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特表2024-510487新規なチアジアゾロピリミドン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】新規なチアジアゾロピリミドン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20240229BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C07D519/00 301
C07D519/00 CSP
A61K31/519
A61P25/28
A61P25/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556977
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2022056587
(87)【国際公開番号】W WO2022194802
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】21163263.3
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ドレンテ,コジモ
(72)【発明者】
【氏名】グレター,ナディーヌ
(72)【発明者】
【氏名】オハラ,フィオン・スザンナ
(72)【発明者】
【氏名】ピラス,マチルデ
(72)【発明者】
【氏名】ラトニ,アサヌ
(72)【発明者】
【氏名】レアットリンガー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィフィアン,ヴァルター
(72)【発明者】
【氏名】ザンバルド,クラウディオ
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB27
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA15
(57)【要約】
本発明は、式(I)(式中、R~RおよびAは、明細書および特許請求の範囲に定義されているとおりである)の化合物に関する。式(I)の化合物は、医薬として使用することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの各例は、Rから独立して選択される1つ、2つ、3つまたは4つの置換基で置換されていてもよく;
は、水素、シクロアルキル、アルケニル、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはアルコキシであり;
は、アルキル、アルコキシ、水素、ハロゲンまたはハロアルキルであり;
は、ハロゲン、アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、ハロヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロシクロアルキル、シクロアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ハロアリール、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、アルコキシアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルアミノであり;
は-CH-または-N-である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩
(但し、
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(1-メチル-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-ピペラジン-1-イル-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
を除く)。
【請求項2】
が、Rから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、2-ピペラジニル、4-ピペリジル、ピロリジン-3-イル、(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イルまたは4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルであり、Rが、Rから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよい、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、4-ピペリジルまたは4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルであり、Rが、Rから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、フルオロ、メチルまたはトリフルオロメチルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
がアルキルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がメチルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、ハロゲンまたはアルキルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、フルオロまたはメチルである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が-N-である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピペラジノ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-フルオロ-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-[2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピロリジン-3-イル-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-フルオロ-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の工程:
(a)塩基および適切なパラジウム触媒の存在下、適切な溶媒中で、式(B1)
【化2】

(式中、nは0または1であり、LGは適切な脱離基である)
の化合物と、式(B2)
【化3】

の化合物とを反応させて、式(B3)
【化4】

の化合物に至る工程
(b)適切な溶媒中、TMSIの存在下で、式(B3)(式中、nは1である)の化合物を反応させて、式(I)
【化5】

(式中、本方法において、R、R、R、RおよびAは、請求項1から13のいずれか一項で定義されているとおりであり、PGは保護基である)
の化合物を得る工程
のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法に従って製造された場合の、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
治療活性物質として使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物と、治療不活性担体とを含む、医薬組成物。
【請求項18】
神経変性疾患、特にハンチントン病の処置または予防に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置または予防するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置または予防するための医薬を調製するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置するための方法であって、有効量の請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項22】
本明細書中に記載されているとおりの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療および/または予防に有用な新規な有機化合物、特にハンチンチン(HTT)のタンパク質レベルを低下させ、ハンチントン病の処置に有用な化合物に関する。
【0002】
特に、本発明は、式(I)
【化1】

(式中、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの各例は、Rから独立して選択される1つ、2つ、3つまたは4つの置換基で置換されていてもよく;
は、水素、シクロアルキル、アルケニル、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはアルコキシであり;
は、アルキル、アルコキシ、水素、ハロゲンまたはハロアルキルであり;
は、ハロゲン、アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、ハロヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロシクロアルキル、シクロアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ハロアリール、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、アルコキシアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルアミノであり;
は-CH-または-N-である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩であって、
但し、
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(1-メチル-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-ピペラジン-1-イル-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オンは除外される、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【背景技術】
【0003】
ハンチントン病(HD)は、ハンチンチン(HTT)遺伝子におけるCAG塩基リピート伸長に起因する遺伝性の常染色体優性神経変性疾患である。いくつかの証拠が、突然変異HTT遺伝子がその遺伝子産物mHTTタンパク質と共に、毒性機能獲得機序を介してHD発病に寄与することを示している。
【0004】
HTT遺伝子のエクソン1におけるトリプレットリピート伸長は、細胞においてミスフォールディングおよび凝集しやすいHTTタンパク質におけるポリグルタミンリピートになる。どのように突然変異HTTが細胞機能を破壊するかについての正確な機序は不明であるが、RNA翻訳の中断、毒性RNA種、タンパク質凝集物、RNA翻訳、およびストレス顆粒に及ぶいくつかのプロセスが関係づけられている。
【0005】
