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特表2024-510615金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、その生成方法及び使用
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  • 特表-金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、その生成方法及び使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、その生成方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C22C 1/05 20230101AFI20240301BHJP
   B22F 1/10 20220101ALI20240301BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20240301BHJP
   B22F 3/20 20060101ALI20240301BHJP
   C22C 1/051 20230101ALI20240301BHJP
   C22C 33/02 20060101ALI20240301BHJP
   B22F 1/00 20220101ALN20240301BHJP
【FI】
C22C1/05 A
B22F1/10
B22F3/02 P
B22F3/20 D
B22F3/20 Z
C22C1/051 N
C22C33/02 103
B22F1/00 N
B22F1/00 S
B22F1/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556520
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022056837
(87)【国際公開番号】W WO2022194938
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】21305327.5
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512210135
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ド ロレーヌ
(71)【出願人】
【識別番号】505292720
【氏名又は名称】インディアン インスティテュート オブ サイエンス
【氏名又は名称原語表記】INDIAN INSTITUTE OF SCIENCE
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トート,ラースロー
(72)【発明者】
【氏名】カイラス,サティシュ ヴァス
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ヤーチン
(72)【発明者】
【氏名】パリヤール,アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】ポンソット,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ノヴェリ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ブウ,ビエ クォック
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA04
4K018AA14
4K018AA24
4K018AB10
4K018BA02
4K018BA03
4K018BA08
4K018BA14
4K018BB04
4K018BC28
4K018BC29
4K018CA02
4K018CA07
4K018CA21
4K018CA31
4K018CA36
4K018CA50
4K018DA12
(57)【要約】
本発明は、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、その生成方法及び使用の分野に関する。特に、本発明は、セラミックナノ粒子を含む金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、強塑性変形の工程を含む生成方法、及びその使用に関係する。本発明の金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材は、微細粉末形態である金属、及び、架橋ポリマー微粒子を含んでなる組成物Mにおける強塑性変形の工程(i)と、前記工程(i)で得られた強塑性変形組成物M’の熱分解の工程(ii)とを経て製造される。前記強塑性変形の工程(i)は、好ましくは摩擦援用横押出法(図5)による。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材を調製する方法であって、当該方法は以下の工程を備える、即ち、
(i)金属及び架橋ポリマーナノ粒子を含む強塑性変形組成物M’を得るための、
微細粉末形態である金属、及び
架橋ポリマー微粒子であって、当該ポリマーが、セラミックの前駆体、とりわけポリ(メチルヒドロシロキサン)である、架橋ポリマー微粒子、
