(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】通気手段を備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240301BHJP
【FI】
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557196
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2022057226
(87)【国際公開番号】W WO2022195101
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】アウ ゼー チーク
(72)【発明者】
【氏名】チョン カイ シン
(72)【発明者】
【氏名】マーテネン テーム ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】エオウ ヨン タウル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC01
4B162AC41
4B162AC50
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生物品を受容するように適合された加熱チャンバーと、発熱体(5)と、封止されたハウジング区画(8)と、封止されたハウジング区画(8)からエアロゾル発生装置(1)の外部へと気体が流れることを可能にして、発熱体(5)の加熱動作に起因するハウジング区画(8)内部の熱膨張を補償するように適合された通気手段(10)とを備えるエアロゾル発生装置(1)に関する。本発明はさらに、エアロゾル発生システムを動作させる方法、およびエアロゾル発生装置(1)内の通気膜(10)の使用に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生物品を受容するように適合された加熱チャンバーと、
発熱体と、
封止されたハウジング区画と、
前記封止されたハウジング区画から前記エアロゾル発生装置の外部へと気体が流れることを可能にして、前記発熱体の加熱動作に起因する前記ハウジング区画内部の気体の熱膨張を補償するように適合された通気手段と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記通気手段が、少なくとも5キロパスカル、好ましくは少なくとも10キロパスカル、特に約12キロパスカルの耐水圧を有する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記通気手段が、7キロパスカルで、3000~7000ミリリットル/平方センチメートル・分、好ましくは、7キロパスカルで、5000~5200ミリリットル/平方センチメートル・分の通気能力を有する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記通気手段が、裏当て層に適用された延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記通気手段が、膜を含み、前記膜が、少なくとも0.5平方ミリメートルの、少なくとも1平方ミリメートルの、または少なくとも2平方ミリメートルのサイズの中央開口部を有する担体基体に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記膜が、0.05~0.5ミリメートル、好ましくは0.1~0.2ミリメートル、特に約0.15ミリメートルの厚さを有する、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記通気手段が、前記ハウジング区画内の開口部、およびハウジング区画壁内に延びるチャネルを含み、前記チャネルの拡張方向が、前記ハウジング開口部の開口部方向とは異なる方向である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記チャネルが、ハウジング区画壁内に延びる陥凹部である、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記チャネルが、前記通気手段を前記ハウジング区画壁の陥凹領域に接続する、請求項7または8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
ねじヘッドが、前記陥凹領域内に配設される、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
電気コネクターが、前記陥凹領域内に配設される、請求項9または10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