神経回路レベルでは、HDは、線条体などの脳深部構造ならびに皮質領に様々な程度で影響を及ぼすことが示されている。ヒトイメージング実験と組み合わせた精液マウス遺伝子実験は、HDの病原性における皮質-線条体接続の重要な役割を指摘している(Wang etら、「Neuronal targets of mutant huntingtin genetic reduction to ameliorate Huntington’s disease pathogenesis in mice」Nature medicine 20.5(2014):536;Tabriziら、「Potential endpoints for clinical trials in premanifest and early Huntington’s disease in the TRACK-HD study:analysis of 24 month observational data.」The Lancet Neurology 11.1(2012):42~53)。
【0006】
HDは、典型的には、約30~50歳で発症し、運動、認知および情動領域にわたる多数の症状を特徴とし、運動症状の発症後10~20年で最終的に死に至る。CAGリピート長は運動症状の発症年齢と負に相関するが、これは発症年齢の変動の50~70%を占めるに過ぎない。HDにおける発症年齢の遺伝的修飾因子を特定しようとして、Leeら(2019、Huntington’s disease onset is determined by length of uninterrupted CAG,not encoded polyglutamine,and is modified by DNA maintenance mechanisms.Bioarxiv doi:https://doi.org/10.1101/529768)は、発症年齢のさらなる遺伝的修飾因子を明らかにした大規模GWAS(ゲノムワイド関連研究)を行った。
【0007】
様々なマウスモデルが、HDの側面をモデル化するために特徴づけられている。128回のCAGリピートを有する完全長突然変異HTT導入遺伝子を発現するYAC128マウス、97回のCAG/CAAリピートを有する完全長突然変異HTTゲノム配列を発現するBACHDマウス、110回~135回のCAGリピートを有する突然変異ヒトHTT遺伝子のエクソン1を発現するR6/2マウス)。ヒト導入遺伝子を発現するこれらのマウスに加えて、頻繁に使用されるQ111などの一連のマウスモデル、マウスHTT遺伝子座に関連して、伸長リピートがノックインされた、Q175ノックインマウスも存在する。
【0008】
ハンチントン病のための疾患修飾療法は現在のところ存在しないが、いくつかが開発中である。運動症状、認知症状および行動症状を特徴とする症候学の背後にある中心的な疾患プロセスは、現在承認されている様々な対症処置によって未だ対処されていないままである。テトラベナジンおよびチアプリドは、運動症状、すなわちHD関連舞踏病の処置に現在承認されている。さらに、抗痙攣薬、ベンゾジアゼピン、抗うつ薬、および抗精神病薬もまた、HDに関連する運動症状、認知症状および精神症状を処置するために適応外使用される。
【0009】
DNAおよびRNAを標的化するいくつかの治療戦略がHTT低下について研究されている(E.J.Wild、S.Tabrizi、Lancet Neurol.2017 16(10):837~847)。HTT低下は、ハンチントン病の根本原因に到達することによって疾患進行を遅らせることを目的とする有望な治療アプローチである。HTT低下は、疾患発症の不顕性段階または顕在性段階で処置された場合には変化をもたらす、よって、脳における主要な神経変性過程を予防すると考えられている。しかしながら、発症年齢は集団全体でかなり変動するので(S.J.Tabrizi、R.Ghosh、B.R.Leavitt、Neuron、2019、102(4)、899)、課題は正しい疾患段階で患者を特定することにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在の臨床アプローチは、主にアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)に基づいている。さらに、SNP(一塩基多型)ベースのASOおよびジンクフィンガーベースの遺伝子編集アプローチなどの少数の対立遺伝子特異的低下戦略が研究されている。HTT発現を低下させるための低分子の使用が仮定されているが、この戦略はまだ検証されておらず、これまでのところ成功が証明されていない。
【0011】
低分子は、脳および末梢におけるHTT低下を可能にする機会を提供する。さらに、低分子モダリティは、ASOまたは遺伝子治療などのモダリティでは到達することが困難であり得る患者集団へのアクセスを可能にする。
【0012】
よって、mHTTを低下させることができる新規な化合物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本出願人は、驚くべきことに、本発明の化合物がmHTTを低下させることにおいて活性であり、したがって、HDの処置において有用であることを見出した。
【0014】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、全体が参照により援用される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、「アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、1~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、特に1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、さらに特に1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖および分岐鎖C1~C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル、および異性体オクチルである。「アルキル」の特定の例は、メチル、エチルおよびイソプロピルである。メチルは、式(I)の化合物における「アルキル」の特定の例である。
【0016】
本明細書において、「アルケニル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、2~8個の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合をさらに含む直鎖または分岐鎖アルケニル基、特に2~4個の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合をさらに含む直鎖または分岐鎖アルケニル基を意味する。「アルケニル」の特定の例は、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニルおよびtertブテニルである。イソプロペニルは、式(I)の化合物における「アルケニル」の特定の例である。
【0017】
「シクロアルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、3~10個の炭素原子を有するシクロアルキル環、特に3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。「シクロアルキル」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルである。「シクロアルキル」の特定の例はシクロプロピルである。
【0018】
「アリール」という用語は、単独でまたは組み合わせで、6~10個の炭素環原子を含む芳香族単環式または二環式環系を意味する。「アリール」の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
「ヘテロアリール」という用語は、単独でまたは組み合わせて、それぞれN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5~12個の環原子を有する芳香族単環式または二環式環系を意味する。ヘテロアリールの例としては、フラニル、チオフェニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、4H-1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1H-インドリル、2H-インドリル、1H-インダゾリル、2H-インダゾリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、1H-ベンズイミダゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、フロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、ピロロ[1,2-a]ピラジニル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-c]ピリミジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジニル、ベンゾ[d]オキサゾリルおよびキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、「アルキル」という用語が前に示される意味を有する、式アルキル-O-の基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシを意味する。
【0021】
「オキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-O-基を意味する。
【0022】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し、特に、フッ素、塩素または臭素を意味する。ハロゲンの特定の例はフッ素である。「ハロ」という用語は、別の基と組み合わせて、別段の指定がない限り、少なくとも1個のハロゲン、特に、1~5個のハロゲン、特に、1~4個のハロゲン、すなわち、1個、2個、3個または4個のハロゲンで置換された、当該基の置換を意味する。
【0023】
「ハロアルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、少なくとも1個のハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲンで置換された、特に1~3個のハロゲンで置換されたアルキル基を表す。特定の「ハロアルキル」は、フルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピルおよびフルオロブチルである。「ハロアルキル」の特定の例はトリフルオロメチルである。
【0024】
「ハロアルコキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、少なくとも1個のハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲン、特に1~3個のハロゲンで置換されたアルコキシ基を表す。特定の「ハロアルコキシ」は、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロエトキシである。
【0025】
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-OH基を意味する。
【0026】
「シアノ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-CN基を意味する。
【0027】
