(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】MFCフィルムをキャスティングするためのキャスティングデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 41/34 20060101AFI20240301BHJP
D21H 11/18 20060101ALI20240301BHJP
C08B 15/00 20060101ALI20240301BHJP
B29C 41/24 20060101ALI20240301BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B29C41/34
D21H11/18
C08B15/00
B29C41/24
B05D7/24 302C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551684
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 IB2022051586
(87)【国際公開番号】W WO2022180535
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ニレン, オットー
(72)【発明者】
【氏名】ピーコ, リク
(72)【発明者】
【氏名】クナリ, ヴェサ
(72)【発明者】
【氏名】クラフト, マルコ
【テーマコード(参考)】
4C090
4D075
4F205
4L055
【Fターム(参考)】
4C090AA03
4C090AA06
4C090BA24
4C090BB02
4C090BB12
4C090BB36
4C090BB52
4C090BD19
4D075AC01
4D075AC72
4D075BB24Z
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4F205AA01
4F205AC05
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4F205GB02
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4F205GN29
4L055AF09
4L055AF46
4L055BE08
4L055CH10
(57)【要約】
移動する基材(52)上に粘性液体、特にMFC分散液を塗布するためのデバイス(4)は、粘性液体のための入口(72、73a~73f)、下位部が基材(52)に対し開いているキャスティングチャンバ(61a、61b)、及びデバイスの下流において基材上に形成される湿潤フィルムの厚さを制限するための計量部(69、661)を含む。デバイスはさらに、キャスティングチャンバ(61a、61b)の内部に配置されるせん断セクション(42)を含む。せん断セクション(42)は、キャスティングチャンバ(61a、61b)内部の粘性液体のせん断を提供するための、キャスティングチャンバ(61a、61b)に配置される流動化ロッド(68)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する基材(52)上に粘性液体、特にMFC分散液を塗布するためのデバイス(4)であって、前記デバイス(4)が、
粘性液体のための入口(72、73a~73f)、
下位部が基材(52)に対し開いているキャスティングチャンバ(61a、61b)及び
デバイスの下流において基材上に形成される湿潤フィルムの厚さを制限するための計量部(69、661)
を含み、
キャスティングチャンバ(61a、61b)の内部に配置されるせん断セクション(42)により特徴付けられ、
せん断セクション(42)は、キャスティングチャンバ(61a、61b)内部の粘性液体のせん断を提供するための、キャスティングチャンバ(61a、61b)に配置される流動化ロッド(68)
を含む、デバイス(4)。
【請求項2】
せん断セクション(42)が、せん断セクション(42)と基材(52)との間の粘性液体のせん断のために構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
流動化ロッド(68)がキャスティングチャンバ(61a、61b)の幅を横切って延びている、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
流動化ロッド(68)が実質的に滑らかでない表面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
流動化ロッド(68)が、流動化ロッドを回転させるように構成される駆動デバイス(M)に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
計量部(69、661)が計量ロッド(69)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
計量ロッド(69)が下に凸状の表面を有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
計量ロッド(69)が実質的に滑らかな円筒状表面を有する、請求項6又は7に記載のデバイス。
【請求項9】
計量ロッド(69)が回転可能である、請求項6~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
計量ロッド(69)が自由に回転可能である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
計量ロッド(69)が、計量ロッドを回転させるように構成される駆動デバイス(M)に接続される、請求項6~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
計量ロッド(69)が回転可能でない、請求項6~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
計量ロッド(69)が、計量ロッドの軸方向に延びるリリースエッジ(691)を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
計量ロッド(69)が、基材(52)に面する計量ロッドの少なくとも一部の湾曲方向に沿って延びる、少なくとも1つのスペーサーを有する、請求項6~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
計量部(69、661)が、上側リップ(6611)を含み、上側リップ(6611)と基材(52)との間にアプリケーションスロットが形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
流動化ロッド(68)が、キャスティングチャンバ(61a、61b)における任意の固定された物体から、流動化ロッドの半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、上方へ間隔を空けられている、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
流動化ロッド(68)が、キャスティングチャンバ(61a、61b)における任意の固定された物体から、流動化ロッドの半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、上流方向において間隔を空けられている、請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
