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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ダイカストマシン
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/26 20060101AFI20240229BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B22D17/26 A
B22D17/22 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023556880
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 IB2022052093
(87)【国際公開番号】W WO2022195406
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021000006101
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519258770
【氏名又は名称】イタルプレッセガウス・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ITALPRESSEGAUSS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】ブレッシャーニ,ミケーレ
(57)【要約】
ダイカストマシン(1,100)は、柱の成形セクション(12、112)によって形成された、水平方向の柱(10、110)と第1の固定面との間の接続を提供する。成形セクション(12、112)は、半径方向に突出し、軸方向において離間して配置された複数の周方向のリブ(14)を備え、リブ(14)の間に溝(16)が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカストマシン(1,100)であって、
固定ハーフダイを支持する垂直方向の第1の固定面(4)と、
前記第1の固定面(4)から長手方向に間隔を置いて配置された垂直方向の第2の固定面(6)と、
可動ハーフダイを担持する垂直方向の可動面(8)であって、前記第1の固定面(4)と前記第2の固定面(6)との間に配置され、前記固定ハーフダイと前記可動ハーフダイとを結合するために、命令に応じて前記第1の固定面(4)に向かって水平方向に移動可能である、前記垂直方向の可動面(8)と、
少なくとも1つの水平方向の柱(10,110)と、
を備え、
各水平方向の前記柱(10,110)は、前記第1の固定面(4)に固定された第1の端部(10'、110')と、前記第2の固定面(6)に固定された第2の端部(10''、110'')との間のそれぞれの柱軸(X)に沿って長手方向に延在し、前記可動面(8)を摺動可能に支持し、前記第1の端部(10’、110’)において、水平方向の前記柱(10、110)は、第1の固定面(4)と接続する成形セクション(12、112)を有し、
前記成形セクション(12、112)は、
半径方向に突出し、軸方向において離間して配置された複数の周方向のリブ(14)を備え、前記リブ(14)の間に溝(16)が形成され、
各前記柱(10、110)ごとに、前記ダイカストマシン(1,100)は、前記柱(10、110)の前記成形セクション(12、112)にしっかりと結合されるように構成された接続デバイスを備え、
前記接続デバイスは、前記第1の固定面(4)から前記柱(10、110)の引き抜きに対抗する当接部を形成し、
前記接続デバイスは、前記柱(10、110)の前記成形セクション(12、112)に形状結合してしっかりと結合されたシェル(50)を備え、
前記シェル(50)は、2つのハーフシェル(50a、50b)を含み、2つの前記ハーフシェル(50a、50b)は、それぞれが中空の半円筒の形状を有し、複数のタンジェンシャルネジ(52)によって互いに結合される、
ダイカストマシン。
【請求項2】
各前記溝(16)は、実質的に台形のプロファイル(18)を有する、
請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記プロファイル(18)は、
前記柱軸(X)と同軸の円錐台面により構成された第1の側面(20)と、
前記柱軸(X)と同軸の円筒面により構成された溝底面(22)と、
