IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杭州奥科美瑞科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図1
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図2
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図3
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図4
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図5
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図6
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図7
  • 特表-ガスケットの製造方法及び金型 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ガスケットの製造方法及び金型
(51)【国際特許分類】
   B29C 35/02 20060101AFI20240229BHJP
   B29C 39/10 20060101ALI20240229BHJP
   B29C 33/14 20060101ALI20240229BHJP
   B29K 21/00 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
B29C35/02
B29C39/10
B29C33/14
B29K21:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558601
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021120570
(87)【国際公開番号】W WO2022198957
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110314327.6
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523037370
【氏名又は名称】杭州奥科美瑞科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 梅 宴
【テーマコード(参考)】
4F202
4F203
4F204
【Fターム(参考)】
4F202AA45
4F202AB03
4F202AD05
4F202AD08
4F202AD34
4F202AG03
4F202AH13
4F202AR06
4F202AR11
4F202AR12
4F202CA01
4F202CB01
4F202CB12
4F202CQ01
4F203AA45
4F203AB03
4F203AD05
4F203AD08
4F203AD34
4F203AG01
4F203AG03
4F203AH13
4F203AR06
4F203AR11
4F203AR12
4F203DA11
4F203DB01
4F203DC01
4F203DF05
4F203DL10
4F204AA45
4F204AB03
4F204AD05
4F204AD08
4F204AH13
4F204AR06
4F204AR11
4F204AR12
4F204EA03
4F204EB01
4F204EB12
4F204EF01
4F204EF23
(57)【要約】
本出願は、ガスケットの製造方法及び金型を開示している。
ガスケットの製造方法は、以下の工程を含み、S1:原料ゴムと第1の部材を用意し、第1の部材は、基体と基体の上面に付着される接着剤塗布層とを含み、基体の材料は潤滑材料を含み、S2:第1の部材を成型金型の内キャビティに置き、成型金型は上型を含み、上型の第1の本体面は円弧状となり、第1の本体面の少なくとも一部は成型金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、成型金型はさらに下型を含み、下型の第2の本体面は円弧状となり、第2の本体面の少なくとも一部は成型金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成し、第1の部材の接着剤塗布層は上型に向けられ、S3:原料ゴムを成型金型の内キャビティに置き、S4:成型金型の内キャビティに置かれた原料ゴムを加硫させ、原料ゴムを第1の部材と一体に形成し、本出願は、さらに、シール性と移動部材に対する摩擦力の低減を両立させるガスケットを成型するためのキャリアとすることができる金型を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケットの製造方法であって、以下の工程を含み、即ち、
S1:原料ゴムと第1の部材を用意し、前記第1の部材は、基体と前記基体の上面に付着される接着剤塗布層とを含み、前記基体の材料は潤滑材料を含み、
