(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】極板、電極アセンブリ及び二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/13 20100101AFI20240304BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240304BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20240304BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20240304BHJP
H01M 4/74 20060101ALI20240304BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240304BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240304BHJP
H01M 50/586 20210101ALN20240304BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M50/531
H01M50/591 101
H01M4/66 A
H01M4/74 C
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M50/586
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540675
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2022077402
(87)【国際公開番号】W WO2023159373
(87)【国際公開日】2023-08-31
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼志▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】何昌盛
(72)【発明者】
【氏名】李克▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲シァォ▼松
【テーマコード(参考)】
5H017
5H028
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017DD06
5H017HH03
5H017HH05
5H028AA05
5H028CC08
5H028CC11
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029DJ05
5H029DJ07
5H029DJ08
5H029HJ03
5H029HJ12
5H043AA04
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA06
5H043GA22
5H043GA25
5H043HA22
5H043JA21
5H043LA21
5H043LA21E
5H050AA12
5H050AA15
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050DA04
5H050DA09
5H050DA20
5H050FA18
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
本出願は、極板、電極アセンブリ及び二次電池を提供する。極板であって、集電体と、集電体の一つの表面に設置される活物質層と、集電体と電気的に接続される電気接続部材とを含み、活物質層は集電体の本体部に設置され、電気接続部材と集電体は集電体のエッジにおいて溶接接続され、該溶接接続領域は中継溶接領域と呼ばれており、集電体は、支持層と、支持層の一つの表面に設置される導電層とを含み、ここで、極板は、集電体の別の表面に設置されるとともに極板の厚さ方向から見ると、少なくとも中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層をさらに含む。本出願によれば、二次電池の安全性能を向上させ、二次電池の内部抵抗を低下させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板であって、集電体と、前記集電体の一つの表面に設置される活物質層と、前記集電体に電気的に接続される電気接続部材とを含み、
前記活物質層は、前記集電体の本体部に設置され、前記電気接続部材と前記集電体は、前記集電体のエッジにおいて溶接接続され、該溶接接続領域は中継溶接領域と呼ばれており、
前記集電体は、支持層と、前記支持層の一つの表面に設置される導電層とを含み、
ここで、前記極板は、前記集電体の別の表面に設置されるとともに前記極板の厚さ方向から見ると、少なくとも前記中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層をさらに含む、極板。
【請求項2】
前記支持層は、繊維状の空孔構造を有する絶縁材料で構成される、請求項1に記載の極板。
【請求項3】
前記支持層は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜である、請求項2に記載の極板。
【請求項4】
前記極板の厚さ方向から見ると、前記第1の絶縁層のエッジは前記活物質層のエッジと重なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の極板。
【請求項5】
前記第1の絶縁層は、樹脂材料で構成され、且つ前記支持層と同じ材料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の極板。
【請求項6】
前記第1の絶縁層は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜であり、
又は、前記第1の絶縁層は、接着剤又は樹脂材料である、請求項1に記載の極板。
【請求項7】
前記極板は、前記電気接続部材の一つの表面に設置されるとともに前記極板の厚さ方向から見ると、少なくとも前記中継溶接領域全体を覆う第2の絶縁層をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の極板。
【請求項8】
前記第2の絶縁層は、接着剤又は樹脂材料である、請求項7に記載の極板。
【請求項9】
前記活物質層と前記集電体との間には下塗り層が設置されており、
任意選択的に、前記下塗り層の幅は前記活物質層の幅より1mm~3mm小さい、請求項1~8のいずれか一項に記載の極板。
【請求項10】
電極アセンブリであって、
第1の極板と第2の極板とを含み、
前記第1の極板と前記第2の極板のうちの一つの極板は、請求項1~9のいずれか一項に記載の極板であり、
前記第1の極板と前記第2の極板のうちの前記一つの極板の支持層が前記第1の極板と前記第2の極板のうちの別の極板と密に接触するように設置される、電極アセンブリ。
【請求項11】
電極アセンブリであって、
第1の極板と第2の極板とを含み、
前記第1の極板と前記第2の極板は、それぞれ請求項1~9のいずれか一項に記載の極板であり、
前記第1の極板の支持層が前記第2の極板の活物質層と密に接触するように設置されるとともに、
前記第2の極板の支持層が前記第1の極板の活物質層と密に接触するように設置される、電極アセンブリ。
【請求項12】
二次電池であって、
前記二次電池は、請求項1~9のいずれか一項に記載の極板又は請求項10又は11に記載の電極アセンブリを含む、二次電池。
【請求項13】
電池モジュールであって、