前記柱軸(X)と同軸の他の円錐台面により構成された第2の側面(24)と、
を有し、
前記第1の側面(20)と前記第2の側面(24)とは、前記柱軸(X)に向かって収束する、
請求項2に記載のマシン。
【請求項4】
前記第1の側面(20)と前記第2の側面(24)とは、前記溝底面(20)に接合されている、
請求項3に記載のマシン。
【請求項5】
各前記リブ(14)は、前記柱軸(X)と同軸の円筒の円周面により構成されたリッジ(26)を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項6】
前記接続デバイスはメインプレート(54)を備え、
前記メインプレート(54)は、前記柱(10、110)の前記第1の端部(10’、110’)及び前記シェル(50)に当接するように適用される、
請求項1から5のいずれか1項に記載のマシン。
【請求項7】
前記メインプレート(54)は、ねじによって前記第1の固定面(4)に直接に固定され、且つ、ねじによって前記シェル(50)に固定され、
前記シェル(50)は、前記第1の固定面(4)に直接に固定されない、
請求項6に記載のマシン。
【請求項8】
前記シェル(50)は、ねじによって前記第1の固定面(4)に直接に固定され、前記メインプレート(54)は、ねじによって前記シェル(50)に固定されている、
請求項8に記載のマシン。
【請求項9】
前記接続デバイスは、
流体操作可能であって、前記シェル(50)に固定された少なくとも1つのジョー(70)を備え、
前記ジョー(70)は、対応する前記ハーフシェル(50a、50b)に推力を加えるように作用する少なくとも1つのピストン(74)を含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイカストマシンの分野に関し、具体的には、トグル継手を有するタイプ又はトグル継手を有さないタイプの、特にアルミニウム合金及び他の金属のダイカストマシンに関する。更に具体的には、本発明は、ダイカストマシンの水平方向の柱を固定面に接続するための革新的なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在既知の解決策によれば、ダイカストマシンは、所定の長手方向延長部を有する基部を備えている。当該基部には、垂直方向の第1の固定面と、垂直方向の第1の固定面から長手方向に離間した垂直方向の第2の固定面とが取り付けられる。更に、当該装置は、第1の固定面と第2の固定面との間に配置され、長手方向に移動可能な垂直方向の可動面を備える。
【0003】
垂直方向の2つの固定面は、水平方向の柱によってしっかりと接続されており、可動面は基部上で案内され、水平方向の柱に沿ってスムーズに支持される。
【0004】
第1の固定面は第1のハーフダイ(したがって、固定ハーフダイをも称す)を支持し、可動面は第2のハーフダイ(可動ハーフダイ)を担持する。2つのハーフダイは2つの相補的な部品で構成され、これら2つの部品が一緒になってダイカストマシンによって得られる製品の模様を規定する。
【0005】
マシンは射出ユニットを更に備え、射出ユニットは、2つのハーフダイが結合されたときに溶融金属をダイ内に送り込む。射出ユニットは基部によって支持され、第1の固定面の外面の前に配置される。
【0006】
第1の固定面に対する可動面の移動及び固定は、通常、2つの技術を利用して実現される。1つ目は、移動には油圧シリンダーを使用し、固定にはトグル継手(toggle)システムを使用する(トグル継手を備えるマシン)。2つ目は、移動には油圧シリンダーを使用し、固定には、可動面の後ろに配置され、柱上で閉じるクランプジョー(clamping jaw)を使用する(トグル継手を備えていないマシン)。
【0007】
トグル継手を備えるマシンでは、水平方向の柱の両端にねじが切られて、一方側が第1の固定面にしっかりと取り付けられ、他方側が第2の固定面にしっかりと取り付けられる。
【0008】
トグル継手を備えていないマシンでは、水平方向の柱の一方側にねじが切られて、第1の固定面にしっかりと接続され、中央部分には複数の周方向の溝を有し、この部分にクランプジョーが係合される。他方側の端部において、柱は第2の固定面によって自由に支持されるか、又はプレートによって固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
