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特表2024-510702エアロゾル生成デバイス及びかかるエアロゾル生成デバイスを制御するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス及びかかるエアロゾル生成デバイスを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240304BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240304BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240304BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240304BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545368
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022057399
(87)【国際公開番号】W WO2022200299
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】21164024.8
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD27
(57)【要約】
本発明は、消耗品(12)と共に動作するように設計されたエアロゾル生成デバイス(10)であって、消耗品を受け入れるためのソケット(20)、少なくとも部分的にソケットに隣接して配置されたヒーター(22)であって、消耗品がソケットに受け入れられると、消耗品を加熱するように構成されたヒーター(22)、第1及び第2のセンサ(24A、24B)であって、第1及び第2のセンサの各々は、それぞれソケットの第1の部分(20A)、ソケットの第2の部分(20B)の内部で消耗品を検出し、且つそれぞれ第1のセンサ信号(S24A)、第2のセンサ信号(S24B)を生成するように構成される、第1及び第2のセンサ(24A、24B)、両方のセンサ信号に従ってヒーターの動作を制御するためのコントローラ(26)を含み、各センサは、消耗品がソケットの対応する部分に受け入れられているか又はこの部分から取り出されているとき、回転して可動であるローラー(40A、40B)を含む、エアロゾル生成デバイス(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品(12)と共に動作するように設計されたエアロゾル生成デバイス(10)であって、
- 前記消耗品(12)を受け入れるように構成されたソケット(20)、
- 少なくとも部分的に前記ソケット(20)に隣接して配置されたヒーター(22)であって、前記消耗品(12)が前記ソケット(20)に受け入れられると、前記消耗品(12)を加熱するように構成されたヒーター(22)、
- 少なくとも第1のセンサ(24A)及び第2のセンサ(24B)であって、前記第1のセンサ(24A)及び前記第2のセンサ(24B)の各々は、それぞれ少なくとも前記ソケット(20)の第1の部分(20A)、前記ソケット(20)の第2の部分(20B)の内部で前記消耗品(12)を検出し、且つそれぞれ第1のセンサ信号(S24A)、第2のセンサ信号(S24B)を生成するように構成される、少なくとも第1のセンサ(24A)及び第2のセンサ(24B)、
- 両方のセンサ信号(S24A、S24B)に従って前記ヒーター(22)の動作を制御するように構成されたコントローラ(26)
を含み、各センサ(24A、24B)は、前記消耗品(12)が前記ソケット(20)の前記対応する部分(20A、20B)内に受け入れられているか又は前記部分(20A、20B)から取り出されているとき、回転して可動であるローラー(40A、40B)を含む、エアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項2】
前記ソケット(20)は、ソケット軸(Y)に沿って延在し、前記第2のセンサ(24B)及び前記第1のセンサ(24A)は、前記ソケット軸(Y)に沿って連続的に配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項3】
前記ソケット(20)は、内部壁(30)によって境界を定められ、各センサ(24A、24B)は、前記内部壁(30)に形成されたアパーチャ(30A、30B)内に配置され、且つ前記アパーチャ(30A、30B)から突出する、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項4】
各センサ(24A、24B)は、前記対応するローラー(40A、40B)の回転方向を提供するように構成される、請求項1~3の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項5】
前記コントローラ(26)は、前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々に応じた制御ロジック(39;139)に従い、前記ヒーター(22)の動作を制御するように構成される、請求項1~4の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項6】
前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々は、前記対応するローラー(40A、40B)の前記回転方向が、前記ソケット(20)の前記対応する部分(20A、20B)における前記消耗品(12)の挿入方向に対応する場合に正((+))であり、前記対応するローラー(40A、40B)の前記回転方向が、前記ソケット(20)の前記対応する部分(20A、20B)からの前記消耗品(12)の取り出し方向に対応する場合に負((-))であり、且つそれ以外の場合にヌル((0))である、請求項4との組み合わせにおける請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項7】
前記制御ロジック(39;139)は、前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々が正(+)である場合、前記ヒーター(22)の動作を作動させることを含む、請求項6に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項8】