キャスティングチャンバを上流セクション(61a)及び下流セクション(61b)に分割する隔壁(67)をさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
せん断セクション(42)が、粘性液体が上流セクション(61a)から下流セクション(61b)に向かって流れるときに粘性液体の前記せん断を提供するように構成される、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
キャスティングチャンバ(61a、61b)に接続される少なくとも2つの入口サブ流動チャネル(73a~73f)に入口を分割するように構成された、マニホールドデバイス(7)をさらに含み、入口サブ流動チャネル(73a~73f)が、前記キャスティングチャンバ幅に沿って互いに間隔が空けられている、請求項1~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
サブ流動チャネル(73a~73f)のうちの少なくとも幾つかが、各サブ流動チャネルにおける流動を調整するために構成される調整弁(75a~75e)を有する、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
キャスティングチャンバ(61a、61b)の上流部で、キャスティングチャンバ(61a、61b)を基材(52)に対して密封するためのシール(64)をさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
移動する基材(52)上に粘性液体、特にMFC分散液を塗布するためのデバイスであって、
粘性液体のための入口(73a~73f)、
意図されるフィルム幅に対応するキャスティングチャンバ幅を横切って延びる、キャスティングチャンバ(61a、61b)を含み、
キャスティングチャンバ(61a、61b)に接続する少なくとも2つの入口サブ流動チャネル(73a~73f)に入口を分割するように構成される、マニホールドデバイス(7)により特徴付けられ、
入口サブ流動チャネル(73a~73f)は、前記キャスティングチャンバ幅に沿って互いに間隔が空けられている、
デバイス。
【請求項24】
サブ流動チャネルのうちの少なくとも1つが調節可能弁(75a~75e)を備える、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
マニホールドデバイス(7)がマニホールドチャンバ(71)を含み、マニホールド入口(72)及び入口サブ流動チャネル(73a~73f)がマニホールドチャンバに接続し、かつ戻しチャネル(74)が、マニホールドチャンバからの粘性液体の再循環を可能とするためのマニホールドチャンバ(71)に接続される、請求項23又は24に記載のデバイス。
【請求項26】
MFC分散液からフィルムを生産するためのシステムであって、
フィルムが上に形成される基材(52)、及び
キャスティングチャンバ(61a、61b)の下部が基材に対し開いているように配置される、請求項1~25のいずれか一項に記載のデバイス(4)
を含むシステム。
【請求項27】
乾燥セクションをさらに含み、デバイス(4)の下流の乾燥セクションを通過させるように基材(52)が構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
移動可能な基材(52)がスチール無端ベルトである、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
計量部(45、69、661)が、基材により一方向に制限されるギャップを有する、請求項26~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
MFCフィルムを生産する方法であって、
MFC分散液を提供すること、
湿潤MFCフィルムが基材(52)上に形成されるように、請求項1~25のいずれか一項に記載のデバイス(4)を使用し、基材(52)がデバイス(4)に対して動かされながら、MFC分散液を基材(52)の表面上に塗布すること、及び
湿潤MFCフィルムを乾燥プロセス(53)に供し、MFC分散液から液体を除去すること
を含む、方法。
【請求項31】
MFC分散液が、本質的に除去される媒体中に分配されるフィルム形成コンポーネントを含み、MFC分散液の媒体の含量が少なくとも75重量%、好ましくは80重量%より多く、85重量%より多く、90重量%より多く又は95重量%より多い、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
MFC分散液が、約2.5~25重量%、好ましくは約2.5~20重量%、約2.5~15重量%、約2.5~10重量%又は約2.5~8重量%の固体含量を有し、かつ20S
-1のせん断速度で、約4Pas超の粘度を有する、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
平均乾燥フィルム厚が約5~60μm、好ましくは約10~50μm、約15~45μm又は約20~40μmである、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
乾燥フィルム重量が約4~80g/m
2、好ましくは約8~67g/m
2、約12~60g/m
2、約16~53g/m
2又は20~45g/m
2である、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
乾燥フィルムの媒体含量が約0.1~15重量%、好ましくは約1~12重量%又は約2~10重量%である、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
フィルムを形成する乾燥フィルムのコンポーネント含量が少なくとも85~99.9重量%である、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
フィルム形成コンポーネントが少なくとも50重量%のMFC、好ましくは少なくとも60重量%、少なくとも70重量%又は少なくとも80重量%のMFCを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
乾燥フィルム幅が約0.3~4m、好ましくは0.5~4、1~4m又は2~4mである、請求項30~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
請求項30~38のいずれか一項に記載の方法に従って生産されるMFCフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はMFCフィルムを生産するためのキャスティングデバイスに関する。本開示は、高品質MFCフィルムを提供するキャスティングデバイスに、またMFCフィルムをキャスティングするためのシステムに、かつそのようなキャスティングデバイスを使用してMFCフィルムをキャスティングする方法に、特に関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロフィブリル化セルロース(「MFC」)は、本特許出願の文脈において、20nmから100nmの幅又は直径を有するセルロース粒子、繊維又はフィブリルを意味するものとする。
【0003】