を含んでなる組成物Mにおける強塑性変形の工程と、
(ii)前記金属、及び、セラミックの架橋ポリマー由来ナノ粒子を含んでなる、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材を得るための、前記組成物M’の熱分解の工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
前記組成物Mは、液体形態である前記ポリマーと微細粉末形態である前記金属との混合物と、架橋剤とを、特に2~20時間からなる時間、例えば約8時間にわたり、とりわけ15℃~25℃の温度で接触させることによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物Mが、例えばボールミル粉砕によって、微細粉末形態である前記金属と架橋ポリマー微粒子とを混合することによって得られ、前記架橋ポリマー微粒子が、特に粉砕によって、より具体的にはボールミル粉砕によって、架橋ポリマー粒子から得られるものであり、
前記架橋ポリマー粒子が、特に、液体形態であるポリマーと、架橋剤とを、より具体的には2時間~20時間からなる時間、例えば約8時間にわたり、とりわけ15℃~25℃の温度で接触させることによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記架橋剤が、過酸化物及びアミンから選択され、特に、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物Mが、その総重量に基づいて、
75~99.1重量%、特に85~99.1重量%の微細粉末形態である前記金属と、
0.1~75重量%、特に0.1~15重量%の前記架橋ポリマー微粒子と、
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記金属が、Al、Mg、Cu、Fe及びTiを含む群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記強塑性変形が、摩擦援用横押出、等チャンネル角度付プレス成形若しくは押出、高圧ねじり、重ねロール圧接から選択され、及び/又は、
15~800℃、特に15~30℃、若しくは、100、200、300、400、500、600、若しくは700~800℃の温度で実施される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記強塑性変形が、摩擦援用横押出法の工程であって、前記組成物Mが、ダイの第1のチャンネルを通って、該チャンネルに対して接線方向に移動する粗駆動パンチに向かって押されることで、前記組成物が、前記ダイと前記駆動パンチとの間の間隙である第2のチャンネルへと側方に流れる、摩擦援用横押出法の工程である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記粗駆動パンチが、並進運動を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記粗駆動パンチが、回転ホイールである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
- 前記駆動パンチ表面が、10μm~100μmからなる粗さを有する;
- 前記組成物Mが、200MPa~2GPaからなる圧力を加える通常パンチによって押される;及び/又は
- 前記駆動パンチ表面が、1mm/秒~100mm/秒からなる速度で移動する;
ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の方法
【請求項12】
前記熱分解が、250~1200℃、特に400~1000℃、より具体的には約500℃、又は約800℃の温度で、とりわけ10分間~24時間、特に20分間~12時間、例えば約0.5時間又は約10時間にわたり、任意選択的にはアルゴン雰囲気などの制御された雰囲気下において、実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程(ii)の熱分解の後に、任意選択的には「等チャンネル角度付プレス成形又は押出、重ねロール圧接から選択される強塑性変形技術によって」、前記金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材をローリングする工程(iii)が続き、
前記架橋ポリマー微粒子が、前記組成物Mの総重量に基づいて、特に0.1~15重量%を占める、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
初期粉末状態からの強塑性変形法によって得られる金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材であって、
超微細粒構造を有する固体金属と、
架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子と、
を含んでなる、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、その生成方法及び使用の分野にある。特に、本発明は、セラミックナノ粒子を含む金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材、強塑性変形の工程を含む生成方法、及びその使用に関係する。
