(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】生物学的細胞培養物の取り扱い方法
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20240304BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
C12M3/00 Z
C12M1/34 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023544200
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2022052551
(87)【国際公開番号】W WO2022167510
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102487.0
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521208088
【氏名又は名称】アイキシンノ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】ギリガン、パトリック・クレメンテ
(72)【発明者】
【氏名】テオ、ケネス・ビー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】コンナー、ジョン・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ブルリナリア、デイヴィッド・アンソニー
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA07
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC01
4B029FA15
4B029GA02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つがハンドリング装置(22)である1つ以上のモジュール(12~14)を用いて、生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理のための任意の試薬を支持するキャリア(1~9)を取り扱う方法に関する。複数のキャリア(1~9)の各々は、その縁部により支持要素(21)上に載置され、かつ、キャリアの種類又はそれにより担持される任意の器具の種類に応じて、キャリア(1~9)は異なる保管高さ(H1~H7)を占有し、それらの幾つかは、支持要素(21)の標準鉛直距離(A)の1倍又は複数倍より大きい。キャリア(1~9)は情報担体(11)を有し、その情報は読取装置(24)により読み取り可能でありかつ演算装置(16)により判定可能である。保管装置のコンパートメントの最適使用のためにその情報は、対象とするキャリア(1~9)の保管高さ(H1~H7)についてのデータを含み、そしてそれらのデータを用いてキャリア(1~9)の取り扱いが行われる。さらに、本発明は、方法を実行するための装置、及び、方法を実行するための、又は装置において使用するためのキャリアに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理のための補助具を担持するキャリア(1~9)を取り扱う方法であって、少なくとも1つがハンドリング装置(22)を有する1つ以上のモジュール(12~14)を備え、複数のキャリア(1~9)の各々が、その縁部により支持要素(21)上に載置され、それらの支持要素(21)は、対になって互いに標準鉛直距離(A)をもって割り当てられて保管装置の対向して配置された側壁から水平方向に突出しており、かつ、前記キャリア(1~9)はその種類又はその担持する補助具に応じて異なる保管高さ(H
1~H
7)を必要とし、それらの保管高さの幾つかは、前記標準鉛直距離(A)の1倍又は複数倍よりも大きく、前記キャリア(1~9)は情報担体(11)を有し、前記情報担体(11)の情報は、読取装置(24)により読み取り可能かつ演算装置(16)により評価可能である、前記方法において、
前記情報が、各前記キャリア(1~9)の前記保管高さ(H
1~H
7)に関するデータを含み、かつ、前記データを用いて前記キャリア(1~9)の取り扱いが行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記保管装置(19)の取出側面から前記情報を読み取り可能であるように、前記情報担体(11)が、前記支持要素(21)上に載置可能な2つの支持肩部を有する前記キャリア(1~9)の底部(10)又は枠上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ハンドリング装置(22)が近接センサ(25)を有し、前記近接センサ(25)を用いて、一対の支持要素(21)の鉛直上方でかつその真上に位置する一対の支持要素(21)まで延在する区画(20)が占有されているか否か、及び/又は、一対の支持要素(21)の上に1つのキャリア(1~9)が載置されているか否かを決定することを特徴とする前出請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
読取装置(24)及び近接センサ(25)を用いて、キャリア(1-9)により占有された区画(20)及び空き区画(20)を検知し、かつ、保管装置(19)にキャリア(1-9)を追加するために、少なくともキャリア(1-9)の保管高さ(H
1-H
7)に対応する空き区画(20)の鉛直方向配置が見出されることを特徴とする前出請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記空き区画(20)の鉛直方向配置が、専ら読取装置(24)及び近接センサ(25)を用いて見出されることを特徴とする請求項4に記載の方法。、
【請求項6】
保管装置(19)内に配置されたキャリア(1~9)が、それに割り当てられた区画(20)から取り除かれて他の区画(20)に割り当てられることによって、区画(20)の新たな配置が形成されることで互いに真上と真下に配置された空き区画(20)の数が増加することを特徴とする前出請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記保管装置(19)が、ハウジング(12~14)内にて前記ハウジング(12~14)の搬入口(26)と前記ハンドリング装置(22)の間に配置されている前出請求項のいずれかに記載の方法において、
前記保管装置(19)の鉛直方向領域(27)が、前記搬入口(26)の高さ内で自由に保持され、その高さは、前記ハウジング(12~14)内に配置されるキャリア(1~9)の最も大きい保管高さ(H
1~H
7)に対応することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記読取装置(24)が前記ハンドリング装置(22)を割り当てられるか、又は、少なくとも1つの前記モジュール(12~14)内に配置されており、前記モジュール(12~14)は複数のキャリア(1~9)を保管するために構成されていることを特徴とする前出請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前出請求項のいずれかに記載の方法を実行するための装置であって、対になって標準鉛直距離(A)で側壁から突出する支持要素(21)を具備する少なくとも1つの保管装置(19)と、複数の生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理のための補助具を担持するキャリア(1~9)と、前記キャリア(1~9)を取り扱うためのハンドリング装置(22)とを有し、前記キャリア(1~9)の各々が情報担体(11)を有し、その情報は、読取装置(24)により読み取り可能でありかつ前記装置の演算装置(16)により評価可能である、前記装置において、
