(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】レーザシステムによるプリント基板製造法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/10 20060101AFI20240301BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
H05K3/10 D
H05K3/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023548747
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2022051215
(87)【国際公開番号】W WO2022172200
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519016549
【氏名又は名称】アイオー テック グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ゼノウ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ネシェル ガイ
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA17
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5E343BB23
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5E343FF08
5E343FF30
5E343GG08
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】本発明は、プリント回路基板(PCB)を基板から完全集積まで印刷するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、レーザアシスト堆積(LAD)システムを利用して、電子デバイスとして使用されるPCB構造を作成するために、レーザジェットにより基板上に流動性材料を印刷する。PCB印刷のためのこのようなシステムの1つは、ガラス強化エポキシ積層材料(例えば、FR4)又はその他のようなPCB基板上に金属及び他の材料(エポキシ、半田マスク等)を直接印刷するために、ジェット印刷ユニット、画像処理ユニット、硬化ユニット及び穿孔ユニットを含む。ジェット印刷ユニットは、材料の焼結及び/又はアブレーションにも使用できる。印刷された材料は、加熱又は赤外線(IR)又は紫外線(UV)放射によって硬化される。本発明のシステム及び方法によって製造されるPCBは、片面又は両面とすることができる。
【選択図】
図10a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(PCB)組立体の製造方法であって、
レーザアシスト堆積(LAD)によりPCB基板上に金属層を堆積させるステップであって、前記LADでは、レーザを用いてドナー基板から前記PCB基板上及び/又はその中の1又は2以上の孔への金属液滴のジェットが行われて、前記PCB基板上に金属層を形成し、その後、前記金属層が乾燥されて焼結され、前記ジェット、乾燥及び焼結は、前記金属層が所望の厚さに達するまで繰り返す、ステップと、
その後、前記金属層の上に少なくとも1つのパッシベーション層を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記金属層が所望の厚さを超える場合、前記金属層をアブレーションするステップを更に含む、請求項1に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項3】
前記アブレーションが、前記ドナー基板から前記金属液滴をジェットするために使用されるレーザを用いて行われる、請求項1又は2に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項4】
前記パッシベーション層が、ローラ又はブレードを使用して前記金属層の上に堆積又はコーティングされたエポキシ層か、又はLADによって前記ドナー基板上のエポキシコートから前記金属層の上に印刷されたエポキシ層のうちの1つを含む、請求項1~3の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項5】
LADによって前記エポキシ層の上に追加の金属層を印刷するステップを更に含む、請求項1~4の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項6】
前記金属層が、第1の金属トレースを含み、前記エポキシ層が、前記第1の金属トレースの少なくとも第1の部分を覆うエポキシの少なくとも第1の部分を含み、前記追加の金属層が、前記第1の金属トレースの前記第1の部分を覆う前記エポキシ層の第1の部分の上に配置された少なくとも一部を有する第2の金属トレースを含む、請求項1~5の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項7】
熱気及び/又は赤外線(IR)照射によって前記エポキシ層を硬化させるステップを更に含む、請求項1~6の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項8】
前記PCB基板の前記1又は2以上の孔は、前記PCB基板の第1の側面を穿孔又はレーザ彫刻することによって前記PCB基板の第1の側面に形成されるが、前記PCB基板の厚さ全体を貫通せず、前記金属層は、前記PCB基板の前記第1の側面からLADによって前記1又は2以上の孔に形成され、その後、前記PCB基板が反転されて、前記PCB基板の第2の側面を通って穿孔又はレーザ彫刻により、前記1又は2以上の孔が前記PCB基板の厚さを通って完成し、前記PCB基板の前記第2の側面を通す穿孔又はレーザ彫刻により露出された前記1又は2以上の孔の再加工部分がLADによってメタライゼーションされる、請求項1~7の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパッシべーション層及び前記PCB組立体の何れかの介在層及び/又は構成要素の上に半田マスク層を印刷するステップを更に含み、前記半田マスク層がLADによって印刷される、請求項1~8の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項10】
前記半田マスク層の上にLADによってラベルを印刷するステップを更に含む、請求項1~9の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項11】
LADによって前記半田マスク層の孔に金属コネクタを印刷するステップを更に含む、請求項1~10の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項12】
LADによって前記エポキシ層の孔に金属コネクタを印刷するステップを更に含む、請求項1~11の何れか1項に記載のPCB組立体の製造方法。
【請求項13】
プリント回路基板(PCB)組立体を製造するシステムであって、
PCB基板を保持するように構成され、複数の処理ステーションの間で並進可能な基板ホルダを備え、
前記処理ステーションは、
1又は2以上の材料のそれぞれのものがコーティング又は他の方法で配置されたそれぞれのドナー基板から前記材料のそれぞれのものを個別にジェットすることにより、前記1又は2以上の材料をレーザアシスト堆積(LAD)するように構成された印刷ステーションと、
前記PCBの基板上に前記材料の堆積されたものを加熱、赤外線(IR)照射、又は紫外線(UV)照射によって硬化させるように構成された硬化ステーションと、
前記PCB基板及び/又はその上に配置された前記材料の層にスルーホール及び/又はビアを穿孔又は彫刻するように構成された穿孔ステーションと、
を含み、
前記材料は、銅及び金ペースト、エポキシ、並びに半田マスク材料を含む、PCB組立体を製造するためのシステム。
【請求項14】
前記印刷ステーションは更に、前記PCB基板及び/又は前記PCB組立体の追加層上に印刷された前記材料のそれぞれのもののレーザ焼結及び/又はレーザアブレーション用に構成される、請求項13に記載のPCB組立体を製造するためのシステム。
【請求項15】
前記印刷ステーション、前記硬化ステーション、及び/又は前記穿孔ステーションによる前記PCB基板の両側面へのアクセスを可能にするために、前記PCB基板を反転させるように構成されたユニットを更に備える、請求項13又は14に記載のPCB組立体を製造するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年2月11日に出願された米国仮出願第63/200,034号及び2021年2月24日に出願された米国特許出願第17/249,217号に対する優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、プリント回路基板(PCB)又はフレキシブルPCBを基板から完全集積まで印刷するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装技術(SMT)は、従来の組立体におけるようにPCBの孔を通して構成要素を挿入するのとは対照的に、PCB表面に電子構成要素を実装するのに使用される電子組立体の一分野である。SMTは、製造コストの削減及びPCBスペースの効率的な利用を目的として開発された。SMTの導入及び自動化レベルの高まり続ける向上の結果として、現在では極めて複雑な電子回路を、再現性良くより小さな組立体に組み立てることが可能となっている。
【0004】
最近の小型化の傾向は、高度に集積されたPCBの製造の必要性を生み出している。プリント回路基板は一般に、例えば、エッチングなどの抽出法を用いてリソグラフィによって製造される。このような製造方法では、基板上に導電性フィルムを配置し、導電性フィルムの不要な部分をエッチングして、腐食性溶液を用いて導電性フィルムの一部(回路が存在しない)を溶解除去することにより、必要な導電ラインのみを残すことで導電ラインの形成をもたらす。また、集積化を向上させるためには、多層プリント回路基板及び両面プリント回路基板が必要となる。多層プリント回路基板の現在の製造には、多層基板間の導通を可能にするためのスルーホール又はビアホールを形成するための穿孔、基板の積層、及びプリント回路基板に素子を接着する半田付けを含む複雑なプロセスが必要とされる。プリント回路基板に素子を接着するために半田付けを行う際には、半田が溶融して広がる領域が更に必要となるため、素子自体のサイズよりも広い領域に素子が配置され、これにより小型化が制限される。従って、複雑な回路基板を効率的且つ高精度に製造可能にするデバイス及び方法に対する必要性がある。
【0005】
フレキシブルリジッド複合エレクトロニクスは、新世代のエレクトロニクスを代表するものであり、伸張性と曲げのフレキシブル性の両方の特性を示すことができる。これらの特性により、電子デバイスに対して、曲げ及び捩りに対する適合性と、大きな歪みスケールに対する伸張及び圧縮に対する能力とを提供することになる。伸張可能なエレクトロニクスは、その柔軟性と共形性の理由から、例えば、表皮電子デバイス及び埋め込み型デバイスなど、医用生体工学において大きな可能性を示している。また、ウェアラブルエレクトロニクスの需要が高まっており、センサー、複雑な幾何形状のアンテナ、又は湾曲した物体上に設置される無線周波数識別(RFID)タグ等の他の産業においても同様である。
【0006】
フレキシブルエレクトロニクス分野の進歩は、複数の重要な新生の技術において重要な役割を果たすことが期待されている。例えば、フレキシブルセンサーアレイ、電子ペーパー、ウェアラブル電子デバイス、及び大面積フレキシブルアクティブマトリックスディスプレイなどである。加えて、フレキシブル集積エレクトロニクスシステム及び処理方法の開発もまた、マイクロ及びナノ流体工学、センサー及びスマートスキン、RFID、情報ストレージ、マイクロ及びナノエレクトロメカニカルシステムを含む、他の複数の重要な技術にも大きな影響を与えることが予想される。
【0007】
フレキシブルエレクトロニクスとは、現在では、フレキシブル基板上に電子デバイスを蒸着させることにより電子回路を構築する技術を指す。脆弱な半導体ウェハー上に構築された従来の(リジッド)マイクロエレクトロニクスと同等の性能を有するが、光透過性、軽量、伸張可能/屈曲可能な形式を可能にし、大面積にわたって迅速な印刷を容易にするフレキシブルエレクトロニクスを作製することで、フレキシブルディスプレイ、薄膜太陽電池、大面積センサー及びアクチュエータなど、多様な応用を可能にすることが示されている。これら用途全てにおいて、回路及び回路上に組み込まれる構成要素のフレキシビリティは、典型的なリジッド回路との重要な違いを表している。今日まで、屈曲可能な(ヤング率、すなわち、機械的張力とそれに対応する伸び率との比に等しい材料特性又はパラメータを記述する弾性率であり、従って材料の剛性の尺度によって制御される)及び伸張可能な(長さの変化に伴う幅の相対的変化の測定値、又は伸張中に構成要素が「ネックインする」傾向を指すポアソン比によって制御される)エレクトロニクスは、小さな破壊歪み(ヤング率が高くポアソン比が1)に起因して無機材料をベースにしている。フレキシブルエレクトロニクスの典型的な実施形態は、屈曲又は伸張によって誘起される歪みを最小限に抑えるため基板上に半導体、導体、及び/又は絶縁体として採用された薄膜無機材料である。別の実施形態は、波状パターンの回路によって表われ、回路材料自体に実質的な歪みを有することなく、完全に可逆的な伸張性/圧縮率を提供することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、PCB製造のための「ワンストップショップ」を有することが望ましいことを認識している。現在、基板上の電子構成要素の配置を含まず、1つのPCB基板を製造するために約20の段階を利用する、極めて複雑な技術を、全ての製造段階を実行し且つ基板上の電子構成要素の配置さえも効果的に行うことができる機械に置き換える。