MFCを作製するには、単回又は複数回の叩解、前加水分解、続いて、叩解又は高せん断解繊又はフィブリルの遊離のような種々の方法が存在する。MFC製造にエネルギー効率及び持続可能性の双方をもたらすために、1つ又は幾つかの前処理工程が一般に求められる。そのため、MFCを作製する際に使用されるパルプのセルロース繊維は、例えばヘミセルロース又はリグニンの量を低減するために、天然のものであるか、酵素的又は化学的に前処理され得る。セルロース繊維は、フィブリル化前に化学的に修飾され得、セルロース分子は元のセルロースにみられる官能基以外の(又はより多くの)官能基を含有する。そのような基は、とりわけ、カルボキシメチル(CM)、アルデヒド及び/又はカルボキシ基(N-オキシル媒介酸化剤、例えば「TEMPO」、により得られるセルロース)、又は第四級アンモニウム(カチオン性セルロース)を含む。上記記載の方法のうちの1つにおいて修飾又は酸化された後、繊維をMFCに解繊することはより容易である。
【0004】
MFCは木材セルロース繊維から、硬材繊維又は軟材繊維の双方から生産され得る。それはまた、微生物源、例えば麦わらパルプ、竹、バガスの農業繊維、又は他の非木材繊維源から作製され得る。それは、バージン繊維からのパルプ、例えば機械的、化学的かつ/又は熱機械的パルプ、を含むパルプから作製され得る。それはまた、破砕した紙又は再生紙からも作製され得る。
【0005】
現在の研究は、MFCが、そのバリア性のために、パッケージ及びパッケージのコーティングのための適切な材料であり得ることを示す。従って、MFCは、ポリマーフィルム及び金属フィルムを含む現在使用されているバリアフィルムに取って代る、又は補う可能性を有する。
【0006】
MFCフィルムの形成は、連続ベルトコンベア上での粘性又はゲル状流動材料の溶媒キャストにより、続いて、溶媒の脱水/乾燥(例えばエバポレーション)により達成され得る。
【0007】
用語「溶媒キャスト」は、フィルム形成コンポーネントを含む湿潤フィルムを適用することによりフィルムが生産される方法を指定する既知の用語であり、フィルム形成コンポーネントは、例えば脱水及び/又はエバポレーションにより本質的に除去されることになる媒体中に分配される。フィルム形成コンポーネントは、分散媒体中に分散されるか、溶液中に溶解され得るため、用語「溶媒キャスト」である。
【0008】
以下において、用語「MFC分散液」は、MFCを含む分散液/懸濁液又は溶液への言及として使用されるだろう。MFC分散液は粘性状態であろう。
【0009】
MFC分散液からフィルムを形成することは、それが非常に高い粘性を有し、そのため普通の液体のように自由に流動しないという点において課題を提示する。さらに、MFC分散液は、キャスティングデバイスにおいて、かつフィルム形成作業の上流(例えば、フィルムアプリケーターの流動チャネル、又はMFC分散液が、MFCフィルムが上にキャストされることになる基材に塗布されるポイントの上流)で使用される他の装置において、凝集する、かつ流動チャネル及びキャビティを詰まらせる傾向を有する。
【0010】
既知の解決法はMFC分散液を希釈することである。しかしながら、そのような希釈は、キャストフィルムを乾燥することのコストの大幅な増加に関連づけられる。
【0011】
そのような解決法は、国際公開第2013/060934号及び国際公開第2020/110013号において開示される。
【0012】
MFC分散液が希釈される場合、コーティング又はフィルムが基材上に堆積される際に、そのように希釈されたMFC分散液の低い粘性もまた、特に基材の高速移動において溢流したり、滴り落ちたりする傾向をそれが有するため、問題を引き起こす。
【0013】
さらに、自立型フィルムの製作において、MFCフィルムのエッジプロファイルは非常に急である必要がある。これは粘性の特定の最小レベルが要求され、かつ低粘性希釈MFC分散液では、湿潤MFC分散液の層が下に流れ、鋭くない不明瞭なエッジを形成するであろう。これらのエッジはフィルムの他の部分よりも早く乾燥し、基材からの接着ずれや、MFCフィルムが基材から切り離されることになるポイントでのフィルムの引裂のような多くの問題を引き起こす。
【0014】
従って、基材上へのMFC分散液のキャスティングにおける改善についての需要がある。特に、高い固体含量を有するMFC分散液からも高品質MFCフィルムを形成することができる、改善されたキャスティングデバイスについての需要がある。
【発明の概要】
【0015】
改善されたMFCフィルム品質に、好ましくは生産コストの増加を制限するかあるいは伴わない、かつより好ましくは生産コストの削減を提供する、キャスティングデバイス及びMFCフィルムを生産する方法を提供することが目的である。
【0016】
本発明は、添付の独立請求項により、添付の従属請求項、以下の記述及び添付の図面において説明されている実施形態を伴って、定義される。
【0017】
第一の態様によれば、移動する基材上に粘性液体、特にMFC分散液を塗布するためのデバイスであって、粘性液体のための入口、下位部が基材に対し開いているキャスティングチャンバ、及びデバイスの下流において基材上に形成される湿潤フィルムの厚さを制限するための計量部を含むデバイスが提供される。デバイスはさらにキャスティングチャンバの内部に配置されるせん断セクションを含む。せん断セクションは、キャスティングチャンバ内部の粘性液体のせん断を提供するための、キャスティングチャンバに配置される流動化ロッドを含む。
【0018】
流動化ロッドは、約3000~10000rpm、好ましくは3000~5000rpm又は約4000rpmのスピードで回転するために駆動され得る回転可能部材である。
【0019】
キャスティングチャンバ内部の流動化ロッドを使用することにより、凝集が起こることのリスクを低減し、粘性液体におけるシアシニング効果を導入し、そのため、デバイスにより形成されるフィルムの性質を高めることが可能となる。
【0020】
本開示のデバイスは、基材上の改善された自立型MFCフィルムの生産、また改善されたMFCコーティングの生産を可能にする。改善されたキャスティングプロファイル(即ち、キャスティングプロファイルの低減された凹凸)が得られ、かつキャスティングデバイス及び関連するチャネルの閉塞が低減され得る。MFC溶液又は分散液の形態の粘性液体を、キャスティングデバイスのキャスティングチャンバにおけるせん断力混合に供することにより、会合又は凝集したフィブリルは、キャスティングチャンバにおけるせん断力混合により提供されるせん断力によって衝撃を加えられることにより、互いに分離され得る。それにより、繊維の分散液におけるフロック及び束の量及び/又は寸法はキャスティングチャンバにおいて低減され得、即ち、繊維の分散液におけるフロック及び束の量及び/又は寸法は、基材上への繊維の分散液のキャスティングの直前に、低減され得る。フロック及び束の分解は、キャスティングチャンバにおいて、即ち、キャスティングの直前において提供されるため、新たな自己会合又は凝集のための時間は非常に制限される。
【0021】
エッジでのレベリングがより正確に制御及び調節され得るため、改善された湿潤エッジ品質も提供される。これは、収率だけでなく乾燥したフィルムについての巻取り及びリール品質も改善するであろう。幅広いウェブについて、エッジ厚さと、例えば、乾燥フィルムについての平均フィルム厚さとの差異は大幅に改善され得る。
【0022】
デバイスは特に、約2.5~25重量%、好ましくは約2.5~15重量%、約2.5~10重量%又は約2.5~8重量%の固体含量を有し、かつ20S-1のせん断速度で、約4Pas超の粘度を有するMFC分散液からフィルムを形成することに適している。粘性は、約20~80℃、及び好ましくは約20~60℃の温度で分散液について決定される。
【0023】
特に、固体含量は約2.5~4重量%、約4~6重量%、約6~8重量%、約8~10重量%、約10~12重量%、約12~14重量%、約14~16重量%、約16~18重量%、約18~20重量%、約20~22重量%又は約22~25重量%であり得る。