前記情報が、各前記キャリア(1~9)の前記保管高さ(H
1~H
7)に関するデータを含み、かつ、特にプログラム可能な制御装置(16)が設けられ、前記制御装置は、前記データを用いて前記キャリア(1~9)の取り扱いが行われるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記ハンドリング装置(22)がグリッパ(23)に割り当てられていること、及び/又は、前記読取装置(24)が前記ハンドリング装置(22)又は前記グリッパ(23)に割り当てられていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の方法を実行するための、又は、請求項9又は10に記載の装置において使用するためのキャリアであって、支持要素(21)上に載置するための底部(10)と、情報担体(11)とを有する、前記キャリアにおいて、
前記情報担体(11)の情報が、各前記キャリアの前記保管高さ(H
1~H
7)についての明示的データを含むことを特徴とするキャリア。
【請求項12】
前記情報が、日付、前記キャリア(1~9)の種類に関するデータ、固有の識別値、向き、及び/又はチェックサム、及び/又は「バッチ番号」、及び/又は高さの値を含むことを特徴とする請求項11に記載のキャリア。
【請求項13】
前記情報担体(11)がバーコードを含み、かつ、前記読取装置がバーコードスキャナであることを特徴とする請求項9又は10に記載の装置、請求項1~8のいずれかに記載の方法、又や請求項11に記載のキャリア。
【請求項14】
キャリア(1~9)が複数の情報担体(11)を有すること、及び/又は、2つの互いに隣接する側面又は互いに反対側に位置する側面の各々に情報担体(11)を有すること、及び/又は、複数の情報担体(11)を有するキャリア(1~9)の前記情報担体(11)が、各情報担体(11)が取り付けられている側面についての情報をさらに有することを特徴とする請求項9、10又は13に記載の装置、請求項1~8のいずれか又は13に記載の方法、又や請求項11又は13に記載のキャリア。
【請求項15】
前出請求項のいずれかに記載の1又は複数の特徴的な特徴を特徴とする装置、方法又はキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドエフェクタ、例えばグリッパを有するハンドリング装置を用いて、生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物を処理するための補助具を担持したキャリアを取り扱う方法に関する。複数のキャリアの各々は、その縁部により支持要素上に載置され、それらの支持要素は、対になって互いに標準鉛直距離をもって設けられ、保管装置の対向配置された側壁から突出している。そしてそれらのキャリアは、その種類又はそれが担持する補助具に応じて異なる保管高さを必要とし、幾つかの保管高さは、標準鉛直距離の1倍又は複数倍よりも大きい。それらのキャリアは情報担体を有し、その情報はハンドリング装置に設けられた読取装置により読み取り可能でありかつ演算装置により評価可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、生物学的細胞培養物の保管及び処理のためのシステムを開示している。生物学的細胞培養物はマイクロプレートに保存される。マイクロプレートは保管モジュールに保管される。細胞培養物の処理は、キャリアに保存されている例えば液体、ピペットチップ、その他のものである補助具を用いて行われる。マイクロプレートは、生物学的細胞培養物のためのキャリアを形成している。補助具用のキャリアは、細胞培養物用のキャリアと同じ平面図(床面)を有する。キャリアの識別のために、バーコード、テキスト又はRFIDを有し得る情報担体が設けられる。読取装置が設けられ、それを用いて情報を読み取ることができる。
【0003】
補助具は、多様な保管高さを占有し得る。保管高さは、基本的に補助具の種類によって異なる。多様な補助具を担持するキャリアは、幾つかの、特に棚のような保管装置を備えた均一な形状をもつモジュール内に配置することができる。各保管装置は、2つの互いに対向する鉛直方向の側壁を有し、それらの距離は、キャリアの幅又は長さよりもわずかに大きい。側壁からは支持要素が突出しており、それらの上にキャリアの縁部を載置することができる。それぞれ対になって標準距離をもって互いに上下に位置する支持要素が設けられ、その各々の上にキャリアの縁部、キャリアの枠、又は、キャリアの底部を載置することができる。キャリアは、互いに異なる保管高さを占有することができる。その保管高さは、基本的に、そのキャリアが担持する補助具の種類に依存する。例えばボトルは、浅い皿よりも大きい保管高さを占有し得る。ピペットチップ用のホルダーは、マイクロプレートよりも大きい保管高さを占有し得る。保管高さの大きいキャリアは複数の区画を占有し、各区画は、互いに上下に位置する2つの支持要素の距離により規定される。1つのマイクロプレートは、1つの区画を占有し得る。
【0004】
特許文献2は、医薬品の保管装置の取り扱い方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/098958号
【特許文献2】米国特許第8,267,310号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、保管装置の各区画を最適に使用するための手段を特定することを課題とする。
【0007】
上記課題は、特許請求の範囲に示された発明によって解決され、従属項は、その引用する請求項に示された発明の有利な発展と、課題の独立した解決手段との両方を表している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
先ず、基本的に、情報担体が保管高さについてのデータを含み、そのデータを読取装置により直接的に決定可能であることが提案される。保管高さについてのデータはOCR検知器により読み取り可能なプレーンテキストデータとすることができる。しかしながらそのデータはバーコードにコード化することもできる。それは、RFIDの情報コンテンツとすることもできる。そのデータを、外部テーブルの介在なしにそれ自体だけで決定可能であることが重要である。保管高さは、キャリアの高さとすることができる。しかしながらそれは、キャリアにより担持される補助具を含むキャリアの全体高さとすることもできる。
【0009】
特に、ハンドリング装置が、ローカル制御装置又は演算装置により制御されることが提供される。このローカル制御装置又は演算装置は、情報担体の情報から直接的に保管高さを読み取り可能であることが好ましい。保管高さの決定は、外部もしくは内部のテーブル又はその他の保存データを用いることなく、単に情報担体に含まれる情報を読み取ることによって行われる。
【0010】
本発明による方法は、先ず、各々のキャリアに対して情報担体を割り当てることを含む。情報担体は、多様な情報を、例えば日付、キャリアの種類についてのデータ、キャリアが担持する補助具の種類についてのデータ、又は、キャリアが担持する生物学的細胞培養物の種類についてのデータを含むことができる。さらにその情報は、固有の識別値又は向きを付与することもできる。さらに、情報をチェック可能なチェックサムを情報担体に保存することもできる。