「カルボニル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-C(O)-基を意味する。
【0028】
「オキソ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、=O基を意味する。
【0029】
「アミノ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、第一級アミノ基(-NH)、第二級アミノ基(-NH-)、または第三級アミノ基(-N-)を意味する。
【0030】
「アルキルアミノ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-NH-基に結合したアルキル基を意味する。「ジアルキルアミノ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-N-原子に結合した2つのアルキル基を意味する。
【0031】
「シアノ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-CN基を意味する。
【0032】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、それぞれN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、3~12個の環原子を有する単環式または二環式の飽和またはモノ不飽和環系を意味する。いくつかの特定の実施形態では、「ヘテロシクロアルキル」という用語が、単独でまたは組み合わせて、1個または2個の窒素原子を含み、残りの環原子が炭素である、5~10個の環原子を有する単環式または二環式の飽和またはモノ不飽和環系を意味する。「ヘテロシクロアルキル」の例は、ピペラジニル、アゼチジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル、(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル、(8aR)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピロール-5-イル、ピロリジニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、ピペリジル、(7R)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル、(7S)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルおよび4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルである。「ヘテロシクロアルキル」の特定の例は、2-ピペラジニル、4-ピペリジル、ピロリジン-3-イル、(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イルおよび4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルである。
【0033】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的にまたはその他の点で望ましくないものではない塩を指す。塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸、および、有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインおよびトリフルオロ酢酸を用いて形成される。さらに、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することによって調製することができる。無機塩基から誘導される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が挙げられるが、これらに限定されない。式(I)の化合物は、双性イオンの形態で存在することもできる。式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容され得る塩は、トリフルオロ酢酸または塩酸を用いて形成される塩である。
【0034】
出発物質または式(I)の化合物のうちの1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないかまたは反応性である1つ以上の官能基を含む場合、適切な保護基(例えば、「Protective Groups in Organic Chemistry」、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第3版(1999年)、Wiley、ニューヨークに記載)を、当技術分野で周知の重要な工程適用方法の前に導入することができる。このような保護基は、文献に記載されている標準的な方法を用いて、合成の後の段階において除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。保護基の特定の例はtert-ブトキシカルボニル(Boc)である。
【0035】
本発明のある特定の実施形態は、少なくとも1つの置換基が少なくとも1つの放射性同位体を含む、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。放射性同位体の特定の例は、H、H、13C、14Cおよび18Fである。
【0036】
さらに、本発明は、適用可能な場合、式(I)の化合物の全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオ異性体、ジアステレオ異性混合物、ラセミ混合物、それらの全ての対応するエナンチオマー、および/または互変異性体、ならびにそれらの溶媒和化合物を含む。
【0037】
式(I)の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして生じ得る。分子上の種々の置換基の性質に応じて、付加的な不斉中心が存在してもよい。このような不斉中心の各々は独立して2つの光学異性体を生成し、混合物および純粋または部分的に精製された化合物として可能性のある光学異性体およびジアステレオマーの全てが、本発明に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を包含することを意味する。これらのジアステレオマーの独立した合成またはそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示される方法の適切な改変により、当該技術分野で知られるように達成され得る。それらの絶対立体化学は、必要に応じて、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学によって決定することができる。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオ異性混合物を形成し、続いて、分別再結晶化またはクロマトグラフィーなどの標準的方法によって個々のジアステレオマーを分離するなど、当技術分野で周知の方法によって行うことができる。
【0038】
「不斉炭素原子」という用語は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を意味する。カーン・インゴルド・プレローグ順位則によれば、不斉炭素原子は、「R」または「S」立体配置のものであり得る。
【0039】
したがって、本発明は、特に以下にも関する:
が、Rから独立して選択される1つ、2つ、3つまたは4つの置換基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである、本発明による化合物;
が、Rから独立して選択される1つまたは2つで置換されていてもよいヘテロシクロアルキルである、本発明による化合物;
が2-ピペラジニル、4-ピペリジル、ピロリジン-3-イル、(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イルまたは4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルであり、Rが、Rから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよい、本発明による化合物;
が4-ピペリジルまたは4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イルであり、Rが、Rから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよい、本発明による化合物;
がハロゲン、アルキルまたはハロアルキルである、本発明による化合物;
がフルオロ、メチルまたはトリフルオロメチルである、本発明による化合物;
がアルキルである、本発明による化合物;
がメチルである、本発明による化合物;
がハロゲンまたはアルキルである、本発明による化合物;
がフルオロまたはメチルである、本発明による化合物;
が-N-である、本発明による化合物;および
が-CH-である、本発明による化合物。
【0040】
本発明はさらに、
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピペラジノ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-フルオロ-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
7-[2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピロリジン-3-イル-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
から選択される化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0041】
本発明はさらに、
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
2-(4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;および
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-フルオロ-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン;
から選択される化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0042】
式(I)の化合物の合成は、例えば、以下のスキームに従って達成することができる。X、R~RおよびAは、特に明記しない限り、上に定義されているとおりである。
【0043】
スキーム1
【化2】
【0044】
が窒素結合している、式(I)の化合物の調製。第1の工程において、市販の2-アミノ-5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール2を、SAr条件下で最終的に保護されたRH3によるN-アリール化に供して誘導体4を得る(スキーム1)。化合物4は、活性化マロン酸ジエステルによる熱環化を受けて誘導体5をもたらし、これがp-トルエンスルホニルクロリドと反応すると、6を生じる。6と適切なボロン酸7との間の鈴木クロスカップリングにより、最終的な酸媒介保護基切断で、式(I)の化合物が得られる。
【0045】