前記制御ロジック(39;139)は、前記第1のセンサ信号(S24A)が正((+))であり、及び前記第2の信号(S24B)がヌル((0))である場合又は前記第1のセンサ信号(S24A)が負((-))であり、及び前記第2のセンサ信号(S24B)が負((-))である場合、前記ヒーター(22)の現在の状態を維持することを含む、請求項6又は7に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項9】
前記制御ロジック(39)は、前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々が、正((+))であった後にヌル((0))である場合、前記ヒーター(22)の現在の状態を維持することを含む、請求項6~8の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項10】
前記制御ロジック(39)は、前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々が、負((-))であった後にヌル((0))である場合、前記ヒーター(22)の動作を停止させることを含む、請求項6~9の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項11】
前記制御ロジック(39)は、前記第1のセンサ信号(S24A)が負((-))であり、及び前記第2の信号がヌル((0))である場合、前記ヒーター(22)の現在の状態を維持することを含む、請求項6~10の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項12】
前記制御ロジック(139)は、前記第1のセンサ信号(S24A)が負((-))であり、及び前記第2のセンサ信号(S24B)がヌル((0))である場合、前記ヒーター(22)の動作を停止させることを含む、請求項6~8の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項13】
前記制御ロジック(139)は、前記第1のセンサ信号(S24A)及び前記第2のセンサ信号(S24B)の各々がヌル((0))である場合、前記ヒーター(22)の現在の状態を維持することを含む、請求項12に記載のエアロゾル生成デバイス(10)。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(10)を制御するための制御方法であって、両方のセンサ信号(S24A、S24B)に従って前記ヒーター(22)の動作を制御することを含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成デバイスに関する。
【0002】
本発明は、かかるエアロゾル生成デバイスを制御するための制御方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
当技術分野で知られている幾つかのエアロゾル生成デバイスは、たばこ物品、特に紙巻たばこなどの消耗品を受け入れるのに適した部分を含む。この場合、これらのデバイスは、一般に、消耗品を燃焼させることなく加熱するように適合され、従って、通常、「加熱非燃焼式」デバイスと呼ばれる。これらのデバイスは、一般に、消耗品を加熱するためのヒーターを含む。従って、消耗品から生成されるエアロゾルは、消耗品を加熱することにより生成され、消耗品の口部分を通してユーザに送達される。
【0004】
これらの既知のデバイスは、例えば、トリガーによって制御することができる可変の期間にわたってヒーターシステムを作動させることにより、可変量のエアロゾル(定量のエアロゾルとは対照的に)を生成するように適合され得る。トリガーは、吸入ボタンがユーザにより始動されるように適合されること又は圧力センサがデバイス内部の空気流を検出するとヒーターを作動させることからなり得る。
【0005】
しかしながら、ヒーターを作動及び/又は停止させるためにそのような吸入ボタン又は圧力センサを使用すると、一部のユーザにとってヒーターの動作制御が複雑になり、且つ/又は吸入ボタン若しくは圧力センサの不適切な使用によりヒーターの電力消費が過剰になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、ユーザが制御しやすい、消耗品と共に動作するように設計されたエアロゾル生成デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、消耗品と共に動作するように設計されたエアロゾル生成デバイスであって、
- 消耗品を受け入れるように構成されたソケット、
- 少なくとも部分的にソケットに隣接して配置されたヒーターであって、消耗品がソケットに受け入れられると、消耗品を加熱するように構成されたヒーター、
- 少なくとも第1のセンサ及び第2のセンサであって、第1のセンサ及び第2のセンサの各々は、それぞれ少なくともソケットの第1の部分、ソケットの第2の部分の内部で消耗品を検出し、且つそれぞれ第1のセンサ信号、第2のセンサ信号を生成するように構成される、少なくとも第1のセンサ及び第2のセンサ、
- 両方のセンサ信号に従ってヒーターの動作を制御するように構成されたコントローラ
を含み、各センサは、消耗品がソケットの対応する部分に受け入れられている又はこの部分から取り出されているとき、回転して可動であるローラーを含む、エアロゾル生成デバイスに関する。
【0008】
本発明のこれらの特徴のため、ソケット内の消耗品の位置に従ってヒーターの動作を制御することが可能になる。従って、ソケット内の消耗品の位置により、ヒーターの動作モードを決定することができる。更に、ソケットの2つの異なる部分内で消耗品を検出するように構成された2つのセンサを使用すると、ソケットの特定の部分内での消耗品の検出又は非検出に基づいてヒーターの動作を制御することが可能になる。従って、デバイスの動作の制御がユーザにとってより直観的且つ容易になり、なぜなら、ユーザは、吸入ボタンを含む既存の解決策と比べて、ソケット内の消耗品の位置を視覚化することができるためである。
【0009】
更に、回転して可動であるローラーを含むセンサを使用すると、エアロゾル生成デバイスの構造を簡素にすることができる。従って、ローラーを使用すると、ヒーターの正確な制御を得る一方、エアロゾル生成デバイスの製造コストを抑えることが可能になる。更に、ローラーは、ヒーターの動作を制御するために容易に処理され得る制御信号を生成することを可能にする。
【0010】
幾つかの実施形態によれば、ソケットは、ソケット軸に沿って延在し、第2のセンサ及び第1のセンサは、ソケット軸に沿って連続的に配置される。