【背景技術】
【0002】
金属マトリックス複合材(metal matrix composite:MMC)は、少なくとも2つの構成部品を有する複合材料であり、一方は必ず金属マトリックス相であり、他方の材料は、異なる金属であっても、又は一般に硬質強化性の繊維、ウィスカー若しくは粒子の形態であるセラミック、金属酸化物若しくは有機化合物などの別の材料であってもよい。
【0003】
所与の構造要素に対して異なる金属材料特性が必要であるため、合金金属が開発された。これまでの一般的なアプローチは、選択した金属を他の金属と合金化するか、又は異なる材料を組み合わせて複合材を作製することであった。これらの手順により、特に、ヤング率、降伏強度、延性、及び/又は伝導率を調整することが可能となった。
【0004】
構造応用では、MMCのマトリックスは、通常、低密度金属合金(例えば、アルミニウム、マグネシウム、又はチタン)である。
【0005】
MMCは、一般に高強度を有し、軽量構造材料であり、したがって例えば、航空機、ヘリコプタ、及び宇宙船に使用される。
【0006】
超微細粒構造を有するMMC及びナノ構造を有する複合材は、強塑性変形方法によって得ることができる。これらの方法により、高い強度を有する材料が得られる。
【0007】
しかしながら、そのようなMMCは、それらの製造温度よりも高い温度に曝される構成要素を調製するのに好適でない。実際、これらの材料が高温に曝される場合、著しく高い粒成長が起こる。
【0008】
更に、このようなMMCは、延性の著しい損失を犠牲にして得られる。
くわえて、前述のような合金の大規模な研究は、それらのリサイクルを非常に複雑にし、多くの場合、不可能にさえする、数百の異なる合金金属の存在をもたらした。
【0009】
したがって、上述の欠点を克服する新規MMCの開発が強く必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】(国際調査報告を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、良好な延性及び熱安定性を有し、同時に高い強度を有するMMCを提供することである。実際、本発明の材料は、著しい延性を維持する超微細粒である。くわえて、本発明の材料の調製方法は、高温で(例えばアルミニウムでは、500℃でさえ)非常に高い結晶粒界安定性を与える。
【0012】
本発明の別の目的は、任意の種類の金属を有するMMC、及び、任意の金属に適用可能な方法を提供することであり、これにより、合金に前記金属を使用する必要がなく、目的のヤング率、降伏強度、延性、及び/又は熱耐性を達成するように調整することができる特性を有する材料が得られる。
【0013】
本発明の別の目的は、健康被害の一切ない、例えばナノサイズ粉末粒子などの有毒材料の直接的な取り扱いのない方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明は、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材を調製する方法に関し、当該方法は、以下の各段階(工程)(を含む):
(i)強塑性変形組成物M´を得るための、
○ 微細粉末形態である金属、及び
○ 架橋ポリマー微粒子であって、該ポリマーが、セラミックの前駆体、特に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)で架橋されたポリ(メチルヒドロシロキサン)である、架橋ポリマー微粒子、
を含む、組成物Mにおける強塑性変形(の工程)と、
(ii)金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材を得るための、組成物M´の熱分解(の工程)と、
の段階(工程)を含む。
【0015】
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)で架橋された該架橋ポリ(メチルヒドロシロキサン)は、任意の金属に使用することができることに留意されたい。
したがって、本発明の方法は、摩擦撹拌処理の任意の工程も含まない。
【0016】
特定の実施形態では、本発明は、上で定義した方法であって、以下の各段階(工程)(を含む):
(i)下記金属及び架橋ポリマーナノ粒子を含む強塑性変形組成物M´を得るための、
○ 微細粉末形態である金属、及び
○ 架橋ポリマー微粒子であって、該ポリマーがセラミックの前駆体である、架橋ポリマー微粒子、
を含むところの組成物Mにおける強塑性変形(の工程)と、
(ii)金属、及び、セラミックの架橋ポリマー由来ナノ粒子を含む、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材を得るための、組成物M´の熱分解(の工程)と、
の段階(工程)を含む、方法に関係する。
【0017】
特に、ポリマーは、Si、SiC、BN、AlN、SiCN、SiCO、BCN、SiCNO、SiBCN、SiBCO、SiAlCN、SiMgCN、及びSiAlCOから選択されるセラミックの前駆体である。
【0018】