前記電池モジュールは請求項12に記載の二次電池を含む、電池モジュール。
【請求項14】
電池パックであって、
前記電池パックは請求項13に記載の電池モジュールを含む、電池パック。
【請求項15】
電力消費装置であって、
前記電力消費装置は、請求項12に記載の二次電池、請求項13に記載の電池モジュール及び請求項14に記載の電池パックのうちから選択された少なくとも一つを含む、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に極板、電極アセンブリ及び二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池は、高エネルギー密度、高出力電力、長いサイクル寿命、少ない環境汚染などの利点を有するため、水力、火力、風力と太陽光発電所等のエネルギー貯蔵電源システム、及び電動ツール、電動自転車、電動オートバイク、電気自動車、消費系電子製品、軍事装備、航空宇宙等の複数の分野に広く応用されている。二次電池が飛躍的な発展を遂げたため、そのエネルギー密度、サイクル性能と安全性能などに対してもより高い要求が求められている。
【0003】
従来技術において、集電体が開示されており、それは、緻密支持層と、支持層の少なくとも一つの表面に設置される緻密導電層とを含む。しかしながら、上記集電体は、従来のタブ成形構造によって、電池の厚さ方向に沿って導通する構造を形成することができないため、超音波溶接を用いて集電体のエッジで金属タブを中継溶接する必要がある。このように、上記集電体には、金属タブを集電体に溶接する時に、金属の溶け落ちによる短絡で該集電体を使用する二次電池の安全性が低下し、溶接時に金属スラグが他の領域に落下して二次電池の内部抵抗の増加を引き起こすという問題が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、上記技術課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接時の金属の溶け落ちによる短絡を確実に防止することができ、それによって該極板を使用する二次電池の安全性を改善し二次電池の内部抵抗を低下させる極板、電極アセンブリ、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を提供することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本出願は、集電体の別の表面に設置されるとともに厚さ方向から見ると、少なくとも中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層を含む極板、電極アセンブリ、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を提供した。
【0006】
本出願の第1の態様は、極板を提供し、該極板は、集電体と、前記集電体の一つの表面に設置される活物質層と、前記集電体と電気的に接続される電気接続部材とを含み、前記活物質層は、前記集電体の本体部に設置され、前記電気接続部材と前記集電体は前記集電体のエッジにおいて溶接接続され、該溶接接続領域は中継溶接領域と呼ばれており、前記集電体は、支持層と、前記支持層の一つの表面に設置される導電層とを含み、ここで、前記極板は、前記集電体の別の表面に設置されるとともに前記極板の厚さ方向から見ると、少なくとも前記中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層をさらに含む。
【0007】
それによって、本出願では、集電体の別の表面に、極板の厚さ方向から見ると、少なくとも中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層を設置することによって、集電体の一つの表面側に電気接続部材と集電体を溶接接続する時、集電体の導電層と支持層の溶け落ちで、溶接に発生したスラグ及び後続の工程に落ちた粒子が、溶け落ちのある導電層と支持層を通して活物質層を設置するためのフィルム領域に落下しても、集電体の別の表面に位置する第1の絶縁層が、フィルム領域へのスラグ及び粒子の落下を防止する保護作用を果たすため、溶接時の金属の溶け落ちによる短絡を確実に防止することができ、それによって該極板を使用する二次電池の安全性を改善し二次電池の内部抵抗を低下させた。
【0008】
任意の実施形態において、前記支持層は、繊維状の空孔構造を有する絶縁材料で構成される。それによって、支持層のイオン通過性を向上させることができ、それによって電気化学的性能を効果的に向上させることができる。
【0009】
任意の実施形態において、前記支持層は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜である。それによって、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜で支持層を構成することによって、イオン通過性の高い支持層を確実に構成することができる。
【0010】
任意の実施形態において、前記極板の厚さ方向から見ると、前記第1の絶縁層のエッジは前記活物質層のエッジと重なる。電気接続部材の溶接接続による活物質層への悪い影響を防止するために、電気接続部材が溶接接続される中継溶接領域は、極板の厚さ方向から見ると、活物質層のエッジの外側に位置することが好ましいため、第1の絶縁層のエッジと活物質層のエッジが極板の厚さ方向から見ると、重なるようにすることによって、第1の絶縁層が極板の厚さ方向から見ると、中継溶接領域全体を覆うことを確実に確保することができる。
【0011】
任意の実施形態において、前記第1の絶縁層は、樹脂材料で構成され、且つ前記支持層と同じ材料である。それによって、第1の絶縁層のイオン通過性を向上させることができ、それによって電気化学的性能を効果的に向上させることができる。
【0012】
任意の実施形態において、前記第1の絶縁層は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜であり、又は、前記第1の絶縁層は、接着剤又は樹脂材料である。それによって、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜で第1の絶縁層を構成することによって、イオン通過性の高い第1の絶縁層を確実に構成することができる。また、接着剤又は樹脂材料で形成された第1の絶縁層は、塗布などによって絶縁層を容易に形成することができる。
【0013】
任意の実施形態において、前記極板は、前記電気接続部材の一つの表面に設置されるとともに前記極板の厚さ方向から見ると、少なくとも前記中継溶接領域全体を覆う第2の絶縁層をさらに含む。それによって、溶接痕跡によるカシメ孔を第2の絶縁層で充填して、溶接に発生したスラグと後続の工程に落ちた粒子がカシメ孔に落下することを防止することができ、それによってhi-po不良の発生を防止し、二次電池の直流内部抵抗を低下させることができる。
【0014】
任意の実施形態において、前記第2の絶縁層は、接着剤又は樹脂材料である。それによって、溶接痕跡によるカシメ孔を接着剤又は樹脂材料で確実に充填することができる。
【0015】
任意の実施形態において、前記活物質層と前記集電体との間には下塗り層が設置されており、任意選択的に、前記下塗り層の幅は前記活物質層の幅より1mm~3mm小さい。活物質層と集電体との間に下塗り層を設置することによって、集電体と活物質との間の接着力を向上させ、活物質層が集電体の表面により強固に設置されることを確保することができるとともに、下塗り層は、極板の過電流耐量と電気化学的性能を改善することができる。また、下塗り層の幅が活物質層の幅より1mm~3mm小さく、それによって電気接続部材と下塗り層との接触による溶接不良及びダミー溶接の発生を防止することができる。
