(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-08
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240301BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/315 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557717
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022018596
(87)【国際公開番号】W WO2022203830
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンゼン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】アイラーツェン,ラーシュ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066FF05
4C066HH12
4C066HH17
(57)【要約】
薬物送達デバイスは、長手方向軸線を画定し、開口部を有するハウジングと;バレルと、ストッパと、送達部材とを含み、ストッパは、バレル内に移動可能に配置されており、送達部材は、バレルの遠位端に配置されており、送達状態の最中に、開口部を通って少なくとも部分的に延びるように構成された挿入端を有する薬物保存容器とを含み得る。デバイスはまた、ストッパに係合し、送達部材を通して薬物保存容器から薬物を排出するために、薬物保存容器の遠位端に向かって移動可能なプランジャであって、プランジャは、本体部分及び衝撃吸収部分を含む、プランジャを含み得る。デバイスは、プランジャと結合され、プランジャを薬物保存容器の遠位端に向かって付勢するように構成されたプランジャ付勢部材を更に含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線を画定し、開口部を有するハウジングと、
バレルと、ストッパと、送達部材とを含み、前記ストッパは、前記バレル内に移動可能に配置されており、前記送達部材は、前記バレルの遠位端に配置されており、送達状態の最中に、前記開口部を通って少なくとも部分的に延びるように構成された挿入端を有する薬物保存容器と、
前記ストッパに係合し、前記送達部材を通して前記薬物保存容器から薬物を排出するために、前記薬物保存容器の前記遠位端に向かって移動可能なプランジャであって、前記プランジャは、本体部分及び衝撃吸収部分を含む、プランジャと、
前記プランジャと結合され、前記プランジャを前記薬物保存容器の前記遠位端に向かって付勢するように構成されたプランジャ付勢部材と、
を備える、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記衝撃吸収部分は、折り畳み可能部分を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記折り畳み可能部分は、少なくとも1つの折り畳み可能な脚部を含む、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記折り畳み可能部分は、少なくとも2つの折り畳み可能な脚部を含む、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記折り畳み可能部分は、少なくとも4つの折り畳み可能な脚部を含む、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記衝撃吸収部分は、前記折り畳み可能部分と結合された足部を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記足部は、前記ストッパに係合するように構成された前記プランジャの遠位端を画定し、前記折り畳み可能部分は、前記足部と前記プランジャ本体部分との間に配置されており、前記足部と前記プランジャ本体部分とを動作的に結合している、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記衝撃吸収部分は、前記足部と前記プランジャ本体部分との間に第1の距離を画定する伸長位置と、前記足部と前記プランジャ本体との間に第2の距離を画定する折り畳み位置とを有し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、請求項7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記衝撃吸収部分は、前記折り畳み位置を画定するハードストップを含む、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記ハードストップは、前記長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる突起の対を含む、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記ハードストップは、それぞれが前記長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる2対の突起を含む、請求項10に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記本体部分は、中空管状形状を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記本体部分は、非金属材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記衝撃吸収部分は、前記非金属材料によって画定される、請求項13に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記非金属材料は、熱可塑性材料である、請求項13又は14に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
薬物送達デバイスで使用するように構成されたプランジャであって、
近位端と遠位端とを有する本体部分と、
前記本体部分の前記遠位端に隣接して配置された衝撃吸収部分であって、前記衝撃吸収部分は、少なくとも1つの折り畳み可能な脚部を含む、衝撃吸収部分と、