前記セラミックのポリマー前駆体は、当業者に周知である。より具体的な実施形態では、ポリマーは、以下から選択される:
- ポリシラザン、とりわけ、ポリシクロシラザン、例えばポリアルキルシクロシラザン、ペルヒドロポリシラザン、メチルヒドリドシクロシラザン、アルキルヒドリドシクロシラザン、ポリウレイドシラザン、ウレアメチルビニルシラザン;ポリカルボシラザン;及びポリシルセスキアザン(該ポリマーは、特に、Si又はSiCNセラミックの前駆体である);
- ポリシリルカルボジイミド及びポリシルセスキカルボジイミド(該ポリマーは、特に、SiCNセラミックの前駆体である);
- ポリカルボシラン、とりわけ、メチルポリカルボシラン、ビニルポリカルボシラン、メチルビニルポリカルボシラン、ポリチタノカルボシラン、アリルヒドリドポリカルボシラン、ヒドリドポリカルボシラン(該ポリマーは、特に、SiCセラミックの前駆体である);
- ポリシロキサン、とりわけポリビニルシロキサン;ポリカルボシロキサン、とりわけポリメチルシロキサン、特にポリメチルヒドロシロキサン(polymethylhydrosiloxane:PMHS);及びポリシルセスキオキサン、とりわけポリアルキルシルセスキオキサン、例えばポリメチルシルセスキオキサン、ポリビニルシルセジオキサンなど(該ポリマーは、特に、SiCOセラミックの前駆体である);
- ポリボロシラザン(該ポリマーは、特に、SiCBNセラミックの前駆体である);
- ポリボラジレン及びポリ[トリ(メチルアミノ)ボラジン](該ポリマーは、特に、BNセラミックの前駆体である);
- ポリアルキルイミノアラン(該ポリマーは、特に、AlNセラミックの前駆体である);
- ボラン、例えばデカボランと、ジアミンとの重合によって得られるポリマー(該ポリマーは、特に、BCNセラミックの前駆体である);
- ポリボロシロキサン(該ポリマーは、特に、SiBCOセラミックの前駆体である);
- 並びに、これらの混合物(ポリシラザンとポリシロキサンとの混合物は、特に、SICNOセラミックの前駆体である)。
【0019】
特に、組成物Mは、液体形態であるポリマーと微細粉末形態である金属との混合物を、架橋剤と、特に2時間~20時間からなる時間、例えば約8時間にわたり、とりわけ15℃~25℃の温度で接触させることによって得られる。
【0020】
「接触させること(contacting)」とは、特に、当業者に周知のように、同じ容器に収容すること、又は混合することを意味する。
【0021】
別の特定の実施形態では、組成物Mは、例えばボールミル粉砕によって、微細粉末形態である金属と架橋ポリマー微粒子とを混合することによって得られ、該架橋ポリマー微粒子は、粉砕によって、より具体的にはボールミル粉砕によって、架橋ポリマー粒子から特に得られる。
【0022】
架橋ポリマー粒子は、より具体的には、液体形態であるポリマーを、架橋剤と、特に2時間~20時間からなる時間、例えば約8時間にわたり、とりわけ15℃~25℃の温度で接触させることによって得られる。
【0023】
特定の実施形態では、ポリマーは、ポリ(メチルヒドロシロキサン)(PMHS)である。
【0024】
架橋ポリマーは、当業者に周知の方法によって、対応するポリマーから得てもよい。これらの方法は、例えば、UV曝露、熱的処理、とりわけ高温(15~150℃又は250℃など)での熱的処理、任意選択的には熱開始剤の存在下における熱的処理、
酸化反応、フリーラジカル開始剤の使用、特に過酸化物及び例えば有機過酸化物から選択されるフリーラジカル開始剤の使用、架橋剤の使用、例えばジアミン及びポリアミンなどのアミン、又は白金系錯体の存在下におけるビニル含有前駆体の使用である。
【0025】
特に、架橋剤は、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。
【0026】
特定の実施形態では、組成物Mは、その総重量に基づいて、
○ 75~99.1重量%、特に85~99.1重量%の微細粉末形態である金属と、
○ 0.1~75重量%、特に0.1~15重量%の架橋ポリマー微粒子と、
を含む。
【0027】
特定の実施形態では、組成物Mは、その総重量に基づいて、
○ 75~98重量%、特に85~98重量%の微細粉末形態である金属と、
○ 2~25重量%、特に2~15重量%の架橋ポリマー微粒子と、
を含む。
【0028】
特定の実施形態では、金属は、Al、Mg、Cu、Fe、及びTiを含む群から選択される。
【0029】
特定の実施形態では、ポリマーはポリ(メチルヒドロシロキサン)(PMHS)であり、架橋剤は1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンであり、金属はとりわけAlである。
【0030】
架橋は、例えば、5重量%の架橋剤、特にDABCOを、ポリマー、特にPMHSへ添加することによって実施してもよい。該架橋は、例えば、室温で8時間実施されてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、架橋ポリマーは、セラセット(ceraset)ポリシラザン20であり、金属はとりわけCuである。
【0032】
特定の実施形態では、微細粉末内の金属の粒子のサイズ、特に平均サイズは、10~250μm、とりわけ20~100μmの範囲にわたり、特に、約50μmである。