【0016】
本出願の第2の態様は、電極アセンブリを提供し、ここで、該電極アセンブリは、そのうちの一つの極板が本出願の第1の態様に記載の極板である第1の極板と第2の極板とを含み、前記第1の極板と前記第2の極板のうちの前記一つの極板の支持層が前記第1の極板と前記第2の極板のうちの別の極板と密に接触するように設置される。
【0017】
本出願の第3の態様は、電極アセンブリをさらに提供し、ここで、該電極アセンブリは、それぞれ本出願の第1の態様に記載の極板である第1の極板と第2の極板とを含み、前記第1の極板の支持層が前記第2の極板の活物質層と密に接触するように設置されるとともに、前記第2の極板の支持層が前記第1の極板の活物質層と密に接触するように設置される。
【0018】
本出願の第4の態様は、二次電池を提供し、ここで、前記二次電池は、本出願の第1の態様に記載の極板、又は本出願の第2の態様又は第3の態様に記載の電極アセンブリを含む。
【0019】
本出願の第5の態様は、電池モジュールを提供し、ここで、前記電池モジュールは、本出願の第4の態様に記載の二次電池を含む。
【0020】
本出願の第6の態様は、電池パックを提供し、ここで、前記電池パックは、本出願の第5の態様に記載の電池モジュールを含む。
【0021】
本出願の第7の態様は、電力消費装置を提供し、ここで、前記電力消費装置は、本出願の第4の態様に記載の二次電池、本出願の第5の態様に記載の電池モジュール及び本出願の第6の態様に記載の電池パックから選択される少なくとも一つを含む。
【0022】
本出願によれば、溶接時の金属の溶け落ちによる短絡を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】本出願の一実施形態の極板のタブ部分の底面図である。
【
図4】本出願の一実施形態の極板のタブ部分の平面図である。
【
図5】本出願の一実施形態の電極アセンブリの断面図である。
【
図6】
図5に示される電極アセンブリの捲回後の平面図である。
【
図7】本出願の一実施形態の電極アセンブリの断面図である。
【
図8】
図5に示される電極アセンブリの捲回後の平面図である。
【
図9】本出願の一実施形態の二次電池の概略図である。
【
図10】
図9に示される本出願の一実施形態の二次電池の分解図である。
【
図11】本出願の一実施形態の電池モジュールの概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態の電池パックの概略図である。
【
図13】
図11に示される本出願の一実施形態の電池パックの分解図である。
【
図14】本出願の二次電池が電源として用いられる電力消費装置の一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、本出願の極板、電極アセンブリ、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を具体的に開示した実施形態を、図面を適当に参照しながら詳細に説明する。しかし、必要のない詳細な説明を省略する場合がある。例えば、周知の事項に対する詳細な説明、実際に同じである構造に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に長くなることを回避し、当業者に容易に理解させるためである。なお、図面及び以下の説明は、当業者に本出願を十分に理解させるために提供するものであり、特許請求の範囲に記載された主題を限定するためのものではない。
【0025】
本出願に開示される「範囲」は、下限及び上限の形式で限定され、所定範囲は、特定の範囲の境界を限定する1つの下限と1つの上限を選定することによって限定される。このように限定される範囲は、端値を含んでもよく含まなくてもよく、任意に組み合わせてもよく、即ち、任意の下限と任意の上限とを組み合わせて1つの範囲を形成してもよい。例えば、特定のパラメータについて60~120と80~110の範囲が挙げられている場合、60~110と80~120の範囲も想定されると理解される。なお、最小範囲値1と2、最大範囲値3、4と5が列挙されている場合、以下の1~3、1~4、1~5、2~3、2~4及び2~5の範囲の全ては想定できるものである。本出願において、別段の記載がない限り、数値範囲「a~b」は、aないしbの間の全ての実数の組み合わせを表す短縮表現であり、ここで、aとbはいずれも実数である。例えば、数値範囲「0~5」は、本明細書で「0~5」の間の全ての実数がリストアップされていることを意味し、「0~5」はこれら数値の組み合わせの省略表示にすぎない。また、あるパラメータ≧2の整数であると記述している場合、このパラメータは例えば、整数2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12などであることを開示していることに相当する。
【0026】
特に説明されていない限り、本出願の全ての実施形態及び選択可能な実施形態は、互いに組み合わせて新たな技術案を形成してもよい。
【0027】
特に説明されていない限り、本出願の全ての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴は、互いに組み合わせて新たな技術案を形成してもよい。
【0028】
特に説明されていない限り、本出願の全てのステップは、順次行われてもよく、ランダムに行われてもよく、好ましくは、順次行われる。例えば、前記方法がステップ(a)と(b)とを含むことは、前記方法が順次行われるステップ(a)と(b)とを含んでもよく、順次行われるステップ(b)と(a)とを含んでもよいことを表す。例えば、以上に言及された前記方法がステップ(c)をさらに含むことは、ステップ(c)が任意の順で前記方法に追加されてもよいことを表し、例えば、前記方法は、ステップ(a)、(b)と(c)を含んでもよく、ステップ(a)、(c)と(b)を含んでもよく、ステップ(c)、(a)と(b)などを含んでもよい。
【0029】
特に説明されていない限り、本出願で言及した「含む」と「包含」は、開放型を表し、閉鎖型であってもよい。例えば、前記「含む」と「包含」は、リストアップされていない他の成分をさらに含み又は包含してもよく、リストアップされた成分のみを含み又は包含してもよいことを表してもよい。
【0030】
特に説明されていない限り、本出願において、用語「又は」は包括的である。例えば、「A又はB」という語句は、「A、B、又はAとBの両方」を表す。より具体的には、以下のいずれか一つの条件は、いずれも「A又はB」という条件を満たす。Aが真であり(又は存在し)且つBが偽であり(又は存在せず)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真であり(又は存在し)、又はAとBがいずれも真である(又は存在する)。
【0031】
発明者は、集電体の導電層と支持層が緻密構造であるが、厚さが薄い(例えば、アルミニウム箔又は銅箔の一般的な金属箔シート集電体に比べて)ため、集電体のエッジにおいて電気接続部材を溶接する場合、中継溶接領域で、導電層と支持層に溶け落ちが発生しやすく、溶接に発生したスラグ及び後続の工程に落ちた粒子が溶け落ちのある導電層と支持層を通してフィルム領域に落下すれば、電池に自己放電が発生し、ひいては内部短絡が発生する恐れがあることを発見した。該問題を解決するために、発明者は、集電体の別の表面に、極板の厚さ方向から見ると、少なくとも中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層を設置することによって、第1の絶縁層は、スラグ及び粒子がフィルム領域に落下することを防止する保護作用を果たし、溶接時の金属の溶け落ちによる短絡を確実に防止することができる。それによって、該極板を使用する二次電池は、内部短絡を防止するため安全性が向上した一方、他の領域へのスラグの落下を防止するため、二次電池の直流内部抵抗が低下したことを発見した。
