物において使用されてもよい。例えば、複数の異なる蛍光タンパク質を利用することは、生細胞内において所与のRNA分子でまたは同時に複数のRNA分子で複数のRNAエフェクター分子のイメージングを可能にするであろう。
【0053】
本開示のいくつかの側面において、RNAエフェクター分子は、RNAスプライシング因子である。RNAスプライシング因子は、前駆体メッセンジャーRNA(プレmRNA)を成熟したmRNAへと変換するタンパク質である。スプライシングの間に、イントロン(例として、タンパク質非コード領域)は、プレmRNAから除去され、およびエキソン(例として、タンパク質コード領域)は、互いに繋ぎ合わせられる(スプライシングされる)。選択的スプライシングは、エキソンが様々な配列または様々な立体配置で互いに繋ぎ合わせられるときに起こる(例として、Clancy, Nature Education, 2008)。スプライシング因子の非限定例は、以下のものを包含する:RBFOX1、U2核内低分子RNA補因子1(U2AF35)、U2AF2(U2AF65)、スプライシング因子1(SF1)、U1核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11、U12、U4atac、およびU6atac。これらのスプライシング因子のあらゆる組み合わせまたはあらゆる他のスプライシング因子が、本明細書に提供される方法、キット、および組成物において使用されてもよい。
【0054】
本開示のいくつかの側面において、RNAエフェクター分子は、RNAメチル化または脱メチル化タンパク質である。RNAメチル化は、転写後修飾である(例として、Zhou, et. al., Biomedicine & Pharmacotherapy, 2020)。RNAメチル化および脱メチル化は、遺伝子発現、タンパク質翻訳、ならびにがん、免疫、およびウイルス感染への応答を包含する病的な状態に影響を及ぼす。RNA分子は、これらに限定されないが以下のものを包含するあらゆる部位でメチル化されてもよい:アデニル酸の第6番目のN(m6A)で、アデニル酸の第1番目のN(m1A)で、シトシンの第5番目のN(m5C)で。RNAメチル化タンパク質は、これらに限定されないが以下のものを包含する、RNAをメチル化または脱メチル化させることに関与するあらゆるタンパク質であってもよい:METTL3、METTL14、WTAP、VIRMA、ZC3H13、RBM15、RBM15B、HAKAI、METTL16、METTL5、FTO、およびALKBH5。これらのRNAメチル化または脱メチル化タンパク質のあらゆる組み合わせまたはあらゆる他のRNAメチル化または脱メチル化タンパク質が、本明細書に提供される方法、キット、および組成物において使用されてもよい。
【0055】
本開示のいくつかの側面において、RNAエフェクター分子は、RNA分解分子である。RNA分解分子は、標的RNAの分解を媒介する分子である。RNAは、それらの機能に依存して様々な時間で分解し、リボソームRNAは長い存在期間を有し、プロセシング、折り畳み、または集合における欠陥を持つRNA分子は極めて短い存在期間を有する(例として、DeyおよびJaffrey, Cell Chemical Biology, 2019)。RNA分解分子は、これらに限定されないが以下のものを包含する、あらゆる分子であってもよい:Rnt1pを包含するタンパク質;リボヌクレアーゼ標的化キメラ(RIBOTAC)、(2'-5')オリゴアデニル酸アンチセンスキメラを包含するキメラ;およびTargapremir-210(TGP-210)を包含する小分子。これらのRNA分解分子のあらゆる組み合わせまたはあらゆる他のRNA分解分子が、本明細書に提供される方法、キット、および組成物において使用されてもよい。
【0056】
本開示のいくつかの側面において、RNAエフェクター分子は、RNAプロセシング分子である。RNAプロセシングは、mRNAの5'キャップ形成、mRNAの3'ポリアデニル化、および/またはヒストンmRNAプロセシングを包含する(例として、Lodish et al., Molecular Cell Biology、第4版、2000)。RNAプロセシング分子の非限定例は、以下のものを包含する:RNAトリホスファターゼ、グアノシルトランスフェラーゼ、グアニン-N-メチルトランスフェラーゼ、切断およびポリアデニル化特異性因子、切断刺激因子、切断因子1、ポリアデニル酸ポリメラーゼ、切断およびポリアデニル化特異性因子73。これらのRNAプロセシング分子のあらゆる組み合わせまたはあらゆる他のRNAプロセシング分子が、本明細書に提供される方法、キット、および組成物において使用されてもよい。
【0057】
アプタマー結合RBD配列
いくつかの態様において、本開示のRNAエフェクター分子は、アプタマー結合RNA 結合ドメイン(RBD)配列をさらに含む。RBD配列は、1つ以上のRBD配列を網羅するということが理解される。RBDは、RNAエフェクター分子へ連結されるかまたはRNAエフェクター分子内に組み込まれてもよい。「へ連結される」は、この文脈においては、RNAエフェクター分子のN末端またはC末端(アミノ酸配列の場合)または5'末端または3'末端(ヌクレオチド配列の場合)に付着したRBDを指す。RNAエフェクター分子へ連結されるRBDは、介在するリンカーを伴わずに直接的に、または介在するリンカーを通じて間接的に、RNAエフェクター分子へ連結されてもよい。介在するリンカーは、これらに限定されないが以下のものを包含するあらゆるリンカーであってもよい:ヌクレオチド配列(例として、RNA、DNA、RNA/DNA)、切断可能(例として、エンドヌクレアーゼによって)または切断不能のいずれでもよいポリペプチド配列、またはジスルフィドリンカー。他のリンカーもまた使用されてもよい。
【0058】
RNAエフェクター分子内に組み込まれるRBDは、RNAエフェクター分子が依然としてその機能(例として、検出、RNA編集)を行うことができるようにであればRNAエフェクター分子内のどこにでも位置付けられてもよい。RNAエフェクター分子がCRISPR/Casヌクレアーゼシステムの一部である態様においては、RBDは、RNAエフェクター分子のN末端側(アミノ酸配列の場合)もしくは5'側(ヌクレオチド配列の場合)に、RNAエフェクター分子内に、またはC末端側(アミノ酸配列の場合)もしくは3'側(ヌクレオチド配列の場合)に位置付けられてもよい。
【0059】
本開示のRNAエフェクター分子は、いくつのRBDを含有してもよい。いくつかの態様において、RNAエフェクター分子は、1~50、1~40、1~30、1~20、1~10、1~5、5~50、5~40、5~30、5~20、5~10、10~50、10~40、10~30、10~20、20~50、20~40、20~30、30~50、30~40、または40~50のRBDを含有する。複数のRBDが同じRNAエフェクター分子上に存在するとき、RBDは、すべて同じRNAアプタマー配列を結合してもよく、いくつかが異なるRNAアプタマー配列を結合してもよく、またはそれらがすべて異なるRNAアプタマー配列へ結合してもよい。単一のエフェクター分子上の複数のRBDの存在は、各RBDが単一のRNAアプタマー配列を結合するという理由から、標的RNA分子での多重化を可能にする。
【0060】
いくつかの態様において、RNAエフェクター分子は、RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列を含む。特異的に結合することは、RBDのその対応するRNAアプタマーに対する優先的な結合を指す(例として、PUFドメイン→PBS;MCP→MS2;PCP→PP7)。
【0061】
キット
本開示は、いくつかの態様においては、キットを提供する。キットは、例えば、RNAアプタマー配列へ連結されたCRISPR/CasヌクレアーゼgRNA、および、RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRBD配列へ連結された検出可能な分子を含むRNAエフェクター分子を含んでもよい。いくつかの態様において、本開示のキットは、dCasヌクレアーゼをさらに含む。いくつかの態様において、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼは、dCas13ヌクレアーゼである。いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、PBSであり、およびRBDは、PUFドメインである。いくつかの態様において、RNAエフェクター分子は、蛍光分子などの検出可能な分子である。
【0062】
本開示のキット中のタンパク質は、単離されたタンパク質分子であってもよく、またはタンパク質をコードするヌクレオチド配列であってもよい。本開示のキット中のヌクレオチドは、単離されたヌクレオチド分子であってもよく、またはより大きな核酸分子(例として、プラスミド、ベクター、等々)においてコードされてもよい。
【0063】
上の要素に加えて、キットは、要素の使用のためのおよび/または方法を実践するための、指示をさらに包含してもよい。これらの指示は、様々な形態でキット内に存在してもよく、そのうちの1つ以上がキット内に存在してもよい。これらの指示が存在してもよい1つの形態は、キットのパッケージ中の、または添付文書中の、一枚または数枚の情報が印刷された紙などの好適な媒体または基体上に印刷された情報としてである。もう1つの手段は、情報が記録されたディスケットまたはCDなどのコンピューター可読媒体であろう。さらに、指示が存在し得る別の手段は、離れた箇所で情報へアクセスするためのインターネットを介して使用されるウェブサイトアドレスである。
【0064】