水平方向の柱と第1の固定面との間の接続は、ダイカストマシンの信頼性にとって非常に重要である。なぜなら、当該接続は周期的な高い応力に晒されるためである。
【0010】
技術水準において、水平方向の柱と第1の固定面との間の接続の問題を扱ったダイカストマシンが知られている。英国特許文献第1537133 A号及び米国特許文献第4080144 A号には、柱にねじ止めされた接続デバイスによって、柱が固定面に固定されたダイカストマシンが示されている。これらのマシンは、ねじ締めのために、柱を段階的に調整する必要性に加えて、結合面間の遊び及び厳しい公差などの問題の影響を受ける。米国特許文献第3951579 A号及び米国特許文献2017/057142 A1号には、成形プロファイルを有する柱を備えたダイカストマシンが示されている。しかしながら、これらのマシンは非常に複雑な結合システムを備えているため、結合面間の遊びの問題が解決されず、最適な柱保持が保証されない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、特に、水平方向の柱と第1の固定面との間の接続において、特に信頼性が高く、構造的にシンプルなダイカストマシンを提供することである。この目的は、請求項1に記載のダイカストマシンによって達成される。従属請求項は、本発明の更なる有利な実施形態を開示する。
【0012】
本発明による方法の特徴及び利点は、添付の図面を参照して例示的且つ非限定的な例として提供される以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による、トグル継手を備えるダイカストマシンを示す図
図2】本発明による水平方向の柱の第1の端部を示す図
図3図2の部分IIIの拡大図であって、柱の成形セクションを概略に示す図
図4】本発明の一実施形態による、柱をマシンの固定面に接続するための接続デバイスを示す図
図5図4の接続デバイスの断面図
図6】本発明の別の実施形態による接続デバイスの断面図
図7】本発明の更なる別の実施形態による接続デバイスの断面図
図8】本発明の別の態様によるトグル継手を備えていないダイカストマシンを示す図
図9図8のマシンの柱を示す図
図10図9の部分Xの拡大図であって、水平方向の柱の中間成形セクションのプロファイルを示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明の第1の態様によれば、トグル継手を備えるダイカストマシンは、長手方向に延びる基部2と、垂直方向の第1の固定面4と、第1の固定面4から長手方向に離間した垂直方向の第2の固定面6と、第1の固定面4と第2の固定面6との間に配置され、命令に応じて水平方向に移動可能な垂直方向の可動面8と、を備える。
【0015】
好ましくは、前記第2の固定面の位置は、ダイの高さによって調整可能である。
【0016】
2つの固定面である固定面4と固定面6とは、一般的には鋼製の単一部品で構成され、長手方向に延びる水平方向の柱10によってしっかりと接合されている。可動面8は、基部2上で案内され、水平方向の柱10によって摺動可能に支持され、第1の固定面4から、及び第1の固定面4に向う長手方向の移動を行う。
【0017】
第1の固定面4の内面4aには、第1のハーフダイ(又は固定ハーフダイ)が配置されている。第1の固定面4の内面4aに面する可動面8の内面8aには、可動ハーフダイが配置されている。2つのハーフダイは相補的な部品で構成され、互いに結合すると、ダイカストマシンによって得られる部品の形状に対応するダイが形成される。
【0018】
マシン1は、ダイが閉じられているときに、ダイのインプリント内に溶融金属を送り込む射出ユニット120を更に備える。
【0019】
マシン1は、少なくとも1つの油圧シリンダー30とトグル継手システム40とを更に備える。油圧シリンダー30は、例えば、第2の固定面6を横切るように配置され、可動面8と接続して可動面8を長手方向に移動させる。トグル継手システム40は、例えば、第2の固定面6と可動面8との間に配置され、ダイが閉じた位置において、第1の固定面4と係合する位置にある可動面8を固定する。
【0020】
各水平方向の柱10は、第1の固定面4に固定された第1の端部10’と、第2の固定面6に固定された第2の端部10’’との間で、それぞれの柱軸Xに沿って長手方向に延在する。
【0021】
本発明によれば(図2及び図3に示すように)、前記第1の端部10’において、水平方向の柱10は、第1の固定面4に接続するための成形セクション12を有する。
【0022】
