(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池の製造方法及び機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/271 20210101AFI20240304BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240304BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240304BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240304BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240304BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240304BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240304BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20240304BHJP
H01M 10/659 20140101ALI20240304BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240304BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240304BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240304BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240304BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240304BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240304BHJP
【FI】
H01M50/271 Z
H01M50/289
H01M50/209
H01M50/213
H01M50/293
H01M50/204 401H
H01M10/647
H01M10/6557
H01M10/659
H01M10/6556
H01M50/271 S
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M50/55 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534436
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2022077993
(87)【国際公開番号】W WO2023159486
(87)【国際公開日】2023-08-31
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE01
5H031HH00
5H031HH03
5H031HH08
5H040AA02
5H040AA28
5H040AA29
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040JJ06
5H040LL01
5H040LL10
5H040NN00
5H040NN01
5H043AA05
5H043BA07
5H043BA18
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA21
5H043DA08
(57)【要約】
電池(10)、電力消費機器、電池(10)の製造方法及び機器を提供する。該電池(10)は第1方向に沿って並べられた複数の電池セル(20)と、セパレーター(101)と、掛け壁(204)とを備え、電池セル(20)は第1壁(201)と第2壁(202)を備え、第1壁(201)は電池セル(20)の表面積が最大の壁であり、第2壁(202)は第1壁(201)に接続され、セパレーター(101)は第1方向に沿って延伸し且つ複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の第1壁(201)に接続され、掛け壁(204)は複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の第2壁(202)に接続され、電池セル(20)が電力消費機器に設けられる場合、電池セル(20)は掛け壁(204)の下方に位置し、掛け壁(204)は電池セル(20)を掛けることに用いられる。本願の実施例の技術案によれば、電池(10)の性能を向上できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
第1方向に沿って並べられた複数の電池セル(20)と、セパレーター(101)と、掛け壁(204)とを備え、
前記電池セル(20)は第1壁(201)と第2壁(202)を備え、前記第1壁(201)は前記電池セル(20)の表面積が最大の壁であり、前記第2壁(202)は前記第1壁(201)に接続され、
前記セパレーター(101)は前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第1壁(201)に接続され、
前記掛け壁(204)は前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第2壁(202)に接続され、前記電池セル(20)が電力消費機器に設けられる場合、前記電池セル(20)は前記掛け壁(204)の下方に位置し、前記掛け壁(204)は前記電池セル(20)を掛けることに用いられる、ことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記電池セル(20)の第3壁(203)に電極端子(214)が設けられ、前記第3壁(203)と前記第2壁(202)は第2方向に沿って間隔をあけて対向して設けられ、前記第2方向は前記第2壁(202)に垂直であり、又は
前記第3壁(203)は前記第2壁(202)に接続され、且つ前記第1方向は前記第3壁(203)に垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記セパレーター(101)は金属材料プレートである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記セパレーター(101)の表面に絶縁層(102)が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記セパレーター(101)は非金属材料プレートである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記セパレーター(101)内に第1空洞部(1011)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記第1空洞部(1011)は流体を収容して前記電池セル(20)の温度を調節することに用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記セパレーター(101)の第3方向におけるサイズT1は0.1~100mmであり、前記第3方向は前記第1壁(201)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記セパレーター(101)の前記第3方向におけるサイズT1と前記電池セル(20)の前記第3方向におけるサイズT2とは、0<T1/T2≦7を満たす、ことを特徴とする請求項8に記載の電池(10)。
【請求項10】
0<T1/T2≦1である、ことを特徴とする請求項9に記載の電池(10)。
【請求項11】
前記セパレーター(101)の重量M1と前記電池セル(20)の重量M2とは、0<M1/M2≦20を満たす、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項12】
0.1≦M1/M2≦1である、ことを特徴とする請求項11に記載の電池(10)。
【請求項13】
前記セパレーター(101)の前記複数の電池セル(20)の前記第1壁(201)に接続された表面の面積S1と前記第1壁(201)の面積S2とは、0.2≦S1/S2≦30を満たす、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項14】
2≦S1/S2≦10である、ことを特徴とする請求項13に記載の電池(10)。
【請求項15】
前記セパレーター(101)の比熱容量Qと前記セパレーター(101)の重量M1とは、0.02KJ/(kg
2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg
2/℃)を満たす、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項16】
0.3KJ/(kg
2/℃)≦Q/M1≦20KJ/(kg
2/℃)である、ことを特徴とする請求項15に記載の電池(10)。
【請求項17】
前記掛け壁(204)の内部に第2空洞部(2041)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項18】
前記第2空洞部(2041)は流体を収容して前記電池セル(20)の温度を調節することに用いられる、ことを特徴とする請求項17に記載の電池(10)。
【請求項19】
前記電池(10)はさらに補強リブ(205)を備え、前記補強リブ(205)は前記掛け壁(204)の第2方向に沿って前記電池セル(20)から離れる表面に設けられ、前記第2方向は前記第2壁(202)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項20】
前記補強リブ(205)と前記掛け壁(204)は一体的に成形された構造である、ことを特徴とする請求項19に記載の電池(10)。