S2:前記第1の部材を成型金型の内キャビティに置き、前記成型金型は、円弧状となる第1の本体面を有する上型を含み、前記第1の本体面の少なくとも一部は前記成型金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、前記成型金型は、さらに、円弧状となる第2の本体面を有する下型を含み、前記第2の本体面の少なくとも一部は前記成型金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成し、前記第1の部材の接着剤塗布層は前記成型金型の上型に向けられ、
S3:前記原料ゴムを前記成型金型の内キャビティに置き、
S4:前記成型金型の内キャビティに置かれた前記原料ゴムを加硫させ、前記原料ゴムを前記第1の部材と一体に形成することを特徴とするガスケットの製造方法。
【請求項2】
前記第1の部材は可撓性を有し、前記基体の材料はポリテトラフルオロエチレンを含み、前記第1の部材の厚さは0.2mm以上0.6mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスケットの製造方法。
【請求項3】
工程S1にいて、前記基体に接着剤を塗布する前に、前記基体における接着剤を塗布するための表面に表面処理を施し、前記接着剤塗布層はアンダーコート層とトップコート層を含み、前記基体の上面にまず前記アンダーコート層を塗布し、前記アンダーコート層が乾燥してから、前記アンダーコート層の表面に前記トップコート層を塗布し前記トップコート層を乾燥させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスケットの製造方法。
【請求項4】
工程S3において、予め設定された仕様の前記原料ゴムを前記成型金型の内キャビティに置くことを実現する方法は、予め設定された仕様の前記原料ゴムを前記成型金型のトラフ内に入れ、前記トラフと前記成型金型は金型の仕切り壁の異なる側に位置し、前記トラフと前記成型金型の内キャビティとは供給口を介して連通し、押出プロセスにより前記原料ゴムを前記供給口を介して前記成型金型の内キャビティに押し込む工程を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のガスケットの製造方法。
【請求項5】
工程S3において、予め設定された仕様の前記原料ゴムを前記成型金型の内キャビティに放置することを実現する方法は、前記原料ゴムを射出成形機のシリンダ内に入れ、前記原料ゴムを前記射出成形機のシリンダ内で前記第1の予め設定された温度以下の第2の予め設定された温度まで予備加熱し、前記射出成形機のスクリューは、前記射出成形機のシリンダ内の前記原料ゴムを予め設定された仕様となるまで前記成型金型の内キャビティに注入する工程を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のガスケットの製造方法。
【請求項6】
工程S4において、対応する加硫時間を第1の予め設定された時間を定義し、対応する予め設定された温度を第1の予め設定された温度を定義し、前記第1の予め設定された時間は3min以上5min以下であり、前記第1の予め設定された温度は170℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載のガスケットの製造方法。
【請求項7】
さらに、以下の工程を含み、
S5:一体に接着されかつ加硫された前記原料ゴムと前記第1の部材を中間体と定義し、冷却した前記中間体を容器に置き、容器に置かれた前記中間体を加熱し、第2の予め設定された時間内に、容器内に置かれた前記中間体を第3の予め設定された温度に保持することで、前記中間体を二次加硫させ、前記第3の予め設定された温度は前記第1の予め設定された温度よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のガスケットの製造方法。
【請求項8】
工程S6において、前記第2の予め設定された時間は2h以上4h以下であり、前記第3の予め設定された温度は140℃以上160℃以下であることを特徴とする請求項7に記載のガスケットの製造方法。
【請求項9】
工程S4において、さらに、前記成型金型の内キャビティにおけるガスを少なくとも1回排出することを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のガスケットの製造方法。
【請求項10】
さらに、以下の工程の少なくとも1つを含み、
S6:前記ガスケットの余分な端材を除去し、
S7:前記ガスケットの予め設定された位置で穿孔することを特徴とする請求項1に記載のガスケットの製造方法。
【請求項11】
工程S6において、前記ガスケットをプレス装置に置き、前記ガスケットのゴム層はプレス下型に支持され前記プレス下型に接触し、前記第1の部材はプレス上型に面し、前記プレス上型から前記プレス下型に向かうプレス作用により前記ガスケットの予め設定された位置で貫通孔を形成することを特徴とする請求項10に記載のガスケットの製造方法。
【請求項12】