キットの要素は、水性媒体または凍結乾燥された形態のいずれかでパッケージ化されてもよい。キットは、一般に、記載された試薬がその中へと入れられおよび好適に等分される、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、瓶、シリンジまたは他の容器の手段を包含するようにパッケージ化されることになる。追加の要素が提供される場合、キットはまた、一般に、かかる要素がその中へと入れられてもよい第2の、第3のまたはその他の追加の容器も含んでいてもよい。
本開示のキットはまた、商業販売のために試薬容器を密封して含んでおくための手段も包含してもよい。かかる容器は、所望のバイアルがその中へと保持される射出成形またはブロー成形されたプラスチック容器を包含してもよい。
【0065】
生細胞イメージング方法
いくつかの側面において、本開示の方法は、生細胞内において関心対象のRNA(または複数の関心対象のRNA)をイメージングすることに使用されてもよい。生細胞内において関心対象のRNAをイメージングすることは、これらに限定されないが、生細胞内におけるRNA編集、転写、または転座(translocation)を包含するRNA動力学を研究することを可能にする。方法は、単一のgRNAを用いて単一の関心対象のRNAをイメージングすることに、複数のgRNAを用いて単一の関心対象のRNAをイメージングすることに、および、複数のgRNAを用いて複数の関心対象のRNAをイメージングすることに、使用されてもよい。
【0066】
いくつかの態様において、本明細書に提供される生細胞イメージング方法は、RNA編集を研究することに使用されてもよい。RNA編集は、これに限定されないが、スプライシング、メチル化、脱メチル化、分解、およびプロセシングを包含する。生細胞内におけるRNA編集を研究することによって、スプライシングなどの多段階プロセス中で生じる中間体が、リアルタイムで可視化され得る。例えば、生細胞RNAイメージングは、RNAスプライシングの間のスプライセオソームの形成;メチル化または脱メチル化複合体の局在化;分解分子の結合;または5'mRNAキャップ形成もしくは3'ポリアデニル化に先立つ切断などの、動的なRNA編集状態の捕捉および研究を実現可能にする。
【0067】
例えば、生細胞RNAイメージングは、成熟したmRNAが生産される前のRNAスプライシングにおいて中間体を可視化することに利用されてもよい。よって、いくつかの態様において、本開示は、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼ(例として、dCas13)を含むRNA編集複合体、(1)標的プレmRNA分子内に存在する非コード配列に相補的なスペーサー配列および(2)RNAアプタマー配列を含むgRNA、ならびに、RNAアプタマー配列を結合するRNA結合ドメインに融合された蛍光RNAエフェクタードメインを、生細胞へ送達することを提供する。RNA編集複合体は、非コード標的配列で集合し、これは次いで蛍光RNAエフェクタードメインを使用してリアルタイムで可視化される。
【0068】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、生細胞内においてRNA転写を研究することに使用されてもよい。いくつかの態様において、本開示は、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼ(例として、dCas13)を含むRNA編集複合体、(1)転写開始部位配列に相補的なスペーサー配列および(2)RNAアプタマー配列を含むgRNA、ならびに、RNAアプタマー配列を結合するRNA結合ドメインに融合された蛍光RNAエフェクタードメインを、生細胞へ送達することを提供する。RNA編集複合体は、転写開始部位配列で集合し、これは次いで蛍光RNAエフェクタードメインを使用してリアルタイムで可視化される。
【0069】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、生細胞内においてRNA転座を研究することに使用されてもよい。例えば、初期トランスファーRNA(tRNA)は、それらが生産されるとともに核内でイメージングされ、および真核細胞の細胞質まで追跡されてもよい。よって、いくつかの態様において、本開示は、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼ(例として、dCas13)を含むRNA編集複合体、(1)初期tRNA分子内の配列(例として、Dループ、Tループ、アンチコドンループ)に相補的なスペーサー配列および(2)RNAアプタマー配列を含むgRNA、ならびに、RNAアプタマー配列を結合するRNA結合ドメインに融合された蛍光RNAエフェクタードメインを、生細胞へ送達することを提供する。RNA編集複合体は、初期tRNA配列で集合し、これは次いで蛍光RNAエフェクタードメインを使用してリアルタイムで可視化される。
【0070】
いくつかの態様において、本明細書中の方法は、生細胞内において非反復RNA配列(または複数の非反復RNA配列)をイメージングすることを含む。非反復配列は、細胞内における反復していない配列(RNA編集複合体が結合し得る配列)または単一のRNA分子内における反復していない配列である。生細胞内における単一の非反復配列をイメージングする能力は、初期mRNA内の疾患原因配列、または選択的スプライシングされた成熟したmRNA転写産物であって次いで突然変異型タンパク質へと翻訳されるものなどの、動的なまたは希少な細胞の状態の可視化および捕捉を可能にする。非反復配列を可視化することによって、疾患または障害の原因を決定することが可能になり得る。例えば、選択的スプライシングを受けるLMNA(遺伝子ID:4000)などの遺伝子から転写された初期mRNAのイントロンにおいて生じる非反復配列をイメージングすることは、これらに限定されないが、以下のものを包含する選択的スプライシングに起因して起こる様々な疾患状態を区別できるようにし得る:エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、家族性部分型リポジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、拡張型心筋症、シャルコー・マリー・トゥース病、およびハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群。
【0071】
非反復または反復配列に起因する選択的スプライシングに関連する他のあらゆる疾患または障害もまた、本明細書に提供される方法、キット、および組成物を使用して識別されてもよい。かかる疾患または障害の非限定例は、以下のものを包含する:嚢胞性線維症、パーキンソン病、脊髄性筋萎縮症、筋強直症ジストロフィー1型、およびがん。
【0072】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、病原性のRNA配列の分析を可能にする。分析は、これらに限定されないが感染、分離(segregation)、複製、およびパッケージングを包含するあらゆる病原性のRNAの機能を研究するためのイメージングを包含してもよい。病原性のRNAは、これらに限定されないが、ウイルスのRNA配列、細菌のRNA配列、原生動物のRNA配列、または真菌のRNA配列を包含する、あらゆる病原体に由来してもよい。いくつかの態様において、病原性のRNA配列は、ウイルスの病原性のRNA配列である。ウイルスの病原性のRNA配列は、あらゆるウイルスに由来してもよい。本開示における方法によって分析され得るウイルスの病原性のRNA配列の非限定例は、以下のものを包含する:コロナウイルス(例として、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2)、肝炎ウイルス(例として、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎)、インフルエンザウイルス(例として、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC、インフルエンザD)、およびヘルペスウイルス(例として、単純ヘルペス1、単純ヘルペス2、水痘帯状疱疹、エプスタイン・バール、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス6A、ヒトヘルペスウイルス6B、ヒトヘルペスウイルス7、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)。
【0073】
よって、いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼ(例として、dCas13)、関心対象の非反復RNA配列に相補的なスペーサー配列およびRNAアプタマー配列(例として、1つ以上のPBS配列)を含むgRNA、ならびに、RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRBD(例として、1つ以上のPUF)を含むRNAエフェクター分子を含む、RNA編集複合体を、生細胞へ送達することによって、1つの(またはそれより多くの)非反復配列をイメージングすることを含む。
【0074】
いくつかの側面において、本開示に提供される方法は、多重化型RNAイメージングを可能にする。多重化型RNAイメージングは、単一の生細胞内における無数の(例として、1つよりも多くの)RNA編集複合体の集合(assembly)を指す。無数のRNA編集複合体は、同じRNA分子上に、同じRNA分子複合体において存在する無数のRNA分子上に、または異なるRNA分子複合体において存在する無数のRNA分子上に、集合してもよい。例えば、単一のプレmRNA分子が、その非コードおよびコード領域で同時に多重イメージングを受けることで、プレmRNAスプライシングが可視化されてもよい。多シストロン性の(タンデムに転写されおよびスプライシング因子によって切り離される)複数のプレmRNAが、それらの非コード領域で同時に多重イメージングを受けてもよい。別々の複合体内に存在する複数のRNA分子(例として、mRNAおよびリボソームRNAまたはトランスファーRNA)が、同時に多重イメージングを受けてもよい。