カバーパネルが、前記通気手段の外部に配設され、前記カバーパネルと前記通気手段との間にギャップが提供される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記通気手段が、前記カバーパネルに対して0.3ミリメートル~1ミリメートルの距離に配設される、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記封止されたハウジング区画が、前記封止されたハウジング区画内の制御電子機器と相互作用するように適合されたボタンを含み、前記ボタンの動きにより、前記封止されたハウジング区画の内部容積が変化する、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記発熱体が、前記封止されたハウジング区画内に提供される、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
エアロゾル発生システムを動作させるための方法であって、
-エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にエアロゾル発生物品を挿入する工程と、
-前記エアロゾル発生物品を加熱してエアロゾルを発生させる工程と、
-加熱された気体が、前記エアロゾル発生装置の封止されたハウジング区画から、通気手段を通して外部に流れることを可能にする工程と、を含む、方法。
【請求項17】
エアロゾル発生物品を受容する加熱チャンバー内で生成される熱に起因する気体の熱膨張を補償するための、エアロゾル発生装置内の通気膜の使用。
【請求項18】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止されたハウジング区画を備えたエアロゾル発生装置に関する。本発明はまた、エアロゾル発生システムを動作させる方法、およびエアロゾル発生装置内の通気膜の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。公知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは一般に、電池と、制御電子機器と、エアロゾル発生装置で使用するために特別に設計されたエアロゾル発生物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。一部の実施例において、エアロゾル発生物品は、たばこロッドまたはたばこプラグなどのエアロゾル形成基体を備え、またエアロゾル発生装置の中に収容されたヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入された時に、エアロゾル形成基体の中へと挿入される、またはその周りに配置される。代替的な電気的に作動する喫煙システムでは、エアロゾル発生物品は、容器に入っていないたばこなどのエアロゾル形成基体を収容するカプセルを備えてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル発生物品を受容するように適合された加熱チャンバーと、発熱体と、封止されたハウジング区画と、封止されたハウジング区画からエアロゾル発生装置の外部へと気体が流れることを可能にして、発熱体の加熱動作に起因するハウジング区画内部の熱膨張を補償するように適合された通気手段とを備えるエアロゾル発生装置が提供される。
【0004】
エアロゾル発生装置の横断方向は、エアロゾル発生装置の長軸方向に対して垂直であってもよい。長軸方向は、エアロゾル発生装置の主な拡張方向、すなわち、エアロゾル発生装置がその最大長さを有する方向であり得る。エアロゾル発生装置の直立配向では、長軸方向は高さ方向であり、横断方向は水平方向であり得る。横断方向は、エアロゾル発生装置の幅方向に対して垂直であってもよい。以下の「上側」および「下側」に関する表示は、高さ方向である長軸方向に対するものである。
【0005】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバー内に少なくとも部分的に配設されるように、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に長軸方向に挿入され得る。エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの停止要素または端面に当接する場合、エアロゾル発生物品の口側端部分は、加熱チャンバーから長軸方向に突出し得る。
【0006】
ハウジング区画は、埃の侵入または埃および水の侵入を防止するように封止される。ハウジング区画は、底部プレートを含み得る。底部プレートは、ハウジング区画の下側を密閉し得る。発熱体、制御電子機器、および電池のうちの少なくとも一つは、ハウジング区画内に配設される。
【0007】
発熱体は、封止されたハウジング区画内に、または封止されたハウジング区画に隣接して提供され得る。
【0008】
発熱体は、電気抵抗発熱体、またはインダクタ、例えば、コイルなどの誘導発熱体であってもよい。発熱体を制御して、加熱チャンバー内のエアロゾル発生物品を迅速に加熱するように適合された制御電子機器が提供されてもよい。装置の発熱体および制御電子機器は、発熱体の温度が摂氏70度~摂氏130度、または摂氏80度~摂氏120度、または摂氏80度~摂氏100度であるように適合されてもよい。発熱体および制御電子機器は、発熱体を周囲温度から少なくとも摂氏80度に加熱するための加熱時間が、5秒未満または3秒未満であるように適合されてもよい。