【0009】
従って、本発明は、PCB(リジッド又はフレキシブル)を基板から完全集積まで印刷するシステム及び方法に関する。本発明の様々な実施形態は、レーザアシスト堆積(LAD)システムを利用して、生産ラインにおいて電子デバイスとして使用されるPCB構造を作成するために、レーザジェットによって基板の上部に流動性材料を印刷する。一実施形態では、PCB印刷用システムは、ガラス強化エポキシ積層体(例えば、FR4)又はその他のような基板上に直接印刷する、ジェット印刷ユニット、撮像ユニット、硬化ユニット、及び穿孔ユニットを含む。ジェット印刷ユニットは、材料の焼結及び/又はアブレーションにも使用することができる。このようなシステムは、銅及び金ペースト、エポキシ、半田マスクを印刷して、加熱又は紫外線(UV)照射によってこれらを硬化させることができる。このようなシステムは、銅線の接合部にエポキシを印刷することもでき、例えば、エポキシ層がPCB基板上の銅線の上にブリッジとして印刷される。本発明のシステム及び方法に従って製造されるPCB基板は、片面又は両面基板とすることができる。
【0010】
一実施形態では、本発明は、PCB組立体の製造方法を提供し、本方法では、LADによって、PCB基板上に金属層が堆積させ、レーザを使用してドナー基板からPCB基板上及び又はその中の1又は2以上の孔に金属液滴がジェットされて、PCB基板上に金属層を形成する。金属層はその後乾燥及び焼結され、ジェット、乾燥及び焼結は、金属層が所望の厚さになるまで繰り返される。その後、金属層の上に少なくとも1つのパッシべーション層が形成される。必要であれば、金属層が所望の厚さを超える場合、金属層をアブレーションすることができる(例えば、堆積に使用したのと同じレーザを使用)。パッシベーション層は、ローラ又はブレードを用いて金属層上に堆積又はコーティングされるエポキシ層とすることができる。又は、パッシベーション層は、LADによってドナー基板上のエポキシコーティングから金属層の上に印刷されたエポキシ層とすることができる。必要に応じて、1又は2以上の追加の金属層及びエポキシ層も同様に、LADを用いて印刷することができる。エポキシ層は、熱気及び/又は赤外線(IR)照射によって硬化させることができる。
【0011】
ある事例では、金属層は、第1の金属トレースを含み、エポキシ層は、第1の金属トレースの少なくとも第1の部分を覆うエポキシの少なくとも第1の部分を含む。従って、エポキシ層上に印刷された追加の金属層は、第1の金属トレースの第1の部分を覆うエポキシ層の第1の部分上に配置された少なくとも部分を有する第2の金属トレースを含むことができる。すなわち、エポキシ層は、第2の金属トレースが短絡を引き起こすことなくPCB基板の同じダイ上の第1の金属トレースを横切ることができるブリッジを形成することができる。
【0012】
場合によっては、PCB基板の1又は2以上の孔は、PCB基板の第1の側面を穿孔又はレーザ彫刻することによってPCB基板の第1の側面に形成されるが、これらの孔はPCB基板の厚さ全体を貫通しない。次に、PCB基板の第1の側面、すなわち、孔が存在する側面からLADによって1又は2以上の孔に金属層を形成することができる。その後、PCB基板を反転させ、PCB基板の第2の(裏の)側面を貫通する穿孔又はレーザ彫刻により、PCB基板の厚さを通る1又は2以上の孔を完成させることができる。その後、PCB基板の第2の(裏の)側面を貫通する穿孔又はレーザ彫刻によって露出された1又は2以上の孔の再加工部分は、上述した方法でLADによってメタライゼーションすることができる。
【0013】
所望又は必要な場合には、半田マスク層が、例えばLADによって、パッシべーション層及びPCB組立体の何れかの介在層及び/又は構成要素の上に印刷される。また、半田マスクの上に、例えばLADによってラベルを印刷することができる。必要に応じて、半田マスクを含む様々な層の孔及びビアは、PCN組立体の金属層への電気的接続を提供し、電子構成要素の取り付け点を提供するように、LADによって形成及びメタライゼーションされる。
【0014】
更なる実施形態では、本発明は、PCB組立体の製造方法を提供し、本方法は、LADによって、エポキシ積層体上に金属を印刷するステップであって、金属は、レーザによってドナー基板上の金属コーティング又はフォイルから、レーザ彫刻によってエポキシ積層体に形成されたチャネル及び/又は孔に液滴としてジェットされる、ステップと、その後、エポキシ積層体をPCB基板又はPCB基板上に配置された事前形成されたエポキシ層にホットプレスにより取り付けるステップであって、エポキシ積層体のチャネル及び/又は孔にジェットされた金属がPCB基板とPCB組立体の一部におけるエポキシ積層体の上面との間にある、ステップと、を含む。半田マスク層は、LAD又はその他の方法で、エポキシ積層体の上面及びPCB組立体の何れかの介在層及び/又は構成要素の上に印刷され、半田マスク上にラベルを印刷することができる。
【0015】
更に追加的な実施形態において、本発明は、PCB基板を保持するように構成された基板ホルダが、複数の処理ステーションの間で並進可能なPCB組立体を製造するためのシステムを提供し、複数の処理ステーションは、1又は2以上の材料(例えば、銅ペースト及び金ペースト、エポキシ、及び半田マスク材料等)がコーティング又は他の方法で配置されるそれぞれのドナー基板から個々に上記材料のそれぞれをジェットすることによって、上記材料のLAD用に構成された印刷ステーションと、PCB基板上に堆積された材料のそれぞれを加熱、IR照射、又はUV照射によって硬化させるように構成された硬化ステーションと、PCB基板及び/又はその上に配置された材料のそれぞれの層におけるスルーホール及び/又はビアを穿孔又は彫刻するように構成された穿孔ステーションと、を含む。印刷ステーションはまた、PCB基板及び/又は上記PCB組立体の追加層上に印刷された材料のそれぞれのもののレーザ焼結及び/又はレーザアブレーション用に構成することができる。印刷ステーション、硬化ステーション、及び/又は穿孔ステーションによるPCB基板の両側面へのアクセスを可能にするために、PCB基板を反転させるように構成されたユニットもまた、提供することができる。
【0016】
更に別の実施形態では、本発明は、プリント回路基板PCB組立体を製造するための方法を提供し、本方法では、PCB基板の第1の側面から1又は2以上のビアがPCB基板に穿孔又はレーザ彫刻される。ビアは、PCB基板の厚さ全体を通って延在しない。金属ペーストは、LADによって、PCB基板の少なくとも第1の部分の上及びビアの1又は2以上内に第1の厚さまで堆積される。この堆積は、入射レーザビームによって第1のキャリア基板上のドナーフィルムから少量の金属ペーストをPCB基板上及び1又は2以上のビア内にジェットし、PCB基板の少なくとも第1の部分上及び1又は2以上のビア内に堆積された金属ペーストを硬化させ、金属ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを使用して、堆積され硬化された金属ペーストを焼結することによって行われ、PCB基板上及び1又は2以上のビア内に金属ペーストの所望の厚さが達するまで、金属ペーストの堆積、硬化及び焼結を繰り返し、PCB基板上及び1又は2以上のビア内に連続した厚さを形成する。次に、PCB基板上及び1又は2以上のビア内の所望の厚さの金属ペースト上に、LADによってパッシベーション層が印刷される。印刷は、金属ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを使用して、第2のキャリア基板から少量のエポキシ層をジェットして、パッシベーション層を硬化させることによって行われる。最後に、パッシベーション層の上にLADによって半田マスクを形成され、この形成には、金属ペーストの堆積に使用したのと同じレーザを使用して、第3のキャリア基板から少量の半田マスク材料層をジェットして、半田マスクを硬化させることを含む。半田マスク層、パッシべーション層及び金属ペースト層は、熱又は赤外線もしくは紫外線を使用して硬化させることができる。
【0017】
様々な実施態様において、PCB基板は、穿孔、堆積、印刷、及び形成プロセスが行われる位置間で並進可能なステージ上で、穿孔、堆積、印刷、及び形成プロセス間で移動される。また、金属ペーストを堆積するプロセス及びパッシべーション層を印刷するプロセスは、PCB基板と半田マスクとの間(例えば、PCB基板の片側面又は両側面)に金属ペースト及びエポキシ層の両方の複数の層を有するPCB組立体を製造するように、半田マスクを形成する前に複数回行うことができる。電子構成要素のための金属電気コネクタは、パッシべーション層及び/又は半田マスク内に形成することができ、金属電気コネクタは、異なる金属(例えば、Cu、Au、Ag等)から形成することができる。1又は2以上の電子構成要素は、例えば、1又は2以上の半田接合によって金属電気コネクタに取り付けられ、場合によっては、1又は2以上の追加のパッシべーション層及び/又は半田マスク層が、電子構成要素の上に形成することができる。必要に応じて、電子構成要素を取り付ける前に、LADによって電子構成要素の支持構造を形成することができる。また、上述したように、異なる電気トレース層間の短絡を避けるためにエポキシブリッジを使用することができる。
【0018】
本発明のこれら及び更なる実施形態について、以下でより詳細に説明する。
【0019】
本発明は、添付図面の図において例示されており限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1a】PCBにビアを形成するための異なるプロセスを概念的に示す図である。
【
図1b】PCBにビアを形成するための異なるプロセスを概念的に示す図である。
【
図1c】PCBにビアを形成するための異なるプロセスを概念的に示す図である。
【
図1d】PCBにビアを形成するための異なるプロセスを概念的に示す図である。
【
図2a】本発明の実施形態による、金属層をビアに印刷するプロセスを概略的に示す図である。
【
図2b】本発明の実施形態による、金属層をビアに印刷するプロセスを概略的に示す図である。
【
図2c】本発明の実施形態による、金属層をビアに印刷するプロセスを概略的に示す図である。
【
図2d】本発明の実施形態による、ビア壁に金属コートを形成するためにビアの縁部に印刷する一例示す図である。
【
図3a】金属印刷プロセス段階の様々な代替形態を示す図である。
【
図3b】金属印刷プロセス段階の様々な代替形態を示す図である。
【
図4a】本発明の実施形態による、ローラ又はブレードによって、PCBの表面上にエポキシ層を印刷する様々な方法を示す図である。
【
図4b】本発明の実施形態による、直接印刷によって、PCBの表面上にエポキシ層を印刷する様々な方法を示す図である。
【
図4c】最終的な積層特性を達成するために、
図4a及び4bに示される方法に従って製造されたPCBの加熱を示す図である。
【
図5a】固体積層体を彫刻する(
図5a)ことによってPCBを作製する追加の方法を示す図である。
【
図5b】金属層を積層体上に印刷する(
図5b)ことによってPCBを作製する追加の方法を示す図である。
【
図5c】金属層を乾燥及び加圧(
図5c)することによってPCBを作製する追加の方法を示す図である。
【
図6a】前層に押し当てた後、固体積層板を彫刻する(
図6a)ことによりPCBを作成する更に追加の方法を示す図である。
【
図6b】金属層を積層板に印刷(
図6b)することによりPCBを作成する更に追加の方法を示す図である。
【
図6c】乾燥する(
図6c)ことによりPCBを作成する更に追加の方法を示す図である。
【
図7a】半田マスクをPCBに印刷するステップ(
図7a~7b)を示す図である。
【
図7b】半田マスクをPCBに印刷するステップ(
図7a~7b)を示す図である。
【
図7c】半田マスクを熱硬化又はUV硬化させるステップ(
図7c)を示す図である。
【
図8a】PCBへのラベルの印刷ステップ(
図8a)を示す図である。
【
図8b】熱硬化又はUV光による硬化ステップ(
図8b)示す図である。
【
図9a】本発明の方法及びシステムが、PCBの片側面にエポキシブリッジを使用することにより両面PCBの必要性を排除することにより、PCB処理時間を短縮できる方法の態様を示す図である。
【
図9b】本発明の方法及びシステムが、PCBの片側面にエポキシブリッジを使用することにより両面PCBの必要性を排除することにより、PCB処理時間を短縮できる方法の態様を示す図である。
【
図10a】本発明の実施形態による、PCBの完全生産のためのシステムの態様を示す図である。
【
図10b】本発明の実施形態による、PCBの完全生産のためのシステムの態様を示す図である。
【
