(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】高流量バルク材料用ベルト搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 17/04 20060101AFI20240301BHJP
B65G 47/74 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B65G17/04
B65G47/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557016
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 IB2022052640
(87)【国際公開番号】W WO2022201049
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021000007001
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518019673
【氏名又は名称】マガルディ パワー ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マガルディ,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】マガルディ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】カッシーロ,ドメニコ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ,ダニエーレ
【テーマコード(参考)】
3F070
【Fターム(参考)】
3F070AA06
3F070EA24
3F070EE07
(57)【要約】
工業プラントにおける高温バルク材料のための搬送システム(100)であって、搬送方向(L)に沿って列に配置されて可動コンベヤベルト(101)に締結された複数の体積容器(1)を備え、この容器は、互いに係合して連続搬送領域を形成する側壁を有する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業プラントにおいて高温バルク材料を搬送するためのシステム(100)で使用されるように構成された搬送容器(1)であって、複数の互いに固定された壁によって内側格納体積(11)を規定する本体(10)を有し、前記複数の壁は、
搬送方向(L)に沿って前記容器(1)の両側に配置された前壁(21)及び後壁(22)であって、前記前壁(21)は、前進方向(V)に対して後壁(22)の上流に配置されるように意図された、前壁(21)及び後壁(22)と、
前記搬送容器自体を前記搬送システム(100)の可動ベルト(101)に接続するための手段(30)を支持する底壁(25)であって、前記前壁(21)及び前記後壁(22)は、互いに略平行であり、双方がそれぞれ前記格納体積に対して外側及び内側に前記底壁(25)と鋭角(α、β)を形成することによって前記底壁(25)及び前記搬送方向(L)に対して傾斜している、底壁(25)と、
前記前壁(21)及び前記後壁(22)の間に介挿された交差部材又は直立の形態の補強要素(4)と、
前記前壁(21)及び後壁(22)の間に縦方向に配置され、前記前壁(21)に対して両側から前記後壁(22)に対して外側に突出した部分(230、240)を有し、前記前壁(21)に向かって互いに収束している、第1の側壁(23)及び第2の側壁(24)と、を備え、
前記構成は、前記前壁(21)及び側壁(23、24)の一部が隣接する容器の側壁の突出した部分の間に収容され、後者が前記前進方向(V)に対して列の上流に配置された状態で、前記容器(1)が前記搬送方向(L)に沿って他の同一の容器と前記列に配置されるようにされる、搬送容器(1)。
【請求項2】
前記接続手段(30)は、例えば、ねじ又はボルト等の要素を締結するための1つ以上の座を備える、請求項1に記載の搬送容器(1)。
【請求項3】
前記前壁(21)及び前記後壁(22)は、前記底壁(25)に対して同一の傾斜を有し、それと約30°~50°の範囲で可変である鋭角(α、β)を形成する、請求項1又は2に記載の搬送容器(1)。
【請求項4】
前記第1の側壁(23)及び第2の側壁(24)、及び/又は、前記前壁(21)は、前記後壁(22)の高さ(H2)よりも高く、好ましくは最大60%の高い高さ(H1)を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の搬送容器(1)。