【0011】
1つのキャリアが複数の情報担体を担持することができ、例えば、2つの互いに異なる側面、特に互いに反対側に位置する側面にそれぞれ情報担体を担持することができる。そのような情報担体は、例えば「前面」又は「後面」である各側面についてのさらなる情報を担持することができる。しかしながら、情報担体が保管高さについてのデータを含むことは不可欠である。保管高さは、キャリアが担持する補助具を含むキャリアの全体高さを例えばセンチメートル単位で示す高さデータと解することができる。しかしながら保管高さは、キャリアが担持する補助具と共にキャリアを保管するために使用される保管装置の区画の数についてのデータとすることもできる。情報担体は、その情報と共に印刷されてもよい。それは、キャリアに貼付されたステッカーでもよい。
【0012】
各キャリアは、個別の情報担体を有することができる。情報担体はまた、キャリアと材料的に一体化した一部とすることもでき、例えば、情報担体は、情報を搭載されているキャリアの表面領域上に有り得る。例えば、その情報を、キャリアの表面領域自体に刻印又は彫刻することができる。情報担体は、保管高さについての情報の他にキャリアにより担持された物の種類についての情報を含むことができる。
【0013】
キャリアは底部又は枠を有し得る。枠又は底部は支持肩部を形成することができ、それを用いてキャリアが支持要素上に載置される。支持要素は、2つの対向配置された側壁からわずかに突出する支持レールとすることができる。しかしながら、キャリアが支持レール上に安全に載置されるように、支持レールが側壁同士の間の空間に十分な幅で突出してもよい。保管装置の互いに対向する2つの側壁の一方に各々が割り当てられている同じ高さを走る2つの支持レールの間には、水平な空き領域が延在しており、その断面は、支持レールによって運ばれる物がそこを突き抜け可能であるように十分に大きい。
鉛直方向にて互いに真上と真下に位置する支持レールの間には、例えば30mmの距離があり、それらは区画の高さ寸法を規定する標準化された距離寸法である。1つの平面上に位置する支持レール間の水平距離は、補助具が複数の区画高さに亘って延在できるように寸法が決められている。
情報担体は、規定された位置に配置することができ、例えば、キャリアの底部又は枠の特定の表面部分が情報担体を担持することができる。
【0014】
好ましくは、1つ以上のモジュールが設けられ、そのモジュールは、その中に少なくとも2つのキャリアを収容することができる装置である。ハンドリング装置もしくはグリッパ又はグリッパを具備するハンドリング装置を、少なくとも1つのモジュールに割り当てることができる。各モジュールは、1つ以上の保管装置を有することができる。保管装置は1つの取出側面を有することが好ましい。この取出側面において、保管装置のキャリアを取り出すことができる。これは、好ましくはハンドリング装置のエンドエフェクタを用いて行う。エンドエフェクタは、キャリアに下から係合して持ち上げるために、例えばキャリアの下で駆動され得るショベル状のプレート又はパドルにより形成することができる。しかしながら、エンドエフェクタは、挟み込むように互いに移動可能なフィンガーを備えたグリッパであることも可能である。フィンガーを用いてキャリアを掴むことができる。保管装置は、エンドエフェクタに向いた取出側面を有することができる。複数の保管装置を、1つの保管モジュールの自由空間の周りに配置できる。保管装置は、互いに上下に位置する複数の区画により形成された棚のようなものとなし得る。複数の同じ保管装置を、自由空間の周りに配置できる。取出側面は、それぞれ自由空間に面している。自由空間内部には、鉛直方向に変位可能なハンドリング装置を配置できる。ハンドリング装置は、キャリアを保管装置から取り出すために又はキャリアを保管装置に入れるために、水平方向に変位可能なグリッパを有することができる。
【0015】
本発明の好適な実施形態によれば、グリッパが読取装置を有し、それを用いて情報担体の情報を読み取り可能である。例えば、読取装置はバーコードスキャナとすることができる。しかしながら読取装置は、例えばプレーンテキストを読み取るための画像取得システム、例えばカメラとすることもできる。しかしながら読取装置は、RFIDを読み取るためのアンテナとすることもできる。別の実施形態では、グリッパがキャリアを、別の場所に配置されかつ情報担体を読み取り可能な読取装置まで搬送するように設けることもできる。読取装置をグリッパから分離して設けることができ、グリッパとは、キャリアを移動させることができるいずれの装置も意味すると解することができる。
【0016】
本発明のさらなる発展によれば、近接センサを設けることが提供される。近接センサは、グリッパに割り当てることができる。それは読取装置に隣接して配置し得る。近接センサを用いて、区画が、キャリアによって例えばキャリアの枠やキャリアの底部によって占有されているか否かを検知することができる。しかしながら近接センサを用いて、底部の上方に配置された区画が補助具等によって占有されているか否かを検知することもできる。近接センサは、光学的センサ、超音波センサとすることができるが、容量性又は誘導性の近接センサとすることもできる。近接センサは、レーザー近接センサ、カメラ、特に別のカメラとすることができる。しかしながら読取装置が、近接センサの機能を実現可能であるように構成されることも提供される。近接センサ及び読取装置は、グリッパ上に配置することができる。
【0017】
本発明の方法を用いて、保管装置の区画の使用を最適化することができる。上述した種類の複数の保管装置が設けられ、かつグリッパを有するモジュールのローカル制御装置又は演算装置が、個々のキャリアを保管装置から取り出して同じ保管装置又は別の保管装置の別の場所に再載置するようにグリッパを制御できる。グリッパは、その読取装置及びその近接センサを用いて、その時点で空いている区画を検知できる。個々のキャリアを連続的に取り出し、個々のキャリアをモジュール内の別の場所に再載置することによって、互いに上下に重なって配置された空き区画の総数が増加するように、保管高さの異なるキャリアを配置することができる。
【0018】
例えば、グリッパを用いて、1つの単位高さからなる保管高さをもつキャリアを探すことによって1つの空き区画を充填できる。このキャリアは、1つの空き区画を充填できる。しかしながらそれに替えて、空き区画の真上又は空き区画の真下に配置された、複数の高さユニットからなる保管高さをもつキャリアを、その1つの空き区画を充填するために上げたり下げたりすることもできる。同様に、互いに上下に位置する複数の空き区画を、先ず、空き区画により形成された自由空間の高さを近接センサを用いて決定することによって充填できる。このためにグリッパは、常に情報担体を見ることができる位置へと移動する。
【0019】
情報担体が見つからずかつ近接センサが信号を発しない場合、その区画は占有されていないと見做すことができる。このようにして、互いに上下に位置する空き区画の数を決定することができる。その後、読取装置を用いて、互いに上下に位置する空き区画の高さに対応する所定の保管高さをもつ保管装置内のキャリアを探すことができる。これは、本発明による情報担体の読み取りによって行われる。これは、本発明による保管高さについてのデータを含む。その後、見出されたキャリアを、グリッパを用いて空き区画に挿入できる。
【0020】
