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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】クラフト装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/20 20060101AFI20240301BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20240301BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20240301BHJP
   B41J 11/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B26D7/20
B26D7/06 F
B26D5/00 F
B41J11/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542533
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022014014
(87)【国際公開番号】W WO2022164974
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/142,488
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521340551
【氏名又は名称】クリカット,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ジョン バラス
(72)【発明者】
【氏名】ビールマイアー,ブライアン フレッド
(72)【発明者】
【氏名】サットン,ドナルド クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ダルトン,ジョン ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ノウブル,ライアン ベイツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,カイル ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ストップ,グレイソン
(72)【発明者】
【氏名】フィルール,ベイデン
(72)【発明者】
【氏名】スタルスバーグ,カート
(72)【発明者】
【氏名】リンチ,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン,ノーマン
【テーマコード(参考)】
2C058
3C021
3C024
【Fターム(参考)】
2C058AB03
2C058AB08
2C058AC07
2C058AD09
2C058AE04
2C058AF20
2C058AF51
2C058AF53
3C021DC01
3C021GA01
3C021GA03
3C024AA07
3C024AA08
(57)【要約】
クラフト装置(10)が作業部(22)とベース部(20)含んでいる。作業部(22)は下面(32)及び上面(34)を含んでいる。上面(34)は作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)を画定している。ベース部(20)は下面(24)及び上面(26)を含んでいる。作業部(22)の下面(32)は、ベース部(20)の上面(26)に隣接して配置されている。下面(24)は非作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)を画定している。作業部(22)の上面(34)は、ベース部(20)の下面(24)に対し、作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)を非作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)から角度的にオフセットするように角度(θ22)をなして延びている。方法(200、300)も開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラフト装置(10)において、
下面(32)及び上面(34)を有する作業部(22)であって、前記上面(34)が作業上の3次元デカルト座標系(working three-dimensional Cartesian coordinate system)(X-Y-Z)を画定している、作業部(22)と、
下面(24)及び上面(26)を有するベース部(20)であって、前記下面(24)が非作業上の3次元デカルト座標系(non-working three-dimensional Cartesian coordinate system)(X-Y-Z)を画定しており、前記作業部(22)の前記下面(32)は前記ベース部(20)の前記上面(26)に隣接して配置されている、ベース部(20)と、
を備えており、
前記作業部(22)の前記上面(34)は、前記ベース部(20)の前記下面(24)に対し、前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)を前記非作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)から角度的にオフセットするように角度(θ22)をなして延びている、クラフト装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のクラフト装置(10)において、
前記作業部(22)が、
レール(18)と、
前記レール(18)上に、前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)のX方向に可動式に配置されているキャリッジ(16)と、
ワークピース(W)へ前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)のZ方向に作業を行うために前記キャリッジ(16)へ取り外し可能に固定されている印刷デバイス(12)と裁断デバイス(14)の一方又は両方と、を備えている、クラフト装置(10)。
【請求項3】
請求項1に記載のクラフト装置(10)であって、
一対のピンチローラ機構(40)と、
ワークピース(W)へ前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)のY方向に運動を付与するための中間駆動ローラ(56)と、を更に備えるクラフト装置(10)。
【請求項4】
請求項1に記載のクラフト装置(10)において、
前記角度(θ22)は0度から90度の間である、クラフト装置(10)。
【請求項5】
請求項4に記載のクラフト装置(10)において、
前記角度(θ22)は大凡45度である、クラフト装置(10)。
【請求項6】
請求項1に記載のクラフト装置(10)であって、
前記作業部(22)へ接続された1つ又はそれ以上のワークピース支持アーム(58、58)を更に備え、前記1つ又はそれ以上のワークピース支持アーム(58、58)は、前記作業部(22)に対して格納位置と配備位置の一方に配置されるように構成されている、クラフト装置(10)。
【請求項7】
請求項1に記載のクラフト装置(10)であって、
前記1つ又はそれ以上のワークピース支持アーム(58、58)の、前記作業部(22)からの選択的接続解除を許容する安全離脱式カップリング、を更に備えるクラフト装置(10)。
【請求項8】
ワークピース(W)へ作業を行うためにクラフト装置(10)を利用するための方法であって、前記クラフト装置(10)は、作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)によって画定される作業部(22)の作業面(34)を、非作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)によって画定されるベース部(20)の下面(24)から角度(θ22)をなして角度的にオフセットさせて含んでいる、クラフト装置(10)を利用するための方法(200、300)において、
前記クラフト装置(10)のアクチュエータ(52)を第1の位置に配置する工程(202、302)と、
前記クラフト装置(10)の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)であって、前記アクチュエータ(52)へ接続されている1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を、第1の配置に構成する工程(204-212、304-312)と、
前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)上に前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)に少なくとも近接して配置する工程(214-224、314-316、326)と、
前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から第2の位置へ移行させて(226、328)、前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ重力(G)に逆らって固定するとともに前記ワークピース(W)を前記作業面(34)に対して前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)の第1の方向(Y、Y’)に可動式に固定するように前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を第2の配置に構成する(228-240、330-342)、前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から前記第2の位置へ移行する工程(226、328)と、
前記ワークピース(W)へ作業を行う(244、346)ために、前記クラフト装置(10)の1つ又はそれ以上の作業用構成要素(12、14、16、18)を作動させる工程(242、344)と、を備える方法(200、300)。
【請求項9】
請求項8に記載の方法(200、300)において、
前記クラフト装置(10)の前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を構成する工程(204-212、304-312)は、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ(86)を配備位置に推し進める工程(204、304)を含む、方法(200、300)。
【請求項10】
請求項8に記載の方法(200、300)において、
前記クラフト装置(10)の前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を構成する工程(204-212、304-312)は、ピンチローラアーム(46)へ接続されたカムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置に配置して(206、306)、前記ピンチローラアーム(46)の受動ローラ(56)を能動駆動ローラ(60)から離れて配置させる(208、308)、前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置に配置する工程(206、306)を含む、方法(200、300)。
【請求項11】
請求項8に記載の方法(200、300)において、
前記クラフト装置(10)の前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を構成する工程(204-212、304-312)は、真空源(95)を非アクティブ化状態に構成する工程(210、310)を含む、方法(200、300)。
【請求項12】
請求項8に記載の方法(200、300)において、
前記クラフト装置(10)の前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を構成する工程(204-212、304-312)は、1つ又はそれ以上のワークピースガイド(92a、92b、92c)を配備位置に配置する工程(212、312)を含む、方法(200、300)。
【請求項13】
請求項8に記載の方法(200)において、
前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)上に前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)に少なくとも近接して配置する工程(214-224、314-326)は、
ワークピース材料のロール(W)から前記ワークピース(W)の一部分を繰り出す工程(214)と、
前記ワークピース材料のロール(W)から繰り出された前記ワークピース(W)の前記部分の前縁を、前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)上に前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)に少なくとも近接して配置する工程(216-224)と、を含む、方法(200)。
【請求項14】
請求項13に記載の方法(200)において、
前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から前記第2の位置へ移行させて(226、328)、前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ重力(G)に逆らって固定するとともに前記ワークピース(W)を前記作業面(34)に対して前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)の前記第1の方向(Y、Y’)に可動式に固定するように前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置に構成する(228-240、330-342)、前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から前記第2の位置へ移行させる工程(226、328)は、
1つ又はそれ以上のワークピースストッパ(86)を引き込み位置に推し進める工程(228)と、
ピンチローラアーム(46)へ接続されたカムアクチュエータ(48)の構成要素を第2の位置に配置して(230)、前記ピンチローラアーム(46)の受動ローラ(56)を能動駆動ローラ(60)に向かって配置させ(232)、前記ワークピース(W)へ挟み付け力を加える(234)、前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第2の位置に配置する工程(230)と、
真空源(95)をアクティブ化状態に構成して(236)、1つ又はそれ以上のワークピース吸引チャネル(94a、94b)の中へ空気を引き入れさせ(238)、前記ワークピース(W)の下面(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ推し進めるための圧力差を作り出す(240)、前記真空源(95)をアクティブ化状態に構成する工程(236)と、を含む、方法(200)。
【請求項15】
請求項14に記載の方法(200)において、
前記ワークピース(W)へ行われていた(244)作業が完了したと判定された(246)とき、前記方法(200)は、
前記アクチュエータ(52)を前記第2の位置から前記第1の位置へ戻るように移行させて(248)、前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置から前記第1の配置へ戻るように構成する(250-256)、前記アクチュエータ(52)を前記第2の位置から前記第1の位置へ戻るように移行させる工程(248)と、
前記ワークピース(W)を前記作業面(34)から解放する工程(256)と、を更に含む、方法(200)。
【請求項16】
請求項15に記載の方法(200)において、
前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置から前記第1の配置へ戻るように構成する工程(250-256)は、
前記ピンチローラアーム(46)へ接続された前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置へ戻して配置し(250)、前記ピンチローラアーム(46)の前記受動ローラ(56)を前記能動駆動ローラ(60)から離れて配置させ、前記ワークピース(W)から前記挟み付け力を取り除く(252)、前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置へ戻して配置する工程(250)と、
前記ワークピース(W)の前記下面(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ推し進めないように前記圧力差を止めるために、前記真空源(95)を非アクティブ化状態に構成する工程(254)と、
前記ワークピース材料のロール(W)から繰り出されていた前記ワークピース(W)を分離する工程(256)と、を含む、方法(200)。
【請求項17】
請求項8に記載の方法(300)において、
前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)上に前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)に少なくとも近接して配置する工程(314-316、326)は、
ワークピース材料のロール(W)に由来しない事前構成済み形状(W、W)によって画定された前記ワークピース(W)を得る工程(314)と、
ワークピース材料のロール(W)に由来しない前記事前構成済み形状(W、W)を有する前記ワークピース(W)の前縁を、前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)上に前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)に少なくとも近接して配置する工程(316-324)と、
前記クラフト装置(10)の1つ又はそれ以上の支持アーム(100、100)を配備位置に配置し(326)、それによって前記1つ又はそれ以上の支持アーム(100、100)を、前記ワークピース(W)を支持するように、前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)と整列させる、前記クラフト装置(10)の1つ又はそれ以上の支持アーム(100、100)を配備位置に配置する工程(326)と、を含む、方法(300)。
【請求項18】
請求項17に記載の方法(300)において、
前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から前記第2の位置へ移行させて(328)、前記ワークピース(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ重力(G)に逆らって固定するとともに前記ワークピース(W)を前記作業面(34)に対して前記作業上の3次元デカルト座標系(X-Y-Z)の前記第1の方向(Y、Y’)に可動式に固定するように前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置に構成する(330-342)、前記アクチュエータ(52)を前記第1の位置から前記第2の位置へ移行させる工程(328)は、
1つ又はそれ以上のワークピースストッパ(86)を引き込み位置に推し進める工程(330)と、
ピンチローラアーム(46)へ接続されたカムアクチュエータ(48)の構成要素を第2の位置に配置して(332)、前記ピンチローラアーム(46)の受動ローラ(56)を能動駆動ローラ(60)に向かって配置させ(334)、前記ワークピース(W)へ挟み付け力を印加する(336)、前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第2の位置に配置する工程(332)と、
真空源(95)をアクティブ化状態に構成して(338)、1つ又はそれ以上のワークピース吸引チャネル(94a、94b)の中へ空気を引き入れさせ(340)、前記ワークピース(W)の下面(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ推し進めるための圧力差を作り出す(342)、前記真空源(95)をアクティブ化状態に構成する工程(338)と、を含む、方法(300)。
【請求項19】
請求項18に記載の方法(300)において、
前記ワークピース(W)へ行われていた(346)作業が完了したと判定された(350)とき、前記方法(300)は、
前記アクチュエータ(52)を前記第2の位置から前記第1の位置へ戻るように移行させて(352)、前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置から前記第1の配置へ戻るように構成する(354-358)、前記アクチュエータ(52)を前記第2の位置から前記第1の位置へ戻るように移行させる工程(352)と、
前記ワークピース(W)を前記作業面(34)から解放する工程(360)と、を更に含む、方法(300)。
【請求項20】
請求項19に記載の方法(200)において、
前記1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素(46、48、86、92、94)を前記第2の配置から前記第1の配置へ戻るように構成する工程(354-358)は、
前記ピンチローラアーム(46)へ接続された前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置へ戻して配置して(354)、前記ピンチローラアーム(46)の前記受動ローラ(56)を前記能動駆動ローラ(60)から離れて配置させ、前記ワークピース(W)から前記挟み付け力を取り除く(356)、前記カムアクチュエータ(48)の構成要素を第1の位置へ戻して配置する工程(354)と、
前記ワークピース(W)の前記下面(W)を前記角度的にオフセットされた(θ22)作業面(34)へ推し進めないように前記圧力差を止めるために、前記真空源(95)を非アクティブ化状態に構成する工程(358)と、
前記ワークピース材料のロール(W)から繰り出されていた前記ワークピース(W)を分離する工程(360)と、を含む、方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、合衆国法典第35巻、第119条(e)の下に、2021年1月27日出願の米国特許出願第63/142,488号に対する優先権を主張し、その開示を本願の開示の一部と見なし、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は概括的には電子式裁断システム及び使用の方法に関する。特に、本開示は、クラフト装置及び同装置を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この項目は、本開示に関連する背景情報を提供しており、必ずしも先行技術ではない。
【0004】
従来のクラフトデバイスは様々な用途にとってどうにか条件を満たし得るものであることが証明されてはいるが、しかし、その様なデバイスには、それらの全体としての性能及び費用を向上させ得る改善の余地がある。したがって、芸術を進歩させる改善されたクラフトデバイスを開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第63/142,488号