【0032】
また、以下は、図面を適当に参照しながら、本出願の極板、電極アセンブリ、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を説明する。
【0033】
[極板]
本出願の一実施形態において、極板を提供する。
図1に示すように、極板6は、集電体61と、集電体61の一つの表面に設置される活物質層62と、集電体61と電気的に接続される電気接続部材63とを含む。ここで、活物質層62は、下記の下塗り層66を介して集電体61の一つの表面に設置されるが、活物質層62は、集電体61の一つの表面に直接設置されてもよい。
【0034】
図1、
図2に示すように、活物質層62は、集電体61の本体部に設置され、電気接続部材63と集電体61は、集電体61のエッジにおいて溶接接続され、該溶接接続領域は中継溶接領域Aと呼ばれている。
【0035】
集電体61は、支持層611と、支持層611の一つの表面に設置される導電層612とを含む。従来の金属集電体に比べて、本出願の集電体では、導電層612は、導電と集電の役割を果たし、活物質層のために電子を提供するためのものである。導電層の材料は、金属導電性材料、炭素系導電性材料から選択される少なくとも一つである。上記金属導電性材料は、好ましくは、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、銀及びそれらの合金のうちの少なくとも一つである。上記炭素系導電性材料は、好ましくは、黒鉛、アセチレンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブのうちの少なくとも一つである。導電層の材料は、好ましくは、金属導電性材料であり、即ち、導電層は、好ましくは、金属導電層である。ここで、集電体が正極集電体である場合、通常、導電層の材料としてアルミニウムを用い、集電体が負極集電体である場合、通常、導電層の材料として銅を用いる。出願の集電体において、支持層は、導電層を支持し保護する役割を果たす。支持層が、一般的には、有機高分子材料又は高分子複合材料を用いるため、支持層の密度が、通常、導電層の密度より小さく、それによって従来の金属集電体に比べて、電池の重量エネルギー密度を著しく向上させることができる。
【0036】
極板6は、第1の絶縁層64をさらに含み、
図1、3に示すように、第1の絶縁層64は、集電体61の別の表面に設置されるとともに、極板6の厚さ方向Yから見て少なくとも中継溶接領域A全体を覆う。
【0037】
それによって、本出願では、集電体の別の表面に、極板の厚さ方向から見ると、少なくとも中継溶接領域全体を覆う第1の絶縁層を設置することによって、集電体の一つの表面側に電気接続部材と集電体を溶接接続する時、集電体の導電層と支持層の溶け落ちで、溶接に発生したスラグ及び後続の工程に落ちた粒子が、溶け落ちのある導電層と支持層を通して活物質層を設置するためのフィルム領域に落下しても、集電体の別の表面に位置する第1の絶縁層が、フィルム領域へのスラグ及び粒子の落下を防止する保護作用を果たすため、溶接時の金属の溶け落ちによる短絡を確実に防止することができ、それによって該極板を使用する二次電池の安全性を改善し二次電池の内部抵抗を低下させた。
【0038】
いくつかの実施形態において、支持層611は、繊維状の空孔構造を有する絶縁材料で構成される。それによって、支持層のイオン通過性を向上させることができ、それによって電気化学的性能を効果的に向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、支持層611は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜である。それによって、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜で支持層を構成することによって、イオン通過性の高い支持層を確実に構成することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、
図1に示すように、極板6の厚さ方向Yから見ると、第1の絶縁層64のエッジE1は活物質層62のエッジE2と重なる。電気接続部材の溶接接続による活物質層への悪い影響を防止するために、電気接続部材が溶接接続される中継溶接領域は、極板の厚さ方向から見ると、活物質層のエッジの外側に位置することが好ましいため、第1の絶縁層のエッジと活物質層のエッジが極板の厚さ方向から見ると、重なるようにすることによって、第1の絶縁層が極板の厚さ方向から見ると、中継溶接領域全体を覆うことを確実に確保することができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁層64は、樹脂材料で構成され、且つ支持層611と同じ材料である。それによって、第1の絶縁層のイオン通過性を向上させることができ、それによって電気化学的性能を効果的に向上させることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁層64は、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜である。それによって、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜で第1の絶縁層を構成することによって、イオン通過性の高い第1の絶縁層を確実に構成することができる。いくつかの実施形態において、第1の絶縁層64は、接着剤又は樹脂材料である。それによって、塗布などによって絶縁層を容易に形成することができる。接着剤は、特に制限されておらず、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水性アクリル樹脂、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルブチラール(PVB)のうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、極板6は第2の絶縁層65をさらに含み、
図1、4に示すように、第2の絶縁層65は、電気接続部材63の一つの表面に設置されるとともに、極板6の厚さ方向Yから見ると、少なくとも中継溶接領域A全体を覆う。それによって、溶接痕跡によるカシメ孔を第2の絶縁層で充填して、溶接に発生したスラグと後続の工程に落ちた粒子がカシメ孔に落下することを防止することができ、それによってhi-po不良の発生を防止することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2の絶縁層65は、接着剤又は樹脂材料である。それによって、溶接痕跡によるカシメ孔を接着剤又は樹脂材料で確実に充填することができる。接着剤は、特に制限されておらず、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水性アクリル樹脂、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルブチラール(PVB)のうちの一つ又は複数を含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、活物質層62と集電体61との間には下塗り層66が設置されている。任意選択的に、下塗り層66の幅方向Xでの幅は、活物質層62の幅方向Xでの幅より1mm~3mm小さい。活物質層と集電体との間に下塗り層を設置することによって、集電体と活物質との間の接着力を向上させ、活物質層が集電体の表面により強固に設置されることを確保することができるとともに、下塗り層は、極板の過電流耐量と電気化学的性能を改善することができる。また、下塗り層の幅が活物質層の幅より1mm~3mm小さく、それによって電気接続部材と下塗り層との接触による溶接不良及びダミー溶接の発生を防止することができる。