【0033】
特定の実施形態では、架橋ポリマー微粒子のサイズ、特に平均サイズは、約10~約100μmの範囲にわたる。
【0034】
特定の実施形態では、セラミックの架橋ポリマーナノ粒子及び/又は架橋ポリマー由来ナノ粒子のサイズ、特に平均サイズは、1~1000nmの範囲にわたり、特に1~200nm、1~100nm、50~1000nmの範囲にわたる。
【0035】
当業者に周知のように、架橋ポリマーナノ粒子及び/又は架橋ポリマー由来ナノ粒子の所望のサイズは、特に組成物Mに加えられる圧力及び/若しくは歪みを調節することによって、並びに/又は、組成物Mへ1回超の多くのパス(又はラン)の強塑性変形を加えることによって、強塑性変形によって達成され得る。
【0036】
特定の実施形態では、組成物M´内の金属は、サブミクロンサイズの粒子の形態であり、該粒子のサイズ、特に平均サイズは、とりわけ50~1000nmの範囲にわたり、特に200~1000nmの範囲にわたる。
【0037】
特定の実施形態では、強塑性変形は、15~800℃、特に15~30℃、又は100、200、300、400、500、600若しくは700~800℃の温度で実施される。
【0038】
特定の実施形態では、強塑性変形は、摩擦援用横押出、高圧ねじり、等チャンネル角度付プレス成形又は押出、ねじり押出、重ねロール圧接(accumulative roll bonding)から選択され、この強塑性変形は、より具体的には、摩擦援用横押出又は高圧ねじりである。
【0039】
より具体的な実施形態では、強塑性変形は、摩擦援用横押出プロセスの工程であり、ここで、組成物Mは、ダイの第1のチャンネルを通って、該第1のチャンネルに対して接線方向に移動する粗駆動パンチに向かって押されることで、該組成物が、ダイと駆動パンチとの間の間隙である第2のチャンネルへと側方に流れる。
該間隙は、例えば、0.2~2mmの範囲の高さを有する。
【0040】
特定の実施形態では、粗駆動パンチは、とりわけ並進運動を有する。
【0041】
特定の実施形態では、強塑性変形は連続的であり、該強塑性変形は、特に、連続摩擦援用横押出法である。
【0042】
より具体的な実施形態では、粗駆動パンチは、回転ホイールであってもよい。
【0043】
特定の実施形態では、組成物Mは、駆動パンチが移動される前に、チャンネル内で圧縮される。
【0044】
特定の実施形態では、駆動パンチ表面は、10μm~100μmからなる粗さ(Ra)を有する。
【0045】
特定の実施形態では、組成物Mは、200MPa~2GPaからなる圧力を加える通常のパンチによって押される。
【0046】
特定の実施形態では、駆動パンチ表面は、1mm/秒~100mm/秒からなる速度で移動する。
【0047】
特定の実施形態では、強塑性変形は連続的であり、該強塑性変形は、特に連続摩擦援用横押出法であり、室温、100、200、300、400、500、600、又は700~800℃の温度で実施される。特定の実施形態では、熱分解は、250~1200℃、特に400~1000℃、より具体的には約500℃又は約800℃の温度で実施される。
【0048】
特定の実施形態では、熱分解は、任意選択的にはアルゴン雰囲気などの制御された雰囲気下において、10分間~24時間、特に20分間~12時間、例えば約0.5時間又は約10時間実施される。
より具体的な実施形態では、熱分解は、400~600℃、例えば約500℃の温度で、5~20時間、例えば10時間にわたり実施され、金属はとりわけAlである。
より具体的な実施形態では、熱分解は、600~1000℃、例えば約800℃の温度で、10分間~1又は2時間、例えば0.5時間にわたり実施され、金属はとりわけCuである。
【0049】
特定の実施形態では、工程(ii)の熱分解の後に、任意選択的には、とりわけ等チャンネル角度付プレス成形又は押出、重ねロール圧接から選択される強塑性変形技術によって、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材をローリングする工程(iii)が続き、架橋ポリマー微粒子は、組成物Mの総重量に基づいて、特に0.1~15重量%を占める。
【0050】
特定の実施形態では、工程(ii)の熱分解の後に、任意選択的には、とりわけ等チャンネル角度付プレス成形又は押出、重ねロール圧接から選択される強塑性変形技術によって、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材をローリングする工程(iii)が続き、架橋ポリマー微粒子は、組成物Mの総重量に基づいて、特に2~15重量%を占める。
【0051】
この工程(iii)は、工程(ii)の間に形成され得る細孔を、必要に応じて除去又は低減するために実施され得る。
【0052】
特定の実施形態では、工程(ii)又は工程(iii)は、存在する場合、工程(iv)の熱処理が後に続く。
この工程(iv)は、特に200~500℃の温度、例えば約350℃で実施される。
この工程(iv)は、特に、10分間~10時間、例えば1時間にわたり実施される。
より具体的な実施形態では、工程(iv)は、300~400℃、例えば約350℃の温度で、30分間~2時間、例えば1時間にわたり実施され、金属はとりわけAlである。