を備える、プランジャ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの折り畳み可能な脚部は、少なくとも2つの折り畳み可能な脚部を含む、請求項16に記載のプランジャ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの折り畳み可能な脚部は、少なくとも4つの折り畳み可能な脚部を含む、請求項16に記載のプランジャ。
【請求項19】
前記衝撃吸収部分は、前記少なくとも1つの折り畳み可能な脚部と結合された足部を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項20】
前記足部は、前記本体部分の前記遠位端に配置されており、前記少なくとも1つの折り畳み可能な脚部は、前記足部と前記本体部分の残りの部分との間に配置されており、前記足部と前記本体部分の残りの部分とを動作的に結合している、請求項19に記載のプランジャ。
【請求項21】
前記衝撃吸収部分は、前記足部と前記本体部分の前記残りの部分との間に第1の距離を画定する伸長位置と、前記足部と前記本体部分の前記残りの部分との間に第2の距離を画定する折り畳み位置とを有し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、請求項20に記載のプランジャ。
【請求項22】
前記衝撃吸収部分は、前記折り畳み位置を画定するハードストップを含む、請求項21に記載のプランジャ。
【請求項23】
前記ハードストップは、前記長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる突起の対を含む、請求項22に記載のプランジャ。
【請求項24】
前記ハードストップは、それぞれが前記長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる2対の突起を含む、請求項23に記載のプランジャ。
【請求項25】
前記本体部分は、中空管状形状を有する、請求項16~24のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項26】
前記本体部分は、非金属材料を含む、請求項16~25のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項27】
前記衝撃吸収部分は、前記非金属材料によって画定される、請求項26に記載のプランジャ。
【請求項28】
前記非金属材料は、熱可塑性材料である、請求項26又は27に記載のプランジャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年3月25日出願の米国仮特許出願第63/166,080号明細書の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、薬物送達デバイスに関し、より具体的には、薬物を患者に注入するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
露出した針に対する一般的な嫌悪感、更には健康及び安全上の問題から、使用前に針又はその他の挿入部材を隠し、注入プロセスの様々な態様を自動化する薬物送達デバイスの開発に至っている。そのようなデバイスは、例えば、従来のシリンジを介した送達を含む従来の形態の薬物送達と比較して様々な利点を提供する。
【0004】
多くのインジェクタシステムでは、コイル及び他のばね構造を使用して、針挿入及び/又は流体送達などの機能のための作動エネルギーを供給する。ばねの使用は、簡単さ及び低コストという利点を提供することができるが、特定の制約を有する可能性がある。例えば、力とばねアクチュエータの変位との間には線形関係がある。薬物送達を開始する際、プランジャ行程の最後に薬物送達に十分なエネルギーを供給するために、過剰量のエネルギーがシステムに入力される場合がある。別の例として、より粘度の高い薬物がオートインジェクタにより送達される際、必要となるばね力は増大するものと思われる。ばね定数が高いばねほど薬物製品及び一次容器に伝える力が大きくなる可能性がある。ばねの線径、ばねの中心径、ばねの巻数、及びばねの材料などのばねの様々な物理的特性が、ばね定数、ゆえに、ばね力に影響を及ぼし得る。しかしながら、ばね力が増大するにつれて、他の構成要素が損傷及び/又は破損する可能性が高まる可能性がある。したがって、柔軟なばね設計を可能にする及び/又は残りのデバイス構成要素と異なる物理特性を持つばねの使用を容易にするデバイス構成要素を含むことが望ましい及び/又は有利な場合がある。
【0005】
本開示は、既存の薬物送達デバイスに対する有利な代替案を具体化し、本明細書で述べる課題又は必要性のうちの1つ以上に対処し得る、薬物送達デバイスについて記述する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、長手方向軸線を画定し、開口部を有するハウジングと;バレルと、ストッパと、送達部材とを含み、ストッパは、バレル内に移動可能に配置されており、送達部材は、バレルの遠位端に配置されており、送達状態の最中に、開口部を通って少なくとも部分的に延びるように構成された挿入端を有する薬物保存容器とを有する薬物送達デバイスを提供する。デバイスはまた、ストッパに係合し、送達部材を通して薬物保存容器から薬物を排出するために、薬物保存容器の遠位端に向かって移動可能なプランジャであって、プランジャは、本体部分及び衝撃吸収部分を含む、プランジャを含み得る。デバイスは、プランジャと結合され、プランジャを薬物保存容器の遠位端に向かって付勢するように構成されたプランジャ付勢部材を更に含み得る。
【0007】
衝撃吸収部分は、折り畳み可能部分を含み得、折り畳み可能部分は、少なくとも1つの折り畳み可能な脚部、少なくとも2つの折り畳み可能な脚部、又は少なくとも4つの折り畳み可能な脚部を含み得る。
【0008】
衝撃吸収部分は、折り畳み可能部分と結合された足部部分を含み得る。足部は、ストッパに係合するように構成されたプランジャの遠位端を画定し得、折り畳み可能部分は、足部とプランジャ本体部分との間に配置されており、足部とプランジャ本体部分とを動作的に結合している。
【0009】
衝撃吸収部分は、足部とプランジャ本体部分との間に第1の距離を画定する伸長位置と、足部とプランジャ本体との間に第2の距離を画定する折り畳み位置とを有し得、第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【0010】
衝撃吸収部分は、折り畳み位置を画定するハードストップを含み得る。ハードストップは、長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる突起の対を含み得る。ハードストップは、それぞれが長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる2対の突起を含み得る。