【0075】
多重化型イメージングは、各々がユニークな単一の標的配列に相補的なスペーサー領域およびユニークな単一のRNAアプタマーを含有する、複数の単一のgRNAを使用すること、または、各々が単一のRNA標的配列およびRBDに夫々相補的である複数のスペーサー領域およびRNAアプタマーを含有する、単一のgRNAを使用することによって、成し遂げられてもよい。
いくつかの態様において、方法は、例えば、(a)触媒的に不活性なCRISPR/Casヌクレアーゼ(例として、dCas13)、(b)RNAアプタマー配列(例として、1つ以上のPBS配列)、ならびに検出可能な分子およびRNAアプタマー配列へ特異的に結合するRBD(例として、1つ以上のPUFドメイン)を含むRNAエフェクター分子を含む、Cas gRNA(例として、Cas13 gRNA)、を生細胞へ送達すること、ならびに、検出可能な分子をイメージングすることを含む。
【0076】
よって、いくつかの態様において、本開示は、第1のRNAアプタマー配列へ連結された第1のCas13 gRNA、および、第1のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第1のRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結された第1のRNAエフェクター分子;ならびに第2のRNAアプタマー配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第2のRBD配列へ連結された第2のRNAエフェクター分子で、細胞をトランスフェクトすることを含む、多重生細胞イメージング方法を提供する。いくつかの態様において、第1および第2のRNAアプタマー配列は、PBSであり、および第1および第2のRBD配列は、PUFである。
【0077】
いくつかの側面において、本明細書に提供される方法は、生細胞内において複数のRNA焦点をイメージングすることに使用される。RNA焦点は、単一のRNA分子または複数のRNA分子(例として、数十、数百)を含有してもよい。例えば、方法は、生細胞内において2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のRNA焦点をイメージングすることに使用されてもよい。いくつかの態様において、方法は、生細胞内において2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより多くのRNA焦点をイメージングすることに使用されてもよい。よって、いくつかの態様において、生細胞は、2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のgRNA(またはgRNAをコードする核酸)でトランスフェクトされる。例えば、本明細書中の生細胞は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより多くのgRNAでトランスフェクトされてもよい。トランスフェクションは、あらゆる方法であってもよい。非限定的な、トランスフェクションの方法は、以下のものを包含する:電気穿孔法、リン酸カルシウム、リポソーム、およびウイルスの(例として、レンチウイルスの、アデノウイルスの、アデノ随伴ウイルスの、レトロウイルスの)トランスフェクション。
【0078】
イメージングは、トランスフェクションの12~96時間後に行われてもよい。例えば、イメージングは、トランスフェクションの12、24、36、48、60、72、84、または96時間後に行われてもよい。別の例として、イメージングは、トランスフェクションの12~24、12~48、12~72、24~48、24~72、または48~72時間後に行われてもよい。イメージングは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15分間未満行われる。いくつかの態様において、画像は、ある時点で、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60分毎に取られる。いくつかの態様において、画像は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60分毎に取られる。いくつかの態様において、イメージングは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、24、36、48、60、または72時間の期間にわたって実施される。例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20時間に対して30分で画像が捉えられる。
【0079】
イメージングは、あらゆる方法によって成し遂げられてもよい。イメージングの方法は、使用される検出可能な分子に依存して選択される。例えば、蛍光の検出可能な分子が使用されるとき、生細胞集団を検査することに蛍光顕微鏡法(例として、共焦点蛍光顕微鏡法)を使用することができる。
【0080】
細胞(1つ以上の)は、RNA編集複合体を含むあらゆる細胞であってもよい。RNAを含有するあらゆる細胞が、本開示に提供される方法でイメージングされてもよい。イメージングされてもよい細胞の非限定例は、以下のものを包含する:哺乳動物、植物、細菌、原生動物、両生類、昆虫、および爬虫類細胞。いくつかの態様において、細胞は、哺乳動物の細胞である。哺乳動物の細胞は、これらに限定されないが、ヒト、マウス、ラット、霊長目の非ヒト動物、イヌ、ネコ、およびブタを包含する、あらゆる哺乳動物からのものであってもよい。細胞は、これらに限定されないが、ニューロン、線維芽細胞、上皮細胞、筋細胞、リンパ球、マクロファージ、および内皮細胞を包含する、あらゆるタイプの細胞であってもよい。
【0081】
その他の方法
いくつかの側面において、本開示の方法は、RNAを編集することに使用され得る。上に記載のとおり、RNAを編集することは、これらに限定されないが以下のものを包含するあらゆる方法であってもよい:RNAをスプライシングすること、メチル化(または脱メチル化)すること、標的化すること、またはプロセシングすること。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、標的RNAのスプライシングを可能にする。スプライシングは、RNAスプライシング因子であるRNAエフェクターをRNA編集複合体が含むときに起こり得る。例えば、標的RNAのスプライシングを可能にするRNAエフェクターは、RBFOX1、U2核内低分子RNA補因子1(U2AF35)、U2AF2(U2AF65)、スプライシング因子1(SF1)、U1核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11、U12、U4atac、またはU6atacであってもよい。多重化型RNAスプライシングとして知られるプロセスにおいて、複数のRNAスプライシング因子エフェクターが標的RNAに存在し得ることが理解されるべきである。
【0082】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、標的RNAのメチル化または脱メチル化を可能にする。メチル化および脱メチル化は、RNAメチル化タンパク質またはRNA脱メチル化タンパク質であるRNAエフェクターをRNA編集複合体が含むときに起こり得る。例えば、標的RNAのメチル化または脱メチル化を可能にするRNAエフェクターは、METTL3、METTL14、WTAP、VIRMA、ZC3H13、RBM15、RBM15B、HAKAI、METTL16、METTL5、FTO、またはALKBH5であってもよい。多重化型RNAメチル化または多重化型RNA脱メチル化として知られるプロセスにおいて、複数のRNAメチル化または脱メチル化エフェクターが標的RNAに存在し得ることが理解されるべきである。
【0083】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、標的RNA分子の分解を可能にする。分解は、RNA分解分子であるRNAエフェクターをRNA編集複合体が含むときに起こり得る。例えば、標的RNAの分解を可能にするRNAエフェクターは、Rnt1pを包含するタンパク質;リボヌクレアーゼ標的化キメラ(RIBOTAC)または(2'-5')オリゴアデニル酸アンチセンスキメラを包含するキメラ;または、Targapremir-210(TGP-210)を包含する小分子であってもよい。多重化型RNA分解として知られるプロセスにおいて、複数のRNA分解分子が標的RNAに存在し得ることが理解されるべきである。
【0084】
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、標的RNA分子のプロセシングを可能にする。プロセシングは、RNAプロセシング分子であるRNAエフェクタードメインをRNA編集複合体が含むときに起こり得る。例えば、標的RNAのプロセシングを可能にするRNAエフェクターは、RNAトリホスファターゼ、グアノシルトランスフェラーゼ、グアニン-N-メチルトランスフェラーゼ、切断およびポリアデニル化特異性因子、切断刺激因子、切断因子1、ポリアデニル酸ポリメラーゼ、または切断およびポリアデニル化特異性因子73であってもよい。多重化型RNAプロセシングとして知られるプロセスにおいて、複数のRNAプロセシング分子が標的RNAに存在し得ることが理解されるべきである。
【0085】
組成物
本開示のいくつかの側面は、RNA編集複合体を含む組成物を提供する。いくつかの態様において、組成物中のRNA編集複合体は、触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼ、RNAアプタマー配列を含むCas13 gRNA、および(i)検出可能な分子とRNA結合ドメイン(RBD)とを含むRNAエフェクター分子を含む。
【0086】
