(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】高圧容器用ソレノイドバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557179
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2022004032
(87)【国際公開番号】W WO2022220428
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0049757
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514295356
【氏名又は名称】ヨンド・アイエヌデー・カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】22,Noksansaneopjung-ro,Gangseo-gu,Busan 46751,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ハン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジュ・キム
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DA13
3H106DA23
3H106DA35
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD09
3H106EE39
3H106GA13
3H106GA15
3H106GB09
3H106GB16
3H106KK12
3H106KK17
(57)【要約】
本発明の高圧容器用ソレノイドバルブは、ボディー部と、前記ボディー部の下部に装着され、原料ガスが排出する排出口が形成されるバルブシートと、電源が印加されるコイルと、前記ボディー部の内面に装着されるコアと、下部プランジャと、上部プランジャと、前記上部プランジャの内部に配置される作動棒と、前記コアと作動棒との間に配置されるスプリングと、前記作動棒の下面に当接し、前記上部プランジャの下側に形成される安着部に安着し、前記オリフィスの開閉作用をする球形状のボール部材とで構成され、低圧で気密を維持することができ、低圧状態での漏れを防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に原料ガスが流入する流入口が形成されるボディー部と、
前記ボディー部の下部に装着され、原料ガスが排出する排出口が形成されるバルブシートと、
前記ボディー部の外周面に装着され電源が印加されるコイルと、
前記ボディー部の内面に装着されるコアと、
前記ボディー部の内面に移動可能に配置され、オリフィスを貫通して形成され、その下面がバルブシートに密着して排出口の開閉作用をする下部プランジャと、
前記下部プランジャの上側に直線移動可能に配置され、前記コイルに電源が印加されると直線移動する上部プランジャと、
前記上部プランジャの内部に直線移動可能に配置される作動棒と、
前記コアと作動棒との間に配置され、作動棒に弾性力を提供するスプリングと、
前記作動棒の下面に当接し、前記上部プランジャの下側に形成される安着部に安着し、前記オリフィスの開閉作用をする球形状のボール部材と、を含む、高圧容器用ソレノイドバルブ。
【請求項2】
前記ボール部材は金属材質からなり、前記上部プランジャ、下部プランジャおよび作動棒は非金属材質からなる、請求項1に記載の高圧容器用ソレノイドバルブ。
【請求項3】
前記下部プランジャの下面には前記バルブシートの上面に密着して開閉作用をする曲面形状の密着部が形成され、
その上面には前記上部プランジャが直線移動可能に挿入される円筒部が形成され、その上面中央には前記オリフィスが形成され突出した突出部が設けられる、請求項1に記載の高圧容器用ソレノイドバルブ。
【請求項4】
前記上部プランジャは、前記作動棒が直線移動する第3空間部が形成され、前記第3空間部の下端にボール部材が安着される安着部が形成され、
前記安着部は、その内面に下側方向に行くほど内径が狭くなる傾斜面が形成され、その下面には前記ボール部材の一部が安着部の下側方向に引き出される引出口が形成され、前記引出口は、ボール部材が安着部から離脱することを防止するように前記ボール部材の直径に比べて内径を小さく形成する、請求項1に記載の高圧容器用ソレノイドバルブ。
【請求項5】
前記ボール部材は、ソレノイドバルブが閉鎖された状態であるとき、その下側部分がオリフィスの上面に密着してオリフィスを密閉し、前記傾斜面と間隔Tを有する、請求項4に記載の高圧容器用ソレノイドバルブ。