【0011】
プランジャの本体部分は、中空管状形状を有し得る。本体部分は、熱可塑性材料などの非金属材料を含み得る。
【0012】
本開示の別の態様は、薬物送達デバイスで使用するように構成されたプランジャを提供する。プランジャは、近位端と遠位端とを有する本体部分と、本体部分の遠位端に隣接して配置された衝撃吸収部分であって、衝撃吸収部分は、少なくとも1つの折り畳み可能な脚部を含む、衝撃吸収部分とを含み得る。
【0013】
本開示は、以下の説明を付属の図面と併せて解釈することで、より完全に理解されるものと考えられる。図面の一部は、他の要素をより明確に示す目的で、選択された要素の省略により簡略化されている場合がある。いくつかの図面における要素のそのような省略は、対応して記述された説明において明示的に指示されている場合を除き、例示的な複数の実施形態のいずれにおいても特定の要素の有無を示すわけではない。また、いずれの図面も必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】様々な実施形態による例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図3】
図2の図と類似しているが、プランジャロッドの遠位端及びストッパを示すデバイスの一部分に焦点を当てている、
図1の薬物送達デバイスの断面図である。
【
図4】プランジャロッドが伸長構成にある、様々な実施形態によるプランジャロッドの別の実施形態の遠位部の正面図である。
【
図5】プランジャロッドが折り畳み構成にある、
図3に示すプランジャロッドの遠位部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、概して、使用者が薬物を投与するために、又は患者が使用者である場合には薬物を自己投与するために操作可能な薬物送達デバイスに関する。オートインジェクタ、オンボディ型インジェクタ、又はその他の自動若しくは一部自動薬物送達デバイス(集合的に、オートインジェクタ(autoinjector)又はオートインジェクタ(auto-injector))に用いられるものなどの、薬物送達の特定の態様を簡素化、簡略化、自動化及び/又は容易にするための様々な特徴が開示される。例えば、これらの特徴には、特徴の中でもとりわけ、送達前及び/又は送達後の状態において針を自動的に覆うこと、針及び/又はカニューレを使用者の体内に自動的に挿入すること、駆動機構を自動的に起動すること、薬物送達が完了したことを使用者に自動的に示すことが含まれ得る。既知の薬物送達デバイスは、その自動化特徴のそれぞれを実現するために別個の又は単独で作動可能な機構を組み込むが、本開示は、これら特徴の少なくともいくつかを排除すること及び/若しくは組み合わせること並びに/又は柔軟なデバイス設計を可能にするデバイス構成要素を提供することを含む。例えば、デバイスは、柔軟なばね設計を可能にする及び/又は残りのデバイス構成要素と異なる物理特性を持つばねの使用を容易にする構成要素を含み得る。別の例として、デバイスは、部品点数、部品の複雑さ、デバイスの総重量、及び/又はデバイスの全体的な複雑さを低減する構成要素を含み得る。例えば、本開示は、送達部材を通して薬物保存容器から薬物を排出するために、薬物保存容器の遠位端に向かって移動可能なプランジャであって、プランジャは、本体部分及び衝撃吸収部分を含む、プランジャを含み得る。本開示はまた、プランジャ付勢部材を含み得、プランジャ付勢部材は、プランジャを薬物保存容器の遠位端に向かって付勢するように構成されている。
【0016】
図1~
図3は、本明細書においては薬剤又は薬物製品とも呼ばれ得る薬物を送達するための薬物送達デバイス10の実施形態のいくつかの図を示す。薬物は、ペプチド、ペプチボディ、又は抗体などの様々な生物学的製剤であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、流体又は液体形態であってもよいが、本開示は特定の状態に限定されない。
【0017】
薬物送達デバイス10の様々な実現形態及び構成が可能である。薬物送達デバイス10の本実施形態は、単回使用の使い捨てインジェクタとして構成されている。他の実施形態では、薬物送達デバイス10は、複数回使用の再利用可能インジェクタとして構成されてもよい。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために操作可能である。図示の例示的な薬物送達デバイスは、オートインジェクタ又はペン型インジェクタの形態をとることができ、したがって、薬物送達の継続時間にわたり使用者の手で把持され得るが、また又は代替的に、他の薬物送達デバイス及び/又は構成に適している場合がある。
【0018】
薬物送達デバイス10に含まれる様々な構成要素の構成は、薬物送達デバイス10の動作状態に依存する場合がある。薬物送達デバイス10は、送達前即ち保管状態、送達即ち投与状態、及び送達後状態を有し得るが、より少ない又はより多くの状態も可能である。例えば、各状態は、いくつかの下位状態又は段階を有してもよい。送達前状態は、組み立て後及び使用者による起動前の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。いくつかの実施形態では、送達前状態は、薬物送達デバイス10が製造施設を離れた時と、患者又は使用者が薬物送達デバイス10の駆動機構30を起動させる時との間の時間内に存在し得る。これには、使用者が任意の二次パッケージから薬物送達デバイス10を取り出した後の瞬間、及び薬物送達デバイス10を注入部位に対して位置決めする前の瞬間を含む。送達状態は、本明細書では投与とも称される薬物送達が進行している間の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。送達後状態は、薬物送達の完了後及び/又はストッパが薬物保存容器内の投与終了位置に配置された時の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。
【0019】
図1及び