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つの態様は、クラフト装置(crafting apparatus)又は工芸用の装置を提供している。クラフト装置は、作業部と、ベース部と、を有する。作業部は下面及び上面を含んでいる。上面は作業上の3次元デカルト座標系(working three-dimensional Cartesian coordinate system)を画定している。ベース部は下面及び上面を含んでいる。下面は、非作業上の3次元デカルト座標系(non-working three-dimensional Cartesian coordinate system)を画定している。作業部の下面は、ベース部の上面に隣接して配置されている。作業部の上面は、ベース部の下面に対し、作業上の3次元デカルト座標系を非作業上の3次元デカルト座標系から角度的にオフセットする(位置がずれる)ように角度をなして延びている。
【0007】
開示の諸実施形は、以下の随意的な特徴のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。幾つかの実施形では、作業部は、レールと、キャリッジと、印刷デバイスと裁断デバイスの一方又は両方と、を含む。キャリッジは、レール上に、作業上の3次元デカルト座標系のX方向に可動式に配置されている。印刷デバイスと裁断デバイスの一方又は両方は、ワークピースへ作業上の3次元デカルト座標系のZ方向に作業を行うためにキャリッジへ取り外し可能に固定されている。
【0008】
幾つかの実施例では、クラフト装置は、更に、一対のピンチローラ機構と、中間駆動ローラと、を含んでいる。中間駆動ローラは、ワークピースへ作業上の3次元デカルト座標系のY方向に運動を付与する。
【0009】
幾つかの実施形では、作業上の3次元デカルト座標系を非作業上の3次元デカルト座標系から角度的にオフセットする角度は0度から90度の間である。他の実施形では、作業上の3次元デカルト座標系を非作業上の3次元デカルト座標系から角度的にオフセットする角度は大凡45度である。
【0010】
他の実施例では、クラフト装置は、1つ又はそれ以上のワークピース支持アームを含んでいる。1つ又はそれ以上のワークピース支持アームは作業部へ接続されている。1つ又はそれ以上のワークピース支持アームは、作業部に対して格納位置と配備位置の一方に配置されるように構成されている。更に他の実施例では、クラフト装置は、安全離脱式カップリングを含んでいる。安全離脱式カップリングは、1つ又はそれ以上のワークピース支持アームの、作業部からの選択的接続解除を許容する。
【0011】
開示の別の態様は、ワークピースへ作業を行うためにクラフト装置を利用するための方法を提供している。クラフト装置は、作業上の3次元デカルト座標系によって画定される作業部の作業面を、非作業上の3次元デカルト座標系によって画定されるベース部の下面から角度をなして角度的にオフセットさせて含んでいる。方法は、クラフト装置のアクチュエータを第1の位置に配置する工程と、クラフト装置の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第1の配置に構成する工程と、を含む。1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素はアクチュエータへ接続されている。方法は、更に、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面上に1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素に少なくとも近接して配置する工程と、アクチュエータを第1の位置から第2の位置へ移行させて、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面へ重力に逆らって固定するとともにワークピースを作業面に対して作業上の3次元デカルト座標系の第1の方向に可動式に固定するように1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置に構成する工程と、クラフト装置の1つ又はそれ以上の作業用構成要素を作動させて、ワークピースへ作業を行う工程と、を含む。
【0012】
この態様は、以下の随意的な特徴のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。幾つかの実施例では、クラフト装置の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を構成する工程は、1つ又はそれ以上のワークピースストッパを配備位置に推し進める工程を含む。他の実施例では、クラフト装置の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を構成する工程は、ピンチローラアームへ接続されたカムアクチュエータの構成要素(複数)を第1の位置に配置して、ピンチローラアームの受動ローラを能動駆動ローラから離れて配置させる工程を含む。更に他の実施例では、クラフト装置の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を構成する工程は、真空源を非アクティブ化状態に構成する工程を含む。更に別の実施例では、クラフト装置の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を構成する工程は、1つ又はそれ以上のワークピースガイドを配備位置に配置する工程を含む。
【0013】
幾つかの実施例では、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面上に1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素に少なくとも近接して配置する工程は、ワークピース材料のロールからワークピースの一部分を繰り出す工程と、ワークピース材料のロールから繰り出されたワークピースの当該部分の前縁を角度的にオフセットされた作業面上に1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素に少なくとも近接して配置する工程と、を含む。
【0014】
幾つかの実施形では、アクチュエータを第1の位置から第2の位置へ移行させて、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面へ重力に逆らって固定するとともにワークピースを作業面に対して作業上の3次元デカルト座標系の第1の方向に可動式に固定するように1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置に構成する工程は、1つ又はそれ以上のワークピースストッパを引き込み位置に推し進める工程と、ピンチローラアームへ接続されたカムアクチュエータの構成要素を第2の位置に配置して、ピンチローラアームの受動ローラを能動駆動ローラに向かって配置させ、ワークピースへ挟み付け力を加える工程と、真空源をアクティブ化状態に構成して、1つ又はそれ以上のワークピース吸引チャネルの中へ空気を引き入れさせ、ワークピースの下面を角度的にオフセットされた作業面へ推し進めるための圧力差を作り出す工程と、を含む。
【0015】
他の実施例では、ワークピースへ行われていた作業が完了したと判定されたとき、方法は、更に、アクチュエータを第2の位置から再び第1の位置へ移行させて、1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置から再び第1の配置へ構成する工程と、ワークピースを作業面から解放する工程と、を含む。更にまた、1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置から再び第1の配置へ構成する工程は、ピンチローラアームの受動ローラを能動駆動ローラから離れて配置させるように、ピンチローラアームへ接続されたカムアクチュエータの構成要素を再び第1の位置へ配置して、ワークピースから挟み付け力を取り除く工程と、ワークピースの下面を角度的にオフセットされた作業面へ推し進めないように圧力差を止めるために、真空源を非アクティブ化状態に構成する工程と、ワークピース材料のロールから繰り出されていたワークピースを分離する工程と、を含む。
【0016】
他の実施形では、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面上に1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素に少なくとも近接して配置する工程は、ワークピース材料のロールに由来しない事前構成済み形状によって画定されたワークピースを得る工程と、ワークピース材料のロールに由来しない事前構成済み形状を有するワークピースの前縁を、角度的にオフセットされた作業面上に1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素に少なくとも近接して配置する工程と、クラフト装置の1つ又はそれ以上の支持アームを配備位置に配置し、それによって1つ又はそれ以上の支持アームを、ワークピースを支持するように、角度的にオフセットされた作業面と整列させる工程と、を含む。
【0017】
更に他の実施例では、アクチュエータを第1の位置から第2の位置へ移行させて、ワークピースを角度的にオフセットされた作業面へ重力に逆らって固定するとともにワークピースを作業面に対して作業上の3次元デカルト座標系の第1の方向に可動式に固定するように1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置に構成する工程は、1つ又はそれ以上のワークピースストッパを引き込み位置に推し進める工程と、ピンチローラアームへ接続されたカムアクチュエータの構成要素を第2の位置に配置して、ピンチローラアームの受動ローラを能動駆動ローラに向かって配置させ、ワークピースへ挟み付け力を加える工程と、真空源をアクティブ化状態に構成して、1つ又はそれ以上のワークピース吸引チャネルの中へ空気を引き入れさせ、ワークピースの下面を角度的にオフセットされた作業面へ推し進めるための圧力差を作り出す工程と、を含む。
【0018】
更に他の実施形では、ワークピースへ行われていた作業が完了したと判定されたとき、方法は、更に、アクチュエータを第2の位置から再び第1の位置へ移行させて、1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置から再び第1の配置へ構成する工程と、ワークピースを作業面から解放する工程と、を含む。
【0019】
他の実施例では、1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を第2の配置から再び第1の配置へ構成する工程は、ピンチローラアームの受動ローラを能動駆動ローラから離れて配置させるように、ピンチローラアームへ接続されたカムアクチュエータの構成要素を再び第1の位置へ配置して、ワークピースから挟み付け力を取り除く工程と、ワークピースの下面を角度的にオフセットされた作業面へ推し進めないように圧力差を止めるために、真空源を非アクティブ化状態に構成する工程と、ワークピース材料のロールから繰り出されていたワークピースを分離する工程と、を含む。
【0020】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形の詳細事項は、添付図面及び以下の説明に示されている。説明及び図面から、ならびに特許請求の範囲から、他の態様、特徴、及び利点が明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】下の位置(down orientation)又は係合位置(engaged orientation)に配置されたピンチローラアクチュエータレバーを含んでいるクラフト装置の左前方斜視図である。
図2図1のクラフト装置の前方斜視図である。
図3図1のクラフト装置の側面図であり、但し、ピンチローラアクチュエータレバーは上の位置(up orientation)又は係合解除位置(disengaged orientation)に配置された状態にある。
図4図2の4-4線から参照されるクラフト装置の断面図であり、但し、ピンチローラアクチュエータレバーは図3による上の位置又は係合解除位置に配置された状態にある。
図5図1のクラフト装置とロールホルダ上に配置されたワークピース材料のロールの後方斜視図である。
図6図1のクラフト装置の前下方斜視図であり、但し、ピンチローラアクチュエータレバーは図3による上の位置又は係合解除位置に配置された状態にある。
図7】ピンチローラアクチュエータレバーが図3による上の位置又は係合解除位置に配置された状態でクラフト装置の作業面に対して上の位置又は係合解除位置に配置されている図1のクラフト装置の一対のピンチローラの一ピンチローラの側面断面図である。
図8】ピンチローラアクチュエータレバーが図1による下の位置又は係合位置に配置された状態でクラフト装置の作業面に対して下の位置又は係合位置に配置されている図7によるクラフト装置の一対のピンチローラの一ピンチローラの側面断面図である。
図9図8による一対のピンチローラの一ピンチローラの斜視図である。
図10】クラフト装置の作業面の一部分の拡大図であって、作業面によって画定された開口部内に配置された駆動ローラを描いている。
図11】クラフト装置の作業面の下流領域の一部分の拡大図であって、複数の下流区分チャネルの一部分と複数のワークピースストッパの一ワークピースストッパを描いている。
図12】クラフト装置の作業面の上流領域の一部分の拡大図であって、複数の上流区分チャネルの一部分を描いている。
図13A図1のクラフト装置の右上方斜視図であり、但し、ピンチローラアクチュエータレバーは上の位置又は係合解除位置に配置された状態にある。
図13B図13Aによるクラフト装置の別の右上方斜視図であり、但し、ワークピース材料のロールに由来するワークピース材料は作業面の上に配置された図5のワークピースホルダ上に配置されており、且つ、ピンチローラアクチュエータレバーは上の位置又は係合解除位置に配置された状態にある。
図13C図13Bによるクラフト装置の別の右上方斜視図であり、但し、作業面の上に配置されたワークピース材料へ挟み付け力を加えるように一対のピンチローラを係合解除位置から係合位置へ移行させるために、ピンチローラアクチュエータレバーは下の位置又は係合位置に配置された状態にある。
図14A図5のロールホルダ上に配置されたワークピース材料のロールに由来するワークピースへ作業を行うときに、図1図13C図15図24、及び図26図30のクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図14B図14Aと共に、ワークピース材料のロールに由来するワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図14C図14A及び図14Bと共に、ワークピース材料のロールに由来するワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図14D図14A図14Cと共に、ワークピース材料のロールに由来するワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図15】上の位置又は係合解除位置に配置されたピンチローラアクチュエータレバーと、上の位置又は配備位置に配置された図11の複数のワークピースストッパと、上の位置又は配備位置に配置された複数のワークピース材料ガイドと、を含む図1のクラフト装置の前左側上方斜視図である。
図16図15のクラフト装置の作業面の拡大図である。
図17】上の位置又は係合解除位置に配置されたピンチローラアクチュエータレバーと、配備位置に配置された1つ又はそれ以上のワークピース支持アームと、を含む図15のクラフト装置の側面図である。
図18】1つ又はそれ以上のワークピース支持アームを格納位置に配置する第1の位置に配置された回転機構の平面図である。
図19】1つ又はそれ以上のワークピース支持アームを図17の配備位置に配置する第2の位置に配置された図18の回転機構の平面図である。
図20】1つ又はそれ以上のワークピース支持アームの、図18図19の回転機構からの意図的分離を許容する安全離脱式カップリングの斜視図である。
図21図20の安全離脱式カップリングの左分解図である。
図22図20の安全離脱式カップリングの右分解図である。
図23図17の配備位置に配置されたワークピース支持アームと、下の位置又は係合位置に配置されたピンチローラアクチュエータレバーと、を描いたクラフト装置の前左側上方斜視図である。
図24図23のクラフト装置及び事前構成済み(図5のロールホルダ上に配置されたワークピース材料のロールに由来しない)ワークピースの右上方斜視図であり、ワークピースは、作業面と図17及び図23の配備位置に配置されたワークピース支持アームとによって支持されたワークピース支持マット上に配置されている。
図25A図24の事前構成済みワークピース(図5のロールホルダ上に配置されたワークピース材料のロールに由来しない)へ作業を行うときに、図1図13C図15図24、及び図26図30のクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図25B図25Aと共に、事前構成済みワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図25C図25A及び図25Bと共に、事前構成済みワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図25D図25A図25Cと共に、事前構成済みワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図25E図25A図25Dと共に、事前構成済みワークピースへ作業を行うときにクラフト装置を動作させる方法のための諸動作の或る例示としての配列を描いたフローチャートである。
図26図1のクラフト装置のレール及びレール上に配置されたキャリッジの斜視断面図である。
図27図26のクラフト装置のレールへ係合されたキャリッジのホイールアセンブリの拡大図である。
図28図26のクラフト装置のレールへ係合されたキャリッジのホイールアセンブリの下方図である。
図29図26のクラフト装置のレールへ係合されたキャリッジのホイールアセンブリの別の図である。
図30】本明細書に記載のシステム及び方法を実施するのに使用され得る或る例示としてのコンピューティングデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な図面中の同様の参照符号は同様の要素を表す。
【0023】
本開示の諸実施形態は、概括的には、クラフト装置10及び同装置を利用するための方法に関する。特に、本開示は、角度(例えば、図1図3図4、及び図17の角度θ22を参照)付き作業面(例えば、一例として図1の作業面34を参照)と、ワークピースWへの「作業」を行うという行為の前及び/又は行為中に利用されるワークピース取り扱い構成要素と、を含むクラフト装置10に関する。角度θ22付き作業面34は、下に横たわる地表面又は床F(例えば、図1を参照)及び/又はクラフト装置10を支持する支持部材S(例えばテーブル)の上面S(例えば、図1図3、及び図17を参照)に平行ではないので、ワークピース取り扱い構成要素が、ワークピースWへの引力(例えば、図1図3図7図8、及び図17の矢印Gを参照)の結果としてワークピースWが角度θ22付き作業面34から滑り落ちるのを防止し、角度θ22付き作業面34が望ましからざるもワークピース滑り台として機能してしまうことのないようにする。加えて、本開示は、より詳細に後述される様に、「扉無し」構成及び/又は「大きい外形」構成を有するクラフト装置10に関する。
【0024】
更にまた、クラフト装置10は、少なくとも2つの異なる型式のワークピース源(例えば、図3図5、及び図13B図13Cに見られる第1の型式のワークピース源W及び図24に見られる第2の型式のワークピース源W+Wを参照)に由来するワークピースWへ作業を行うために選択的に再構成され得る。図3図5、及び図13B図13Cを参照して、第1の実施例では、第1の型式のワークピース源Wはワークピース材料のロールであるとしてもよく、それによって、ワークピース材料のロールWから繰り出されたワークピース材料Wの長さの一部分がクラフト装置10と接面され、一方、ワークピース材料のロールWによって画定されるワークピース材料のロールの残部はクラフト装置10の作業面34と接面されない。図24を参照して、別の実施例では、第2の型式のワークピース源W+Wはロールに由来せず、むしろ実質的に平坦な事前構成済み形状を有する(例えば、長さW及び幅Wを有する)ものであって支持マットWによって支持されることもあれば支持されないこともある相対的に「大きい」ワークピースWに由来しているとしてもよい。
【0025】
更にまた、クラフト装置10は「扉無し」になるように設計されているので、ワークピースWへ「作業」を行うクラフト装置10の複数の構成要素は常に周囲の環境へ露出している。したがって、クラフト装置10は審美的に心地よい設計を含み、それによって、構造物(例えば、前扉及び後扉の一方又は両方)がクラフト装置10の設計には含まれておらず、結果として、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行っていないときでも構造物がワークピースWへ「作業」を行うクラフト装置10の複数の構成要素を覆うことも見えなくすることもない。
【0026】
図1図13C及び図15図24を参照すると、或る例示的なクラフト装置が全体を10で示されている。クラフト装置10が、第1の型式のワークピース源(例えば、ワークピース材料のロールW)へ「作業」を行うように選択的に構成されたときにクラフト装置10を利用する方法が、図14A図14Dに全体を200で示されている。クラフト装置10が第2の型式のワークピース源(例えば、実質的に平坦な事前構成済み形状W、Wを有するものであって支持マットWによって支持されることもあれば支持されないこともある相対的に「大きい」ワークピースW)へ「作業」を行うように選択的に構成されたときにクラフト装置10を利用する別の方法が、図25A図25Eに全体を300で示されている。
【0027】
図1を参照して、クラフト装置10は、例えば、印刷デバイス12、裁断デバイス14、キャリッジ16、及びレール18の様な複数の構成要素を含んでいる。クラフト装置10の複数の構成要素は、ワークピースWへ「作業」を行うために協働する。
【0028】
「作業」という用語は、限定するわけではないが、キャリッジ16へ固定された印刷デバイス12と裁断デバイス14の一方又は組合せによって遂行される任意の数のタスク/機能を含み得る。図1に見られる様に、キャリッジ16は、レール18上を(例えば、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の)矢印X、X’の方向に従って可動式に配置されている。レール18に沿ったキャリッジ16の運動X、X’は、例えば、中央処理ユニット(CPU)(例えば、図30の3000を参照)から作動信号を受信したモータ(例えば、図26のモータ158を参照)によって制御されていてもよく、即ち、モータ158が、レール18に対するキャリッジ16の運動X、X’を生じさせるための1つ又はそれ以上のケーブル及びベルト(例えば、図26のキャリッジ運動ベルト156を参照)を駆動するようになっていてもよい。
【0029】
