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特表2024-510555芳香剤の堆積を向上させる酵素の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】芳香剤の堆積を向上させる酵素の使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/42 20060101AFI20240301BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240301BHJP
   D06M 16/00 20060101ALI20240301BHJP
   C12N 15/56 20060101ALN20240301BHJP
   C12N 1/16 20060101ALN20240301BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20240301BHJP
【FI】
C12N9/42 ZNA
C11D3/386
C11D1/62
C11D3/50
D06M16/00
C12N15/56
C12N1/16 Z
C12N1/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551726
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2022054772
(87)【国際公開番号】W WO2022184568
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21159991.5
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500586299
【氏名又は名称】ノボザイムス アクティーゼルスカブ
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100196977
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 路子
(72)【発明者】
【氏名】ライーウ ムアフィー
(72)【発明者】
【氏名】エリザベト リノード
【テーマコード(参考)】
4B065
4H003
4L031
【Fターム(参考)】
4B065AA15X
4B065AA57X
4B065AA65X
4B065AC14
4B065CA31
4B065CA57
4H003AE04
4H003EC03
4H003FA26
4L031AB33
4L031BA39
4L031DA13
4L031DA20
(57)【要約】
消費者製品組成物、例えば、生地コンディショナ組成物又は香りブースター組成物からの芳香剤の、生地コンディショナ組成物により処理した織物上での堆積を向上させるための、セルラーゼ活性を有する酵素の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物上への芳香剤の堆積を向上させるための、消費者製品組成物、より詳細には生地コンディショナ組成物又は香りブースター組成物中での、セルラーゼ活性を有する酵素の使用。
【請求項2】
セルラーゼ活性を有する前記酵素は、グリコシドヒドロラーゼファミリー5(GH5)、グリコシドヒドロラーゼファミリー7(GH7)、グリコシドヒドロラーゼファミリー12(GH12)、グリコシドヒドロラーゼファミリー44(GH44)、及びグリコシドヒドロラーゼファミリー45(GH45)から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のいずれかに対して少なくとも60%の配列同一性を有する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記セルラーゼは、前記生地コンディショニング組成物の総重量に基づいて0.05重量%~2重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記セルラーゼは、前記生地コンディショナの乾物重量に基づいて0.5重量%~25重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記生地コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤を、前記生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.5重量%~40重量%の量で含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記陽イオン性界面活性剤は、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、エステルクォート、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記芳香剤は、Clog Pが2.5超7未満、より詳細には6未満である、25重量%超、さらにより詳細には35重量%超、さらにより詳細には45重量%超、さらにより詳細には50、60、70、又は75重量%超の香料成分を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
織物上への芳香剤の堆積を向上させる生地コンディショナ組成物の使用であって、前記コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤、芳香剤、及びセルラーゼを含む、使用。
【請求項10】
生地コンディショナ組成物からの芳香剤の、前記生地コンディショナ組成物により処理した織物上への堆積を増大させる方法であって、セルラーゼ活性を有する酵素を、前記生地コンディショナ組成物に加える工程を含む方法。
【請求項11】
セルラーゼ活性を有する前記酵素は、グリコシドヒドロラーゼファミリー5(GH5)、グリコシドヒドロラーゼファミリー7(GH7)、グリコシドヒドロラーゼファミリー12(GH12)、グリコシドヒドロラーゼファミリー44(GH44)、及びグリコシドヒドロラーゼファミリー45(GH45)から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のいずれかに対して少なくとも60%の配列同一性を有する、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記セルラーゼは、前記生地コンディショニング組成物の総重量に基づいて0.05重量%~2重量%の量で存在する、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記セルラーゼは、前記生地コンディショナの乾物重量に基づいて0.5重量%~25重量%の量で存在する、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記生地コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤を、前記生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.5重量%~40重量%の量で含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記陽イオン性界面活性剤は、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、エステルクォート、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記芳香剤は、Clog Pが2.5超である、25重量%超、さらにより詳細には35重量%超、さらにより詳細には45重量%超、さらにより詳細には50、60、70、又は75重量%超の香料成分を含有する、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、織物上へ消費者製品組成物からの芳香剤の堆積を最適化する方法及び組成物に関する。より詳細には、本発明は、織物、例えば生地コンディショナ組成物及び洗濯物香りブースター上への芳香剤の送達を最大にする目的で設計されている消費者製品からの芳香剤の堆積を最適化することに関する。
【0002】
配列表の参照
本出願には、コンピュータ可読形式の配列表が含まれる。このコンピュータ可読形式は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
消費者らは益々、洗浄の数週後ですら、洗濯物上でインパクトが強く、且つ長持ちする芳香を必要としている。また、洗濯機又は乾燥機のドアを開けるときの、そして収納、アイロン掛け、及び着衣の間の、様々な消費者接点、例えば購入点にて芳香を放つことによって、消費者体験を高めることが所望される。洗剤、生地コンディショナ組成物、及び香りブースター組成物により、消費者らは、洗濯ケアプロセスのこれらの様々な段階の間に魅惑的な芳香体験を楽しむことが可能となる。
【0004】
生地コンディショナ組成物は、従来の服洗浄プロセスの間のすすぎサイクルに加えられることが主に意図される水性織物コンディショニング組成物である。生地コンディショナ組成物の主要な構成要素は、陽イオン性界面活性剤であり、これは、織物を軟化して、静的制御を実現する。生地コンディショナ組成物は、この界面活性剤は別として、典型的には、微量の他の材料、例えば乳化剤を含有する。セルラーゼを生地コンディショナ組成物に加えることが知られている。特に、酵素を使用して、織物の状態を向上させ(例えば、ピリングを少なくし)、且つ織物の水吸収性を向上させてきた。また、生地コンディショナ組成物は、顔料(colour)及び香料等の美的添加物を含むことが従来的である。
【0005】
消費者製品ニーズを満たすような、より小さな投薬量フォーマット(例えば単位剤型)の消費者需要、及び地球の資源の消費を引き下げる一般市民の関心により、製品中の固体含有量を引き下げたいという願望がある。これを達成するために、製品に用いられる主要な構成要素、すなわち陽イオン性界面活性剤のレベルを引き下げる一方で、優れたコンディショニングパフォーマンス及び織物ケアをなお達成することが必須である。
【0006】
香料を単に美的成分とみなすことが従来的であるが、実際、香料は消費者製品組成物に、組成物、及び組成物で処理される織物が、素晴らしい香りがするのを簡単に確実にするのに用いられていない。消費者らは実際に、香料設計によって消費者製品にもたらされる付加価値から利益を得る。消費者製品の属性を高める香料の能力は、数十年間、消費者製品のメーカーに知られていた。アイロン掛け後のシャツ上に残る良い感じの香りは、着用者に、きれいでフレッシュであるだけでなく、ほぼ一新されていることを知らせる。デオドラントのユーザーは、オフィスでのハードな1日の後ですら「フレッシュに」過ごす。フロアクリーナーは、フロアをクリーニングしただけでなく、部屋は何時間後も「クリーン」なままである。
【0007】
熟練したパーフューマーは、そのような二次機能のあらゆる種類の利益を達成することができる。なぜなら、香料が、消費者製品に用いられる複雑な化学、及び標的基質の化学とどのように相互作用するかについて理解しているからである。例えば、洗濯された衣服の柔らかさは、生地の表面に陽イオン性界面活性剤を送達することによって達成されることが通常知られている。また、香料成分が、界面活性剤凝集体と結合し、そして香料の吸収が、織物上での陽イオン性界面活性剤の堆積と付随することが知られている。このように、陽イオン性界面活性剤は実際に、香料の堆積を促進するので、香料は、フレッシュに洗濯された生地にインパクトを与える。さらに、パーフューマーが、生地上で十分に堆積することが実験に基づいて知られている香料成分を用いるならば、湿った生地上の最初の堆積は、ドライダウンの間、そしてその後の消費者による収納及び使用の間に、香料の持続性及び香りのインパクトの向上に変換され得る。逆に言えば、陽イオン性界面活性剤のレベルを引き下げることで、洗浄サイクルの湿潤段階及び乾燥段階の双方において、香料の堆積が引き下げられて、その嗅覚パフォーマンスが制限され得る。