本発明によれば、モジュールの保管装置が互いに同じ設計であることも提供できる。保管装置は、例えばカルーセル型式で配置され、回転駆動装置により回転されることが可能である。一体型のハウジングを形成し得るモジュールの側壁は搬入口を有することができ、その搬入口によってモジュールは、プロセスモジュール又はさらに別の保管モジュールに隣接している。その搬入口を通して、キャリアを1つのモジュールから隣接するモジュールに移動させることができる。搬入口は、適切な方法で閉じることができる。隣接する2つのモジュールの各々が、搬入口を有し得る。2つの互いに隣接するモジュールの搬入口が互いに整列させられることによって、キャリアがそれら2つの開口した搬入口を通って一方のモジュールから他方のモジュールへと移動可能である。
【0021】
特に、モジュールの内側とモジュールの外側との間のガス交換が減少するように、それらの搬入口を閉鎖し得る。モジュールは、例えば、インキュベータ又は冷凍庫又は冷蔵庫とし得る。好適な実施形態では、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の個数の保管装置が、モジュールの中央自由空間の周りに配置されることによって、各保管装置が隣の保管装置と直接的に隣接しており、それにより、1つのモジュールから隣のモジュールへのキャリアの移動は、保管装置を通して行わなければならないように設けられている。キャリアを、モジュールの内側から搬入口を通ってモジュールから出すように搬送するために、例えば保管ラックである保管装置における、搬入口の前に位置する領域が自由空間を形成しなければならず、そこを通ってキャリアはグリッパを用いて搬送される。
この自由空間は、少なくともキャリアの保管高さに相当する鉛直高さを有していなければならない。本発明により構成されたグリッパを用いて、読取装置及び/又は近接センサを使用することによって、自由空間が十分な鉛直高さで設けられているか否かを決定できる。そのような自由空間が利用できない場合、グリッパは、十分な鉛直高さの自由空間が利用可能となるまで、キャリアを、保管装置における搬入口の前に位置する領域から取り除くことが提示される。その場合、鉛直高さは、搬入口を通って搬送されるキャリアの高さに少なくとも対応することが提示される。
【0022】
基本的にモジュールの全ての保管装置が自由空間を提供するのに適しており、かつ、制御装置は、自由空間を形成するべく、検知された保管高さをもつ選択されたキャリアが通って搬送され得る十分に大きい自由空間を形成するために移動させなければならないキャリアが最小数となる保管装置が選択されるように構成されていることが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の例示的実施形態を説明する。
【
図1】
図1は、生物学的細胞培養に使用するための例示的な8種類のキャリアの斜視図である。
【
図2】
図2は、生物学的細胞培養物を処理するための装置の概略図である。
【
図3】
図3は、符号12、13、14を付した
図2の保管モジュールの断面図である。
【
図4】
図4は、保管ラック19及び、読取装置24と近接センサ25とを具備するグリッパ(エンドエフェクタ)23を有するハンドリング装置22の概略図である。
【
図5】
図5は、2つのモジュール12、14を互いに接続する搬入口26の領域における2つのモジュール12、14の領域の概略図である。
【
図6】
図6は、2つの互いに隣接して配置された保管装置19の断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2は、細胞培養物又はその処理用の補助具を受容可能な標準化されたキャリアを保管するための3つの保管モジュール12、13、14を1つの視点から概略的に示した図である。保管モジュール12は、細胞培養物の処理用の補助具を収容するために用いられる。しかしながら、基本的に、細胞培養物を搭載するマイクロプレートもこの保管モジュール12内に収容できる。保管モジュール12と、細胞培養物を保持するインキュベータである保管モジュール13との間には、プロセスモジュール15がある。このプロセスモジュール15内では、ピペット又は類似のものを用いて細胞培養物を処理することができる。保管モジュール14は、細胞培養物を処理可能な処理液体を収容可能な冷蔵庫である。モジュール12~14及びプロセスモジュール15は、それぞれ制御又は演算装置16により構成されたローカル制御装置を有する。ローカル制御装置16は、中央制御装置17にデータ交換接続することができる。
【0025】
保管モジュール12、13、14は、互いに同じ設計であり、実質的に異なるのは、その中に作られる環境のみである。インキュベータ13内は高温にできる。冷蔵庫14は低温にできる。保管モジュール12、13、14は、搬入口26により互いに接続されている。保管モジュールは、それぞれ少なくとも1つ又は2つの搬入口26を有する。保管モジュール12の搬入口26は、隣りの保管モジュール14の搬入口26と直接隣接していてもよく、それによって搬入口26が開いているときにキャリア1~9が一方の保管モジュール12から他方の隣接する保管モジュール14に搬送される。特に、直接隣接する保管モジュールの搬入口26が互いに直接接続されていることが提供される。また、保管モジュール12の搬入口26がプロセスモジュールに直接隣接していることも提供される。搬入口26は閉じることができる。
【0026】
図3は、保管モジュール12、13、14の1つの断面を示している。カルーセル型式で、複数の保管装置19が中心の周りに配置されている。保管装置19は中心の周りで回転駆動可能であり、それによって保管装置19を搬入口26と一致させるように移動させることができる。
【0027】
図4は、保管装置19の構造を示す概略図である。保管装置19は保管ラックを形成し、その中にキャリア1~9を、複数の段に互いに上下に配置して収納可能である。保管装置19は、互いに平行に走る2つの側壁を有する。互いに対向する側壁上には、支持要素21が、特に支持レールの形態で設けられている。支持レール21の水平距離は、5cm~15cmとすることができ、又は20cm~35cmとすることもできる。支持レール21の水平距離は、標準マイクロプレート(85.48mm×127.76mm)の長さ又は幅に適応していることが好ましい。対になって対向配置された支持レール21の鉛直方向の距離は、最小の鉛直高さを有するキャリア1、2の高さよりもわずかに大きくすることができる。
【0028】
図1は、細胞培養物又はその処理用の補助具を収容するために用いられる多様なキャリア1~9の例を示している。キャリア1、2は、生物学的細胞培養物をその中に配置できる凹部を備えた平坦な直方体である。このようなキャリアは、21mmの高さを有し得る。キャリア1は底部10を有し、この底部10は、2つの支持レール21の距離よりも小さい高さを有する平坦な形状を有するベース本体とすることができる。キャリア3は、例えば冷蔵庫14に収容可能な処理液の入ったボトルを担持する。
【0029】
キャリア4は、液体や器具などを入れる複数の容器を担持する。キャリア4の鉛直方向の高さは、互いに真上と真下に位置する2つの支持レール21の鉛直方向の距離よりも大きい。
【0030】
キャリア5は、平坦な皿であり、互いに隣り合う2つの支持レール21の鉛直方向の距離よりも小さい高さを有する。キャリア5は、特に、単一容器であり、その中で生物学的細胞培養物を増殖可能又は液体を貯蔵可能である。
【0031】
キャリア6は、キャリア3と似ている。キャリア6は、キャリア3により担持されるボトルよりも大容量を収容可能なボトルを担持する。