図2に示すように、薬物送達デバイス10は、外側ケーシング又はハウジング12を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、人がインジェクタ10を片手で把持できるようなサイズ及び寸法にされてもよい。ハウジング12は、円筒形などの略細長形状を有してもよく、近位端と遠位端との間に長手方向軸線Aに沿って延び得る。送達部材16の挿入端28がハウジング12の外側に延びることを可能にするために、開口部14が遠位端に形成され得る。ハウジング12の壁に透明又は半透明の検査窓17を配置して、使用者が、薬物保存容器20を含む、薬物送達デバイス10内の構成要素を見ることを可能にしてもよい。窓17を通して薬物保存容器20を視認することにより、使用者が、薬物送達が進行中であること及び/又は完了したことを確認することを可能にできる。取り外し可能なキャップ19が、薬物送達デバイス10の使用前に開口部14を覆っていてもよく、いくつかの実施形態では、送達部材16の挿入端28に取り付けられた滅菌バリア21(例えば、剛性針シールド(RNS)、非剛性針シールド(nRNS)など)の除去を支援するように構成されたグリッパ13を含んでもよい。グリッパ13は、1つ以上の内向きに突出したバーブ又はアームを含んでもよく、1つ以上の内向きに突出したバーブ又はアームは、滅菌バリア21に摩擦的に又はそうでなければ機械的に係合し、使用者が取り外し可能なキャップ19をハウジング12から分離するときに、滅菌バリア21を取り外し可能なキャップ19とともに引っ張る。したがって、取り外し可能なキャップ19を取り外すことは、送達部材16から滅菌バリア21を除去する効果を有する。
図1に示すように、取り外し可能なキャップ19及び/又はハウジング12は、取り外し可能なキャップ19の回転運動を取り外し可能なキャップ19の長手方向の運動に変換し、それによってキャップの取り外しを容易にするように構成されたキャップカム機能部19cなどのキャップカム機能部及びハウジングカム機能部12aを含み得る。より具体的な例として、取り外し可能なキャップ19の回転時に、カム機能部12a、19cの相対運動により、取り外し可能なキャップ19が長手方向軸線Aに沿って遠位方向(
図2では下方)に付勢される。
【0020】
図2に示すように、駆動機構30は、部分的に又は全体的にハウジング12内に配置され得る。一般に、駆動機構30は、エネルギーを貯蔵し、使用者による駆動機構30の起動時に又は使用者による駆動機構30の起動に応答して、そのエネルギーを放出又は出力し、プランジャ26を駆動して、薬物保存容器20から送達部材16を通して患者に薬物22を排出するように構成され得る。本実施形態では、駆動機構30は、機械的位置エネルギーを貯蔵するように構成されているが、駆動機構30の代替的実施形態は、異なる形態で、例えば駆動機構30が電気的又は化学的ポテンシャルエネルギーを貯蔵するように、構成されてもよい。一般に、駆動機構30の起動時、駆動機構30は、位置エネルギーを、プランジャ26を移動させるための運動エネルギーに変換することができる。
図2に最も良く示されるように、一実施形態では、駆動機構30は、プランジャ付勢部材50と、プランジャ付勢部材50を支持するための中空ロッド46と、プランジャ付勢部材シート38と、リリーサ部材52と、プランジャガイド60と、エクステンダ付勢部材35と、ガード拡張部37とを含む。プランジャ付勢部材50は、最初に付勢状態に保持されている圧縮ばね(例えば、圧縮コイルばね)を含んでもよい。付勢状態において、プランジャ付勢部材50は、その軸方向長さが自然又は消勢状態にある際よりも短くなるように圧縮され得る。解放されると、プランジャ付勢部材50は、その自然の軸方向長さに拡張しようとし、その結果、付勢力を作用し、プランジャ26を遠位方向に押すことができる。プランジャ26はまた、プランジャ26の近位端を画定するトップリング45を含み得る。トップリング45は、トップリング45の中央部から半径方向外向きに延びて、プランジャのロック構成及び解放形態を容易にする1つ以上のフランジ又は突出部を含み得る。
【0021】
図1~
図2に最も良く示されるように、一実施形態において、デバイス10は、ハウジング12を含み、ハウジング12は、2つの別個の、相互接続された構造体、即ち、薬物送達デバイス10の近位端にある後端キャップ23(例えば後部カバー)と、薬物送達デバイス10の長さに沿った実質的に全体に延び、開口部14を画定する管状ハウジング25とを含み得る。
図2に示されるハウジング12はまた、ガード部材32を含み、ガード部材32は、送達部材16を取り囲み、意図しない若しくは早期の針刺しの可能性から保護する、又はそのような針刺しの可能性を低下させる。追加的に又は代替的に、ハウジング12は、より少ない又はより多くの構成要素、例えば、前部部分と後部部分とを有する2部品管状ハウジングを含んでもよい。管状ハウジング25は、中空且つ略円筒状又は管状の形状を有してもよく、後端キャップ23は、開放端と閉鎖端とを有する略半球形又は中空円筒形を有してもよい。いくつかの実施形態では、後端キャップ23及び管状ハウジング25並びにその中に配置される任意の構成要素は組み合わせられ、駆動機構30などの異なるサブアセンブリを画定し得る。いくつかの実施形態では、異なるサブアセンブリは、互いに独立して組み立てられ、その後、互いに、及び薬物保存容器20と組み合わせられ、完全に組み立てられた薬物送達デバイス10を形成する。そのような特定の実施形態では、前述の組み立て段階のいくつか又は全ては、異なる製造施設又は環境で行われてもよい。別の実施形態では、ハウジング12は、後部キャップと管状ハウジングとを単一構成要素に一体化する単一のモノリシック構造体によってハウジング12が画定されるように、1つの部品で組み立てられてもよい。
【0022】
薬物保存容器20は、ハウジング12の内部空間内に配置され、薬物22を収容するように構成されている。薬物保存容器20は、例えば製造業者により、予め充填され、薬物保存容器20が薬物送達デバイス10の残りの部分と組み合わせられる場所に発送されてもよい。例えば、薬物22は、プレフィルドシリンジ又はプレフィルドシリンジを含むオートインジェクタなどとして、1つより多い使用ケースで患者に配送及び/又は提供されてもよい。いずれのケースでも同じ又は類似のシリンジ構成要素を用いることによって、2つの異なる使用ケースに関して、充填、ラベル貼り、包装、発送及び配送などの上記工程の少なくともいくつかを効率化又は簡略化することができる。別の例として、複数の使用ケースにおいて同じシリンジ構成要素のいくつか又は全てを用いる場合、複数の使用ケースのうちの少なくとも1つに関して、薬物を販売及び/又は配送するためのいくつかの規制経路を効率化及び/又は簡略化することができる。
【0023】