金型であって、請求項1に記載の工程S2、工程S3及び工程S4のキャリアとして使用され、下型と上型を含み、前記下型と前記上型を型締めして少なくとも1つの内キャビティを形成し、前記内キャビティは、前記ガスケットを成型するために必要な原材料を収納するための収容キャビティを含み、前記上型は、円弧状となる第1の本体面を有し、前記第1の本体面の少なくとも一部は前記金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、前記金型はさらに下型を有し、前記下型は、円弧状となる第2の本体面を有し、前記第2の本体面の少なくとも一部は前記金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成することを特徴とする金型。
【請求項13】
前記上型は、さらに少なくとも1つの第1の突起部と溝を含み、前記第1の突起部は前記第1の本体面から突起して設けられ、前記溝は前記第1の本体面から凹んで設けられ、前記溝は前記第1の突起部の外側に位置し、前記第1の突起部は、前記第1の突起部の周側に位置する第1の斜面を有し、前記第1の斜面は前記第1の突起部の頂面と前記第1の突起部の根元部を接続し、前記第1の突起部の頂面を前記第1の突起部の根元部へ正投影し、前記第1の突起部の頂面の投影は前記第1の突起部の根元部内に位置することを特徴とする請求項12に記載の金型。
【請求項14】
前記下型は、さらに少なくとも1つの第2の突起部を含み、前記第2の突起部は前記第2の本体面から突起して設けられ、前記第2の突起部は、前記第2の突起部の周側に位置する第2の斜面を有し、前記第2の斜面は前記第2の突起部の頂面と前記第2の突起部の根元部を接続し、前記第2の突起部の頂面を前記第2の突起部の根元部へ正投影し、前記第2の突起部の頂面の投影は前記第2の突起部の根元部内に位置することを特徴とする請求項12又は13に記載の金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年03月24日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110314327.6であり、発明の名称が「ガスケットの製造方法及び金型」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
[技術分野]
【0002】
本出願は、シール製造という技術分野に関し、具体的にガスケットの製造方法及び金型に関する。
【背景技術】
【0003】
ガスケットは、シールとして広く使用されており、ガスケットの材料はゴムを含み、通常に、ガスケットの密封作用は、主にゴムの弾性を利用するものであり、いくつかの応用シーンでは、移動部材がガスケットに対して移動することがあり、このように、ガスケットと移動部材と接触する表面の間に摩擦が生じ、ひいては、移動部材の移動に影響を及ぼす可能性があるため、如何にシール性と移動部材に対する摩擦力の低減を両立させるシールを製造するか及びこのシールに対応する金型は、考慮すべき技術的課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の目的は、シール性と移動部材に対する摩擦力の低減を両立させるガスケットを製造することができるガスケットの製造方法を提供することである。
【0005】
本出願の目的は、さらに、前記シールを製造するためのキャリアとして使用される金型を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本出願の一実施形態は以下の技術案を採用し、
ガスケットの製造方法であって、以下の工程を含み、即ち、
S1:原料ゴムと第1の部材を用意し、前記第1の部材は、基体と前記基体の上面に付着される接着剤塗布層とを含み、前記基体の材料は潤滑材料を含み、
S2:前記第1の部材を成型金型の内キャビティに置き、前記成型金型は、円弧状となる第1の本体面を有する上型を含み、前記第1の本体面の少なくとも一部は前記成型金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、前記成型金型は、さらに、円弧状となる第2の本体面を有する下型を含み、前記第2の本体面の少なくとも一部は前記成型金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成し、前記第1の部材の接着剤塗布層は前記成型金型の上型に向けられ、
S3:前記原料ゴムを前記成型金型の内キャビティに置き、
S4:前記成型金型の内キャビティに置かれた前記原料ゴムを加硫させ、前記原料ゴムを前記第1の部材と一体に形成する。
【0007】
金型であって、前記シールを製造するためのキャリアとして使用され、前記金型は、下型と上型を含み、前記下型と前記上型を型締めして少なくとも1つの内キャビティを形成し、前記内キャビティは、前記ガスケットを成型するために必要な原材料を収納するための収容キャビティを含み、前記上型は、円弧状となる第1の本体面を有し、前記第1の本体面の少なくとも一部は前記金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、前記金型はさらに下型を有し、前記下型は、円弧状となる第2の本体面を有し、前記第2の本体面の少なくとも一部は前記金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成する。