スキーム2
【化3】
【0046】
が炭素結合している、式(I)の化合物の調製。適切に保護されたカルボン酸含有R8から出発して、対応する塩化アシルの形成および過剰のチオセミカルバジドとの反応、続く分子内脱水環化により、炭素結合誘導体4が得られる。スキーム1と同様に、活性化マロン酸ジエステルを用いた熱環化により化合物5が得られ、これがp-トルエンスルホニルクロリドと反応すると、6を生じる。6と適切なボロン酸7との間の鈴木クロスカップリングにより、還元的または酸媒介保護基切断で、式(I)の化合物が得られる。
【0047】
スキーム3
【化4】
【0048】
スキーム1および2で使用される式7のボロン酸は、適切なハロゲン置換ヘテロアリール化合物9から出発して、スキーム3に従って調製することができる。ホウ素化反応は、国際公開第2019057740号パンフレットに記載されるように、CHCN、1,4-ジオキサンまたは両方の混合物中、宮浦条件下で行われる。
【0049】
したがって、本発明はまた、本発明による化合物を調製するための方法であって、以下の工程
(a)塩基および適切なパラジウム触媒の存在下、適切な溶媒中で、式(B1)
【化5】

(式中、nは0または1であり、LGは適切な脱離基である)
の化合物と、式(B2)
【化6】

の化合物とを反応させて、式(B3)
【化7】

の化合物を得る工程
(b)適切な溶媒中、TMSIの存在下で、式(B3)(式中、nは1である)の化合物を反応させて、式(I)
【化8】

(式中、本方法において、R、R、R、RおよびAは上で定義されているとおりであり、PGは保護基である)
の化合物を得る工程
のうちの少なくとも1つを含む、方法に関する。
【0050】
工程(a)の反応は、溶媒中で好都合に行うことができる。溶媒は、例えば1,4-ジオキサン、アセトニトリル、水またはこれらの混合物であり得る。
【0051】
工程(a)の反応では、塩基が、例えばKCO、LiCO、NaCO、KOtBu、NaOtBuまたはLiOtBu、特にKCOであり得る。
【0052】
工程(a)の反応では、パラジウム触媒が、例えばPd(dppf)Cl ・CHCl(0.2当量CAS番号95464-05-4)またはXPhos PdG4 CAS番号1599466-81-5であり得る。
【0053】
工程(a)の反応では、脱離基が、例えばトシレート、メシレートまたはハロゲンであり得る。
【0054】
工程(a)の反応のための好都合な条件は、約20℃~150℃、特に約40℃~130℃、さらに特に約60℃~110℃、特に約90℃である。
【0055】
工程(a)の反応のための特定の条件は、約90℃で約2時間~8時間の1,4-ジオキサン、アセトニトリル、水またはこれらの混合物中でのKCOの使用である。
【0056】
工程(b)の反応は、溶媒中で好都合に行うことができる。溶媒は、例えば、CHClまたは1,4-ジオキサンであり得る。
【0057】
工程(b)の反応のための好都合な条件は、約0℃~60℃、特に約50℃~50℃、さらに特に約10℃~40℃、特に約20℃である。
【0058】
工程(a)の反応のための特定の条件は、約20℃で約1時間~3時間のCHClの使用である。
【0059】
この方法において、保護基は、例えば、Cbz、Boc、FmocまたはTeoc、特にCbzであり得る。
【0060】
本発明はまた、本発明の方法に従って製造される場合の本発明による化合物に関する。
【0061】
したがって、本発明は、特に以下にも関する:
治療活性物質として使用するための、本発明による化合物;
本発明による化合物と、治療不活性担体とを含む、医薬組成物;
神経変性疾患の処置または予防に使用するための、本発明による化合物;
ハンチントン病の処置または予防に使用するための、本発明による化合物;
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置または予防するための、本発明による化合物の使用;
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置または予防するための医薬を調製するための、本発明による化合物の使用;および
神経変性疾患、特にハンチントン病を処置または予防するための方法であって、有効量の本発明による化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【0062】
本発明のある特定の実施態様は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る補助物質とを含む医薬組成物に関する。
【0063】
さらに、本発明は、適用可能な場合、式(I)の化合物の対応する重水素化形態の全ての置換基を含む。
【0064】
さらに、本発明は、適用可能な場合、式(I)の化合物の全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオ異性体、ジアステレオ異性混合物、ラセミ混合物、それらの全ての対応するエナンチオマー、および/または互変異性体、ならびにそれらの溶媒和化合物を含む。
【0065】
式(I)の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして生じ得る。分子上の種々の置換基の性質に応じて、付加的な不斉中心が存在してもよい。このような不斉中心の各々は独立して2つの光学異性体を生成し、混合物および純粋または部分的に精製された化合物として可能性のある光学異性体およびジアステレオマーの全てが、本発明に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を包含することを意味する。これらのジアステレオマーの独立した合成またはそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示される方法の適切な改変により、当該技術分野で知られるように達成され得る。それらの絶対立体化学は、必要に応じて、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学によって決定することができる。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオ異性混合物を形成し、続いて、分別再結晶化またはクロマトグラフィーなどの標準的方法によって個々のジアステレオマーを分離するなど、当技術分野で周知の方法によって行うことができる。
【0066】
光学的に純粋なエナンチオマーが提供される実施態様では、光学的に純粋なエナンチオマーとは、化合物が所望の異性体を90重量%超、特に所望の異性体を95重量%超、またはさらに特に所望の異性体を99重量%超含有することを意味し、前記重量パーセントは、化合物の異性体の総重量を基準とする。キラル的に純粋なまたはキラル的に濃縮された化合物は、キラル選択的合成によって、またはエナンチオマーの分離によって調製され得る。エナンチオマーの分離は、最終生成物で、あるいは適切な中間体で行われ得る。
【0067】
また、本発明の一実施形態は、記載される方法のいずれか1つにより製造された場合の、本明細書に記載される式(I)の化合物である。
【0068】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、医薬として(例えば、医薬調製物の形態で)使用することができる。医薬調製物は、経口投与(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質および軟質ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョンまたは懸濁液の形態)などの内服投与、経鼻投与(例えば、鼻スプレーの形態)、直腸投与(例えば、坐剤の形態)、または眼局所投与(例えば、溶液、軟膏、ゲルまたは水溶性高分子挿入剤の形態)が可能である。しかしながら、投与は、筋肉内、静脈内、または眼内など非経口的に(例えば、滅菌注射液の形態で)行うこともできる。
【0069】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル、注射液または局所製剤の製造のための薬学的に不活性な、無機または有機アジュバントを用いて加工することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩等を、例えば、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセル用のそのようなアジュバントとして、使用することができる。
【0070】
軟質ゼラチンカプセルに適したアジュバントは、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形物質および液状ポリオール等である。
【0071】
溶液およびシロップの製造に適したアジュバントは、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0072】
注射液に適したアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0073】
坐剤に適したアジュバントは、例えば、天然または硬化油、ワックス、脂肪、半固形または液状ポリオール等である。
【0074】
局所眼用製剤に適したアジュバントは、例えば、シクロデキストリン、マンニトールまたは当技術分野で公知の多くの他の担体および賦形剤である。
【0075】
さらに、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、増粘物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩類、緩衝剤、マスキング剤または抗酸化剤を含むことができる。医薬調製物はまた、さらに他の治療上価値のある物質を含むことができる。
【0076】
投与量は、広範囲内で変化することができ、各特定の症例で個々の要件に適合される。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)の1日投与量は、好ましくは1~3回の個別投与に分けられ、これは、適切であれば、例えば、同量からなり得る。局所投与の場合、製剤は、0.001重量%~15重量%の医薬を含み得、0.1~25mgの間であり得る必要用量は、1日あたりもしくは1週間あたりの単回投与によって、または1日あたりの複数回投与(2~4回)によって、または1週間あたりの複数回投与によってのいずれかで投与され得る。しかしながら、これが示されていると示されている場合には、本明細書に与えられている上限または下限を超え得ることは明らかであろう。
【0077】
医薬組成物
式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、例えば医薬調製物の形態で、治療活性物質として使用することができる。医薬調製物は、経口、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョンまたは懸濁液の形態で投与することができる。しかしながら、投与は、例えば坐剤の形態で直腸でも、または例えば注射液の形態で非経口的にも行われ得る。