図11a】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11b】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11c】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11d】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11e】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11f】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図11g】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの多層PCBの生産サイクルの態様を示す図である。
【
図12a】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの両面多層PCB基板の製造サイクルの態様を示す図である。
【
図12b】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの両面多層PCB基板の製造サイクルの態様を示す図である。
【
図12c】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの両面多層PCB基板の製造サイクルの態様を示す図である。
【
図12d】本発明の実施形態による、基板から最終基板までの両面多層PCB基板の製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13a】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13b】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13c】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13d】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13e】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13f】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13g】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13h】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図13i】本発明の実施形態による、組み込み電子機器を有するPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図14a】PCB製造の幾つかの態様でレーザアシスト堆積が使用されるPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図14b】PCB製造の幾つかの態様でレーザアシスト堆積が使用されるPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図14c】PCB製造の幾つかの態様でレーザアシスト堆積が使用されるPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【
図14d】PCB製造の幾つかの態様でレーザアシスト堆積が使用されるPCBの製造サイクルの態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
PCB製造は、相当な数の段階を有する高度に発達した分野である。本発明は、プリプレグ及び積層レベルから、電子機器を組み込んだ完全に構築された基板まで、PCBをワンショップストップとして構成することができる複数のサブモジュールを備えた単一システムの提供及び使用を通じて、製造プロセスを簡素化することを目的としている。本発明に従って構成されたシステム及び方法は、従来のPCB製造に今日使用されている異なる材料を必ずしも利用する必要はなく(このような新しい材料を使用することはできるが)、その代わりに、同じ材料を新しい異なる方法で使用することができる。従って、様々な実施形態において、本発明は、基板レベルから完全な統合までPCB又はフレキシブルPCBを印刷するシステム及び方法に関する。以下に説明するように、本発明の実施形態は、LADシステムを利用して、レーザジェットによって基板の上部に何らかの流動性材料を印刷して、生産ラインにおいて電子デバイスとして使用されるPCB構造を作成することができる。
【0022】
PCB製造の第1段階は、PCB基板にビアを穿孔するステップを含む。
図1a~1dに示されるように、幾つかの手法の何れかを取ることができる。例えば、
図1aを参照すると、PCB基板製造システム100aにおいて、PCBコア基板104への穿孔にCNCマシン102を使用することができる。図示されるように、PCBコア基板104は、FR4のようなガラス強化エポキシ積層体で作ることができる。この種のモジュールは、穿孔廃棄物を除去するための付加的なクリーニングユニットを備えたものも含めて、今日広く使用されている。CNCヘッド102は、三次元で移動可能なステージ(図示せず)上に取り付けられ、基板104は、その側面から又は犠牲基板(この図では図示せず)上で平坦に保持される。穿孔ヘッド102は、基板104上の所望の位置にて、任意選択的に異なる直径を有する孔106を形成する。現在のシステムでは、基板を反転させた後にレーザで余分な材料を除去し、孔への銅ペーストの配置を簡素化し、基板ホルダをクリーンに保つ(スルーホールはホルダ表面を汚染する可能性がある)ので、ビアのみを穿孔し、スルーホールを穿孔しないことが有益である。
【0023】
以下に説明するように、PCB基板製造システムの他の態様は、レーザベースである。従って、CNCドリルヘッドを使用するのではなく、ビアの形成を含むPCBの製造に関わる全てのレーザ彫刻又は切断を、レーザを使用して行うことができる。そのために、
図1bは、レーザシステム110を使用してビアを彫刻するPCB基板製造システム100bの実施形態を示す。レーザ110を使用する場合、パワー又は光強度計112を使用して孔深さを評価することができる。レーザ穿孔中にビアの位置で光強度を測定することにより、ビア孔深さを(例えば、テーブルルックアップ又は他の手段により)評価して、孔がPCB基板104の厚さ全体を通過する前に(例えば、基板の厚さ「z」が残るように)穿孔を停止するようにすることができる。測定される光強度は、切断レーザビーム114自体の光強度、又は別個の光源(例えば、切断位置の上方に配置された光源)の光強度であってもよい。
【0024】
前述したように、ビアのみを穿孔/切断しスルーホールを穿孔/切断しないことにより、基板ホルダのクリーニングが単純化される。しかしながら、
図1cに示すPCB基板製造システム100cを参照すると、採用することができる別の解決策は、PCB基板104の下方に剥離可能な基板108を追加することである。例えば、剥離可能基板108をPCB基板104の一方の側に追加し、反対側を穿孔及びクリーニングした後、剥離可能基板108を除去して、当初配置されていたPCB基板104の側の穿孔を可能にすることができる。剥離可能基板108が使用される場合、これらの動作を可能にするために、適切なコーティング及び剥離ユニットがシステムに追加される。
【0025】
次に
図1dを参照すると、PCB基板製造システム100dのサンプルホルダ120を清浄に保つ更に別の方法は、サンプルホルダ120とPCB基板104との間に犠牲層116(例えば、プラスチック又は同様の材料からなる)を使用することである。この場合、犠牲層120は、PCB基板104を平坦に保持できる必要がある。通常、サンプルホルダ120は、PCB基板104をホルダ表面と平坦に保持する真空ホルダであるが、犠牲層120が追加された場合、PCB基板104上で真空を維持できる必要がある。従って、PCB基板104に対して真空が維持されるように犠牲層116に幾つかの孔118を追加する必要があり、これらの孔は、穿孔した孔116の位置から離れて配置されるべきである。用途毎に、新しい犠牲層116を設計しなければならず(穿孔の孔の位置を考慮して)、何度も使用することができる。
【0026】
次に、メタライゼーションプロセスに目を向けると、本発明の実施形態では、これは、ペースト印刷によって実施することができる。
図2aは、PCB基板製造システム200において、ビア106が彫刻/穿孔されたPCB基板104のような非平坦面が、レーザ誘起ジェットによって金属ペースト202で覆われる方法を示す。レーザ誘起ジェットは、レーザビーム204を使用して、制御された材料堆積によってパターン化された表面を形成するLADの一形態である。特に、レーザ光子は、ドナーフィルム208からPCB基板104のようなアクセプタ基板に向かって少量の材料206を発射させる駆動力を提供する。典型的には、レーザビーム202は、非吸収キャリア基板210上にコーティングされたドナーフィルム208の内側と相互作用する。言い換えれば、入射したレーザビーム204は、光子がフィルム208の内面により吸収される前に、透明基板210を通って伝搬する。あるエネルギー閾値を超えると、材料206は、ドナーフィルム208から、作業エリアのステージ(この図には示されていない)上に位置するPCB基板104の表面に向かって放出される。
【0027】
ビア106内を含むPCB基板104上に堆積されると、金属ペースト202は、熱気212により(
図2bを参照)、又は赤外線(IR)ランプ又は同様の機構を用いた加熱によって乾燥され、結果として得られた金属フィルム214は、
図2cに示すように、堆積された金属ペースト上を通過されるレーザビーム216を用いて焼結され、高導電性金属(例えば、銅)フィルムを製造することができる。ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを焼結に使用することができ、正しく配置されなかった堆積材料のアブレーションに、すなわち、堅牢性を高めるためのインライン修復にも使用することができる。
【0028】
導電性フィルムの印刷は中間ステップであるので、この層の形成には長い時間期間をとらないことが望ましい。従って、導電性フィルムが形成される材料は、(IR照射、熱気又はその両方によるかどうかにかかわらず)硬化に短時間しかかからず、硬化プロセス中に(仮にそうであったとしても)あまり収縮しないはずである。硬化に過度の時間を要する材料は、プロセス全体の速度を遅らせ、硬化中に(少なくとも少しよりは多くの)収縮をする材料は、PCB基板に機械的応力を加えることになり、故障につながる可能性がある。
【0029】
導電性フィルムに使用される活物質又は導電性材料は、1又は2以上の金属を含むことができる。企図される金属には、純金属、金属合金、及び耐火性金属が挙げられる。銅は、PCBメタライゼーション用の一般的な選択肢であり、本発明の実施形態において使用することができる。活物質は、固体状態(例えば、プラスチックフィルム上に堆積された小さな金属粒子をLADプロセスで使用して導電性フィルムを生成することができる)から、又は上述のようにドナーフィルム上に担持させたペーストの形態で、LADを使用して施工(印刷)することができる。導電性フィルムは、その後の電子接続を完全にサポートするのに十分な量を施工する必要がある。これは、ペーストの複数の層を重ねて施工して、1つの層の各施工後に硬化ステップを行うことを意味することができる。
図2dに示すように、レーザジェットプロセスは高精度であるため、金属ペースト208をビア106の縁部220に直接印刷するのに使用することができ、ビアホールのみをコーティングし、ビアホールを充填しない方法を可能にする。この手法は、大きなビア及び/又は深いビアの場合にかなり重要とすることができる。
【0030】
メタライゼーションプロセスの一実施形態が、
図3aに概略的に示されている。最初に、孔又はトラックが、金属(例えば、Cu)(又はそれ以外)のレーザジェット(302)によって印刷され(すなわち、孔の場合には充填され、トラック又はトレースの場合にはPCB基板又は他の層上に堆積される)、次いで、溶媒が乾燥(304)され、金属が焼結(306)される。この段階で、基板を画像処理ユニットに運び、所望の孔又はトラック厚さ(例えば孔の場合、充填レベル)に達したことを確認することができる(308)。そうであれば、基板は、次の段階に渡され、そうでなければ、追加の印刷/堆積のために戻されて、所望の量の金属が印刷されるまで(すなわち、所望の厚さに達するまで)プロセスが繰り返される。
図3bに示すように、他の実施形態では、焼結ステップの前(又は後)で、余分な堆積材料を除去するアブレーションステップを追加することができる。
【0031】
任意の層で、メタライゼーションの後、誘電体層を基板に追加して、静電容量を低減し、短絡を回避することができる。例えば、液体材料をコーティングして硬化させることにより、又はプリプレグをホットプレスすることによる、誘電体層を追加する幾つかの方法がある。以下、このようなプロセスの例を説明する。
【0032】
図4a及び
図4bを参照すると、エポキシ層とすることができ且つパッシベーション層として機能する誘電体層408は、ローラ又はブレードの助けを借りて(
図4aを参照)、又は