【0009】
装置の発熱体および制御電子機器は、エアロゾル発生物品が、摂氏70度~摂氏130度、または摂氏80度~摂氏120度、または摂氏80度~摂氏100度の温度に加熱されるように適合されてもよい。発熱体および制御電子機器は、エアロゾル発生物品を周囲温度から少なくとも摂氏80度に加熱するための加熱時間が、5秒未満または3秒未満であるように適合されてもよい。
【0010】
装置の発熱体および制御電子機器は、エアロゾル発生物品が、摂氏250度~摂氏400度、または摂氏300度~摂氏350度の温度に加熱されるように適合されてもよい。発熱体および制御電子機器は、エアロゾル発生物品を周囲温度から少なくとも摂氏300度に加熱するための加熱時間が、60秒未満または30秒未満であるように適合されてもよい。
【0011】
発熱体および制御電子機器は、発熱体の温度変化が少なくとも摂氏10度、または少なくとも摂氏20度である、一つのエアロゾル発生物品の消費中にいくつかの連続的な加熱サイクルで加熱するように適合されてもよい。
【0012】
ハウジング区画内の気体の温度変化に起因して、ハウジング区画内の圧力が上昇し得る。通気手段は、気体が封止されたハウジング区画から外部へと流れて、封止されたハウジング区画内の過度な圧力を防止することを可能にする。通気手段は、気体が外部から封止されたハウジング区画に流入して、冷却中またはエアロゾル発生中の低温度位相における陰圧の低周囲圧力を補償することを可能にするように適合され得る。
【0013】
通気手段は、気体に対して透過性であり、水に対して不透過性であってもよい。したがって、エアロゾル発生装置は、防水性であり得る。
【0014】
通気手段は、少なくとも5キロパスカル、好ましくは少なくとも10キロパスカル、特に約12キロパスカルの耐水圧を有してもよい。これにより、装置をさらに防水性とすることが可能である。
【0015】
通気手段は、7キロパスカルで、3000~7000ミリリットル/平方センチメートル・分、好ましくは、7キロパスカルで、5000~5200ミリリットル/平方センチメートル・分の通気能力を有してもよい。通気能力は、エアロゾル発生装置内の温度変化を迅速に補償することを可能にする。
【0016】
通気手段は、摂氏-40度~摂氏150度の温度範囲で動作可能であり得る。別の実施形態では、通気手段は、摂氏-20度~摂氏90度の温度範囲で動作可能であり得る。通気手段は、この温度範囲全体に対して前述の通気能力を有し得る。通気手段は、この温度範囲全体に対して前述の耐水圧を有し得る。
【0017】
通気手段は、膜を含み得る。膜は、気体が膜を通して流れ得るように適合され得る。膜の領域は、可能な気体流を画定し得る。膜は、液体、特に水が膜を通って流れないように適合され得る。
【0018】
通気手段は、延伸ポリテトラフルオロエチレンによる膜を含み得る。これにより、好ましい防水性の気体透過性膜の実装が可能になる。
【0019】
通気手段は、裏当て層に適用された延伸ポリテトラフルオロエチレンを含み得る。裏当て層は、気体透過性および水透過性の両方であってもよく、構造的安定性を提供し得る。
【0020】
通気手段は、疎水性膜および疎油性膜を含み得る。これにより、封止されたハウジング区画の内部を、水などの極性液体、および油などの非極性液体から保護することが可能になる。
【0021】
通気手段は、不活性かつ耐UV性の膜を含み得る。したがって、膜が環境からの潜在的反応性物質と接触するときの、膜の耐久性が改善され得る。
【0022】
膜は、少なくとも0.5平方ミリメートルの、少なくとも1平方ミリメートルの、または少なくとも2平方ミリメートルのサイズの中央開口部を有する担体基体に接続されてもよい。担体基体は、中央開口部を備えた平坦な長方形の形態のものであってもよい。別の方法として、担体基体は、中央開口部を備えた平坦な円形の形態のものであってもよい。
【0023】
担体基体により、膜の封止特性、および封止されたハウジング区画への膜の液密な接続が改善され得る。開口部のサイズは、膜の両側への所与の相対圧力での潜在的な気体流を決定付ける。
【0024】
担体基体は、膜をハウジング区画に接続する両面接着層であってもよい。したがって、封止および接続の二重機能が提供される。
【0025】
膜は、0.05~0.5ミリメートル、好ましくは0.1~0.2ミリメートル、特に約0.15ミリメートルの厚さを有してもよい。この厚さ範囲は、構造的な安定をもたらすが、十分な透過性の膜である。
【0026】
膜は、ハウジング区画の開口部上にオーバーラップして配設される。これにより、ハウジング区画の開口部を封止する一方で、膜を通した通気が可能になる。開口部は、ハウジング区画の壁の貫通孔であってもよい。
【0027】