【請求項5】
前記前壁(21)は、前記内側体積(11)に対して外側に突出し、隣接する容器の前記後壁(22)に係合する又はその上に張り出すように構成された重複フラップ(211)を有する、請求項1から4の何れか一項に記載の搬送容器(1)。
【請求項6】
前記側壁(23、24)の前記突出した部分(230、240)は、隣接する容器の前記側壁と互いに係合するように構成され、好ましくは前記搬送方向(V)において前記列の下流に配置される、請求項1から5の何れか一項に記載の搬送容器(1)。
【請求項7】
全体的に又は大部分が金属で作成される、請求項1から6の何れか一項に記載の搬送容器(1)。
【請求項8】
前記第1の側壁(23)及び第2の側壁(24)は、それぞれ前記容器(1)の横方向外側に延設され、好ましくはコンベヤベルト(101)の戻りストロークにおいて前記容器を支持する突出したフランジ又は伸長部分(231、241)を有する、請求項1から7の何れか一項に記載の搬送容器(1)。
【請求項9】
工業プラントにおける高温バルク材料のドライハンドリングのための搬送システム(100)であって、
リングとして構成されたメッシュタイプの可動ベルト要素(101)と、
それぞれが請求項1から8の何れか一項に記載の複数の搬送容器(1、1’)であって、搬送方向(L)に応じて互いに隣接して配置され、それら自体の底壁(25)において前記可動ベルト要素(101)に固定される、複数の搬送容器(1、1’)と、
を備える、搬送システム(100)。
【請求項10】
前記可動ベルト要素(101)及び前記容器(1)を収容した包含筐体(110)を有し、例えば、スクレーパチェーンである、前記筐体(110)の底面を洗浄するための手段を備える、請求項9に記載の搬送システム(100)。
【請求項11】
前記容器(1)の前記横方向フランジ(231、241)がその上に静止する、前記可動ベルト要素(101)、例えば、片持ちローラの戻りストロークを支持するための手段(106)を有する、請求項10に従属する場合の請求項9又は10に記載の搬送システム(100)。
【請求項12】
燃焼チャンバによって生成された炉底灰若しくは飛翔灰、又は、ロータリキルンから出たセメントクリンカ、の還元炉/反応器を離脱する直接還元鉄(DRI)のドライ搬送システムである、請求項9から11の何れか一項に記載の搬送システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細材料の存在下であっても、高温バルク材料を移動させるのに好適な容器デバイス及びそれを備えるドライ搬送システムに関する。
【0002】
本発明は、例えば、還元炉を離脱する直接還元鉄(DRI)のペレット、又はロータリキルンから抽出されたクリンカの、燃焼チャンバ内で生成された化石燃料からの灰を移動させるために適用される。
【背景技術】
【0003】
従来技術及びその欠点の分析
例えば、燃焼チャンバを離脱する炉底灰など、高温でもあるバルク材料のドライ搬送システムが当分野において既知である。このようなシステムは、ベルトの縦方向端に配置されたエンジンドラムとリターンドラムとを包んだリング状閉鎖構成を備える金属ベルトタイプのコンベヤを基本としている。これらのドラムは、ベルトの動きを作動させるように横軸の周りを回っている。後者の搬送路は、積載領域と荷降ろし領域との間で略直線状の軌跡を備える往路と、積載領域に向かって同じく略直線状の軌跡を備える第2の空の復路と、を提供する。
【0004】
コンベヤベルトは、通常は金属で作成され、部分的に互いに重なり合った複数のプレートによって規定される縦方向の積載面を有する。
【0005】
プレートは、搬送材料の体積包含(volumetric containment)の機能を備える、積載面に対して直角又は角度を付けられた横方向レールを支持する。プレートは、運動伝達要素として作用することで上述のベルトを実装するワイヤメッシュに対して、ねじ又はリベットによって締結される。
【0006】
以上に示したタイプのベルトコンベヤの基本的な計画パラメータの1つが、搬送可能な材料の体積流量である。後者は、主に以下に関係付けられる。
・プレートの幅に応じた、搬送に利用可能な断面
・プレートの包含横方向レールの高さ
・往路におけるベルトの前進線形速度
【0007】
特に、コンベヤが以前から存在する搬送ソリューションに取って代わる近代化プロジェクトである場合、上述の断面の増加は既存の障害によって限定されることが多い。この理由から、流量を増加させるためにこのパラメータを操作することはほとんどできない。