【0008】
本出願に開示されるガスケットの製造方法では、上記の形態により、一方では、加硫された原料ゴムは弾性を有し、このように、ガスケットは密封作用を実現でき、他方では、第1の部材における基体の材料は潤滑材料を含むため、このように移動部材に対する摩擦力の低減に有利であり、従って、上記のガスケットの製造方法により、シール性と移動部材に対する摩擦力の低減を両立させるガスケットを製造することができる。
【0009】
本出願に開示される金型では、金型の上型は、円弧状となる第1の本体面を有し、第1の本体面の少なくとも一部は金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、金型はさらに下型を含み、下型は、円弧状となる第2の本体面を有し、第2の本体面の少なくとも一部は金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成し、一方では、この金型を上記のガスケットを製造するためのキャリアとすることができ、他方では、この金型により製造されたガスケットの本体は円弧状となるため、製造されたシールと実際の使用状態のシールとの整合性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本出願におけるガスケットの製造方法の第1の実施形態のフロー図である。
図2】本出願におけるガスケットの製造方法の第2の実施形態のフロー図である。
図3】本出願におけるガスケットの製造方法の第3の実施形態のフロー図である。
図4】本出願におけるガスケットの製造方法の第4の実施形態のフロー図である。
図5】本出願におけるガスケットの製造方法の第4の実施形態に対応する実物の過程概略図である。
図6】本出願におけるガスケットの立体構成概略図である。
図7】本出願における金型の上型の立体構成概略図である。
図8】本出願における金型の下型の立体構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面と具体的な実施例を結合して本出願をさらに説明し、
以下、本出願の具体的な実施形態について図面を結合して詳細に説明する。まず、説明すべきのは、本明細書に言及されている又は言及される可能性のある上、下、左、右、前、後、内側、外側、頂部、底部等の方位用語は、対応する図面に示された構造に対して定義されたものであり、これらは相対的な概念であるため、それらの異なる位置や異なる使用状態に応じて変化する可能性がある。従って、これら又は他の方位用語を限定的な用語として解釈すべきではない。
【0012】
図1を参照し、図1は、ガスケットの製造方法の第1の実施形態であり、以下にガスケット製造方法の第1の実施形態を紹介する。
【0013】
図1を参照し、ガスケットの製造方法は以下の工程を含み、即ち、
S1:原料ゴムと第1の部材を用意し、第1の部材は、基体と基体の上面に付着される接着剤塗布層とを含み、基体の材料は潤滑材料を含み、本実施例では、基体はプラスチック層であってもよく、潤滑材料は主としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であってもよく、もちろん、他の実施例として、潤滑材料は主として少量のパーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテルとポリテトラフルオロエチレンとのコポリマー(PFA)であってもよく、
S2:第1の部材を成型金型の内キャビティに置き、成型金型は、円弧状となる第1の本体面を有する上型を含み、第1の本体面の少なくとも一部は成型金型の内キャビティの上壁面を構成し、成型金型は、さらに、円弧状となる第2の本体面を有する下型を含み、第2の本体面の少なくとも一部は成型金型の内キャビティの下壁面を構成し、第1の部材の基体の下面は第2の本体面に接触し、第1の部材の接着剤塗布層は成型金型の上型に向けられ、つまり、第1の部材の接着剤塗布層の上面を接着面とし、本実施例では、第1の部材の基体の下面は、外部移動部材に接触するためのものであり、
S3:予め設定された仕様の原料ゴムを成型金型の内キャビティに置き、成型金型の内キャビティに放置された原料ゴムは第1の部材の接着剤塗布層に接触し、
S4:前記成型金型の内キャビティに置かれた前記原料ゴムを加硫させ、加硫された前記原料ゴムは前記第2の本体面に接触し、加硫された前記原料ゴムは、前記第1の部材の接着剤塗布層と一体に接着される。
【0014】
上記の形態により、一方では、加硫された前記原料ゴムは弾性を有し、このように、ガスケットは密封作用を実現でき、他方では、第1の部材における基体の材料は潤滑材料を含むため、このように移動部材に対する摩擦力の低減に有利であり、従って、上記のガスケットの製造方法により、シール性と移動部材に対する摩擦力の低減を両立させるガスケットを製造することができる。
【0015】
以下に上記の各工程をさらに詳細に紹介する。
【0016】