【請求項6】
前記作動棒の上部には外径を小さく形成してスプリングが挿入されるスプリング挿入部が形成され、ボール部材が当接する下面は平面形状からなり、前記ボール部材がローリング運動可能に当接する、請求項1に記載の高圧容器用ソレノイドバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の原料ガスが貯蔵された高圧容器に原料ガスを充填するかまたはガス使用部に供給する際に原料ガスの流れを制御する高圧容器用ソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、水素燃料電池システムの場合、原料ガスが貯蔵された高圧容器にバルブアセンブリーが設けられ、高圧容器に原料ガスを充填する際に原料ガスの流れを制御し、高圧容器に貯蔵された原料ガスを使用部に供給する際に原料ガスの流れを制御する。
【0003】
このようなバルブにはソレノイドバルブが設けられ、電気的信号に応じて原料ガスの流れを精密に制御し、高圧容器に貯蔵された原料ガスの圧力を一定に維持しなければならず、水素燃料電池自動車の転倒や火災発生時の高圧容器の爆発を防止しなければならない。
【0004】
従来のソレノイドバルブは、韓国特許10-1821597号公報(2018年01月18日)に開示されたように、バルブボディーの内面に移動可能に配置され、オリフィスが設けられ、その下面にバルブシートに密着する密着部が一体に形成される下部プランジャと前記下部プランジャの上側に直線移動可能に配置され、下部プランジャを連動して作動し、前記コイルに電源が印加されると直線移動し、前記オリフィスに密着する作動棒か設けられる作動ユニットを含む。
【0005】
このような従来のソレノイドバルブは、高圧の原料ガスの流れを制御する高圧用ソレノイドバルブであり、このような高圧用ソレノイドバルブは低圧で漏れが発生する問題がある。
【0006】
特に、車両用水素燃料電池システムに適用される場合、車両走行時に発生する振動によって低圧状態で燃料ガスの漏れが発生する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、高圧用として使用されるソレノイドバルブの低圧で漏れが発生することを防止できる高圧容器用ソレノイドバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の高圧容器用ソレノイドバルブは、下部に原料ガスが流入する流入口が形成されるボディー部と、前記ボディー部の下部に装着され、原料ガスが排出する排出口が形成されるバルブシートと、前記ボディー部の外周面に装着され電源が印加されるコイルと、前記ボディー部の内面に装着されるコアと、前記ボディー部の内面に移動可能に配置され、オリフィスを貫通して形成され、その下面がバルブシートに密着して排出口の開閉作用をする下部プランジャと、前記下部プランジャの上側に直線移動可能に配置され、前記コイルに電源が印加されると直線移動する上部プランジャと、前記上部プランジャの内部に直線移動可能に配置される作動棒と、前記コアと作動棒との間に配置され、作動棒に弾性力を提供するスプリングと、前記作動棒の下面に当接し、前記上部プランジャの下側に形成される安着部に安着し、前記オリフィスの開閉作用をする球形状のボール部材と、を含む。
【0009】
前記ボール部材は金属材質からなり、前記上部プランジャ、下部プランジャおよび作動棒は非金属材質からなる。
【0010】
前記下部プランジャは、下面に前記バルブシートの上面に密着して開閉作用をする曲面形態の密着部が形成され、その上面には前記上部プランジャが直線移動可能に挿入される円筒部が形成され、その上面中央には前記オリフィスが形成され突出した突出部が設けられる。
【0011】
前記上部プランジャは、前記作動棒が直線移動する第3空間部が形成され、前記第3空間部の下端にボール部材の安着部が形成され、前記安着部は、その内面に下側方向に行くほど内径が狭くなる傾斜面が形成され、その下面には前記ボール部材の一部が安着部の下側方向に引き出される引出口が形成され、前記引出口は、ボール部材が安着部から離脱することを防止するように前記ボール部材の直径に比べて内径を小さく形成することができる。
【0012】
前記ボール部材は、ソレノイドバルブが閉鎖された状態であるとき、その下側部分がオリフィスの上面に密着してオリフィスを密閉し、前記傾斜面と間隔Tを有することを特徴とする。
【0013】
前記作動棒の上部には外径を小さく形成してスプリングが挿入されるスプリング挿入部が形成され、ボール部材が当接する下面は平面形状からなり、前記ボール部材がローリング運動可能に当接する。