いくつかの態様において、RNA編集複合体は、RNAアプタマー配列を含む2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のCas13 gRNA、および、RNAアプタマー配列を結合するRNA結合ドメイン(RBD)を含む2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のRNAエフェクター分子を含む。
【0087】
いくつかの態様において、RNAアプタマー配列は、Pumilio結合配列(PBS)であり、およびRBDは、Pumilio-FBF(PUF)ドメインである。PBS配列は、本明細書に記載のあらゆる配列であってもよく、およびPUFドメインは、本明細書に記載のあらゆるPUFドメインであってもよい。よって、いくつかの態様において、RNA編集複合体は、PBSを含む2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のCas13 gRNA、および、PBSを結合するPUF(RBD)を含む2~100、2~75、2~50、2~25、2~15、2~10、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、5~10、10~100、10~75、10~50、10~25、または10~15のRNAエフェクター分子を含む。
【0088】
いくつかの態様において、組成物は、賦形剤を含む。賦形剤の非限定例は、接着防止剤(例として、ステアリン酸マグネシウム)、バインダー(例として、スクロース、ラクトース、デンプン、セルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、糖アルコール(例として、キシリトール、ソルビトール、マンニトール)、タンパク質(例として、ゼラチン)、合成ポリマー(例として、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール)、コーティング(例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、トウモロコシタンパク質ゼイン);崩壊剤(例として、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、デンプン(例として、グリコール酸塩)、流動促進剤(例として、シリカゲル、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸マグネシウム)、保存料(例として、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、レチニルパルミタート、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン)、およびビヒクル(例として、ワセリン、ジメチルスルホキシド、鉱油)を包含する。
【0089】
追加の態様
追加の態様が、以下の番号付き段落によって網羅される:
1. 触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼ;
RNAアプタマー配列を含むCas13ガイドRNA(gRNA);および
RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列を含むRNAエフェクター分子、
を含む、リボ核酸(RNA)編集複合体。
2. dCas13ヌクレアーゼが、プレcrRNAプロセシングを欠損している、段落1のRNA編集複合体。
3. dCas13ヌクレアーゼが、dCas13bヌクレアーゼである、段落1または2のRNA編集複合体。
【0090】
4. dCas13ヌクレアーゼが、Prevotella dCas13ヌクレアーゼである、先行する段落のいずれか1つのRNA編集複合体。
5. Prevotella dCas13ヌクレアーゼが、Prevotella sp. P5-125 dCas13ヌクレアーゼ(PspdCas13)である、段落4のRNA編集複合体。
6. dCas13ヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異を含む、段落2~5のいずれか1つのRNA編集複合体。
【0091】
7. 配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸位置367~370に対応する1つ以上の位置(単数または複数)での突然変異が、非極性の中性アミノ酸に突然変異している、段落6のRNA編集複合体。
8. 非極性の中性アミノ酸が、アラニンである、段落7のRNA編集複合体。
9. RNAアプタマーが、Pumilioアプタマー配列、MS2アプタマー配列、およびPP7アプタマー配列から選択される、先行する段落のいずれか1つのRNA編集複合体。
【0092】
10. RNAアプタマー配列が、Pumilioアプタマー配列であり、およびRBD配列が、Pumilio結合ドメイン配列である、段落9のRNA編集複合体。
11. RNAアプタマー配列が、MS2アプタマー配列であり、およびRBD配列が、MS2コートタンパク質(MCP)配列である、段落9のRNA編集複合体。
12. RNAアプタマー配列が、PP7アプタマー配列であり、およびRBD配列が、PP7コートタンパク質(PCP)配列である、段落9のRNA編集複合体。
【0093】
13. RNAエフェクター分子が、検出可能な分子、RNAスプライシング因子、RNAメチル化または脱メチル化タンパク質、RNA分解分子、およびRNAプロセシング分子から選択される、先行する段落のいずれか1つのRNA編集複合体。
14. RNAアプタマー配列へ連結されたCas13ガイドRNA(gRNA);および
RNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結されたRNAエフェクター分子、
を含む、キット。
15. 触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼをさらに含む、段落14のキット。
【0094】
16. RNAアプタマー配列へ連結されたCas13ガイドRNA(gRNA)、およびRNAアプタマー配列へ特異的に結合するRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結されたRNAエフェクター分子で細胞をトランスフェクトすることを含む、方法。
17. 触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることをさらに含む、段落16の方法。
18. 細胞が、関心対象のRNA、および関心対象のRNAへ特異的に結合するgRNAを含む、段落16または17の方法。
19. 関心対象のRNAを修飾するために細胞をインキュベートすることをさらに含む、段落18の方法。
【0095】
20. 第1のRNAアプタマー配列へ連結された第1のCas13ガイドRNA(gRNA)、および、第1のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第1のRNA結合ドメイン(RBD)配列へ連結された第1のRNAエフェクター分子;ならびに
第2のRNAアプタマー配列へ連結された第2のCas13 gRNA、および、第2のRNAアプタマー配列へ特異的に結合する第2のRBD配列へ連結された第2のRNAエフェクター分子、
で細胞をトランスフェクトすることを含む、方法。
21. 触媒的に不活性なCas13(dCas13)ヌクレアーゼで細胞をトランスフェクトすることをさらに含む、請求項20の方法。
22. 細胞が、第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを含み、第1のCas13 gRNAが、第1の関心対象のRNAへ特異的に結合し、および第2のCas13 gRNAが、関心対象の第1の第2へ特異的に結合する、段落20または21の方法。
23. 第1の関心対象のRNAおよび第2の関心対象のRNAを修飾するために細胞をインキュベートすることをさらに含む、段落22の方法。
【0096】

例1:多重化型RNAターゲティングシステム
Cas13のgRNAを、種々異なるRNA編集機能を実行するためのCas13同族RNA結合ドメイン(RBD、例として、PUF/MCP/PCP)と融合された別個のエフェクターを動員すべく設計された種々異なるRNAアプタマーでタグ付けした。(図1B)。標的特異的なgRNA上のRNAアプタマーを同族のCas13 RBDと融合された機能的なエフェクターと対にすることによって、単一のdCas13を用いて同じ細胞内において異なるRNAプロセスをモジュレートすることおよび複数のRNAのマルチカラーイメージングを達成することが可能であった。
【0097】
Cas13タンパク質が、ダイレクトリピート(DR)と標的スペーサーとの間を切断することによって多シストロン性のプレcrRNAをプロセスすることが知られているという理由から、野生型Cas13は、gRNAに付いたアプタマーを切り離す可能性があり、本技術の文脈において、Cas13のcrRNAプロセシング活性の不活化が潜在的に必要になる。Prevotella buccae Cas13b(PbuCas13b)において、そのlidドメイン内の残基K393は、プレcrRNAのプロセシングのために要求されるということが同定された(Slaymaker et al., Cell Reports, 2019)。Prevotella sp. P5-125(PspCas13b)とPbuCas13bとの間のアラインメントはPspCas13b(配列番号1)のアミノ酸367~370(KADK)が同様のcrRNAプロセシング活性を保有し得るということを解明した(図1C)。gRNAのRNAアプタマーアレイがPspCas13bによって切断されないことを確実にするために、帯電したアミノ酸367~370(KADK)をアラニンに突然変異させてdpspCas13b(AAAA)突然変異体(配列番号2)を作り出した。