【0024】
せん断セクションは、せん断セクションと基材との間の粘性液体のせん断のために構成され得る。
【0025】
流動化ロッドはキャスティングチャンバの幅を横切って延び得る。従って、流動化ロッドは、基材の表面に平行で、かつ基材の移動の方向に対して垂直である幾何学的軸を中心に回転可能であり得る。
【0026】
流動化ロッドは実質的に滑らかでない表面を有し得る。
【0027】
本内容において、滑らかな表面は、研磨面、円筒状表面のような滑らかさを示唆する。
【0028】
滑らかでない表面は、例えば、分割され得、そのため複数の軸方向又は螺旋状に延びるエッジを有するか、それは溝付きであり得、複数の軸方向又は螺旋状に延びる溝を有する。そのような溝は多角形又は湾曲した断面を有し得る。さらに別の選択肢として、滑らかでない表面は、そうでなければ円筒状表面から突出する突起を有し得る。そのような突起は多角形又は湾曲した断面を有し得る。ロッドの周囲に、かつロッドに沿って、螺旋状にワイヤを配置することにより、流動化ロッド上に滑らかでない表面を提供することも可能である。そのような螺旋状のワイヤは、ロッド表面に、取り外し可能なように接着されるか、そうでなければ恒久的に接続され得る。
【0029】
流動化ロッドの半径は、その幾何学的回転軸からその放射状に最も外側のポイントまでカウントして5~25nmであり得る。
【0030】
流動化ロッドは、流動化ロッドを回転させるように構成される駆動デバイスに接続され得る。
【0031】
計量部は計量ロッドを含み得る。
計量ロッドは下に凸状の表面を有し得る。
計量ロッドは約5~25nmの曲げ半径を有し得る。
計量ロッドは基材から間隔が空けられるように、即ち、基材と接触しないように配置され得る。
計量ロッドは実質的に滑らかな円筒状表面を有し得る。
計量ロッドは回転可能であり得る。
計量ロッドは、基材と計量ロッド表面との間の相対速度が低減するように、基材に沿って回転させられることがある。
【0032】
あるいは、計量ロッドは、基材と計量ロッド表面との間の相対速度が増加するように、基材に逆らって回転させられることがある。
【0033】
例えば、計量ロッドは自由に回転可能であり得る。
【0034】
あるいは、計量ロッドは、計量ロッドを回転させるように構成される駆動デバイスに接続され得る。
【0035】
別の選択肢として、計量ロッドは回転可能でないことがある。
【0036】
回転可能でない計量ロッドは、ロッドが回転できないように、ロッドが固定的に配置されることを示唆する。
【0037】
計量ロッドは、計量ロッドの軸方向に延びるリリースエッジを有し得る。
【0038】
計量ロッドは、基材に面する計量ロッドの少なくとも一部の湾曲方向に沿って延びる、少なくとも1つのスペーサーを有し得る。
【0039】
計量部は上側リップを含み得、上側リップと基材との間にアプリケーションスロットが形成される。
【0040】
流動化ロッドは、キャスティングチャンバにおける任意の固定された物体から、流動化ロッドの半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、上方へ間隔が空けられ得る。
【0041】
流動化ロッドは、キャスティングチャンバにおける任意の固定された物体から、流動化ロッドの半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、上流方向において間隔が空けられ得る。
【0042】
デバイスは、キャスティングチャンバを上流セクション及び下流セクションに分割する隔壁をさらに含み得る。
【0043】
せん断セクションは、粘性液体が上流セクションから下流セクションに向かって流れるときに、粘性液体の前記せん断を提供するように構成され得る。
【0044】
デバイスは、マニホールドデバイスをさらに含み得る。マニホールドデバイスは、入口を、キャスティングチャンバに接続される少なくとも2つの入口サブ流動チャネルに入口分割するように構成される。入口サブ流動チャネルは、前記キャスティングチャンバ幅に沿って互いに間隔が空けられる。
【0045】
サブ流動チャネルのうちの少なくとも幾つかは、各サブ流動チャネルにおける流動を調整するために構成される調整弁を有し得る。
【0046】
デバイスは、キャスティングチャンバの上流部で、キャスティングチャンバを基材に対して密封するためのシールをさらに含み得る。
【0047】
第二の態様によれば、移動する基材上に粘性液体、特にMFC分散液を塗布するためのデバイスが提供される。デバイスは、粘性液体のための入口、キャスティングチャンバであって、意図されるフィルム幅に対応するキャスティングチャンバ幅を横切って延びる、キャスティングチャンバを含む。デバイスは、キャスティングチャンバに接続される少なくとも2つの入口サブ流動チャネルに入口を分割するように構成される、マニホールドデバイスをさらに含む。入口サブ流動チャネルは、前記キャスティングチャンバ幅に沿って互いに間隔が空けられる。
【0048】
第二の態様に係るデバイスは特に、約2.5~25重量%、好ましくは約2.5~15重量%、約2.5~10重量%又は約2.5~8重量%の固体含量を有し、かつ20S-1のせん断速度で、約4Pas超の粘度を有するMFC分散液からフィルムを形成することも適している。粘性は、約20~80℃、及び好ましくは約20~60℃の温度で分散液について決定される。
【0049】
特に、固体含量は約2.5~4重量%、約4~6重量%、約6~8重量%、約8~10重量%、約10~12重量%、約12~14重量%、約14~16重量%、約16~18重量%、約18~20重量%、約20~22重量%又は約22~25重量%であり得る。
【0050】
サブ流動チャネルのうちの少なくとも1つには調節可能弁が設けられ得る。
【0051】
従って、サブ流動チャネルのうち少なくとも1つ、好ましくは全てにおいて、流動を調節することが可能であり、キャスティングチャンバ内部での圧力分布は調節され得る。
【0052】
マニホールドデバイスはマニホールドチャンバを含み得、マニホールド入口及び入口サブ流動チャネルは、マニホールドチャンバに接続し、マニホールドチャンバからの粘性液体の再循環を可能にするための戻しチャネルが、マニホールドチャンバに接続される。
【0053】
第三の態様によれば、MFC分散液からフィルムを生産するためのシステムであって、フィルムが上に形成されることになる基材と、キャスティングチャンバの下部が基材に対し開いているように配置される、上記に記載されるデバイスとを含むシステムが提供される。
【0054】
フィルムのみを提供することが所望される用途において、基材はスチールベルトのような無端基材であり得、フィルムは、さらなる処理及び/又はリール上への巻取りのために、無端基材から剥ぎ取られ得る。
【0055】
コーティングされた基材が所望される用途において、基材は、紙又は厚紙のような、例えば、パルプ系材料の連続ウェブであり得、フィルムは基材上に形成され、かつ接着され得る。そのようなコーティングされた基材は、さらに処理され、かつ/又はリール上に巻き取られ得る。
【0056】
システムは乾燥セクションをさらに含み得、基材は、デバイスの下流の乾燥セクションを通過させるように構成される。
【0057】
移動可能な基材は無端ベルトであり、特に無端スチールベルトであり得る。
【0058】
計量部は基材により一方向に制限されるギャップを有し得る。
【0059】
第四の態様によれば、MFCフィルムを生産する方法であって、MFC分散液を提供すること、湿潤MFCフィルムが基材上に形成されるように、上記に記載されるデバイスを使用し、基材がデバイスに対して動かされながら、MFC分散液を基材の表面上に塗布すること、及び湿潤MFCフィルムを乾燥プロセスに供し、MFC分散液から液体を除去すること、を含む方法が提供される。
