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特表2024-510459(メタ)アクリレートモノマーに基づく組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】(メタ)アクリレートモノマーに基づく組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/26 20060101AFI20240229BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20240229BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240229BHJP
   C08F 4/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C08F20/26
C09J4/02
C09J11/06
C08F4/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556760
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 FR2022050473
(87)【国際公開番号】W WO2022195221
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2102661
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2105517
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(71)【出願人】
【識別番号】518221575
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ド オート アルザス
【氏名又は名称原語表記】Universite de Haute Alsace
(71)【出願人】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マザイク, ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】フーカイ, ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シモン, フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ミショー, ギョーム
(72)【発明者】
【氏名】バラ, アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ラレベー, ジャク
【テーマコード(参考)】
4J015
4J040
4J100
【Fターム(参考)】
4J015EA05
4J015EA08
4J040FA081
4J040HD19
4J040JA02
4J040JA13
4J040JB05
4J040KA11
4J040KA16
4J040MA05
4J100AL08P
4J100BC58P
4J100BC59P
4J100CA01
4J100CA04
4J100CA23
4J100JA01
4J100JA03
(57)【要約】
(メタ)アクリレートモノマーに基づく組成物
本発明は、
架橋性2成分組成物であって、
成分Aであって、
以下の式(I):
を有する化合物、
式(II)、(III)または(IV)の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1
を含む成分Aと;
以下の式(V):
-SO ,Q(V)
を有する少なくとも1つの化合物を含む成分Bと
を含む、架橋性2成分組成物、
ならびにまた、その使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋性2成分組成物であって、
成分Aであって、以下:
以下の式(Ia)または(Ib):
の1つを有する化合物、
式中、
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、アルキル、シクロアルキルまたはアリールからなる群から選択されるラジカルを表し;
Rfは、ペルハロアルキルまたはハロアルキルを表し;
はアニオンを表す;
ならびに
以下の式(II)、(III)または(IV):
の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1、
式中、
はHまたはメチルを表し;
10は、H、メチルまたはエチルを表し;
pは0または1を表し;
Zは、H、O、S、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表し;
Yは、O、S、NHまたはCH-を表し;
は、単結合または二重結合であり、
ただし、ZがOを表す場合、結合
は二重結合であることを条件とする;
を含む、成分Aと、
成分Bであって、以下の式(V):
-SO ,Q(V)
を有する少なくとも1つの化合物を含み、
式中、
は、ヘテロアリール、アリール、アルキルから選択されるラジカルを表し、前記ヘテロアリール、アリールおよびアルキルは、以下のラジカル:F、OH、C(O)OMe、NHC(O)Me、メチル(Me)、CF、OHまたはSO の少なくとも1つで置換されていてもよく;
は、Li、NaまたはKから選択されるカチオンを表す、
成分Bと
を含む、架橋性2成分組成物。
【請求項2】