成形セクション12は、半径方向に突出し、軸方向において離間して配置された複数の周方向リブ14を備え、連続する2つのリブの間にはそれぞれの溝16が形成される。
【0023】
好ましくは、各溝16は、実質的に台形のプロファイル18を有し、当該プロファイル18は、柱軸Xと同軸の円錐台面により構成された第1の側面20と、柱軸Xと同軸の円筒面により構成された溝底面22と、柱軸Xと同軸の他の円錐台面により構成された第2の側面24と、を有し、第1の側面20と第2の側面24とは、柱軸Xに向かって収束する。
【0024】
一実施形態によれば、各第1の側面20と第2の側面24とは、柱軸Xを横切る方向、すなわち、半径方向に対して、6度から16度の間の角度、好ましくは8度から14度の間の角度、例えば、10度に等しい角度をもって傾斜している。
【0025】
更に、好ましくは、第1の側面20と溝底面22とは、応力が集中する可能性のある領域が第1の側面20及び溝底面22に形成されることを回避するように接続される。
【0026】
このように、各リブ14は、側面において、溝16の第1の側面20と第2の側面24によって画定され、そして、上部においては、柱軸Xと同軸の円筒の円周面により構成されたリッジ(ridge)26によって画定される。リッジ26は、第1の側面20及び第2の側面24に接続されている。
【0027】
各柱10を第1の固定面4に接続するためには、前記第1の固定面4はそれぞれの貫通孔4cを有する。柱10の第1の端部10’が穴4cに挿入され、成形セクション12が外側に突出する。
【0028】
マシン1は、各柱10ごとに、第1の固定面4から突出する柱10の成形セクション12にしっかりと結合するように適合された接続デバイスを備える。それにより、第1の固定面4からの柱10の引き抜きに対抗する当接部が形成される。
【0029】
接続デバイスは手動で操作され、シェル50を備え、シェル50は、形状嵌合によって柱10の成形セクション12にしっかりと結合するように適合されている。シェル50は、2つのハーフダイ50a、50bを含み、ハーフダイ50a、50bは、それぞれ中空の半円筒の形状を有し、複数のタンジェンシャルネジ52(tangential screw)(図5)を介して互いに結合されている。
【0030】
好ましくは、更に、接続デバイスは、柱10の端部10’及びシェル50に当接するメインプレート54を備える。好ましくは、前記メインプレート54は、複数の第1の軸方向ねじ56を介して第1の固定面4にねじによって直接に取り付けられ、更に、複数の第2の軸方向ねじ58を介してシェル50に固定される。前記実施形態では、シェル50は、第1の固定面4には直接に固定されない。
【0031】
手動操作の別の実施形態(図6)によれば、シェル50は、複数の第1の軸方向ねじ60によって第1の固定面4に直接に固定され、メインプレート54は、複数の第2の軸方向ねじ62によってシェル50に固定される。
【0032】
更に別の実施形態(図7)によれば、接続デバイスは油圧又は空気圧で操作され、シェル50を備え、シェル50は、柱10の成形セクション12に形状嵌合によってしっかりと結合するように適合されている。例えば、シェル50は、ジャケットのように成形セクション12を取り囲む2つのハーフシェル50a、50bで構成される。
【0033】
接続デバイスは更にメインプレート54を備え、メインプレート54は、柱10の端部10’及びシェル50に当接するように適用される。メインプレート54は、ネジ64によって柱10の第1の端部10’に固定される。
【0034】
更に、接続デバイスは、シェル50に取り付けられた少なくとも1つの流体操作可能なジョー70を備える。当該ジョー70は、加圧流体を供給可能な圧力チャンバ72と、各圧力チャンバ72に動作可能に結合され、半径方向に作動され、各ハーフシェル50a、50bに推力を加えるように動作する少なくとも1つのピストン74とを備える。
【0035】
好ましくは、複数のピストン74が設けられ、複数のピストン74は半径方向において対向して動作する。
【0036】
更に、本発明の変形例によれば、上述したようなリブ及び溝を有する成形セクションは、柱10を第2の固定面6に接続するように柱10の第2の端部10''に設けられる。前記実施形態では、上述した実施形態による接続デバイスは、柱10の第2の端部10''と第2の固定面6との間の接続を作動する。
【0037】