この工程(iv)は、必要に応じて、金属延性を高めるために実施されてもよい。
【0053】
別の態様では、本発明は、上記で定義される方法によって得られる、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材に関係する。
【0054】
本方法に関連して上述した全ての実施形態は、単独で、又は組み合わせてここでも適用される。
【0055】
別の態様では、本発明は、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材であって、以下のもの(を含む):
○ 微細粉末形態の金属と、
○ 架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子であって、該ポリマーがセラミックの前駆体である、架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子と、
を含む、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材に関係する。
【0056】
別の態様では、本発明は、
○ 超微細粒構造を有する固体金属と、
○ 架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子と、
を含む、初期粉末状態からの強塑性変形法によって得ることができる又は得られる、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材に関係する。
【0057】
別の態様では、本発明は、
○ 超微細粒構造を有する固体金属と、
○ 架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子と、
を含む、上で定義したような方法によって得ることができる又は得られる、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材に関係する。
【0058】
「超微細粒構造」とは、特に、固体金属の粒径が100nm~3000nmの範囲にわたることを意味する。
【0059】
本方法に関連して上述した全ての実施形態は、単独で、又は組み合わせてここでも適用される。
【0060】
特定の実施形態では、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材は、ポリマー由来セラミックではないセラミックを欠いている。特定の実施形態では、金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材は、均質である。
【0061】
「均質」(homogenous)とは、特に、該複合材の表面の硬度の変動が、5%以内であることを意味する。
該硬度は、例えば、ビッカース微小硬度測定によって確立することができる。
【0062】
別の態様では、本発明は、装置、特に温度に曝される装置、例えばエンジン、ギヤボックス、ブレーキプラテン(brake platens)、航空機または宇宙船の構造部品を調製するための、上記で定義される方法によって得られる金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材の使用、又は上記で定義されるような微細粉末形態である金属及び架橋ポリマー誘導セラミックナノ粒子を含む金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材の使用に関係する。
【0063】
[定義]
「2MPDC2」という頭字語は、「金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材」(metal-matrix polymer-derived-ceramic composite)を意味する。
【0064】
「強塑性変形」とは、とりわけ100~1000nm又は更には100nm未満の範囲にわたる粒径を有する超微細粒化(ultra-fine grained:UFG)材料を作製するために、好ましくは高い静水圧下におけるバルク2MPDC2組成物、特に上記で定義した組成物Mに、大きな塑性歪み~非常に大きな塑性歪みが加えられる方法を意味する。例えば、歪み量は、最小5フォンミーゼス当量(大きな歪み)であってもよく、又は10超(非常に大きな歪み)であってもよい。
【0065】
強塑性変形法の例は、摩擦援用横押出、等チャンネル角度付プレス成形又は押出、高圧ねじり、重ねロール圧接である。
【0066】
「強塑性変形2MPDC2組成物、特に組成物M´」とは、特に、前記金属及び架橋ポリマーナノ粒子を含む組成物を意味し、このポリマーは、上記に定義される通りである。
【0067】
「熱分解」とは、特に、前記金属及び架橋ポリマー由来のセラミックのナノ粒子を含む材料を得ることを可能にする、強塑性変形2MPDC2組成物、特に組成物M´の熱処理を意味する。
【0068】
「ナノ粒子」とは、特に、10~100nmの範囲にわたるサイズ、特に平均サイズを有する粒子を意味する。
【0069】
「セラミックの前駆体」(これは「プレセラミック前駆体」としても知られる)とは、とりわけ熱分解、例えば上記で定義したような熱分解によってセラミックを得るのに好適である、ポリマー、好ましくは架橋ポリマーを特に意味する。
【0070】