式(Ia)または(Ib)において、アニオンXが、FSO 、CFSO 、CFHSO 、Cl、Br、BF 、BFClおよびPF からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(Ia)または(Ib)において、
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が、互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、またはアルキル、好ましくは水素もしくはフッ素原子からなる群から選択されるラジカルを表し;
Rfが、ペルフルオロアルキルまたはフルオロアルキル、好ましくはペルフルオロアルキルを表し;
が、アニオンを表し、好ましくはFSO 、CFSO およびBF から選択される、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
式(Ia)の化合物が、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(Ia)または(Ib)の化合物の総含有量が、前記架橋性2成分組成物の総重量に対して、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、さらにより優先的には0.1重量%~1.5重量%の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(メタ)アクリレートモノマーM1が、以下のモノマー:
から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(メタ)アクリレートモノマーM1の総含有量が、前記架橋性2成分組成物の総重量に対して、30重量%~99重量%、好ましくは50重量%~99重量%、さらにより優先的には75重量%~99重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
式(V)の化合物が、Rがヘテロアリールまたはアリールから選択されるラジカルを表す化合物から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
式(V)の化合物が、以下の化合物:
から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
式(V)の化合物が、以下の化合物:
から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
式(V)の化合物の総含有量が、前記架橋性2成分組成物の総重量に対して、0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、さらにより優先的には0.1重量%~1.5重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
過酸化物を含まないことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ラジカル光開始剤も含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
接着剤、マスチックまたはコーティングとしての、好ましくは接着剤としての、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
接着結合によって2つの基材を組み立てるための方法であって、
請求項1から13のいずれか一項で定義した成分Aと成分Bとを混合して得られた組成物を、組み立てられる2つの基材の少なくとも一方にコーティングすること;次いで、
2つの基材を効果的に接触させること;および
組成物を架橋すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリレートモノマーベースの組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、輸送、海洋、組立、電子機器または建設分野における材料の修復および/または半構造的または構造的接着結合における前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
アクリル組成物は、ラジカル重合によって架橋する公知の反応系である。それらは、接着剤、マスチックおよびコーティングとして使用される。ラジカル重合は、典型的には、酸化還元反応によってラジカルの生成をもたらすレドックス系によって開始される。
【0004】
ほとんどのアクリル系は2成分系である。第1成分は、従来、還元剤および反応性モノマーを含み、第2成分は、酸化剤を含む。2つの成分が混合されると、還元剤は、例えば有機過酸化物のO-O結合の開裂を誘導し、重合を開始する。
【0005】
典型的には、(メタ)アクリル組成物は、過酸化物(酸化剤)/第三級アミン(還元剤)レドックス系を含む。しかしながら、これらの系は、(メタ)アクリレートモノマーの存在下で貯蔵安定性の問題を呈することがある。
【0006】
反応性と貯蔵安定性との間の良好な妥協を可能にする新しい(メタ)アクリル組成物が必要とされている。
【0007】
さらに、良好な接着特性を有する新規な(メタ)アクリル組成物も必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.組成物
本発明は、架橋性2成分組成物であって、
成分Aであって、以下:
以下の式(Ia)または(Ib):
の1つを有する化合物、
式中、
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、アルキル、シクロアルキルまたはアリールからなる群から選択されるラジカルを表し;