【0060】
MFC分散液は、本質的に除去され乾燥フィルムを形成することになる媒体中に分配される、フィルム形成コンポーネントを含み得る。MFC分散液の媒体の含量は少なくとも75重量%、好ましくは80重量%より多く、85重量%より多く、90重量%より多く又は95重量%より多い。フィルム形成コンポーネントは、MFCを含むか、MFCからなるか、あるいは本質的にMFCからなり得、任意選択的に、共添加剤及び/又は共フィルム形成剤として作用し得る1つ以上の水溶性ポリマーを含み得る。
【0061】
媒体は水及び任意選択的に1つ以上の溶媒を含み得る。
【0062】
本出願の文脈において、乾燥フィルムは0.1~15重量%の媒体含量を有するフィルムである。
【0063】
フィルム形成コンポーネントは分散媒体中に分散され得、分散媒体は本質的に除去されることになる。あるいは、フィルム形成コンポーネントは溶媒中に溶解され得、溶媒は本質的に除去されることになる。任意の場合において、キャスティングが行われる際に、MFC分散液は粘性液体段階である。
【0064】
フィルム形成コンポーネントはMFC及び1つ以上の特性改質添加剤及び/又は充填剤を含み得る。好ましくは、フィルム形成コンポーネントは少なくとも50重量%のMFC、好ましくは少なくとも60重量%、少なくとも70重量%又は少なくとも80重量%のMFCを含む。例えば、フィルム形成コンポーネントは、MFCに加えて他の天然繊維材料も含み得る。
【0065】
従って、MFC分散液において、MFC含量は約1.25重量%~約25重量%、好ましくは約1.8重量%~約10重量%又は約2.8重量%~約8重量%であり得る。
【0066】
フィルム形成コンポーネントは任意選択的に、フィルム及び/又はセルロースフィブリル間の改善された結合を形成し得る水溶性ポリマーも含む。そのようなポリマーの典型的な非限定的な例は、例えば、天然ゴム又は多糖類又は、例えば、CMC、デンプンのようなその誘導体、又はPVOH又はそれらの類縁体である。
【0067】
MFC分散液は、2.5~25重量%、好ましくは2.5~20重量%、2.5~15重量%、2.5~10重量%又は2.5~8重量%の固体含量を有し、かつ20S-1のせん断速度で、4Pas超の粘度を有し得る。粘性を測定する好ましい方法は、Anton Paar MCR 302動的回転式レオメータのような、bop-cupモードを使用するレオメータを用いる。粘性は、約20~80℃、及び好ましくは約20~60℃の温度で分散液について決定される。
【0068】
フィルムは約4~80g/m2の範囲における重量を有し得、それは約5~60μmの範囲における厚さに対応し得る。
【0069】
平均フィルム厚さは約5~60μm、好ましくは約10~50μm、約15~45μm又は約20~40μmであり得る。
【0070】
フィルム重量は約4~80g/m2、好ましくは約8~67g/m2、約12~60g/m2、約16~53g/m2又は約20~45g/m2であり得る。
【0071】
フィルムの媒体含量は約0.1~15重量%、好ましくは約1~12重量%又は約2~10重量%であり得る。
【0072】
乾燥フィルムについての重量%の測定はフィルムの乾燥重量に関して与えられる。
【0073】
フィルムのフィルム形成コンポーネント含量は少なくとも約85~99.9重量%であり得る。
【0074】
フィルム形成コンポーネントは少なくとも50重量%のMFC、好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%又は少なくとも80%MFCを含み得る。
【0075】
従って、幾つかの実施形態において、乾燥フィルムのMFC含量は少なくとも約42.5重量%であり得る。他の実施形態において、乾燥フィルムのMFC含量は少なくとも約79.92重量%であり得る。
【0076】
フィルム幅は約0.3~4m、好ましくは0.5~4m、1~4m又は2~4mであり得る。
【0077】
第五の態様によれば、上記に記載される方法に従って生産されるMFCフィルムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】
図1は、MFCフィルムを生産するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、第一の実施形態に係るフィルム形成プロセスの概略図である。
【
図3】
図3a~3bは、一実施形態に係るフィルム形成デバイスの概略図である。
【
図4】
図4a~4bは、別の実施形態に係るフィルム形成デバイスの概略図である。
【
図5】
図5は、さらに別の実施形態に係るフィルム形成デバイスの概略図である。
【
図6】
図6は、流動化ロッドの型の概略断面図である。
【
図7】
図7は、流動化ロッドの別の型の概略断面図である。
【
図8】
図8は、流動化ロッドのさらに別の型の概略断面図である。
【
図9】
図9は、計量ロッドの別の型の概略断面図である。
【
図10】
図10は、フィルム形成デバイスにおいて圧力を分配するためのマニホールドデバイスの変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1は概略的に、MFCフィルムを製造するための装置を示す。装置は、MFC溶液又は分散液が提供される槽1を含む。ポンプ2を使用して、MFC溶液又は分散液を、供給パイプ3を通して、任意選択的に第一のせん断セクション9を通して、フィルム形成デバイス4に搬送し、これにより、MFC溶液又は分散液は、ベルト乾燥機5の部分を形成し得る基材52に湿潤フィルム100として塗布される。
【0080】
図において、基材52は、ベルト乾燥機のような乾燥機の部分を形成し、そこでは、基材52が金属又はポリマー材料で形成される無端ベルトであり得る。ベルト52は、一対のベルトプーリー51a、51bの間、乾燥ゾーン53を通って流れ得る。乾燥ゾーン53は、MFC溶液又は分散液の液体部分を除去するために適合された雰囲気(温度、圧力及び流動に関して)を提供する。これにより、フィルム101が、基材52から剥ぎ取られるために十分に乾燥しており、その後リール6上に巻き取られる。乾燥工程の前に、湿潤フィルムはプレス脱水工程に供され得る。そのようなプレス脱水の前に、湿潤フィルムは、機械的脱水を促進するために、加熱されるか、高温空気に供され得る。
【0081】
基材52からの剥ぎ取りとリール6上への巻取りとの間に、フィルムは、延伸、さらに乾燥又はプレス脱水のような、さらなる処理工程を受け得る。
【0082】
他の構成において、特にコーティングが基材上に恒久的に配置されることになる場合、2つより多いプーリーが使用され得る。
【0083】
あるいは、基材52は連続シート又はフィルム材料であり得、それらの上に、MFC溶液又は分散液は、基材52に貼り付けられたままであるMFCフィルムを形成する。そのような基材の非限定的な例は、紙、厚紙、織物、不織布又はポリマーフィルム材料を含む。基材は、1つ以上の層からなり得る連続MFCフィルムでもあり得る。そのような基材は、独立した基材として使用され得、又は上述の他の基材タイプのうちのいずれかの上に形成され得る。
【0084】
第一のプーリー51aに対する、フィルム形成デバイス4により提供されるフィルム堆積ポイントの正確な位置は、
図1において示される通り、第一のプーリー51aに対して、典型的に約6~12時の方向、好ましくは約9~12時の方向で、異なり得る。特定の実施形態において、フィルム形成デバイス4は、約10~11時の方向又は約11~12時の方向に配置され得る。
【0085】