【0008】
織物上へ芳香剤の堆積を向上させて織物に及ぼす芳香剤のインパクトを向上させるように、そして洗浄液中で破棄される芳香剤の浪費を最小にするように、消費者製品の設計を最適化する必要が残されている。さらに、生地コンディショナ組成物に関して、生地ケアも香料堆積パフォーマンスも損なうことなく、組成物に用いられる陽イオン性界面活性剤のレベルを引き下げることが特に必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
先行技術における弱点に対処する際に、出願人は驚くべきことに、セルラーゼ酵素の、消費者製品への添加が、織物上への芳香剤の堆積を向上させることができることを見出した。さらに、生地コンディショナ組成物に関して、セルラーゼ酵素の使用により、生地のケア又は芳香剤の堆積を損なうことなく、陽イオン性界面活性剤のレベルを引き下げることもできる。
【0010】
さらに、生地コンディショナ組成物に使用される陽イオン性界面活性剤が非再生可能石油化学資源に由来するという事実が原因で、本発明は、セルラーゼ酵素の添加によって陽イオン性界面活性剤量を引き下げることによって、より持続可能な生地コンディショナ組成物を供給することができる。
【0011】
したがって、本発明は、第1の態様において、消費者製品組成物、例えば、生地コンディショナ組成物又は香りブースター組成物からの芳香剤の、組成物により処理した織物上での堆積を向上させるためのセルラーゼ酵素の使用を提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、消費者製品組成物、例えば、生地コンディショナ組成物又は香りブースター組成物からの芳香剤の、組成物により処理した織物上での堆積を向上させる方法であって、セルラーゼ酵素を組成物に加える工程を含む方法を提供する。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、織物上への芳香剤の堆積を向上させるのに用いられる生地コンディショナ組成物を提供し、コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤、芳香剤、及びセルラーゼ酵素を含む。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、織物への相当な香料送達、及び嗅覚力が正常な人々によって検出可能な、すすぎ工程及び乾燥工程の後にも長持ちする香料のインパクトを実現するための生地コンディショナ組成物を提供し、コンディショナ組成物は、有効な量のセルラーゼ酵素を含む。
【0015】
本発明の明示される態様のいずれか1つ又はそれ以上に関して提供される詳細、実施例、及び選択は、本明細書中でさらに説明されており、そして本発明の全ての態様に等しくあてはまる。本明細書中で以下に説明される実施形態、実施例、及び選択の、それらの全ての考えられる変形におけるあらゆる組合せが、本明細書中でそうでないと明記されない限り、又は文脈によって明らかにそうでないと否定されない限り、本発明によって包含される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
セルラーゼ:用語「セルロース分解酵素」又は「セルラーゼ」又は「セルラーゼ活性を有する酵素」は、ベータ-1,4-グリコシド結合の加水分解によってセルロース材料の分解を触媒する1つ以上の(例えばいくつかの)酵素を意味する。そのような酵素として、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、又はそれらの組合せが挙げられる。セルロース分解活性を測定するための2つの基本的な手法として:(1)総セルロース分解活性を測定するもの、及び(2)Zhang et al.,Outlook for cellulase improvement: Screening and selection strategies,2006,Biotechnology Advances 24:452-481においてレビューされる通りに個々のセルロース分解活性(エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びベータ-グルコシダーゼ)を測定するものが挙げられる。総セルロース分解活性は、通常、Whatman No.1濾紙、結晶セルロース、細菌性セルロース、藻類のセルロース、綿、前処理されたリグノセルロース等が挙げられる不溶性基質を用いて測定される。最も一般的な総セルロース分解活性アッセイは、基質としてWhatman No.1濾紙を用いる濾紙アッセイである。アッセイは、国際純正・応用化学連合(IUPAC)によって確立された(Ghose,1987,Measurement of cellulase activities,Pure Appl.Chem.59:257-68)。
【0017】
本発明の目的のために、セルロース分解酵素活性が、セルロース分解酵素タンパク質の添加を伴わない対照加水分解と比較して、以下の条件下でセルロース分解酵素によるセルロース系材料の加水分解の増大を測定することによって判定され得る:1~50mgのセルロース分解酵素タンパク質/PCS(又は他の前処理されたセルロース系材料)中セルロースg、適切な温度、例えば、50℃、55℃、又は60℃にて3~7日間。典型的な条件は、1ml反応液、洗浄されたか、又は洗浄されていないPCS、5%の不溶性固体、50mM酢酸ナトリウムpH5、1mM MnSO4、50℃、55℃、又は60℃、72時間、AMINEX(登録商標)HPX-87Hカラム(Bio-Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA,USA)による糖分析である。
【0018】
生地ソフナー:生地ソフナー(本明細書中で生地コンディショナ、生地コンディショナ組成物、又は単にソフナーとも称される)は、洗濯機内でのすすぎサイクルの間に、又は手による洗浄時に、洗濯物に典型的に使用される組成物である。生地ソフナーは、生地の表面を、帯電している化合物でコーティングして、生地の電荷を中和して、糸を表面から「立たせる」ことで、生地をより柔軟な感触にし、且つよりふわふわにさせる。生地ソフナーは、溶液及び固体として利用可能であり、そしてまた、服乾燥機に用いられるドライヤーシート内に含浸させてもよい。
【0019】
生地ソフナー剤:生地ソフナー剤(又はソフナー剤)は、生地ソフナー組成物、例えば帯電している化合物内に含まれる成分である。当該化合物は、生地内の糸を織物の表面から持ち上げることによって、織物のより柔軟な感触を生地に与える。一実施形態において、生地ソフナー剤は、1つ以上の陽イオンソフナーである。ソフナーは通常、約0.5重量%~約40重量%の、例えば約0.5重量%~約30重量%、特に約1重量%~約20重量%、約3重量%~約10重量%、例えば、約3重量%~約5重量%、約8重量%~約12重量%、又は約10重量%~約12重量%の陽イオン性界面活性剤を含むであろう。陽イオン性界面活性剤の非限定的な例として、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、他のエステルクォート、及びそれらの組合せが挙げられる。陽イオンソフナーは、織物の表面上の負に荷電する基への静電引力によって結合して、その電荷を中和することによってなめらかさを与える。
【0020】
断片:用語「断片」は、成熟ポリペプチドメインのアミノ及び/又はカルボキシル末端に存在しない1個又は複数個の(例えばいくつかの)アミノ酸を有するポリペプチドを意味しており、当該断片は、酵素活性を有する。一態様において、断片は、酵素の成熟ポリペプチドのアミノ酸残基の少なくとも85%、例えば、少なくとも90%又は少なくとも95%を含む。
【0021】
ファミリーGH45セルラーゼ:本明細書中で用いられる用語「ファミリーGH45セルラーゼ」は、グリコシル結合の加水分解を触媒する酵素であるグリコシルヒドロラーゼを指す。分類されている100を超えるグリコシルヒドロラーゼのクラスが存在する。Henrissat et al. (1991)A classification of glycosyl hydrolases based on amino-acid sequence similarities’,J.Biochem. 280:309-316及びwww.cazy.orgのCAZYウェブサイト参照。ファミリー45のグリコシドヒドロラーゼ(GH45)は、これまで、エンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)と同定されてきた。定義の中に入るのは、「セルラーゼ」として一般的に知られている酵素である。また、そのような酵素は、エンドグルカナーゼとして知られ得る酵素を含む。
【0022】
すすぎサイクル:用語「すすぎサイクル」は、本明細書中ですすぎ操作と定義され、織物は、水を循環させることによってしばらくの間水に曝され、そして場合によっては機械的に織物を処理して織物をすすぎ、そして最後に、余分な水が除去される。すすぎサイクルは、同じ温度又は異なる温度にて、1、2、3、4、5、又は6回反復され得る。
【0023】
香りブースター:香りブースターは、織物に長期にわたる芳香印象を与えるために、洗濯プロセスの間に、特に乾燥段階、例えば、収納、アイロン掛け、又は着衣の間に織物に使用される組成物である。香りブースターは、典型的に、固体マトリックス材料内に引き込まれた遊離芳香油及び/又はカプセル化芳香油を含む。典型的に、香りブースターは、顆粒状フォーマット又はトローチフォーマットで示される。
【0024】
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメーター「配列同一性」によって説明される。
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48;443-453)を用いて求められる。用いられるパラメーターは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。「最長の同一性」と表示されるNeedleの出力(-nobriefオプションを用いて得られる)は、同一性パーセントとして用いられて、次のように算出される。
(同一残基×100)/(アライメントの長さ-アライメント内のギャップの総数)
【0025】
織物:本明細書中で用いられる用語「織物」はそのまま、ヤーン、ヤーン中間物、繊維、不織布材料、天然材料、合成材料が挙げられるいずれかの織物材料、及び他のあらゆる織物材料、これらの材料から製造される生地、並びに生地から製造される製品(例えば、衣服及び他の物品)を指す。織物又は生地は、ニット、布、デニム、不織布、フェルト、ヤーン、及びタオル地の形態であり得る。織物は、綿、亜麻/リネン、ジュート、カラムシ、サイザル、若しくはコイアが挙げられる天然セルロース、又はビスコース/レーヨン、酢酸セルロース繊維(tricell)、リオセルが挙げられる人工セルロース(例えば、木材パルプ由来のもの)、或いはそれらのブレンド等のセルロース系のものであり得る。また、織物又は生地は、セルロース系繊維及び非セルロース系繊維のブレンドであり得る。ブレンドの例として、綿及び/又はレーヨン/ビスコースの、ウール、合成繊維(例えば、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリウレア繊維、アラミド繊維)、及び/又はセルロース含有繊維(例えば、レーヨン/ビスコース、カラムシ、亜麻/リネン、ジュート、酢酸セルロース繊維、リオセル)等の1種以上の随伴材料とのブレンドがある。布地は、例えば汚れのついた家庭用洗濯物といった従来の洗濯可能な洗濯物であり得る。用語生地又は衣服が用いられる場合、より幅広い用語としての織物をも含むことが意図される。