幾つかの構成では、CPU3000はクラフト装置10の一構成要素である。他の構成では、CPU3000は、クラフト装置10へ通信可能に結合されるラップトップコンピュータ(例えば、図30のラップトップコンピュータ3000aを参照)と関連付けられている。更に他の構成では、CPU3000は、クラフト装置10へ通信可能に結合されるスマートフォン、タブレットコンピュータなど(例えば、図30のスマートフォン又はタブレットコンピュータ3000bを参照)と関連付けられている。
【0030】
図1を参照して、或る実施例では、「作業」には「裁断動作」が含まれ、「裁断動作」は、機能的にはワークピースWがクラフト装置10の1つ又はそれ以上の構成要素(例えば、図7図8及び図10の能動駆動ローラ60/84を参照)によってY、Y’給送方向に動かされてゆく際の裁断デバイス14のブレードとワークピースWの接触を含む。裁断デバイス14によって行われる「作業」は、(1)例えば、キャリッジ16とレール18の一方又はそれ以上に対する、例えば「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Z、Z’の方向(例えば、図3及び図17を参照)に従った裁断デバイス14の運動と、(2)例えば、キャリッジ12とレール18の一方又はそれ以上に対する、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の方向Y、Y’又は矢印Y、Y’に従った順送り方向又は逆送り方向へのワークピースWの運動、の一方又は組合せから生じる。給送方向Y、Y’への(能動駆動ローラ60/84の回転を介した)裁断デバイス14及びワークピースWの運動Z、Z’は、中央処理ユニットCPU3000から作動信号を受信し、それによって例えばクラフト装置10の1つ又はそれ以上の構成要素(例えば、能動駆動ローラ60/84)の回転を生じさせる1つ又はそれ以上のモータ(例えば、図7図8及び図26のモータ64、158を参照)によって制御されていてもよい。
【0031】
幾つかの実施形では、裁断デバイス14のブレードは、矢印Z’の方向に従ってワークピースWの厚さを部分的に又は完全に貫く。裁断デバイス14は、ブレード(例えば、直線状ブレード、キャスタリングブレード(castoring blade)、ロータリブレード、鋸歯状エッジブレード、エンボシング工具、マーキング工具、など)を含み得るが、他のカッタが裁断デバイス14へ選択的に結合されてもよい。他のカッタとしては、例えば、レーザ、電動ロータリカッタなどが挙げられる。
【0032】
他の実施例では、「作業」は「印刷動作」を含む。「印刷動作」は、印刷デバイス12のペン又はノズルからワークピースW上へインクを堆積させることを含み得る。
【0033】
クラフト装置10は、「印刷及び裁断動作」の様なコンボ動作を提供する方式で「作業」を行ってもよい。「印刷及び裁断動作」は、場合によっては、「印刷動作」が「裁断動作」の前に行われるような「印刷その後裁断動作」として実行されてもよい。
【0034】
幾つかの実施形では、ワークピースWは、任意の所望の形状、サイズ、幾何学、又は材料組成を含んでいる。図5及び図24を参照して、形状/幾何学は、例えば、幅W(例えば、図5及び図24を参照)及び長さW(例えば、図24を参照)を含み得る。幾つかの事例では、ワークピースWの長さWは、例えば、ワークピース材料のロールW(例えば、図3及び図5を参照)からワークピース材料の所望量を繰り出すということの結果として、事前構成済みではない。また一方、他の実施例では、ワークピースWの長さWは、例えばユーザが既定の長さW及び既定の幅Wを有する事前構成済みワークピース(例えば、図24参照)を得るということの結果として、事前構成済みである。幾つかの事例では、ワークピースWの幅Wは、12インチ(30.5センチメートル)より大きいか又は12インチに大凡等しくてもよい。他の実施例では、ワークピースWの幅Wは、25インチ(63.5センチメートル)より大きいか又は25インチに大凡等しくてもよい。
【0035】
クラフト装置10は、上述の様に異なるワークピース源へ「作業」を行うので、クラフト装置10は構造的に再構成され得る。或る実施例では、ユーザが最初に相対的に「大きい」事前構成済みワークピースWへ「作業」を行うことを選択したとすると、この場合は、ワークピース支持アーム(例えば、図17図24の100、100を参照)を配備することによってクラフト装置10を構成することが必要になるかもしれず、そして後の時点にて、ユーザが二番目にワークピース材料のロールWに由来するワークピースWへ「作業」を行うことを選択したとすると、この場合は、ワークピース支持アーム100、100図13A図13Cに見られる様にワークピース材料のロールWからのワークピースの繰り出しに干渉しないようにワークピース支持アーム100、100を格納することによってクラフト装置10を構成することが必要になるだろう。
【0036】
図24に見られる様に、ワークピースW(及び、場合によってはワークピース支持マットW)は、既定の長さW及び幅Wを有する相対的に「大きい」正方形又は長方形の形状を含み得る。幾つかの実施例では、相対的に「大きい」正方形又は長方形のワークピースW及び/又はワークピース支持マットWの寸法W、Wは、24インチ(61.0センチメートル)x24インチ(61.0センチメートル)に大凡等しくてもよい。他の実施例では、相対的に「大きい」正方形又は長方形のワークピースW及び/又はワークピース支持マットWの寸法W、Wは、24インチ(61.0センチメートル)x48インチ(122.0センチメートル)に大凡等しくてもよい。更に別の実施例では、相対的に「大きい」正方形又は長方形のワークピースW及び/又はワークピース支持マットWの寸法W、Wは、48インチ(122.0センチメートル)x48インチ(122.0センチメートル)に大凡等しくてもよい。
【0037】
代替的には、相対的に「大きい」正方形又は長方形のワークピースWの形状は、非正方形又は非長方形の形状、例えば、円形の形状、三角形の形状などを含み得る。ワークピースWの材料組成は、紙ベース(例えば、板紙又は厚紙)及び/又は非紙ベースの製品(例えば、ビニル、フォーム、硬質フォーム、クッションフォーム、合板、ベニヤ、バルサ材など)を含み得る。いずれにせよ、ワークピース材料組成の様々な実施形が、紙ベース、ビニルベース、又はフォームベースの製品に向けられていても、ワークピースWの材料組成は、特定の材料に限定されず、任意の裁断可能な材料を含み得る。
【0038】
幾つかの実施形では、クラフト装置10は、ワークピースWへ「作業」を行うときに様々な環境で利用されることができる。例えば、クラフト装置10は、自宅に置かれ、外部コンピュータシステム(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ3000a、スマートフォン又はタブレットコンピュータ3000b、汎用コンピュータではない専用/非一体型/ドッキング可能な[スタンドアロン型]コントローラデバイスなど)へ接続されていて、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行うために外部コンピュータシステム3000a、3000bによって走らされるソフトウェアをユーザが利用できるようになっていてもよい。別の実施例では、クラフト装置10は、「スタンドアロン型システム」と呼ばれることがあり、つまり、幾つかの実施形では、それは、オンボードモニタ、オンボードキーボード、プロセッサやメモリを含むオンボードCPU3000などのうちの1つ又はそれ以上を一体的に含んでいる。その様な実施形では、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行えるようにするために、クラフト装置10は、任意の外部コンピュータシステム(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000b)とは独立に動作することができる。
【0039】
クラフト装置10は、任意の所望のサイズ、形状、又は構成を有するように実施され得る。例えば、クラフト装置10は、相対的に「大きい」ワークピースW(例えば、ワークピース材料のロールWから繰り出された方眼紙)へ「作業」を行うようにサイズ設定されることができ、したがって、ワークピースWが相対的に「大きい」と言われたとき、クラフト装置10は、相対的に「大きい」ワークピースWに適応するために「大きい外形」のクラフト装置10になっていると言える。代替的には、クラフト装置10は、固定寸法W、Wを有する事前構成済み形状によって画定された相対的に小判のワークピースWへ「作業」を行うように構成されることもできる。更にまた、クラフト装置10が相対的に「大きい」ワークピースW(例えば、ワークピース材料のロールWから繰り出された方眼紙など)へ「作業」を行うことがあったとしても、クラフト装置10は、以下の開示に説明されている様に、「ポータブル」であると言える。したがって、クラフト装置10は、相対的に「大きい」ワークピースWへ「作業」を行うのに十分なサイズでありながら、ユーザが「大きい外形」のクラフト装置10を自宅から、例えば「スクラップブッキングパーティー」を主催する友人宅へ容易に運ぶ/移動させることを可能にし得る。
【0040】
図1に示されている実施例では、クラフト装置10は、支持部材S(例えば、テーブル)の上に配置されている。ワークピースWの自由な流れを損ないかねない支持部材Sとの接触なしにワークピースWが自由に作業面34の上へ流れ入り作業面34から流れ去るように、支持部材Sはクラフト装置10を支持することができる。幾つかの構成では、支持部材Sの前縁Sは、クラフト装置10の作業部22の前面38と整列され又はぴったりと整列されていてもよい。幾つかの実地形では、支持部材Sは、クラフト装置10の作業面34の上へ給送されるロール状ワークピース材料Wを支持し及び/又は給送するためのホルダ(図示せず)を含んでいる。他の実施形では、支持部材Sは、クラフト装置10を支持部材S上に選択的にロックするために、例えばクラフト装置10のベース部20の下面24によって形成されているロック特徴部に対応したロック特徴部(図示せず)を含んでいてもよく、このロック特徴部は、クラフト装置10が支持部材Sの上に設置されたときにクラフト装置10を安定させ、それによって、クラフト装置10が支持部材Sから落下するのを防ぐように構成されることができる。
【0041】
支持部材Sは、下に横たわる地表面又は床F(例えば、図1図3、及び図17を参照)の上に配置され、それによって、支持部材Sの上面Sが下に横たわる地表面又は床Fに平行となり得る。クラフト装置10は、支持部材Sの上面Sの上に配置され且つ上面Sによって支持される。以上に解説されている様に、また以下の開示に説明される様に、クラフト装置10は、下に横たわる地表面又は床F及び/又は支持部材Sの上面Sに平行ではない角度θ22付き作業面34を含んでいる。
【0042】
上面Sに加えて、例えば図1に見られる様に、支持部材Sは、更に、前縁S、後縁S、第1側縁SS1、及び第2側縁SS2を含んでいる。更にまた、支持部材Sは、第1側縁SS1と第2側縁SS2の間を延びる長さSと、前縁Sと後縁Sの間を延びる幅Sと、によって画定され得る。
【0043】
引き続き図1を参照して、支持部材Sは、更に、「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系を画定している。「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Z方向」(即ち、Z)は、支持部材Sの上面Sに直交している。「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Y方向」(即ち、Y)は、支持部材Sの幅Sの方向に延びている。「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「X方向」(即ち、X)は、支持部材Sの長さSの方向に延びている。
【0044】
図1に見られる様に、「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Z方向(即ち、Z軸)」は、概して、下に横たわる地表面又は床Fに対する引力を示す矢印G(例えば、図1図3図7図8、及び図17を参照)によって画定される重力軸と整列し及び平行である。したがって、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Z方向(即ち、Z軸)」は、「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Z方向」から角度θ22だけ角度的にオフセットされているので、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系の「Z方向(即ち、Z軸)」は、矢印Gによって画定される重力軸と整列せず、重力軸を横切らない。別の言い方をすれば、矢印Gによって画定されている重力軸と「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ軸は、平行ではなく、互いを横切らない。
【0045】
クラフト装置10は、支持部材Sの上面S上のどこに配置されてもよい。しかしながら、幾つかの事例では、クラフト装置10は、支持部材Sの縁S、S、SS1、SS2のうちの1つ(例えば、前縁S)に近く位置決めされ得る。以下の図17での開示に説明される様に、クラフト装置10を支持部材Sの前縁Sに近く配置することで、クラフト装置10の下流のワークピース支持部材(例えば、図17図24の下流支持アーム100を参照)を支持部材Sの上面Sより下方に距離(例えば、図17のD100Dを参照)を取って配備できるようになる。更にまた、図17に見られる様に、クラフト装置10は、クラフト装置10の上流のワークピース支持部材(例えば、図17図24の上流支持アーム100を参照)を、支持部材Sの上面Sより上方に距離(例えば、D100Uを参照)を取って配備できるようにもしている。
【0046】
図1に見られる様に、クラフト装置10は、ベース部20と、作業部22と、を含んでいる。ベース部20は、支持部材Sの上面S上に配置されるように構成されている。作業部22は、ベース部20の上に配置され又はベース部20へ接続されている。図1に見られる様に、作業部22は、印刷デバイス12及び/又は裁断デバイス14、キャリッジ16、及びレール18を含み、したがって、作業部22は、上述の様に「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系に従ってワークピースWへ「作業」を行う。以下の開示に説明される様に、作業部22は、例えば、1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素を含むことができ、それらは、例えば、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46(例えば、図7図9も参照)、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46へ接続されたカムアクチュエータ48(例えば、図7図8も参照)、カムアクチュエータ48へ接続されたアクチュエータレバー52、アクチュエータレバー52へ接続された1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86、及びアクチュエータレバー52の回転に応えて作動される複数のワークピース吸引チャネル94(例えば、図11図12も参照)を含んでいてもよい。
【0047】
図1を参照して、ベース部20は、全体として、下面24、上面26、及び後面28によって画定されている。様々な実施形態によれば、後面28は大凡直角又は90度の角度で下面24の第1端から離れて延びている。更にまた、様々な実施形態によれば、後面28は鋭角で上面26の第1端から離れて延びている。更にまた、様々な実施形態によれば、上面26の第2端は鋭角θ22で下面24の第2端から離れて延びている。集合的に下面24と上面26と後面28は、概して、略三角形の形状を有するベース部20の側面30を画定している(例えば、ベース部20は「楔様」形状を有するとしてもよい)。
【0048】
引き続き図1を参照して、作業部22は、全体として、下面32、上面34、後面36、及び前面38によって画定されている。図1及び図3に見られる様に、作業部22の下面32はベース部20の上面26に隣接して配置され又は上面26に接続されている。したがって、クラフト装置10が支持部材Sの上面S上に配置されたとき、ベース部の下面24に対する作業部22の上面34の角度的配置(即ち、鋭角θ22)は、作業部22の「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系をもたらし、作業部22は、支持部材Sの上面Sから参照される「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系から角度的にオフセットされている。様々な実施形態では、ベース部20の下面24に対するベース部20の上面26の角度的配置は、結果的に、作業部22の「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系を、支持部材Sの上面Sから参照される「非作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系から角度的に(即ち、鋭角θ22で)オフセットさせることになる。
【0049】
図4を参照すると、ベース部20及び作業部22の断面図が示されている。図4に見られる様に、上面34は、支持部材Sの上面S上に配置されたベース部20の下面24によって確立される水平平面に対して角度をなして(即ち、鋭角θ22に)配置されている。幾つかの実施形では、角度θ22は45度に大凡等しくてもよい。様々な実施形態では、角度θ22は大凡30度から大凡60度の間である。様々な実施形態では、角度θ22は大凡20度から大凡70度の間である。様々な実施形態では、角度θ22は0度から大凡90度の間の任意の値であり得る。この文脈での使用に限定して、「大凡」という用語はプラス又はマイナス2度を意味する。したがって、角度θ22図4に見られるものより増加した構成では、ベース部20の下面24によって画定される幅W20は減少する。ゆえに、角度θ22の増加はベース部20の「フットプリント」を縮めるが、なおも、相対的に「大きい」ワークピースWの支持にとってY、Y’給送方向に十分に「広い」上面34を提供し、同時に、支持部材Sの上面S上にベース部20が占めるスペースを最小化する。
【0050】
作業部22の上面34は、代替的には、ワークピースWが載る「作業面」であるとともにクラフト装置10の1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素によるY、Y’給送方向の操作のための「作業面」と呼ばれることもある。更にまた、図1図3図5図6図13A図13C図15、及び図23図24に見られる様に、レール18は、3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に従って、作業面34から離れて延びる第1のレール支持部材34a及び第2のレール支持部材34bによって支持され且つ作業面34から離れて高架されていてもよい。
【0051】
作業面34は、印刷デバイス12及び/又は裁断デバイス14との接触点の前(即ち、上流)及び後(即ち、下流)の両方でワークピースWのための支持を提供する。作業面34は、例えば裁断デバイス14の裁断ブレードの様な工具をワークピースWに当てて3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ’方向に従って押し付けさせる面の役目も果たす。したがって、図1に見られる様に、作業面34は、更に、作業面34の上流部分34と、作業面34の下流部分34と、作業面34の上流部分34と作業面34の下流部分34の間に位置する作業面34の中間部分34と、によって画定され得る。
【0052】
作業面34の上流部分34は、概して、例えば、ワークピースWの長さの一部分が、最初にクラフト装置10と接面され得るところである。作業面34の中間部分34は、概して、例えば、印刷デバイス12及び裁断デバイス14(キャリッジ16によって可動式に支持されている)がワークピースWへ「作業」を行うところである。作業面34の下流部分34は、概して、例えば、ワークピースWへ「作業」を行った後にワークピースWの長さの当該部分が動かされるところ、及び/又は、ワークピースWへ「作業」が行われた後にワークピースWがクラフト装置10から排出され又は取り出されるところである。
【0053】
図5に見られる様に、ワークピース材料のロールWは、クラフト装置10のベース部20の後面28に取り付けられていることもあればそうでないこともある平行棒クレードル40上に格納されることができる。例えば図4及び図6に見られる様に、他の実施形では、ワークピース材料のロールWは、クラフト装置10のベース部20の後面28へ取り付けられていることもあればそうでないこともある一対の支持フランジ42上に格納されることができる。平行棒クレードル40及び一対の支持フランジ42は、クラフト装置10と連携して利用され得るロールホルダ構造の一例である。様々な実施形態では、ロールホルダ構造は、機械へ脱着可能に結合されていてもよい。様々な他の実施形態では、ロールホルダ構造は、機械から独立していてもよい。更に他の実施形態では、ロールホルダ構造は、支持部材S(例えば、テーブル)へ取り付けられているか又は支持部材Sから延びていてもよい。
【0054】
図6を参照すると、クラフト装置10の下方斜視図が示されている。図6に見られる様に、レール18の下面18と作業面34の間には、ワークピースWがY、Y’給送方向に通過することを許容するために空間又はギャップ44が設けられている。クラフト装置10のベース部20の下面24は、例えばテーブル天板又はカウンター天板などであり得る支持部材Sの上面S上に設置されるように構成されている。
【0055】
図7図9を参照すると、ピンチローラアームが全体を46で示されている。ピンチローラアーム46は、幾つかのワークピース取り扱い構成要素のうちの1つであって、ワークピースWへの矢印G(例えば、図1図3、及び図17も参照)による引力の結果としてワークピースWが角度θ22付き作業面34から滑り落ちることを防止する構成要素であるとしてもよい。
【0056】
図7図9に見られる様に、ピンチローラアーム46は、第1端46a及び第2端46bを含んでいる。ピンチローラアーム46の第1端46aはカムアクチュエータ48を含んでおり、カムアクチュエータ48は、第1の位置(例えば、図7を参照)又は第2の位置(例えば、図8を参照)に配置されるように回転されたときに、ピンチローラアーム46の第2端46bを、(1)図7に見られる様に、矢印Zに従って作業面34の中間部分34から離れる方向、及び(2)図8に見られる様に、矢印Z’に従って作業面34の中間部分34に向かう方向、それぞれに動かす。上述の様なピンチローラアーム46の例示としての運動は、更に、(1)ピンチローラアーム46の開口部83及び(2)ハウジング78の図9に見られる開口部85を通って延びるピン81周りの、図7に見られる矢印Pの方向(時計回りの方向であるとしてもよい)に従った、ピンチローラアーム46のハウジング78に対する第1の枢動運動によって画定され得る。上述の様なピンチローラアーム46の例示としての運動は、代替的には、更に、(1)ピンチローラアーム46の開口部83及び(2)ハウジング78の開口部85を通って延びるピン81周りの、図8に見られる矢印P’の方向(反時計回りの方向であるとしてもよい)に従った、ピンチローラアーム46のハウジング78に対する第2の枢動運動によって画定され得る。
【0057】
図1図2に見られる様に、クラフト装置10は、2つのピンチローラアーム46を含んでいてもよい。しかしながら、クラフト装置10は、2つのピンチローラアーム46を含むことに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のピンチローラアーム46の様な任意の数のピンチローラアーム46を含むことができる。