Rfは、ペルハロアルキルまたはハロアルキルを表し;
はアニオンを表し;
ならびに
以下の式(II)、(III)または(IV):
の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1、
式中、
はHまたはメチルを表し;
10は、H、メチルまたはエチルを表し;
pは0または1を表し;
Zは、H、O、S、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表し;
Yは、O、S、NHまたはCH-を表し;
は、単結合または二重結合であり、
ただし、ZがOを表す場合、結合
は二重結合であることを条件とする;
を含む、成分Aと、
成分Bであって、以下の式(V):
-SO ,Q(V)
を有する少なくとも1つの化合物を含み、
式中、
は、ヘテロアリール、アリール、アルキルから選択されるラジカルを表し、前記ヘテロアリール、アリールおよびアルキルは、以下のラジカル:F、OH、C(O)OMe、NHC(O)Me、メチル(Me)、CF、OHまたはSO の少なくとも1つで置換されていてもよく;
は、Li、NaまたはKから選択されるカチオンを表す、
成分Bと
を含む、架橋性2成分組成物に関する。
【0009】
本発明の文脈において、「アルキル」という用語は、好ましくは1~20個の炭素原子を含む直鎖または分岐ラジカルを意味する。例えば、メチル、エチルおよびプロピルを挙げることができる。
【0010】
本発明の文脈において、「アリール」という用語は、好ましくは6~12個の炭素原子を含む単環式または二環式芳香族ラジカルを意味する。例えば、フェニルを挙げることができる。
【0011】
本発明の文脈において、「シクロアルキル」という用語は、飽和、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式、好ましくは3~12個の炭素原子を含む系を意味し、環は場合により、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはノルボルニル基など、対で架橋または融合されている。
【0012】
本発明の文脈において、「アルコキシ」という用語は-O-アルキルラジカルを意味する。
【0013】
成分A
式(Ia)または(Ib)の化合物
成分Aは、上記で定義した式(Ia)または(Ib)の化合物を含む。
【0014】
アニオンXは、FSO 、CFSO 、CFHSO 、Cl、Br、BF 、BFClおよびPF からなる群から選択され得る。
【0015】
上記の式(Ia)または(Ib)において、Rfはハロアルキルを表してもよい。
【0016】
これは、例えば、フルオロアルキルラジカル、例えばCHFまたはCHFであり得る。
【0017】
好ましくは、式(Ia)または(Ib)において、Rfはペルフルオロアルキルを表し、さらにより優先的にはCF、C、CまたはCを表す。特に好ましい実施形態によれば、RfはCFを表す。
【0018】
式(Ia)または(Ib)の化合物は、以下の化合物:
式中、
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、またはアルキル、好ましくは水素もしくはフッ素原子からなる群から選択されるラジカルを表し;
Rfは、ペルフルオロアルキルまたはフルオロアルキル、好ましくはペルフルオロアルキルを表し;
は、アニオンを表し、好ましくはFSO 、CFSO およびBF から選択される、
化合物から選択され得る。
【0019】
好ましい実施形態によれば、成分Aは、特に、以下:
からなる群から、
さらにより優先的には、以下の化合物:
の1つから
選択される、式(Ia)の化合物を含む。
【0020】
式(Ia)の化合物は、国際公開第2016/107578号に記載されているように調製することができる。式(Ib)の化合物は、国際公開第2011/013307号に記載されているように調製することができる。
【0021】
式(Ia)または(Ib)の化合物の総含有量は、架橋性2成分組成物の総重量に対して、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、さらにより優先的には0.1重量%~1.5重量%の範囲であり得る。
【0022】
(メタ)アクリレートモノマーM1
本発明による成分Aは、以下の式(II)、(III)または(IV):
の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1であって、
式中、
は、Hまたはメチルを表し;
10は、H、メチルまたはエチルを表し;
pは、0または1を表し;
Zは、H、O、S、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表し;
Yは、O、S、NHまたはCH を表し;
は、単結合または二重結合であり、
ただし、ZがOを表す場合、結合
は二重結合であることを条件とする、
少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1を含む。
【0023】
(メタ)アクリレートモノマーM1は、以下のモノマー:
から選択され得る。
【0024】
モノマーM1は、好ましくは式(II)または(III)のモノマーから選択される。
【0025】
モノマーM1は、さらにより優先的には、以下の化合物:
の1つまたはそれらの混合物
である。
【0026】
成分A中の(メタ)アクリレートモノマーM1の総含有量は、前記成分Aの総重量に対して、30重量%以上であり得る。
【0027】