通気手段は、ハウジング区画内の開口部、およびハウジング区画壁内に延びるチャネルを含み得る。ハウジング区画壁は、底部プレートによって形成されてもよい。チャネルの拡張方向は、ハウジング開口部の開口部方向とは異なる方向であってもよい。したがって、通気手段、特に通気手段の膜は、外部物体との接触から保護され得る。気体流は、液体の流れよりもこの幾何学的形状による制限を受ける可能性が低いため、流体の流れが改善され得る。チャネルおよび開口部の幾何学的形状は、水などの極性液体に関して特に好ましく、極性液体がその表面張力に起因して膜に達することが防止され得る。チャネルの拡張方向は、少なくとも45度、好ましくは少なくとも60度の角度で、特にハウジング開口部の開口部方向に対して垂直であってもよい。
【0028】
ハウジング開口部は、チャネルの断面積よりも大きな断面積を有してもよい。したがって、膜が内部に配設されているにもかかわらず、ハウジングの開口部を通して十分に大きな流れが得られ得る。
【0029】
チャネルは、0.5平方ミリメートル~2平方ミリメートルの断面積を有してもよい。これにより、十分な気体流が提供されるが、液体がチャネル内に入ることは困難である。
【0030】
チャネルは、ハウジング区画壁内に延びる陥凹部であってもよい。したがって、気体は、その長さ拡張の任意の点においてチャネルから流出し得る。別の方法として、チャネルは、流れ方向に沿ってすべての側上に壁を備えた閉じたチャネルであってもよい。
【0031】
チャネルは、通気手段をハウジング区画壁の陥凹領域に接続し得る。陥凹領域は、チャネルよりも外部に向かって大きな開口部を有し、気体流出を促進してもよい。
【0032】
底部プレートは、ねじによって固定されてもよい。通気手段をねじの近くに配設することにより、通常の取り扱い中に、特にねじの張力に起因して変形する可能性が低い、エアロゾル発生装置の領域内に通気手段を提供することが可能になる。したがって、エアロゾル発生装置、遮断チャネル、または通気手段の開口部の一部の意図しない相対的な移動が生じる可能性は低い。
【0033】
ねじヘッドは、陥凹領域内に配設されてもよい。したがって、ねじヘッドを収容するのに必要な陥凹部は、気体流を通気するために二重機能を提供し得る。
【0034】
電気コネクターは、陥凹領域内に配設されてもよい。したがって、電気コネクター開口部は、通気のために使用され得る。
【0035】
カバーパネルは、通気手段の外部に配設されてもよく、通気手段が、カバープレートから0.3ミリメートル~1ミリメートルの距離に配設されるように、カバーパネルと通気手段との間にギャップが提供される。したがって、カバーパネルと通気手段との間の気体流を通気することが可能である。さらに、通気手段は、機械的損傷から保護され得る。
【0036】
底部プレートは、横断方向に突出側壁を含み得る。カバーパネルは、突出側壁の内部に固定されてもよい。カバーパネルは、底部プレートにクリップ留めされてもよく、または接着剤によって固定されてもよい。
【0037】
封止されたハウジング区画は、電子構成要素を含み得る。封止されたハウジング区画は、電子構成要素が液体によって損傷されることから保護し得る。
【0038】
封止されたハウジング区画は、封止されたハウジング区画内の制御電子機器と相互作用するように適合されたボタンを含み、ボタンの動きにより、封止されたハウジング区画内の内部容積が変化する。ハウジング区画は封止されているため、温度変化によりハウジング区画内部の圧力が変化し、これにより、ボタンの位置または応力が変化し得る。通気手段により、封止されたハウジング区画内部の圧力が、発熱体による加熱中であっても大幅には変化することなく、ボタンが、任意の時点で同じ触覚特性で動作し得ることが確保される。ボタンは、弾性材料でオーバーモールドされて、ハウジング区画の封止を可能にしてもよい。ボタンは、両面接着テープで取り付けられて、ハウジング区画の封止を可能にしてもよい。
【0039】
通気手段は、ハウジング区画壁の外側に、特に底部プレートの形態で配設された膜を含み得る。
【0040】
通気手段は、ハウジング区画壁の内側に、特に底部プレートの形態で配設された膜を含んでもよい。
【0041】
膜は、ハウジング区画壁の陥凹部に配設されてもよい。これにより膜の保護が可能になる。膜は、圧力に起因して変形する場合がある。
【0042】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。また、エアロゾル発生システムはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える。本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された時に、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
【0043】
エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを備えてもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有してもよい。随意に、たばこプラグはまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルを包含してもよい。こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0044】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5パーセントより大きいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよく、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の固有の結合剤(すなわち、たばこ内因性結合剤)、または一つ以上の外来性結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
【0045】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0046】
エアロゾル発生物品は、たばこプラグの下流に位置付けられたマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
【0047】
たばこプラグは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。たばこプラグは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0048】
たばこプラグの直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0049】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0050】
本発明の第三の態様によると、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にエアロゾル発生物品を挿入する工程と、エアロゾル発生物品を加熱してエアロゾルを発生し、加熱された気体がエアロゾル発生装置の封止されたハウジング区画から通気手段を通して外部に流れることを可能にする工程とを含む、エアロゾル発生システムを動作させるための方法が提供される。したがって、加熱にもかかわらず、封止されたハウジング区画内部の圧力は大幅には変化しない。封止されたハウジング区画の内部は、加熱にもかかわらず、実質的に周囲圧力にある。
【0051】
水が、外部から、通気手段を通してハウジング区画に流入することが防止され得る。したがって、封止されたハウジング区画内部の制御電子機器が保護される。
【0052】
通気気体は、ねじヘッドのための陥凹部を通って流れ得る。したがって、ねじヘッド陥凹部の壁とねじヘッドとの間の体積は、通気チャネルまたは出口として使用され得る。
【0053】
通気気体は、電気コネクター開口部を通って流れてもよい。したがって、電気コネクター開口部は、通気出口として使用され得る。
【0054】
通気気体は、カバーパネル下を流れ得る。したがって、通気手段が保護され得る。加熱気体の流れは、カバーパネル内またはカバーパネルの一つまたはいくつかの出口に分配され得る。
【0055】
本発明の第四の態様によると、エアロゾル発生物品を受容する加熱チャンバー内で生成される熱に起因する気体の熱膨張を補償するための、エアロゾル発生装置内の通気膜の使用が提供される。したがって、内部の気体の熱膨張に起因するエアロゾル発生装置内の圧力の上昇を防止することが可能である。
【0056】
本発明の第一の態様による装置は、本発明のその実施形態のいずれかの第三の態様の方法に従って使用され得る。本発明の第三の態様による方法は、本発明のその実施形態のいずれかの第一の態様による装置、または本発明のその実施形態のいずれかの第二の態様によるシステムを使用して行われ得る。本発明の第四の態様による通気膜の使用は、本発明のその実施形態のいずれかの第一の態様による装置で、本発明のその実施形態のいずれかの第三の態様による方法からの方法工程を使用して行われ得る。
【0057】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生装置を通した断面を示す。
【
図3】
図3は、
図1のエアロゾル発生装置の下部からの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、カバーパネルが無い、
図1のエアロゾル発生装置の下部からの部分斜視図を示す。
【
図5】
図5は、
図1のエアロゾル発生装置の下側領域の部分断面図を示す。
【
図6】
図6は、内側ホルダーが取り外された、
図1のエアロゾル発生装置の下側領域の部分断面図を示す。
【
図7】
図7は、
図1のエアロゾル発生装置の下側領域の部分断面図を示す。
【
図8】
図8は、カバーパネルが無い、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置の下部からの部分斜視図を示す。
【
図9】
図9は、第二の実施形態における底部プレートの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0060】
実施例1:
エアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生物品を受容するように適合された加熱チャンバーと、発熱体と、封止されたハウジング区画と、封止されたハウジング区画からエアロゾル発生装置の外部へと気体が流れることを可能にして、発熱体の加熱動作に起因するハウジング区画内部の気体の熱膨張を補償するように適合された通気手段と、を備える、エアロゾル発生装置。
実施例2:通気手段が、気体に対して透過性であり、水に対して不透過性である、実施例1によるエアロゾル発生装置。
実施例3:通気手段が、少なくとも5キロパスカルの、好ましくは少なくとも10キロパスカルの、特に約12キロパスカルの耐水圧を有する、実施例1または2によるエアロゾル発生装置。
実施例4:
通気手段が、7キロパスカルで、3000~7000ミリリットル/平方センチメートル・分、好ましくは、7キロパスカルで、5000~5200ミリリットル/平方センチメートル・分の通気能力を有する、実施例1~3のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例5:
通気手段が、摂氏-40度~摂氏150度の温度範囲で動作する、実施例1~4のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例6:
通気手段が、膜を含む、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例7:
通気手段が、延伸ポリテトラフルオロエチレンによる膜を含む、実施例1~6のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例8:
通気手段が、裏当て層に適用された延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例1~7のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例9:
通気手段が、疎水性膜および疎油性膜を含む、実施例1~8のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例10:
通気手段が、不活性かつ耐UV性の膜を含む、実施例1~9のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例11:
通気手段が膜を含み、膜が、少なくとも0.5平方ミリメートルの、少なくとも1平方ミリメートルの、または少なくとも2平方ミリメートルのサイズの中央開口部を有する担体基体に接続される、実施例1~10のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例12:
担体基体が、膜をハウジング区画に接続する、両面接着層である、実施例11によるエアロゾル発生装置。
実施例13:
膜が、0.05~0.5ミリリットルの、好ましくは0.1~0.2ミリメートルの、特に約0.15ミリメートルの厚さを有する、実施例6~12のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例14:
膜が、ハウジング区画の開口部上にオーバーラップして配設される、実施例6~13のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例15:
通気手段が、ハウジング区画内のハウジング開口部、およびハウジング区画壁内に延びるチャネルを含み、チャネルの拡張方向が、ハウジング開口部の開口部方向とは異なる方向である、実施例1~14のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例16:
ハウジング開口部が、チャネルの断面積よりも大きな断面積を有する、実施例15によるエアロゾル発生装置。
実施例17:
チャネルが、0.5平方ミリメートル~2平方ミリメートルの断面積を有する、実施例15または16によるエアロゾル発生装置。
実施例18:
チャネルが、ハウジング区画壁内に延びる陥凹部である、実施例15~17のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例19:
チャネルが、通気手段をハウジング区画壁の陥凹領域に接続する、実施例15~18のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例20:
ねじヘッドが、陥凹領域内に配設される、実施例19によるエアロゾル発生装置。
実施例21:
電気コネクターが、陥凹領域内に配設される、実施例19または20によるエアロゾル発生装置。
実施例22:
カバーパネルが、通気手段の外部に配設され、通気手段が、カバーパネルの0.3ミリメートル~1ミリメートルの距離に配設されるように、カバーパネルと通気手段との間にギャップが提供される、実施例1~21のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例23:
封止されたハウジング区画が、電子構成要素を含む、実施例1~22のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例24:
封止されたハウジング区画が、封止された区画内の制御電子機器と相互作用するように適合されたボタンを含み、ボタンの動きにより、封止されたハウジング区画の内部容積が変化する、実施例1~23のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例25:
通気手段が、ハウジング区画壁の外側に配設される膜を含む、実施例1~24のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例26:
通気手段が、ハウジング区画壁の内側に配設される膜を含む、実施例1~25のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例27:
膜が、ハウジング区画壁の陥凹部内に配設される、実施例25または26によるエアロゾル発生装置。
実施例28:
エアロゾル発生システムを動作させるための方法であって、
-エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にエアロゾル発生物品を挿入する工程と、
-エアロゾル発生物品を加熱してエアロゾルを発生させる工程と、
-加熱された気体が、エアロゾル発生装置の封止されたハウジング区画から、通気手段を通して外部に流れることを可能にする工程と、を含む、方法。
実施例29:
水が、通気手段を通して外部から、ハウジング区画に流入することを防止する工程をさらに含む、実施例28による方法。
実施例30:
通気気体が、ねじヘッドのための陥凹部を通して流れる、実施例28または29による方法。
実施例31:
通気気体が、電気コネクター開口部を通して流れる、実施例28~30のいずれか一つによる方法。
実施例32:
通気気体が、カバーパネル下を流れる、実施例28~31のいずれか一つによる方法。
実施例33:
エアロゾル発生物品を受容する加熱チャンバー内で生成される熱に起因する気体の熱膨張を補償するための、エアロゾル発生装置内の通気膜の使用。
実施例34:
先行する実施例1~26のいずれか一つによるエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生物品とを備え、エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生システム。
【0061】
本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置1が、
図1に直立方向で示される。エアロゾル発生装置1は、ハウジング2と、ハウジング2上に横断方向100にスライド可能に配設されたカバー要素3とを備える。ハウジング2は、主に長軸方向の高さ方向200に延び、幅方向300にその相対的に最小の拡張を有する。カバー要素3は、
図1および2では、加熱チャンバー4の開口を覆う閉位置で示される。
【0062】
カバー要素3が開位置にある場合、加熱チャンバー4は、ロッド状のエアロゾル発生物品を受容し、発熱体5によってエアロゾル発生物品を加熱するように適合される。発熱体5は、サセプタを加熱するように適合された誘導コイルモジュールであり、ロッド状のエアロゾル発生物品の一部であり得る。発熱体5、制御電子機器6および電池7は、ハウジング2のハウジング区画8内に配設される。
【0063】
ハウジング区画8は、水または埃がハウジング区画8に入ることを防止するように封止される。ハウジング区画8は、オーバーモールドされて封止される、ボタン9を含み得る。
【0064】
エアロゾル発生物品が加熱されると、エアロゾルが発生され、エアロゾルは、加熱チャンバーから突出するロッド状の口側端で、紙巻たばこと同様に消費され得る。有益な消費者体験のためには、十分かつ迅速なエアロゾル送達が望ましい。これは、エアロゾル発生物品の十分かつ迅速な加熱を必要とする。したがって、エアロゾル発生物品の加熱は、比較的高い電力で行われる。これは、エアロゾル発生物品だけでなく、発熱体5および制御電子機器6および電池7も、ハウジング区画8内部で熱を発生し、気体、すなわち空気を加熱することを意味する。
【0065】
エアロゾル発生の間、ハウジング区画8内部で気体が加熱され、急速に膨張する。これにより、封止されたハウジング区画8内部の圧力が増大し、またこの圧力がボタン9の内部に対して作用して、ボタン9の外観またはユーザーの起動体験を変化させる。
【0066】
ハウジング区画8内部のこうした圧力の増大を回避するために、通気手段10が、エアロゾル発生装置1の下側領域に提供される。通気手段10は、電気コネクター開口部11の横に提供される。
【0067】
通気手段10は、ハウジング区画8の底部プレート12に少なくとも部分的に配設される。底部プレート12は、ねじ13によって接続されて、ハウジング区画8を閉じる。カバーパネル14は、底部プレートに接続され、ねじ13を覆う。底部プレート12とカバーパネル14との間にギャップ15が提供される。ギャップ15は、底部プレート12とカバーパネル14との間に気体が流れることを可能にする。底部プレート12は、