【0046】
明らかに、本出願における極板は、正極板又は負極板であってもよい。極板が正極板である場合、それに応じて、それにおける集電体と活物質層は、それぞれ正極集電体と正極活物質層である。極板が負極板である場合、それに応じて、それにおける集電体と活物質層は、それぞれ負極集電体と負極活物質層である。
【0047】
本出願の極板6が正極板である場合、正極板は、正極集電体と、正極集電体の一つの表面に設置される正極活物質層とを含む。正極活物質層は、正極活物質を含む。
【0048】
一例として、正極集電体は、その自体の厚さ方向において対向する二つの表面を有し、正極活物質層は、正極集電体の対向する二つの表面のいずれか一つに設置される。
【0049】
いくつかの実施形態において、正極集電体は、複合集電体を用いてもよい。複合集電体は、繊維状の空孔構造を有する絶縁材料で構成される支持層と、支持層の一つの表面に形成される導電層とを含んでもよい。複合集電体は、金属材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銀及び銀合金など)を支持層(例えば、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜)に形成することによって形成することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、正極活物質は、当分野でよく知られている電池用の正極活物質を採用してもよい。一例として、正極活物質は、オリビン構造のリチウム含有リン酸塩、リチウム遷移金属酸化物及びそれぞれの改質化合物のうちの少なくとも一つの材料を含んでもよい。しかし、本出願では、これらの材料に限定されず、さらに電池の正極活物質として使用可能な他の従来の材料を使用してもよい。これらの正極活物質は、一つのみを単独に使用してもよく、二つ以上を組み合わせて使用してもよい。ここで、リチウム遷移金属酸化物の例は、リチウムコバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(例えば、LiMnO2、LiMn2O4)、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムマンガンコバルト酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM333と略称されてもよい)、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM523と略称されてもよい)、LiNi0.5Co0.25Mn0.25O2(NCM211と略称されてもよい)、LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2(NCM622と略称されてもよい)、LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NCM811と略称されてもよい)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、LiNi0.85Co0.15Al0.05O2)及びその改質化合物などのうちの少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限られない。オリビン構造のリチウム含有リン酸塩の例は、リン酸鉄リチウム(例えば、LiFePO4(LFPと略称されてもよい))、リン酸鉄リチウムと炭素との複合材料、リン酸マンガンリチウム(例えば、LiMnPO4)、リン酸マンガンリチウムと炭素との複合材料、リン酸マンガン鉄リチウム、リン酸マンガン鉄リチウムと炭素との複合材料のうちの少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限られない。
【0051】
いくつかの実施形態において、正極活物質層は、任意選択的に、接着剤をさらに含む。一例として、前記接着剤は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン-プロピレン三元共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン三元共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び含フッ素アクリル酸エステル樹脂のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、正極活物質層は、任意選択的に、導電剤をさらに含む。一例として、前記導電剤は、超伝導性カーボン、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ、グラフェン、およびカーボンナノファイバーのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、以下の方式で正極板を製造することができ、正極板を製造するための上記成分、例えば、正極活物質、導電剤、接着剤といずれかの他の成分を溶媒(例えば、N-メチルピロリドン)に分散させて、正極スラリーを形成し、正極スラリーを正極集電体に塗布し、乾燥、冷間プレスなどの工程を経た後、正極板が得られる。
【0054】
本出願の極板6が負極板である場合、負極板は、負極集電体と、負極集電体の一つの表面に設置される負極活物質層とを含む。負極活物質層は、負極活物質を含む。
【0055】
一例として、負極集電体は、その自体の厚さ方向において対向する二つの表面を有し、負極活物質層は、負極集電体の対向する二つの表面のいずれか一つに設置されている。
【0056】
いくつかの実施形態において、負極集電体は、複合集電体を用いてもよい。複合集電体は、繊維状の空孔構造を有する絶縁材料で構成される支持層と、支持層の一つの表面に形成される導電層とを含んでもよい。複合集電体は、金属材料(例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銀及び銀合金など)を支持層(例えば、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜、ポリ塩化ビニリデン膜又はそれらの多層複合膜)に形成することによって形成することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、負極活物質は、当分野でよく知られている電池用の負極活物質を採用してもよい。一例として、負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、シリコン系材料、スズ系材料及びチタン酸リチウムのうちの少なくとも一つを含んでもよい。前記シリコン系材料は、シリコン単体、シリコン酸化物、シリコン炭素複合体、シリコン窒素複合体及びシリコン合金のうちの少なくとも一つから選択されてもよい。前記スズ系材料は、スズ単体、スズ酸化物及びスズ合金のうちの少なくとも一つから選択されてもよい。しかし、本出願では、これらの材料に限定されず、さらに電池の負極活物質として使用可能な他の従来の材料を使用してもよい。これらの負極活物質は、一つのみを単独に使用してもよく、二つ以上を組み合わせて使用してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、負極活物質層は、任意選択的に、接着剤をさらに含む。