図4bに示すようにレーザジェットシステムを使用してドナーフィルムから誘電体層を印刷することによって、金属(又は他の)層及び/又はPCB基板上に堆積又はコーティングすることができる。ローラ404又はブレードを用いて液体エポキシ402をコーティングする場合、エポキシは、シリカボール等の充填剤を含む粘性液体とすることができる。一定量のエポキシ402が、基板の一端に施工され、ポリテトラフルオロエチレン、セラミック、シリコーン、又は他の材料のような固着防止材料で作られ又はコーティングすることができるローラ404が、金属層214上の所望の高さに配置され、基板の上を横方向に移動して、エポキシ402を所望の厚さ「h」で均一に層408に広げる。場合によっては、ローラ404を所定位置に固定し、基板をその下方に移動させてエポキシを広げるようにすることができる。ローラの代わりにブレードアプリケータが使用される場合、基板に対するブレードの角度は、エポキシに加えられる垂直力に影響することになる。角度が小さすぎる場合には、エポキシが金属層の一部の間の小さなアパーチャ内に詰め込まれない可能性がある。同時に、ブレード圧力が小さすぎる場合には、エポキシが基板にクリーンに施工されるのが妨げられる可能性があり、ブレード圧力が高すぎる場合には、所望の被覆領域の外にエポキシが漏洩する結果となる可能性がある。従って、ブレード角度の調整手段を設けて、エポキシ粘度及び他の特性に応じてブレード角度を調整する必要がある。
【0033】
或いは、
図4bに示すように、エポキシ402を基板又はフォイル404に薄層で施工し、次いで、金属層をジェットするのにも使用されたビーム204を生成した同じレーザを用いてレーザジェットすることにより、金属層214及び/又はPCB基板104上に少量406(例えば、液滴)で堆積することができる。エポキシ402は、得られるエポキシ402のコーティングが均一な厚さであることを確保するように、ローラのペア又は単一のローラと明確に定義されたギャップによって分離された固定表面との間を基板が通過するローラシステムによって、レーザビーム204の波長で透明又はほぼ透明である基板404に施工することができる。例えば、このようなコーティングシステムは、エポキシのシリンジと、基板404上にエポキシを駆動する空気又は機械式ポンプとを含むことができる。その後、基板404は、十分に定義されたギャップに向かって移動されて、ギャップによって定められる厚さを有するエポキシ402の均一な層を形成することができる。本発明の幾つかの実施形態では、基板404は、コーターローラ間のギャップを開きながら、制御された方法で双方向に並進可能であり、ローラへの汚染なしに基板404の同じ領域をエポキシで再コーティングする可能性を創出し、コーティングプロセス中に消費される基板404の量を低減又は排除することで、廃棄物を阻止することができる。
【0034】
コーティングされると、その上にエポキシ402の層を有する基板404が、レーザジェットシステム内に配置され、レーザビーム204を用いてエポキシ402のドット406が、金属層214及び/又はPCB基板104上にジェットされる。一実施例では、レーザビーム204は、エポキシ層402と基板404との間の界面に集束されて、局所加熱を引き起こした後、金属層及び/又はPCB基板上へのエポキシのジェットを駆動する相変化及び高局所圧力を引き起こす。金属層及び/又はPCB基板へのエポキシの印刷後、基板404は、移送機構の方向を反転させることにより、又は基板404が連続フィルムである場合には、ループ状プロセスでコーティングシステムを通って基板404を移動させることにより、エポキシ402の第2の(又は追加の)コーティングのために戻すことができる。
【0035】
更なる実施形態において、基板404は、スクリーン又はグリッドとすることができ、ここでは、エポキシ402がローラ又はブレードであってもよいコータによってスクリーンの孔に導入され、入射レーザビーム204がスクリーンの孔から金属層及び/又はPCB基板上にエポキシを変位させるのに使用される。
【0036】
図4cを参照すると、エポキシ層408を印刷又はコーティングした後、熱気、IR照射、及び/又は他の加熱方法によって熱を加えられ、エポキシ層が硬化される。
【0037】
パッシベーションのための更に別の手法は、積層体を使用してパッシべーション層を形成することである。積層体の使用により、表面の高低差が減少し、より均一な高さのPCB表面が形成される。積層パッシベーション層は、2つの異なる方法、すなわち、金属(例えば、Cu)を積層体上に印刷し、得られた構造を表面に貼り付けること(
図5a~c)、又は積層体をPCB表面に貼り付け、金属(例えば、Cu)をオープンビアに印刷すること(
図6a~6c)の何れかで形成することができる。
【0038】
第1のプロセスでは、
図5a~5cを参照すると、積層フィルム502がライナー504に貼り付けられ、レーザビーム506を用いて、例えば積層体に貫通孔508及び/又はチャネル510を形成することにより、積層体を所望の形状に彫刻/切断する。彫刻された領域は、基板210上にコーティングされたフィルム208から金属を堆積させるためにレーザビーム204を使用して金属(例えば、Cu)202が充填され、その後にのみ、積層体502が(例えば、ホットプレスによって)PCB基板104(又は以前に形成された積層体層)に取り付けられて、金属とパッシべーションの両方の層が形成される。この手法は、層の構築及び層の取り付けを2つの独立した段階として行うことができ、その直列化を可能にするので、PCB構築サイクルの効率を著しく高めることができる。
【0039】
他の利点は、
図6aに示すように、PCB基板104に積層体層602(例えば、エポキシ積層体)を取り付け、その後レーザビーム606を用いて積層体層を彫刻することで達成することができる。この手法は、積層体をPCB基板に取り付ける際のホットプレス段階での熱影響に対してより安定である。彫刻後、上述の方法でビア及び孔を金属で充填し(
図6b)、熱気410を基板表面に当てて金属を乾燥させる(
図6c)。金属粒子の導電性を高めるために、追加のレーザ焼結を追加することができる。
【0040】
PCB製造の最終段階において、基板は半田マスク層でコーティングされる。半田マスク層は、下にある層の保護材として機能することで、基板の内層を損傷することなく、高温を使用して電子構成要素を基板に半田付けすることを可能にする。
図7Aに示すように、半田マスク702を印刷する1つの方法は、レーザジェットによるものである。エポキシ層が印刷された方法と同様に、半田マスク材料704は、基板又はフォイル708に薄層で施工され、次いで、レーザビーム706を用いたレーザジェットによって、金属層214及び/又はPCB基板104上に少量710(例えば、液滴)で堆積することができる。レーザビーム706は、金属層及び/又はエポキシ層のジェットにも使用されたのと同じレーザによって生成することができる。半田マスク材料704は、得られる半田マスク材料704のコーティングが均一な厚さであることを保証するために、基板がローラのペア又は単一のローラと、明確に定義されたギャップによって分離された固定表面との間を通過されるローラシステムによって、レーザビーム706の波長において透明であるか又はほぼ透明である基板708に施工することができる。例えば、このようなコーティングシステムは、半田マスク材料のシリンジと、半田マスク材料を基板708上に駆動する空気又は機械式ポンプとを含むことができる。次いで、基板708を十分に定義されたギャップに向かって移動させて、ギャップによって定められる厚さを有する半田マスク材料704の均一な層を形成することができる。本発明の幾つかの実施形態では、基板708は、コーターローラ間のギャップを開きながら、制御された方法で双方向に並進可能であり、ローラへの汚染なしに半田マスク材料で基板708の同じ領域を再コーティングする可能性を創出し、コーティングプロセス中に消費される基板708の量を低減又は排除し、それによって無駄を防止する。
【0041】
コーティングされると、半田マスク材料704の層をその上に有する基板708がレーザジェットシステム内に配置され、半田マスク材料704のドット710がレーザビーム706を用いて金属層214及び/又はPCB基板104上にジェットされる。一実施例では、レーザビーム706は半田マスク材料704の層と基板708との間の界面に集束され、局所的な加熱を引き起こした後、金属層及び/又はPCB基板上への半田マスク材料のジェットを駆動する相変化及び高い局所圧力を引き起こす。半田マスク702を金属層及び/又はPCB基板に印刷した後、基板708は、移送機構の方向を反転させることにより、又は基板708が連続フィルムである場合にはループ状のプロセスでコーティングシステムを通して基板708を移動させることにより、半田マスク材料704の第2の(又は追加の)コーティングのために戻すことができる。
【0042】
半田マスク702が印刷されると、
図7bを参照し、
図7cに示すように、UV光714及び/又は熱を用いて硬化させ、半田付け領域712においてのみ開口したマスク層を形成する。
【0043】
多くの場合、技術者が各構成要素の目的を理解するのを助け、技術者にPCB基板上の領域を指し示すために、PCB基板の上にラベルがあることは有用である。このために、半田マスク層702の上に追加のラベル層802を追加することができる。ラベル層802は、インクジェット、スクリーン印刷、又は他の印刷方法によって印刷することができ、一実施形態では、半田マスク層の印刷に使用されるのと同じレーザジェットシステムによって印刷される。
【0044】
図8Aに示すように、ラベル材料804は、基板又はフォイル808に薄層で施工され、次いで、レーザビーム806を用いたレーザジェットによって半田マスク層702上に少量810(例えば、液滴)で堆積することができる。レーザビーム806は、金属層、エポキシ層、及び/又は半田マスク層のジェットにも使用されたのと同じレーザによって生成することができる。ラベル材料804は、得られるラベル材料804のコーティングが均一な厚さになるように、基板を一対のローラ又は単一のローラと、明確に定義されたギャップによって分離された固定表面との間を通過させるローラシステムによって、レーザビーム806の波長において透明又はほぼ透明である基板808に施工することができる。例えば、このようなコーティングシステムは、ラベル材料のシリンジ、ラベル材料を基板808上に駆動する空気又は機械的ポンプを含むことができる。その後、基板808を十分に定義されたギャップに向かって移動させて、ギャップによって定められる厚さを有するラベル材料804の均一な層を形成することができる。本発明の幾つかの実施形態では、基板808は、コーターローラ間のギャップを開きながら、制御された方法で双方向に並進可能であり、ローラへの汚染なしにラベル材料で基板808の同じ領域を再コーティングする可能性を生み出し、コーティングプロセス中に消費される基板808の量を低減又は排除し、それによって無駄を防止する。
【0045】
コーティングが完了すると、ラベル材料804の層が形成された基板808がレーザジェットシステム内に配置され、レーザビーム806を用いてラベル材料804のドット810が半田マスク層702上にジェットされる。一例では、レーザビーム806はラベル材料804の層及び基板808の間の界面に集束され、局所加熱を引き起こし、次いで相変化及び高い局所圧力を引き起こし、ラベル材料の半田マスク層702上へのジェットを促進する。ラベル層802を印刷した後、基板808は、移送機構の方向を反転させることにより、又は基板808が連続フィルムである場合には、ループ状のプロセスでコーティングシステムを通して基板808を移動させることにより、ラベル材料804の第2の(又は追加の)コーティングのために戻すことができる。
【0046】
ラベル層802が印刷されると、
図8bに示すように、UV光814及び/又は熱を用いて硬化させる。硬化ステーションは、半田マスク層の硬化に使用したものと同じものでよい。
【0047】
本発明の実施形態による、構成されたPCB生産システムの利点の1つは、多層PCB基板に関連するコスト及び生産時間を削減できることである。層以上の金属層を使用する基板の現在の製造プロセスは複雑である。本発明は、1層以上の金属層を有する基板を簡単且つ迅速に製造することを可能にする広範な用途を組み込んだシステム及び方法を提供する。例えば、従来のPCB製造プロセスでは、金属ライン間の単純なブリッジの製造に対応できないが、本発明に従って構成されたシステムでは、このようなブリッジを極めて容易に行うことができる。
【0048】
図9aは、交差した金属(例えば、Cu)ライン902、904、906を含むPCB900の例を示す。従来のPCB製造プロセスを使用すると、PCB900の製造は、可能であるとしても、幾つかの製造段階を伴い、かなりの製造時間を消費する。また、両面PCBを使用しなければならない場合もある。しかしながら、本発明の方法を採用するPCB製造システムでは、製造の複雑さ及び時間が大幅に短縮される。例えば、上述の技術の1又は2以上を使用して、エポキシパッチ910、912は、PCB900の片側面に金属ライン902、904、906を印刷するステップを可能にし、任意に、エポキシパッチを印刷するために使用されるのと同じレーザジェット装置を使用して、レーザジェットを使用して印刷することができる。
図9bは、
図9aに示されるPCB900上のワイヤ交差の1つのクローズアップ三次元図を提供する。金属線902を印刷した後、後続の金属線904が短絡を生じることなくPCB900の同じ側の線902上を通過するように、エポキシパッチ910を印刷することができる。この単純な例は、上述のような異なる材料に対するレーザジェット技術を使用して、過去の複雑な両面基板を比較的簡単な方法で製造することができることを示す。勿論、本発明のシステム及び方法は、エポキシパッチ910のようなブリッジ構造を有する又は有さない両面PCBを製造するために使用することもでき、これにより、ブリッジ領域及び非ブリッジ領域を有する片面及び両面基板の製造を容易にする。
【0049】
次に
図10a及び
図10bに目を向けると、本発明の実施形態による、構成されたPCB処理システム1000a及び1000bの例が図示されている。