図1を参照し、本実施例では、第1の部材は可撓性を有し、第1の部材の厚さは0.2mm以上0.6mm以下であり、例えば、第1の部材の厚さは0.4mm又は0.5mm等であってもよく、本実施例では、第1の部材の厚さが厚すぎると、密封に影響を及ぼす可能性があり、第1の部材の厚さが薄すぎると、工程S4において、しわになって変形しやすくなる可能性があり、また、ここで説明すべきのは、本出願に記載された数値は、正確な数値であってもよいし、四捨五入された数値であってもよく、また、原料ゴムは第1の部材において対応するカバー面積が第1の部材の接着剤塗布層の表面積以下である。
【0017】
図1を参照し、本実施例では、工程S1にいて、基体の材料はポリテトラフルオロエチレンを含み、第1の部材は、平らな形状となる。
【0018】
工程S1にいて、第1の部材の基体に接着剤を塗布する前に、第1の部材の基体における接着剤を塗布するための表面に表面処理を施し、具体的には、ナフタレンナトリウム処理又は研磨等の手段であってもよく、このように、接着剤塗布層と第1の部材の基体との間の接着力の向上に有利であり、接着剤塗布層はアンダーコート層とトップコート層を含むことができ、基体の上面にまずアンダーコート層を塗布し、アンダーコート層が乾燥してから、アンダーコート層の表面にトップコート層を塗布しトップコート層を乾燥させ、ここでいう「乾燥」とは、自然空気乾燥であってもよいし、例えば、ストービング、風乾等の補助乾燥であってもよく、本実施例では、アンダーコート層を塗布することで接着剤と第1の部材の基体とは確実に接着することができ、トップコート層を塗布することで乾燥後のアンダーコート層と加硫ゴムとは確実に接着することができ、本実施例では、アンダーコート層とトップコート層はそれぞれ異なる型番の接着剤であり、もちろん、他の実施形態として、基体の上面のみに1層の接着剤を塗布してもよく、この場合に、1つの型番の接着剤のみに対応している。
【0019】
工程S3において、予め設定された仕様の原料ゴムを成型金型の内キャビティに放置することを実現する方法は、以下の2つの手段を含み、即ち、第1の手段は、予め設定された仕様の原料ゴムを成型金型のトラフ内に入れ、加硫机の圧力カラムはトラフ内の原料ゴムを成型金型の内キャビティの供給口に押し込み、さらに、成型金型の供給口を介して原料ゴムを成型金型の内キャビティに押し込むことである。本実施形態では、予め設定された仕様の原料ゴムを成型金型のトラフに入れる前に、成型金型のトラフは一定の温度を有し、このトラフの温度は工程S4における第1の予め設定された温度以下であり、原料ゴムを成型金型の内キャビティに押し込みための対応する圧力は8MPa以上10Mpa以下である。
【0020】
第2の手段は、原料ゴムを射出成形機のシリンダ内に入れ、原料ゴムを射出成形機のシリンダ内で第1の予め設定された温度以下の第2の予め設定された温度まで予備加熱し、そして、射出成形機のスクリューは射出成形機のシリンダ内の原料ゴムを成型金型のゲートに注入し、さらに成型金型のゲートを介して原料ゴムを成型金型の内キャビティに注入し、成型金型の内キャビティに注入された原料ゴムが予め設定された重量に達したら、注入を停止する。もちろん、予め設定された仕様の原料ゴムを成型金型の内キャビティに放置することを実現する方法は他の手段でもよい。
【0021】
また、上記の2つの手段において、予め設定された仕様の原料ゴムとは、予め設定された重量の原料ゴムを指すが、もちろん、他の実施例として、予め設定された仕様の原料ゴムとは、予め設定された体積又は予め設定された容積又は予め設定されたサイズの原料ゴムを指してもよい。
【0022】
工程S4において、対応する加硫時間を第1の予め設定された時間と定義し、対応する予め設定された温度を第1の予め設定された温度と定義し、第1の予め設定された時間は3min以上5min以下であり、第1の予め設定された温度は170℃以上200℃以下である。
【0023】
工程S4において、成型金型の内キャビティに置かれた原料ゴムと第1の部材の加硫温度を第1の予め設定された温度に保持するには、以下の3つの手段を含み、第1の手段は、成型金型の内キャビティの原料ゴムと第1の部材を第1の予め設定された温度に達するまで加熱することであり、第2の手段は、原料ゴムと第1の部材を成型金型に置く前に、成型金型の金型キャビティは既に第1の予め設定された温度に達したことであり、第3の手段は、原料ゴムと第1の部材を成型金型に置く前に、成型金型の金型キャビティは既に第1の予め設定された温度よりも小さい一定の温度を有し、原料ゴムと第1の部材を成型金型の金型キャビティに置いてから、成型金型の内キャビティの原料ゴムと第1の部材を第1の予め設定された温度に達するまで加熱することである。
【0024】
工程S4において、さらに、成型金型の内キャビティにおけるガスを少なくとも1回排出することを含み、このように最終的に製造されたガスケットにブローホールが発生することを容易に防止する。具体的な操作は、以下のいくつかの手段を含むことが可能であり、第1の手段は、成型金型の上型及び/又は下型を開くことで、成型金型の上型と下型との間に隙間を有し、成型金型の内キャビティにおけるガスが上型と下型との間の隙間から排出され、予め設定された時間が経過した後に型金型の上型と下型を閉じ、ここで排気のために成型金型の上型及び/又は下型を開く回数は1回以上であってもよく、排気のために成型金型の上型及び/又は下型を開く回数が1回以上である場合に、時間又は接着剤注入量に応じて回数を設定できることであり、第2の手段は、外部に排気弁を付加して成形金型に排気孔を設け、排気孔と排気弁とは連通し、排気弁により成形金型の内キャビティを排気し、このように、成型金型の上型及び/又は下型を開く必要がなく、製造時間の節約に有利であることであり、第3の手段は、成型金型の内キャビティを真空引きすることである。