【0098】
例2:多重RNAターゲティングシステム媒介性RNAスプライシングモジュレーション
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、生存運動ニューロン1(SMN1)における欠陥が原因で起こる遺伝性のニューロン疾患である。SMN1のホモログであるSMN2のmRNAへのエキソン7のインクルージョンは、SMNタンパク質レベルを回復し、およびSMAの症状をレスキューすることができる。
【0099】
SMN2エキソン7のインクルージョンを誘発するために、3つのgRNA(配列番号21~23)を、これまでに報告されたとおりの標的化のための「DN」と呼ばれるエキソン7の下流のイントロンにおける配列に相補的に設計し(例として、Du et al., Nat. Commun., 2020)、および異なる数のMS2およびPBSc配列でタグ付けした。次いで、MCP-RBFOX1(配列番号3)およびPUFc-RBFOX1(配列番号4)を夫々作るために、スプライシング因子RBFOX1内のRRM 領域(118~189)をMCPおよびPUFc配列で置き換えることによって、機能的RNAプロセシングモジュールを構築した。エキソン7のインクルージョンおよびエクスクルージョンを夫々持つpCI-SMN2(スプライシングミニ遺伝子を含有する)の転写産物を増幅させるために、2対のプライマーもまた設計し、および、インクルージョン/エクスクルージョンの比率を使用して選択的スプライシング効果を推定した(図2A;配列番号9~12)。HEK293T 細胞をpCI-SMN2スプライシングミニ遺伝子レポータープラスミド(配列番号8)および 選択的スプライシング要素1(「RAS1」:dpspCas13b(AAAA)、MCP-RBFOX1、MS2でタグ付けされたgRNA)で共トランスフェクトしたとき、オンターゲットgRNAでトランスフェクトされた細胞において、対照の非ターゲティングgRNA(配列番号20)でトランスフェクトされたものと比較してSMN2エキソン7インクルージョンの有意な増大が観察された(図2B)。MS2配列のコピー数を増大させることは、RAS1によるSMN2エキソン7のインクルージョンの効果を増大させなかった。同様に、 選択的スプライシング要素2(「RAS2」:dpspCas13b(AAAA)。PUFc-RBFOX1、PBScでタグ付けされたgRNA)は、対照のレベルを3~4倍上回るSMN2エキソン7インクルージョンを誘導しており、および、5コピーおよび15コピーのPBScを持つRAS2の間では、SMN2エキソンインクルージョンに有意差がなかった(図2C)。dPspCas13b(AAAA)突然変異がRAS1およびRAS2活性のために要求されるかどうかを確認するために、dPspCas13b(AAAA)またはcrRNAプロセシング活性型dpspCas13bを持つRAS複合体を、SMN2エキソン7インクルージョンの誘導について比較した。crRNAプロセシング活性を持つRAS複合体は、スプライシング活性化を誘発しなかったので、三部型複合体の機能のためのdPspCas13b(AAAA)突然変異の要求が確認された(図2D~2E)。
【0100】
例3:RNAスキャフォールドの設計
MS2およびPBSc配列のコピー数をgRNAの数に対して増大させることは、RAS1およびRAS2の効果を改善しなかった。これは、GCCスペーシングを伴うPBSアレイの設計が、gRNAの文脈においては最適ではないことが理由であり得る。RNAスキャフォールドは、ステムループを用いてその構造を安定化させることによって編集された。PBScを例に取ると、ステムループ構造を2つのPBScの間に加えたことで、1つのステムループを伴うPBScの3つのコピー(「3-ループ」、図3A、配列番号40)および2つのステムループを伴うPBScの5つのコピー(「5-ループ」、図3B、配列番号42)を生成した。際立ったことに、ループ安定化されたPBScによってタグ付けされたgRNAを用いて、スプライシングモジュレーションは有意に増強された(図3C)。ループ安定化されたPBScの3つまたは5つのコピーを伴うgRNAは、スプライシング活性化において15コピーの非安定化PBScを伴うgRNAを上回っており、RNA構造に誘導される設計を通じたアプタマーアレイの最適化が実証される。
【0101】
例4:gRNA-アプタマー:RBD-エフェクター対の直交性
多重化型RNA編集のためには、異なるアプタマーシステムが独立して作用しなければならず、および、RNAスキャフォールドとRBDとの間の認識は特異的でなくてはならない。アプタマーシステム間にクロストークがあるかどうかを試験するために、MS2でタグ付けされたgRNAと共に、PUFcと融合されたRBFOX1を、および、PBScでタグ付けされたgRNAと共に、MCPと融合されたRBFOXを、共トランスフェクトし、および、SMN2におけるエキソン7のインクルージョンを、スプライシングレポーターを使用して測定した。有意に、マッチしていないgRNA-アプタマーおよびRBD-エフェクターの対は、SMN2エキソン7の選択的スプライシングに対して何らの作用効果も示しておらず(図4A~4B)、これはgRNA-アプタマー:RBD-エフェクターの対合が本開示の文脈において直交的であるということを実証し、および機能的多重化のための基本の機構を確立する。
【0102】
例5:部位特異的RNA m6A修飾
多重RNAターゲティングシステムを、部位特異的RNA m6A修飾に対して試験した。ACTB mRNA中のA1216が複数の細胞株においてメチル化されることが知られており、およびA1216でのm6A修飾がACTBのRNA安定性を低減させることができるということを考慮すると、それを最初の標的として選び、および、mRNAレベルを予備的な読み出しとして使用した。RNAメチルトランスフェラーゼMETTL3(M3、273-580)の触媒ドメインを、2つの異なるPUFバリアント、PUFa(配列番号6)およびPUFc(配列番号5)と融合した。ACTBを標的にするgRNAに対しては、2つのこれまでに報告されたgRNAを試験し(配列番号24~25)(例として、Liu et al., Nat. Chem. Biol, 2019;Wilson et al.,, Nat. Biotechnol., 2020)、およびA1216部位から両方向で2ヌクレオチド毎にシフトさせたさらなるgRNAをスクリーニングした(図5A、配列番号26~36)。PUFa-M3/PUFc-M3でトランスフェクトされたHEK293T 細胞は、非標的の対照gRNAと比較してオンターゲットgRNAでより低いACTBの発現レベルを示しており、これはA1216部位でのm6A修飾の沈着の成功を示す(図5B~5C)。さらにまた、m6Aの編集レベルを、単一塩基のレベルでm6Aを検出および定量化するSELECT PCRによって確認したところ(Xiao et al., Angewandte Chemie International Edition, 2018)、ほとんどのオンターゲットgRNAにおいて、とりわけA1216部位の上流を標的にするgRNAについて、A1216 m6Aレベルが増大したということを見出した(図5B~5C)。まとめると、これらの知見は、多重RNAターゲティングシステムが内在性転写産物に対する部位特異的RNA m6A修飾を誘発するということを示す。
【0103】
例6:非反復配列のRNA生細胞イメージング
アプタマーおよびCRISPR/Casシステムの両方が、生細胞RNAイメージングのために使用されている。しかしながら、MS2のようなアプタマーの挿入は、標的RNAの局在化および分解を混乱させる可能性があり、一方でCRISPR/Casシステムは、複数の反復した配列を持つRNA顆粒および内在性RNAに対してのみ有効である(Yang et al., Mol. Cell, 2019)。本明細書に提供されるシステムが非反復RNA配列標識化の障壁を克服するかどうかを試験するために、その初期転写産物をイメージングするためのPBScモチーフの15のコピーを伴いLMNA遺伝子のイントロンを標的にしてgRNAを設計した(配列番号37)。有意に、dpspCas13b(AAAA)、Clover-NLS-PUFc(配列番号7)およびgRNA(配列番号37)で15xPBScとともに、共トランスフェクトされたHEK293T細胞が、LMNA遺伝子座での初期LMNA転写産物に対応する核内の明るいGFP焦点を示した(図6)。
【0104】
配列
>配列番号1、dpspCas13bのアミノ酸配列
MNIPALVENQKKYFGTYSVMAMLNAQTVLDHIQKVADIEGEQNENNENLWFHPVMSHLYNAKNGYDKQPEKTMFIIERLQSYFPFLKIMAENQREYSNGKYKQNRVEVNSNDIFEVLKRAFGVLKMYRDLTNAYKTYEEKLNDGCEFLTSTEQPLSGMINNYYTVALRNMNERYGYKTEDLAFIQDKRFKFVKDAYGKKKSQVNTGFFLSLQDYNGDTQKKLHLSGVGIALLICLFLDKQYINIFLSRLPIFSSYNAQSEERRIIIRSFGINSIKLPKDRIHSEKSNKSVAMDMLNEVKRCPDELFTTLSAEKQSRFRIISDDHNEVLMKRSSDRFVPLLLQYIDYGKLFDHIRFHVNMGKLRYLLKADKTCIDGQTRVRVIEQPLNGFGRLEEAETMRKQENGTFGNSGIRIRDFENMKRDDANPANYPYIVDTYTHYILENNKVEMFINDKEDSAPLLPVIEDDRYVVKTIPSCRMSTLEIPAMAFHMFLFGSKKTEKLIVDVHNRYKRLFQAMQKEEVTAENIASFGIAESDLPQKILDLISGNAHGKDVDAFIRLTVDDMLTDTERRIKRFKDDRKSIRSADNKMGKRGFKQISTGKLADFLAKDIVLFQPSVNDGENKITGLNYRIMQSAIAVYDSGDDYEAKQQFKLMFEKARLIGKGTTEPHPFLYKVFARSIPANAVEFYERYLIERKFYLTGLSNEIKKGNRVDVPFIRRDQNKWKTPAMKTLGRIYSEDLPVELPRQMFDNEIKSHLKSLPQMEGIDFNNANVTYLIAEYMKRVLDDDFQTFYQWNRNYRYMDMLKGEYDRKGSLQHCFTSVEEREGLWKERASRTERYRKQASNKIRSNRQMRNASSEEIETILDKRLSNSRNEYQKSEKVIRRYRVQDALLFLLAKKTLTELADFDGERFKLKEIMPDAEKGILSEIMPMSFTFEKGGKKYTITSEGMKLKNYGDFFVLASDKRIGNLLELVGSDIVSKEDIMEEFNKYDQCRPEISSIVFNLEKWAFDTYPELSARVDREEKVDFKSILKILLNNKNINKEQSDILRKIRNAFDANNYPDKGVVEIKALPEIAMSIKKAFGEYAIMK