本発明による架橋性2成分組成物中の(メタ)アクリレートモノマーM1の含有量は、前記架橋性2成分組成物の総重量に対して、30重量%~99重量%、好ましくは50重量%~99重量%、さらにより優先的には75重量%~99重量%の範囲であり得る。
【0028】
成分B
成分Bは、以下の式(V):
-SO ,Q(V)
を有する少なくとも1つの化合物を含み、
式中、
は、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリール、アルキルから選択されるラジカルを表し、前記ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールおよびアルキルは、以下のラジカル:F、OH、C(O)OMe、NHC(O)Me、メチル(Me)、CF、OHまたはSO の少なくとも1つで置換されていてもよく;
は、Li、NaまたはKから選択されるカチオンを表す。
【0029】
好ましい実施形態によれば、式(V)の化合物は、以下の化合物:
は、先に定義した通りであり、Qは、好ましくはNaまたはKを表し、さらにより優先的にはNaを表し、
は、ヘテロアリールまたはアリールから選択されるラジカルを表す、
化合物から選択される。
【0030】
式(V)の化合物は、以下の化合物:
から選択され得る。
【0031】
好ましい実施形態によれば、式(V)の化合物は、以下の化合物:
から選択される。
【0032】
上記で定義した式(V)の化合物の総含有量は、0.05重量%~5.0重量%の範囲であり得る。
【0033】
上記で定義した式(V)の化合物の総重量含有量は、本発明による架橋性2成分組成物の総重量に対して、0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、さらにより優先的には0.1重量%~1.5重量%の範囲であり得る。
【0034】
本発明による架橋性2成分組成物において、式(I)の化合物/式(V)の化合物のモル比は、0.01~1.2、好ましくは0.02~1.1、好ましくは0.04~1.0、さらにより優先的には0.08~0.08の範囲であり得る。
【0035】
組成物
好ましい実施形態によれば、架橋性2成分組成物は、過酸化物を含まない。
【0036】
好ましくは、本発明による2成分組成物は、いずれのアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレートまたはベンジル(メタ)アクリレートも含まない。
【0037】
本発明による架橋性2成分組成物は、触媒、充填剤、抗酸化剤、光安定剤/UV吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、フィルム防止剤、発泡剤、殺生物剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、染料、顔料、レオロジー剤、耐衝撃性改良剤、接着促進剤、蛍光増白剤、難燃剤、発汗防止剤、核形成剤、溶媒、重合防止剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含み得る。
【0038】
これらの添加剤は、本発明による組成物の成分Aおよび/または成分B中に存在してもよい。
【0039】
使用され得る可塑剤の例としては、接着剤の分野で通常使用される任意の可塑剤、例えばエポキシ樹脂、フタレート、ベンゾエート、トリメチロールプロパンエステル、トリメチロールエタンエステル、トリメチロールメタンエステル、グリセロールエステル、ペンタエリスリトールエステル、ナフテン系鉱油、アジペート、シクロヘキシルジカルボキシレート、パラフィン系油、天然油(エポキシ化されていてもよい)、ポリプロピレン、ポリブチレン、水素化ポリイソプレン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0040】
例えば、以下のものを使用することができる:
-フタル酸ジイソデシル、例えば、Palatinol(商標)DIDPの名称でBASF社から販売されているもの、
-アルキルスルホン酸とフェノールとのエステル、例えば、Mesamoll(登録商標)の名称でLanxess社から販売されているもの、
-ジイソノニル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、例えば、Hexamoll Dinch(登録商標)の名称でBASF社から販売されているもの、
-ペンタエリスリチルテトラバレレート(pentaerythrityl tetravalerate)、例えばPevalen(商標)の名称でPerstorp社から販売されているもの、
-エポキシ化大豆油、例えば、Vikoflex(登録商標)7170の名称でArkema社から販売されているもの。
【0041】
使用され得る(チキソトロピック)レオロジー剤の例としては、接着剤組成物の分野で慣用的に使用される任意のレオロジー剤を挙げることができる。
【0042】
好ましくは、チキソトロピック剤は、以下から選択される:
-60℃~80℃の範囲の温度に加熱することによってin situで得られる、PVCと混和性の可塑剤中のPVCの懸濁液に対応する、PVCプラスチゾル。これらのプラスチゾルは、特に刊行物、Polyurethane Sealants、Robert M.Evans、ISBN 087762-998-6に記載されているものであってもよい。
-ヒュームドシリカ、例えば、HDK(登録商標)N20の名称でWackerから販売されているもの;
-4,4’-MDIなどの芳香族ジイソシアネートモノマーと、ブチルアミンなどの脂肪族アミンとの反応から生じる尿素誘導体。このような尿素誘導体の調製は、仏国特許出願公開第1591172号明細書に特に記載されている;