【請求項21】
前記電池(10)は、前記第1方向に沿って並べられた複数列の複数の前記電池セル(20)と複数の前記セパレーター(101)とを備え、複数列の前記電池セル(20)と複数の前記セパレーター(101)は第3方向に交互に設けられ、前記第3方向は前記第1壁(201)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項22】
前記電池(10)は複数の電池モジュール(100)を備え、前記電池モジュール(100)は、前記第1方向に沿って並べられた少なくとも1列の複数の前記電池セル(20)と少なくとも1つの前記セパレーター(101)とを備え、且つ少なくとも1列の前記電池セル(20)と少なくとも1つの前記セパレーター(101)は第3方向に交互に設けられ、前記第3方向は前記第1壁(201)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項23】
前記電池(10)モジュールはN列の前記電池セル(20)とN-1個の前記セパレーター(101)とを備え、前記セパレーター(101)は隣接する2列の前記電池セル(20)の間に設けられ、Nは1よりも大きい整数である、ことを特徴とする請求項22に記載の電池(10)。
【請求項24】
複数の前記電池(10)モジュールは前記第3方向に沿って並べられ、隣接する前記電池(10)モジュールの間に隙間がある、ことを特徴とする請求項22又は23に記載の電池(10)。
【請求項25】
前記セパレーター(101)の前記第1方向の端部に固定構造(103)が設けられ、前記セパレーター(101)は前記固定構造(103)を介して前記掛け壁(204)に固定される、ことを特徴とする請求項1~24のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項26】
前記セパレーター(101)は前記第1壁(201)に接着されている、ことを特徴とする請求項1~25のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項27】
前記掛け壁(204)は前記第2壁(202)に接着されている、ことを特徴とする請求項1~26のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項28】
電力消費機器であって、請求項1~27のいずれか1項に記載の電池(10)を備え、前記電池(10)は電気エネルギーを提供することに用いられる、ことを特徴とする電力消費機器。
【請求項29】
電池(10)の製造方法であって、
第1方向に沿って並べられた複数の電池セル(20)を提供するステップであって、前記電池セル(20)は第1壁(201)と第2壁(202)を備え、前記第1壁(201)は前記電池セル(20)の表面積が最大の壁であり、前記第2壁(202)は前記第1壁(201)に接続されるステップと、
前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第1壁(201)に接続されるセパレーター(101)を提供するステップと、
掛け壁(204)を提供するステップであって、前記掛け壁(204)は前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第2壁(202)に接続され、前記電池セル(20)が電力消費機器に設けられる場合、前記電池セル(20)は前記掛け壁(204)の下方に位置し、前記掛け壁(204)は前記電池セル(20)を掛けることに用いられるステップとを含む、ことを特徴とする電池(10)の製造方法。
【請求項30】
電池(10)の製造機器であって、
第1提供モジュールと、第2提供モジュールと、第3提供モジュールとを備え、
前記第1提供モジュールは第1方向に沿って並べられた複数の電池セル(20)を提供することに用いられ、前記電池セル(20)は第1壁(201)と第2壁(202)を備え、前記第1壁(201)は前記電池セル(20)の表面積が最大の壁であり、前記第2壁(202)は前記第1壁(201)に接続され、
前記第2提供モジュールはセパレーター(101)を提供することに用いられ、前記セパレーター(101)は前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第1壁(201)に接続され、
前記第3提供モジュールは掛け壁(204)を提供することに用いられ、前記掛け壁(204)は前記複数の電池セル(20)のうちの各電池セル(20)の前記第2壁(202)に接続され、前記電池セル(20)が電力消費機器に設けられる場合、前記電池セル(20)は前記掛け壁(204)の下方に位置し、前記掛け壁(204)は前記電池セル(20)を掛けることに用いられる、ことを特徴とする電池(10)の製造機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池の製造方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の深刻化に伴って、新エネルギー産業はますます注目を集めている。新エネルギー産業では、電池技術はその発展に関わる重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池内部のスペースの利用率は、電池の構造強度及びエネルギー密度に影響を与え、さらに電池の性能に影響を与える。電池の性能をどのように向上させるかは、電池技術において急いで解決する必要がある技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、電池、電力消費機器、電池の製造方法及び機器を提供し、電池の構造強度及びエネルギー密度を向上させることができ、それにより電池の性能を向上させることができる。
【0005】
第1態様によれば、電池を提供し、第1方向に沿って並べられた複数の電池セルと、セパレーターと、掛け壁とを備え、前記電池セルは第1壁と第2壁を備え、前記第1壁は前記電池セルの表面積が最大の壁であり、前記第2壁は前記第1壁に接続され、前記セパレーターは前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セルのうちの各電池セルの前記第1壁に接続され、前記掛け壁は前記複数の電池セルのうちの各電池セルの前記第2壁に接続され、前記電池セルが電力消費機器に設けられる場合、前記電池セルは前記掛け壁の下方に位置し、前記掛け壁は前記電池セルを掛けることに用いられる。
【0006】
本願の実施例では、電池において、第1方向に沿って並べられた1列の複数の電池セルのうちの各電池セルの表面積が最大の第1壁に接続されるセパレーターが設けられ、セパレーターにより複数の電池セルは一体に接続され、この場合に、電池内にサイドプレートやビーム等の構造を設けなくてもよく、電池内部のスペースの利用率を最大限に高めて、電池の構造強度及びエネルギー密度を向上させることができ、電池において、第1方向に沿って並べられた複数の電池セルのうちの各電池セルの第2壁に接続される掛け壁がさらに設けられ、該第2壁は第1壁に接続され、電池セルが電力消費機器に設けられる場合、電池セルは掛け壁の下方に位置し、掛け壁に掛けられる。このようにして、電池セルの第2壁は掛け壁に直接接続され、掛け壁と電池セルとの間にスペースを必要とせず、電池内部のスペースの利用率をさらに高めて、電池のエネルギー密度を向上させ、また、電池セルが掛け壁に掛けられることで、電池の構造強度を向上させることができ、従って、本願の実施例の技術案は電池の性能を向上させることができる。
【0007】
1つの可能な実施形態では、前記電池セルの第3壁に電極端子が設けられ、前記第3壁と前記第2壁は第2方向に沿って間隔をあけて対向して設けられ、前記第2方向は前記第2壁に垂直であり、又は、前記第3壁は前記第2壁に接続され、且つ前記第1方向は前記第3壁に垂直である。
【0008】
電極端子は第3壁に設けられ、該第3壁と第2壁は第2方向に対向して設けられ、第2方向は第2壁に垂直であり、又は、該第3壁は第2壁に接続され、且つ第1方向は第3壁に垂直である。すなわち電極端子は掛け壁ではない壁に設けられ、このようにして、電池セルと掛け壁との間に電極端子のためのスペースを事前に残す必要がなく、それにより電池内部のスペースの利用率を最大限に高め、電池のエネルギー密度を向上させることができる。
【0009】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターは金属材料プレートである。このようにして、セパレーターの強度を確保することができる。
【0010】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの表面に絶縁層が設けられる。セパレーターの表面に絶縁層を設けることにより、セパレーターの第1壁に接続される表面を絶縁面にすることができる。
【0011】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターは非金属材料プレートである。
【0012】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーター内に第1空洞部が設けられる。第1空洞部はセパレーターの強度を確保するとともに、セパレーターの重量を減らすことができ、そして、第1空洞部はセパレーターに第1壁に垂直な方向における大きな圧縮スペースを有させることができ、それにより電池セルに大きな膨張スペースを提供することができる。
【0013】
1つの可能な実施形態では、前記第1空洞部は流体を収容して前記電池セルの温度を調節することに用いられ、このようにして、電池セルの温度を効果的に管理することができる。
【0014】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの第3方向におけるサイズT1は0.1~100mmであり、前記第3方向は前記第1壁に垂直である。セパレーターの第3方向におけるサイズT1が小さすぎると、セパレーターの剛性は低く、電池の構造強度を効果的に向上させることができず、セパレーターの第3方向におけるサイズT1が大きすぎると、電池内部のスペースを多く占めてしまい、電池のエネルギー密度を向上させることに不利であり、それによってセパレーターの第3方向におけるサイズT1を0.1~100mmに設定し、このようにして、電池のエネルギー密度を確保することができるとともに、電池の構造強度を向上させることができる。