【0026】
本発明において意図される織物は、あらゆる純粋な形態、例えば、100%ワタ、100%ポリエステル等であってもよいし、様々な種類の織物、例えば、50%ワタ及び50%ポリエステルのあらゆるブレンドであってもよい。ゆえに、一実施形態において、織物は、少なくとも50%ポリエステル及び少なくとも20%ワタの混合物である。
【0027】
織物は、洗浄プロセスにおいて、前もって洗浄(処理)されていてもよい。洗浄プロセスは、織物、織物上の汚れのレベル、又は温度に左右され得る他のあらゆる態様に応じた種々の温度にて行われ得る。本発明は、特定のいかなる温度にも限定されない。ゆえに、一実施形態において、前洗浄は、少なくとも5℃、例えば、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、又は少なくとも60℃の温度にて行われている。
【0028】
バリアント:用語「バリアント」は、1つ以上(例えばいくつか)の位置にて改変、すなわち、置換、挿入、及び/又は欠失を含む酵素活性を有するポリペプチドを意味する。置換は、ある位置を占めるアミノ酸の、異なるアミノ酸による置換を意味し;欠失は、ある位置を占めるアミノ酸の除去を意味し;そして挿入は、ある位置を占めるアミノ酸に隣接して、且つその直後にアミノ酸を付加することを意味する。
【0029】
洗浄サイクル:用語「洗浄サイクル」は、本明細書中で、しばらくの間、洗濯機内で洗浄液及び織物を循環させることによって織物が洗浄液に曝される洗浄操作と定義される。洗浄サイクルは、同じ、又は異なる温度にて、1、2、3、4、5、又は6回反復され得る。洗浄サイクルに、多くの場合、すすぎサイクル、そして最後に、水が織物から除去される遠心分離サイクルが続く。どれが洗濯物洗浄の間の洗浄サイクルであるかを決定することが当業者に知られている。
【0030】
洗浄液:用語「洗浄液」は、場合によっては、洗濯物に用いられる酵素を含む、水及び洗剤の溶液又は混合液を意味することが意図される。
【0031】
本発明は、酵素を消費者製品組成物に加えることによって、織物上での芳香剤の堆積を向上させるためのセルラーゼ酵素の使用に関する。本発明は、特に、生地コンディショナ組成物によって送達される織物上への芳香剤の堆積を向上させるためのそのような酵素の使用に関するが、また、他の消費者製品組成物、及び特に、織物上に堆積する芳香剤のレベルによって有効性が評価されるもの、例えば香りブースターに関する。出願人は、酵素をそのような組成物に加えることによって、フレッシュに洗濯された織物上への芳香剤の堆積が、酵素を含有しない組成物のパフォーマンスと比較して向上することを見出した。さらに、出願人は、香料成分を思慮深く選択することによって、香料が、洗浄プロセスの湿潤段階の間に織物上に堆積して、長期間にわたる香りの印象が、ドライダウンの間、及び収納から以降の使用を過ぎて、嗅覚力が正常な人々によって検出可能であるように、持続性により織物に粘着することを見出した。
【0032】
本発明はまた、織物の状態を向上させる方法に関し、織物表面を、セルラーゼ酵素、特に陽イオン性界面活性剤と組み合わせてセルラーゼ酵素と接触させることを含む。特に、生地コンディショナ組成物に関して、出願人は、生地コンディショナ組成物に使用される陽イオン性界面活性剤のレベルを引き下げるにも拘わらず、コンディショニング及び抗静的特性が影響されないままであるが、有効なレベルのセルラーゼ酵素を組成物に加えることによって、抗ピリング特性が、複数回の洗浄サイクルにわたってもやはり向上することを見出した。
【0033】
生地コンディショナ組成物中に存在する陽イオン性界面活性剤は、非再生可能石油化学資源に由来する。したがって、本発明の別の利点は、陽イオン性界面活性剤量を引き下げることによって生地コンディショナ組成物がより持続可能にされ得るという発見にある。発明者らはこれを、セルラーゼ酵素の添加によって達成した。さらに、組成物内の香料のパフォーマンスを維持するだけでなく実際に向上させると同時に、より持続可能な組成物を得ることができる。
【0034】
生地コンディショナ組成物に用いられる多くの陽イオン性界面活性剤と対照的に、セルラーゼは、環境中で自然に見出され、且つ容易に生物分解可能である再生可能農業源から得ることができる。セルラーゼによる陽イオン性界面活性剤の置換は、国連のSustainable Development Goals、特にGoal 12 “Responsible consumption and production”に対処する:陽イオン性界面活性剤をセルラーゼと置換することで、生産者、そしてゆえにエンドユーザーは、潜在的化石原料から再生可能原料に移行して、環境に放たれる永続的化学物質のボリュームを引き下げることができる。
【0035】
表面処理組成物中での酵素の使用は、当該技術において一般的に知られている。一例として、蛍光増白剤としての化学物質に代わるものとして有用な酵素が知られている。さらに、生地表面から、けば及びピルを除去するための特定のセルラーゼ酵素が使用されている。そしてさらになお、国際公開第2019/057758号パンフレットにおいて、セルラーゼの使用は、陽イオン性界面活性剤で処理した生地上での水吸収性を促進することが提示されている。実際に、セルラーゼ酵素が、処理した生地中への水の侵入を促進するという国際公開第2019/057758号パンフレットにおける技術的教示は、本発明から遠ざかる方向の教示である。セルラーゼが、生地中への水の侵入を促進するのに使用されるならば、これは、セルラーゼが、生地の表面をより親水性にして、水がその表面を濡らすのを可能にするように作用することを包含する。直観に反して、本発明において、セルラーゼ酵素は、一般に親油性材料である芳香成分の、織物の表面上への堆積を促進するのに使用される。
【0036】
本発明の使用に有用な酵素は、セルラーゼ酵素、特にファミリーGH45セルラーゼである。ファミリーGH45セルラーゼ等のセルラーゼをソフナーに用いて、織物上への芳香剤の堆積を向上させることができることは、以前に示されていない。本発明の実施例で分かるように、セルラーゼがソフナーに加えられた場合に、芳香剤の堆積が向上する。
【0037】
一実施形態において、酵素は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8に対して少なくとも60%の配列同一性を有するセルラーゼである。
【0038】
セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8に対して少なくとも60%の配列同一性を有するいずれのものであってもよく、好ましくは、セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、若しくは配列番号8、又はセルラーゼ活性を有する配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、若しくは配列番号8の断片に対して少なくとも65%、例えば70%、例えば75%、例えば80%、例えば85%、例えば90%、例えば91%、例えば92%、例えば93%、例えば94%、例えば95%、例えば96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%、又は例えば100%の配列同一性を有する。
【0039】
さらに適切なセルラーゼとして、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾又はタンパク質操作されたミュータントが挙げられる。適切なセルラーゼとして、例えば、米国特許第4,435,307号明細書、米国特許第5,648,263号明細書、米国特許第5,691,178号明細書、米国特許第5,776,757号明細書、及び国際公開第89/09259号パンフレットに開示されている、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から産生される真菌セルラーゼといった、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、フミコラ(Humicola)属、フザリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属由来のセルラーゼが挙げられる。
【0040】
追加の適切なセルラーゼとして、色の取扱いに関する有益性を有するアルカリ性又は中性セルラーゼがある。そのようなセルラーゼの例として、欧州特許第0 495 257号明細書、欧州特許第0 531 372号明細書、国際公開第96/11262号パンフレット、国際公開第96/29397号パンフレット、国際公開第98/08940号パンフレットに記載されるセルラーゼがある。他の例として、国際公開第94/07998号パンフレット、欧州特許第0 531 315号明細書、米国特許第5,457,046号明細書、米国特許第5,686,593号明細書、米国特許第5,763,254号明細書、国際公開第95/24471号パンフレット、国際公開第98/12307号パンフレット、及び国際公開第99/001544号パンフレットに記載されるもの等のセルラーゼバリアントがある。
【0041】
他のセルラーゼは、国際公開第2002/099091号パンフレットの配列番号2の1位~773位のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性の配列を有するエンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ酵素、又はファミリー44キシログルカナーゼであり、キシログルカナーゼ酵素は、国際公開第2001/062903号パンフレットの配列番号2の40~559位と少なくとも60%の同一性の配列を有する。
【0042】
商業的に入手可能なセルラーゼとして、Celluzyme、Carezyme、Carezyme Premium、Celluclean、Celluclean Classic、Cellusoft、Whitezyme、Celluclean 4500T、及びCelluclean 5000L(全てNovozymes A/Sの登録商標)、Clazinase及びPuradax HA(Genencor International Inc.の登録商標)、KAC-500(B)(花王株式会社の登録商標)、Revitalenz 200及びRevitalenz 2000(Danisco/Dupontの登録商標)、並びにBiotouch FLX1、Biotouch FCL75、Biotouch DCL、及びBiotouch FCC45(AB Enzymesの登録商標)が挙げられる。
【0043】
本発明の特定の実施形態において、処理した、例えば洗濯した織物上での芳香剤の堆積を向上させるのに有効なセルラーゼ酵素の量は、生地コンディショナの総重量に基づいて0.05重量%~2重量%の範囲内、例えば、生地コンディショナの総重量に基づいて0.1重量%~1.5重量%、0.1重量%~1重量%、0.1重量%~0.5重量%の範囲内にある。