図10aは、個々のサブユニットから構成されるシステム100aを示し、
図10bは、サブシステムが様々なモジュールに配置されるシステム1000bを示す。これらの実施例において、PCB処理システム1000a及び1000bは、撮像サブシステム1003及びレーザサブシステム1004を含み、これらは全体として印刷ユニット1002に編成することができ、これを含むことができる。UV光サブシステム1008は、UV硬化ユニット1006に含まれてもよいが、これは任意の構成要素である。加熱サブシステム1012は、加熱ユニット1010の構成要素であってもよい。更に、上述のCNC穿孔ヘッド1002及び穿孔ヘッドを操縦するための3次元並進可能なサブシステム1016を含む穿孔ユニット1014は、モジュールとして提供されてもよく、又は構成要素が別々に提供されてもよい。オプションとして、穿孔ユニット1014又は他の場所に、PCBの両側面に穿孔、印刷等を可能にするように、処理中にPCBを反転するように構成されたPCB反転サブシステム1018を含めることができる。積層が使用される場合、オプションのホットプレスサブシステム1020が利用可能である。印刷ユニット102に付随して、上述したLAD手順のための様々な材料1022が提供される。これらには、導電性トレースに使用される金属(例えば、Cu)、半田マスク材料、エポキシ等、並びにこれらの材料がPCB上に堆積するためにコーティングされるドナー基板を含む。図示されていないが、印刷ユニット1002は、全てのレーザ堆積プロセスのためのレーザサブシステムのみを含むことができるが、ラベル又は半田マスク材料を印刷するためのインクジェットヘッド又はスクリーンプリンタを含むこともできる。
【0050】
上述では詳述しなかったが、撮像サブシステム1003は、上述したエッチング及び堆積手順の何れか又は全てに関連して採用することができる。例えば、撮像サブシステムは、製造プロセス中の様々な段階でPCB又はその一部を撮像する1又は2以上の2次元及び/又は3次元撮像ユニット(例えば、カメラ、走査レーザ配置等)を含むことができる。ビア及び孔又は特徴は、デブリがなく、形状が規則的であることを確保するように撮像することができる。堆積された層は、これらが均一な被覆及び/又は正確な位置であることを保証するように画像化することができる。これは、材料層が小滴の連続的なジェットによって印刷される場合に特に重要である。撮像はまた、ホルダ120上のPCB基板102の正確な登録を確実にするために使用することができる。この方法での画像化は、層の追加又は再コーティングのようなプロセスステップのインライン修復、又は必要な場合のインプロセスPCBの拒絶を可能にすることができる。二次元に並進可能なステージ1030及び必要に応じてPCB102を上昇及び下降させるステージ1030は、処理中にシステム1000の様々なユニット及びそれらのユニット内のサブシステム間のPCBの移動を容易にする。
【0051】
前述のように、UV光サブシステム1008は、モジュール化されているか否かにかかわらず、オプションである。全ての堆積層を熱硬化させることができるので、UV硬化の使用は必須ではなく、従って、UV光サブシステムの必要性は、UV硬化が好ましい場合に限られる。モジュール化された場合、UV光サブシステム1008は、全体的なシステムに含めることができ、又は所望に応じてここから取り外すことができる。
【0052】
加熱サブシステム1012は、熱に敏感な材料を硬化させるため及び/又は溶剤ベース材料を乾燥させるために使用される。これは、全体システム1000aの一部とすることができるが、好ましくは、システム1000bにおいて、必要に応じて容易に交換できるようにモジュール化1010される。
【0053】
穿孔ユニット1014は、上述したように、積層体に孔及びビアを形成するために使用される。前述したように、穿孔ユニット1014は、CNCヘッド102、又はレーザベースの切断及び彫刻ユニット、又はその両方の組み合わせとすることができる。CNCヘッド及び/又はレーザ切断ツールは、100aのような大型システムに組み込むことができるが、穿孔プロセス中に発生するデブリを区切るように、モジュール式穿孔ユニット1014を使用することが好ましい。穿孔後、穿孔前に保護フィルムを追加するか、空気圧及び吸引により表面をクリーニングするか、又は別のクリーニングプロセスにより、PCB基板にクリーニング手順が適用される。
【0054】
PCBの基板として固体積層が使用される場合、追加のホットプレスサブシステム1020は、積層をPCB基板104に取り付けるために使用される。
【0055】
図11a~11gは、片面多層PCBの製造サイクルの態様を示し、
図12a~12dは、両面多層PCBの製造サイクルの態様を示し、それぞれ本発明の実施形態による、PCB基板から最終基板に至る。
図11aに図示した片面多層PCB1100から始めると、PCB基板1102は、FR4基板又はフレキシブル基板であってもよい。第1の銅(又は他の)クラッド層1104がPCB基板1102の上に形成され、エポキシ層1106によってカバーされる。銅クラッド層1104をエポキシ層1106aの上側に配置された第2の銅(又は他の金属)構造化層1108に電気的に接続するために、エポキシ層1106aに1又は2以上の貫通孔1114を証明することができる。貫通孔は、上述のように、穿孔プロセス及びそこに堆積された銅又は他の金属コネクタによって形成することができる。上側の銅構造層1108はまた、エポキシ層1106bによってカバーされる。この構造は、必要な銅(又は他の金属)層の数だけ繰り返すことができ、必要に応じて銅又は他の金属コネクタを有する貫通孔1116が設けられる。の銅層は半田マスク層1110でカバーされ、メタライゼーションされたスルーホール1116、1114を介して様々な銅ライン1106、1108に電気的に接続できるように、金、銀、又は他の金属コネクタ1112を追加することができる。金、銀又は他の金属コネクタ1112は、PCB基板への電気構成要素の半田付けを可能にする。片面多層PCB1100及びその構成要素を形成するためのプロセスの例は、
図11b~11gを参照して説明する。
【0056】
図11bに示すように、片面多層PCBの製造は、その片側面に配置された銅(又は他の金属)クラッド層1104を有するPCB基板(FR4又は他の)1102を入手することから始まる。銅クラッド層を有するPCB基板を購入することが可能であり、本発明の一実施形態では、これらを出発材料として使用し、銅クラッド層をレーザでエッチングして余分な材料を除去し、PCB基板上に所望のCuライン形状を残すことができる。或いは、図示のように、裸の基板(FR4又はその他)1120を上述のようなレーザジェットステーションに供給し、レーザビーム1126を用いてドナー基板1124上にコーティングされた銅層1122をレーザジェットすることにより、その片側面に銅(又は他の金属)ラインを形成することもできる。溶媒が乾燥したら、PCB基板1120の表面にジェットされた銅層1128が焼結され、アブレーションによって余分な銅が除去される。焼結及びアブレーションプロセスは、ジェットプロセスに使用されるのとは異なるエネルギーではあるが、同じレーザ1126を使用して実行することができる。或いは、焼結及びアブレーションに異なるレーザを使用することもできる。
【0057】
第1の銅層が形成された後、第2の層が追加層へのコネクタを形成するために追加される。
図11cは、PCB基板1130上の第1の銅層1132の上に銅コネクタ1134 を印刷する一例を示している。
【0058】
図11dに示されるアブレーションプロセスでは、エポキシ層1146はレーザジェットによって第1の銅層1132上に印刷され、硬化され、コネクタが最終的に形成される位置のエポキシ層に孔/ビア1148がアブレーションされる。その後、エポキシ層に形成された孔/ビア1148にレーザジェットで銅コネクタ1134を印刷する。更に乾燥及び焼結を行い、構造体が完成する。
図11c及び/又は
図11dに示したプロセスを複数回繰り返して、
図11eに示すような多層構造1150を作成することもできる。
【0059】
所望の数の金属層(例えば、銅)及びエポキシ層が形成されると、電気コネクタ及び半田マスク層が印刷することができる。
図11fは、このような手順の一例を示している。まず、銅コネクタ1134の上にレーザジェットを用いて金コネクタ1152を印刷し、導電接続を形成する。レーザジェットプロセスは、レーザビーム1158を使用して、上述のようにドナーフィルム又は基板1156上にコーティングされた金フィルム又はペースト1154から金の小滴をジェットする。その後、金コネクタ1152を乾燥させ、焼結させ、必要に応じてアブレーションし、半田マスク層1160を表面のエポキシ層上にジェット印刷し、熱及び/又は紫外線1166の何れかで硬化させる。半田マスク層の焼結、アブレーション(必要な場合)及び印刷に使用されるレーザは、金コネクタの印刷に使用されるもの及び/又は銅コネクタの印刷に使用されるものと同じであってよく、エネルギーは適宜調整される。
【0060】
図11gに示すように、最初に半田マスク層1160をジェット印刷し、加熱又はUV照射1166により硬化させ、半田マスク層1160をアブレーションして金コネクタ1152を配置するための孔1168を形成することにより、同じ結果を達成することができる。金コネクタ1152は、上述のように印刷及び焼結される。
【0061】
両面多層PCBを形成するためのプロセスは、両側面からの穿孔が必要であるために幾つかの対応が必要であることを除いて、片面多層PCBを形成するために上述したものと同様である。
図12Aを参照すると、両面多層PCB1200は、PCB基板1202を含み、その各側面に、各々がエポキシ層1204によって分離された1又は2以上の金属(例えば、銅)層(トレース)1202がある。各側面に、最終的なエポキシ層は半田マスク層1206でカバーされ、電気構成要素が接続される位置に金(又は他の金属)コネクタ1208が追加される。金コネクタ1208は、エポキシ層の銅(又は他の金属)充填ビア及び孔1210によって下側の銅層に電気的に接続される。
【0062】
PCB基板1202の各側面に孔を設けるための利用可能な選択肢は様々である。
図12bを参照すると、1つの実施形態では、PCB基板の厚さ全体を通過する穿孔工具で、PCB基板1202に1又は2以上の貫通孔1220を開けることができる。このような場合、サンプルホルダを汚染することなく、孔への銅(又は他の金属)フィラーのジェット印刷に対応するために、穿孔が完了した後、PCB基板1202の下に剥離可能な基板1222をその後設けることが好ましい。また、PCB基板を端から固定するサンプルホルダ1224を使用する必要がある。レーザ1228を用いて、孔1220を埋めるように、上述の方法でドナー基板1232上にフィルム又はペースト1230から銅(又は他の金属)をジェット印刷する。その後、銅の充填物1226が(例えば、同じレーザ1228を用いて)孔の所定の位置に焼結される。その後、剥離可能基板1222及び試料ホルダ1224を取り外すことができる。
【0063】
図12c及び12dを参照すると、別の選択肢は、PCB基板1202の片側に孔1240を開けることであり、孔1240がPCB基板の厚さ全体を貫通しないように留意が必要である。前と同様に、孔1240は、ジェットによってドナー基板1232上に担持されたCuフィルム1230からの銅1226で充填され、Cu充填物は、その後乾燥され、焼結され、(必要に応じて)アブレーションされる。その後、
図12dを参照すると、PCB基板1202は反転され、レーザ1228は、Cu充填1226に対向するPCB基板の残りの部分1242を除去することによってスルーホールを完成させるために使用される。これにより、上述したように、ジェットにより銅で充填される小さな孔1244が残され、印刷された銅1246は、上述したように再び乾燥及び焼結される。
【0064】
電子構成要素を有するPCBの完全な組立体を提供するように、ピックアンドプレイス機をシステムに追加することも可能である。
図13a~13iは、本発明の実施形態による、このような機械を使用することによって容易になる埋め込み及び他の電子構成要素の包含の幾つかの例を示している。これらの例では、片面多層PCBについて説明する。これは主に説明を容易にするためであるが、本発明に従って製造された両面多層PCBにも同様に適用されることを理解されたい。両面PCBの場合、裏面で作業する際に基板を反転させることができ、又は、ピックアンドプレイス装置をPCBの縁部で支持された両側面に設け、両側面に同時に又はほぼ同時に構成要素の状況及び実装ができるようにすることができる。
【0065】
図13Aは、PCB組立体1300を示し、このPCB組立体1300は、例えばFR4又はフレキシブル基板から作られたPCB基板1302を含み、この基板上に、エポキシ層1306によって分離された複数の金属(例えば、銅)層1304が配置されている。最上層のエポキシ層は、半田マスク層1308によってカバーされ、その中に、金属(例えば、銅)コネクタ1312に電気的に結合された複数の金(又は他の金属)コネクタ1310が配置されている。PCB組立体1300は、上述のPCB製造システム及び方法を用いて製造することができる。
【0066】
また、PCB組立体1300には、複数の電子構成要素1316a~1316cが含まれる。構成要素1316a~1316cは、集積回路(IC)又は他の電子構成要素であってよく、ピックアンドプレイスマシン又は同様のシステムを用いてPCB組立体1300に組み立てられる。特に、構成要素1316a~1316cは、それに関連するリードがコネクタ1310、1312に、例えば、半田パッド1314又は他の場所で電気的接続を行うように配置される。半田パッド1314は、上述したように、銅トレース、半田マスク、及び/又はコネクタの堆積と同様の方法で、LADによって堆積させることができる。