【0015】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの前記第3方向におけるサイズT1と前記電池セルの前記第3方向におけるサイズT2とは、0<T1/T2≦7を満たす。このようにして、電池のエネルギー密度を確保し、電池の安全性能を確保することができる。
【0016】
1つの可能な実施形態では、0<T1/T2≦1であり、それにより、電池のエネルギー密度をさらに向上させ、電池の安全性能を確保する。
【0017】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの重量M1と前記電池セルの重量M2とは、0<M1/M2≦20を満たす。このようにして、電池の重量エネルギー密度を確保し、電池の安全性能を確保することができる。
【0018】
1つの可能な実施形態では、0.1≦M1/M2≦1であり、それにより、電池のエネルギー密度をさらに向上させ、電池の安全性能を確保する。
【0019】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの前記複数の電池セルの前記第1壁に接続された表面の面積S1と前記第1壁の面積S2とは、0.2≦S1/S2≦30を満たす。このようにして、電池のエネルギー密度を確保し、電池の安全性能を確保することができる。
【0020】
1つの可能な実施形態では、2≦S1/S2≦10であり、それにより、電池のエネルギー密度をさらに向上させ、電池の安全性能を確保する。
【0021】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの比熱容量Qと前記セパレーターの重量M1とは、0.02KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg2/℃)を満たす。Q/M1<0.02KJ/(kg2/℃)の場合、セパレーターは多くのエネルギーを吸収し、電池セルの温度は低くなりすぎて、リチウム析出が発生する可能性があり、Q/M1>100KJ/(kg2/℃)の場合、セパレーターの熱伝導率が低く、熱を速やかに奪うことができない。0.02KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg2/℃)の場合、電池の安全性能を確保することができる。
【0022】
1つの可能な実施形態では、0.3KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦20KJ/(kg2/℃)であり、それにより電池の安全性能をさらに向上させる。
【0023】
1つの可能な実施形態では、前記掛け壁の内部に第2空洞部が設けられる。第2空洞部は掛け壁の強度を確保するとともに、掛け壁の重量を減らすことができ、そして、第2空洞部は掛け壁に第2壁に垂直な方向における大きな圧縮スペースを有させることができ、それにより電池セルに大きな膨張スペースを提供することができる。
【0024】
1つの可能な実施形態では、前記第2空洞部は流体を収容して前記電池セルの温度を調節することに用いられ、このようにして、電池セルの温度を効果的に管理することができる。
【0025】
1つの可能な実施形態では、前記電池はさらに補強リブを備え、前記補強リブは前記掛け壁の第2方向に沿って前記電池セルから離れる表面に設けられ、前記第2方向は前記第2壁に垂直である。該補強リブは掛け壁の強度を高めることができる。
【0026】
1つの可能な実施形態では、前記補強リブと前記掛け壁は一体的に成形された構造であり、該構造は加工及び組み立てが容易である。
【0027】
1つの可能な実施形態では、前記電池は、前記第1方向に沿って並べられた複数列の複数の前記電池セルと複数の前記セパレーターとを備え、複数列の前記電池セルと複数の前記セパレーターは第3方向に交互に設けられ、前記第3方向は前記第1壁に垂直である。このようにして、複数列の電池セルと複数のセパレーターは互いに接続されて一体を形成し、ボックス内に収容され、電池全体の構造強度を確保することができ、それにより電池の性能を向上させることができる。
【0028】
1つの可能な実施形態では、前記電池は複数の電池モジュールを備え、前記電池モジュールは、前記第1方向に沿って並べられた少なくとも1列の複数の前記電池セルと少なくとも1つの前記セパレーターとを備え、且つ少なくとも1列の前記電池セルと少なくとも1つの前記セパレーターは第3方向に交互に設けられ、前記第3方向は前記第1壁に垂直である。
【0029】
1つの可能な実施形態では、前記電池モジュールはN列の前記電池セルとN-1個の前記セパレーターとを備え、前記セパレーターは隣接する2列の前記電池セルの間に設けられ、Nは1よりも大きい整数である。このようにして、電池内に少ないセパレーターを設けても、各電池セルがすべてセパレーターに接続できることを確保できる。
【0030】
1つの可能な実施形態では、複数の前記電池モジュールは前記第3方向に沿って並べられ、隣接する前記電池モジュールの間に隙間がある。該隙間は電池セルに膨張スペースを提供することができる。
【0031】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターの前記第1方向の端部に固定構造が設けられ、前記セパレーターは前記固定構造を介して前記掛け壁に固定され、このようにして、電池の構造強度を向上させることができる。
【0032】
1つの可能な実施形態では、前記セパレーターは前記第1壁に接着されている。
【0033】
1つの可能な実施形態では、前記掛け壁は前記第2壁に接着されている。
【0034】
第2態様によれば、上記第1態様又は第1態様の任意の可能な実施形態における電池を備える電力消費機器を提供し、前記電池は電気エネルギーを提供することに用いられる。
【0035】
第3態様によれば、電池の製造方法を提供し、第1方向に沿って並べられた複数の電池セルを提供するステップであって、前記電池セルは第1壁と第2壁を備え、前記第1壁は前記電池セルの表面積が最大の壁であり、前記第2壁は前記第1壁に接続されるステップと、前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セルのうちの各電池セルの前記第1壁に接続されるセパレーターを提供するステップと、掛け壁を提供するステップであって、前記掛け壁は前記複数の電池セルのうちの各電池セルの前記第2壁に接続され、前記電池セルが電力消費機器に設けられる場合、前記電池セルは前記掛け壁の下方に位置し、前記掛け壁は前記電池セルを掛けることに用いられるステップとを含む。
【0036】
第4態様によれば、上記第3態様の方法を実行するモジュールを備える電池の製造機器を提供する。
【0037】
本願の実施例では、電池において、第1方向に沿って並べられた1列の複数の電池セルのうちの各電池セルの表面積が最大の第1壁に接続されるセパレーターが設けられ、セパレーターにより複数の電池セルは一体に接続され、この場合に、電池内にサイドプレートやビーム等の構造を設けなくてもよく、電池内部のスペースの利用率を最大限に高めて、電池の構造強度及びエネルギー密度を向上させることができ、電池において、第1方向に沿って並べられた複数の電池セルのうちの各電池セルの第2壁に接続される掛け壁がさらに設けられ、該第2壁は第1壁に接続され、電池セルが電力消費機器に設けられる場合、電池セルは掛け壁の下方に位置し、掛け壁に掛けられる。このようにして、電池セルの第2壁は掛け壁に直接接続され、掛け壁と電池セルとの間にスペースを必要とせず、電池内部のスペースの利用率をさらに高めて、電池のエネルギー密度を向上させ、また、電池セルが掛け壁に掛けられることで、電池の構造強度を向上させることができ、従って、本願の実施例の技術案は電池の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに図面に基づき他の図面を得ることができる。
【0039】
【
図1】本願の一実施例に開示されている車両の構造模式図である。
【
図2】本願の一実施例に開示されている電池の分解構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に開示されている電池セルの構造模式図である。
【
図4】本願の一実施例に開示されている電池の構造模式図である。
【
図5】本願の一実施例に開示されている電池の部分模式図である。
【
図6】本願の一実施例に開示されているセパレーターと絶縁層の模式図である。
【
図7】本願の一実施例に開示されている空洞部を備えたセパレーターの模式図である。
【
図8】本願の一実施例に開示されている掛け壁の模式図である。
【
図9】本願の一実施例に開示されている補強リブの模式図である。
【
図10】本願の一実施例に開示されている電池の構造模式図である。
【
図11】本願の一実施例の電池の製造方法の模式図である。
【
図12】本願の一実施例の電池の製造機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面において、図は実際の縮尺で描かれていない。
【0041】
発明を実施するための形態
以下、図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために使用され、本願の範囲を制限するものではなく、すなわち、本願は説明されている実施例に限定されない。
【0042】