【0044】
本発明の別の実施形態において、処理した、例えば洗濯した織物上での芳香剤の堆積を向上させるのに有効なセルラーゼの量は、生地コンディショナの乾物重量に基づいて0.5重量%~25重量%の範囲内、例えば、生地コンディショナの乾物重量に基づいて1重量%~20重量%、1重量%~15重量%、1重量%~5重量%の範囲内にある。
【0045】
生地コンディショナ組成物は、約0.5重量%~約40重量%、例えば、約0.5重量%~約30重量%、特に約1重量%~約20重量%、約3重量%~約10重量%、例えば、約3重量%~約5重量%、約8重量%~約12重量%、又は約8重量%~約10重量%の陽イオン性界面活性剤を含み得る。陽イオン性界面活性剤の非限定的な例として、
ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、他のエステルクォート、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0046】
典型的な陽イオン性界面活性剤として、以下に限定されないが、10~22個の炭素原子、及び場合によってはヒドロキシル基を含む1又は2つのアルキル鎖を有する四級アンモニウム塩、並びに1~4つの炭素若しくはヒドロキシアルキル基若しくはヒドロキシル基を有する2~3つのアルキル基、又は典型的には約1~約10のエチレンオキシド部分を有するアルコキシ基、並びにハロゲン化物、水酸化物、アセタート、及び硫酸メチルの群から選択される陰イオン、例えばジタローアルキルジメチル(又はジエチル若しくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムメチルスルファート、メチルタローアルキルアミドエチル、ジタローアルキルジメチルアンモニウムメチルスルファート、ジヘキサデシルアルキルジメチル(又はジエチル若しくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジオクタデシル-アルキルジメチルアンモニウムクロリド、例えばDODMAC(ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド)、及びジエイコシルアルキルジメチルアンモニウムクロリド、エチルタローアルキルイミダゾリニウムメチル、ジタローアルキルジメチルアンモニウムメチルスルファート、メチルタローアルキルアミドエチルタローアルキルイミダゾリニウムメチルスルファート、1又は2つのアシルオキシ-アルキル鎖を有する四級アンモニウム塩、1若しくは2つのアルキル基及び/又は1若しくは2つのヒドロキシアルキル基、例えばいわゆるエステルクォート(N-メチル-N,N,ビス[2-(C16~C18-アセトキシ)エチル)]-N-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムメトスルファート)、ジエステルクォート(N,N,N-トリメチル-N-[1,2-ジ-(C16~C18-アシルオキシ)プロピルアンモニウム塩)、DEEDMAC(N,N-ジメチル-N,N-ビス([2-(-[(1オキソオクタデシル)オキシ]エチル)アンモニウムクロリド、HEQ(N,N,N-トリメチル-N-[(Z)-2-ヒドロキシ-3-[(1-オキソ-オクタデカ-9-エニル)オキシ]]アンモニウムクロリド、TEAQ(C10~C20飽和及び不飽和脂肪酸とトリエタノールアミン間の反応産物のジ四級化メチルスルファート塩)、アルキルベンジルジアルキルアンモニウムクロリドが挙げられるが、陰イオンは、ハロゲン化物(例えば、塩化物又は臭化物)、ヒドロキシ、エチルスルファート、アセタート、カルボナート、ニトラート、ホスファート、及びメチルカルボナートから選択される。
【0047】
生地コンディショナ組成物は、少量の非イオン性界面活性剤、例えば約0.1重量%~約10重量%を含有することができる。非イオン性界面活性剤の非限定的な例として、ポリソルバート、ポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルコールエトキシラート(AE又はAEO)、アルコールプロポキシラート、プロポキシル化脂肪族アルコール(PFA)、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル等のアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシラート(APE)、ノニルフェノールエトキシラート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド又はグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、並びに商品名SPAN及びTWEENで入手可能な製品、並びにこれらの組合せが挙げられる。
【0048】
生地コンディショナ組成物は、約0~10重量%、例えば約0.1%~約5%のビルダー若しくはコビルダー、又はそれらの混合物を含み得る。ビルダーのレベルは典型的に、0~1%、特に0~0.5%である。ビルダー及び/又はコビルダーは、具体的には、Caイオン及びMgイオンと水溶性複合体を形成するキレート化剤であってもよい。生地コンディショナ組成物に用いられる、当該技術において知られているあらゆるビルダー及び/又はコビルダーが利用され得る。ビルダーの非限定的な例として、ゼオライト、ジホスファート(ピロホスファート)、トリホスファート、例えば三リン酸ナトリウム(STP又はSTPP)、カルボナート、例えば、炭酸ナトリウム、可溶性シリカート、例えばメタケイ酸ナトリウム、層状シリカート(例えば、HoechstのSKS-6)、エタノールアミン、例えば2-アミノエタン-1-オール(MEA)、ジエタノールアミン(DEA、2,2’-イミノジエタン-1-オールとしても知られる)、トリエタノールアミン(TEA、2,2’,2’’-ニトリロトリエタン-1-オールとしても知られる)、及び(カルボキシメチル)イヌリン(CMI)、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0049】
また、生地コンディショナ組成物は、0~5重量%、より詳細には約0重量%~約2重量%の洗剤コビルダーを含み得る。洗剤組成物は、コビルダーを単独で、又はビルダー、例えばゼオライトビルダーと組み合わせて含み得る。コビルダーの非限定的な例として、ポリアクリラートのホモポリマー又はそのコポリマー、例えば、ポリ(アクリル酸)(PAA)又はコポリ(アクリル酸/マレイン酸)(PAA/PMA)が挙げられる。更なる非限定的な例として、シトラート、キレート化剤、例えば、アミノカルボキシラート、アミノポリカルボキシラート、及びホスホナート、並びにアルキル又はアルケニルコハク酸が挙げられる。追加の具体例として、2,2’,2’’-ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMPA)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DTMPA又はDTPMPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(EDG)、アスパラギン酸-N-一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸-N-モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDA)、N-(2-スルホメチル)-アスパラギン酸(SMAS)、N-(2-スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N-(2-スルホメチル)-グルタミン酸(SMGL)、N-(2-スルホエチル)-グルタミン酸(SEGL)、N-メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α-アラニン-N,N-二酢酸(α-ALDA)、セリン-N,N-二酢酸(SEDA)、イソセリン-N,N-二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン-N,N-二酢酸(PHDA)、アントラニル酸-N,N-二酢酸(ANDA)、スルファニル酸-N,N-二酢酸(SLDA)、タウリン-N,N-二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル-N,N-二酢酸(SMDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’’-三酢酸(HEDTA)、ジエタノールグリシン(DEG)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、アミノトリス(メチレンホスホン酸)(ATMP)、並びにそれらの組合せ及び塩が挙げられる。更なる例示的なビルダー及び/又はコビルダーが、例えば、国際公開第09/102854号パンフレット、米国特許第5977053号明細書に記載されている。
【0050】
ポリマー
生地コンディショナ組成物は、0~10重量%、より詳細には0.2~5重量%、さらにより詳細には0.2~5重量%、さらにより詳細には0.2~2重量%、さらにより詳細には0.2~1重量%のポリマーを含み得る。生地コンディショナ組成物に用いられる、当該技術において知られているあらゆるポリマーが利用され得る。ポリマーは、上記のコビルダーとして機能し得るか、又は再堆積防止、繊維保護、ソイルリリース、移染防止、消泡特性、香料カプセル化、及びなめらかさを実現し得る。いくつかのポリマーは、上記の性質の複数及び/又は以下に挙げるモチーフの複数を有し得る。例示的なポリマーとして、ポリクオタニウム、メラミンポリマー、シロキサン、シリコーン、(カルボキシメチル)セルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)又はポリ(エチレンオキシド)(PEG)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、カルボキシメチルイヌリン(CMI)、並びにPAA、PAA/PMA、ポリアスパラギン酸、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマー等のポリカルボキシラート、疎水的に修飾されたCMC(HM-CMC)、テレフタル酸とオリゴマーグリコールのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタラート)とポリ(オキシエチレンテレフタラート)のコポリマー(PET-POET)、PVP、ポリ(ビニルイミダゾール)(PVI)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)(PVPO又はPVPNO)、並びにポリビニルピロリドン-ビニルイミダゾール(PVPVI)が挙げられる。更なる例示的なポリマーとして、スルホン化ポリカルボキシラート、ポリエチレンオキシド、及びポリプロピレンオキシド(PEO-PPO)、並びにジクアテルニウムエトキシスルファートが挙げられる。他の例示的なポリマーが、例えば、国際公開第2006/130575号パンフレットに開示されている。また、上記ポリマーの塩が意図される。
【0051】