【0067】
図示されるように、電子構成要素1316a~1316cは、構造の上部又は態様でPCB組立体へ追加され、及び/又はその中に埋め込むことができる。又は態様から追加される場合、電子構成要素は、上述したようにコネクタによって金属層に電気的に接続され得るか、又は図示の電子構成要素1316cの場合のように直接接続することができる。また、PCB組立体1300内に電子構成要素1316bを封入することも可能である。
図13b~13fは、電子構成要素を電気的に接続するためのこれらの様々な手順の態様を更に示している。
【0068】
図13bにおいて、PCB基板1302は、上述した方法で、金属(例えば、銅)層1304及び1又は2以上のエポキシ層1306で印刷されている。金属(例えば、銅)コネクタ1312は、上述のプロセスに従って、エポキシ層の貫通孔に印刷されている。コネクタ1312は、電子構成要素の配置に対応するように配置されている。一実施形態では、
図13bに示す構造は、電子構成要素を配置するための開口領域1320を残すように、ジェットによってエポキシを選択的に堆積させることによって作製することができる。或いは、開放領域1320は、エポキシ層のレーザ彫刻(例えば、エッチング又はアブレーション)によって形成することもできる。
【0069】
図13cは、電子構成要素を受けるための構造をパーリングする次のステップを示す。半田マスク層1308が、エポキシ層の上の開口部1320にLADによって堆積され、金コネクタ1310が、下の銅コネクタ1312に電気的結合を提供するように、そこに形成された。次に、
図13dに示すように、半田ペースト1314が金コネクタ1310上にジェット印刷される。半田ペーストは、レーザ1330を用いたレーザジェットにより印刷され、上述した方法で半田1334がコーティングされたドナー基板1332が使用される。次に、電子構成要素1316dが、例えば、
図13eに示すように、従来のピックアンドプレイス機を用いて、そのリードが半田ペースト領域1314に電気的に接続された状態で開口部1320に配置される。この方法による電子構成要素の配置は、リード線と半田ペースト位置との正しい位置合わせを確実にするように、1又は2以上の撮像ステーションを用いて観察することができる。
【0070】
追加のエポキシ層1306’、銅コネクタ1312’、金コネクタ1310’、半田ペースト領域1314’、(任意に)半田マスク領域)の印刷を通じて、
図13fに示すように、追加の電気構成要素1316eをPCB組立体へ追加することができる。図示されるように、電気接続は、電子構成要素1316dの複数の側面になされることがあり、場合によっては、追加の金属(例えば、CU)層、ラベル等が上述のように追加することができる。このPCB組立体の製造中に、樹脂又は他の材料からなる支持構造1330が、オープンエリア1320の上に重なる層に一時的又は恒久的な支持を提供するために追加することができる。支持構造は、他の層の印刷のために上述した方法でLADによって追加することができる。
【0071】
PCB組立体は、電子構成要素の配置に限定されない。他の構造構成要素がこのような構造に含まれてもよい。
図13gは、放熱素子(例えば、金属板又は他の熱伝導体)を熱伝導性接着剤1342の層によって電子構成要素1316dに接着することによって放熱素子1340が追加された例を示す。熱伝導性接着剤は、金属層又はコネクタ、又は半田マスク層又はエポキシ層の印刷について上述したのと同様の方法で、LADによって印刷することができる。加熱放散素子は、ピックアンドプレイスマシンによって配置してもよく、又は場合によっては、LADによって形成された印刷構造体であってもよい。
【0072】
PCB組立体も、電子構成要素をPCB構造の他の要素と層状に配置することに限定されるものではない。
図13hは、その電気リード線がPCB基板1302及びその上の金属層、エポキシ層、他の層の平面に対して直交し、この向きに対応するように印刷された金属(例えば、Cu)コネクタ1352、金コネクタ1354、半田ペースト領域1356を介して電気的に接続されるような電子構成要素1316fの配置を示す。図示のように、このように配置された場合に電子構成要素の支持体として使用されるように、一時的又は恒久的な支持構造1330を印刷することができる。様々なエポキシ層1350、コネクタ1352、1354、半田ペースト1356の印刷は、LADを用いて上述した方法で行うことができる。例えば、下の構造及び/又は組立体を汚染しないように、半田ペーストを印刷する間、エポキシ層の一部を所定の位置に維持することが必要な場合がある。図示していないが、必要に応じて半田マスク層を印刷してもよい。
【0073】
及び、埋め込まれた電子構成要素を収容するPCB組立体の更に別の例が
図13gに示されている。この場合、コイル1360がエポキシ層1362に埋め込まれている。コイルは、ピックアンドプレイスマシンによって配置され、金属(例えば、Cu)コネクタ1310’、金コネクタ1312’、及び半田接合部1314’を介して別の電子構成要素1316dに電気的に接続される既存の構成要素であってもよく、それ自体は、上述した様式で印刷され、又はコイル1360自体は、例えば、2020年6月30日に出願された本譲受人の米国特許出願第16/946,638号に記載されているように、LADによって印刷されてもよい。例えば、コイルは、金属層を印刷するために上述した方法と同様に、ドナー基板上のコーティング層又はフォイルから金属をジェットすることによって印刷されてもよく、ジェットされた材料層は、直近に印刷された要素と部分的に重なるように連続的に印刷され、それによって、コイル1360を集合的に構成するコイル要素のらせんパターンを定める。コイル要素は、支持エポキシ1362内及び/又は内側コア(図示せず)に印刷されてもよく、これらのコアは、コイル要素が互いに融合する際に建設中のコイルを無傷に保つ足場として機能する。或いは、コイル1360は、各々がそれぞれの層にある複数の部分的に完成したラウンドとしてLADによって印刷され、それぞれの層の異なるものにある部分的に完成したラウンドの連続するものを相互接続する支柱を有することができる。ピラーは垂直、又は垂直に近く、複数の部分的に完成したラウンドの連続するもの間のピラーの位置は、部分的に完成したラウンドの円周を横切ってずらすことができる。それぞれの層における複数の部分的に完成したラウンドのうちの1つの印刷に続いて、所望の支柱の高さに対応する数の連続する金属層について、連結支柱のみが印刷される。エポキシ足場要素は、複数の部分的に完成したラウンドの印刷と同時に、それぞれの材料層の一部として印刷することができる。このようにコイルを埋め込むことにより、PCB組立体内に無線周波数識別(RFID)タグを埋め込むことができる。
【0074】
図14a~14dは、レーザアシスト堆積又は他のレーザベースの印刷プロセスがPCB製造の幾つかの態様に使用されるPCBの製造サイクルの態様を示す。
図14aにおいて、金属層(例えば、Cu)1404、1406は、上述したように、LAD又は別のレーザベースの印刷プロセスを使用してPCB基板1402の両側面に印刷される。
図14bにおいて、
図14aからの両面PCBは、PCB基板1410の両側面に印刷された金属層(例えば、Cu)1412、1414からなる同様に作製された両面PCBと、それらの間にプレペグ層1416を有するように積層される。プリペグ層1416は、従来の樹脂ベースのプリペグであってもよく(及びPCBコア基板と同じ材料で作られてもよい)、積層プロセスは、PCB製造業界で使用される従来の手段によって実行されてもよい。その結果、組立体1420が得られる。
【0075】
図4cに示すように、積層プロセスは、追加の両面PCB1430、1440等で繰り返されてもよく、その都度、新しい両面PCBと前の組立体との間にプリペグ層1450を含む。組立体が、図示のように、相互接続されたプレペグを有する2以上の両面PCBを含む場合、それは、従来のホットプレスプロセス及び感光性ドライレジストを使用するラミネーションプロセスに供される。その結果、マルチ基板スタック1460が得られる。次に、
図4dに示すように、上述したように、LAD又は他のレーザベースの印刷プロセスを用いて、半田マスク層1470をマルチ基板スタックの各側面に印刷することができる。詳細には図示しないが、金、銀又はその他のパッド、及び半田、並びにラベルも、上述したように、LAD又は別のレーザベースの印刷プロセスを用いてマルチ基板スタックの各側面に印刷することができる。PCBの穿孔及び/又は穿孔に続く銅メッキは、このような活動のための従来のプロセスを用いて行うことができる。
【0076】
詳細には図示されていないが、本明細書に記載の印刷システムの様々な構成要素は、1又は2以上のコントローラの制御下で動作し、このコントローラは、好ましくは、有形の機械可読媒体上に記憶された機械実行可能な命令の指示下で動作するプロセッサベースのコントローラであることを理解されたい。このようなコントローラは、情報を通信するためのバス又は他の通信機構によって互いに通信可能に結合されたマイクロプロセッサ及びメモリを含むことができる。メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)又は他の静的記憶デバイスのようなプログラム格納メモリと、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスのような動的メモリとを含むことができ、各々は、マイクロプロセッサによって実行される情報及び命令を提供及び格納するためにバスに結合することができる。動的メモリはまた、マイクロプロセッサによる命令の実行中に一時的な変数又は他の中間情報を記憶するために使用することもできる。代替的に、又はそれに加えて、情報及び命令を記憶するために、固体ステートメモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶デバイスが設けられ、バスに結合されてもよい。また、コントローラは、印刷システムのユーザインタフェースの一部として、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ、並びに英数字キーボード及びマウス及び/又はトラックパッド等のカーソル制御デバイスを含む様々な入力デバイスを含むことができる。更に、印刷システムとの間で双方向のデータ通信を提供するために、1又は2以上の通信インタフェースを含めることができる。例えば、有線及び/又は無線モデムを含むネットワークインタフェースが、このような通信を提供するために使用することができる。
【0077】
実施形態
1. プリント回路基板(PCB)組立体の製造方法であって、
レーザアシスト堆積(LAD)によりPCB基板上に金属層を堆積させるステップであって、LADでは、レーザを用いてドナー基板からPCB基板上及び/又はその中の1又は2以上の孔への金属液滴のジェットが行われて、PCB基板上に金属層を形成し、その後、金属層が乾燥されて焼結され、ジェット、乾燥及び焼結は、金属層が所望の厚さに達するまで繰り返す、ステップと、
その後、金属層の上に少なくとも1つのパッシベーション層を形成するステップと、
を含む、方法。
【0078】
2. 金属層が所望の厚さを超える場合、金属層をアブレーションするステップを更に含む、実施形態1に記載のPCB組立体の製造方法。
【0079】
3. アブレーションが、ドナー基板から金属液滴をジェットするために使用されるレーザを用いて行われる、実施形態1~2の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0080】
4. パッシベーション層が、ローラ又はブレードを使用して金属層の上に堆積又はコーティングされたエポキシ層か、又はLADによってドナー基板上のエポキシコートから金属層の上に印刷されたエポキシ層のうちの1つを含む、実施形態1~3の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0081】
5. LADによってエポキシ層の上に追加の金属層を印刷するステップを更に含む、実施形態1~4の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0082】
6. 金属層が、第1の金属トレースを含み、エポキシ層が、第1の金属トレースの少なくとも第1の部分を覆うエポキシの少なくとも第1の部分を含み、追加の金属層が、第1の金属トレースの第1の部分を覆うエポキシ層の第1の部分の上に配置された少なくとも一部を有する第2の金属トレースを含む、実施形態1~5の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0083】
7. 熱気及び/又は赤外線(IR)照射によってエポキシ層を硬化させるステップを更に含む、実施形態1~6の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0084】
8. PCB基板の1又は2以上の孔は、PCB基板の第1の側面を穿孔又はレーザ彫刻することによってPCB基板の第1の側面に形成されるが、PCB基板の厚さ全体を貫通せず、金属層は、PCB基板の第1の側面からLADによって1又は2以上の孔に形成され、その後、PCB基板が反転されて、PCB基板の第2の側面を通って穿孔又はレーザ彫刻により、1又は2以上の孔がPCB基板の厚さを通って完成し、PCB基板の第2の側面を通す穿孔又はレーザ彫刻により露出された1又は2以上の孔の再加工部分がLADによってメタライゼーションされる、実施形態1~7の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0085】