【0008】
更に、積載領域と荷降ろし領域との間に高さの差がある場合、搬送傾斜の増加は、横方向レールの高さ、及び/又は、ベルト線形速度の増加、を許容しない重大な問題を決定付ける。これは特に、内側摩擦角が非常に小さい材料の場合、とりわけ高温では液体のように挙動するため、比較的高速では確実に搬送されない。したがって、水平に対する搬送方向の傾斜が増加するときに、上述のシステムの流量は大幅に減少する傾向がある。
【0009】
以上に示されたことに基づくと、検討されたタイプのドライ搬送システムの体積流量を最大化するという重要なニーズは、当技術分野で利用可能な搬送ソリューションでは満たされない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明によって提起され解決される技術的課題は、既知の技術を参照して以上に示したニーズに合う搬送システムを提供することである。
【0011】
このような問題は、請求項1に係る搬送容器及びそれを備える搬送システムによって解決される。
【0012】
本発明の好適な特徴(feature)は、従属項に記載される。
【0013】
本発明は、横方向レールを備える従来のプレートに取って代わり、最適な移動条件と搬送材料のための安定性を保証するのに好適な特定の形状を有する、複数の包含デバイス又は容器を備えるベルト搬送システムを提供する。
【0014】
好適な構成において、各容器は、搬送方向を参照として記載される以下の要素によって形成される。
・前の容器に隣接した前壁
・後続の容器に隣接した後壁
・容器をコンベヤベルトに接続するための穴又は他の手段が設けられた底壁
・垂直平面上に置かれ、前進方向に対して前壁に向かって収束することによって、前の容器の側壁に収容され、後続の容器の側壁を収容するようにされる2つの側壁
【0015】
好ましくは、各容器は、前壁を後壁に接続する、例えば筒状要素の形で、上述の壁によって規定された包含体積内に硬化手段を提供する。
【0016】
好適な実施形態において、搬送方向は傾斜させ得る。有利には、容器は、全体的又は部分的に、金属及び/又は搬送材料の高温に耐性のある材料で作成される。容器は、システムの積載領域で搬送される材料を一旦受け取ると、それを保護し、場合によっては、荷降ろし領域までその熱的内容物を保存する。
【0017】
好適な構成において、上述の前壁は、有利には約0°~75°の範囲で可変となるように、前進方向(上述の包含体積の外側)に対して鋭角を規定する。
【0018】
本発明の好適な構成において、金属容器の前壁及び後壁は双方とも前進方向(それぞれ包含体積の外側及び内側)に対して鋭角を有し、特に、結果として互いに平行となり、とりわけ、搬送端領域間に強力な高さの差異がある場合、積載段階を容易にする。
【0019】
角度値は、コンベヤ自体の傾斜と、プラントレイアウトによって決定付けられる全体的な寸法要件と、に応じて、例えば最大0.5m/sのコンベヤ速度等、突出体積流量を得るためのサイズを有した大きな包含体積を実装するように決めることができる。
【0020】
更に、各容器の側壁及び前壁は、後壁よりも最大60%の高い高さを有し得る。
【0021】
各金属容器は、これらの部分を作製し、例えば連続溶接によって又は当技術分野で既知のいわゆる「ロストフォーム」技術による鋳造等の単一ソリューションでこれらを組み立てることによって実装可能である。
【0022】
本発明の容器により、搬送傾斜が大きい、及び/又は、搬送材料、特にバルク材料の流量が大きい場合であっても、また微細、及び/又は、高温材料であっても、各容器の壁によって規定された搬送体積内にその完全な格納(confinement)を可能にすることによって、有効且つ信頼性の高い搬送を可能にする。
【0023】
容器は、以上に述べたタイプのベルト搬送システムでの使用に特に好適であるが、別の用途にも適用できる可能性がある。
【0024】
好適な実施形態において、容器は、コンベヤベルトを実装する、それらの下方に載置された運動伝達メッシュ、通常はワイヤメッシュに機械的に接続される。運動伝達ワイヤメッシュは、既知の従来技術に関して説明したのと同様に、リング状に構成され得る。
【0025】
搬送容器は、搬送メッシュ又は他のコンベヤベルトに連続して関連付けることができ、すなわち、いくつかの容器が、上述の通り、各側壁間で相互係合して搬送方向に応じて縦方向の列で互いに後続することができる。このような相互係合により、隣接した(後続した)容器に対する誘導効果、すなわち、横方向運動の差異化防止を決定付ける。
【0026】