「粗さ(Ra)」とは、特に、所与の表面の平均線と、ピーク及びトラフとの間の平均距離を意味する。所与の表面について、したがってこれは、連続するピークとバレーとの間の距離の、平均距離又は算術平均である。したがって、「Ra」は、特に、この平均距離と「中心線」との間の差異に対応する。より具体的には、粗さRaは、ISO4287に従って、例えばDektak Stylus(登録商標)側面計(Bruker)で測定される。
【0071】
「室温」とは、特に、15~25℃、より具体的には20℃±10%、例えば20℃の範囲にわたる温度を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】実施例1に記載のHPT処理後に、異なる材料の状態に対して室温で行われた圧縮試験結果を説明する。曲線識別:Xwとは、X体積パーセントのポリマーを意味し、Xnは熱分解前のHPT回転の数を意味し、全てが本発明の複合材である。P2n:ポリマーを有しない粉末HPT圧縮サンプル(基準)。全てのサンプルを熱分解後に2回のHPTの回転へ供した。CPAl:市販の純粋なバルクAl 1050(基準)。
図2】実施例2に記載されているように、250℃、1時間での熱処理前後(熱処理前後におけるサンプル表面の同じ領域)における実施例1で得られた、本発明の最終Al MMPDCC生成物の微細構造及び強度を示す。
図3】実施例2に記載されているように、250℃、1時間での熱処理前後(熱処理前後のサンプル表面の同じ領域)における、ポリマー添加なしのAl生成物(基準)の微細構造及び強度を扱う。
図4】実施例2に記載されているように、250℃、1時間での熱処理前後(熱処理前後のサンプル表面の同じ領域)における、バルクAl-1050金属(基準)の微細構造及び強度を説明する。
図5】例としては実施例3に記載されるような、摩擦援用横押出法(Friction Assisted Lateral Extrusion Process:FALEP)の概略図である。
図6】例としては実施例3に記載されるような、連続摩擦援用横押出法(連続FALEP)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、実施例(EXAMPLES)。
【0074】
[実施例1]
本発明のアルミニウムマトリックスポリマー由来セラミック複合材の調製
【0075】
本発明の方法は、市販の純粋なアルミニウム(Al-1050)の形態であるアルミニウムを用いて実施されている。
Al金属粉末は、約50ミクロンの平均サイズを有する粒子から構成された。ポリマーはポリ(メチルヒドロシロキサン)(PMHS)であり、これは液体状態であった。
【0076】
第1の工程は、前記ポリマーを、架橋剤1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)と、5重量%の体積パーセントのDABCO中で混合することであった。
次の工程は、得られたポリマーを、Al粉末と簡単な機械的方法で室温にて直ちに混合することであった。
全組成に対して、それぞれ、5重量%及び10重量%のポリマー、並びにバランスのとれたAl粉末の二つの組成を作製した。
【0077】
混合後、PMHSのポリマー鎖間の架橋を生成するために、材料を室温で8時間保持した。
【0078】
次の工程は、同じHPT設備を用いた2つの工程からなる室温での、得られた粉末のHPT(High Pressure Torsion,高圧ねじり)処理であった。
第1の段階は、直径20mmの円形チャンネル内で粉末を単純に圧縮して、厚さ3mmのディスクを形成することであった。加えられた最大圧力は1.5GPaであった。
次いで、1.5GPaの一定の圧縮圧力下において、ディスクをねじりながら2回転又は3回転で変形させる、HPTを行った。
【0079】
熱分解工程では、得られたディスクを、アルゴン保護雰囲気下において、500℃で10時間熱処理した。
熱分解後、ディスクを、1.5GPaの圧縮応力下において(熱分解中にバルク材料に現れた細孔を除去するために)、再び2回転でHPTに供した。
【0080】
このようにして得られた変形ディスクは、本方法の最終生成物であり、かつ本発明の金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材であった。
【0081】
強塑性変形は、室温より高い温度、特に100、200、300、400、500、600、又は700~800℃で実施し得ることにもまた留意されたい。この加熱は、必要に応じて、本発明の複合材の熱安定性及び/又は材料強度を増加させ得る。
【0082】
[実施例2]
本発明の金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材の機械特性及び熱耐性特性
【0083】
実施例1で得られたディスクの機械特性及び熱耐性特性を実験した。
圧縮及びビッカース硬度測定で機械的試験を行った。
圧縮の結果を図1に示す。これらの結果は、室温で、10-2mm/秒の一定の圧縮速度にてZwick 20t設備で得た。
【0084】
図1は、2MPDC2生成物が、バルクAl、又はポリマー構成要素を添加せずに圧縮された粉末と比較して、全ての条件において優れた降伏応力及び耐性を示すことを示す。ポリマーを含まないサンプル(P2n)は、変形範囲全体で破壊を示さない。本発明の全てのポリマー添加材料は、はるかに高い強度を有する。5重量%及び10重量%組成物の両方でも、強度はポリマー含有量と共に増加した。