本願の説明において、説明する必要がある点として、特に断らない限り、使用される技術用語及び科学用語はすべて当業者が通常理解する意味と同じであり、使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限するものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。「複数」は2つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語によって示される方位又は位置関係は、本願を説明しやすくし説明を簡略化させるためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではなく、従って、本願を制限しないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、相対的な重要性を指示又は暗示するものではなく、説明するためのものに過ぎない。「垂直」は厳密には垂直ではなく、誤差許容範囲内のものである。「平行」は厳密には平行ではなく、誤差許容範囲内のものである。
【0043】
本願に言及される「実施例」は、実施例と組み合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の様々な位置に現れる該語句は必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と互いに排他的に独立した又は代替の実施例でもない。当業者は、本願において説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的又は暗黙的に理解できる。
【0044】
以下の説明に出現する方位語はいずれも図示されている方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、説明する必要がある点として、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続され、又は一体的に接続されてもよい。直接連結されてもよく、中間媒体を介して間接的に連結されてもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0045】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するためのものに過ぎず、3つの関係が存在することを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本願における「/」という文字は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0046】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、又はマグネシウムイオン電池等を含み、本願の実施例はこれについて限定しない。電池セルは、円筒状、扁平状、直方体又は他の形状等であってもよく、同様に、本願の実施例はこれについて限定しない。電池セルは、一般的に、パッケージ方式に従って、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、同様に、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0047】
本願の実施例に言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するように1つ又は複数の電池セルを備える単一の物理モジュールである。例えば、本願に言及される電池は電池パック等を含む。電池は、一般的に、1つ又は複数の電池セルをパッケージするためのボックスを備える。ボックスは、液体や他の異物が電池セルの充電又は放電に悪影響を与えることを回避することができる。
【0048】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を備え、電極アセンブリは正極板、負極板及び隔膜からなる。電池セルは主に正極板と負極板との間での金属イオンの移動に依存して動作する。正極板は正極集電体及び正極活物質層を備え、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布されている集電体よりも突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極板は負極集電体及び負極活物質層を備え、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布されている集電体よりも突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコン等であってもよい。溶断が発生せずに高電流が流れることを確保するために、正極タブは、複数であり、一体に積層され、負極タブは、複数であり、一体に積層される。隔膜の材質はポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等であってもよい。また、電極アセンブリは、巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0049】
様々な電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを備えてもよく、複数の電池セル同士は直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続との組合せである。選択可能に、複数の電池セルはまず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、次に、複数の電池モジュールは直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池を構成する。つまり、複数の電池セルは電池を直接構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成して、次に、電池モジュールが電池を構成することもよい。電池はさらに電力消費機器に設けられ、電力消費機器に電気エネルギーを提供する。
【0050】
電池技術の発展は、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レート、安全性等の様々な設計要素を同時に考慮する必要がある。電池内部のスペースが一定である場合、電池内部のスペースの利用率を高めることは、電池のエネルギー密度を向上させる効果的な手段である。しかしながら、電池内部のスペースの利用率を高める一方で、電池の構造強度を低減させる恐れがある。例えば、電池のボックスの内部に電池モジュールを掛けるためのビームが通常設けられ、また、電池の電池モジュールにサイドプレート及びエンドプレートが設けられる。上記ビーム、サイドプレート及びエンドプレートは電池の固定を実現する一方で、電池内部のスペースを占めてしまう。しかし、ビーム、サイドプレート及びエンドプレートを設けないと、電池の構造強度は不十分になり、電池の性能に悪影響を与える。
【0051】
これに鑑みて、本願の実施例は技術案を提供し、本願の実施例では、電池において、第1方向に沿って並べられた1列の複数の電池セルのうちの各電池セルの表面積が最大の第1壁に接続されるセパレーターが設けられ、セパレーターにより複数の電池セルは一体に接続され、この場合に、電池内にサイドプレートやビーム等の構造を設けなくてもよく、電池内部のスペースの利用率を最大限に高めて、電池の構造強度及びエネルギー密度を向上させることができ、電池において、第1方向に沿って並べられた複数の電池セルのうちの各電池セルの第2壁に接続される掛け壁がさらに設けられ、該第2壁は第1壁に接続され、電池セルが電力消費機器に設けられる場合、電池セルは掛け壁の下方に位置し、掛け壁に掛けられる。このようにして、電池セルの第2壁は掛け壁に直接接続され、掛け壁と電池セルとの間にスペースを必要とせず、電池内部のスペースの利用率をさらに高めて、電池のエネルギー密度を向上させ、また、電池セルが掛け壁に掛けられることで、電池の構造強度を向上させることができ、従って、本願の実施例の技術案は電池の性能を向上させることができる。
【0052】
本願の実施例で説明される技術案はいずれも電池を使用する様々な装置に適用でき、例えば、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動自転車、電気玩具、電動工具、電気自動車、船及び宇宙機等に適用でき、例えば、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含む。
【0053】
理解できるように、本願の実施例で説明される技術案は上記説明された機器に適用できるだけでなく、電池を使用するすべての機器に適用でき、簡潔にするために、以下の実施例はいずれも電気自動車を例として説明される。
【0054】
例えば、
図1に示すように、本願の一実施例の車両1の構造模式図であり、車両1は、燃料自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式電気自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設けられてもよく、コントローラ30は電池10がモータ40に給電するように制御することに用いられる。例えば、車両1の底部又は前部又は尾部に電池10が設けられてもよい。電池10は車両1の給電に使用され、例えば、電池10は車両1の操作電源として使用され、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び運転時の動作電力需要に用いられる。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源として使用されるだけでなく、車両1の駆動電源として使用され、ガソリン又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0055】
様々な電力使用需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを備えてもよい。例えば、