図2は概略的に、ポンプ2から供給ライン3に接続されるフィルム形成デバイス4を示す。
【0086】
フィルム形成デバイス4の直ぐ上流に、20S-1より大きい、好ましくは30S-1のより大きいせん断速度を提供するように構成される第一のせん断セクション9が提供され得る。第一のせん断セクション9は、スクリーン、分散ホモジナイザー、静止型混合器又はメッシュフィルターを含み得る。
【0087】
回転スクリーンが使用される場合、0.25mmのスロット最大幅を使用し、スクリーンを通る平均MKFC分散液流を0.005m/sとすることが推奨される。幾つかの実施形態において、第一のせん断セクション9からフィルム形成デバイス4までの距離は2m以下であり得る。流動が第一のせん断工程9からフィルム形成デバイス4に移動するのに要する時間が10秒未満、好ましくは5秒未満又は2秒未満であると好ましいことがある。
【0088】
回転スクリーンデバイスの種々のタイプは既知である。本開示の目的のために、上述の材料についての上述のせん断速度は、閉鎖型回転子、及び放射羽根拍動要素、及び3.6mm厚さのロッドにより作製されるスクリーンバスケットを使用し達成され得る。ロッドは0.25m間隔であるため、MFC分散液又は分散液が間を流動し得る0.25mmのスリットを形成する。
【0089】
スリットの総開口面積は0.00612m2であり得、かつMFC流動は約2l/minであり得、スクリーンバスケットのスリットを通して約22s-1の平均せん断速度を創出する。
【0090】
第一のせん断セクション9のために使用され得るデバイスの別の例は、フォイルと、0.25mm間隔であるため0.25mmのスリットを形成する2.5mm厚さのロッドと、により作製されるスクリーンバスケットを伴う、開放型回転子を有するスクリーンである。総開口面積は0.00315m2であり得る。MFC分散液流動は約2l/minであり得、スリットを通して平均せん断速度42s-1を創出する。
【0091】
IMAMIX DN15/R1/2“ TYPE B6 PN10 HSTのような静止型混合器が使用される場合、スロット入力までの距離として1m以下が推奨される。従って、そのような静止型混合器は既知であり、かつ典型的に、ほぼ螺旋状の羽根、そうでなければ渦巻き状の羽根を封入するチャネルを含む。
【0092】
フィルム形成デバイス4はさらに、クロスマシン方向にMFC溶液又は分散液を分配するように構成されるクロスマシン分配セクション41を含み得る。
【0093】
クロスマシン方向分配セクション41は10s-1より大きいせん断速度を維持するように構成され得る。
【0094】
クロスマシン方向分配セクション41の後に、追加のせん断セクション42が100s-1より大きい、好ましくは200s-1より大きいせん断速度を提供するように構成され得る。
【0095】
追加のせん断セクション42はフィルム形成デバイス4のチャンバ内に流動化ロッドのような回転可能なロッドを含む。さらに、このせん断セクション42は、MFC溶液又は分散液の移動を加速させるスロットダイアプリケーター内に狭い流動チャネルを含み得る。
【0096】
フィルム形成デバイス4はさらに、フィルム形成デバイス4における流動を減速させるように構成されるせん断リリースセクション43を含み得る。せん断リリースセクションは、増加した流動面積を有するセクションとして形成され得、それは流動速度を低減させるであろう。
【0097】
フィルム形成デバイス4はさらに、100s-1より大きい、好ましくは200s-1より大きいせん断速度を提供するように構成され得る第三のせん断セクション44を含み得る。
【0098】
第三のせん断セクション44は、狭い流動チャネル、リップチャネル、基材及びコーティングブレードにより形成されるチャネル、バー又はロッドを含み得る。
【0099】
せん断セクションのうち少なくとも1つは、約10s-1から約20s-1、約20s-1から約30s-1、約30s-1から約100s-1、約100s-1から約200s-1、約200s-1から約1000s-1、約1000s-1から約5000s-1、約5000s-1から約10000s-1、約10000s-1から約50000s-1、約50000s-1から約70000s-1又は約70000s-1から約100000s-1のせん断速度を提供するように構成され得る。
【0100】
フィルム形成デバイスは、スロット-ダイアプリケーター、ロッドアプリケーター又は計量ブレードアプリケーターを含み得るフィルム分配セクション45も含む。
【0101】
スロット-ダイアプリケーターが使用される場合、1~4.5bar、好ましくは1~2.5bar程度の圧力が使用され得る。
【0102】
湿潤フィルム100が基材52上に堆積された後に、それは、基材により乾燥ゾーン53を通り運搬されるであろう。乾燥ゾーンは、MFC溶液又は分散液から液相を除去しMFCフィルム101を形成するために必要な乾燥を達成することに適切な、長さ及び環境を有し得る。
【0103】
基材52がベルト乾燥機のような乾燥機5に固定される場合において、基材52は、基材52からのフィルムの除去を促進するための非常に滑らかな表面を有し得る金属又はポリマー材料で形成され得る。
【0104】
乾燥工程の前に、湿潤フィルムはプレス脱水工程に供され得る。
【0105】
乾燥の後に、MFCフィルム101は、それ自体が既知の手法において、基材52から剥ぎ取られ得る。フィルムはその後、所望の性質を有するフィルムを提供するために、例えば、延伸、照射、切断などによりさらに処理され得る。完成したフィルム101はロール6上に巻かれ得る。
【0106】
あるいは、基材は、ポリマー、ファブリック、不織布又は紙系ウェブのような、乾燥機5を通過されるだけの材料であり、その上にMFCフィルム101が一体化コーティングを形成し得る。乾燥の後に、MFCフィルム101は、基材と共に巻かれ得るか、又は他の方法で変換されて、フィルムで覆われた基材のロールを形成するか、又は、例えば、フィルムで覆われた基材の複数のシートを形成し得る。
【0107】
これより、上記に記載される第二及び第三のせん断セクションを提供するために使用され得るキャスティングデバイスに焦点を当てて記載する。
【0108】
図3a~3bは概略的に、第一の実施形態に係るフィルム形成デバイス4を示す。
【0109】
図3aにおいて、平面又は湾曲した基材であり得る、移動可能な基材52が示される。
【0110】
幾つかの実施形態において、基材は、フィルムが容易に除去され得る表面を有する、スチールベルト又はポリマーベルトのような無端ベルトであり得る。そのようなフィルムは任意選択的に、リール上に巻き取られる又はシートに切断される前に、さらに処理され得る。
【0111】
他の実施形態において、基材は、基材と一体化することを意図されるフィルムが上にコーティングとして形成される、パルプ系ウェブのような柔軟なシート材料であり得る。そのような基材は、乾燥工程の後に、リール上に巻き取られ得る。
【0112】
フィルム形成デバイスは、上流チャンバ壁63により上流方向において制限され、下流チャンバ壁66により下流方向において制限される、キャスティングチャンバ61a、61bを含む。
【0113】
上流チャンバ壁63は、基材52に対して密封され得る。そのような密封はシール64により達成され得る。
【0114】
キャスティングチャンバ入口73a~73fは、キャスティングチャンバの上流部61aに設けられ得る。
【0115】
キャスティングチャンバ61a、61bは、チャンバ側壁65a、65bにより側方に制限され得る。
【0116】