図8を参照すると、本発明の更なる態様によれば、トグル継手を備えていないダイカストマシン100は、上述したトグル継手を備えるマシンと同様の構造的及び機能的特徴を有するが、クランプジョー122を含む。クランプジョー122は、ダイが閉じた位置において、第1の固定面4と係合する位置にある可動面8を固定する。
【0038】
好ましくは、クランプジョー122は可動面8によって支持され、具体的には、可動面8の外面8bに適用される。好ましくは、更に、当該クランプジョー122は、アクチュエータ、例えば、油圧アクチュエータによって作動される。
【0039】
前記実施形態(図9)では、各水平方向の柱110は、第1の固定面4に固定される第1の端部110'と、第2の固定面6によって支持される第2の端部110''との間で、それぞれの柱軸Xに沿って長手方向に延在する。
【0040】
第1の端部110’において、水平方向の柱110は、トグル継手を備えるマシン1の水平方向の柱10の成形セクション12について上述したように作製された成形セクション112を有する。
【0041】
更に、上述した変形例によれば、前記成形セクション112上で、接続デバイスは、柱110の第1の端部110’を第1の固定面4に接続するように動作する。
【0042】
更に、各水平方向の柱110は、第1の端部110’と第2の端部110’’との間の中間位置に、中間成形セクション114を有する。中間成形セクション114において、クランプジョー122が強制的に締め付けられ、半径方向の挟持によってダイを閉じる。
【0043】
各中間成形セクション114は、突出する中間の複数の周方向のリブ116を備え、中間の複数の周方向のリブ116は、長手方向に離間して配置されてそれぞれの中間の周方向の溝118を形成する。
【0044】
本発明の更なる変形例によれば、上述のようなリブ及び溝を有する成形セクションは、柱110を第2の固定面6に接続するように柱110の第2の端部110''に設けられる。前記実施形態では、上述した実施形態による接続デバイスは、柱110の第2の端部110''と第2の固定面6との間の接続を作動する。
【0045】
革新的には、本発明は、既知の解決策で使用されるねじ付きセクションよりもはるかに強力なリブ及び溝を備えた成形セクションが作成される点で、本領域の信頼性要件を満たすとともに、前述した従来の欠点を克服することができる。
【0046】
有利なことに、本発明は、ねじを有する従来の柱とは異なり、柱を段階的に調整する必要がないため、柱と固定面との間のよりシンプルな接続を可能にする。これは、特に、ハーフシェルが油圧シリンダーによって閉じるような自動化応用にとって重要な利点である。
【0047】
更に有利な態様によれば、本発明による溝は、ねじ山を作製するのに必要な機械加工よりも簡単な機械加工によって作られる。これにより、柱の成形セクションとハーフシェルの対応する領域との両方について、より厳しい公差を満たすことが可能になり、結合された表面間の遊びが大幅に減少する。
【0048】
この側面でもマシンの信頼性にかなりの影響を与える。なぜなら、通常のマシンの動作中に、柱は、周期的に方向が反転する引張荷重を受けるため、結合された表面間の遊びがなくなるか又は大幅に減少することによって、疲労挙動が大幅に改善されるためである。
【0049】
有利なことに、接続デバイスは効果的な柱の制止を実現することができ、有利なことに、実際に、柱が柱軸に沿って引張荷重を受け、周方向のリブは、特に側面との接触を通じて、軸方向の力をハーフシェルには加えさせない。その結果、2つのハーフシェルは、柱軸に直交する半径方向の推力を受け、当該推力は、2つのハーフシェルを互いに遠ざける傾向がある。しかしながら、2つのハーフシェルを結合するタンジェンシャルネジによって、ハーフシェルの前記半径方向の動きが簡単かつ効果的に防止され、遊びが更に最小限に抑えられる。
【0050】
有利なことに、溝のプロファイルにより、ハーフシェルの寸法公差と結合公差との間で妥協点を達成することができ、柱が引張荷重を受けたときに生じる半径方向の力を最小限に抑えることができる。具体的には、実際に、リブの側面が大きい傾斜角を有すると、半径方向の推力が高すぎるとなる。逆に、適度な傾斜角は、ハーフシェルと成形セクションとの間の特に厳しい寸法公差及び結合公差を必要とする。
【0051】
当業者であれば、個別のニーズを満たすために、前述したダイカストマシンに修正を加えることができることは明らかであり、それらの全ては、以下の特許請求の範囲で規定される保護の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカストマシン(1,100)であって、