生地コンディショナ組成物は、補助材料を含有してもよい。この任意選択の成分として、溶媒(イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、アルカン/シクロアルカンが挙げられる)、抗収縮剤、再汚染防止剤、抗しわ剤、殺菌剤、防腐剤(ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、及び/又は乳酸が挙げられる)、結合剤、染料、酵安定化剤(ホウ酸、ボラート、CMC、及び/又はポリオール、例えばプロピレングリコールが挙げられる)、エマルジョン安定化剤、泡消し剤(ジメチコンが挙げられる)、皮膚コンディショニング剤(カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ステアリン酸エチルヘキシル、又はココヤシ油が単独で、又は組み合わせて挙げられる)が挙げられる。そのような成分の選択は、十分に当業者の技術の範囲内である。
【0052】
生地コンディショナ組成物は、典型的に、洗濯機内でのすすぎサイクルの間、洗濯物に使用される。
【0053】
本発明の生地コンディショナ組成物は、香料油を含む。香料油は、適切なあらゆるレベルにて、好ましくは比較的高いレベルにて、例えば生地コンディショナ組成物の1重量%超存在してもよい。典型的には、生地コンディショナ組成物中の香料油のレベルは、0.05~2.5重量%、より詳細には0.1~1.5重量%、さらにより詳細には0.2~1重量%である。
【0054】
香料油は、典型的に、比較的極性のある油及び比較的極性のない油の混合液である。高いレベルの陽イオン性界面活性剤を含む水性組成物中での香料油の分散性の略叙述的な一尺度として、水とオクタノールとの間の成分の分配係数である香料成分のLog Pがある。LogPは、測定することも算出することもできる。好ましくは、算出された値が用いられる。香料成分のlogPを算出する非常に一般的な方法は、Aliso Viejo,CA,USAのDaylight Chemical Information Systems,Inc.の「ClogP」プログラム(最新のバージョン)を用いている。CLogPが高い香料成分は、生地コンディショナ組成物内に分散するのにより多くのエネルギーを必要とする傾向がある。しかしながら、疎水性の基質上に堆積する傾向が強い。
【0055】
しかしながら、ClogP値があまりに高い香料成分は、蒸気圧があまりに低いか、又は他のソフナー成分と適合し得ない。典型的には、適切な香料成分は、ClogPが7未満、より詳細には6.5未満である。
【0056】
一般的に言えば、本発明に従う生地コンディショナ組成物に用いられる芳香剤は、Clog Pが2.5超7未満、より詳細には6未満である、25重量%超、さらにより詳細には35重量%超、さらにより詳細には45重量%超、さらにより詳細には50、60、70、又は75重量%超の香料成分を含有することとなる。
【0057】
本発明の一実施形態において、香料油は、(2-(1-プロポキシエトキシ)エチル)ベンゼン(ACETAL R、ClogP=3.03);ヘキシルアセタート(ACETATE C 6 HEXYLIC、ClogP=2.83);2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール(ADOXAL、ClogP=5.38);2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート(AGRUMEX、ClogP=4.06);デカナール(ALDEHYDE C 10 DECYLIC、ClogP=4.01);2-メチルデカナール(ALDEHYDE C 11 MOA、ClogP=4.54);ウンデカ-10-エナール(ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC、ClogP=4.05);10-ウンデセナール(ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC、ClogP=4.54);ドデカナール(ALDEHYDE C 12 LAURIC、ClogP=5.07);2-メチルウンデカナール(ALDEHYDE C 12 MNA PURE、ClogP=5.07);オクタナール(ClogP=2.95);ノナナール(ClogP=3.48);(E)-ウンデカ-9-エナール(ALDEHYDE ISO C 11、ClogP=4.05);プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート(ALLYL AMYL GLYCOLATE、ClogP=2.58);プロパ-2-エニルヘキサノアート(ClogP=3.07);プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート(ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE、ClogP=4.14);プロパ-2-エニルヘプタノアート(ALLYL OENANTHATE、ClogP=3.6);1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール(AMBER CORE、ClogP=3.97);1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ-1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8-エタノール(AMBERMAX 10%/TEC、ClogP=6.37);(Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン(AMBRETTOLIDE、ClogP=5.42);(4aR,5R,7aS,9R)-オクタヒドロ-2,2,5,8,8,9a-ヘキサメチル-4H-4a,9-メタノアズレノ[5,6-d]-1,3-ジオキソール(AMBROCENIDE 10%/DPG、ClogP=5.64);(3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]-ベンゾフラン(AMBROFIX、ClogP=5.47);ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート(AMYL SALICYLATE、ClogP=4.45);(E)-メチル2-((7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチリデン)アミノ)ベンゾアート(AURANTIOL PURE、ClogP=4.22);安息香酸ベンジル(ClogP=3.94);ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート(BENZYL SALICYLATE、ClogP=4.16);(エトキシメトキシ)シクロドデカン(BOISAMBRENE FORTE、ClogP=5.48);(2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート(BORNYL ACETATE LIQUID、ClogP=4.05);4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート(BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA、ClogP=4.06);1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン(CASHMERAN、ClogP=4);(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール(CITRAL、ClogP=2.95);(Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン(CITRATHAL R、ClogP=4.34);3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール(CITRONELLOL、ClogP=3.25);3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート(CITRONELLYL ACETATE、ClogP=4.2);3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル(CITRONELLYL NITRILE、ClogP=3.09);3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロパノアート(CITRONELLYL PROPIONATE、ClogP=4.73);(Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン(COSMONE、ClogP=5.37);(4-メチルフェニル)2-フェニルアセタート(CRESYL PHENYL ACETATE PARA、ClogP=3.84);3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール(CYCLAMEN ALDEHYDE、ClogP=3.83);アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート(CYCLOGALBANATE、ClogP=2.62);1-オキサシクロヘプタデカン-2-オン(CYCLOHEXADECANOLIDE、ClogP=7.61);2-シクロヘキシルエチルアセタート(CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE、ClogP=3.36);シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート(CYCLOHEXYL SALICYLATE、ClogP=4.37);シクロペンタデカノン(CYCLOPENTADECANONE、ClogP=5.9);1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン(CYMENE PARA、ClogP=4.07);(E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン(DAMASCENONE、ClogP=4.27);(E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン(DAMASCONE ALPHA、ClogP=3.82);1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オン(DAMASCONE DELTA、ClogP=3.62);(E)-デカ-4-エナール(DECENAL-4-TRANS、ClogP=3.52);2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール(DIHYDRO MYRCENOL、ClogP=3.03);メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート(DIMETHYL ANTHRANILATE、ClogP=2.66);2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート(DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE、ClogP=2.99);2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート(DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE、ClogP=4.05);2,6-ジメチルヘプタン-2-オール(DIMETOL、ClogP=2.99);1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン(DIPENTENE、LIMONENE、ClogP=4.35);オキシジベンゼン(DIPHENYL