9. 少なくとも1つのパッシべーション層及びPCB組立体の何れかの介在層及び/又は構成要素の上に半田マスク層を印刷するステップを更に含み、半田マスク層がLADによって印刷される、実施形態1~8の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0086】
10. 半田マスク層の上にLADによってラベルを印刷するステップを更に含む、実施形態1~9の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0087】
11. LADによって半田マスク層の孔に金属コネクタを印刷するステップを更に含む、実施形態1~10の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0088】
12. LADによってエポキシ層の孔に金属コネクタを印刷するステップを更に含む、実施形態1~11の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0089】
13. プリント回路基板(PCB)組立体の製造方法であって、レーザアシスト堆積(LAD)によって、エポキシ積層体上に金属を印刷するステップであって、金属は、レーザによって、ドナー基板上の金属コーティング又はフォイルから、レーザ彫刻によってエポキシ積層体に形成されたチャネル及び/又は孔に液滴としてジェットされる、ステップと、その後、エポキシ積層体をPCB基板又はPCB基板の上に配置された事前形成されたエポキシ層にホットプレスにより取り付けて、PCB組立体の少なくとも一部を形成するステップであって、エポキシ積層体のチャネル及び/又は孔にジェットされた金属が、PCB組立体の一部におけるPCB基板とエポキシ積層体の上面との間にある、ステップと、を含む、PCB組立体の製造方法。
【0090】
14. エポキシ積層体の上面及びPCB組立体の何れかの介在層及び/又は構成要素の上に半田マスク層を印刷するステップを更に含み、半田マスク層がLADによって印刷される、実施形態13に記載のPCB組立体の製造方法。
【0091】
15. 半田マスク層の上にLADによってラベルを印刷するステップを更に含む、実施形態13又は14の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0092】
16. LADによって半田マスク層の孔に金属コネクタを印刷するステップを更に含む、実施形態13~15の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0093】
17. プリント回路基板(PCB)組立体を製造するシステムであって、
PCB基板を保持するように構成され、複数の処理ステーションの間で並進可能な基板ホルダを備え、
処理ステーションは、
1又は2以上の材料のそれぞれのものがコーティング又は他の方法で配置されたそれぞれのドナー基板から材料のそれぞれのものを個別にジェットすることにより、1又は2以上の材料をレーザアシスト堆積(LAD)するように構成された印刷ステーションと、
PCBの基板上に材料の堆積されたものを加熱、赤外線(IR)照射、又は紫外線(UV)照射によって硬化させるように構成された硬化ステーションと、
PCB基板及び/又はその上に配置された材料の層にスルーホール及び/又はビアを穿孔又は彫刻するように構成された穿孔ステーションと、
を含む、PCB組立体を作製するためのシステム。
【0094】
18. 印刷ステーションは更に、PCB基板及び/又はPCB組立体の追加層上に印刷された材料のそれぞれのもののレーザ焼結及び/又はレーザアブレーション用に構成される、実施形態17に記載のPCB組立体を製造するためのシステム。
【0095】
19. 上記材料は、銅及び金ペースト、エポキシ、並びに半田マスク材料を含む、実施形態17又は18の何れかに記載のPCB組立体を製造するためのシステム。
【0096】
20. 印刷ステーション、硬化ステーション、及び/又は穿孔ステーションによるPCB基板の両側面へのアクセスを可能にするために、PCB基板を反転させるように構成されたユニットを更に備える、実施形態17~19の何れかに記載のPCB組立体を製造するためのシステム。
【0097】
21. プリント回路基板PCB組立体の製造方法であって、
PCB基板の第1の側面からPCB基板に1又は2以上のビアを穿孔又はレーザ彫刻するステップであって、ビアはPCB基板の厚さ全体を通って延びていない、ステップと、
レーザアシスト堆積(LAD)によって、PCB基板の少なくとも第1の部分の上及びビアの1又は2以上内に金属ペーストを第1の厚さまで堆積させるステップであって、堆積は、入射レーザビームによって第1のキャリア基板上のドナーフィルムから少量の金属ペーストをPCB基板上及び1又は2以上のビア内にジェットし、PCB基板の少なくとも第1の部分上及び1又は2以上のビア内に堆積された金属ペーストを硬化させ、金属ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを使用して、堆積され硬化された金属ペーストを焼結することによって行われ、PCB基板上及び1又は2以上のビア内に金属ペーストの所望の厚さが達するまで、金属ペーストの堆積、硬化及び焼結を繰り返し、PCB基板上及び1又は2以上のビア内に連続した厚さを形成する、ステップと、
PCB基板上及び1又は2以上のビア内の所望の厚さの金属ペースト上にLADによってパッシベーション層を印刷するステップであって、印刷は、金属ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを使用して、第2のキャリア基板から少量のエポキシをジェットして、パッシベーション層を硬化させることによって行われる、ステップと、
パッシベーション層の上にLADによって半田マスクを形成するステップであって、半田マスクは、金属ペーストの堆積に使用されたのと同じレーザを使用して、第3のキャリア基板から少量の半田マスク材料をジェットして、半田マスクを硬化させることによって形成される、ステップと、
を含む、PCB組立体の製造方法。
【0098】
22. 半田マスク層が、熱又は紫外線(UV)照射を用いて硬化される、実施形態22のPCB組立体の製造方法。
【0099】
23. パッシべーション層が、熱又は赤外線(IR)照射を用いて硬化される、実施形態21又は22の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0100】
24. 金属ペーストが、熱又は赤外線(IR)照射を用いて硬化される、実施形態21~23の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0101】
25. PCB基板が、穿孔、堆積、印刷、及び形成プロセスが行われる位置の間で並進可能なステージ上で、穿孔、堆積、印刷、及び形成プロセスの間で移動される、実施形態21~24の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0102】
26. 金属ペーストの堆積及びパッシべーション層の印刷のプロセスは、PCB基板と半田マスクとの間に金属ペースト及びエポキシの両方の複数の層を有するPCB組立体を製造するように、半田マスクを形成する前に複数回行われる、実施形態21~25の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0103】
27. 半田マスクを形成する前に、パッシべーション層内に電子構成要素のための第1の金属電気コネクタを形成するステップを更に含む、実施形態21~26の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0104】
28. 半田マスク内に電子構成要素のための第2の金属電気コネクタを形成するステップを更に含む、実施形態21~7の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0105】
29. 第1の金属電気コネクタは、第2の金属電気コネクタとは異なる金属から形成される、実施形態21~28の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0106】
30. 1又は2以上の半田接合によって電子構成要素を第2の金属電気コネクタに取り付けるステップを更に含む、実施形態21~29の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0107】
31. 電子構成要素の上に1又は2以上の追加のパッシべーション層及び/又は半田マスク層を形成するステップを更に含む、実施形態21~30の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0108】
32. 電子構成要素を取り付ける前に、LADによって電子構成要素のための1又は2以上の支持構造を印刷するステップを更に含む、実施形態21~31の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0109】
33. PCB基板上の金属ペーストの所望の厚さが、少なくとも第1の金属トレースを形成し、パッシべーション層が、第1の金属トレースの対応する第1の部分を覆う少なくとも第1の部分を含み、パッシべーション層の第1の部分の上に第2の金属トレースを印刷するステップを更に含む、実施形態21~32の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【0110】
34. 上記第2の金属トレースは、LADを用いて印刷される、実施形態21~33の何れかに記載のPCB組立体の製造方法。
【符号の説明】
【0111】
102 CNCヘッド
104 PCBコア基板
120 基板ホルダ
1003 撮像サブシステム
1004 レーザサブシステム
1008 UV光サブシステム
1012 加熱サブシステム
1016 XYZ並進サブシステム
1018 PCBフリッパー
1020 ホットプレスサブシステム
1022 LADドナー材料
1030 ステージ
【手続補正書】
【提出日】2022-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(PCB)組立体
(1300)を製造
する方法であって、
レーザアシスト堆積(LAD)によりPCB基板
(104、1201、1302)上に金属層
(1304)を堆積させるステップであって、前記LADでは、レーザ
(204、1126、1136)を用いて、
第1のドナー基板
(210)から前記PCB基板
(104、1202、1302)上及び/又はその中の1又は2以上の孔
(106)への金属液滴
(206)のジェットが行われて、前記PCB基板
(104、1202、1302)上に前記金属層
(1304)を形成し、前記金属層
(1304)が
その後乾燥されて焼結され
る、ステップと、
前記金属層(1304)の所望の厚さに達したか否かを決定するように、撮像ユニット(1003)を用いて前記金属層(1304)を撮像するステップと、
前記金属層(1304)が所望の厚さに達するまで
、前記ジェット、乾燥、焼結、及び撮像を繰り返すステップと、
その後、前記金属層
(1304)の上に少なくとも1つのパッシべーション層
(408、1204、1306)を形成するステップと、
を含む、
PCB組立体(1300)の製造方法。
【請求項2】
前記金属層
(1304)が所望の厚さを超える場合、前記金属層
(1304)をアブレーションするステップを更に含む、請求項1に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項3】
前記アブレーションが、前記
第1のドナー基板
(210)から前記金属液滴
(206)をジェットするために使用されるレーザ
(204、1126、1136)を用いて行われる、請求項2に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項4】
前記
少なくとも1つのパッシベーション層
(408、1204、1306)が、ローラ
(403)又はブレードを使用して前記金属層
(1304)の上に堆積又はコーティングされたエポキシ層
(408、1204、1306)か、又はLADによって
第2のドナー基板
(404)上の
エポキシコーティング(402)から前記金属層
(1304)の上に印刷されたエポキシ層
(408、1204、1306)のうちの1つを含む、請求項1~3の何れか1項に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項5】
LADによってエポキシ層
(408、1204、1306)の上に追加の金属層
(1304)を印刷するステップを更に含む、請求項4に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項6】
前記金属層
(1304)が、第1の金属トレース
(902)を含み、前記エポキシ層
(408、1204、1306)が、前記第1の金属トレース
(902)の少なくとも第1の部分を覆うエポキシ
(910)の少なくとも第1の部分を含み、前記追加の金属層
(1304)が、前記第1の金属トレース
(902)の前記第1の部分を覆う前記エポキシ層
(910)の第1の部分の上に配置された少なくとも一部を有する第2の金属トレース