【0078】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、医薬調製物の製造のために、薬学的に不活性な無機または有機担体と共に加工することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルのためのこのような担体として使用することができる。軟質ゼラチンカプセルに適した担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形物および液状ポリオールなどである。しかしながら、活性物質の性質に応じて、軟質ゼラチンカプセルの場合、通常、担体は必要とされない。溶液およびシロップの製造に適した担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に適した担体は、例えば、天然油または硬化油、ワックス、脂肪、半液体または液状ポリオールなどである。
【0079】
さらに、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩類、緩衝剤、マスキング剤または抗酸化剤などの薬学的に許容され得る補助物質を含むことができる。これらはまた、さらに他の治療上価値のある物質を含むことができる。
【0080】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、治療上不活性担体とを含む医薬もまた、式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容され得る塩と、所望であれば、1種以上の他の治療上価値のある物質を、1種以上の治療上不活性担体と一緒に生薬投与形態にすることを含む、それらの製造のための方法と同様に本発明によって提供される。
【0081】
投与量は、広範囲内で変化することができ、各特定の症例で個々の要件に調整されなければならない。経口投与の場合、成人の投与量は、一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の対応する量で1日あたり約0.01mg~約1000mgまで変化させることができる。1日投与量は、単回投与または分割投与で投与されてもよく、さらに、示されていることが判明した場合、上限を超えることもできる。
【0082】
以下の実施例は、本発明を限定することなく説明するが、本発明の代表例に過ぎない。医薬調製物は、約1~500mg、特に1~100mgの式(I)の化合物を都合よく含有する。本発明による組成物の例は以下である。
【0083】
実施例A
以下の組成の錠剤を、通常の方法で製造する:
【表1】
【0084】
製造手順
1.成分1、2、3および4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.成分5を添加し、3分間混合し、適切なプレス機で圧縮する。
【0085】
実施例B-1
以下の組成のカプセルを製造する:
【表2】
【0086】
製造手順
1.成分1、2および3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4および5を添加し、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0087】
式(I)の化合物、ラクトースおよびコーンスターチを、まずミキサー中、次いで粉砕機中で混合する。混合物をミキサーに戻す;タルクを添加し、完全に混合する。混合物を、機械によって適切なカプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0088】
実施例B-2
以下の組成の軟質ゼラチンカプセルを製造する:
【表3】

【表4】

製造手順
式(I)の化合物を他の成分の温かい融解物に溶解し、混合物を適切なサイズの軟質ゼラチンカプセルに充填する。充填した軟質ゼラチンカプセルを通常の手順に従って処理する。
【0089】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
【表5】
【0090】
製造手順
坐剤塊をガラスまたはスチール容器中で溶融し、充分に混合し、45℃に冷却する。次いで、これに微粉末化した式(I)の化合物を添加し、完全に分散するまで撹拌する。混合物を好適なサイズの坐剤型に注ぎ、冷えるまで放置し、その後、坐剤を型から取り出し、ろう紙または金属箔で個々に包装する。
【0091】
実施例D
以下の組成の注射液を製造する:
【表6】
【0092】
製造手順
式(I)の化合物を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)との混合物に溶解する。pHを酢酸により5.0に調整する。残量の水を加えて、体積を1.0mlに調整する。溶液をフィルタにかけ、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0093】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する:
【表7】
【0094】
製造手順
式(I)の化合物を、ラクトース、微結晶セルロースおよびカルボキシルメチルセルロースナトリウムと混合し、水中のポリビニルピロリドンの混合物で顆粒化する。顆粒をステアリン酸マグネシウムおよび香味添加剤と混合し、サシェに充填する。
【実施例
【0095】
略語:
ACN:アセトニトリル;Boc:tert-ブチルオキシカルボニル;Cbz:カルボベンジルオキシ;DCM:ジクロロメタン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;dppf:ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;ES:電子スプレー;EtOAc:酢酸エチル;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;HTRF:均一時間分解蛍光;MeOH:メタノール;MS:質量分析;MTBE:メチルtert-ブチルエーテル;PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム;RT:室温;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;TMSI:トリメチルシリルヨージド。
【0096】
以下の実施例を、本発明の例証に提供する。実施例は、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではなく、単にその代表例と解釈されるべきである。
【0097】
中間体6の合成:N結合チアジアゾール
中間体6-1
tert-ブチル4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート
【化9】
【0098】
工程1:丸底フラスコ中で、5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(500.0mg、2.78mmol)を炭酸カリウム(768mg、5.55mmol)、引き続いて1-BOC-ピペラジン(621mg、3.33mmol)と共にDMF(5mL)に溶解した。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、フリットでフィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質をHPLC(20~70%0~5分HO/MeOH)、流量:30ml/分(ローディングポンプ4ml/分メタノール)標的質量285.37カラム:Chromatorex18 SMB 100-5T 100x19mm 5um)によって精製して、tert-ブチル4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(297mg、収率36%)を淡褐色粉末として得た。MS(ES+)m/z:286.2[(M+H)
【0099】
工程2:tert-ブチル4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100.0mg、0.350mmol)のトルエン(2mL)中懸濁液に、マロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(170mg、0.370mmol)を添加し、混合物を90℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、沈殿物をフィルタにかけ、トルエンおよびMTBEで洗浄し、乾燥させて、粗tert-ブチル4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(93mg、収率71%)を白色粉末として得た。MS(ES+)m/z:354.0[(M+H)
【0100】
工程3:tert-ブチル4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(283.0mg、0.800mmol)のTHF(10mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.22mL、1.6mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(229.0mg,、1.2mmol)を順次添加し、混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を蒸発乾固し、残渣をHPLC(40~90% 0~5分HO/MeOH)、流量:30ml/分(ローディングポンプ4ml/分メタノール)標的質量507.59.カラム:YMC Triart C18 100×20mm、5um)によって精製して、tert-ブチル4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(375mg、収率87.7%)を淡褐色固体として得た。MS(ES+)m/z:508.2[(M+H)
【0101】
中間体6-2
tert-ブチル(2S,6R)-2,6-ジメチル-4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート
【化10】
【0102】
工程1:中間体6-1の調製(工程1)と同様に、炭酸カリウム(3.1g、22.22mmol)、引き続いてtert-ブチル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.5g、11.66mmol)と合わせた、DMF(20mL)中の5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(2.0g、11.11mmol)から出発して、tert-ブチル(2R,6S)-4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.3g、収率66%)を淡褐色固体として得た。MS(ES+)m/z:314.2[(M+H)
【0103】
工程2:中間体6-1の調製(工程2)と同様に、
トルエン(20mL)中のtert-ブチル(2S,6R)-4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-カルボキシレート(1.0g、3.19mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(1.55g、3.35mmol)から、tert-ブチル(2S,6R)-4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-カルボキシレート(1.05g、収率84.5%)を白色粉末として得た。MS(ES+)m/z:382.2[(M+H)
【0104】