OXIDE、ClogP=4.24);5-オクチルオキソラン-2-オン(DODECALACTONE GAMMA、ClogP=3.42);(E)-ドデカ-2-エナール(DODECENAL、ClogP=4.75);(E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール(DUPICAL、ClogP=4.15);(E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール(EBANOL、ClogP=4.21);エチルベンゾアート(ETHYL BENZOATE、ClogP=2.64);エチルヘキサノアート(ETHYL CAPROATE、ClogP=2.83);エチルオクタノアート(ETHYL CAPRYLATE、ClogP=3.89);(E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール(ETHYL LINALOOL、ClogP=3.28);(Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート(ETHYL LINALYL ACETATE、ClogP=4.22);エチルヘプタノアート(ETHYL OENANTHATE、ClogP=3.36);エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート(ETHYL SAFRANATE、ClogP=3.96);1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン(ETHYLENE BRASSYLATE、ClogP=3.02);(1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン(EUCALYPTOL、ClogP=2.83);メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート(EVERNYL、ClogP=2.73);1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン-2-イル)エタノン(FIXOLIDE、ClogP=6.25);3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(FLORALOZONE、ClogP=3.83);3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(FLORHYDRAL、ClogP=3.7);(E)-ウンデカ-9-エンニトリル(FLORIDILE、ClogP=3.88);(3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロパノアート(FLOROCYCLENE、ClogP=3.41);2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン(FLOROPAL、ClogP=2.79);メチルオクタ-2-イノアート(FOLIONE、ClogP=2.72);2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン(FRESKOMENTHE、ClogP=2.84);(3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート(FRUITATE、ClogP=3.37);2-メチルデカンニトリル(FRUTONILE、ClogP=4.15);4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]イソクロメン(GALAXOLIDE、ClogP=5.74);1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン(GALBANONE、ClogP=3.63);(3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル2-メチルプロパノアート(GARDOCYCLENE、ClogP=3.71);1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン(GEORGYWOOD、ClogP=4.85);(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール(GERANIOL 980、ClogP=2.97);(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート(GERANYL ACETATE SYNTHETIC、ClogP=3.92);エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート(GIVESCONE、ClogP=4.54);(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン(HABANOLIDE、ClogP=4.86);メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート(HEDIONE、ClogP=2.91);(2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボキシラート(HERBANATE、ClogP=3.98);(3R,5R)-3-エトキシ-1,1,5-トリメチルシクロヘキサン(HERBAVERT、ClogP=3.93);メチル7-イソプロピル-1,4a-ジメチル-1,2,3,4,4a,4b,5,6,7,8,10,10a-ドデカ
ヒドロフェナントレン-1-カルボキシラート(HERCOLYN DW、ClogP=7.08);(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート(HEXENYL-3-CIS SALICYLATE、ClogP=4.5);(E)-2-ベンジリデンオクタナール(HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE、ClogP=5);ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート(HEXYL SALICYLATE、ClogP=4.98);8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール(INDOLENE、ClogP=6.35);(E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン(IONONE BETA、ClogP=3.77);(E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン(IRISONE PURE、ClogP=3.71);(E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン(IRONE ALPHA、ClogP=4.23);1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン2-イル)エタノン(ISO E SUPER、ClogP=4.85);6-ブタン-2-イル-キノリン(ISOBUTYL QUINOLINE-2、ClogP=3.98);(E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール(ISOEUGENOL、ClogP=2.58);(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン(ISORALDEINE 70、ClogP=4.02);(3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート(JASMACYCLENE、ClogP=2.88);2-ヘキシルシクロペンタノン(JASMATONE、ClogP=3.47);(Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン(JASMONE CIS、ClogP=2.64);(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール(JAVANOL、ClogP=4.65);(Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルヘプタ-3-エン-2-オン(KOAVONE、ClogP=3.48);(3E,6E)-2,4,4,7-テトラメチルノナ-6,8-ジエン-3-オンオキシム(LABIENOXIME、ClogP=3.8);(2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル(LEMONILE、ClogP=3.78);(E)-メチル2-(((2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)メチレン)アミノ)ベンゾアート(LIGANTRAAL、ClogP=5.03);3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール(LILIAL、ClogP=4.23);3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール(LINALOOL、ClogP=2.75);3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート(LINALYL ACETATE、ClogP=3.69);エチル2-メチルペンタノアート(MANZANATE、ClogP=2.61);3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール(MEFROSOL、ClogP=3.17);2,6-ジメチルヘプタ-5-エナール(MELONAL、ClogP=2.87);2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール(MENTHOL NATURAL、ClogP=3.23);2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン(MENTHONE、ClogP=2.83);2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-チオール(MERCAPTO-8 MENTHENE-1 PARA、ClogP=4.04);1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン(METHYL CEDRYL KETONE、ClogP=5.53);(E)-1,2-ジメトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(METHYL ISOEUGENOL、ClogP=3.05);ウンデカン-2-オン(METHYL NONYL KETONE EXTRA、ClogP=4.02);メチルノン-2-イノアート(METHYL OCTYNE