【0058】
引き続き図1図10図13A図13C図15図17、及び図23図24を参照して、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46は、ピンチローラ機構50の一構成要素であってもよい。以下の開示に解説される様に、ピンチローラ機構50は、複数の相互接続された構成要素を含んでいてもよい。
【0059】
例えば、ピンチローラ機構50は、概して、ピンチローラアーム46に加えてアクチュエータレバー52を含んでいる。アクチュエータレバー52は、ロッド部分56へ接続されたハンドル部分54を含んでいる。
【0060】
例えば図1に見られる様に、「下の位置」に配置されたとき、ハンドル部分54は、概して、ロッド部分56から3次元X-Y-Zデカルト座標系のY方向に延びている。逆に、例えば図3に見られる様に、「上の位置」に配置されたとき、ハンドル部分54は、概して、ロッド部分56から3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に延びている。ハンドル部分54の上の位置又は下の位置にかかわらず、ロッド部分56は、概して、常に3次元X-Y-Zデカルト座標系のX方向に延びている。更にまた、ロッド部分56は、(3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に)作業面34から距離を隔ててレール18と平行に配置され、レール18の長さに沿って延びている。様々な実施形態では、ロッド部分56は、概してレール18に平行に延びていて、概してレール18からY方向に距離を隔てて配置されている。
【0061】
ロッド部分56の第1端は、第1のレール支持部材34a(レール18の第1端も支持する)によって回転可能に支持されていて、第1のレール支持部材34aを通って延びている。ロッド部分56の第2端は、第2のレール支持部材34b(レール18の第2端も支持する)によって回転可能に支持されていて、第2のレール支持部材34bの中へ(但し、完全に貫かずに)延びている。図7図8に見られる様に、ロッド部分56は、第1のレール支持部材34a及び第2のレール支持部材34bの両方によって回転可能に支持されながら、なお且つロッド部分56はクラフト装置10の1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46のカムアクチュエータ48を完全に貫いて延びている。より詳細に後述される様に、アクチュエータレバー52のロッド部分56は、非円形断面形状を有している。つまり、アクチュエータレバー52のロッド部分56は、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46のカムアクチュエータ48へ回転を付与するように構成された断面形状を有し、ひいてはカムアクチュエータ48をロッド部分56と同時回転させる。幾つかの実施形では、ロッド部分56は長方形又は多角形の形状を有していてもよい。
【0062】
図7図8を参照して、ピンチローラ機構50は、ピンチローラアーム46の第2端46bへ回転可能に接続された受動ローラ58も含んでいる。幾つかの実施形では、受動ローラ58はアクチュエータ又はモータによって能動的に回転されず、むしろ、ワークピースWが、作業面34上に配置され、クラフト装置10の1つ又はそれ以上の構成要素によってY、Y’給送方向に動かされるとき、ワークピースWの運動は、例えば図8に見られる様に受動ローラ58がワークピースと接触している結果として受動ローラ58の回転を生じさせることになる。
【0063】
図7図8及び図10に見られる様に、ピンチローラ機構50は、能動駆動ローラ60も含んでいる。能動駆動ローラ60は、軸方向に受動ローラ58に対向している又は受動ローラ58に正対して配置されていると言ってもよい。
【0064】
図7図8及び図10を参照して、能動駆動ローラ60は、作業面34の中間部分34に形成された開口部62内に配置されていてもよい。図10に見られる様に、能動駆動ローラ60の一部分は、開口部62内に、作業面34の中間部分34よりわずか上方に、能動駆動ローラ60がワークピースWのY、Y’給送方向への運動を駆動するためにワークピースWの下面W(例えば、図7図8を参照)に係合できるような距離D60を取って配置されていてもよい。
【0065】
更にまた図7図8に見られる様に、ピンチローラ機構50は、更に、能動駆動ローラ60へ接続されたモータ64を含んでいてもよい。図8を参照して、例えば、モータ64がCPU3000から信号を受信したとき、能動駆動ローラ60は、ワークピースWのY、Y’給送方向への運動を生じさせるために第1の方向Rか又は反対の第2の方向R’の一方に能動的に回転される。
【0066】
図7図9に見られる様に、カムアクチュエータ48の複数の構成要素は、ピンチローラアーム46へ接続されていてピンチローラアーム46の上面46を覆って配置されているハウジング78内に配置されていてもよい。幾つかの実施例では、ハウジング78は、カムアクチュエータ48の構成要素であると考えられることもあればそうでないこともある。他の実施例では、ハウジングは、ピンチローラアーム46の構成要素であると考えられることもあればそうでないこともある。
【0067】
カムアクチュエータ48の複数の構成要素は、カム部材66を含んでいる。カム部材66は、アクチュエータレバー52のロッド部分56の長さの一区分の通過を許容し且つ支持するように構成された断面幾何学を有する鍵状通路68を含んでいる。図4及び図9を参照して、ロッド部分56は、ハウジング78によって形成される整列された通路78を通って延びることを許容されている。ロッド部分56はカム部材66の鍵状通路68と、ハウジング78によって形成される整列された通路78とを通って延びているので、ロッド部分56は、ハウジング78がロッド部分56の通過を許容しながらピンチローラアーム46へ接続されている結果としてピンチローラアーム46へ間接的に接続され、ピンチローラアーム46を支持していると言える。
【0068】
引き続き図7図9を参照して、カムアクチュエータ48の複数の構成要素は、ピボットブラケット70も含んでいる。図7図8を参照して、カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70の下面70に係合するように構成されている。
【0069】
図7図9に見られる様に、カムアクチュエータ48の複数の構成要素は、ハウジング78の幅を横切って延びるピン72も含んでいる。ピン72はハウジング78へ固定されている。ピボットブラケット70の第1端70aは、ピン72によって支持され、ピン72周りに回転する。
【0070】
カムアクチュエータ48の複数の構成要素は、1つ又はそれ以上のコイルばね部材74も含んでいる。図9を参照して、幾つかの構成では、1つ又はそれ以上のコイルばね部材74は、3つのコイルばね部材によって画定されている。しかしながら、カムアクチュエータ48は、3つのコイルばね部材74を含むことに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のコイルばね部材74の様な任意の数のコイルばね部材74を含むことができる。
【0071】
ピボットブラケット70の第2端70bは、1つ又はそれ以上のコイルばね部材74の第1端74aを支持するように構成されている。1つ又はそれ以上のコイルばね部材74の第2端74bは、ピンチローラアーム46のピン76へ固定又は固着されている。図9に見られる様に、ピン76はピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びている。
【0072】
更にまた図7に見られる様に、カム部材66の下端66は、ピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合する形状又は構成である。逆に、図8に見られる様に、カム部材66の下端66は、ピンチローラアーム46の第1端46aの上面46を係合解除する(即ち、上面46から離れて回転された結果として係合解除する)形状又は構成である。
【0073】
ロッド部分56はハンドル部分54から延びているので、ハンドル部分54の回転は同じくロッド部分56の対応する回転をもたらす。ハンドル部分54が図3図4図6図13A図13B図15図17、及び図23に見られる様に「上の位置」へ回転されたとき、図7に見られる様にカム部材66の対応する回転を生じさせるためにロッド部分56は対応して回転し、それによって、(1)カム部材66の下端66はピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合し、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「下の位置」へ枢動させるためにピボットブランケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね部材74から張力が取り除かれる。ロッド部分56の回転がカムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図7に見られる様に配置させたとき、ピンチローラアーム46の第2端46bは、矢印Zに従って能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34から離れる方向に動かされる。
【0074】
逆に、ハンドル部分54が図1図2図5図13C、及び図23図24に見られる様に「下の位置」へ回転されたとき、ロッド部分56は対応して回転して図8に見られる様にカム部材66の対応する回転を生じさせ、それによって、(1)カム部材66の下端66はピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合せず(例えば、カム部材66とピンチローラアーム46の第1端46aの上面46の間にギャップが画定され得る)、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「上の位置」へ枢動させるためにピボットブランケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね部材74が引張される。ロッド部分56の回転がカムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図8に見られる様に配置させたとき、ピンチローラアーム46の第2端46bは、矢印Z’に従って能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34に向かう方向に動かされる。
【0075】
ハウジング78が上述の様にカムアクチュエータ48の複数の構成要素を少なくとも部分的に囲んでいることに加え、ハウジング78の前面78が、1つ又はそれ以上のチャネル80、1つ又はそれ以上のフック部分82などを含んでいてもよい。1つ又はそれ以上のチャネル80、1つ又はそれ以上のフック部分82などは、ハウジング78、カムアクチュエータ48、及びピンチローラアーム46もレール18へスライド式に接続され且つレール18によって支持されることができるように、例えば、レール18の対応する嵌合可能な構造(例えば、図26の嵌合可能な構造142を参照)と嵌合又は係合するようになっていてもよい。ハウジング78の1つ又はそれ以上のチャネル80及び/又は1つ又はそれ以上のフック部分82がレール18の嵌合可能な構造142へスライド式に係合するように構成された結果として、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46は、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ってスライド式に調節できるように構成され得る。このやり方では、異なる幅W寸法によって画定される様々なワークピース幾何学に適応するために、ピンチローラ―アーム46の1つ又はそれ以上が、レール18及びロッド部分56に対して(3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従って)調節されることができる。
【0076】
図1を参照して、幾つかの実施形では、クラフト装置10は、(1)第1のレール支持部材34aに近く又は隣接して配置された第1のピンチローラアーム46及び対応するハウジング78と、(2)第2のレール支持部材34bに近く又は隣接して配置された第2のピンチローラアーム46及びハウジング78と、を含んでいてもよい。第2のピンチローラアーム46のハウジング78は、更に、ハウジング78によって隠されてしまうはずのロッド部分56の一部をユーザが見ることを可能にする窓79(例えば、図1図2図13A図13C図15図23、及び図24に見られる)を含んでいてもよい。幾つかの実施形では、両方のピンチローラアーム46(及び対応するハウジング78)は、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ってスライド式に調節できるようにはなっていない。他の実施形では、(1)一対のピンチローラアーム46のうち一方のピンチローラアーム46(例えば、第1のレール支持部材34aに近く又は隣接して配置された第1のピンチローラアーム46及び対応するハウジング78)は、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ってスライド式に調節できないのに対し、(2)一対のピンチローラアーム46のうち他方のピンチローラアーム46(例えば、第2のレール支持部材34bに近く又は隣接して配置された第2のピンチローラアーム46及び対応するハウジング78)は、矢印X、X’の方向に従ってスライド式に調節できる。更に他の実施形では、両方のピンチローラアーム46及び対応するハウジング78が、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ってスライド式に調節できる。幾つかの事例では、例えば、第2のレール支持部材34bに近く又は隣接して配置された第2のピンチローラアーム46がスライド可能であるとき、ユーザは第2のピンチローラアーム46をロッド部分56に対して、例えばハウジング78の窓79内にピンチローラアーム調節インジケータ(例えば、一例として13A-図13C及び図24のロッド部分56上に配置された第1マーカ56M1又は第2マーカ56M2の一方を参照)がユーザに見えるまでスライド式に調節してもよい。例えば、図13A図13C及び図24に見られる様に、ユーザがハウジング78の窓79内にピンチローラアーム調節インジケータ56M1、56M2を見ることができたとき、ユーザは、例えば、第2のピンチローラアーム46がロッド部分56に対して受容可能な位置まで十分にスライド式に動かされたことを直感的に知ることができる。
【0077】
ピンチローラアーム46の受動ローラ58は能動駆動ローラ60と協働してワークピースWのY、Y’給送方向への運動を生じさせるので、上記の様な3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ったピンチローラアーム46の任意のスライド式調節が更に能動駆動ローラとの対応する整列をもたらし得る。図2図4図6図10図13A図15図16、及び図23を参照すると、中間能動駆動ローラが全体を84で示されている。図10を参照して、能動駆動ローラ60と同様に、中間能動駆動ローラ84は、作業面34の中間部分34に形成された開口部62内に配置されていてもよい。更にまた、中間能動駆動ローラ84は、開口部62内に、作業面34の中間部分34よりわずか上方に、中間能動駆動ローラ84がワークピースWのY、Y’給送方向への運動を駆動するためにワークピースWの下面W(例えば、図7図8を参照)に係合できるような距離D84を取って配置されていてもよい。更にまた、能動駆動ローラ60と同様に、中間能動駆動ローラ84は、ワークピースWのY、Y’給送方向の運動を生じさせるために第1の方向(例えば、図7図8に見られる方向Rと同様)又は反対の第2の方向(例えば、図7図8に見られる方向R’と同様)の一方に能動的に回転されるために、モータ(例えば、図7図8に見られるモータ64と同様)へ接続されていてもよい。
【0078】
一対のピンチローラアーム46の各ピンチローラアーム46は、ピンチローラアーム46の各受動ローラ58がそれぞれの能動駆動ローラ60と協働するように第1のレール支持部材34a及び第2のレール支持部材34bに近接してそれぞれ配置されるが、中間能動駆動ローラ84は、幾つかの状況では、本来ならワークピースWが(例えば、図8に見られる様に)挟み付けられる結果をもたらすはずの受動ローラとの同様の係合をしないこともある。したがって、中間駆動ローラ84が1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46の受動ローラ58と整列されていなくても、中間駆動ローラ84は、能動駆動ローラ60がワークピースWのY、Y’給送方向への運動を生じさせるのを支援するために作動されることができる。
【0079】
図10を参照して、幾つかの構成では、受動ローラ又は能動ローラ58、60、84の何れかは、ワークピースWと係合されたときの摩擦接触を改善する摩擦性表面幾何学を含んでいてもよい。ローラ58、60、84の摩擦性表面幾何学は、より大きい及びより重いワークピースW(例えば、プラスチック裏張り層を有するワークピースW及び/又は幅Wが約12インチ(30.5センチメートル)よりも広いワークピースWを含む)であって、それゆえワークピースWのY、Y’給送方向への駆動運動及びワークピースWの追跡を滑りなしに維持するためにはローラ58、60、84により加えられるより高い挟み付け力を必要とするワークピースWをうまく扱うのを支援することができる。図10に見られる様に、幾つかの実施形では、ローラ58、60、84の何れかは、複数のピラミッド状突起によって画定されるローレット加工された表面を含んでいてもよい。各突起の機械加工されたピラミッド形状は、クラフト装置10の動作中に大きい外形のワークピースWをうまく扱うために必要な周期的荷重及び高圧力に耐える頑丈で堅牢なトポグラフィーを提供する。
【0080】
図1を参照して、クラフト装置10は、ワークピースWへの矢印G(例えば、図3図7図8、及び図17も参照)に従った引力の結果としてワークピースWが角度θ22付き作業面34から滑り落ちるのを防止する1つ又はそれ以上の追加のワークピース取り扱い構成要素86を含んでいてもよい。図1に見られる様に、1つ又はそれ以上の追加のワークピース取り扱い構成要素86は、作業面34の下流部分34に又は下流部分34に近接して配置されていてもよい。機能的には、1つ又はそれ以上の追加のワークピース取り扱い構成要素86は、ワークピースWがY、Y’給送方向に動かされてゆくときのワークピースWの位置決めを改善することができる。
【0081】
幾つかの構成では、ワークピース取り扱い構成要素86は1つ又はそれ以上のワークピースストッパを含んでいてもよい。1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86は、2通りの位置、即ち(1)例えば図7に見られる様に、上の位置又は配備位置と(2)例えば図8に見られる様に、下の位置又は格納位置、の一方に配置されるように、作業面34の下流部分34に又は下流部分34に近接して配置されることができる。図1図2図8、及び図13Aに見られる様に、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が下の位置又は格納位置に配置されたとき、上面(例えば、図7-8及び図11のワークピースストッパ86の上面86aを参照)は、作業面34と実質的に面一である。逆に、図4図6図11図15図16図23に見られる様に、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に従って上の位置又は配備位置に配置されたとき、ワークピースストッパ86の上面86aは、作業面34から離れて距離D86(例えば図11参照)を取って配置され、それによってワークピースストッパ86の本体部分88が露出する。更にまた、図11に見られる様に、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86は、以下の開示に説明される様に、作業面34の下流部分34によって形成された複数のワークピース吸引チャネル94bの吸引チャネルのうちの1つを画定する隆起壁96の間に配置されていてもよい。
【0082】
図7図8を参照して、幾つかの構成では、各ワークピースストッパ86は、クラフト装置10の別の構成要素の運動に応えて上述の様に選択的に引き上げられる及び下げられるようになっていてもよい。1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の選択的な引上げ及び下げられることは、例えば、支持アーム配備ボタン(例えば、図1図2図4図13A図13C図15、及び図23図24のボタン126を参照)の押下に応えて起こってもよい。より詳細に後述される様に、支持アーム配備ボタン126は、様々な実施形態によれば、ストッパリンケージ構造90(例えば、図18及び図19を参照)へ結合されていてもよい。図7図8に見られる様に、ストッパリンケージ構造90は、例えば、作業面34の下に位置していてもよい。様々な実施形態では、支持アーム配備ボタン126の押下は、例えば、アクチュエータレバー52が「上の(up)」位置(orientation)に入れられたことに応えて許容されてもよい。別の言い方をすれば、様々な実施形態によれば、アクチュエータレバー52が「下の(down)」位置(orientation)にある状態では支持アーム配備ボタン126は押せないようになっているが、アクチュエータレバー52の「下の」位置から「上の」位置への運動が支持アーム配備ボタン126を「ロック解除」し、その結果、支持アーム配備ボタン126がユーザによって押下されることが可能になるようになっていてもよい。したがって、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の選択的な引上げは、支持アーム配備ボタン126の手動ユーザ押下に応えて引き起こされることになる。しかしながら、代替的な実施形態では、ストッパリンケージ構造90は、アクチュエータレバー52のロッド部分56へ接続されていて、ハンドル部分54の回転に応えてロッド部分56へ付与される対応した回転が次にストッパリンケージ構造90を作動させるようになっていてもよい。
【0083】