図4に見られるように突出側壁16を含む。カバーパネル14は、接着剤によって突出側壁16に接続される。
【0068】
図3では、USB-Cコネクターなどの電気コネクターが電気コネクター開口部11に提供される。通気手段10のチャネル17は、電気コネクター開口部11に対して開放している。チャネル17は、気体が通気手段10を通って流れることを可能にする。
【0069】
図4では、チャネル17が完全に見えるように、カバーパネル14が取り外されている。チャネル17は、底部プレート12の開口部18につながる。
【0070】
チャネル17は幅方向300に延び、開口部18は横断方向100に延びる。底部プレート12の一定の壁厚を可能にするために、陥凹領域19が、通気手段10の開口部18およびチャネル17の横に底部プレート12に提供されている。これにより、射出成形による底部プレートの製造が容易になり、有益なチャネル17および開口部18の幾何学的形状が可能となる。
【0071】
図5に示すように、任意のスペーサー20が、底部プレート12の内部に配設される。スペーサー20は、弾性であってもよい。底部プレート12は、スペーサー20の陥凹部22に係合する突出部21を含む。スペーサー20は、ホルダー23および底部プレート12の両方の間に、それらと接触して配設される。特に、ホルダー23は、電池ホルダー24の一部であってもよく、または電池ホルダー24に接続されてもよい。スペーサー20は、中央スペーサー開口部25を有し、ホルダー23は、中央ホルダー開口部26を有する。スペーサー開口部25およびホルダー開口部26は、横断方向に延び、実質的に整列している。ホルダー23とスペーサー20との間には、膜が開口部25、26を覆うように膜27が配設されている。膜27は、担体基体28に接続され得る。担体基体28は、両面接着テープであってもよい。担体基体28は、膜27をホルダー23に接続し得る。担体基体28は、スペーサー20およびホルダー23の開口部25および26と実質的に整列した中央開口部29を有する。膜27は、気体の流れを可能にするが、液体の流れは防止する。
【0072】
図8では、本発明によるエアロゾル発生装置1の第二の実施形態が示される。図示の目的で、第一の実施形態の底部プレート12に対応する底部プレート12は取り外されている。通気手段30は、ねじ13のヘッド32のための陥凹部31と電気コネクター開口部11との間に配設される。通気手段30は、電気コネクター開口部11につながる第一のチャネル33を含む。通気手段30は、ねじ陥凹部31につながる第二のチャネル34を含む。したがって、通気中、ハウジング区画8の内部からの空気は、チャネル33、34を通って電気コネクター開口部11およびねじ陥凹部31に、その後外部へと流れ得る。通気手段30は、気体に対して透過性であるが液体に対しては透過性ではない膜35を含む。膜35は、膜35を底部プレート12に接続する両面接着テープの形態であり得る担体基体36上に配設される。第二の実施形態では、膜35は、底部プレート12の外側に配設され、第一の実施形態では、膜は、ボタンプレート12の内側に配設される。
【0073】
第二の実施形態の底部プレート12を分離して
図9に示す。膜35を受容するための陥凹部37および担体基体36が提供される。膜35は、陥凹部37内の中央に提供される開口部38を覆う。
【0074】
本発明による方法の一実施形態では、エアロゾル発生ロッドが加熱チャンバー4の中に挿入されて内部で加熱される。エアロゾル発生装置1のハウジング区画8内部で気体が加熱され、したがって、気体の熱膨張を通して圧力が増大する。通気手段10または30が提供されるため、気体は、第一の実施形態では膜35およびチャネル17を通り、第二の実施形態では膜35およびチャネル33および34を通り、次いで外部へと流れる。したがって、熱により発生した圧力差を補償するために、気体がハウジング区画8を出入りし得る。しかしながら、チャネル17、33、34および通気手段10、30の開口部18、28の配設により、および膜27、25によって、装置内の水または埃の取り込みが防止され得る。
【0075】
チャネル17、33、34は、底部プレート12内の陥凹部の形態であってもよく、カバーパネル14によって閉じられたときに管状チャネルを形成する。好ましくは、カバーパネルは、カバーパネル14と通気手段10、30との間にギャップが設けられるように、通気膜から一定の距離に配設される。
【0076】
通気手段10は、エアロゾル発生装置1の横断方向100に沿って中間に位置し得る。底部プレート12の開口部18、28は、貫通孔の形態であってもよい。底部プレート12とカバーパネル14との間のギャップ15は、圧力に起因する膜35の潜在的な変形を予期した高さを有する。ねじ陥凹部31内の通気空気は、カバーパネル14と底部プレート12の側壁16との間の流路に沿って外部に漏れる場合がある。
【0077】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±10%のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】