【発明の効果】
【0014】
上記のように、本発明の高圧容器用ソレノイドバルブは、上部プランジャにローリング運動可能にボール部材が設けられ、ボール部材がローリング運動しながらオリフィスの開閉作用をすることで低圧で気密を維持することができ、高圧による開閉作用で変形することを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による高圧容器用バルブアセンブリーの断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの一部拡大断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの一部拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの作動状態図である。
【
図6】本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明による実施例を詳しく説明する。また、以下の図面において、構成要素の大きさや形状などは説明の便宜および明確性のために誇張されたものである。また、本発明の構成および作用を考慮して特に定義された用語は使用者、運用者の意図または慣例により異なることができる。このような用語に対する定義は本明細書全般にわたった内容を基に下さなければならない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による高圧容器用バルブアセンブリーの概略的な構成図であり、
図2は、本発明の一実施形態による高圧容器用ソレノイドバルブの断面図である。
【0018】
一実施形態による高圧容器用バルブアセンブリーは、原料ガスが保存される高圧容器に装着されるバルブボディー10と、バルブボディー10に装着され、手動で原料ガスが通過する流路を開閉するマニュアルバルブ12と、バルブボディー10に装着され、電気的信号に応じて流路を自動で開閉するソレノイドバルブ14と、を含む。
【0019】
バルブボディー10には、外部の原料ガスラインが連結され、原料ガスが出入するアウトレットパイプ16と、高圧容器100に挿入配置され、高圧容器100の内部に原料ガスを充填する際に原料ガスが通過する充填パイプ18と、高圧容器100に貯蔵された原料ガスを使用する際に原料ガスが通過する使用パイプ20とが装着される。
【0020】
バルブボディー10の内部には原料ガスが通過する流路が形成され、流路はアウトレットパイプ16とマニュアルバルブ12との間に連結される第1流路30と、マニュアルバルブ12と充填パイプ18との間に連結される第2流路32と、第2流路32から分岐され、ソレノイドバルブ14と連結される第3流路34と、ソレノイドバルブ14と使用パイプ20との間に連結される第4流路36と、を含む。
【0021】
第2流路32は、高圧容器100に速い時間内に原料ガスを充填することができるようにその内径が大きく形成され、第4流路36は、高圧容器100に貯蔵された原料ガスが使用部に供給されるラインであるため、第1流路32に比べて内径が小さく形成される。
【0022】
そして、バルブボディー10には車両事故や転倒の際、車両配管が切れた場合、高圧容器100内部の原料ガスが非正常的に過剰流出することを防止する過流遮断バルブ40と、車両事故などで火災発生時の温度によって高圧容器100内の圧力が上昇すると原料ガスを外部に放出する圧力解除装置42が設けられる。
【0023】
過流遮断バルブ40と圧力解除装置42はバルブボディー10に形成される第5流路44に連結され、第5流路44は高圧容器100に連結され、高圧容器100に貯蔵された原料ガスが第5流路44に流入する。
【0024】
そして、バルブボディー10には温度センサー50が取り付けられ、温度センサー50は高圧容器100内部の温度を感知し、その信号を制御部に印加する。
【0025】
温度センサー50に連結されるケーブル54は、バルブボディー10に形成される通路52を通過してソレノイドバルブ14のコネクタ56に連結される。このように、温度センサーと電気的に連結されるケーブルが、ソレノイドバルブ14のコネクタ56に統合され連結されるため、温度センサーケーブル54を連結するための別途のコネクタが不要になり、構造を単純化することができる。
【0026】
高圧容器100は、700Bar以上の原料ガスを十分で安全に保存できる容器が用いられる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるソレノイドバルブの断面図であり、