【0011】
これらの特徴のため、ヒーターの動作は、ソケット軸に沿った消耗品の挿入位置又は取り出し位置に依存して制御される。
【0012】
幾つかの実施形態によれば、ソケットは、内部壁によって境界を定められ、各センサは、内部壁に形成されたアパーチャ内に配置され、且つこのアパーチャから突出する。
【0013】
幾つかの実施形態によれば、各センサは、対応するローラーの回転方向を提供するように構成される。
【0014】
これらの特徴のため、ヒーターの動作は、消耗品の挿入方向又は取り出し方向に基づいて制御される。
【0015】
幾つかの実施形態によれば、コントローラは、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々に依存する制御ロジックに従い、ヒーターの動作を制御するように構成される。
【0016】
これらの特徴のため、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号に基づいてヒーターの作動及び停止のタイミングを予め決定することが可能になる。
【0017】
幾つかの実施形態によれば、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々は、対応するローラーの回転方向が、ソケットの対応する部分における消耗品の挿入方向に対応する場合に正であり、対応するローラーの回転方向が、ソケットの対応する部分からの消耗品の取り出し方向に対応する場合に負であり、且つそれ以外の場合にヌルである。
【0018】
これらの特徴のため、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号は、消耗品のソケット内への挿入方向又はソケットからの取り出し方向を表す。従って、ヒーターの動作は、消耗品の挿入方向及び取り出し方向のうち、消耗品の移動方向に依存して制御される。
【0019】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々が正である場合、ヒーターの動作を作動させることを含む。
【0020】
これらの特徴のため、消耗品が挿入されており、且つヒーターの第1の部分及び第2の部分の両方の内部に既にある場合にのみヒーターが作動される。更に、第2のセンサ及び第1のセンサがソケット軸に沿って連続的に配置される場合、消耗品がソケット内に十分に挿入されると、ヒーターが作動される。これにより、ヒーターの時宜を得ない作動が防止される。これらの特徴により、ソケットの内部に消耗品が部分的に挿入された後、ユーザが最終的に蒸気を吸入しないことを決定した場合、不要に電力を消費することも防止される。
【0021】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号が正であり、及び第2の信号がヌルである場合又は第1のセンサ信号が負であり、及び第2のセンサ信号が負である場合、ヒーターの現在の状態を維持することを含む。
【0022】
第1のセンサ信号が正であり、及び第2のセンサ信号がヌルである場合、消耗品は、挿入されており、且つソケットの第1の部分内でのみ検出される。この状況では、制御ロジックは、消耗品がソケットの第2の部分内で検出されない場合、ヒーターの作動を回避することができる。制御ロジックのこの構成では、コントローラによって行われるアクションはない。従って、ヒーターの時期尚早の作動及びヒーターに供給される電力供給の無駄を防ぐことができる。
【0023】
第1のセンサ信号が負であり、及び第2の信号が負である場合、消耗品は、取り出されており、且つソケットの第1の部分及び第2の部分の両方の内部で検出される。この状況では、ヒーターの現在の状態を維持することを含む制御ロジックは、例えば、消耗品が取り出されている間、ヒーターの作動状態を維持することを可能にする。制御ロジックのこの構成では、コントローラによって行われるアクションはない。これらの特徴のため、ヒーターの時期尚早の停止を防ぐことができる。
【0024】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々が正であった後にヌルである場合、ヒーターの現在の状態を維持することを含む。
【0025】
これらの特徴のため、消耗品がソケットの第1の部分及び第2の部分の両方の内部で検出される場合、ヒーターの作動が維持される。制御ロジックのこの構成では、コントローラによって行われるアクションはない。
【0026】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々が負であった後にヌルである場合、ヒーターの動作を停止させることを含む。
【0027】
これらの特徴のため、消耗品がソケットの第1の部分及び第2の部分の両方から取り出される場合、ヒーターが停止される。更に、第2のセンサ及び第1のセンサがソケット軸に沿って連続的に配置される場合、消耗品がソケットから十分に取り出されると、ヒーターが停止される。これらの特徴により、ユーザが蒸気の吸入を停止するつもりであることを確実にすることが可能になる。これにより、ユーザが、蒸気の吸入を続けるつもりである一方、意図せず消耗品を取り出し方向に動かす間、時期尚早にヒーターが停止することが防止される。従って、これらの特徴により、ヒーターの時宜を得ない停止及び作動に起因するヒーターの電力消費を低減することも可能になる。
【0028】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号が負であり、及び第2の信号がヌルである場合、ヒーターの現在の状態を維持することを含む。
【0029】
これらの特徴のため、消耗品がソケットから取り出されており、且つソケットの第1の部分内でのみ検出される場合、ヒーターの現在の状態が維持される。従って、消耗品がソケットから取り出されているが、依然としてソケットの第1の部分内で検出される場合、ヒーターの作動状態を維持することが可能である。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号が負であり、及び第2の信号がヌルである場合、ヒーターの動作を停止させることを含む。
【0031】
換言すると、消耗品がソケットから取り出されており、且つソケットの第1の部分内でのみ検出される場合、ヒーターの動作が停止される。
【0032】
幾つかの実施形態によれば、制御ロジックは、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の各々がヌルである場合、ヒーターの現在の状態を維持することを含む。