CARBONATE、ClogP=3.25);6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン(METHYL PAMPLEMOUSSE、ClogP=2.98);(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(MUSCENONE、ClogP=5.93);7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエン(MYRCENE、ClogP=4.33);2-メチルウンデカン酸(MYSTIKAL、ClogP=4.88);2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタン-1-オン(NECTARYL、ClogP=4.44);2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート(NEOBERGAMATE FORTE、ClogP=3.56);10-イソプロピル-2,7-ジメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン(NEOCASPIRENE EXTRA、ClogP=4.96);(E)-メチルノン-2-エノアート(NEOFOLIONE、ClogP=3.97);(E)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール(NEROLIDOL SYNTHETIC、ClogP=4.78);2-エトキシナフタレン(NEROLINE CRYSTALS、ClogP=3.76);1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン(NEROLIONE、ClogP=2.64);(Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート(NERYL ACETATE HC、ClogP=3.92);(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール(NONADIENAL、ClogP=2.68);(2Z,6E)-2,6-ノナジエン-1-オール(NONADIENOL-2,6、ClogP=2.7);(Z)-ノン-6-エナール(NONENAL-6-CIS、ClogP=2.99);(Z)-ノン-6-エン-1-オール(NONENOL-6-CIS、ClogP=2.98);3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール(NYMPHEAL、ClogP=3.7);(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン(OCIMENE、ClogP=4.33);1-(2-ナフタレニル)-エタノン(ORANGER CRYSTALS、ClogP=2.76);2,4a,5,8a-テトラメチル-1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-1-イルホルマート(OXYOCTALINE FORMATE、ClogP=4.79);2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド(PARADISAMIDE、ClogP=3.5);5-ヘプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(PEACH PURE、ClogP=2.89);2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン(PELARGENE、ClogP=3.07);3,7-ジメチルオクタン-1-オール(PELARGOL、ClogP=3.74);2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル(PEONILE、ClogP=3.86);2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル(PETALIA、ClogP=4.36);2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル(PETALIA、ClogP=4.36);2-シクロヘキシルヘプタ-1,6-ジエン-3-オン(PHARAONE、ClogP=3.52);2-(フェノキシ)エチル2-メチルプロパノアート(PHENOXY ETHYL ISOBUTYRATE、ClogP=2.92);2-フェニルエチル2-メチルプロパノアート(PHENYL ETHYL ISOBUTYRATE、ClogP=3.12);2-フェニルエチル2-フェニルアセタート(PHENYL ETHYL PHENYL ACETATE、ClogP=3.92);2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン(PINENE ALPHA、ClogP=4.7);6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン(PINENE BETA、ClogP=4.7);2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート(PIVAROSE、ClogP=3.52);(2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン(POMAROSE、ClogP=3.8);1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エン-カルバルデヒド(PRECYCLEMONE B、ClogP=4.39);6-(sec-ブチル)キノリン(PYRALONE、ClogP=3.98);2-ペンチルシクロペンタノン(QUINTONE、ClogP=2.94);(E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール(RADJANOL、ClogP=4.63);2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン(RHUBAFURAN、ClogP=3.12);(4aR,8aS,E)-6-エチリデンオクタヒドロ-2H-5,8-メタノクロメン(RHUBOFLOR、ClogP=3.23);2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセタート(ROSACETOL、ClogP=4.05);デカ-9-エン-1-オール(ROSALVA、ClogP=3.51);4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン(ROSE OXIDE CO、ClogP=3.17);3-(2-メチルプロピル)-1-メチルシクロヘキサノール(ROSSITOL、ClogP=3.76);2,3,3-トリメチル-1-インダノン(SAFRALEINE、ClogP=3.27);3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール(SANDALORE EXTRA、ClogP=4.69);3-((1R,2S,4R,6R)-5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)シクロヘキサノール(SANDELA、ClogP=5.65);エチルN,S-ビス(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イル)システイナート(SCENTAURUS BERRY、ClogP=7.47);エチル(Z)-2-アセチル-4-メチルトリデカ-2エノアート(SCENTAURUS CLEAN、ClogP=6.64);4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン(SCENTAURUS JUICY、ClogP=7.15);2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート(SERENOLIDE、ClogP=5.44);2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール(SILVIAL、ClogP=4.36);1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン(SPIROGALBANONE PURE、ClogP=4.02);(E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム(STEMONE、ClogP=2.64);エチルメチルフェニルグリシダート(STRAWBERRY PURE、ClogP=2.95);(E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール(SUPER MUGUET、ClogP=3.78
);(E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート(SYLKOLIDE、ClogP=4.38);1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン(TERPINENE GAMMA、ClogP=4.35);2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール(TERPINEOL PURE、ClogP=2.63);1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン(TERPINOLENE、ClogP=4.35);2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルアセタート(TERPINYL ACETATE、ClogP=3.58);3,7-ジメチルオクタン-3-オール(TETRAHYDRO LINALOOL、ClogP=3.52);2,6-ジメチルオクタン-2-オール(TETRAHYDRO MYRCENOL、ClogP=3.52);オキサシクロヘキサデカン-2-オン(THIBETOLIDE、ClogP=5.35);2,2,6-トリメチルシクロヘキシル-3-ヘキサノール(TIMBEROL、ClogP=5.87);1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン(TOSCANOL、ClogP=3.53);(E)-トリデカ-2-エンニトリル(TRIDECENE-2-NITRILE、ClogP=5.58);(E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール(UNDECAVERTOL、ClogP=3.89);(E)-メチル2-((3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンゾアート(VERDANTIOL、ClogP=8.01);1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン(VERTOFIX COEUR、ClogP=5.53);(4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート(VETYVENYL ACETATE、ClogP=5.36);(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエンニトリル(VIOLET NITRILE、ClogP=2.98);ウンデカ-10-エンニトリル(VIOLIFF、ClogP=2.77);2-メトキシナフタレン(YARA YARA、ClogP=3.23);及びそれらの組合せからなる群から選択される香料成分を含む。最も好ましくは、香料油は、デルタ-ダマスコンを含む。