-Arkemaから販売されているCrayvallac(登録商標)SLTまたはCrayvallac(登録商標)SLAなどの微粉化アミドワックス。
【0043】
本発明による組成物はまた、少なくとも1つの有機充填剤および/または鉱物充填剤を含んでもよい。
【0044】
使用され得る鉱物充填剤は、有利には、架橋状態で本発明による組成物の機械的性能を改善するように選択される。
【0045】
使用され得る鉱物充填剤の例として、接着剤組成物の分野で通常使用される任意の鉱物充填剤を使用することができる。これらの充填剤は、典型的には、多様な形状の粒子の形態で提供される。これらは、例えば、球状または繊維状であってもよく、または不規則な形状を有してもよい。
【0046】
好ましくは、充填剤は、粘土、石英、カーボネート充填剤、カオリン、石膏、粘土およびそれらの混合物からなる群から選択され、優先的には、充填剤は、カーボネート充填剤、例えばアルカリ金属カーボネートまたはアルカリ土類金属カーボネートなど、より優先的には炭酸カルシウムまたはチョークから選択される。
【0047】
これらの充填剤は、未処理であってもよく、または例えば、ステアリン酸などの有機酸、もしくは主にステアリン酸からなる有機酸の混合物を使用して処理されてもよい。
【0048】
中空ガラスミクロスフェアなどの中空鉱物ミクロスフェア、より具体的にはカルシウムナトリウムボロシリケートまたはアルミノシリケートで作られたものを使用することもできる。
【0049】
本発明による組成物はまた、好ましくは、シラン、例えばアミノシラン、エポキシシランもしくはアクリロイルシラン、またはリン酸エステルに基づく接着促進剤、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェートエステル、2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、2-アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス(2-アクリロイルオキシエチルホスフェート)、メチル-(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、エチル-(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、2-ヒドロキシエチルメタクリレートモノホスフェートエステルと2-ヒドロキシエチルメタクリレートジホスフェートエステルとの混合物から選択される、少なくとも1つの接着促進剤を含んでもよい。
【0050】
組成物中に顔料が存在する場合、その含有量は、組成物の総重量に対して、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。存在する場合、顔料は、例えば、組成物の総重量に対して、0.1重量%~3重量%、または0.4重量%~2重量%を表すことができる。
【0051】
顔料は、有機顔料または無機顔料であり得る。
【0052】
例えば、顔料はTiO、特にKronos社から販売されているKronos(登録商標)2059である。
【0053】
重合防止剤としては、例えば、BASF社およびEvonik社から販売されている4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジノキシルまたはTEMPOL(CAS:2226-96-2)を挙げることができる。
【0054】
組成物は、0.1重量%~3重量%、好ましくは1重量%~3重量%の量の少なくとも1つのUV安定剤または抗酸化剤を含み得る。これらの化合物は、典型的には、熱または光の作用によって形成されやすい酸素との反応から生じる分解から組成物を保護するために導入される。これらの化合物は、フリーラジカルを捕捉する一次抗酸化剤を含み得る。一次抗酸化剤は、単独で、または他の二次抗酸化剤もしくはUV安定剤と組み合わせて使用することができる。
【0055】
例えば、BASFから販売されているIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)B561、Irganox(登録商標)245、Irgafos(登録商標)168、Tinuvin(登録商標)328またはTinuvin(商標)770を挙げることができる。
【0056】
架橋性2成分組成物はまた、組成物の成分Aおよび/または成分B中に存在し得るラジカル光開始剤を含み得る。このラジカル光開始剤は、特に、特許請求される2成分組成物の成分に対する追加の化合物である。
【0057】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.1重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%、さらにより優先的には0.5重量%~1.5重量%のラジカル光開始剤を含み得る。
【0058】
ラジカル光開始剤は、好ましくは成分A中に存在する。
【0059】
ラジカル光開始剤は、当業者に公知の任意のラジカル光開始剤であり得る。UV/可視放射線の作用下で、ラジカル光開始剤は、光重合反応の開始を担うラジカルを生成し、特に光重合反応の効率を高めることを可能にする。これは、当然ながら、選択された放射線を効率的に吸収するその能力に応じて、使用される光源に関して選択される。例えば、そのUV/可視吸収スペクトルから適切なラジカル光開始剤を選択することが可能であろう。有利には、ラジカル光開始剤は、可視領域の近いゾーンで発光する照射源での作業に適している。有利には、UVまたは可視放射線は、Delolux 03 SタイプのLEDまたはUVA中心の広域スペクトルランプであり得る。