【0085】
材料の延性容量に関して、図1に見られるように、本発明の複合材の延性特性は、バルク金属と比較して維持されるか、又は更に優れている。
【0086】
本発明の最終2MPDC2生成物の熱安定性を確認するために、実施例1の最終生成物を250℃で1時間にわたり熱処理した。熱処理の前後において、サンプルの同じ表面領域で正確に、EBSDによって微細構造を調べた。図2は、微細構造を、平均粒径(全ての粒径は表面分率で計算される)及びビッカース硬度と共に示す。
【0087】
図2に見られるように、本発明の複合材の微細構造は、高い熱安定性を有する。平均粒径は熱処理後もほぼ同じであった。材料硬度は、得られた生成物(1426MPa)では非常に高く、熱処理(1374MPa)後も非常に高いままである。
【0088】
本発明の複合材の微細構造安定性及び強度に対するポリマー誘導セラミック粒子の非常に有益な効果を検証するために、HPT(基準)によるAl粉末圧縮中に、ポリマーを除外することによって本方法を繰り返した。
【0089】
図3は、この基準の微細構造が安定していないことを示す;熱処理中に粒径が2倍増加した。材料強度もまた、Hv=1426MPa~559MPaと非常に低下し、これは、熱処理後に488MPaまで更に低下する。明らかに、ポリマー誘導セラミック粒子は、微細構造の安定性及び材料強度を同時に改善する。
【0090】
最後に、単純なバルクHPT処理Al 1050(基準)と2MPDC2(本発明)の挙動とを比較した。結果を図4に提示する。見て分かるように、該基準の微細構造は非常に不安定であり、再結晶化している;この粒径は3倍に増加する。材料強度の低下もまた、Hv=610MPa~338MPaと高い。
【0091】
図1図4に示される結果から、本発明のMMPDCC材料は、他の2つの古典的な処理変種(前述した基準)と比較して、優れた熱安定性及び材料強度を有することが明らかである。
【0092】
[実施例3]
摩擦援用横押出を用いる本発明の金属マトリックスポリマー誘導セラミック複合材の調製
【0093】
実施例1の方法は、強塑性変形工程として、HPTの代わりに摩擦援用横押出(FALEP)を使用して実行されている。
FALEPでは、バルクサンプルは、圧縮及び接線力の助けを借りて、チャンネルを通ってより小さいものへと押し出される(図5)。後者は駆動パンチとサンプルとの間の摩擦によって適用される。通常パンチ及び駆動パンチは一定速度で移動している。生成されたフィンの歪みは、単一のパスでも非常に大きい。不等チャンネル断面角度付押出のために開発された以下の式により、せん断歪みの良好な測定が得られる:
【0094】
【数1】

(式1)
式中、p及びcとは、それぞれ、入力チャンネル及び出力チャンネルの幅である。
【0095】
本実施例で使用されるFALEP機械では、pは20mmであり、cは2~0.2mmの間で変化することができるため、1つのパスで得られるせん断歪みは10.1~100.01の間である。見てわかるように、式1の第2項は、これらの幾何学では無視することができ、次のとおりである:
【0096】
【数2】

(式2)
【0097】
変形はフィンの厚さにわたって非常に均一であり、単純なせん断テクスチャは、押出方向に平行なせん断方向、及びフィンの法線方向に垂直な(直交する)せん断面で観察することができる。
【0098】
FALEP方法を用いると、生成シートの長さは、単一の押出のための駆動パンチの長さによって制限される。しかしながら、押出工程は、サンプルが完全に消費されるまで繰り返すことができる。手順は、最初に正常圧をアンロードし、駆動パンチをその初期位置に回収し、サンプルに正常圧をリロードし、別の押出工程を行うことである。サンプルがほぼ消費されると、通常のパンチが完全に回収され、新しいサンプルが入口チャンネルに挿入され、押出方法が継続される。大きな塑性歪み及びFALEPの大きな静水圧に起因して、変形ゾーン内の界面の通過中に、古いサンプル及び新しいサンプルの法線面の間に完全な結合が存在する。このようにして、得られるシートの長さは無制限である;これは半連続方法で得られる。本方法はまた、ダイの形状を変更することによって、半連続方法において、シートだけでなく他の形状の生成を可能にする。
【0099】
くわえて、実施例1の方法は、強塑性変形工程としてHPTの代わりに、連続FALEP(CONFALEP)を用いて実行された。
【0100】
FALEPの連続バージョンでは、駆動パンチが回転ホイールである点が異なる(図6)。
ホイールを回転させることにより、連続ストリップが生成される。投入材料は、15mm×15mmの部分のバーであり、長さは最大100mmである。したがって、生成されたストリップの寸法は、厚さ1mmに対して、幅15mm及び長さ1.5mであり得る。
まず、金属とポリマーとの混合物(両方とも粉末状態)をダイに充填し、次いで、ホイールを動かすことなく粉末を圧縮する。その後、ホイールを回転させてサンプルを押し出す。
【符号の説明】
【0101】
(なし)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】