【0058】
本発明に従う生地コンディショナ組成物に使用される、一定割合の香料油がカプセル化されてもよい。先行技術に記載されるいずれのカプセル化香料も、本発明に使用され得る。カプセル化香料の非限定的な例が、以下の先行技術の参考文献に開示されている:米国特許出願公開第2003/215417号明細書;米国特許出願公開第2003/216488号明細書;米国特許出願公開第2003/158344号明細書;米国特許出願公開第2003/165692号明細書;米国特許出願公開第2004/071742号明細書;米国特許出願公開第2004/071746号明細書;米国特許出願公開第2004/072719号明細書;米国特許出願公開第2004/072720号明細書;欧州特許第1,393,706号明細書;米国特許出願公開第2003/203829号明細書;米国特許出願公開第2003/195133号明細書;米国特許出願公開第2004/087477号明細書;米国特許出願公開第2004/0106536号明細書;米国特許第6,645,479号明細書;及び米国特許第6,200,949号明細書。
【0059】
カプセル化香料は、殻カプセルを製造する、当業者に知られている広範な従来方法、例えば界面重合及びポリ縮合を用いて調製され得る。マイクロカプセルの殻を製造するのに適した材料の非限定的な例として、尿素-ホルムアルデヒド、メラミン-ホルムアルデヒド、フェノール-ホルムアルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミド等が挙げられる。
【0060】
本発明の実施形態
本発明をさらに、実施形態1(E1)から始めて連続して番号を付けた以下の実施形態において概説する:
E1 織物上への芳香剤の堆積を向上させるための、消費者製品組成物、より詳細には生地コンディショナ組成物又は香りブースター組成物中での、セルラーゼ活性を有する酵素の使用。
E2 セルラーゼ活性を有する酵素は、グリコシドヒドロラーゼファミリー5(GH5)、グリコシドヒドロラーゼファミリー7(GH7)、グリコシドヒドロラーゼファミリー12(GH12)、グリコシドヒドロラーゼファミリー44(GH44)、及びグリコシドヒドロラーゼファミリー45(GH45)から選択される、E1に従う使用。
E3 セルラーゼはエンドグルカナーゼ活性を有する、E1又はE2に従う使用。
E4 セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のいずれかに対して少なくとも60%の配列同一性を有する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E5 セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のいずれかに対して少なくとも70%、例えば80%、例えば80%、例えば80%、例えば80%、例えば80%、例えば80%、例えば85%、例えば90%、例えば95%、例えば96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の配列同一性を有する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E6 セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8に対して100%の配列同一性を有する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E7 セルラーゼは、生地コンディショニング組成物の総重量に基づいて0.05重量%~2重量%の量で存在する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E8 セルラーゼは、生地コンディショナの総重量に基づいて0.1重量%~1.5重量%、0.1重量%~1重量%、0.1重量%~0.5重量%の範囲内の量で存在する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E9 セルラーゼは、生地コンディショナの乾物重量に基づいて0.5重量%~25重量%の範囲、例えば生地コンディショナの乾物重量に基づいて1重量%~20重量%、1重量%~15重量%、1重量%~5重量%の範囲内の量で存在する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E10 生地コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤を、生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.5重量%~40重量%の量で含む、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E11 生地コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤を、生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.5%~約30%、特に、約1%~約20%、約3%~約10%、例えば、約3%~約5%、約8%~約12%、又は約8%~約10%の量で含む、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E12 陽イオン性界面活性剤は、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、エステルクォート、及びそれらの組合せからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E13 芳香剤は、Clog Pが2.5超7未満、より詳細には6未満である、25重量%超、さらにより詳細には35重量%超、さらにより詳細には45重量%超、さらにより詳細には50、60、70、又は75重量%超の香料成分を含有する、先行する実施形態のいずれかに従う使用。
E14 織物上への芳香剤の堆積を向上させるための生地コンディショナ組成物の使用であって、コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤、芳香剤、及びセルラーゼ活性を有する酵素を含む、使用。
E15 生地コンディショナ組成物からの芳香剤の、生地コンディショナ組成物により処理した織物上への堆積を増大させる方法であって、セルラーゼ活性を有する酵素を、生地コンディショナ組成物に加える工程を含む方法。
E16 セルラーゼ活性を有する酵素は、グリコシドヒドロラーゼファミリー5(GH5)、グリコシドヒドロラーゼファミリー7(GH7)、グリコシドヒドロラーゼファミリー12(GH12)、グリコシドヒドロラーゼファミリー44(GH44)、及びグリコシドヒドロラーゼファミリー45(GH45)から選択される、E15に従う方法。
E17 セルラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8のいずれかに対して少なくとも60%の配列同一性を有する、E15及びE16のいずれかに従う方法。
E18 セルラーゼは、生地コンディショニング組成物の総重量に基づいて0.05重量%~2重量%の量で存在する、E15~E17のいずれかに従う方法。
E19 セルラーゼは、生地コンディショナの乾物重量に基づいて0.5重量%~25重量%の量で存在する、E15~E18の方法クレームのいずれかに従う方法。
E20 生地コンディショナ組成物は、陽イオン性界面活性剤を、生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.5重量%~40重量%の量で含む、E15~E19の方法クレームのいずれかに従う方法。
E21 陽イオン性界面活性剤は、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルファート、ジパーモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジ水添タローヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファート、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルファートアルキル四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)化合物、エステルクォート、及びそれらの組合せからなる群から選択される、E15~E20のいずれかに従う方法。
E22 芳香剤は、Clog Pが2.5超である、25重量%超、さらにより詳細には35重量%超、さらにより詳細には45重量%超、さらにより詳細には50、60、70、又は75重量%超の香料成分を含有する、E15~E21のいずれかに従う方法。
【0061】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して、さらに説明且つ例示される。
【実施例
【0062】
実験
実施例1
織物上での香料油の堆積の測定
実験を、約8%の乾物含量を含有する液体生地ソフナーモデルベースを用いて実行する。
【0063】
3つの試験試料を調査する:第1はモデルベースであり;第2は、水で50%希釈したモデルベースであり;第3は、配列番号4のセルラーゼを、生地コンディショナ組成物の総重量に基づいて0.1重量%にて加えた、水で50%希釈したモデルベースである。
【0064】
香料油を、同じ投与量(1.11重量%)にて、3つのモデルベースの試験試料中に組み込み、そして試料を、使用前に24hこなれさせる(macerate)。
【0065】
洗浄を、ヨーロッパ式フロントローディング洗濯機で実行する。ウォッシュロードは、コットンテリータオル、Tシャツ(100%ポリエステル、Tシャツは95%ワタ5%ライクラ)を含む。ウォッシュロードは1.1kgであった。
【0066】
ペンタン抽出を、衣服上での香料堆積を測定するために、SpeedExtractor(Buchi)により実行する。洗浄した衣服から、知られている量の材料をSpeedExtractor内に置く。圧力下の溶媒(ペンタン)を用いて、材料を抽出する。デカン酸メチル(50μLの10000ppm溶液又は0.5mg)を内部標準として用いる。
【0067】
抽出した試料を、香料の同定、及び内部標準による定量化のために、GC/MS/FID(Agilent GC 7890A-MS5975C)における「Splitless」Methodに従って注入する。
【0068】
芳香剤のプロファイル及び強度を、洗浄プログラム後の30分~2時間の時間枠内で、湿った生地上で直接的に、エキスパートパネルが評価する。
【0069】
強度を、6ポイントスケールで評価し、差異は、少なくとも0.5の強度差があるならば、有意である。
【0070】
【表1】
【0071】
結果は、セルラーゼ酵素の使用の結果として、織物上での香料油の堆積の有意な増大があることを実証する。生地コンディショナ組成物中の陽イオン性界面活性剤の量が50%引き下げられた場合ですら、この通りである。感覚研究から、セルラーゼ酵素の使用により、織物上での香料油の知覚強度が有意に増大する。
【配列表】
2024510555000001.app
【国際調査報告】