【0060】
ラジカル光開始剤は、
-以下から選択されるI型ラジカル光開始剤:
-アセトフェノンおよびアルコキシアセトフェノンのファミリー、例えば2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンおよび2-ジエチル-2-フェニルアセトフェノン;
-ヒドロキシアセトフェノンのファミリー、例えば2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンおよび2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-メチルプロピオフェノン;
-アルキルアミノアセトフェノンのファミリー、例えば2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノンおよび2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノン;
-ベンゾインエーテルのファミリー、例えばベンジル、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテル;
-ホスフィンオキシドのファミリー、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO);
-メタロセンのファミリー、例えばフェロセン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタンおよび(クメン)(シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート;
-以下から選択されるII型ラジカル光開始剤:
-ベンゾフェノンのファミリー、例えば4-フェニルベンゾフェノン、4-(4’-メチルフェニルチオ)ベンゾフェノンまたは1-[4-[(4-ベンゾイルフェニル)チオ]フェニル]-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1-プロパノン;
-チオキサントンのファミリー、例えばイソプロピルチオキサントン(ITX)、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび1-クロロ-4-イソプロピルチオキサントン;
-ベンゾイルホルメートエステルのファミリー、例えば、メチルベンゾイルホルメート;
-ジベンジリデンケトンのファミリー、例えばp-ジメチルアミノケトン;
-クマリンのファミリー、例えば5-メトキシ-および7-メトキシクマリン、7-ジエチルアミノクマリンおよびN-フェニルグリシンクマリン;
-色素ファミリーのラジカル光開始剤、例えばトリアジン、フルオロン、シアニン、サフラニン、4,5,6,7-テトラクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-2’,4’,5’,7’-テトラヨード-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、ピリリウムおよびチオピリリウム、チアジン、フラビン、ピロニン、オキサジンまたはローダミン;
-ならびにそれらの混合物
からなる群から選択され得る。
【0061】
好ましくは、ラジカル光開始剤は、ホスフィンオキシドのファミリー、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)から選択される。
【0062】
例えば、UVまたは可視放射線の源がLEDである場合、ラジカル光開始剤は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンもしくはTPO、例えば、市販の参照名Speedcure(登録商標)TPO(CAS:75980-60-8)でLambsonから入手可能なもの、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネートもしくはTPO-L、例えば、市販の参照名Speedcure(登録商標)TPO-L(CAS:84434-11-7)でLambsonから入手可能なもの、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドもしくはBAPO(CAS:162881-26-7)、例えば、市販の参照名Irgacure(登録商標)819でBASFから入手可能なもの、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン(CAS:119313-12-1)、例えば、市販の参照名Irgacure(登録商標)369でBASFから入手可能なもの、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン(CAS:71868-10-5)、例えば、市販の参照名Irgacure(登録商標)907でBASFから入手可能なもの、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(CAS:947-19-3)、例えば、市販の参照名Irgacure(登録商標)184でBASFから入手可能なもの、2-イソプロピルチオキサントンもしくはITX(CAS:5495-84-1)、例えば、参照名Speedcure(登録商標)2-ITXで入手可能なもの、またはそれらの混合物から選択され得る。
【0063】