図2に示すように、本願の一実施例の電池10の構造模式図であり、電池10は複数の電池セル20を備える。電池10はさらにボックス11を備え、ボックス11の内部は中空構造であり、複数の電池セル20はボックス11内に収容される。例えば、複数の電池セル20は互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続されて組み合わせた後に、ボックス11内に配置される。
【0056】
選択可能に、電池10はさらに他の構造を備えてもよく、ここで詳細な説明は省略する。例えば、該電池10はさらにバス部材を備え、バス部材は複数の電池セル20間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することに用いられる。具体的には、バス部材は電池セル20の電極端子と接続することにより電池セル20間の電気的接続を実現することができる。さらに、バス部材は溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに導電機構を介してボックスを通過して導出することができる。選択可能に、導電機構はバス部材に属してもよい。
【0057】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は任意の値に設定されてもよい。複数の電池セル20は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されて大きな容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ分けして設置し、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成することができる。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は制限されず、需要に応じて設定することができる。電池は複数の電池モジュールを備えてもよく、それらの電池モジュールは直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することができる。
【0058】
図3に示すように、本願の一実施例の電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は1つ又は複数の電極アセンブリ22、ハウジング211及びカバープレート212を備える。ハウジング211とカバープレート212はケーシング又は電池ケース21を形成する。ハウジング211の壁とカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれ、直方体状の電池セル20の場合、ハウジング211の壁は底壁及び4つの側壁を含む。ハウジング211は1つ又は複数の電極アセンブリ22が組み合わせた後の形状に応じて決定され、例えば、ハウジング211は中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、且つハウジング211の1つの面に開口部があり、それにより1つ又は複数の電極アセンブリ22をハウジング211内に配置することができる。例えば、ハウジング211は中空の直方体又は立方体である場合に、ハウジング211の1つの平面は開口面であり、すなわち該平面に壁がなくハウジング211の内部と外部を連通させる。ハウジング211は中空の円柱体である場合に、ハウジング211の端面は開口面であり、すなわち該端面に壁がなくハウジング211の内部と外部を連通させることができる。カバープレート212は開口部をカバーし且つハウジング211と接続されて、電極アセンブリ22を配置するための密閉キャビティを形成する。ハウジング211内に電解質、例えば電解液が充填される。
【0059】
該電池セル20はさらに2つの電極端子214を備えてもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設けられてもよい。カバープレート212は一般的にはフラット形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212のフラット面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ正極端子214a及び負極端子214bである。各電極端子214にそれぞれ1つの接続部材23が対応して設けられ、又は集電部材23と呼ばれ、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214の電気的接続を実現することに用いられる。
【0060】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は第1タブ221aと第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は反対である。例えば、第1タブ221aは正極タブである場合に、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1タブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2タブ222aは別の接続部材23を介して別の電極端子に接続される。例えば、正極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負極端子214bは別の接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0061】
該電池セル20において、実際の使用需要に応じて、電極アセンブリ22は1つ、又は複数設けられてもよく、
図3に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設けられる。
【0062】
電池セル20に圧力解放機構213がさらに設けられてもよい。圧力解放機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値になった場合に動作して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0063】
圧力解放機構213は様々な可能な圧力解放構造であってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。例えば、圧力解放機構213は感温圧力解放機構であってもよく、感温圧力解放機構は圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値になった場合に溶融できるように構成され、及び/又は、圧力解放機構213は感圧圧力解放機構であってもよく、感圧圧力解放機構は圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部気圧が閾値になった場合に破裂できるように構成される。
【0064】
図4は本願の一実施例の電池10の構造模式図を示す。
図4に示すように、電池10は第1方向xに沿って並べられた複数の電池セル20と、セパレーター101と、掛け壁204とを備える。
【0065】
第1方向xは電池10における1列の電池セル20の並べ方向である。つまり、電池10における1列の電池セル20はx方向に沿って並べられる。
【0066】
該電池セル20は第1壁201と第2壁201を備え、第1壁201は電池セル20の表面積が最大の壁であり、第2壁202は第1壁201に接続される。セパレーター101は第1方向xに沿って延伸し且つ複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第1壁201に接続される。
【0067】
電池セル20は複数の壁を備えてもよく、電池セル20の表面積が最大の第1壁201はセパレーター101に接続される。つまり、電池セル20の第1壁201はセパレーター101に面し、すなわち、電池セル20の第1壁201は第1方向xに平行である。
【0068】
セパレーター101は電池セル20の表面積が最大の壁である第1壁201に接続され、このようにして、セパレーター101と電池セル20との間の接触面積は大きくなり、セパレーター101と電池セル20との間の接続強度を確保することができる。
【0069】
掛け壁204は複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第2壁202に接続され、電池セル20が電力消費機器に設けられる場合、電池セル20は掛け壁204の下方に位置し、掛け壁204は電池セル20を掛けることに用いられる。
【0070】
掛け壁204は電池10のボックスの上部カバーであってもよく、又は電力消費機器の一部、例えば、車両1のシャーシーであってもよい。掛け壁204が車両1のシャーシーである場合、電池セル20の第2壁202は掛け壁204に接続され、すなわち、電池セル20の第2壁202は車両1のシャーシーの表面に接続される。電池セル20は車両のシャーシーの表面に直接接続され、このようにして、電池10のボックスの上部カバーを設けなくてもよく、電池10のボックスの上部カバーが占有したスペースを節約して、電池10のスペースの利用率を高め、それにより電池10のエネルギー密度を向上させる。
【0071】
本願の実施例では、電池10において、第1方向xに沿って並べられた1列の複数の電池セル20のうちの各電池セル20の表面積が最大の第1壁201に接続されるセパレーター101が設けられ、セパレーター101により複数の電池セル20は一体に接続され、この場合に、電池10内にサイドプレートやビーム等の構造を設けなくてもよく、電池10内部のスペースの利用率を最大限に高めて、電池10の構造強度及びエネルギー密度を向上させることができ、電池10において、第1方向xに沿って並べられた複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第2壁202に接続される掛け壁204がさらに設けられ、該第2壁202は第1壁201に接続され、電池セル20が電力消費機器に設けられる場合、電池セル20は掛け壁204の下方に位置し、掛け壁204に掛けられる。このようにして、電池セル20の第2壁202は掛け壁204に直接接続され、掛け壁204と電池セル20との間にスペースを必要とせず、電池10内部のスペースの利用率をさらに高めて、電池10のエネルギー密度を向上させ、また、電池セル20が掛け壁204に掛けられることで、電池10の構造強度を向上させることができ、従って、本願の実施例の技術案は電池10の性能を向上させることができる。