したがって、図7に見られる様に、ハンドル部分54が上の位置又は配備位置にあるときには、支持アーム配備ボタン126の押下がストッパリンケージ構造90に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に推し進めさせ、その結果、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aは作業面34から離れて距離D86を取って配置され、それによって1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が露出する。図8に見られる様にワークピースストッパ86の配備を逆戻しするには、ハンドル部分54の「上の」位置から「下の」位置への回転がストッパリンケージ構造90に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ’方向に引き込ませることになり、その結果、(1)1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aが作業面34と整列され、(2)1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が作業面34より下方に配置されることになる。様々な実施形態では、ストッパリンケージ構造90のこのやり方での(アクチュエータレバー52を「上の」位置から「下の」位置へ枢動させることによる)作動は、更に、支持アーム配備ボタン126の再ロックをもたらす(即ち、押下できなくする)。ゆえに、要約すると、アクチュエータレバー52を「下の」位置から「上の」位置へ移行させることが、自動的にワークピースストッパ86を配備させる/引き上げるのではなく、代わりに支持アーム配備ボタン126をロック解除して押下可能にするので、それによって、その後、支持アーム配備ボタン126を押下してワークピースストッパ86の配備/引上げを引き起こさせることが可能になるわけである。また一方、アクチュエータレバー52を「上の」位置から「下の」位置へ移行させることが、自動的にワークピースストッパ86を格納させる/下げる(しかも、更に、支持アーム配備ボタン126を再ロックする)ようになっていてもよい。支持アーム配備ボタン126に関する追加の詳細事項は、以下に含まれている。
【0084】
図7及び図4図6図11図15図16図23に見られる様に、上の位置又は配備位置に配置されているときには、ワークピースWが最初に作業面34の上へ作業面34の上流部分34から作業面34の下流部分34に向かう方向に給送されるとき、ワークピースはY給送方向に給送されることができる。ロール状ワークピース材料が利用されるとき(即ち、ワークピースWがワークピース材料のロールWから繰り出されるとき)、ワークピース材料のロールWの質量が、ワークピースWが作業面34から滑り下がって落ちるのを防止するので、ワークピースストッパ86は不要である又は必要とされないかもしれない。とはいえ、ワークピースストッパ86は、ワークピースの目標給送位置を提供するためになおも選択的に配備されてもよい。つまり、ワークピースWの前縁は、それが1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に接触するまで作業面34を横切って給送されることができる。ワークピースWの前縁と1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88との接触は、ワークピースWの精密で再現性のある装填を確約することができる。
【0085】
更にまた、図7に見られる様に、作業面34は、例えば支持部材Sの上面Sに対して角度をなして(即ち、鋭角θ22に)配置されているので、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が上の位置又は配備位置に配置されたとき、及び、ワークピースWが支持マットWによって支持される実質的に平坦な事前構成済み形状W、Wを有しているとき(即ち、ワークピースが例えば図24に見られる様にロール状材料ではないとき)、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88は、ワークピースWへの矢印G(例えば、図1図3図8、及び図17も参照)に従った引力の結果としてワークピースWが作業面34から滑り落ちるのを防止し、それによって、作業面34が望ましからざるもワークピース滑り台として機能してしまうことのないようにする。つまり、図8を参照して、ワークピースWの前縁は1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して(例えば、当接し又は押し当てられて)配置されることができる。
【0086】
ワークピースWが適正に給送/装填された状態で、ユーザはハンドル部分54を下の位置へ回転させてもよく、するとそのことが同時に、(1)ストッパリンケージ構造90に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ’方向に引き込ませ(ワークピースストッパ86が支持アーム配備ボタン126の押下を介して選択的に配備されていた場合)、且つ(2)カムアクチュエータ48に、1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46を能動駆動ローラ60に向かって3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Z’に従った方向に動かしてピンチローラアーム46の受動ローラ58と能動駆動ローラ60に3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Z’の方向に従ったワークピースWへの挟み付け力を加えさせるようにする。1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の引き込み中及び引き込み後はワークピースWの互いに反対側の側辺部はローラ58、60によって挟み付けられているので、このときローラ58、60は、挟み付け力が3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Z’の方向に従ってワークピースWへ加えられる結果としてワークピースWが角度θ22付き作業面34から滑り落ちるのを防止することによって、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の機能を担う。更にまた、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が作業面34より下方に引き込まれた状態で、ローラ58、60は、ワークピースWへの「作業」を行うためにワークピースをY、Y’給送方向に自由に動かすことができる。1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の数、形状、間隔、及び寸法は、以上に記載の好都合な機能をなお遂行しながらもクラフト装置10の1つ又はそれ以上の実施形態で変えられてもよい。
【0087】
図16を参照して、他の構成では、ワークピース取り扱い構成要素は、ワークピースWの様々な幅Wに適応するために選択的に引き上げる及び下げることのできる複数の材料ガイド92を含んでいてもよい。図1図2図4図6図13A図13C図15図16、及び図23図24に見られる様に、複数の材料ガイド92は、第1の材料ガイド92a、第2の材料ガイド92b、及び第3の材料ガイド92cを含んでいてもよい。
【0088】
図13A図15、及び図16に見られる様に、複数の材料ガイド92は、それぞれが作業面34から引き上げること又は下げることができるようになった3つの材料ガイドを含んでいてもよい。図16を参照して、3つの材料ガイド92は、第1の材料ガイド92a(第1のレール支持部材34aに近接して配置)と、第2の材料ガイド92b(第2のレール支持部材34bに近接して配置)と、第1の材料ガイド92aと第2の材料ガイド92bの間又は中央に配置された第3の中央又は中間材料ガイド92cと、を含んでいてもよい。更にまた、図16に見られる様に、中間材料ガイド92cは、3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に中間能動駆動ローラ84と整列されていてもよい。
【0089】
幾つかの事例では、ユーザは、3つの材料ガイド92a、92b、92cのうちのどれを作業面34に対して引き上げる又は下げるかを手動で構成するようになっていてもよい。ユーザによって手動で引上げ位置に配置されたとき、上の位置又は引上げ位置に配置された1つ又はそれ以上の材料ガイド92a-92cは、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行うときには上の位置又は引上げ位置に留まり、したがって、例えば図13B図13C及び図24に見られる様に、ワークピースWの互いに反対側の縁は1つ又はそれ以上の材料ガイド92のうちの少なくとも2つの材料ガイド(例えば、第1の材料ガイド92a及び第2の材料ガイド92bを参照)によって物理的に束縛され、その結果、ワークピースWの整列は、ワークピースのY、Y’給送方向への運動の間中維持される。
【0090】
図13Bを参照して、或る実施例では、第1の材料ガイド92a及び第2の材料ガイド92bが上の位置又は引上げ位置に配置される一方で中間材料ガイド92cは下の位置又は下げられた位置に配置されてもよく、そうすると「より幅広」のワークピースWを、第1のレール支持部材34aに近接して配置された第1の材料ガイド92aと第2のレール支持部材34bに近接して配置された第2の材料ガイド92bとによって画定される2つの最も外側の材料ガイドによって案内できるようになる。代替的に、他の構成では、第1のレール支持部材34aに近接して配置された第1の材料ガイド92aと中間材料ガイド92cとが上の位置又は引上げ位置に配置され(一方、第2のレール支持部材34bに近接して配置された第2の材料ガイド92bは下の位置又は下げられた位置に配置され)てもよく、そうすると、「より幅狭」のワークピースWを、最も外側の材料ガイドのうちの1つ(即ち、第1の材料ガイド92a)と中間材料ガイド92cとによって案内できるようになり、その様な或る例示としての構成では、第2のレール支持部材34bに近接して配置されたピンチローラアーム46は、スライド式に調節されるピンチローラアーム46の受動ローラ58を中間能動駆動ローラ84と実質的に整列させるために3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X’の方向に従ってスライド式に調節されてもよい。したがって、スライド式に調節されたピンチローラアーム46の受動ローラ58は中間能動駆動ローラ84と共に、ワークピースWの外縁を挟み付け、ワークピースWの3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向の運動を生じさせることに寄与することができ、その間、中間材料ガイド92cが、スライド式に調節されたピンチローラアーム46の受動ローラ58と中間能動駆動ローラ84に近接して配置されているワークピースWの外縁を案内する。
【0091】
図16を参照して、他の構成では、ワークピース取り扱い構成要素は、作業面34によって形成される複数のワークピース吸引チャネル94を含んでいてもよい。図16に見られる様に、複数のワークピース吸引チャネル94は、第1の複数のワークピース吸引チャネル94a及び第2の複数のワークピース吸引チャネル94bを含んでいてもよい。第1の複数のワークピース吸引チャネル94a及び第2の複数のワークピース吸引チャネル94bは、図1図2図4図6図13A図15、及び図23にも見られる。
【0092】
図11図12及び図16を参照して、第1の複数のワークピース吸引チャネル94a(例えば、図12参照)は、作業面34の上流部分34によって形成されていてもよい。第2の複数のワークピース吸引チャネル94b(例えば、図11参照)は、作業面34の下流部分34によって形成されていてもよい。幾つかの構成では、図1及び図11図12に見られる様に、作業面34の中間部分34は、ワークピース吸引チャネル94を含んでいない。
【0093】
図11図12及び図16に見られる様に、複数のワークピース吸引チャネル94の各ワークピース吸引チャネル94a、94bは、その両側に隆起壁96を含み、その近く又はその端に開口部98を有している。図11図12に見られる様に、クラフト装置10は、作業面34より下方に配置されていて例えばベース部20内に収容されている真空源95を含んでいてもよい。真空源95はハンドル部分54が下の位置に配置されたことに応えてアクティブ化されるようになっていてもよく、及び/又は、真空源95はCPU3000からの制御信号に応えて作動されるようになっていてもよい。例えば、より詳細に後述される様に、吸引チャネル94A、94bを介した吸引は、ユーザがワークピースWへの「作業」の遂行を起動したことに応えてCPU3000を介して制御されてもよい。上述の通り、概して図11図12に見られる様に、ハンドル部分54はアクチュエータレバー52のロッド部分56へ接続されていて、ハンドル部分54が回転すると対応する回転がロッド部分56へ付与されるようになっており、このロッド部分が真空源95のアクチュエータへ接続されていてもよい。真空源95が作動され又はオンにされると、真空源95は、各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れ、空気は続いてクラフト装置10のベース部20の下面24によって形成された1つ又はそれ以上の開口部99(例えば、図6参照)から外へ抜かれる。
【0094】
動作中、ワークピースWの下面W(例えば、図7図8参照)が隆起壁96に載ったとき、真空源95によって、空気が複数のワークピース吸引チャネル94の各ワークピース吸引チャネル94a、94bから各開口部98の中へ引き入れられる。したがって、ワークピースWが複数のワークピース吸引チャネル94に被さって配置されたとき、そこから開口部98の中へ空気が抜かれる。ワークピースWより上方の上面W(例えば、図7図8を参照)での空気の流れに対する空気の速度、又は空気の欠如は、ワークピースWの下面Wを、少なくとも、複数のワークピース吸引チャネル94を含んでいる作業面34の下流部分34及び作業面34の上流部分34の上へ下向きに推し進める圧力差を作り出す。
【0095】
幾つかの構成では、開口部98は、作業面34の上流部分34に近接して形成されたワークピース吸引チャネル94であろうと作業面34の下流部分34に近接して形成されたワークピース吸引チャネル94であろうと、複数のワークピース吸引チャネル94の何れかの端に配置されることができる。開口部98が配置されているワークピース吸引チャネル94の端は、複数のワークピース吸入チャネル94を通る空気流れの方向を決定する。少なくとも1つの実施形態では、図11に示される作業面34の下流部分34に近接して形成された複数のワークピース吸引チャネル94を通る空気流れの方向は、図12に示される作業面34の上流部分34に近接して形成された複数のワークピース吸引チャネル94を通る空気流れの方向と同じであってもよいし又は異なっていてもよい。加えて、作業面34の下流部分34及び作業面34の上流部分34のそれぞれによって形成されたワークピース吸引チャネル94の各セットの方向は、印刷デバイス12及び裁断デバイス14を含むキャリッジ16がレール18上に可動式に配置されている作業面34の中間部分34に向かっていてもよいし又は離れていてもよい。
【0096】
作業面34の下流部分34及び/又は作業面34の上流部分34に近接して形成された複数のワークピース吸引チャネル94は、異なる幅Wを有する様々なワークピースWに適応するように構成されるのが好都合である。例えば、ワークピースWの幅Wが狭くなるにつれて、ワークピース吸引チャネル94のうちより多くのチャネル94が露になるが、残りの覆われたワークピース吸引チャネル94が、十分にワークピースWを作業面34の下流部分34及び作業面34の上流部分34のそれぞれの上へ下向きに押し進める。このやり方では、より幅狭のワークピースWは、ワークピース吸引チャネル94の幾つかを露出させるが、ワークピースWの下面Wへ加えられる吸引力を比例的に弱めるわけではない。
【0097】
幾つかの実施形態では、ワークピースWがワークピース材料のロールWから繰り出されたときに、繰り出されたワークピースWが、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行う際の作業面34の全面積に対して一貫して横たわるように、作業面34の上流部分34及び/又は作業面34の下流部分34は湾曲している。その様な湾曲は、更に、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行うときの、ワークピースWの作業面34からの横方向(3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従った)バンピング又は(3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Zの方向に従った)リフティングを最小限にすることができる。図3及び図5を参照して、ワークピース材料のロールWは、或る長さのワークピース材料が(例えば、図13B図13Cに見られる様に)以降の作業面34の上流縁34との接面に備えてワークピース材料のロールWから繰り出されることができるように、クラフト装置10のベース部20の後面28に対向して格納されており、その後、クラフト装置10の1つ又はそれ以上の構成要素(例えば、能動駆動ローラ60及び中間能動駆動ローラ84のうちの1つ又は全部)がワークピース材料のロールWからのワークピース材料の繰り出された長さを作業面34の下流部分34に向かう方向に(即ち、3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に)進めることになる。
【0098】
上述の様に、クラフト装置10は、ワークピース材料のロールWに由来しないワークピースW(例えば、ワークピースWは、一例として図24に見られる様に、既定長さWと既定幅Wを有する固定寸法W、Wの事前構成済み形状によって画定されていてもよい)へ「作業」を行うこともでき、更にまた、既定長さWと既定幅Wの事前構成済み形状を有するワークピースWは、作業部22の作業面34の幅(例えば、図17及び図24の幅W34参照)を越えて延びる幅Wを有していることによって「相対的に大きい」ワークピースWであると定義されることもある。
【0099】
図17及び図23図24を参照して、作業面34の幅W34は、概して、作業面34の下流部分34の縁と作業面34の上流部分34の縁の間を延びているとしてもよい。したがって、図17図24を参照して、ユーザが「相対的に大きい」ワークピースWをクラフト装置10と接面させることを選択したときの様な状況では、ユーザは、1つ又はそれ以上の支持アーム(即ち、下流支持アーム100及び上流支持アーム100)を配備することによって、クラフト装置10を構造的に再構成することができる。1つ又はそれ以上の支持アーム100、100が例えば図17及び図23図24に見られる様に配備構成に配置されたとき、作業部22の作業面34の幅W34は、図24に見られる様に「相対的に大きい」ワークピースWが3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に動かされる際に「相対的に大きい」ワークピースWための補足的な支持を提供するために、(例えば、図17に見られる支持部材Sの幅Sよりも大きい)延長された幅W34’へ有効に拡張され、作業面34の下流部分34の縁及び作業面34の上流部分34の縁を越えて延びる。
【0100】
図17を参照して、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は作業面34と整列され、作業面34と同様に1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は実質的に鋭角θ22に配置される。配備位置に配置されたとき、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は、(1)例えば図24に見られる様に、作業面34の下流部分34の縁及び作業面34の上流部分34の縁を越えて「相対的に大きい」ワークピースWのための支持を提供し、且つ、(2)「比較的大きい」ワークピースWの上流部分及び下流部分が作業面34の下流部分34の縁及び作業面34の上流部分34の縁を越えて延びることで「相対的に大きい」ワークピースWの弓反りを最小限にする。その結果、「相対的に大きい」ワークピースWの弓反りが最小限になるので、「相対的に大きい」ワークピースWへ行われる「作業」(例えば、裁断及び他の変更)の向上した品質が、クラフト装置10によって実現される。
【0101】
図18図19を参照すると、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の運動を生じさせるための回転機構102が示されている。更にまた、図20図22を参照すると、物体又はユーザが意図的に又は意図せずに1つ又はそれ以上の支持アーム100、100に接触したことに応えて、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の回転機構102からの分離を可能にする安全離脱式カップリング104が示されている。
【0102】
最初に図18及び図19を参照して、回転機構102は、略「L字型」ピボットブラケット106を含んでいる。ピボットブラケット106は、中心ねじ108(即ち、「L字型」ピボットブラケット106のピボット点)周りに回転可能に作業部22の下面32の内部表面部分32へ結合されている。回転機構102の下流リンケージ部材110の第1端がピボットブラケット106の第1端へ回転可能に接続されている。回転機構102の上流リンケージ部材112の第1端が、ピボットブラケット106の第2端へ回転可能に接続されている。
【0103】
回転機構102は、更に、ピボットブラケット106を付勢するコイルばね部材114を含んでいてもよい。コイルばね部材114の第1端が、ピボットブラケット106のフランジ部分116の遠位端へ接続されている。コイルばね部材114の第2端が、作動部22の下面32の内部表面部分32の固着点32へ接続されている。下流リンケージ部材110の第2端が、下流ピボットレバー118の第1端へ回転可能に接続されている。上流リンケージ部材112の第2端が、上流ピボットレバー120の第1端へ回転可能に接続されている。
【0104】
図18を参照して、回転機構102は、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100を格納位置に選択的に配置するための第1の位置に配置されている。格納位置に配置されているとき、上流支持アーム100は、作業部22の後面36によって形成されたスロット又は陥凹122に実質的に隣接して又はスロット又は陥凹122内に配置されることができる。同様に、格納位置に配置されているとき、下流支持アーム100は、作業面34の下流部分34の縁に近い作業部22の前面38によって形成されたスロット又は陥凹124(例えば、図4のスロット又は陥凹124も参照)に実質的に隣接して又はスロット又は陥凹124内に配置されることができる。
【0105】
図18に見られる様な幾つかの構成では、上流ピボットレバー120は、上流支持アーム100を対応してオーバークロック/過回転させるために、意図的に「オーバークロック」/過回転されるようになっていてもよい。図3及び図13A図13Cに見られる様に、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は、例えばクラフト装置10がワークピース材料のロールWに由来するワークピースWへ「作業」を行うときには、上流支持アーム100が作業面34の上流部分34の端の上を案内されるワークピース材料Wに干渉しないように、格納位置に配置されることができる。
【0106】