固定ハーフダイを支持する垂直方向の第1の固定面(4)と、
前記第1の固定面(4)から長手方向に間隔を置いて配置された垂直方向の第2の固定面(6)と、
可動ハーフダイを担持する垂直方向の可動面(8)であって、前記第1の固定面(4)と前記第2の固定面(6)との間に配置され、前記固定ハーフダイと前記可動ハーフダイとを結合するために、命令に応じて前記第1の固定面(4)に向かって水平方向に移動可能である、前記垂直方向の可動面(8)と、
少なくとも1つの水平方向の柱(10,110)と、
を備え、
各水平方向の前記柱(10,110)は、前記第1の固定面(4)に固定された第1の端部(10'、110')と、前記第2の固定面(6)に固定された第2の端部(10''、110'')との間のそれぞれの柱軸(X)に沿って長手方向に延在し、前記可動面(8)を摺動可能に支持し、前記第1の端部(10’、110’)において、水平方向の前記柱(10、110)は、第1の固定面(4)と接続する成形セクション(12、112)を有し、
前記成形セクション(12、112)は、
半径方向に突出し、軸方向において離間して配置された複数の周方向のリブ(14)を備え、前記リブ(14)の間に溝(16)が形成され、
各前記柱(10、110)ごとに、前記ダイカストマシン(1,100)は、前記柱(10、110)の前記成形セクション(12、112)にしっかりと結合されるように構成された接続デバイスを備え、
前記接続デバイスは、前記第1の固定面(4)から前記柱(10、110)の引き抜きに対抗する当接部を形成し、
前記接続デバイスは、前記柱(10、110)の前記成形セクション(12、112)に形状結合してしっかりと結合されたシェル(50)を備え、
前記シェル(50)は、2つのハーフシェル(50a、50b)で構成され、2つの前記ハーフシェル(50a、50b)は、それぞれが中空の半円筒の形状を有し、複数のタンジェンシャルネジ(52)によって互いに結合さ
前記成形セクション(12、112)の各前記溝(16)は、実質的に台形のプロファイル(18)を有し、
前記プロファイル(18)は、
前記柱軸(X)と同軸の円錐台面により構成された第1の側面(20)と、
前記柱軸(X)と同軸の円筒面により構成された溝底面(22)と、
前記柱軸(X)と同軸の他の円錐台面により構成された第2の側面(24)と、
を有し、
前記第1の側面(20)と前記第2の側面(24)とは、前記柱軸(X)に向かって収束し、
前記プロファイル(18)の前記第1の側面(20)と前記第2の側面(24)とのそれぞれは、柱軸(X)を横切る方向に対して、6度から16度の間の角度(α)、好ましくは、8度から14度の間の角度(α)、例えば、10度に等しい角度(α)で傾斜している、
ダイカストマシン。
【請求項2】
前記第1の側面(20)と前記第2の側面(24)とは、前記溝底面(20)に接合されている、
請求項に記載のダイカストマシン。
【請求項3】
各前記リブ(14)は、前記柱軸(X)と同軸の円筒の円周面により構成されたリッジ(26)を有する、
請求項1又は2に記載のダイカストマシン。
【請求項4】
前記接続デバイスはメインプレート(54)を備え、
前記メインプレート(54)は、前記柱(10、110)の前記第1の端部(10’、110’)及び前記シェル(50)に当接するように適用される、
請求項1からのいずれか1項に記載のダイカストマシン。
【請求項5】
前記メインプレート(54)は、ねじによって前記第1の固定面(4)に直接に固定され、且つ、ねじによって前記シェル(50)に固定され、
前記シェル(50)は、前記第1の固定面(4)に直接に固定されていない、
請求項に記載のダイカストマシン。
【請求項6】
前記シェル(50)は、ねじによって前記第1の固定面(4)に直接に固定され、前記メインプレート(54)は、ねじによって前記シェル(50)に固定されている、
請求項に記載のダイカストマシン。
【請求項7】
前記接続デバイスは、
流体操作可能であって、前記シェル(50)に固定された少なくとも1つのジョー(70)を備え、
前記ジョー(70)は、対応する前記ハーフシェル(50a、50b)に推力を加えるように作用する少なくとも1つのピストン(74)を含む、
請求項1からのいずれか1項に記載のダイカストマシン。
【請求項8】
前記接続デバイスは手動で操作される、
請求項1から7のいずれか1項に記載のダイカストマシン。
【国際調査報告】