(904)を含む、請求項5に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項7】
熱気
(410)及び/又は赤外線(IR)照射によって前記エポキシ層
(408、1204、1306)を硬化させるステップを更に含む、請求項
4~6の何れか1項に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項8】
前記PCB基板
(104、1202、1302)の前記1又は2以上の孔
(106)は、PCB基板
(104、1202、1302)の第1の側面を穿孔又はレーザ彫刻することによって前記PCB基板
(104、1202、1302)の第1の側面に形成されるが、前記PCB基板
(104、1202、1302)の厚さ全体を貫通せず、前記金属層
(1304)は、PCB基板
(104、1202、1302)の第1の側面からLADによって前記1又は2以上の孔
(106)に形成され、その後、前記PCB基板
(104、1202、1302)が反転されて、前記PCB基板
(104、1202、1302)の第2の側面を通って穿孔又はレーザ彫刻により、前記1又は2以上の孔
(106)が前記PCB基板
(104、1202、1302)の厚さを通って完成し、前記PCB基板
(104、1202、1302)の第2の側面を通す穿孔又はレーザ彫刻により露出された1又は2以上の孔
(106)の
残りの部分がLADによってメタライゼーションされる、請求項1~7の何れか1項に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパッシべーション層
(408、1204、1306)、前記PCB組立体
(1300)の何れかの介在層及び/又は構成要素
(1316b)の上に半田マスク層
(702、1160、1110、1206、1308)を印刷するステップを更に含み、前記半田マスク層
(702、1160、1110、1206、1308)がLADによって印刷される、請求項1~8の何れか1項に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項10】
前記半田マスク層
(702、1160、1110、1206、1308)上にLADによってラベル
(802)を印刷するステップを更に含む、請求項
9に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項11】
LADによって前記半田マスク層
(702、1160、1110、1206、1308)の孔に金属コネクタ
(1208)を印刷するステップを更に含む、請求項
9に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項12】
LADによって前記エポキシ層
(408、1204、1306)の孔に金属コネクタ
(1312)を印刷するステップを更に含む、請求項1~11の何れか1項に記載のPCB組立体
(1300)の製造方法。
【請求項13】
前記PCB基板(104、1202、1302)のビア(106)を前記金属ペースト(208)で充填することなく、前記ビア(106)の側壁面(220)のみを前記金属ペースト(208)でコーティングするように、LADによって前記ビア(106)の側壁面(220)上に前記金属ペースト(208)を直接印刷するステップを更に含む、請求項1に記載のPCB組立体(1300)の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
フレキシブルエレクトロニクスとは、現在では、フレキシブル基板上に電子デバイスを蒸着させることにより電子回路を構築する技術を指す。脆弱な半導体ウェハー上に構築された従来の(リジッド)マイクロエレクトロニクスと同等の性能を有するが、光透過性、軽量、伸張可能/屈曲可能な形式を可能にし、大面積にわたって迅速な印刷を容易にするフレキシブルエレクトロニクスを作製することで、フレキシブルディスプレイ、薄膜太陽電池、大面積センサー及びアクチュエータなど、多様な応用を可能にすることが示されている。これら用途全てにおいて、回路及び回路上に組み込まれる構成要素のフレキシビリティは、典型的なリジッド回路との重要な違いを表している。今日まで、屈曲可能な(ヤング率、すなわち、機械的張力とそれに対応する伸び率との比に等しい材料特性又はパラメータを記述する弾性率であり、従って材料の剛性の尺度によって制御される)及び伸張可能な(長さの変化に伴う幅の相対的変化の測定値、又は伸張中に構成要素が「ネックインする」傾向を指すポアソン比によって制御される)エレクトロニクスは、小さな破壊歪み(ヤング率が高くポアソン比が1)に起因して無機材料をベースにしている。フレキシブルエレクトロニクスの典型的な実施形態は、屈曲又は伸張によって誘起される歪みを最小限に抑えるため基板上に半導体、導体、及び/又は絶縁体として採用された薄膜無機材料である。別の実施形態は、波状パターンの回路によって表われ、回路材料自体に実質的な歪みを有することなく、完全に可逆的な伸張性/圧縮率を提供することができる。
米国特許公開第2020/0350275号明細書には、3次元(3D)電子デバイスを製造する方法が記載されている。液体支持材料(例えば、光重合開始剤を有するエポキシアクリレート)が、1又は2以上のコネクタ及び1又は2以上の電子構成要素をその上に有するプリント回路基板(PCB)にレーザ誘起前方転写(LIFT)プロセスによって施工され、次いで、冷却及び/又は紫外線(UV)放射への曝露によって固体形態に硬化される。固化された支持体材料上に導電性材料層(例えば金属)がLIFTにより印刷され、1又は2以上の電子構成要素をPCB上のコネクタに電気的に接続する。その後、導電性材料層は、加熱により乾燥され、導電性層中の金属粒子がレーザビームを用いて焼結される。次いで、組立体は、封止材で封止することができる。
米国特許公開第2008/0001297号明細書には、パッケージ基板及びパッケージ基板を製造する方法が記載されている。パッケージ基板は、導電層、ビア、誘電体層及びその中に作製されたトレースを含むことができ、これらは全て、パッケージ基板内に埋め込まれたコアの片側面又は両側面にパターニングされている。一実施形態では、ビア及びトレースは、アブレーションプロセス及びその後のインク印刷プロセスによって形成することができる。他の実施形態では、ビア及びトレースは、限定ではないが、アブレーション、インク印刷、ペースト堆積、レーザアシスト堆積などの他のプロセスの様々な組み合わせによって形成することができる。様々な実施形態では、トレースは、1より大きいアスペクト比を有することができる。
米国特許公開第2002/0122898号明細書には、受け側基板上に転写材料を堆積させる方法が記載されており、本方法は、レーザエネルギー源、受け側基板、及びターゲット基板を使用する。ターゲット基板は、レーザ対向面及び支持面を有するレーザ透過性支持体を含む。ターゲット基板はまた、支持面と接触する裏面と前面とを有する複合材料を含む。複合材料は、蒸着される転写材料とマトリックス材料の混合物を含む。マトリックス材料は、レーザエネルギーに晒されると、レーザ透過性支持体から脱離する性質を有する材料である。レーザエネルギー源は、レーザエネルギーがターゲット基板のレーザ対向面を通って、レーザ透過性支持体を通って、定義されたターゲット位置で複合材料に衝突するように、ターゲット基板に対して配置される。受け側基板は、ターゲット基板に対して間隔を置いて配置される。レーザエネルギー源は、定義されたターゲット位置で複合材料を脱離させるのに十分なエネルギーを有し、複合材料を定義されたターゲット位置から脱離させて、レーザ透過性支持体の支持面から持ち上げるようにする。複合材料は、受け側基板上の定義された受け位置にて堆積される。本方法は、受け側基板上に生体材料のパターンを形成するのに有用である。
米国特許公開第2015/0201500号は、3次元印刷のデバイス、システム、及び方法を記載している。デバイスは、導電性3D印刷材料を選択的に吐出する第1の3D印刷ヘッドと、絶縁性3D印刷材料を選択的に吐出する第2の3D印刷ヘッドと、3D印刷向けのプリント回路基板(PCB)を記述するコンピュータ支援設計(CAD)スキームに基づいて第1及び第2の3D印刷ヘッドの動作を制御するプロセッサと、を含む。3Dプリンタデバイスは、(a)機能的多層PCB、又は(b)機能的単体電子構成要素、又は(c)埋め込まれ又は統合された電子構成要素を有する機能的PCBを3D印刷するために3D印刷法を利用し、これらの何れもが統合3D印刷プロセスで3D印刷された。
国際特許WO2020/205691は、側面実装構成要素及びコンタクトを有するプリント回路を製造するために付加製造(AM)を使用するシステム及び方法を記載している。より具体的には、本開示は、電子構成要素(AME)、例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルプリント回路(FPC)及び高密度相互接続プリント回路基板(HDIPCB)(PCB、FPC及びHDIPCBをまとめて、AME、又はAME回路と呼ぶ)を作製するための付加製造方法であって、プリントAMEの各々の側壁又はファセットのZ軸に沿って導電コンタクト及び/又は構成要素を有する、付加製造方法に向けられている。
米国特許公開第2016/0198576号明細書には、構造材料を含む3D構造を含む、印刷された3D機能部品が記載されている。少なくとも1つの機能電子デバイスが、3D構造内に少なくとも部分的に埋め込まれる。機能電子デバイスは、3D構造体の内面に対して固定されたベースを有する。1又は2以上の導電性フィラメントが、少なくとも部分的に3D構造に埋め込まれ、少なくとも1つの機能性電子デバイスに電気的に接続されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
次に、メタライゼーションプロセスに目を向けると、本発明の実施形態では、これは、ペースト印刷によって実施することができる。
図2aは、PCB基板製造システム200において、ビア106が彫刻/穿孔されたPCB基板104のような非平坦面が、レーザ誘起ジェットによって金属ペースト202で覆われる方法を示す。レーザ誘起ジェットは、レーザビーム204を使用して、制御された材料堆積によってパターン化された表面を形成するLADの一形態である。特に、レーザ光子は、ドナーフィルム208からPCB基板104のようなアクセプタ基板に向かって少量の材料206を発射させる駆動力を提供する。典型的には、レーザビーム
204は、非吸収キャリア基板210上にコーティングされたドナーフィルム208の内側と相互作用する。言い換えれば、入射したレーザビーム204は、光子がフィルム208の内面により吸収される前に、透明基板210を通って伝搬する。あるエネルギー閾値を超えると、材料206は、ドナーフィルム208から、作業エリアのステージ(この図には示されていない)上に位置するPCB基板104の表面に向かって放出される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図4a及び
図4bを参照すると、エポキシ層とすることができ且つパッシベーション層として機能する誘電体層408は、ローラ又はブレードの助けを借りて(
図4aを参照)、又は
図4bに示すようにレーザジェットシステムを使用してドナーフィルムから誘電体層を印刷することによって、金属(又は他の)層及び/又はPCB基板上に堆積又はコーティングすることができる。ローラ
403又はブレードを用いて液体エポキシ402をコーティングする場合、エポキシは、シリカボール等の充填剤を含む粘性液体とすることができる。一定量のエポキシ402が、基板の一端に施工され、ポリテトラフルオロエチレン、セラミック、シリコーン、又は他の材料のような固着防止材料で作られ又はコーティングすることができるローラ
403が、金属層214上の所望の高さに配置され、基板の上を横方向に移動して、エポキシ402を所望の厚さ「h」で均一に層408に広げる。場合によっては、ローラ
403を所定位置に固定し、基板をその下方に移動させてエポキシを広げるようにすることができる。ローラの代わりにブレードアプリケータが使用される場合、基板に対するブレードの角度は、エポキシに加えられる垂直力に影響することになる。角度が小さすぎる場合には、エポキシが金属層の一部の間の小さなアパーチャ内に詰め込まれない可能性がある。同時に、ブレード圧力が小さすぎる場合には、エポキシが基板にクリーンに施工されるのが妨げられる可能性があり、ブレード圧力が高すぎる場合には、所望の被覆領域の外にエポキシが漏洩する結果となる可能性がある。従って、ブレード角度の調整手段を設けて、エポキシ粘度及び他の特性に応じてブレード角度を調整する必要がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
両面多層PCBを形成するためのプロセスは、両側面からの穿孔が必要であるために幾つかの対応が必要であることを除いて、片面多層PCBを形成するために上述したものと同様である。
図12Aを参照すると、両面多層PCB1200は、PCB基板1202を含み、その各側面に、各々がエポキシ層1204によって分離された1又は2以上の金属(例えば、銅)層(トレース)
1203がある。各側面に、最終的なエポキシ層は半田マスク層1206でカバーされ、電気構成要素が接続される位置に金(又は他の金属)コネクタ1208が追加される。金コネクタ1208は、エポキシ層の銅(又は他の金属)充填ビア及び孔1210によって下側の銅層に電気的に接続される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】