工程3:中間体6-1の調製(工程3)と同様に、THF(10mL)中のtert-ブチル(2S,6R)-4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-カルボキシレート(300.0mg、0.790mmol)、トリエチルアミン(0.22mL、1.57mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(225.0mg、1.18mmol)から出発して、tert-ブチル(2S,6R)-2,6-ジメチル-4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(231mg、収率55%)を灰色固体として得た。MS(ES+)m/z:検出不能[(M+H)
【0105】
中間体6-3
[2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル]4-メチルベンゼンスルホネート
【化11】
【0106】
工程1:中間体6-1の調製(工程1)と同様に、DMF(5mL)中の炭酸カリウム(821.0mg、5.94mmol)、引き続いて(8aS)-1,2,3,4,6,7,8,8 a-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン(500.0mg、3.96mmol)と合わせた、5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(642.0mg、3.57mmol)から出発して、5-[(8aS)-3,4,6,7,8,8 a-ヘキサヒドロ-1 H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(385mg、収率41%)を褐色粉末として得た。MS(ES+)m/z:226.2
【0107】
工程2:中間体6-1の調製(工程2)と同様に、m-キシレン(5mL)中の5-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(385.0mg、1.71mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(831.0mg、1.79mmol)から、2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-7-ヒドロキシ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(400mg、収率72%)を橙色粉末として得た。MS(ES+)m/z:294.2[(M+H)
【0108】
工程3:中間体6-1の調製(工程3)と同様に、THF(10mL)中の2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-7-ヒドロキシ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(400.0mg、1.36mmol)、トリエチルアミン(0.29mL、2.05mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(286.0mg、1.5mmol)から出発して、[2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル]4-メチルベンゼンスルホネート(93mg、収率15%)を淡黄色固体として得た。
MS(ES+)m/z:448.0[(M+H)
【0109】
中間体6-4
ベンジル7-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート
【化12】
【0110】
工程1:中間体6-1の調製(工程1)と同様に、DMF(2mL)中の炭酸カリウム(587.0mg、4.24mmol)、引き続いてベンジル4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート塩酸塩(400.0mg、1.41mmol)と合わせた、5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(242mg、1.34mmol)から出発して、ベンジル7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(380mg、収率74%)を淡褐色泡として得た。MS(ES+)m/z:346.0
【0111】
工程2:中間体6-1の調製(工程2)と同様に、トルエン(10mL)中のベンジル7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(380.0mg、1.1mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(535.0mg、1.16mmol)から、ベンジル7-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(315mg、収率69%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:414.2[(M+H)
【0112】
工程3:中間体6-1の調製(工程3)と同様に、THF(5mL)中のベンジル7-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(315.0mg、0.760mmol)、トリエチルアミン(0.16mL、1.14mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(160.0mg、0.840mmol)から出発して、ベンジル7-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(279mg、収率63%)を淡褐色固体として得た。MS(ES+)m/z:568.2[(M+H)
【0113】
中間体6の合成:C結合チアジアゾール
中間体6-5
ベンジル4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート
【化13】
【0114】
工程1:丸底フラスコ中で、触媒量のDMFを含む、1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-カルボン酸(1g、3.8mmol)のCHCl(20mL)中溶液を塩化オキサリル(0.72g、5.7mmol)で滴下処理し、混合物を室温で1時間撹拌したままにした。溶媒を蒸発させ、残渣をTHF(30mL)に溶解し、チオセミカルバジド(0.69g、7.6mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を完了するまで20℃で撹拌し、次いで、溶媒を蒸発乾固した。残渣をオキシ塩化リン(10.0mL、107.3mmol)に懸濁し、20℃で15時間攪拌した;あるいは、混合物を、完了するまで、通常は2~4時間の間、65℃まで加熱することができる。混合物を濃縮し、残渣を飽和炭酸ナトリウム溶液で懸濁し、1時間撹拌した。沈殿した固体をフリットでフィルタにかけ、乾燥させて、(550mg、収率44%)を白色粉末として得た。次いで、生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。MS(ES+)m/z:319.4[(M+H)
【0115】
工程2:ベンジル4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(550.0mg、1.73mmol)のトルエン(10mL)中懸濁液に、マロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(880mg、1.9mmol)を添加し、混合物を90℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、沈殿物をフィルタにかけ、トルエンおよびMTBEで洗浄し、乾燥させて、粗ベンジル4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-8,8a-ジヒドロ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、収率72%)を白色粉末として得た。MS(ES+)m/z:387.2[(M+H)
【0116】
工程3:ベンジル4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-8,8a-ジヒドロ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(500.0mg、1.29mmol)のTHF(15mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.27mL、1.93mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(319mg、1.67mmol)を順次添加し、混合物を20℃で5時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をEtOAc(30mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、引き続いて水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をHPLC(40~65% 0~5分HO/ACN)流量:30ml/分(ローディングポンプ4ml/分ACN)標的質量540.62カラム:Chromatorex 18 SMB 100-5T 100x19mm 5um)によって精製して、ベンジル4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(329mg、収率47%)を褐色粘性油として得た。MS(ES+)m/z:541.0[(M+H)
【0117】
中間体6-6
ベンジル7-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート
【化14】
【0118】
工程1:中間体6-5の調製(工程1)と同様に、CHCl(20mL)中の4-ベンジルオキシカルボニル-4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-カルボン酸(1.3g、4.5mmol)、触媒DMFおよび塩化オキサリル(0.58mL、6.74)、引き続いてTHF(30mL)中のチオセミカルバジド(0.82g、9.0mmol)、最後にオキシ塩化リン(11.83mL、126.92mmol)から出発して、ベンジル7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(1.4g、収率86%)を淡褐色固体として得た。MS(ES+)m/z:345.2[(M+H)
【0119】
工程2:中間体6-5の調製(工程2)と同様に、トルエン(20mL)中のベンジル7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(1.4g、4.06mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(1.98g、4.27mmol)から、ベンジル7-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(820mg、収率30%)を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:413.2[(M+H)
【0120】