図19を参照すると、回転機構102のピボットブラケット106は、(図18のピボットブラケット106の位置に関して)反時計回りの方向に回転されたところが示されており、これにより、下流リンケージ部材110、上流リンケージ部材112、下流ピボットレバー118、及び上流ピボットレバー120への対応する回転が生じる。回転機構102は、例えば、支持アーム配備ボタン(例えば、図1図2図4図13A図13C図15、及び図23図24のボタン126を参照)の押下に応えて作動されるようになっていてもよい。図19に見られる様に配備位置に配置されたとき、上流支持アーム100は作業部22の後面36によって形成されたスロット又は陥凹122から離れて配置されることができ、上流支持アーム100は作業部22の後面36に対して略垂直に位置される。同様に、図19に見られる様に配備位置に配置されたとき、下流支持アーム100は作業部22の前面38によって形成されたスロット又は陥凹124から離れて配置されることができ、下流支持アーム100は作業部22の前面38に対して略垂直に位置される。様々な実施形態では、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の枢動運動は、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系のX-Y平面内に起こる。言い方を変えれば、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の枢動運動によって画定される平面は、「作業上の」3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に垂直であるとしてもよい。
【0107】
上述の様に、クラフト装置10は、ワークピースWへ「作業」を行うクラフト装置10の複数の構成要素(例えば、印刷デバイス12、裁断デバイス14、キャリッジ16、及びレール18)が、常時、周囲の環境へ露出するように、「扉無し」となるように設計されている。したがって、クラフト装置10の幾つかの構成では、上流支持アーム100及び下流支持アーム100が、(例えば図18に見られる様に)作業部22の後面36によって形成されたスロット又は陥凹122及び作業部22の前面38によって形成されたスロット又は陥凹124の中に(例えば、図1図6図13A図13C、及び図18に見られる様に)それぞれ格納位置に配置されているときに、クラフト装置10の複数の構成要素12、14、16、18はワークピースWへ「作業」を行うことを許容されるのであるが、対照的に、扉を含んでいるクラフト装置ならば、扉が閉じ位置又は格納位置に配置されたときには、クラフト装置10が許容している様にワークピースWが例えば図13A図13Cに見られる3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に動かされることを扉が許容しようとしない事実に因り、ワークピースWへ「作業」を行うことができないはずである。
【0108】
更にまた、図17及び図19図24に見られる様に、「扉無し」クラフト装置10の上流支持アーム100及び下流支持アーム100が、(例えば、図19に見られる様に)作業部22の後面36によって形成されたスロット又は陥凹122及び作業部22の前面38によって形成されたスロット又は陥凹124から離れてそれぞれ配備位置に配置されたとき、上流支持アーム100及び下流支持アーム100は支持部材Sの上面Sに平行に配置されていない。したがって、上流支持アーム100と下流支持アーム100が配備位置に配置されたとき、作業部22の作業面34の幅W34は、延長された幅W34’へ鋭角θ22で有効に拡張される。上流支持アーム100及び下流支持アーム100は、作業面34と共に鋭角θ22を成して配置されるので、(作業部22の前面38が支持部材Sの前縁Sに近く配置されているとき)下流支持アーム100は支持部材Sの上面Sより下方に距離(例えば、図17のD100Dを参照)を取って配置されることが許容され、上流支持アーム100は支持部材Sの上面Sより上方に距離(例えば、図17のD100Uを参照)を取って配置されることが許容され、つまりワークピースWへ「作業」を行うクラフト装置10の複数の構成要素12、14、16、18の最も上側の部分より上方に距離(例えば、図17の距離D100を参照)を隔てたクラフト装置10の最も上側の部分を画定することになる。
【0109】
次に、図20図22では、安全離脱式カップリング104が説明される。以下の開示は、下流支持アーム100と下流ピボットレバー118の安全離脱式カップリング104に向けられているが、以下の説明は、同じく、上流支持アーム100と上流ピボットレバー120にも当てはまる(即ち、上流支持アーム100と上流ピボットレバー120も、クラフト装置10のもう1つの又は第2の安全離脱式カップリング104を画定するための同様の構成要素を含むことができる)。
【0110】
まず、図20を参照すると、下流支持アーム100と下流ピボットレバー118が離脱式構成で互いへ結合されていることが示されている。安全離脱式カップリング104は、磁気結合を含み、それによって、(1)下流支持アーム100は、第1の磁石128を含み、(2)下流ピボットレバー118は、第2の磁石130を含んでいてもよい。第1の磁石128と第2の磁石130は、下流支持アーム100の下流ピボットレバー118への磁気結合を提供する。
【0111】
更にまた、図21及び図22に見られる様に、安全離脱式カップリング104は、摩擦嵌め構成を含み、それによって、例えば、下流支持アーム100が、下流ピボットレバー118によって形成された1つ又はそれ以上の雌部分134内に受け入れられ摩擦式に結合される1つ又はそれ以上の雄部分132を含んでいてもよい。更にまた、図21及び図22に見られる様に、安全離脱式カップリング104は、下流ピボットレバー118から下流支持アーム100によって形成されたチャネル138(例えば、図20を参照)の中へ延びるバンジー部材136を含み、バンジー部材136によって下流ピボットレバー118を下流支持アーム100へ可撓的に接続するようにしてもよい。
【0112】
安全離脱式カップリング104は、クラフト装置10への損傷を機能的に軽減する。図17及び図23図24を参照して、例えば、支持部材Sの前縁Sと後端Sの一方又は両方を越えて延びている1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の配備構成にユーザが気付かず、意図せずして1つ又はそれ以上の支持アーム100、100へ突っ込んでしまったり支持アーム100、100に強く触れてしまったりした場合に、安全離脱式カップリング104が、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100の対応するピボットレバー118、120からの離脱又は分離を意図的に許容することができる。したがって、例えば、ユーザが不注意にも下流支持アーム100と上流支持アーム100の一方又は両方を下流ピボットレバー118及び上流ピボットレバー120からそれぞれ分離させた場合、ユーザは、(1)磁石128、130を結合すること、及び(2)1つ又はそれ以上の雄部分132を1つ又はそれ以上の雌部分134へ結合すること、のうちの1つ又はそれ以上によって、下流支持アーム100及び上流支持アーム100の一方又は両方を、下流ピボットレバー118及び上流ピボットレバー120からそれぞれ再接続することができる。バンジー部材136によって提供される可撓性結合は、他の2つの結合特徴(例えば、参照符号128、130及び132、134に見られる)が接続解除された後さえも、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100をピボットレバー118、120へ緩く結合された状態に保持することができる。つまり、バンジー部材136は、離脱事象の後に、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100をクラフト装置10へ非剛性様式で接続されたままにし、それによって、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100がクラフト装置10から完全に接続解除されてしまう(そして潜在的には失われる)ことのないようにする。
【0113】
図26を参照すると、レール18の断面端面図が示されている。印刷デバイス12及び裁断デバイス14を含むキャリッジ16の例示としての側面図も示されている。
【0114】
図26に見られる様に、レール18は、外面142及び内面144を有する細長本体部材140を含んでいる。内面144は、細長本体部材140を貫いて延びるキャビティ146を画定している。レール18の本体部材140の外面142の1つ又はそれ以上の部分は、例えば、1つ又はそれ以上のチャネル80、1つ又はそれ以上のフック部分82などを含むハウジング78の前面78(例えば、図7図8を参照)に係合するように構成された全体を142で示される嵌合可能な構造を含んでいてもよい。上述の様に、ハウジング78の前面78をレール18の細長本体部材140の外面142によって形成された嵌合可能な構造142へ接続することは、レール18に対する1つ又はそれ以上のピンチローラアーム46のスライド式調節を可能にする。
【0115】
幾つかの構成では、複数の壁部材148-152が、キャビティ146の内部に配置され、キャビティ146を横切って延びていてもよい。複数の壁部材148-152は、水平壁部材148、上部垂直壁部材150、及び下部垂直壁部材152を含んでいてもよい。水平壁部材148は、キャビティ146を横切って延び、細長本体部材140の前部分によって画定される内面144の一部分を、細長本体部材140の後部分によって画定される内面144の別の部分へ接続していてもよい。上部垂直壁部材150は、水平壁部材148の上面から延び、水平壁部材148の上面を細長本体部材140の上部分によって画定される内面144の一部分へ接続していてもよい。下部垂直壁部材152は、水平壁部材148の下面から延び、水平壁部材148の下面を細長本体部材140の下部分によって画定される内面144の一部分へ接続していてもよい。
【0116】
上述され、図26に見られる様に、複数の壁部材148-152の例示としての構成の結果として、細長本体部材140を貫いて延びるキャビティ146は、複数のサブキャビティ146a-146dによって画定されているとしてもよい。細長本体部材140を貫いて延びる複数のサブキャビティ146a-146dは、第1サブキャビティ146a、第2サブキャビティ146b、第3サブキャビティ146c、及び第4サブキャビティ146dを含んでいてもよい。
【0117】
第1サブキャビティ146a及び第2サブキャビティ146bは、上部垂直壁部材150が水平壁部材148の上面から延びている結果として、代替的に第1上部サブキャビティ146a及び第2上部サブキャビティ146bと呼ばれることもある。第3サブキャビティ146c及び第4サブキャビティ146dは、下部垂直壁部材152が水平壁部材148の下面から離れて延びている結果として、代替的に第1下部サブキャビティ146c及び第2下部サブキャビティ146dと呼ばれることもある。
【0118】
図26に見られる様に、第1上部サブキャビティ146aは、印刷デバイス12、裁断デバイス14、及びキャリッジ16へ接続された可撓性制御ケーブル154を収納するサイズである。幾つかの構成では、第2上部サブキャビティ146bは構成要素を収納しておらず、したがって、代替的には上部空隙キャビティと呼ばれてもよい。可撓性制御ケーブル154は、ワークピースWへの「作業」を行うために印刷デバイス12、裁断デバイス14、及びキャリッジ16の何れかの運動を生じさせる及び/又は何れかを作動させるために、CPU3000からの信号を、印刷デバイス12、裁断デバイス14、及びキャリッジ16へ提供する。
【0119】
同じく図26に見られる様に、第2下部キャビティ146dは、キャリッジ16へ接続されたキャリッジ運動ベルト156を収納するサイズである。クラフト装置10は、キャリッジの運動を、キャリッジ運動ベルト156を介して駆動するように構成されたキャリッジ運動モータを更に含んでいてもよい。キャリッジ運動モータは、作業部内(例えば、一方のレール支持部材34a、34bの内)に配置/収納されていて、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ったキャリッジ16の運動を付与するために、キャリッジ運動ベルト156の運動を駆動するための信号をCPU3000から受信するようになっていてもよい。
【0120】
様々な実施形態では、キャリッジ16は、印刷デバイス12及び/又は裁断デバイス14に対してレール18の反対側に位置していてもよい工具運動モータ158を支持するようにも構成されている。工具運動モータ158は、可撓性制御ケーブル154を介してCPU3000と電子制御通信式に結合され、その結果、工具(即ち、印刷デバイス12及び/又は裁断デバイス14)の3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Z、Z’(即ち、ワークピースWに向かう及び/又はワークピースWから離れる)方向への運動を達成するように選択的に作動されることができる。幾つかの構成では、第1下部サブキャビティ146cは、構成要素を収納しておらず、したがって、代替的に下部空隙キャビティと呼ばれてもよい。工具運動モータ158は、印刷デバイス12及び/又は裁断デバイス14へ、例えばギヤ159などを介して接続される。
【0121】
複数のサブキャビティ146a-146dは、幾つかの恩恵をもたらす。第1に、レール18が複数のサブキャビティ146a-146dを含んでいるので、レール18は中実ではなく、結果として、クラフト装置10の重量を削減する。第2に、第1上部サブキャビティ146a及び第2下部キャビティ146dが、可撓性制御ケーブル154及びキャリッジ運動ベルト156をそれぞれ収納しているので、レール18は、可撓性制御ケーブル154及びキャリッジ運動ベルト156を概してユーザの視界から見えないようにした又は隠した審美的に心地よい設計を提供する。更にまた、可撓性制御ケーブル154及びキャリッジ運動ベルト156を、第1上部サブキャビティ146a内及び第2下部キャビティ146d内にそれぞれ配置することによって、可撓性制御ケーブル154及びキャリッジ運動ベルト156が周囲の環境から保護され、これにより、クラフト装置10の使用中の可撓性制御ケーブル154及びキャリッジ運動ベルト156への損傷が防止できる。
【0122】
図26図29を参照すると、キャリッジ16のホイールシステム160が示されている。ホイールシステム160は、キャリッジ16をレール18へ少なくとも部分的に固定し、キャリッジ16がレール18に沿って3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従って横方向に往復して転動できるようにする。ハウジング及び1つ又はそれ以上のホイール162とキャリッジ16の間の接続構成要素の幾つかは、説明目的のために図26図29から取り払われている。
【0123】
例えば図29に見られる様に、幾つかの構成では、ホイールシステム160は、複数のホイール162を含んでいる。図26及び図27を参照して、ホイールシステム160の1つ又はそれ以上のホイール162のうちの少なくとも1つのホイール162は、レール18の細長本体部材140の外面142によって形成され外面142に沿って延びているグルーブ164内に配置されるように且つグルーブ164に当てて乗るように構成されていてもよい。
【0124】
図27に見られる様に、グルーブ164は、第1面部分164a及び第2面部分164bを含んでいてもよい。幾つかの実施例では、グルーブ164を形成しているレール18の細長本体部材140の外面142は、レール18の細長本体部材140の外面142の上縁又は上面142であってもよい。
【0125】
引き続き図27を参照して、1つ又はそれ以上のホイール162はグルーブ164の第1面部分164aに当てて乗っていてもよい。更に図27に見られる様に、ホイールシステム160の、ホイール162に対して直交に配置されている別のホイール166が、グルーブ164の第2の面164bに当てて乗っていてもよい。
【0126】
図29を参照して、キャリッジ16のホイールシステム160は、全体を168で示されている第1のホイール対と、全体を170で示されている第2のホイール対とを含んでいてもよい。第1のホイール対168及び第2のホイール対170のそれぞれは、互いに直交に配置され且つグルーブ164に当てて配置された第1及び第2のホイール162、166を含んでいてもよく、第1及び第2のホイール162、166は、上述の様にグルーブの第1面部分164及び第2面部分164bに当ててそれぞれ配置されている。
【0127】
図26図29には示されていないが、幾つかの構成では、互いに対して直交に配置されている1つ又はそれ以上のホイール162、166は、更に、図27に示されているのと同様の様式で、レール18の下縁の、対応して形成されたグルーブに乗るように構成されていてもよい。図29は、レール18の上部グルーブ164内の第1のホイール対168及び第2のホイール対170によって画定される合計4つのホイールを示している(レール18に対するホイール162、166の場所を示すために、キャリッジ16のアセンブリから接続構成要素は取り払われている)。ホイール162、166とレール18の間の様々な面及び角度は、キャリッジ16とレール18の間にしっかりとして一貫した接触を提供する。
【0128】
図1図2図6図13A図13C図15、及び図23図24を参照して、クラフト装置10は、CPU3000へ通信可能に結合された複数の制御ボタン172-176を含んでいてもよい。幾つかの実施形では、複数の制御ボタン172-176は、第2のレール支持部材34bによって支持されていてもよい。
【0129】
複数の制御ボタン172-176は、第1制御ボタン172、第2制御ボタン174、及び第3制御ボタン176を含んでいてもよい。第1制御ボタン172は、「上の/下の矢印」表示を含んでいてもよい。第2制御ボタン174は、「三角形のプレイ矢印」表示を含んでいてもよい。第3制御ボタン176は、「ポーズ記号」表示を含んでいてもよい。
【0130】
幾つかの事例では、ユーザが、装填されたワークピースWを、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印Y、Y’に従ったどちらかの給送方向に手動で進めることを望んだ場合、ユーザは第1制御ボタン172を押下することができる。幾つかの実施例では、ユーザがワークピースWをクラフト装置10上へ装填した後、ユーザがワークピースWへ「作業」を行うプロセスを起動することを望んだ場合、ユーザは第2制御ボタン174を押下することができる。他の実施例では、クラフト装置10がワークピースWへ「作業」を行っている過程の最中に、ユーザが「作業」を一時停止することを望んだ場合、ユーザは第3制御ボタン176を押下することができる。
【0131】
更にまた、図1を参照して、クラフト装置10は、ブレードガイドチャネル178を含んでいてもよい。幾つかの構成では、ブレードガイドチャネル178は、作業面34の下流部分34の縁に近い作業部22の前面38の少なくとも一部分によって形成されていてもよい。幾つかの実施例では、クラフト装置10は、ブレードガイドチャネル178と接面するように構成されたブレード180を含んでいてもよい。ユーザは、クラフト装置10によってワークピースWへ行われていた「作業」が完了した後に、余った又は残りのワークピース材料Wを切断するために、ブレード180を、(ワークピースWがブレードガイドチャネル178の上に配置された状態で)ブレードガイドチャネル178を横切って(3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従って)スワイプさせるように使用することができる。幾つかの実施形態では、裁断デバイス14は、例えば、一例としてボタン174の押し又はCPU3000へのユーザ入力によって提供される別のユーザ起動型工程があったときに、ワークピースWの自動カットオフを提供することによって機能する切断ブレードを含んでいてもよい。他の実施形態では、ブレード180は取り外し式及び/又は再構成可能であってもよい。他の実施形では、裁断デバイス14がワークピースWの中へ裁断溝を形成するようになっていてもよく、裁断溝はワークピースWを切断するためにブレード180をワークピースWに隣接して位置付けるための視覚的ガイドをユーザに提供するだろう。
【0132】
幾つかの実施形では、ワークピースW(ワークピース材料のロールWを供給源とする)への「作業」が終了したとき、ユーザは、3次元X-Y-Zデカルト座標系の給送方向矢印Yに従った方向にワークピースWを進めるために、第1制御ボタン172を押下してもよい。ユーザが「作業施行」ワークピースWを3次元X-Y-Zデカルト座標系の給送方向矢印Yに従った方向に十分に進めたら、ユーザは、「作業施行」ワークピースWの運動を止めるために第1制御ボタン172を解放してもよい。その後、ユーザは、ブレード180をブレードガイドチャネル178と接面させ、3次元X-Y-Zデカルト座標系の矢印X、X’の方向に従ってブレード180を動かしてもよい。ユーザがブレードガイドチャネル178内でブレード180を動かしてゆくと、ブレード180は、更に、ワークピース材料のロールWから延びるワークピースWの「作業非施行」部分から「作業施行」ワークピースWを切断するためにワークピースWと接触する。ブレード180は図1にはクラフト装置10に関して別体の部材として示されているが、他の構成では、ブレード180は、ブレードガイドチャネル178に近く又は近接してクラフト装置10へスライド式に接合されていてもよい。様々な実施形態では、クラフト装置10は、工具クランプの1つ(例えば、印刷デバイス12を保持するように構成された工具クランプ)へ挿入され得る自動裁断工具を含んでいる。その様な実施形態では、CPU3000は、ワークピースの作業非施行部分から作業施行ワークピースWを分離するためにワークピースWの自動切断を遂行するように構成されていてもよい。
【0133】
図14A図14Dは、クラフト装置10が第1の型式のワークピース源(例えば、ワークピース材料のロールW)へ「作業」を行うように選択的に構成されたときに、クラフト装置10を利用する方法200のための諸動作の或る例示としての配列のフローチャートを提供している。図25A図25Eでは、製作装置10が第2の型式のワークピース源(例えば、実質的に平坦な事前構成済み形状W、Wを有するものであって支持マットWによって支持されることもあれば支持されないこともあるワークピースWであり、それによって、場合により、ワークピースWは、相対的に「大きい」ワークピースWと定義されることもある)へ「作業」を行うように選択的に構成されたときにクラフト装置10を利用する方法が全体を300で示されている。関連の図に描かれている方法200、300は、概略的なフローチャート線図であり、複数の工程を記載している。諸工程は、本明細書で別途指定されない限り、必ずしもそれらが提示されている順序で実行されなくてもよい。また、ラベル付けされた工程は、方法の全ての見込まれる及び実施可能な工程を開示するために含まれており、ゆえに、様々な実施形態において、特定の工程は、省略され、順序が変更され、又は実質的に同時に遂行されることもあり、又は、それ以外に描かれているものとは異なることもあり得る。言い方を変えれば、描かれた工程の全部が実施されるとは限らず、ゆえに、方法200、300は、描かれた工程の全部よりも少ない工程を含むこともある。
【0134】
図14Aを参照して、方法200は、アクチュエータレバー52を(図3図4図6図13A図13Bに見られる様に)「上の位置」に配置する202工程を含み、それによって、アクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に延びる。アクチュエータレバー52を「上の位置」に配置した結果として、ロッド部分56が、ストッパリンケージ構造90に、随意的に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向への配備位置に推し進めさせ204、その結果、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aが作業面34から離れて距離D86を取って配置され、それによって1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が露出する。上述の様に、様々な代替的な実施形態では、ワークピースストッパ86の配備はアクチュエータレバー52の運動に応えて自動的に作動されるのではなく、代わりに、アクチュエータレバー52の前記運動は、単に支持アーム配備ボタン126を「ロック解除」し、それによって配備ボタンを押下可能にするだけであり、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の配備を引き起こすのはボタンの押下である。