【0033】
換言すると、第1及び第2のセンサの各ローラーが回転しない(即ち静止している)場合、コントローラによって行われるアクションはない。
【0034】
本発明は、上記で定義したようなエアロゾル生成デバイスを制御するための制御方法であって、両方のセンサ信号に従ってヒーターの動作を制御することを含む制御方法にも関する。
【0035】
本発明及びその利点は、非限定的な例としてのみ挙げられ添付の図面を参照して記述される以下の説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】消耗品がデバイス内に挿入された状態のエアロゾル生成デバイスの概略断面図である。
図2図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットへの消耗品の挿入中の消耗品の異なる位置を示す。
図3図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットへの消耗品の挿入中の消耗品の異なる位置を示す。
図4図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットへの消耗品の挿入中の消耗品の異なる位置を示す。
図5図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットからの消耗品の取り出し中の消耗品の異なる位置を示す。
図6図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットからの消耗品の取り出し中の消耗品の異なる位置を示す。
図7図1のエアロゾル生成デバイスの概略断面図であり、ソケットからの消耗品の取り出し中の消耗品の異なる位置を示す。
図8図1のエアロゾル生成デバイスのヒーターの動作を制御するための制御ロジックの一例を示す表である。
図9図1のエアロゾル生成デバイスのヒーターの動作を制御するための制御ロジックの別の例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明について説明する前に、本発明は、以下の説明で記述される構造の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明が、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行され得ることは、本開示の利益を享受する当業者に明らかであろう。
【0038】
本明細書中で用いる場合、「エアロゾル生成デバイス」又は「デバイス」という用語は、デバイス内に受け入れられた少なくとも1つの消耗品から発生するエアロゾルをユーザに送達するように構成された吸入デバイスを含み得る。デバイスは、可搬であり得る。「可搬」とは、デバイスが、ユーザがそれを保持するときに使用するようになっていることを指し得る。デバイスは、消耗品がエアロゾル生成デバイスのソケットに受け入れられるときに消耗品を加熱するように構成されたヒーターを作動させることにより、ある量のエアロゾルを発生させるように適合され得る。
【0039】
本明細書中で用いる場合、「コントローラ」という用語は、ヒーターの動作を制御するように構成されたエアロゾル生成デバイスの構成要素を指す。ヒーターの動作は、ヒーターの作動、停止及び現在の状態の維持を含み得る。コントローラは、ヒーターの動作を制御するためにヒーターに信号を送るように構成され得る。コントローラは、ヒーターの温度、及び/又は気化性材料の加熱温度、及び/又はたばこ物品の加熱温度を特定の目標温度まで駆動し、その後、エアロゾルの効率的な生成を可能にするその目標温度で温度を維持する温度調節制御部も含み得る。
【0040】
本明細書中で用いる場合、「消耗品」という用語は、消耗品を指し得、気化性材料を含むカプセル、スティック又は既製の紙巻たばこであり得る。
【0041】
本明細書中で用いる場合、「気化性材料」、又は「前駆体」、又は「エアロゾル形成物質」、又は「物質」という用語は、エアロゾルを形成するように空気中で気化可能な任意の材料を指定するために用いられる。気化は、一般に、400℃未満、好ましくは350℃までの温度等の気化性材料の沸点までの温度上昇によって得られる。気化性材料は、例えば、エアロゾル発生液、ゲル、ワックス、発泡体等、エアロゾル発生固体であって、ロッドの形態であり得、加工済たばこ材料、再構成たばこ(RTB)の圧着シート若しくは配向ストリップ又はこれらの任意の組み合わせを含むエアロゾル発生固体を含むか又はそれからなり得る。気化性材料は、ニコチン、カフェイン又は他の有効成分の1つ以上を含み得る。有効成分は、液体であり得る担体によって運ばれ得る。担体は、プロピレングリコール又はグリセリンを含み得る。香料も含まれ得る。香料は、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナ油)又は類似物を含み得る。
【0042】
本明細書中で用いる場合、「エアロゾル」という用語は、固体粒子、液滴、気体の1つ以上の懸濁液を含み得る。前記懸濁液は、空気を含む気体の状態であり得る。本明細書のエアロゾルは、一般に、蒸気を指すか又は蒸気を含み得る。エアロゾルは、消耗品によって形成され得、且つ消耗品の1つ又は複数の成分を含み得る。エアロゾルは、エアロゾル生成デバイスのユーザにより、消耗品の口部を通して吸入され得る。
本発明の第1の実施形態
本発明の第1の実施形態によるエアロゾル生成デバイス10を図1図7に示す。エアロゾル生成デバイス10は、消耗品12と共に動作するように設計される。
【0043】
図1図7に示す特定の例では、消耗品12は、円形又は楕円形の断面を有する円筒形状のスティックである。スティックは、69mm~100mmに含まれる長さと、5mm~8mmに含まれる直径とを有し得る。変形形態として、消耗品12は、異なる形状を有し得る。例えば、スティックは、既製の紙巻たばこである。別の例によれば、スティックは、矩形の断面を有する平坦な形状のスティックを呈する。消耗品12は、ユーザの口/唇と接触するように設計されたフィルタ部と、気化性材料を貯蔵するように設計された貯蔵部とを有し得る。貯蔵部は、以下で更に詳細に説明するように、デバイス10のヒーターによって加熱されるように設計される。貯蔵部の加熱温度は、例えば、400℃未満であり、好ましくは200℃~390℃に含まれる。有利には、加熱温度は、実質的に350℃に等しい。より一般的には、加熱温度は、気化性材料を燃やすのではなく、加熱するのみであるように選択される。
【0044】
エアロゾル生成デバイス10について、図1を参照して以下で説明する。
【0045】