図3は、本発明の一実施形態によるソレノイドバルブの一部拡大断面図である。
【0028】
ソレノイドバルブ14は、原料ガスをガス使用部に供給するとき、第3流路34と第4流路36との間を連結する役割を果たし、バルブボディー10に装着されるボディー部102と、ボディー部102の下部に装着され、第3流路34に連通するバルブシート104と、ボディー部102の外周面に装着され、電源が印加されるコイル106と、ボディー部102の内周面に直線移動可能に設けられ、コイル54に電源が印加されるとコイル106との相互作用によって直線移動する作動ユニット110と、作動ユニット110に連動して作動し、バルブシート104に密着または分離されて流路を開閉する下部プランジャ120と、を含む。
【0029】
ボディー部102は、上面および下面が開放された円筒形状からなり、上面にはボディー部102の上面を密閉させるコア122が取り付けられ、下側外周面にはバルブボディー10にねじ結合するねじ結合部124が形成され、下部側面には第4流路36に連通して原料ガスが出入する流入口126が形成される。
【0030】
コア122は、ボディー部102の上部にねじ結合し、その外周面に第1シーリング128が装着され、流体が流出することを防止する。
【0031】
ボディー部102の内部には作動ユニット110が直線移動可能に配置される第1空間部130と、第1空間部130の下側に配置され、第1空間部130に比べて大きな内径を有するように形成され、下部プランジャ120が直線移動可能に配置される第2空間部132と、が設けられる。
【0032】
バルブシート104はボディー部102の下面に固定され、原料ガスが排出する排出口134が形成される。
【0033】
下部プランジャ120は中央に垂直方向に貫通して原料ガスが通過するオリフィス140が形成され、下部プランジャ120の下面にはバルブシート104の上面に密着して排出口134の開閉作用をする曲面形態の密着部142が形成される。
【0034】
作動ユニット110は、ボディー部102の第1空間部130に直線移動可能に設けられ、コイル106に電源が印加されると相互作用して直線運動する上部プランジャ112と、上部プランジャ112の内面に直線移動可能に挿入される作動棒114と、作動棒114の下面に配置され、オリフィス140の開閉作用をするボール部材150と、作動棒114とコア122との間に設けられ、ボール部材150がオリフィス140に密着するように弾性力を提供するスプリング146と、を含む。
【0035】
下部プランジャ120の上側には上部プランジャ112がスライド移動可能に挿入される円筒部152が形成され、下部プランジャ120の上面中央には上側方向に突出した突出部154が形成され、突出部154の中央にオリフィス140が形成される。
【0036】
作動棒114の上部には外径が小さく形成され、スプリング146を挿入するスプリング挿入部118が形成され、ボール部材150が当接する下面は平面形状からなり、ボール部材150がローリング運動可能に当接する。
【0037】
上部プランジャ112には作動棒114が挿入される第3空間部156が形成され、第3空間部156の下側にはボール部材150が上部プランジャ112から離脱せず、ボール部材150が第3空間部156の下側に自由に移動可能に位置するようにする安着部160が形成される。
【0038】
安着部160は、その内面に下側方向に行くほど内径が狭くなる傾斜面162が形成され、その下端にはボール部材150の一部が上部プランジャ112の下側方向に引き出される引出口170が形成され、前記引出口170の内径はボール部材150の直径に比べて小さく形成され、ボール部材150が離脱することを防止する。
【0039】
ソレノイドバルブ14が閉鎖状態の際、ボール部材150は下部プランジャ120の加圧力によって押圧され、このとき、安着部160の傾斜面162とボール部材150との間は間隔Tを維持し、ボール部材150が安着部160の内部で定められた範囲内でローリング運動可能な構造を有する。
【0040】
このように、ソレノイドバルブ14が閉鎖状態の際、ボール部材150は安着部160の内面でローリング運動してオリフィス140と一致し、オリフィス140に密着した状態になり、低圧状態の際にオリフィス140を介して漏れが発生することを防止することができる。
【0041】
従来のソレノイドバルブの場合、上部プランジャにロッド部が形成され、ロッド部が下部プランジャのオリフィスを開閉することになるが、この場合、上部プランジャに高圧が作用すると上部プランジャのロッド部が下部プランジャに強く衝撃を加えることになり、オリフィスの開閉のために上部プランジャのロッド部が下部プランジャに高圧で反復して当接するとロッド部が破損し、下部プランジャも衝撃によって変形する問題がある。