【0135】
更にまた、アクチュエータレバー52が「上の位置」に配置された結果、ロッド部分56はカムアクチュエータ48の構成要素を第1の位置に配置させ206、それによって、図7に見られる様に、(1)カム部材66の下端66はピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合し、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「下の位置」へ枢動させるためにピボットブラケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね74から張力が取り除かれる。ロッド部分56の回転が、カムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図7に示されている様に配置させたとき206、ピンチローラアーム46の第2端46bは、矢印Zに従った方向に能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34から離れて配置される208。
【0136】
更に、方法200は、随意的には、アクチュエータレバー52が「上の位置」に配置された結果として、真空源95が非アクティブ化状態に構成される210工程を含んでいてもよく、それによって、真空源95は各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れない。更にまた、ユーザは、複数のワークピース材料ガイド92の一対のワークピース材料ガイド92a、92b、92cを配備位置に配置してもよい212。
【0137】
ワークピース取り扱い構成要素の1つ又はそれ以上が202-212工程にて上述されている様に配置された後、ユーザは、次いで、ワークピース材料のロールWからワークピースWの一部分を繰り出し214、次いで、ワークピースWの当該部分の前縁を作業面34の上流部分34の上に配置することができる216。その後、フローチャートの図14Bが描いている様に、ユーザは、継続して、ワークピース材料のロールWからワークピースWの一部分を繰り出し214、ワークピースWの当該部分の前縁を作業面34の中間部分34の上に配置する218。その後、図14Bのフローチャートが描いている様に、ユーザは、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部を、概して、ワークピースWの当該部分の前縁を3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に案内するために配備位置に配置されている複数のワークピース材料ガイド92のうちの一対のワークピース材料ガイド92a、92b、92cの間に配置する220。
【0138】
1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が、随意的に、ストッパリンケージ構造90によって配備位置へ推し進められていた場合204、ユーザは、随意的に、ワークピースWの当該部分の前縁を1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して配置してもよい222。随意的にワークピースWの当該部分の前縁を1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して配置する222工程は、ワークピース材料のロールW(クラフト装置10のベース部20の後面28に対向して格納されている)が錨と同様の様式でワークピースWの繰り出された214部分を作業面34に隣接して保持することから生じ、その結果、ワークピースWの繰り出し214部分は重力Gの結果として作業面34から滑り落ちるのを防止される。
【0139】
ワークピースWの当該部分の前縁が作業面34の中間部分34の上に配置されたら218、ユーザは、次いで、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部を以下のものと軸方向に整列させてもよく224、即ち、(1)一対のピンチローラアーム46の第2端46bへ回転可能に接続された受動ローラ58と、及び、(2a)作業面34の中間部分34に形成されたそれぞれの開口部62に配置された一対の対応する能動駆動ローラ60か又は(2b)作業面34の中間部分34に形成された第1の開口部62に配置された対応する能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34に形成された第2の開口部62に配置された対応する中間駆動ローラ84と、軸方向に整列させてもよく224、この工程は、一対のピンチローラアーム46のうちの1つのピンチローラアーム46にレール18上をスライドさせることからもたらされ得る。様々な実施形態では、レール18に沿ったピンチローラアーム46の適切な位置決めは、例えばレール18と作業面34の一方又は両方に置かれた又は支持された位置センサ(例えば、光学センサ)又は他のその様なデバイスによって検知されることができる。幾つかの構成では、位置センサは、CPU3000と通信可能に結合されていてもよい。CPU3000は、ピンチローラアーム46が適正に位置決めされたことを、位置センサに基づき且つワークピースWの寸法に関するユーザインタフェースでのユーザ入力データに対比して判定されたものとして確約するように構成されていてもよい。つまり、CPUは、ワークピースWのサイズ/寸法に関してCPU3000が受信したユーザ入力に基づいてCPU3000がピンチローラアーム46は適正に位置決めされていると判定しない限り、クラフト装置10の動作(例えば、ワークピースWへの「作業」のアクティブ化、初期化、及び/又は作動)を阻止するようになっていてもよい。クラフト装置10は、更に、複数の材料ガイド92のための1つ又はそれ以上の位置センサを含み、クラフト装置10の「動作」は、ワークピースWのサイズにとって適正な材料ガイドが配備されることを確約するように同様に条件付けられていてもよい。
【0140】
様々な実施形態では、クラフト装置10の「動作」は、他の検出されるパラメータに条件付けられていてもよい。例えば、クラフト装置10は、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100が配備位置にあるか又は格納位置にあるかを検出するように構成されている、CPU3000へ結合された位置センサ(例えば、光学センサ)を含んでいてもよい。CPU3000は、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100が適正に位置決め(配備又は格納)されたことを、位置センサからの感知された位置情報に基づき且つワークピースWのサイズ及び/又は型式に関するユーザ入力データに対比してCPU3000によって判定されたものとして確約するように構成されていてもよい。つまり、CPU3000は、ワークピースWのサイズ/型式に関してCPU3000が受信したユーザ入力に基づいてCPU3000が1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は適正に位置決めされていると判定しない限り、クラフト装置10の動作(例えば、ワークピースへの「作業」のアクティブ化、初期化、及び/又は作動)を阻止するようになっていてもよい。例えば、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は配備位置にあるが、ユーザがワークピースWはワークピース材料のロールWからの或る長さであることをCPU3000へ指示した場合、CPU3000は、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100が格納されるまでクラフト装置の「動作」を阻止するようになっていてもよい。同様に、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100は格納位置にあるが、ユーザがワークピースWは実質的に平坦な事前構成済み形状を有する(例えば、長さW及び幅Wを有する)ものであって支持マットWによって支持されることもあれば支持されないこともある相対的に「大きい」ワークピースWであることをCPU3000へ指示した場合、CPU3000は、1つ又はそれ以上の支持アーム100、100が配備されるまでクラフト装置の「動作」を阻止するようになっていてもよい。
【0141】
その後、ユーザは、アクチュエータレバー52を(図1図2図5、及び図13Cに見られる様に)「下の位置」に配置し226、それによってアクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のY方向に延びる。アクチュエータレバー52が「下の位置」に配置された結果として、ロッド部分56は、ストッパリンケージ構造90に、随意的に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ’方向へ引き込み位置に推し進めさせ228、その結果、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aが作業面34の中間部分34と整列して配置され、もはや作業面34から離れて距離D86を取って配置されず、それによって、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が作業面34より下方に配置される。
【0142】
方法200は、ロッド部分56がカムアクチュエータ48の構成要素を第2の位置に配置させる230工程を含むことができ、それによって、図8に見られる様に、(1)カム部材66の下端66は、ピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合せず、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「上の位置」へ枢動させるためにピボットブランケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね部材74へ張力が加えられる。ロッド部分56の回転がカムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図8に見られる様に配置させたとき230、フローチャートの図14Cが描いている様に、ピンチローラアーム46の第2端46bは矢印Z’に従った方向に、能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34(又は、中間能動駆動ローラ84及び作業面34の中間部分34)に向かって配置され232、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部へ挟み付け力が加えられる234。
【0143】
更にまた、方法200は、随意的には、アクチュエータレバー52が「下の位置」に配置された結果として、真空源95がアクティブ化状態に構成される236工程を含むことができ、それによって真空源95が各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れる。ワークピースWより上方の上面W(例えば、図7図8を参照)での空気の流れに対する空気の速度、又は空気の欠如は、ワークピースWの下面Wを、少なくとも、複数のワークピース吸引チャネル94を含む作業面34の下流部分34及び作業面34の上流部分34の上へ下向きに推し進める圧力差を作り出す240。
【0144】
更に、ユーザは、ワークピースWへの「作業」を行うクラフト装置10の複数の作業用構成要素12、14、16、18を作動させてもよい242。幾つかの実施形では、作動させる242工程は、ユーザがクラフト装置10上の(「三角形のプレイ矢印」表示を含んでいる)ボタン174を押すことに応えて行われてもよい。他の実施形では、作動させる242工程は、ユーザがCPU3000のユーザインタフェースから(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000bの画面から)「作業を行う工程を開始する」というオプションを選択したことに応えて行われてもよい。作動させる242工程の後、フローチャートの図14Dが描いている様に、方法200は、クラフト装置10の複数の作業用構成要素12、14、16、18を使用してワークピースWへ「作業」を行う244。
【0145】
その後、CPU3000は、ワークピースWへ行われていた244「作業」が完了したかどうかをモニターしてもよい246。ワークピースWへ行われていた244「作業」が完了していない場合、モニターする246工程は244工程へ戻る。「作業」を行う244工程の間の何れかの時点で、ユーザは、随意的に、例えばクラフト装置10上の(「ポーズ記号」表示を含んでいる)ボタン176を押すことによって、「作業」を行う244工程を一時停止することができる244’。他の実施形では、随意的な一時停止する244’工程は、ユーザがCPU3000のユーザインタフェースから(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000bの画面から)「作業を行う工程を一時停止する」というオプションを選択したことに応えて行われてもよい。
【0146】
モニターする246工程が、ワークピースWへ行われていた244「作業」が完了したと判定したら、ユーザは、アクチュエータレバー52を「上の位置」に戻して配置してもよく248、それによって、アクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に延びる。アクチュエータレバー52を「上の位置」に戻して配置する248工程はロッド部分56の回転を生じさせ、結果的に、カムアクチュエータ48の構成要素が第1の位置に戻って配置され250、ワークピースWから挟み付け力が取り除かれる252。様々な実施形態では、方法200は、真空源95が非アクティブ化状態へ戻るように構成される254工程を含んでいてもよく、それによって真空源95は各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れなくなる。
【0147】
その後、ユーザは、「作業施行」ワークピースWをワークピース材料のロールWからの「作業非施行」ワークピースWから分離してもよい256。「作業施行」ワークピースWをワークピース材料のロールWからの「作業非施行」ワークピースWから分離する256工程は、ユーザが、ブレード180を、ワークピースWを横切ってスライドさせ、ブレード180をブレードガイドチャネル178の中へ駆動することによって、ブレード180を利用することから生じてもよい。他の実施形では、「作業施行」ワークピースWをワークピース材料のロールWによって画定される「作業非施行」ワークピースWから分離する256工程は、ユーザがCPU3000のユーザインタフェースから(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000bの画面から)「ワークピースを分離する」というオプションを選択することから、又はCPU3000が自動分離工具の存在を認識することによって生じてもよく、それによって、自動分離工具/ブレードはワークピースWを切ることができる。他の実施例では、モニターする246工程がワークピースWへ行われていた244「作業」は完了したと判定したら、分離する256工程が自動的に起こるようになっていてもよく、その後、ユーザは、挟み込み力を取り除く252ためにアクチュエータレバー52を「上の位置」へ戻して配置し248、真空源95を非アクティブ化状態へ戻すように構成する254などしてもよい。
【0148】
図25A図25Eは、方法300のための諸動作の一例としての配列のフローチャートを含んでおり、方法300は、アクチュエータレバー52を(図15図17、及び図23に見られる様に)「上の位置」に配置する302工程を含み、それによって、アクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に延びる。アクチュエータレバー52が「上の位置」に配置された結果として、ロッド部分56が、随意的に、ストッパリンケージ構造90に1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向へ配備位置に推し進めさせ304、その結果、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aが作業面34から離れて距離D86を取って配置され、それによって1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が露出する。上述の様に、様々な代替的な実施形態では、ワークピースストッパ86の配備はアクチュエータレバー52の運動に応えて自動的に作動されるのではなく、代わりに、アクチュエータレバー52の運動は、単に支持アーム配備ボタン126を「ロック解除」し、それによって配備ボタンを押下可能にするだけである。言い換えるなら、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の配備を引き起こすのは支持アーム配備ボタン126の押下であるとしてもよい。ゆえに、304工程は、302工程の後に遂行される支持アーム配備ボタン126を押下する工程を含み得る。
【0149】
更にまた、アクチュエータレバー52が「上の位置」に配置された結果、ロッド部分56はカムアクチュエータ48の構成要素を第1の位置に配置させ306、それによって、図7に見られる様に、(1)カム部材66の下端66はピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合し、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「下の位置」へ枢動させるためにピボットブラケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね74から張力が取り除かれる。ロッド部分56の回転が、カムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図7に示されている様に配置させたとき306、ピンチローラアーム46の第2端46bは、矢印Zに従った方向に能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34から離れて配置される308。
【0150】
更に、方法300は、随意的には、アクチュエータレバー52が「上の位置」に配置された結果として、真空源95が非アクティブ化状態に構成される310工程を含んでいてもよく、それによって、真空源95は各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れない。更にまた、ユーザは、複数のワークピース材料ガイド92の一対のワークピース材料ガイド92a、92b、92cを配備位置に配置してもよい312。
【0151】
1つ又はそれ以上のワークピース取り扱い構成要素が302-312工程にて上述されている様に配置された後、ユーザは、次いで、ワークピース材料のロールWを供給源とせず、むしろ実質的に平坦な事前構成済み形状W、Wを含み、支持マットWによって支持されることもあれば支持されないこともあるワークピースWであって、それによって、幾つかの事例では、相対的に「大きい」ワークピースWと定義されることもあるワークピースWを得てもよい314。その後、ユーザは、ワークピースWの当該部分の前縁を作業面34の上流部分34の上に配置する316。その後、フローチャートの図25Bが描いている様に、方法300は、ワークピースWの当該部分の前縁を作業面34の中間部分34の上に配置する318。その後、方法300は、ユーザが、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部を、ワークピースWの当該部分の前縁を3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向に案内するために配備位置に配置されている複数のワークピース材料ガイド92のうちの一対のワークピース材料ガイド92a、92b、92cの間に配置する320工程を含んでもよい。
【0152】
1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が、ストッパリンケージ構造90によって配備位置へ推し進められていた場合304、ユーザは、ワークピースWの当該部分の前縁を1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して配置してもよい322。ワークピースWの当該部分の前縁を1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して配置する322工程は、ワークピースWが重力Gの結果として作業面34から滑り落ちるのを防止する。
【0153】
ワークピースWの当該部分の前縁が作業面34の中間部分34の上に配置され318、ワークピースWの当該部分の前縁が1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88に隣接して配置されたら322、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部が以下のものと軸方向に整列され324、即ち、(1)一対のピンチローラアーム46の第2端46bへ回転可能に接続された受動ローラ58と、及び、(2a)作業面34の中間部分34に形成されたそれぞれの開口部62に配置された一対の対応する能動駆動ローラ60か又は(2b)作業面34の中間部分34に形成された第1の開口部62に配置された対応する能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34に形成された第2の開口部62に配置された対応する中間駆動ローラ84と、軸方向に整列され324、この工程は、一対のピンチローラアーム46のうちの1つのピンチローラアーム46にレール18上をスライドさせることからもたらされ得る。
【0154】
次に、ユーザは、下流支持アーム100と上流支持アーム100の一方又は両方を配備位置に配置してもよい326。その後、ユーザは、アクチュエータレバー52を(図23図24に見られる様に)「下の位置」に配置し328、それによってアクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のY方向に延びる。アクチュエータレバー52が「下の位置」に配置された結果として、ロッド部分56は、ストッパリンケージ構造90に、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ’方向へ引き込み位置に推し進めさせ330、その結果、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の上面86aが作業面34の中間部分34と整列して配置され、もはや作業面34から離れて距離D86を取って配置されず、それによって、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86の本体部分88が作業面34より下方に配置される。
【0155】