【0105】
>配列番号2、dpspCas13b(AAAA)のアミノ酸配列
MNIPALVENQKKYFGTYSVMAMLNAQTVLDHIQKVADIEGEQNENNENLWFHPVMSHLYNAKNGYDKQPEKTMFIIERLQSYFPFLKIMAENQREYSNGKYKQNRVEVNSNDIFEVLKRAFGVLKMYRDLTNAYKTYEEKLNDGCEFLTSTEQPLSGMINNYYTVALRNMNERYGYKTEDLAFIQDKRFKFVKDAYGKKKSQVNTGFFLSLQDYNGDTQKKLHLSGVGIALLICLFLDKQYINIFLSRLPIFSSYNAQSEERRIIIRSFGINSIKLPKDRIHSEKSNKSVAMDMLNEVKRCPDELFTTLSAEKQSRFRIISDDHNEVLMKRSSDRFVPLLLQYIDYGKLFDHIRFHVNMGKLRYLLAAAATCIDGQTRVRVIEQPLNGFGRLEEAETMRKQENGTFGNSGIRIRDFENMKRDDANPANYPYIVDTYTHYILENNKVEMFINDKEDSAPLLPVIEDDRYVVKTIPSCRMSTLEIPAMAFHMFLFGSKKTEKLIVDVHNRYKRLFQAMQKEEVTAENIASFGIAESDLPQKILDLISGNAHGKDVDAFIRLTVDDMLTDTERRIKRFKDDRKSIRSADNKMGKRGFKQISTGKLADFLAKDIVLFQPSVNDGENKITGLNYRIMQSAIAVYDSGDDYEAKQQFKLMFEKARLIGKGTTEPHPFLYKVFARSIPANAVEFYERYLIERKFYLTGLSNEIKKGNRVDVPFIRRDQNKWKTPAMKTLGRIYSEDLPVELPRQMFDNEIKSHLKSLPQMEGIDFNNANVTYLIAEYMKRVLDDDFQTFYQWNRNYRYMDMLKGEYDRKGSLQHCFTSVEEREGLWKERASRTERYRKQASNKIRSNRQMRNASSEEIETILDKRLSNSRNEYQKSEKVIRRYRVQDALLFLLAKKTLTELADFDGERFKLKEIMPDAEKGILSEIMPMSFTFEKGGKKYTITSEGMKLKNYGDFFVLASDKRIGNLLELVGSDIVSKEDIMEEFNKYDQCRPEISSIVFNLEKWAFDTYPELSARVDREEKVDFKSILKILLNNKNINKEQSDILRKIRNAFDANNYPDKGVVEIKALPEIAMSIKKAFGEYAIMK
【0106】
>配列番号3、NLS-MCP-RBFOX1のアミノ酸配列
MNCEREQLRGNQEAAAAPDTMAQPYASAQFAPPQNGIPAEYTAPHPHPAPEYTGQTTVPEHTLNLYPPAQTHSEQSPADTSAQTVSGTATQTDDAAPTDGQPQTQPSENTENKSQPKGGGGSGRAMASNFTQFVLVDNGGTGDVTVAPSNFANGVAEWISSNSRSQAYKVTCSVRQSSAQKRKYTIKVEVPKVATQTVGGVELPVAAWRSYLNMELTIPIFATNSDCELIVKAMQGLLKDGNPIPSAIAANSGIYSAGGRGGGGSGGGGSGGGGSGPANATARVMTNKKTVNPYTNGWKLNPVVGAVYSPEFYAGTVLLCQANQEGSSMYSAPSSLVYTSAMPGFPYPAATAAAAYRGAHLRGRGRTVYNTFRAAAPPPPIPAYGGVVYQDGFYGADIYGGYAAYRYAQPTPATAAAYSDSYGRVYAADPYHHALAPAPTYGVGAMNAFAPLTDAKTRSHADDVGLVLSSLQASIYRGGYNRFAPY
【0107】
>配列番号4、NLS-PUFc-RBFOX1のアミノ酸配列
MNCEREQLRGNQEAAAAPDTMAQPYASAQFAPPQNGIPAEYTAPHPHPAPEYTGQTTVPEHTLNLYPPAQTHSEQSPADTSAQTVSGTATQTDDAAPTDGQPQTQPSENTENKSQPKGGGGSGRAGILPPKKKRKVSRGRSRLLEDFRNNRYPNLQLREIAGHIMEFSQDQHGSRFIQLKLERATPAERQLVFNEILQAAYQLMVDVFGNYVIQKFFEFGSLEQKLALAERIRGHVLSLALQMYGSRVIEKALEFIPSDQQNEMVRELDGHVLKCVKDQNGNHVVQKCIECVQPQSLQFIIDAFKGQVFALSTHPYGCRVIQRILEHCLPDQTLPILEELHQHTEQLVQDQYGSYVIEHVLEHGRPEDKSKIVAEIRGNVLVLSQHKFANNVVQKCVTHASRTERAVLIDEVCTMNDGPHSALYTMMKDQYANYVVQKMIDVAEPGQRKIVMHKIRPHIATLRKYTYGKHILAKLEKYYMKNGVDLGDPKKKRKVDPKKKRKVGGRGGGGSGGGGSGGGGSGPANATARVMTNKKTVNPYTNGWKLNPVVGAVYSPEFYAGTVLLCQANQEGSSMYSAPSSLVYTSAMPGFPYPAATAAAAYRGAHLRGRGRTVYNTFRAAAPPPPIPAYGGVVYQDGFYGADIYGGYAAYRYAQPTPATAAAYSDSYGRVYAADPYHHALAPAPTYGVGAMNAFAPLTDAKTRSHADDVGLVLSSLQASIYRGGYNRFAPY
【0108】
>配列番号5、NLS-PUFc-METTL3のアミノ酸配列
MDYKDHDGDYKDHDIDYKDDDDKIDGGGGSDPKKKRKVDPKKKRKVDPKKKRKVGSTGSRNDGGGGSGGGGSGGGGSGRAGILPPKKKRKVSRGRSRLLEDFRNNRYPNLQLREIAGHIMEFSQDQHGSRFIQLKLERATPAERQLVFNEILQAAYQLMVDVFGNYVIQKFFEFGSLEQKLALAERIRGHVLSLALQMYGSRVIEKALEFIPSDQQNEMVRELDGHVLKCVKDQNGNHVVQKCIECVQPQSLQFIIDAFKGQVFALSTHPYGCRVIQRILEHCLPDQTLPILEELHQHTEQLVQDQYGSYVIEHVLEHGRPEDKSKIVAEIRGNVLVLSQHKFANNVVQKCVTHASRTERAVLIDEVCTMNDGPHSALYTMMKDQYANYVVQKMIDVAEPGQRKIVMHKIRPHIATLRKYTYGKHILAKLEKYYMKNGVDLGDPKKKRKVDPKKKRKVGGRGGGGSGGGGSGGGGSGPAQEFCDYGTKEECMKASDADRPCRKLHFRRIINKHTDESLGDCSFLNTCFHMDTCKYVHYEIDACMDSEAPGSKDHTPSQELALTQSVGGDSSADRLFPPQWICCDIRYLDVSILGKFAVVMADPPWDIHMELPYGTLTDDEMRRLNIPVLQDDGFLFLWVTGRAMELGRECLNLWGYERVDEIIWVKTNQLQRIIRTGRTGHWLNHGKEHCLVGVKGNPQGFNQGLDCDVIVAEVRSTSHKPDEIYGMIERLSPGTRKIELFGRPHNVQPNWITLGNQLDGIHLLDPDVVARFKQRYPDGIISKPKNL
【0109】
>配列番号6、NLS-PUFa-METTL3のアミノ酸配列
MDYKDHDGDYKDHDIDYKDDDDKIDGGGGSDPKKKRKVDPKKKRKVDPKKKRKVGSTGSRNDGGGGSGGGGSGGGGSGRASRGRSRLLEDFRNNRYPNLQLREIAGHIMEFSQDQHGSRFIQLKLERATPAERQLVFNEILQAAYQLMVDVFGNYVIQKFFEFGSLEQKLALAERIRGHVLSLALQMYGSRVIEKALEFIPSDQQNEMVRELDGHVLKCVKDQNGNHVVQKCIECVQPQSLQFIIDAFKGQVFALSTHPYGCRVIQRILEHCLPDQTLPILEELHQHTEQLVQDQYGNYVIQHVLEHGRPEDKSKIVAEIRGNVLVLSQHKFASNVVEKCVTHASRTERAVLIDEVCTMNDGPHSALYTMMKDQYANYVVQKMIDVAEPGQRKIVMHKIRPHIATLRKYTYGKHILAKLEKYYMKNGVDLGGGRGGGGSGGGGSGGGGSGPAQEFCDYGTKEECMKASDADRPCRKLHFRRIINKHTDESLGDCSFLNTCFHMDTCKYVHYEIDACMDSEAPGSKDHTPSQELALTQSVGGDSSADRLFPPQWICCDIRYLDVSILGKFAVVMADPPWDIHMELPYGTLTDDEMRRLNIPVLQDDGFLFLWVTGRAMELGRECLNLWGYERVDEIIWVKTNQLQRIIRTGRTGHWLNHGKEHCLVGVKGNPQGFNQGLDCDVIVAEVRSTSHKPDEIYGMIERLSPGTRKIELFGRPHNVQPNWITLGNQLDGIHLLDPDVVARFKQRYPDGIISKPKNL