【0042】
本実施形態において、ボール部材150は金属材質からなり、上部プランジャ112、下部プランジャ120および作動棒114は高圧によって変形しない非金属材質からなり、バルブの開放閉鎖の際の高圧の衝撃によってボール部材150が変形することを防止することができ、反復的な開放閉鎖による上部プランジャ112、下部プランジャ120および作動棒114が変形することを防止することができる。
【0043】
特に、バルブの場合、反復使用によりバルブをなす部品が衝撃によって変形し、このような変形によって低圧状態の際に漏れが発生する問題がある。本実施形態によるソレノイドバルブはオリフィスを開閉動作する構成要素であって、球形状のボール部材を使用することによって反復使用による変形を防止し、かつ低圧状態でもオリフィス170の気密を維持し得る。
【0044】
上部プランジャ112、下部プランジャ120および作動棒114の材質はPEEK材質、PAI材質、PI材質など高圧に耐えられるプラスチック系材質からなる。
【0045】
上部プランジャ90の下端には円筒形状に突出した隔壁部168が形成され、上部プランジャ112の隔壁部168と下部プランジャ120の突出部154との間に流体が流入する第1チャンバー164が形成される。そして、下部プランジャ120の下部には第4流路36に連通する第2チャンバー182が形成される。
【0046】
上部プランジャ112の下側外面には係止ピン172が装着され、下部プランジャ120の円筒部152には係止ピン172が挿入され、係止される係止スロット174が形成される。このとき、係止スロット174は、上下方向に一定の空間を確保するように形成され、係止ピン172が係止スロット174の上下方向に設定された範囲内で移動することができる。
【0047】
このように、上部プランジャ112と下部プランジャ120との間は係止ピン172によって係止され、相互分離することを防止する。
【0048】
以下、このように構成される本発明の一実施形態によるソレノイドバルブの作動について説明する。
【0049】
まず、
図5および
図6は、一実施形態によるソレノイドバルブの作動を順に示す断面図である。
【0050】
まず、
図3に示すように、下部プランジャ120がバルブシート104に密着し、ボール部材150がスプリング146の弾性力によってオリフィス140に密着して第4流路36が閉鎖状態になり、ガス使用部への原料ガスの供給が遮断される。
【0051】
このとき、ボール部材がオリフィス140に密着して閉鎖状態を維持することによって低圧での漏れを防止し、車両の振動などによって低圧での漏れが発生することを防止する。
【0052】
このような状態で、
図5に示すように、コイル106に電源が印加されると、上部プランジャ112が上昇し、上部プランジャ112に挿入された作動棒94が上昇しながらオリフィス86を開放する。
【0053】
そうすると、チャンバー164に満たされている高圧の原料ガスがオリフィス140を介して排出されながらチャンバー164および上部プランジャ112の外部および内部に満たされている原料ガスは低圧状態になる。
【0054】
そして、
図5に示すように、下部プランジャ120の下部に形成される第2チャンバー182に充填された高圧の原料ガスが、下部プランジャ120の下部に作用して第1チャンバー164と第2チャンバー182との間に圧力差が発生し、この圧力差によって下部プランジャ120が上昇しながらバルブシート104の排出口134を開放する。
【0055】
そして、下部プランジャ120の下部に作用する高圧の流体が、下部プランジャ120の上部に作用して下部プランジャ120および上部プランジャ112全体に高圧の流体が作用した状態になり、排出口134は開放され、第4流路36と第3流路34とを連通して高圧容器に貯蔵された原料ガスがガス使用部に供給される。
【0056】
以上、本発明を特定の好ましい実施例を例に挙げて説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって様々な変更および修正が可能であることが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、原料ガスが貯蔵された高圧容器にバルブアセンブリーが設けられ、高圧容器に原料ガスを充填する際に原料ガスの流れを制御し、高圧容器に貯蔵された原料ガスを使用部に供給する際に原料ガスの流れを制御できることで、水素燃料電池システムに適用することができる。
【国際調査報告】