ハウジング12には、薬物保存容器20が、例えば製造業者によって予め装填されてもよい、又は或いは、薬物送達デバイス10の使用前に薬物保存容器20が使用者によって装填されてもよい。薬物保存容器20は、内部ボアすなわちリザーバを画定する剛性壁を含んでもよい。壁は、ガラス製又はプラスチック製であってもよい。ストッパ24は、薬物保存容器20の近位端と遠位端との間を長手方向軸線Aに沿って遠位方向に移動することができるように、薬物保存容器20内に移動可能に配置されてもよい。ストッパ24は、ゴム又は任意の他の適切な材料で作成されていてもよい。ストッパ24が移動している間に薬物22がストッパ24を越えて漏れることを防止又は阻止するように、ストッパ24は、薬物保存容器20の壁の内面15に摺動可能且つ密閉的に接触していてもよい。ストッパ24の遠位への移動により、薬物保存容器20のリザーバから送達部材16に薬物22が排出される。薬物保存容器20の近位端は、プランジャ26が薬物保存容器20内に延びてストッパ24を遠位方向に押せるようにするために、開放されていてもよい。本実施形態では、プランジャ26とストッパ24は、隙間18(
図2)によって最初は互いに間隔が空けられている。駆動機構30が起動すると、プランジャ26は遠位方向に移動して隙間を閉じ、ストッパ24と当接する。その後、プランジャ26が遠位に移動すると、ストッパ24は遠位方向に駆動されて、薬物22が薬物保存容器20から排出される。別の実施形態では、ストッパ24とプランジャ26は、プランジャ26の移動の開始時からともに一緒に移動するように、最初に、例えばねじ結合を介して、互いに接触していてもよい又は互いに結合されていてもよい。いったんストッパ24が移動状態になると、薬物保存容器20の壁の内面15の近位に面する部分にストッパが接触するまで、ストッパは遠位方向に移動し続けることができる。ストッパ24のこの位置は、投与終了又は送達終了位置と呼ばれることもあり、患者への薬物22の送達が完了したとき又は実質的に完了したときに対応し得る。
【0024】
プランジャ26は、概して、本体部分39と、デバイス10の作動中にプランジャ26がストッパ24に衝突したときに衝撃力を減衰又は吸収するように構成された衝撃吸収部分44とを含み得る。プランジャ26はまた、プランジャの遠位端を画定し、デバイス10の作動中にストッパ24に係合するように構成された足部47を含み得る。
【0025】
プランジャ26の本体部分39は、中空ロッド46などの、中空且つ略円筒状又は管状の形状を有してもよい。より具体的な例として、中空ロッド46は、その内部にプランジャ付勢部材50を受け入れるような大きさに作られた内部空間を画定し得る内側表面43を有してもよい。一般に、プランジャ26の内径を最大化するために、可能な程度まで且つプランジャ26の完全性を妥協することなく、中空ロッド46の厚さを最小限にすることが望ましい。これにより、より大きな直径のプランジャ付勢部材50をプランジャ26の内部空間内に収めることが可能になり、ひいては、プランジャ付勢部材50をより強力にすることができる。より具体的な例として、中空ロッド46の厚さは、2mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、1mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、0.6mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、0.3mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、0.2mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、0.1mm未満であり得る。別のより具体的な例として、中空ロッドの厚さは、0.05mm未満であり得る。
【0026】
追加的に又は代替的に、中空ロッド46は、ばね設計のより高い柔軟性を促進し得る及び/又は提供し得る。例えば、薬物の特性及び/又は所望の薬物送達プロファイルに応じて、異なるばねを有するデバイスを使用することが望ましい場合がある又は有利な場合がある。例えば、より高粘度の薬物では、より高いばね定数及び/又はばね力を持つばねが必要となる場合があり、したがって、ばねの物理的特性に柔軟性を有することが望ましい又は有利な場合がある。より具体的な例として、ばねの様々な物理的特性、例えば、ばねの線径(一般に、線径が増加するとばね定数は増加する)、ばねの中心径(一般に、中心径が増加するとばね定数は減少する)、ばねの巻数(一般に、巻数が増加するとばね定数は増加する)、及びばねの材料が、ばね定数、ゆえに、ばね力に影響を及ぼし得る。これらの物理的特性を、異なるばね定数を提供するように調整し得る一方で、また、場合によっては中空ロッド46の厚さを調整して、全体的なプランジャ26の一定の又は比較的一定の外径を維持し、プランジャガイド60及びストッパ24などのデバイスの残りの部品を一定に維持する。追加的に又は代替的に、中空ロッド46は、座屈又はその他の横断方向の運動を阻止又は低減するなどによって、プランジャ付勢部材50のより高い長手方向安定性を促進し得る及び/又は提供し得る。
【0027】
図に示される本体部分39は、金属製の金属中空ロッド46及び熱可塑性物質製の重ね成形部48を含む。或いは、本体部分39は、金属及び/又はプラスチックなどの任意の適切な材料で作られていてもよい。中空ロッド46の厚さを最小限にするために、中空ロッド46を鋼又はアルミニウムなどの金属で作製すると有利となり得る。例えば、金属中空ロッド46は、環状壁の厚さが0.05mmよりも大きい場合、デバイスで使用するのに十分な軸方向強度及び/又は座屈耐性を有し得る。これとは逆に、プラスチック環状壁39は、環状壁39の厚さが1mmよりも大きい場合、デバイスで使用するのに十分な軸方向強度及び/又は座屈耐性を有し得る。金属中空ロッド46及び熱可塑性物質製重ね成形部48は、プランジャ26が十分な軸方向強度を有することを可能にできる一方で、また、プランジャ26と薬物保存容器20との間の摩擦を最小限にする望ましい表面仕上げをプランジャ26に与える。追加的に又は代替的に、熱可塑性重ね成形材料は、衝撃吸収部分44及び/又は足部47などのプランジャロッド26の他の特徴の製造及び/又は性能を容易にし得る。
【0028】
図2~
図3に示すように、衝撃吸収部分44は、プランジャロッド26とストッパ24との間の衝突による力を減衰及び/又は吸収する折り畳み可能部分を含む。より具体的な例として、
図2~