【0032】
キャリア7は、複数のピペットチップ又は液体を入れるための細長い容器を担持する。キャリア7の高さは、互いに真上と真下に位置する2つの支持レールの鉛直方向の距離よりも大きい。
【0033】
キャリア8は、複数のピケットチップ又は液体を入れるための別の細長い容器を担持する。キャリア8の高さは、互いに真上と真下に位置する2つの支持レール21の鉛直方向の距離よりも大きい。
【0034】
図6は、さらに別のキャリア9を示しており、それはキャリア5に似ているが、中央の凹部を囲むリムを有し、その高さは隣り合う2つの支持レール間の鉛直方向の距離よりも大きい。その高さは30mm~40mmであり得る。
【0035】
上記の説明は、全体として本願が対象とする発明を説明するためのものであり、本発明はまた、それぞれの場合において、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって、独立して従来技術をさらに発展させるものであり、これらの特徴の組み合わせのうちの2つ、複数、又は全てを組み合わせることもできる。
【0036】
全てのキャリア1~9が、ベース部である底部10を有し、底部10は標準化された位置に情報担体11を担持している。情報担体11は、キャリア1~9の外壁上に配置されている。情報担体11は、複数の保管装置19により囲まれた中央の空洞から見えるように配置されている。しかしながら、各々の又は個別のキャリア1~9が複数の情報担体11を有することも可能である。
【0037】
本発明の別の例示的実施形態では、キャリア1~9の互いに反対向きの側面がそれぞれ情報担体11を有することが提供される。本発明のさらに別の例示的実施形態では、キャリア1~9の各側面が情報担体11を有することが提供される。キャリア1~9が複数の情報担体11を互いに異なる側面に有する例示的実施形態では、各情報担体11がキャリア1~9の各側面に関する情報も含み、すなわち、例えばキャリアの短辺面、長辺面、及び/又は前面もしくは後面であるか否かの情報も含むことが提供され得る。好ましくは、前面と後面が区別できれば十分である。情報担体は、キャリアを形成するプラスチック本体のプラスチック表面の平面の一部であってもよい。
【0038】
図6は、互いに異なる高さを有する個々のキャリア2、5、6、8、9を示している。キャリア2、5のみが、2つの支持レール21の鉛直方向の距離よりも小さい保管高さH
1を有する。
【0039】
互いに真上と真下に位置する2つの支持レール21の距離が、標準距離Aを規定する。キャリア9の保管高さH2は、標準距離Aの2倍よりも小さい。キャリア8の保管高さH4は、標準距離の3倍よりも大きいが標準距離Aの4倍よりも小さいため、キャリア8の保管高さH4は4つの空き区画20を占有する。その場合、各区画20は、互いに上下に位置する2つの支持レール21で囲まれた空間により規定される。ボトルを担持するキャリア6は保管高さH7を有し、互いに上下に位置する7つの区画20を占有する。
【0040】
図4に概略的に示したグリッパ23は、例えばキャリア1~9に下から係合するプレートを用いて又は把持アームを用いてキャリア1~9を把持することができ、それによりキャリア1~9を保管装置19から引き出して保管装置19の別の位置へ移動させたり、又は、キャリア1~9を搬入口26を通して別のモジュール12~14の隣の保管装置19へ移動させたりする。
【0041】
グリッパ23又はハンドリング装置22は、読取装置24を有することができる。読取装置24を用いて、情報担体11の情報を読み取ることができる。好適な例示的実施形態では、情報がバーコードとして情報担体21上に搭載されている。読取装置24はバーコードリーダーとすることができ、それを用いてバーコードの情報を読み取ることができる。バーコードは、キャリア1~9の底部10の下縁から10mm、20mm,又は30mmの距離だけ内側に配置されている。キャリア1~9が保管装置内に在るときに読み取り可能である。そのとき、底部10は支持レール21上に直接載置されている。全てのキャリア1~9は同じ平面図、すなわち好適にはマイクロプレートの平面図を有するので、異なる保管高さをもつキャリア1~9を全ての保管装置に配置することができる。
【0042】
図示しない例示的実施形態では、読取装置24を保管モジュール14の内部の別の位置に配置することができる。グリッパ23やハンドリング装置22上に配置されていないそのような読取装置24を用いて情報担体11を読み取りできるように、情報担体11を担持したキャリア1~9が読取装置24へと運ばれる。
【0043】
情報担体11の情報は、保管高さH1~H7についてのデータを直接含んでいる。センチメートル単位の絶対的な長さ表示とすることもできる。しかしながら、高さデータは、単に標準距離Aや単位高さの倍数とすることもできる。さらなるテーブル等の補助無しに、高さデータを情報担体11の情報から直接取得することが重要である。その結果、モジュール12~14の各々に割り当てられているローカル制御装置又は演算装置16が、読取装置24により取得した情報からキャリア1~9の高さに関するデータを得ることができる。情報担体11が担持する情報は、さらに日付、補助具(ラボウェア)の種類とすることができる。さらなる情報は、さらにシリアル番号、固有識別子、向き、又はチェックサムとすることができる。種類の認知を基に、演算装置16は、例えばボトルの大きさやピペットチップの大きさを決定することができる。
【0044】
情報担体11のバーコードは、フォーマットLLLLLLLCCCCCCCUUUUUUOHCを有し得る。その場合、LLLLLLLはバッジ番号、CCCCCCCがカタログ番号、UUUUUUはシリアル番号、Oは向き、Hは高さ又は使用される標準距離の数、Cはチェックサムである。別の設計も可能である。代替例として、バーコードが、フォーマットDDDDDDFFFFUUUUUUOHHCCを有し得る。その場合、DDDDDDは現在の日付、例えば作製日である。現在の日付はフォーマットYYYYWWを有し得る。その場合、YYYYは年、WWは例えば作製されたカレンダー週である。FFFFは補助具の種類とすることができる。UUUUUUはシリアル番号とすることができる。Oは向きとすることができる。HHは高さでありCCはチェックサムとすることができる。
【0045】
ハンドリング装置22のグリッパ23は、読取装置24のみでなく、近接センサ25を搭載している。情報担体11の情報、すなわち特にバーコードの一次元コードは読取装置を用いて読み取ることができるが、近接センサ25は、互いに上下に位置する2つの支持レール21間の区画が占められているか否かを決定するために用いることができる。
【0046】
近接センサ25と共に読取装置14を用いて制御機能を実行することができる。近接センサ25が区画に配置された底部10を検知し、読取装置24がそこでバーコードを検知した場合、ローカル制御装置16はここにキャリアの下方部分があると認識する。制御装置16は、情報担体11の情報中に保持された高さデータから、底部10の上方において幾つの区画が同じキャリアにより占有されているかを決定する。近接センサ25を用いて、それが事実か否か、そして情報担体の情報がH1~H7の保管高さに関して正しいか否かがチェックされる。さらに、読取装置24と近接センサ25の組合せを用いて、1つの区画が空いているか否かを決定することができる。さらに、そのキャリアの保管高さより上方の本来空いている区画が空いておらずかつバーコードを搭載していない場合、不良の情報担体11を検知することも可能である。
【0047】