【0072】
選択可能に、本願の一実施例では、
図5(a)に示すように、電池セル20の第3壁203に電極端子214が設けられ、該第3壁203と第2壁202は第2方向zに沿って間隔をあけて対向して設けられ、該第2方向zは第2壁202に垂直である。
【0073】
選択可能に、本願の別の一実施例では、
図5(b)に示すように、電池セル20の第3壁203に電極端子214が設けられ、該第3壁203は第2壁202に接続され、且つ第1方向xは第3壁203に垂直である。
【0074】
電極端子214は第3壁203に設けられ、該第3壁203と第2壁202は第2方向zに沿って間隔をあけて対向して設けられ、第2方向zは第2壁202に垂直であり、又は、該第3壁203は第2壁202に接続され、且つ第1方向xは第3壁203に垂直である。すなわち電極端子214は掛け壁204ではない壁に設けられ、このようにして、電池セル20と掛け壁204との間に電極端子214のためのスペースを事前に残す必要がなく、それにより電池10内部のスペースの利用率を最大限に高めて、電池10のエネルギー密度を向上させることができる。
【0075】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101は金属材料プレートである。つまり、セパレーター101全体は金属材料である。このような場合、セパレーター101の表面に絶縁層が設けられる。選択可能に、絶縁層はセパレーター101の表面に接着されている絶縁フィルム又はセパレーター101の表面に塗布されている絶縁塗料であってもよい。
【0076】
図6に示すように、セパレーター101の表面に絶縁層102が設けられる。このように設けられることにより、セパレーター101は金属材料であることでセパレーター101の強度を確保することができ、絶縁層102は、セパレーター101の第1壁201に接続される表面を絶縁面にすることができる。
【0077】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101は非金属材料プレートである。つまり、セパレーター101全体は非金属の絶縁材料である。
【0078】
選択可能に、本願の一実施例では、
図7に示すように、セパレーター101内に第1空洞部1011が設けられる。第1空洞部1011はセパレーター101の強度を確保するとともに、セパレーター101の重量を減らすことができる。そして、第1空洞部1011は、セパレーター101に第3方向yにおける大きな圧縮スペースを有させることができ、それにより電池セル20に大きな膨張スペースを提供することができる。
【0079】
選択可能に、本願の一実施例では、第1空洞部1011は流体を収容して電池セル20の温度を調節することに用いられる。
【0080】
流体は液体又はガスであってもよく、温度の調節とは複数の電池セル20を加熱又は冷却することである。電池セル20を降温させる場合、第1空洞部1011は冷却媒体を収容して複数の電池セル20の温度を調節することができ、このとき、流体は冷却媒体又は冷却流体とも呼ばれ、さらに具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、流体は加熱に用いることができ、本願の実施例はこれについて限定しない。選択可能に、流体は循環的に流れるものであってもよく、それにより、より良好な温度調節の効果を実現する。選択可能に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液、冷媒又はエア等であってもよい。
【0081】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1は0.1~100mmである。
【0082】
セパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1が小さすぎると、セパレーター101の剛性は低く、電池10の構造強度を効果的に向上させることができず、セパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1が大きすぎると、電池10内部のスペースを多く占めてしまい、電池10のエネルギー密度を向上させることに不利であり、それによってセパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1を0.1~100mmに設定し、このようにして、電池10のエネルギー密度を確保することができるとともに、電池10の構造強度を向上させることができる。
【0083】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1と電池セル20の第3方向yにおけるサイズT2とは、0<T1/T2≦7を満たす。
【0084】
T1/T2が大きすぎると、セパレーター101は大きなスペースを占有してしまい、エネルギー密度に悪影響を与える。また、セパレーター101は電池セル20に対して熱伝導が速すぎ、安全上の問題をもたらす恐れがある。例えば、ある電池セル20が熱暴走すると、同じセパレーター101に接続された他の電池セル20の熱暴走を引き起こす恐れがある。0<T1/T2≦7の場合、電池10のエネルギー密度を確保し、電池10の安全性能を確保することができる。
【0085】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の第3方向yにおけるサイズT1と電池セル20の第3方向yにおけるサイズT2とはさらに、0<T1/T2≦1を満たし、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに向上させ、電池10の安全性能を確保する。
【0086】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の重量M1と電池セル20の重量M2とは、0<M1/M2≦20を満たす。
【0087】
M1/M2が大きすぎると、重量エネルギー密度が失われる。0<M1/M2≦20の場合、電池10の重量エネルギー密度を確保し、電池10の安全性能を確保することができる。
【0088】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の重量M1と電池セル20の重量M2とはさらに、0.1≦M1/M2≦1を満たし、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに向上させ、電池10の安全性能を確保する。
【0089】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の複数の電池セル20の第1壁201に接続された表面の面積S1と第1壁201の面積S2とは、0.2≦S1/S2≦30を満たす。
【0090】
S1はセパレーター101の電池セル20に接続された側の表面の総面積である。S1/S2が大きすぎると、エネルギー密度に悪影響を与える。S1/S2が小さすぎると、熱伝導効果は非常に低く、安全性能に悪影響を与える。0.2≦S1/S2≦30の場合、電池10のエネルギー密度を確保し、電池10の安全性能を確保することができる。
【0091】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の複数の電池セル20の第1壁201に接続された表面の面積S1と第1壁201の面積S2とはさらに、2≦S1/S2≦10を満たし、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに向上させ、電池10の安全性能を確保する。
【0092】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の比熱容量Qとセパレーター101の重量M1とは、0.02KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg2/℃)を満たす。
【0093】
Q/M1<0.02KJ/(kg2/℃)の場合、セパレーター101は多くのエネルギーを吸収し、電池セル20の温度は低くなりすぎて、リチウム析出が発生する可能性があり、Q/M1>100KJ/(kg2/℃)の場合、セパレーター101の熱伝導率が低く、熱を速やかに奪うことができない。0.02KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg2/℃)の場合、電池10の安全性能を確保することができる。
【0094】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101の比熱容量Qとセパレーター101の重量M1とはさらに、0.3KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦20KJ/(kg2/℃)を満たし、それにより電池10の安全性能をさらに向上させる。
【0095】
選択可能に、本願の一実施例では、
図8に示すように、掛け壁204の内部に第2空洞部2041が設けられてもよい。第2空洞部2041は掛け壁204の強度を確保するとともに、掛け壁204の重量を減らすことができる。そして、第2空洞部2041は掛け壁204に第2方向zにおける大きな圧縮スペースを有させることができ、それにより電池セル20に大きな膨張スペースを提供することができる。
【0096】
選択可能に、本願の一実施例では、第2空洞部2041は流体を収容して電池セル20の温度を調節することに用いられる。
【0097】