エアロゾル生成デバイス10は、以下で「デバイス軸X」と呼ばれる軸Xに沿って延在する。以下の説明では、「長さ」という用語は、デバイス軸Xに沿って測定されたエアロゾル生成要素の寸法を指す。
【0046】
エアロゾル生成デバイス10は、外側ケーシング14と、外側ケーシング14内に配置された内部構成要素とを含む。外側ケーシング14は、内部容積16の範囲を定め、且つデバイス軸Xに沿って延在する側面18を含む。側面18は、例えば、滑らかな表面を呈し得る。
【0047】
エアロゾル生成デバイス10の内部構成要素は、消耗品12を受け入れるように構成されたソケット20と、消耗品12がソケット20に受け入れられるときに消耗品12を加熱するように構成されたヒーター22とを含む。内部構成要素は、少なくとも、それぞれソケット20の第1の部分20A、ソケット20の第2の部分20Bの内部で消耗品12を検出するように構成された少なくとも第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bと、ヒーター22の動作を制御するように構成されたコントローラ26と、デバイス10に給電するためのバッテリー28とを更に含む。
【0048】
エアロゾル生成デバイス10は、デバイスの異なる機能を実行する他の構成要素を更に含み得る。これらの他の構成要素自体は、公知であり、以下で更に詳細に説明しない。
【0049】
バッテリー28は、例えば、外部充電器を備える電源を用いて充電され、所定の電圧の直流電流を供給するように設計された公知のバッテリーである。バッテリー28は、例えば、ヒーター22及びコントローラ26に電力を供給するように構成される。
【0050】
ソケット20は、消耗品12を受け入れるように構成される。ソケット20は、ソケット軸に沿って延在する。図1に示した例では、ソケット軸は、デバイス軸Xと一致する。ソケット軸は、以降では「ソケット軸Y」と呼ばれる。ソケット20は、内部壁30によって境界を定められる。内部壁30は、側部32及び底部34を含む。側部32は、環状の形状を有し得る。底部34は、ソケット軸Yと実質的に垂直であり得る。内部壁30及び底部34は、受け入れ穴36を画定する。ソケット軸Yに沿ったソケット20の一方の端部では、受け入れ穴36は、挿入開口部37によりエアロゾル生成デバイス10の外部に開いており、ソケット軸Yに沿ったソケット20の他方の端部では、受け入れ穴36は、底部34によって閉じられている。例えば、ソケット軸Yは、ソケット20の底部34から挿入開口部37に向かう方向に向けられる。受け入れ穴36は、消耗品12の形状に適合した形状を有し得る。受け入れ穴36の長さは、例えば、消耗品12が図1に示すようにソケット20に挿入されたとき、消耗品12の口部が受け入れ穴36から突出するように消耗品12の長さよりも短い。
【0051】
第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bのそれぞれのために、ソケット20の内部壁30は、以降でそれぞれ「第1のソケットアパーチャ30A」及び「第2のソケットアパーチャ30B」と呼ばれるアパーチャを含む。有利には、第1のソケットアパーチャ30A及び第2のソケットアパーチャ30Bは、内部壁30の側部32内に形成される。各ソケットアパーチャ30A、30Bは、貫通アパーチャであり得る。第1のソケットアパーチャ30A及び第2のソケットアパーチャ30Bは、ソケット軸Yに沿って互いからある距離にある。図1に示す例によれば、第1のソケットアパーチャ30Aは、ソケット20の第1の半分内に形成され、第2のソケットアパーチャ30Bは、ソケット20の第2の半分内に形成される。ソケット20の第1の半分及びソケット20の第2の半分は、それぞれソケット20の中央平面の一方の側及び他方の側に画定される。ソケット20の中央平面は、ソケット軸Yに実質的に垂直であり、ソケット20を、実質的に同じ長さを有する実質的に2つの部分に切断する。図1に示す例では、第1のソケットアパーチャ30Aは、ソケット軸Yに沿って第2のソケットアパーチャ30Bの上にある。
【0052】
図1に示すように、ヒーター22は、ソケット20に少なくとも部分的に隣接する。特に、ヒーター22はソケット20を取り囲んでいる。より正確には、ヒーター22は、ソケット20の内部壁30に少なくとも部分的に隣接する。ヒーター22は、少なくとも1つの加熱部で作られ得る。一例によれば、ヒーター22は、独自の加熱部を含み得る。変形形態によれば、ヒーター22は、複数の加熱部を含み得る。この場合、複数の加熱部は、受け入れ穴36に沿って、即ちソケット軸Yに沿って連続的に配置され得る。その1つの加熱部又は各加熱部は、環状の形状を有し得る。ソケット軸Yに垂直な断面において、その1つの加熱部又は各加熱部は、内部壁30の形状、特に内部壁30の側部32の形状に適合した形状を有し得る。一例として、その1つの加熱部又は各加熱部の前記形状は、円形である。その1つの加熱部又は各加熱部は、熱伝達に適した加熱フィルムで作られ得る。加熱フィルムは、可撓性の材料で作られ得る。変形形態によれば、その1つの加熱部又は各加熱部は、金属又は熱伝達に適した他の任意の材料で作られ得る。
【0053】
他の実施形態によれば、ヒーター22は、ソケット20の内部壁30内、特に側部32内及び/又はこの壁30の底部34内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0054】
本発明の特定の例によれば、ヒーター22は、カップ状のヒーターである。
【0055】
図1の例では、第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bのそれぞれのために、ヒーター22は、以降で「第1のヒーター開口部22A」及び「第2のヒーター開口部22B」と呼ばれる開口部を画定する。各ヒーター開口部22A、22Bは、貫通開口部であり得る。第1のヒーター開口部22A及び第2のヒーター開口部22Bは、それぞれ第1のソケットアパーチャ30A及び第2のソケットアパーチャ30Bに面する。第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの各々は、対応するヒーター開口部22A、22Bから突出する。図1に示した特定の例では、ヒーター22は、独自の加熱部38を有する。
【0056】
ヒーター22は、消耗品12をある加熱温度で加熱するように構成される。
【0057】