図3に示される折り畳み可能部分は、それぞれ、第1の(伸長)位置にあるときには略「U」字形を有し、第2の(折り畳み)位置にあるときには「平らなU」字形を有する一対の折り畳み可能な脚部44a、44bを含む。折り畳み可能な脚部44a、44bは、弾性的に変形して力を吸収してもよい。追加的に又は代替的に、折り畳み可能な脚部44a、44bは、可塑的に変形して力を吸収してもよい。追加的に又は代替的に、折り畳み可能な脚部44a、44bは、一部が弾性変形し、一部が塑性変形するように変形してもよい。折り畳み可能部分は、1つ、2つ、3つ、4つ以上などの任意の適切な数の脚部を有してもよい。折り畳み可能な脚部は、「V」字形、「W」字形、コイルばね形状、板ばね形状、又は任意の適切な形状などの任意の適切な形状を有してもよい。
【0029】
衝撃吸収部分44は、熱可塑性物質、他の種類のプラスチック、ゴム、金属、又は任意の適切な材料などの任意の適切な材料で作られていてもよい。上記のように、衝撃吸収部分44は、金属中空ロッドを取り囲むオーバーモールド部の一体部品であってもよく、熱可塑性物質成形プロセスにより形成されてもよい。衝撃吸収部分44の構成要素の厚さ、形状、及び材料は、その剛性に影響し、それにより、より詳細に後述するように、衝撃吸収部分によって吸収される力の量の分散を可能にする。
【0030】
追加的に又は代替的に、衝撃吸収部分44は、固有の減衰特性を含むエラストマー材料で形成されてもよい。そのような例では、衝撃吸収部分44は、プランジャ26の遠位端にあるエラストマーディスク又はシリンダなどの、プランジャ26の本体部分39に類似する直径及び外形を有してもよい。
【0031】
上記のように、プランジャ26は、プランジャ26の遠位端を画定する足部47を含み得る。足部47は、折り畳み可能部分44が足部47とプランジャ26のプランジャ本体部分39との間に配置され、足部47とプランジャ26のプランジャ本体部分39とを動作的に結合するように、ストッパ24に係合するように構成され得る。足部はまた、金属中空ロッドを取り囲むオーバーモールド部の一体部品であってもよく、熱可塑性物質成形プロセスにより形成されてもよい。足部は、例えばデバイス10の作動時にストッパ24に適切に係合するように、ディスク形状に似た、略円筒状であってもよい。
【0032】
より具体的な例として、デバイス10の作動中、プランジャ26が遠位に移動すると、プランジャ26の足部47とストッパ24との間の隙間18が急速に閉じ、足部47はストッパ24に接触する。デバイス10は、プランジャ26が、ストッパ24を遠位方向に駆動し、送達部材16から薬物22を押し出すのに十分な力によって移動するように設計されている。同時に、デバイス10はまた、例えば、ガラスの破損、患者に作用する望ましくない力、及び/又はベース部47とストッパ24との間の相互作用による望ましくない衝撃振動若しくは音の可能性を低下させる又は排除するように設計されている。例えば、プランジャ付勢部材50の設計パラメータは、これらの2セットの設計目標を満たすように設計され得る。別の例として、衝撃吸収部分44は、足部47とストッパ24との間の力を減衰させることができる。その結果、プランジャ26とストッパ24との間の最初の接触中にプランジャ26の速度を低下させることができ、それにより、各々の構成要素間の衝撃力が低減され、薬物保存容器20の構造的損傷の可能性が低下する及び/又は使用者により快適な注入が提供される。
【0033】
いくつかの実施形態では、薬物保存容器20のリザーバ内に含まれる薬物22の容量は、1mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mLに等しくてもよい、又は2.5mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)2.5mLに等しくてもよい、又は3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)2mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)3mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)4mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)5mL未満であってもよい、又は約(例えば、±10%)10mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~4mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内であってもよい。
【0034】
送達部材16は、薬物保存容器20のリザーバと流体連通して接続されている又は接続されるように動作可能である。送達部材16の遠位端は、送達部材16の挿入端28を画定し得る。挿入端28は、送達部材16の挿入中に挿入端28が患者の皮膚5及び皮下組織を突き刺すことを可能にする他の尖った形状の鋭利な先端部を含んでもよい。送達部材16は、中空且つ内部通路を有してもよい。薬物が送達部材16から患者に流入できるようにするために、1つ以上の開口部が挿入端28に形成され得る。
【0035】
一実施形態では、薬物保存容器20はプレフィルドシリンジであり得、送達部材16のための固定式の中空金属針を有する。この場合、針は、薬物保存容器20の壁に対して固定されており、薬物保存容器20のリザーバと永久的に流体連通していてもよい。他の実施形態では、針は、ルアーロック又は他の適切な接続を介して薬物保存容器20に結合されてもよい。更に他の実施形態では、薬物保存容器20は針なしカートリッジであってもよく、したがって、最初は送達部材16と流体連通していなくてもよい。そのような実施形態では、送達部材16の近位端が薬物保存容器20の開口部を覆っているセプタムを貫通し、それによって薬物保存容器20のリザーバと送達部材16との間の流体連通を確立するように、薬物保存容器20は、薬物送達デバイス10の動作中、送達部材16の近位端に向かって又はその逆に移動してもよい。
【0036】
容器ホルダ31は、長手方向軸線Aを中心に調心された中空且つ略円筒状又は管状の形状を有してもよく、薬物保存容器20は、部分的に又は全体的に容器ホルダ31内に配置されてもよい。容器ホルダ31の遠位端は、内向きに突出したフランジ33を含んでもよく、内向きに突出したフランジ33は、薬物保存容器20の肩部20aに当接し、それによってプランジャ26の動作中の薬物保存容器20の遠位移動を阻止する。容器ホルダ31は、2つのフランジ33を含んでもよく、それらのそれぞれは、薬物保存容器の肩部の円弧状の形状と実質的に合致する円弧状傾斜表面33aを含む。ハウジング12は、複数のロックスロット12cを含み得、複数のロックスロット12cのそれぞれは、容器ホルダ31の各ロックリッジ33cを受け入れて、各構成要素12、31間の相対運動を防止及び/又は制限する。