本発明による組成物がラジカル光開始剤を含む場合、式(Ia)または(Ib)の化合物の総含有量は、本発明による架橋性2成分組成物の総重量に対して、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.05重量%~3.0重量%、より好ましくは0.05重量%~1.0重量%、さらにより優先的には0.05重量%~0.5重量%の範囲であり得、式(V)の化合物の総含有量は、0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.05重量%~3.0重量%、より好ましくは0.05重量%~1.0重量%、さらにより優先的には0.05重量%~0.5重量%の範囲であり得る。
【0064】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は過酸化物を含まない。
【0065】
本発明による組成物において、成分A/成分Bの体積比は、20/1~1/1、優先的には10/1~1/1の範囲であり得る。
【0066】
B.即時使用可能なキット
本発明はまた、2つの別個の区画に包装された、上記で定義した成分Aおよび上記で定義した成分Bの両方を含む、即時使用可能なキットに関する。これは、例えば、2成分カートリッジであってもよい。
【0067】
実際、本発明による組成物は、例えば計量ポンプを使用した2成分の直接混合に適した割合で、第1の区画またはドラム内の成分Aおよび第2の区画またはドラム内の成分Bの両方を含む、例えば即時使用可能なキット内の2成分形態であってもよい。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、キットはまた、成分Aと成分Bとを混合するための1つ以上の手段を含む。好ましくは、混合手段は、使用される量に適した直径を有する計量ポンプまたは静的ミキサーから選択される。
【0069】
C.組成物の使用
本発明はまた、接着剤、マスチックまたはコーティングとしての、好ましくは接着剤としての、上記で定義した架橋性2成分組成物の使用に関する。
【0070】
本発明はまた、輸送、自動車(車、バスもしくはトラック)、組立、海洋、電子機器または建設分野における材料の修復および/または構造的もしくは半構造的接着結合における前記組成物の使用に関する。
【0071】
本発明は、接着結合によって2つの基材を組み立てるための方法であって、
-上記で定義した成分Aと成分Bとを混合して得られた組成物を、組み立てられる2つの基材の少なくとも一方にコーティングすること;次いで、
-2つの基材を効果的に接触させること;
-組成物を架橋すること
を含む、方法に関する。
【0072】
架橋工程は、0℃~200℃、好ましくは10℃~150℃、好ましくは23℃~80℃、特に20℃~25℃の温度で実施され得る。
【0073】
適切な基材は、無機基材、例えばコンクリート、金属または合金(例えばアルミニウム合金、鋼、非鉄金属および亜鉛めっき金属);または他の場合には有機基材、例えば木材、プラスチック、例えばPVC、ポリカーボネート、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂;金属製の基材ならびに塗料でコーティングされた複合材である。
【0074】
架橋は、電磁照射下で、例えばUV放射線源またはLEDを用いて実施され得る。
【0075】
電磁照射下での架橋工程は、300nmを超える、好ましくは360nm~680nmの範囲の、さらにより優先的には360nm~420nmの波長で実施され得る。
【0076】
本発明による組成物は、貯蔵時に有利に安定である。
【0077】
本発明による組成物は、有利には、貯蔵時の安定性と高い反応性との間の良好な妥協を可能にする。
【0078】
本発明による組成物は、有利には、架橋後に良好な接着特性を有する。
【0079】
さらに、架橋組成物の表面は、有利には急速に乾燥し、タックフリーとすることができ、それによって、特に工業過程の生産性を高めることを可能にする。
【0080】
上記のすべての実施形態は、互いに組み合わせてもよい。特に、組成物の上記の様々な構成成分、特に組成物の好ましい実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【0081】
本発明の文脈において、「x~yの間」または「x~yの範囲」という用語は、境界値xおよびyが含まれる範囲を意味する。例えば、「0%~25%」の範囲は、特に0%および25%の値を含む。
【0082】
ここで、本発明を以下の実施例で説明するが、これらは純粋に例示として与えられており、その範囲を限定するために解釈されるべきではない。
【実施例
【0083】
以下の成分を使用した:
-SR(登録商標)531:アルケマ社から販売されている環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CAS:66492-51-1)
-チオフェニウムI:5-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム、1,1,1-トリフルオロメタンスルホネート(CAS:129946-88-9)、Sigma-Aldrichから入手可能
-Visiomer Glyfoma(CAS:1620329-57-8)、Evonikから販売
-チオフェニウムIII:2,8-ジフルオロ-5-トリフルオロメチルジベンゾチオフェニウム1,1,1-トリフルオロメタンスルホネート(CAS:1961266-44-3)、TCI chemicalsから入手可能
-トルエンスルフィン酸ナトリウム(CAS:824-79-3)、Sigma-Aldrichから入手可能
-ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(CAS:873-55-2)、Sigma-Aldrichから入手可能