本発明にしたがって、保管高さH
1~H
7に関する明示的データを含む特にバーコードとして形成された情報担体11によりキャリア1~9を識別することによって、各保管モジュール12~14は自律的に動作することができる。キャリア1~9がいずれの保管高さを有するかを決定するために、外部データ接続は不要である。よって、キャリア1~9を移送可能な隣接する2つのモジュール12~14間の搬入口26’、26を通してキャリア1~9を移送するために、保管装置19のうちの1つにおける移送口27が使用可能か否かを決定することが可能である。
図5は、例えば右側に、搬入口26を示しており、搬入口26は、キャリア2とキャリア8との間において、その背後に位置する移送口27よりも大きい鉛直方向の広がりを有する。移送口27の鉛直方向の高さは、ここではピケットチップボックス8を移送するのに十分な大きさである。しかしながら、移送口27の高さは、例えば背の高いボトルを載せたキャリア9を移送するためには十分ではない。後者を可能とするためには、従来は、キャリア2を搬入口26の領域から取り除くことによって移送口27の有効高さを増加させることが必要であった。このために、キャリア2をグリッパ23により把持してモジュール内の別の適切な位置に移動させる。
【0048】
図5の左側に示す状況では、ボトルを載せたキャリア9を搬入口26’を通して移送できるように、先ず、キャリア9の下に配置された平坦なキャリア2を取り除かなければならない。
【0049】
したがって、本発明は、読取装置24及び/又は近接センサ25に補助されて又は近接センサ25は用いずに、移送口27の鉛直方向の高さを決定し、そして必要に応じてそこに配置されたキャリア1~9を取り出してそのキャリア1~9を別の保管装置19又は同じ保管装置19の別の場所に配置することによって移送口27の鉛直方向の高さを増加させることを特徴とする方法に関する。この方法では、先ず、保管モジュール12内に配置されたキャリア1~9の1つを、保管モジュール2から取り出されるべきものとして識別する。その後、読取装置24を用いてキャリア1~9の保管高さH1~H7を決定する。決定した保管高さH1~H7により、必要な移送口27の鉛直方向の高さを演算する。その後、読取装置24及び必要に応じて近接センサ25を用いて、移送口27の実際の鉛直方向の高さを決定する。移送口27の実際の鉛直方向の高さが、選択されたキャリア1~9の保管高さH1~H7よりも小さい場合、搬入口26の領域に配置されたキャリア1~9を取り除くことによって移送口27の鉛直方向の高さを増加させる。
【0050】
本発明にしたがって、保管高さH1~H7に関する明示的データを含む特にバーコードとして形成された情報担体11を用いてキャリア1~9を識別することによって、保管モジュール12~14を自律的に整理することもできる。これは、近接センサ25を用いることなく可能である。好ましくはグリッパ23上に取り付けられるがグリッパ23とは独立して移動可能な別個の担体上にも取り付けられる読取装置24を用いて、保管モジュール12に配置された全てのキャリア1~9の底部10の位置を決定できる。保管モジュール12は、複数の保管装置19を有し、それらの中にキャリア1~9が配置されている。保管高さH1~H7に関する情報を用いて、ローカル制御装置16は、実際に占有している区画20を決定し、そして特にどの位置に空き区画20が存在するかを演算することができる。キャリア1~9を取り除いて同じ保管モジュール12の別の位置に配置することによって、空いている個別区画20の数を減らすことができる。キャリア1~9を別の位置に移動させることによって、より大きな保管高さH1~H7をもつキャリア1~9を配置するための複数の空き区画からなる自由空間の数を増やすことができる。
【0051】
したがって本発明は、読取装置24の補助により、キャリア1~9を別の位置に配置することによって、空き区画20の数を減らすか、又は互いに隣接する空いている個別区画20の数を増やすことを特徴とする方法に関する。
【0052】
本発明はさらに、読取装置及びグリッパ並びに制御/演算装置16の補助のみによって、保管モジュール内に配置されたキャリア1~9を整理できる方法及びそれに対応して構成された装置に関する。読取装置を用いて、キャリアにより充填されている最も下の区画を決定できる。その後、保管高さを決定することにより、キャリアの上方に位置しキャリアにより担持された物品によって占有されていない次の区画を決定することができる。読取装置を用いて、その区画が空いているか否か、そしてその上に位置するさらなる区画が空いているか否かを判断することができる。その後、空き区画の下方に位置するキャリアを、グリッパを用いて把持し、キャリアの真上に空き区画が無いように上方に移動させることができる。このような方法を最も上に位置するキャリアから開始することで、全ての空き区画が次々に充填されていく。本発明はまた、互いに真上と真下に位置する2つのキャリアの間で、上方又は下方のいずれかから開始して、空き区画を次々に決定し、そしてそれらの下に位置するキャリア又は上に位置するキャリアを再配置することによってそれらの空き区画を充填する方法に関する。
【0053】
本発明はさらに、読取装置24と情報担体11上に配置された保管高さに関する情報とを用いて、互いに上下に重なり配置された所定の最小数の個別区画20を有する保管場所を見出す方法に関する。
【0054】
上記において、グリッパ23又はハンドリング装置の用語は、単独又は他の手段との組合せによってキャリアを第1の位置から別の第2の位置へと移動させることができるいずれの種類の手段も意味するものと理解される。したがって、グリッパ又はハンドリング装置の用語は、特にエンドエフェクタを含むものと理解される。さらに、グリッパ又はハンドリング装置の用語は、制御装置により制御可能でありかつそれを用いてキャリア1~9を区画20から取り出し可能であり又は区画20に挿入可能である電気的に動作可能な装置を意味すると理解することもできる。しかしながら、グリッパ23又はハンドリング装置は、装置又は装置の一部を水平運動を行わせることによって区画20からキャリア1~9を取り出し可能な装置を意味すると理解することもできる。その装置は、キャリア1~9を上昇させたり下降させたりする鉛直方向の運動を行わせることもできる。グリッパ23又はハンドリング装置はさらに、キャリア1~9を互いに隣接する2つの搬入口26を通して保管モジュール12から保管モジュール14へと移動させることができ、又は、キャリア1~9を保管モジュール12、14とプロセスモジュール15との間で移送することができる装置により構成することもできる。
【0055】
本発明はまた、複数の保管モジュール12~14が少なくとも1つのハンドリング装置22を有するような例示的実施形態を含む。ハンドリング装置22は、少なくとも1つのキャリア1~9を把持したり移送したりできる。したがって本発明はまた、1つ以上のモジュール12~14を含む方法に関し、それらのうちの少なくとも1つがハンドリング装置22を有する。
【0056】
上記の説明は、全体として本願が対象とする発明を説明するためのものであり、本発明はまた、それぞれの場合において、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって、独立して従来技術をさらに発展させるものであり、これらの特徴の組み合わせのうちの2つ、複数、又は全てを組み合わせることもできる。
【0057】