それぞれ第1のセンサ24A、第2のセンサ24Bは、それぞれソケット20の第1の部分20A、ソケット20の第2の部分20Bの内部で消耗品12を検出し、それぞれ第1のセンサ信号S24A、第2のセンサ信号S24Bを生成するように構成される。本発明の例によれば、ソケット20の第1の部分20Aは、第1のソケットアパーチャ30Aの正面に配置された受け入れ穴36の部分に対応し、ソケット20の第2の部分20Bは、第2のソケットアパーチャ30Bの正面に配置された受け入れ穴36の部分に対応する。図1に示した特定の例では、エアロゾル生成デバイス10は、2つのセンサを含む。しかしながら、一般的に、センサの数は、3つ以上であり得る。この場合、各センサは、ソケット20のそれぞれの部分の内部で消耗品12を検出するように構成される。
【0058】
有利には、第2のセンサ24B及び第1のセンサ24Aは、ソケット軸Yに沿って連続的に配置される。特に、第1のセンサ24Aは、第2のセンサ24Bよりも受け入れ穴36の挿入開口部37の近くに配置される。第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの各々は、対応するソケットアパーチャ30A、30Bから突出する。換言すると、第1のセンサ24Aは、ソケット軸Yに沿って第2のセンサ24Bの上にある。従って、消耗品12がソケット20内に挿入されると、第1のセンサ24Aがまず消耗品12を検出するように構成され、第2のセンサ24Bは、第1のセンサ24A後に消耗品12を検出するように構成される。第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの各々は、対応するソケットアパーチャ30A、30B内に配置され、且つこのソケットアパーチャ30A、30Bから突出する。更に、第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの各々は、対応するヒーター開口部22A、22B内に配置され、且つこのヒーター開口部22A、22Bから突出する。第1のセンサ24Aは、ソケット20の第1の半分と交差し、第2のセンサ24Bは、ソケット20の第2の半分と交差する。
【0059】
第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの各々は、消耗品12がソケット20の対応する部分20A、20B内に受け入れられているか又はこの部分20A、20Bから取り出されているとき、回転して可動であるローラー40A、40Bを含む。ローラー40A、40Bは、以降では、それぞれ「第1のローラー40A」及び「第2のローラー40B」と呼ばれる。各ローラー40A、40Bは、ソケット軸Yに垂直な回転軸に沿って回転して可動である。消耗品12がソケット20内に挿入されており、且つソケット20から取り出されている間、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bの各々の接触部分が、消耗品12と接触するように構成されるように、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bは、対応するソケットアパーチャ30A、30B内に配置される。特に、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bの各々は、消耗品12がソケット20内に挿入されているか又はソケット20から取り出されている間、消耗品12によって回転されるように構成される。
【0060】
第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、対応するローラー40A、40Bの回転方向を提供するように構成される。例えば、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、対応するローラー40A、40Bの回転方向が、ソケット20の対応する部分20A、20Bにおける消耗品12の挿入方向に対応する場合に正(+)であり得る電圧信号であり得る。挿入方向は、ソケット軸Yと平行である。同じ例によると、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、対応するローラー40A、40Bの回転方向が、ソケット20の対応する部分20A、20Bからの消耗品12の取り出し方向に対応する場合に負(-)であり得る。取り出し方向は、ソケット軸Yと平行である。従って、図1及び図2に示すように、同じ例によると、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、対応するローラー40A、40Bが動いていない場合にヌル(0)である(即ちセンサが信号を生成しない)。図3及び図4に示すように、ソケット20内への消耗品12の挿入方向は、対応するローラー40A、40Bの三角法の回転方向に対応し、図5及び図6に示すように、ソケット20からの消耗品12の取り出し方向は、対応するローラー40A、40Bの逆三角法の回転方向に対応する。別の実施形態によれば、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、対応するローラー40A、40Bが動いていないときに所定の値に等しく、対応するローラー40A、40Bがそれぞれ消耗品12の挿入方向又は取り出し方向に回転しているときにこの値を上回るか又は下回り得る。当然のことながら、対応するローラー40A、40Bの回転方向を符号化するためには、他の多くの形態及び種類の信号が可能である。
【0061】
コントローラ26は、それぞれ第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bによって生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの両方に従ってヒーター22の動作を制御するように適合される。より一般的には、コントローラ26は、それぞれ第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bによって生成される第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bに依存する制御ロジック39に従い、ヒーター22の動作を制御するように構成される。換言すると、制御ロジック39は、対応するセンサ24A、24Bによって生成される現在の第1のセンサ信号S24A及び現在の第2のセンサ信号S24Bに依存する。制御ロジック39は、以前の第1のセンサ信号及び以前の第2のセンサ信号にも依存し得る。以前の第1のセンサ信号及び以前の第2のセンサ信号とは、それぞれ現在の第1のセンサ信号S24A及び現在の第2のセンサ信号S24Bの直前に生成された第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号に対応する。