工程3:中間体6-5の調製(工程3)と同様に、THF(10mL)中のベンジル7-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(820.0mg、1.23mmol)、トリエチルアミン(0.34mL、2.47mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(352.49mg、1.85mmol)から出発して、7-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(123mg、収率16.73%)を黄色ガムとして得た。MS(ES+)m/z:567.2[(M+H)
【0121】
中間体6-7
ベンジル4-フルオロ-4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート
【化15】
【0122】
工程1:中間体6-5の調製(工程1)と同様に、CHCl(15mL)中の1-ベンジルオキシカルボニル-4-フルオロ-ピペリジン-4-カルボン酸(1.2g、4.3mmol)、触媒DMFおよび塩化オキサリル(0.55mL、6.4mmol)、引き続いてTHF(30mL)中のチオセミカルバジド(0.78g、8.5mmol)、最後にオキシ塩化リン(3.98mL、42.66mmol)から出発して、ベンジル4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(145mg、収率9%)を白色粉末として得た。MS(ES+)m/z:337.2[(M+H)
【0123】
工程2:中間体6-5の調製(工程2)と同様に、トルエン(5mL)中のベンジル4-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(145.0mg、0.43mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(209.5mg、0.45mmol)から、ベンジル4-フルオロ-4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(120mg、収率34%)を淡黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:405.2[(M+H)
【0124】
工程3:中間体6-5の調製(工程3)と同様に、DCM(3mL)中のベンジル4-フルオロ-4-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(120.0mg、0.300mmol)、トリエチルアミン(0.06mL、0.450mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(56.5mg、0.300mmol)から出発して、ベンジル4-フルオロ-4-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(34mg、収率20%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:559.0[(M+H)
【0125】
中間体6-8
ベンジル3-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【化16】
【0126】
工程1:中間体6-5の調製(工程1)と同様に、CHCl(15mL)中の1-ベンジルオキシカルボニルピロリジン-3-カルボン酸(1.5g、6.0mmol)、触媒DMFおよび塩化オキサリル(0.77mL、9.0mmol)、引き続いてTHF(30mL)中のチオセミカルバジド(1.1g、12.0mmol)、最後にオキシ塩化リン(5.61mL、60.2mmol)から出発して、ベンジル3-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.19g、収率58.5%)を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:305.2[(M+H)
【0127】
工程2:中間体6-5の調製(工程2)と同様に、トルエン(20mL)中のベンジル3-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.20g、3.52mmol)およびマロン酸ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)エステル(1.71g、3.69mmol)から、ベンジル3-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1g、収率59%)を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:373.2[(M+H)
【0128】
工程3:中間体6-5の調製(工程3)と同様に、THF(25mL)中のベンジル3-(7-ヒドロキシ-5-オキソ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.0g、2.07mmol)、トリエチルアミン(0.58mL、4.14mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(0.59g、3.1mmol)から出発して、ベンジル3-[5-オキソ-7-(p-トリルスルホニルオキシ)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピロリジン-1-カルボキシレート(396mg、収率34.5%)を暗褐色固体として得た。
MS(ES+)m/z:527.2[(M+H)
【0129】
中間体7:ボロン酸の合成
中間体7-1
2,8-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン
【化17】
【0130】
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中で、6-クロロ-2,8-ジメチル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(542.0mg、2.98mmol)、無水酢酸カリウム(585mg、5.97mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(833.0mg、3.28mmol)を無水1,4-ジオキサン(25mL)に懸濁し、アルゴンを10分間スパージングした。次いで、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(244.0mg、0.300mmol)を添加し、混合物を完了するまで、通常は2~6時間の間、95℃に加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、THF(30mL)で希釈し、THFで予め調整したCeliteパッドでフィルタにかけた。濾液を蒸発乾固し、初期材料投入量に従って、HPLCグレードのCHCNに0.33Mの濃度まで再溶解させる。溶液はさらに精製することなくそのまま使用し、-20℃で保存した場合、安定である。MS(ES+)m/z:182.0[(M+H)
【0131】
中間体7-2
8-フルオロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化18】
【0132】
中間体7-1の調製と同様に、1,4-ジオキサン(5mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン(500.0mg、2.18mmol)、酢酸カリウム(642mg、6.55mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.39g、5.46mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(89mg、0.110mmol)から出発して、8-フルオロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(265mg、収率31%)を白色固体として得た。
【0133】
中間体7-3
8-フルオロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン
【化19】
【0134】
工程1:国際公開第2015048245号パンフレットに記載されるように、3,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン(9.95g、45.86mmol)を1,4-ジオキサン(99.5mL)に溶解し、溶液を10本の20mL Biotageマイクロウェーブバイアルに分割した。アンモニア、25%水溶液(31.24g、39.69mL)を添加し、バイアルを密封し、50℃で15時間加熱した。合わせた反応混合物を水に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で蒸発させた。
【0135】
残渣を、EtOAc/ヘキサン0~50%で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、[6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル]アミン(2.5g,27.32%)を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:198.0[(M+H)
【0136】
工程2:[6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル]アミン(5.75g、29.11mmol)およびPPTS(731.45mg、2.91mmol)をイソプロパノール(50mL)中で合わせて透明な溶液を得て、これを1-ブロモ-2,2-ジメトキシ-プロパン(6.39g、4.74mL、34.93mmol)で処理し、得られた淡黄色溶液を75℃に加熱し、20時間撹拌した。混合物をRTに冷却させ、EtOAcおよびNaHCO水溶液で希釈し、抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で乾燥させた。
残渣を、EtOAc/ヘキサン0~40%で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、6-クロロ-2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(3.8g、52%)を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:236.0[(M+H)
【0137】
工程3:中間体7-1の調製と同様に、1,4-ジオキサン(28.8mL)中の6-クロロ-2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(720mg、3.06mmol)、酢酸カリウム(900mg、9.18mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(970mg、3.72mmol)およびパラジウムテトラキス(177mg、0.153mmol)から出発して、[2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]ボロン酸を得た。MS(ES+)m/z:246.1[(M+H)
【0138】
鈴木クロスカップリング反応の一般的手順