生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理用の補助具を担持するキャリア1~9の取り扱い方法であって、グリッパ23を有するハンドリング装置22を備え、複数のキャリア1~9の各々が、その縁部により支持要素21上に載置され、それらの支持要素21は、対になって互いに標準鉛直距離Aをもって割り当てられて保管装置の対向して配置された側壁から水平方向に突出しており、かつ、キャリア1~9はその種類又はその担持する補助具に応じて異なる保管高さH1~H7を必要とし、それらの保管高さの幾つかは、標準鉛直距離Aの1倍又は複数倍よりも大きく、キャリア1~9は情報担体11を有し、情報担体11の情報はハンドリング装置22の読取装置により読み取り可能でありかつ演算装置16により評価可能である、方法において、
その情報が、各キャリア1~9の保管高さH1~H7に関するデータを含み、かつ、そのデータを用いてキャリア1~9の取り扱いが行われることを特徴とする方法。
【0058】
保管装置19の取出側面から情報を読み取り可能であるように、情報担体11が、支持要素21上に載置可能な2つの支持肩部を有するキャリア1~9の底部10又は枠上に配置されることを特徴とする方法。
【0059】
ハンドリング装置22が近接センサ25を有し、近接センサ25を用いて、一対の支持要素21の鉛直上方でかつその真上に位置する一対の支持要素21まで延在する区画20が占有されているか否か、及び/又は、一対の支持要素21上にキャリア1~9が載置されているか否かを決定することを特徴とする方法。
【0060】
読取装置24及び近接センサ25を用いて、キャリア1~9により占有されている区画20及び空き区画20を検知し、かつ、保管装置19にキャリア1~9を追加するために、キャリア1~9の少なくとも保管高さH1~H7に対応する空き区画20の鉛直方向配置が見出されることを特徴とする方法。
【0061】
空き区画20の鉛直方向配置が、専ら読取装置24及び近接センサ25を用いて見出されることを特徴とする方法。
【0062】
保管装置19内に配置されたキャリア1~9が、それに割り当てられた区画20から取り除かれて別の区画20に割り当てられることによって、区画20の新たな配置が形成されることで互いに上下に重なって配置された空き区画20の数が増加することを特徴とする方法。
【0063】
保管装置19の鉛直領域27が、搬入口26の高さ内で自由に保持され、その高さは、ハウジング12~14内に配置されたキャリア1~9の最も大きい保管高さH1~H7に対応することを特徴とする方法。
【0064】
読取装置24がハンドリング装置22に割り当てられるか、又は、少なくとも1つのモジュール12~14内に配置されており、モジュール12~14は複数のキャリア1~9を保管するために構成されていることを特徴とする方法。
【0065】
情報が、各キャリア1~9の保管高さH1~H7に関するデータを含み、かつ、特にプログラム可能な制御装置16が設けられ、その制御装置は、そのデータを用いてキャリア1~9の取り扱いが行われるように構成されていることを特徴とする装置。
【0066】
ハンドリング装置22がグリッパ23に割り当てられていること、及び/又は、読取装置24がハンドリング装置22又はグリッパ23に割り当てられていることを特徴とする装置。
【0067】
情報担体11の情報が、各キャリアの保管高さH1~H7に関する明示的データを含むことを特徴とするキャリア。
【0068】
情報が、日付、キャリア1~9の種類に関するデータ、固有の識別値、向き、及び/又はチェックサム、及び/又は「バッチ番号」、及び/又は高さの値を含むことを特徴とするキャリア。
【0069】
情報担体11がバーコードを含み、かつ、読取装置がバーコードスキャナであることを特徴とする装置、方法又はキャリア。
【0070】
キャリア1~9が複数の情報担体11を有すること、及び/又は、2つの互いに隣接する側面又は互いに反対側に位置する側面の各々に情報担体11を有すること、及び/又は、複数の情報担体11を有するキャリア1~9の情報担体11が、各情報担体11が取り付けられている側面についての情報をさらに有することを特徴とする装置、方法又はキャリア。
【0071】
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/追加された優先権書類(先の出願の写し)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、または技術的に同じ効果を有する他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない実施形態に関する。
【符号の説明】
【0072】
1 キャリア、浅い皿用
2 キャリア、マイクロプレート
3 キャリア、浅皿
4 キャリア、容器用
5 キャリア、大きい浴付き
6 キャリア、浅皿
7 キャリア、ピペットチップ用
8 キャリア、ピペットチップ用
9 キャリア、高い壁付き
10 底部
11 情報担体
12 保管モジュール、補助具用
13 保管モジュール、細胞培養用
14 保管モジュール、細胞培養用
15 プロセスモジュール
16 ローカル制御装置
17 中央制御装置
18 保管室
19 保管ラック、保管装置
20 区画
21 支持レール
22 ハンドリング装置
23 グリッパ
24 読取装置
25 近接センサ
26 搬入口
26’ 搬入口
27 鉛直領域、移送口
28 柱
A 標準距離
H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7 保管高さ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理のための補助具を担持するキャリア(1~9)を取り扱う方法であって、少なくとも1つがハンドリング装置(22)を有する1つ以上のモジュール(12~14)を備え、複数のキャリア(1~9)の各々が、その縁部により支持要素(21)上に載置され、それらの支持要素(21)は、対になって互いに標準鉛直距離(A)をもって割り当てられて保管装置の対向して配置された側壁から水平方向に突出しており、かつ、前記キャリア(1~9)はその種類又はその担持する補助具に応じて異なる保管高さ(H
1~H
7)を必要とし、それらの保管高さの幾つかは、前記標準鉛直距離(A)の1倍又は複数倍よりも大きく、前記キャリア(1~9)は情報担体(11)を有し、前記情報担体(11)の情報は、読取り装置(24)により読取り可能かつ演算装置(16)により評価可能である、前記方法において、
前記情報が、各前記キャリア(1~9)の前記保管高さ(H
1~H
7)に関するデータを含み、かつ、前記データを用いて前記キャリア(1~9)の取り扱いが行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記保管装置(19)の取出側面から前記情報を読み取り可能であるように、前記情報担体(11)が、前記支持要素(21)上に載置可能な2つの支持肩部を有する前記キャリア(1~9)の底部(10)又は枠上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ハンドリング装置(22)が近接センサ(25)を有し、前記近接センサ(25)を用いて、一対の支持要素(21)の鉛直上方でかつその真上に位置する一対の支持要素(21)まで延在する区画(20)が占有されているか否か、及び/又は、一対の支持要素(21)の上に1つのキャリア(1~9)が載置されているか否かを決定することを特徴とする
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