容器の形状及び配置により、搬送セクションがコンパクト性になり、材料の積載及び荷降ろしの段階中、及びその搬送中の信頼性が保証されるため、各容器が後続及び前の隣接した容器に対して不整列となるのを防ぐ。
【0027】
好適な実施形態において、各容器又はそれらの一部の前壁には、それに先行する容器の後壁とともに重複フラップが設けられ得る。これにより、高温下においても前述の信頼性と材料積載の連続性とを向上することにより、運動伝達ベルトの走行方向に沿った起こり得る熱的膨張を補償できるようにする。
【0028】
好適な配置に基づき、容器は、隣接した底壁をコンベヤベルトに接続させ、重複フラップを備える各前壁は、連続搬送と包含体積とを構成することにより、それに先行する容器の後壁の上方端を被覆する。
【0029】
このような構成では、重複フラップを伴わなくても200m3/hを超える体積流量を実装することを可能にする。
【0030】
コンベヤベルトの往路は、複数の支持ローラによって維持され、横軸の周りを回り、有利には、コンベヤ傾斜に応じて一定のピッチで位置決めされ得る。上述のベルトの復路は、材料荷降ろしの下流にあるが、容器の側壁の横方向伸長部分(extension)が静止することのできる横方向片持ちローラによって支持可能である。容器の近接性により、支持連続性を可能にする。
【0031】
搬送システムは、筐体によって格納及び包囲(enclose)可能であり、有利には金属によって作成され、場合によっては熱的に分離される。
【0032】
用途のニーズに応じて、各容器も、搬送材料の熱的内容物の保存のために、熱絶縁を提供したり又は難溶性材料で作成したりすることができる。
【0033】
搬送材料のタイプと内部に収容された微細材料の想定量とに応じて、搬送システムには、関連分野の水準において既知の、例えば、モータ化スクレーパチェーンによって実装される、筐体の底面を洗浄するための手段が設けられ得る。水平に対して傾斜したコンベヤベルトの場合、このような洗浄手段は、主に積載領域に位置決めされ、収集領域で微細材料を収集することができる。
【0034】
本発明の容器及び搬送システムの使用に関連する効果は、従来のコンベヤで得ることのできたもの、少なくとも部分的に以下の点において合成可能なものについて考慮することができる。
・往路において材料の損失を伴うことなく、微細及び/又は高温材料の存在下であってもバルク材料の安全且つ制限的な手法で搬送すること
・全体的な寸法を低減することに加え、コンベヤベルトの速度と単一の容器の体積との相乗効果で材料の大きい体積流量を管理すること
・積載及び荷降ろし領域の間で大きな高低差に達する可能性
【0035】
本発明の他の利点、特徴、及び使用モードは、限定を目的とするものではなく例として示されるいくつかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
添付の図面の図を参照する。
【0037】
【
図1A】本発明に係る搬送容器の好適な実施形態に関し、(搬送方向に対する)斜視図を示す。
【
図1B】本発明に係る搬送容器の好適な実施形態に関し、(搬送方向に対する)上面横方向斜視図を示す。
【
図1C】本発明に係る搬送容器の好適な実施形態に関し、(搬送方向に対する)異なるアンギュレーションからの更なる正面斜視図をそれぞれ示す。
【
図2】
図1Aの容器の実施形態の変形例に関し、その上面斜視図を示す。
【
図3A】搬送方向において横並びに配置された
図2に係る2つの容器を示し、その正面斜視図を示す。
【
図3B】搬送方向において横並びに配置された
図2に係る2つの容器を示し、その横方向斜視図を示す。
【
図4】本発明の好適な実施形態に係るベルト搬送システムにおける、
図2に係る一連の容器の概略横方向図を示す。
【
図5】
図1Aに係る容器を使用した、
図4のベルト搬送システムの変形例の横方向斜視図を示す。
【0038】
上記の図に示されているサイズは例示を目的としており、必ずしも比例しているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の様々な実施形態及び変形例を、上述の図を参照して以下に説明する。以下の詳細な説明では、同じ説明ですでに扱った実施形態及び変形例に関する更なる実施形態及び変形例を、すでに示したものとの相違点に限定して説明する。更に、以下に説明する異なる実施形態及び変形例は、互換性がある場合には組み合わせて使用される可能性がある。
【0040】
最初に
図1Aから
図1Cを参照すると、本発明の好適な実施形態に係る搬送容器又はデバイスは、全体として1で示される。
【0041】