【0110】
>配列番号7、Clover-NLS-PUFcのアミノ酸配列
MVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVRGEGEGDATNGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFGYGVACFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTISFKDDGTYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNFNSHNVYITADKQKNGIKANFKIRHNVEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSHQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYKSRGPYSIVSPKCGGGGSGPAGILPPKKKRKVSRGRSRLLEDFRNNRYPNLQLREIAGHIMEFSQDQHGSRFIQLKLERATPAERQLVFNEILQAAYQLMVDVFGNYVIQKFFEFGSLEQKLALAERIRGHVLSLALQMYGSRVIEKALEFIPSDQQNEMVRELDGHVLKCVKDQNGNHVVQKCIECVQPQSLQFIIDAFKGQVFALSTHPYGCRVIQRILEHCLPDQTLPILEELHQHTEQLVQDQYGSYVIEHVLEHGRPEDKSKIVAEIRGNVLVLSQHKFANNVVQKCVTHASRTERAVLIDEVCTMNDGPHSALYTMMKDQYANYVVQKMIDVAEPGQRKIVMHKIRPHIATLRKYTYGKHILAKLEKYYMKNGVDLG
【0111】
>配列番号8、PCI-SMN2レポーターのヌクレオチド配列
ATAATTCCCCCACCACCTCCCATATGTCCAGATTCTCTTGATGATGCTGATGCTTTGGGAAGTATGTTAATTTCATGGTACATGAGTGGCTATCATACTGGCTATTATATGGTAAGTAATCACTCAGCATCTTTTCCTGACAATTTTTTTGTAGTTATGTGACTTTGTTTTGTAAATTTATAAAATACTACTTGCTTCTCTCTTTATATTACTAAAAAATAAAAATAAAAAAATACAACTGTCTGAGGCTTAAATTACTCTTGCATTGTCCCTAAGTATAATTTTAGTTAATTTTAAAAAGCTTTCATGCTATTGTTAGATTATTTTGATTATACACTTTTGAATTGAAATTATACTTTTTCTAAATAATGTTTTAATCTCTGATTTGAAATTGATTGTAGGGAATGGAAAAGATGGGATAATTTTTCATAAATGAAAAATGAAATTCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGAGACGGAGTCTTGCTCTGTTGCCCAGGCTGGAGTGCAATGGCGTGATCTTGGCTCACAGCAAGCTCTGCCTCCTGGATTCACGCCATTCTCCTGCCTCAGCCTCAGAGGTAGCTGGGACTACAGGTGCCTGCCACCACGCCTGTCTAATTTTTTGTATTTTTTTGTAAAGACAGGGTTTCACTGTGTTAGCCAGGATGGTCTCAATCTCCTGACCCCGTGATCCACCCGCCTCGGCCTTCCAAGAGAAATGAAATTTTTTTAATGCACAAAGATCTGGGGTAATGTGTACCACATTGAACCTTGGGGAGTATGGCTTCAAACTTGTCACTTTATACGTTAGTCTCCTACGGACATGTTCTATTGTATTTTAGTCAGAACATTTAAAATTATTTTATTTTATTTTATTTTTTTTTTTTTTTTGAGACGGAGTCTCGCTCTGTCACCCAGGCTGGAGTACAGTGGCGCAGTCTCGGCTCACTGCAAGCTCCGCCTCCCGGGTTCACGCCATTCTCCTGCCTCAGCCTCTCCGAGTAGCTGGGACTACAGGCGCCCGCCACCACGCCCGGCTAATTTTTTTTTATTTTTAGTAGAGACGGGGTTTCACCGTGGTCTCGATCTCCTGACCTCGTGATCCACCCGCCTCGGCCTCCCAAAGTGCTGGGATTACAAGCGTGAGCCACCGCGCCCGGCCTAAAATTATTTTTAAAAGTAAGCTCTTGTGCCCTGCTAAAATTATGATGTGATATTGTAGGCACTTGTATTTTTAGTAAATTAATATAGAAGAAACAACTGACTTAAAGGTGTATGTTTTTAAATGTATCATCTGTGTGTGCCCCCATTAATATTCTTATTTAAAAGTTAAGGCCAGACATGGTGGCTTACAACTGTAATCCCAACAGTTTGTGAGGCCGAGGCAGGCAGATCACTTGAGGTCAGGAGTTTGAGACCAGCCTGGCCAACATGATGAAACCTTGTCTCTACTAAAAATACCAAAAAAAATTTAGCCAGGCATGGTGGCACATGCCTGTAATCCGAGCTACTTGGGAGGCTGTGGCAGGAAAATTGCTTTAATCTGGGAGGCAGAGGTTGCAGTGAGTTGAGATTGTGCCACTGCACTCCACCCTTGGTGACAGAGTGAGATTCCATCTCAAAAAAAGAAAAAGGCCTGGCACGGTGGCTCACACCTATAATCCCAGTACTTTGGGAGGTAGAGGCAGGTGGATCACTTGAGGTTAGGAGTTCAGGACCAGCCTGGCCAACATGGTGACTACTCCATTTCTACTAAATACACAAAACTTAGCCCAGTGGCGGGCAGTTGTAATCCCAGCTACTTGAGAGGTTGAGGCAGGAGAATCACTTGAACCTGGGAGGCAGAGGTTGCAGTGAGCCGAGATCACACCGCTGCACTCTAGCCTGGCCAACAGAGTGAGAATTTGCGGAGGGAAAAAAAAGTCACGCTTCAGTTGTTGTAGTATAACCTTGGTATATTGTATGTATCATGAATTCCTCATTTTAATGACCAAAAAGTAATAAATCAACAGCTTGTAATTTGTTTTGAGATCAGTTATCTGACTGTAACACTGTAGGCTTTTGTGTTTTTTAAATTATGAAATATTTGAAAAAAATACATAATGTATATATAAAGTATTGGTATAATTTATGTTCTAAATAACTTTCTTGAGAAATAATTCACATGGTGTGCAGTTTACCTTTGAAAGTATACAAGTTGGCTGGGCACAATGGCTCACGCCTGTAATCCCAGCACTTTGGGAGGCCAGGGCAGGTGGATCACGAGGTCAGGAGATCGAGACCATCCTGGCTAACATGGTGAAACCCCGTCTCTACTAAAAGTACAAAAACAAATTAGCCGGGCATGTTGGCGGGCACCTTTTGTCCCAGCTGCTCGGGAGGCTGAGGCAGGAGAGTGGCGTGAACCCAGGAGGTGGAGCTTGCAGTGAGCCGAGATTGTGCCAGTGCACTCCAGCCTGGGCGACAGAGCGAGACTCTGTCTCAAAAAATAAAATAAAAAAGAAAGTATACAAGTCAGTGGTTTTGGTTTTCAGTTATGCAACCATCACTACAATTTAAGAACATTTTCATCACCCCAAAAAGAAACCCTGTTACCTTCATTTTCCCCAGCCCTAGGCAGTCAGTACACTTTCTGTCTCTATGAATTTGTCTATTTTAGATATTATATATAAACGGAATTATACGATATGTGGTCTTTTGTGTCTGGCTTCTTTCACTTAGCATGCTATTTTCAAGATTCATCCATGCTGTAGAATGCACCAGTACTGCATTCCTTCTTATTGCTGAATATTCTGTTGTTTGGTTATATCACATTTTATCCATTCATCAGTTCATGGACATTTAGGTTGTTTTTATTTTTGGGCTATAATGAATAATGTTGCTATGAACATTCGTTTGTGTTCTTTTTGTTTTTTTGGTTTTTTGGGTTTTTTTTGTTTTGTTTTTGTTTTTGAGACAGTCTTGCTCTGTCTCCTAAGCTGGAGTGCAGTGGCATGATCTTGGCTTACTGCAAGCTCTGCCTCCCGGGTTCACACCATTCTCCTGCCTCAGCCCGACAAGTAGCTGGGACTACAGGCGTGTGCCACCATGCACGGCTAATTTTTTGTATTTTTAGTAGAGATGGGGTTTCACCGTGTTAGCCAGGATGGTCTCGATCTCCTGACCTCGTGATCTGCCTGCCTAGGCCTCCCAAAGTGCTGGGATTACAGGCGTGAGCCACTGCACCTGGCCTTAAGTGTTTTTAATACGTCATTGCCTTAAGCTAACAATTCTTAACCTTTGTTCTACTGAAGCCACGTGGTTGAGATAGGCTCTGAGTCTAGCTTTTAACCTCTATCTTTTTGTCTTAGAAATCTAAGCAGAATGCAAATGACTAAGAATAATGTTGTTGAAATAACATAAAATAGGTTATAACTTTGATACTCATTAGTAACAAATCTTTCAATACATCTTACGGTCTGTTAGGTGTAGATTAGTAATGAAGTGGGAAGCCACTGCAAGCTAGTATACATGTAGGGAAAGATAGAAAGCATTGAAGCCAGAAGAGAGACAGAGGACATTTGGGCTAGATCTGACAAGAAAAACAAATGTTTTAGTATTAATTTTTGACTTTAAATTTTTTTTTTATTTAGTGAATACTGGTGTTTAATGGTCTCATTTTAATAAGTATGACACAGGTAGTTTAAGGTCATATATTTTATTTGATGAAAATAAGGTATAGGCCGGGCACGGTGGCTCACACCTGTAATCCCAGCACTTTGGGAGGCCGAGGCAGGCGGATCACCTGAGGTCGGGAGTTAGAGACTAGCCTCAACATGGAGAAACCCCGTCTCTACTAAAAAAAATACAAAATTAGGCGGGCGTGGTGGTGCATGCCTGTAATCCCAGCTACTCAGGAGGCTGAGGCAGGAGAATTGCTTGAACCTGGGAGGTGGAGGTTGCGGTGAGCCGAGATCACCTCATTGCACTCCAGCCTGGGCAACAAGAGCAAAACTCCATCTCAAAAAAAAAAAAATAAGGTATAAGCGGGCTCAGGAACATCATTGGACATACTGAAAGAAGAAAAATCAGCTGGGCGCAGTGGCTCACGCCGGTAATCCCAACACTTTGGGAGGCCAAGGCAGGCGAATCACCTGAAGTCGGGAGTTCCAGATCAGCCTGACCAACATGGAGAAACCCTGTCTCTACTAAAAATACAAAACTAGCCGGGCATGGTGGCGCATGCCTGTAATCCCAGCTACTTGGGAGGCTGAGGCAGGAGAATTGCTTGAACCGAGAAGGCGGAGGTTGCGGTGAGCCAAGATTGCACCATTGCACTCCAGCCTGGGCAACAAGAGCGAAACTCCGTCTCAAAAAAAAAAGGAAGAAAAATATTTTTTTAAATTAATTAGTTTATTTATTTTTTAAGATGGAGTTTTGCCCTGTCACCCAGGCTGGGGTGCAATGGTGCAATCTCGGCTCACTGCAACCTCCGCCTCCTGGGTTCAAGTGATTCTCCTGCCTCAGCTTCCCGAGTAGCTGTGATTACAGCCATATGCCACCACGCCCAGCCAGTTTTGTGTTTTGTTTTGTTTTTTGTTTTTTTTTTTTGAGAGGGTGTCTTGCTCTGTCCCCCAAGCTGGAGTGCAGCGGCGCGATCTTGGCTCACTGCAAGCTCTGCCTCCCAGGTTCACACCATTCTCTTGCCTCAGCCTCCCGAGTAGCTGGGACTACAGGTGCCCGCCACCACACCCGGCTAATTTTTTTGTGTTTTTAGTAGAGATGGGGTTTCACTGTGTTAGCCAGGATGGTCTCGATCTCCTGACCTTTTGATCCACCCGCCTCAGCCTCCCCAAGTGCTGGGATTATAGGCGTGAGCCACTGTGCCCGGCCTAGTCTTGTATTTTTAGTAGAGTCGGGATTTCTCCATGTTGGTCAGGCTGTTCTCCAAATCCGACCTCAGGTGATCCGCCCGCCTTGGCCTCCAAAAGTGCAAGGCAAGGCATTACAGGCATGAGCCACTGTGACCGGCAATGTTTTTAAATTTTTTACATTTAAATTTTATTTTTTAGAGACCAGGTCTCACTCTATTGCTCAGGCTGGAGTGCAAGGGCACATTCACAGCTCACTGCAGCCTTGACCTCCAGGGCTCAAGCAGTCCTCTCACCTCAGTTTCCCGAGTAGCTGGGACTACAGTGATAATGCCACTGCACCTGGCTAATTTTTATTTTTATTTATTTATTTTTTTTTGAGACAGAGTCTTGCTCTGTCACCCAGGCTGGAGTGCAGTGGTGTAAATCTCAGCTCACTGCAGCCTCCGCCTCCTGGGTTCAAGTGATTCTCCTGCCTCAACCTCCCAAGTAGCTGGGATTAGAGGTCCCCACCACCATGCCTGGCTAATTTTTTGTACTTTCAGTAGAAACGGGGTTTTGCCATGTTGGCCAGGCTGTTCTCGAACTCCTGAGCTCAGGTGATCCAACTGTCTCGGCCTCCCAAAGTGCTGGGATTACAGGCGTGAGCCACTGTGCCTAGCCTGAGCCACCACGCCGGCCTAATTTTTAAATTTTTTGTAGAGACAGGGTCTCATTATGTTGCCCAGGGTGGTGTCAAGCTCCAGGTCTCAAGTGATCCCCCTACCTCCGCCTCCCAAAGTTGTGGGATTGTAGGCATGAGCCACTGCAAGAAAACCTTAACTGCAGCCTAATAATTGTTTTCTTTGGGATAACTTTTAAAGTACATTAAAAGACTATCAACTTAATTTCTGATCATATTTTGTTGAATAAAATAAGTAAAATGTCTTGTGAAACAAAATGCTTTTTAACATCCATATAAAGCTATCTATATATAGCTATCTATATCTATATAGCTATTTTTTTTAACTTCCTTTATTTTCCTTACAGGGTTTTAGACAAAATCAAAAAGAAGGAAGGTGCTCACATTCCTTAAATTAAGGAGTAAGTCTGCCAGCATTATGAAAGTGAATCTTACTTTTGTAAAACTTTATGGTTTGTGGAAAACAAATGTTTTTGAACATTTAAAAAGTTCAGATGTTAGAAAGTTGAAAGGTTAATGTAAAACAATCAATATTAAAGAATTTTGATGCCAAAACTATTAGATAAAAGGTTAATCTACATCCCTACTAGAATTCTCATACTTAACTGGTTGGTTGTGTGGAAGAAACATACTTTCACAATAAAGAGCTTTAGGATATGATGCCATTTTATATCACTAGTAGGCAGACCAGCAGACTTTTTTTTATTGTGATATGGGATAACCTAGGCATACTGCACTGTACACTCTGACATATGAAGTGCTCTAGTCAAGTTTAACTGGTGTCCACAGAGGACATGGTTTAACTGGAATTCGTCAAGCCTCTGGTTCTAATTTCTCATTTGCAGGAAATGCTGGCATAGAGCAGCACTAAATGACACCACTAAAGAAACGATCAGACAGATCTGGAATGTGAAGCGTTATAGAAGATAACTGGCCTCATTTCTTCAAAATATCAAGTGTTGGGAAAGAAAAAAGGAAGTGGAATGGGTAACTCTTCTTGATTAAAAGTTATGTAATAACCAAATGCAATGTGAAATATTTTACTGGACTCTATTTTGAAAAACCATCTGTAAAAGACTGAGGTGGGGGTGGGAGGCCAGCACGGTGGTGAGGCAGTTGAGAAAATTTGAATGTGGATTAGATTTTGAATGATATTGGATAATTATTGGTAATTTTATGAGCTGTGAGAAGGGTGTTGTAGTTTATAAAAGACTGTCTTAATTTGCATACTTAAGCATTTAGGAATGAAGTGTTAGAGTGTCTTAAAATGTTTCAAATGGTTTAACAAAATGTATGTGAGGCGTATGTG
【0112】
【表1】
【0113】
【表2-1】
【表2-2】
【0114】
本明細書に開示されたすべての参照文献、特許および特許出願は、各々が引用されている主題に関して参照により組み込まれ、場合によってはその文書の全体を網羅し得る。
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書において明細書および請求項中で使用されるとき、明確にそれとは反対に指示されない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解されなければならない。
明確に逆へ指示されない限り、1よりも多くのステップまたは行為を包含する、本明細書においてクレームされるあらゆる方法において、方法のステップまたは行為の順序は、必ずしも、方法のステップまたは行為が述べられている順序に限定されるものではないということもまた理解されなければならない。
【0115】
請求項中、ならびに上の明細書中において、「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「持っている(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関与する(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」、等といった全ての移行句はオープン・エンドであること、すなわち、包含するもののこれに限定されないことを意味することが理解されなければならない。移行句「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」のみが、米国特許庁特許審査基準セクション2111.03に規定されているとおり、それぞれクローズド(closed)またはセミクローズド(semi-closed)な移行句である。
数値に先行する用語「約」および「実質的に」は、述べられている数値の±10%を意味する。
値の範囲が提供されている場合、範囲の上端および下端を包含する間の各値が、具体的に企図されおよび本明細書で説明されている。
図1A-1B】
図1C
図2A-2C】
図2D-2E】
図3A-3C】
図4A-4B】
図5A
図5B-5C】
図6
【配列表】
2024510427000001.app
【国際調査報告】