流体は液体又はガスであってもよく、温度の調節とは複数の電池セル20を加熱又は冷却することである。電池セル20を降温させる場合、第2空洞部2014は冷却媒体を収容して複数の電池セル20の温度を調節することができ、このとき、流体は冷却媒体又は冷却流体とも呼ばれ、さらに具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、流体は加熱に用いることができ、本願の実施例はこれについて限定しない。選択可能に、流体は循環的に流れるものであってもよく、それにより、より良好な温度調節の効果を実現する。選択可能に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液、冷媒又はエア等であってもよい。
【0098】
選択可能に、本願の一実施例では、第2空洞部2041内に補強部材2042がさらに設けられ、このようにして、掛け壁204の強度を向上させることができる。
【0099】
選択可能に、本願の一実施例では、
図9に示すように、電池10はさらに補強リブ205を備え、補強リブ205は掛け壁204の第2方向zに沿って電池セル20から離れる表面に設けられる。
【0100】
選択可能に、本願の一実施例では、補強リブ205と掛け壁204は一体的に成形された構造である。このような一体的に成形された構造は、加工及び組み立てが容易であり、該構造は接合、溶接、接着、機械加工、スタンピング等の方式で形成されてもよく、本願はこれについて限定しない。
【0101】
選択可能に、本願の一実施例では、電池10は、第1方向xに沿って並べられた複数列の複数の電池セル20と複数のセパレーター101とを備え、複数列の電池セル20と複数のセパレーター101は第3方向yに交互に設けられ、該第3方向yは第1壁201に垂直である。つまり、複数列の電池セル20と複数のセパレーター101は、セパレーター101、1列の電池セル20、セパレーター101…、又は、1列の電池セル20、セパレーター101、1列の電池セル20…に従って設けることができる。このようにして、複数列の電池セル20と複数のセパレーター101は互いに接続されて一体を形成し、ボックス11内に収容され、各列の電池セル20に対して効果的な熱伝導を行うことができるとともに、電池10全体の構造強度を確保することができ、それにより電池10の性能を向上させることができる。
【0102】
図10は本願の別の実施例の電池10の構造模式図を示す。
図10に示すように、電池10は複数の電池モジュール100を備え、該電池モジュール100は、第1方向xに沿って並べられた少なくとも1列の複数の電池セル20と少なくとも1つのセパレーター101とを備え、且つ少なくとも1列の電池セル20と少なくとも1つのセパレーター101は第3方向yに交互に設けられる。つまり、各々の電池モジュール100に対して、電池セル20の列とセパレーター101は第3方向yに交互に設けられ、複数の電池モジュール100はボックス11内に収容され、電池10が形成される。
【0103】
選択可能に、電池モジュール100はN列の電池セル20とN-1個のセパレーター101とを備え、セパレーター101は隣接する2列の電池セル20の間に設けられ、Nは1よりも大きい整数である。つまり、セパレーター101は電池モジュール100の内部に設けられ、電池モジュール100の外側にセパレーター101が設けられない。例えば、2列の電池セル20の間に1つのセパレーター101が設けられ、3列の電池セル20の間に2つのセパレーター101が設けられ、このように類推する。
【0104】
選択可能に、本願の一実施例では、
図10に示すように、電池モジュール100は2列の電池セル20を備え、すなわち、Nが2である。対応して、2列の電池セル20の間に1つのセパレーター101が設けられる。隣接する電池モジュール100の間にセパレーター101は設けられず、このようにして、該実施例では、電池10内に少ないセパレーター101が設けられても、各電池セル20がすべてセパレーター101に接続できることを確保することができる。
【0105】
選択可能に、本願の一実施例では、複数の電池モジュール100は第3方向yに沿って並べられ、隣接する電池モジュール100の間に隙間がある。隣接する電池モジュール100の間にセパレーター101がなく、一定の隙間がある。隣接する電池モジュール100の間の隙間は電池セル20に膨張スペースを提供することができる。
【0106】
選択可能に、セパレーター101の第1方向xの端部に固定構造103が設けられ、セパレーター101は固定構造103を介して掛け壁204に固定される。固定構造103は掛け壁204に直接接続されてもよく、又はボックス11の側壁に接続されてから掛け壁204に接続されることもよい。このようにして、各電池セル20はすべてセパレーター101及び固定構造103により掛け壁204に固定され、このようにして、電池セル20と掛け壁204との間の固定接続が強化され、電池10全体が一体に接続され、電池10の構造強度が向上する。
【0107】
選択可能に、固定構造103は固定プレート104を備えてもよい。固定プレート104はセパレーター101の端部と固定して接続され、且つセパレーター101の端部に位置する電池セル20と固定して接続される。例えば、直方体状の電池セル20の場合、固定プレート104はセパレーター101に垂直に接続され、且つセパレーター101とそれぞれ直方体状の電池セル20の2つの隣接する側壁に接続され、それにより電池セル20の固定効果をさらに強化する。
【0108】
選択可能に、固定プレート104は、セパレーター101と同じ材料、例えば、金属、プラスチック又は複合材を採用することができる。固定プレート104の厚さはセパレーター101と同じであることができる。固定プレート104の材料又は厚さはセパレーター101と異なってもよく、例えば、固定プレート104はより高い強度又は厚さで設置することができ、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0109】
選択可能に、セパレーター101と固定プレート104との間の接続方式は抵抗溶接、抵抗リベット締め、SPRリベット締め、ロックボルト又は係合等の接続方式であってもよく、固定プレート104は抵抗溶接、抵抗リベット締め、SPRリベット締め、ロックボルト又は係合等の接続方式で掛け壁204に固定されてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0110】
選択可能に、固定プレート104と電池セル20とは、接着の方式で、例えば、構造用接着剤で接着されることにより固定して接続されてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0111】
選択可能に、固定プレート104は第1方向に沿って電池セル20から離れる方向へ延伸して形成された第1接続部105を備え、第1接続部105は掛け壁204を接続することに用いられる。
【0112】
第1接続部105は掛け壁204に平行であってもよく、第1接続部105の面積は、所要の固定効果を満たすように、接続されたボックス11の側壁の固定方式に応じて設定することができる。
【0113】
選択可能に、第1接続部105は固定プレート104を曲げることにより形成される。例えば、第1接続部105は、固定プレート104の掛け壁204に近接する縁を電池セル20から離れる方向へ曲げることにより形成される。例えば、固定プレート104の上縁を外へ曲げて第1接続部105を形成することができる。このようにして、第1接続部105と固定プレート104の本体とは一体的に形成された構造となり、それにより接続性能を高めることができる。
【0114】
選択可能に、本願の一実施例では、固定プレート104は、第1方向に沿って電池セル20から離れる方向へ延伸して形成された第2接続部106をさらに備え、第2接続部106は固定プレート104とセパレーター101とを接続することに用いられる。例えば、固定プレート104とセパレーター101との接続位置に、第2接続部106は、電池セル20から離れる方向、すなわち外へ延伸して形成され、固定プレート104は第2接続部106を介してセパレーター101と固定して接続される。
【0115】
選択可能に、セパレーター101を接続することに加えて、第2接続部106はさらに固定プレート104間の接続を同時に実現することができる。例えば、各列の電池セル20に1つの固定プレート104が設けられ、セパレーター101と、2列の電池セル20に対応する2つの固定プレート104とは第2接続部106によって一体に固定される。
【0116】
第2接続部106はセパレーター101に平行であってもよい。第2接続部106の面積は、所要の固定効果を満たすように、固定方式に応じて設定することができる。
【0117】
選択可能に、本願の一実施例では、セパレーター101は第1壁201に接着されている。つまり、セパレーター101と電池セル20とは、接着の方式で、例えば、構造用接着剤で接着されることにより固定して接続されてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0118】
選択可能に、本願の一実施例では、掛け壁204は第2壁202に接着されている。つまり、掛け壁204と電池セル20とは、接着の方式で、例えば、構造用接着剤で接着されることにより固定して接続されてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0119】
理解できるように、本願の各実施例における関連する部分は互いに参照することができ、簡潔にするために詳細な説明は省略する。
【0120】
本願の一実施例はさらに電力消費機器を提供し、該電力消費機器は上記実施例における電池10を備えてもよい。選択可能に、該電力消費機器は車両1、船又は宇宙機等であってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0121】
上記で本願の実施例の電池10と電力消費機器を説明しており、以下、本願の実施例の電池10の製造方法及び機器を説明し、ここで詳細に説明されていない部分は上記各実施例を参照できる。
【0122】
図11は本願の一実施例の電池10の製造方法300の例示的なフローチャートを示す。
図11に示すように、該方法300はステップ310~ステップ330を含んでもよい。
【0123】