キャスティングチャンバ61a、61bは、チャンバ蓋80により上方に制限され得る。従って、キャスティングチャンバは周辺環境から実質的に遮断され得る。幾つかの実施形態において、チャンバ内の液体は、チャンバにより形成される空間全体を満たし得る。この目的のために、チャンバに入る任意の気体を換気するために逆止弁が提供され得る。
【0117】
チャンバは、上流部61a及び下流部61bにチャンバを分割し得る1つ以上の隔壁67を含み得る。隔壁67は上流チャンバ61aと下流チャンバ61bとの間に制限された通路を提供し得る。
【0118】
従って、隔壁67の下流側においてキャスティングチャンバの幅全体に、より均等な圧力が達成されるように、1つ以上の入口73a~73fからの圧力を上流チャンバ61aに分配するために、当該隔壁を利用することが可能である。
【0119】
幾つかの実施形態において、チャンバは空気のような幾つかの気体を封入し得、その場合、特に、下流チャンバ61b内よりも上流チャンバ61a内でより高い液面L1があり得るように、チャンバ部61a、61bの液面L1、L2が異なり得る。
【0120】
他の実施形態において、上記に記載される通り、チャンバは遮断され得、かつ任意選択的に換気され、その場合、液面は上流チャンバ61a内と下流チャンバ61b内で同じであり得る。
【0121】
チャンバ61a、61bにおいて、流動化ロッドが配置されている。流動化ロッドは、金属ロッドを含み得る。ロッドは、中実又は中空であり得、かつ、回転可能に配置されて、流動化ロッド68を流動化ロッド軸A2を中心に回転させるように構成される駆動デバイスMに接続され得る。典型的な回転速度は、約3000~10000rpm、好ましくは3000~5000rpm及び特に約4000rpm程度であり得る。
【0122】
開放型システム、即ち、空気又は他の気体がキャスティングチャンバ61a、61b中に入ることが許容されるシステムにおいて、流動化ロッド68は、完全に浸設され得、かつ気体がMFC分散液に混合されないように、好ましくはまた表面から十分に間隔が空けられ得る。
【0123】
流動化ロッドは、少なくとも90%超の幅、好ましくは少なくとも95%又は少なくとも99%のような、チャンバの幅の大部分に延び得る。
【0124】
流動化ロッド68は約10~50nmの直径を有し得る。直径は、それ自身の重さによる流動化ロッド68の曲げを低減するように、チャンバ61a、61bの幅に関して選択され得る。
【0125】
流動化ロッド68は、幾つかの実施形態において、研磨面のような滑らかな円筒状表面を有し得る。
【0126】
他の実施形態において、流動化ロッドは滑らかでない外側表面を有し得る。流動化ロッド68の実施形態の誇張された概略図を示す
図6を参照すると、流動化ロッドは、1つ以上の突起又はエッジ681又は流動化ロッドの回転の幾何学的軸と平行して延び得る溝を表す、区分化された断面を有し得る。そのような突起又は溝は多角形又は湾曲した断面を有し得る。あるいは、そのようなエッジは、回転の幾何学的軸の周りかつそれに沿ってほぼ螺旋状に延び得る。
【0127】
流動化ロッド68の実施形態の誇張された概略図を示す
図7を参照すると、流動化ロッドは、そうでなければ実質的に円筒状表面内に凹んでおり、かつ流動化ロッドの回転の幾何学的軸と並行して延び得る、1つ以上の溝682を有し得る。あるいは、そのような溝682は、回転の幾何学的軸の周りかつそれに沿ってほぼ螺旋状に延び得る。
【0128】
流動化ロッド68の実施形態の誇張された概略図を示す
図8を参照すると、流動化ロッドは、そうでなければ実質的に円筒状表面から突出し、かつ流動化ロッドの回転の幾何学的軸と並行して延び得る、1つ以上の突起683を有し得る。あるいは、そのような突起683は、回転の幾何学的軸の周りかつそれに沿ってほぼ螺旋状に延び得る。
【0129】
いずれの場合においても、例えば、溝底における半径の最小長と、例えば、突起先端における半径の最大長との間での流動化ロッドの半径の長さの変動は、半径の最大長の3~20%程度異なり得る。
【0130】
半径の長さの変動が、流動化ロッドの半径に関わらず、約0.5~2mm、好ましくは約1~1.5mmであり得ることを実験で示した。
【0131】
流動化ロッド68は基材52から間隔を空けられ配置され得る。間隔は、流動化ロッドと基材表面との間にギャップが提供されるように、流動化ロッドの最大半径の10~100%程度であり得る。
【0132】
このギャップは、そのため、第二のせん断セクション42の部分を形成する。
【0133】
幾つかの実施形態において、流動化ロッドが壁67又は蓋80のような任意の物体から、流動化ロッド最大半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、垂直に間隔が空けられるという意味では、流動化ロッド68はチャンバ61a、61bにおいて自由に配置され得る。
【0134】
流動化ロッドはまた、壁63、66、67のような任意の物体から、流動化ロッド最大半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%又は少なくとも100%の距離、水平に距離が空けられ得る。
【0135】
他の実施形態において、流動化ロッド68は、流動化ロッド最大半径の1~25%程度のギャップを提供するように、壁63、66、67又は蓋80の近くに配置され得る。
【0136】
キャスティングチャンバ61a、61bにおいて、1つ以上の流動化ロッド68が提供され得る。例えば、2つ又は3つの流動化ロッドが提供され得る。
【0137】
さらに、流動化ロッド又はロッド68は、例えば、ロッドを通して供給される加熱若しくは冷却流体の提供により、又は流動化ロッドにおける電気ヒーターの提供により、温度が制御され得る。
【0138】
下流壁66において、第三のせん断セクション44が提供される。このせん断セクション44は、基材52の表面により、かつ下流壁の下部により制限される。
【0139】
幾つかの実施形態において、下流壁66の下部には計量ロッド69を提供され得る。
【0140】
そのような計量ロッド69は、下方に凸状の表面を呈してよく、ロッド69と基材52表面との間に、ゼロより大きい最小ギャップに向かって減少するギャップを提供し得る。例えば、ギャップは、約3から約60μmの乾燥フィルム厚さに対応し得る、約60から約2400μmの範囲内となり得る。
【0141】
計量ロッド69は、下流壁66に固定的に取付けられ得、幾つかの実施形態において、下流壁66に取付けられ、任意選択的に下流壁66と一体化され得る。
【0142】
そのような固定されたロッドは、実質的に円筒状、そうでなければ楕円状表面を有し得、最小ギャップの下流ギャップは徐々に増加する。
【0143】
あるいは、固定されたロッドは、最小ギャップの下流ギャップを急激に増加させるリリースエッジ691(
図9)を有し得る。
【0144】
図4aを参照すると、他の実施形態において、下流壁66には上側リップ6611を有する計量バー661が設けられ得、基材52に沿って実質的に一定の高さのギャップを実質的に提供する。
【0145】
他の実施形態において、計量ロッド69は計量ロッド回転軸A1を中心に回転可能であり得る。そのような実施形態において、計量ロッドは滑らかな円筒状表面を有し得る。
【0146】
計量ロッド69は自由に回転可能、又は静的であり得る。
【0147】
あるいは、計量ロッド69は、計量ロッドを回転させる駆動デバイスに接続され得る。
【0148】
例えば、計量ロッドは、基材と同じスピードで、より速い又はより遅いスピードで、基材に沿って回転させられることがある。
【0149】
別の例として、計量ロッドは基材に逆らって回転させられることがある。
【0150】
任意である追加のコンポーネントとして、キャスティングチャンバ61a、61bの上流に、マニホールドデバイス7が提供され得る。