中間体6の1,4-ジオキサン中溶液に、1.5当量の中間体7をCHCN中0.33M溶液として添加し、4.0当量のKCOを2M水溶液として加えた。反応混合物をアルゴンで5分間脱気した後、パラジウム触媒[Pd(dppf)Cl・CHCl(0.2当量CAS番号95464-05-4)またはXPhos PdG4 CAS番号1599466-81-5のいずれか]で処理した。反応混合物を完了するまで90℃で加熱し(通常2~8時間の間)、室温に冷却し、CHCNで予め調整したCeliteパッドでフィルタにかけ、CHCNで洗浄し、真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィーまたは逆相分取HPLCのいずれかによって精製を実施し、所望の生成物を得た。
【0139】
Cbz除去の一般的手順
0℃に冷却した上記の鈴木生成物(炭素結合Rを含む)のいずれかの無水CHCl中溶液に、4.0当量のTMSIをCHCl中1M溶液として添加した。反応混合物を完了するまで、通常1~3時間の間室温で撹拌した。次いで、混合物を真空中で蒸発させ、Gemini NX、12nm、5μm、100×30mmカラムでACN/水+0.1% TEA勾配を使用する逆相分取HPLCを介して精製した。
【0140】
実施例1
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピペラジノ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化20】
【0141】
工程1:4-[7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-5-ケト-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
【化21】
【0142】
4-(5-ケト-7-トシルオキシ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(中間体6-1)(250mg、0.49mmol)の1,4-ジオキサン(2.5mL)中溶液に、(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ボロン酸(2.25mL、0.74mmol)のCHCN中0.33M溶液、中間体7-1、およびKCOの2M(水)溶液(985μL、2.0mmol)を添加した。得られた混合物をアルゴンで5分間スパージングし、パラジウム触媒Pd(dppf)Cl・CHCl(80.4mg、0.1mmol)で処理し、次いで、95℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、CHCN(15mL)で希釈し、Celiteパッドでフィルタにかけた。溶媒を真空中で蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH)により、170mg(55%)の4-[7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-5-ケト-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルを得た。MS(ES+)m/z:483.3[(M+H)]。
【0143】
工程2:7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピペラジノ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化22】
【0144】
4-[7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-5-ケト-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(170mg、0.27mmol)のCHCl(2mL)中溶液に、TFA(2mL)を添加し、反応混合物を完了するまで、通常1~3時間の間、室温で撹拌した。次いで、混合物を真空中で蒸発させ、Gemini NX、12nm、5μm、100×30mmカラムでACN/水+0.1% TEA勾配を使用する逆相分取HPLCを介して精製した。30mg(29%)の7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピペラジノ-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オンを淡黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:382.1[(M+H)]。
【0145】
実施例2
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化23】
【0146】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-5および7-1を使用して、24.4mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:380.0[(M+H)]。
【0147】
実施例3
7-(8-フルオロ-2-メチル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化24】
【0148】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-5および7-2を使用して、11.3mgの標記化合物を白色固体として得た。MS(ES+)m/z:383.0[(M+H)]。
【0149】
実施例4
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化25】
【0150】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-2および7-1を使用して、21.8mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:411.2[(M+H)]。
【0151】
実施例5
2-[(8aS)-3,4,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル]-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化26】
【0152】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-3および7-1を使用して、17.7mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:423.2[(M+H)]。
【0153】
実施例6
2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化27】
【0154】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-4および7-1を使用して、39.3mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:409.0[(M+H)]。
【0155】
実施例7
2-(4-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化28】
【0156】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-6および7-1を使用して13.8mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:409.2[(M+H)]。
【0157】
実施例8
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-(4-フルオロ-4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化29】
【0158】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-7および7-1を使用して8.5mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:400.2[(M+H)]。
【0159】
実施例9
7-[2-メチル-8-(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-2-(4-ピペリジル)-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化30】
【0160】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-5および7-3を使用して30mgの標記化合物を淡黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:436.1[(M+H)]。
【0161】
実施例10
7-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-ピロリジン-3-イル-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン
【化31】
【0162】
実施例1に記載の調製に従って、中間体6-8および7-1を使用して20.1mgの標記化合物を黄色固体として得た。MS(ES+)m/z:368.0[(M+H)]。
【0163】
実施例11
HTT低下についての均一時間分解蛍光
HTRFアッセイを、Weissら(Analytical Biochemistry第395巻、第1号、2009年12月1日、8~15頁およびAnalytical Biochemistry第410巻、2011、304~306頁)から、GENEAe020-A細胞株由来の細胞に適合させた(https://hpscreg.eu/cell-line/GENEAe020-A)。
【0164】
突然変異HTTタンパク質(mHTT)に対する均一時間分解蛍光(HTRF)を使用して、ハンチントン患者のヒト細胞(GENEAe020-A細胞株)における突然変異HTTレベルの効果について化合物を試験した。GENEAe020-A細胞株を、HDドナーのヒト胚盤胞からGenea Biocellsによって誘導した。生存率を評価した後、細胞を増殖培地中384ウェルコラーゲンコーティングプレートに播種した。細胞が接着したら、培地を除去し、DMSOに溶解した試験化合物を緩衝液で希釈し、接着細胞に添加した。対照には、細胞を用いない実験、化合物を用いないDMSO、およびHsp90阻害剤対照を含めた。細胞を化合物および対照と48時間インキュベートした。次いで、細胞を溶解し、HTTタンパク質の特定の領域を認識するPaul Pattersonによって開発されたHTRF標識モノクローナル抗体(Koら、Brain Research Bulletin、第56巻、第3号および第4号、2001、319~329頁)を含有するアッセイプレートに移した。テルビウム標識「ドナー」抗体(2B7)はHTTタンパク質のN末端に結合し、Alexa488標識「アクセプター」抗体(MW1)はタンパク質のポリグルタミン領域に特異的である。アクセプター標識抗体の結合は、突然変異HTTタンパク質レベルの特異的な測定を可能にするシグナルブーストになる突然変異HTTタンパク質の伸長ポリグルタミンリピートにとってより効率的である。HTRFドナー検出試薬およびHTRFアクセプター検出試薬を細胞溶解物とインキュベートし、2つのフルオロフォアのシグナル間の比がmHTTの相対量を示す。
【0165】
このアッセイの結果を表1に示す。表1は、HTRFアッセイによって測定される本発明の特定の実施例について得られたmHTTの低下についてのEC50(最大半量有効濃度)値を提供する(以下に示されるデータは、3回の反復からの平均である)。
【表8】
【国際調査報告】