読取り装置(24)及び近接センサ(25)を用いて、キャリア(1-9)により占有された区画(20)及び空き区画(20)を検知し、かつ、保管装置(19)にキャリア(1-9)を追加するために、少なくともキャリア(1-9)の保管高さ(H
1-H
7)に対応する空き区画(20)の鉛直方向配置が見出されることを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記空き区画(20)の鉛直方向配置が、専ら読取り装置(24)及び近接センサ(25)を用いて見出されることを特徴とする請求項4に記載の方法。、
【請求項6】
保管装置(19)内に配置されたキャリア(1~9)が、それに割り当てられた区画(20)から取り除かれて他の区画(20)に割り当てられることによって、区画(20)の新たな配置が形成されることで互いに真上と真下に配置された空き区画(20)の数が増加することを特徴とする
請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記保管装置(19)が、ハウジング(12~14)内にて前記ハウジング(12~14)の搬入口(26)と前記ハンドリング装置(22)の間に配置されている
請求項1~6のいずれかに記載の方法において、
前記保管装置(19)の鉛直方向領域(27)が、前記搬入口(26)の高さ内で自由に保持され、その高さは、前記ハウジング(12~14)内に配置されるキャリア(1~9)の最も大きい保管高さ(H
1~H
7)に対応することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記読取り装置(24)が前記ハンドリング装置(22)を割り当てられるか、又は、少なくとも1つの前記モジュール(12~14)内に配置されており、前記モジュール(12~14)は複数のキャリア(1~9)を保管するために構成されていることを特徴とする
請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の方法を実行するための装置であって、対になって標準鉛直距離(A)で側壁から突出する支持要素(21)を具備する少なくとも1つの保管装置(19)と、複数の生物学的細胞培養物又は生物学的細胞培養物の処理のための補助具を担持するキャリア(1~9)と、前記キャリア(1~9)を取り扱うためのハンドリング装置(22)とを有し、前記キャリア(1~9)の各々が情報担体(11)を有し、その情報は、読取り装置(24)により読み取り可能でありかつ前記装置の演算装置(16)により評価可能である、前記装置において、
前記情報が、各前記キャリア(1~9)の前記保管高さ(H
1~H
7)に関するデータを含み、かつ、特にプログラム可能な制御装置(16)が設けられ、前記制御装置は、前記データを用いて前記キャリア(1~9)の取り扱いが行われるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記ハンドリング装置(22)がグリッパ(23)に割り当てられていること、及び/又は、前記読取り装置(24)が前記ハンドリング装置(22)又は前記グリッパ(23)に割り当てられていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の方法を実行するための、又は、請求項9又は10に記載の装置において使用するためのキャリアであって、支持要素(21)上に載置するための底部(10)と、情報担体(11)とを有する、前記キャリアにおいて、
前記情報担体(11)の情報が、各前記キャリアの前記保管高さ(H
1~H
7)についての明示的データを含むことを特徴とするキャリア。
【請求項12】
前記情報が、日付、前記キャリア(1~9)の種類に関するデータ、固有の識別値、向き、及び/又はチェックサム、及び/又は「バッチ番号」、及び/又は高さの値を含むことを特徴とする請求項11に記載のキャリア。
【請求項13】
前記情報担体(11)がバーコードを含み、かつ、前記読取り装置がバーコードスキャナであることを特徴とする請求項9又は10に記載の装置、請求項1~8のいずれかに記載の方法、又は請求項11に記載のキャリア。
【請求項14】
キャリア(1~9)が複数の情報担体(11)を有すること、及び/又は、2つの互いに隣接する側面又は互いに反対側に位置する側面の各々に情報担体(11)を有すること、及び/又は、複数の情報担体(11)を有するキャリア(1~9)の前記情報担体(11)が、各情報担体(11)が取り付けられている側面についての情報をさらに有することを特徴とする請求項9、10又は13に記載の装置、請求項1~8のいずれか又は13に記載の方法、又は請求項11又は13に記載のキャリア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
互いに真上と真下に位置する2つの支持レール21の距離は、標準距離Aを規定する。キャリア4の保管高さH2は、標準距離Aの2倍よりも小さい。キャリア8の保管高さH4は、標準距離の3倍よりも大きいが標準距離Aの4倍よりも小さいため、キャリア8の保管高さH4は4つの空き区画20を占有する。その場合、各区画20は、互いに上下に位置する2つの支持レール21で囲まれた空間により規定される。ボトルを担持するキャリア9は保管高さH7を有し、互いに上下に位置する7つの区画20を占有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
近接センサ25と共に読取り装置24を用いて制御機能を実行することができる。近接センサ25が区画に配置された底部10を検知し、読取り装置24がそこでバーコードを検知した場合、ローカル制御装置16がここにキャリアの下方部分があると認識する。制御装置16は、情報担体11の情報中に保持された高さデータから、底部10の上方における幾つの区画が同じキャリアにより占有されているかを決定する。近接センサ25を用いて、該当する場合か否か、そして情報担体の情報がH1~H7の保管高さに関して正しいか否かがチェックされる。さらに、読取り装置24と近接センサ25の組合せを用いて、1つの区画が空いているか否かを決定する。そのキャリアの保管高さより上方にある本来的な空き区画が空いておらずかつバーコードを担持していない場合、誤った情報担体11を検知することも可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
したがって、本発明は、読取り装置24及び/又は近接センサ25に補助されて又は近接センサ25は用いずに移送口27の鉛直方向の高さを決定し、かつ、必要に応じてそこに配置されたキャリア1~9を取り出してそのキャリア1~9を別の保管装置19又は同じ保管装置19の別の場所に配置することによって移送口27の鉛直方向の高さを増加させることを特徴とする方法に関する。この方法では、先ず、保管モジュール12内に配置されたキャリア1~9の1つを、保管モジュール12から取り出されるべきものとして識別する。その後、読取り装置24を用いてキャリア1~9の保管高さH1~H7を決定する。決定した保管高さH1~H7により、必要な移送口27の鉛直方向の高さを演算する。その後、読取り装置24及び必要に応じて近接センサ25を用いて、移送口27の実際の鉛直方向の高さを決定する。移送口27の実際の鉛直方向の高さが、選択されたキャリア1~9の保管高さH1~H7よりも小さい場合、搬入口26の領域に配置されたキャリア1~9を取り除くことによって移送口27の鉛直方向の高さを増加させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】