【0025】
図2を参照し、図2は、ガスケットの製造方法の第2の実施形態であり、以下にガスケット製造方法の第2の実施形態を詳細に紹介する。
【0026】
図2を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法は工程S1~工程S5を含み、そのうちの工程S1~工程S4について第1の実施形態を参照することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0027】
図2を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法はさらに、以下の工程を含み、
S5:一体に接着されかつ加硫された前記原料ゴムと前記第1の部材を中間体と定義し、冷却した中間体を容器内に置き、容器に置かれた中間体を加熱し、第2の予め設定された時間内に、容器内に置かれた中間体を第3の予め設定された温度に保持することで、中間体を二次加硫させ、第3の予め設定された温度は第1の予め設定された温度よりも小さく、ここで、中間体を冷却することで、ゴムの分子運動を比較的安定化させることに有利であり、ここでの冷却手段は自然空冷であってもよいし、風冷又は水冷等の他の手段であってもよい。
【0028】
上記の工程S5において、第2の予め設定された時間は2h以上4h以下であり、第3の予め設定された温度は140℃以上160℃以下であり、二次加硫によりさらにゴムの机械的性能を改善することに有利であり、もちろん、他の実施例として、二次加硫を行わなくてもよく、この場合に、一次加硫の加硫時間、加硫温度等のパラメータを適宜調整することができる。図3を参照し、図3は、ガスケットの製造方法の第3の実施形態であり、以下にガスケット製造方法の第3の実施形態を詳細に紹介する。
【0029】
図3を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法は工程S1~工程S4、工程S6及び工程S7を含み、そのうちの工程S1~工程S4について第1の実施形態を参照することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0030】
図3を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法はさらに、以下の工程を含み、
S6:ガスケットの余分な端材を除去し、
S7:ガスケットの予め設定された位置で穿孔し、本実施例では、ガスケットは複数の貫通孔を含み、ガスケットの厚さ方向に沿って、貫通孔は貫通して設けられており、ガスケットの予め設定された位置で穿孔することで貫通孔を形成する。
【0031】
本実施例では、先に工程S6を行い、次に工程S7を行い、もちろん、他の実施形態として、先に工程S7を行い、次に工程S6を行ってもよい。また、本実施例では、ガスケットの製造方法はS6とS7という2つの工程を含み、もちろん、他の実施形態として、工程S6と工程S7の一方のみを含むことも可能である。
【0032】
また、上記の工程S6を行う前に、二次加硫された中間体を冷却してもよく、このようにゴムの分子運動を比較的安定化させることに有利であり、ここでの冷却手段は自然空冷であってもよいし、風冷又は水冷等の他の手段であってもよい。もちろん、他の実施形態として、工程S6又は工程S7の後に冷却してもよい。
【0033】
図4を参照し、図4は、ガスケットの製造方法の第4の実施形態であり、以下にガスケット製造方法の第4の実施形態を詳細に紹介する。
【0034】
図4を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法は工程S1~工程S7を含み、工程S1~工程S5について第2の実施形態を参照することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0035】
図4を参照し、本実施形態では、ガスケットの製造方法はさらに、以下の工程を含み、
S6:ガスケットの余分な端材を除去し、
S7:ガスケットの予め設定された位置で穿孔し、本実施例では、ガスケットは複数の貫通孔を含み、ガスケットの厚さ方向に沿って、貫通孔は貫通して設けられており、ガスケットの予め設定された位置で穿孔することで、貫通孔を形成する。
【0036】
具体的には、工程S6において、ガスケットをプレス装置に置き、さらに、ガスケットのゴム層はプレス下型に支持されプレス下型に接触し、第1の部材はプレス上型に面し、プレス上型からプレス下型に向かうプレス作用により前記ガスケットの予め設定された位置で貫通孔を形成し、貫通孔が形成されたガスケットは、貫通孔の周囲が閉塞状となる。
【0037】