ステップ310では、第1方向xに沿って並べられた複数の電池セル20を提供し、電池セル20は第1壁201と第2壁202を備え、第1壁201は電池セル20の表面積が最大の壁であり、第2壁202は第1壁201に接続される。
【0124】
ステップ320では、セパレーター101を提供し、セパレーター101は第1方向xに沿って延伸し且つ複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第1壁201に接続される。
【0125】
ステップ330では、掛け壁204を提供し、掛け壁204は複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第2壁202に接続され、電池セル20が電力消費機器に設けられる場合、電池セル20は掛け壁204の下方に位置し、掛け壁204は電池セル20を掛けることに用いられる。
【0126】
図12は本願の一実施例の電池10の製造機器400の例示的なブロック図を示す。
図12に示すように、電池10の製造機器400は第1提供モジュール410と、第2提供モジュール420と、第3提供モジュール430とを備えてもよい。
【0127】
第1提供モジュール410は第1方向xに沿って並べられた複数の電池セル20を提供することに用いられ、電池セル20は第1壁201と第2壁202を備え、第1壁201は電池セル20の表面積が最大の壁であり、第2壁202は第1壁201に接続される。
【0128】
第2提供モジュール420はセパレーター101を提供することに用いられ、セパレーター101は第1方向xに沿って延伸し且つ複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第1壁201に接続される。
【0129】
第3提供モジュール430は掛け壁204を提供することに用いられ、掛け壁204は複数の電池セル20のうちの各電池セル20の第2壁202に接続され、電池セル20が電力消費機器に設けられる場合、電池セル20は掛け壁204の下方に位置し、掛け壁204は電池セル20を掛けることに用いられる。
【0130】
以下、本願の実施例を説明するが、以下で説明される実施例は例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を制限するものとして理解できない。実施例において具体的な技術又は条件が示されていない場合、本分野の文献に説明される技術又は条件、あるいは製品の取扱書に従って行われる。
【0131】
図面に示されている電池セル20とセパレーター101を採用し、GB38031-2020に従って電池10の安全試験を行い、試験結果は表1~表4に示された。
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
上記試験結果から分かるように、本願に係る電池10は安全性能の要件を満たすことができる。
【0137】
好ましい実施例を参照しながら本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、様々な改良を行うことができ、且つその中の部材を同等物で置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に係る各技術的特徴はすべて任意に組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に属するすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0138】
1 車両
10 電池
11 ボックス
20 電池セル
21 ケーシング
22 電極アセンブリ
23 接続部材
30 コントローラ
40 モータ
100 電池モジュール
101 セパレーター
102 絶縁層
103 固定構造
104 固定プレート
105 第1接続部
106 第2接続部
201 第1壁
202 第2壁
203 第3壁
204 掛け壁
205 補強リブ
211 ハウジング
212 カバープレート
213 圧力解放機構
214 電極端子
214a 正極端子
214b 負極端子
221 第1タブ
222 第2タブ
400 製造機器
410 第1提供モジュール
420 第2提供モジュール
430 第3提供モジュール
1011 第1空洞部
2014 第2空洞部
2041 第2空洞部
2042 内に補強部材
【手続補正書】
【提出日】2022-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第1方向に沿って並べられた複数の電池セ
ルと、セパレータ
ーと、掛け
壁とを備え、
前記電池セ
ルは第1
壁と第2
壁とを備え、前記第1
壁は前記電池セ
ルの表面積が最大の壁であり、前記第2
壁は前記第1
壁に接続され、
前記セパレータ
ーは前記第1方向に沿って延伸し且つ前記複数の電池セ
ルのうちの各電池セ
ルの前記第1
壁に接続され、
前記掛け
壁は前記複数の電池セ
ルのうちの各電池セ
ルの前記第2
壁に接続され、前記電池セ
ルが電力消費機器に設けられる場合、前記電池セ
ルは前記掛け
壁の下方に位置し、前記掛け
壁は前記電池セ
ルを掛けることに用いられる
、電池。
【請求項2】
前記電池セ
ルの第3
壁に電極端
子が設けられ、前記第3
壁と前記第2
壁は第2方向に沿って間隔をあけて対向して設けられ、前記第2方向は前記第2
壁に垂直であり、又は
前記第3
壁は前記第2
壁に接続され、且つ前記第1方向は前記第3
壁に垂直である
、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記セパレータ
ーは金属材料プレートである
、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記セパレーター
の表面に絶縁
層が設けられる
、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記セパレータ
ーは非金属材料プレートである
、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項6】
前記セパレータ
ー内に第1空洞
部が設けられ、
前記第1空洞部は流体を収容して前記電池セルの温度を調節することに用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記セパレータ
ーの第3方向におけるサイズT1は0.1~100mmであり
、前記セパレーターの前記第3方向におけるサイズT1と前記電池セルの前記第3方向におけるサイズT2とは、0<T1/T2≦7を満たし、前記第3方向は前記第1
壁に垂直である
、請求項
1~6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
0<T1/T2≦1である
、請求項
7に記載の電池。
【請求項9】
前記セパレータ
ーの重量M1と前記電池セ
ルの重量M2とは、0<M1/M2≦20を満たす
、請求項
1~8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
0.1≦M1/M2≦1である
、請求項
9に記載の電池。
【請求項11】
前記セパレータ
ーの前記複数の電池セ
ルの前記第1
壁に接続された表面の面積S1と前記第1
壁の面積S2とは、0.2≦S1/S2≦30を満たす
、請求項
1~10のいずれか1項に記載の電池。
【請求項12】
2≦S1/S2≦10である
、請求項
11に記載の電池。
【請求項13】
前記セパレータ
ーの比熱容量Qと前記セパレータ
ーの重量M1とは、0.02KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦100KJ/(kg2/℃)を満たす
、請求項
1~12のいずれか1項に記載の電池。
【請求項14】
0.3KJ/(kg2/℃)≦Q/M1≦20KJ/(kg2/℃)である
、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記掛け
壁の内部に第2空洞
部が設けられ
、前記第2空洞部は流体を収容して前記電池セルの温度を調節することに用いられる、請求項
1~14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項16】
前記電池はさらに補強リブを備え、前記補強リブは前記掛け壁の第2方向に沿って前記電池セルから離れる表面に設けられ、前記補強リブと前記掛け壁は一体的に成形された構造であり、前記第2方向は前記第2壁に垂直である、請求項1~15のいずれか1項に記載の電池。
【請求項17】
前記電
池は、前記第1方向に沿って並べられた複数列の複数の前記電池セ
ルと複数の前記セパレータ
ーとを備え、複数列の前記電池セ
ルと複数の前記セパレータ
ーは第3方向に交互に設けられ、前記第3方向は前記第1
壁に垂直である
、請求項
1~16のいずれか1項に記載の電池。
【請求項18】
前記電
池は複数の電池モジュー
ルを備え、前記電池モジュールは、前記第1方向に沿って並べられた少なくとも1列の複数の前記電池セ
ルと少なくとも1つの前記セパレータ
ーとを備え、且つ少なくとも1列の前記電池セ
ルと少なくとも1つの前記セパレータ
ーは第3方向に交互に設けられ
、又は、
前記電池モジュールはN列の前記電池セルとN-1個の前記セパレーターとを備え、前記セパレーターは隣接する2列の前記電池セルの間に設けられ、Nは1よりも大きい整数であり、
複数の前記電池モジュールは前記第3方向に沿って並べられ、隣接する前記電池モジュールの間に隙間があり、前記第3方向は前記第1壁に垂直である、請求項
1~16のいずれか1項に記載の電池。
【請求項19】
前記セパレータ
ーの前記第1方向の端部に固定構
造が設けられ、前記セパレータ
ーは前記固定構
造を介して前記掛け
壁に固定される
、請求項
1~18のいずれか1項に記載の電池。
【請求項20】
電力消費機器であって、請求項
1~19のいずれか1項に記載の電
池を備え、前記電
池は電気エネルギーを提供することに用いられる
、電力消費機器。
【国際調査報告】