更にまた、アクチュエータレバー52が「下の位置」に配置された結果として、フローチャートの図25Cは、方法300が、(推し進める330工程の直前に又は押し進める330工程と同時に)ロッド部分56によって、カムアクチュエータ48の構成要素を第2の位置に配置させる332工程を生じさせることを含んでおり、それによって、図8に見られる様に、(1)カム部材66の下端66は、ピンチローラアーム46の第1端46aの上面46に係合せず、(2)カム部材66の上端66は、ピボットブラケット70をピン72周りに「上の位置」へ枢動させるためにピボットブランケット70に係合するように構成され、それによって、ピボットブラケット70の第2端70bとピンチローラアーム46の第1端46aの幅W46を横切って延びるピン76とへ接続された1つ又はそれ以上のコイルばね部材74へ張力が加えられる。ロッド部分56の回転がカムアクチュエータ48の構成要素を上述の通り図8に見られる様に配置させたとき330、ピンチローラアーム46の第2端46bは、矢印Z’に従った方向に、能動駆動ローラ60及び作業面34の中間部分34(又は、中間能動駆動ローラ84及び作業面34の中間部分34)に向かって配置され334、ワークピースWの当該部分の前縁から離れて延びる互いに反対側の側辺部へ挟み付け力が加えられる336。
【0156】
更に、アクチュエータレバー52が「下の位置」に配置された328結果として、真空源95がアクティブ化状態に構成される388(推し進める330工程の直前に又は押し進める330工程と同時に)ようになっていてもよく、それによって真空源95が各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れる。ワークピースWより上方の上面W(例えば、図7図8を参照)での空気の流れに対する空気の速度、又は空気の欠如は、ワークピースWの下面Wを、少なくとも、複数のワークピース吸引チャネル94を含む作業面34の下流部分34及び作業面34の上流部分34の上へ下向きに推し進める圧力差を作り出す342。
【0157】
カムアクチュエータ48の構成要素を第2の位置に配置する332工程と、随意的に、真空源95をアクティブ化状態になるように構成する338工程とは、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86を引き込み位置に推し進める330工程の結果としてワークピースWの下面Wを、作業面34の下流部分34と作業面34の上流部分34の少なくとも一方又は両方の上へ下向きに保持するために、推し進める330工程の直前に又は押し進める330工程と同時に行われる。当初は、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が、ワークピースWへの引力Gの結果としてワークピースWが角度θ22付き作業面34から滑り落ちるのを防止する。したがって、1つ又はそれ以上のワークピースストッパ86が作業面34より下方に引き込まれる直前に又は引き込まれるのと同時に、ワークピースWへの挟み付け力が加えられ336、及び/又は、真空源95が、各ワークピース吸引チャネル96内に、ワークピースWの下面Wを作業面34の下流部分34と作業面34の上流部分34の少なくとも一方又は両方の上へ下向きに保持する圧力差を作り出す342。
【0158】
その後、ユーザは、ワークピースWへの「作業」を行うクラフト装置10の複数の作業用構成要素12、14、16、18を作動させてもよい334。幾つかの実施形では、作動させる334工程は、ユーザがクラフト装置10上の(「三角形のプレイ矢印」表示を含んでいる)ボタン174を押すことに応えて行われてもよい。他の実施形では、作動させる344工程は、ユーザがCPU3000のユーザインタフェースから(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000bの画面から)「作業を行う工程を開始する」というオプションを選択したことに応えて行われてもよい。作動させる344工程の後、フローチャートの図25Dが描いている様に、方法300は、クラフト装置10の複数の作業用構成要素12、14、16、18を使用してワークピースWへ「作業」を行う346。更にまた、「作業」がワークピースWへ行われるとき、ワークピースWの3次元X-Y-Zデカルト座標系のY、Y’給送方向への運動が、結果的に、下流支持アーム100と上流支持アーム100(配備位置に配置されている326)のうちの一方又は両方がワークピースWの下面Wを支持する348工程を生じさせ得る。
【0159】
その後、CPU3000は、ワークピースWへ行われていた346「作業」が完了したかどうかをモニターしてもよい350。ワークピースWへ行われていた346「作業」が完了していない場合、モニターする350工程は346工程へ戻る。「作業」を行う346工程の間の何れかの時点で、ユーザは、随意的に、例えばクラフト装置10上の(「ポーズ記号」表示を含んでいる)ボタン176を押すことによって、「作業」を行う346工程を一時停止することができる346’。他の実施形では、随意的な一時停止する346’工程は、ユーザがCPU3000のユーザインタフェースから(例えば、ラップトップ3000a、スマートフォン又はタブレット3000bの画面から)「作業を行う工程を一時停止する」というオプションを選択したことに応えて行われてもよい。
【0160】
モニターする350工程が、ワークピースWへ行われていた346「作業」が完了したと判定したら、ユーザは、アクチュエータレバー52を「上の位置」に戻して配置してもよく352、それによって、アクチュエータレバー52のハンドル部分54は、概して、3次元X-Y-Zデカルト座標系のZ方向に延びる。アクチュエータレバー52を「上の位置」に戻して配置する352工程はロッド部分56の回転を生じさせ、結果的に、カムアクチュエータ48の構成要素が第1の位置に戻って配置され354、ワークピースWから挟み付け力が取り除かれる356(図25E)。様々な実施形態では、方法300は、真空源95が非アクティブ化状態へ戻るように構成される358工程を含んでいてもよく、それによって真空源95は各ワークピース吸引チャネル96の開口部98の中へ空気を引き入れなくなる。
【0161】
その後、「作業施行」ワークピースWは作業面34から滑り落されるか又は排出されてもよい360。ワークピースWは事前構成済みであってワークピース材料のロールWに由来していないので「作業施行」ワークピースWを分離する工程(例えば、方法200の256工程)は省かれ得る(即ち、それ以外では、「作業施行」ワークピースWが「作業非施行」ワークピースWから分離されるまでは、「作業非施行」ワークピースWは「作業施行」ワークピースWを作業面34の上に引き留めようとするはずである)。
【0162】
図30は、本文書に記載のシステム及び方法を実施するのに使用され得る或る例示としてのコンピューティングデバイス3000の概略図である。図30に示されている構成要素3010、3020、3030、3040、3050、及び3060、それら構成要素の接続及び関係、及びそれら構成要素の機能は、単に例示することを目的としており、本開示を限定しようとするものではない。
【0163】
コンピューティングデバイス3000は、プロセッサ3010と、メモリ3020と、ストレージデバイス3030と、メモリ3020及び高速拡張ポート3050へ接続している高速インタフェース/コントローラ3040と、低速バス3070及びストレージデバイス3030へ接続している低速インタフェース/コントローラ3060と、を含んでいる。各構成要素3010、3020、3030、3040、3050、及び3060は、各種バスを用いて相互接続されていて、共通のマザーボード上に又は適切な他の方法で実装されることができる。プロセッサ3010は、メモリ3020内又はストレージデバイス3030上に記憶された命令を含め、コンピューティングデバイス3000内で実行するための命令を処理して、高速インタフェース3040へ結合されたディスプレイ3080の様な外部入力/出力デバイス上に、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)のためのグラフィカル情報を表示させることができる。他の実施形では、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスが、適宜、複数のメモリ及び複数のメモリタイプと共に使用されてもよい。更に、複数のコンピューティングデバイス3000が接続されていて、各デバイスが必要なオペレーションの諸部分を提供していてもよい(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、又はマルチプロセッサシステムとして)。
【0164】
メモリ3020は、情報をコンピューティングデバイス3000内に非一時的に記憶する。メモリ3020は、コンピュータ可読媒体、(単数又は複数の)揮発性メモリユニット、又は(単数又は複数の)不揮発性メモリユニットであってもよい。非一時的メモリ3020は、プログラム(例えば、命令のシーケンス)又はデータ(例えば、プログラム状態情報)を、コンピューティングデバイス3000による使用のために、仮に又は永久的に記憶するのに使用される物理的なデバイスであるとしてもよい。不揮発性メモリの例としては、限定するわけではないが、フラッシュメモリ及び読み出し専用メモリ(ROM)/プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)/消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)/電子的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)(例えば、ブートプログラムの様なファームウェア向けに使用されるのが典型的)が挙げられる。揮発性メモリの例としては、限定するわけではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)、並びにディスク又はテープが挙げられる。
【0165】
ストレージデバイス3030は、コンピューティングデバイス3000のためのマスストレージを提供可能である。幾つかの実施形では、ストレージデバイス3030は、コンピュータ可読媒体である。種々の異なる実施形では、ストレージデバイス3030は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス、又はテープデバイス、フラッシュメモリ又は他の類似の固体メモリデバイス、又はストレージエリアネットワーク又は他の構成にあるデバイスを含むデバイスのアレイであってもよい。追加の実施形では、コンピュータプログラム製品が情報担体内に実体的に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されたときに上述の様な1つ又はそれ以上の方法を遂行する命令を格納している。情報担体は、メモリ3020、ストレージデバイス3030、又はプロセッサ3010上のメモリの様な、コンピュータ可読媒体又は機械可読媒体である。
【0166】
高速コントローラ3040は、コンピューティングデバイス3000のための帯域幅集約的オペレーションを管理し、一方、低速コントローラ3060は、より低い帯域幅集約的オペレーションを管理している。その様な動作責務の割付けは単に例示である。幾つかの実施形では、高速コントローラ3040は、メモリ3020へ、ディスプレイ3080へ(例えば、グラフィックスプロセッサ又はアクセラレータを通して)、及び各種拡張カード(図示せず)を受容し得る高速拡張ポート3050へ、結合されている。幾つかの実施形では、低速コントローラ3060は、ストレージデバイス3030及び低速拡張ポート3090へ結合されている。様々な通信ポート(例えば、USB、Bluetooth、Ethernet、ワイヤレスEthernet)を含み得る低速拡張ポート3090は、1つ又はそれ以上の入力/出力デバイス、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、又はスイッチやルータの様なネットワーキングデバイスなどへ、例えばネットワークアダプタを通して結合されていてもよい。
【0167】
コンピューティングデバイス3000は、図に示されている様に数々の異なる形態に実施され得る。例えば、それは、クラフト装置10とラップトップコンピュータ3000aのうちの一方か又は組合せに実施されてもよい。
【0168】
本明細書に記載のシステム及び技法の様々な実施形は、デジタル電子回路構成及び/又は光学回路構成、集積回路構成、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組合せ、に実現され得る。これらの様々な実施形は、専用か汎用かを問わず少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサであって、データ及び命令をストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスとの間で受信し及び伝送するように結合されている少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサ、を含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は翻訳可能である1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムでの実施形を含み得る。
【0169】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても知られている)は、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き型及び/又はオブジェクト指向型のプログラミング言語に、及び/又はアセンブリ/機械言語に、実施され得る。ここでの使用に際し、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含め、機械命令及び/又はデータをプログラム可能なプロセッサへ提供するのに使用される任意のコンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒介、装置、及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラム可能論理デバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラム可能なプロセッサへ提供するのに使用される任意の信号を指す。
【0170】
この明細書に記載のプロセス及び論理フローは、1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムを実行して入力データに対するオペレーションと出力生成によって機能を遂行する、データ処理ハードウェアと呼ばれることもある1つ又はそれ以上のプログラム可能なプロセッサによって遂行され得る。プロセス及び論理フローは、同様に、専用論理回路構成、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって遂行されることもできる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、一例として、汎用と専用の両方のマイクロコンピュータ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの何れか1つ又はそれ以上のプロセッサが挙げられる。概して、プロセッサは、命令及びデータを、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はそれら両方から受信するだろう。コンピュータの必須要素は、命令を遂行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ又はそれ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータは、更に、データ記憶用の1つ又はそれ以上のマスストレージデバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、を含んでいるか、又はその様なマスストレージデバイスからデータを受信する又はマスストレージデバイスへデータを伝送する又はその両方を行うように動作可能に結合されているだろう。とはいえ、コンピュータはその様なデバイスを有していなくてもよい。コンピュータプログラム、命令、及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体には、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスが含められ、一例として半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;及びCD ROMディスク及びDVD-ROMディスク、が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路構成によって補完されていてもよいし、又は専用論理回路構成に組み入れられていてもよい。
【0171】
原文の単数を表す冠詞「a」、「an」、及び「the」の対訳である「或る」、「一」、及び「当該」は、以上の記述中の要素の1つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包含的であり、挙げられた要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものとする。追加的に、理解されるべきこととして、本開示の「1つの実施形態」又は「或る実施形態」への言及は、追加の実施形態であって同じく列挙された特徴を組み入れている実施形態の存在を排除するものと解釈されることを意図していない。本明細書に記載されている数、パーセンテージ、比率、又は他の値は、当該の値を含み、更には本開示の実施形態によって網羅される当業者が理解するところの「約」又は「大凡」記載値である他の値を含むものとする。したがって、記載値は、所望の機能を遂行する又は所望の結果を達成するうえで記載値に少なくとも十分に近い値を網羅するように十分に広範に解釈されるべきである。記載値は、少なくとも、適切な製造又は生産プロセスでの予想されるばらつきを含み、記載値の5%以内、1%以内、0.1%以内、又は0.01%以内である値を含み得る。
【0172】
当業者には、本開示に鑑み、等価的な構成が本開示の精神及び範囲から逸脱しないということ、及び、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示されている実施形態へ様々な変更、置換、及び修正がなされ得るというること、を認識されたい。機能的な「手段+機能」節を含む等価的な構成は、同じ方式で動作する構造的等価物及び同じ機能を提供する等価的構造物の両方を含め、列挙された機能を遂行するものとして本明細書に記載されている構造をカバーするものとする。何れかの請求項について、「○○のための手段」という語が関連付けられた機能と一体に登場している場合を除き、手段+機能又は他の機能的請求を行使しないというのが出願人の明確な意思である。実施形態に対するそれぞれの追加、削除、及び修正で特許請求の範囲の意味及び範囲の内に入るものは、特許請求の範囲によって包含されるものとする。
【0173】
本明細書での使用に際し「大凡」、「約」、及び「実質的に」という用語は、記載量に近い量であって、なおも所望の機能を遂行し又は所望の結果を達成する量を表す。例えば、「大凡」、「約」、及び「実質的」という用語は、記載量の5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、又は0.01%未満内である量を指すとしてもよい。また、上記説明での何れかの方向又は基準座標系は、相対的な方向又は相対的な運動でしかないことを理解されたい。例えば、「上」と「下」、又は、「上方」又は「下方」への何れかの言及は、関係付けられた要素の相対位置又は相対運動を記述しているにすぎない。
【0174】
本明細書に含まれる概略的なフローチャート線図は、概して、論理的なフローチャート線図として示されている。したがって、描かれている順序及びラベル付けされた諸工程は、提示された方法の1つ又はそれ以上の実施形態を示している。方法又はプロセスの説明の何れかに記載されている諸工程は、別途指定されない限り、任意の順序で実行されることができ、必ずしもそれらが提示されている順序で実行されるとは限らない。更にまた、単数形の実施形態への何れかの言及は複数形の実施形態を含み、1つより多い構成要素又は工程への何れかの言及は単数形の実施形態又は工程を含み得る。図中の諸要素及び諸工程は、簡潔さと明快さを期して例示されており、必ずしも何れかの特性のシーケンスに従ってレンダリングされたものではない。例示されている方法の1つ又はそれ以上の工程又は工程の部分に、機能的、論理的、又は効果的に等価である他の工程及び方法が構想され得る。
【0175】
加えて、採用されている形式及び記号は、方法の論理的諸工程を解説するために提供されており、方法の範囲を限定するものではないと理解される。フローチャート線図には様々な矢印型式及び線型式が採用され得るが、それらは対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際に、幾つかの矢印又は他の接続子は、方法の論理フローを示すためにのみ使用され得る。例えば、矢印は、描かれている方法の列挙された工程と工程の間の不特定継続時間の待機期期間又はモニター期間を示しているとしてもよい。加えて、或る特定の方法が起こる順序は、示されている対応する諸工程の順序に厳密に従っていてもよいしそうでなくてもよい。更にまた、本開示の要素、構成要素、又は方法工程は、特許請求の範囲に当該の要素、構成要素、又は方法工程が明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供される(dedicated to the public)ことを意図していない。
【0176】
本発明は、その精神又は本質的な特性から逸脱することなく他の特定の形態に具現化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点で説明のみが目的であると考えられるべきであり、制限を課すものと考えられてはならない。したがって、発明の範囲は、前述の説明によってではなく、付随の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価の意味及び範囲の内に入るすべての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
【符号の説明】
【0177】
10 クラフト装置
12 印刷デバイス
14 裁断デバイス
16 キャリッジ
18 レール
20 ベース部
22 作業部
24 ベース部の下面
26 ベース部の上面
32 作業部の下面
34 作業部の上面
46 ピンチローラアーム
48 カムアクチュエータ
50 ピンチローラ機構
52 アクチュエータレバー
56 ロッド部分
58、58 受動ローラ
60 能動駆動ローラ
86 ワークピースストッパ
92 材料ガイド
94、94a、94b ワークピース吸引チャネル
95 真空源
100、100 ワークピース支持アーム
θ22 作業面の角度
W ワークピース
ワークピースの下面
、W 構成済み形状の長さと幅
ワークピース材料のロール
G 重力、引力
X-Y-Z 作業上の3次元デカルト座標系
-Y-Z 非作業上の3次元デカルト座標系
Y-Y’ 給送方向
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【国際調査報告】