前記接着剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAAS)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸ナトリウム(SA)、ポリメタクリル酸(PMAA)及びカルボキシメチルキトサン(CMCS)のうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、負極活物質層は、任意選択的に、導電剤をさらに含む。導電剤は、超伝導性カーボン、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ、グラフェン、及びカーボンナノファイバーのうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、負極活物質層は、任意選択的に、他の助剤、例えば、増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na))などをさらに含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、以下の方式で負極板を製造することができ、負極板を製造するための上記成分、例えば、負極活物質、導電剤、接着剤といずれかの他の成分を溶媒(例えば、脱イオン水)に分散させて、負極スラリーを形成し、負極スラリーを負極集電体に塗布し、乾燥、冷間プレスなどの工程を経た後、負極板が得られる。
【0062】
[電極アセンブリ]
本出願の一実施形態において、電極アセンブリを提供する。電極アセンブリ52は、正極板(第1の極板)6と、負極板(第2の極板)7と、捲回プロセスで電極アセンブリを製造する時に正負極短絡を防止する役割を果たすとともに、イオンを通過させ得る一つのセパレータ8とを含む。本明細書では、正極板を第1の極板と称し、負極板を第2の極板と称するが、逆にしてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、正極板と負極板のうちの正極板は、本出願の上記構造の極板6である。正極板と負極板のうちの負極板は、従来の構造の極板7であるが、逆であってもよい。
【0064】
図5に示すように、負極板7は、負極集電体71と、負極集電体71の二つの表面に形成される負極活物質層72と、負極集電体71と電気的に接続される電気接続部材73とを含む。極板の長手方向Xから見て、正極板6の支持層611が負極板7と密に接触するように設置される。
【0065】
図6は、
図5に示される電極アセンブリ52の捲回後の平面図である。電極アセンブリの捲回後に、正極板6の正極活物質層がセパレータ8と密に接触するように設置される。
【0066】
それによって、本実施形態の正極板6と負極板7との間にセパレータを設置する必要がなく、支持層611は正極板6と負極板7との間のセパレータとして作用する。負極板7と正極板6との間はセパレータ8によって分離される。
【0067】
図7は、本出願の一実施形態の電極アセンブリ52Aの断面図である。
図8は、
図3に示される電極アセンブリ52Aの捲回後の平面図である。該電極アセンブリ52Aと上記の電極アセンブリ52との相違点は、正極板と負極板がそれぞれ本出願の上記構造の極板であることにある。即ち、負極板6Aは、集電体61Aと、集電体61Aの一つの表面に設置される活物質層62Aと、集電体61Aと電気的に接続される電気接続部材63Aとを含む。ここで、活物質層62Aが下塗り層66Aを介して集電体61Aの一つの表面に設置されるが、活物質層62Aは、集電体61Aの一つの表面に直接設置されてもよい。極板6Aは、集電体61Aの別の表面に設置されるとともに極板6Aの厚さ方向Yから見て少なくとも中継溶接領域A全体を覆う第1の絶縁層64Aをさらに含む。
【0068】
図7、8に示すように、本実施形態において、正極板6の支持層611が負極板6Aの負極活物質層62Aと密に接触するように設置されるとともに、負極板6Aの支持層611Aが正極板6の正極活物質層62と密に接触するように設置される。それによって、本実施形態の正負極板6、6Aの間にセパレータを設置する必要がなく、支持層611、611Aは、正負極板6、6Aの間のセパレータとして作用する。
【0069】
なお、上記形態は、極板を捲回する形式を例として説明したが、積層式極板にも適用可能である。
【0070】
[二次電池]
本出願の一実施形態において、二次電池を提供する。二次電池は、本出願の上記の極板又は本出願の上記の電極アセンブリを含む。
【0071】
二次電池は、電解質をさらに含む。電池の充放電過程において、活性イオンは正極板と負極板との間に往復してインターカレーションやデインターカレーションをする。電解質は、正極板と負極板との間でイオンを伝導する役割を果たす。
【0072】
(電解質)
電解質は、正極板と負極板との間でイオンを伝導する役割を果たす。本出願は、電解質の種類を具体的に限定せず、需要に応じて選択することができる。例えば、電解質は、液体、ゲル状又は全固体であってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、前記電解質は、電解液を採用する。前記電解液は、電解質塩と溶媒とを含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、電解質塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、リチウムビスフルオロスルホンイミド、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート及びリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェートのうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、溶媒は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸ジプロピル、炭酸メチルプロピル、炭酸エチルプロピル、炭酸ブチレン、炭酸フルオロエチレン、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、1,4-ブチロラクトンン、スルホラン、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン及びジエチルスルホンのうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、前記電解液は、任意選択的に、添加剤をさらに含む。例えば、添加剤は、負極被膜形成添加剤と、正極被膜形成添加剤とを含んでいてもよいし、電池のいくつかの性能を改善できる添加剤、例えば、電池の過充電性能を改善する添加剤、電池の高温又は低温性能を改善する添加剤などをさらに含んでいてもよい。
【0077】
(セパレータ)
いくつかの実施形態において、正負極短絡を防止する役割を果たすとともに、イオンを通過させることができるために、二次電池は、正極板と負極板との間に設置されるセパレータをさらに含んでもよく、しかし、本出願の極板における支持層がセパレータとして作用することもできるため、本出願の二次電池において、正極板と負極板が支持層により分離される場合、セパレータを別途設置しなくてもよい。本出願では、セパレータの種類に対して特に制限することはなく、よく知られている、良好な化学的安定性と機械的安定性を有するいずれかの多孔質構造のセパレータを選択してもよい。
【0078】