【0037】
薬物送達が完了し、ガード部材32が伸長位置に再配置された後、ガード部材32を伸長位置にロックして、その後に使用者が送達部材16の挿入端28に接触するのを防止すること、及び/又は薬物送達デバイス10の再利用を防止することが望ましい場合がある。これらの目的に従って、薬物送達デバイス10のいくつかの実施形態は、ガード部材32が後退位置から伸長位置に移動するとガード部材32を伸長位置にロックするために、ガード部材32の軸方向位置に応じて選択的に回転するように構成されたロックリング40を含んでもよい。デバイスはまた、ガード部材32を外向き(遠位)方向に付勢して、伸長位置へのガード部材32の移動を容易にし、それによって送達部材16の挿入端28を覆うロックリング付勢部材51を含んでもよい。
【0038】
これらの特徴及び本開示に開示される他の特徴に関するより多くの情報は、2020年9月29日に出願され、米国特許出願第62/960,996号明細書及び米国特許出願第62/960,996号明細書の優先権を主張する米国特許出願第17/035,851号明細書により詳細に示され、記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
図4及び
図5は、様々な実施形態による別のプランジャロッド126を示す。
図4では、プランジャロッド126は伸長構成126aで示され、
図5では、プランジャロッド126は折り畳み構成126bで示されている。
図4~
図5に示されるプランジャロッドは、金属製の金属中空ロッドを有する本体部分139及び熱可塑性物質製の重ね成形部148を含む。プランジャロッドはまた、プランジャロッド126とストッパとの間の衝突による力を減衰及び/又は吸収する衝撃吸収部分144を含む。より具体的な例として、
図4~
図5に示される折り畳み可能部分は、それぞれ、第1の(伸長)位置126aにあるときには略「U」字形を有し、第2の(折り畳み)位置126bにあるときには「平らなU」字形を有する一対の折り畳み可能な脚部144a、144bを含む。折り畳み可能な脚部144a、144bは、弾性的に変形して力を吸収してもよい。追加的に又は代替的に、折り畳み可能な脚部144a、144bは、可塑的に変形して力を吸収してもよい。折り畳み可能な脚部は、「V」字形、「W」字形、コイルばね形状、板ばね形状、又は任意の適切な形状などの任意の適切な形状を有してもよい。
【0040】
図4~
図5に示される衝撃吸収部分144は、折り畳み位置126bを画定する少なくとも1つのハードストップ153を含む。より具体的な例として、衝撃吸収部分144は、それぞれが長手方向軸線に沿って互いに向かって延びる2対の対向する突起153a、153b、153c、153dを含む。プランジャロッド126が折り畳み構成126bにあるとき、ハードストップ153a、153b、153c、153dは互いに接触して、更なる圧縮を阻止し、それによって折り畳み部分を画定する。
【0041】
衝撃吸収部分は、プランジャ/ストッパ相互作用の衝撃エネルギーを、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、約15%、又は任意の適切な量だけ低減し得る。より具体的な例として、自由高さが3mm(すなわち、
図2に示される隙間18が3mmの場合)の20Nばねであれば、プランジャは、衝撃吸収部分がなければ、ストッパに0.06ジュール(3mm*20N=0.06ジュール)の衝撃を与える。しかしながら、衝撃吸収部分は、衝撃エネルギーを約10%(例えば、約0.006ジュール)だけ減少させることができる。別の例として、自由高さが15mm(すなわち、
図2に示される隙間18が15mmの場合)の20Nばねであれば、プランジャは、衝撃吸収部分がなければ、ストッパに0.3ジュール(15mm*20N=0.3ジュール)の衝撃を与える。しかしながら、衝撃吸収部分は、衝撃エネルギーを約2%(例えば、約0.006ジュール)だけ減少させることができる。衝撃吸収部分は、折り畳み可能な脚部の剛性を高めたり低めたりすることなどにより、所望に応じて、異なるパラメータで構築し、エネルギー低減性能をより多く又は少なくしてもよい。
【0042】
上記から、本開示は、自動化された特徴を有する薬物送達デバイスの効率化された設計を有利に提供することが分かる。薬物送達デバイスの様々な機構及び構成要素は、薬物送達デバイスに必要な可動部品の数を制限するように相乗的に相互作用し、それにより、薬物送達デバイスの信頼性を改善し、コストを節約し、並びに他の利益及び利点を提供することができる。
【0043】
当然のことながら、本開示によるデバイス及び方法は、従来技術に対して1つ以上の有利な点を有することが可能であり、そのうちの任意の1つ以上が、特定の実施形態において、その実施形態に含まれる本開示の特徴に従って存在し得る。本明細書で特に挙げられていない他の利点も同様に理解され得る。
【0044】
上の説明では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、要素、下位システム、及び使用方法について記述している。デバイス、アセンブリ、要素、下位システム、方法、又は薬物送達デバイスはまた、以下で特定する薬物だけでなく、それらの後発医薬品及びバイオシミラー対応物を含むがこれらに限定されない薬物を含み得る又は当該薬物とともに使用することができる。本明細書で用いる薬物という用語は、他の類似の用語と互換的に用いることができ、従来及び非従来型医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生理活性物質及び組成物、高分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、低分子及び後発医薬品を含む、あらゆる種類の医薬品又は治療材料を指すために用いることができる。非治療的な注入可能材料も含まれる。薬物は、液状、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成された形態であってよい。以下の薬物の例示的なリストは、網羅的又は限定的と考えるべきではない。
【0045】
薬物はリザーバに収容される。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填又は予め充填される一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子を充填され得る、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態において、ESAは赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことにより、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
特に例示的なタンパク質には、融合体、断片、類似体、変異体又はそれらの誘導体を含む、以下に列挙する特異性タンパク質が含まれる。完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などのヒトCD22特異IgG抗体を特に含むが、それに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むが、それに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるが、それに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むが、それに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むが、それに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むが、それに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むが、それに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも称される);例えば145c7など、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むが、それらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などのIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むが、それに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むが、それに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌の治療のためのトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEA
K mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0049】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、を収容し得る、又はこれらとともに使用され得る。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容し得る、又はこれらとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填され得る、又はデバイスは、これらとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達され得る。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))分子を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はそれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNF αモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)若しくは自己免疫疾患の治療のためのインフリキシマブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、若しくは多発性骨髄腫の治療のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)若しくは血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者などにおける二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補又は抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに融合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補又は補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新しい二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(旧AMG 570)を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子若しくはミオトロープ又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するテゼペルマブ、ヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補若しくはヒトIgG1カッパ抗体を含有し、且つ/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(旧ABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はそれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(旧AMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容し得る、又
はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。
【0050】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替的実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示される本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0051】
当業者であれば、本明細書に開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得、そうした修正形態、変更形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【国際調査報告】