-Visiomerベンジルメタクリレート(CAS:2495-37-6)、Evonikから入手可能
-RETIC(商標)BP50、Luperoxから入手可能(安息香酸イソノニル/エチレングリコール混合物中の過酸化ベンゾイル)
-Bisomer PTE(CAS:103671-44-9)、GEO Specialty Chemicalsから販売
-スルホニウム:(ジフルオロメチル)ビス(2,5-ジメチルフェニル)スルホニウムテトラフルオロボラート(CAS:2133476-51-2)、TCIから入手可能
【0084】
実施例1:組成物1の調製
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0085】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0086】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0087】
実施例2:組成物2の調製
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0088】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0089】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0090】
実施例3:組成物3の調製
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0091】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0092】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0093】
実施例4:組成物4の調製(比較例)
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0094】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0095】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0096】
実施例5:組成物5の調製(比較例)
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0097】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0098】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0099】
実施例6:組成物6の調製(比較例)
成分Aの成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0100】
成分Bを構成する様々な成分を、以下の表に示す割合で、23℃の温度、連続的に撹拌されたミキサー内、窒素下で混合する。
【0101】
成分Aと成分Bとを、Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して、23℃の常温、1:1の体積比で混合する。
【0102】
実施例7:組成物の性能
接着結合試験は、以下の条件で行った:
-第1のガラス顕微鏡スライド(25×76mm)に組成物1、2、3、4、5および6(Sulzer(登録商標)Mixpacミキサーを使用して成分Aと成分Bとを混合することによって、実施例1、2、3、4、5および6でそれぞれ得られた)を塗布する;
-第2のガラス顕微鏡スライド(25×76mm)を、組成物1、2、3、4、5および6を受けた第1のスライド上に貼り付ける;
-2つのスライド間に組成物1、2、3、4、5および6を均等に分配することを可能にするように、2つの顕微鏡スライドをスライドさせる工程(ここでは酸素曝露が低減される)。
【0103】
2つのスライドをもはや分離することができなくなった時点を記録する。
【0104】
反応性(発熱)を、高温計を使用して熱画像化によって連続的に分析する。ゲル化時間(または遅延時間)は、試料が重合を開始するのにかかる時間である。
【0105】
時間/温度プロファイルを、重合2g(高さ約4.0mm)および重合0.25g(高さ1.4mm)について±1℃で正確なOmega OS552-V1-6工業用赤外線温度計(Omega Engineering(登録商標),Inc.、コネチカット州スタンフォード)を使用して作成した。
【0106】
結果を以下の表に対照する。
【0107】
この表から明らかなように、組成物1、2および3(本発明による)は、ゲル化時間が短い(それぞれ48秒、180秒および60秒)という観点から、有利には、(成分Aと成分Bとを混合した後に)迅速に重合する。一方、比較組成物4および5(実施例4および5(Examples 4 and 5))は、外気中で重合しないことが観察された。組成物6は重合するが、実施例1、2および3のB部分とは異なり、B部分は経時的に(24時間)不安定で重合し、組成物6を市販品として実用できないものとする。さらに、比較組成物6は、本発明による組成物1、2および3に対して、長いゲル化時間:246秒をもたらす。
【0108】
また、組成物1、2および3は、有利には、結合を可能にしない組成物4と比較して、速い固化時間で接着結合をもたらす。
【0109】
最後に、架橋後に得られたポリマーは、有利には、組成物1(実施例1)および組成物2(実施例2)および組成物3(実施例3)において、表面が乾燥している(タックがない)ことが観察された。
【国際調査報告】