本実施例では、先に工程S6を行い、次に工程S7を行い、もちろん、他の実施形態として、先に工程S7を行い、次に工程S6を行ってもよい。また、本実施例では、ガスケットの製造方法はS6とS7という2つの工程を含み、もちろん、他の実施形態として、工程S6と工程S7の一方のみを含むことも可能である。
【0038】
また、上記の工程S6を行う前に、二次加硫された中間体を冷却してもよく、このようにゴムの分子運動を比較的安定化させることに有利であり、ここでの冷却手段は自然空冷であってもよいし、風冷又は水冷等の他の手段であってもよい。もちろん、他の実施形態として、工程S6又は工程S7の後に冷却してもよい。
【0039】
図5を参照し、図5は、ガスケットの製造方法の第4の実施形態に対応する実物の概略図を示した。
【0040】
図5を参照し、工程S1~工程S5を経た第1の産物1は、原料ゴムと接着された第1の部材11と、加硫成型された原料ゴム12とを含み、もちろん、第1の実施形態と第3の実施形態におけるガスケットの製造方法では、第1の産物1は工程S1~工程S4を経て産出されたものであってもよく、第1の産物1が上記の工程S6を経た後に産出されたものは第2の産物2であり、第2の産物2が上記の工程S7を経た後に産出されたものは、最終的なガスケット3である。
【0041】
図6を参照し、第1の部材11の下面は本体面111と接続面112を含み、接続面112は第1の部材における貫通孔30の対応する側壁に接続し、接続面112は傾斜状であり、ガスケット3の厚さ方向に沿って、第1の部材11における貫通孔112の対応する側壁は本体面111よりも低く、このように、移動部材が移動する時に貫通孔30の周壁に傷が発生してさらに移動部材の移動に影響を及ぼすことを防止するのに有利であり、本実施例では、接続面112の成型は、工程S4において成形金型により形成されることである。
【0042】
本出願は、さらに、工程S2、工程G1、工程S3、工程G1’、工程S4のキャリアとして使用される金型を開示し、図7図8を参照し、金型は下型4と上型5を含み、下型4と上型5を型締めして少なくとも1つの内キャビティを形成し、内キャビティは、ガスケットを成型するために必要な原材料を収納するための収容キャビティを含み、上型5は、円弧状となる第1の本体面51を有し、第1の本体面51の少なくとも一部は金型の内キャビティの上壁面の少なくとも一部を構成し、金型はさらに下型5を有し、下型4は、円弧状となる第2の本体面41を有し、第2の本体面41の少なくとも一部は金型の内キャビティの下壁面の少なくとも一部を構成し、ここで記載された「円弧状」とは、ほぼ円弧状となることを指し、上記の形態により、一方では、この金型を上記のガスケットを製造するためのキャリアとすることができ、他方では、この金型により製造されたガスケットの本体は円弧状となるため、製造されたシールと実際の使用状態のシールとの整合性を向上させることができる。
【0043】
図7を参照し、上型5は、さらに複数の第1の突起部52と溝50を含み、もちろん、他の実施形態として、第2の突起部と溝50は1つだけ又は2つの以上の他の数であってもよく、第1の突起部51は第1の本体面51から突起して設けられ、溝50は第1の本体面51から凹んで設けられ、溝50は第1の突起部51の外側に位置し、第1の突起部52は、第1の突起部51の周側に位置する第1の斜面521を有し、第1の斜面521は第1の突起部52の頂面と第1の突起部52の根元部を接続し、第1の突起部52の頂面を第1の突起部52の根元部へ正投影し、第1の突起部52の頂面の投影は第1の突起部52の根元部内に位置し、本実施例では、溝50は、上型5の長手方向に沿って設けられた第1の溝501と、上型5の幅方向に沿って設けられた第2の溝502とを含み、第1の溝501と第2の溝502は縦横に交錯して設けられ、本実施例では、第1の突起部52の周囲には、第1の溝501の部分と第2の溝502の部分が設けられ、第1の溝501と第2の溝502は、第1の突起部52を取り囲むように設けられる。
【0044】
図8を参照し、下型4は、さらに複数の第2の突起部42を含み、もちろん、他の実施形態として、第2の突起部は1つだけ又は2つの以上の他の数であってもよく、第2の突起部42は第2の本体面41から突起して設けられ、第2の突起部42は、第2の突起部42の周側に位置する第2の斜面421を有し、第2の斜面421は第2の突起部42の頂面と第2の突起部42の根元部を接続し、第2の突起部42の頂面を第2の突起部42の根元部へ正投影し、第2の突起部42の頂面の投影は第2の突起部42の根元部内に位置し、このように、成型時にガスケットに図6に示すような接続面112を形成することができる。
【0045】
説明すべきものとして、以上の実施例は、本出願の説明にのみ使用されるものであり本出願に記載された技術案を限定するものではなく、本明細書では、上記の実施例を参照して本出願を既に詳細に説明したが、当業者は、当業者が依然として本出願を補正又は均等な置換することが可能であり、本出願の精神と範囲から逸脱しないすべての技術案及びその改善も本出願の請求項の範囲内に含まれるものであることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】