容器1は、工業プラントにおいて高温で、塊状であっても、バルク材料の包含のために構成されており、この目的のために、内側格納体積11を規定する本体10を有する。
【0042】
本例において、容器1の本体10は全体的に金属で作成される。
【0043】
容器1は、例えば
図5を参照して以下に説明され、本明細書では100で示されるベルト搬送システムでの使用に好適である。
【0044】
内側体積11は、それを下方、前方、及び後方部分で包囲する複数の相互一体的な壁によって規定される。本例において、体積11及びひいては容器1は、上方部分で開放している。上述の壁は、好ましくは略平面状展開を有し、プレートの形で実装される。
【0045】
特に、容器1の本体10は、縦方向、すなわち搬送方向Lに沿って容器1の両側に配置された前壁21及び後壁22を有する。前壁21は、好ましくは前進方向Vに対して後壁22の上流に配置されるように意図される。
【0046】
以下に更に詳細に説明される通り、前壁21は、内側体積11に対して外側に突出し、隣接する容器の後壁に係合する又は重なり合うように構成された重複フラップ211を有する。
【0047】
そして、本体10は、搬送システム100の可動ベルト要素101に接続するための手段30を支える底壁25を有する(例えば
図5にも示す)。本例において、このような接続手段30は、例えばねじ又はボルト等の要素を締結するための1つ以上の座又は穴を備える。
【0048】
前壁21及び後壁22は、その同一の側において、特に、ベルト要素101に対して両側において、底壁25から立ち上がり、これと一体化している。
【0049】
本実施形態において、前壁21は、底壁25に対して傾斜を有し、これとともに(体積11の外側に)好ましくは約30°~50°の範囲で可動の鋭角αを形成する。更に本例において、後壁も同一の傾斜を有し、
図1Bに補角の外側鈍角β’を備えて例示される。
【0050】
一般的にいうと、2つの前壁及び後壁21及び22は、底壁25に対して同一の傾斜又は異なるアンギュレーションを有し得る。
【0051】
最後に、本体10は、前壁21及び後壁22の間の縦方向に配置され、後者に対して前壁21に対する反対側から外部に突出した第1及び第2の側壁、それぞれ23及び24、を有する。有利には、第1及び第2の側壁23及び24は、前壁21に向かって、すなわち、前進方向Vにおいて互いに収束している。
【0052】
図4に例示される通り、本実施形態の例において、第1及び第2の側壁23及び24と前壁21とは、後壁22の高さH2よりも高い、好ましくは最大60%の高い高さH1を有する。
【0053】
本例において、前壁21、後壁22、並びに側壁23及び24は、搬送の水平方向に対して明らかに垂直平面である搬送方向Lに対して略直角の各平面上に延設(extend)される。
【0054】
側壁23及び24は、前進方向Vとは反対方向において、後壁22を超えて縦方向に突出している。換言すると、後壁22は、側壁23及び24の間、すなわち、搬送方向Vにおける前進位置において、組み込まれるように配置される。壁23及び24の突出した部分は、
図1Bでは例示的に230及び240で示されている。
【0055】
本実施形態の例において、第1及び第2の側壁23及び24のそれぞれは、それぞれ231及び241で示される外部フランジを有する。各フランジ231、241は、底壁25に隣接又は近接した各側壁23、24の下方部分にて、体積11の外側に付与されるか、又は得られる。好ましくは、各フランジ231、241は、断面が略「L」字状の形状を有し、第1の枝2311、2411が側壁23、24に対して平行且つ粘着しており、別の枝2312、2412が第1の枝に対して略直角又は何らかの角度を有し、外側に向かって横方向に、且つ、底壁25に対して有利には平行又は略平行に突出している。次いでフランジ231、241は、第2のアーム2312及び2412を通じて、底壁25によって規定される容器の底平面(base plane)の伸長部分を実装する。
【0056】
本例において、フランジ231、241の第1の枝2311、2411は、それぞれ略多角形平面形状、特に、略台形形状、有利には等脚台形のような形状を有する。
【0057】
各フランジ231、241は、前壁21の側において、側壁23、24を超えて縦方向にも突出し得る。
【0058】
以下に示されるように、フランジ231、241、特に横方向枝2312及び2412は、コンベヤベルト101の戻りストロークにおいて容器1を支持するように構成される。
【0059】