【0062】
コントローラ26は、ヒーター22に制御信号を送って、制御ロジック39に従ってヒーター22を制御するように構成される。以降では、制御信号は、「作動制御信号AS」、「停止制御信号DS」及び「ヌル制御信号NS」と呼ばれる。有利には、ヌル制御信号NSは、コントローラ26によって信号が送信されないことに対応する。
【0063】
図1に示すように、コントローラ26は、制御ロジック39を記憶するように構成された不揮発性部分42Aを含み得るメモリ42を含み得る。制御ロジック39は、エアロゾル生成デバイス10のサービスセンターにおいて又はエアロゾル生成デバイス10の製造中に定義され得る。一部の例では、制御ロジック39は、例えば、スマートフォンなどの外部デバイスを使用して、ユーザによって定義されるか又は変更され得る。一部の実施形態では、メモリ42は、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bを時間に沿って記憶するように構成された揮発性部分42B(RAMなど)を更に含み得る。特に、メモリ42のこの部分42Bは、第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの回転方向を時間に沿って記憶し、即ち第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bが正(+)であるか、負(-)であるか又はヌル(0)であるかを記憶するように適合され得る。特定の例として、メモリ42の揮発性部分42Bは、現在の第1のセンサ信号S24A及び現在の第2のセンサ信号S24B、少なくとも以前の第1のセンサ信号S24A及び少なくとも以前の第2のセンサ信号S24Bを記憶するように構成される。従って、メモリ42は、ダブルバッファメモリを呈し得る。
【0064】
ここで、第1の実施形態によるエアロゾル生成デバイス10を制御するための制御方法について説明する。
【0065】
この制御方法は、第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bの両方に従ってヒーター22の動作を制御することを含む。
【0066】
初めに、消耗品12がソケット20から取り出され、エアロゾル生成デバイス10が停止されるものとする。エアロゾル生成デバイス10が停止されるとき、第1の信号センサS24A及びS24Bは、ヌル(0)である。換言すると、第1及び第2のセンサ24A及び24Bによって信号が生成されない。更に、エアロゾル生成デバイス10が停止されるとき、コントローラ26は、ヒーター22にヌル制御信号NSを送る(即ちコントローラ26によってヒーター22に信号が送られない)。
【0067】
次いで、ユーザは、図2に示すように、ソケット20に消耗品12を挿入し始める。消耗品12をソケット20の第1の部分20A内で検出すると、コントローラ26は、制御ロジック39に従ってヒーター22を操作する。図3及び図4は、挿入中の消耗品12の後続の位置を示す。
【0068】
特に、図3を参照すると、消耗品12は、ソケット20内に挿入されており、且つソケット20の第1の部分20Aを既に通過している。挿入中、第1のセンサ24Aの第1のローラー40Aは、ソケット20内への消耗品12の挿入に対応した方向に回転して動き、第2のローラー40Bは、静止している。従って、第1のセンサ24Aは、ソケット20の第1の部分20A内で消耗品12を検出する。一方、第2のセンサ24Bは、ソケット20の第2の部分20B内で消耗品12を検出しない。生成される第1のセンサ信号S24Aは正(+)であり、第2のセンサ信号S24Bはヌル(0)である。生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、コントローラ26に送られる。図8を参照すると、この場合、第1のセンサ信号S24Aは、正(+)であり、第2のセンサ信号S24Bは、ヌル(0)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の現在の状態を維持することを含む。この場合、ヒーター22の現在の状態は、ヒーター22の停止である。制御ロジック39に従い、コントローラ26は、ヒーター22に制御信号を送らず(即ちヌル制御信号NS)、従ってヒーター22の停止を維持する。
【0069】
図4を参照すると、消耗品12は、ソケット20内に挿入されており、且つ両方の部分20A、20Bを既に通過している。挿入中、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bの両方は、ソケット20内への消耗品12の挿入に対応する方向に回転して可動である。従って、消耗品12は、ソケット20の第1の部分20A及び第2の部分20Bの両方の内部で第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bによって検出される。生成される第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、両方とも正(+)である。生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、コントローラ26に送られる。図8を参照すると、第1のセンサ信号S24Aと第2のセンサ信号S24Bの各々が正(+)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の動作を作動させることを含む。従って、制御ロジック39に従い、コントローラ26は、作動制御信号ASをヒーター22に送り、従ってヒーター22を作動させる。
【0070】
図1に示すように、消耗品12がソケット20の底部34に当接すると、ユーザは消耗品12の挿入を終える。この位置では、消耗品12を、蒸気を吸入するために使用することができる。
【0071】
吸入中、消耗品12は、図1に示すように静止し得る。従って、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、両方ともヌル(0)であり得る。図8を参照すると、この場合、第1のセンサ信号S24Aと第2のセンサ信号S24Bの各々は、正(+)であった後にヌル(0)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の現在の状態を維持することを含む。この場合、ヒーター22の現在の状態は、ヒーター22の作動状態である。従って、制御ロジック39に基づいて、コントローラ26は、ヒーター22に制御信号を送らず(即ちヌル制御信号NS)、従ってヒーター22の作動を維持する。