いくつかの実施の形態において、セパレータの材質は、ガラス繊維、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニリデンフルオロライドのうちの少なくとも一つから選択されてもよい。セパレータは、単層薄膜であってもよく、多層複合薄膜であってもよく、特に制限はない。セパレータが多層複合薄膜である場合、各層の材料は同じであってもよく、異なってもよく、特に制限はない。
【0079】
いくつかの実施形態において、正極板と負極板、及び必要に応じて設置されるセパレータは、捲回プロセス又は積層プロセスによって電極アセンブリを製造することができる。
【0080】
いくつかの実施形態において、二次電池は、外装を含んでもよい。この外装は、上記電極アセンブリと電解質のパッケージングに用いられてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、二次電池の外装は、硬質プラスチックシェル、アルミニウムシェル、スチールシェルなどの硬質シェルであってもよい。二次電池の外装は、軟包装でもよく、例えば、袋型軟包装である。軟包装の材質はプラスチックであってもよく、プラスチックとして、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
【0082】
本出願では、二次電池の形状に対して特に制限することはなく、それは、円柱状、四角形又は他のいずれかの形状であってもよい。例えば、
図9は、一例としての四角形構造の二次電池5である。
【0083】
いくつかの実施形態において、
図10を参照すると、外装は、筐体51とカバープレート53とを含んでもよい。ここでは、筐体51は、底板と底板に接続された側板とを含んでもよく、底板と側板とで取り囲んで収容キャビティを形成する。筐体51は収容キャビティに連通する開口を有し、カバープレート53は、前記開口をカバーして設けられることによって前記収容キャビティを閉鎖することができる。正極板と負極板、及び必要に応じて設置されるセパレータは、捲回プロセス又は積層プロセスによって電極アセンブリ52を形成することができる。電極アセンブリ52は、前記収容キャビティ内にパッケージングされる。電解液は、電極アセンブリ52に浸潤する。二次電池5に含まれる電極アセンブリ52の数は一つ又は複数であってもよく、当業者は実際の具体的な需要に応じて選択してもよい。
【0084】
いくつかの実施の形態では、二次電池を電池モジュールに組み立てもよく、電池モジュールに含まれる二次電池の数は一つ又は複数であってもよく、具体的な数は、当業者は電池モジュールの応用と容量に基づいて選択してもよい。
【0085】
[電池モジュール]
図11は、一例としての電池モジュール4である。
図11を参照すると、電池モジュール4において、複数の二次電池5は、電池モジュール4の長手方向に沿って順に並べて設置されてもよい。無論、任意の他の方式に従って配置してもよい。さらに、この複数の二次電池5を締め具で固定してもよい。
【0086】
選択可能には、電池モジュール4は、複数の二次電池5を収容する収容空間を有する筐体をさらに備えていてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、上記電池モジュールは、さらに電池パックに組み立てられてもよく、電池パックに含まれる電池モジュールの数は、一つ又は複数であってもよく、具体的な数は、当業者が電池パックの応用と容量に基づいて選択してもよい。
【0088】
[電池パック]
図12と
図13は、一例としての電池パック1である。
図12と
図13を参照すると、電池パック1には、電池ケースと電池ケースの中に設置された複数の電池モジュール4が含まれてもよい。電池ケースは上ケース2と下ケース3とを含み、上ケース2は、下ケース3をカバーして設けられ、且つ電池モジュール4を収容するための密閉空間を形成することができる。複数の電池モジュール4は、任意の方式に従って電池ケースの中に配置されてもよい。
【0089】
[電力消費装置]
また、本出願は、本出願による二次電池、電池モジュール、または電池パックのうちの少なくとも一つを含む電力消費装置をさらに提供する。前記二次電池、電池モジュール、又は電池パックは、前記電力消費装置の電源として用いられてもよいし、前記電力消費装置のエネルギー貯蔵ユニットとして用いられてもよい。前記電力消費装置は、移動体設備(例えば携帯電話、ノートパソコンなど)、電動車両(例えば純電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電動自転車、電動スクーター、電動ゴルフカート、電動トラックなど)、電気列車、船舶と衛星、エネルギー貯蔵システムなどを含んでもよいが、それらに限らない。
【0090】
前記電力消費装置として、その使用上の需要に応じて二次電池、電池モジュール又は電池パックを選択してもよい。
【0091】
図14は、一例としての電力消費装置である。この電力消費装置は、純電気自動車、ハイブリッド電気自動車、又はプラグインハイブリッド電気自動車などである。この電力消費装置は二次電池に対する高出力及び高エネルギー密度の要求を満たすために、電池パック又は電池モジュールを用いることができる。
【0092】
別の例としての装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどであってもよい。この装置は、一般に軽量化が求められており、二次電池を電源として採用することができる。
【0093】
実施例
各実施例と比較例における電極板に用いられる集電体の製造方法は以下のとおりである。
【0094】
1.集電体の製造:
一定の厚さ(5000nm)の支持層を選択し、一つの表面に、真空蒸着、機械的ロールプレス又は接着の方式によって一定の厚さ(2000nm)の導電層を形成した。別の表面に第1の絶縁スラリーを塗布し、乾燥させて第1の絶縁層を得た。
【0095】
ここで、
(1)真空蒸着方式の形成条件は以下のとおりである。表面が清浄処理された支持層を真空蒸着室に置き、1300℃~2000℃の高温で金属蒸発室内の高純度の金属ワイヤを溶融し蒸発させ、蒸発された金属は真空蒸着室内の冷却システムを通過し、最後に支持層の表面に堆積して、導電層を形成した。
【0096】
(2)機械的ロールプレス方式の形成条件は以下のとおりである。導電層材料の箔シートを機械ロールに置き、20t~40tの圧力を印加することによりそれを所定の厚さに圧延し、そしてそれを表面が清浄処理された支持層の表面に置き、最後に両者を機械ロールに置き、30t~50tの圧力を印加することにより両者を密に結合させた。
【0097】
(3)接着方式の形成条件は以下のとおりである。導電層材料の箔シートを機械ロールに置き、20t~40tの圧力を印加することによりそれを所定の厚さに圧延し、そして表面が清浄処理された支持層の表面にPVDFとNMPとの混合溶液を塗布し、最後に、上記所定の厚度の導電層を支持層の表面に接着し、且つ100℃で乾燥させた。
【0098】
2.極板の製造:
1)導電性下塗り層を有しない正極板:
92wt%の正極活物質(具体的な材料を指定していない場合に、デフォルトでNCM333を使用する)、5wt%の導電剤Super-P(「SP」と略称される)及び3wt%のPVDFを、NMPを溶媒として、均一に撹拌して、正極活物質層スラリー(いくつかの実施例の活物質層スラリーの組成が変化する場合があり、この場合には該実施例において特に明記されたものを基準とする)を配合し、押圧塗布を用いて、上記方法で製造した複合集電体の一つの表面に正極活物質層スラリーを区画塗布し、85℃で乾燥させた後に正極活物質層を得た。そして、各塗り層を有する集電体を冷間プレスしてから切断し、次に85℃の真空条件で4時間乾燥させ、タブを溶接して、正極板を得た。
【0099】
2)従来の正極板:
集電体は、厚さが12μmであるAl箔シートであり、以上の正極板の製造方法に類似しており、正極活物質層スラリーをAl箔シート集電体の表面に直接塗布し、次に後処理して従来の正極板を得た。
【0100】
3)導電性下塗り層を有する正極板:
一定の配合比率(4:1)の導電性材料(例えば、導電性カーボンブラック)と接着剤(例えば、PVDF又はポリアクリル酸など)及び任意選択的な活物質を、適切な溶媒(例えば、NMP又は水)に溶解させ、均一に撹拌して下塗りスラリーを配合した。
【0101】
下塗りスラリーを複合集電体の表面に均一に塗布し、塗布速度が20m/minであり、且つ下塗り層を乾燥させ、オーブン温度が70~100℃であり、乾燥時間が5minである。
【0102】
下塗り層が完全に乾燥した後、92wt%の正極活物質、5wt%の導電剤Super-P(「SP」と略称される)及び3wt%のPVDFを、NMPを溶媒として、均一に撹拌して正極活物質層スラリーを配合し、押圧塗布を用いて、正極活物質層スラリーを下塗り層の表面に区画塗布し、85℃で乾燥させた後に正極活物質層を得て、次に後処理して導電性下塗り層を有する正極板を得た。
【0103】
4)導電性下塗り層を有する負極板:
負極活物質の人造黒鉛、導電剤Super-P、増粘剤CMC、接着剤SBRを96.5:1.0:1.0:1.5の質量比で、溶媒の脱イオン水に加え、均一に混合して負極活物質層スラリーを得て、押圧塗布を用いて、上記方法で製造された複合集電体の一つの表面に負極活物質層スラリーを区画塗布し、85℃で乾燥させた後に負極活物質層を得た。
【0104】
そして、各塗り層を有する集電体を冷間プレスしてから切断し、次に110℃の真空条件で4時間乾燥させ、タブを溶接して、負極板を得た。
【0105】
5)従来の負極板:
集電体は、厚さが8μmであるCu箔シートであり、以上の負極板の製造方法に類似しており、負極活物質層スラリーをCu箔シート集電体の表面に直接塗布し、次に後処理して従来の負極板を得た。
【0106】
6)導電性下塗り層を有する負極板:
一定の配合比率(4:1)の導電性材料(例えば、導電性カーボンブラック)と接着剤(例えば、PVDF又はポリアクリル酸など)及び任意選択的な活物質を、適切な溶媒(例えば、NMP又は水)に溶解させ、均一に撹拌して下塗りスラリーを配合する。
【0107】
下塗りスラリーを複合集電体の表面に均一に塗布し、塗布速度が20m/minであり、且つ下塗り層を乾燥させ、オーブン温度が70~100℃であり、乾燥時間が5minである。
【0108】
下塗り層が完全に乾燥した後、負極活物質の人造黒鉛、導電剤Super-P、増粘剤CMC、接着剤SBRを96.5:1.0:1.0:1.5の質量比で、溶媒の脱イオン水に加え、均一に混合して負極活物質層スラリーを得て、押圧塗布を用いて、負極活物質層スラリーを集電体の下塗り層に区画塗布し、85℃で乾燥させた後に負極活物質層を得て、次に後処理して、延在領域に導電性下塗り層がある負極板を得た。
【0109】
3.電池の製造:
従来の電池製造プロセスにより、正極板(圧密度:3.4g/cm3)、負極板(圧密度:1.6g/cm3)及びPP/PE/PPセパレータ(必要に応じて二つのセパレータ、一つのセパレータ又はセパレータなしを選択する)を共に捲回してベアセルを形成し、そして電池筐体に入れ、電解液(EC:EMC体積比が3:7であり、LiPF6が1mol/Lである)を注入し、次にシール、化成などの工程を行い、最終的にリチウムイオン二次電池(以下に電池と略称する)を得た。
【0110】
5.電池試験方法:
1)極板ラップ試験:
上記3で製造された正極板と負極板をそれぞれ、容量2.2Ah、電圧4.2Vの電池の正負極に接続し、正極板を負極に直接接触させ、スパークの発生の有無を観察した。それとともに、複数のラップ点を選択し、ラップ方式を毎回一致させ、それにより防護効果を検証し、極板のプロファイルを観察した。
【0111】
2)DCR(直流内部抵抗)の試験方法:
物理式R=V/Iにより、試験機器は、短時間内(一般的には2-3秒)に、大きな一定の直流電流(現在、一般的には40A-80Aの大電流を使用する)を電池に強制的に流し、この時の電池両端の電圧を測定し、且つ式に基づいて現在の電池内部抵抗を計算した。
【0112】
6.試験結果及び検討:
6.1第1と第2の絶縁層による二次電池の安全性と内部抵抗への影響
以下は、正極板を例として、第1と第2の絶縁層による電池性能への影響、特に二次電池の安全性と直流内部抵抗への影響を説明する。以下の表1配合成分に従って、基本的に前述の「2、極板の製造」に基づいて電極板を製造し、任意選択的に、さらに第2の絶縁スラリーを塗布し、乾燥させた後に第2の絶縁層を得た。そして、前述の「3、電池の製造」に従って電池を最終的に構成し、試験を行った。
【表1】
【0113】
表1から分かるように、実施例1~5と比較例1、2との比較により、第1の絶縁層を有する実施例1~5は、ラップ試験で良好な保護効果を示すとともに、従来の極板に近い直流内部抵抗を有することが分かった。
【0114】
また、実施例1と実施例6との比較から、第2の絶縁層をさらに有することによって、二次電池の直流内部抵抗をさらに低下させ得ることが分かった。実施例7と実施例8との比較から、下塗り層をさらに有することによって、二次電池の直流内部抵抗をさらに低下させ得ることが分かった。
【0115】
また、実施例3と実施例4との比較から、活物質層と第1の絶縁層の境界がX方向で重なることによって、ラップ試験での保護効果をさらに向上させ得ることが分かった。
【0116】
また、実施例8、11と実施例9、10との比較から、下塗り層と活物質層とのX方向における境界距離を1~3mmに設定することによって、二次電池の直流内部抵抗をさらに低下させ得ることが分かった。
【0117】
6.2有機支持層を有する複合集電体による二次電池の体積エネルギー密度への影響
以下は、有機支持層を有する複合集電体による二次電池の体積エネルギー密度への影響を表2と併せて説明する。
【表2】
【0118】
表2から分かるように、正負極板がいずれも従来の極板を用いる二次電池に比べて、有機支持層を有する複合集電体を一つの極板に用いる場合、体積エネルギー密度を向上させることができるが、有機支持層を有する複合集電体を二つの極板に用いる場合、体積エネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0119】
説明すべきこととして、本出願は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例に過ぎず、本出願の技術案の範囲内で、技術思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用と効果を奏する実施形態は、いずれも本出願の技術範囲内に含まれるものとする。なお、本出願の主旨から逸脱しない範囲内で、実施形態に対して当業者が想到し得る様々な変形を実施し、実施形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される他の形態も、本出願の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0120】
1電池パック、2上ケース、3下ケース、4電池モジュール、5二次電池、51筐体、52電極アセンブリ、53カバープレート、6極板、61集電体、611支持層、612導電層、62活物質層、63電気接続部材、64第1の絶縁層、65第2の絶縁層、66下塗り層、7極板、71集電体、72活物質層、73電気接続部材、8セパレータ、52A電極アセンブリ、6A極板、61A集電体、611A支持層、612A導電層、62A活物質層、63A電気接続部材、64A第1の絶縁層、65A第2の絶縁層、66A下塗り層。
【国際調査報告】