本文脈において、「上方(upper)」「下方(lower)」「横方向(lateral)」「前方(front)」「前部(anterior)」及び「後部(posterior)」等の用語は、
図1Aの配置、その内部に示された搬送の方向及び経路との関係で使用される。これは、容器1とこれに一体化されるコンベヤベルトとは、異なる向きで、特に、水平でない向きで使用することができ、これらは実際には搬送の方向及び経路と称されるため、例示の画一性のため、同一の用語が維持される。
【0060】
図2に示される実施形態の変形例において、容器1は、好ましくは交差部材又は直立の形で、前壁21及び後壁22の間に介挿され、底壁25に対して平行又は角度を有して延設された補強要素4を更に備える。有利には、補強要素4は筒状構造を有する。補強要素4は、前壁21及び後壁22の間でスペーサとして作用し、その硬化を可能にする。補強要素4は、好ましくは、動作条件が高温及び/又は材料流量を提供する場合に適合される。
【0061】
図3A及び
図3Bに示される通り、容器1は、ベルト搬送システムにおいて使用され、前の容器及び後続の容器と相互係合を実装するように、搬送方向Lに沿って他の同一容器と列に配置されることが好ましい。特に、側壁23及び24は、両者間に隣接する容器の前壁と側壁の突出した部分とを収容することができ、後者は、好ましくは、前進方向Vに比べて列の下流に配置される。
【0062】
これに対応して、前壁21と側壁23及び24の一部とは、列の上流に配置された容器の側壁の内部に係合可能である。
【0063】
図3Bでは、上述の係合配置における側壁23及び24のアライメント機能を仮想直方体形状によってハイライトしている。後者は、述べたとおり、搬送方向Lに直角平面上において、特に垂直に延設され、前の容器の側壁によって部分的に格納され、後続の容器の横方向壁を部分的に格納するように、前進方向Vに収束する。
【0064】
以上に述べた通り、上述のような複数の容器を使用したベルト搬送システムは、
図4から
図6に示されており、全体として100と示されている。容器は、2つがその列中の配置をハイライトするために
図4において1及び1’で例として示されているが、それら自体の底壁25において可動ベルト要素101に締結される。
【0065】
隣接する容器1、1’は、以上に示した通り、互いに係合して連続搬送領域を形成する。
【0066】
システム1は、主に、リング状に構成され、エンジンドラム104及び(見えない)ドラムの周辺で閉鎖された通路に応じて包む(wrap)上述の可動要素又はコンベヤベルト101を備える。
【0067】
次いでベルト101は、ローラ103を駆動するエンジンと容器1、1’との間で運動を伝達するための要素として作用する。
【0068】
好ましくは、ベルト要素はワイヤメッシュの形で実装される。
【0069】
有利には、システム100は、好ましくは金属で作成され、ベルト101とこれに締結された容器1、1’を収容した包含筐体110を有する。
【0070】
図6の断面でよりよくわかる通り、コンベヤベルト101は、前進ストロークにおいて、自らの横軸の周りを回るアイドルローラ105によって支持され、有利には、搬送方向Lにおいて一定の縦方向ピッチで配置される。
【0071】
戻りストロークにおいて、コンベヤベルト101は、片持ちローラ106によって支持され、横軸の周りを回ることもできる。後者の上に、容器1の横方向フランジ231、241は、特に突出した枝2312、2412によって静止する。
【0072】
好適な実施形態の変形例において、且つ、搬送材料のタイプ及び内部に格納される微細材料の想定量に応じて、搬送システム100には、例えば好ましくは、モータ化スクレーパチェーンの形で、図示はされないが、関連分野の水準において既知のタイプで、筐体110の底面を洗浄するための手段が設けられ得る。
【0073】
水平に対して傾斜した搬送方向Lを備えるシステムの場合、底部を洗浄するための手段は、主に、積載領域に位置決めされ、収集ポイントにて微細材料を収集する。
【0074】
搬送システム100は、例えば、燃焼チャンバによって生成された炉底灰もしくは飛翔灰、又は、ロータリキルンを出たセメントクリンカの、還元炉/反応器を離脱する「直接還元鉄」(DRI:Direct Reduced Iron)のドライハンドリングのために使用され得る。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して本発明を説明した。以下に報告される特許請求の範囲の保護範囲によって規定されるように、同じ発明の核心に属する他の実施形態が存在し得ることを意味する。
【国際調査報告】