【0151】
マニホールドデバイスは、液体のためのマニホールド入口72及びキャスティングチャンバ61a、61bへの入口73a~73fを形成する複数のマニホールド出口を有するマニホールドチャンバ71を含み得る。入口73a~73fは、キャスティングチャンバ61a、61bの幅にわたる圧力勾配のリスクを低減するように、キャスティングチャンバ61a、61bの幅にわたり分配され得る。
【0152】
マニホールドチャンバ71はマニホールド戻しチャネル74を有し得るが、有していなくてもよく、出口を通りキャスティングチャンバへに到達しない液体は、そのマニホールド戻しチャネル74から再循環され得る。この戻しチャネル74は槽1に、ポンプ2の入口に、又は第一のせん断セクション9に接続され得る。
【0153】
マニホールドチャンバ71は、マニホールドチャンバのマニホールド入口側がより大きい断面を有し、かつマニホールドの反対側がより小さい断面を有するという点で、収束円錐の形状を有し得る。
【0154】
マニホールドチャンバは、キャスティングチャンバ61a、61bに接続可能である別個のコンポーネントとして、又はキャスティングチャンバに固定的に接続され得る一体化コンポーネントとして、提供され得る。
【0155】
図4a~4bは概略的に、第二の実施形態に係るフィルム形成デバイス4を示す。
図4a~4bにおいて、
図3a~3bと同じの機能を有する部分は同じの参照番号を与えられており、さらなる記載は省略する。
【0156】
図4a~4bにおいて開示される実施形態は、計量ロッドではなく、上側リップ6611を有する計量バー661が提供されるという点において、
図3a~3bにおける実施形態と異なる。従って、基材52と計量バー661との間にスロットが形成され得る。
【0157】
スロットは、流動方向に沿って見た場合、実質的に一定の高さを有し得る。計量バー661の下流部において、上側リップ6611で鋭利な後縁が提供され得る。
【0158】
図5は概略的に、フィルム形成デバイス4のさらなる実施形態を示し、流動化ロッド68は、基材52表面に近いが、そこから間隔が空けられて、キャスティングチャンバ内に配置される。
【0159】
この実施形態において、流動化ロッド68はまた、キャスティングチャンバの壁63、66、67又は蓋80のような固定された物体から垂直に間隔が空けられ得る。流動化ロッドは、流動化ロッド半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも100%又は少なくとも150%、そのような物体から垂直に間隔が空けられ得る。
【0160】
さらに、流動化ロッドはキャスティングチャンバの壁63、66、67のような固定された物体から水平に間隔が空けられ得る。流動化ロッドは、基材の移動方向に沿って見た場合、そのような物体から、流動化ロッド半径の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、少なくとも100%又は少なくとも150%、水平に間隔が空けられ得る。
【0161】
図5において、隔壁67の代替実施形態も示される。当該隔壁は、上流チャンバ部61aから下流チャンバ部61bへの狭い通路を提供する。そのような狭い通路は、キャスティングチャンバの幅にわたり液体圧力を分配するように作用し得る。
【0162】
流動化ロッド又はロッドは、
図3a~3b及び6~8を参照して記載される通りに設計され得る。
【0163】
第三のせん断セクション44は、
図3a~3b又は4a~4bを参照して開示されたものに従って設計され得る。
【0164】
図10は概略的に、マニホールドデバイス7とキャスティングチャンバ61a、61bとの間の接続の別型を示し、チャネル73a~73eのうちの少なくとも幾つかが、各チャネル73a~73eにおいて流動を調整するために構成される調整弁75a~75eを提供される。好ましくは、そのような弁は、非常に小さい工程において又は連続的に、流動を個別に調整するように構成される。
【0165】
弁は、1つ以上の圧力センサに動作的に接続もされ得る制御装置に、動作的に接続され得る。そのような圧力センサはそれぞれ、キャスティングチャンバの種々の部分における圧力が監視され、かつ制御装置により調整され得るように、チャネル73a~73eの各1つに近いキャスティングチャンバ61a、61bの領域に配置され得る。
【0166】
あるいは、弁は、異なる横方向の位置におけるフィルムの厚さを測定する厚さ計に接続され得る制御装置に、動作的に接続され得る。
【0167】
従って、キャスティングチャンバ61a、61bにおける圧力分布、及びフィルムの厚さ分布をさらにより正確に制御することが可能である。
【0168】
図10において示されたマニホールドデバイス型は、以前に議論されたマニホールドデバイス型のいずれか1つに適用され得る。
【0169】
ここで開示される方法によれば、MFC分散液は乾燥MFCフィルムを形成するために乾燥される。
【0170】
ここで使用される用語「厚さ」は、実際の、非圧縮厚さを言及するものと理解される。
【0171】
乾燥フィルムの厚さは、非限定的な例として、白色光干渉計、レーザー側面計を使用して、又は任意選択的に(樹脂にキャストしているか否かに関わらず)クロスマシン方向のラインにおいてサンプルを切断し、厚さ方向における切断部の顕微鏡イメージング(例えば、走査型電子顕微鏡法又は他の適用可能な方法)により、測定され得る。
【0172】
平均乾燥フィルム厚さは、5~60μm、15~20μm、好ましくは20~60μm、10~50μm、30~50μm、15~45μm又は20~40μm程度であり得る。
【0173】
特定の平均乾燥フィルム厚さは、5~10μm、10~15μm、15~20μm、20~25μm、25~30μm、30~35μm、35~40μm、40~45μm、45~50μm、50~55μm又は55~60μmであり得る。
【0174】
乾燥フィルム重量は4~80g/m2、好ましくは8~67g/m2、12~60g/m2、16~53g/m2又は20~45g/m2程度であり得る。
【0175】
特定の乾燥フィルム重量は、4~10g/m2、10~20g/m2、20~30g/m2、30~40g/m2、40~50g/m2、50~60g/m2、60~70g/m2又は70~80g/m2であり得る。
【0176】
乾燥フィルムの媒体含量は、0.1~15重量%、好ましくは1~12重量%、又は2~10重量%程度であり得る。
【0177】
乾燥フィルムの特定の媒体含量は、0.1~1重量%、1~2重量%、2~3重量%、3~4重量%、4~5重量%、5~6重量%、6~7重量%、7~8重量%、8~9重量%、9~10重量%、10~11重量%、11~12重量%、12~13重量%、13~14重量%又は14~15重量%程度であり得る。
【0178】
乾燥フィルムのフィルム形成コンポーネント含量は、少なくとも85~99.9重量%であり得、残りは媒体である。
【0179】
特に、乾燥フィルムは、40~50重量%、50~60重量%、60~70重量%、70~80重量%、80~90重量%、90~95重量%又は95~99重量%のMFC含量を有し得る。
【0180】
乾燥フィルムの幅は約0.3~4m、好ましくは0.5~4m、1~4m又は2~4mであり得る。
【0181】
特定のフィルム幅は、0.3~0.5m、0.5~1m、1~1.5m、1.5~2m、2~2.5m、2.5~3m、3~3.5m又は3.5~4mであり得る。
【0182】
乾燥フィルムは、薄い連続シート形成材料としてみなされ得る。その組成、目的及び性質に基づいて、乾燥フィルムは薄い紙又はウェブとして、又はさらにメンブレンとしてもみなされ得る。
【国際調査報告】