【0072】
図5に示すように、ユーザが消耗品12をソケット20から取り出し始めると、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bは、ソケット20からの消耗品12の取り出しに対応する方向に回転して可動である。従って、消耗品12は、ソケット20の第1の部分20A及び第2の部分20Bの両方の内部で第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bによって検出される。第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、負(-)である。生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、コントローラ26に送られる。図8を参照すると、第1のセンサ信号S24Aは負(-)であり、第2のセンサ信号S24Bは負(-)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の現在の状態を維持することを含む。この場合、ヒーター22の現在の状態は、ヒーター22の作動状態である。制御ロジック39に基づいて、コントローラ26は、ヒーター22に制御信号を送らず(即ちヌル制御信号NS)、従ってヒーター22の作動を維持する。
【0073】
図6に示すように、ユーザが消耗品12をソケット20から取り出し続けると、第1のローラー40Aは、ソケット20からの消耗品12の取り出し方向に対応する方向に回転して可動であり、第2のローラー40Bは、静止している。従って、第1のセンサ24Aは、ソケット20の第1の部分20A内で消耗品12を検出する。一方、第2のセンサ24Bは、ソケット20の第2の部分20B内で消耗品12を検出しない。第1のセンサ信号S24Aは、ヌル(0)であり、第2のセンサ信号S24Bは、負(-)である。生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、コントローラ26に送られる。図8を参照すると、第1のセンサ信号S24Aは負(-)であり、第2のセンサ信号S24Bはヌル(0)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の現在の状態を維持することを含む。この場合、ヒーター22の現在の状態は、ヒーター22の作動状態である。制御ロジック39に基づいて、コントローラ26は、ヒーター22に制御信号を送らず(即ちヌル制御信号NS)、従ってヒーター22の作動を維持する。
【0074】
消耗品12がソケット20から取り出され、第1のローラー40A及び第2のローラー40Bが静止すると、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、負(-)であった後にヌル(0)である。第1のセンサ24A及び第2のセンサ24Bは、ソケット20の第1の部分20A及び第2の部分20B内で消耗品12を検出しない。生成された第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bは、コントローラ26に送られる。図8を参照すると、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bの各々は、負(-)であった後にヌル(0)であるため、制御ロジック39は、ヒーター22の動作を停止させることを含む。制御ロジック39に基づいて、コントローラ26は、ヒーター22に停止制御信号DSを送り、従って、ヒーター22を停止させる。
本発明の第2の実施形態
本発明の第2の実施形態によるエアロゾル生成デバイスについて以下で説明する。
【0075】
第2の実施形態によるエアロゾル生成デバイスは、本発明の第1の実施形態によるエアロゾル生成デバイス10と同じ内部構成要素を含む。これらの内部構成要素について以下で更に詳細に説明しない。
【0076】
第2の実施形態によるエアロゾル生成デバイスは、制御ロジック39及びメモリ42のみが第1の実施形態のエアロゾル生成デバイス10と異なる。
【0077】
特に、第2の実施形態によるエアロゾル生成デバイスのコントローラは、図9を参照してより詳細に説明する制御ロジック139に従い、このデバイスのヒーターを制御するように構成される。
【0078】
制御ロジック139は、第1のセンサ信号S24Aが負(-)であり、第2のセンサ信号S24Bがヌル(0)である場合、ヒーターの動作の動作を停止させることを含む点で第1の実施形態の制御ロジック39と異なる。
【0079】
更に、第2の実施形態による制御ロジック139は、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bがヌル(0)である場合、ヒーターの現在の状態を維持することを含む点で第1の実施形態の制御ロジック39と異なる。制御ロジック139のこの構成は、第1のセンサ及び第2のセンサの各ローラーが回転しない状況に対応する。
【0080】
第2の実施形態によるメモリは、不揮発性部分42Aのみを含み得る。換言すると、第2の実施形態によるメモリは、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bを時間に沿って記憶するように構成される不揮発性部分42Bを含まなくてもよい。実際、エアロゾル生成デバイスの第2の実施形態では、制御ロジック139は、以前の第1のセンサ信号及び/又は以前の第2のセンサ信号に依存しない。
【0081】
エアロゾル生成デバイスのこの制御方法は、消耗品がソケットから取り出されており、且つソケットの第1の部分内でのみ検出される場合、制御ロジック139がヒーターを停止させることを含む点で第1の実施形態の制御方法と異なる。制御ロジック139に従い、コントローラは、ヒーターに停止制御信号DSを送り、従ってヒーターを停止させる。
【0082】
更に、エアロゾル生成デバイスのこの制御方法は、第1のセンサ信号S24A及び第2のセンサ信号S24Bがヌル(0)である場合、制御ロジック139がヒーターの現在の状態を維持することを含む点で第1の実施形態の制御方法と異なる。従って、現在の状態がヒーターの作動状態である場合、コントローラは、ヒーターの作動を制御する。逆に、ヒーターの現在の状態がヒーターの停止状態である場合、コントローラは、ヒーターの停止を制御する。制御ロジック139に従い、コントローラは、ヒーターに制御信号を送らず(即ちヌル制御信号NS)、従ってヒーターの作動又は停止を維持する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】